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特許7316302様々な絶縁ゲート酸化物を備えた分割ゲートフラッシュメモリセル及びその形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】様々な絶縁ゲート酸化物を備えた分割ゲートフラッシュメモリセル及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 41/30 20230101AFI20230720BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230720BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20230720BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20230720BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20230720BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20230720BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
H10B41/30
H01L29/78 371
H01L27/088 H
H01L29/78 301M
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020562590
(86)(22)【出願日】2019-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 US2019026671
(87)【国際公開番号】W WO2019217022
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】62/669,263
(32)【優先日】2018-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/057,750
(32)【優先日】2018-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドー、ナン
(72)【発明者】
【氏名】ス、チェン-シェン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ジェン-ウェイ
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0117285(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0269622(US,A1)
【文献】特開2000-286348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 41/30
H01L 21/336
H01L 21/8234
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モリデバイスを形成する方法であって、該方法は、
半導体基板に、第1の厚さを有する第1の絶縁層を形成するステップと、
前記第1の絶縁層に第1のポリシリコン層を形成するステップと、
前記第1のポリシリコン層に、第1の絶縁スペーサ及び第2の絶縁スペーサを形成するステップであって、前記第1の絶縁スペーサ及び前記第2の絶縁スペーサは互いに離間している、形成するステップと、
前記第1のポリシリコン層の第1のブロックが前記第1の絶縁スペーサの下に留まり、前記第1のポリシリコン層の第2のブロックが前記第2の絶縁スペーサの下に留まるように、前記第1のポリシリコン層の一部を除去するステップであって、前記第1のポリシリコン層の前記第1のブロック及び前記第2のブロックのそれぞれは、鋭角縁部で終端する傾斜上面を有する、除去するステップと、
前記第1のポリシリコン層の前記第1のブロックと前記第2のブロックとの間の間隙の下に配設されるソース領域を前記半導体基板内に形成するステップと、
前記ソース領域の上方の前記半導体基板に第2の厚さを有する第2の絶縁層を形成するステップと、
反対側を向いた、前記第1のポリシリコン層の前記第1のブロック及び前記第2のブロックの側面に隣接して、前記半導体基板に第3の厚さを有する第3の絶縁層を形成するステップと、
前記半導体基板、前記第1の絶縁スペーサ、及び前記第2の絶縁スペーサ上方に第2のポリシリコン層を形成するステップと、
