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特許7316280バイメタル要素を含むエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】バイメタル要素を含むエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/51 20200101AFI20230720BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20230720BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/57
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020535255
(86)(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 EP2018097115
(87)【国際公開番号】W WO2019129871
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】17211112.2
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】デュック ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ポジェ ローラン エデュアール
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-090161(JP,A)
【文献】国際公開第2017/115181(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/156213(WO,A1)
【文献】特表2017-500023(JP,A)
【文献】特表2015-506709(JP,A)
【文献】米国特許第05240012(US,A)
【文献】国際公開第2016/156217(WO,A1)
【文献】特開平09-075058(JP,A)
【文献】実開昭49-092654(JP,U)
【文献】国際公開第2015/097005(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/374036(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/51
A24F 40/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
可燃性熱源を受けるための第一の管状セクション、およびエアロゾル発生基体を受けるための第二の管状セクションを含むハウジングと、
前記第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源から前記第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体に熱を伝達するための、前記ハウジングの前記第一の管状セクションと前記第二の管状セクションとの間に配置された熱伝導性要素であって、第一の部分および第二の部分を有するバイメタル要素を含む熱伝導性要素と、
前記ハウジングの前記第二の管状セクションの少なくとも一部分の周りの熱絶縁スリーブと、を含み、
前記熱絶縁スリーブが、一つ以上の空気吸込み口を含み、前記バイメタル要素が、前記バイメタル要素の第一の部分が前記ハウジングの前記第一管状セクションの近位にあり、前記バイメタル要素の第二の部分が前記ハウジングの前記第二の管状セクションの近位にある、第一の位置から、前記バイメタル要素が閾値温度超に加熱されたとき、前記バイメタル要素の前記第一の部分が前記ハウジングの前記第一の管状セクションから、前記ハウジングの前記第二の管状セクションに向かって変位する、第二の位置に変形するように配置される、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記第一の位置から前記第二の位置にスナップ動作で変形するように、前記バイメタル要素に予め応力がかけられる、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記バイメタル要素が、閾値温度超に加熱されたとき、前記第一の位置から前記第二の位置に湾曲する、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記バイメタル要素が、前記第一の位置で、前記第一の管状セクションに対して平らまたは湾曲し、前記第二の位置で、前記第一の管状セクションに対して湾曲する、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記バイメタル要素が、バイメタルストリップまたはバイメタルディスクである、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記熱伝導性要素が、前記第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源内への挿入のために、前記ハウジングの前記第一の管状セクション内に突出する第一の細長い熱伝導性部材をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記熱伝導性要素が、前記第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体内への挿入のために、前記ハウジングの前記第二の管状セクション内に突出する第二の細長い熱伝導性部材をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記バイメタル要素が、閾値温度超に加熱されたとき、前記第一の位置から前記第二の位置に収縮する、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記バイメタル要素が、バイメタルらせん状コイルまたはバイメタルスパイラルコイルである、請求項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記ハウジングおよび前記熱伝導性要素が、前記バイメタル要素が前記第一の位置にあるときまたは前記バイメタル要素が前記第二の位置にあるとき、前記ハウジングの前記第一の管状セクションから前記第二の管状セクションへの気流が実質的に防止されるように構成される、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
一つ以上の空気吸込み口が前記第二の管状セクションに提供される、請求項1~のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記ハウジングの前記第一の管状セクションおよび前記第二の管状セクションのうちの一方または両方が熱伝導性材料を含む、請求項1~1のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記ハウジングの前記第一の管状セクションの少なくとも一部分の周りの熱絶縁カバーであって、前記熱絶縁スリーブに取り外し可能に接続される、熱絶縁カバーをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
エアロゾル発生システムであって、
請求項1~1のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、
前記エアロゾル発生装置の前記第一の管状セクション内に挿入するための、一つ以上の可燃性熱源と、を備える、エアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバイメタル要素を含むエアロゾル発生装置に関する。特に、本発明は、可燃性熱源から物理的に分離したエアロゾル発生基体への熱の伝達によってエアロゾルを発生させるためのバイメタル要素を含む非電気的エアロゾル発生装置に関連する。本発明はまた、エアロゾル発生装置および一つ以上の可燃性熱源を含むエアロゾル発生装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
たばこ材料が燃焼するよりはむしろ加熱される多くのエアロゾル発生物品が、当業界において提唱されてきた。このような「加熱式」エアロゾル発生物品の一つの目的は、従来的な点火端のある紙巻たばこなどの従来の喫煙物品におけるたばこの燃焼および熱分解によって生成されるタイプの公知の有害な煙成分を低減することである。
【0003】
加熱式エアロゾル発生物品では通常、エアロゾルは、熱源、例えば、化学的、電気的または可燃性熱源から、熱源の内部、周囲、または下流に位置しうる物理的に分離されたエアロゾル発生基体に熱伝達することにより生成される。
【0004】
加熱式エアロゾル発生物品の一つの種類では、可燃性炭素質熱源から可燃性炭素質熱源の下流に位置するたばこ材料を含む物理的に分離されたエアロゾル発生基体への熱伝達によりエアロゾルが生成される。使用時に、揮発性化合物は可燃性炭素質熱源からエアロゾル発生基体への熱伝達によってたばこ材料から放出され、喫煙物品を通して引き込まれた空気中に混入される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは凝縮してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成する。
【0005】
