(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】埋設型レーザ光源を備えた光チップ
(51)【国際特許分類】
H01S 5/024 20060101AFI20230720BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20230720BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
H01S5/024
H05K3/46 L
H01L21/60 321Z
(21)【出願番号】P 2020567984
(86)(22)【出願日】2019-05-14
(86)【国際出願番号】 FR2019051082
(87)【国際公開番号】W WO2019234323
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-04-20
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】510132347
【氏名又は名称】コミサリア ア レネルジ アトミク エ オウ エネルジ アルタナティヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】メネゾ シルヴィ
(72)【発明者】
【氏名】シェラミ セヴェリーヌ
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0376857(US,A1)
【文献】特開2004-020767(JP,A)
【文献】特開2016-046534(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0124145(US,A1)
【文献】特開2012-252290(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108075355(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00 - 5/50
G02B 6/12 - 6/14
G02F 1/00 - 1/125
G02F 1/21 - 7/00
H01L 21/447-21/449
H01L 21/60 -21/607
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ平面と称する平面に存在する光チップであって、
前記チップ平面に平行な上面及び下面(32,34)を有する基板(30)を備え、
この基板は、前記上面と前記下面との間に、
50μmを超える厚さを有し、光学部品を備えていないキャリア(36)と、
接着面(40)を介してキャリア(36)に接着された光学層(38;202)であって、前記上面から前記接着面(40)まで連続して、酸化物サブレイヤ(90)及び埋込サブレイヤ(122)を含む光学層と、
前記光学層(38;202)に埋め込まれたレーザ光源(70;256)であって、ウェーブガイド(76;276)を備えたレーザ光源とを備えており、
このウェーブガイドは、接着面(40)に対向する酸化物サブレイヤ(90)の面に形成され、前記埋込サブレイヤの誘電体材料内に埋め込まれており、前記埋込サブレイヤ(122)内に埋め込まれた第1の埋込型電気接点(148A,148B,148C;264)を備えており、
前記光チップは、前記光学層(38;202)内で、前記接着面(40)から前記ウェーブガイドの前記第1の埋込型電気接点(148A,148B,148C;264)まで延在するビア(158A,158B,158C;266)を形成する相互接続金属ネットワークを含み、
この相互接続金属ネットワークは、前記チップ平面に平行に延在する複数の金属線と互いに電気的に接続する複数の金属ビア(140)を含み、これらの金属線は、前記光学層(38;202)内で、互いに上下に配置されることを特徴とする、光チップ。
【請求項2】
前記ウェーブガイド(76;276)は、中央リブ(142)を備えており、
前記第1の埋込型電気接点(148C;264)は、前記チップ平面に垂直な方向において、前記接着面(40)に対向する前記中央リブの下面の下に配置され、また、この下面から0nmから500nmの距離に配置される、請求項1に記載の光チップ。
【請求項3】
前記中央リブ(142)の厚さは、300nm未満であり、
前記第1の埋込型電気接点(264)は、この中央リブと機械的に直接接触する、請求項2に記載の光チップ。
【請求項4】
前記第1の埋込型電気接点(148C)は、前記中央リブ(142)の前記下面から10nmから500nmの距離の配置される、請求項2に記載の光チップ。
【請求項5】
前記ウェーブガイド(76)は、中央リブ(142)と、少なくとも1つの横方向突起部(144A,144B)と、前記横方向突起部を前記中央リブに接続する少なくとも1つのリム(146A,146B)とを含み、前記リムの厚さは、前記中央リブの厚さの2分の1未満であり、
