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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】パーティション
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20230720BHJP
   E06B 9/04 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
E04B2/74 561A
E04B2/74 541A
E06B9/04 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019158170
(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2021036111
(43)【公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000105693
【氏名又は名称】コマニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 大輔
(72)【発明者】
【氏名】永島 周平
【審査官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-232137(JP,A)
【文献】特開2007-092476(JP,A)
【文献】特開2019-100034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/72-2/82
E06B 9/04
E06B 3/04-3/46
E06B 3/50-3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井レールと床レールとに固定されて連結方向に連結した複数のパネルと、前記パネル間に開閉自在に配置されたドアとを備えたパーティションであって、
前記パネルは、前記パーティションの厚みを規定する幅方向に離間して対向配置され、前記連結方向の一端にそれぞれ第1側端部を有する一対の外側パネルを含み、
前記ドアは、前記幅方向において前記一対の第1側端部の離間距離より小となるドア幅を有し、前記ドアの閉時にて前記一対の第1側端部と前記連結方向において近接して位置付けられる第2側端部を有する、パーティション。
【請求項2】
前記一対の第1側端部は、前記連結方向において前記第2側端部の外面に沿う方向に傾斜した傾斜面部をそれぞれ有する、請求項1に記載のパーティション。
【請求項3】
前記ドアは開きドアであって、
前記天井レールと前記床レールとの間に固定され、前記連結方向の一端側において前記ドアを開閉自在に支持するとともに、前記連結方向の他端側において前記ドアの閉時に前記第2側端部が少なくとも近接して位置付けられるドアフレームをさらに備え、
前記ドアフレームは、前記幅方向において、前記一対の第1側端部の間に配置されるとともに前記一対の第1側端部と少なくとも近接して配置され、前記連結方向から見て前記一対の第1側端部の間に形成される間隙スペースを覆う位置に配置される、請求項2に記載のパーティション。
【請求項4】
前記ドアはスライドドアであって、
前記一対の外側パネルは、前記一対の第1側端部の間に、前記ドアの開時に前記ドアが収容される戸袋スペースを有する、請求項2に記載のパーティション。
【請求項5】
前記一対の外側パネルの少なくとも一方は、前記第1側端部に、前記ドアを照光可能な照光部を有する、請求項1から4の何れか一項に記載のパーティション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーティションに関し、特に、パネル間に開閉自在に配置されたドアを備えたパーティションに関する。
【背景技術】
【0002】
天井レールと床レールとに固定されて連結方向に連結した複数のパネルと、パネル間に開閉自在に配置されたドアとを備えたパーティションが知られている。特許文献1には、所定の距離を隔てて並設した戸袋パネル間に戸袋が形成された引戸装置が開示されている。一対の戸袋パネルの側端部には、指詰防止ゴムが止着片を介してスタッドに取り付けられている。
【0003】
また、特許文献2には、一対の戸袋パネル間における空間に、出入り口方向にスライド可能に引戸を収納する戸袋の構造が開示されている。少なくとも一方の戸袋パネルは、戸袋パネルの上部に設けられた上吊り部材を介してレールに懸架されて移動可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平6-73294号公報
【文献】実開昭63-184987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1の図1と特許文献2の第2図とに示されるように、一対の戸袋パネルを引戸との連結方向から見たとき、指詰防止ゴム、一対の戸袋パネルの側端部の端面、或いは、戸袋パネルを支持するスタッドやフレームが露出して見えてしまう。
