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  • 特許-固形粉末化粧料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】固形粉末化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/19 20060101AFI20230720BHJP
   A61Q 1/08 20060101ALI20230720BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20230720BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
A61K8/19
A61Q1/08
A61Q1/10
A61Q1/12
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023509459
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(86)【国際出願番号】 JP2022034277
【審査請求日】2023-02-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390041036
【氏名又は名称】株式会社日本色材工業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】弁理士法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 明広
【審査官】松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-070292(JP,A)
【文献】特表2015-511651(JP,A)
【文献】特開2008-024705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/19
A61Q 1/08
A61Q 1/10
A61Q 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体相と油相とを有するタルクフリーの固形粉末化粧料であって、
前記粉体相が窒化ホウ素とともにオキシ塩化ビスマスを含み、前記油相の配合量が4~9質量%であり、
前記オキシ塩化ビスマスの配合量が5~20質量%の範囲内であり、
前記窒化ホウ素の配合量が10~30質量%の範囲内である
ことを特徴とする固形粉末化粧料。
【請求項2】
前記粉体相がオキシ塩化ビスマス及び窒化ホウ素以外の材料を板状粉体として含む請求項1に記載の固形粉末化粧料。
【請求項3】
前記板状粉体の平均粒子径が3~30μmである請求項2に記載の固形粉末化粧料。
【請求項4】
前記板状粉体はマイカ、セリサイト、合成金雲母及びガラス末のうちの1種または2種以上からなる請求項3に記載の固形粉末化粧料。
【請求項5】
前記粉体相がオキシ塩化ビスマス及び窒化ホウ素以外の材料を球状粉体として含む請求項1に記載の固形粉末化粧料。
【請求項6】
前記球状粉体の平均粒子径が1~30μmである請求項5に記載の固形粉末化粧料。
【請求項7】
前記球状粉体はシリカ、PMMA、シリコーン、炭酸カルシウム、ウレタン、ガラスビーズ及びセルロースのうちの1種または2種以上からなる請求項6に記載の固形粉末化粧料。
【請求項8】
前記粉体相が更に金属酸化物を含む請求項1に記載の固形粉末化粧料。
【請求項9】
前記金属酸化物は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、アルミナ及び酸化鉄のうちの1種または2種以上からなる請求項8に記載の固形粉末化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形粉末化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
タルクは安価で、良好な成型性と使用感とを併せ持つため、従来から固形粉末化粧料の基材として用いられてきたが、近年では、アスベスト混入の基準値を超えた一部のタルクが問題になり、人体に悪影響を及ぼすことからタルクを配合しない「タルクフリー」の固形粉末化粧料が求められている。タルクの代替物質として粉末化粧料にはマイカ、セリサイト、合成金雲母などのタルクと同じ板状粉体が一般的に配合されているが、その粒形や物質性状などに起因して生じる耐衝撃性の低下、粉散りの増加など、製品の品質上の課題があった。
【0003】