前記第1の埋込型電気接点(148A,148B)は、前記横方向突起部の下面と機械的に直接接触し、この前記横方向突起部の下面は、前記接着面(40)に対向する、請求項1~4のいずれか1項に記載の光チップ。
【請求項6】
前記相互接続金属ネットワークの前記金属ビア(140)の最大直径は、3μm未満である、請求項1~5のいずれか1項に記載の光チップ。
【請求項7】
前記キャリア(36)は、相互接続層であり、
前記基板は、
前記光学層(38;202)に埋め込まれた第2の埋込型電気接点(74;212)を含む群から選択された電気端子と、この第2の埋込型電気接点は、光学部品(72)又は電子部品(210)の電気接点であり、
前記基板の前記上面に配置された電気トラック(106,108;276,280)とを備えており、
前記光チップは、
前記基板の下面(34)に配置された複数の電気接続パッドであって、それぞれが、はんだバンプ(152~154)を介して、別のキャリア(14)に電気的に接続可能な電気接続パッドと、
前記下面(34)から相互接続層を通って延在し、前記電気接続パッドの1つを前記電気端子に電気的に接続する第1のビア(50~52)であって、10μm以上の直径を有する第1のビアとを備えており、
前記光学層(38;202)の厚さは、15μm未満であり、
前記第1のビア(50~52)は、前記下面(34)と前記接着面(40)の間においてのみ、前記相互接続層内に延在するため、前記光学層(38;202)に延在しておらず、
前記光チップは、前記第1のビアを前記光学層に延長して、前記第1のビアを前記電気端子に電気的に接続させる第2のビア(100,102,130;204;252,254,258)を備えており、
この第2のビアは、前記光学層(38;202)内を、前記接着面(40)から前記電気端子まで延在しており、
この第2のビアの最大直径は3μm未満である、請求項1~6のいずれか1項に記載の光チップ。
【請求項8】
前記光学層内を、前記接着面(40)から前記ウェーブガイド(76;276)の前記第1の埋込型電気接点(148A,148B,148C;264)まで延在する前記ビアは、全ての第1のビアから電気的に絶縁される、請求項7に記載の光チップ。
【請求項9】
前記ウェーブガイド(76)は、
中央リブ(142)、
前記中央リブに機械的に接続され、厚さが前記中央リブの厚さの2分の1未満である横方向リム(146A,146B)、及び
前記横方向リム(146A,146B)によって前記中央リブ(142)に接続された横方向突起部(144A,144B)のうちの少なくとも1つを備えており、
前記第1の
埋込型電気接点は、前記チップ平面に垂直な方向において、前記中央リブ(142)、前記横方向リム(146A,146B)又は前記横方向突起部(144A,144B)から、500nm未満の位置に配置される、請求項1~8のいずれか1項に記載の光チップ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の光チップを製造する方法であって、
前記光学層(38;202)の少なくとも一部を、250μmを超える厚さを有する第1のハンドル(164)に固定する工程(160)と、
前記光学層(38;202)の少なくとも一部は、前記第1のハンドルから連続して、
酸化物サブレイヤ(90)と、
埋込サブレイヤ(122)と、
第1の接着面とを備えており、
前記光学層(38;202)の少なくとも一部はさらに、
前記第1の接着面に対向する前記酸化物サブレイヤ(90)の面に設けられ、前記埋込サブレイヤの誘電体材料に埋め込まれたウェーブガイド(76;276)であって、前記埋込サブレイヤ(122)に埋め込まれた第1の
埋込型電気接点を備えるウェーブガイドと、
前記埋込サブレイヤ内を、前記ウェーブガイドの前記第1の接着面から第1の埋込型電気接点まで延在するビアを形成する相互接続金属ネットワークであって、前記チップ平面に平行に延在する金属線を互いに電気的に接続する金属ビア(140)を備える相互接続金属ネットワークとを含み、
これらの金属線は、前記埋込サブレイヤ内で上下に配置されており、
厚さが50μmを超えるキャリア(36)を、厚さが250μmを超える第2のハンドル(170)に固定する工程(162)と、
このキャリアは、前記第2のハンドルの反対側の第2の接着面(172)を備えており、光学部品が配置されておらず、
前記第1の接着面を前記第2の接着面に接着させて、前記接着面(40)を得る工程(174)と、
前記第1のハンドルを取り外して、前記光学層の前記少なくとも一部の前記酸化物サブレイヤ(90)を露出させる工程(176)と、
この露出した前記酸化物サブレイヤ(90)に、前記ウェーブガイドを備えるレーザ光源の光を増幅する増幅部を配置する工程(178)と
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋込型レーザ光源を備えた光チップと、そのような光チップを製造するための方法に関する。
【0002】
光チップは、基本的には平面(以下、「チップ平面」と称する)に設けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の光チップは、