こうした加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルを得るのに、可燃性炭素質熱源からエアロゾル発生基体への伝導性熱伝達を確保するために、加熱式喫煙物品のエアロゾル発生基体の少なくとも一部分の周りに、一つまたは複数の熱伝導性要素を含めることは公知である。特に、エアロゾルを得るのに、可燃性炭素質熱源からエアロゾル発生基体への伝導性熱伝達を確保するために、加熱式喫煙物品の可燃性炭素質熱源の少なくとも後方部分およびエアロゾル発生基体の少なくとも前方部分の周りに、熱伝導性要素を含めることは公知である。例えば、WO 2009/022232 A2号は、可燃性炭素質熱源、可燃性熱源の下流のエアロゾル形成基体、ならびに可燃性炭素質熱源の後方部分およびエアロゾル形成基体の隣接する前方部分の周りにあり、かつそれらと直接接触する熱伝導性要素を備える喫煙物品を開示している。使用時に、可燃性炭素質熱源の燃焼の間に生成された熱は、当接する可燃性炭素質熱源の下流端および熱伝導性要素を通じる伝導によって、エアロゾル形成基体の前方部分の周辺部に伝達される。
【0006】
加熱式エアロゾル発生物品の別のタイプにおいて、エアロゾルは電気ヒーターからたばこ材料を含むエアロゾル発生基体への熱伝達によって生成される。エアロゾル発生基体を備えるエアロゾル発生物品は典型的に、電気ヒーターを備える物理的に分離されたエアロゾル発生装置内のチャンバーまたはくぼみの中へと挿入される。電気ヒーターは加熱式エアロゾル発生物品内に挿入されてもよく、または電気ヒーターは加熱式エアロゾル発生物品の外側の周りに位置してもよい。例えば、EP0822760A2号は、ライターおよびたばこロッドを含む物品を備え、該たばこロッドが管状たばこウェブおよび該管状たばこウェブ内に配置されたたばこのプラグを含む、電気喫煙システムを開示する。ライターは、物品を受けるための受容部を画定する複数の抵抗ヒーターブレードを有し、それによって該物品が受容部の中へと挿入された時にブレードが少なくとも部分的に該たばこプラグに重なる。
【0007】
エアロゾル発生基体が燃焼するよりはむしろ加熱される加熱式エアロゾル発生物品では、エアロゾル発生基体において達成される温度は、知覚的に許容されるエアロゾルを生成する能力に顕著な影響を与える。ユーザーへのエアロゾル送達を最適化するために、一定の範囲内でエアロゾル発生基体の温度を維持することが典型的には望ましい。例えば、エアロゾル形成基体の温度が低下し過ぎる場合、それはユーザーに送達されるエアロゾルの一貫性および量に悪影響を与えうる。しかしながら、エアロゾル発生基体の温度が高くなりすぎると、逆にエアロゾル発生基体の燃焼または熱分解をもたらしうる。
【発明の概要】
【0008】
本発明によれば、可燃性熱源を受けるための第一の管状セクションおよびエアロゾル発生基体を受けるための第二の管状セクションを含むハウジングと、第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源から第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体に熱を伝達するための、ハウジングの第一の管状セクションと第二の管状セクションとの間に配置された熱伝導性要素と、を含み、熱伝導性要素がバイメタル要素を含み、バイメタル要素が、バイメタル要素の第一の部分がハウジングの第一の管状セクションの近位にあり、バイメタル要素の第二の部分がハウジングの第二の管状セクションの近位にある第一の位置から、バイメタル要素の第一の部分がハウジングの第一の管状セクションからハウジングの第二の管状セクションの方に向かって変位される第二の位置に変形するように配置される、エアロゾル発生装置が提供される。
【0009】
本発明によれば、本発明によるエアロゾル発生装置、およびエアロゾル発生装置の第一の管状セクションへの挿入のための一つ以上の可燃性熱源を備えるエアロゾル発生システムも提供される。
【0010】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生基体と相互作用して、ユーザーの口を通してユーザーの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生するエアロゾル発生装置を記述するために使用される。
【0011】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「エアロゾル発生基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物の加熱に応じて放出することができるエアロゾル形成材料を含む基体を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル発生装置で使用するためのエアロゾル発生基体から生成されるエアロゾルは、見えても、または見えなくてもよく、蒸気(例えば、気状である物質の微粉は室温にて通常、液体または固体である)、ならびに気体および凝縮された蒸気の液体の小滴を含んでもよい。
【0012】
本発明によるエアロゾル発生装置のハウジングの第一の管状セクションと第二の管状セクションとの間にバイメタル要素を含む熱伝導性要素の提供により、有利には、ハウジングの第一の管状セクション内に受けられた可燃性熱源からハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体への熱伝導性要素を介した熱伝達の制御が可能となる。以下でさらに説明する通り、本発明によるエアロゾル発生装置は、有利には、エアロゾル発生基体が加熱される温度の制御を可能にする。特に、本発明によるエアロゾル発生装置は、それによって、ハウジングの第二の管状セクション内に受けられたエアロゾル発生基体が加熱される最大温度の自己調節制御を有利にも可能となる。
【0013】
本発明によるエアロゾル発生装置は再利用可能である。
【0014】
エアロゾル発生装置のハウジングの第一の管状セクションは、可燃性熱源を取り外し可能に受容するためのものである。つまり、エアロゾル発生装置のハウジングの第一の管状セクションは、可燃性熱源を取り外し可能に受容するように構成される。
【0015】
最初は、エアロゾル発生装置のハウジングの第一の管状セクションは空である。可燃性熱源は、ハウジングの空の第一の管状セクションに挿入されうる。可燃性熱源が消費されると、可燃性熱源はハウジングの第一の管状セクションから取り外されうる。エアロゾル発生装置を再利用するために、さらなる可燃性熱源が、その後ハウジングの空の第一の管状セクションに挿入されうる。
【0016】
本発明によるエアロゾル発生システムは、本発明による再利用可能なエアロゾル発生装置、および再利用可能なエアロゾル発生装置の第一の管状セクションへの挿入のための一つ以上の可燃性熱源を備える。
【0017】
エアロゾル発生装置のハウジングの第二の管状セクションは、エアロゾル発生基体を取り外し可能に受容するためのものである。つまり、エアロゾル発生装置のハウジングの第二の管状セクションは、エアロゾル発生基体を取り外し可能に受容するように構成される。
【0018】
最初は、エアロゾル発生装置のハウジングの第二の管状セクションは空である。エアロゾル発生基体は、ハウジングの空の第二の管状セクションに挿入されうる。エアロゾル発生基体が消費されると、エアロゾル発生基体はハウジングの第二の管状セクションから取り外されうる。エアロゾル発生装置を再利用するために、さらなるエアロゾル発生基体が、その後ハウジングの空の第二の管状セクションに挿入されうる。
【0019】
ハウジングの第一の管状セクションおよび第二のセクションは、同様のまたは異なる材料から形成されうる。
【0020】
ハウジングの第一の管状セクションは、第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源の点火および燃焼中に到達する温度で実質的に熱的に安定かつ不燃性である一つ以上の適切な材料から形成されうる。
【0021】
ハウジングの第二の管状セクションは、エアロゾル発生装置の使用中、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体が加熱される温度で実質的に熱的に安定かつ不燃性である一つ以上の適切な材料から形成されうる。
【0022】
ハウジングの第一の管状セクションおよび第二の管状セクションの一方または両方が、熱伝導性材料を含むことが好ましい。ハウジングの第一の管状セクションおよび第二の管状セクションの両方が、熱伝導性材料を含むことがより好ましい。これにより、有利なことに、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源から、ハウジングの第一の管状セクションおよび第二の管状セクションを介して、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体の周辺に熱伝導が可能になる。
【0023】
特定の実施形態では、ハウジングの第一の管状セクションおよび第二の管状セクションの一方または両方が、熱伝導性材料で形成される。
【0024】
特定の実施形態では、ハウジングの第一の管状セクションおよび第二の管状セクションの両方が、熱伝導性材料で形成される。
【0025】
ハウジングの第一の管状セクションおよび第二の管状セクションは、熱伝導性材料で部分的に形成されてもよく、または完全に熱伝導性材料で形成されてもよい。
【0026】
ハウジングの第一の管状セクションおよび第二の管状セクションが形成されうる適切な材料は、当技術分野で公知であり、限定するものではないが、アルミニウム、鋼、黒鉛およびそれらの組み合わせを含む。
【0027】
ハウジングの第一の管状セクションは、空気がハウジングの第一の管状セクション内へと引き込まれることを可能にする一つ以上の空気吸込み口を含みうる。これにより、有利なことに、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源の点火および持続的な燃焼が容易となる。ハウジングの第一の管状セクションの一つ以上の空気吸込み口は、有利なことに、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源の点火および燃焼中に形成された生成物およびその他の材料の燃焼および分解を可能とし、ハウジングの第一の管状セクションから排出することを可能にしうる。
【0028】
