(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】端末管理システム、端末管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20230720BHJP
【FI】
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2020089051
(22)【出願日】2020-05-21
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】堀井 善永
(72)【発明者】
【氏名】石黒 潤
(72)【発明者】
【氏名】大島 泰征
(72)【発明者】
【氏名】中村 美和子
(72)【発明者】
【氏名】吉田 茂美
(72)【発明者】
【氏名】大橋 仁哉
(72)【発明者】
【氏名】中塚 雄貴
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-125757(JP,A)
【文献】特開2007-213305(JP,A)
【文献】特開2007-272716(JP,A)
【文献】特開2005-004444(JP,A)
【文献】特表2014-521138(JP,A)
【文献】特開2009-251806(JP,A)
【文献】特開2001-290945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが取引のために操作する端末と、1または複数の銀行システムと接続し前記端末において生成される取引情報に基づいて処理を行う第1の管理装置とを有する端末管理システムであって、
前記銀行システムまたは前記第1の管理装置と前記端末との間で接続し、前記端末から前記取引情報を受信する第2の管理装置をさらに備え、
前記第1の管理装置は、第1のプロトコルを用いて、既存の処理部により前記端末で行われる第1の取引を行い、
前記第2の管理装置は、第1のプロトコル以外の第2のプロトコルを用いて、新規に追加された機構により前記端末で行われる第2の取引を行い、
前記第2の管理装置は、前記端末との間で前記第1の取引または前記第2の取引のために前記銀行システムに共通して用いられる共通取引情報を処理するための共通電文処理部と、前記銀行システムまたは前記第1の管理装置との間で解釈可能な個別取引情報と前記共通取引情報とを対応付けた対応付けテーブルを用いて、前記共通取引情報を前記個別取引情報に変換する電文変換処理部とを有し、
前記電文変換処理部は、前記共通取引情報のうち取引または処理を行うための情報を記述するときの文字コードを、銀行ごとに取引または処理を行うために記述される文字コードに変換
し、
いずれの前記銀行システムであるかを示す識別情報と、当該識別情報により識別された銀行システムで処理可能な取引とを対応付けた処理テーブルを有し、
前記第2の管理装置の共通電文処理部は、前記共通取引情報に含まれる前記銀行システムの識別情報と、前記処理テーブルまたは前記対応付けテーブルとに基づいて、前記第1の取引または前記第2の取引のために接続すべき銀行システムを選択し、
前記第2の管理装置の電文変換処理部は、前記第1の取引または前記第2の取引の種類に応じて、前記変換後の個別取引情報を、前記第1の取引または前記第2の取引のために接続すべき銀行システムに直接送信するか、または当該銀行システムに接続された前記第1の管理装置を経由して送信するかを選択する、
ことを特徴とする端末管理システム。
【請求項2】
前記第2の管理装置の電文変換処理部は、前記対応付けテーブルを用いて、前記銀行システムまたは前記第1の管理装置から前記銀行システムでの処理結果を含む前記個別取引情報を前記共通取引情報に変換し、
前記第2の管理装置の共通電文処理部は、前記変換された前記共通取引情報を前記端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末管理システム。
【請求項3】
前記対応付けテーブルは、前記銀行システムを有する金融機関の支店または店舗ごとに設けられ、
前記第2の管理装置の電文変換処理部は、前記支店または店舗ごとに設けられた前記対応付けテーブルを用いて、当該支店または店舗から受信された前記共通取引情報を前記個別取引情報に変換する、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末管理システム。
【請求項4】
ユーザが取引のために操作する端末と、1または複数の銀行システムと接続し前記端末において生成される取引情報に基づいて処理を行う第1の管理装置とに接続され、前記端末から前記取引情報を受信する第2の管理装置であって、
前記第2の管理装置は、前記銀行システムまたは前記第1の管理装置と前記端末との間で接続し、前記端末から前記取引情報を受信し、
前記第2の管理装置は、前記第1の管理装置において、既存の処理部により前記端末で行われる第1の取引で用いられる第1のプロトコル以外の第2のプロトコルを用いて、新規に追加された機構により前記端末で行われる第2の取引を行い、
前記端末との間で前記第1の取引または前記第2の取引のために前記銀行システムに共通して用いられる共通取引情報を処理するための共通電文処理部と、
前記銀行システムまたは前記第1の管理装置との間で解釈可能な個別取引情報と前記共通取引情報とを対応付けた対応付けテーブルを用いて、前記共通取引情報を前記個別取引情報に変換する電文変換処理部と、を有し、
前記電文変換処理部は、前記共通取引情報のうち取引または処理を行うための情報を記述するときの文字コードを、銀行ごとに取引または処理を行うために記述される文字コードに変換
し、
いずれの前記銀行システムであるかを示す識別情報と、当該識別情報により識別された銀行システムで処理可能な取引とを対応付けた処理テーブルを有し、
前記第2の管理装置の共通電文処理部は、前記共通取引情報に含まれる前記銀行システムの識別情報と、前記処理テーブルまたは前記対応付けテーブルとに基づいて、前記第1の取引または前記第2の取引のために接続すべき銀行システムを選択し、
前記第2の管理装置の電文変換処理部は、前記第1の取引または前記第2の取引の種類に応じて、前記変換後の個別取引情報を、前記第1の取引または前記第2の取引のために接続すべき銀行システムに直接送信するか、または当該銀行システムに接続された前記第1の管理装置を経由して送信するかを選択する、
ことを特徴とする端末管理装置。
【請求項5】
ユーザが取引のために操作する端末と、1または複数の銀行システムと接続し前記端末において生成される取引情報に基づいて処理を行う第1の管理装置とに接続され、前記端末から前記取引情報を受信する第2の管理装置で行われる端末管理方法であって、
前記第2の管理装置は、前記銀行システムまたは前記第1の管理装置と前記端末との間で接続し、前記端末から前記取引情報を受信し、