チップ平面に平行な上面及び下面を有する基板を備えており、この基板は、上面と下面の間に、
50μmを超える厚さを有するキャリアであって、光学部品が配置されていないキャリアと、
接着面を介してキャリアに接着された光学層と、
この光学層は、上面から接着面まで連続して、酸化物サブレイヤ及び埋込サブレイヤを含み、
光学層に埋め込まれたレーザ光源とを備えており、
このレーザ光源は、接着面に対向する酸化物サブレイヤの面に設けられたウェーブガイドであって、埋込層の誘電体材料に埋め込まれたウェーブガイドを備えており、このウェーブガイドは、埋込サブレイヤに埋め込まれた第1の電気接点を含む。
【0004】
このような光チップは、例えば、J.Durel等の文献("First Demonstration of a Back-Side Integrated Heterogeneous Hybrid III-V/Si DBR Lasers for Si-Photonics Applications", IEEE International Electron Devices Meeting (IEDM), December 2016)に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このチップは、特に製造が容易であるという利点がある。しかしながら、この利点を継承しつつ、レーザ光源が動作中に生成する熱の放散を改善し、その利点をさらに得られるようにすることが所望される。この目的のために、本発明は、そのような光チップに関し、当該光チップは、光学層において、接着面からウェーブガイドの第1の埋込型電気接点まで延在するビアを形成する相互接続金属ネットワークを備えており、この相互接続金属ネットワークは、チップ平面に主に平行に延在する金属線を互いに電気的に接続する金属ビアを含み、これらの金属線は、光学層内において上下に配置される。
【0006】
この光チップの実施形態は、従属請求項の1以上の特徴を含むことができる。
【0007】
本発明の別の目的は、本特許出願の第1の目的である光チップを製造する工程である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、以下の説明を読むことにより、より理解されるであろう。その説明は、単に非限定的な例示であり、以下の図面を参照する。
【
図1】
図1は、光チップを備えるシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、
図1のシステムの光チップの概略的な垂直断面図である。
【
図3】
図3は、
図1のシステムの光チップのウェーブガイドの垂直断面における部分的な概略図である。
【
図4】
図4は、
図1のシステムを製造する工程を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図2の光チップの製造の様々な状態を示す垂直断面図である。
【
図6】
図6は、
図2の光チップの製造の様々な状態を示す垂直断面図である。
【
図7】
図7は、
図2の光チップの製造の様々な状態を示す垂直断面図である。
【
図8】
図8は、
図2の光チップの製造の様々な状態を示す垂直断面図である。
【
図9】
図9は、
図2の光チップの製造の様々な状態を示す垂直断面図である。
【
図13】
図13は、
図2の光チップの第2の変形例の概略的な垂直断面図である。これらの図では、同じ参照番号を用いて、同一の光学部品が示される。本説明の他の部分では、当業者に周知の特徴及び機能について詳細に説明しない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
セクションI:例示的な実施形態
【0010】
図1は、はんだバンプ配列6を介して、プリント回路基板4、すなわちPCBにはんだ付けされたシステム2の一部を示す。図を簡略化するため、配列6の4つのバンプ8~11のみが示される。
【0011】
システム2は、通常、内部に電子及び光学チップが収容される平行六面体のパッケージ形状をしている。システム2のはんだバンプのみが、このパッケージの下面から突出する。説明を簡略化するため、このパッケージは、
図1には示されていない。パッケージ内のシステム2は、「システムインパッケージ」として知られている。より一般的には、システム2は通常、「集積回路」とも呼ばれている。
【0012】
本説明の他の部分では、水平は、図の直交座標系RのX方向及びY方向によって定義される。直交座標系RのZ方向は、垂直方向に対応する。「下側」、「上側」、「より上」、「より下」、「上」及び「底」等の用語は、このZ方向に対して定義される。
【0013】
システム2は、その下部にキャリア14を備える。配列6のバンプは、キャリア14の下面に直接配置される。キャリア14及び配列6は、ともにBGA(「ボール・グリッド・アレイ」の頭字語)として知られている。キャリア14の上面には、電子チップ及び/又は光チップがはんだ付けされるパッドが設けられる。
