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特許7316058逐次的に印刷された印刷用紙の次処理をするための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】逐次的に印刷された印刷用紙の次処理をするための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 45/18 20060101AFI20230720BHJP
   B41F 13/54 20060101ALI20230720BHJP
   B65H 37/06 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
B65H45/18
B41F13/54 414
B65H37/06
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2019029937
(22)【出願日】2019-02-22
(65)【公開番号】P2019151489
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】00241/18
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】502200092
【氏名又は名称】ミュラー・マルティニ・ホルディング・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・トロクスラー
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-030698(JP,A)
【文献】特開2014-088265(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102016203043(DE,A1)
【文献】特開2016-069193(JP,A)
【文献】特開2012-180147(JP,A)
【文献】特開平07-237812(JP,A)
【文献】特表平09-503472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 45/00-47/00
B41F 13/54
B65H 37/00-37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
逐次的に印刷された連続する印刷用紙(21...n)の次処理をするための装置であって、
・移送方向(4)に印刷用紙(21...n)を搬送するためのコンベヤ(3)と、
・コンベヤ(3)の下流の領域(5)に配置された、印刷用紙(21...n)を収容するための折りテーブル(6)と、
・垂直方向に折りテーブル(6)から離間して配置された折りナイフ(7)と、
・折りテーブル(6)の折りナイフ(7)に対向する側に配置された、その間に折りロールギャップ(25)を形成する折りロール対(8)と、
印刷用紙(2 1...n )が、コンベヤ(3)によって搬送され、後続の印刷用紙(21...n)の前縁(21’...n’)が折りテーブル(6)上に位置決めされた印刷用紙(21...n)の後縁(21’’...n’’)に対して高くされて供給されるように、折りテーブル(6)の上でその上流の領域(28)に配置された、折りテーブル(6)上に位置決めすべき印刷用紙(21...n)の後縁(21’’...n’’)を折りテーブル(6)の方向に押圧するための少なくとも1つの押さえ器(29)と、
・折りナイフ(7)及び少なくとも1つの押さえ器(29)と作動的に接続された機械制御部(35)
を有するものにおいて、
・少なくとも1つの押さえ器(29)が、折りテーブル(6)上に位置決めすべき印刷用紙(21...n)の後縁(21’’...n’’)の領域でその上側(21’’’...n’’’)に作用するこの印刷用紙(21...nの減速をするための少なくとも1つの機械的な制動要素(34)を備え、
・折りナイフ(7)が、固定式に形成されており、第1の圧縮空気源(14)と接続された、印刷用紙(21...n)の折りを開始するために使用される圧縮空気(16)用の折りロールギャップ(25)に向けられた少なくとも1つの出口開口(18)を有する圧縮空気装置(15)を備え、
・折りテーブル(6)が、連続する少なくとも2つの印刷用紙(21...n)用の収集装置(6’)を構成し、
・コンベヤ(3)の領域に、機械制御部(35)と作動的に接続された、コンベヤ(3)によって搬送される印刷用紙(21...n)を検出するための少なくとも1つのセンサ(38)が配置されている
こと、及び、
折りロール対(8)と折りナイフ(7)が、移送方向(4)に沿って又は移送方向(4)に対して横に配置されていること、
を特徴とする装置。
【請求項2】
折りテーブル(6)の領域に、折りテーブル(6)上に収集すべき印刷用紙(21...n)の前縁(21’...n’)用のストッパ(19)が配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ストッパ(19)が、印刷用紙(21...n)の移送方向(4)及び移送方向(4)とは反対に移動可能に形成されていること、を特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
印刷用紙(2 1...n )のサイズが現在の作業指令に対して大きい又は小さい場合、ストッパ(19)と押さえ器(29)の両方が、移送方向(4)又は移送方向(4)とは反対に相応に移動可能であること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの押さえ器(29)が、第1の圧縮空気源(14)又は第2の圧縮空気源(14’)と接続されており、折りテーブル(6)上に位置決めすべき印刷用紙(21...n)のその後縁(21’’...n’’)の領域の上側(21’’’...n’’’)に向けられた、圧縮空気(33)用の少なくとも1つの出口開口(32)を備えること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つの機械的な制動要素(34)が、押さえ器(29)の少なくとも1つの第1の出口開口(32)と折りテーブル(6)との間に配置されていること、を特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項7】
装置が、少なくとも2つの別個の押さえ器(29)を備え、これら押さえ器(29)が、それぞれ印刷用紙(21...n)の移送方向(4)に対して横に折りナイフ(7)の圧縮空気装置(15)の上流端(15’)から横方向に間隔(30’)を置いて配置されていること、を特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも2つの別個の押さえ器(29)の横方向の間隔(30)が、調整可能に形成されていること、を特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項9】
折りナイフ(7)が、移送方向(4)に相前後して配置された複数のセグメント(17)を備えること、を特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
コンベヤ(3)が、下側ベルト(11,11’,11’’)と、印刷用紙(21...n)を搬送するためにこの下側ベルトと協働する上側ベルト(12,12’,12’’)を備えること、を特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
下側ベルト(11,11’)と上側ベルト(12,12’’)の両方が、折りテーブル(6)の領域内にまで達すること、を特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
