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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】部品供給装置及び部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20230720BHJP
【FI】
H05K13/02 D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019173198
(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公開番号】P2021052059
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大志
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-081095(JP,U)
【文献】実開昭58-032700(JP,U)
【文献】特開2013-162102(JP,A)
【文献】特開2001-053490(JP,A)
【文献】実開平02-094824(JP,U)
【文献】特開2008-243894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1位置に供給された部品を第1方向に搬送して第2位置に供給する第1ベルトと、
前記第2位置に供給された前記部品を前記第2位置の隣の第3位置にガイドするリターンガイド部材と、
前記第3位置に供給された部品を前記第1方向とは逆の第2方向に搬送して第4位置に供給する第2ベルトと、
前記部品が接触する搬送面を振動させて前記第4位置に供給された前記部品を実装ヘッドのピックアップ位置に供給する搬送部材と、を備える、
部品供給装置。
【請求項2】
前記第1ベルトによる前記部品の搬送速度は、前記第2ベルトによる前記部品の搬送速度よりも低い、
請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記第2位置における前記第1ベルトの高さは、前記第3位置における前記第2ベルトの高さと等しい又は前記第2ベルトの高さよりも高い、
請求項1又は請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記第3位置と前記ピックアップ位置との間に配置され、規定状態である部品のみを通過させる選別部を備える、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記選別部は、前記規定状態でない部品を前記選別部から落下させる、
請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記規定状態は、前記部品の規定姿勢を含み、
前記選別部は、前記第4位置と前記ピックアップ位置との間に配置され、第1姿勢である部品のみを1つずつ通過させる第1選別部と、前記第1選別部と前記ピックアップ位置との間に配置され、第2姿勢である部品のみを通過させる第2選別部と、を有する、
請求項4又は請求項5に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記部品は、ボディと、ボディから突出するリードとを有し、
前記第1姿勢は、上下方向の寸法が最も小さい姿勢を含み、
前記第2姿勢は、前記リードが前記ボディから指定方向に突出する姿勢を含む、
請求項6に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記第1位置と前記第2位置との間に前記第1ベルトの中間位置が規定され、
前記第1ベルトは、前記第1位置と前記中間位置との間のスロープ部と、前記中間位置と前記第2位置との間の平坦部とを含み、
前記スロープ部は、前記第1位置から前記中間位置に向かって上方に傾斜し、
前記スロープ部の高さは、前記第2ベルトの高さよりも低く、
前記第1選別部は、前記第1姿勢でない部品を前記スロープ部に落下させる、
請求項7に記載の部品供給装置。
【請求項9】
前記選別部と前記ピックアップ位置との間に配置され、前記選別部を通過した前記部品を第3姿勢に調整する方向セット部を備える、
請求項7又は請求項8に記載の部品供給装置。
【請求項10】
前記第3姿勢は、前記リードが前記ボディから下方に突出する姿勢を含む、
請求項9に記載の部品供給装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の部品供給装置を備える部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給装置及び部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置は、部品供給装置から供給された部品を基板に実装する。部品供給装置として、テープフィーダ及びボウルフィーダが例示される。特許文献1にはボウルフィーダの一例が開示されている。ボウルフィーダは、電子部品等のばらけた部品(ワーク)の供給に適する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-084718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ボウルフィーダの幅は、テープフィーダの幅よりも広い。そのため、部品実装装置に装着できるボウルフィーダの数は、テープフィーダの数よりも少ない。部品供給装置としてボウルフィーダが使用されると、部品実装装置に供給できる部品の種類が減少する。
【0005】
