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特許7316266細胞内ATPの生細胞分析のための方法と組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】細胞内ATPの生細胞分析のための方法と組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/62 20060101AFI20230720BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230720BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20230720BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20230720BHJP
   C07K 14/435 20060101ALI20230720BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230720BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230720BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230720BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230720BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
C12N15/62 Z ZNA
C12N15/63 Z
C07K19/00
C07K14/47
C07K14/435
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N15/12
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020514983
(86)(22)【出願日】2019-03-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019021171
(87)【国際公開番号】W WO2019173604
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-02-08
(31)【優先権主張番号】62/640,983
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520431409
【氏名又は名称】ザルトリウス バイオアナリティカル インストゥルメンツ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アップルドーン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シュラム,シシリー
(72)【発明者】
【氏名】フィローノフ,グリゴリー
(72)【発明者】
【氏名】シュローダー,カーク
【審査官】千葉 直紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/094885(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/036178(WO,A1)
【文献】ACS Chem. Biol., 2011, Vol. 6, pp. 709-715
【文献】Biotechnology and Bioengineering, 2014, Vol. 111, No. 7, pp. 1288-1295
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X1-X2-X3-X4-X5属のポリペプチドを含む融合タンパク質であって、
X1及びX5のうちの一方が受容体励起波長及び蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)発光波長を有するFRET受容体ポリペプチドを含み、X1及びX5のうちの他方が供与体励起波長及び供与体発光波長を有するFRET供与体ポリペプチドを含み、
X2及びX4が独立してアミノ酸リンカーであり、
X3がATP結合タンパク質を含み、
前記ATP結合タンパク質によるATPの結合が前記FRET受容体ポリペプチドと前記FRET供与体ポリペプチドとの相互作用を引き起こす、
融合タンパク質であって
i)X2及びX4が両方ともAである、又は
ii)X2がSであり、X4がAである、又は
iii)X2が存在せず、X4がFFである、又は
iv)X2がVであり、X4がFLである、又は
v)X2がTであり、X4がGTSG(配列番号21)である、又は
vi)X2がSであり、X4がSAである、
融合タンパク質。
【請求項2】
i)前記FRET受容体ポリペプチドが、配列番号1~3の1個以上のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一であり、かつ、発色団において同一であるアミノ酸配列を含む、及び/又は
ii)前記FRET供与体ポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも85%、87%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一であり、かつ、発色団において同一であるアミノ酸配列を含む、及び/又は
iii)X3が、配列番号5~6からなる群から選択されるアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも65%、67%、68%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含むATP結合タンパク質を含む、
請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
配列番号7~11からなる群から選択されるアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1又は2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
配列番号7のアミノ酸配列を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の融合タンパク質と組み合わせて使用されるコントロール融合タンパク質であって、
X1-X2-X3-X4-X5属のポリペプチドを含
X1及びX5のうちの一方が受容体励起波長及び蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)発光波長を有するFRET受容体ポリペプチドを含み、X1及びX5のうちの他方が供与体励起波長及び供与体発光波長を有するFRET供与体ポリペプチドを含み、
X2及びX4が独立してアミノ酸リンカーであり、
X3がATPに結合しないコントロールタンパク質を含む、
コントロール融合タンパク質であって
i)X2及びX4が両方ともAである、又は
ii)X2がSであり、X4がAである、又は
iii)X2が存在せず、X4がFFである、又は
iv)X2がVであり、X4がFLである、又は
v)X2がTであり、X4がGTSG(配列番号21)である、又は
vi)X2がSであり、X4がSAである、
コントロール融合タンパク質。
【請求項6】
i)前記FRET受容体ポリペプチドが、配列番号1~3の1個以上のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一であり、かつ、発色団において同一であるアミノ酸配列を含む、及び/又は
ii)前記FRET供与体ポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも85%、87%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一であり、かつ、発色団において同一であるアミノ酸配列を含む、及び/又は
iii)X3が、配列番号12のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも65%、67%、68%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を含み、下線付き及び太字の残基はKでなければならない、
請求項5に記載のコントロール融合タンパク質。
【請求項7】
配列番号13のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも65%、67%、68%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含み、下線付き及び太字の残基はKでなければならない、請求項5又は6に記載のコントロール融合タンパク質。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【請求項9】
請求項4に記載の融合タンパク質をコードする、請求項8に記載のポリヌクレオチド。
【請求項10】
請求項8に記載のポリヌクレオチドをコードする発現ベクターであって、前記ポリヌクレオチドが、前記ポリヌクレオチドの発現を指示することができるプロモーター配列に作用可能に連結されている、発現ベクター。
【請求項11】
前記ポリヌクレオチドが請求項4に記載の融合タンパク質をコードする、請求項10に記載の発現ベクター。
【請求項12】
請求項8又は9に記載のポリヌクレオチド、又は請求項10又は11に記載の発現ベクターを含む、組換え宿主細胞。
【請求項13】
請求項9に記載のポリヌクレオチドを含む、組換え宿主細胞。
【請求項14】
請求項11に記載の発現ベクターを含む、組換え宿主細胞。
【請求項15】
前記宿主細胞が安定な形質転換細胞株の細胞である、請求項12から14のいずれか1項に記載の組換え宿主細胞。
【請求項16】
請求項5から7のいずれか1項に記載のコントロール融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【請求項17】
請求項16に記載のポリヌクレオチドをコードする発現ベクターであって、前記ポリヌクレオチドが前記ポリヌクレオチドの発現を指示することができるプロモーター配列に作用可能に連結される、発現ベクター。
【請求項18】
請求項16に記載のポリヌクレオチド、又は請求項17に記載の発現ベクターを含む、組換え宿主細胞。
【請求項19】
前記宿主細胞が安定な形質転換細胞株の細胞である、請求項18に記載の組換え宿主細胞。
【請求項20】
キットであって、
(a)請求項1から4のいずれか1項に記載の融合タンパク質、請求項8又は9に記載のポリヌクレオチド、請求項10又は11に記載の発現ベクター、及び/又は請求項12から15のいずれか1項に記載の組換え宿主細胞と、
(b)請求項5から7のいずれか1項に記載のコントロール融合タンパク質、請求項16に記載のポリヌクレオチド、請求項17に記載の発現ベクター、及び/又は請求項18又は19に記載の組換え宿主細胞と、
を含む、キット。
【請求項21】
(a)請求項8又は9に記載のポリヌクレオチドと、
(b)請求項16に記載のポリヌクレオチドと、
を含む、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
(a)請求項9に記載のポリヌクレオチドと、
(b)請求項16に記載のポリヌクレオチドと、
を含む、請求項20に記載のキット。
【請求項23】
(a)請求項10又は11に記載の発現ベクターと、
(b)請求項17に記載の発現ベクターと、
を含む、請求項20から22のいずれか1項に記載のキット。
【請求項24】
(a)請求項11に記載の発現ベクターと、
(b)請求項17に記載の発現ベクターと、
を含む、請求項20から22のいずれか1項に記載のキット。
【請求項25】
in vitroの対象細胞におけるATPのレベルを決定するための、請求項1から4のいずれか1項に記載の融合タンパク質の使用。
【請求項26】
ATPのin vitroアッセイ方法であって、
(a)請求項1から4のいずれか1項に記載の融合タンパク質を1つ以上の第1の細胞で発現させ、
(i)前記FRET供与体ポリペプチド励起波長を有する光に前記1つ以上の第1の細胞を曝露したときに、前記1つ以上の第1の細胞から発光された、前記FRET受容体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成された蛍光シグナルを検出することによって生成される第1の蛍光画像、及び/又は
(ii)前記FRET受容体ポリペプチド励起波長を有する光に前記1つ以上の第1の細胞を曝露したときに、前記1つ以上の第1の細胞から発光された、前記FRET受容体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成された蛍光シグナルを検出することによって生成される第2の蛍光画像、及び/又は
(iii)前記FRET供与体ポリペプチド励起波長を有する光に前記1つ以上の第1の細胞を曝露したときに、前記1つ以上の第1の細胞から発光された、前記FRET供与体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成された蛍光シグナルを検出することによって生成される第3の蛍光画像、
からなる群から選択される1つ以上の画像を生成することと、
(b)前記第1の蛍光画像、前記第2の蛍光画像、及び/又は前記第3の蛍光画像中の蛍光シグナルの出力を比較することによって、前記1つ以上の第1の細胞中のFRET比を決定することと、
を含み、
前記1つ以上の第1の細胞中のATPレベルが前記決定されたFRET比と比例する、
方法。
【請求項27】
請求項5から7のいずれか1項に記載のコントロール融合タンパク質を1つ以上の第1の細胞で発現させることと、前記1つ以上の第1の細胞から発光された受容体発光波長を有する光によって生成されたコントロールシグナルを検出することと、をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記1つ以上の第1の細胞を1つ以上の試験物質と接触させることと、前記1つ以上の第1の細胞におけるATPの存在に対する前記試験物質の効果を決定することと、をさらに含む、請求項26又は27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年3月9日に出願された米国仮特許出願第62/640983号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