【0006】
種々のオプションを用意したパーティションでは、パネル及びその支持部材が異なる場合が多い。従って、ドアとパネルとの側端部における継ぎ目において、段差部分の存在や、段差部分におけるパネル以外の支持部材の露出があると、デザインにおける統一感を損ない、パーティションに同一シリーズ商品であることを容易に認識可能な付加価値を付与するのは困難である。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、ドアを備えたパーティションにおいて、種々のオプションを用意した場合であっても、デザインにおける統一感を創出することができ、同一シリーズ商品であることを容易に識別可能な付加価値を付与することができるパーティションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するべく、本発明のパーティションは、天井レールと床レールとに固定されて連結方向に連結した複数のパネルと、パネル間に開閉自在に配置されたドアとを備えたパーティションであって、パネルは、パーティションの厚みを規定する幅方向に離間して対向配置され、連結方向の一端にそれぞれ第1側端部を有する一対の外側パネルであり、ドアは、幅方向において一対の第1側端部の離間距離より小となるドア幅を有し、ドアの閉時にて一対の第1側端部と連結方向において近接して位置付けられる第2側端部を有する。
【発明の効果】
【0009】
従って、本発明のパーティションによれば、ドアを備えたパーティションにおいて、種々のオプションを用意した場合であっても、デザインにおける統一感を創出することができ、同一シリーズ商品であることを容易に識別可能な付加価値を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係るパーティションの設置状態における斜視図である。
図2図1のドアユニットにおける二対の外側パネルとドアとの連結部分の横断面である。
図3図2で見て右側における一対の外側パネルとドアとの連結部分の横断面を拡大した図である。
図4】本発明の第2実施形態に係るパーティションの設置状態における正面図である。
図5図4のドアユニットにおける一対の外側パネルとドアとの連結部分の横断面を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施形態に係るパーティションを図面に基づき説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のパーティション1の設置状態における斜視図を示す。パーティション1は、室内等に設置され、複数のパネル2をこれらの連結方向Xに連結して空間を仕切る間仕切りである。個々のパネル2は、これらの上下端部において、それぞれ横フレーム10を介して天井レール3及び床レール4に支持される。天井レール3は、図示しない天井にねじ止め等(以下、単に固定手段ともいう)で固定され、床レール4は、図示しない床に固定手段で固定される。
【0012】
連結方向Xに隣り合うパネル2は、これらの連結部分に位置するそれぞれの側端部2aにおいて、後述する縦フレーム20を介して互いに連結される。縦フレーム20及び横フレーム10は複数設けられ、これらを互いに組み合わせることによりパネル2を支持するための四方枠体を形成する。
【0013】
本実施形態のパーティション1は、パネル2として、パーティション1の厚みDを規定する幅方向Zに離間してそれぞれ対向配置された二対のガラスパネル30と、ドアユニット40とを備え、ガラスパネル30、ドアユニット40、ガラスパネル30をこれらの順で連結方向Xに連結して構成されている。個々のガラスパネル30は、例えば2枚のガラス板30aを継ぎ目30bにおいて接着等して形成されている。
【0014】
ドアユニット40は、幅方向Zに離間してそれぞれ対向配置された二対の外側パネル50と、二対の外側パネル50の間に配置されるドア60とから構成されている。二対の外側パネル50は、天井レール3と床レール4とに固定手段により固定され、これらの外側パネル50間にドア60が開閉自在に配置される。ドア60は押し引きにより開閉する開きドアであって、外側パネル50及びドア60は、例えば鋼板に石膏ボードを接着等して形成される。
【0015】
図1に示すパーティション1は、一対のガラスパネル30、ドアユニット40、一対のガラスパネル30をこれらの順に直線状に連結(I字型連結)した、いわゆる1ウェイ方式の連結構造となっている。図1で見て左右両端に位置する一対のガラスパネル30の側端部31は、図示しない他のパネル2に連結しても良いし、図示しない壁に固定しても良いし、或いは、図示しないカバー部材を装着しても良い。パーティション1は、図1に示した1ウェイ方式の他に、2ウェイ方式(L字型連結)や3ウェイ方式(T字型連結)等のパネル連結構造を採用することもできる。