本発明の態様は、ばらけた部品(ワーク)を部品実装装置に供給する場合、部品実装装置に供給できる部品の種類の減少を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、第1位置に供給された部品を第1方向に搬送して第2位置に供給する第1ベルトと、前記第2位置に供給された前記部品を前記第2位置の隣の第3位置にガイドするリターンガイド部材と、前記第3位置に供給された部品を前記第1方向とは逆の第2方向に搬送して第4位置に供給する第2ベルトと、前記部品が接触する搬送面を振動させて前記第4位置に供給された前記部品を実装ヘッドのピックアップ位置に供給する搬送部材と、を備える、部品供給装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、ばらけた部品(ワーク)を部品実装装置に供給する場合、部品実装装置に供給できる部品の種類の減少を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る部品実装装置を模式的に示す平面図である。
図2図2は、本実施形態に係る部品を模式的に示す図である。
図3図3は、本実施形態に係るフィーダを示す斜視図である。
図4図4は、本実施形態に係るフィーダの一部を示す平面図である。
図5図5は、本実施形態に係るベルト搬送装置を示す斜視図である。
図6図6は、本実施形態に係るベルト搬送装置を示す斜視図である。
図7図7は、本実施形態に係る第1選別部の動作を説明するための模式図である。
図8図8は、本実施形態に係る第2選別部の動作を説明するための模式図である。
図9図9は、本実施形態に係る方向セット部を示す平面図である。
図10図10は、本実施形態に係る方向セット部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面のX軸と平行な方向をX軸方向、X軸と直交する所定面のY軸と平行な方向をY軸方向、X軸及びY軸と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。また、X軸を中心とする回転又は傾斜方向をθX方向、Y軸を中心とする回転又は傾斜方向をθY方向、Z軸を中心とする回転又は傾斜方向をθZ方向とする。本実施形態において、所定面は水平面と平行であり、Z軸方向は上下方向である。なお、所定面は、水平面に対して傾斜してもよい。また、以下の説明においては、X軸及びY軸を含む所定面を適宜、XY平面、と称し、Y軸及びZ軸を含む面を適宜、YZ平面、と称し、Z軸及びX軸を含む面を適宜、ZX面、と称する。
【0011】
[部品実装装置]
図1は、本実施形態に係る部品実装装置1を模式的に示す平面図である。部品実装装置1は、部品Cを基板Pに実装する。部品実装装置1は、ベース部材2と、基板Pを搬送する基板搬送装置3と、部品Cを供給する部品供給装置100と、複数のノズル4を有する実装ヘッド5と、実装ヘッド5を移動するヘッド移動装置6と、ノズル4を移動するノズル移動装置7とを備える。
【0012】
ベース部材2は、基板搬送装置3、部品供給装置100、実装ヘッド5、ヘッド移動装置6、及びノズル移動装置7を支持する。
【0013】
基板搬送装置3は、基板Pを実装位置MPに搬送する。実装位置MPは、基板搬送装置3の搬送経路に規定される。基板搬送装置3は、基板Pを搬送する搬送ベルト3Bと、基板Pをガイドするガイド部材3Gと、基板Pを保持する保持部材3Hとを有する。搬送ベルト3Bは、アクチュエータの駆動により移動して、基板PをX軸方向に搬送する。また、不図示の昇降機構により、保持部材3Hと基板Pと搬送ベルト3BとがZ軸方向に移動する。基板Pは、X軸方向の実装位置MPに移動した後、昇降機構により上昇して、搬送ベルト3Bとガイド部材3Gとに挟まれる。実装ヘッド5は、実装位置MPに配置された基板Pの表面に部品Cを実装する。
【0014】
部品供給装置100は、部品Cを供給する複数のフィーダ10と、複数のフィーダ10のそれぞれを支持するフィーダバンク8とを有する。フィーダ10は、X軸方向に複数配置される。フィーダ10は、ばらけた部品Cを供給する。複数のフィーダ10のそれぞれに実装ヘッド5のピックアップ位置PPが規定される。フィーダ10は、部品Cをピックアップ位置PPに供給する。図1に示す例において、部品供給装置100は、基板搬送装置3の+Y側及び-Y側の両方に配置される。なお、部品供給装置100は、基板搬送装置3の+Y側及び-Y側の一方に配置されてもよい。
【0015】
実装ヘッド5は、部品Cを基板Pに実装する。実装ヘッド5は、部品Cが供給されるピックアップ位置PPと、基板Pが配置される実装位置MPとの間を移動可能である。ピックアップ位置PPと実装位置MPとは、XY平面内において異なる位置に規定される。実装ヘッド5は、フィーダ10によりピックアップ位置PPに供給された部品Cをノズル4で保持して、実装位置MPに移動した後、実装位置MPに配置されている基板Pに部品Cを実装する。
【0016】
ヘッド移動装置6は、実装ヘッド5をX軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動可能である。ヘッド移動装置6は、実装ヘッド5をX軸方向に移動するX軸移動装置6Xと、実装ヘッド5をY軸方向に移動するY軸移動装置6Yとを有する。X軸移動装置6X及びY軸移動装置6Yのそれぞれは、アクチュエータを含む。X軸移動装置6Xは、実装ヘッド5に連結される。X軸移動装置6Xの駆動により、実装ヘッド5がX軸方向に移動する。Y軸移動装置6Yは、X軸移動装置6Xを介して実装ヘッド5に連結される。Y軸移動装置6Yの駆動によりX軸移動装置6XがY軸方向に移動することによって、実装ヘッド5がY軸方向に移動する。
【0017】
ノズル4は、部品Cを着脱可能に保持する。ノズル4は、部品Cを吸着保持する吸引ノズルである。ノズル4の先端部に開口が設けられる。ノズル4の開口は、真空システムと接続される。ノズル4の先端部と部品Cとが接触した状態で、ノズル4の先端部に設けられた開口からの吸引動作が実施されることにより、ノズル4の先端部に部品Cが吸着保持される。開口からの吸引動作が解除されることにより、ノズル4から部品Cが解放される。なお、ノズル4は、部品Cを挟んで保持する把持ノズルでもよい。