ハウジングの第二の管状セクションは、空気がハウジングの第二の管状セクション内へと引き込まれることを可能にする一つ以上の空気吸込み口を含みうる。これにより、有利には、ユーザーによる吸入のための、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体を通した空気の吸込みが容易となる。
【0029】
ハウジングおよび熱伝導性要素は、バイメタル要素が第一の位置にあり、バイメタル要素が第二の位置にある時に、ハウジングの第一の管状セクションから第二の管状セクションへの気流が実質的に防止されるように構成されることが好ましい。これにより、有利なことに、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源の点火および燃焼中に形成される燃焼および分解生成物並びにその他の材料が、ユーザーによる吸入のために、エアロゾル発生物品を通して引き込まれた空気に入るのを実質的に阻止または抑制しうる。これはまた、有利なことに、ユーザーによる吸煙の間にハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源の燃焼の活性化を防止または阻止し、それによってユーザーによる吸煙の間、エアロゾル形成基体の温度の上昇を実質的に防止または阻止する助けとなりうる。
【0030】
ハウジングの第一の管状セクションと第二の管状セクションとの間に配置された熱伝導性要素は、温度変化に応答して機械的変位を受けるバイメタル要素を含む。
【0031】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「バイメタル要素」という用語は、熱膨張の異なる係数を有する二つの金属層を含む要素を記述するために使用される。二つの金属層は、任意の適切な公知のプロセスによって一緒に接合されうる。例えば、二つの金属層は、クラッディングまたは溶接によって一緒に接合されうる。バイメタル要素の二つの金属層を形成するための適切な金属および合金は、限定するものではないが、アルミニウム、アルミニウム合金、ベリリウム合金、ビスマス、黄銅、青銅、カドミウム、コバルト合金、銅、銅-ニッケル合金、金、鉄、鉛、マグネシウム、マグネシウム合金、モネル、ニッケル、ニッケル合金、ニッケルアルミナイド、ニオビウム、ニオビウム合金、パラジウム、白金、レニウム、銀、銀合金、鋼、タンタル、タンタル合金、スズ、スズ合金、チタン、チタンアルミナイド、ウラニウム、バナジウム合金、亜鉛、亜鉛合金、およびジルコニウムを含む。
【0032】
バイメタル素子が形成されうる適切な市販のバイメタル材料は、限定するものではないが、スウェーデンのKanthal ABから入手可能な、ANTHAL 60、KANTHAL 180R05、KANTHAL 145R10、KANTHAL 135R05、KANTHAL 130R03、KANTHAL 127R09およびKANTHAL 115R09を含む。
【0033】
バイメタル要素は、バイメタル要素の第一の部分がハウジングの第一管状セクションの近位にあり、バイメタル要素の第二の部分がハウジングの第二の管状セクションの近位にある、第一の位置から、バイメタル要素が閾値温度超に加熱されたとき、バイメタル要素の第一の部分がハウジングの第一の管状セクションから、ハウジングの第二の管状セクションに向かって変位する、第二の位置に変形するように配置される。
【0034】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「変形」という用語は、バイメタル要素の形状の変化または寸法の変化の一方または両方を記述するために使用される。
【0035】
バイメタル要素は、好ましくは少なくとも約200℃の閾値温度超に加熱された時、より好ましくは少なくとも約300℃の閾値温度超に加熱された時、最も好ましくは少なくとも約350℃の閾値温度超に加熱された時、第一の位置から第二の位置まで変形するように配置される。
【0036】
バイメタル要素は、バイメタル素子が閾値温度超に加熱された時、第一の位置から第二の位置まで弾性的に変形する。
【0037】
バイメタル要素は、バイメタル素子が閾値温度未満に冷却した時、第二の位置から第一の位置まで変形するように配置される。
【0038】
バイメタル要素は、バイメタル素子が閾値温度未満に冷却した時、第二の位置から第一の位置まで弾性的に変形する。
【0039】
特定の実施形態では、バイメタル要素は、第一の位置から第二の位置にスナップ作用で変形するように予め応力をかけうる。このような実施形態では、バイメタル要素は、閾値温度超に加熱された時、第一の位置から第二の位置まで瞬時に変形する。
【0040】
特定の実施形態では、バイメタル要素は予め応力をかけられていなくてもよい。こうした実施形態では、バイメタル要素は、バイメタル要素の温度が上昇するにつれて、第一の位置から第二の位置へ徐々に変形する。
【0041】
特定実施形態では、バイメタル要素は、閾値温度超に加熱された時、第一の位置から第二の位置まで湾曲し得る。
【0042】
特定の実施形態では、バイメタル要素は、第一の位置では実質的に平らであってもよく、第二の位置では第一の管状セクションに対して湾曲していてもよい。
【0043】
特定の実施形態では、バイメタル要素は、第一の位置では第一の管状セクションに対して凸状に湾曲し、第二の位置では実質的に平らであってもよい。
【0044】
特定の実施形態では、バイメタル要素は、第一の位置では第一の管状セクションに対して凸状に湾曲し、第二の位置では第一の管状セクションに対して凸状に湾曲していてもよい。
【0045】
特定の実施形態では、バイメタル要素は、閾値温度超に加熱された時、第一の位置から第二の位置まで収縮しうる。
【0046】
バイメタル要素は任意の適切な形状であってもよい。例えば、バイメタル素子は、バイメタルストリップ、バイメタルディスクまたは例えばバイメタルらせんコイルまたはバイメタルスパイラルコイルなどのバイメタルコイルであってもよい。
【0047】
バイメタル要素がバイメタルストリップまたはバイメタルディスクである場合、バイメタル要素の第一の部分は、バイメタル要素の第一の金属層であってもよく、バイメタル要素の第二の部分は、バイメタル要素の第二の金属層であってもよい。
【0048】
バイメタル要素がバイメタルストリップまたはバイメタルディスクである場合、バイメタル要素の第一の部分は、バイメタル要素の第一の金属層であってもよく、バイメタル要素の第二の部分は、バイメタル要素の第二の金属層であってもよい。
【0049】
バイメタル要素がバイメタルコイルである場合、バイメタル要素の第一の部分は、バイメタル要素の第一端であってもよく、バイメタル要素の第二の部分は、バイメタル要素の第二端であってもよい。
【0050】
特定の実施形態では、バイメタル要素の第二の部分は、ハウジングの第一の管状セクションおよび第二の管状セクションに対して定位置に固定されてもよい。
【0051】
エアロゾル発生装置の使用中、熱は、バイメタル要素を含む熱伝導要素を介した伝導によってハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源から、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体に伝達される。
【0052】
ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源から第二の管状のセクションに受けられたエアロゾル発生基体への伝導性熱伝達を促進するために、バイメタル要素は、有利には、例えば20℃の周囲温度でASTM C518-10に従って測定した場合、約1ワット/メートルセルシウス温度(W/(m℃)~約400ワット/メートルセルシウス温度(W/(m℃)の熱伝導率を有する。
【0053】
バイメタル要素は、例えば20℃の周囲温度でASTM C518-10に従って測定した場合、好ましくは、少なくとも約20ワット/メートルセルシウス温度(W/(m℃))、より好ましくは、少なくとも約40ワット/メートルセルシウス温度(W/(m℃))の熱伝導率を有する。
【0054】
その熱伝導率を向上させるために、バイメタル要素は、熱膨張の異なる係数、および熱膨張の異なる係数を有する二つの金属層の間の、例えば銅などの高熱伝導率を有する材料の中間層を有する二つの金属層を含みうる。
【0055】
バイメタル要素の組成、形状および寸法は、所望の変形速度、所望の変形程度、およびバイメタル要素の所望の熱伝達容量を提供するように選択されうる。
【0056】
エアロゾル発生装置の使用中に、バイメタル要素の第一の部分がハウジングの第一の管状セクションの近位にあり、バイメタル要素の第二の部分がハウジングの第二の管状セクションに近位にある、第一の位置で、バイメタル要素はハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源によって加熱される。バイメタル要素が閾値温度超に加熱された時、バイメタル要素は、第一の位置から、バイメタル要素の第一の部分が、ハウジングの第一の管状セクションからハウジングの第二の管状セクションに向かって離れるように変位する、第二の位置に自動的に変形する。
【0057】
第二の位置では、バイメタル要素を含む熱伝導性要素から、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体への伝導によって熱が伝達され、またバイメタル要素が冷却される。バイメタル要素が閾値温度未満に冷却された時、バイメタル要素は、第二の位置から第一の位置に自動的に変形し、バイメタル要素の第一の部分は、ハウジングの第二の管状セクションからハウジングの第一の管状セクションに向かって離れるように変位して、可燃性熱源からバイメタル要素への熱伝達を促進する。
【0058】
第一の位置と第二の位置との間のバイメタル要素の変形は、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源からエアロゾル発生基体へのバイメタル要素を含む熱伝導性要素を介した伝導性熱伝達の動的調整を通して、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体の温度の温度制御を提供する。