薬物誘発性代謝摂動を監視する標準的なアプローチは、集団ベースの測定値と限られた動態情報を提供するエンドポイントアッセイに限定されている。細胞ATPレベルの直接的な自動生細胞分析を可能にする遺伝的にコードされたATPセンサーが、使用方法とともに本開示の態様に従って提供される。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、X1-X2-X3-X4-X5属のポリペプチドを含む融合タンパク質が開示され、
X1およびX5のうちの一方は、受容体励起波長および蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)発光波長を有するFRET受容体ポリペプチドを含み、X1およびX5のうちの他方は、供与体励起波長および供与体発光波長を有するFRET供与体ポリペプチドを含み、
X2およびX4は独立して、任意のアミノ酸リンカーであり、
X3はATP結合タンパク質を含み、
ATP結合タンパク質によるATPの結合は、FRET受容体ポリペプチドとFRET供与体ポリペプチドの相互作用を引き起こす。
【0004】
1つの実施形態では、X1はFRET受容体ポリペプチドを含み、X5はFRET供与体ポリペプチドを含む。別の実施形態では、X1はFRET供与体ポリペプチドを含み、X5はFRET受容体ポリペプチドを含む。様々な実施形態では、X2は1~2個のアミノ酸長のアミノ酸リンカーであるか、または存在しない。他の実施形態では、X2は、A、S、P、V、T、TS、IDからなる群から選択されるアミノ酸リンカーであるか、またはX2は存在しない。さらなる実施形態では、X4は、1~5個のアミノ酸長のアミノ酸リンカーであるか、またはX4は存在しない。他の実施形態では、X4は、AT、A、SA、GA、FF、PPPP(配列番号20)、FL、GTSG(配列番号21)、P、S、ANEFM(配列番号22)からなる群から選択されるアミノ酸リンカーであるか、またはX4は存在しない。様々な実施形態において、X2およびX4は両方ともAであり;X2はS、X4はAであり;
X2は存在せず、X4はFFであり;X2はV、X4はFLであり;X2はT、X4はGTSG(配列番号21)であり;または、X2はS、X4はSAである。別の実施形態では、X2およびX4はプロリン残基を含まない。他の実施形態において、FRET受容体ポリペプチドは、500~560nmの範囲の最大受容体励起波長および530~580nmの範囲の受容体最大発光波長を有する。さらなる態様において、FRET受容体ポリペプチドは、配列番号1~3の1つ以上のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であり、発色団で同一であるアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、FRET受容体ポリペプチド中のすべての任意のアミノ酸残基が存在する。1つの実施形態では、FRET供与体ポリペプチドは、450~500nmの範囲の最大供与体励起波長および480~515nmの範囲の最大供与体発光波長を有する。他の実施形態では、FRET供与体ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも85%、87%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であり、発色団で同一であるアミノ酸配列を含む。さらなる実施形態では、X3は、配列番号5~6からなる群から選択されるアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも65%、67%、68%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含むATP結合タンパク質を含む。別の実施形態では、融合タンパク質は、配列番号7~11からなる群から選択されるアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含む。
【0005】
別の態様では、X3がATPに結合しないコントロールタンパク質を含むことを除いて、本明細書に開示される融合タンパク質およびその成分のすべての実施形態および実施形態の組み合わせを含むコントロール融合タンパク質が開示される。1つの実施形態では、X3は、配列番号12のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも65%、67%、68%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含み、配列番号12の下線付きおよび太字の残基はKでなければならない。他の実施形態では、コントロール融合タンパク質は、配列番号13のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも65%、67%、68%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含み、配列番号13の下線付きおよび太字の残基はKでなければならない。
【0006】
さらなる態様では、本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせの融合タンパク質またはコントロールタンパク質をコードするポリヌクレオチドが開示される。他の態様では、本開示は、本開示のポリヌクレオチドをコードする発現ベクターを提供し、ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの発現を指示することができるプロモーター配列、および本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのポリヌクレオチドまたは発現ベクターを含む組換え宿主細胞に作用可能に連結される。1つの実施形態では、宿主細胞は、安定した形質転換細胞株の細胞である。
【0007】
さらなる態様では、本開示は、本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせの1つ以上の融合タンパク質および1つ以上のコントロール融合タンパク質を含むキットを提供する。別の態様では、本開示は、対象細胞におけるATPレベルを決定するための融合タンパク質の使用方法を提供する。1つの実施形態では、ATPをアッセイする方法は、
(a)本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせの融合タンパク質を1つ以上の第1の細胞で発現させ、
(i)1つ以上の第1の細胞を、FRET供与体ポリペプチド励起波長を有する光に曝露したときに、1つ以上の第1の細胞から発光されたFRET受容体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成される蛍光シグナルを検出することによって生成される第1の蛍光画像、および/または
(ii)1つ以上の第1の細胞を、FRET受容体ポリペプチド励起波長を有する光に曝露したときに、1つ以上の第1の細胞から発光されたFRET受容体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成される蛍光シグナルを検出することによって生成される第2の蛍光画像、および/または
(iii)1つ以上の第1の細胞を、FRET供与体ポリペプチド励起波長を有する光に曝露したときに、1つ以上の第1の細胞から発光されたFRET供与体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成される蛍光シグナルを検出することによって生成される第3の蛍光画像、からなる群から選択される1つ以上の画像を生成することと、
(b)第1の蛍光画像、第2の蛍光画像、および/または第3の蛍光画像における蛍光シグナルの出力を比較することにより、1つ以上の第1の細胞におけるFRET比を決定することと、を含み、
1つ以上の第1の細胞におけるATPのレベルは、決定されたFRET比に比例する。1つの実施形態では、本方法は、本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのコントロール融合タンパク質を1つ以上の第1の細胞で発現させること、および1つ以上の第1の細胞から発光された受容体発光波長を有する光によって生成されるコントロールシグナルを検出することをさらに含む。1つの実施形態では、コントロールシグナルを検出することは、
(c)本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのコントロール融合タンパク質を1つ以上のコントロール細胞(第1の細胞または第2の細胞など)で発現させ、
(i)1つ以上のコントロール細胞を、FRET供与体ポリペプチド励起波長を有する光に曝露したときに、1つ以上のコントロール細胞から発光されたFRET受容体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成される蛍光シグナルを検出することによって生成される第4の蛍光画像、および/または
(ii)1つ以上のコントロール細胞を、FRET受容体ポリペプチド励起波長を有する光に曝露したときに、1つ以上のコントロール細胞から発光されたFRET受容体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成される蛍光シグナルを検出することによって生成される第5の蛍光画像、および/または
(iii)1つ以上のコントロール細胞を、FRET供与体ポリペプチド励起波長を有する光に曝露したときに、1つ以上のコントロール細胞から発光されたFRET供与体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成される蛍光シグナルを検出することによって生成される第6の蛍光画像、からなる群から選択される1つ以上の画像を生成することと、
(d)第4の蛍光画像、第5の蛍光画像、および/または第6の蛍光画像の蛍光シグナルの出力を比較することにより、1つ以上のコントロール細胞におけるコントロール融合FRET比を決定することと、を含み、
コントロール融合FRET比の変化は、ATP結合とは無関係の実験条件の結果であると決定され、決定されたFRET比は、コントロール融合FRET比の変化に基づいて修正される。
【0008】
さらなる実施形態では、1つ以上の第1の細胞はインキュベーター内で培養されており、インキュベーターから1つ以上の第1の細胞を取り出すことなくすべての画像化ステップが実行される。別の実施形態では、本方法は、1つ以上の第1の細胞を1つ以上の試験物質と接触させ、1つ以上の第1の細胞におけるATPの存在に対する試験物質の効果を決定することをさらに含む。別の実施形態において、1つ以上の第1の細胞におけるATPの存在に対する1つ以上の試験物質の効果は、1分~3ヶ月の範囲の期間にわたって連続的または断続的に決定される。
【0009】
別の態様において、本開示は、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドならびに融合タンパク質自体を提供し、融合タンパク質は、受容体励起波長およびFRET発光波長を有するFRET受容体である第1のフルオロフォアであって、N-末端およびC-末端を有する第1のフルオロフォア、N-末端およびC-末端を有するATP結合タンパク質、ならびに供与体励起波長および供与体発光波長を有するFRET供与体である第2のフルオロフォアであって、N-末端およびC-末端を有する第2のフルオロフォアを含み、第1のリンカーは第1のフルオロフォアのC-末端とATP結合タンパク質のN-末端との間に配置され、第2のリンカーはATP結合タンパク質のC-末端と第2のフルオロフォアのN-末端との間に配置され、第1のフルオロフォア、ATP結合タンパク質、および第2のフルオロフォアは、ATP結合タンパク質によるATP結合が第1のフルオロフォアと第2のフルオロフォアとの相互作用を引き起こして、供与体励起波長を有する光に曝された時にFRET発光シグナルを生成するように作用可能に連結される。他の実施形態では、ポリヌクレオチドは作用可能に連結されたプロモーターをさらに含み、ポリヌクレオチドは発現ベクターに含まれ、ポリヌクレオチドまたは発現ベクターを含む宿主細胞が開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】処理2時間後のビヒクル処理細胞のFRET比から薬物処理細胞のFRET比を引くことにより、本開示の例示的な融合タンパク質について計算されたシグナルウィンドウのグラフ表示である。
図2A】各センサーの安定した発現を有する細胞株で、本開示の例示的な融合タンパク質を用いて観察されたFRET比のグラフ比較((A)GO-ATeam1および(B)A1)である。
図2B】各センサーの安定した発現を有する細胞株で、本開示の例示的な融合タンパク質を用いて観察されたFRET比のグラフ比較((A)GO-ATeam1および(B)A1)である。
図3A】10mM ATPの存在下および非存在下でインキュベートされた本開示の例示的な融合タンパク質を用いて観察された励起スペクトルのグラフ比較である。センサーA1(GO-ATeam-A1)のパフォーマンス(図3A)は、GO-Ateam1センサーのパフォーマンス(図3B)と比較した場合、シグナルウィンドウで2倍超の増加を示している(ATP結合(実線)とATP非結合状態(破線)との比較)。
図3B】10mM ATPの存在下および非存在下でインキュベートされた本開示の例示的な融合タンパク質を用いて観察された励起スペクトルのグラフ比較である。センサーA1(GO-ATeam-A1)のパフォーマンス(図3A)は、GO-Ateam1センサーのパフォーマンス(図3B)と比較した場合、シグナルウィンドウで2倍超の増加を示している(ATP結合(実線)とATP非結合状態(破線)との比較)。