前記第2の管理装置は、前記第1の管理装置において、既存の処理部により前記端末で行われる第1の取引で用いられる第1のプロトコル以外の第2のプロトコルを用いて、新規に追加された機構により前記端末で行われる第2の取引を行い、
共通電文処理部が、前記端末との間で前記第1の取引または前記第2の取引のために前記銀行システムに共通して用いられる共通取引情報を処理し、
電文変換処理部が、前記銀行システムまたは前記第1の管理装置との間で解釈可能な個別取引情報と前記共通取引情報とを対応付けた対応付けテーブルを用いて、前記共通取引情報を前記個別取引情報に変換し、
前記電文変換処理部が、前記共通取引情報のうち取引または処理を行うための情報を記述するときの文字コードを、銀行ごとに取引または処理を行うために記述される文字コードに変換
し、
前記第2の管理装置の共通電文処理部が、前記共通取引情報に含まれる前記銀行システムの識別情報と、いずれの前記銀行システムであるかを示す識別情報と、当該識別情報により識別された銀行システムで処理可能な取引とを対応付けた処理テーブルまたは前記対応付けテーブルとに基づいて、前記第1の取引または前記第2の取引のために接続すべき銀行システムを選択し、
前記第2の管理装置の電文変換処理部が、前記第1の取引または前記第2の取引の種類に応じて、前記変換後の個別取引情報を、前記第1の取引または前記第2の取引のために接続すべき銀行システムに直接送信するか、または当該銀行システムに接続された前記第1の管理装置を経由して送信するかを選択する、
ことを特徴とする端末管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末管理システム、端末管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の銀行が現金自動取引装置(ATM:Automated Teller Machine)を共有するものとして、ホワイトラベルATMが登場している。各銀行にとっては、資産としてATMを所有しなくて済み、管理コストが減る一方、エンドユーザとしても、銀行ごとに別のATMに行かずに済むというメリットがある。
【0003】
複数の窓口端末によって1つの装置を共有する技術として、特許文献1がある。この公報には、「処理エラーが発生する可能性を低減しつつ、複数の窓口端末によって印字装置が効率的に共用されるようにすることが可能な技術が提供される。」と記載されている。
【0004】
競合他社同士の情報を取得する技術として、特許文献2がある。この公報には、「自動取引装置11と、顧客データベースを備え、前記自動取引装置11を操作する顧客に対応するサービスコンテンツを提供する顧客情報管理システム21とを有し、該顧客情報管理システム21は、前記自動取引装置11から受信した情報に基づいて前記顧客に対応するサービスコンテンツを前記顧客データベースから取得して前記自動取引装置11に送信し、該自動取引装置11は、前記サービスコンテンツを金融取引の合間に表示する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-128698号公報
【文献】特開2004-152166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
銀行にとって、ATMだけでなく、銀行窓口などを含む店舗自体の所有コストを減らしたいという需要がある。特に、実店舗を持たないネット銀行にとって、自社で設備が何もない状態から店舗を構えるのではなく、共有して使える店舗(ホワイトラベル店舗)があれば、低コストで窓口業務を含む店舗でのサービスを実現することができる。
【0007】
特許文献1では、他行とのサービス連携を実施することはできない。特許文献2では、他行のサービスコンテンツを融通するのみであり、自行とは異なる店舗にて、自行の窓口業務をエンドユーザに提供することはできない。
【0008】
銀行は人件費及び物件費を支払い店舗運営しているが、これらは全て固定費であり、景気動向に合わせて店舗拡大や縮小が容易にできない。また、銀行の窓口で処理される件数は端末機器に比べ少なく、1取引を実施するコストは端末機器にて処理するよりも相対的に高い。さらに、銀行窓口にて行われる取引は、本質的にどこの銀行も同じではあるが、これらを標準化できず、各銀行にて業務内容を取り決め実施している。独自で運営しているという観点で店舗運営の効率が悪い。
【0009】
本発明の一側面は、銀行が、自行とは異なる店舗にて、自行の窓口業務をエンドユーザに提供する環境を提供することが可能な端末管理システム、端末管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様にかかる端末管理システムは、ユーザが取引のために操作する端末と、1または複数の銀行システムと接続し前記端末において生成される取引情報に基づいて処理を行う第1の管理装置とを有する端末管理システムであって、前記第1の管理装置と接続し、前記端末から前記取引情報を受信する第2の管理装置をさらに備え、前記第2の管理装置は、前記端末との間で前記取引のために前記銀行システムに共通して用いられる共通取引情報を処理するための共通電文処理部と、前記銀行システムまたは前記第1の管理装置との間で解釈可能な個別取引情報と前記共通取引情報とを対応付けた対応付けテーブルを用いて、前記共通取引情報を前記個別取引情報に変換する電文変換処理部とを有する、ことを特徴とする端末管理システムとして構成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、銀行が、自行とは異なる店舗にて、自行の窓口業務をエンドユーザに提供する環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施例の全体構成(全体構成例)を示す図である。
【
図2】本実施例における現金自動取引装置構成を示す図である。
【
図3】本実施例におけるビデオ端末装置構成を示す図である。
【
図4】本実施例におけるホワイトラベル対応プロトコル管理装置構成を示す図である。
【
図5】本実施例における既存プロトコル管理装置で処理する場合のシーケンスを示す図である。
【
図6】本実施例で現金自動取引装置による取引を行った場合の管理装置の振り分けシーケンスを示す図である。
【
図7】本実施における処理テーブルの例を示す図である。
【
図8】本実施における現金自動取引装置での出金取引のフローを示す図である。
【
図9】本実施におけるVTMでの口座開設のフローを示す図である。
【
図10】ホワイトラベル店舗のサービスを提供するにあたり、各ステークホルダにおける「お金の流れ」及び「サービスの流れ」を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0014】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0015】
