(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、プログラムおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230720BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022057188
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2022-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】521479275
【氏名又は名称】株式会社colmo design plus i
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村井 孝行
【審査官】小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-111372(JP,A)
【文献】特開2007-133461(JP,A)
【文献】特開2016-177735(JP,A)
【文献】特開2018-018263(JP,A)
【文献】特開2005-321986(JP,A)
【文献】特表2018-526739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実施する方法であって、
前記情報処理装置は、
髪または頭皮の特徴と、前記特徴を有した髪または頭皮に施される施術の種類を含む複数の組を格納する情報格納手段と、
各前記複数の組に紐付け
て、当該組に含まれる種類の施術を客に推奨するための複数のトークスクリプトと、各前記複数のトークスクリプトを評価する評価値を格納するトーク格納手段と、を備え、
前記トークスクリプトは、美容室または理容室の施術者が、当該トークスクリプトが紐付けられた前記組に含まれる種類の施術を客に推奨するためのトークスクリプトを示し、
前記方法は、
客の髪または頭皮の特徴に基づき、前記情報格納手段において、当該特徴が含まれる1つ以上の組を特定するステップと、
特定された各前記1つ以上の組に基づき、当該組に紐付けられた前記
複数のトークスクリプトを、前記トーク格納手段から検索するステップと、
特定された前記各組について検索された前記
複数のトークスクリプトを、
当該組の施術の種類と関連付けて、UI(ユーザインターフェイス)を介して表示するステップと、
前記評価値を管理するステップを、備え、
前記評価値を管理するステップでは、
各前記複数のトークスクリプトについて、当該トークスクリプトが提示されることによって、客が、当該トークスクリプトが紐付けられた組に含まれる種類の施術が推奨されたと判定されると、当該トークスクリプトの前記評価が高くなるよう前記評価値が更新される、情報処理方法。
【請求項2】
前記表示するステップでは、
表示される前記各組の施術の種類のうち、前記UIを介したユーザ操作によって選択された施術の種類の組に紐付けられた前記
複数のトークスクリプトが表示される、請求項
1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記情報格納手段の各組は、さらに、
当該組に含まれる施術を、当該組に含まれる前記特徴を有した髪または頭皮に施すことが推奨される度合いを示す推奨値を含み、
前記特定するステップでは、客の髪または頭皮の特徴に基づき、前記情報格納手段において、当該特徴が含まれる1つ以上の組であって、前記推奨値が閾値よりも大きい組が特定される、請求項1
または2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記各組の推奨値を管理するステップを、さらに備え、
前記
推奨値を管理するステップでは、
前記情報格納手段の各組について、当該組に含まれる種類の施術が客に施されると判定されると、前記推奨される度合いが大きくなるよう当該組の前記推奨値が更新される、請求項
3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記組に含まれる種類の施術が客に施されるとの判定は、
当該組に紐付けられた前記トークスクリプトが提示されることによって、客が当該種類の施術が施されることが推奨されたとの判定を含む、請求項
4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記UIは、
前記情報処理装置に対するユーザ操作を受付け可能に構成され、
前記ユーザは、前記施術者を含み、
前記ユーザ操作は、
前記組に紐付けられた前記トークスクリプトが提示されることによって、客が当該
組に含まれる種類の施術が施されることが推奨されたことを示すユーザ操作を含む、請求項
5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記表示するステップでは、
検索された前記複数のトークスクリプトは、当該トークスクリプトが紐付けられた組の施術の種類と関連付けられて、前記UIを介し、前記評価値に基づく順で表示される、請求項
1から6のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記施術の種類は、当該施術を施すために用いられるヘアケア化粧品の種類を含む、請求項1から
7のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記情報格納手段は、
少なくとも性別および年代のグループ毎に、当該グループに属する人の髪または頭皮の特徴と、前記特徴を有した髪または頭皮に施される施術の種類を含む複数の組を格納し、
前記特定するステップでは、
客の性別および年代並びに髪または頭皮の特徴に基づき、前記情報格納手段において、当該特徴が含まれる1つ以上の組が特定される、請求項1から
8のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
髪または頭皮の特徴と、前記特徴を有した髪または頭皮に施される施術の種類を含む複数の組を格納する情報格納手段と、
各前記複数の組に紐付け
て、当該組に含まれる種類の施術を客に推奨するための複数のトークスクリプトと、各前記複数のトークスクリプトを評価する評価値を格納するトーク格納手段と
、を備え、
前記トークスクリプトは、美容室または理容室の施術者が、当該トークスクリプトが紐付けられた前記組に含まれる種類の施術を客に推奨するためのトークスクリプトを示し、
客の髪または頭皮の特徴に基づき、前記情報格納手段において、当該特徴が含まれる1つ以上の組を特定する手段と、
