(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】車載装置、通信システム及びセッション制御方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20230720BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20230720BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20230720BHJP
H04W 4/02 20180101ALI20230720BHJP
【FI】
G08G1/09 H
G08G1/09 F
G08G1/16 A
G09B29/00
H04W4/02
(21)【出願番号】P 2019151277
(22)【出願日】2019-08-21
【審査請求日】2022-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼上 斉
(72)【発明者】
【氏名】塩津 真一
(72)【発明者】
【氏名】盛林 敏之
(72)【発明者】
【氏名】大築 ともえ
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-077652(JP,A)
【文献】国際公開第2018/146808(WO,A1)
【文献】特開2006-064616(JP,A)
【文献】特開2013-245991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/09
G08G 1/16
G09B 29/00
H04W 4/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他車両の設置カメラで
撮影
された
画像情報を受信
可能な車載装置において、
前記他車両の
位置情報を地図画像上に
表示
し、
前記地図画像上に表示される
前記他車両
の個数が
所定値以下である
場合、
前記表示される他車両
の前記画像情報を
受信するセッションを確立
し、
前記地図画像上に表示される前記他車両の個数が前記所定値を超える場合、
前記表示される他車両のいずれとも前記セッションを確立しない
車載装置。
【請求項2】
前記地図画像を縮尺が変更可能な態様で
表示することが可能であって、
前記地図画像の縮尺が所定縮尺以上であ
り、
前記地図画像上に表示される
前記他車両
の個数が
前記所定値以下である
場合、
前記表示される
他車両の全部又は一部とのセッションを確立する
請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記地図画像の縮尺が前記所定縮尺未満の状態から前記所定縮尺以上の状態へと変更され
、前記地図画像上に表示される
前記他車両
の個数が
前記所定値以下
である場合、
前記表示される
他車両の全部又は一部とのセッションを確立する
請求項2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記地図画像を縮尺が変更可能な態様で
表示することが可能であって、
前記地図画像の縮尺の変更を経て、
前記地図画像上に表示される
前記他車両
の個数が
前記所定値以下
である場合、
前記表示される
他車両の全部又は一部とのセッションを確立する
請求項1に記載の車載装置。
【請求項5】
前記他車両
とのセッションが確立されると、
当該セッションが確立された
前記他車両に対応する
前記地図画像上の表示態様を変化させる
請求項1~4の何れかに記載の車載装置。
【請求項6】
自車両の走行予定進路が設定されている場合において、
前記地図画像上に表示される
前記他車両
の個数が
前記所定値以下である
場合、
前記表示される他車両の内、前記走行予定進路上に存在する
前記他車両又は前記走行予定進路から所定距離以内に存在する
前記他車両とのセッションを確立する
請求項1に記載の車載装置。
【請求項7】
自車両の走行予定進路が設定されている場合において、
前記地図画像の縮尺が前記所定縮尺以上であ
り、
前記地図画像上に表示される
前記他車両
の個数が
前記所定値以下である
場合、
前記表示される他車両の内、前記走行予定進路上に存在する
前記他車両又は前記走行予定進路から所定距離以内に存在する
前記他車両とのセッションを確立する
請求項2に記載の車載装置。
【請求項8】
前記セッションが確立された
前記他車両の何れかを指定する
操作者からの指定操作
に基づき、指定された
前記他車両の
前記画像情報を表示する
請求項1~7の何れかに記載の車載装置。
【請求項9】
自車両に搭載される
請求項1~8の何れかに記載の車載装置
と、
他車両に搭載される
前記車載装置と
のセッションを確立する、
通信システム。
【請求項10】
他車両の位置情報を地図画像上に表示し、
前記地図画像上に表示される前記他車両の個数が所定値以下である場合、
前記他車両の車載装置とセッションを確立して前記他車両の設置カメラで撮影された画像情報を受信し、
前記地図画像上に表示される前記他車両の個数が前記所定値を超える場合、
前記セッションを確立しない自車両の車載装置と、
前記自車両の車載装置へ前記画像情報を送信する前記他車両の車載装置とからなる、
通信システム。
【請求項11】
車両に搭載される車載装置
が行うセッション制御方法
であって、
他車両の
位置情報を地図画像上に
表示
し、
前記地図画像上に表示される
前記他車両
の個数が
所定値以下である
場合、
前記表示される
他車両の設置カメラで
撮影
された画像情報を
受信するセッションを確立
し、
前記地図画像上に表示される前記他車両の個数が前記所定値を超える場合、
前記表示される他車両のいずれとも前記セッションを確立しない
セッション制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置、通信システム及びセッション制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライブレコーダ等の車載装置での撮影により得られたカメラ画像を他の車載装置に配信するシステムがある。このシステムによれば、ユーザは自車両において他車両のカメラ画像を参照することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5252912号公報
【文献】特開2018-206126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自車両において他車両のカメラ画像を参照するためには、自車両の車載装置と他車両の車載装置との間で通信チャネルを確立するための信号のやり取りを行った後、他車両の車載装置からカメラ画像の画像情報を自車両の車載装置にて受信する必要があり、この受信が行われている状態はセッションの確立(セッションの確立状態)と称される。
【0005】
セッションの確立には相応の時間がかかる。このため、自車両の運転手が他車両の設置カメラのカメラ画像を参照したいと希望したタイミングからセッション確立のための動作を開始したならば、参照を望むカメラ画像が実際に参照可能となるまで相応の遅延(例えば数秒の遅延)が発生することになる。存在する全ての他車両との間で常にセッションを確立しておけば、このような遅延の発生は回避されるが、この場合、必要な通信データ量及び通信費用が膨大となり(セッション確立のための通信の殆どが無駄となり)、効率的ではない。
【0006】
本発明は、セッションの確立に関わる効率化に寄与する車載装置、通信システム及びセッション制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車載装置は、対象車両に搭載される車載装置において、他車両の設置カメラでの撮影により得られたカメラ画像の画像情報を受信可能な受信部と、他車両の存在を表す他車両情報画像を地図画像上に重畳して所定の表示部に表示する表示制御部と、前記表示部に表示される他車両情報画像の個数が1以上且つ所定値以下であるとき、前記表示部に表示される他車両情報画像に対応する他車両の設置カメラでの撮影により得られたカメラ画像の画像情報を前記受信部にて受信するセッションを確立するセッション確立部と、を備えた構成(第1の構成)である。
【0008】
上記第1の構成に係る車載装置において、前記表示制御部は、前記地図画像を縮尺が変更可能な態様で前記表示部に表示することが可能であって、前記表示部に表示される前記地図画像の縮尺が所定縮尺以上であって、且つ、前記表示部に表示される他車両情報画像の個数が1以上且つ前記所定値以下であるとき、前記セッション確立部は、前記表示部に表示される他車両情報画像に対応する他車両の全部又は一部とのセッションを確立する構成(第2の構成)であっても良い。
【0009】
上記第2の構成に係る車載装置において、前記表示部に表示される前記地図画像の縮尺が前記所定縮尺未満の状態から前記所定縮尺以上の状態へと変更される縮尺変更過程を経て、前記表示部に表示される他車両情報画像の個数が1以上且つ前記所定値以下となると、前記セッション確立部は、前記表示部に表示される他車両情報画像に対応する他車両の全部又は一部とのセッションを確立する構成(第3の構成)であっても良い。
【0010】
上記第1の構成に係る車載装置において、前記表示制御部は、前記地図画像を縮尺が変更可能な態様で前記表示部に表示することが可能であって、前記表示部に表示される前記地図画像の縮尺の変更を経て、前記表示部に表示される他車両情報画像の個数が1以上且つ前記所定値以下となると、前記セッション確立部は、前記表示部に表示される他車両情報画像に対応する他車両の全部又は一部とのセッションを確立する構成(第4の構成)であっても良い。
【0011】
上記第1~第4の構成の何れかに係る車載装置において、前記表示部に表示される他車両情報画像に対応する他車両とのセッションが確立されると、前記表示制御部は、セッションが確立された他車両に対応する他車両情報画像の表示態様を変化させる構成(第5の構成)であっても良い。
【0012】
上記第1に係る車載装置において、前記対象車両の走行予定進路が設定されている場合において、前記表示部に表示される他車両情報画像の個数が1以上且つ前記所定値以下であるとき、前記セッション確立部は、対応する他車両情報画像が前記表示部に表示される他車両の内、前記走行予定進路上に存在する他車両又は前記走行予定進路から所定距離以内に存在する他車両とのセッションを確立する構成(第6の構成)であっても良い。
【0013】
上記第2に係る車載装置において、前記対象車両の走行予定進路が設定されている場合において、前記表示部に表示される前記地図画像の縮尺が前記所定縮尺以上であって、且つ、前記表示部に表示される他車両情報画像の個数が1以上且つ前記所定値以下であるとき、前記セッション確立部は、対応する他車両情報画像が前記表示部に表示される他車両の内、前記走行予定進路上に存在する他車両又は前記走行予定進路から所定距離以内に存在する他車両とのセッションを確立する構成(第7の構成)であっても良い。
【0014】