図1に示す例では、システム2は、1つの電子チップ16と、1つの光チップ18とを備える。これらの2つの電子チップ16及び光チップ18の双方は、キャリア14の上面に直接はんだ付けされる。
【0014】
電子チップは、互いに接続され、予め設定された機能を実行する電子部品のみを備えている。従って、電子チップ16は、光学部品を備えていない。
【0015】
これに対し、光チップ18は、予め設定された機能を実行する光学部品を備える。光学部品は、動作中に光信号を生成し、変更し、又は導く部品である。通常、光信号の波長λは1200nm~1700nmである。一般に、これらの光学部品の少なくとも1つは、アクティブ光学部品、すなわち光学部品であり、これは、
正しく機能するために電流又は電圧を供給する必要があり、及び/又は、
光信号を電気信号に変換し(光検出器の場合)、又は電気信号を光信号に変換する(光変調器の場合)。
【0016】
本実施形態では、光チップ18は、電子部品を備えていない。
【0017】
電力を供給し、又は電気信号を通信するために、システム2の電子チップ16及び光チップ18は、キャリア14の上面のパッドチップに電気的に接続される。また、電子チップ16及び光チップ18は、プリント回路基板4に接続される。この目的のために、ここでは、電子チップ16及び光チップ18はそれぞれ、はんだマイクロバンプ配列20及び22により、キャリア14の上面の個別のパッドにはんだ付けされる。
図1には、配列20及び22として、電子チップ16及び光チップ18の下に位置する、はんだ付けされたいくつかのマイクロバンプが示されている。例えば、はんだマイクロバンプは、「C4バンプ」として知られている。
【0018】
キャリア14は、主に水平に延在する接続部24等の電気接続部を備える。接続部24は、キャリア14の上面の特定のパッドを互いに電気的に接続し、これらのパッドにはんだ付けされた複数のチップの間の電気信号又は電力の交換を可能にする。また、接続部26及び28等の垂直接続部が、キャリア14の中を通る。一般に、これらの垂直接続部は、再配線層(RDL:Redistribution Layer)の水平金属線に接続される。ここでは、この再配線層の1本の金属線25のみが示される。再配線層の水平金属線は、特定の垂直接続部を、対応する配列6のはんだバンプに電気的に接続する。特に、垂直接続部により、電子チップ16及び光チップ18に電力を供給することができ、また、プリント回路基板4にはんだ付けされた他のチップと電気信号を通信することができる。水平接続部及び垂直接続部とは異なり、キャリア14は通常、電気部品及び光学部品を備えていない。
【0019】
図2は、光チップ18の一部をより詳細に示す。光チップ18は、水平な上面32及び水平な下面34を有する基板30を備える。基板30は、これらの面32及び34の間に、底部から上部に積層された相互接続層36及び光学層38を備える。
【0020】
より正確には、相互接続層36及び光学層38は、実質的に水平な平面に位置する接着面40により、互いに直接接着される。光学層38の上面は上面32に対応し、相互接続層36の下面は下面34に対応する。
【0021】
相互接続層36は、主に非導電性材料で作られている。本説明において、「非導電性材料」という表現は、20℃における導電性が10-1又は10-2S/mよりも低い材料を意味する。従って、この非導電性材料は、ドープされていないシリコン等の半導体又はガラス等の電気絶縁材料とし得る。電気絶縁材料は、20℃における導電率が10-9S/m未満、好ましくは10-15S/m又は10-16S/m未満の材料である。以下、電気絶縁材料を「誘電材料」と称する。ここでは、非導電性材料は、ドープされていない結晶シリコンである。反対に、本説明では、「伝導性材料」又は「導電性材料」という表現は、20℃における導電性が通常、105又は106S/mよりも高い材料を示す。
【0022】
ここでは、相互接続層36は、非ドープのシリコンで作られたサブレイヤ42と、サブレイヤ42上に直接作られた表面サブレイヤ44とを含む。ここでは、サブレイヤ44は、二酸化ケイ素で作られる。
【0023】
サブレイヤ42の下面は、下面34に対応する。サブレイヤ42の厚さは、非常に大きく、非常に硬いため、撓み難い。特に、サブレイヤ42は、光チップ18を取り扱うことができる程十分な厚さを有する。従って、相互接続層36は、光学層38のキャリアとして機能する。この目的のため、サブレイヤ42の厚さは、50μmよりも大きく、80μmよりも大きく、又は100μmよりも大きい。
【0024】
サブレイヤ42は、基板30の垂直方向の電気的接続を可能にするビア(以下、「第1のビア」と称する)を備える。第1のビアはそれぞれ、下端部から上端部まで延在する。下端部は、下面34と同一平面上にある。上端部は、接着面40と同一平面上にある。従って、これらの第1のビアは、相互接続層36の厚さ方向を通る。反対に、第1のビアは、光学層38を通らず、光学層38に入らない。
【0025】