【0059】
特定の実施例では、バイメタル要素は、エアロゾル発生物品の温度が約200℃~約350℃であるように、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源からハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体への熱伝導要素を介した伝導性熱伝達を制御しうる。
【0060】
第一の位置では、バイメタル要素の第一の部分は、有利には、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源と熱的に接触する。
【0061】
第一の位置では、バイメタル要素の第一の部分は、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源と直接、熱的に接触しうる。
【0062】
第一の位置では、バイメタル要素の第一の部分は、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源と間接的に、熱的に接触しうる。
【0063】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「熱的接触」という用語は、伝導によって二つの構成要素の間で熱が移動することができるように配置された二つの構成要素を記述するのに使用される。二つの構成要素は互いに直接接触してもよい。本発明に関連して本明細書で使用される場合、これは「直接的熱接触」として記述される。一つ以上の追加的な熱伝導性構成要素が、二つ以上の追加的な熱伝導性構成要素を介して伝導によって二つの構成要素間を熱が移動できるように、二つの構成要素間に提供されうる。本発明に関連して本明細書で使用される場合、これは「間接的熱接触」として記述される。
【0064】
特定の実施形態では、熱伝導性要素は、バイメタル要素とハウジングの第一の管状セクションとの間に配置された第一の熱伝導性構成要素を含みうる。
【0065】
第一の熱伝導性構成要素は、ハウジングの第一の管状セクションに受けられる可燃性熱源と直接、熱的接触してもよい。
【0066】
第一の位置では、バイメタル要素の第一の部分は、第一の熱伝導性構成要素を介して、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源と間接的に、熱的に接触しうる。
【0067】
この第一の熱伝導性構成要素は、第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源内に挿入するために、ハウジングの第一の管状セクション内に突出する第一の細長い熱伝導性部材を含みうる。
【0068】
第一の細長い熱伝導性部材は、有利には、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源から、熱伝導性要素を介してハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生物品へ伝導性熱伝達を促進しうる。
【0069】
第一の細長い熱伝導性部材は有利なことに、ハウジングの第一の管状セクション内での可燃性熱源の保持を容易にしうる。
【0070】
第二の位置では、バイメタル要素の第二の部分は、有利には、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生剤と熱的に接触する。
【0071】
第二の位置では、バイメタル要素の第二の部分は、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生剤と直接、熱的に接触しうる。
【0072】
第二の位置では、バイメタル要素の第二の部分は、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生剤と間接的に、熱的に接触しうる。
【0073】
第一の位置では、バイメタル要素の第二の部分は、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生剤と熱的に接触しうる。
【0074】
第一の位置では、バイメタル要素の第二の部分は、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生剤と直接、熱的に接触しうる。
【0075】
第一の位置では、バイメタル要素の第二の部分は、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生剤と間接的に、熱的に接触しうる。
【0076】
特定の実施形態では、熱伝導性要素は、バイメタル要素とハウジングの第二の管状セクションとの間に配置された第二の熱伝導性構成要素を含みうる。
【0077】
第二の熱伝導性構成要素は、ハウジングの第二の管状セクション内に受けられたエアロゾル発生物品と直接、熱的接触していてもよい。
【0078】
第二の位置では、バイメタル要素の第二の部分は、第二の熱伝導性構成要素を介して、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生物品と間接的に、熱的に接触しうる。
【0079】
第一の位置では、バイメタル要素の第二の部分は、第二の熱伝導性構成要素を介して、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生物品と間接的に、熱的に接触しうる。
【0080】
第二の熱伝導性構成要素は、第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体内に挿入するための、ハウジングの第二の管状セクション内に突出する第二の細長い熱伝導性部材を含みうる。
【0081】
第二の細長い熱伝導性部材は、有利には、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源から、熱伝導性要素を介してハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体へ伝導性熱伝達を促進しうる。
【0082】
第二の細長い熱伝導性部材は有利なことに、ハウジングの第二の管状セクションでのエアロゾル発生基体の保持を容易にする。
【0083】
エアロゾル発生装置は、ハウジングの第二の管状セクションの少なくとも一部分の周りに熱絶縁スリーブを含みうる。熱絶縁スリーブは、有利なことに、エアロゾル発生装置からの熱損失を低減しうる。熱絶縁スリーブは、有利なことに、ユーザーによるエアロゾル発生装置の取り扱いを容易にしうる。
【0084】
熱絶縁スリーブは、ハウジングの第二の管状セクションの少なくとも一部分、および第一の管状セクションの少なくとも一部分の周りにあってもよい。
【0085】
熱絶縁スリーブは、ハウジングの第二の部分の実質的に全長の周りにあってもよい。
【0086】
特定の実施形態では、熱絶縁スリーブは、ハウジングの第一の部分の実質的に全長の周りにあってもよい。
【0087】
熱絶縁スリーブは、空気がエアロゾル発生装置内に引き込まれることを可能にする一つ以上の空気吸込み口を含みうる。
【0088】
熱絶縁スリーブの一つ以上の空気吸込み口は、空気がハウジングの第一の管状セクション内に引き込まれることを可能にしうる。これにより、有利なことに、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源の点火および持続的な燃焼が容易となる。
【0089】
熱絶縁スリーブの一つ以上の空気吸込み口は、空気がハウジングの第二の管状セクション内に引き込まれることを可能にしうる。これにより、有利には、ユーザーによる吸入のための、ハウジングの第二の管状セクションに受けられたエアロゾル発生基体を通した空気の吸込みが容易となる。
【0090】
熱絶縁スリーブの一つ以上の空気吸込み口は、有利なことに、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源の点火および燃焼中に形成された生成物およびその他の材料の燃焼および分解を可能とし、エアロゾル発生装置から排出することを可能にしうる。
【0091】
エアロゾル発生装置は、熱絶縁スリーブに取り外し可能に接続された第一の管状セクションの少なくとも一部分の周りに熱絶縁カバーを含みうる。
【0092】
熱絶縁カバーは、ハウジングの第一の管状セクションを越えて軸方向外側に突出してもよい。これは、有利には、エアロゾル発生装置の使用中、ハウジングの第一の管状セクションに受けられた可燃性熱源からのユーザーの遮蔽を改善しうる。
【0093】
エアロゾル発生装置を使用する前、熱絶縁カバーは、有利には、ハウジングの第一の管状セクション内への可燃性熱源の挿入を容易にするために、熱絶縁性スリーブから分離されうる。
【0094】
エアロゾル発生装置を使用した後、熱絶縁カバーは、有利には、ハウジングの第一の管状セクションからの可燃性熱源の除去を容易にするために、熱絶縁性スリーブから分離されうる。
【0095】
可燃性熱源は、固体の可燃性熱源であることが好ましい。
【0096】
可燃性熱源は、モノシリックな固体の可燃性熱源であることがより好ましい。すなわち、一体型の固体の可燃性熱源である。
【0097】
可燃性熱源は実質的に円筒状であることが有利である。
【0098】
可燃性熱源は、約7ミリメートル~約17ミリメートルの長さ、例えば約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さ、または約7ミリメートル~約13ミリメートルの長さを有してもよい。
【0099】
可燃性熱源は、約5ミリメートル~約9ミリメートルの直径、例えば約7ミリメートル~約8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0100】
可燃性熱源は可燃性炭素質熱源であることが有利である。