【0018】
ノズル移動装置7は、ノズル4をZ軸方向及びθZ方向のそれぞれに移動可能である。ノズル移動装置7は、複数のノズル4のそれぞれに設けられる。ノズル移動装置7は、実装ヘッド5に支持される。ノズル4は、ノズル移動装置7を介して実装ヘッド5に支持される。
【0019】
複数のノズル4のそれぞれは、ヘッド移動装置6及びノズル移動装置7により、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。ノズル4が移動することにより、ノズル4に保持されている部品Cも、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。なお、ノズル4は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。
【0020】
[部品]
図2は、本実施形態に係る部品Cを模式的に示す図である。部品Cは、挿入型電子部品である。図2示すように、部品Cは、ボディDと、ボディDから突出するリードEとを有する。
【0021】
ボディDは、合成樹脂製のハウジング部材を含む。ボディDの内部空間には、例えばコイルが配置される。リードEは、金属製の突起物である。リードEは、例えばボディDの内部空間に配置されているコイルと接続される。
【0022】
本実施形態において、ボディDは、直方体状である。ボディDは、上面Daと、上面Daの反対方向を向く下面Dbと、上面Daの周縁部の一部と下面Dbの周縁部の一部とを結ぶ一対の第1側面Dcと、上面Daの周縁部の一部と下面Dbの周縁部の一部とを結ぶ一対の第2側面Ddとを有する。図2(A)は、第2側面Dd側から見た部品Cを示す。図2(B)は、第1側面Dc側から見た部品Cを示す。
【0023】
リードEは、ボディDの下面Dbから突出する。リードEは、ボディDに複数設けられる。
【0024】
ノズル4は、ボディDの上面Daを保持する。実装ヘッド5は、ノズル4でボディDの上面Daを保持した状態で、部品CのリードEを基板Pの表面に設けられている開口に挿入する。部品Cは、リードEが基板Pの開口に挿入されることによって、基板Pに実装される。
【0025】
[フィーダ]
図3は、本実施形態に係るフィーダ10を示す斜視図である。図3は、基板搬送装置3の-Y側に配置されるフィーダ10を示す。フィーダ10がフィーダバンク8に装着された状態で、フィーダ10の+Y側の端部は、部品実装装置1に近い位置に配置される。
【0026】
以下の説明においては、+Y方向を適宜、前方、と称し、-Y方向を適宜、後方、と称し、部材の+Y側の部分を適宜、前部、と称し、部材の-Y側の部分を適宜、後部、と称し、部材+Y側の端部を適宜、前端部、と称し、部材の-Y側の端部を適宜、後端部、と称する。
【0027】
なお、基板搬送装置3の+Y側にもフィーダ10が配置される場合、基板搬送装置3の-Y側に配置されるフィーダ10の構造と基板搬送装置3の+Y側に配置されるフィーダ10の構造とは同一である。
【0028】
図3に示すように、フィーダ10は、メインフレーム11と、メインフレーム11に支持されるベルト搬送装置20と、メインフレーム11に支持される振動搬送装置30とを備える。
【0029】
フィーダ10には、実装ヘッド5のピックアップ位置PPが規定される。ピックアップ位置PPは、フィーダ10の前端部に規定される。
【0030】
フィーダ10は、部品Cが投入される投入口IPを有する。ばらけた複数の部品Cが投入位置IPからフィーダ10に投入される。ベルト搬送装置20は、投入口IPからの部品Cを振動搬送装置30まで搬送する。振動搬送装置30は、ベルト搬送装置20からの部品Cをピックアップ位置PPまで搬送する。
【0031】
図4は、本実施形態に係るフィーダ10の一部を示す平面図である。図3及び図4に示すように、フィーダ10は、スロープ部材40と、ベルト搬送装置20と、振動搬送装置30とを備える。
【0032】
スロープ部材40は、投入口IPの下方に配置される。スロープ部材40は、投入口IPに投入された部品Cを-Y方向に移送する。スロープ部材40は、後方に向かって下方に傾斜する。図4の矢印R0で示すように、投入口IPに投入された部品Cは、重力の作用により、スロープ部材40の表面を滑りながら後方に移送される。スロープ部材40により、部品Cは、第1位置P1に供給される。
【0033】
ベルト搬送装置20は、第1位置P1に供給された部品Cを後方(第1方向)に搬送して第2位置P2に供給する第1ベルト21と、第2位置P2に供給された部品Cを第2位置P2の隣の第3位置P3にガイドするリターンガイド部材23と、第3位置P3に供給された部品Cを後方とは逆の前方(第2方向)に搬送して第4位置P4に供給する第2ベルト22とを有する。
【0034】
振動搬送装置30は、部品Cが接触する搬送面を振動させて第4位置P4に供給された部品Cを実装ヘッド5のピックアップ位置PPに供給する搬送部材29及び搬送部材32を有する。
【0035】
また、フィーダ10は、第3位置P3とピックアップ位置PPとの間に配置され、規定状態である部品Cのみを通過させる選別部50を備える。部品Cの規定状態は、部品Cの規定姿勢を含む。
【0036】
選別部50は、第4位置P4とピックアップ位置PPの間に配置され、第1規定状態である部品Cのみを1つずつ通過させる第1選別部60と、第1選別部60とピックアップ位置PPとの間に配置され、第2規定状態である部品Cのみを通過させる第2選別部70と、を有する。
【0037】
また、フィーダ10は、選別部50とピックアップ位置PPとの間に配置され、選別部50を通過した部品Cの姿勢を調整する方向セット部80を備える。