上記第1~第7の構成の何れかに係る車載装置において、操作者からの操作の入力を受ける操作部が当該車載装置に設けられ又は当該車載装置に接続され、前記表示制御部は、前記セッションが確立された他車両の何れかを指定する指定操作が前記操作部に入力されると、指定された他車両の設置カメラによるカメラ画像に基づく画像を前記表示部に表示する構成(第8の構成)であっても良い。
【0015】
本発明に係る通信システムは、対象車両に搭載される、上記第1~第8の構成の何れかに係る車載装置を対象車載装置として備えるとともに、前記対象車載装置、及び、前記対象車両と異なる他車両に搭載される他車両車載装置と、通信を行う管理装置と、を備えた構成(第9の構成)である。
【0016】
上記第9の構成に係る通信システムにおいて、前記管理装置は、前記他車両車載装置から受信した前記他車両の存在位置を表す他車両位置情報を前記対象車載装置に送信する構成(第10の構成)であっても良い。
【0017】
本発明に係るセッション制御方法は、対象車両に搭載される車載装置にて用いられるセッション制御方法において、他車両の存在を表す他車両情報画像を地図画像上に重畳して所定の表示部に表示する表示制御ステップと、前記表示部に表示される他車両情報画像の個数が1以上且つ所定値以下であるとき、前記表示部に表示される他車両情報画像に対応する他車両の設置カメラでの撮影により得られたカメラ画像の画像情報を前記車載装置にて受信するセッションを確立するセッション確立ステップと、を備えた構成(第11の構成)である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、セッションの確立に関わる効率化に寄与する車載装置、通信システム及びセッション制御方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係り、1台の車両に搭載される車載装置の構成を周辺装置と共に示す図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係り、送信リスト情報の構成図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係り、1台の車両に搭載される車載装置の構成を周辺装置と共に示す図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係り、サーバ装置の構成図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係り、車両位置テーブルの構成図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係り、セッションの確立動作のフローチャートである。
【
図9】本発明の第1実施形態に係り、自車両の表示部における地図画像の表示例を示す図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係り、自車両の表示部における地図画像の表示例を示す図であって、地図画像の縮尺変更に関わる表示例を図である。
【
図11】本発明の第1実施形態に係り、自車両の表示部における地図画像の表示例を示す図であって、他車両のカメラ画像が表示される様子を示す図である。
【
図12】本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_3に係り、地図画像の縮尺変更に伴ってセッションの確立がなされる様子を示す図である。
【
図13】本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_5に係り、他車両アイコンの表示態様を示す図である。
【
図14】本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_5に係り、セッションの確立前後で他車両アイコンの表示態様が変化する様子を示す図である。
【
図15】本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_6に係り、地図画像に走行予定進路線が重畳表示される様子を示す図である。
【
図16】本発明の第1実施形態に属する実施例EX1_6に係り、走行予定進路との関係においてセッション目標車両を設定する方法の説明図である。
【
図17】本発明の第2実施形態に係り、自車両の表示部における全域表示状態を示す図である。
【
図18】本発明の第2実施形態に係り、管理DBの構成図である。
【
図19】本発明の第2実施形態に係り、自車両の表示部における地方選択表示状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の“10”によって参照される車載制御部は(
図2参照)、車載制御部10と表記されることもあるし、制御部10と略記されることもあり得るが、それらは全て同じものを指す。
【0021】
<<第1実施形態>>
本発明の第1実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る通信システムSSの全体構成を示す。画像配信システムとも称することのできる通信システムSSは、サーバ装置100と、n台の車両CRに1台ずつ搭載されたn台の車載装置1と、を備えて構成される。nは2以上の任意の整数である。車両CRは路面上を走行可能な車両(自動車等)であれば任意である。各車載装置1とサーバ装置100とは所定の通信回線を介して無線による双方向通信が可能である。サーバ装置100は、ネットワーク上に分散配置された複数のコンピュータ装置にて構成されていても良い。
【0022】
図2に1台の車両CRに搭載される車載装置1の構成を車載装置1の周辺装置と共に示す。車載装置1は車載制御部10及び記録媒体20を備える。車載装置1に対し複数の周辺装置が接続される。ここにおける複数の周辺装置も、車載装置1と同様に車両CRに設置される。車載装置1に対して接続される複数の周辺装置は、カメラ31、車載センサ部32、GPS処理部33、計時部34、ナビゲーション装置35、端末装置36及びインターフェース装置40を含む。各周辺装置と車載装置1との間の情報のやり取りは、車両CR内に形成されたCAN(Controller Area Network)を通じて行われる。尚、カメラ31、車載センサ部32、GPS処理部33、計時部34、ナビゲーション装置35、端末装置36及びインターフェース装置40の内の全部又は一部は、車載装置1の構成要素に含まれると解することも可能である。1台の車両CRに注目して車載装置1及び周辺装置の構成及び動作を説明する。
【0023】
カメラ31は、自身の撮影範囲内の様子を所定のフレームレートで順次撮影して、撮影結果を示す撮影画像の画像情報(画像データ)を生成し、生成した撮影画像の画像情報を含むカメラ情報を順次車載装置1に送る。ここにおけるカメラ31は、車両CRの外部(前方、後方、左側又は右側)の範囲を撮影範囲に収めるカメラであるとする。以下、カメラ31の撮影により得られる撮影画像をカメラ画像と称する。故に、カメラ情報はカメラ画像の画像情報(画像データ)を含む。カメラ31は複数のカメラにて構成されることもある。カメラ情報において画像情報に対し音声情報が付加されていても良い。
【0024】
車載センサ部32は、車両CRに設置された複数の車載センサから成り、各車載センサを用いて車両情報を生成する。車両情報は所定周期で順次生成され、取得された車両情報は順次車載装置1に送られる。車両情報は、車両CRの速度を表す車速情報、車両CRに設けられたアクセルペダルの踏み込み量を表すアクセル情報、車両CRに設けられたブレーキペダルの踏み込み量を表すブレーキ情報、及び、車両CRに設けられたステアリングホイールの操舵角を表す操舵角情報などを含む。
【0025】
GPS処理部33は、GPS(Global Positioning System)を形成する複数のGPS衛星からの信号を受信することで車両CRの位置(現在地)を検出し、検出位置を示す位置情報を生成する。車両CRの位置とは車両CRの存在位置を意味する。位置情報では、車両CRの位置(現在地)が、地球上における経度及び緯度によって表現される。位置情報は所定周期で順次生成され、生成された位置情報は順次車載装置1に送られる。
【0026】
計時部34は、現在の日付及び時刻を示す時刻情報を生成して車載装置1に送る。GPS処理部33の受信信号を用いて時刻情報が生成又は修正されても良い。
【0027】
ナビゲーション装置35は、車両CRの目的地までの走行予定進路を設定する装置である。
【0028】
端末装置36は、車載装置1とサーバ装置100との間で情報を送受信するための通信機能を備えた通信モジュールであり、その情報の送受信は例えば移動体通信回線を介して行われるものであって良い。車両CRの搭乗者が所有するスマートフォン等が端末装置36として機能することがあっても良い。
【0029】
インターフェース装置40は、車載装置1と車両CRの搭乗者(主として運転手)との間のマンマシンインターフェースであり、表示部41及び操作部42を備える。表示部41は液晶ディスプレイパネル等にて構成される表示装置であり、後述の表示制御部15の制御の下で任意の画像を表示できる。操作部42は操作者から任意の操作の入力を受け付ける。操作者は車両CRの搭乗者(運転手又は運転手以外の同乗者)である。表示部41及び操作部42によりタッチパネルが構成されていても良い。操作部42への操作はタッチパネルに対する操作であっても良いし、音声操作や視線操作等であっても良い。インターフェース装置40にスピーカ等が付加されていても良い。
【0030】
車載制御部10は、送信部11、受信部12、設定部13、セッション確立部14及び表示制御部15を備える。車載制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read only memory)及びRAM(Random access memory)等にて構成され、ROMに格納されたプログラムをCPUが実行することで送信部11、受信部12、設定部13、セッション確立部14及び表示制御部15の機能が実現されて良い。
【0031】
記録媒体20は任意の情報の読み書きが可能な任意の記録媒体である。車載制御部10は、記録媒体20への情報の書き込みを制御する記録制御部としての機能を有し、記録媒体20に所望の情報を書き込むことができる。記録媒体20の記録内容には、送信リスト情報21、地図情報22及び車両位置テーブル23が含まれる。
【0032】
送信リスト情報21は、車載装置1がサーバ装置100に対して送信する情報をリスト化したものである、
図3に示す如く、送信リスト情報21はカメラ情報、車両情報及び位置情報を含んでいて良く、送信リスト情報21におけるカメラ情報、車両情報及び位置情報には、それらの情報の生成時刻を表す時刻情報が付加される。地図情報22は、道路及び建造物の位置を示す地図の情報である。車両位置テーブル23には、通信システムSSに属する複数の車両CRの位置情報が格納される(詳細は後述)。
【0033】
送信部11は、送信リスト情報21に基づく送信情報をサーバ装置100に対し所定の周期で周期的に送信する機能を有する他、送信リスト情報21に基づく送信情報を当該送信部11が設けられた車載装置1とは別の車載装置1に対して送信する機能を有する。ここで、送信情報は送信リスト情報21の全部を含んでいても良いし、送信リスト情報21の一部のみを含んでいても良い。受信部12は、サーバ装置100又は当該受信部12が設けられた車載装置1とは別の車載装置1から各種の情報を受信する。送信部11による送信及び受信部12による受信は、無線通信による送信及び受信であり、それらは端末装置36を通じて実現されるものであっても良い。設定部13及びセッション確立部14については後述される。表示制御部15は表示部41の表示内容を制御する。