前記第2のポリシリコン層の第1のブロックは、前記第2の絶縁層に、かつ前記第1の絶縁スペーサと前記第2の絶縁スペーサとの間に配設されたままであり、前記第2のポリシリコン層の第2のブロック及び第3のブロックは、前記第3の絶縁層に配設されたままであるように、前記第2のポリシリコン層の一部を除去するステップであって、前記第1の絶縁スペーサは、前記第2のポリシリコン層の前記第1のブロックと前記第2のブロックとの間に配設され、前記第2の絶縁スペーサは、前記第2のポリシリコン層の前記第1のブロックと前記第3のブロックとの間に配設される、除去するステップと、
前記第2のポリシリコン層の前記第2のブロックに隣接して、前記半導体基板内に第1のドレイン領域を形成するステップと、
前記第2のポリシリコン層の前記第3のブロックに隣接して、前記半導体基板内に第2のドレイン領域を形成するステップと、を含み、
前記第2のポリシリコン層の前記第1のブロックは、前記第1のポリシリコン層の前記第1のブロックの前記鋭角縁部に巻き付き、前記第1のポリシリコン層の前記第1のブロックの前記鋭角縁部から絶縁される第1のノッチと、前記第1のポリシリコン層の前記第2のブロックの前記鋭角縁部に巻き付き、前記第1のポリシリコン層の前記第2のブロックの前記鋭角縁部から絶縁される第2のノッチと、を含み、
前記第2の厚さは第1の厚さよりも大きく、前記第1の厚さは前記第3の厚さよりも大きい、方法。
【請求項2】
前記第2のポリシリコン層の前記第1のブロック、前記第2のブロック、及び前記第3のブロックの上面にサリサイドを形成するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の絶縁スペーサ及び前記第2の絶縁スペーサを形成するステップは、
前記第1のポリシリコン層に窒化物のブロックを形成することと、
前記窒化物のブロック及び前記第1のポリシリコン層に酸化物を形成することと、
酸化物エッチングを実行して、前記窒化物のブロックの側面に当接する前記酸化物の前記第1の絶縁スペーサ及び前記第2の絶縁スペーサを除く、前記酸化物の一部を除去することと、
前記窒化物のブロックを除去することと、を含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のポリシリコン層の前記第1のブロック及び前記第2のブロックの前記傾斜上面は、
前記第1のポリシリコン層に窒化物のブロックを形成すること、及び
前記第1のポリシリコン層の前記傾斜上面が前記窒化物のブロックの側壁に近づくにつれて上向きに傾斜するように、前記第1のポリシリコン層の前記傾斜上面でポリエッチングを実行すること、によって形成される、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のポリシリコン層の前記一部を除去するステップは、前記絶縁スペーサの頂部も除去する化学機械研磨を含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のポリシリコン層の前記一部を除去するステップは、前記第2のポリシリコン層のフォトリソグラフィーエッチングを含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の絶縁層は酸化物であり、
前記第2の絶縁層は酸化物であり、
前記第3の絶縁層は酸化物である、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のポリシリコン層の前記第1のブロックの前記第1のノッチ及び前記第2のノッチは、第4の厚さを有する絶縁材料によって、前記第1のポリシリコン層の前記第1のブロック及び前記第2のブロックからそれぞれ絶縁されており、
前記第3の厚さは、前記第4の厚さよりも小さい、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2018年5月9日出願の米国特許仮出願第62/669,263号及び2018年8月7日出願の米国特許出願第16/057,750号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、分割ゲート不揮発性メモリセルに関する。
【背景技術】
【0003】
3個のゲートを備える、分割ゲート不揮発性メモリセルアレイは、周知である。例えば、間に延在するチャネル領域を備える、半導体基板内のソース領域及びドレイン領域と、チャネル領域第1の部分の上方にある浮遊ゲートと、チャネル領域の第2の部分の上方にある制御ゲート(ワード線ゲートとも呼ばれる)と、ソース領域の上方にあるP/Eゲートと、をそれぞれ有する、分割ゲートメモリセルを開示する米国特許第7,315,056号を参照されたい。
【0004】
メモリセルの様々な要素の形成をより良好に制御するために製造方法の改良が必要である。
【発明の概要】
【0005】