これらの問題を解決するために、特許文献1には、次の成分(a)窒化ホウ素 5~55重量%、(b)光輝性顔料 40~90重量%、(c)油剤 5~40重量%を含有することを特徴とする粉末固型化粧料が、開示されている。また、特許文献2には、窒化ホウ素を55~90重量%含有することを特徴とする粉末固型化粧料で、更に、光輝性顔料を0.1~40重量%含有することを特徴とする粉末固型化粧料が、開示されている。
【0004】
一方、特許文献3には、次の成分、(A)微粒子金属酸化物、(B)アミノ変性シリコーン処理粉体、(C)シリコーン油 4~30質量%を含有する固形粉末化粧料で、さらに、成分(G)として窒化ホウ素を2~7質量%含有する固形粉末化粧料が、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-186012号公報
【文献】特開2000-344615号公報
【文献】国際公開第2019/098134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されている技術は、光輝性顔料を多く配合しているため過度なツヤ感があり、また液状油性基剤、合成ワックス、および半固形油性基剤が多く配合されているため、塗布膜の均一性の低下が懸念されるなどの欠点があった。また、特許文献2に記載されている技術は、光輝性顔料を多く配合しているため過度なツヤ感があるなどの欠点があった。さらに、特許文献3に記載されている技術は、透明感やきしみ感等については検討されているものの、粉散り、塗布膜の均一性については検討されていなかった。そこで、耐衝撃性、粉散り、塗布膜の均一性を損なうことなく、さらに不自然なツヤ感のないタルクを配合しない固形粉末化粧料が望まれていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、従来の固形粉末化粧料に関する問題点を解決し、タルクを含まずとも、耐衝撃性および塗布膜の均一性が向上した固形粉末化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマスおよび油性基剤を組合せることによって、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の固形粉末化粧料は、
粉体相と油相とを有するタルクフリーの固形粉末化粧料であって、
前記粉体相が窒化ホウ素とともにオキシ塩化ビスマスを含み、前記油相の配合量が4~9質量%であり、
前記オキシ塩化ビスマスの配合量が5~20質量%の範囲内であり、
前記窒化ホウ素の配合量が10~30質量%の範囲内である
ことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の固形粉末化粧料は、前記オキシ塩化ビスマスの配合量が5~20質量%の範囲内であることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明の固形粉末化粧料は、前記窒化ホウ素の配合量が10~30質量%の範囲内であることが好ましい。
【0012】
さらにまた、本発明の固形粉末化粧料は、前記粉体相がオキシ塩化ビスマス及び窒化ホウ素以外の材料を板状粉体として含むことが好ましく、前記板状粉体の平均粒子径が3~30μmであることが好ましく、前記板状粉体はマイカ、セリサイト、合成金雲母及びガラス末のうちの1種または2種以上からなることが好ましい。
【0013】
また、本発明の固形粉末化粧料は、前記粉体相がオキシ塩化ビスマス及び窒化ホウ素以外の材料を球状粉体として含むことが好ましく、前記球状粉体の平均粒子径が1~30μmであることが好ましく、前記球状粉体はシリカ、PMMA、シリコーン、炭酸カルシウム、ウレタン、ガラスビーズ及びセルロースのうちの1種または2種以上からなることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明の固形粉末化粧料は、前記粉体相が更に金属酸化物を含むことが好ましく、前記金属酸化物は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、アルミナ及び酸化鉄のうちの1種または2種以上からなることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、タルクを含まずとも、耐衝撃性および塗布膜の均一性が向上した固形粉末化粧料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】粉散り試験機を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の固形粉末化粧料について具体的に説明する。