特定された各前記1つ以上の組に基づき、当該組に紐付けられた前記
複数のトークスクリプトを、前記トーク格納手段から検索する手段と、
特定された前記各組について検索された前記
複数のトークスクリプトを、
当該組の施術の種類と関連付けて、UI(ユーザインターフェイス)を介して表示する手段と、
前記評価値を管理する手段を、さらに備え、
前記評価値を管理する手段は、
各前記複数のトークスクリプトについて、当該トークスクリプトが提示されることによって、客が、当該トークスクリプトが紐付けられた組に含まれる種類の施術が推奨されたと判定されると、当該トークスクリプトの前記評価が高くなるよう前記評価値を更新する、情報処理装置。
【請求項11】
請求項1~
9のいずれか1項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
情報処理装置と、前記情報処理装置と通信する端末とを、備え、
前記情報処理装置は、
髪または頭皮の特徴と、前記特徴を有した髪または頭皮に施される施術の種類を含む複数の組を格納する情報格納手段と、
各前記複数の組に紐付け
て、当該組に含まれる種類の施術を客に推奨するための複数のトークスクリプトと、各前記複数のトークスクリプトを評価する評価値を格納するトーク格納手段と
、を含み、
前記トークスクリプトは、美容室または理容室の施術者が、当該トークスクリプトが紐付けられた前記組に含まれる種類の施術を客に推奨するためのトークスクリプトを示し、
客の髪または頭皮の特徴に基づき、前記情報格納手段において、当該特徴が含まれる1つ以上の組を特定する手段と、
特定された各前記1つ以上の組に基づき、当該組に紐付けられた前記
複数のトークスクリプトを、前記トーク格納手段から検索する手段と、
前記評価値を管理する手段を、さらに含み、
前記評価値を管理する手段は、
各前記複数のトークスクリプトについて、当該トークスクリプトが提示されることによって、客が、当該トークスクリプトが紐付けられた組に含まれる種類の施術が推奨されたと判定されると、当該トークスクリプトの前記評価が高くなるよう前記評価値を更新し、
前記端末は、
前記情報処理装置から、
特定された前記各組について検索された前記
複数のトークスクリプトを受信し、
受信した当該複数のトークスクリプトを当該組の施術の種類と関連付けて、UI(ユーザインターフェイス)を介して表示する手段を含む、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容室または理容室における髪または頭皮に施す複数の施術の中から、客に応じた施術の提案をする施術者をサポートする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、美容室または理容室(以下、理美容室と総称する)から客にサービスを提供するためのシステムが提案されている。例えば、特許文献1(特開2006-309606号公報)は、美容室における施術サービスを提供したい顧客の顧客端末に対して美容室への来店を促す情報を配信する情報配信サーバを記載する。また、特許文献2(特開2014-2574号公報)は、美容サロン(美容室)等の利用の予約およびその管理を行うための情報処理システムの技術を記載する。また、特許文献3(特許第6037590号公報)は、利用者がサービス提供者(美容師)への予約を行うサービス提供予約システムを記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-309606号公報
【文献】特開2014-2574号公報
【文献】特許第6037590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
理美容室では、美容師または理容師などを含むスタイリストと称される施術者は、客と対話しながら、客の髪または頭皮の特徴に合った施術内容を推奨する。このようなシーンでは、実務経験が豊富である施術者は、対話をしながら施術メニューの中から客に適した種類の施術を速やかに推奨できることから、客の信頼を得て売り上げに貢献できる。これに対して、実務経験が浅い施術者にとっては、スムーズな対話を進めること自体が難しく、そのため客に適した種類の施術を特定できない、または特定するのに時間がかかり、その結果、売り上げにつながり難いとの課題があった。上記の特許文献1~3は、当該課題に対処するための構成は提案しない。
【0005】
それゆえに、本発明の目的は、客の髪または頭皮の特徴に基づき、複数種類の施術の中から客に応じた種類の施術を推奨する施術者をサポートする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のある局面に係る情報処理方法は、情報処理装置が実施する方法であって、情報処理装置は、髪または頭皮の特徴と、特徴を有した髪または頭皮に施される施術の種類を含む複数の組を格納する情報格納手段と、各組に紐付けられたトークスクリプトであって、美容室または理容室の施術者が、当該組に含まれる種類の施術を客に推奨するためのトークスクリプトを格納するトーク格納手段と、を備え、方法は、客の髪または頭皮の特徴に基づき、情報格納手段において、当該特徴が含まれる1つ以上の組を特定するステップと、特定された各組に基づき、当該組に紐付けられたトークスクリプトを、トーク格納手段から検索するステップと、検索されたトークスクリプトを、UI(ユーザインターフェイス)を介して表示するステップと、を備える。
【0007】
上述の情報処理方法の表示するステップでは、検索されたトークスクリプトは、UIを介して、特定された各組の施術の種類と関連付けて表示される。
【0008】
上述の情報処理方法の表示するステップでは、表示される各組の施術の種類のうち、UIを介したユーザ操作によって選択された施術の種類の組に紐付けられたトークスクリプトが表示される。
【0009】
上述の情報処理方法において、情報格納手段の各組は、さらに、当該組に含まれる施術を、当該組に含まれる特徴を有した髪または頭皮に施すことが推奨される度合いを示す推奨値を含み、特定するステップでは、客の髪または頭皮の特徴に基づき、情報格納手段において、当該特徴が含まれる1つ以上の組であって、推奨値が閾値よりも大きい組が特定される。
【0010】
上述の情報処理方法は、各組の推奨値を管理するステップを、さらに備え、管理するステップでは、情報格納手段の各組について、当該組に含まれる種類の施術が客に施されると判定されると、推奨される度合いが大きくなるよう当該組の推奨値が更新される。
【0011】