以下の説明では、「テーブル」、「リスト」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されていてもよい。データ構造に依存しないことを示すために「XXテーブル」、「XXリスト」等を「XX情報」と呼ぶことがある。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いた場合、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0016】
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0017】
また、以下の説明では、プログラムを実行して行う処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit))によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)および/またはインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主体がプロセッサとされてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit))を含んでいてもよい。
【0018】
プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0019】
以下に本実施の形態にかかる修理支援システムおよび修理支援方法をATMに適用した場合について詳細に説明するが、この例に限らず、様々な装置や機器に適用することができる。
【0020】
以下、実施例を説明する前に、装置構成と通常のプロトコルでの取引の流れについて説明する。
【0021】
<全体構成の説明>
図1は、ホワイトラベル店舗を含む端末管理システムの全体概要図である。
図1に示すように、端末管理システム1000は、ATM107やVTM108を用いてエンドユーザ(以下、利用者)と所定の取引を行う銀行が管理する1または複数の銀行システム101と、利用者が所定の取引のために用いるATM107やVTM108が設置された1または複数のホワイトラベル店舗105と、ホワイトラベル店舗105と銀行システム101との間で、既存のプロトコル(以下、既存プロトコル、第1のプロトコル)を用いて、ホワイトラベル店舗105に設置されたATM107やVTM108で行われる所定の取引を行うための既存プロトコル管理装置104(第1の管理装置)と、ホワイトラベル店舗105と銀行システム101との間で、上記既存プロトコル以外のプロトコル(以下、ホワイトラベル対応プロトコル、第2のプロトコル)を用いて、ホワイトラベル店舗105に設置されたATM107やVTM108で行われる所定の取引を行うためのホワイトラベル対応プロトコル管理装置105(第2の管理装置)と、を有し、これらがネットワークN1、N2を介して接続されている。以下では、ホワイトラベル店舗105にATM107やVTM108が設置されている場合を例示しているが、所定の取引のために用いられる様々な端末や装置についても同様に適用することができる。
【0022】
銀行システム101は、窓口オペレータ端末102と、DB(Data Base)103を含み、取引を管理する銀行のシステムである。窓口オペレータ端末102は、利用者と銀行の窓口オペレータをリアルタイムに接続する装置であり、取引を遠隔で行うためのオペレータ側に設置された装置である。DB103は、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105から既存プロトコル管理装置104を経由して取得された口座情報や取引情報、あるいはホワイトラベル対応プロトコル管理装置105から既存プロトコル管理装置104を経由せずに取得された口座情報や取引情報等が記録されたデータベースである。後述するように、本システムが、ATM107やVTM108に接続された新規のデバイスまたは機能をサポートする場合は、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105から銀行システム101に直接接続され、処理される。
【0023】
ホワイトラベル店舗106は、例えば、ATM107とVTM108を含み、1または複数の銀行との間で取引を行える無人店舗である。但し、一部の業務に限り有人による対応も可能とする。ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105は、各ホワイトラベル店舗106と複数の銀行システム101または複数の既存プロトコル管理装置104との接続を仲介する管理装置である。
【0024】
図2は、ATM周辺のシステム全体の構成図を示したものである。ATM107は、ATM全体および各部を制御する制御部203と、レシート処理部204、カード処理部205、表示処理部206、紙幣処理部207、暗証番号処理部208、通信部202を有して構成されている。ATM107に関していえば、一例として、銀行窓口業務に必要な機構2011には、利用者のキャッシュカードに記録された口座番号等の取引情報を非接触で読み取る非接触ICカードリ-ダ処理部211、利用者の指紋等の生体情報を用いて認証を行う生体認証処理部212、通帳の記帳処理等を行う通帳処理部213、税公金の帳票を処理する帳票読取処理部209、生体認証処理部212の処理結果を用いてあるいは当該処理結果とは異なる生体情報以外の情報を用いて本人を認証する処理部210が追加されても良い。以下では、取引結果を出力するレシート処理部204、利用者のキャッシュカードに記録された口座番号等の取引情報を読み取るカード処理部205、暗証番号の入力や取引金額の入力または表示等を行うための取引画面をタッチパネルに出力する表示処理部206、利用者との間で紙幣の入出金等の紙幣を用いた取引処理を行う紙幣処理部207、利用者から暗証番号の入力を受け付ける暗証番号処理部208、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105や既存プロトコル管理装置104等の他の装置との間で各種情報を送受信する通信部202が行う処理が既存プロトコルで行われる前提で説明している。しかし、これらの一部または全部が、上記銀行窓口業務に必要な機構2011に含めて追加されてもよい。レシート処理部204、カード処理部205、表示処理部206、紙幣処理部207、暗証番号処理部208、通信部202は、従来から知られている方法により、利用者との間で各種取引や処理を実行する。追加される上記銀行窓口業務に必要な機構2011には、ATMを介した取引や処理で用いられるデバイスおよびアプリケーションが含まれる。ATM107は、例えば、取引選択画面や金融機関選択画面を表示し、利用者から取引や金融機関の選択を受け付けるためのタッチパネルをはじめ、上述した以外のATMとして備えるべき一般的な構成を有している。
【0025】