図4】標準培地で増殖させた細胞での、それぞれ2DGおよびKCNによる解糖およびOXPHOSの同時阻害によるATP枯渇(図4A)。データは、ATP枯渇の時間経過と2DGとKCNの同時処理の濃度依存性を示している。グルコースまたはガラクトース培地で増殖した細胞での細胞傷害性化合物(クロルプロマジン、図4B)と細胞毒性化合物(ロテノン、図4C)との比較。最初の2つのパネルは、示されているようにグルコースまたはガラクトースで増殖した細胞における24時間の時間経過にわたる各化合物の効果を示している。3番目のパネルは、24時間の時点での各化合物の濃度反応曲線を示している。細胞傷害性化合物は、両方の培地条件下で同様の効果を示すが、細胞毒性化合物は、ガラクトースで増殖した細胞でより多くのATP枯渇を誘発する。
図5A】線維芽細胞との単培養または共培養における乳癌細胞株におけるCB-839の効果。代表的なデータは、CCD-1068Sk線維芽細胞との共培養によって弱められるトリプルネガティブ乳癌(TNBC)細胞の長期にわたるATP枯渇を示している(図5A)。対照的に、受容体陽性細胞はCB-839処理から48時間以内に回復を示し、反応は線維芽細胞の存在による影響を受けなかった(図5B)。
図5B】線維芽細胞との単培養または共培養における乳癌細胞株におけるCB-839の効果。代表的なデータは、CCD-1068Sk線維芽細胞との共培養によって弱められるトリプルネガティブ乳癌(TNBC)細胞の長期にわたるATP枯渇を示している(図5A)。対照的に、受容体陽性細胞はCB-839処理から48時間以内に回復を示し、反応は線維芽細胞の存在による影響を受けなかった(図5B)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用される科学用語および技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有することを意図している。このような用語は、J.Sambrook and D.W.Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press;3rd Ed.,2001、F.M.Ausubel,Ed.,Short Protocols in Molecular Biology,Current Protocols;5th Ed.,2002、B.Alberts et al,Molecular Biology of the Cell,4th Ed.,Garland,2002、D.L.Nelson and M.M.Cox,Lehninger Principles of Biochemistry,4th Ed.,W.H.Freeman & Company,2004、およびHerdewijn,P.(Ed.),Oligonucleotide Synthesis:Methods and Applications,Methods in Molecular Biology,Humana Press,2004を例示的に含む、様々な標準的な参考文献の文脈に見出され、定義され、使用されている。
【0012】
単数形の用語「a」、「an」、および「the」は、特に明記しない限り、または特に文脈が明確に示さない限り、限定することを意図せず、複数の指示対象を含む。
【0013】
本明細書に開示されるすべての実施形態は、特に文脈が明確に示さない限り組み合わせることができる。
【0014】
第1の態様では、本開示は、X1-X2-X3-X4-X5属のポリペプチドを含む融合タンパク質であって、
X1およびX5のうちの一方は、受容体励起波長および蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)発光波長を有するFRET受容体ポリペプチドを含み、X1およびX5のうちの他方は、供与体励起波長および供与体発光波長を有するFRET供与体ポリペプチドを含み、
X2およびX4は独立して、任意のアミノ酸リンカーであり、
X3はATP結合タンパク質を含み、
ATP結合タンパク質によるATPの結合は、FRET受容体ポリペプチドとFRET供与体ポリペプチドの相互作用を引き起こす、融合タンパク質を提供する。
【0015】
この第1の態様の融合タンパク質は、以下の例で詳述するように、例えば生細胞のATPを検出および測定するために使用できる。
【0016】
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)は、励起された供与体フルオロフォアから供与体に近接した適切な受容体フルオロフォアへの非放射エネルギー移動である。本開示の融合タンパク質で使用するためのFRETフルオロフォア供与体/受容体ポリペプチドペアの選択には、それぞれの吸収および発光波長が考慮される。本明細書の教示に基づいて、当業者は、特定の用途において様々なフルオロフォアのどれをFRET供与体/受容体ポリペプチドペアとして使用するかを容易に決定することができる。
【0017】
1つの実施形態では、X1はFRET受容体ポリペプチドを含み、X5はFRET供与体ポリペプチドを含む。別の実施形態では、X1はFRET供与体ポリペプチドを含み、X5はFRET受容体ポリペプチドを含む。
【0018】
緑色蛍光タンパク質、ならびにBFP、EBFP、EBFP2、ECFP、RFP、およびYFPなどの誘導体、ならびに本明細書に記載の他のポリペプチドフルオロフォアを含むが、これらに限定されない、任意の適切なポリペプチドフルオロフォアを使用することができる。
【0019】
別の実施形態では、FRET受容体ポリペプチドは、500~560nmの範囲の最大受容体励起波長および530~580nmの範囲の受容体最大発光波長を有する。以下の実施例に記載される別の実施形態では、FRET受容体ポリペプチドは、配列番号1~3の1つ以上のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であり、発色団と同一であるアミノ酸配列を含む(強調された残基によって示される)。括弧内の残基は、全体を通して任意である。
【化1】
【0020】
1つの実施形態では、FRET受容体ポリペプチド中のすべての任意のアミノ酸残基が存在する。
【0021】
別の実施形態において、FRET供与体ポリペプチドは、450~500nmの範囲の最大供与体励起波長および480~515nmの範囲の最大供与体発光波長を有する。以下の実施例に記載される別の実施形態では、FRET供与体ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも85%、87%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であり、発色団で同一であるアミノ酸配列を含む(強調された残基)。
【化2】
【0022】
配列番号4と必要なアミノ酸配列同一性を有し、本開示の融合タンパク質で使用できる、例示的なFRET供与体ポリペプチドは、以下の表1に列挙される。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0023】
任意の適切なATP結合タンパク質は、意図する用途に適切であるとみなされるように、融合タンパク質に使用することができる(すなわち、アッセイする細胞型で発現できるなど)。以下の実施例に記載される非限定的な実施形態では、X3は、配列番号5~6からなる群から選択されるアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも65%、67%、68%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むATP結合タンパク質を含む(括弧内の残基は任意である)。
配列番号5:バチルススブチリスF-ATPシンターゼの修飾εサブユニット
(M)KTVKVNITTPDGPVYDADIEMVSVRAESGDLGILPGHIPTKAPLKIGAVRLKKDGQTEMVAVSGGTVEVRPDHVTINAQAAETAEGIDKERAEAARQRAQERLNSQSDDTDIRRAELALQRALNRLDVAGK
配列番号6バチルス種のεサブユニットからの2つの要素を有するバチルススブチリスF-ATPシンターゼの修飾εサブユニット。PS3F-ATPシンターゼ、MからYへの変異、およびGKからEMKへの置換(太字)。
【化3】
【0024】
配列番号5~6と必要なアミノ酸配列同一性を有し、本開示の融合タンパク質で使用できる、例示的なATP結合タンパク質は、以下の表2に列挙される。
表2
●複数種:ATPシンターゼイプシロン鎖[バチルス]、97%、gi|489320353|WP_003227688.1
●ATPシンターゼイプシロン鎖[バチルススブチリス]、96%、gi|505296717|WP_015483819.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、96%、gi|504291152|WP_014478254.1
●ATPシンターゼイプシロン鎖[バチルステキレンシス]、95%、gi|639655008|WP_024713798.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、95%、gi|545118192|WP_021480810.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス種FMQ74]、95%、gi|1102032633|WP_071577657.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、95%、gi|1280952059|WP_100275394.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルススブチリス属]、95%、gi|1039477827|WP_064816018.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[枯草菌]、94%、gi|1207627978|WP_087992693.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、94%、gi|745781482|WP_039075208.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、92%、gi|498018072|WP_010332228.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスハロトレランス]、92%、gi|570758358|WP_024123161.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルススブチリス属]、89%、gi|489420817|WP_003326558.1
●複数種:ATPシンターゼイプシロン鎖[バチルス]、87%、gi|489242972|WP_003151176.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスナカムライ]、86%、gi|1004344994|WP_061522539.1
●複数種:ATPシンターゼF0F1サブユニットイプシロン[バチルス]、86%、gi|921995573|WP_053285344.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、86%、gi|740674878|WP_038460167.1
●複数種:ATPシンターゼイプシロン鎖[バチルス]、86%、gi|723597160|WP_033574395.1
●複数種:ATPシンターゼイプシロン鎖[バチルス]、85%、gi|503119226|WP_013353907.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスベレゼンシス]、86%、gi|1207676870|WP_088037238.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、95%、gi|489314501|WP_003221882.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルススウェゼイイ(Bacillus swezeyi)]、82%、gi|1140910370|WP_076759287.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、82%、gi|651594109|WP_026589081.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、82%、gi|489278336|WP_003186004.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスソノレンシス]、82%、gi|493689352|WP_006639406.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、82%、gi|521288986|WP_020453254.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、82%、gi|806497211|WP_046130316.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスグリシニフェルメンタンス]、81%、gi|860247715|WP_048355651.1
●ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルススブチリス XF-1]、95%、gi|449030049|AGE65288.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスゴビエンシス]、75%、gi|926266349|WP_053604535.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[アノキシバチルスビタミニフィルス]、73%、gi|1408392372|WP_111644740.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス種J37]、73%、gi|651531384|WP_026563116.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、73%、gi|736227472|WP_034318329.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスキアメネンシス]、73%、gi|495630347|WP_008354926.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスファスチジオスス]、72%、gi|1054351039|WP_066230885.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスオヌベンシス]、71%、gi|1272187322|WP_099360911.1
●複数種:ATPシンターゼF0F1サブユニットイプシロン[バチルス]、73%、gi|915975869|WP_050944437.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス種MBGLi79]、81%、gi|1339810892|AUZ40790.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスプミルス]、73%、gi|1002946034|WP_061409853.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス種YN-1]、71%、gi|1493450619|WP_121448499.1
●ATPシンターゼイプシロン鎖[バチルスプミルス]、73%、gi|763278706|WP_044140142.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、72%、gi|736652987|WP_034660282.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスオヌベンシス]、70%、gi|1272175367|WP_099354575.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、72%、gi|495618814|WP_008343393.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスサフェンシス]、72%、gi|1207611961|WP_087977756.1
●複数種:ATPシンターゼイプシロン鎖[バチルス]、72%、gi|489307156|WP_003214592.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスプミルス]、72%、gi|1274554308|WP_099682181.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスアウストラリマリス]、72%、gi|983547050|WP_060698605.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスインジクス]、71%、gi|657860862|WP_029566603.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスアルベアユエンシス]、71%、gi|765542636|WP_044749357.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス種NMTD17]、72%、gi|1360795247|WP_106071342.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[アノキシシバチルス]、67%、gi|765534407|WP_044741555.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスストラトスフェリクス]、71%、gi|494762215|WP_007497623.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスシネサロウメンシス]、70%、gi|1148930458|WP_077619903.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスウェイハイエンシス]、71%、gi|1119658527|WP_072578188.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスインジクス]、71%、gi|657040285|WP_029283365.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス種HNG]、69%、gi|1452393681|WP_116352015.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス種HMSC76G11]、69%、gi|1093537853|WP_070877088.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、68%、gi|736761603|WP_034765168.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、68%、gi|692164220|WP_032086917.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス種UMB0893]、69%、gi|1325663800|WP_101567345.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス種MKU004]、68%、gi|1035730730|WP_064567821.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス]、68%、gi|764371645|WP_044339984.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスリトラリス]、71%、gi|1054559304|WP_066328627.1
●ATPシンターゼイプシロン鎖[バチルスプミルス]、71%、gi|1129140162|OLP66784.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスチモネンシス]、69%、gi|498363035|WP_010677191.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[パラゲオバチルスサ-モグルコシダシウス]、69%、gi|1035712219|WP_064552783.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[ゲオバチルス]、69%、gi|496156185|WP_008880692.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスアウイマリス]、68%、gi|1430927033|WP_113969229.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[アノキシバチルステピダマンス]、67%、gi|653159045|WP_027408017.1
●ATPシンターゼイプシロン鎖[パラゲオバチルストエビイ]、69%、gi|1004920835|KYD29843.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バシラス科]、69%、gi|1011859921|WP_062678125.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスアルカリテルリス]、71%、gi|1154169450|WP_078543435.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスカメリアエ]、70%、gi|1316769867|WP_101356051.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[ゲオバチルスゲノモスプ3]、70%、gi|530784737|WP_020961503.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス種SJS]、68%、gi|737427371|WP_035408062.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスメタノリカス]、68%、gi|489441322|WP_003346791.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスホリコシイ]、68%、gi|1025825400|WP_063559286.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスサルスス]、69%、gi|1222808566|WP_090853330.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスアクイマリス]、67%、gi|1031446442|WP_064091927.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスヒュミ]、67%、gi|953347474|WP_057998216.1
●ATPシンターゼイプシロン鎖[ゲオバチルスステアロサーモフィルス]、69%、gi|1017231308|KZE96595.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[ゲオバチルス]、70%、gi|1017204529|WP_063167198.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[ゲオバチルスリツアニクス]、70%、gi|1229394455|WP_094239354.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[ゲオバチルスサーモデニトリフィカンス]、69%、gi|1293369325|WP_100660569.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスバタビエンシス]、67%、gi|494146406|WP_007086152.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス種CHD6a]、68%、gi|983512443|WP_060664609.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスホリコシイ]、68%、gi|1207658166|WP_088019729.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス種LL01]、68%、gi|847255533|WP_047970236.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスソリ]、68%、gi|1053820122|WP_066072952.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[ゲオバチルス種46C-IIa]、69%、gi|1173351582|WP_081207861.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスメタノリカス]、69%、gi|489446343|WP_003351763.1
●複数種:F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[ゲオバチルス]、68%、gi|765520579|WP_044732826.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルス種FJAT-14578]、68%、gi|654945804|WP_028395968.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[パラゲオバチルスサーマンタルクチクス]、68%、gi|1222906556|WP_090949501.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスマリスフラビ]、68%、gi|850295930|WP_048004873.1
●F0F1 ATPシンターゼサブユニットイプシロン[バチルスマリスフラビ]、68%、gi|850330602|WP_048014185.1
【0025】
1つの実施形態では、アミノ酸リンカー(X2)はX1とX3の間に存在し、アミノ酸リンカー(X4)はX3とX5の間に存在する。任意の適切なアミノ酸リンカーを使用でき、詳細なガイダンスは次の例で提供される。様々な実施形態では、X2は、0~2、1~2、0、1、または2個のアミノ酸長のアミノ酸リンカーである。様々なさらなる実施形態において、
●X2は、A、S、P、V、T、TS、IDからなる群から選択されるアミノ酸リンカーであるか、またはX2は存在しない、
●X2は、A、S、V、T、TS、およびIDからなる群から選択されるアミノ酸リンカーであるか、または
●X2は、A、S、V、およびTからなる群から選択されるアミノ酸リンカーである。
【0026】
他の実施形態では、X4は、1~5、1~4、1~3、1~2、1、2、3、4、または5個のアミノ酸長のアミノ酸リンカーであるか、またはX4は存在しない。様々なさらなる実施形態において、
●X4は、AT、A、SA、GA、FF、PPPP(配列番号20)、FL、GTSG(配列番号21)、P、S、ANEFM(配列番号22)からなる群から選択されるアミノ酸リンカーであるか、またはX4は存在しない、