【0034】
通信システムSSでは、或る車両CRの設置カメラのカメラ情報を他の車両CRの車載装置1にて共有したり、複数の車両CRの位置情報を複数の車両CRの車載装置1間で共有したりする。このような共有技術の説明を明確に行うべく、以下では、
図4に示す如く、必要に応じ、n台の車両CRを車両CR[1]~CR[n]と称すると共に、車両CR[i]に設置された車載装置1を車載装置1[i]と称する(ここでiはn以下の任意の自然数)。更に、必要に応じ、
図5に示す如く、車載装置1[i]における車載制御部10及び記録媒体20を夫々符号10[i]及び20[i]にて参照し、且つ、車載装置1[i]における送信部11、受信部12、設定部13、セッション確立部14、表示制御部15、送信リスト情報21、地図情報22及び車両位置テーブル23を夫々符号11[i]、12[i]、13[i]、14[i]、15[i]、21[i]、22[i]及び23[i]にて参照し、車両CR[i]に設置されるカメラ31、車載センサ部32、GPS処理部33、計時部34、ナビゲーション装置35、端末装置36及びインターフェース装置40を夫々符号31[i]、32[i]、33[i]、34[i]、35[i]、36[i]及び40[i]にて参照し、インターフェース装置40[i]における表示部41及び操作部42を夫々符号41[i]及び42[i]にて参照する。
【0035】
図6にサーバ装置100の構成を示す。サーバ装置100は、サーバ制御部110とサーバ記録部120を備える。サーバ制御部110は情報取得部111及び情報提供部112を備える。サーバ制御部110は、CPU、ROM及びRAM等にて構成され、ROMに格納されたプログラムをCPUが実行することで情報取得部111及び情報提供部112の機能が実現されて良い。サーバ記録部120は、位置情報DB121、車両情報DB122及びカメラ情報DB123を備える。
【0036】
情報取得部111は、無線通信を通じ車載装置1ごとに車載装置1[i]から車両CR[i]の位置情報を周期的に順次受信して取得し、順次取得した車両CR[i]の位置情報を位置情報の生成時刻に対応付けて位置情報DB121に格納する。これにより、位置情報DB121には、車両CRごとに車両CRの各時刻における位置情報が格納される。車両CR[i]の位置情報とはGPS処理部33[i]にて生成される位置情報であり、車載装置1[i]の位置情報でもある。
【0037】
また、情報取得部111は、無線通信を通じ車載装置1ごとに車載装置1[i]から車両CR[i]の車両情報を周期的に順次受信して取得し、順次取得した車両CR[i]の車両情報を車両情報の生成時刻に対応付けて車両情報DB122に格納する。これにより、車両情報DB122には、車両CRごとに車両CRの各時刻における車両情報が格納される。車両CR[i]の車両情報とは車両センサ部32[i]にて生成される車両情報である。
【0038】
更に、情報取得部111は、無線通信を通じ車載装置1ごとに車載装置1[i]から車両CR[i]のカメラ情報を周期的に順次受信して取得し、順次取得した車両CR[i]のカメラ情報をカメラ情報の生成時刻に対応付けてカメラ情報DB123に格納する。これにより、カメラ情報DB123には、車両CRの各時刻におけるカメラ情報が格納される。車両CR[i]のカメラ情報とカメラ31[i]にて生成されるカメラ情報であり、故にカメラ31[i]の撮影によって得られたカメラ画像の画像情報を含む。
【0039】
通信システムSSにおいて、車両CR[1]~CR[n]に対し互いに異なる固有の車両識別IDが割り当てられており、サーバ記録部120において位置情報、車両情報及びカメラ情報は、それらが生成された車両CRの車両識別IDに対応付けてDB121~123に格納される。車両CR[i]の車両識別IDは、車両CR[i]に固有のIPアドレスを含む。
【0040】
尚、各車載装置1からサーバ装置100に対する車両情報の送信は必須ではなく、故に、車両情報DB122はサーバ記録部120に設けられないこともある。同様に、各車載装置1からサーバ装置100に対するカメラ情報の送信は必須ではなく、故に、カメラ情報DB123はサーバ記録部120に設けられないこともある。
【0041】
情報提供部112は、各車載装置1に対し、サーバ記録部120に記録されている情報を必要に応じ、無線通信により送信する。情報提供部112は、車載装置1[1]に対し、少なくとも、位置情報DB121に格納された車両CR[2]~CR[n]の最新の位置情報を所定の周期で順次送信する。車載装置1[1]以外の車載装置1に対しても同様である。即ち例えば、情報提供部112は、車載装置1[2]に対し、少なくとも、位置情報DB121に格納された車両CR[1]及びCR[3]~CR[n]の最新の位置情報を所定の周期で順次送信する。情報提供部112は、車両CR[i]の位置情報を車載装置1[j]に送信する際、車両CR[i]の位置情報に車両CR[i]の車両識別IDを付加する(ここでi及びjは互いに異なる整数)。これにより、車載装置1[j]では、受信した位置情報が何れの車両CRの位置情報であるのかを識別できる。
【0042】
車両情報DB122がサーバ記録部120に設けられている場合、情報提供部112は、車載装置1[1]に対し、車両情報DB122に格納された車両CR[2]~CR[n]の車両情報(最新の車両情報又は過去の任意時刻における車両情報)を送信することがあっても良い。車載装置1[1]以外の車載装置1に対しても同様である。情報提供部112は、車両CR[i]の車両情報を車載装置1[j]に送信する際、車両CR[i]の車両情報に車両CR[i]の車両識別IDを付加する(ここでi及びjは互いに異なる整数)。これにより、車載装置1[j]では、受信した車両情報が何れの車両CRの車両情報であるのかを識別できる。
【0043】
カメラ情報DB123がサーバ記録部120に設けられている場合、情報提供部112は、車載装置1[1]に対し、カメラ情報DB123に格納された車両CR[2]~CR[n]のカメラ情報(最新のカメラ情報又は過去の任意時刻におけるカメラ情報)を送信することがあっても良い。車載装置1[1]以外の車載装置1に対しても同様である。情報提供部112は、車両CR[i]のカメラ情報を車載装置1[j]に送信する際、車両CR[i]のカメラ情報に車両CR[i]の車両識別IDを付加する(ここでi及びjは互いに異なる整数)。これにより、車載装置1[j]では、受信したカメラ情報が何れの車両CRのカメラ情報であるのかを識別できる。
【0044】
図5を再度参照し、1台の車載装置1[i]の構成及び動作について説明を加える。車載装置1[i]において、受信部12[i]は、サーバ装置100から送信された情報を受信したとき、受信した情報を必要に応じ記録媒体20[i]に記録する。特に、受信部12[i]は、サーバ装置100から送信された各車両CRの位置情報を受信したとき、受信した各車両CRの位置情報を各車両CRの車両識別IDに対応付けて車両位置テーブル23[i]に格納する。また、車両CR[i]において、車載制御部10[i]は、GPS処理部33[i]にて生成される車両CR[i]の位置情報を車両位置テーブル23[i]に格納する。これにより、
図7に示す如く、車両位置テーブル23[i]において車両CR[1]~CR[n]の位置情報が格納されることになる。
【0045】
車両位置テーブル23[i]は、車両CR[1]~CR[n]の最新の位置情報を格納するものであるとする。車載装置1[i]において車両位置テーブル23[i]に基づき車両CR[1]~CR[n]の夫々の最新の位置情報が認識可能となる。但し、各車両CRの最新の位置情報とは異なる、各車両CRの過去の位置情報も車両位置テーブル23[i]に格納されるようにしても良い。
【0046】
車載装置1[i]において、設定部13[i]は、所定のセッション条件の成否を監視し、セッション条件が満たされたとき、車両CR[1]~CR[n]の内の何れか1以上の車両CR(但し車両CR[i]を除く)をセッション目標車両に設定する。
【0047】
設定部13[i]においてセッション目標車両が設定されると、セッション確立部14[i]は、セッション目標車両に搭載された車載装置1との間でセッションを確立する。つまり例えば、設定部13[i]において車両CR[j]がセッション目標車両に設定されると、セッション確立部14[i]は車載装置1[j]との間でセッションを確立する(ここでi及びjは互いに異なる整数)。設定部13[i]においてセッション目標車両が設定されていないとき、セッション確立部14によるセッションの確立動作は実行されない。
【0048】
設定部13[i]において車両CR[j]がセッション目標車両に設定されたときのセッションの確立動作の流れを、
図8を用いて説明する。
【0049】
ステップS11において、設定部13[i]により車両CR[j]がセッション目標車両に設定されると、ステップS12において、送信部11[i]及び受信部12[i]並びに送信部11[j]及び受信部12[j]を用いて車載装置1[i]及び1[j]間で通信チャネルが確立される。具体的には例えば、送信部11[i]が車載装置1[j]のIPアドレスに基づいて車載装置1[j]に対して所定の接続要求信号を送信し、該接続要求信号に応答して送信部11[j]から送信(返信)される応答信号が受信部12[i]にて受信されることで車載装置1[i]及び1[j]間で通信チャネルが確立される。この際、各種の必要な信号の取り交わしが行われる。
【0050】
車載装置1[i]及び1[j]間で通信チャネルが確立すると、ステップS13において、車載装置1[j]から車載装置1[i]への画像配信処理が開始される。車載装置1[j]から車載装置1[i]への画像配信処理では、車載装置1[j]の送信部11[j]がカメラ31[j]にて順次生成されるカメラ画像の画像情報をリアルタイムで車載装置1[i]に対して送信し、車載装置1[i]の受信部12[i]が車載装置1[j]の送信部11[j]からのカメラ画像の画像情報を受信する。
【0051】
車載装置1[j]から車載装置1[i]への画像配信処理は、車載装置1[i]及び1[j]間の通信が不能になるまで、又は、設定部13[i]による車両CR[j]のセッション目標車両への設定が解除されるまで、継続実行される。
【0052】
設定部13[i]により車両CR[j]がセッション目標車両に設定されたときにおいて、セッション確立部14[i]が車載装置1[j]との間でセッションを確立するとは、ステップS12を経てステップS13の画像配信処理が実行されることに相当する。尚、セッション確立部14[i]が車載装置1[j]との間でセッションを確立することを、セッション確立部14[i]が車両CR[j]との間でセッションを確立する、又は、セッション確立部14[i]が車両CR[j]とのセッションを確立するとも表現することがあり、それらは互いに同じことを意味する。
【0053】