下側ベルト(11,11’’)及び/又は上側ベルト(12,12’’)が、折りテーブル(6)の領域内で互いに次第に近づくように形成されていること、を特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
コンベヤ(3)の領域に、機械制御部(35)と作動的に接続された、コンベヤ(3)によって搬送される印刷用紙(21...n)を検出するための少なくとも2つのセンサ(38)が、移送方向(4)に対して横に離間して配置されていること、を特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
折りロールギャップ(25)が、調整可能に形成されたギャップ幅(25’)を備えること、を特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
逐次的に印刷された連続する印刷用紙(21...n)の次処理をするための方法であって、印刷用紙が、コンベヤ(3)によって移送方向(4)にコンベヤ(3)の下流の領域(5)に配置された折りテーブル(6)まで搬送され、そこでこの折りテーブルによって収容され、垂直方向に折りテーブル(6)から離間した折りナイフ(7)と、折りテーブル(6)の折りナイフ(7)に対向する側に配置された、その間に折りロールギャップ(25)を形成する折りロール対(8)が、印刷用紙(21...n)を折るために協働し、折りテーブル(6)上に位置決めすべき先行する印刷用紙(21...n)の後縁(21’’...n’’)が、少なくとも1つの押さえ器(29)によって折りテーブル(6)の方向に押し付けられ、後続の印刷用紙(21...n)の前縁(21’...n’)が、折りテーブル(6)上に位置決めされた先行する印刷用紙(21...n)の後縁(21’’...n’’)に対して高くされて供給され、押さえ器(29)と折りナイフ(7)が、機械制御部(35)を介して制御されるものにおいて、
連続する少なくとも2つの印刷用紙(21...n)が、共通のスタック(41)を構成するように折りテーブル(6)によって構成された収集装置(6’)上に積み重ねて収集され、スタック(41)が、共に1つの印刷製品(41’)に折られ、折りテーブル(6)上に載置すべき先行する印刷用紙(21...n)が、その後縁(21’’...n’’)の領域でその上側(21’’’...n’’’)で押さえ器(29)の機械的な制動要素(34)との接触によって減速され、スタック(41)の折りが、第1の圧縮空気源(14)から供給される、固定式の折りナイフ(7)の少なくとも1つの出口開口(18)からの圧縮空気(16)のスタック(41)への作用によって誘起され、コンベヤ(3)によって搬送される印刷用紙(21...n)が、機械制御部(35)と作動的に接続されたセンサ(38)によって検出され、機械制御部(35)が、少なくとも1つのセンサ(38)から受けた情報に相当する制御信号を、先行する印刷用紙(21...n)の後縁(21’’...n’’)の押圧をするため、先行する印刷用紙の減速をするため及び折りナイフ(7)の操作をするために計算し、押圧過程、制動過程及び折り過程を誘起すること、及び、スタック(41)が、コンベヤ(3)によって搬送される印刷用紙(2 1...n )の移送方向(4)に沿って又は移送方向(4)に対して横に折られること、を特徴とする方法。
【請求項16】
折りテーブル(6)上に収集すべき印刷用紙(21...n)の前縁(21’...n’)が、折りテーブル(6)の領域に配置されたストッパ(19)に対して移送されること、を特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ストッパ(19)が、折りテーブル(6)上に収集すべき印刷用紙(21...n)のサイズの変更時に、印刷用紙(21...n)の移送方向(4)又は移送方向(4)とは反対に移動されること、を特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの押さえ器(29)が、第1の圧縮空気源(14)又は第2の圧縮空気源(14’)から圧縮空気(16,33)を供給され、圧縮空気(16,33)が、押さえ器(29)の少なくとも1つの出口開口(32)を経て、折りテーブル(6)上に位置決めすべき印刷用紙(21...n)のその後縁(21’’...n’’)の領域の上側(21’’’...n’’’)に向けられて排出されること、を特徴とする請求項15~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
押さえ器(29)の少なくとも1つの第1の出口開口(32)から流出する圧縮空気(16,33)が、少なくとも1つの機械的な制動要素(34)に向けて誘導され、これによりこの制動要素が、折りテーブル(6)の方向に誘導され、折りテーブル(6)上に位置決めすべき又はスタック(41)に供給すべき印刷用紙(21...n)と接触させられること、を特徴とする請求項15~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
圧縮空気(16,33)が、少なくとも2つの別個の押さえ器(29)を介して排出され、これら押さえ器が、それぞれ印刷用紙(21...n)の移送方向(4)に対して横に、折りナイフ(7)の圧縮空気装置(15)の上流端(15’)から横方向に間隔(30’)を置いて配置されていること、を特徴とする請求項15~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも2つの別個の押さえ器(29)の横方向の間隔(30)が、処理すべき印刷用紙(21...n)のサイズの小さい又は大きいを含む後続の作業指令時に、相応に減少又は増加させられること、を特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
第1の圧縮空気源(13)から供給される圧縮空気(16)が、移送方向(4)に相前後して配置された、折りナイフ(7)の複数のセグメント(17)に導入され、機械制御部(35)によって、スタック(41)の領域に配置されたセグメント(17)だけが圧縮空気(16)の作用を受けること、を特徴とする請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
印刷用紙(21...n)が、コンベヤ(3)の下側ベルト(11,11’,11’’)と上側ベルト(12,12’,12’’)の間に形成された移送ギャップ(13)内で折りテーブル(6)まで搬送されること、を特徴とする請求項15~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
印刷用紙(21...n)が、コンベヤ(3)の下側ベルト(11,11’)と上側ベルト(12,12’’)によって折りテーブル(6)の領域内にまで搬送されること、を特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
折りテーブル(6)の領域内での印刷用紙(21...n)の案内が、下側ベルト(11,11’)及び/又は上側ベルト(12,12’’)の互いに次第に近づく形成によって付加的に支援されること、を特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
印刷用紙(21...n)が、コンベヤ(3)の領域で、機械制御部(35)と作動的に接続されかつ移送方向(4)に対して横に離間して配置された少なくとも2つのセンサ(38)によって検出されること、を特徴とする請求項15~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