●X4は、AT、A、SA、GA、FF、FL、P、およびSからなる群から選択されるアミノ酸リンカーであるか、または
●X4は、A、FF、FL、およびGTSG(配列番号21)からなる群から選択されるアミノ酸リンカーである。
【0027】
さらに特定の実施形態において、
●X2とX4は両方ともAであり、
●X2はS、X4はAであり、
●X2は存在せず、X4はFFであり、
●X2はV、X4はFLであり、
●X2はT、X4はGTSG(配列番号21)であり、または
●X2はS、X4はSAである。
【0028】
別の実施形態では、リンカーを柔軟に維持するために、X2およびX4はプロリン残基を含まない。
【0029】
さらなる実施形態では、融合タンパク質は、配列番号7~11からなる群から選択されるアミノ酸配列(以下の例で使用される名称を指す名前)の長さに沿って少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含むか、または、以下の配列と同じであるが、以下に示されるリンカー(X2およびX4)(強調表示)は以下の例の表3に示される他のコンストラクトのリンカーと置き換えられるアミノ酸配列を含む。
配列番号7 GO-ATeam-A1
mKOk蛍光タンパク質(アミノ酸1~218)、第1のアラニンリンカー(アミノ酸219)、ATP結合タンパク質(アミノ酸220~351)、第2のアラニンリンカー(アミノ酸352)、およびcpmEGFP蛍光タンパク質(アミノ酸353~598)を含む融合タンパク質
【化4-1】
【化4-2】
【化4-3】
【0030】
第2の態様では、本開示は、例えば生細胞中のATPを検出および測定するアッセイのコントロールとして、本開示の第1の態様の活性融合タンパク質と一緒に使用できるコントロール融合タンパク質を提供する。コントロール融合タンパク質は、本開示の第1の態様の融合タンパク質と同じ一般式(X1-X2-X3-X4-X5)を有する。第1の態様について開示されたX1、X2、X4、およびX5ドメインのすべての実施形態は、コントロール融合タンパク質に等しく適用可能である。X3ドメインは、ATPに結合しないコントロールタンパク質を含むことにより、コントロール融合タンパク質とは異なる。任意の適切なコントロールタンパク質を使用できる。1つの実施形態では、コントロールタンパク質は、配列番号12のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも65%、67%、68%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含み、下線付きおよび太字の残基はKでなければならない。
【化5】
【0031】
この実施形態のコントロールタンパク質は、上記に開示されたATP結合タンパク質と密接に関連しており、上記の必要なリジン残基を有する点で異なり、このことはATP結合活性を無効にする。
【0032】
1つの具体的な実施形態では、コントロール融合タンパク質は、配列番号13のアミノ酸配列の長さに沿って少なくとも65%、67%、68%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含み、下線付きおよび太字の残基はKでなければならない。
【化6】
【0033】
この実施形態では、イタリック体で下線付きのリンカー残基は、実施例の表3に列挙されたものを含むがこれらに限定されない、任意の適切なリンカー残基に修飾することができる。
【0034】
本出願全体で使用される場合、「タンパク質」という用語は、その最も広い意味で使用されて、サブユニットアミノ酸の配列を指す。本明細書に記載のポリペプチドは、化学合成または組換え発現させることができる。
【0035】
当業者によって理解されるように、本開示の融合タンパク質は、記載された融合タンパク質には存在しないN-末端、C-末端、またはその両方に追加の残基を含むことがあり、これらの追加の残基は、参照ポリペプチドに対する本開示のポリペプチドの同一性の割合の決定には含まれない。そのような残基は、精製の目的に適したリガンド(Hisタグなど)およびポリペプチドに機能性を追加する追加のペプチドドメインを含むがこれらに限定されない、意図する用途に適した任意の残基であってよい。
【0036】
1つの実施形態では、参照融合タンパク質に対する変化は、保存的アミノ酸置換を含む。本明細書で使用される場合、「保存的アミノ酸置換」とは、融合タンパク質またはドメイン機能または他の特徴を変更しないか、または実質的に変更しないアミノ酸または核酸置換を意味する。所定のアミノ酸は、同様の物理化学的特性をもつ残基で置き換えることができ、例えば、1つの脂肪族残基を別のものに置き換える(Ile、Val、Leu、またはAlaなどを互いに)、または、1つの極性残基を別のものに置き換える(LysとArg間、GluとAsp間、またはGlnとAsn間など)ことができる。他のそのような保存的置換、例えば類似の疎水性特性を有する領域全体の置換はよく知られている。保存的アミノ酸置換を含むポリペプチドは、所望の活性が保持されていることを確認するために、本明細書に記載のアッセイで試験することができる。
【0037】
別の態様では、本開示は、本開示の任意の実施形態または実施形態の組み合わせの融合タンパク質またはコントロール融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供する。ポリヌクレオチドはRNAまたはDNAを含んでもよい。そのようなポリヌクレオチドは、ポリA配列、修飾コザック配列、およびエピトープタグをコードする配列、輸出シグナル、および分泌シグナル、核局在化シグナル、および血漿膜局在化シグナルを含むがこれらに限定されない、コードされたタンパク質の発現および/または精製を促進するのに有用な追加の配列を含んでよい。本明細書の教示に基づいて、どのポリヌクレオチドが本開示の融合タンパク質をコードするかは、当業者には明らかであろう。
【0038】
別の態様では、本開示は、ポリヌクレオチドの発現を指示することができるプロモーター配列に作用可能に連結された本開示の任意の実施形態または実施形態の組み合わせのポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターを提供する。「組換え発現ベクター」は、融合タンパク質の発現をもたらすことができる任意のプロモーター配列にポリヌクレオチドを機能的に連結するベクターを含む。本開示の核酸配列に作用可能に連結された「プロモーター配列」は、ポリヌクレオチドの発現をもたらすことができる核酸配列である。プロモーターは、ポリヌクレオチド発現を指示するように機能する限り、ポリヌクレオチドと隣接している必要はない。したがって、例えば、介在する非翻訳であるが転写された配列は、プロモーター配列とポリヌクレオチドの間に存在し得、プロモーター配列は依然としてコード配列に「作用可能に連結された」とみなされ得る。そのような発現ベクターは、プラスミドおよびウイルスベースの発現ベクターを含むがこれらに限定されない、当技術分野で公知の任意のタイプのものであり得る。プロモーターは、構成的(CMV、SV40、RSV、アクチン、EFを含むがこれらに限定されない様々なプロモーターのいずれかによって駆動される)でもよく、または誘導性(テトラサイクリン、エクジソン、ステロイド応答性を含むがこれらに限定されない多数の誘導性プロモーターのいずれかによって駆動される)でもよい。種々の実施形態において、発現ベクターは、プラスミド、ウイルスベースのベクター、または他の適切な発現ベクターを含むことができる。
【0039】
さらなる態様において、本開示は、本明細書に開示される組換え発現ベクターを含む宿主細胞を提供し、宿主細胞は原核生物または真核生物のいずれでもよい。本開示の発現ベクターを組み込むために、細胞を一時的または安定的に操作することができる。本開示による融合タンパク質を生成する方法は、本開示の追加部分である。この方法は、(a)本開示のこの態様に従って、融合タンパク質の発現を促す条件下で宿主を培養するステップ、および(b)場合により発現した融合タンパク質を回収するステップを含む。発現された融合タンパク質は、無細胞抽出物または細胞培養培地から回収することができる。
【0040】
別の態様では、本開示は、
(a)本開示の任意の実施形態または実施形態の組み合わせの融合タンパク質、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター、および/または融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含む組換え宿主細胞と、
(b)本開示の任意の実施形態または実施形態の組み合わせのコントロール融合タンパク質、コントロール融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、コントロール融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター、および/またはコントロール融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含む組換え宿主細胞と、を含むキットを提供する。
【0041】
この態様のキットは、例えば、以下の例で詳述するように、生細胞のATPを検出および測定するために使用できる。
【0042】
ATP結合融合タンパク質
本開示の態様によるATP結合融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドが提供され、ATP結合融合タンパク質は、受容体励起波長およびFRET発光波長を有するFRET受容体である第1のフルオロフォアであって、N-末端およびC-末端を有する第1のフルオロフォア、N-末端およびC-末端を有するATP結合タンパク質、ならびに供与体励起波長および供与体発光波長を有するFRET供与体である第2のフルオロフォアであって、N-末端およびC-末端を有する第2のフロオロフォアを含み、第1のリンカーは第1のフルオロフォアのC-末端とATP結合タンパク質のN-末端との間に配置され、第2のリンカーはATP結合タンパク質のC-末端と第2のフルオロフォアのN-末端との間に配置され、第1のフルオロフォア、ATP結合タンパク質、および第2のフルオロフォアは、ATP結合タンパク質によるATP結合が第1のフルオロフォアと第2のフルオロフォアとの相互作用を引き起こして、供与体励起波長を有する光に曝された時にFRET発光シグナルを生成するように作用可能に連結される。
【0043】
本開示の態様によれば、ATP結合融合タンパク質の第1のリンカーはアラニン残基であり、第2のリンカーはアラニン残基である。
【0044】
本開示の態様によれば、ATP結合融合タンパク質の第1のリンカーはセリン残基であり、第2のリンカーはアラニン残基である。
【0045】
本開示の態様によれば、ATP結合融合タンパク質の第1のリンカーは無効であり、第2のリンカーはフェニルアラニン-フェニルアラニンジペプチド残基である。
【0046】
本開示の態様によれば、ATP結合融合タンパク質の第1のリンカーはバリン残基であり、第2のリンカーはフェニルアラニン-ロイシンジペプチド残基である。
【0047】
本開示の態様によれば、ATP結合融合タンパク質の第1のリンカーはスレオニン残基であり、第2のリンカーはグリシン-スレオニン-セリン-グリシンペプチド残基である。
【0048】
本開示の態様によれば、ATP結合融合タンパク質の第1のリンカーはセリン残基であり、第2のリンカーはセリン-アラニンジペプチド残基である。
【0049】
本開示の態様によれば、ATP結合融合タンパク質の第2のリンカーはアスパラギン残基ではない、および/または含まない。
【0050】
融合タンパク質は、本開示の態様に従って提供され、融合タンパク質は、受容体励起波長およびFRET発光波長を有するFRET受容体である第1のフルオロフォアであって、N-末端およびC-末端を有する第1のフルオロフォア、N-末端およびC-末端を有するATP結合タンパク質、ならびに供与体励起波長および供与体発光波長を有するFRET供与体である第2のフルオロフォアであって、N-末端およびC-末端を有する第2のフルオロフォアを含み、第1のリンカーは第1のフルオロフォアのC-末端とATP結合タンパク質のN-末端との間に配置され、第2のリンカーはATP結合タンパク質のC-末端と第2のフルオロフォアのN-末端との間に配置され、第1のフルオロフォア、ATP結合タンパク質、および第2のフルオロフォアは、ATP結合タンパク質によるATP結合が第1のフルオロフォアと第2のフルオロフォアとの相互作用を引き起こして、供与体励起波長を有する光に曝された時にFRET発光シグナルを生成するように作用可能に連結される。
【0051】
本開示の態様によれば、融合タンパク質に含まれるATP結合タンパク質は、配列番号14によりコードされる配列番号5のATP結合タンパク質である。
【0052】
本開示の態様によれば、融合タンパク質に含まれるATP結合タンパク質は、ATPを結合する配列番号5の変異体であり、配列番号5と比較して1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の置換変異、追加または欠失を有する。
【0053】
本開示の態様によれば、融合タンパク質に含まれるATP結合タンパク質は、ATPを結合する配列番号5の変異体であり、高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下で配列番号14に結合する配列番号14の変異体によってコードされる。
【0054】
コントロール融合タンパク質
コントロール融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、本開示の態様に従って提供され、コントロール融合タンパク質は、受容体励起波長および受容体発光波長を有するFRET受容体である第1のフルオロフォアであって、N-末端およびC-末端を有する第1のフルオロフォア、N-末端およびC-末端を有するコントロール変異体ATP結合タンパク質であって、ATPを結合しないように変異されているコントロール変異体ATP結合タンパク質、ならびに供与体励起波長および供与体発光波長を有するFRET供与体である第2のフルオロフォアであって、N-末端およびC-末端を有する第2のフルオロフォアを含み、第1のリンカーは第1のフルオロフォアのC-末端とコントロール変異体ATP結合タンパク質のN-末端との間に配置され、第2のリンカーはコントロール変異体ATP結合タンパク質のC-末端と第2のフルオロフォアのN-末端との間に配置され、コントロール変異体ATP結合タンパク質はATPを結合しないため、第1のフルオロフォア、コントロール変異体ATP結合タンパク質、および第2のフルオロフォアは、コントロールとして機能するように作用可能に連結され、それにより、供与体励起波長を有する光に曝された時にFRET発光シグナルを生成するための第1のフルオロフォアと第2のフルオロフォアとの相互作用が、ATPの存在とは無関係の非特異的バッググランドシグナルを表す。