以下、セッションが確立されている状態をセッション確立状態とする。故に、設定部13[i]により車両CR[j]がセッション目標車両に設定されたときにおいて、セッション確立部14[i]が実現するセッション確立状態とは、セッション目標車両CR[j]に設置されたカメラ31[j]での撮影により得られたカメラ画像の画像情報を受信部12[i]にて受信している状態に相当する。
【0054】
設定部13[i]により複数の車両CRがセッション目標車両に設定された場合には、セッション目標車両ごとにセッションの確立がなされる。従って例えば、設定部13[1]により車両CR[2]及びCR[3]がセッション目標車両に設定された場合、セッション確立部14[1]は車載装置1[2]との間でセッションを確立することで車載装置1[2]についてのセッション確立状態を実現し、且つ、車載装置1[3]との間でセッションを確立することで車載装置1[3]についてのセッション確立状態を実現する。
セッション確立部14[1]が実現する車載装置1[2]についてのセッション確立状態とは、セッション目標車両CR[2]に設置されたカメラ31[2]での撮影により得られたカメラ画像の画像情報を受信部12[1]にて受信している状態に相当する。
セッション確立部14[1]が実現する車載装置1[3]についてのセッション確立状態とは、セッション目標車両CR[3]に設置されたカメラ31[3]での撮影により得られたカメラ画像の画像情報を受信部12[1]にて受信している状態に相当する。
【0055】
また、以下では、説明の便宜上、車両CR[1]~CR[n]の内、1台の車両CR[1]に注目して車両CR[1]を自車両と称することがあり、自車両以外の車両を他車両と称することがある。尚、以下の説明における運転手とは、特に記述なき限り、自車両の運転手を指すものとする。但し、以下の説明において運転手を搭乗者に読み替えることもできる。搭乗者は運転手及び運転手以外の同乗者を含む。
【0056】
図9に示す如く、自車両CR[1]において、表示制御部15[1]は、地図情報22[1]に基づき表示対象地域の地図を表す地図画像を表示部41[1]に表示することができる。自車両CR[1]の運転手は表示対象地域を操作部42[1]への所定操作を通じて指定できる。また、表示制御部15[1]は、GPS処理部33[1]から得られる自車両CR[1]の位置情報に基づき自車両CR[1]の現在地を含む地域を表示対象地域に設定することができ、この際、自車両CR[1]の移動に伴って表示対象地域を変化させていくことができる。
【0057】
表示制御部15[1]は、表示対象地域(即ち表示部41[1]に表示された地図画像にて表現される実空間上の地域)内に自車両CRが存在する場合、地図画像が表示された表示部41[1]において、自車両CR[1]の存在を表す自車両アイコンCAを地図画像上に重畳表示する。この際、自車両アイコンCAは、自車両CR[1]の位置情報(最新の位置情報)に基づき、地図画像上の位置であって、自車両CR[1]の存在位置に対応する表示位置に表示される。
【0058】
表示制御部15[1]は、表示対象地域内に他車両CRが存在する場合、表示部41[1]において、他車両CRの存在を表す他車両情報画像の一種である他車両アイコンCBを地図画像上に重畳表示する。この際、他車両アイコンCBは、他車両CRの位置情報(最新の位置情報)に基づき、地図画像上の位置であって、当該他車両CRの存在位置に対応する表示位置に表示される。表示対象地域内に他車両CRが存在するかどうかは車両位置テーブル23[i]に格納された各他車両CRの最新の位置情報から判断できる。表示対象地域内に複数の他車両CRが存在する場合には、他車両CRごとに他車両アイコンCBが表示される。つまり、表示制御部15[1]は、表示対象地域内に1以上の他車両が存在する場合、地図画像が表示された表示部41[1]において、その1以上の他車両の存在を表す1以上の他車両アイコンCBを地図画像上に重畳表示する。
【0059】
また、表示制御部15[1]は、地図画像を縮尺が変更可能な態様で表示部41[1]に表示することができる。ここで、地図画像の表示に実際に用いられる縮尺を使用縮尺と称する。そうすると、表示部41[1]に表示される地図画像は、表示対象地域の状態(道路や建造物)を使用縮尺で縮小したものの画像となる。
図10に使用縮尺が変更されたときの、表示部41[1]に表示される地図画像の変化の例を示す。使用縮尺の増大に伴って、表示される地図画像で表現される表示対象地域の大きさは小さくなる。使用縮尺の減少に伴って、表示される地図画像で表現される表示対象地域の大きさは大きくなる。表示対象地域の大きさとは、東西方向における表示対象地域の長さ及び南北方向における表示対象地域の長さを指す、又は、表示対象地域の面積を指す。
【0060】
表示制御部15[1]は、明示された運転手の意思に基づき、使用縮尺を増大又は減少させることができる。具体的には例えば、表示制御部15[1]は、運転手により操作部42[1]に入力された所定の縮尺変更指示(明示された運転手の意思に相当)に基づき、使用縮尺を増大又は減少させることができる。縮尺変更指示は、例えば、表示部41[1]を含んで形成されるタッチパネルに対する所定操作により入力される。但し、音声操作や視線操作等で縮尺変更指示が入力されても良い。
【0061】
また、表示制御部15[1]は、推定された運転手の意思に基づき、使用縮尺を増大又は減少することがあっても良い。車両制御部10[1]は、過去における自車両CR[1]の各時刻の位置等を蓄積したデータベース(不図示)を保持している又は記録媒体20[1]に記録させており、そのデータベースに基づき、現在における運転手の意思を推定する機能を有する。例えば、或る特定の時間帯において自車両CR[1]が或る特定の地域内に位置しているときに、高い割合で特定の喫茶店の駐車場に自車両CR[1]が一定時間以上駐車しているという事実が上記データベースから分かる場合において、現在時刻が上記特定の時間帯に属し且つ自車両CR[1]の現在地が上記特定の地域内に位置しているとき、車両制御部10[1]は、運転手が上記特定の喫茶店に立ち寄る可能性が高いと推定する(即ち、運転手が上記特定の喫茶店に立ち寄る意思があると推定する)。このとき、表示制御部15[1]は、特定の喫茶店への移動を提案すべく、特定の喫茶店の存在位置を含む表示対象地域の地図画像を表示すると共に、特定の喫茶店への移動の提案に適した地図画像が表示されるよう使用縮尺を増大又は減少することがあっても良い(例えば、使用縮尺を、広域地図表示用の“1/100000”程度から“1/2000”や“1/1000”程度まで減少することがあっても良い)。
【0062】
以下の説明において、運転手の意思とは、上述の明示された運転手の意思又は推定された運転手の意思を指すものとする。
【0063】
ところで、自車両CR[1]において運転手は他車両CRの設置カメラのカメラ画像の参照を望むことがある。例えば、渋滞の発生時に渋滞の原因を探るべく前方に位置する他車両CRのカメラ画像を参照したいと望むことがある。或いは例えば、今から向かおうとしている目的地の状況(駐車場の込み具合等)を前もって知るべく、目的地近辺の他車両CRのカメラ画像を参照したいと望むことがある。
【0064】
自車両CR[1]において他車両CRの設置カメラのカメラ画像を参照するには上述したようなセッションの確立が必要となるが、セッションの確立には相応の時間がかかる。故に、自車両CR[1]の運転手が他車両CRの設置カメラのカメラ画像を参照したいと希望したタイミングからセッション確立のための動作を開始したならば、参照を望むカメラ画像が実際に参照可能となるまで相応の遅延(例えば数秒の遅延)が発生することになる。極端な例として存在する全ての他車両CRとの間で常にセッションを確立しておけば、このような遅延の発生は回避されるが、この場合、必要な通信データ量及び通信費用が膨大となり(セッション確立のための通信の殆どが無駄となり)、効率的ではない。これに鑑み、本実施形態では効率的なセッション確立を実現する。
【0065】
以下、効率的なセッション確立等に関わる複数の実施例を挙げる。第1実施形態は、以下の実施例EX1_1~EX1_9を含む。第1実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の実施例EX1_1~EX1_9に適用され、実施例EX1_1~EX1_9において、第1実施形態にて上述した事項と矛盾する事項については各実施例での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、実施例EX1_1~EX1_9の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
【0066】
尚、以下では、表示部41[1]に表示対象地域の地図画像が表示されるときにおいて、地図画像上に重畳表示される他車両アイコンCBの個数(総数)を他車両表示数と称し、符号“NUM”にて表すものとする。また、他車両CR[i]に対応する他車両アイコンCB(即ち他車両CR[i]の存在を表す他車両アイコンCB)を、特に符号“CB[i]”にて参照することがある(
図11参照)。
【0067】
[実施例EX1_1]
実施例EX1_1を説明する。自車両CR[1]において、設定部13[1]は、所定のセッション条件の成否を監視し、セッション条件が満たされたときに他車両CR[2]~CR[n]の内の何れか1以上の他車両CRをセッション目標車両に設定することになるが、実施例EX1_1に係るセッション条件は、他車両表示数NUMが1以上であって且つ所定値THa以下であるという個数条件そのものである。ここで、所定値THaとしては2以上の任意の整数が想定されるが、1であっても良い。
【0068】
故に、実施例EX1_1では、地図画像と共に表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBの個数(即ち他車両表示数NUM)が1以上であって且つ所定値THa以下であるとき、セッション条件が満たされ、そうでないときにはセッション条件が満たされない。セッション条件が満たされるとき、設定部13[1]は、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの全部をセッション目標車両に設定する。セッション条件が満たされないときセッション目標車両は設定されない。
【0069】
例えば、“THa=3”である場合において、
図11に示す如く、表示部41[1]に他車両アイコンCBとして他車両CR[2]~CR[4]に対応する他車両アイコンCB[2]~CB[4]のみが表示されている場合、“THa≧NUM=3”となるのでセッション条件が満たされ、設定部13[1]は、他車両CR[2]~CR[4]の全部をセッション目標車両に設定する。そうすると、セッション確立部14[1]は車載装置1[2]~1[4]の夫々との間でセッションを確立する。これにより、カメラ31[2]~31[4]での撮影により得られた各カメラ画像の画像情報がリアルタイムで受信部12[1]にて受信されている状態(セッション確立状態)となる。
【0070】
この状態において、他車両CR[2]~CR[4]としての3台のセッション目標車両の内、何れかのセッション目標車両を指定する指定操作が操作部42[1]に入力されると、表示制御部15[1]は、指定されたセッション目標車両の設置カメラ31によるカメラ画像に基づく画像(以下、受信対応表示画像と称する)を表示部41[1]に表示する。他車両CR[p]としてのセッション目標車両を指定する指定操作は、例えば、他車両アイコンCB[p]の表示位置を指にて触れるタッチパネル操作である(ここにおけるpは2、3又は4)。