上記の問題及び必要性は、離間したソース領域及びドレイン領域を有する半導体基板であって、ソース領域とドレイン領域との間に基板のチャネル領域が延在する、半導体基板と、チャネル領域の第1の部分の上方に配設され、第1の厚さを有する絶縁材料によってチャネル領域の第1の部分から絶縁されるポリシリコンの浮遊ゲートであって、鋭角縁部で終端する傾斜上面を有する、ポリシリコンの浮遊ゲートと、チャネル領域の第2の部分の上方に配設され、第2の厚さを有する絶縁材料によってチャネル領域の第2の部分から絶縁されるポリシリコンのワード線ゲートと、ソース領域の上方に配設され、第3の厚さを有する絶縁材料によってソース領域から絶縁されるポリシリコンの消去ゲートであって、浮遊ゲートの鋭角縁部に巻き付き、浮遊ゲートの鋭角縁部から絶縁されるノッチを含む、ポリシリコンの消去ゲートと、を含むメモリデバイスによって対処される。第3の厚さは第1の厚さよりも大きく、第1の厚さは第2の厚さよりも大きい。
【0006】
メモリデバイスは、ソース領域と、第1のドレイン領域と、第2のドレイン領域と、を有する半導体基板を含み、ソース領域と第1のドレイン領域との間に基板の第1のチャネル領域が延在し、ソース領域と第2のドレイン領域との間に基板の第2のチャネル領域が延在する。ポリシリコンの第1の浮遊ゲートは、第1のチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、第1の厚さを有する絶縁材料によって第1のチャネル領域の第1の部分から絶縁されており、第1の浮遊ゲートは、第1の鋭角縁部で終端する傾斜上面を有する。ポリシリコンの第2の浮遊ゲートは、第2のチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、第1の厚さを有する絶縁材料によって第2のチャネル領域の第1の部分から絶縁されており、第2の浮遊ゲートは、第2の鋭角縁部で終端する傾斜上面を有する。ポリシリコンの第1のワード線ゲートは、第1のチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、第2の厚さを有する絶縁材料によって第1のチャネル領域の第2の部分から絶縁されている。ポリシリコンの第2のワード線ゲートは、第2のチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、第2の厚さを有する絶縁材料によって第2のチャネル領域の第2の部分から絶縁されている。ポリシリコンの消去ゲートは、ソース領域の上方に配設され、第3の厚さを有する絶縁材料によってソース領域から絶縁されており、消去ゲートは、第1の浮遊ゲートの第1の鋭角縁部に巻き付き、第1の浮遊ゲートの第1の鋭角縁部から絶縁される第1のノッチと、第2の浮遊ゲートの第2の鋭角縁部に巻き付き、第2の浮遊ゲートの第2の鋭角縁部から絶縁される第2のノッチと、を含む。第3の厚さは1の厚さよりも大きく、第1の厚さは第2の厚さよりも大きい。
【0007】
メモリデバイスを形成する方法は、
半導体基板に、第1の厚さを有する第1の絶縁層を形成するステップと、
第1の絶縁層に第1のポリシリコン層を形成するステップと、
第1のポリシリコン層に、第1の離間した絶縁スペーサ及び第2の離間した絶縁スペーサを形成するステップと、
第1のポリシリコン層の第1のブロックが第1の絶縁スペーサの下に留まり、第1のポリシリコン層の第2のブロックが第2の絶縁スペーサの下に留まるように、第1のポリシリコン層の一部を除去するステップであって、第1のポリシリコン層の第1のブロック及び第2のブロックのそれぞれは、鋭角縁部で終端する傾斜上面を有する、除去するステップと、
第1のポリシリコン層の第1のブロックと第2のブロックとの間の間隙の下に配設されるソース領域を基板内に形成するステップと、
ソース領域の上方の半導体基板に第2の厚さを有する第2の絶縁層を形成するステップと、
反対側を向いた、第1のポリシリコン層の第1のブロック及び第2のブロックの側面に隣接して、半導体基板に第3の厚さを有する第3の絶縁層を形成するステップと、
基板、第1の絶縁スペーサ、及び第2の絶縁スペーサ上方に第2のポリシリコン層を形成するステップと、
第2のポリシリコン層の第1のブロックは、第2の絶縁層に、かつ第1の絶縁スペーサと第2の絶縁スペーサとの間に配設されたままであり、第2のポリシリコン層の第2のブロック及び第3のブロックは、第3の絶縁層に配設されたままであるように、第2のポリシリコン層の一部を除去するステップであって、第1の絶縁スペーサは、第2のポリシリコン層の第1のブロックと第2のブロックとの間に配設され、第2の絶縁スペーサは、第2のポリシリコン層の第1のブロックと第3のブロックとの間に配設される、除去するステップと、
第2のポリシリコン層の第2のブロックに隣接して、基板内に第1のドレイン領域を形成するステップと、
第2のポリシリコン層の第3のブロックに隣接して、基板内に第2のドレイン領域を形成するステップと、を含み、
第2のポリシリコン層の第1のブロックは、第1のポリシリコン層の第1のブロックの鋭角縁部に巻き付き、第1のポリシリコン層の第1のブロックの鋭角縁部から絶縁される第1のノッチと、第1のポリシリコン層の第2のブロックの鋭角縁部に巻き付き、第1のポリシリコン層の第2のブロックの鋭角縁部から絶縁される第2のノッチと、を含み、