【0101】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「炭素質」という用語は、炭素を含む可燃性熱源を記述するために使用される。
【0102】
可燃性熱源は、カーボン化された材料を含むことが有利である。
【0103】
可燃性炭素質熱源の炭素含有量は、可燃性炭素質熱源の乾燥質量の少なくとも約35パーセントであることが有利である。
【0104】
可燃性炭素質熱源は、可燃性炭素質熱源の乾燥質量で少なくとも約40パーセント、または可燃性炭素質熱源の乾燥質量で少なくとも約45パーセントの炭素含有量を有してもよい。
【0105】
可燃性炭素質熱源は可燃性炭素ベース熱源であってもよい。
【0106】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「炭素ベース」という用語は、主に炭素から成る可燃性炭素質熱源であって、可燃性炭素質熱源の乾燥質量で少なくとも約50パーセントの炭素含有量を有する可燃性炭素質熱源を説明するために使用される。例えば、可燃性炭素質熱源は、可燃性炭素質熱源の乾燥質量で少なくとも約60パーセント、または可燃性炭素質熱源の乾燥質量で少なくとも約70パーセント、もしくは可燃性炭素質熱源の乾燥質量で少なくとも約80パーセントの炭素含有量を有してもよい。
【0107】
可燃性炭素質熱源は、一つ以上の適切な炭素含有材料から形成されてもよい。
【0108】
一つ以上の結合剤を、一つ以上の炭素含有材料と組み合わせてもよい。こうした実施形態において、可燃性炭素質熱源は、一つ以上の有機結合剤、一つ以上の無機結合剤、または一つ以上の有機結合剤と一つ以上の無機結合剤の組み合わせを含みうる。
【0109】
可燃性炭素質熱源は、可燃性炭素質熱源の特性を改善するために一つ以上の添加剤を含みうる。適切な添加剤としては、可燃性炭素質熱源の圧密を促進する添加剤(例えば、焼結助剤)、可燃性炭素質熱源の点火を促進する添加剤(例えば、過塩素酸塩、塩素酸塩、硝酸塩、過酸化物、過マンガン酸塩、ジルコニウムおよびこれらの組み合わせなどの酸化剤)、可燃性炭素質熱源の燃焼を促進する添加剤(例えば、クエン酸カリウムなどのカリウムおよびカリウム塩)、可燃性炭素質熱源の燃焼によって生成される一つ以上の気体の分解を促進する添加剤(例えば、CuO、Fe23およびAl23などの触媒)、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
可燃性炭素質熱源は少なくとも一つの点火補助剤を含むことが有利である。特定の好ましい実施形態において、可燃性炭素質熱源は、WO 2012/164077 A1号に記載の通りの少なくとも一つの点火補助剤を含む。
【0111】
本発明によるエアロゾル発生装置と使用するための可燃性炭素質熱源を製造するための適切なプロセスは、当技術分野において周知であり、押し付けプロセスおよび押し出し成形プロセスを含むが、これらに限定されない。
【0112】
特定の好ましい実施形態において、可燃性熱源はプレスされた可燃性炭素質熱源である。
【0113】
可燃性熱源は、非ブラインド可燃性熱源であってもよい。
【0114】
本発明に関連して本明細書に使用される用語「非ブラインド」は、可燃性熱源の長さに沿って延在する少なくとも一つの気流チャネルを含む可燃性熱源を記述するために使用される。
【0115】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「気流チャネル」という用語は、引き込まれうる空気が通る可燃性炭素質熱源の長さに沿って延在するチャネルを記述するために使用される。
【0116】
可燃性熱源は、ブラインド可燃性熱源であることが有利である。
【0117】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「ブラインド」という用語は、それを通して空気が引き込まれうる可燃性炭素質熱源の長さに沿って延在する気流チャネルを含まない可燃性熱源を記述するために使用される。
【0118】
可燃性熱源が非ブラインド可燃性熱源またはブラインド可燃性熱源である場合、可燃性熱源は、それを通って空気が引き込まれない一つまたは複数の閉じた、または閉鎖された通路も含んでもよい。
【0119】
例えば、可燃性熱源は、可燃性熱源の長さに沿って途中までのみ延在する一つまたは複数の閉じた通路を含んでもよい。
【0120】
一つまたは複数の閉じた空気通路を含めることにより、空気からの酸素に曝される可燃性熱源の表面領域が増大し、可燃性熱源の点火および燃焼の持続が有利に容易となりうる。
【0121】
エアロゾル発生装置の熱伝導性要素が、ハウジングの第一の管状セクション内に突出する第一の細長い熱伝導性部材を含み、可燃性熱源は、有利には、その中に第一の細長い熱伝導性部材が挿入されうるくぼみを含む。
【0122】
有利には、ハウジングは、可燃性熱源を受けるための第一の管状セクション、およびエアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品を受けるための第二の管状セクションを含む。
【0123】
本発明によるエアロゾル発生装置は、有利には、電気ヒーターを備えたエアロゾル発生装置での使用が意図されたエアロゾル発生物品を、代わりに可燃性熱源と使用することができるようにしうる。
【0124】
エアロゾル発生基体は、エアロゾル形成体を含むエアロゾル形成材料を含むことが有利である。
【0125】
エアロゾル形成体は、使用時に密度が高く安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつエアロゾル発生物品の動作温度で実質的に熱劣化に対する耐性のある、任意の適切な化合物または化合物の混合物であってもよい。適切なエアロゾル形成体は当技術分野で周知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテートなど)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸およびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0126】
エアロゾル形成体は一つ以上の多価アルコールを含むことが有利である。
【0127】
エアロゾル形成体はグリセリンを含むことがより有利である。
【0128】
エアロゾル発生基体は固体のエアロゾル形成基体であることが好ましい。エアロゾル発生基体は固体と液体の両方の成分を含みうる。
【0129】
エアロゾル発生基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル発生基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0130】
エアロゾル発生基体はニコチンを含んでもよい。
【0131】
エアロゾル発生基体はたばこ材料を含んでもよい。
【0132】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「たばこ材料」という用語は、たばこ葉、たばこリブ、たばこ茎、たばこ幹、たばこダスト、膨化たばこ、再構成たばこ材料、および均質化したたばこ材料を含むが、それらに限定されないたばこを含む何らかの材料を説明するために使用される。
【0133】
たばこ材料は、例えば粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片、シート、またはそれらの任意の組み合わせの形態であってもよい。
【0134】
エアロゾル発生基体は、均質化したたばこ材料を含むことが有利である。
【0135】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「均質化したたばこ材料」という用語は、粒子状たばこを凝集することによって形成される材料を説明するために使用される。
【0136】
特定の実施形態において、エアロゾル発生基体は、有利には、均質化したたばこ材料の複数のストランドを含む。
【0137】
有利には、均質化したたばこ材料の複数のストランドは、エアロゾル発生基体内で互いに実質的に平行に整列されうる。
【0138】
特定の実施形態では、エアロゾル発生基体は、有利には、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含む。
【0139】
エアロゾル発生基体は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含むロッドを含みうる。
【0140】
エアロゾル発生基体は、エアロゾル形成材料と、エアロゾル形成材料の周りにあり、かつそれと接触するラッパーと、を含みうる。
【0141】
ラッパーは、エアロゾル形成材料の周りに巻かれて、エアロゾル発生基体を形成することが可能な任意の適切なシート材料から形成されうる。
【0142】
特定の実施形態では、エアロゾル発生基体は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含むロッド、およびたばこ材料の周りにあり、かつそれと接触するラッパーを含みうる。
【0143】
本発明に関連して本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に円形、長円形または楕円形の断面の一般的に円柱状の要素を示すために使用される。
【0144】
本発明に関連して本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さよりもかなり大きい幅および長さを有する薄層状の要素を説明するために使用される。
【0145】
本発明に関連して本明細書に使用される「集められた」という用語は、巻き込まれ、折り畳まれ、または別途エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して実質的に横断方向に圧縮され、または収縮したシートを説明するために使用される。
【0146】