折りロールギャップ(25)のギャップ幅(25’)が、後続の作業指令時に、折るべきスタック(41)の厚さの違いによって相応に調整されること、を特徴とする請求項15~26のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逐次的に印刷された連続する印刷用紙の次処理をするための装置及び方法に関する。装置は、移送方向に印刷用紙を搬送するためのコンベヤと、コンベヤの下流の領域に配置された、印刷用紙を収容するための折りテーブルと、垂直方向に折りテーブルから離間して配置された折りナイフと、折りテーブルの折りナイフに対向する側に配置された、その間に折りロールギャップを形成する折りロール対と、後続の印刷用紙の前縁が折りテーブル上に位置決めされた印刷用紙の後縁に対して高くされて供給されるように、折りテーブルの上でその上流の領域に配置された、折りテーブル上に位置決めすべき印刷用紙の後縁を折りテーブルの方向に押圧するための少なくとも1つの押さえ器と、折りナイフ及び少なくとも1つの押さえ器と作動的に接続された機械制御部を備えている。
【0002】
方法の場合は、逐次的に印刷された連続する印刷用紙が、コンベヤによって移送方向にコンベヤの下流の領域に配置された折りテーブルまで搬送され、そこでこの折りテーブルによって収容され、垂直方向に折りテーブルから離間した折りナイフと、折りテーブルの折りナイフに対向する側に配置された、その間に折りロールギャップを形成する折りロール対が、印刷用紙を折るために協働し、折りテーブル上に位置決めすべき先行する印刷用紙の後縁が、少なくとも1つの押さえ器によって折りテーブルの方向に押し付けられ、後続の印刷用紙の前縁が、折りテーブル上に位置決めされた先行する印刷用紙の後縁に対して高くされて供給され、押さえ器と折りナイフが、機械制御部を介して制御される。
【背景技術】
【0003】
逐次的に印刷された印刷用紙は、折られてない及び/又は折られた印刷用紙であり、その供給は、インラインで、即ち直接的又は間接的にデジタル印刷機に続くように行なわれる。選択的に、供給は、オフラインでも、即ち、中間貯蔵された逐次的に印刷された材料ウェブ-この材料ウェブから、引き続き印刷用紙が分離され、その後場合によっては折られる-から又は折られてない及び/又は折られた印刷用紙の中間貯蔵物から出発するようにすることも可能である。
【0004】
デジタル印刷の場合、印刷イメージは、静的な版型を使用せずにコンピュータから直接的に印刷機に伝達される。この場合、材料ウェブは、企図された折りパターンに依存して、完成した印刷製品の所定の順序で、即ち逐次的に印刷することができる。このようにして、1つの印刷製品までの比較的少ない数を実現することができる。この場合、例えばオフセット印刷のような従来の印刷方法とは違って、非常にしばしば、例えば印刷自身、即ち印刷用紙毎の印刷ページの数及び印刷用紙のそれぞれのサイズのような異なる特性を有する印刷用紙の連続が生じる。
【0005】
最後に、デジタル印刷機は、今日では単位時間当たり常に大量の印刷素材を印刷する。これが、材料ウェブ又は個々の印刷用紙を処理するデジタル印刷機であるかに依存せずに、これら大量の印刷素材は、引き続き次処理をする必要がある。この場合、大きい材料処理量に基づいて、印刷製品の慎重な次処理を困難にする高い搬送速度が生じる。次処理のために使用される装置に応じて、印刷用紙の間に間隙を形成すべきであり、これにより、搬送速度は、付加的に高められる。加えて、印刷製品内の今日の空白ページは、デジタル印刷の技術的な可能性に基づいて常に僅かにしか許容されない。
【0006】
デジタル印刷機の下流で、間の時間に材料ウェブから分離された又はデジタル印刷機で個々に印刷された印刷用紙の搬送速度は、公知の縦折り装置及び/又は横折り装置によって1回又は数回折ることによって減少させられる。確かに、折りは、一方で印刷用紙の慎重な次処理を容易化するが、各折り過程は、潜在的に空白ページの数を不所望に大きくする。これは、予め折られてない印刷用紙を使用することによって回避することができる。但し、これにより、搬送速度が増加し、これが、結果として、使用される次処理層装置に応じて高いサイクル数を生じさせ、更にまた、慎重な次処理を困難にし、品質問題を生じさせ得る。
【0007】
欧州特許出願公開第2818331号明細書から、デジタル印刷機によって逐次的に印刷された紙ウェブのインライン次処理のための装置及び方法が公知である。印刷された紙ウェブは、まず穿孔及び切断ステーションを通過する。そこで分離された印刷用紙は、横折り装置及び縦折装置によってそれぞれ個々に1回又は数回折られる。折りの後、後から共通のブックブロックを構成する印刷用紙は、これら印刷用紙がこれに続く集積装置でブックブロックに積み重ねられて糊付けされる前に、丁合装置で魚鱗状に結集させられる。その後、ブックブロックは、次の処理のために搬送される。
【0008】
この解決策の場合、機械制御部内でそれぞれの製造指令に応じて自動的に行なわれる有効能力に応じた折りパターンの最適化に基づいて、空白ページの数のある程度の縮小を達成することができる。しかしながら、加工ステーションの数によって、コスト、スペース要量並びに制御および調整費用は比較的高い。この装置の操作モードに応じて、分離後にまず個々に非常に僅かな間隔で相前後して装置によって搬送すべき印刷用紙の搬送速度も比較的高いので、その次処理時に品質問題が生じ得る。
【0009】
欧州特許出願公開第2502862号明細書には、デジタル印刷機で印刷された材料ウェブから予め同様に分離されていた異なるサイズを有する印刷用紙を処理するための装置及び方法が開示されている。装置は、異なるサイズを有する連続する印刷用紙のために上下に配置された少なくとも2つの収集ドラムを備える。装置の操作時、収集ドラムの下流に、例えば異なるサイズの2つの印刷用紙を第3の印刷用紙と結集させることによって、3つの印刷用紙の部分スタックが生じ、この部分スタックは、次いで別の部分スタックと1つの印刷製品に結合することができる。このため、部分スタックは、その形成部の下流でまず縦折り及び/又は横折りすることができる。
【0010】
両収集ドラムによって行なわれる部分スタックの構成に基づいて、この解決策の場合、印刷次処理装置の下流の領域で、有利には、部分スタックの搬送速度は低減することができる。しかしながらこれは、例えば1つのカプラ機構と互いに同調すべき2つの別個の駆動装置を有する両収集シリンダの比較的費用のかかる駆動装置を必要とする。空白ページの数の低減は開示されていない。
【0011】
欧州特許出願公開第2727868号明細書及び欧州特許出願公開第2727869号明細書から、それぞれ、デジタル印刷機によって逐次的に印刷された印刷用紙の縦折り又は横折りをするための装置及び方法が公知である。この場合、装置は、それぞれ、圧縮空気源及び制御ユニットと接続された、圧縮空気用の複数の出口開口を有する圧縮空気装置を備える。これら解決策により、比較的高い搬送速度を、それゆえ高い能力を実現することができる。しかしながら、高い搬送速度に基づいて、特定の状況下で、比較的小さい間隔で連続する印刷用紙を折る時に品質問題が生じ得る。縦折り時に先行する印刷用紙の後縁と後続の印刷用紙の前縁と間の衝突を回避するために、後続の印刷用紙が供給され得る前に、先行する印刷用紙は、常にまず折りロール外へもしくは折りテーブルのレベル下へ移送されなければならない。しかしながら、これらの解決策によっても、連続する個々の印刷用紙しか折ることができない。
【0012】
独国特許出願公開第102016203043号明細書から、昇降可能な少なくとも1つの折りナイフと、この折りナイフの下に配置された1つの折りローラ対によって連続する個々の印刷用紙を折るためのナイフ折りステーションを有する折り機が公知である。折りナイフは、機械的なナイフブレードと、このナイフブレードの直ぐ上流の延長上に配置された空気圧式のナイフブレードを備えており、後者は、噴射空気を発生させるための少なくとも1つのノズルを備える。加えて、折り機内に、ナイフ折りステーションへ導入された印刷用紙の前縁を減速するための下流側の機械的なストッパと、この印刷用紙の後縁用の上流側の空気圧式の押さえ器と、ナイフ折りステーションへの進入時に後続の印刷用紙を持ち上げるための別の上流側の誘導要素が配置されている。この場合、印刷用紙は、回動する搬送ベルト上に位置し、これら搬送ベルトによって折り機を経て搬送される。
【0013】