第2の厚さは1の厚さよりも大きく、第1の厚さは第3の厚さよりも大きい。
【0008】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図2】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図3】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図4】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図5】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図6】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図7】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図8】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図9】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図10】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図11】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図12】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図13】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図14】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図15】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図16】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
図17】メモリセルの形成における工程を示す垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、メモリセルごとに3個のゲートを有する不揮発性分割ゲートメモリセルの改善された形成方法である。図は、形成中の1つのメモリセル対のみを示すが、プロセス中にメモリセルのアレイが形成されることを理解されたい。このプロセスは、図1に示すように、半導体基板10の上面に二酸化シリコン層(酸化物)12を形成し、酸化物層12にポリシリコン層(ポリ)14を形成することによって始まる。ポリをドープするために、この時点でポリ注入を実行することができる。図2に示すように、ポリ層12のハードマスクとして窒化ケイ素層(窒化物)16を形成する。構造体上方にフォトレジスト18を形成し、フォトリソグラフィープロセスを使用してパターン化する(すなわち、フォトレジストの形成、フォトレジストの選択露光、フォトレジストの選択部分の除去を行って、下にある材料の一部を露出状態で残す)。ここで、窒化物層16の一部は露出状態で残される。次いで、窒化物エッチングを使用して、パターン化されたフォトレジスト18によって保護されない窒化物層16の露出部分を除去し、窒化物16のブロックをポリ層14に残す。次いで、ポリシリコン傾斜エッチングを使用して、ポリ層14の上面をエッチングして、上面が窒化物16のブロックに近づくにつれて上向きに傾斜する、ポリ層の傾斜上面を作る。浮遊ゲート閾値電圧を制御するために、次いで、図3に示すように、ポリ層14の露出部分で注入を実行する。
【0011】
フォトレジストの除去後、酸化物スペーサ20をポリ層14に形成する。スペーサの形成は周知であり、材料の堆積、続いて材料の異方性エッチングを伴い、それによって、垂直に配向された構造体に当接する部分を除いて材料を除去する。スペーサの上面は、典型的には丸みを帯びている。この場合、酸化物を堆積させ、続いて異方性酸化物エッチングを行い、図4に示すように、窒化物ブロック16の側壁に当接する酸化物スペーサ20を残す。ポリエッチングを実行して、図5に示すように、酸化物スペーサ20によって保護されないポリ層14の部分を除去する。ワード線閾値電圧を制御するために、窒化物ブロック16及び酸化物スペーサ20によって保護されていない基板の部分への注入も、この時点で実行できる(基板表面の酸化物層12をバッファ層として使用する)。ポリ層14の露出端に酸化物スペーサ22を形成して、ポリ14と、酸化物堆積(例えば、高温酸化物HTO堆積)及び異方性酸化物エッチングを実行することによって後に形成されるワード線ゲートとの間に主な分離を形成し、図6に示すように、ポリ層14の端部に(側面に沿って)酸化物スペーサ22を残す。次いで、図7に示すように、例えば高温酸化物堆積によって構造体に(後に形成される高電圧周辺デバイス用のゲート酸化物の主要部分として)別の酸化物層24を堆積させる。