図3は、VTM周辺のシステム全体の構成図を示したものである。VTM108は、VTM全体および各部を制御する制御部303と、利用者が記載した申込書等の書類をスキャナで読み取るスキャナ処理部304、上記レシート処理部204、と同様のレシート処理部307、上記表示処理部206と同様の表示処理部309、利用者の顔画像をカメラで撮像するカメラ処理部310、上記通信部202と同様の通信部302を有して構成されている。VTM108に関していえば、一例として、銀行窓口業務に必要な機構3011には、本人を認証する処理部305、生体認証処理部306、カード処理部308が追加されてもよい。スキャナ処理部304、レシート処理部307、表示処理部309、カメラ処理部310、通信部302は、従来から知られている方法により、利用者との間で各種取引や処理を実行する。追加される上記銀行窓口業務に必要な機構3011には、VTMを介した取引や処理で用いられるデバイスおよびアプリケーションが含まれる。VTM108は、例えば、ATM107と同様、取引選択画面や金融機関選択画面を表示し、利用者から取引や金融機関の選択を受け付けるためのタッチパネルをはじめ、上述した以外のVTMとして備えるべき一般的な構成を有している。
【0026】
図4は、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置周辺のシステム全体の構成図を示したものである。ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105は、装置を制御する制御部401と、電文処理部402を有して構成されている。電文処理部402は、主にホワイトラベル店舗に設置されているATM107やVTM108をはじめとする端末や装置と通信を行うための共通電文処理部405と、主に各銀行システムと通信をおこなうための銀行システム向け電文変換処理部404を有している。これにより、銀行毎に通信プロトコルの形態が異なる場合でも、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105がその差を吸収し、利用者はこれまで通りの方法で取引を行う事ができる。
【0027】
銀行システム101、ATM107、VTM108、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105、既存プロトコル管理装置104処理は、CPU等の制御部である処理装置、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶部である記憶媒体や記憶装置、NIC(Network Interface Card)等の通信部である通信機器を有した、ハードウェアとしては一般的なコンピュータが備えるべき機能を有する。これらが実行する処理は、例えば、CPUが、ROMからプログラムを読み出し、RAMに対して読み書きして処理を実行することにより実現される。上記プログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部の記憶媒体から読み出されたり、ネットワークを介した他のコンピュータからダウンロードする等して提供されたりしてもよい。
【0028】
本実施例では、ATM107とVTM108の接続の事例を説明するが、上述の通り、ATM107とVTM108以外にも複数の端末や装置が接続されていてもよい。ATM107とVTM108を含む各端末(以下、単に端末と呼ぶ場合がある)の各々は、これらを管理するサーバ(管理装置)に接続され、ATM107やVTM108側の画面の遷移処理や、本人認証処理を行っている。本構成図において、例えば、既存プロトコル管理装置104が既存の取引を制御するサーバであり、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105が既存プロトコル管理装置104または銀行システム101とネットワークを介して接続されておりATM107とVTM108とを仲介する役目を担っている。
【0029】
ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105および既存プロトコル管理装置104の上位には、銀行システム101がネットワークを介して接続される。銀行システム101にはATM107やVTM108が取引や処理を行うための様々なDB103が記憶され、銀行システム101は、ATM107やVTM108から受信したデータやDB103に記憶されているデータを用いて、各種データの管理、認証等を実施している。
【0030】
ここで、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105が設けられていないシステムを考える。この場合、プロトコルなどの手順を異にする端末や装置が、端末や装置に対応する既存システムに接続する場合、または端末や装置に新規デバイスを追加する場合、または新しいアプリケーションの機能を実装する場合、端末や装置、またはサーバ側の改修作業が必要になる。その結果、改修費用、新たな端末や装置の接続対応費用、その他、従来の機能も含めた確認するテスト工数など多大なコストが掛かってしまう。また、今まで動作していた既存システムの状態はそのまま維持する必要があるため、デバイス追加、アプリケーション追加による影響確認工数も膨大になる。
【0031】
本実施例では、既存の端末や装置と既存サーバとの間はこれまでと同じデータのやり取りや処理を行う状態を維持したまま、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105を、既存の端末や装置、既存プロトコル管理装置104の間に接続させる。このような構成とすることで、より低コストで、工数をかけずに、別の銀行システムへの接続、新デバイスへの接続、新アプリケーションが有する機能を実現するものである。
【0032】
<既存プロトコルでの取引の流れ>
始めに
図5を用いて、取引の一例として、一般的なATMでの出金取引のフローを示す。ATM513は、既存プロトコル管理装置514と情報をやりとりすることで取引が完了する。ATM513および既存プロトコル管理装置514は、既存プロトコルを用いて行う取引や処理について、
図1に示したATM107および既存プロトコル管理装置104と同様の取引や処理を行う。また、銀行システム518は、
図1に示した銀行システム101と同様の取引や処理を行う。
【0033】
ATM513の表示処理部は、利用者がATM513を操作して所定の取引を行うための取引選択画面を表示する(ステップ501)。ATM513の表示処理部は、利用者512から、表示された取引選択画面に表示された出金ボタンの選択を受け付ける(ステップ505)。次に、ATM513の表示処理部は、出金ボタンの選択を受け付けると、利用者によるカードの挿入を促すカード挿入画面を表示し(ステップ519)、カードの挿入を受け付ける(ステップ506)。
【0034】