相互接続層36は、酸化ケイ素埋込層を含まない。従って、許容可能な撓みを生み出す、その最小の厚さは、そのような酸化ケイ素埋込層を含む層の厚さ未満である。特に、厚さを薄くすることにより、第1のビアの高さに比例する第1のビアの寄生容量を低減することができる。従って、サブレイヤ42の厚さは、150μmよりも小さく、又は100μm未満であることが好ましい。
【0026】
図2は、3つの第1のビア50~52のみを示す。しかしながら、通常、相互接続層36は、さらに多くの第1のビアを備える。例えば、全ての第1のビアは、構造的に同じあるため、以下、第1のビア50のみを詳細に説明する。
【0027】
第1のビア50は、従来の方法で製造される。例えば、これについて、読者は、Ken Miyairi等の文献(Full integration and electrical characterization of 3D Silicon Interposer demonstrator incorporating high density TSVs and interconnects", 45th International Symposium on Microelectronics, 2012)を参照することができる。以下、ビア50の詳細についてのみ説明する。
【0028】
本実施形態では、ビア50は、底部から頂部に形成され、垂直の棒状の下部54から、また、相互接続金属ネットワーク形状の上部56から形成される。
【0029】
下部54は、ビア50の下端部から上部56まで水平に延在する。下部の垂直断面積は、その高さ全体において実質的に一定である。以下、その高さ及び直径をそれぞれH1及びD1で示す。下部54は、相互接続層36の厚さの少なくとも80%を通り、少なくとも90%又は95%を通ることが好ましい。相互接続層36の厚さが大きいため、直径D1も大きくなり、アスペクト比H1/D1が10/1又は8/1よりも低くなる。具体的には、アスペクト比が10/1を超えるビアを製造することは困難である。ここでは、高さH1は、サブレイヤ42の厚さの80%、90%又は95%よりも大きい。これらの条件では、高さH1は、80μm及び142.5μmの間であり、通常、95μm及び130μmの間である。従って、直径D1は、通常、10μm及び20μmである。サブレイヤ42がシリコン等の半導体で作られている場合、下部54は、電気絶縁材料の薄いコーティングにより、この半導体から電気的に絶縁されることが好ましい。図を簡略化するため、この電気絶縁材料のコーティングは示されていない。下部54は、銅等の金属で作られる。
【0030】
ビア50の上部56は、相互接続金属ネットワークによって形成される。従って、この上部56は、
主に水平に延在する複数の金属線と、
これらの金属線を電気的に接続する複数の金属ビアとを含む。
【0031】
「ビア」は、垂直の電気的接続、すなわち、光チップの平面に主に垂直な方向に延在するものであることが想起されるであろう。
【0032】
金属線と、好ましくは金属ビアは、酸化ケイ素サブレイヤ44に形成される。ここでは、上部56は、
接着面40と同一平面上にある金属線58と、
この金属線58を下部54の上部に直接接続する金属ビア60とを備える。
【0033】
本明細書では、「金属ビア」は、金属製のビアを意味しており、その直径は通常小さく、すなわち、その直径は、3μm未満であり、1μm未満であることが多い。金属ビアの高さも低く、すなわち、3μm又は1μm未満である。
【0034】
ここでは、金属は銅である。そのような相互接続金属ネットワークの構造は、当業者に周知である。これは、再配線層、すなわちRDLの相互接続金属ネットワークの問題である。
【0035】
サブレイヤ44の厚さは、通常、10μm又は3μm未満である。
【0036】
上部56の直径は、その金属ビアの最大直径に等しい。従って、ここでは、上部56の直径は10μm未満であり、通常、3μm又は1μm未満である。
【0037】
光学層38は、この層に埋め込まれた少なくとも1つの光学部品を含む。ここでは、光学部品は、光変調器、レーザ光源、ウェーブガイド、光検出器、デマルチプレクサ、及び光マルチプレクサを含む群から選択される。この群の光学部品では、ウェーブガイド以外の全てがアクティブ光学部品である。
【0038】
本実施形態では、光学層38に埋め込まれた2つの光学部品70,72のみが示されている。光学部品70はレーザ光源であり、光学部品72は光変調器である。光学部品72は、電気制御信号に応じて、それを通る光信号の位相、振幅又は強度を変更することができる。そのような光変調器は周知であるため、光学部品72については、詳細に説明しない。光学部品72は、電気制御信号を受信するように構成された電気接点74を備える。ここでは、この電気接点74は、光学層38に埋め込まれる。本実施形態では、電気接点74は、光学部品72の下面に配置される。従って、電気接点74は、接着面40に面する。この構成では、電気接点74は、光学部品72の下側からのみアクセスが可能である。
【0039】