特定の実施形態では、エアロゾル発生基体は、有利には、均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含む。
【0147】
本発明に関連して本明細書で使用される「きめのあるシート」という用語は、捲縮され、型押しされ、デボス加工され、穿孔され、または別途変形されたシートを説明するために使用される。
【0148】
均質化したたばこ材料のテクスチャードシートの使用は有利なことに、均質化したたばこ材料シートを集合してエアロゾル形成基体を形成するのを容易にしうる。
【0149】
エアロゾル発生基体は、複数の間隔を置いたへこみ、突起、穿孔またはそれらの任意の組み合わせを含む均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含んでもよい。
【0150】
エアロゾル発生基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含むことができる。
【0151】
本発明に関連して本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波型形状を有するシートを説明するために使用される。
【0152】
有利には、エアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品が組み立てられた時に、実質的に平行な隆起またはコルゲーションは、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、またはそれと平行に延びる。これは均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を容易にしてエアロゾル発生基体を形成する。
【0153】
しかし、本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートは別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に鋭角または鈍角で配置されている複数の実質的に平行な隆起またはコルゲーションを有してもよいことが認識される。
【0154】
エアロゾル発生基体は実質的に円筒形であることが好ましい。
【0155】
エアロゾル発生基体は、約5ミリメートル~約20ミリメートルの長さ、例えば約6ミリメートル~約15ミリメートルの長さ、または約7ミリメートル~約12ミリメートルの長さを有してもよい。
【0156】
エアロゾル発生基体は、約5ミリメートル~約9ミリメートルの直径、例えば約7ミリメートル~約8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0157】
本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体および一つ以上のその他の構成要素を含みうる。
【0158】
エアロゾル発生基体および一つ以上のその他の構成要素は、エアロゾル発生物品の一つ以上のラッパー内で組み立てられ、近位端および対向する遠位端を有する細長いロッドを形成する。本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品は、従来的な点火端のある紙巻たばことこのように類似する。
【0159】
一つ以上のその他の構成要素は、支持要素、移動またはスペーサー要素、エアロゾル冷却要素、およびマウスピースのうち一つ以上を含みうる。
【0160】
本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のすぐ下流の支持要素を含みうる。
【0161】
支持要素は、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基体の下流への移動に抵抗するように構成されうる。
【0162】
支持要素は少なくとも一つの端の開いた管状中空体を含みうる。
【0163】
本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のすぐ下流の移動要素またはスペーサー要素を含みうる。すなわち、移動要素またはスペーサー要素は、エアロゾル発生基体とエアロゾル発生物品の近位端との間に位置する。
【0164】
移動要素は、エアロゾル発生基体に当接しうる。代替的に、移動要素はエアロゾル発生基体から長軸方向に離間していてもよい。
【0165】
移動要素を含めることにより、エアロゾル発生基体への熱伝達によって生成されるエアロゾルの冷却が有利に可能となる。移動要素を含めることにより、本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品の全長を、移動要素の長さの適切な選択により所望の値、例えば従来の紙巻たばこの長さに類似した長さに調整することも有利には可能となる。
【0166】
移動要素は、約7ミリメートル~約50ミリメートルの長さ、例えば約10ミリメートル~約45ミリメートルの長さ、または約15ミリメートル~約30ミリメートルの長さを有してもよい。移動要素の長さは、エアロゾル発生物品の所望の全長、およびエアロゾル発生物品内のその他の構成要素の存在および長さに依存して、その他の長さであってもよい。
【0167】
移動要素は少なくとも一つの端の開いた管状中空体を含みうる。こうした実施形態では、使用において、エアロゾル発生物品の中へと引き込まれる空気は、それがエアロゾル発生基体からエアロゾル発生物品の近位端へエアロゾル発生物品を通って下流に通過する時に、少なくとも一つの端の開いた管状中空体を通って通過する。
【0168】
移動要素は、エアロゾル発生基体への熱の移動によって生成されるエアロゾルの温度で実質的に熱安定している一つまたは複数の適切な材料から形成される少なくとも一つの端の開いた管状中空体を含んでいてもよい。適切な材料は当技術分野で公知であり、紙、ボール紙、プラスチック、このような酢酸セルロース、セラミックおよびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0169】
本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の下流にあるエアロゾル冷却要素または熱交換器を含んでもよい。すなわち、エアロゾル冷却要素または熱交換器は、エアロゾル発生基体とエアロゾル発生物品の近位端との間に位置する。
【0170】
エアロゾル冷却要素は複数の長軸方向に延びるチャネルを含んでもよい。
【0171】
エアロゾル冷却要素は、金属箔、重合体材料および実質的に非多孔性の紙またはボール紙から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。一定の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)およびアルミ箔から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。
【0172】
エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸(PLA)またはMater-Bi(登録商標)の等級(デンプンベースのコポリエステルの市販のファミリー)などの生物分解性高分子材料のシートの集合体を含みうる。
【0173】
本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品が、エアロゾル発生基体の下流の移動要素、およびエアロゾル発生基体の下流のエアロゾル冷却要素を含む場合、エアロゾル冷却要素は、移動要素の下流にあることが好ましい。すなわち、エアロゾル冷却要素は、移動要素とエアロゾル発生物品の近位端との間に位置することが好ましい。
【0174】
本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のすぐ下流のマウスピースを含みうる。すなわち、マウスピースは、エアロゾル発生基体とエアロゾル発生物品の近位端との間に位置する。
【0175】
マウスピースは、エアロゾル発生物品の近位端に位置することが好ましい。
【0176】
マウスピースは濾過効率が低いことが好ましく、濾過効率が非常に低いことがより好ましい。
【0177】
マウスピースは単一のセグメントまたは構成要素のマウスピースであってもよい。
【0178】
別の方法として、マウスピースはマルチセグメントマウスピースであっても、または複数構成要素マウスピースであってもよい。
【0179】
マウスピースは、適切な濾過材料を含む一つ以上のセグメントを含むフィルターを備えてもよい。適切な濾過材料は当技術分野で周知であり、これには酢酸セルロースおよび紙が含まれる、これらに限定されない。別の方法として、または追加的に、マウスピースは吸収剤、吸着剤、風味剤、およびその他のエアロゾル変性剤および添加剤またはその組み合わせを含む一つ以上のセグメントを含みうる。
【0180】
本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の下流に一つ以上のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。例えば、含まれる場合、本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品のマウスピース、移動要素、およびエアロゾル冷却要素のうちの一つ以上は、一つ以上のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。
【0181】
本発明に関連して本明細書に使用される場合、「エアロゾル修飾剤」という用語は、使用時に、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体によって生成されるエアロゾルの一つまたは複数の特徴または特性を修飾する任意の薬剤を説明するために使用される。
【0182】