ATM513のカード処理部が、カードが挿入されたことを検知し、当該カードが正しく認証されると、ATM513の表示処理部は、利用者が定めた暗証番号の入力を促す暗証番号入力画面を表示する(ステップ502)。ここで、ATM513の表示処理部は、利用者512から暗証番号の入力を受け付ける(ステップ507)。ATM513の暗証番号処理部は、暗証番号が正しいか否かを判定し、暗証番号が正しいと判定した場合、ATM513の表示処理部は、利用者が出金金額を指定するための金額入力画面を表示する(ステップ503)。ATM513の表示処理部は、利用者512から、当該画面の誘導にしたがって金額の入力を受け付ける(ステップ508)。
【0035】
その後、ATM513の表示処理部が上記金額の入力を受け付けると、ATM513の通信部は、取引要求として、口座番号、暗証番号、取引金額、ATM番号等の出金に必要な情報を既存プロトコル管理装置514に送信する(ステップ510)。既存プロトコル管理装置514は、接続先の銀行システム518に、出金に関する取引要求を送信し(ステップ516)、銀行システム518から、例えば、残高不足となっていないこと、偽造カードではないこと等の確認が行われた結果として出金許可の返信を受ける(ステップ517)。ATM513の通信部は、既存プロトコル管理装置514から出金許可を受け取る(ステップ511)。ATM513の表示処理部は、指定した金額の現金を受け取るための現金受取画面を表示し(ステップ504)、ATM513の紙幣処理部は、利用者512に対して現金を出金し(ステップ509)、利用者512が現金を受け取ることで取引は完了する(ステップ515)。
【0036】
<各銀行の既存プロトコル管理装置または銀行システムへの振り分け>
図6は、ATM107による取引において、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105から、どの銀行の既存プロトコル管理装置104または銀行システム101に接続するかを判断する振り分け処理のフローを示したものである。以下では、ATM107の場合を例示しているが、VTM108をはじめとする他の端末や装置についても同様に考えることができる。
【0037】
ATM107の表示処理部206は、利用者に対して取引を促すためのいらっしゃいませ画面を表示する(ステップ601)。ATM107のカード処理部205は、利用者からカードの挿入を受け付けて、カードに記録された所定の情報を読み取ったか否かを判定、する(ステップ602)。ATM107のカード処理部205は、カードの挿入を受け付けて、カードに記録された所定の情報を読み取ったと判定した場合(ステップ602;Yes)、S604に進む。一方、ATM201のカード処理部205は、カードの挿入を受け付けていない、あるいはカードの挿入を受け付けたものの、カードに記録された所定の情報を読み取っていないと判定した場合(ステップ602;No)、ATM107の表示処理部206は、上記いらっしゃいませ画面に表示されている金融機関名選択ボタンの選択を受け付ける(ステップ603)。
【0038】
ATM107の制御部203は、挿入されたカードに所定の情報として記録されている金融機関名や金融機関コード、あるいは上記いらっしゃいませ画面から選択された金融機関名や金融機関コードと、
図7の処理テーブル701の金融機関コードとを突き合せて、どの銀行の取引を行うかを判定する(ステップ604)。例えば、制御部203は、カードに記録されている金融機関コードと処理テーブル701に登録されている金融機関コード702とを突合して一致した場合、当該銀行の取引画面を表示し、取引を行う。
【0039】
図7は、処理テーブル701の例を示す図である。処理テーブル701は、図示しないATM107のメモリに記憶されている。以下では、処理テーブル701がATM107やVTM108に記憶されている場合を例示しているが、ATM107以外の他の装置やシステム(例えば、既存プロトコル管理装置104やホワイトラベル対応プロトコル管理装置105、銀行システム101)あるいはこれら以外のネットワークを介して接続された他のシステムや装置に記憶され、これらの装置やシステムからネットワークを介してダウンロードする等して提供されてもよい。また、本実施例では、上記振り分け処理がATM107で行われる場合を例示しているが、既存プロトコル管理装置104やホワイトラベル対応プロトコル管理装置105で行われてもよい。
【0040】
図7に示すように、処理テーブル701には、銀行を識別するための金融機関コード702と、ホワイトラベル店舗を示す支店番号情報703と、ATMやVTMで行われる各銀行向けの取引や処理またはATMやVTMで用いられるデバイスを示す取引・処理/デバイス項目704とが対応付けて記憶されている。
【0041】
図7では、例えば、金融機関コード「1234」、支店番号「111」で識別される銀行1の店舗では、「入金」、「出金」、「残高照会」「通帳記入」の各取引が、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105と既存プロトコル管理装置104または銀行システム101を介して行われることを示している。
【0042】
また、例えば、金融機関コード「6789」、支店番号「999」で識別される銀行nの店舗では、新規デバイスとして追加された利用者のスマートフォン等の携帯端末のアプリケーションを用いた「モバイル連携」(モバイル入金、モバイル出金)で行われる取引や処理がホワイトラベル対応プロトコル管理装置105と既存プロトコル管理装置104または銀行システム101を介して行われることを示している。さらに、当該店舗では、新規デバイスとして追加された生体認証処理部212である「生体認証」(入金、出金)で行われる処理、および新規デバイスとして追加された非接触ICカードリーダ処理部211である「非接触IC取引」で行われる取引や処理が上記銀行nのシステムとして独自に追加され、これらのデバイスを用いた取引や処理が、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105と既存プロトコル管理装置104または銀行システム101を介して行われることを示している。
【0043】
さらに、上記銀行1の店舗および上記銀行nの店舗では、新規デバイスとして追加された税公金振込帳票を読み取るための帳票処理部209が行う取引や処理である「帳票読取7041」や、高額入出金の場合に必要な免許証等を用いた本人認証を行うための本人認証処理部210が行う取引や処理である「本人認証7042」を、これらの銀行における新たな取引として導入する場合を考える。この場合、これら銀行の店舗に設置されたATM107やVTM108に記憶されている処理テーブル701に、上記「帳票読取7041」および「本人認証7042」を追加することで、これらの取引や処理が、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105と既存プロトコル管理装置104または銀行システム101を介して行われることとなる。