【0038】
<ベルト搬送装置>
図5は、本実施形態に係るベルト搬送装置20を示す斜視図である。図4及び図5に示すように、ベルト搬送装置20は、第1位置P1に供給された部品Cを後方(第1方向)に搬送して第2位置P2に供給する第1ベルト21と、第2位置P2に供給された部品Cを第2位置P2の隣の第3位置P3にガイドするリターンガイド部材23と、第3位置P3に供給された部品Cを後方とは逆の前方(第2方向)に搬送して第4位置P4に供給する第2ベルト22を有する。
【0039】
また、ベルト搬送装置20は、第1ベルト21及び第2ベルト22を駆動するための動力を発生するモータ24と、第1ベルト21に連結される第1ギヤ25と、第2ベルト22に連結される第2ギヤ26とを有する。
【0040】
第1ベルト21は、スロープ部材40から供給された部品Cを搬送する。第1位置P1は、スロープ部材40よりも後方に規定される。第2位置P2は、第1位置P1よりも後方に規定される。第1位置P1は、スロープ部材40の下端部から部品Cが供給される位置を含む。第2位置P2は、第1ベルト21においてリターンガイド部材23と対向する位置を含む。図4の矢印R1で示すように、第1ベルト21は、第1位置P1に供給された部品Cを後方に搬送する。第1ベルト21は、第1位置P1から第2位置P2まで部品Cを搬送する。
【0041】
第1ベルト21は、無端ベルトである。第1ベルト21は、駆動プーリ21Dと、複数の従動プーリ21Pとに支持される。
【0042】
モータ24は、不図示のギヤを介して駆動プーリ21Dに連結される。モータ24の駆動により駆動プーリ21Dが回転すると、第1ベルト21が、駆動プーリ21D及び複数の従動プーリ21Pに支持された状態で回転する。第1ベルト21は、部品Cが後方に搬送されるように回転する。
【0043】
第1位置P1と第2位置P2との間に第1ベルト21の中間位置P5が規定される。第1ベルト21は、第1位置P1と中間位置P5との間のスロープ部211と、中間位置P5と第2位置P2との間の平坦部212とを含む。スロープ部211は、第1位置P1から中間位置P5に向かって上方に傾斜する。
【0044】
リターンガイド部材23は、第2位置P2に供給された部品Cを第3位置P3にガイドする。リターンガイド部材23は、第1ベルト21により搬送された部品Cが第2ベルト22に供給されるように、部品Cをガイドする。第3位置P3は、第2位置P2よりも左方(-X方向)に規定される。第3位置P3は、第2ベルト22においてリターンガイド部材23と対向する位置を含む。リターンガイド部材23は、メインフレーム11の少なくとも一部に支持される。リターンガイド部材23は、第1ベルト21及び第2ベルト22の上方に配置される。リターンガイド部材23と、第1ベルト21及び第2ベルト22とは、離れている。
【0045】
第2位置P2における第1ベルト21の高さは、第3位置P3における第2ベルト22の高さと等しい又は第3位置P3における第2ベルト22よりも高い。すなわち、第2位置P2における第1ベルト21は、第3位置P3における第2ベルト22と同一平面内又は第3位置P3における第2ベルト22よりも上方に配置される。第2位置P2における第1ベルト21の高さが第3位置P3における第2ベルト22の高さと等しい又は第3位置における第2ベルト22よりも高いので、部品Cは、第1ベルト21から第2ベルト22に円滑に乗り移ることができる。
【0046】
第2ベルト22は、第1ベルト21から供給された部品Cを搬送する。第2ベルト22は、第1ベルト21の左側(-X側)に配置される。XY平面内において、第2ベルト22は、第1ベルト21と平行に配置される。リターンガイド部材23により、部品Cは、第1ベルト21の第2位置P2から第2ベルト22の第3位置P3に供給される。図4の矢印R2で示すように、第2ベルト22は、第3位置P3に供給された部品Cを前方に搬送する。第2ベルト22は、第3位置P3から第4位置P4まで部品Cを搬送する。第4位置P4は、第3位置P3よりも前方に規定される。
【0047】
第2ベルト22は、無端ベルトである。第2ベルト22は、駆動プーリ22Dと、複数の従動プーリ22Pとに支持される。
【0048】
第1ギヤ25及び第2ギヤ26のそれぞれは、支持部材27に回転可能に支持される。支持部材27は、メインフレーム11の少なくとも一部に支持される。支持部材27は、リターンガイド部材23よりも後方に配置される。
【0049】
第1ギヤ25は、第1ベルト21を支持する複数の従動プーリ21Pの少なくとも一つに連結される。本実施形態において、第1ギヤ25は、複数の従動プーリ21Pのうち最も後方に配置されている従動プーリ21Pに連結される。第1ギヤ25と第1ギヤ25に連結されている従動プーリ21Pとは、一緒に回転する。第1ギヤ25と第1ギヤ25に連結されている従動プーリ21Pとは、支持部材27に回転可能に支持される。
【0050】
第1ギヤ25は、従動プーリ21Pを介して第1ベルト21に連結される。モータ24の駆動により第1ベルト21が回転すると、従動プーリ21Pを介して第1ベルト21に連結されている第1ギヤ25は、第1ベルト21と同期して回転する。
【0051】
第2ギヤ26は、第1ギヤ25の前方に配置される。第2ギヤ26は、第1ギヤ25と噛み合う。第2ギヤ26は、駆動プーリ22Dに連結される。第2ギヤ26と第2ギヤ26に連結されている駆動プーリ22Dとは、一緒に回転する。第2ギヤ26と第2ギヤ26に連結されている駆動プーリ22Dとは、支持部材27に回転可能に支持される。
【0052】
第2ギヤ26は、駆動プーリ22Dを介して第2ベルト22に連結される。第1ベルト21の回転により第1ギヤ25が回転すると、第1ギヤ25に噛み合っている第2ギヤ26は、第1ギヤ25と同期して回転する。第2ギヤ26が回転すると、駆動プーリ22Dを介して第2ギヤ26に連結されている第2ベルト22は、第2ギヤ26と同期して回転する。