【0016】
縦フレーム20は、パーティション1の高さ方向、つまり上下方向Yに延設され、その上下端部がそれぞれ天井レール3と床レール4とに固定手段で固定される。横フレーム10は、連結方向Xに延設され、その長手方向に亘って天井レール3と床レール4とにそれぞれ固定手段で固定される。横フレーム10は、パーティション1の仕様に応じてパネル2の上下方向Yの途中に配置しても良く、この場合、横フレーム10は縦フレーム20に対して適宜固定される。
【0017】
図2は、ドアユニット40における二対の外側パネル50とドア60との連結部分の横断面図を示す。ドアユニット40は、連結方向Xにおいて、図2で見て左側の一対の外側パネル50のドア60側の一端に形成される側端部(第1側端部)51と、ドア60の図2で見て左端に形成される側端部(第2側端部)61とが、ドア60の側端部61に形成されたヒンジ部62、縦フレーム20、ひいてはスタッド70を介して連結することにより構成されている。なお、以下、ドアユニット40に用いる縦フレーム20はドアフレーム20という。
【0018】
ドアフレーム20は、上下方向Yに延設され、その上下端部がそれぞれ天井レール3と床レール4とに固定手段で固定される。ドア60の閉状態においては、ドア60の図2で見て右端に形成される側端部61がドアフレーム20に近接、或いは当接して位置付けられる。すなわち、ドアフレーム20は、幅方向Zにおいて、一対の側端部51の間に配置されるとともに、一対の側端部51と少なくとも近接して配置され、連結方向Xから見て一対の側端部51の間に形成される間隙スペース41を覆う位置に配置される。
【0019】
一対の外側パネル50は、幅方向Zに離間して対向配置され、これらの側端部51がスタッド70に上下方向Yに亘って支持されている。ドア60は、幅方向Zにおいて一対の側端部51の離間距離より小となるドア幅dを有する。側端部61に形成されたヒンジ部62は、上下方向Yにおける少なくとも一部分がドアフレーム20に固定されている。スタッド70には、ドアフレーム20がビス63で締結され、後述する照光部80がビス64で締結される。
【0020】
一対の外側パネル50の側端部51には、側端部51の補強用の枠体52が内蔵され、この枠体52がスタッド70に固定された係止爪53に係止される。これにより、ドアユニット40において、ドア60がドアフレーム20の連結方向Xの一端側において開閉自在に支持されるとともに、側端部51ひいては外側パネル50がスタッド70に支持される。スタッド70は、その上下端部が天井レール3と床レール4とに固定手段で固定され、ドアフレーム20とともに、ドアユニット40の上下方向Yにおける剛性を確保するための支柱として機能する。
【0021】
図3は、図2で見て右側、すなわち、ヒンジ部62の形成側と反対側における一対の外側パネル50とドア60との連結部分の横断面を拡大した図である。なお、図2で見て左側の当該連結部分もヒンジ部62を除いて同様の構成である。図3に示すドア60の閉時においては、一対の側端部51には、連結方向Xにおいてドア60の側端部61が近接して位置付けられる。ドアフレーム20は、幅方向Zに対向する一対の固定部21と、一対の固定部21を連結する連結部22と、ドア60の閉時に側端部61が係止される係止部23とを有する。
【0022】
個々の固定部21は、例えば2つの部材を組み合わせて形成することにより断面略U字状をなし、上下方向Yに亘って延設され、連結方向Xに対向する固定側壁24及び連結側壁25と、固定側壁24と連結側壁25とを接続する外側壁26とを有する。連結部22は、上下方向Yに亘って延設され、一対の固定部21の連結側壁25から幅方向Zに連続して形成される。
【0023】
一対の外側パネル50のうちの図3で見て上側の側端部51には、ドア60を照光可能な照光部80が配置されている。照光部80は、上下方向Yに延設され、例えば、透過性を有するプラスチック等の筐体の内部に、LED等の光源81を配置するとともに光源81の給電配線を配策して構成されている。照光部80は、幅方向Zに対向する内側壁82及び外側壁83と、連結方向Xに対向する固定側壁84及び傾斜面部85とを備える。
【0024】
図3で見て上側の外側壁26は、照光部80の裏面である内側壁82に当接、或いは近接される。また、図3で見て下側の外側壁26は、図3で見て下側の側端部51の裏面である内面54に当接、或いは近接される。固定側壁24には、スタッド70の後述する固定部71が当接、或いは近接される。連結部22は、スタッド70の後述する連結部72が当接される。
【0025】
係止部23は、上下方向Yに亘って延設され、連結方向Xに対向する係止側壁27及び連結側壁28と、固定部21の外側壁26から幅方向Zに連続して形成される外側壁29と、幅方向Zにおいて外側壁29と対向するとともに係止側壁27及び連結側壁28を接続する内側壁31とを有する。
【0026】