上述の情報処理法方法において、組に含まれる種類の施術が客に施されるとの判定は、当該組に紐付けられたトークスクリプトが提示されることによって、客が当該種類の施術が施されることが推奨されたとの判定を含む。
【0012】
上述の情報処理方法において、UIは、情報処理装置に対するユーザ操作を受付け可能に構成され、ユーザは、施術者を含み、ユーザ操作は、当該組に紐付けられたトークスクリプトが提示されることによって、客が当該種類の施術が施されることが推奨されたことを示すユーザ操作を含む。
【0013】
上述の情報処理方法において、トーク格納手段は、各組に紐付けて、当該組に含まれる種類の施術を客に推奨するための複数のトークスクリプトを格納し、検索するステップでは、特定された各組に基づき、トーク格納手段から、当該組に紐付けられた複数のトークスクリプトが検索され、表示するステップでは、検索された複数のトークスクリプトは、当該トークスクリプトが紐付けられた組の施術の種類と関連付けられて、UIを介し表示される。
【0014】
上述の情報処理方法において、トーク格納手段は、各組に紐付けて、当該組に含まれる種類の施術を客に推奨するための複数のトークスクリプトと、各トークスクリプトを評価する評価値を格納し、情報処理方法は、評価値を管理するステップを、さらに備え、評価値を管理するステップでは、各トークスクリプトについて、当該トークスクリプトが提示されることによって、客が、当該トークスクリプトが紐付けられた組に含まれる種類の施術が施されることが推奨されたと判定されると、当該トークスクリプトの評価が高くなるよう評価値が更新される。
【0015】
上述の情報処理方法において表示するステップでは、検索された複数のトークスクリプトは、当該トークスクリプトが紐付けられた組の施術の種類と関連付けられて、UIを介し、評価値に基づく順で表示される。
【0016】
上述の情報処理方法において、施術の種類は、当該施術を施すために用いられるヘアケア化粧品の種類を含む。
【0017】
上述の情報処理方法において、情報格納手段は、少なくとも性別および年代のグループ毎に、当該グループに属する人の髪または頭皮の特徴と、特徴を有した髪または頭皮に施される施術の種類を含む複数の組を格納し、特定するステップでは、客の性別および年代並びに髪または頭皮の特徴に基づき、情報格納手段において、当該特徴が含まれる1つ以上の組が特定される。
【0018】
本発明の他の局面に係る情報処理装置は、髪または頭皮の特徴と、特徴を有した髪または頭皮に施される施術の種類を含む複数の組を格納する情報格納手段と、各組に紐付けられたトークスクリプトであって、美容室または理容室の施術者が、当該組に含まれる種類の施術を客に推奨するためのトークスクリプトを格納するトーク格納手段と、客の髪または頭皮の特徴に基づき、情報格納手段において、当該特徴が含まれる1つ以上の組を特定する手段と、特定された各組に基づき、当該組に紐付けられたトークスクリプトを、トーク格納手段から検索する手段と、検索されたトークスクリプトを、UI(ユーザインターフェイス)を介して表示する手段と、を備える。
【0019】
本発明の他の局面では、プログラムが提供される。プログラムは、上記に述べた情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0020】
本発明の他の局面に係る情報処理システムは、情報処理装置と、当該情報処理装置と通信する端末とを、備え、情報処理装置は、髪または頭皮の特徴と、当該特徴を有した髪または頭皮に施される施術の種類を含む複数の組を格納する情報格納手段と、各組に紐付けられたトークスクリプトであって、美容室または理容室の施術者が、当該組に含まれる種類の施術を客に推奨するためのトークスクリプトを格納するトーク格納手段と、客の髪または頭皮の特徴に基づき、情報格納手段において、当該特徴が含まれる1つ以上の組を特定する手段と、特定された各組に基づき、当該組に紐付けられたトークスクリプトを、トーク格納手段から検索する手段と、を含み、端末は、情報処理装置から、検索されたトークスクリプトを受信し、UI(ユーザインターフェイス)を介して表示する手段を含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施の形態に係る情報処理システムが適用される構成を模式的に示す図である。
【
図2】本実施の形態に係る情報処理システムのネットワーク構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施の形態に係るサーバ300のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施の形態に係る端末200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施の形態に係る機能の構成例を示す図である。
【
図6】本実施の形態に係る施術情報50の構成を模式的に示す図である。
【
図7】本実施の形態に係る顧客情報40の構成例を示す図である。
【
図8】本実施の形態に係る推奨トークデータ60の構成例を示す図である。
【
図9】本実施の形態に係る処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図10】本実施の形態に係る顧客情報40の他の例を示す図である。
【
図11】本実施の形態に係る端末200のUIを介して表示される画面の一例を示す図である。
【
図12】本実施の形態に係る端末200のUIを介して表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。なお、本実施の形態では、顧客とは、リピーターの客と、初めての客との両方の概念を含んでいる。
【0023】
<システムの構成>
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムが適用される構成を模式的に示す図である。
図1を参照して、情報処理装置の一例であるサーバ300は、理美容室の施術者に、複数種類の施術の中から顧客に応じた種類の施術を推奨するためのサポートサービスを提供する。より具体的には、サーバ300は例えばWebサーバを含んで構成されて、当該サポートをWebサービスとして提供する。各理美容室の店舗内では、施術者6は、端末200を操作して通信ネットワークNTを介してサーバ300と通信し、通信によって提供されるサポートサービスを利用しながら顧客5に施術を提案ないし推奨する。なお、
図1に示される複数の理美容室は、例えばフランチャイズ加盟店などを構成する。
【0024】
図2は、本実施の形態に係る情報処理システムのネットワーク構成の一例を示す図である。