光学部品70は、ハイブリッドIII-V/シリコンのレーザ光源である。光学部品70は、例えば、分散フィードバック(DFB)レーザ又は分布ブラッグ反射器(DBR)レーザである。そのようなレーザ光源は当業者に周知であるため、ここでは詳細に説明しない。ここでは、特に、光学部品70は、ウェーブガイド76を備えており、互いに直接積層された
nドープ半導体で作られた下層78と、
活性層80と、
pドープ半導体で作られた上層82とを備える。
【0040】
また、光学部品70は、それぞれ上層82及び下層78と直接接続する上側接点84及び下側接点86を備える。
【0041】
活性層80は、適切な電位差が接点84及び86に生じた場合、光学部品70によって放射された光信号を生成する。
【0042】
ここでは、下層78は、ウェーブガイド76に光学的に接続される。これを実現するために、下層78は、ウェーブガイド76の上方に配置され、埋め込み酸化物の薄いサブレイヤ90により、このウェーブガイド76から離される。例えば、サブレイヤ90は、二酸化ケイ素で作られる。酸化物サブレイヤ90の厚さは、100nm未満であり、また、50nm又は20nm未満であることが好ましい。従って、活性層80によって生成された光信号は、ウェーブガイド76によって導かれる。
【0043】
本実施形態では、ウェーブガイド76は、
中央リブ142(
図3)と、
中央リブ142に平行に配置された2つの突起部144A及び144B(
図3)と、
中央リブ142と突起部144A及び144Bのそれぞれとを機械的に接続して熱接続する2つのリム146A及び146B(
図3)とを備える。
【0044】
中央リブ142のZ方向の厚さe142は、通常、1μm未満であり、500nm未満であることが好ましい。ここでは、リブ142の断面は長方形であるため、2つの平行な垂直壁を有する。
【0045】
ここでは、突起部144A及び144Bは、リブ142の両側に位置し、これらの突起部144A,144Bのそれぞれの断面は長方形であるため、それらもまた垂直壁を有する。突起部144A,144Bのそれぞれの上面は、サブレイヤ90と機械的に直接接続する。突起部144A及び144BのZ方向の厚さは、リブ142の厚さ以下である。ここでは、突起部144A,144Bの厚さは、リブ142の厚さと等しい。
【0046】
リム146A及び146Bは、それぞれリブ142のそれぞれの側に位置する。これらのリムは、リブ142の垂直壁から突起部144A,144Bの一方の対向する垂直壁に、X方向に平行に延びる。各リム146A,146Bの上面は、サブレイヤ90と機械的に直接接続する。各リム146A,146Bの厚さe146は、リブ142の厚さe142未満であるため、導かれた光信号を主に閉じ込める。この目的のために、リム146A,146BのZ方向の厚さe146は通常、0.5e142又は0.33e142未満である。リブ142から突起部144A,144Bへ熱が伝わり易くするために、厚さe146は通常、0.1e142又は0.2e142よりも大きくなるように選択される。
【0047】
リブ142、突起部144A,144B及びリム146A,146Bは同じ材料で作られ、組み合わされて、これらのウェーブガイド76の様々な部分が、単一の材料を形成する。ここでは、ウェーブガイド76は、単結晶シリコンで作られる。
【0048】
ここでは、ウェーブガイド76及び光学部品72は、酸化物サブレイヤ90の直下に位置する埋込サブレイヤ122に埋め込まれる。より詳細には、サブレイヤ122は、サブレイヤ120からサブレイヤ90まで延在する。ここでサブレイヤ122は、上側の光ガイドレベル92と下側の電気相互接続レベル94に分かれる。
【0049】
光ガイドレベル92は、サブレイヤ90の下に設けられた光学部品の全て及び一部を含む。従って、ここでは光ガイドレベル92は、ウェーブガイド76と、光学部品72と、光学部品の全て及び一部が埋め込まれた固体誘電体材料とを含む。従って、サブレイヤ122に埋め込まれた光学部品、特にそれらの垂直壁及び下面は、固体誘電体材料と機械的に直接接続する。埋め込まれた光学部品の垂直壁とこの固体誘電体材料の間に空洞は存在しない。例えば、この光ガイドレベル92は、ウェーブガイド76及び光学部品72が誘電体材料に埋め込まれる前に作られた結晶シリコンサブレイヤから作られる。
【0050】
電気相互接続レベル94は、光学部品及び光学部品の部分が存在しない。ここでは、以下に説明するように、電気相互接続レベル94は、固体誘電体材料に埋め込まれた相互接続金属ネットワークを含む。サブレイヤ122の誘電体材料は、ウェーブガイド76及び光学部品72を作るのに使用される材料の屈折率よりも低い屈折率を有する。例えば、誘電体材料は、二酸化ケイ素である。
【0051】
下層78、活性層80及び上層82は、サブレイヤ90に直接配置されたサブレイヤ128に作られる部品のためである。ここでは、サブレイヤ128は、下層78、活性層80及び上層82を作るIII-V材料と、下層78、活性層80及び上層82を埋め込む誘電体材料とを含む。サブレイヤ128は、サブレイヤ90の上を水平に延在し、その上面が上面32に対応する。