適切なエアロゾル修飾剤には風味剤、および化学感覚剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0183】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「化学感覚剤」という用語は、使用時に、味覚受容体または嗅覚受容体細胞を介した知覚以外の、またはそれに加えた手段によってユーザーの口または嗅空洞において知覚される任意の薬剤を記述するために使用される。化学感覚剤の知覚は典型的に、「三叉神経応答」(三叉神経、舌咽神経、迷走神経またはこれらの何らかの組み合わせのいずれか)を経る。化学感覚剤は、辛い、香ばしい、清涼感のある、または鎮静する感覚として知覚されることが典型的である。
【0184】
本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の下流に、風味剤と化学感覚剤の両方である一つ以上のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。例えば、含まれる場合、本発明によるエアロゾル発生物品のマウスピース、移動要素およびエアロゾル冷却要素のうちの一つ以上は、冷却する化学感覚効果を提供するメントールまたは別の風味剤を含んでもよい。
【0185】
本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品が、例えば、移動要素、冷却要素、またはマウスピースなどのエアロゾル発生基体の下流の一つ以上の構成要素を含む場合、エアロゾル発生装置のハウジングの第二の管状セクションは、エアロゾル発生基体の下流にあるエアロゾル発生物品の構成要素の一部または全部を受容しうる。
【0186】
本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置のハウジングの第二の管状セクションの内径と実質的に同じ外径を有しうる。これは、有利なことに、ハウジングの第二の管状セクションでのエアロゾル発生物品の保持を容易にしうる。
【0187】
本発明によるエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置のハウジングの第二の管状セクションの内径より小さい外径を有しうる。これは、有利には、ユーザーによる吸入のためのエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体を通した空気の引き込みを容易にしうる。
【0188】
本発明によるエアロゾル発生装置と使用するエアロゾル発生物品は、公知の方法および機械を使用して組み立てられうる。
【0189】
誤解を避けるために、本発明の一つの態様に関する上述の特徴はまた、本発明の他の態様に適用されてもよい。
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0190】
図1図1aおよび1bは、閾値温度未満の温度での本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生装置を示す。図1cは、閾値温度超の温度での図1bに示す本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生装置を示す。
図2図2aは、閾値温度未満の温度での本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生装置を示す。図2bは、閾値温度超の温度での本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生装置を示す。
図3図3aは、閾値温度未満の温度での本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生装置を示す。図3bは、閾値温度超の温度での本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0191】
図1a~図1cに示す本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生装置2は、第一の剛直な円筒形の管状のセクション6および第二の剛直な円筒形の管状のセクション8を含むハウジング4を含む。特定の実施形態では、ハウジング4の第一の管状セクション6および第二の管状セクション8は、熱伝導性材料から形成される。エアロゾル発生装置2は、ハウジング4の第一の管状セクション6と第二の管状セクション8との間に配置された熱伝導性要素10を含む。
【0192】
熱伝導性要素10は、ハウジング4の第一の管状セクション6の近位の第一の熱伝導性構成要素を含む。第一の熱伝導性要素は、第一の熱伝導ディスク12と、第一の熱伝導ディスク12からハウジング4の第一の管状セクション6の中へ突出する第一の細長い熱伝導性部材14と、を含む。
【0193】
熱伝導性要素10はまた、ハウジング4の第二の管状セクション8の近位の第二の熱伝導性構成要素も含む。第二の熱伝導性要素は、第二の熱伝導ディスク16と、第二の熱伝導ディスク16からハウジング4の第二の管状セクション8の中へ突出する第二の細長い熱伝導性部材18と、を含む。
【0194】
熱伝導性要素10は、第一の熱伝導性構成要素の第一の熱伝導ディスク12と第二の熱伝導性構成要素の第二の熱伝導ディスク16との間に配置されたバイメタルストリップ20の形態のバイメタル要素をさらに含む。バイメタルストリップ20の対向する両端は、第二の熱伝導性構成要素の第二の熱伝導ディスク16に固定される。
【0195】
エアロゾル発生装置2は、ハウジング4の第二の管状セクション8の周りに、およびハウジング4の第一の管状セクション6の一部分の周りに剛直な熱絶縁円筒形スリーブ22を含む。エアロゾル発生装置はまた、熱絶縁スリーブ22に取り外し可能に接続された剛直な熱絶縁円筒形カバー24も含む。図1bおよび1cに示すように、熱絶縁スリーブ22に接続された時、熱絶縁カバー24は、ハウジング4の第一の管状セクション6を越えて外向きに突出する。一つ以上の空気吸込み口26は、ハウジング4の第二の管状セクション8の周りの熱絶縁スリーブ22に提供される。
【0196】
エアロゾル発生装置2を使用するために、図1aに示すように、熱絶縁カバー24は熱絶縁スリーブ22から分離される。軸方向くぼみを含む固体の円筒形の可燃性炭素質熱源28が、ハウジング4の第一の管状セクション6内に挿入される。可燃性熱源28の端面は、熱伝導性要素10の第一の熱伝導性要素の第一の熱伝導ディスク12に当接する。熱伝導性要素10の第一の熱伝導性構成要素の第一の細長い熱伝導性部材14は、可燃性熱源28の軸方向くぼみ内に突出する。
【0197】
エアロゾル発生基体32を含むエアロゾル発生物品30が、ハウジング4の第二の管状セクション8内に挿入される。エアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32の端面は、熱伝導性要素10の第二の熱伝導性構成要素の第二の熱伝導ディスク16に当接する。熱伝導性要素10の第二の熱伝導性構成要素の第二の細長い熱伝導性部材18は、エアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32内に突出する。
【0198】
可燃性熱源28は、ライターまたはその他の適切な装置を使用して点火され、熱絶縁カバー24は次に、図1bに示したように熱絶縁スリーブ22に接続される。
【0199】
最初に、熱伝導性要素10のバイメタルストリップ20は、図1bに示す第一の位置にある。第一の位置では、バイメタルストリップ20は、ハウジング4の第一の管状セクション6に対して凸状に湾曲し、熱伝導性要素10の第一の熱伝導性構成要素の第一の熱伝導ディスク12と直接接触する。
【0200】
可燃性熱源28の点火後、ハウジング4の第二の管状セクション8のエアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32は、ハウジング4の第一の管状セクション6および第二の管状セクション8を介して、また熱伝導性要素10を介して、ハウジング4の第一の管状セクション6の可燃性熱源28からの伝導性熱伝達によって加熱される。揮発性化合物はエアロゾル発生基体32から放出され、エアロゾル発生物品30を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは凝縮して、エアロゾル発生物品30の口側端を通してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成する。
【0201】
熱伝導性要素10のバイメタルストリップ20が、可燃性熱源28によって閾値温度超に加熱された時、図1bに示す第一の位置から図1cに示す第二の位置に変形する。第二の位置では、バイメタルストリップ20は、熱伝導要素10の第一の熱伝導性構成要素の第一の熱伝導性ディスク12ともはや直接接触しなくなり、ハウジング4の第二の管状部分8のエアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32は、熱伝導要素10を介してハウジング4の第一の管状セクション6の可燃性熱源28からの伝導性熱伝達によって加熱されなくなる。
【0202】
第二の位置では、バイメタルストリップ20を含む熱伝導性要素10から、ハウジング4の第二の管状セクション8に受けられたエアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32への伝導によって熱が伝達され、またバイメタルストリップ20が冷却される。バイメタルストリップ20が閾値温度未満に冷却されると、バイメタルストリップ20は、図1cに示す第二の位置から図1bに示す第一の位置に変形する。第一の位置では、バイメタルストリップは、熱伝導要素10の第一の熱伝導性構成要素の第一の熱伝導性ディスク12と再び直接接触し、エアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32は、熱伝導要素10を介してハウジング4の第一の管状セクション6の可燃性熱源28からの伝導性熱伝達によって再び加熱される。