本発明の固形粉末化粧料は、粉体相と油相とを有するタルクフリーの固形粉末化粧料であって、前記粉体相が窒化ホウ素とともにオキシ塩化ビスマスを含み、前記油相の配合量が4~9質量%であり、前記オキシ塩化ビスマスの配合量が5~20質量%の範囲内であり、前記窒化ホウ素の配合量が10~30質量%の範囲内であることを特徴とするものである。これにより、タルクを含まずとも、耐衝撃性および塗布膜の均一性が向上した固形粉末化粧料を提供することができる。さらに、粉散りを少なくする粉散り抑制効果が向上し、不自然なツヤ感のない良好な仕上がり効果が向上する。なお、本発明において、粉体相とは粉体からなる相であり、油相とは液状油、固形油または半固形油等の油性基剤からなる相である。なお、本発明において、粉散りとは、パフまたは指に粉体が付着できずに表面に残り、飛び散ってしまう状態のことである。
【0018】
本発明において、前記油相における油性基剤としては、通常の化粧料に使用できるものであれば特に限定されないが、例えば、液状油、固形油、半固形油等の任意の油性成分を使用できる。かかる液状油としては、25℃における粘度が200mPa・s以上である高粘度液状油、25℃における粘度が200mPa・s未満である低粘度液状油を用いることができ、通常の化粧料に使用できるものであれば特に限定されず、揮発性、非揮発性や、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、炭化水素類、油脂類、紫外線吸収剤も含むエステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等を挙げることができ、具体的には、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、アボカド油、メドゥフォーム油等の油脂類、ホホバ油、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジ-2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、2-エチルヘキサン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、トリメリト酸トリトリデシル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステアリル・2-オクチルドデシル)等のエステル類、イソテアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、等の極性油、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン、流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素類、等の非極性油が挙げられ、これらを必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。
【0019】
前記固形油としては、40℃で傾けた際に流動しない油や油脂を用いることができ、通常の化粧料に使用できるものであれば特に限定されないが、例えば、ワセリン等のパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン等の炭化水素類、硬化ヒマシ油、水添ホホバ油、カルナウバロウ、ライスワックス等の植物由来油脂、トリベヘン酸グリセリル、コレステロール脂肪酸エステル等のエステル類、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸類、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類等が挙げられ、これらを必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。
【0020】
前記半固形油としては、上記液状油および上記固形油以外のもので、通常の化粧料に使用できるものであれば特に限定されないが、例えば、ラノリン等が挙げられる。
【0021】
本発明において、上記1種の油剤または2種類以上の組み合わせてもよいし、さらに液状油、固形油または半固形油を組み合わせてもよいし、液状油、固形油または半固形油のいずれかを単独で用いてもよい。
【0022】