【0053】
このように、本実施形態においては、1つのモータ24が発生する動力により、第1ベルト21及び第2ベルト22の両方が駆動する。第1ベルト21と第2ベルト22とは、第1ギヤ25及び第2ギヤ26を介して連結される。第2ベルト22は、第1ベルト21と同期して回転する。
【0054】
第1ベルト21の回転により、図5の矢印Raで示す方向に第1ギヤ25が回転すると、第2ギヤ26は、図5の矢印Rbで示すように、第1ギヤ25の回転方向とは逆方向に回転する。これにより、第1ベルト21は、部品Cが後方に搬送されるように回転し、第2ベルト22は、部品Cが前方に搬送されるように回転する。
【0055】
本実施形態において、第1ベルト21による部品Cの搬送速度は、第2ベルト22による部品Cの搬送速度よりも低い。本実施形態において、第1ギヤ25と第2ギヤ26とのギヤ比は、1よりも小さい。すなわち、第2ギヤ26の歯数は、第1ギヤ25の歯数よりも少ない。第1ギヤ25と第2ギヤ26とのギヤ比により、第1ベルト21の搬送速度は、第2ベルト22の搬送速度よりも低い。第1ベルト21の搬送速度が第2ベルト22の搬送速度よりも低いので、部品Cは、第1ベルト21から第2ベルト22に円滑に乗り移ることができる。部品Cは、第2ベルト22に乗り上げた後、高速度で搬送されるので、部品Cの溜りが無くなる。そのため、部品Cは、円滑に搬送される。
【0056】
また、ベルト搬送装置20は、第3位置P3と第4位置P4との間に配置され、部品Cを前方にガイドするガイド部材28を有する。ガイド部材28は、第2ベルト22の左側(-X側)に配置される。ガイド部材28により、第2ベルト22に搬送されている部品Cが第2ベルト22から-X側に落下することが抑制される。
【0057】
また、ベルト搬送装置20は、スロープ部211における部品Cの量を検出する部品満杯センサ91と、平坦部212における部品Cの量を検出する部品満杯センサ92とを有する。部品満杯センサ91及び部品満杯センサ92は、検出光を射出することにより部品Cの量を検出する光学センサでもよいし、プローブを部品Cに接触させることにより部品Cの量を検出する接触センサでもよい。部品満杯センサ91の検出データ及び部品満杯センサ92の検出データに基づいて、部品Cが満杯状態か否かが検出される。
【0058】
<振動搬送装置>
図6は、本実施形態に係る振動搬送装置30を示す斜視図である。図4及び図6に示すように、振動搬送装置30は、搬送部材29及び搬送部材32と、搬送部材29及び搬送部材32を振動させる振動体33とを有する。
【0059】
搬送部材29は、第2ベルト22の前方に配置される。第4位置P4は、第2ベルト22の前端部と搬送部材29の後端部との境界の位置を含む。なお、第4位置P4は、搬送部材29の前端部の位置を含んでもよいし、第2ベルト22の前端部の位置を含んでもよい。搬送部材29は、部品Cが接触する搬送面を振動させて、第4位置P4に供給された部品Cを搬送部材32に供給する。
【0060】
搬送部材29は、第2ベルト22と搬送部材32との間に配置される。第2ベルト22により搬送された部品Cは、搬送部材29を介して、搬送部材32に供給される。
【0061】
搬送部材32は、部品Cが接触する搬送面を振動させて、第4位置P4に供給された部品Cを実装ヘッド5のピックアップ位置PPに供給する。搬送部材32は、第2ベルト22からの部品Cが供給される第1搬送部材32Aと、第1搬送部材32Aの前方に配置され第1搬送部材32Aを通過した部品Cが供給される第2搬送部材32Bと、第2搬送部材32Bの前方に配置され第2搬送部材32Bを通過した部品Cが供給される第3搬送部材32Cとを有する。第1搬送部材32A、第2搬送部材32B、及び第3搬送部材32Cのそれぞれが、部品Cと接触する搬送面を有する。
【0062】
振動体33は、搬送部材32を支持する。振動体33は、例えばピエゾ素子を含み、搬送面を加振する。振動体33により、搬送面に接触している部品Cが前方に搬送されるように搬送面が微振動する。
【0063】
ピックアップ位置PPは、第3搬送部材32Cの前端部に規定される。ピックアップ位置PPよりも前方にストッパ部材34が配置される。第3搬送部材32Cによりピックアップ位置PPまで搬送された部品Cは、ストッパ部材34に当たることにより、ピックアップ位置PPに位置決めされる。実装ヘッド5は、ストッパ部材34によりピックアップ位置PPに位置決めされた部品Cをノズル4で保持する。
【0064】
また、振動搬送装置30は、第1搬送部材32Aに搬送される部品Cを前方にガイドするガイド部材35を有する。ガイド部材35は、第1搬送部材32Aの搬送面31の左側(-X側)に配置される。ガイド部材35により、第1搬送部材32Aに搬送されている部品Cが第1搬送部材32Aから-X側に落下することが抑制される。
【0065】
また、振動搬送装置30は、ピックアップ位置PPにおける部品Cの有無を検出する部品有無センサ93を有する。部品有無センサ93は、検出光を射出することにより部品Cの有無を検出する光学センサでもよいし、プローブを部品Cに接触させることにより部品Cの有無を検出する接触センサでもよい。部品有無センサ93の検出データに基づいて、ピックアップ位置PPにおける部品Cの有無が検出される。部品有無センサ93の検出データは、部品実装装置1に送信される。部品実装装置1は、部品有無センサ93の検出データに基づいて、ノズル4による部品Cの吸着タイミングを制御する。
【0066】
<第1選別部>
図4及び図5に示すように、第1選別部60は、第4位置P4とピックアップ位置PPの間に配置される。第1選別部60は、振動体33により加振される。図5に示すように、第1選別部60は、搬送部材29の上方に配置されるセパレータ部材61を有する。セパレータ部材61は、メインフレーム11の少なくとも一部に固定される。