図2を参照してシステムは、インターネットなどの各種の通信ネットワークNTに通信可能に接続されたサーバ300および各理美容室に設けられたルータなどの中継器100、中継器100とWiFi(登録商標)などで無線通信する端末200を備える。中継器100は、端末200とサーバ300との間の通信を中継する。端末200は、情報処理装置の一例であって、施術者が携帯可能なタブレット型端末、スマートフォン等を含む。なお、サーバ300が無線通信機能を有するよう構成される場合は、端末200は、中継器100を利用することなくサーバ300と通信するよう構成されてもよい。
【0025】
<ハードウェア構成>
図3は、本実施の形態に係るサーバ300のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4は、本実施の形態に係る端末200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3を参照して、サーバ300は、全体を制御するための制御部に相当するCPU(Central Processing Unit)301、CPU301により実行されるプログラムおよびデータを記憶するためのROM(Read Only Memory)311およびRAM(Random Access Memory)321、HDD(Hard Disc Driver)331、液晶などディスプレイ361、ユーザが情報を入力するために操作する操作パネル371、通信ネットワークNTを介した通信を制御するためのネットワークコントローラ351、無線通信I/F(Interfaceの略)381、および記憶媒体382について情報を読み書きする装置であるR/W(Reader/Writer)220を備える。サーバ300のディスプレイ361と操作パネル371は、一体的に構成されたタッチパネル341として提供されてもよい。
【0026】
HDD331には、OS(Operating System)31を含むシステムプログラム30と、アプリケーションプログラム32と、各種情報を管理するDB(Data Base)33が格納される。DB33は、理美容室の顧客に関する情報を示す顧客情報40、理美容室において提供される施術に関する情報を示す施術情報50、および推奨トークデータ60を含む。推奨トークデータ60は、顧客5に施術を推奨する場合に施術者6に提示され得るトークスクリプトのデータを含む。
【0027】
R/W320は、例えば光学ドライブを含んで構成される。記憶媒体382は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)などの光学ディスクを含んで構成される。R/W320は、記憶媒体382が着脱自在に装着されて、装着された記憶媒体382に格納されているプログラムなどの情報を読み出す。記憶媒体382は、任意のプログラムを不揮発的に格納した状態で流通する。R/W320は記憶媒体382からプログラムなどの情報を読み出して、HDD331などのストレージにインストールすることで、本実施の形態に従うサーバ300を構成できる。したがって、本発明の主題は、HDD331などにインストールされたプログラム自体、または、本実施の形態に従う機能や処理を実現するためのプログラムを格納した記憶媒体382でもあり得る。
図3には、記憶媒体382は光学ディスクなどの光学記録媒体を示すが、これに限らず、フラッシュメモリなどの半導体記録媒体、ハードディスクまたはストレージテープなどの磁気記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体を用いてもよい。
【0028】
また、HDD331などにインストールされるべきプログラムなどの情報は、無線通信I/F381によって外部装置から受信されて、または、ネットワークコントローラ351によって通信ネットワークNTから受信されて、HDD331にインストールされてもよい。
【0029】
図4を参照して、端末200は、全体を制御するための制御部に相当するCPU20、CPU20により実行されるプログラムおよびデータを記憶するためのROM21およびRAM22、液晶などディスプレイ23、ユーザ(施術者)が端末200に情報を入力するために操作する操作パネル25、通信を制御するための通信コントローラ27、HDD28を備える。HDD8は、WebサーバからのWebページを含む通信情報をユーザに提示するために実行されるプログラムであるWebブラウザ29を含む。Webブラウザ29は、Webサーバ(例えばサーバ300)とユーザとの間の情報の入出力を可能にするユーザインターフェイスUI(User Interface)を提供する。
【0030】
端末200のディスプレイ23と操作パネル25は、一体的に構成されたタッチパネル24として提供されてもよい。また、RAM22は、CPU20によりプログラムを実行する際の作業領域としても利用され得る。通信コントローラ27は、他の装置(中継器100、他の端末200、サーバ300など)との通信を制御する回路を含む。
【0031】
<機能構成>
図5は、本実施の形態に係る機能の構成例を示す図である。
図5に示す構成は、サーバ300が有する機能の一例を示す。サーバ300は、DB33の情報を検索する検索エンジン321、通信モジュール322、DB33の情報を管理する管理モジュール323を含む。通信モジュール322は、ネットワークコントローラ351または無線通信I/F381を介して、端末200のWebブラウザ29と通信する。これらモジュールは、CPU311がアプリケーションプログラム32を実行することにより実現される。なお、これらモジュールは、CPU311のプロセッサがプログラムを実行することで実現される構成例に限定されず、これらの提供されるモジュールの一部または全部を、専用のハードウェア回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用回路を用いて実装されてもよい。
【0032】
通信モジュール322は、検索エンジン321による検索の結果に基づくWebページを作成して、作成されたWebページを端末200のWebブラウザ29に提供する。Webブラウザ29は、Webページを、UIを介してディスプレイ23に表示させる。端末200のWebブラウザ29は、表示されたWebページに対するユーザ操作を、UIを介して受付けサーバ300に送信する。サーバ300の通信モジュール322は、端末200からユーザ操作の情報を受信し、受信したユーザ操作の情報を検索エンジン321または管理モジュール323に出力する。検索エンジン321は、受信したユーザ操作の情報に基づきDB33を検索し、検索結果を通信モジュール322に出力する。通信モジュール322は、検索エンジン321からの検索結果に基づくWebページを作成し、作成したWebページを端末200に転送する。Webブラウザ29はサーバ300からのWebページに基づく画面を、UIを介して表示する。このように、ユーザは、端末200のWebブラウザ29を介してサーバ300のWebサーバとインタラクティブに通信することにより、DB33から所望する情報を取得し、UIを利用して確認できる。