図11において、画像610は、上記指定操作にて他車両CR[2]が指定されたときの受信対応表示画像の例である。尚、どの他車両CRによる画像が現在表示部41[1]に表示されているのかが分かるように、指定されたセッション目標車両に対応する他車両アイコンCBの表示態様(例えば表示色)を、それ以外の他車両アイコンCB(指定されていないセッション目標車両に対応する他車両アイコンCBを含む)の表示態様と異ならせると良い。
【0071】
受信対応表示画像を表示することで、自車両CR[1]において他車両CRの周辺の様子を知ることができるようになる。すでにセッション確立済みの他車両CRからのカメラ画像を利用して受信対応表示画像を生成及び表示するので、何れかのセッション目標車両を指定する指定操作の後、速やかに、所望のカメラ画像に基づく受信対応表示画像を表示することが可能となる。
【0072】
受信対応表示画像は、地図画像に並列に表示されても良いし、地図画像の一部又は全部を覆うように表示されても良い。選択されたセッション目標車両が他車両CR[2]である場合、受信対応表示画像は、他車両CR[2]に設置されたカメラ31[2]によるカメラ画像そのものであっても良いし、カメラ31[2]にて生成されたカメラ画像に対し所定の画像処理(例えば解像度変換)を施して得られる画像であっても良い。また、受信対応表示画像は所定のフレームレートによる動画像であるが、このとき、受信対応表示画像のフレームレートはカメラ31[2]にて生成されるカメラ画像のフレームレートよりも低くても良い。受信対応表示画像は静止画像であり得ても良い。
【0073】
尚、セッション目標車両の設定後、受信対応表示画像を表示するまでの上述の動作は、第1実施形態に属する全ての実施例において共通に適用され、且つ、後述の他の実施形態においても共通に適用されて良い。
【0074】
またセッション条件が満たされることでセッション目標車両が設定された後、セッション条件が満たされない状態に戻ると、各他車両CRに対するセッション目標車両の設定は解除される(第1実施形態に属する以下の任意の実施例及び後述の他の実施形態においても同様)。
【0075】
運転手が地図画像を見るとき、運転手は基本的に地図画像に対応する地域に注意を向けていると考えられ、他車両CRのカメラ画像の参照を希望するとすれば、表示の対象となっている他車両CRのカメラ画像の参照を希望する蓋然性が高いと考えられる。故に、表示の対象となっている他車両CRをセッション目標車両に設定することが効果的である。
【0076】
但し、他車両表示数NUMが多いときに、表示の対象となっている他車両CRを全てセッション目標車両に設定するとセッション確立に伴う無駄が多くなる。受信対応表示画像の表示に利用されるのは1台のセッション目標車両であるから、例えば“NUM=100”であれば、99台分のセッション確立は無駄になる。これに対し、本実施例のようにセッションの確立を行うようにすれば、セッション確立に伴う無駄が低く抑えられる。つまり、効率的なセッション確立が可能となる。例えば所定値THaが3であって
図11に示す如く他車両CR[2]~CR[4]がセッション目標車両に設定される場合、無駄となるセッション数は2つとなり、セッション確立に伴う無駄は低く抑えられる。
【0077】
尚、ここでは、セッション条件が満たされているとき、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの全部がセッション目標車両に設定されると述べたが、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの内、一部の他車両CRのみがセッション目標車両に設定されることがあっても良い(後述の他の任意の実施例においても同様)。
例えば、ナビゲーション装置35[1]により自車両CR[1]の目的地までの走行予定進路が設定されている場合において、セッション条件が満たされたとき、設定部13[1]は、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの中から、走行予定進路上に位置する他車両CR及び走行予定進路から所定距離以内に位置する他車両CRを抽出し、抽出した他車両CRのみをセッション目標車両に設定するようにしても良い(後述の他の任意の実施例においても同様)。
【0078】
[実施例EX1_2]
実施例EX1_2を説明する。実施例EX1_2に係るセッション条件は、上述の個数条件と、地図画像の表示の際における使用縮尺が所定縮尺THb以上であるという縮尺条件とを含み、個数条件と縮尺条件の双方が成立するときにセッション条件が成立する。所定縮尺THbの値は任意に設定可能であるが、例えば、1/1000や1/2000である。
【0079】
故に、実施例EX1_2では、地図画像と共に表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBの個数(即ち他車両表示数NUM)が1以上であって且つ所定値THa以下であることに加え、表示部41[1]に表示される地図画像の縮尺が所定縮尺THb以上であるとき(即ち使用縮尺が所定縮尺THb以上であるとき)、セッション条件が満たされ、そうでないときにはセッション条件が満たされない。セッション条件が満たされるとき、設定部13[1]は、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの全部をセッション目標車両に設定する。セッション条件が満たされないときセッション目標車両は設定されない。
【0080】
図11の表示例では、表示部41[1]に他車両アイコンCBとして他車両CR[2]~CR[4]に対応する他車両アイコンCB[2]~CB[4]のみが表示されている。このときに表示される地図画像の縮尺が所定縮尺THb以上であって且つ“THa=3”であるならば、セッション条件が満たされ、設定部13[1]は、他車両CR[2]~CR[4]の全部をセッション目標車両に設定する。そうすると、セッション確立部14[1]は車載装置1[2]~1[4]の夫々との間でセッションを確立する。これにより、カメラ31[2]~31[4]での撮影により得られた各カメラ画像の画像情報がリアルタイムで受信部12[1]にて受信されている状態(セッション確立状態)となる。
【0081】
地図画像の縮尺が比較的大きいとき、運転手は表示される狭い地域に注目している蓋然性が高く、このとき、運転手は、表示の対象となっている他車両CRのカメラ画像の参照を望むことが多いと考えられる。縮尺条件も利用する実施例EX1_2によれば、地図画像の縮尺の大きさから他車両CRのカメラ画像の参照が望まれる蓋然性が高いと推定され且つ他車両表示数NUMが少ないときに、表示他車両に対してセッション確立を行うので、セッション確立に無駄が生じにくくなり、結果、効率的なセッション確立が実現される。
【0082】
尚、実施例EX1_1で述べたように、セッション条件が満たされているとき、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの一部のみがセッション目標車両に設定されることがあっても良い。
【0083】
[実施例EX1_3]
実施例EX1_3を説明する。
図12は実施例EX1_3の概念図である。実施例EX1_3に係るセッション条件は、実施例EX1_2と同様に、上述の個数条件と、地図画像の表示の際における使用縮尺が所定縮尺THb以上であるという縮尺条件とを含むが、使用縮尺が所定縮尺THb未満の状態から所定縮尺THb以上の状態へと変更される縮尺変更過程を経て縮尺条件が満たされるという縮尺変更過程条件も更に含む。
【0084】
故に、実施例EX1_3では、表示部41[1]に表示される地図画像の縮尺(即ち使用縮尺)が所定縮尺THb未満の状態から所定縮尺THb以上の状態へと変更される縮尺変更過程を経て、地図画像と共に表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBの個数(即ち他車両表示数NUM)が1以上であって且つ所定値THa以下となったとき(具体的には例えば“NUM>THa”の状態から“NUM≦THa”の状態に変化したとき)、セッション条件が満たされ、そうでないときにはセッション条件が満たされない。セッション条件が満たされるとき、設定部13[1]は、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの全部をセッション目標車両に設定する。セッション条件が満たされないときセッション目標車両は設定されない。
【0085】
上記の縮尺変更過程を経て地図画像の縮尺が比較的大きなものに変更されたとき、運転手は表示される狭い地域に注目している蓋然性が高く、このとき、運転手は、表示の対象となっている他車両CRのカメラ画像の参照を望むことが多いと考えられる。実施例EX1_3によれば、縮尺変更過程及び地図画像の縮尺の大きさから他車両CRのカメラ画像の参照が望まれる蓋然性が高いと推定され且つ他車両表示数NUMが少ないときに、表示他車両に対してセッション確立を行うので、セッション確立に無駄が生じにくくなり、結果、効率的なセッション確立が実現される。
【0086】
尚、実施例EX1_1で述べたように、セッション条件が満たされているとき、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの一部のみがセッション目標車両に設定されることがあっても良い。
【0087】
また、実施例EX1_3においてセッション条件の成立に必要となる、地図画像の縮尺(即ち使用縮尺)における所定縮尺THb未満の状態から所定縮尺THb以上の状態への変更は、運転手の意思に基づく変更であっても良い。
【0088】
[実施例EX1_4]
実施例EX1_4を説明する。実施例EX1_4に係るセッション条件は、使用縮尺の変更を経て上述の個数条件が成立するとき、満たされる。
【0089】
故に、実施例EX1_4では、表示部41[1]に表示される地図画像の縮尺(即ち使用縮尺)の或る縮尺から他の縮尺への変更を経て、地図画像と共に表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBの個数(即ち他車両表示数NUM)が1以上であって且つ所定値THa以下となったとき(具体的には例えば“NUM>THa”の状態から“NUM≦THa”の状態に変化したとき)、セッション条件が満たされ、そうでないときにはセッション条件が満たされない。セッション条件が満たされるとき、設定部13[1]は、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの全部をセッション目標車両に設定する。セッション条件が満たされないときセッション目標車両は設定されない。尚、セッション条件が満たされるときの使用縮尺の変更は使用縮尺の増大であるが、使用縮尺の減少であり得ても良い。
【0090】