【0052】
光学層38を介して電気信号を供給及び/又は送信するために、この光学層38は、「第2のビア」と称するビアを備える。第2のビアはそれぞれ、1つの第1のビアを光学層38まで延長する。この目的のために、第2のビアはそれぞれ、接着面40から光学層38に延在する。これらの第2のビアについて光学部品のレイアウトに関して充たすべき条件を緩和するため、第2のビアの直径は、第1のビアの直径よりもはるかに小さい。ここでは、第2のビアの直径は3μm未満であり、1μm未満であることが好ましい。そのような第2のビアの製造を容易にするため、光学層38の厚さは、15μm、8μm又は5μm未満である。
【0053】
以下、第2のビアは、2つのカテゴリに分類される。「第2のスルービア」と呼する第1のカテゴリと、「第2のブラインドビア」と呼する第2のカテゴリである。
【0054】
第2のスルービアは、光学層38の厚さ方向を通り、特に、光ガイドレベル92を通る。したがって、第2のスルービアは、接着面40から上面32まで垂直に延在する。第2のスルービアは、通常、上面32に形成された電気トラックを第1のビアの1つに電気的に接続するために使用される。反対に、第2のブラインドビアは、光学層38の厚さ方向を通らず、特に、光ガイドレベル92を通過しない。従って、第2のスルービアは、接着面40から、光学層38に埋め込まれた電気接点74等の電気接点まで延在する。
【0055】
例えば、
図2は、2つの第2のスルービア100及び102を示す。ビア100は、第1のビア50を、上面32に配置された電気トラック106に電気的に接続する。ここで、トラック106は、ビア100の上端部を接点84に電気的に接続する。ビア100の下端部は、金属線58と機械的及び電気的に直接接続する。
【0056】
第2のスルービア102は、第1のビア51を、上面32に配置された電気トラック108に電気的に接続する。トラック108は、ビア102の端部を接点86に電気的に接続する。ビア102の下端部は、ビア51の金属線と機械的及び電気的に直接接続する。ここでは、ビア100及び102は、光学部品70に電力を供給するために使用される。
【0057】
ビア102の構造は、ビア100の構造と同じである。従って、ビア100の構造のみについて詳細に説明する。
【0058】
本実施形態では、ビア100は、下部110と、上部112とを備え、これらは互いに上下に配置される。下部110及び上部112は、製造時において光学層の反対側から製造される。
【0059】
下部110は、相互接続金属ネットワークである。ここでは、この下部110は、
サブレイヤ122の電気相互接続レベル94に埋め込まれた金属線114と、
接着面40と同一平面上の金属線116と、
金属線116から金属線114まで垂直に直接延びる金属ビア118とを備える。
【0060】
下部110の直径は、第1のビア50の上部58の直径が規定されたように規定される。下部110の直径は、3μm又は1μm未満である。
【0061】
本実施形態では、下部110を形成する相互接続金属ネットワークは、金属線の2つのレベルのみを含む。例えば、これらは、参照番号M4及びM5で示すレベルである。
【0062】
通常、この下部110の高さは小さく、すなわち、6μm、3μm又は1μm未満である。
【0063】
ここでは、金属線116は、酸化ケイ素サブレイヤ120に配置され、その下面は、接着面40と一致する。サブレイヤ120は、サブレイヤ122の直下に形成される。ここでは、サブレイヤ120は、酸化ケイ素から作られる。
【0064】
金属ビア118は、サブレイヤ122の電気相互接続レベル94に位置する。
【0065】
第2のビア100の上部112は、導電性材料で作られたコーティング124で形成される。例えば、コーティング124は、銅又はアルミニウムから作られる。このコーティング124は、光学層38に形成された穴126の垂直壁及び底部を連続的に覆う。より詳細には、穴126は、上面32から金属線114まで延在する。この目的のために、穴126は、上から下へ、埋込サブレイヤ128、サブレイヤ90、サブレイヤ122の光ガイドレベル92及び電気相互接続レベル94の一部に連続して通る。
【0066】
穴126の最大直径は3μm未満であり、また、1μm未満であることが好ましい。従って、第2のビア100の上部112の最大直径もまた、3未満μm又は1μm未満である。
【0067】
コーティング124の上部は、トラック106と機械的及び電気的に直接接続し、その下部は、金属線114と機械的及び電気的に直接接続する。
図2の例では、穴126は、コーティング124によって完全に埋められていない。従って、穴126の中心には、コーティングが存在しない。これを実現するために、例えば、コーティング124の厚さは、500nm又は300nm未満である。穴126の中心は、非導電性の保護材料で満たされる。この非導電性材料の熱膨張係数は、0.8C
124未満であることが有利であり、また、0.5C
124又は0.3C
124未満であることが好ましい。ここで、C