係止側壁27、連結側壁28、及び内側壁31とで囲まれたスペースには、ドア60の閉時にドア60の側端部61が当接する戸当たりゴム42が装着される。図3に示すように、側端部61に上下方向Yに亘って形成された段差部66と側端部61の端面との境界となる角部が戸当たりゴム42に当接され、これにより、ドア60の閉時における衝撃及び音が低減される。
【0027】
このような構成を採用したことにより、ドア60の閉状態において、ドアフレーム20の大部分がドア60により見えない。また、ドア60の側端部61の外面65を照光部80の傾斜面部85に近づけることができるため、ドア60の閉状態において、外側パネル50とドア60とが連続したようなパーティション1の外観を実現することができる。
【0028】
また、照光部80の傾斜面部85の側の部分は、内側壁82と外側壁83とに形成された係合部87において、スナップフィットにより脱着可能に取り付けられている。傾斜面部85の側の部分を取り外すことにより、照光部80の全体を外さなくとも光源81の交換を含むメンテナンスを容易に行うことができる。
【0029】
スタッド70は、幅方向Zに対向する一対の固定部71と、一対の固定部71を連結する連結部72とを備えている。個々の固定部71は、断面略U字状をなし、上下方向Yに亘って延設され、外側パネル50の側端部51に内蔵された枠体52に当接、或いは近接される外側壁73と、ドアフレーム20の固定側壁24と照光部80の固定側壁84とに当接される固定側壁74とを有する。外側壁73には前述した係止爪53が固定される。照光部80の固定側壁84は、固定側壁74にビス64で締結される。
【0030】
連結部72は、一対の固定部71の固定側壁74からドア60側に突出するようにして位置付けられ、上下方向Yに亘って延設され、ドアフレーム20の連結部22に当接される。ドアフレーム20の連結部22及び連結側壁28は、連結部72にビス63で締結され、これにより、ドアフレーム20とスタッド70とが連結される。スタッド70の幅方向Zの幅は、一対の外側パネル50の幅方向Zにおける離間距離、或いは、パーティション1の厚みDなどに応じて設定される。また、ドアフレーム20の幅方向Zの幅は、ドア幅d、或いは、照光部80の幅方向Zの幅などに応じて設定される。
【0031】
このように、ドアフレーム20とスタッド70とは、幅方向Zにおいて一対の外側パネル50の側端部51の間に配置され、固定部21、71において、それぞれ対向する固定側壁24、74と連結部22、72とが当接、或いは近接して連結される。さらには、固定部21の外側壁26と係止部23の外側壁29とが、照光部80の内側壁82に当接、或いは近接して位置付けられ、また、固定部71の外側壁73が枠体52に、換言すると外側パネル50の側端部51の内面54、つまり枠体52に当接、或いは近接して位置付けられる。
【0032】
すなわち、ドアフレーム20は、幅方向Zにおいて、一対の外側パネル50の側端部51の間に配置されるとともに側端部51と少なくとも近接して配置される。従って、ドア60の閉状態で連結方向Xから見たとき、外側パネル50の側端部51と、ドア60の側端部61との間に大きな段差部分は存在せず、ドアフレーム20の係止部23の端面の一部がわずかに見える程度であり、ドアフレーム20と側端部51との間にも大きな隙間は存在しない。
【0033】
さらに、ドアフレーム20及びスタッド70において行われる前述した当接或いは近接、及び連結も幅方向Zにおいて一対の外側パネル50の側端部51の間において行われる。これにより、パーティション1のドア60の閉状態の外観においては、少なくともドアフレーム20及びスタッド70が著しく露出することはない。このように、パーティション1のドアユニット40は、対となる2組の外側パネル50を配置し、これらの間にドア60を配置し、ドアフレーム20によりスタッド70を隠しつつ、一対の側端部51を重ね合わせた、いわばビルトインレイヤー構造を採用している。
【0034】
さらに、一対の外側パネル50の側端部51の端には、側端部51の外面55から、連結方向Xにおいてドア60の側端部61の外面65に沿う方向に傾斜した傾斜面部56が形成されている。また、照光部80にも、連結方向Xにおいてドア60の側端部61の外面65に沿う方向に傾斜した傾斜面部85が形成されている。
【0035】
傾斜面部56、85は、連続した傾斜面をなすように同じ傾斜角度で形成されているため、側端部51に照光部80があたかも内蔵されたような外観となっている。なお、照光部80内のスペースに人感センサ等を設置し、パーティション1に入退室管理システムを組み込んでも良い。この場合には、パーティション1で仕切られた部屋の入退室に係るセキュリティ管理を実現することができる。
【0036】