【0055】
本開示の態様によれば、コントロール融合タンパク質の第1のリンカーはアラニン残基であり、第2のリンカーはアラニン残基である。
【0056】
本開示の態様によれば、コントロール融合タンパク質の第1のリンカーはセリン残基であり、第2のリンカーはアラニン残基である。
【0057】
本開示の態様によれば、コントロール融合タンパク質の第1のリンカーは無効であり、第2のリンカーはフェニルアラニン-フェニルアラニンジペプチド残基である。
【0058】
本開示の態様によれば、コントロール融合タンパク質の第1のリンカーはバリン残基であり、第2のリンカーはフェニルアラニン-ロイシンジペプチド残基である。
【0059】
本開示の態様によれば、コントロール融合タンパク質の第1のリンカーはスレオニン残基であり、第2のリンカーはグリシン-スレオニン-セリン-グリシンペプチド残基である。
【0060】
本開示の態様によれば、コントロール融合タンパク質の第1のリンカーはセリン残基であり、第2のリンカーはセリン-アラニンジペプチド残基である。
【0061】
本開示の態様によれば、コントロール融合タンパク質の第2のリンカーはアスパラギン残基ではない、および/または含まない。
【0062】
コントロール融合タンパク質であって、受容体励起波長およびFRET発光波長を有するFRET受容体である第1のフルオロフォアであって、N-末端およびC-末端を有する第1のフルオロフォア、N-末端およびC-末端を有するコントロール変異体ATP結合タンパク質、ならびに供与体励起波長および供与体発光波長を有するFRET供与体である第2のフルオロフォアであって、N-末端およびC-末端を有する第2のフルオロフォアを含み、第1のリンカーは第1のフルオロフォアのC-末端とコントロール変異体ATP結合タンパク質のN-末端との間に配置され、第2のリンカーはコントロール変異体ATP結合タンパク質のC-末端と第2のフルオロフォアのN-末端との間に配置され、コントロール変異体ATP結合タンパク質はATPを結合しないため、第1のフルオロフォア、コントロール変異体ATP結合タンパク質、および第2のフルオロフォアは、コントロールとして機能するように作用可能に連結され、それにより、供与体励起波長を有する光に曝された時にFRET発光を生成するための第1のフルオロフォアと第2のフルオロフォアとの相互作用が、ATPの存在とは無関係の非特異的バッググランドシグナルを表す、コントロール融合タンパク質。
【0063】
本開示の態様によれば、コントロール融合タンパク質を含むATP結合タンパク質は、配列番号16によりコードされる配列番号15のATP結合タンパク質である。
【0064】
本開示の態様によれば、コントロール融合タンパク質に含まれる、ATPを結合しないコントロール変異体ATP結合タンパク質は、ATPを結合しない配列番号15の変異体であり、配列番号15と比較して1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の置換変異、追加または欠失を有する。
【0065】
本開示の態様によれば、融合タンパク質に含まれるコントロール変異体ATP結合タンパク質は、ATPを結合しない配列番号15の変異体であり、高ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で配列番号16に結合する配列番号16の変異体によってコードされる。
【0066】
本開示の態様によれば、本明細書に記載のポリヌクレオチドは、作用可能に連結されたプロモーターを含む。本開示の態様によれば、本明細書に記載のポリヌクレオチドは発現ベクターに含まれる。本開示の態様によれば、本明細書に記載のポリヌクレオチドおよび/または発現ベクターは、ポリヌクレオチドおよびそのコードされた融合タンパク質を発現する安定な形質転換細胞株などの宿主細胞に存在するが、これに限定されない。
【0067】
本開示の態様によれば、供与体フルオロフォアはcpmEGFPである。本開示の態様によれば、受容体フルオロフォアはmKOkである。
【0068】
ご承知のように、本開示の実施態様は本明細書に開示されるが、FRET供与体フルオロフォアはATP結合タンパク質またはコントロール変異体結合タンパク質のC-末端に(ATP結合タンパク質またはコントロール変異体結合タンパク質のC-末端と、FRET供与体フルオロフォアとの間に配置されたリンカーによって)配置され、FRET受容体フルオロフォアはATP結合タンパク質またはコントロール変異体結合タンパク質のN-末端に(ATP結合タンパク質またはコントロール変異体結合タンパク質のN-末端と、FRET受容体フルオロフォアとの間に配置されたリンカーによって)配置され、フルオロフォアの相対的位置は、任意に切り替えられ、それにより、本明細書に記載の融合タンパク質は、FRET供与体フルオロフォアをATP結合タンパク質またはコントロール変異体結合タンパク質のN-末端に(ATP結合タンパク質またはコントロール変異体結合タンパク質のN-末端と、FRET供与体フルオロフォアとの間に配置されたリンカーによって)配置させ、かつ、FRET受容体フルオロフォアがATP結合タンパク質またはコントロール変異体結合タンパク質のC-末端に(ATP結合タンパク質またはコントロール変異体結合タンパク質のC-末端と、FRET受容体フルオロフォアとの間に配置されたリンカーによって)配置される。
【0069】
フルオロフォア
FRET供与体/受容体ペアの例には、一般に、水色蛍光タンパク質/黄色蛍光タンパク質(CFP-YFP)FRETペア、緑色蛍光タンパク質/赤色蛍光タンパク質(GFP-RFP)FRETペア、およびその他の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0070】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される融合タンパク質を使用して、対象細胞におけるATPのレベルを決定する方法を提供する。融合タンパク質は、融合タンパク質中のATP結合タンパク質によるATPの結合がFRET受容体ポリペプチドとFRET供与体ポリペプチドとの相互作用を引き起こし、検出可能な光の発光をもたらすことでATPを検出する。発光された光の検出は、任意の適切なアッセイまたは画像化形式で実行できる。1つの実施形態では、そのような方法は、
(a)本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせの融合タンパク質を1つ以上の第1の細胞で発現させ、
(i)1つ以上の第1の細胞を、FRET供与体ポリペプチド励起波長を有する光に曝露したときに、1つ以上の第1の細胞から発光されたFRET受容体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成される蛍光シグナルを検出することによって生成される第1の蛍光画像;および/または
(ii)1つ以上の第1の細胞を、FRET受容体ポリペプチド励起波長を有する光に曝露したときに、1つ以上の第1の細胞から発光されたFRET受容体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成される蛍光シグナルを検出することによって生成される第2の蛍光画像;および/または
(iii)1つ以上の第1の細胞を、FRET供与体ポリペプチド励起波長を有する光に曝露したときに、1つ以上の第1の細胞から発光されたFRET供与体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成される蛍光シグナルを検出することによって生成される第3の蛍光画像、からなる群から選択される1つ以上の画像を生成すること、
(b)第1の蛍光画像、第2の蛍光画像、および/または第3の蛍光画像における蛍光シグナルの出力を比較することにより、1つ以上の第1の細胞におけるFRET比を決定すること、を含み、
1つ以上の第1の細胞におけるATPのレベルは、決定されたFRET比に比例する。
【0071】
この実施形態では、蛍光シグナルの出力を「比較する」とは、ある画像の蛍光シグナルの出力を別の画像の蛍光シグナルの出力で除算することを意味する。例えば:
●第1の蛍光画像の蛍光シグナルの出力は、第2の蛍光画像の蛍光シグナルの出力で除算できる。
●第1の蛍光画像の蛍光シグナルの出力は、第3の蛍光画像の蛍光シグナルの出力で除算できる。
●第2の蛍光画像の蛍光シグナルの出力は、第1の蛍光画像の蛍光シグナルの出力で除算できる。
●第2の蛍光画像の蛍光シグナルの出力は、第3の蛍光画像の蛍光シグナルの出力で除算できる。
●第3の蛍光画像の蛍光シグナルの出力は、第1の蛍光画像の蛍光シグナルの出力で除算できる。または
●第3の蛍光画像の蛍光シグナルの出力は、第2の蛍光画像の蛍光シグナルの出力で除算できる。
【0072】
蛍光シグナルの「出力」は、画像全体で、セルごとに、ピクセルごとに、または任意の代替強度測定を使用することを含むが、これらに限定されない、任意の適切な基準で決定できる。
【0073】
別の実施形態では、本方法は、本開示の任意の実施形態または実施形態の組み合わせのコントロール融合タンパク質を1つ以上の第1の細胞で発現させ、1つ以上の第1の細胞から発光された受容体発光波長を有する光によって生成されるコントロールシグナルを検出することをさらに含む。コントロールシグナルを使用して、決定されたFRET比を修正するための任意の適切な方法が使用されてもよい。1つの実施形態では、コントロールシグナルを検出することは、
(c)本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのコントロール融合タンパク質を1つ以上のコントロール細胞(第1の細胞または第2の細胞など)で発現させ、
(i)1つ以上のコントロール細胞を、FRET供与体ポリペプチド励起波長を有する光に曝露したときに、1つ以上のコントロール細胞から発光されたFRET受容体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成される蛍光シグナルを検出することによって生成される第4の蛍光画像、および/または
(ii)1つ以上のコントロール細胞を、FRET受容体ポリペプチド励起波長を有する光に曝露したときに、1つ以上のコントロール細胞から発光されたFRET受容体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成される蛍光シグナルを検出することによって生成される第5の蛍光画像、および/または
(iii)1つ以上のコントロール細胞を、FRET供与体ポリペプチド励起波長を有する光に曝露したときに、1つ以上のコントロール細胞から発光されたFRET供与体ポリペプチド発光波長を有する光によって生成される蛍光シグナルを検出することによって生成される第6の蛍光画像、からなる群から選択される1つ以上の画像を生成することと、
(d)第4の蛍光画像、第5の蛍光画像、および/または第6の蛍光画像の蛍光シグナルの出力を比較することにより、1つ以上のコントロール細胞におけるコントロール融合FRET比を決定することと、を含み、
コントロール融合FRET比の変化は、ATP結合とは無関係の実験条件の結果であると決定され、決定されたFRET比は、コントロール融合FRET比の変化に基づいて修正される。
【0074】
1つ以上の細胞は、ATPレベルを決定する対象となる任意の細胞または細胞集団であり得る。1つの実施形態では、1つ以上の第1の細胞はインキュベーター内で培養される。別の実施形態では、インキュベーターから1つ以上の第1の細胞を取り出すことなく、すべての画像化ステップが実行される。この実施形態では、細胞はインキュベーター内の適切な細胞培養培地で培養され、インキュベーターは、細胞と試験物質との接触によるATPの変化などのATPを検出するためのアッセイの観察および/または記録中にアッセイされる細胞をインキュベーターから取り出す必要がないように構成される。
【0075】
アッセイは、例えば、対象細胞のATPレベルに対する1つ以上の試験化合物の効果を試験するために使用できる。したがって、1つの実施形態では、本方法は、1つ以上の第1の細胞を1つ以上の試験物質と接触させ、1つ以上の第1の細胞におけるATPの存在に対する試験物質の効果を決定することをさらに含む。1つ以上の第1の細胞内のATPの存在に対する1つ以上の試験物質の効果は、目的の任意の期間にわたって決定することができ、1分~3ヶ月の範囲の期間にわたって連続的にまたは断続的に決定することを含むがこれに限定されない。
【0076】
細胞内ATPの生細胞分析のための代謝システムのIncuCyte(登録商標)S3生細胞解析
IncuCyte(登録商標)S3ハードウェアは、本開示の任意の方法に使用することができ、2つの構成要素、1)ガントリおよび2)コントローラで構成されている。ガントリは、生細胞培養の自動画像取得を可能にする顕微鏡、カメラ、および消耗品トレイを収容し、標準的な組織培養インキュベーター内に設置される。ATPアプリケーションでは、顕微鏡システムには、所望のスペクトルの蛍光画像を収集するように調整されたフィルターモジュールが含まれる。コントローラには、画像ストレージ、データ処理、データベースストレージ、ファイルシステム、自動画像処理、グラフ作成、およびグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を介したクライアントコンピューターからのネットワーク経由の相互作用を可能にするプロセッサー、メモリ、およびデータストレージドライブが含まれる。コントローラ上のソフトウェアは、1)サーバーとの対話、2)機器の制御という2つの目的に役立つ。
【0077】