【0033】
また、管理モジュール323は、通信モジュール322を介して受信したユーザ操作の情報に基づき、DB33の情報を管理する。より具体的には、管理モジュール323は、ユーザ操作の情報に基づき顧客情報40を管理する顧客情報管理部324、ユーザ操作の情報に基づき施術情報50を管理する施術情報管理部325、およびユーザ操作の情報に基づき推奨トークデータ60を管理する推奨トーク管理部326を含む。顧客情報管理部324は、ユーザ操作の情報に基づき、顧客情報40の後述する顧客に施術を推奨するための提示された、または、提示されなかったトークスクリプトのトーク識別子46Aまたは46Bを登録(変更)するトーク処理4Aを実施する。施術情報管理部325は、ユーザ操作の情報に基づき施術情報50の後述するスコア58を更新(変更)するスコア処理5Aを実施する。推奨トーク管理部326は、ユーザ操作の情報に基づき採点ランキング処理6Aを実施する。採点ランキング処理6Aでは、推奨トークデータ60を構成するトークスクリプトの後述する点数63の更新(変更)と点数63に基づくトークスクリプトのランキング(順序付け)が実施される。これらの処理の詳細は後述する。
【0034】
<施術情報の構成>
図6は、本実施の形態に係る施術情報50の構成を模式的に示す図である。
図6では、施術情報50の構成とともに、施術情報50と他の情報である顧客情報40および推奨トークデータ60の関係が示されている。
【0035】
施術情報50は、少なくとも性別および年代のグループ毎に、当該グループに属する人の髪または頭皮の特徴57と、特徴57を有した髪または頭皮に施され得る施術の種類であるコース54を含む組を複数有する。なお、人の髪および頭皮の特徴は、性別および年代により異なることが知られているから、施術情報50のグループ化の基準は、少なくとも性別および年代の組み合わせが望ましい。なお、このような組合せは、性別および年代の組み合わせに限定されず、他の種類の組み合わせ、例えば、性別、年代および職業の組み合わせであってもよい。
【0036】
より具体的には、施術情報50は、Y軸(縦軸)に人の髪または頭皮の異なる複数の特徴57がとられ、X軸(横軸)に複数のコース54を含む施術メニュー51がとられるマトリックスを構成する。複数の特徴57はそれぞれ、人の髪または頭皮の異なる属性56のいずれかに分類されて、分類先の属性56の属性値を構成する。属性56は、
図6では、毛量5D、髪質5E、髪のダメージ5Fおよび頭皮状態5Gを含む。毛量5Dの特徴57として(多い、少ない)を含み、髪質5Eの特徴57として(かたい、太い、やわらかい、くせ毛、パーマがかかりいくい)、髪のダメージ5Fとして(切れ毛、ツヤがない、白髪)を含み、および頭皮状態5Gとして(フケ,かゆみ、ベタ付き、抜け毛(産後))を含む。このような髪と頭皮の特徴は、客観的な情報であるとともに、主観的な観点では人が有する個人的なお悩み事項にもあたることから、本実施の形態では、Y軸にとられる複数の特徴57は、このようなお悩みとしても扱うことができる。なお、Y軸にとられる属性56および特徴57の種類は、一例であり、これらに限定されない。
【0037】
X軸の施術メニュー51を構成する施術の種類であるコース54は、施術のカテゴリ52と当該施術を施すために用いられるヘアケア化粧品の種類を示すヘアケア化粧品名53を含んで構成される。したがって、同じカテゴリの施術であっても、当該施術を施すために用いられるヘアケア化粧品が異なれば、異なるコース54に該当する。なお、カテゴリ52は、本実施の形態では、例えばトリートメント52A、ヘッドスパ52B、およびこれらの組合せ52Cを含むが、施術のカテゴリはこれら分類に限定されない。なお、コース54は、ヘアケア化粧品の種類に基づかない分類であってもよい。すなわち、コース54は、カテゴリ52が示す施術の種類に一致してもよい。
【0038】
このように、施術情報50は、Y軸にとられた髪または頭皮の特徴57と、当該特徴57を有した髪または頭皮に施されるX軸にとられた施術のコース54を含む複数の組を有したマトリックスの構造を有する。
【0039】
また、マトリックスのマス目にあたる各組は、スコア58を含む。スコア58は、当該組に含まれるコース54の施術を、当該組に含まれる特徴57を有した髪または頭皮に施すことが推奨される度合いを示す推奨値に相当する。例えば、
図6のマトリックスの太枠で示す組のスコア58は、「80」を示している。本実施の形態では、各組のコース54の施術が顧客に施されると、スコア処理5Aが実施される。これにより、当該組のスコア58は、当該施術が推奨される度合いが高くなるよう、加点などされて更新される。
【0040】
さらに、施術情報50のマトリックスのマス目にあたる各組には、推奨トークデータ60のトークスクリプトが紐付けされる。
【0041】
検索エンジン321は、施術情報50を検索する場合、例えば、顧客情報40から顧客の性別および年代とお悩みの情報を取得し、取得した性別と年代から検索対象の施術情報50を特定する。検索エンジン321は、特定された施術情報50のマトリックスを顧客のお悩みに基づき検索する。これにより、当該お悩みに一致する特徴57が含まれる1つ以上の組が特定され、検索エンジン321は、特定された各組に基づき、当該組に紐付けられたトークスクリプトを、推奨トークデータ60から検索する。
【0042】
<顧客情報の構成>
図7は、本実施の形態に係る顧客情報40の構成例を示す図である。
図7を参照して、顧客情報40は、顧客に応じた種類の施術を提供するために顧客毎に管理される情報であって、氏名411、年令(年代)412、性別413、職業414、施術履歴415、施術を推奨するために提示されたトークスクリプトを識別するトーク識別子46A、施術を推奨するために提示されなかったトーク識別子46B、お悩み履歴416を含む。
【0043】