また、本発明において、耐衝撃性の向上、粉散りの抑制、塗布膜の均一性の向上、および不自然なツヤ感とテカリの抑制の観点から、前記油相の配合量が、固形粉末化粧料中、3~10質量%であり、4~9質量%であることが好ましく、5~8質量%であることがより好ましい。前記油相の配合量が3質量%未満の場合は、耐衝撃性の向上効果や粉散りの抑制効果が低下したり、オキシ塩化ビスマスによる不自然なツヤ感の発生の抑制や塗布膜の均一性が低下するおそれがある。一方、前記油相の配合量が10質量%より多い場合は、前記油性基材が多いことによりテカリの発生の抑制や塗布膜の均一性が低下するおそれがある。
【0023】
さらに、本発明において、前記オキシ塩化ビスマスとしては、通常の化粧料に使用できるものであれば特に限定されず、表面処理の有無や表面処理の種類は特に限定さない。また、前記オキシ塩化ビスマスの粒子径も限定されないが、例えば、平均粒子径2~35μmのものを使用でき、形状についても限定されないが、例えば、板状、花弁状のものを使用することができる。ただし、前記オキシ塩化ビスマスが、板状の場合は、後述する板状粉体とともに耐衝撃性の一層の向上を与えることができ、一方、花弁状の場合は、後述する板状粉体とともに耐衝撃性の一層の向上、粉散りの一層の抑制効果を与えることができる。さらに、かかるオキシ塩化ビスマスとしては、例えば、メルクパフォーマンスマテリアルズ合同会社製のRonaFlair(登録商標) Fines(商品名)、RonaFlair(登録商標) LF-2000(商品名)等を挙げることができる。なお、本発明において、「平均粒子径」とは、市販品を使用する場合には、製品に表示された平均粒子径であってもよく、測定する場合は、レーザー回折散乱法、超高圧透過型電子顕微鏡(TEM)もしくは走査型電子顕微鏡(SEM)による観察等の方法で測定し、個数換算、体積換算、面積換算等から粒子の性質や形状によって選択される最適な測定法、換算法で算出された平均粒子径であってもよい。また、板状粉体の平均粒子径とは、縦軸、横軸、高さの3次元のうち、最も長いものの平均的な長さを示す。
【0024】
また、本発明において、耐衝撃性の向上および粉散り抑制効果の観点から、前記オキシ塩化ビスマスの配合量が、固形粉末化粧料中、1質量%以上であり、1~40質量%であることが好ましく、3~30質量%であることがより好ましく、5~20質量%であることがさらにより好ましい。前記オキシ塩化ビスマスの配合量が1質量%未満の場合は、耐衝撃性の向上効果が低下し、粉散り抑制効果が低下するおそれがある。一方、前記オキシ塩化ビスマスの配合量が40質量%より多い場合は、前記オキシ塩化ビスマスによる不自然なツヤ感が顕著に発生し、塗布膜の均一性が低下するおそれがある。
【0025】
さらに、本発明において、前記窒化ホウ素としては、通常の化粧料に使用できるものであれば特に限定されず、表面処理の有無や表面処理の種類は特に限定さない。また、前記窒化ホウ素の粒子径も限定されないが、例えば、平均粒子径2~30μmのものを使用できる。さらに、かかる窒化ホウ素としては、例えば、株式会社伊那貿易照会製のBN06H(商品名)、BN09H(商品名)、BN12H(商品名)、BN15H(商品名)等、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のCC6004 BORON NITRIDE(商品名)、CC6058 BORON NITRIDE(商品名)、CC6059 BORON NITRIDE(商品名)、CC6069 BORON NITRIDE(商品名)、CC6097 BORON NITRIDE(商品名)、CCS102-JA BORON NITRIDE(商品名)、CCS402 BORON NITRIDE(商品名)等、JFEミネラル株式会社製のSHP-3<窒化ホウ素粉末>(商品名)、SHP-5<窒化ホウ素粉末>(商品名)、SHP-6<窒化ホウ素粉末>(商品名)等、メルクパフォーマンスマテリアルズ合同会社製のRonaFlair(登録商標) Boroneige JSQ-6(商品名)、RonaFlair(登録商標) Boroneige SF-12(商品名)、RonaFlair(登録商標) Boroneige SF-15(商品名)、RonaFlair(登録商標) Boroneige SF-3(商品名)、RonaFlair(登録商標) Boroneige SF-6(商品名)、RonaFlair(登録商標) Boroneige SF-9(商品名)等を挙げることができる。
【0026】
さらにまた、本発明において、耐衝撃性の向上および不自然なツヤ感の抑制の観点から、前記窒化ホウ素の配合量が、固形粉末化粧料中、1質量%以上であり、1~50質量%であることが好ましく、5~40質量%であることがより好ましく、10~30質量%であることがさらにより好ましい。前記窒化ホウ素の配合量が1質量%未満の場合は、耐衝撃性の向上効果が低下したり、前記窒化ホウ素による不自然なツヤ感の発生の抑制効果が低下するおそれがある。一方、前記窒化ホウ素の配合量が50質量%より多い場合は、塗布膜の均一性が低下するおそれがある。