折り機の操作時、ナイフ折りステーションに、滞っている製造指令に応じて相前後して印刷用紙が供給され、折りロールと折りナイフの協働によってそれぞれ個々に縦折りされる。このようにおられた印刷用紙は、最後に次処理のために下に向かって送出される。この場合、上流の領域に配置された空気圧式のナイフブレードを有する二部材の折りナイフに基づいて、後続の印刷用紙は、前の印刷用紙がちょうど折られ、未だ部分的に搬送ベルト上に存在する時には既に、折りナイフとの衝突の危険なくナイフ折りステーションに供給することができる。これにより、同じ搬送速度で高い折り能力を達成すること又は同じ折り能力で搬送速度を低減することができる。後続の用紙の前縁が先行する用紙の後縁に達する直前に、空気圧式の押さえ器によって、先行する印刷用紙の後縁に押さえ力が加えられる。その直後に、後続の印刷用紙が、誘導要素によってその前縁を持上げられる。押さえと持上げの組合せにより、この両印刷用紙の衝突が防止され得る。
【0014】
空気圧式に押さえ器の空気パルスは、折りテーブルの両側及び上に配置された空気圧式の押さえ要素の搬送ベルト空気と組み合せて又は相応の機械的な押さえ要素と組み合わせて、印刷用紙が摩擦によって搬送ベルトに押し付けられ、その場合その速度を吸収し、これにより限定的にストッパまで搬送されるように働く。
【0015】
能力向上が実現されているにもかかわらず、この折り機は、比較的低い搬送速度のために設けられているに過ぎない。従って、更なる能力向上は、ほとんど可能でない。加えて、ストッパも、低い搬送速度のためにしか適していない。何故なら、ストッパに衝突する印刷用紙は、高い搬送速度の場合は傷つけられる及び/又はストッパによって跳ね返り得るからである。最後に、この折り機は、連続する個々の印刷用紙を折るためにしか適していない。
【0016】
欧州特許出願公開第3002240号明細書は、処理機械で例えばデジタル印刷機によって印刷された印刷用紙の減速及び位置決めをするための装置と、このような装置を操作するための方法に関する。これにより、高い搬送速度を備える個々の印刷用紙は、傷つけられる危険なく非常に短い時間で正確な位置で安定して完全に減速され得る。しかしながら、この場合、機械的な折りナイフが使用され、この折りナイフに、各印刷用紙が、折り過程の前に位置決めされる同じレベルで供給される。後続の印刷用紙を折りテーブル上に位置決めすることができるように、前の印刷用紙は、その後端が後続の印刷用紙の供給レベルの下に存在するまで折りテーブルから引き出されなければならない。これから、折りテーブルから折りロール対内への個々の印刷用紙の比較的高い引出し速度が生じる。これは、特定の条件下で、次処理時の品質問題を、即ち、印刷用紙の後端のめくれ及びいわゆるドッグイヤーの折りを生じさせ得る。加えて、後続の印刷用紙と機械的な折りナイフの間に衝突の危険がある。最後に、機械的な折りナイフの固定の運動経過は、連続する異なる印刷用紙のために変更され得ない。従って、この解決策も、連続する個々の印刷用紙を折るために適しているに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】欧州特許出願公開第2818331号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2502862号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2727868号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2727869号明細書
【文献】独国特許出願公開第102016203043号明細書
【文献】欧州特許出願公開第3002240号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って、本発明の課題は、印刷用紙の搬送速度を低減し、それにもかかわらず改善された能力を達成し得る、デジタル印刷機によって逐次的に印刷された印刷用紙の次処理をするための単純かつ安価な装置及び相応の方法を提供することにある。加えて、印刷用紙の慎重な次処理を可能にし、これにより品質問題を回避し、完成した印刷用紙の空白ページの数の潜在的な低減を達成すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
課題は、請求項1の特徴付け部分の特徴を有する装置と、請求項16の特徴付け部分の特徴を有する方法によって解決される。有利な実施形態は、それぞれの従属請求項に記載されている。
【0020】
このため、本発明による装置の少なくとも1つの押さえ器は、折りテーブル上に位置決めすべき印刷用紙の後縁の領域でその上側に作用するこの印刷用紙用の少なくとも1つの機械的な制動要素を備える。加えて、折りナイフは、固定式に形成されており、第1の圧縮空気源と接続された、印刷用紙の折りを開始するために使用される圧縮空気用の折りロールギャップに向けられた少なくとも1つの出口開口を有する圧縮空気装置を備えている。更に、折りテーブルは、連続する少なくとも2つの印刷用紙用の収集装置を構成する。最後に、コンベヤの領域に、機械制御部と作動的に接続された、コンベヤによって搬送される印刷用紙を検出するための少なくとも1つのセンサが配置されている。
【0021】
このため、本発明による方法の場合は、連続する少なくとも2つの印刷用紙が、共通のスタックを構成するように折りテーブルの収集装置上に積み重ねて収集され、スタックが、共に1つの印刷製品に折られる。この場合、折りテーブル上に載置すべき先行する印刷用紙は、その後縁の領域でその上側で機械的な制動要素との接触によって減速される。スタックの折りは、第1の圧縮空気源から供給される、固定式の折りナイフの少なくとも1つの出口開口からの圧縮空気のスタックへの作用によって誘起される。加えて、コンベヤによって搬送される印刷用紙は、機械制御部と作動的に接続された少なくとも1つのセンサによって検出され、機械制御部は、少なくとも1つのセンサから受けた情報に相当する制御信号を、先行する印刷用紙の後縁の押圧をするため、先行する印刷用紙の減速をするため及び折りナイフの操作をするために計算し、最後に、押圧過程、制動過程及び折り過程を誘起する。
【0022】
従来技術から知られた折り機の場合、連続する個々の印刷用紙が折られ得るに過ぎない。従って、これは、第1の印刷用紙の上に収集された第2の印刷用紙が、搬送ベルトにではなく、既にその前縁でストッパに当接している第1の印刷用紙にだけ押し付けられ得るのでその通りである。従って、このような第2の印刷用紙は、もはやきれいにストッパへ搬送され得ない。従って、このような折り機は、印刷用紙の収集及び次のその折りのために適していない。
【0023】
これとは違って、本発明による装置及び本発明による方法によれば、連続する個々の印刷用紙だけでなく、予めスタックに積み重ねて収集され得る。これにより、スタックに収集された印刷用紙の搬送速度は、折り中と折り後の両方で、個々に供給され、個々に折られる印刷用紙に対して有利に低減され得る。改善された能力以外に、これは、結果として、単純で、安価で、コンパクトな装置並びに相応の方法をもたらす。加えて、低いプロセスリスクで、印刷用紙の慎重な次処理が、それ故、折られた印刷製品の良好な品質が、実現され得る。最後に、折られてない印刷用紙の折りテーブルへの供給時、即ち折られてない印刷用紙を含めたスタック構成時に、空白ページの低減も達成され得る。この場合、本発明による装置及び本発明による方法による次処理は、主に個々の印刷用紙の折りテーブルへの供給、この印刷用紙の折りテーブル上での収集及び収集された印刷用紙から成るスタックの引き続く折りであると理解すべきである。
【0024】
本発明による装置の1つの実施形態では、折りテーブルの領域に、折りテーブル上に収集すべき印刷用紙の前縁用のストッパが配置されている。これに応じて、本発明による方法の1つの実施形態においては、折りテーブル上に収集すべき印刷用紙の前縁が、折りテーブルの領域に配置されたストッパに対して移送される。このようにして、スタックの印刷用紙の改善された整列が、それ故改善された折り品質が、達成される。