【0067】
第1選別部60は、第1規定状態である部品Cのみを1つずつ通過させる。部品Cの規定状態は、部品Cの規定姿勢を含む。第1選別部60は、第1姿勢である部品Cのみを1つずつ通過させる。
【0068】
本実施形態において、部品Cの第1姿勢は、部品CのZ軸方向(上下方向)の寸法が最も小さい姿勢である。本実施形態において、部品Cの第1姿勢は、搬送部材29の上面29SとボディDの第2側面Ddとが接触する姿勢である。セパレータ部材61は、第1姿勢の部品Cのみが通過するように、搬送部材29の上面29Sから上方に規定量だけ離れている。
【0069】
図7は、本実施形態に係る第1選別部60の動作を説明するための模式図である。図7(A)に示すように、搬送部材29の上面29SとボディDの第2側面Ddとが接触する第1姿勢においては、部品Cは、セパレータ部材61の下方を通過することができる。
【0070】
図7(B)に示すように、搬送部材29の上面29SとボディDの第1側面Dcとが接触する状態においては、ボディDがセパレータ部材61に引っ掛かり、部品Cは、セパレータ部材61の下方を通過することができない。
【0071】
また、図7(C)に示すように、搬送部材29の上面29SとボディDの上面Daとが接触する状態においては、リードEがセパレータ部材61に引っ掛かり、部品Cは、セパレータ部材61の下方を通過することができない。
【0072】
また、図7(D)に示すように、部品Cが第1姿勢であっても、部品Cが重なった状態で搬送される場合、上側の部品Cがセパレータ部材61に引っ掛かり、上側の部品Cは、セパレータ部材61の下方を通過することができない。
【0073】
このように、第1選別部60は、第1姿勢である部品Cのみを1つずつ通過させる。セパレータ部材61に引っ掛かった部品Cは、第1選別部60から落下する。すなわち、第1選別部60は、第1規定状態でない部品Cを第1選別部60から落下させる。
【0074】
本実施形態において、第1選別部60は、第1規定状態でない部品Cを第1選別部60から第1ベルト21に落下させる。Y軸方向において、第1選別部60の位置と第1ベルト21のスロープ部211の少なくとも一部の位置とは、等しい。スロープ部211の高さは、第2ベルト22及び搬送部材29の高さよりも低い。第1選別部60は、第1姿勢でない部品Cをスロープ部211に落下させる。
【0075】
第1ベルト21のスロープ部211に落下した部品Cは、第1ベルト21により第2位置P2に搬送された後、第2ベルト22により、第1選別部60まで再び搬送される。
【0076】
なお、第1選別部60は、第1規定状態でない部品Cをスロープ部材40に落下させてもよい。
【0077】
セパレータ部材61のZ軸方向の位置は、調整可能である。セパレータ部材61と搬送部材29の上面29Sとの距離は、部品Cの外形及び寸法に基づいて、第1姿勢の部品Cのみが通過するように調整される。
【0078】
<第2選別部>
図4及び図6に示すように、第2選別部70は、第1選別部60とピックアップ位置PPの間に配置される。第2選別部70は、振動体33により加振される。図6に示すように、第2選別部70は、第2搬送部材32Bの搬送面31の左側(-X側)に配置されるガイド部材71とを有する。また、第2搬送部材32Bは、第2搬送部材32Bの搬送面31の+X側に配置されたスロープ面74を有する。スロープ面74は、第2搬送部材32Bの搬送面31よりも下方に配置される。スロープ面74は、+X方向に向かって下方に傾斜する。
【0079】
第1選別部60を通過した部品Cは、第1搬送部材32Aに搬送された後、第2選別部70の第2搬送部材32Bに搬送される。第1搬送部材32Aに搬送される部品Cは、ガイド部材35にガイドされながら、第2搬送部材32Bに供給される。
【0080】
ガイド部材71は、第1搬送部材32Aから供給され、第2搬送部材32Bに搬送される部品Cを前方にガイドする。ガイド部材71は、第2搬送部材32Bの搬送面31の左側(-X側)に配置される。ガイド部材71により、第2搬送部材32Bに搬送されている部品Cが第2搬送部材32Bから-X側に落下することが抑制される。
【0081】
第2搬送部材32Bの搬送面31のX軸方向の寸法は、第1搬送部材32Aの搬送面31のX軸方向の寸法よりも小さい。
【0082】
第2選別部70は、第1規定状態且つ第2規定状態である部品Cのみを通過させる。部品Cの規定状態は、部品Cの規定姿勢を含む。第2選別部70は、第1姿勢且つ第2姿勢である部品Cのみを通過させる。
【0083】
本実施形態において、部品Cの第1姿勢は、リードEがボディDから指定方向に突出する姿勢である。本実施形態において、部品Cの第2姿勢は、リードEがボディDから+X方向に突出する姿勢である。第2搬送部材32Bの搬送面31のX軸方向の寸法は、第2姿勢の部品Cのみが通過するように定められている。
【0084】
図8は、本実施形態に係る第2選別部70の動作を説明するための模式図である。図8(A)に示すように、ボディDの上面Daがガイド部材71に対向し、リードEがボディDから+X方向に突出する第2姿勢においては、部品Cは、第2搬送部材32Bを通過することができる。
【0085】
図8(B)に示すように、リードEがボディDから+Y方向又は-Y方向に突出する状態においては、部品Cは、第2搬送部材32Bを通過することができない。すなわち、リードEがボディDから+Y方向又は-Y方向に突出する状態においては、第2搬送部材32Bの搬送面31のX軸方向の寸法が、ボディDのX軸方向の寸法よりも十分に小さいため、図8(B)に示す状態におけるボディDと搬送面31との接触面積は、部品Cが第2姿勢であるときのボディDと搬送面31との接触面積よりも小さい。ボディDと搬送面31との接触面積が小さい場合、重力の作用により、部品Cは、搬送面31から+X側に落下する。
【0086】