【0012】
フォトレジスト26で構造体を被覆し、フォトレジスト26をパターン化して、窒化物ブロック16上方のフォトレジストの一部を除去する。酸化物エッチング、窒化物エッチング、及びポリエッチングを実行して、窒化物ブロック16の酸化物層24、窒化物ブロック16、及び窒化物ブロック16の除去によって露出したポリ層14の一部を除去し、鋭角縁部14bで終端する上向き傾斜上面を有するポリブロック14aを残す。酸化物スペーサ20とポリブロック14aとの間の基板10内にソース領域28を形成する(すなわち、酸化物スペーサ20と、ポリブロック14a間に存在する間隙との間に存在する間隙の下にソース領域を形成する)ための注入プロセスが続く。結果として得られた構造体を図8に示す。
【0013】
次に、図9に示すように、鋭角縁部14bを含むポリブロック14aの露出端にトンネル酸化物層30を形成する。具体的には、最初に酸化物エッチング(例えば、湿式エッチング)を実行して、ポリブロック14aの各端部から離れるように、各スペーサ20の側壁を横方向に陥凹させることによってトンネル酸化物層30を形成し、鋭角縁部14bを露出させる。次いで、高温酸化物HTO堆積によってトンネル酸化物層30を形成する。トンネル酸化物層30は、ポリ層ブロック14aの露出した側壁に沿って延在し、鋭角縁部14bに巻き付く。しかしながら、HTO堆積は、ポリシリコンの鋭角縁部14bを消耗させないため、それらの形状を維持する。
【0014】
次いで、図10に示すように、湿式酸化を使用してソース領域28上方で酸化物32を厚くし、トンネル酸化物層30が鋭角縁部14bに巻き付く。次いで、酸化物スペーサ20間にフォトレジスト34を形成し、酸化物エッチングを使用して、スペーサ対の外側で基板の酸化物層を除去し、図11に示すように、基板表面を露出状態で残す。次に、(フォトレジストの除去後)図12に示すように、スペーサ対の外側で基板に薄い酸化物層(WL酸化物)36を形成する。
【0015】
次いで、構造体上方でポリシリコン38の層を形成する。このポリ層は、同一基板の論理区域内で使用することができる。ポリ層の厚さが論理区域よりもメモリアレイ内で厚くなることが望ましい場合、ポリ層38にキャップ酸化物層を形成し、パターン化してデバイスの記憶区域からキャップ酸化物層を除去し、続いて追加のポリシリコンを堆積させて、記憶区域内のポリ層38を厚くすることができる。論理区域内のキャップ酸化物層の追加のポリシリコンは、後で、以下に記載のポリCMPによって除去する。結果として得られた構造体を図13に示す。
【0016】
次いで、酸化物スペーサ20の頂部よりも下になるように、ポリCMP(化学機械研磨)によって構造体を平坦化する。ポリ層38は、材料を注入し、この時点でアニールすることによってドープすることができる。結果として得られた構造体を図14に示す。フォトレジスト40を構造体に形成し、酸化物スペーサ20と、フォトレジスト40によって被覆された酸化物スペーサ20のすぐ外側との間にポリ層38のこれらの部分のみを残すようにパターン化する。次いで、ポリエッチングを使用して、フォトレジスト40によって保護されていないポリ層38の露出部分を除去し、酸化物スペーサ20の外側に隣接するポリ層38のブロック38a、及び酸化物スペーサ20間のポリ層38のブロック38bを残す。結果として得られた構造体を図15に示す。
【0017】
次いで、注入を実行し、ポリブロック38aに隣接して、基板内にドレイン領域42を形成する。次いで、絶縁材料のスペーサ44をポリブロック38aの外側に形成する。好ましくは、これらのスペーサは、図16に示すように、1つ以上の絶縁層(例えば、酸化物、窒化物、酸化物)を形成し、続いて1つ以上の異方性エッチングを行うことによって形成される。次いで、追加の注入及びアニールを行って、ドレイン領域42を更に向上させることができる。次いで、伝導度を改善させるため、ポリブロック38a及び38bの露出した上面にサリサイド46を形成する。次いで、構造体上方にILD絶縁体を形成し、この絶縁体は、好ましくは絶縁層48b上方に形成された絶縁材料48aを含む。次いで、ILD絶縁体を貫通するコンタクトホールを形成し、ドレイン領域42を露出させる。次いで、導電性材料を構造体に形成して、パターン化し、コンタクトホールを充填して、ILD絶縁体48上方に延在するビット線50、及びビット線50とドレイン領域42との間に延在し、これらの間に電気伝導を提供する接点52を形成する。最終構造体を図17に示す。
【0018】