【0044】
図6に戻り、ATM107の制御部203は、S602で読み取られたカードに記録された所定の情報として記録されている金融機関名や金融機関コード、またはS603で上記いらっしゃいませ画面から選択された金融機関名や金融機関コードが、処理テーブル701に登録されている金融機関コードあるいは当該金融機関コードに対応する金融機関名のいずれかの金融機関コードであると判定した場合、ステップ6051~ステップ605nのいずれかの処理に進む。例えば、制御部203は、上記金融機関コードが銀行1の金融機関コード「1234」であると判定した場合、ステップ6051に進む。
図6に示すように、制御部203において、該当する金融機関コードがあると判定した場合には、ステップ6051~ステップ605nを含むいずれかの処理(ステップ605x:xは銀行1~nのいずれか)が行われることとなる。以下では、一例として、金融機関コードが銀行1の金融機関コードである場合を説明しているが、他の銀行の金融機関コードの場合についても同様に考えることができる。
【0045】
制御部203により金融機関コードが銀行1を示すコードであると判定された場合、表示処理部206は、当該銀行1の取引選択画面を表示する(ステップ6051)。銀行ごとの取引選択画面は、例えば、ATM107やVTM108、あるいはホワイトラベル対応プロトコル管理装置105や既存プロトコル管理装置104、銀行システム101の図示しない記憶部にあらかじめ記憶される。
【0046】
制御部203は、取引が選択され処理されたのちに、銀行間で共通して用いられるプロトコルである共通プロトコルで構成された共通取引情報を、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105に送付する(ステップ6061)。共通取引情報の具体的な内容については後述するが、ATM107やVTM108で行われる取引で必要となる取引情報(例えば、出金取引であれば、金融機関コード、口座番号、暗証番号、取引金額)を読み取るための銀行間で共通のフォーマットで記述された情報である。
【0047】
ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105は、ホワイトラベル店舗106のATM107から受け取った上記共通取引情報を、上記共通取引情報に含まれる金融機関コードで識別される銀行1の既存プロトコル管理装置104または銀行システム101が解釈できる取引情報である個別取引情報(この場合は、銀行1用の取引情報)に変換する(ステップ6071)。共通取引情報から個別取引情報への変換は、例えば、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105が、取引の種別ごとに、共通取引情報に含まれる情報(例えば、出金取引であれば、金融機関コード、口座番号、暗証番号、取引金額や、これらの情報を記述するときの文字コード(EBCDICコード))と、個別取引情報に含まれる情報(例えば、出金取引であれば、銀行ごとに定められた取引金額の上限値や、銀行ごとに定められた取引や処理を行うために記述される文字コード(SHIFT_JISコード))とを対応付けた対応付けテーブルを保持しておき、ATM107から受け取った共通取引情報のなかで、上記対応付けテーブルに記憶されている情報を、個別取引情報に変換すればよい。当該対応付けテーブルは、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105の制御部401の図示しないメモリに記憶され、金融機関ごとに設けられる前提で説明しているが、金融機関の各支店や店舗ごとに設けられていてもよい。これにより、同じ金融機関であっても、支店や店舗ごとに処理する取引の種類が異なる場合には、上記対応付けテーブルをその支店や店舗ごとに設けておくことで、それぞれの支店や店舗での取引の種類に応じて、共通取引情報から個別取引情報への変換(あるいはその逆の変換)が可能となる。
【0048】
ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105は、上記銀行1の個別取引情報を、銀行1の既存プロトコル管理装置104または銀行システム101に送信し(ステップ6081)、銀行1の既存プロトコル管理装置104または銀行システム101は、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置105から受け取った上記銀行1の個別取引情報を処理する(ステップ6091)。以下、これらのシステム構成を前提とし、
図8の処理フローをもとに本実施例を説明する。
【0049】
<実施例1:出金取引>
図8を用いて、一例として、ATMでの出金取引のフローを示す。ATM817はホワイトラベル型プロトコル管理装置818と既存プロトコル819とを介して銀行1の銀行システム820と情報をやりとりすることで取引が完了する。ATM817および既存プロトコル管理装置819は、既存プロトコルを用いて行う取引や処理について、
図1に示したATM107および既存プロトコル管理装置104と同様の取引や処理を行う。
【0050】
ATM817の表示処理部は、カード挿入画面をタッチパネル等の表示部に表示する(ステップ801)。ATM817のカード処理部は、利用者816から、カードの挿入を受け付ける(ステップ806)。ATM817の制御部は、カード処理部が読み取ったカードに記録された所定の情報に含まれる金融機関コードと、
図7の処理テーブル701に含まれる金融機関コードとを比較し、当該金融機関コードで識別される金融機関(例えば、銀行1)で取引可能な取引種別を取得し(ステップ802)、例えば、ATM817の表示処理部が、当該金融機関(例えば、銀行1)の取引選択画面を表示する(ステップ803)。
【0051】
ATM817の表示処理部は、利用者816から、表示された取引選択画面から出金ボタンの選択を受け付ける(ステップ807)。次にATM817の表示処理部は、出金ボタンの選択を受け付けると、銀行1との間で用いられる暗証番号の入力画面を表示し(ステップ804)、利用者816から暗証番号の入力を受け付ける(ステップ808)。ATM817の暗証番号処理部は、入力された暗証番号が正しいか否かを判定し、当該暗証番号が正しいと判定した場合、ATM817の表示処理部は、金額入力画面を表示する(ステップ805)。ATM817の表示処理部は、利用者816から、画面の誘導に従って金額の入力を受け付ける(ステップ809)。
【0052】
その後、ATM817の表示処理部が上記金額の入力を受け付けると、ATM817の通信部は、標準取引要求として、金融機関コード、口座番号、暗証番号、取引金額等の出金に必要な、銀行間で共通のフォーマットで記述された共通取引情報をホワイトラベル対応プロトコル管理装置818に送信する(ステップ810)。