【0203】
エアロゾル発生物品30の可燃性熱源およびエアロゾル発生基体32の一方または両方が消費されると、熱絶縁カバー24は、図1aに示すように熱絶縁スリーブ22から分離されうる。可燃性熱源28およびエアロゾル発生物品30の一方または両方は、それぞれハウジング4の第一の管状セクション6および第二の管状セクション8から取り外されてもよい。
【0204】
エアロゾル発生装置2を再利用するために、さらなる可燃性熱源28およびさらなるエアロゾル発生物品30の一方または両方を、それぞれハウジング4の第一の管状セクション6および第二の管状セクション8に挿入しうる。
【0205】
図2aおよび図2bに示す本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生装置2は図1a~図1cに示す本発明の第一の実施形態によるエアロゾル圧制装置と概して類似した構造である。しかしながら、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生装置では、熱伝導性要素10のバイメタルストリップ20の対向する両端は、第一の熱伝導性構成要素の第一の熱伝導ディスク12に固定される。
【0206】
最初に、熱伝導性要素10のバイメタルストリップ20は、図2aに示す第一の位置にある。第一の位置では、バイメタルストリップ20は平らであり、熱伝導性要素10の第一の熱伝導性構成要素の第一の熱伝導ディスク12と直接接触する。
【0207】
ハウジング4の第一の管状セクション6内に挿入された可燃性熱源28の点火後、ハウジング4の第二の管状セクションのエアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32は、ハウジングの第一の管状セクション6および第二の管状セクション8を介して、ハウジング4の第一の管状セクション6の可燃性熱源28からの伝導性熱伝達によって加熱される。第一の位置では、バイメタルストリップは、熱伝導要素10の第一の熱伝導性構成要素の第二の熱伝導性ディスク16と直接接触せず、エアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32は、熱伝導要素10を介してハウジング4の第一の管状セクション6の可燃性熱源28からの伝導性熱伝達によって加熱されない。
【0208】
揮発性化合物はエアロゾル発生基体32から放出され、エアロゾル発生物品30を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは凝縮して、エアロゾル発生物品30の口側端を通してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成する。
【0209】
熱伝導性要素10のバイメタルストリップ20が、可燃性熱源28によって閾値温度超に加熱された時、図2aに示す第一の位置から図2bに示す第二の位置に変形する。第二の位置では、バイメタルストリップは、熱伝導要素10の第二の熱伝導性構成要素の第二の熱伝導性ディスク16と直接接触し、エアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32は、熱伝導要素10を介してハウジング4の第一の管状セクション6の可燃性熱源28からの伝導性熱伝達によって加熱される。
【0210】
第二の位置では、バイメタルストリップ20は冷却される。バイメタルストリップ20が閾値温度未満に冷却される時、バイメタルストリップ20は、図2bに示す第二の位置から図2aに示す第一の位置に変形する。第一の位置では、バイメタルストリップ20は、熱伝導要素10の第二の熱伝導性構成要素の第二の熱伝導ディスク16ともはや直接接触しなくなり、ハウジング4の第二の管状部分8のエアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32は、熱伝導要素10を介してハウジング4の第一の管状セクション6の可燃性熱源28からの伝導性熱伝達によって加熱されなくなる。
【0211】
エアロゾル発生物品30の可燃性熱源およびエアロゾル発生基体32の一方または両方が消費されると、熱絶縁カバー24は、熱絶縁スリーブ22から分離されうる。可燃性熱源28およびエアロゾル発生物品30の一方または両方は、それぞれハウジング4の第一の管状セクション6および第二の管状セクション8から取り外されてもよい。
【0212】
エアロゾル発生装置2を再利用するために、さらなる可燃性熱源28およびさらなるエアロゾル発生物品30の一方または両方を、それぞれハウジング4の第一の管状セクション6および第二の管状セクション8に挿入しうる。
【0213】
図3aおよび図3bに示す本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生装置2は図1a~図1cに示す本発明の第一の実施形態によるエアロゾル圧制装置と類似した構造である。しかしながら、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生装置2では、バイメタル要素がバイメタルコイル40の形態であり、第一の熱伝導性構成要素の第一の熱伝導ディスク12と第二の熱伝導性構成要素の第二の熱伝導ディスク16の両方に固定される。さらに、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生装置では、熱伝導要素10の第一の熱伝導性構成要素の第一の細長い熱伝導部材14は省略され、熱伝導要素10の第一の熱伝導性構成要素の第一の熱伝導ディスク12は、ハウジング4の第一の管状セクション6に対して移動可能である。
【0214】
最初に、熱伝導性要素10のバイメタルコイル40は、図3aに示す第一の位置にある。第一の位置では、バイメタルコイル40はゆるく巻かれ、熱伝導性要素10の第一の熱伝導性構成要素の第一の熱伝導ディスク12は、ハウジング4の第一の管状セクション6内に挿入される可燃性熱源28と直接接触する。
【0215】
可燃性熱源28の点火後、ハウジング4の第二の管状セクション8内に挿入されたエアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32は、ハウジング4の第一の管状セクション6および第二の管状セクション8を介して、また熱伝導性要素10を介して、ハウジング4の第一の管状セクション6の可燃性熱源28からの伝導性熱伝達によって加熱される。揮発性化合物はエアロゾル発生基体32から放出され、エアロゾル発生物品30を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは凝縮して、エアロゾル発生物品30の口側端を通してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成する。
【0216】
熱伝導性要素10のバイメタルコイル40が、可燃性熱源28によって閾値温度超に加熱された時、図3aに示す第一の位置から図3bに示す第二の位置に変形する。第二の位置では、バイメタルコイル40はかたく巻かれ、熱伝導要素10の第一の熱伝導性構成要素の第一の熱伝導性ディスク12はもはや可燃性熱源28と直接接触しなくなり、ハウジング4の第二の管状部分8のエアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32は、熱伝導要素10を介してハウジング4の第一の管状セクション6の可燃性熱源28からの伝導性熱伝達によって加熱されなくなる。
【0217】
第二の位置では、バイメタルコイル40を含む熱伝導性要素10から、ハウジング4の第二の管状セクション8に受けられたエアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32への伝導によって熱が伝達され、またバイメタルコイル40が冷却される。バイメタルコイル40が閾値温度未満に冷却される時、バイメタルコイル40は、図3bに示す第二の位置から図3aに示す第一の位置に変形する。第一の位置では、バイメタルストリップはゆるく巻かれ、熱伝導要素10の第一の熱伝導性構成要素の第一の熱伝導性ディスク12は再び可燃性熱源28と直接接触し、エアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32は、熱伝導要素10を介してハウジング4の第一の管状セクション6の可燃性熱源28からの伝導性熱伝達によって再び加熱される。
【0218】
エアロゾル発生物品30の可燃性熱源およびエアロゾル発生基体32の一方または両方が消費されると、エアロゾル発生装置2の熱絶縁カバー24は、その熱絶縁スリーブ22から分離されうる。可燃性熱源28およびエアロゾル発生物品30の一方または両方は、それぞれハウジング4の第一の管状セクション6および第二の管状セクション8から取り外されてもよい。
【0219】
エアロゾル発生装置2を再利用するために、さらなる可燃性熱源28およびさらなるエアロゾル発生物品30の一方または両方を、それぞれハウジング4の第一の管状セクション6および第二の管状セクション8に挿入しうる。
【0220】
図1a~図1c、図2aおよび図2bおよび図3aおよび図3bに示す本発明の第一、第二および第三の実施形態によるエアロゾル発生装置では、それぞれ、第一の位置と第二の位置の間のバイメタル要素20の変形が、ハウジング4の第一の管状セクション6に受けられた可燃性熱源28から、エアロゾル発生30のエアロゾル発生基体32への、熱伝導性要素を介した伝導性熱伝達の動的調整を通した、ハウジング4の第二の管状セクション8に受けられたエアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32の温度の温度制御を提供する。バイメタル要素20は、それによって、ユーザーへのエアロゾル送達を最適化するため、エアロゾル発生物品30のエアロゾル発生基体32の温度を一定の範囲内に維持する。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図3a
図3b