使用縮尺が変更されたとき、運転手は変更後の縮尺による地図画像の地域に注目している蓋然性が高く、このとき、運転手は、表示の対象となっている他車両CRのカメラ画像の参照を望むことが多いと考えられる。実施例EX1_4によれば、他車両CRのカメラ画像の参照が望まれる蓋然性が高いと推定され且つ他車両表示数NUMが少ないときに、表示他車両に対してセッション確立を行うので、セッション確立に無駄が生じにくくなり、結果、効率的なセッション確立が実現される。
【0091】
尚、実施例EX1_1で述べたように、セッション条件が満たされているとき、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの一部のみがセッション目標車両に設定されることがあっても良い。
【0092】
また、実施例EX1_4においてセッション条件の成立に必要となる、地図画像の縮尺(即ち使用縮尺)の変更は、運転手の意思に基づく変更であっても良い。
【0093】
[実施例EX1_5]
実施例EX1_5を説明する。他車両CR[2]~CR[n]の内、セッション目標車両に設定されていない他車両CRを非セッション目標車両と称する。そうすると、設定部13[1]は、他車両CR[2]~CR[n]を、個別に、セッション目標車両及び非セッション目標車両の何れかに分類及び設定する機能を持つことになる。
【0094】
表示制御部15[1]は、地図画像と共に表示部41[1]に或る他車両CRについての他車両アイコンCBを表示する際、その他車両CRがセッション目標車両に設定されているときと、非セッション目標車両に設定されているときとで、その他車両CRに対応する他車両アイコンCBの表示態様を異ならせる表示態様制御CNT1_5を実行すると良い。
【0095】
つまり、他車両CR[j]及び他車両アイコンCB[j]に注目すると、表示態様制御CNT1_5に係る表示制御部15[1]は、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCB[j]に対応する他車両CR[j]がセッション目標車両に設定される際、他車両CR[j]がセッション目標車両に設定される前後で他車両アイコンCB[j]の表示態様で変化させることになる。より具体的には、他車両CR[j]がセッション目標車両に設定される前では(換言すれば他車両CR[j]が非セッション目標車両に設定されているときには)他車両アイコンCB[j]を第1表示態様にて表示し、他車両CR[j]がセッション目標車両に設定された後では(換言すれば他車両CR[j]がセッション目標車両に設定されているときには)他車両アイコンCB[j]を第2表示態様にて表示する。
図13に第1及び第2表示態様の例を示す。第1及び第2表示態様は互いに異なる表示態様であり、運転手がそれらを視覚的に区別できる表示態様であれば任意である。例えば、第1及び第2表示態様間で表示色又は表示サイズを異ならせても良いし、第1及び第2表示態様の内、第2表示態様の他車両アイコンCBだけ明滅させても良い。
【0096】
この表示態様制御CNT1_5は、第1実施形態に属する上述の実施例EX1_1~EX1_4及び後述の実施例EX1_6~EX1_9に適用可能であるし、後述の他の実施形態にも適用可能である。
【0097】
図14に、表示態様制御CNT1_5を、
図12に対応する実施例EX1_3に適用したときの表示の変遷の例を示す。上述したように、実施例EX1_3では、表示部41[1]に表示される地図画像の縮尺(即ち使用縮尺)が所定縮尺THb未満の状態から所定縮尺THb以上の状態へと変更される縮尺変更過程を経て、地図画像と共に表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBの個数(即ち他車両表示数NUM)が1以上であって且つ所定値THa以下となったとき(具体的には例えば“NUM>THa”の状態から“NUM≦THa”の状態に変化したとき)セッション条件が満たされてセッション目標車両が設定される。
【0098】
図14の左側には、上記縮尺変更過程におけるセッション条件の不成立下での表示部41[1]の表示例が示されており、このとき、表示対象地域に存在する他車両CR[2]~CR[10]は全て非セッション目標車両に設定され、故に表示部41[1]には他車両CR[2]~CR[10]に対応する他車両アイコンCB[2]~CB[10]が全て第1表示態様で表示されている。
図14の右側には、上記縮尺変更過程を経てセッション条件が成立した後の表示部41[1]の表示例が示されており、このとき、表示対象地域に存在する他車両CR[2]~CR[4]は全てセッション目標車両に設定され、故に表示部41[1]には他車両CR[2]~CR[4]に対応する他車両アイコンCB[2]~CB[4]が全て第2表示態様で表示されている。
【0099】
実施例EX1_5によれば、各他車両についてセッションが確立されているか否か(運転手にとっては、カメラ画像の参照を速やかに行える他車両であるか否か)を、運転手に容易に知らしめることができ、利便性が高い。
【0100】
[実施例EX1_6]
実施例EX1_6を説明する。実施例EX1_6では、ナビゲーション装置35[1]により自車両CR[1]の目的地までの走行予定進路が設定されていることを前提とする。実施例EX1_6は、上述の実施例EX1_1~EX1_5の内の任意の実施例と組み合わせて実施される、或いは、後述の何れかの実施例(例えば実施例EX1_7)と組み合わせて実施される。実施例EX1_6において以下に述べる事項は上述の実施例EX1_1~EX1_5で述べた事項と部分的に重複するが、走行予定進路が設定されていることを前提に、それに関わる事項を詳説する。
【0101】
自車両CR[1]の目的地とは自車両CR[1]がこれから向かうべき地点を指し、目的地がナビゲーション装置35[1]にて予め設定されたことを想定する。運転手は所望の任意の地点を目的地としてナビゲーション装置35[1]に設定することができる。目的地が設定されると、ナビゲーション装置35[1]は、現時点の自車両CR[1]の位置情報と地図情報22[1]とに基づき、自車両CR[1]を目的地に至らせるために自車両CR[1]が走行すべき進路を走行予定進路として設定する。走行予定進路の設定後において、地図画像が表示部41[1]に表示される際、表示制御部15[1]は、走行予定進路を表す走行予定進路線を地図画像上に重畳表示する。
図15の破線折れ線630は走行予定進路線の例である。
【0102】
ナビゲーション装置35[1]により自車両CR[1]の目的地までの走行予定進路が設定されている場合において、実施例EX1_6以外の任意の実施例(例えば上述の実施例EX1_1~EX1_4及び後述の実施例EX1_7の何れか)にて示した規則に従ってセッション条件が満たされると、設定部13[1]は、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの中から、走行予定進路上に位置する他車両CR及び走行予定進路から所定距離以内に位置する他車両CRを抽出し、抽出した他車両CRのみをセッション目標車両に設定する。抽出されなかった他車両CRはセッション目標車両に設定されない(即ち非セッション目標車両のままとされる)。
【0103】
実施例EX1_1と実施例EX1_6を組み合わせについて考える。当該組み合わせに係り自車両CR[1]の走行予定進路が設定されている場合において、地図画像と共に表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBの個数(即ち他車両表示数NUM)が1以上であって且つ所定値THa以下であるとき、セッション条件が満たされる。このとき、設定部13[1]は、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの中から、走行予定進路上に位置する他車両CR及び走行予定進路から所定距離以内に位置する他車両CRを抽出し、抽出した他車両CRのみをセッション目標車両に設定する。結果、セッション確立部14[1]は、抽出された他車両CRとのセッションを確立することになる。
【0104】
実施例EX1_2と実施例EX1_6を組み合わせについて考える。当該組み合わせに係り自車両CR[1]の走行予定進路が設定されている場合において、表示部41[1]に表示される地図画像の縮尺が所定縮尺THb以上であって(即ち使用縮尺が所定縮尺THb以上であって)、且つ、地図画像と共に表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBの個数(即ち他車両表示数NUM)が1以上であって且つ所定値THa以下であるとき、セッション条件が満たされる。このとき、設定部13[1]は、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの中から、走行予定進路上に位置する他車両CR及び走行予定進路から所定距離以内に位置する他車両CRを抽出し、抽出した他車両CRのみをセッション目標車両に設定する。結果、セッション確立部14[1]は、抽出された他車両CRとのセッションを確立することになる。
【0105】
実施例EX1_1及びEX1_2以外の実施例と実施例EX1_6とを組み合わせる場合も同様である。尚、設定部13[1]の機能がセッション確立部14[1]に内包されていると考えても構わない(他の任意の実施例においても同様)。何れにせよ、自車両CR[1]の走行予定進路が設定されている場合においてセッション条件が満たされるとき、セッション確立部14[1]は、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの内、走行予定進路上に位置(存在)する他車両CR及び走行予定進路から所定距離以内に位置(存在)する他車両CRとのセッションを確立することになる。
【0106】
図16において、表示部41[1]に地図画像及び走行予定進路線630と共に他車両アイコンCB[2]~CB[4]が表示され、且つ、セッション条件が満たされている。そして、他車両アイコンCB[2]に対応する他車両CR[2]は走行予定進路上に位置し、他車両アイコンCB[3]に対応する他車両CR[3]は走行予定進路上に位置しないが走行予定進路から所定距離以内に位置する。他車両アイコンCB[4]に対応する他車両CR[4]は走行予定進路上に位置しないと共に走行予定進路から所定距離以内にも位置しない。この場合、設定部13[1]は他車両CR[2]及びCR[3]をセッション目標車両に設定する一方で、他車両CR[4]をセッション目標車両に設定しないことになる。
【0107】
また、以下のようにしても良い。即ち、自車両CR[1]の走行予定進路が設定されている場合において、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの内、走行予定進路上に位置する他車両CR及び走行予定進路から所定距離以内に位置する他車両CRの合計台数に注目し、その合計対数が所定値THa以下であるときに、セッション条件が満たされるようにしても良い。この場合であっても、セッション条件が満たされたとき、設定部13[1]は、表示部41[1]に表示される他車両アイコンCBに対応する他車両CRの中から、走行予定進路上に位置する他車両CR及び走行予定進路から所定距離以内に位置する他車両CRを抽出し、抽出した他車両CRのみをセッション目標車両に設定する。結果、セッション確立部14[1]は、抽出された他車両CRとのセッションを確立することになる。
【0108】