【0027】
また、本発明は、タルクを含まないことを特徴とするものである。これにより、タルクに存在している微量なアスベストによる人体への悪影響を防止することができるとともに、タルクが未配合でありながらも、耐衝撃性および塗布膜の均一性が向上した固形粉末化粧料を提供することができるものである。なお、本発明において、「タルクを含まない」とは、意図的にタルクを添加等しないことを示すものであり、本発明の効果が得られ、微量なアスベストが発生しない極めて微量のタルクを添加等することを含むものである。極めて微量のタルクとは、例えば、0.001質量%以下である。
【0028】
さらに、本発明の固形粉末化粧料は、前記油相の配合量が固形粉末化粧料中、3~10質量%で、前記窒化ホウ素の配合量が固形粉末化粧料中、1~50質量%で、前記オキシ塩化ビスマスの配合量が固形粉末化粧料中、1~40質量%で、さらにタルクを含まないことが好ましい。本発明において、前記窒化ホウ素は不自然なツヤ感の抑制と耐衝撃性の向上に寄与し、前記オキシ塩化ビスマスは耐衝撃性の向上と粉散りの抑制効果に寄与、そして油相は耐衝撃性の向上、粉散りの抑制、塗布膜の均一性および不自然なツヤ感とテカリのバランスの調整に寄与している。そのため、前記窒化ホウ素だけでは粉散りの抑制効果が弱く、塗布膜の均一性に劣るものである。また、前記オキシ塩化ビスマスだけでは不自然なツヤ感が発生し、塗布膜の均一性に劣るものである。さらに、前記油相だけでは不自然なツヤ感の抑制効果が弱く、テカリの調整および塗布膜の均一性に劣るものである。そこで、油相と窒化ホウ素およびオキシ塩化ビスマスを含み、特に、窒化ホウ素を1~50質量%、オキシ塩化ビスマスを1~40質量%、油相を3~10質量%の組み合わせとすることで、本発明の効果をより向上することができる。
【0029】
さらに、本発明では、前記粉体相がオキシ塩化ビスマス及び窒化ホウ素以外の材料を板状粉体として含むことが、好ましい。かかる板状粉体としては、通常の化粧料に使用できるものであれば特に限定されず、例えば、マイカ、セリサイト、合成金雲母、ガラス末などの板状粉体を使用することができ、1種類または2種類以上を組み合わせることもできる。前記板状粉体の配合量としては、塗布膜の均一性、耐衝撃性および粉散り抑制などの観点から、固形粉末化粧料中、1~60質量%が好ましく、10~50質量%がより好ましく、さらに20~40質量%がさらにより好ましい。さらにまた、前記板状粉体は表面処理の有無や表面処理の種類は特に限定されず、また、前記板状粉体の粒子径も限定されないが、例えば、平均粒子径3~30μmのものを使用できる。なお、ガラス末とは板状の形状のものであり、ガラスビーズとは球状のものである。
【0030】
さらにまた、本発明では、前記粉体相がオキシ塩化ビスマス及び窒化ホウ素以外の材料を球状粉体として含むことが、好ましい。かかる球状粉体としては、通常の化粧料に使用できるものであれば特に限定されず、例えば、シリカ、PMMA(Poly Methyl Methacrylate)、シリコーン、炭酸カルシウム、ウレタン、ガラスビーズ、セルロース等の球状の粉体であれば使用することができ、1種類または2種類以上を組み合わせることもできる。前記球状粉体の配合量としては、固形粉末化粧料中、塗布膜の均一性、耐衝撃性および粉散り抑制などの観点から、1~15質量%が好ましく、2~14質量%がより好ましく、さらに3~13質量%がさらにより好ましい。さらにまた、前記球状粉体は表面処理の有無や表面処理の種類は特に限定されず、また、前記球状粉体の粒子径も限定されないが、例えば、平均粒子径1~30μmのものを使用できる。
【0031】
また、本発明では、前記粉体相がオキシ塩化ビスマス及び窒化ホウ素以外の材料を金属酸化物として含むことが、好ましい。かかる金属酸化物としては、通常の化粧料に使用できるものであれば特に限定されず、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、アルミナ、酸化鉄等の金属酸化物を使用することができ、1種類または2種類以上を組み合わせることもできる。前記金属酸化物の配合量としては、固形粉末化粧料中、塗布膜の均一性、耐衝撃性、不自然なツヤ感の抑制、粉散り抑制、紫外線防御能およびカバー力等の観点から、1~25質量%が好ましく、2~24質量%がより好ましく、さらに3~23質量%がさらにより好ましい。さらにまた、前記金属酸化物は表面処理の有無や表面処理の種類は特に限定されず、また、前記金属酸化物の粒子径も限定されないが、例えば、平均粒子径0.01~1000μmのものを使用できる。