理美容室は予約制をとることから、施術履歴415は、各予約についてレコードを有する。レコードは、予約の状況45A、予約時間45B、担当の施術者の氏名などの識別子45C、情報45D、および他の情報へのポインタ45Eを含む。レコードは、予約を受付ける毎に新規に登録されて、当該新規レコードの状況45Aには(予約)が登録されるとともに、予約時間45Bが登録される。情報45Dは顧客が予約した施術(カット、シャンプーなど)と、施術者の推奨によって施されたコース54(施術の種類)を示す。なお、予約でない飛び込みの顧客であっても、同様に、顧客情報40にレコードが作成され得る。
【0044】
予約の状況45Aは、当該レコードの予約時間45Bが経過すると(予約)は(済)に書換えられるとともに、施術を実施した施術者の識別子45Cおよび施した施術の種類であるコース54が情報45Dとして登録される。
【0045】
また、レコードの情報45Dが示す種類の施術を推奨するにあたって施術者が顧客との対話で提示したトークスクリプトを識別するトーク識別子46Aまたは当該対話で提示されなかったトークスクリプト46Bが登録される。このように登録されたトーク識別子46Aまたは46Bは、当該レコードに、ポインタ45Eによって紐付けられる。
【0046】
また、お悩み履歴416には、施術者が顧客から取得したお悩み7Bと取得した日付7Aとが登録される。お悩み7Bは1または複数のお悩みを示す。お悩み7Bは、施術者が対話する中で顧客から取得した情報、または、施術者が顧客の髪また頭皮を観察して取得した情報も含み得る。
【0047】
<推奨トークデータの構成>
図8は、本実施の形態に係る推奨トークデータ60の構成例を示す図である。
図8を参照して、推奨トークデータ60は、当該推奨トークデータ60が紐付けされた施術情報50の組に含まれるコース54の施術を、顧客に推奨するために施術者に提示される1または複数のトークスクリプト62を含む。ここでは、組に紐付けられる推奨トークデータ60は5件のトークスクリプト62を含むが、推奨トークデータ60に含まれるトークスクリプト62の件数は1つ以上であればよく、5件に限定されない。推奨トークデータ60の5件のトークスクリプト62はそれぞれ、トークスクリプト62の識別子61と点数63が関連付けされている。
【0048】
点数63は、対応のトークスクリプト62の評価の程度を定量的に示す評価値に相当する。本実施の形態では、施術者が対応のトークスクリプト62に基づく会話(発話)をすることにより、トークスクリプトの文言が顧客に提示される場合、採点ランキング処理6Aが実施される。採点ランキング処理6Aでは、当該トークスクリプト62の評価が高くなるよう点数63が更新(例えば、加点)され、また、推奨トークデータ60の5件のトークスクリプト62は、点数63に基づき例えば昇順にランキングされて、順位付けされる。このように、推奨トークデータ60が紐付けされた組のコース54の推奨施術を顧客に受入れてもらうために提示されたトークスクリプト62ほど高評価となり上位に順序付けされる。
【0049】
ここで、トークスクリプトは、理美容室で施術者が顧客に施術の内容(施術に用いるヘアケア化粧品の説明を含む)、当該施術を推奨する理由(顧客の髪また頭皮の特徴と関連付けた理由)、施術によって期待され得る効果(または効果としては期待できないもの)などを説明するための文言を示す。
【0050】
<フローチャート>
図9は、本実施の形態に係る処理のフローチャートの一例を示す図である。
図10は、本実施の形態に係る顧客情報40の他の例を示す図である。
図11と
図12は、本実施の形態に係る端末200のUIを介して表示される画面の一例を示す図である。
図9を参照して、理美容室において、顧客の髪または頭皮の特徴に基づき、複数種類の施術の中から顧客に応じた種類の施術(コース54)を推奨可能なように、施術者をサポートする処理を説明する。
【0051】
サーバ300のCPU301は、検索エンジン321として、顧客情報40の施術履歴415から(予約)のレコードを検索することにより、予約受付けを実施し(ステップS1)、施術情報50の検索を開始する(ステップS3)。例えば、施術情報50のファイルオープン処理を実施する。
【0052】
CPU301は、予約が受付けられた顧客のお悩みを取得する(ステップS3)。ステップS3では、例えば、施術者は顧客の髪または頭皮の観察により、または顧客との対話によりお悩みを取得し、取得されたお悩みを、端末200を操作して、サーバ300に転送する。ステップS3では、1個のお悩みが取得されるとする。なお、ステップS3では、CPU301は、顧客情報40から、お悩み履歴416を検索することで、お悩み7Bを取得してもよい。この検索の場合、お悩み履歴416のうち、最近のお悩み7Bのみが検索されてもよい。
【0053】
検索エンジン321によって、上記の取得されたお悩みに基づき施術情報50が検索される。これにより、当該お悩みが示す髪または頭皮の特徴に一致する特徴57が特定されて、当該特徴57を含む1または複数の組が施術情報50から取得される。ここでは、施術情報50から複数の組が取得される。これにより、複数の組それぞれに含まれるコース54が、顧客に推奨する種類の施術(コース)の候補として特定される(ステップS4)。この特定においては、候補の絞り込みが実施されてもよい。例えば、検索エンジン321によって、顧客の髪または頭皮のお悩みに一致する特徴57が含まれる1つ以上の組であって、スコア58の推奨値が閾値よりも大きい組(コース54)が特定されるようにしてもよい。または、スコア58に基づき大きい方の推奨値を示す所定数の組(コース54)が特定されるようにしてもよい。
【0054】
CPU301は、ステップS1で予約として受付けた顧客の顧客情報40とステップS4で特定した候補のコース54に基づき、通信モジュール322として、Webページを作成し、作成したWebページを施術者の端末200に送信する(ステップS5)。このようなWebページの送信先となる端末200のIPアドレスは、例えば、顧客情報40の(予約)のレコードに登録された施術者の識別子45Cに基づき取得され得る。
【0055】
端末200では、CPU20は、Webブラウザ29として、サーバ300からWebページを受信し、受信したWebページの画面を、UIを介して表示する(ステップS10,S11)。
【0056】
ステップS11でタッチパネル24に表示される画面の一例が
図11に示される。
図11を参照して、予約一覧の画面には、10:20分と13:10分の2件の予約情報が表示される。例えば、予約情報は予約時間と項目246~249を含む。例えば、1件目の予約情報は、予約時間(10:20)と、項目246において顧客情報40の氏名411に基づく顧客の名前と、項目248において顧客情報40の識別子45Cに基づく担当する施術者の名前とが表示される。さらに、項目247には、顧客情報40の情報45Dに基づき顧客が予約した施術(カットなど)が表示され、項目249には、ステップS4で特定された候補のコース54が、コース54の施術に用いるヘアケア化粧品の情報とともに表示される。例えば、項目249では、トリートメント(C1)/ヘアケア化粧品(V1)の組み合わせでコース54が表示される。また、2件目の予約情報も、1件目の予約情報と同様に表示される。