【0025】
本発明による装置の別の実施形態によれば、ストッパが、印刷用紙の移送方向及び移送方向とは反対に移動可能に形成されている。従って、本発明による方法の別の実施形態によれば、ストッパが、折りテーブル上に収集すべき印刷用紙のサイズの変更時に、印刷用紙の移送方向又は移送方向とは反対に移動される。これにより、装置は、単純かつ安価な方法で、異なるサイズを有する印刷用紙に適合され得る。
【0026】
本発明による装置の次の実施形態によれば、少なくとも1つの押さえ器が、第1の圧縮空気源又は第2の圧縮空気源と接続されており、折りテーブル上に位置決めすべき印刷用紙のその後縁の領域の上側に向けられた、圧縮空気用の少なくとも1つの出口開口を備える。この場合、少なくとも1つの機械的な制動要素が、押さえ器の少なくとも1つの第1の出口開口と折りテーブルとの間に配置されている。本発明による方法の相応の実施形態によれば、少なくとも1つの押さえ器が、第1の圧縮空気源又は第2の圧縮空気源から圧縮空気を供給され、圧縮空気が、押さえ器の少なくとも1つの出口開口を経て、折りテーブル上に位置決めすべき印刷用紙のその後縁の領域の上側に向けられて排出される。この場合、押さえ器の少なくとも1つの第1の出口開口から流出する圧縮空気が、少なくとも1つの機械的な制動要素に向けて誘導され、これによりこの制動要素が、折りテーブルの方向に誘導され、折りテーブル上に位置決めすべき又はスタックに供給すべき印刷用紙と接触させられる。これにより、単純で、安価で、非常に迅速に応答する解決策が与えられており、加えてこの解決策は、移動される部品がほとんどない、即ち摩耗をほとんど備えない。
【0027】
本発明による装置の別の実施形態によれば、装置が、少なくとも2つの別個の押さえ器を備え、これら押さえ器が、それぞれ印刷用紙の移送方向に対して横に折りナイフの圧縮空気装置の上流端から横方向に間隔を置いて配置されている。相応の本発明による方法によれば、圧縮空気が、少なくとも2つの別個の押さえ器を介して排出される。このようにして、印刷用紙は、有利には均等にねじれの危険なく抑えられ、減速され得る。
【0028】
本発明による装置の次の実施形態によれば、少なくとも2つの別個の押さえ器の横方向の間隔が、調整可能に形成されている。相応の本発明による方法によれば、少なくとも2つの別個の押さえ器の横方向の間隔が、処理すべき印刷用紙のサイズの小さい又は大きいを含む後続の作業指令時に、相応に減少又は増加させられる。これにより、押さえ器は、折りテーブル上に収集すべき印刷用紙のサイズに応じて調整され得る。従って、それぞれの印刷用紙の後縁全体が、下に向かって折りテーブルの方向に押し付けられ得るので、この印刷用紙のどの領域も、後続の印刷用紙と衝突することができない。
【0029】
本発明による装置の他の実施形態では、折りナイフが、移送方向に相前後して配置された複数のセグメントを備える。相応の本発明による方法の場合は、第1の圧縮空気源から供給される圧縮空気が、折りナイフのセグメントに導入され、機械制御部によって、スタックの領域に配置されたセグメントだけが圧縮空気の作用を受ける。別個のセグメントの形成に基づいて、これらセグメントは、別々に制御され、折りテーブル上に載置されたスタックのサイズに応じて適切に圧縮空気の作用を受け得る。加えて、折りナイフと折るべきスタックの間の自由空間内の圧縮空気の渦流が防止され、これにより、スタックの最上位の印刷用紙の正確な整列への侵害が回避され得る。
【0030】
本発明による装置の別の実施形態によれば、コンベヤが、下側ベルトと、印刷用紙を搬送するためにこの下側ベルトと協働する上側ベルトを備える。相応の本発明による方法の場合は、印刷用紙が、コンベヤの下側ベルトと上側ベルトの間に形成された移送ギャップ内で折りテーブルまで搬送される。これにより、印刷用紙は、移送ギャップ内でのその搬送中に挟まれ、ずれることなく加速又は減速される。
【0031】
本発明による装置の次の実施形態によれば、下側ベルトと上側ベルトの両方が、折りテーブルの領域内にまで達する。相応の本発明による方法によれば、印刷用紙が、コンベヤの下側ベルトと上側ベルトによって折りテーブルの領域内にまで搬送される。この配置により、下側ベルトは、形成すべきスタックの最下位の印刷用紙をストッパに対して搬送し、そこで正確に位置決めし得るが、上側ベルトは、折りテーブル上の印刷用紙を案内もしくは誘導し得る。加えて、有利には、上側ベルトと下側ベルト用に、それぞれ1つの駆動装置しか必要ない。
【0032】
本発明による装置の他の実施形態では、下側ベルト及び/又は上側ベルトが、折りテーブルの領域内で互いに先細るように形成されている。相応の本発明による方法の場合は、折りテーブルの領域内での印刷用紙の案内が、下側ベルト及び/又は上側ベルトの互いに先細る形成によって付加的に支援される。
【0033】
本発明による装置の別の実施形態によれば、コンベヤの領域に、機械制御部と作動的に接続された、コンベヤによって搬送される印刷用紙を検出するための少なくとも2つのセンサが、移送方向に対して横に離間して配置されている。相応の本発明による方法の場合は、印刷用紙が、コンベヤの領域で、少なくとも2つのセンサによって検出される。これにより、搬送される印刷用紙の生じ得る傾斜が特定され、例えば空気ナイフ又は押さえ器のセグメントへの圧縮空気の相応の作用によって修正され得る。
【0034】
本発明による装置の次の実施形態によれば、折りロール対と折りナイフが、移送方向に沿って又は移送方向に対して横に配置されている。この解決策によって、スタックは、有利には、コンベヤによって搬送される印刷用紙の移送方向に沿ってと移送方向に対して横の両方に折られ得る。折りロール対及び折りナイフが移送方向に対して横に配置されている場合、これらに対して平行な押さえ器の配置が得られる。
【0035】
本発明による装置の他の実施形態では、折りロールギャップが、調整可能に形成されたギャップ幅を備える。相応の本発明による方法の場合は、ギャップ幅が、後続の作業指令時に、折るべきスタックの厚さの違いによって相応に調整される。これにより、折りロールギャップは、有利には、異なるスタック厚さでの作業指令に適合され得る。これは、折りロールの軸受箇所の相応の相対運動によって行なわれる。しかしながらまた選択的に、折りロールは、単に弾性的に形成され、これにより、折るべきスタックの異なる厚さをある程度の許容差範囲内で補償し得る。
【0036】
以下で、本発明を実施例により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】第1の実施例による、印刷用紙の次処理をするための本発明による装置の概略側面図
図2】印刷用紙の移送方向に反対向きに図示した、第1の実施例による本発明による装置の単純化した概略正面図
図3】第2の実施例による、印刷用紙の次処理をするための本発明による装置の概略側面図
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、第1の実施例による、図示してないデジタル印刷機によって逐次的に印刷された印刷用紙21...nの次処理をするための本発明による装置1の概略側面図を示す。図示したように、印刷用紙21...nは、折られていなくても又は一回折られていても又は数回折られていてもよく、任意の順序で装置1に供給され得る。装置1は、印刷用紙21...n、ここでは印刷用紙2,2,2及び2を移送方向4に搬送するためのコンベヤ3と、コンベヤ3の下流領域5に配置された折りテーブル6と、折りテーブル6の上で移送方向4に対して横で中央に配置された折りナイフ7と、折りテーブル6の下に配置された、第1の折りロール9及びこの第1の折りロールに対して平行に配置された第2の折りロール10を有する折りロール対8を備える。この場合、折りナイフ7は、保持要素7’を有し、この保持要素に高さ調整可能に配置されている(図2)。当然、必要時に、折りナイフ7を折りテーブル6の下に配置し、それに応じて折りロール対8を折りテーブル6の上に配置することもできる。従って、一般に、折りナイフ7の配置は、折りテーブル6から垂直方向に離間して、折りロール対8の配置も、折りテーブル6から垂直方向に離間して、但しその折りナイフ7に対向する側に、なされる。