また、図8(C)に示すように、リードEがボディDから-X方向に突出する状態においても、部品Cは、第2搬送部材32Bを通過することができない。すなわち、リードEがボディDから-X方向に突出する状態においても、ボディDと搬送面31との接触面積は、部品Cが第2姿勢であるときのボディDと搬送面31との接触面積よりも小さい。ボディDと搬送面31との接触面積が小さい場合、重力の作用により、部品Cは、搬送面31から+X側に落下する。
【0087】
このように、第2選別部70は、第2姿勢である部品Cのみを通過させる。第2搬送部材32Bを通過することができない部品Cは、第2選別部70から落下する。すなわち、第2選別部70は、第2規定状態でない部品Cを第2選別部70からに落下させる。
【0088】
本実施形態において、第2選別部70は、第2規定状態でない部品Cを第2選別部70からスロープ部材40に落下させる。Y軸方向において、第2選別部70の位置とスロープ部材40の少なくとも一部の位置とは、等しい。第2選別部70は、第2姿勢でない部品Cをスロープ部材40に落下させる。
【0089】
スロープ部材40に落下した部品Cは、第1ベルト21により第2位置P2に搬送された後、第2ベルト22により、第1選別部60まで再び搬送される。
【0090】
なお、第2選別部70は、第2規定状態でない部品Cを第1ベルト21のスロープ部211に落下させてもよい。
【0091】
第2搬送部材32Bの搬送面31のX軸方向の寸法は、調整可能である。第2搬送部材32Bの搬送面31のX軸方向の寸法は、例えばX軸方向におけるガイド部材71の位置を調整することにより調整可能である。第2搬送部材32Bの搬送面31のX軸方向の寸法は、部品Cの外形及び寸法に基づいて、第2姿勢の部品Cのみが通過するように調整される。
【0092】
<方向セット部>
図9は、本実施形態に係る方向セット部80を示す平面図である。図10は、本実施形態に係る方向セット部80を示す断面図である。図4図6図9、及び図10に示すように、方向セット部80は、第2選別部70とピックアップ位置PPの間に配置される。方向セット部80は、第2選別部70を通過した第2姿勢の部品Cを第3姿勢に調整する。
【0093】
方向セット部80は、第3搬送部材32Cの搬送面31の右側(+X側)に配置されるガイド部材81と、第3搬送部材32Cの搬送面31の左側(-X側)に配置されるガイド部材82と、ガイド部材81の前方に配置されるガイド部材83と、ガイド部材83の前方に配置されるガイド部材84と、ガイド部材82の前方に配置されるガイド部材85と、ガイド部材85に支持される姿勢調整部材86とを有する。振動体33の駆動により、第3搬送部材32C、ガイド部材81、ガイド部材82、ガイド部材83、ガイド部材84、ガイド部材85、及び姿勢調整部材86のそれぞれが振動する。
【0094】
ガイド部材81及びガイド部材82のそれぞれは、第2選別部70を通過した部品Cを前方にガイドする。ガイド部材81のガイド面81Gとガイド部材82のガイド面82Gとは対向する。ガイド面81Gとガイド面82Gとは平行である。ガイド面81G及びガイド面82Gのそれぞれは、YZ平面と平行である。
【0095】
ガイド部材83、ガイド部材84、及びガイド部材85のそれぞれは、ガイド部材81とガイド部材82との間を通過した部品Cを前方にガイドする。ガイド部材85のガイド面85Gは、ガイド部材83のガイド面83G及びガイド部材84のガイド面84Gのそれぞれと対向する。ガイド面83Gは、前方に向かってガイド面85Gに接近するように傾斜する。ガイド面84Gとガイド面85Gとは平行である。ガイド面84G及びガイド面85Gのそれぞれは、YZ平面と平行である。Y軸方向において、ガイド面81Gの前端部の位置とガイド面83Gの後端部の位置とは、ほぼ等しい。Y軸方向において、ガイド面83Gの前端部の位置とガイド面84Gの後端部の位置とは、ほぼ等しい。ガイド面84Gとガイド面85Gとの距離は、ガイド面81Gとガイド面82Gとの距離よりも短い。
【0096】
姿勢調整部材86は、第2姿勢の部品Cを第3姿勢に調整する。第3姿勢は、リードEがボディDから下方に突出する姿勢である。姿勢調整部材86は、ガイド部材85のガイド面85Gに固定される。姿勢調整部材86は、スロープ部86Aと、スロープ部86Aよりも前方に配置される平坦部86Bとを有する。スロープ部86Aは、前方に向かって上方に傾斜する。スロープ部86Aの前端部と平坦部86Bの後端部とは接続される。
【0097】
図9に示すように、第2選別部70からの部品Cは、第2姿勢を維持した状態で、ガイド面81Gとガイド面82Gとの間を通過する。ガイド面81Gとガイド面82Gとの間を通過した部品CのボディDは、スロープ部86Aに接触する。ボディDがスロープ部86Aに接触した状態で前方に移動すると、ボディDは徐々に起き上がる。また、ボディDがスロープ部86Aに接触しながら前方に移動している状態において、リードEの先端部は、ガイド面83Gにガイドされる。ボディDがスロープ部86Aにガイドされ、リードEがガイド面83Gにガイドされながら、部品Cが前方に移動することにより、部品Cの姿勢は、第2姿勢から第3姿勢に変化する。第3姿勢に調整された部品Cは、第3姿勢を維持した状態で、平坦部86Bとガイド面84Gとの間を移動して、ピックアップ位置PPに到達する。これにより、図9及び図10に示すように、第3姿勢の部品Cがピックアップ位置PPに配置される。実装ヘッド5は、ピックアップ位置PPにおいて、ノズル4でボディDの上面Daを保持することができる。