以上のように、本実施形態では、ドア60は、幅方向Zにおいて一対の外側パネル50の側端部51の離間距離より小となるドア幅dを有し、ドア60の側端部61は、ドア60の閉時にて一対の側端部51と連結方向Xにおいて近接して位置付けられる。これにより、ドア60の閉状態において、連結方向Xから見たとき、ドアフレーム20の端面がわずかに見える程度であり、側端部51と側端部61との間に大きな段差部分及び大きな隙間は存在せず、一対の外側パネル50とドア60とを連結するドアフレーム20及びスタッド70をドア60で覆って隠すことができる。
【0037】
この態様は、パーティション1ひいてはドアユニット40にビルトインレイヤー構造を採用したことにより成し得たものであり、一対の外側パネル50の間から、ドア60がドアフレーム20及びスタッド70を介さないで単独で連結方向Xに延在したような外観を実現することができる。さらには、パーティション1に側端部51、61の重ね合わせによる陰影に基づく立体感と重厚感とを持たせることができる。
【0038】
これにより、ドア60を備え、且つ複数のバリエーションを有するパーティション1において、デザイン的に余計な部材を一切見せないようにし、従来よりも、より一層すっきりとした、洗練された外観のパーティション1を実現することができる。従って、種々のオプションを用意したパーティション1であっても、デザイン的に余計な部材が露出せず、デザインにおける統一感を創出することができるため、ドア60を有するパーティション1に同一シリーズ商品であることを容易に識別可能な付加価値を付与することができる。
【0039】
また、一対の外側パネル50は、それらの側端部51から連結方向Xにおいてドア60の側端部61の外面65に沿う方向に傾斜した傾斜面部56を有する。照光部80にも傾斜面部85が形成され、傾斜面部56、85は、連続した傾斜面をなすように同じ傾斜角度で形成されている。
【0040】
傾斜面部56、85は、その材質、質感、色、柄等を考慮することにより、一対の外側パネル50とドア60との連結部分に一続きのデザイン面を形成することができる。このため、パーティション1にさらなるデザインの統一感が付与され、さらに、傾斜面部56により形成された陰影により、メリハリのある、より一層立体的なデザインのパーティション1を実現することができる。
【0041】
また、ドアフレーム20は、ドア60の閉時にドア60の側端部61が少なくとも近接して位置付けられる。また、幅方向Zにおいて、一対の外側パネル50の側端部51の間に配置されるとともに一対の側端部51と少なくとも近接して配置され、連結方向Xから見て一対の側端部51の間に形成される間隙スペース41を覆う位置に配置される。これにより、幅方向Zからのみならず、連結方向Xからもスタッド70等の内部部材を見えないように隠すことができる。
【0042】
また、ドア60の開状態のときには、ドアフレーム20の材質、質感、色、柄等を考慮することにより、外側パネル50の側端部51に形成された傾斜面部56、ひいては傾斜面部85から、ドアフレーム20の外面に至る一続きのデザイン面を形成することができる。従って、デザイン的により一層すっきりとした外観のパーティション1を実現することができる。
【0043】
また、外側パネル50の側端部51に照光部80を設けたことにより、例えば照光部80をドア60の開閉に伴い照光させれば、ドア60の開閉状態の視認性を高めることが可能である。また、照光部80を照光させることにより、有事の際の避難時においてパーティション1で仕切られた通路の通路幅を容易に認識することができる。さらに、弱視者や体の不自由な利用者が照光部80の照光により容易にドア60を認識することができるため、パーティション1のユニバーサルデザイン性能を向上することができる。
【0044】
<第2実施形態>
以下、図4及び図5を参照して、本発明の第2実施形態に係るパーティション1について説明する。なお、主として第1実施形態と異なる構成について説明し、第1実施形態と同様の構成については記載や図面において同じ符号を付す等して説明を省略することがある。
【0045】
図4は、本実施形態のパーティション1の設置状態における正面図を示す。本実施形態のドア60は、スライドドアであって、左右にスライドする2つの引き戸60aから構成され、ドアユニット40のドア60の上側に人感センサ43が取り付けられている。人感センサ43が人の接近を検知すると、自動で矢印方向に各引き戸60aが移動してドア60が開状態となる。人感センサ43が人の接近を検知しなくなると、自動で各引き戸60aが元に移動してドア60が閉状態となる。
【0046】
図5は、ドアユニット40における一対の外側パネル50とドア60との連結部分の横断面を拡大した図を示す。本実施形態のドアユニット40においては、一対の外側パネル50の側端部51の間に、ドア60の開時にドア60の引き戸60aが収容される戸袋スペース44が確保されている。戸袋スペース44は、第1実施形態の間隙スペース41に相当する領域に形成され、引き戸60aが破線で示すようにスライドして入出可能である。
【0047】