【0039】
コンベヤ3は、互いに平行に配置されかつ搬送方向に対して横に互いに離間した図示してない複数の単一ベルトから成る下側ベルト11と、この下側ベルトに対して平行に延在しかつ下側ベルト11と協働する上側ベルト12を備えており、これら両ベルトの間に、印刷用紙21...n用の共通の移送ギャップ13が形成されている。下側ベルト11と上側ベルト12の両方が、折りテーブル6の領域内にまで達する。下側ベルト11と上側ベルト12は、そこでは当然互いに先細るように形成することもできるので、折りテーブル6の領域で連続的に狭まる移送ギャップ13’が得られる(図3)。
【0040】
折りナイフ7は、固定式に形成されており、第1の圧縮空気源14と接続された、移送方向4に相前後して配置されかつ別々に圧縮空気16を供給すべき複数のセグメント17を有する圧縮空気装置15を備えている(図1)。各セグメント17は、折りテーブル6に向かって整向させられた、圧縮空気16用の少なくとも1つの出口開口18を有する。
【0041】
折りテーブル6は、連続する印刷用紙21...n用の収集装置6’を構成する。折りテーブル6のル領域に、折りテーブル6上に載置された収集された印刷用紙21...n、ここでは印刷用紙2,2及び2の前縁21’...n’用のストッパ19が配置され、これら印刷用紙21...nのサイズに応じて調整可能に形成されている。このため、ストッパ19は、第1の調整装置20と接続されている。
【0042】
両折りロール9,10は、それぞれ1つの回転軸9’,10’を備えており、これら回転軸は、互いに平行又はほぼ平行で折りテーブル6に対して平行に整向されている。折りロール9,10は、両側の終端21,22でそれぞれ1つの軸受箇所23,24内に収容されている(図2)。これら折りロールは、移送方向4に対して互いに離間して配置され、従って、その間に形成される、折るべき印刷用紙21...nの収容及び転送をするための折りロールギャップ25を備える。折りロール9,10の回転軸9’,10’の互いの整向は、それ故、折りロールギャップ25の整向は、折りテーブル6上に載置された印刷用紙21...nの厚さ変化に応じて、即ち使用される折りパターン及び/又は使用される紙種類に応じて変更され得る。折りテーブル6は、折りロールギャップ25の上に形成された、折るべき印刷用紙21...nを通過させるための切欠き6’’を備える。加えて、折りロール9,10は、互いに反対方向に駆動され、このため駆動モータ26と接続されている(図1)。最後に、折りロール9,10の軸受箇所23,24には両側に、折りロール9,10の相互の間隔を変更するための、即ち折りロールギャップ25もしくはそのギャップ幅25’を調整するための第2の調整装置27が配置されている。これに対して選択的に、軸受箇所23,24は、弾性的に支承され得る。
【0043】
折りテーブル6上に位置決めすべき印刷用紙21...nの後縁21’’...n’’を折りテーブル6の方向に押圧するために、折りテーブル6の上でその上流の領域28に、複数の押さえ器29が、移送方向4に対して横に互いに離間して配置されている。加えて、押さえ器29は、印刷用紙21...nの移送方向4に対して横に折りナイフ7の圧縮空気装置15の上流端15’から横方向に間隔30を置いて配置されている。この横方向の間隔30は、第3の、ここではそれぞれ1つの二重矢印だけによって示唆された調整装置31によって調整可能に形成されている。押さえ器29は、台の圧縮空気源14’と接続されている。押さえ器は、それぞれ少なくとも1つの、折りテーブル6に向けられたもしくは折りテーブル6上に位置決めすべき印刷用紙21...nのその後縁21’’...n’’の領域の上側21’’’...n’’’に向けられた圧縮空気33用の出口開口32を備える(図1図2図3)。後縁21’’...n’’の押圧とほぼ同時に行なわれる印刷用紙21...nの減速のため、押さえ器29は、圧縮空気33用のその少なくとも1つの出口開口32と折りテーブル6との間に配置されかつ後縁21’’...n’’の領域で折りテーブル6上に位置決めすべき印刷用紙21...nの上側21’’’...n’’’に作用するこの印刷用紙21...n用のそれぞれ1つの機械的な制動要素34を有する。必要に応じて、当然、唯一の押さえ器29しか使用されないこともあるが、その場合、この押さえ器は、移送方向4に対して横に見て中央に、即ち実質的に折りナイフ7を経る垂直な平面内に配置されている。
【0044】
装置1は、折りナイフ7及び押さえ器29と作動的に接続された機械制御部35を備える。折りナイフ7と押さえ器29を制御するため、電磁弁37を有する相応の制御ライン36が設けられている。コンベヤ3の領域に、機械制御部35と作動的に接続された、コンベヤ3によって搬送される印刷用紙21...nを検出するための少なくとも1つのセンサ38が配置されている。このため、センサ38は、データライン39を介して機械制御部35と接続されている。
【0045】
図2は、印刷用紙21...nの移送方向4とは反対向きに図示した、図1による装置1の単純化した概略正面図を示す。ここでは、特に、折りナイフ7の保持要素7’と、折りテーブル6に埋設された、コンベヤ3の下側ベルト11の単一ベルトと、折りロールギャップ25のギャップ幅25’と、移送方向4に対して横の、折りナイフ7の圧縮空気装置15からのそれぞれの押さえ器29の横方向の間隔30が認められる。
【0046】
装置1の操作時、後続の印刷用紙21...nの、即ち図1では印刷用紙2の前縁21’...n’は、折りテーブル上に位置決めされた印刷用紙21...nの、即ち図1では印刷用紙2の後縁21’’...n’’に対して高くされて供給される。これは、ここに示した、下側ベルト11内の固定の又は調整可能な段40によって(図1図2)、又は、図示してない能動的要素又は同様に図示してないランプ-このランプは、それぞれ後続の印刷用紙21...nの前縁21’...n’を折りテーブル6上に位置決めされた印刷用紙21...nの後縁21’’...n’’に対して持上げる-によって達成され得る。
【0047】
収集装置6’を構成する折りテーブル6上に現在の作業指令に応じた数の印刷用紙が収集された、即ちスタック41を構成するように積み重ねて置かれた後、このスタック41は、次いで折りナイフ7及び折りロール対8によって折られ、このようにして折られた印刷製品41’が生成される。
【0048】
このため、まず、折りナイフ7の相応の電磁弁37が、機械制御部35によって開放される。従って、圧縮空気16が、第1の圧縮空気源14から圧縮空気装置15のセグメント17に流入する。この圧縮空気16は、スタック41が折りテーブル6の切欠き6’’及び下側ベルト11の単一ベルトの間を経て折りロール対8の折りロールギャップ25内へ押し込まれ、最後に折りロール9,10によって折られるように、セグメント17の出口開口18を介して整向されて、スタック41にもしくは最上位の印刷用紙21...nの上側21’’’...n’’’に衝突する。この場合、電磁弁37を開放するための、それ故スタックを折るためのパルスは、後続の印刷用紙21...nが折りテーブル6上に載置されたスタック41に対してオーバーラップ部42を備える(図10)時に初めて誘起される。折りロール9,10の間へのスタック41の進入時に、これは、一方で、スタック41と上側ベルト12の間に存在する自由空間内へ後続の印刷用紙21...nの供給のブロックを防止する。他方で、後続の印刷用紙21...nは、最後に折りロール9,10を通過する。折るべきスタック41の印刷用紙21...nの終端用の案内を構成する。これにより、いわゆるドッグイヤーの形成が、即ち、これら終端は、搬送時のその比較的大きい加速度に基づいて垂直方向にめくれ、折りロールによって折り曲げられることが、回避され得る。この場合、オーバーラップ部42の長さは、スタック41の1つの印刷用紙21...nの長さの約1~20%である。