図17に示すように、このプロセスは、複数のメモリセル対を形成する。各メモリセル対は、ソース領域28と、2個のドレイン領域42と、を有し、2個のチャネル領域54が、ソース領域28とドレイン領域42の一方との間にそれぞれ延在する。消去ゲート38bは、ソース領域28の上方に配設され、厚い酸化物層32によってソース領域28から絶縁されている。各メモリセルは、チャネル領域54の第1の部分の上方に配設され、チャネル領域54の第1の部分から絶縁される浮遊ゲート14aと、チャネル領域54の第2の部分の上方に配設され、チャネル領域54の第2の部分から絶縁されるワードラインゲート38aと、を含む。浮遊ゲート14aは、消去ゲート38bに形成されたノッチ56に面する鋭角先端部14b(傾斜面によって生じる)を有し、それによって消去ゲート38bは浮遊ゲート14aの鋭角先端部14bに巻き付く。鋭角先端部14bは、トンネル酸化物層30によって消去ゲート38bから絶縁されている。ワード線ゲート38aは、消去ゲート38bとソース領域28との間の酸化物32よりも薄い、浮遊ゲート14aと基板10との間の酸化物12よりも薄い酸化物層36によって基板から絶縁されている。ワード線ゲート38a及びトンネル酸化物30の下の酸化物層36は別個に形成されるため、最適な性能を得るために厚さに関して別個に調整することができる。
【0019】
セルサイズは、ワード線ゲート38aの下のチャネル領域54の部分を短くし(すなわち、チャネル領域の方向にワード線ゲート38aの長さを短くする)、ワード線ゲート38aの下の酸化物層36を薄くして(厚いままであり得るトンネル酸化物など他の絶縁層に対して独立して実行できる)、メモリセルのより高い電流駆動を可能にすることによって、縮小することができる。消去ゲート38b及びワード線ゲート38aは、同一のポリ堆積によって形成されるため、全てのメモリセルに対して浮遊ゲート14a、ワード線ゲート38a、及び消去ゲート38bを形成するためには、2回のポリ堆積のみが必要である。各ワード線ゲート38aの長さ(チャネル領域の方向)は、より良好な寸法制御を得るためにフォトリソグラフィーによって決定される。ワード線ゲート38a及び消去ゲート38bの高さは化学機械研磨によって決定され、これにより、代わりにポリスペーサ技法によって作製された場合にワード線ゲートに存在し得る欠陥の問題を回避する。浮遊ゲート14aとワード線ゲート38aとの分離(酸化物)は、当該酸化物が当初は酸化物22として形成され、次いで後続の処理によって厚くされるため、独立して最適化することができる。最後に、浮遊ゲートの鋭角先端部に巻き付いた単一層としてトンネル酸化物30を形成し、後続の湿式酸化プロセスによって厚くする。上記の方法を使用して、消去効率及びワード線ゲート性能を独立して最適化することができる。
【0020】
本発明は、本明細書に図示した上記実施形態(複数可)に限定されるものではなく、任意の請求の範囲にあるあらゆる全ての変形例も包含することが理解されよう。例えば、本明細書における本発明への言及は、いかなる特許請求の範囲又は特許請求の範囲の用語も限定することを意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ以上によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するにすぎない。上記で説明した材料、プロセス、及び数値の実施例は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲を限定するものとみなされるべきではない。更に、全ての方法のステップが例示した、又は特許請求した順序で実施される必要はなく、むしろ、任意の順序で本発明の不揮発性メモリセルの適切な形成が可能である。単一の材料層は、複数のかかる又は類似の材料層として形成することができ、そして、逆もまた同様である。最後に、本明細書で使用される、用語「形成」及び「形成される」とは、材料堆積、材料化成、又は開示又は特許請求される材料を提供する際の任意の他の技法を含むものとする。
【0021】
本明細書で使用される、用語「の上方に(over)」及び「に(on)」は共に、「上に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)及び「上に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「に取り付けられた」は、「に直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「に間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結していない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結している)を含む。例えば、「基板の上方に」要素を形成することは、中間材料/要素が介在せずに直接基板にその要素を形成することも、1つ以上の中間材料/要素が介在して間接的に基板上にその要素を形成することも含み得る。
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