【0098】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、フィーダ10は、第1位置P1に供給された部品Cを-Y方向に搬送して第2位置P2に供給する第1ベルト21と、第2位置P2に供給された部品Cを第2位置P2の隣の第3位置P3にガイドするリターンガイド部材23と、第3位置P3に供給された部品Cを+Y方向に搬送して第4位置P4に供給する第2ベルト22と、部品Cが接触する搬送面31を振動させて第4位置P4に供給された部品Cを実装ヘッド5のピックアップ位置PPに供給する搬送部材29及び搬送部材32とを備える。第1ベルト21と第2ベルト22と搬送部材29と搬送部材32とにより、多数の部品Cの搬送路が確保される。第1ベルト21と第2ベルト22とがX軸方向に配置され、第2ベルト22と搬送部材32とがY軸方向に配置されることにより、X軸方向及びY軸方向のそれぞれのフィーダ10の寸法の大型化が抑制される。X軸方向のフィーダ10の寸法(フィーダ10の幅)が抑制されることにより、フィーダバンク8に装着できるフィーダ10の数を多くすることができる。フィーダバンク8に装着できるフィーダ10の数の減少が抑制されることにより、ばらけた部品Cを部品実装装置1に供給する場合、部品Cの種類の減少を抑制することができる。また、搬送部材29及び搬送部材32により、ボウルフィーダと同等の搬送方法で部品Cをピックアップ位置PPまで搬送することができる。
【0099】
第1ベルト21による部品Cの搬送速度は、第2ベルト22による部品Cの搬送速度よりも低い。これにより、ばらけた部品Cは、第1ベルト21から第2ベルト22に円滑に乗り移ることができる。
【0100】
第2位置P2における第1ベルト21の高さは、第3位置P3における第2ベルト22の高さと等しい又は第3位置P3における第2ベルト22の高さよりも高い。これにより、ばらけた部品Cは、第1ベルト21から第2ベルト22に円滑に乗り移ることができる。
【0101】
第3位置P3とピックアップ位置PPとの間に、規定状態である部品Cのみを通過させる選別部50が設けられる。選別部50により、フィーダ10は、規定状態である部品Cのみをピックアップ位置PPに搬送することができる。
【0102】
選別部50は、規定状態でない部品Cを選別部50から落下させる。これにより、規定状態でない部品Cがピックアップ位置PPに供給されることが抑制される。また、規定状態でない部品Cが選別部50からスロープ部材40及び第1ベルト21の少なくとも一方に落下することにより、落下した部品Cは、選別部50に再び搬送される。
【0103】
部品Cの規定状態は、部品Cの規定姿勢を含む。部品Cの規定姿勢は、第1姿勢及び第2姿勢を含む。選別部50は、第1姿勢である部品Cのみを1つずつ通過させる第1選別部60と、第2姿勢である部品Cのみを通過させる第2選別部70と、を有する。選別部50として第1選別部60及び第2選別部70が設けられることにより、第1選別部60及び第2選別部70の構造の複雑化を抑制しつつ、選別部50は、第1姿勢且つ第2姿勢の部品Cを通過させることができる。
【0104】
本実施形態において、部品Cは、ボディDと、ボディDから突出するリードEとを有する。部品Cの第1姿勢は、部品Cの上下方向の寸法が最も小さい姿勢を含む。部品Cの第2姿勢は、リードEがボディDから指定方向である+X方向に突出する姿勢を含む。これにより、部品CがリードEを有する場合においても、選別部50は、第1姿勢且つ第2姿勢の部品Cを通過させることができる。
【0105】
第1選別部60は、第1姿勢でない部品Cを第1ベルト21のスロープ部211に落下させる。これにより、第1ベルト21は、第1選別部60から落下した部品Cを円滑に搬送することができる。
【0106】
選別部50を通過した部品Cを第3姿勢に調整する方向セット部80が設けられる。これにより、第3姿勢の部品Cがピックアップ位置PPに供給される。
【0107】
部品Cの第3姿勢は、リードEがボディDから下方に突出する姿勢を含む。これにより、実装ヘッド5は、ピックアップ位置PPにおいて、ボディDの上面Daをノズル4で保持することができる。
【0108】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、搬送部材29と搬送部材32とは、別々の部材でもよいし、同一の部材(単一の部材)でもよい。
【符号の説明】
【0109】
1…部品実装装置、2…ベース部材、3…基板搬送装置、3B…搬送ベルト、3G…ガイド部材、3H…保持部材、4…ノズル、5…実装ヘッド、6…ヘッド移動装置、6X…X軸移動装置、6Y…Y軸移動装置、7…ノズル移動装置、8…フィーダバンク、10…フィーダ、11…メインフレーム、20…ベルト搬送装置、21…第1ベルト、21D…駆動プーリ、21P…従動プーリ、22…第2ベルト、22D…駆動プーリ、22P…従動プーリ、23…リターンガイド部材、24…モータ、25…第1ギヤ、26…第2ギヤ、27…支持部材、28…ガイド部材、29…搬送部材、29S…上面、30…振動搬送装置、31…搬送面、32…搬送部材、32A…第1搬送部材、32B…第2搬送部材、32C…第3搬送部材、33…振動体、34…ストッパ部材、35…ガイド部材、40…スロープ部材、50…選別部、60…第1選別部、61…セパレータ部材、70…第2選別部、71…ガイド部材、74…スロープ面、80…方向セット部、81…ガイド部材、81G…ガイド面、82…ガイド部材、82G…ガイド面、83…ガイド部材、83G…ガイド面、84…ガイド部材、84G…ガイド面、85…ガイド部材、85G…ガイド面、86…姿勢調整部材、86A…スロープ部、86B…平坦部、91…部品満杯センサ、92…部品満杯センサ、93…部品有無センサ、100…部品供給装置、211…スロープ部、212…平坦部、C…部品、D…ボディ、Da…上面、Db…下面、Dc…第1側面、Dd…第2側面、E…リード、IP…投入口、P1…第1位置、P2…第2位置、P3…第3位置、P4…第4位置、P5…中間位置、MP…実装位置、P…基板、PP…ピックアップ位置。
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
図8
図9
図10