【0057】
次に、端末200を携帯した施術者は、顧客と対話しながら、端末200を操作してサーバ300と通信することにより、複数の候補コースのうちから、顧客に施すべき1のコースを決定するコース決定処理を実施する。コース決定処理では、例えば、
図12の画面が表示される。
図12の画面では、例えば7件の候補のコース54の一覧241と、ボタン244が表示される。一覧241では、候補の各コース54について、コース名と当該コースの施術に使用するヘアケア化粧品の名称とからなるアイテムが表示される。一覧241では、候補のコース54は、対応のスコア58が示す推奨度が高い順に表示され。
【0058】
図9に戻り、ユーザ(施術者)は、
図1のタッチパネル24の一覧241から候補のコース54をタッチ操作などして選択する(ステップS6d)。CPU201は、UIを介して、当該ユーザ操作を受付け、受付けたユーザ操作の情報をサーバ300に送信する。
【0059】
サーバ300では、ステップS6aにおいて、端末200のユーザ操作によって選択された候補コース54の組に紐付けられた推奨トークデータ60のトークスクリプト62が、端末200に転送される。より具体的には、CPU301は、通信モジュール322として、端末200から当該ユーザ操作の情報を受信する。CPU301は、検索エンジン321として、当該受信されたユーザ操作の情報に基づき施術情報50を検索する。この検索により、施術情報50から、受信されたユーザ操作の情報が示す候補コース54と顧客情報40のお悩みに、それぞれ一致する、コース54と特徴57からなる組が取得される。CPU301は、取得された組に紐付けされた推奨トークデータ60から、検索エンジン321として、ランキング順位が付与された5つのトークスクリプト62を取得する(ステップS6b)。取得された5つのトークスクリプト62は通信モジュール322によって、端末200に送信される(ステップS6c)。
【0060】
端末200は、サーバ300から5つのトークスクリプト62を受信し(ステップS6e)、受信したトークスクリプトをランキング順に従ってUIを介して表示する。
図12を参照して、例えば、推奨トークデータ60から取得された複数のトークスクリプト62は、当該トークスクリプト62が紐付けられた組の施術の種類(コース54)と関連付けられて、吹き出し243内に表示される(ステップS6f)。ユーザは、吹き出し243をタップ操作すると、吹き出し内のトークスクリプト62を次の順位のトークスクリプト62に切替えることができる。
【0061】
ユーザは、吹き出し243に表示されるトークスクリプト62に基づく会話(発話)によって顧客と対話する。対話の過程で、候補のコース54の推奨に顧客が同意しないと判断した場合は、ユーザは、
図12の一覧241の次の候補コースを選択操作する(ステップS6d)。これにより、コース決定処理が、次の候補コースについて上述と同様に繰り返し実施される。
【0062】
一方、吹き出し243に表示されるトークスクリプト62に基づく会話をしながら、顧客と対話を進めていく中で、候補のコース54の推奨に同意した場合は、ユーザは、
図12の画面のボタン244を操作する(ステップS12)。この操作は、推奨した候補コースのうちから、顧客に施されるべき施術の種類(コース54)を、一覧241のうちから決定する操作である。ボタン244の操作は、組に含まれる種類の施術が顧客に施されるとの判定がされたことを示す操作に相当する。より具体的には、当該組に紐付けられたトークスクリプト62が提示されることによって、当該種類の施術が施されることが顧客に推奨されたとの判定を示すユーザ操作に相当する。
【0063】
ステップS12では、CPU21は、決定された候補コース54を特定するコース情報91とトークスクリプト情報92をサーバ300に送信する。コース情報91は、(コース(施術)とヘアケア化粧品の組)を示す。トークスクリプト情報92は、会話の中で提示されたトークスクリプト62であって、顧客が候補コース54の施術が推奨されたときに提示されたトークスクリプト62の識別子61を示す。トークスクリプト情報92は、例えばボタン244が操作されたときに、吹き出し243に表示中のトークスクリプトの識別子61を示す。または、トークスクリプト情報92は、吹き出し243に表示中のトークスクリプトのうち、施術者が提示したことを示すためにタッチ操作したトークスクリプトの識別子、または、提示されなかった(タッチ操作されなかった)トークスクリプトの識別子であってもよい。
【0064】
サーバ300では、CPU301は、推奨トーク管理部326として採点ランキング処理6Aを実施し(ステップS7)、顧客情報管理部324としてスコア処理5Aを実施する(ステップS8)。より具体的には、採点ランキング処理6Aでは、端末200から受信されたトークスクリプト情報92が示す識別子61に基づき、推奨トークデータ60から当該識別子61に対応のトークスクリプト62が検索され、検索されたトークスクリプト62の点数63が加点され、加点後にランキングが実施される。このように、当該トークスクリプト62の評価が高くなるよう評価値(点数63)が更新され、更新後に再ランキングが実施される。また、スコア処理5Aでは、端末200から受信されたコース情報91が示す組に基づき、施術情報50から当該組に対応のスコア58が加点される。このように、当該組が示す種類の施術が推奨される度合いが大きくなるよう推奨値(スコア58)が更新される。
【0065】
施術者は端末200を操作して、ステップS12で決定した施術を施す顧客の情報を入力し(ステップS13)、端末200は、入力された情報をサーバ300に送信する(ステップS13)。
【0066】
ステップS13とステップS14で、施術者が入力しサーバ300に送信される情報は、お悩みの情報、例えば顧客との対話の中で取得したお悩みの情報と、トークスクリプトの識別子を含む。トークスクリプトの識別子は、上記のコース決定処理の対話の中で、候補のコース54の推奨に際して顧客に提示されたトークスクリプトの識別子と、提示されなかった場合のトークスクリプトの識別子とを含む。
【0067】