【0049】
折りナイフ7の圧縮空気装置15の複数のセグメント17への細分化に基づいて、有利には、折るべき印刷用紙21...nのこれら印刷用紙から構成されるスタック41のサイズに応じて必要とされる、即ちスタック41の領域に配置されたセグメント17だけが、圧縮空気16の作用を受け得るが、必要とされない、即ちこの領域外に配置されたセグメント17は、その電磁弁37の非操作によって閉じたままである。このようにして、一方で圧縮空気が節約され、他方で、必要とされない圧縮空気が折り根畏怖7と折るべきスタック41の間の自由空間内に侵入し、そこで場合によっては渦流とスタック41の最上位の正確な整列への侵害を生じさせることが防止される。
【0050】
スタック41の折りによって構成される印刷製品41’は、折りロール対8に続く例えば単一ベルト43から構成される搬送装置によって、中間貯蔵又は次処理のために送出される。ストッパ19だけが、共通のスタック41を構成する印刷用紙21...nのサイズに適合される場合、印刷製品41’の送出は、図3に図示されているように、搬送装置43の中心外で行なわれる。これに対してストッパ19に対して付加的に段40と押さえ器29も相応に移送方向4又は移送方向4とは反対に調整される場合には、印刷製品41’は、搬送装置43の中心で送出され得る。
【0051】
現在の作業指令に対して大きい又は小さいサイズの印刷用紙21...nが、装置1によって処理されるべき場合は、ストッパ19は、これら印刷用紙21...nも相前後して収集装置6’を構成する折りテーブル上に積み重ねて置かれ、これによりこれら印刷用紙21...nのスタック41が構成されるように、第1の調整装置20によって移送方向4又は移送方向4とは反対に調整され得る。加えて、段40及び押さえ器29の相応の調整も移送方向4又は移送方向4とは反対に行なわれ得る。
【0052】
保持要素7’への折りナイフ7の高さ調整可能な配置により、印刷用紙21...nの折るべきスタック41の異なる厚さでの後続の作業指令時に、折りテーブル6までの折りナイフ7の垂直方向の間隔は、相応に調整され得る。これにより、有利には、折るべき印刷用紙の数及び紙種類へのこの垂直方向の間隔の適合が行なわれ得る。
【0053】
この装置1によって折りの前に行なわれるスタック構成に基づいて、スタック41内に存在する印刷用紙21...nの搬送速度は、従来技術の個々に折られる印刷用紙に対して単純かつ安価な方法で低減され得る。これにより、装置1の下流で使用される次処理装置に応じて、低いサイクル数が実現され得、これが、品質問題を回避しつつ慎重な次処理を可能にする。単純な方法で可能な予め折られてない印刷用紙21...nの折りテーブル6までの供給により、従来技術に対してスタック41内の、それ故印刷製品41’内の空白ページの数が単純な方法で低減され得、その場合に搬送速度を高めることはない。
【0054】
図3は、コンベヤ3の下側ベルト11と上側ベルト12の両方が移送方向4に相前後して配置されたそれぞれ2つの搬送ベルト11’,11’’,12’,12’’を備える、本発明による装置1’を有する第2の実施例を示す。当然、それぞれ2つより多くの搬送ベルト11’,11’’,12’,12’’が配置されていてもよい。これにより、装置1’の折りテーブル6、折りナイフ7及び折りロール対8は、有利にはコンベヤ3から、即ち印刷用紙21...nの供給から切り離され得る。
【0055】
圧縮空気装置15は、ここでは第1の実施例とは違ってセグメント化されないで形成されており、これにより、装置1’は、更に単純かつ安価に製造され得る。圧縮空気装置15のように、ここでは押さえ器29も、第1の圧縮空気源14に接続されているので、有利には第2の圧縮空気源が必要ない。加えて、上側ベルト12は、折りテーブル6の領域内で下側ベルト11に向かって先細るように、即ち移送方向4に収斂する移送ギャップ13’を有するように形成されており、これは、結果として、折りテーブルの領域内での印刷用紙21...nの案内の付加的な支援をもたらす。当然、下側ベルト11が上側ベルト12向かって先細る又は両ベルト11,12が互いに先細ることもできる。
【0056】
第1と第2の実施例の異なる特徴が異なる方法で互いに組合せられている、本発明による装置と相応の本発明による方法も考えられる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.逐次的に印刷された連続する印刷用紙(2 1...n )の次処理をするための装置であって、
・移送方向(4)に印刷用紙(2 1...n )を搬送するためのコンベヤ(3)と、
・コンベヤ(3)の下流の領域(5)に配置された、印刷用紙(2 1...n )を収容するための折りテーブル(6)と、
・垂直方向に折りテーブル(6)から離間して配置された折りナイフ(7)と、
・折りテーブル(6)の折りナイフ(7)に対向する側に配置された、その間に折りロールギャップ(25)を形成する折りロール対(8)と、
・後続の印刷用紙(2 1...n )の前縁(2 1’...n’ )が折りテーブル(6)上に位置決めされた印刷用紙(2 1...n )の後縁(2 1’’...n’’ )に対して高くされて供給されるように、折りテーブル(6)の上でその上流の領域(28)に配置された、折りテーブル(6)上に位置決めすべき印刷用紙(2 1...n )の後縁(2 1’’...n’’ )を折りテーブル(6)の方向に押圧するための少なくとも1つの押さえ器(29)と、
・折りナイフ(7)及び少なくとも1つの押さえ器(29)と作動的に接続された機械制御部(35)
を有するものにおいて、
・少なくとも1つの押さえ器(29)が、折りテーブル(6)上に位置決めすべき印刷用紙(2 1...n )の後縁(2 1’’...n’’ )の領域でその上側(2 1’’’...n’’’ )に作用するこの印刷用紙(2 1...n )用の少なくとも1つの機械的な制動要素(34)を備え、
・折りナイフ(7)が、固定式に形成されており、第1の圧縮空気源(14)と接続された、印刷用紙(2 1...n )の折りを開始するために使用される圧縮空気(16)用の折りロールギャップ(25)に向けられた少なくとも1つの出口開口(18)を有する圧縮空気装置(15)を備え、
・折りテーブル(6)が、連続する少なくとも2つの印刷用紙(2 1...n )用の収集装置(6’)を構成し、
・コンベヤ(3)の領域に、機械制御部(35)と作動的に接続された、コンベヤ(3)によって搬送される印刷用紙(2 1...n )を検出するための少なくとも1つのセンサ(38)が配置されている
こと、を特徴とする装置。
2.折りテーブル(6)の領域に、折りテーブル(6)上に収集すべき印刷用紙(2 1...n )の前縁(2 1’...n’ )用のストッパ(19)が配置されていること、を特徴とする上記1に記載の装置。
3.ストッパ(19)が、印刷用紙(2 1...n )の移送方向(4)及び移送方向(4)とは反対に移動可能に形成されていること、を特徴とする上記2に記載の装置。
4.少なくとも1つの押さえ器(29)が、第1の圧縮空気源(14)又は第2の圧縮空気源(14’)と接続されており、折りテーブル(6)上に位置決めすべき印刷用紙(2 1...n )のその後縁(2 1’’...n’’ )の領域の上側(2 1’’’...n’’’ )に向けられた、圧縮空気(33)用の少なくとも1つの出口開口(32)を備えること、を特徴とする上記1~3のいずれか1つに記載の装置。
5.少なくとも1つの機械的な制動要素(34)が、押さえ器(29)の少なくとも1つの第1の出口開口(32)と折りテーブル(6)との間に配置されていること、を特徴とする上記4に記載の装置。
6.装置が、少なくとも2つの別個の押さえ器(29)を備え、これら押さえ器(29)が、それぞれ印刷用紙(2 1...n )の移送方向(4)に対して横に折りナイフ(7)の圧縮空気装置(15)の上流端(15’)から横方向に間隔(30’)を置いて配置されていること、を特徴とする上記1~5のいずれか1つに記載の装置。