【0032】
本発明の固形粉末化粧料には、前記成分の他に、通常化粧料に用いられる他の成分を必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。前記任意配合成分としては、例えば、保湿剤、界面活性剤、増粘剤、染料、低級アルコール、有機酸、有機アミン、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、水等を挙げることができる。
【0033】
また、本発明において、固形粉末化粧料とは、人間の身体等に使用できるものであり、化粧品を主とするものであるが、医薬部外品、医薬品等の用途を排除するものではない。さらに、前記化粧品とは、基礎化粧品(皮膚外用剤)、メイクアップ化粧品、頭髪用化粧品、入浴剤等を含むものであり、固形状、半固形状等の形態の化粧品に使用できる。中でも、メーキャップ化粧品が好ましく、固形粉末化粧料であるパウダーファンデーション、プレストパウダー、プレストアイシャドウ、プレストチーク、プレストハイライトなどに使用できる。
【0034】
また、本発明において、固形粉末化粧料の製造方法としては、通常の固形粉末化粧料の製造方法で製造でき、一般的には、粉体相と油相とを混合して、機械で圧縮成型することで製造することができる。
【0035】
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下、処方中の数値は質量%を示す。
【実施例
【0036】
実施例1、3~5,7~9,12~13、16~17、20~21、24~28、比較例1~7)
下記表1~5記載の配合量(質量%)で、表中のa相とb相の成分をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、さらに表中のc相とd相の成分を添加、混合した。得られた混合物をアトマイザー等の粉砕機にて粉砕を行った。その後ふるいを通し、金皿に圧縮成型して、実施例1、3~5,7~9,12~13、16~17、20~21、24~28および比較例1~7の固形粉末化粧料を製造した。また、得られた固形粉末化粧料は、下記記載の試験方法で粉散り、耐衝撃性、仕上がりの官能試験および塗布膜の均一性について試験し、結果を下記表1~5に併記した。
【0037】
<粉散り試験>
図1は、粉散り試験機1を示す図である。操作部2を操作して、矢印a方向に回転させながら、得られた固形粉末化粧料(試験サンプル)4に100gの荷重をかけてパフ3をz軸方向に200mm/min、x軸方向にストローク(sto)±10mmで120ストローク/min、y軸方向にストローク±10mmで120ストローク/minで60秒間擦った。剥離した粉末の質量(g)を以下の基準で判定した。
(スコア)
◎:0.35g未満
○:0.35g以上0.50g未満
△:0.50g以上0.65g未満
×:0.65g以上
【0038】
<耐衝撃性試験>
得られた固形粉末化粧料を30cmの高さからラワン材に正落下して、サンプルに発生する欠けを目視で観察した。試験回数はn=3とし、欠けが発生するまでの回数を算術平均して、以下の基準で判定した。
(スコア)
◎:15回以上
○:10回以上15回未満
△:5回以上10回未満
×:5未満
【0039】
<仕上がりの官能試験>
専門パネリスト5名に、得られた固形粉末化粧料のパウダーファンデーションを使用してもらい、塗布後のツヤ感について、以下の基準で評価した。得られたスコアを算術平均して、以下の評価基準で判定した。
(スコア)
4点:肌にのせたとき、きわめて自然な仕上がりで不自然なツヤを感じない
3点:肌にのせたとき、自然な仕上がりで不自然なツヤを感じない
2点:肌にのせたとき、粉が肌から浮いて見え、不自然な仕上がり
1点:肌にのせたとき、粉が肌から浮いて見え、極めて不自然な仕上がり
(評価基準)
◎:スコア(算術平均値)4点
○:スコア(算術平均値)3.0点以上4.0点未満
△:スコア(算術平均値)2.0点以上3.0点未満
×:スコア(算術平均値)1.0点以上2.0点未満
【0040】
<塗布膜の均一性試験>
専門パネリスト5名に、得られた固形粉末化粧料のパウダーファンデーションを使用してもらい、塗布後の塗布膜の均一性について、以下の基準で評価した。得られたスコアを算術平均して、以下の評価基準で判定した。
(スコア)
4点:肌にのせたあと、塗布膜の均一性がきわめて高い
3点:肌にのせたあと、塗布膜の均一性が高い
2点:肌にのせたあと、塗布膜の均一性がやや高い
1点:肌にのせたあと、塗布膜の均一性が低い
(評価基準)
◎:スコア(算術平均値)4点
○:スコア(算術平均値)3.0点以上4.0点未満