ガントリはインキュベーター内に設置され、顕微鏡とカメラを収容する。コントローラは顕微鏡システムを制御し、サーバーとして機能する。コントローラは、イーサネットポートなどの通信ポートに接続されるが、これに限定されない。グラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)がコンピューターに読み込まれ、コントローラー(すなわち、サーバー)と対話して、顕微鏡システムを制御し、データをやり取りする。本開示の態様によれば、すべての自動画像処理はコントローラ上で完了する。
【0078】
自動画像キャプチャ
Incucyte(登録商標)S3顕微鏡は、限定しないが、96ウェルプレートなどの細胞培養容器のユーザー定義位置へ移動し、10x対物レンズを使用する700msなどの所望の顕微鏡対物レンズを用いて、適切なLEDをオンにし、所望の露光時に画像を取り込む。
【0079】
以下のデータは、オブジェクト、例えば、細胞、ATPの存在および/またはレベル、および/または1つ以上の追加のメトリックを単独もしくは組み合わせたものを画像化したものから得られ、各オブジェクト、各ウェルまたはウェルの各セットについて計算され、データベースに保存され、そして、グラフィカルユーザーインターフェイスを介したクライアントコンピューターでのデータ取得の直後にユーザーに表示される。
【0080】
通常、ウェルは2時間ごとにスキャンされるが、スキャンの頻度は多かれ少なかれ任意である。各スキャンに続いて、それらの時点でメトリックが計算され、例えばデータベースに保存される。例えば、3日間の実験の過程で、各メトリックについて36の時点が収集され、時系列に連結され、実験の全時間枠の過程、つまり分、時間、日、週、月でグラフ化することができる。
【0081】
本明細書で説明するように、本開示のシステムおよび方法により、ユーザーは、自動化された適度な処理方法で、長期間にわたってATPの存在および/またはレベルの変化を監視することができる。対照的に、以前の方法は、1)エンドポイントメソッド(様々な測定パラメータの1つまたは限られた読み取りのみを取得できる)、2)非常に混乱させるメソッド、3)分析/視覚化のためにインキュベーターから細胞を移動する必要がある、4)細胞数に依存する、5)ATP産生の間接測定、および/または6)低い処理量(手動で、一度に1つのウェル)である。
【0082】
本開示の組成物および方法の実施形態は、以下の実施例に示される。これらの例は、例示の目的で提供されており、特許請求されている組成物および方法の範囲に対する制限とはみなされない。
【0083】
実施例1
リンカースクリーニング
リンカー領域の最適化のために、約14,000個の多様な固有の変異体を有するライブラリーがスクリーニングされた。簡単に言えば、特定の変異体が発現している細菌細胞でスクリーニングが完了した。光学的手法を使用して、15,000個を超える個々のコロニーの輝度とFRET比を評価した。これらの15,000個以上のコロニーのうち、ATPが結合した状態と結合していない状態の両方で測定できるように、タンパク質溶解物を使用したさらなる評価のために400個が選択された。12個の潜在的なコロニーが遺伝子配列決定のために選択され、哺乳類発現ベクターにクローン化され、一過性形質転換実験に使用された。これらのコンストラクトを発現している細胞は、細胞内ATPの量を減少させることで知られている薬物で処理された。シグナルウィンドウは、薬物処理細胞のFRET比を、処理2時間後のビヒクル処理細胞のFRET比から差し引くことにより計算された。結果を図1に示す。エラーバーはSEM、n=3である。A1とGO-ATeam1の両側のP値は0.0084である(対応のないt検定)。
【0084】
試験したリンカー配列を以下の表3に示す。
【表2】
【0085】
コンストラクトA1およびGo-ATeam1を安定的に発現する細胞株を生成した。すなわち、細胞をレンチウイルス形質導入により感染させ、抗生物質選択マーカーを使用して選択し、安定した株を生成した。細胞を2.5μMスタウロスポリンで処理してATPを増加させ、40mM 2-デオキシ-D-グルコース(2-DG)と4mMシアン化カリウム(KCN)を組み合わせてATPを枯渇させた。センサーA1を発現する細胞のシグナルウィンドウは、Go-ATeam1を発現する細胞株のシグナルウィンドウの約2倍であった(図2A-B)。
【0086】
精製タンパク質を10mM ATPの有無でインキュベートし、その励起スペクトルを収集した(図3Aおよび図3B)。ATP処理タンパク質と未処理タンパク質のスペクトルの違いは、シグナルウィンドウを示す。センサーA1(GO-ATeam-A1)(図3A)のパフォーマンスは、GO-ATeam1センサー(図3B)のパフォーマンスと比較した場合、シグナルウィンドウの2倍超えの増加を示す(ATP結合(実線)とATP非結合状態(破線)の比較)。
【0087】
実施例2
グルコース/ガラクトーススイッチモデルを使用して試験物質を非毒性、細胞傷害性、または細胞毒性として分類する生細胞イメージングアプローチを、生細胞のATPをアッセイする本開示の態様による方法および組成物を使用して評価した。成長培地中のグルコースをガラクトースに置き換えると、解糖を介して細胞がATPを生成する能力がブロックされ、ミトコンドリアの酸化的リン酸化に依存してATPを生成し、ミトコンドリア駆動毒性に対する感受性を高める(LD Marroquin et al.,Toxicol Sci 97(2)、539-547(2007))。細胞のATPレベルは、試験物質処理後24時間まで測定された。非毒性試験物質はATPにほとんど変化をもたらさず、細胞障害性試験物質はグルコースとガラクトースの両方の条件でATPの減少をもたらし、細胞毒性試験物質はガラクトース条件下で効力において左方向へのシフトを示した。ATPの減少は数分で観察でき、一時的な減少に続く回復は、以下でさらに詳細に説明するように、本開示の態様による組成物および方法を使用する生細胞イメージングアプローチを使用した動態データの感度および値を強調する。
【0088】
ATPセンサー発現細胞株の生成
cytoATP(ATP結合)およびコントロール(変異ATP結合ドメイン)センサーを安定して発現する細胞株は、レンチウイルス形質導入によって生成された。バイシストロン性発現カセットを含む第3世代レンチウイルス系は、センサーを発現させるために使用した。具体的には、EF-1アルファプロモーターを使用して、介在IRES配列を使用して、センサーとピューロマイシン選択マーカーの発現を促進した。レンチウイルス感染の前日に、6ウェルプレートに細胞を50,000個/ウェルで播種した。8μg/mLポリブレンの存在下で、細胞をcytoATPまたはコントロールレンチウイルスに曝露した。24時間後、培地をポリブレンフリー培地に交換した。細胞を1回継代した後、ピューロマイシン選択を行って、cytoATPまたはコントロールセンサーを発現する安定した均質な細胞集団を生成した。
【0089】
細胞培養
細胞はATCC(登録商標)(CRL-1658(商標))から購入し、37℃の加湿5%CO雰囲気で維持した。細胞は、25mMのグルコース、1mMピルビン酸ナトリウム、5mM HEPES、10%FBS、1%GlutaMax、および1%Pen/Strepを補充したグルコース(Gibco)を含まないDMEMで培養した。グルコースを10mMガラクトースに置き換えた以外は、上記のようにガラクトース培地を調製した。ガラクトース適応のために、細胞をグルコース含有DMEMに分割し、継代後2日目にガラクトース培地に切り替え、実験を開始する前にガラクトース培地でさらに2回継代した。
【0090】
ATPアッセイ
ATPの測定は、特殊なFRETベースのフィルターセットとデータ収集モジュールを備えたIncuCyte(登録商標)S3によって実行された。cytoATPセンサーは、ATP結合ドメインで接続されたFRET供与体(cpmEGFP)とFRET受容体(mKOk)で構成される遺伝的にコードされたインジケーターである。FRETの増加は、ATP結合時に誘導される。コントロールセンサーには変異ATP結合ドメインが含まれており、正規化にゼロポイントを提供し、かつFRETシグナルの読み取りに影響するあらゆるアーティファクトを監視および修正するために使用される。センサーの測定は、二重励起比イメージングを使用して実行された。具体例では、供与体フルオロフォアcpmEGFPの励起(475~495nm、FRETの測定)または受容体フルオロフォアmKOkの直接励起(524~546nm、総タンパク質の測定)の後に、受容体フルオロフォアmKOkの蛍光発光(567~589nm)が収集される。細胞分析マスクは、mKOk直接励起から収集された蛍光画像の閾値処理によって生成される。このマスクは、FRETチャネルで収集された相補的な画像にも適用される。相対ATPレベルは、cpmEGFP励起で収集された画像から測定された合計積分強度を、mKOk励起で収集された画像から測定された合計積分強度で除算することにより計算されるcpmEGFP/mKOk励起比として報告される。
【0091】
濃度反応曲線を生成するために、各処理についてデータを修正し、次の式を使用して、所与の時点でのビヒクルコントロールに正規化した。
【数1】
【0092】
図4A:標準培地で増殖した細胞で、それぞれ2DGとKCNによる解糖とOXPHOSの同時阻害によるATPの枯渇。データは、ATP枯渇の時間経過と2DGとKCNの同時処理の濃度依存性を示す。図4Bおよび図4Cは、グルコースまたはガラクトース培地で増殖した細胞上の細胞傷害性化合物(クロルプロマジン、図4B)と細胞毒性化合物(ロテノン、図4C)との比較を示す。最初の2つのパネルは、示されているようにグルコースまたはガラクトースで増殖した細胞における24時間の時間経過にわたる各化合物の効果を示す。3番目のパネルは、24時間の時点での各化合物の濃度反応曲線を示す。細胞傷害性化合物は、両方の培地条件下で同様の効果を示すが、細胞毒性化合物は、ガラクトースで増殖した細胞でより多くのATP枯渇を誘発する。
【0093】
実施例3
材料および方法
遺伝的にコードされた蛍光ATPセンサーまたはコントロール(非ATP結合)センサーを安定して発現する癌細胞株が生成された。細胞を、実験前に10%FBSを補充したRPMIに適応させて、グルタミナーゼ-1(GLS1)阻害剤CB-839の効果を評価する研究を除き、細胞株は、推奨培地条件で培養した。特殊なフィルターセットとデータ収集モジュールを備えたIncuCyte(登録商標)S3を使用して、ATPレベルを監視および分析した。細胞のATPレベルは、化合物処理後数時間から数日間にわたって測定した。
【0094】
データの概要
次に、生細胞イメージングアプローチを使用して、主に代謝の脆弱性を標的とする化合物に焦点を合わせて、腫瘍細胞株のATPレベルに対する癌治療の効果を評価した。たとえば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)細胞株は、グルタミンを、ミトコンドリア代謝を刺激するために利用する第1のステップに触媒作用を及ぼすGLS1の活性に、受容体陽性の対応物よりも依存することが示されてきた。生細胞分析アプローチを使用すると、TNBC細胞株のCB-839によるグルタミン欠乏またはGLS1の阻害時にATPの急速な低下が観察された。ATPレベルは、3日間の時間経過の間、ビヒクル処理細胞のATPレベルを下回ったままであった。対照的に、受容体陽性細胞株の応答は、48時間以内にATPの変化がないから、より緩やかに減少し、完全に回復するまでの範囲であった。位相コンフルエンスの定量化により、ATPの持続的な減少は、ATPレベルの回復が観察された条件と比較して、抗増殖効果の強化と関連していることが確認された。間質細胞と共培養された腫瘍細胞の経時的な代謝摂動を測定するATPセンサーの能力を実証するさらなるデータが得られた。CCD-1068Sk線維芽細胞の単層上で培養されたTNBCは、ATPレベルへの影響の減少によって評価したとき、CB-839処理に対する耐性を示した(図5A)。対照的に、CB-839処理後にATPレベルの一時的な低下を示した受容体陽性の乳癌株の結果は、CCD-1068Sk線維芽細胞の存在による影響を受けなかった(図5B)。
【0095】
実施例4
レンチウイルス形質導入を使用して、Go-ATeamA1を発現するプライマリおよびiPSC由来のニューロンを作製した。発現はシナプシンプロモーターによって駆動され、レンチウイルスが神経細胞と星状細胞の共培養に送達されたとき、ニューロンに制限された。2DGとKCNを組み合わせて処理したニューロンは、FRET比の低下によって示されるように、ATPの濃度依存的な枯渇で応答した。応答は、他の哺乳類細胞(例、癌細胞株、図4A)で2DGとKCNを組み合わせて処理した後に観察される応答に匹敵した。
配列
配列番号5-ATP結合タンパク質
MKTVKVNITTPDGPVYDADIEMVSVRAESGDLGILPGHIPTKAPLKIGAVRLKKDGQTEMVAVSGGTVEVRPDHVTINAQAAETAEGIDKERAEAARQRAQERLNSQSDDTDIRRAELALQRALNRLDVAGK
配列番号14-配列番号1のATP結合タンパク質をコードするDNA配列
ATGAAAACTGTGAAAGTGAATATAACAACCCCTGATGGGCCAGTCTACGACGCTGATATCGAGATGGTGTCCGTGCGGGCCGAGAGTGGTGATCTCGGCATCCTCCCCGGTCACATTCCCACAAAGGCCCCACTGAAGATCGGAGCTGTGCGGCTGAAGAAGGACGGCCAAACCGAGATGGTCGCAGTCTCAGGCGGCACTGTTGAAGTGCGGCCTGACCACGTTACCATTAATGCTCAAGCCGCTGAAACAGCCGAAGGAATCGACAAAGAGAGAGCAGAAGCCGCAAGACAGAGGGCCCAGGAGCGGCTGAACTCTCAATCCGATGACACCGATATTCGCCGGGCCGAGCTGGCACTGCAGAGGGCCCTGAACAGACTGGACGTGGCTGGGAAG
配列番号15-ATPを結合しないコントロール変異体ATP結合タンパク質
MKTVKVNITTPDGPVYDADIEMVSVRAESGDLGILPGHIPTKAPLKIGAVRLKKDGQTEMVAVSGGTVEVRPDHVTINAQAAETAEGIDKERAEAARQRAQERLNSQSDDTDIRRAELALQKALNKLDVAGK