サーバ300のCPU301は、端末200から受信する情報に基づき顧客情報40を更新する(ステップS9)。例えば、端末200から受信するお悩みの情報に基づき、顧客情報管理部324によって、顧客情報40のお悩み履歴416において、お悩み7Bと対応の日付7Aが登録される。また、端末200からのトークスクリプトの識別子を用いて、顧客情報管理部324により、トーク処理4Aが実施される。このようなトーク処理4Aでは、コース決定処理で顧客に提示されたトークスクリプトの識別子と、提示されなかったトークスクリプトの識別子が、顧客情報40のトーク識別子46Aと46Bにそれぞれ登録される。
【0068】
このような
図9の処理が実施されると、
図7に示す顧客情報40は、例えば
図10の情報に変更される。
図10では、矢印で示す項目(予約の状況45A、トーク識別子46A,46B、お悩みの7Bとその日付7A)が更新されている。
【0069】
なお、
図12の吹き出し243において、トークスクリプト62が表示される順番は、ランキング順位に限定されず、ランダムな順番であってもよい。
【0070】
<変形例>
本実施の形態では、理美容室に設けられる中継器100の機能は、当該理美容室の店舗POS(Point of sale system)端末が担ってもよい。また、POS端末に、サーバ300の
図5に示すモジュールおよびデータを備えるように構成してもよく、その場合は、施術者の携帯する端末200は、サーバ300に代替してPOS端末と通信する構成であってよい。また、端末200がサーバ300の機能を備えるようにしてもよい。
【0071】
また、
図12の画面において、吹き出し243に表示されるトークスクリプト62について、顧客情報40のトーク識別子46Aに該当するトークスクリプトと、トーク識別子46Bに該当するトークスクリプトとの間で色、背景を変更するなどして表示態様を異ならせてもよい。このような表示態様の区別によって、施術者は、吹き出し243におけるトークスクリプトの表示態様を、当該トークスクリプトに基づく発話をするか否か、または、次位のトークスクリプトに切替えるか否か、または、次位の候補コースを選択するか否かを判断するためのサポート情報として利用することができる。例えば、識別子46Bに該当するトークスクリプトは、過去に提示されていないトークスクリプトであるので、提示したとしても、顧客が推奨する施術を受け入れる決め手となり難いトークスクリプトであろうと判断することができる。また、トーク識別子46Aに該当するトークスクリプトは、過去に提示されたトークスクリプトであるので、顧客が推奨する施術を受け入れる決め手となり易いトークスクリプトであろうと判断することができる。このように、表示態様を区別することで、対話に組み入れるトークスクリプトを選択(判断)するためのサポート情報を提供できる。
【0072】
本実施の形態では、ヘアケア化粧品は、髪(頭髪)または頭皮の洗浄、整髪、保護などを目的とした化粧品を示す。例えば、シャンプー、リンス、トリートメント、ローション、ヘアリキッド、ヘアスプレー、パーマネント・ウェーブ、染毛剤、育毛・養毛剤などを含み得る。これらヘアケア商品を利用した施術が気に入れば、顧客は、理美容室において、当該ヘアケア商品を購入することもできる。POS端末または端末200は、顧客情報管理部324によって、顧客が購入したヘアケア化粧品の種類を顧客情報40に登録することができる。
【0073】
このような顧客のヘアケア化粧品の購入情報を利用することで、
図9のステップS4の候補の組(コース)の特定において、施術対象の顧客が購入しているヘアケア化粧品の種類を含む組の方を、他の組よりも優先的に候補として特定されるようにしてもよい。
【0074】
<実施の形態の利点>
施術者には、施術情報50のうちから特定された、顧客情報40の髪または頭皮の特徴(お悩み7B)に一致した特徴57に対応した組の施術の種類が提示される。さらに、提示された候補を顧客に推奨する際に、推奨のためのトークスクリプトが提示される。これにより、施術者はトークスクリプトに従って顧客と対話しながら、顧客のお悩みに合った施術の種類をスムーズに決定することができる。
【0075】
また、このようにして決定された施術の種類を含む組、すなわち推奨に成功した施術の種類を含む組に紐付けされた推奨度(スコア58)は、推奨に成功するほど高くなるよう更新されるので、施術情報50の各組の推奨度を適切に管理することができる。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0077】
4A トーク処理、5 顧客、5A スコア処理、5D 毛量、5E 髪質、5F ダメージ、5G 頭皮状態、6 施術者、6A 採点ランキング処理、21 ROM、22 RAM、23,361 ディスプレイ、24,341 タッチパネル、25,371 操作パネル、27 通信コントローラ、29 Webブラウザ、30 システムプログラム、32 アプリケーションプログラム、40 顧客情報、45A 状況、45B 予約時間、45C,61 識別子、45D 情報、45E ポインタ、46A,46B トーク識別子、50 施術情報、51 施術メニュー、52 カテゴリ、52A トリートメント、52B ヘッドスパ、52C 組合せ、53 ヘアケア化粧品名、54 コース、56 属性、57 特徴、58 スコア、60 推奨トークデータ、62 トークスクリプト、63 点数、91 コース情報、92 トークスクリプト情報、100 中継器、200 端末、241 一覧、244 ボタン、246,247,249 項目、300 サーバ、321 検索エンジン、322 通信モジュール、323 管理モジュール、324 顧客情報管理部、325 施術情報管理部、326 推奨トーク管理部、351 ネットワークコントローラ、382 記憶媒体、411 氏名、413 性別、414 職業、415 施術履歴、416 お悩み履歴、7A 日付、7B お悩み、NT 通信ネットワーク。
【要約】
【課題】客の髪または頭皮の特徴に基づき、複数種類の施術の中から客に応じた種類の施術を推奨可能なように施術者をサポートする。
【解決手段】情報処理装置は、髪または頭皮の特徴と、特徴を有した髪または頭皮に施される施術の種類を含む複数の組を格納する情報格納手段と、各組に紐付けられたトークスクリプトであって、美容室または理容室の施術者が、当該組に含まれる種類の施術を客に推奨するためのトークスクリプトを格納するトーク格納手段と、を備えて、客の髪または頭皮の特徴に基づき、情報格納手段において、当該特徴が含まれる1つ以上の組を特定するステップと、特定された各組に基づき、当該組に紐付けられたトークスクリプトを、トーク格納手段から検索し、検索されたトークスクリプトを、UIを介して表示する。
【選択図】
図5