設定部13[1]は、任意の他車両CR[j]について、他車両CR[j]が走行予定進路上に位置するのか及び走行予定進路から所定距離以内に位置するのかを、他車両CR[j]の位置情報を格納した車両位置テーブル23[1]に基づいて判断できる。
他車両CR[j]が走行予定進路上に位置するとは、走行予定進路上に位置する道路上に他車両CR[j]が存在することを意味する。走行予定進路上に他車両CR[j]が位置しない場合において走行予定進路上に他車両CR[j]との距離が所定距離以下となる点が存在するとき、他車両CR[j]は走行予定進路から所定距離以内に位置すると判断され、そうでないとき、他車両CR[j]は走行予定進路から所定距離以内に位置しないと判断される。
【0109】
運転手は走行予定進路上の他車両CR又はそれに近い他車両CRのカメラ画像の参照を望むことが多いと考えられる。実施例EX1_6によれば、カメラ画像の参照が望まれる蓋然性が高いと推定される表示他車両に対してセッション確立を行うので、セッション確立に無駄が生じにくくなり、結果、効率的なセッション確立が実現される。
【0110】
[実施例EX1_7]
実施例EX1_1を説明する。実施例EX1_1~EX1_4では、セッション条件が満たされるためには、少なくとも、他車両表示数NUMが1以上であって且つ所定値THa以下であるという個数条件の充足が必要であった。しかしながら、個数条件に依存しないセッション条件を定めることも可能である。例えば、実施例EX1_1~EX1_4に示したセッション条件から個数条件を除外することもできる。
【0111】
より具体的には例えば、上述の縮尺条件のみに基づいてセッション条件を定めるようにしても良い。この場合、表示部41[1]に表示される地図画像の縮尺が所定縮尺THb以上(即ち使用縮尺が所定縮尺THb以上)であるという縮尺条件の成立のみを以って、セッション条件が満たされる。地図画像の縮尺が比較的大きいとき、運転手は表示される狭い地域に注目している蓋然性が高く、このとき、運転手は他車両CRのカメラ画像の参照を望むことが多いと考えられる。セッション条件が満たされたときのセッション確立部14[1]及び表示制御部15[1]の動作は、実施例EX1_1~EX1_6の何れかに示したものと同様である。
【0112】
[実施例EX1_8]
実施例EX1_8を説明する。表示部41[1]に表示される地図画像に対応する表示対象地域内に自車両CR[1]が存在するか否かは任意である。表示対象地域内に自車両CR[1]が存在しない場合、表示部41[1]に表示される地図画像上に自車両アイコンCAは重畳表示されないことになる。
【0113】
[実施例EX1_9]
実施例EX1_9を説明する。自車両CR[1]において任意の他車両CR[j]がセッション目標車両に設定されたとき、セッション確立部14[1]により車載装置1[j]に対してセッションが確立されることで、車載装置1[j]についてセッション確立状態が実現される。ここで、車載装置1[j]についてセッション確立状態とは、セッション目標車両CR[j]に設置されたカメラ31[j]での撮影により得られたカメラ画像の画像情報を受信部12[1]にて受信している状態に相当するが、カメラ31[j]での撮影により得られたカメラ画像の画像情報はサーバ装置100を介して受信部12[1]にて受信されるものであっても良い。
【0114】
この場合、自車両CR[1]において他車両CR[j]がセッション目標車両に設定されたとき、セッション確立部14[1]は、他車両CR[j]がセッション目標車両に設定されたことを示す情報を含むセッション確立要求を送信部11[1]を用いてサーバ装置100に伝達し、セッション確立要求に応答してサーバ装置100の情報提供部112がカメラ情報DB123に基づきカメラ31[j]での撮影により得られたカメラ画像の画像情報を車載装置1[1]に送信すれば良い。このとき、情報提供部112は、車載装置1[j]から順次送信されてくるカメラ31[j]によるカメラ画像の画像情報を、なるだけ速やかに、順次車載装置1[1]に送信すると良い。サーバ装置100は、上記セッション確立要求を受信してから所定の画像送信要求を他車両CR[j]の車載装置1[j]に伝達するようにしても良く、この場合、車載装置1[j]は、カメラ31[j]のカメラ画像の画像情報のサーバ装置100への送信を画像送信要求を受けてから開始することになる。
【0115】
サーバ装置100を介して画像情報の配信を行う場合、リアルタイム性は幾分損なわれるが、自車両CR[1]及び他車両CR[j]間の距離が大きく車載装置1[1]及び1[j]間での直接の通信が不能な場合にも、画像情報の配信が可能となる。
【0116】
尚、セッション確立要求に応答し、サーバ装置100の情報提供部112は、カメラ情報DB123に格納された、カメラ31[j]の過去のカメラ画像の画像情報(例えば現時点から見て1年前のカメラ画像の画像情報)を車載装置1[1]に送信する、といったことも可能である。
【0117】
<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態及び後述の第3実施形態は第1実施形態を基礎とする実施形態であり、第2及び第3実施形態において特に述べない事項に関しては、矛盾の無い限り、第1実施形態の記載が第2及び第3実施形態にも適用される。第2実施形態の記載を解釈するにあたり、第1及び第2実施形態間で矛盾する事項については第2実施形態の記載が優先されて良い(後述の第3実施形態についても同様)。矛盾の無い限り、第1~第3実施形態の内、任意の複数の実施形態を組み合わせても良い。
【0118】
ここでは、通信システムSSが日本国内にて運用されていることを想定する。自車両CR[1]において、使用縮尺が十分に小さくされると、日本の全て又は略全ての地域を表示対象地域とした地図画像(以下、これを日本全域地図画像と称する)が表示部41[1]に表示される。
【0119】
表示制御部15[1]は、表示部41[1]に日本全域地図画像を表示する際、日本国全域を八地方区分に従って8つの地方である第1~第8地方に分類し、
図17に示す如く、表示部41[1]において各地方に位置する他車両CRの台数を地方ごとに日本全域地図画像上に重畳表示することができる。尚、このような分類方法は例に過ぎず、或る地域を複数の地域に分類及び分割する方法は、これに限定されない。第1~第8地方は、夫々、北海道地方、東北地方、関東地方、中部地方、近畿地方、中国地方、四国地方、九州・沖縄地方である。地方ごとの他車両CRの台数を表示部41[1]に表示するための情報は、車両位置テーブル23[1]に基づいて導出されるものであっても良いし、サーバ装置100から車載装置1[1]に提供されても良い。
【0120】
図17に示すような、各地方の他車両CRの台数情報と共に日本全域地図画像が表示部41[1]に表示されている状態を全域表示状態と称する。
【0121】
また、第2実施形態に係るサーバ装置100において、サーバ記録部120には
図18に示す管理DB124が記録されているものとする。管理DB124には、通信システムSSを構成する全ての車両CRについて、車両CRごとに、車両識別IDと管理情報が互いに関連付けて格納されている。任意の整数iに関し、車両CR[i]の管理情報には、車両CR[i]の配信回数情報、車両CR[i]の被閲覧回数情報、及び、車両CR[i]の閲覧履歴情報が含まれる。
【0122】
車両CR[i]の配信回数情報は、車載装置1[i]がサーバ装置100に対してカメラ31[i]によるカメラ画像の画像情報を送信した回数(以下、配信回数VALA[i]と称する)を表す。
第1実施形態では、通信システムSSに属する各車両CRの車載装置1から無条件にカメラ画像の画像情報がサーバ装置100に送信されることを想定した。しかしながら、第2実施形態では、車載装置1[i]に対して所定の配信許可が付与されているときにのみ、カメラ31[i]のカメラ画像の画像情報がサーバ装置100に送信されるものとする。車載装置1[i]の操作者(車両CR[i]の運転手等)は操作部42[i]を通じて車載装置1[i]に配信許可を付与するか否かを指定できる。
ここでは説明の具体化のため、車載装置1[i]は一定時間分のカメラ31[i]のカメラ画像の画像情報を1ファイルにまとめてサーバ装置100に送信するものとし、サーバ制御部110は、当該画像情報を含んだファイルを車載装置1[i]から受信するたびに配信回数VALA[i]に1を加算し、また、当該画像情報を含んだファイルを車載装置1[i]の車両識別IDに対応付けてカメラ情報DB123に格納するものとする。配信回数VALA[i]の初期値はゼロである。
【0123】
車両CR[i]の被閲覧回数情報は、通信システムSSに属する車両CRの内、車両CR[i]以外の車両CRに設置された車載装置1が、車両CR[i]のカメラ31[i]によるカメラ画像を閲覧(受信)した回数(以下、被閲覧回数VALB[i]と称する)を表す。
車載装置1[j]は、サーバ装置100に対し、車両CR[i]のカメラ31[i]によるカメラ画像の画像情報の送信を要求する閲覧要求信号を送信できる(当該要求において、送信の対象となるカメラ画像の撮影日時も指定できる)。この要求に従って、サーバ装置100の情報提供部112は、カメラ情報DB123に基づき、車両CR[i]のカメラ31[i]によるカメラ画像の画像情報を車載装置1[j]に対して送信する。これにより、車両CR[j]においてカメラ31[i]によるカメラ画像を閲覧可能となる。
ここでは、カメラ情報DB123に格納された、1ファイル分のカメラ31[i]のカメラ画像の画像情報が、車両CR[i]以外の任意の車両CRに設置された車載装置1に対して送信されるたびに、サーバ制御部110は被閲覧回数VALB[i]に1を加算するものとする。被閲覧回数VALA[i]の初期値はゼロである。
【0124】
車両CR[i]の閲覧履歴情報は、車両CR[i]において車両CR[i]以外の車両CRのカメラ画像が閲覧されたことに関する履歴を表す。
例えば、車載装置1[i]は、サーバ装置100に対し車両CR[j]のカメラ31[j]によるカメラ画像の画像情報の送信を要求する閲覧要求信号を送信できる(当該要求において、送信の対象となるカメラ画像の撮影日時も指定できる)。この要求に従って、サーバ装置100の情報提供部112は、カメラ情報DB123に基づき、車両CR[j]のカメラ31[j]によるカメラ画像の画像情報を車載装置1[i]に対して送信する。これにより、車両CR[i]においてカメラ31[j]によるカメラ画像を閲覧可能となる。そしてこのとき、サーバ制御部110は、車両CR[i]において車両CR[j]のカメラ画像が閲覧されたという履歴を閲覧履歴情報に格納する。更に、車両CRごとの閲覧回数も履歴として閲覧履歴情報に含められるものとする。
【0125】
第2実施形態は、以下の実施例EX2_1~EX2_2を含む。これらの実施例の中で、全域表示状態を起点とするセッションの確立方法等を説明する。矛盾なき限り、実施例EX2_1~EX2_2の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる。
【0126】
[実施例EX2_1]
実施例EX2_1を説明する。実施例EX2_1において、全域表示状態ではセッション条件は満たされない。全域表示状態において、第1~第8地方の内、何れかの地方を選択及び指定する操作が自車両CR[1]の操作部41[1]に対して入力されると、地方選択表示状態に移行する。この操作により選択及び指定された地方を、以下、指定地方と称する。