△:スコア(算術平均値)2.0点以上3.0点未満
×:スコア(算術平均値)1.0点以上2.0点未満
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
表1~5に示すように、実施例1、3~5,7~9,12~13、16~17、20~21および24~28の固形粉末化粧料は、粉散り、耐衝撃性、塗布後の不自然なツヤ感のなさおよび塗布膜の均一性について良好であった。一方、比較例1、比較例3および比較例7の固形粉末化粧料は粉散りが激しく、比較例3、比較例6および比較例7の固形粉末化粧料は耐衝撃性が悪く欠けが発生し、比較例2、比較例4および比較例5の固形粉末化粧料は肌にのせたとき、粉が肌から浮いて見え、極めて不自然な仕上がりであり、比較例1および比較例2の固形粉末化粧料は肌にのせたあと、塗布膜の均一性が悪い結果であった。
【0047】
実施例37、比較例8~11)
下記の配合量(質量%)および製造方法で、実施例37および比較例8~11の固形粉末化粧料を製造した。また、得られた固形粉末化粧料は、上記記載の試験方法で粉散り、耐衝撃性、仕上がりの官能試験および塗布膜の均一性について試験し、結果を記載した。
【0048】
参考例17]ハイライト
(1)シリコーン処理酸化チタン 3.0
(2)アルミナ 3.8
(3)パール剤 5.0
(4)シリコーン処理無水ケイ酸 5.2
(5)ポリメタクリル酸メチル 4.5
(6)シリコーン処理合成金雲母 残量
(7)窒化ホウ素 7.5
(8)オキシ塩化ビスマス 20.0
(9)ナイアシンアミド 8.0
(10)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 7.0
(11)防腐剤 適量
上記(1)~(9)をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、さらに(10)および(11)を添加、混合した。得られた混合物をアトマイザー等の粉砕機にて粉砕を行った。その後ふるいを通し、金皿に圧縮成型した。得られた固形粉末化粧料は、粉散り、耐衝撃性、仕上がりの官能試験および塗布膜の均一性のすべての項目が良好であった。なお、シリコーン処理合成金雲母で、配合量を100質量%に調整している。
【0049】
[比較例8]ハイライト
(1)シリコーン処理酸化チタン 3.0
(2)アルミナ 3.8
(3)パール剤 5.0
(4)シリコーン処理無水ケイ酸 5.2
(5)ポリメタクリル酸メチル 4.5
(6)シリコーン処理合成金雲母 残量
(7)ナイアシンアミド 8.0
(8)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 7.0
(9)防腐剤 適量
上記(1)~(7)をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、さらに(8)および(9)を添加、混合した。得られた混合物をアトマイザー等の粉砕機にて粉砕を行った。その後ふるいを通し、金皿にプレスした。得られた固形粉末化粧料は、粉散り、耐衝撃性、塗布後の不自然なツヤ感のなさおよび塗布膜の均一性のすべての項目が不良であった。なお、シリコーン処理合成金雲母で、配合量を100質量%に調整している。
【0050】
参考例18]アイシャドウ
(1)シリコーン処理酸化チタン 3.0
(2)アルミナ 3.8
(3)パール剤 8.0
(4)シリコーン処理無水ケイ酸 5.2
(5)ポリメタクリル酸メチル 4.5
(6)酸化鉄 5.2
(7)グンジョウ 8.0
(8)シリコーン処理合成金雲母 残量
(9)窒化ホウ素 7.5
(10)オキシ塩化ビスマス 20.0
(11)ナイアシンアミド 5.0
(12)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 7.0
(13)防腐剤 適量
上記(1)~(11)をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、さらに(12)および(13)を添加、混合した。得られた混合物をアトマイザー等の粉砕機にて粉砕を行った。その後ふるいを通し、金皿に圧縮成型した。得られた固形粉末化粧料は、粉散り、耐衝撃性、仕上がりの官能試験および塗布膜の均一性のすべての項目が良好であった。なお、シリコーン処理合成金雲母で、配合量を100質量%に調整している。
【0051】
[比較例9]アイシャドウ
(1)シリコーン処理酸化チタン 3.0
(2)アルミナ 3.8
(3)パール剤 8.0
(4)シリコーン処理無水ケイ酸 5.2
(5)ポリメタクリル酸メチル 4.5
(6)酸化鉄 5.2
(7)グンジョウ 8.0