【0053】
ホワイトラベル対応プロトコル管理装置818の共通電文処理部は、例えば、上記標準取引要求として受け取った共通取引情報に含まれる金融機関コードと、
図7に示した処理テーブル701あるいは上記対応付けテーブルとを参照して、共通取引情報に含まれる金融機関コードに対応する金融機関(例えば、銀行1)の銀行システム101が、接続すべき金融機関の銀行システム101であると判定し、当該銀行システムを接続対象として選択する。そして、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置818の電文変換処理部は、共通電文処理部が接続すべきと判定した金融機関の銀行システム101配下の既存プロトコル管理装置との間で接続を確立し、上記共通取引情報のうち上記対応付けテーブルに記憶されている情報を、個別取引情報に変換し、銀行1向けに変換した取引要求を送信する(ステップ811)。
【0054】
既存プロトコル管理装置819は、接続先である銀行システム820に、出金に関する取引要求を送信し(ステップ812)、銀行システム820から、例えば、残高不足となっていないこと、偽造カードではないこと等の確認が行われた結果として出金許可の返信を受ける(ステップ813)。
【0055】
ホワイトラベル対応プロトコル管理装置818の電文変換処理部は、接続先である既存プロトコル装置819から出金許可を受け取り(ステップ814)、ステップ811とは逆の手順で個別取引情報から共通取引情報に変換する。ホワイトラベル対応プロトコル管理装置818の共通電文処理部は、変換された上記出金許可を含む共通通取引情報を、上記標準取引要求の結果を示す標準出金許可としてATM817へ送信する。
【0056】
ATM817の通信部は、ホワイト対応プロトコル管理装置818から上記標準出金許可を受け取る(ステップ815)。ATM817の表示処理部は、指定した金額の現金を受け取るための現金受取画面を表示し(ステップ812)、ATM513の紙幣処理部は、利用者816に対して現金を出金し(ステップ822)、利用者816が現金を受け取ることで取引は完了する(ステップ823)。
【0057】
<実施例2:口座開設>
図9を用いて、一例として、VTMでの口座開設のフローを示す。VTM922はホワイトラベル型プロトコル管理装置923と銀行2オペレータ端末924とを介して銀行1のシステムと情報をやりとりすることで取引が完了する。VTM922および銀行2オペレータ端末924は、双方向でのやり取りで行われる取引や処理について、
図1に示したVTM108および窓口オペレータ端末102と同様の取引や処理を行う。
【0058】
VTM922の表示処理部は、銀行選択画面をタッチパネル等の表示部に表示する(ステップ901)。VTM922の表示処理部は、利用者921から、取引を行う銀行の選択を受け付ける(ステップ907)。VTM922の制御部は、選択された銀行の金融機関コードと
図7の処理テーブル701に含まれる金融機関コードとを比較し、当該金融機関コードで識別される金融機関(例えば、銀行2)で取引可能な取引種別を取得し(ステップ902)、ATM817の表示処理部が、当該金融機関(例えば、銀行2)の取引選択画面を表示する(ステップ903)。
【0059】
VTM922の表示処理部は、利用者921から、表示された取引選択画面から口座開設ボタンの選択を受け付ける(ステップ908)。次にVTM922の通信部は、口座開設ボタンの選択を受け付けると、銀行2の窓口オペレータ端末924に接続するために、標準来店通知として、金融機関コード、店舗番号や選択された取引情報等の、銀行間で共通のフォーマットで記述された共通取引情報をホワイトラベル対応プロトコル管理装置923に送信する(ステップ911)。
【0060】
ホワイトラベル対応プロトコル管理装置923の共通電文処理部は、例えば、上記標準来店通知として受け取った共通取引情報に含まれる金融機関コードと、
図7に示した処理テーブル701あるいは上記対応付けテーブルとを参照して、共通取引情報に含まれる金融機関コードに対応する金融機関(例えば、銀行2)の銀行システム101が、接続すべき金融機関の銀行システム101であると判定する。そして、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置923の電文変換処理部は、共通電文処理部が接続すべきと判定した金融機関の銀行システム101配下の窓口オペレータ端末924との間で接続を確立し、上記共通取引情報のうち上記対応付けテーブルに記憶されている情報を、個別取引情報に変換し、変換した来店通知を銀行2オペレータ端末924に送信する(ステップ912)。
【0061】
銀行2オペレータ端末924は、上記変換された来店通知を受信すると、当該来店通知に基づくオペレータからの操作に従って、利用者を次の動作に導いて申込記入に必要な当金融機関で定められたフォーマットの用紙情報を、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置923へ送信する(ステップ913)。
【0062】
ホワイトラベル対応プロトコル管理装置923の電文変換処理部は、銀行2オペレータ端末924から受信した上記フォーマットの用紙情報を、ステップ912とは逆の手順で個別取引情報から共通取引情報に変換する。ホワイトラベル対応プロトコル管理装置923の共通電文処理部は、変換された上記用紙情報を含む共通取引情報を、上記標準来店通知の次の手順を示す標準用紙情報としてVTM922へ送信する(ステップ914)。
【0063】
次にVTM922のレシート処理部は、上記標準用紙情報で定められたフォーマットで申込記入用紙を印字(ステップ904)し、VTM922の表示処理部は、当該申込記入用紙を読み込むための読込画面及び本人認証を促す認証画面を、タッチパネル等の表示部に表示する(ステップ905)。VTM922のスキャナ処理部は、利用者921により申請に必要な情報が記入されたから印刷後の申込用紙をスキャナに読み込ませ、次に、本人認証を行うため免許証等の本人確認ができる媒体をスキャナに読み込ませる(ステップ909)。
【0064】
VTM922の表示処理部は、スキャナから読み込まれた上記印刷後の申込用紙および上記媒体を、処理中画面に表示する(ステップ9151)。VTM922の通信部は、スキャンされたこれらのスキャンデータを含む共通取引情報をホワイトラベル対応プロトコル管理装置923へ送信する(ステップ9152)。
【0065】
ホワイトラベル対応プロトコル管理装置923の共通電文処理部は、上記スキャンデータを含む共通取引情報を受け取り、ステップ911の場合と同様に、上記共通取引情報のうち上記対応付けテーブルに記憶されている情報を、個別取引情報に変換し、変換したスキャンデータを含む個別取引情報を、銀行2オペレータ端末924に送信する(ステップ916)。
【0066】