戸袋スペース44の連結方向Xにおける長さは、引き戸60aの連結方向Xにおける幅に応じて設定され、本実施形態のドアフレーム20及びスタッド70は、連結方向Xにおいて戸袋スペース44よりもドアユニット40の奥側に配置されている。引き戸60aの端面には戸当たりゴム46が例えば粘着テープなどで取り付けられている。戸当たりゴム46は、ドア60を開放したときにドアフレーム20に当接する。なお、戸当たりゴム46は、上下方向Yに亘って複数配置される部材であっても良いし、上下方向Yに延在する1つの長尺の部材であっても良い。
【0048】
また、本実施形態の場合には、ドアフレーム20及びスタッド70がドアユニット40の奥側に配置されているため、照光部80を枠体52に連結して固定するための連結部材48が別途設けられている。連結部材48は、断面L字状をなして上下方向Yに延設され、照光部80の固定側壁84と枠体52とにビス49で締結され、これにより、照光部80が外側パネル50の側端部51に固定される。
【0049】
また、図5で見て下側の側端部51には、照光部80とは異なる照光部90が配置されている。照光部90は、連結部材48に取り付けられ、この連結部材48はビス49により枠体52に締結されている。これにより、照光部90が外側パネル50の側端部51に固定される。照光部80、90は、人感センサ43の作動に連動して照光させるようにしたり、人感センサ43の検知信号を入退室管理に利用したりしても良い。
【0050】
また、照光部90は、照光部80とは別の用途に使用する補助照明として使用しても良い。具体的には、有事の際の避難時において、補助照明としての照光部90を照光させることにより、パーティション1で仕切られた通路の通路幅を容易に認識することができる。さらに、弱視者や体の不自由な利用者が照光部90の照光により容易にドア60を認識することができる。このような照光部90の機能を照光部80に持たせても良い。
【0051】
また、照光部90の代わりに補助光電センサを配置しても良い。補助光電センサは、ドア60の通行者を検出する目的で補助的に用いられる光電式の安全センサであって、ドア60における挟まり事故などを防止する。
【0052】
以上のように、本実施形態のドア60は、第1実施形態の開きドアと異なり、スライドドアである。しかし、パーティション1ひいてはドアユニット40にビルトインレイヤー構造を採用したことにより、第1実施形態の場合と同様に、一対の外側パネル50の間から、ドア60がドアフレーム20及びスタッド70を介さないで単独で連結方向Xに延在したような外観を実現することができる。また、パーティション1に側端部51、61の重ね合わせによる陰影に基づく立体感と重厚感とを持たせることができる。
【0053】
これにより、第1実施形態の場合と同様に、ドア60を備え、且つ複数のバリエーションを有するパーティション1において、より一層すっきりとした、洗練された外観のパーティション1を実現することができる。また、種々のオプションを用意したパーティション1であっても、デザインにおける統一感を創出することができるため、パーティション1に同一シリーズ商品であることを容易に識別可能な付加価値を付与することができる。
【0054】
また、側端部51に傾斜面部56、或いは、照光部80の傾斜面部85を形成したことにより、パーティション1にさらなるデザインの統一感が付与され、さらに、傾斜面部56、85により形成された陰影により、メリハリのある、より一層立体的なデザインのパーティション1を実現することができる。
【0055】
さらに、外側パネル50の側端部51に照光部80を設けたことにより、例えば照光部80、90をドア60の開閉に伴い照光させれば、ドア60の開閉状態の視認性を高めることが可能である。また、有事の際の避難時において、補助照明としての照光部90を照光させることにより、パーティション1で仕切られた通路の通路幅を容易に認識することができる。さらに、弱視者や体の不自由な利用者が照光部90の照光により容易にドア60を認識することができるため、ユニバーサルデザイン性能を向上することができる。
【0056】
以上で本発明の各実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、ドアユニット40を構成する外側パネル50を鋼板に石膏ボードを接着等して形成しているが、ビルトインレイヤー構造を採用する限りは、これら以外のパネル2の連結に適用可能である。具体的には、ガラスパネル30、或いは外側パネル50に、色や柄等を施した嵌め殺しパネル、パンチングパネル、ルーバーパネル、ガラス以外の透過性素材からなるパネル等を用いても良い。
【符号の説明】
【0057】
1 パーティション
2 パネル
3 天井レール
4 床レール
20 ドアフレーム
41 間隙スペース
44 戸袋スペース
50 外側パネル(パネル)
51 側端部(第1側端部)
56、85 傾斜面部
60 ドア
61 側端部(第2側端部)
65 外面
80、90 照光部
図1
図2
図3
図4
図5