(8)シリコーン処理合成金雲母 残量
(9)ナイアシンアミド 5.0
(10)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 7.0
(11)防腐剤 適量
上記(1)~(9)をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、さらに(10)および(11)を添加、混合した。得られた混合物をアトマイザー等の粉砕機にて粉砕を行った。その後ふるいを通し、金皿にプレスした。得られた固形粉末化粧料は、粉散り、耐衝撃性、塗布後の不自然なツヤ感のなさおよび塗布膜の均一性のすべての項目が不良であった。なお、シリコーン処理合成金雲母で、配合量を100質量%に調整している。
【0052】
[実施例37]チーク
(1)シリコーン処理酸化チタン 6.0
(2)アルミナ 3.8
(3)シリコーン処理無水ケイ酸 5.2
(4)ポリメタクリル酸メチル 4.5
(5)酸化鉄 0.04
(6)赤226 0.32
(7)黄4 3.1
(8)シリコーン処理合成金雲母 残量
(9)窒化ホウ素 15.0
(10)オキシ塩化ビスマス 7.5
(11)ナイアシンアミド 3.0
(12)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 5.1
(13)防腐剤 適量
上記(1)~(11)をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、さらに(12)および(13)を添加、混合した。得られた混合物をアトマイザー等の粉砕機にて粉砕を行った。その後ふるいを通し、金皿に圧縮成型した。得られた固形粉末化粧料は、粉散り、耐衝撃性、仕上がりの官能試験および塗布膜の均一性のすべての項目が良好であった。なお、シリコーン処理合成金雲母で、配合量を100質量%に調整している。
【0053】
[比較例10]チーク
(1)シリコーン処理酸化チタン 6.0
(2)アルミナ 3.8
(3)シリコーン処理無水ケイ酸 5.2
(4)ポリメタクリル酸メチル 4.5
(5)酸化鉄 0.04
(6)赤226 0.32
(7)黄4 3.1
(8)シリコーン処理合成金雲母 残量
(9)ナイアシンアミド 3.0
(10)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 5.1
(11)防腐剤 適量
上記(1)~(9)をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、さらに(10)および(11)を添加、混合した。得られた混合物をアトマイザー等の粉砕機にて粉砕を行った。その後ふるいを通し、金皿にプレスした。得られた固形粉末化粧料は、粉散り、耐衝撃性、塗布後の不自然なツヤ感のなさおよび塗布膜の均一性のすべての項目が不良であった。なお、シリコーン処理合成金雲母で、配合量を100質量%に調整している。
【0054】
[比較例11]ファンデーション(タルク配合)
(1)シリコーン処理酸化チタン 15.0
(2)合成金雲母 8.0
(3)シリコーン処理無水ケイ酸 5.2
(4)ポリメタクリル酸メチル 4.5
(5)酸化鉄 3.1
(6)シリコーン処理タルク 残量
(7)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 5.1
(8)防腐剤 適量
上記(1)~(6)をヘンシェルミキサーにて均一に混合し、さらに(7)および(8)を添加、混合した。得られた混合物をアトマイザー等の粉砕機にて粉砕を行った。その後ふるいを通し、金皿に圧縮成型した。得られた固形粉末化粧料は、粉散り、耐衝撃性、仕上がりの官能試験および塗布膜の均一性すべての項目が良好であり、実施例1のファンデーションと比較しても効果は同等であることがわかった。ただし、シリコーン処理タルクで配合量を100質量%に調整し、タルクを配合しているため、微量のアスベストが含まれている可能性も考えられることから、好まれていない。
【符号の説明】
【0055】
1 粉散り試験機
2 操作部
3 パフ
4 試験サンプル
a 回転の矢印

【要約】
タルクを含まずとも、耐衝撃性および塗布膜の均一性が向上した固形粉末化粧料を提供する。
粉体相に油相を与えてなるタルクフリーの固形粉末化粧料であって、粉体相が窒化ホウ素とともにオキシ塩化ビスマスを含み、油相の配合量が3~10質量%、オキシ塩化ビスマス及び窒化ホウ素の配合量がいずれも1質量%以上である固形粉末化粧料である。オキシ塩化ビスマスの配合量が5~20質量%の範囲内であることが好ましく、窒化ホウ素の配合量が10~30質量%の範囲内であることが好ましい。

図1