配列番号16-配列番号3のコントロール変異体ATP結合タンパク質をコードするDNA配列
ATGAAAACTGTGAAAGTGAATATAACAACCCCTGATGGGCCAGTCTACGACGCTGATATCGAGATGGTGTCCGTGCGGGCCGAGAGTGGTGATCTCGGCATCCTCCCCGGTCACATTCCCACAAAGGCCCCACTGAAGATCGGAGCTGTGCGGCTGAAGAAGGACGGCCAAACCGAGATGGTCGCAGTCTCAGGCGGCACTGTTGAAGTGCGGCCTGACCACGTTACCATTAATGCTCAAGCCGCTGAAACAGCCGAAGGAATCGACAAAGAGAGAGCAGAAGCCGCAAGACAGAGGGCCCAGGAGCGGCTGAACTCTCAATCCGATGACACCGATATTCGCCGGGCCGAGCTGGCACTGCAGAAGGCCCTGAACAAGCTGGACGTGGCTGGGAAG
GO-ATeam-A1
配列番号17-mKOk蛍光タンパク質(ヌクレオチド1~654)、第1アラニンリンカー(ヌクレオチド655~657)、ATP結合タンパク質(ヌクレオチド658~1053)、第2アラニンリンカー(ヌクレオチド1054-1056)、およびcpmEGFP蛍光タンパク質(ヌクレオチド1057-1794)をコードするDNA配列
ATGGTGAGTGTGATTAAACCAGAGATGAAGATGAGGTACTACATGGACGGCTCCGTCAATGGGCATGAGTTCACAATTGAAGGTGAAGGCACAGGCAGACCTTACGAGGGACATCAAGAGATGACACTACGCGTCACAATGGCCGAGGGCGGGCCAATGCCTTTCGCGTTTGACTTAGTGTCACACGTGTTCTGTTACGGCCACAGAGTATTTACTAAATATCCAGAAGAGATACCAGACTATTTCAAACAAGCATTTCCTGAAGGCCTGTCATGGGAAAGGTCGTTGGAGTTCGAAGATGGTGGGTCCGCTTCAGTCAGTGCGCATATAAGCCTTAGAGGAAACACCTTCTACCACAAATCCAAATTTACTGGGGTTAACTTTCCTGCCGATGGTCCTATCATGCAAAACCAAAGTGTTGATTGGGAGCCATCAACCGAGAAAATTACTGCCAGCGACGGAGTTCTGAAGGGTGATGTTACGATGTACCTAAAACTTGAAGGAGGCGGCAATCACAAATGCCAATTCAAGACTACTTACAAGGCGGCAAAAGAGATTCTTGAAATGCCAGGAGACCATTACATCGGCCATCGCCTCGTCAGGAAAACCGAAGGCAACATTACTGAGCAGGTAGAAGATGCAGTAGCTCATTCCGCTATGAAAACTGTGAAAGTGAATATAACAACCCCTGATGGGCCAGTCTACGACGCTGATATCGAGATGGTGTCCGTGCGGGCCGAGAGTGGTGATCTCGGCATCCTCCCCGGTCACATTCCCACAAAGGCCCCACTGAAGATCGGAGCTGTGCGGCTGAAGAAGGACGGCCAAACCGAGATGGTCGCAGTCTCAGGCGGCACTGTTGAAGTGCGGCCTGACCACGTTACCATTAATGCTCAAGCCGCTGAAACAGCCGAAGGAATCGACAAAGAGAGAGCAGAAGCCGCAAGACAGAGGGCCCAGGAGCGGCTGAACTCTCAATCCGATGACACCGATATTCGCCGGGCCGAGCTGGCACTGCAGAGGGCCCTGAACAGACTGGACGTGGCTGGGAAGGCTGACGGCAGCGTGCAGCTCGCCGACCACTACCAGCAGAACACCCCCATCGGCGACGGCCCCGTGCTGCTGCCCGACAACCACTACCTGAGCACCCAGTCCAAGCTGAGCAAAGACCCCAACGAGAAGCGCGATCACATGGTCCTGCTGGAGTTCGTGACCGCCGCCGGGATCACTCTCGGCATGGACGAGCTGTACAAGGGTGGCAGCGGTGGCATGGTGAGCAAGGGCGAGGAGCTGTTCACCGGGGTGGTGCCCATCCTGGTCGAGCTGGACGGCGACGTAAACGGCCACAAGTTCAGCGTGTCCGGCGAGGGCGAGGGCGATGCCACCTACGGCAAGCTGACCCTGAAGTTCATCTGCACCACCGGCAAGCTGCCCGTGCCCTGGCCCACCCTCGTGACCACCCTGACCTACGGCGTGCAGTGCTTCAGCCGCTACCCCGACCACATGAAGCAGCACGACTTCTTCAAGTCCGCCATGCCCGAAGGCTACGTCCAGGAGCGCACCATCTTCTTCAAGGACGACGGCAACTACAAGACCCGCGCCGAGGTGAAGTTCGAGGGCGACACCCTGGTGAACCGCATCGAGCTGAAGGGCATCGACTTCAAGGAGGACGGCAACATCCTGGGGCACAAGCTGGAGTACAACTACAACAGCCACAACGTCTATATCATGGCCGACAAGCAGAAGAACGGCATCAAGGTGAACTTCAAGATCCGCCACAACATCGAGGAAGCT
配列番号7-配列番号17によってコードされる融合タンパク質-mKOk蛍光タンパク質(アミノ酸1~218)、第1のアラニンリンカー(アミノ酸219)、ATP結合タンパク質(アミノ酸220~351)、第2のアラニンリンカー(アミノ酸352)、およびcpmEGFP蛍光タンパク質(アミノ酸352~598)を含むMVSVIKPEMKMRYYMDGSVNGHEFTIEGEGTGRPYEGHQEMTLRVTMAEGGPMPFAFDLVSHVFCYGHRVFTKYPEEIPDYFKQAFPEGLSWERSLEFEDGGSASVSAHISLRGNTFYHKSKFTGVNFPADGPIMQNQSVDWEPSTEKITASDGVLKGDVTMYLKLEGGGNHKCQFKTTYKAAKEILEMPGDHYIGHRLVRKTEGNITEQVEDAVAHSAMKTVKVNITTPDGPVYDADIEMVSVRAESGDLGILPGHIPTKAPLKIGAVRLKKDGQTEMVAVSGGTVEVRPDHVTINAQAAETAEGIDKERAEAARQRAQERLNSQSDDTDIRRAELALQRALNRLDVAGKADGSVQLADHYQQNTPIGDGPVLLPDNHYLSTQSKLSKDPNEKRDHMVLLEFVTAAGITLGMDELYKGGSGGMVSKGEELFTGVVPILVELDGDVNGHKFSVSGEGEGDATYGKLTLKFICTTGKLPVPWPTLVTTLTYGVQCFSRYPDHMKQHDFFKSAMPEGYVQERTIFFKDDGNYKTRAEVKFEGDTLVNRIELKGIDFKEDGNILGHKLEYNYNSHNVYIMADKQKNGIKVNFKIRHNIEEA
GO-ATeam-A1コントロール
配列番号18-mKOk蛍光タンパク質(ヌクレオチド1~654)、第1のアラニンリンカー(ヌクレオチド655~657)、ATPを結合しないように変異したコントロールATP結合タンパク質(ヌクレオチド658~1053)、第2のアラニンリンカー(ヌクレオチド1054~1056)、およびcpmEGFP蛍光タンパク質(ヌクレオチド1057~1794)をコードするDNA
ATGGTGAGTGTGATTAAACCAGAGATGAAGATGAGGTACTACATGGACGGCTCCGTCAATGGGCATGAGTTCACAATTGAAGGTGAAGGCACAGGCAGACCTTACGAGGGACATCAAGAGATGACACTACGCGTCACAATGGCCGAGGGCGGGCCAATGCCTTTCGCGTTTGACTTAGTGTCACACGTGTTCTGTTACGGCCACAGAGTATTTACTAAATATCCAGAAGAGATACCAGACTATTTCAAACAAGCATTTCCTGAAGGCCTGTCATGGGAAAGGTCGTTGGAGTTCGAAGATGGTGGGTCCGCTTCAGTCAGTGCGCATATAAGCCTTAGAGGAAACACCTTCTACCACAAATCCAAATTTACTGGGGTTAACTTTCCTGCCGATGGTCCTATCATGCAAAACCAAAGTGTTGATTGGGAGCCATCAACCGAGAAAATTACTGCCAGCGACGGAGTTCTGAAGGGTGATGTTACGATGTACCTAAAACTTGAAGGAGGCGGCAATCACAAATGCCAATTCAAGACTACTTACAAGGCGGCAAAAGAGATTCTTGAAATGCCAGGAGACCATTACATCGGCCATCGCCTCGTCAGGAAAACCGAAGGCAACATTACTGAGCAGGTAGAAGATGCAGTAGCTCATTCCGCTATGAAAACTGTGAAAGTGAATATAACAACCCCTGATGGGCCAGTCTACGACGCTGATATCGAGATGGTGTCCGTGCGGGCCGAGAGTGGTGATCTCGGCATCCTCCCCGGTCACATTCCCACAAAGGCCCCACTGAAGATCGGAGCTGTGCGGCTGAAGAAGGACGGCCAAACCGAGATGGTCGCAGTCTCAGGCGGCACTGTTGAAGTGCGGCCTGACCACGTTACCATTAATGCTCAAGCCGCTGAAACAGCCGAAGGAATCGACAAAGAGAGAGCAGAAGCCGCAAGACAGAGGGCCCAGGAGCGGCTGAACTCTCAATCCGATGACACCGATATTCGCCGGGCCGAGCTGGCACTGCAGAAGGCCCTGAACAAGCTGGACGTGGCTGGGAAGGCTGACGGCAGCGTGCAGCTCGCCGACCACTACCAGCAGAACACCCCCATCGGCGACGGCCCCGTGCTGCTGCCCGACAACCACTACCTGAGCACCCAGTCCAAGCTGAGCAAAGACCCCAACGAGAAGCGCGATCACATGGTCCTGCTGGAGTTCGTGACCGCCGCCGGGATCACTCTCGGCATGGACGAGCTGTACAAGGGTGGCAGCGGTGGCATGGTGAGCAAGGGCGAGGAGCTGTTCACCGGGGTGGTGCCCATCCTGGTCGAGCTGGACGGCGACGTAAACGGCCACAAGTTCAGCGTGTCCGGCGAGGGCGAGGGCGATGCCACCTACGGCAAGCTGACCCTGAAGTTCATCTGCACCACCGGCAAGCTGCCCGTGCCCTGGCCCACCCTCGTGACCACCCTGACCTACGGCGTGCAGTGCTTCAGCCGCTACCCCGACCACATGAAGCAGCACGACTTCTTCAAGTCCGCCATGCCCGAAGGCTACGTCCAGGAGCGCACCATCTTCTTCAAGGACGACGGCAACTACAAGACCCGCGCCGAGGTGAAGTTCGAGGGCGACACCCTGGTGAACCGCATCGAGCTGAAGGGCATCGACTTCAAGGAGGACGGCAACATCCTGGGGCACAAGCTGGAGTACAACTACAACAGCCACAACGTCTATATCATGGCCGACAAGCAGAAGAACGGCATCAAGGTGAACTTCAAGATCCGCCACAACATCGAGGAAGCT
配列番号19-配列番号18によってコードされた融合タンパク質-mKOk蛍光タンパク質(アミノ酸1~218)、第1のアラニンリンカー(アミノ酸219)、ATPを結合しないコントロール変異体ATP結合タンパク質(アミノ酸220~351)、第2のアラニンリンカー(アミノ酸352)、およびcpmEGFP蛍光タンパク質(アミノ酸352~598)を含む
MVSVIKPEMKMRYYMDGSVNGHEFTIEGEGTGRPYEGHQEMTLRVTMAEGGPMPFAFDLVSHVFCYGHRVFTKYPEEIPDYFKQAFPEGLSWERSLEFEDGGSASVSAHISLRGNTFYHKSKFTGVNFPADGPIMQNQSVDWEPSTEKITASDGVLKGDVTMYLKLEGGGNHKCQFKTTYKAAKEILEMPGDHYIGHRLVRKTEGNITEQVEDAVAHSAMKTVKVNITTPDGPVYDADIEMVSVRAESGDLGILPGHIPTKAPLKIGAVRLKKDGQTEMVAVSGGTVEVRPDHVTINAQAAETAEGIDKERAEAARQRAQERLNSQSDDTDIRRAELALQKALNKLDVAGKADGSVQLADHYQQNTPIGDGPVLLPDNHYLSTQSKLSKDPNEKRDHMVLLEFVTAAGITLGMDELYKGGSGGMVSKGEELFTGVVPILVELDGDVNGHKFSVSGEGEGDATYGKLTLKFICTTGKLPVPWPTLVTTLTYGVQCFSRYPDHMKQHDFFKSAMPEGYVQERTIFFKDDGNYKTRAEVKFEGDTLVNRIELKGIDFKEDGNILGHKLEYNYNSHNVYIMADKQKNGIKVNFKIRHNIEEA
【0096】
本明細書で言及される特許または刊行物は、個々の刊行物が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示される場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0097】
本明細書に記載される組成物および方法は、現在、好ましい実施形態の代表例、例示であり、本開示の範囲に対する制限として意図されていない。本明細書における変更および他の用途は、当業者に思い浮かぶであろう。そのような変更および他の使用は、特許請求の範囲に記載されるように本開示の範囲から逸脱することなく行うことができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
【配列表】
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