銀行2オペレータ端末924は、オペレータによるスキャンデータ内容確認結果に基づく操作に従って、当金融機関で定められたフォーマットの取引結果を、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置923へ送信する(ステップ918)。
【0067】
ホワイトラベル対応プロトコル管理装置923の電文変換処理部は、銀行2オペレータ端末924から受け取った上記取引結果を、ステップ916とは逆の手順で個別取引情報から共通取引情報に変換する。ホワイトラベル対応プロトコル管理装置923の共通電文処理部は、変換された上記取引結果を含む共通取引情報を、標準取引結果としてVTM922へ送信する(ステップ917)。
【0068】
その後、VTM922の表示処理部は、標準取引結果をタッチパネル等の表示部に表示し、VTM922のレシート処理部は、当該標準取引結果を印字する(ステップ906)。利用者921は、結果内容を画面と印字内容で確認し、取引は完了する(ステップ919)。
【0069】
<実施例3:ホワイトラベル店舗サービスの利用>
図10は、ホワイトラベル店舗の金の流れとサービスの流れを表したビジネスモデルの全体概要図である。本実施例では、銀行側の視点、利用者の視点、ホワイトラベル店舗の運営側の視点から見た金とサービスの流れについて説明する。
【0070】
ホワイトラベル店舗106は、複数の銀行が銀行窓口業務を行うためのサービスを提供する。ホワイトラベル店舗106には、ATM107及びVTM108などの金融機関で用いられる端末や装置があり、これらが有人の銀行窓口業務を代行するサービスを提供する。
【0071】
複数の銀行群1006は、上記ATM107及びVTM108などの金融機関で用いられる端末や装置を介した取引を通じて、これらの端末や装置が設置されているホワイトラベル店舗106の店舗利用料、これらの端末や装置の利用料、これらの端末や装置で行われた取引の取引手数料等の銀行向け手数料1001を支払う事で、その対価として、当該ホワイトラベル店舗106の店舗利用、および上記端末や装置を利用した鳥非違を含むサービスを提供する権利を獲得できる。これにより、従来各銀行で運営してきた店舗及び端末や装置、あるいはこれらに必要であった固定資産を保持する必要がなくなり、低コストで窓口業務を含む店舗でのサービスを実現することができる。
【0072】
また、利用者1005は、従来通り、取引手数料1003を支払うことで、ATM107やVTM108を利用することができ、サービスまたは商品1004の提供を受けることができる。
【0073】
さらに、ホワイトラベル店舗の運営側となる企業は、ホワイトラベル店舗106及び上記端末や装置の保守員1009に対して保守費1007を支払うことで、上記ホワイトラベル店舗106及び上記端末や装置の保守維持サービス1008の提供を受けることができる。また、上記運営側となる企業は、現金輸送などの警備警送費1010を警備会社1012に支払い、警備警送サービス1011の提供を受けることができる。さらに、上記運営側となる企業は、ホワイトラベル店舗106及び上記端末や装置の監視費用1013を支払い、オペレータ1015により、利用者に対する遠隔操作を行うオペレーション1014を含む監視サービスを提供すことができる。さらに、上記運営側となる企業は、ATM107およびVTM108を保有し、銀行窓口業務を代行するサービスを提供することも可能である。
【0074】
このように、本システムでは、ユーザである利用者が取引のために操作する端末(例えば、ATM107、VTM108)と、1または複数の銀行システム101と接続し上記端末において生成される取引情報に基づいて処理を行う第1の管理装置(例えば、既存プロトコル管理装置104)とを有する端末管理システム1000において、上記第1の管理装置と接続し、上記端末から上記取引情報を受信する第2の管理装置(例えば、ホワイトラベル対応プロトコル管理装置)をさらに備え、上記第2の管理装置は、上記端末との間で上記取引のために上記銀行システムに共通して用いられる共通取引情報を処理するための共通電文処理部405と、上記銀行システムまたは上記第1の管理装置との間で解釈可能な個別取引情報と上記共通取引情報とを対応付けた対応付けテーブルを用いて、上記共通取引情報を上記個別取引情報に変換する電文変換処理部404とを有するので、例えば、複数あるうちのある銀行が、自行とは異なる店舗の端末や装置を用いて、自行の窓口業務をエンドユーザに提供するための環境を提供することができる。
【0075】
また、上記システムでは、いずれの上記銀行システムであるかを示す識別情報(例えば、金融機関コード)と、当該識別情報により識別された銀行システムで処理可能な取引とを対応付けた処理テーブル701を有し、上記第2の管理装置の共通電文処理部405は、上記共通取引情報に含まれる上記銀行システムの識別情報と、上記処理テーブルまたは上記対応付けテーブルとに基づいて、上記取引のために接続すべき銀行システムを選択する。これにより、各銀行システムで処理可能な取引を自動的に判定し、処理を振り分けることができる。
【0076】
また、上記第2の管理装置の電文変換処理部404は、上記対応付けテーブルを用いて、上記銀行システムまたは上記第1の管理装置から上記銀行システムでの処理結果を含む上記個別取引情報を上記共通取引情報に変換し、上記第2の管理装置の共通電文処理部404は、上記変換された上記共通取引情報を上記端末に送信するので、銀行ごとに定められたフォーマットから各銀行で用いられる共通のフォーマットに再変換し、既存のシステムに影響を与えることなく取引を行うことができる。
【0077】
また、上記第2の管理装置の電文変換処理部404は、上記取引の種類(例えば、出金取引や入金取引といった取引種別)に応じて、上記変換後の個別取引情報を、上記取引のために接続すべき銀行システムに直接送信するか、または当該銀行システムに接続された上記第1の管理装置を経由して送信するかを選択してもよい。これにより、例えば、新規のデバイスまたは機能をサポートしない場合には、従来通り既存プロトコル管理装置104を介して取引を行うことができる。
【0078】
また、上記対応付けテーブルは、上記銀行システムを有する金融機関の支店または店舗ごとに設けられ、上記第2の管理装置の電文変換処理部は、上記支店または店舗ごとに設けられた上記対応付けテーブルを用いて、当該支店または店舗から受信された上記共通取引情報を上記個別取引情報に変換してもよい。この場合、金融機関が管轄するそれぞれの支店や店舗での取引の種類に応じて、共通取引情報と個別取引情報との間の変換が可能となる。
【符号の説明】
【0079】
1000 端末管理システム
101 銀行システム
102 窓口オペレータ端末
103 DB
104 既存プロトコル管理装置
105 ホワイトラベル対応プロトコル管理装置
106 ホワイトラベル店舗
107 自動現金取引装置(ATM)
108 ビデオ取引装置(VTM)
404 電文変換処理部
405 共通電文処理部
701 処理テーブル