図19に地方選択表示状態における自車両CR[1]の表示部41[1]の表示例を示す。
【0127】
指定地方が定まると、自車両CR[1]の送信部11[1]は指定地方情報を要求する要求信号をサーバ装置100に送信し、その要求信号がサーバ装置100にて受信されると、サーバ制御部110は、位置情報DB121に基づき指定地方に位置する他車両CRを抽出し、指定地方に位置する複数の他車両CRに対し所定の優先順位設定規則に従って優先順位を設定する。2以上の他車両CRに対し同一の優先順位が設定されることもあり得るが、ここでは、指定地方に位置する複数の他車両CRに対して、互いに異なる優先順位が設定されるものとする。
【0128】
優先順位設定規則は任意であるが、例えば、管理DB124における各他車両CRの配信回数情報、被閲覧回数情報又は閲覧履歴情報を利用できる。今、指定地方に他車両CR[2]~CR[2000]が位置している場合を考える。この場合において
配信回数情報を優先順位設定規則に用いるなら、他車両CR[2]~CR[2000]の配信回数の内、配信回数が多い他車両から順に高い優先順位を設定することができ、
被閲覧回数情報を優先順位設定規則に用いるなら、他車両CR[2]~CR[2000]の被閲覧回数の内、被閲覧回数が多い他車両から順に高い優先順位を設定することができ、
閲覧履歴情報を優先順位設定規則に用いるなら、他車両CR[2]~CR[2000]の内、自車両CR[1]において自身のカメラ画像が閲覧されたことのある他車両CRに対し、より高い優先順位が設定し、このとき、閲覧された回数が多い他車両CRほど、より高い優先順位を設定することができる。例えば、自車両CR[1]において他車両CR[2]のカメラ画像が閲覧されたことがある一方で他車両CR[3]のカメラ画像が閲覧されたことが無いとき、他車両CR[2]に対し他車両CR[3]よりも高い優先順位を設定する。
配信回数情報、被閲覧回数情報及び閲覧履歴情報の内、2以上の情報を利用した優先順位設定規則を用いても良い。
【0129】
サーバ制御部110は、優先順位を設定すると、指定地方に位置する複数の他車両CRと設定された優先順位と上述の管理情報とを対応付けた指定地方用リスト情報を作成し、指定地方用リスト情報を車載装置1[1]に送信する。
【0130】
自車両CR[1]において、表示制御部15[1]は指定地方用リスト情報に基づき、
図19に示すような地方選択表示状態における画像を表示部41[1]に表示する。地方選択表示状態において表示部41[1]に表示される画像はリスト画像710を含み、リスト画像710は並列に並べられた5つの他車両項目画像711~715から成る。各々の他車両項目画像は対応する他車両CRの存在を表す他車両情報画像の一種であり、対応する他車両CRの車両名の情報を含み、更に付加情報を含む。尚、リスト画像710に含められる他車両項目画像の個数は5に限定されない。
【0131】
図19に例において付加情報は対応する被閲覧回数を示している。従って例えば、他車両項目画像711~715が夫々他車両CR[11]~CR[15]に対応している場合、
図19の例において、他車両項目画像711は他車両CR[11]の車両名と他車両CR[11]の被閲覧回数VAL
B[11]を示し、他車両項目画像712は他車両CR[12]の車両名と他車両CR[12]の被閲覧回数VAL
B[12]を示すことになる。他車両項目画像713~715についても同様である。
【0132】
表示制御部15[1]は、指定地方用リスト情報に含まれる優先順位の情報に基づき、優先順位がより高い他車両CRの情報が優先的にリスト画像710に含まれるよう地方選択表示状態における画像を表示部41[1]に表示する。従って、全域表示状態から地方選択表示状態への移行直後では、第1~第5優先順位が設定された他車両CRの情報がリスト画像710に含まれることになる。但し、操作部42[1]に対して所定のスクロール操作が入力されると、第6優先順位や第7優先順位が設定された他車両CRの情報もリスト画像710に含まれるようになる。尚、任意の整数iについて第i優先順位は第(i+1)優先順位よりも高い優先順位であるとする。
【0133】
実施例EX2_1におけるセッション条件は、表示部41[1]に表示される他車両項目画像の個数が1以上であって且つ所定値THa以下であるとき、満たされる。
図19の例では、所定値THaは5とされる又は6以上とされる。故に、
図19の地方選択表示状態においてセッション条件が満たされ、設定部13[1]は、表示部41[1]に表示される他車両項目画像711~715に対応する計5台の他車両CRをセッション目標車両に設定する。
【0134】
故に例えば、
図19の他車両項目画像711~715が夫々他車両CR[11]~CR[15]に対応している場合、
図19の地方選択表示状態において、自車両CR[1]の設定部13[1]は他車両CR[11]~CR[15]の夫々をセッション目標車両に設定する。そうすると、セッション確立部14[1]は車載装置1[11]~1[15]の夫々との間でセッションを確立する。このとき、車載装置1[1]及び1[11]間で直接の通信が可能であるならば、カメラ31[11]での撮影により得られたカメラ画像の画像情報がリアルタイムで受信部12[1]にて受信されている状態となり、車載装置1[1]及び1[11]間で直接の通信が不能であるならば、カメラ31[11]での撮影により得られたカメラ画像の画像情報がサーバ装置100を介して受信部12[1]にて受信されている状態となる。車載装置1[12]~1[15]についても同様である。
【0135】
そして、他車両CR[11]~CR[15]としての5台のセッション目標車両の内、何れかのセッション目標車両を指定する指定操作が操作部42[1]に入力されると、実施例EX1_1にて説明したように、表示制御部15[1]は、指定されたセッション目標車両の設置カメラ31によるカメラ画像に基づく画像(上述の受信対応表示画像)を表示部41[1]に表示することができる。
【0136】
実施例EX2_1によれば、セッション確立が図られるべき他車両の台数を絞り込んだ状態でセッションの確立が行われるため、また優先順位設定規則に基づきセッション確立が図られる蓋然性の高い他車両の情報を優先的に表示するため、セッション確立に伴う無駄が抑制され、効率的なセッション確立が可能となる。
【0137】
[実施例EX2_2]
実施例EX2_2を説明する。
図17の全域表示状態において、自車両CR[1]の設定部13[1]は、セッション条件が満たされていると仮定し、第1~第8地方の夫々に対し1台ずつセッション目標車両を設定してしても良い。このとき、第1地方に位置する各他車両CRに対し実施例EX2_1に示した優先順位設定規則に従って優先順位を設定し、第1地方に位置する複数の車両CRの内、最も高い優先順位が設定された他車両CRを第1地方におけるセッション目標車両に設定する。同様に、第2地方に位置する各他車両CRに対し実施例EX2_1に示した優先順位設定規則に従って優先順位を設定し、第2地方に位置する複数の車両CRの内、最も高い優先順位が設定された他車両CRを第2地方におけるセッション目標車両に設定する。第3~第8地方についても同様である。
【0138】
故に例えば、第1~第8地方におけるセッション目標車両が夫々他車両CR[1000]、CR[2000]、CR[3000]、CR[4000]、CR[5000]、CR[6000]、CR[7000]、CR[8000]であるならば、
図17の全域表示状態において、セッション確立部14[1]は各セッション目標車両の車載装置1との間でセッションを確立する。このとき、車載装置1[1]及び1[1000]間で直接の通信が可能であるならば、カメラ31[1000]での撮影により得られたカメラ画像の画像情報がリアルタイムで受信部12[1]にて受信されている状態となり、車載装置1[1]及び1[1000]間で直接の通信が不能であるならば、カメラ31[1000]での撮影により得られたカメラ画像の画像情報がサーバ装置100を介して受信部12[1]にて受信されている状態となる。車載装置1[2000]等についても同様である。
【0139】
そして、
図17の全域表示状態において、第1~第8地方の内、何れかの地方を選択及び指定する操作が自車両CR[1]の操作部41[1]に対して入力されると、表示制御部15[1]は、指定された地方に属するセッション目標車両の設置カメラ31によるカメラ画像に基づく画像(上述の受信対応表示画像)を、日本全域地図画像と共に又は日本全域地図画像に代えて表示部41[1]に表示することができる。
【0140】
<<第3実施形態>>
本発明の第3実施形態を説明する。
【0141】
上述の車載装置1は本発明に係る車載装置に対応するが、車載装置1の周辺装置として示した構成要素の全部又は一部も、本発明に係る車載装置の構成要素に含まれると解しても良い。即ち、本発明に係る車載装置は、
図2に示す車載制御部10及び記録媒体20に加え、カメラ31、車載センサ部32、GPS処理部33、計時部34、ナビゲーション装置35、端末装置36及びインターフェース装置40の内の全部又は一部も更に構成要素として含んでいると考えても良い。
【0142】
通信システムSSにて具体例が示された本発明に係る通信システムは、対象車両に搭載される車載装置を対象車載装置として備えるとともに、対象車載装置、及び、対象車両と異なる他車両に搭載される他車両車載装置と、通信を行う管理装置と、を備えている。この管理装置は、他車両車載装置から受信した他車両の存在位置を表す他車両位置情報を対象車載装置に送信することができる。
上述の自車両CR[1]が対象車両に対応し、自車両CR[1]に搭載される車載装置1[1]が対象車載装置に対応すると考えることができる。この場合、車載装置1[2]~1[n]の夫々又は車載装置1[2]~1[n]の何れかが、他車両に搭載される他車両車載装置に対応することになる。サーバ装置100は管理装置の例である。
【0143】
車載装置1においてセッションの確立に関連する制御方法をセッション制御方法と称することができ、車載装置1の車載制御部10にてセッション制御方法を実現できる。
【0144】
第1実施形態にて具体化された本発明に係る車載装置の動作を、サーバ装置100を用いることなく実現するようにしても良い。この場合、通信システムSSを構成する車載装置1[1]~1[n]が協働してサーバ装置100の機能を担えば良い。各車両CRの位置情報に関して言えば、車載装置1[1]~1[n]間の通信を通じ車載装置1[1]~1[n]間で車両CR[1]~CR[n]の位置情報を共有しあうことが可能である。
【0145】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
【符号の説明】
【0146】
1、1[i] 車載装置
10、10[i] 車載制御部
11、11[i] 送信部
12、12[i] 受信部
13、13[i] 設定部
14、14[i] セッション確立部
15、15[i] 表示制御部
20、20[i] 記録媒体
31、31[i] カメラ
41、41[i] 表示部
42、42[i] 操作部
100 サーバ装置
SS 通信システム
CR、CR[i] 車両
CA 自車両アイコン
CB、CB[i] 他車両アイコン