7.少なくとも2つの別個の押さえ器(29)の横方向の間隔(30)が、調整可能に形成されていること、を特徴とする上記6に記載の装置。
8.折りナイフ(7)が、移送方向(4)に相前後して配置された複数のセグメント(17)を備えること、を特徴とする上記1~7のいずれか1つに記載の装置。
9.コンベヤ(3)が、下側ベルト(11,11’,11’’)と、印刷用紙(2 1...n )を搬送するためにこの下側ベルトと協働する上側ベルト(12,12’,12’’)を備えること、を特徴とする上記1~8のいずれか1つに記載の装置。
10.下側ベルト(11,11’)と上側ベルト(12,12’’)の両方が、折りテーブル(6)の領域内にまで達すること、を特徴とする上記9に記載の装置。
11.下側ベルト(11,11’’)及び/又は上側ベルト(12,12’’)が、折りテーブル(6)の領域内で互いに先細るように形成されていること、を特徴とする上記10に記載の装置。
12.コンベヤ(3)の領域に、機械制御部(35)と作動的に接続された、コンベヤ(3)によって搬送される印刷用紙(2 1...n )を検出するための少なくとも2つのセンサ(38)が、移送方向(4)に対して横に離間して配置されていること、を特徴とする上記1~11のいずれか1つに記載の装置。
13.折りロール対(8)と折りナイフ(7)が、移送方向(4)に沿って又は移送方向(4)に対して横に配置されていること、を特徴とする上記1~12のいずれか1つに記載の装置。
14.折りロールギャップ(25)が、調整可能に形成されたギャップ幅(25’)を備えること、を特徴とする上記1~13のいずれか1つに記載の装置。
15.逐次的に印刷された連続する印刷用紙(2 1...n )の次処理をするための方法であって、印刷用紙が、コンベヤ(3)によって移送方向(4)にコンベヤ(3)の下流の領域(5)に配置された折りテーブル(6)まで搬送され、そこでこの折りテーブルによって収容され、垂直方向に折りテーブル(6)から離間した折りナイフ(7)と、折りテーブル(6)の折りナイフ(7)に対向する側に配置された、その間に折りロールギャップ(25)を形成する折りロール対(8)が、印刷用紙(2 1...n )を折るために協働し、折りテーブル(6)上に位置決めすべき先行する印刷用紙(2 1...n )の後縁(2 1’’...n’’ )が、少なくとも1つの押さえ器(29)によって折りテーブル(6)の方向に押し付けられ、後続の印刷用紙(2 1...n )の前縁(2 1’...n’ )が、折りテーブル(6)上に位置決めされた先行する印刷用紙(2 1...n )の後縁(2 1’’...n’’ )に対して高くされて供給され、押さえ器(29)と折りナイフ(7)が、機械制御部(35)を介して制御されるものにおいて、
連続する少なくとも2つの印刷用紙(2 1...n )が、共通のスタック(41)を構成するように折りテーブル(6)の収集装置(6’)上に積み重ねて収集され、スタック(41)が、共に1つの印刷製品(41’)に折られ、折りテーブル(6)上に載置すべき先行する印刷用紙(2 1...n )が、その後縁(2 1’’...n’’ )の領域でその上側(2 1’’’...n’’’ )で機械的な制動要素(34)との接触によって減速され、スタック(41)の折りが、第1の圧縮空気源(14)から供給される、固定式の折りナイフ(7)の少なくとも1つの出口開口(18)からの圧縮空気(16)のスタック(41)への作用によって誘起され、コンベヤ(3)によって搬送される印刷用紙(2 1...n )が、機械制御部(35)と作動的に接続されたセンサ(38)によって検出され、機械制御部(35)が、少なくとも1つのセンサ(38)から受けた情報に相当する制御信号を、先行する印刷用紙(2 1...n )の後縁(2 1’’...n’’ )の押圧をするため、先行する印刷用紙の減速をするため及び折りナイフ(7)の操作をするために計算し、押圧過程、制動過程及び折り過程を誘起すること、を特徴とする方法。
16.折りテーブル(6)上に収集すべき印刷用紙(2 1...n )の前縁(2 1’...n’ )が、折りテーブル(6)の領域に配置されたストッパ(19)に対して移送されること、を特徴とする上記15に記載の方法。
17.ストッパ(19)が、折りテーブル(6)上に収集すべき印刷用紙(2 1...n )のサイズの変更時に、印刷用紙(2 1...n )の移送方向(4)又は移送方向(4)とは反対に移動されること、を特徴とする上記16に記載の方法。
18.少なくとも1つの押さえ器(29)が、第1の圧縮空気源(14)又は第2の圧縮空気源(14’)から圧縮空気(16,33)を供給され、圧縮空気(16,33)が、押さえ器(29)の少なくとも1つの出口開口(32)を経て、折りテーブル(6)上に位置決めすべき印刷用紙(2 1...n )のその後縁(2 1’’...n’’ )の領域の上側(2 1’’’...n’’’ )に向けられて排出されること、を特徴とする上記15~17のいずれか1つに記載の方法。
19.押さえ器(29)の少なくとも1つの第1の出口開口(32)から流出する圧縮空気(16,33)が、少なくとも1つの機械的な制動要素(34)に向けて誘導され、これによりこの制動要素が、折りテーブル(6)の方向に誘導され、折りテーブル(6)上に位置決めすべき又はスタック(41)に供給すべき印刷用紙(2 1...n )と接触させられること、を特徴とする上記15~18のいずれか1つに記載の方法。
20.圧縮空気(16,33)が、少なくとも2つの別個の押さえ器(29)を介して排出され、これら押さえ器が、それぞれ印刷用紙(2 1...n )の移送方向(4)に対して横に、折りナイフ(7)の圧縮空気装置(15)の上流端(15’)から横方向に間隔(30’)を置いて配置されていること、を特徴とする上記15~19のいずれか1つに記載の方法。
21.少なくとも2つの別個の押さえ器(29)の横方向の間隔(30)が、処理すべき印刷用紙(2 1...n )のサイズの小さい又は大きいを含む後続の作業指令時に、相応に減少又は増加させられること、を特徴とする上記20に記載の方法。
22.第1の圧縮空気源(13)から供給される圧縮空気(16)が、移送方向(4)に相前後して配置された、折りナイフ(7)の複数のセグメント(17)に導入され、機械制御部(35)によって、スタック(41)の領域に配置されたセグメント(17)だけが圧縮空気(16)の作用を受けること、を特徴とする上記15~21のいずれか1つに記載の方法。
23.印刷用紙(2 1...n )が、コンベヤ(3)の下側ベルト(11,11’,11’’)と上側ベルト(12,12’,12’’)の間に形成された移送ギャップ(13)内で折りテーブル(6)まで搬送されること、を特徴とする上記15~22のいずれか1つに記載の方法。
24.印刷用紙(2 1...n )が、コンベヤ(3)の下側ベルト(11,11’)と上側ベルト(12,12’’)によって折りテーブル(6)の領域内にまで搬送されること、を特徴とする上記23に記載の方法。
25.折りテーブル(6)の領域内での印刷用紙(2 1...n )の案内が、下側ベルト(11,11’)及び/又は上側ベルト(12,12’’)の互いに先細る形成によって付加的に支援されること、を特徴とする上記24に記載の方法。
26.印刷用紙(2 1...n )が、コンベヤ(3)の領域で、機械制御部(35)と作動的に接続されかつ移送方向(4)に対して横に離間して配置された少なくとも2つのセンサ(38)によって検出されること、を特徴とする上記15~25のいずれか1つに記載の方法。
27.スタック(41)が、コンベヤ(3)によって搬送される印刷用紙(2 1...n )の移送方向(4)に沿って又は移送方向(4)に対して横に折られること、を特徴とする上記15~26のいずれか1つに記載の方法。
28.折りロールギャップ(25)のギャップ幅(25’)が、後続の作業指令時に、折るべきスタック(41)の厚さの違いによって相応に調整されること、を特徴とする上記15~27のいずれか1つに記載の方法。
図1
図2
図3