124は、コーティング124の熱膨張係数である。ここでは、穴126の中心は、サブレイヤ122を形成する材料と同じ誘電材料、すなわち、二酸化ケイ素で満たされる。
【0068】
また、光学層38は、第2のブラインドビア130を含む。ビア130は、光学部品72を制御する電気制御信号を受信するために、電気接点74を第1のビア52側の上端部に接続する。この目的のため、ビア130は、接着面40から電気接点74まで垂直に延びる。従って、ビア130は、サブレイヤ120と、サブレイヤ122の電気相互接続レベル94を直接通る。反対に、ビア130は、サブレイヤ90の光ガイドレベル92を通過しない。ビア130は、第2のスルービアとは異なり、上面32に対して開口しない。
【0069】
ビア130のみが、接着面40に面する光学層38の側から作られる。ここでは、ビア130は、相互接続金属ネットワークによって形成される。本実施形態では、ビア130は、上部から底部に、
4本の埋め込まれた金属線132~135と、
連続する金属線のレベルを電気的に接続する金属ビア140と、
接着面40と同一平面上にあり、サブレイヤ120に配置される金属線138とを備える。
【0070】
金属線138は、第1のビア52の上端部と機械的及び電気的に直接接続する。ここでは、相互接続金属ネットワークは、5本の異なるレベル金属線を含む。例えば、これらの5つのレベルの金属線は、それぞれ参照番号M1~M5で示される。ビア130の直径もまた、3μm又は1μm未満である。
【0071】
レーザ光源70のウェーブガイド76は、突起部144A,144Bの一方をリブ142に熱接続させる電気接点を備える。ここでは、電気接点が、突起部144A又は144B又はリブ142の下に配置され、また、突起部144A,144B又はリブ142から、500nm未満、好適には300nm未満の最短垂直距離dvだけ離れている場合、この電気接点は、「熱接続」されると表現する。
【0072】
距離dvがゼロでない場合、電気接点は、突起部144A,144B又はリブ142から、サブレイヤ122の誘電体材料の薄膜によって機械的に離れる。この薄膜の最小の厚さは、距離dvに等しい。
【0073】
図2及び
図3に示す実施形態では、ウェーブガイド76は、3つの電気接点148A、148B及び148C(
図3)を備える。ここでは、接点148A,148Bは、それぞれ突起部144A及び144Bの下面を機械的に直接支持する金属ビア140の上端部によって形成される。従って、本実施形態では、接点148A,148Bと、それぞれ突起部144A及び144Bとの間の距離d
vはゼロである。ここでは、接点148Cは、リブ142の下に配置され、リブ142の下面からゼロでない距離d
vだけ離れている金属線によって形成される。この場合、光損失を効果的に抑制するために、距離d
vは、10nm又は50nmより大きくなるように選択することが好ましい。例えば、電気接点148Cは、M1レベルの金属線で形成される。
【0074】
各電気接点148A、148B及び148Cは、それぞれブラインドビア158A、158B及び158Cにより、相互接続層36に熱接続される。ビア158A、158B及び158Cはそれぞれ、例えば、ビア130と構造的に同じである。しかしながら、ビア130とは異なり、ビア158A、158B及び158Cの機能は、必ずしも接点148A、148B及び148Cを電気的に接続することではない。ここでは、各ビア158A、158B及び158Cの下端部は、サブレイヤ44に配置され、接着面40と同一平面上にある金属線と機械的及び電気的に直接接続する。ここでは、この金属線は、全ての第1のビアから電気的に絶縁される。ここでは、ビア158A、158B及び158Cは、良質の熱伝導体である材料から作られる。「良質の熱伝導体」である材料は、通常、その熱伝導率が1.2C122よりも高く、好適には2C122又は3C122である材料であり、C122は、サブレイヤ122の誘電体材料の熱伝導率である。ここで、158A、158B及び158Cを作るための材料は、ビア130を作るための材料、すなわち金属である。
【0075】
レーザ光源70の下層78及び活性層80は、それぞれ第2のビア100及びビア102により、第1のビア50及び51に熱接続される。従って、レーザ光源70によって生成された熱は、その一部が、第2のビア100及びビア102によって相互接続層36に伝達される。ビア158A、158B及び158Cが存在することにより、レーザ光源70によって生成された熱の放散が改善する。具体的には、レーザ光源70の動作中にウェーブガイド76の温度が上昇することが当業者に知られている。ビア158A、158B及び158Cが無い場合、ウェーブガイド76の下にサブレイヤ122の誘導体材料が存在することにより、生成された熱の効率的な放散が妨げられる。ビア158A、158B及び158Cは、それぞれサブレイヤ122内にサーマルブリッジを形成し、ここでは、サーマルブリッジは金属製であり、ウェーブガイド76を相互接続層36に熱接続する。これにより、レーザ光源70によって生成された熱をより効果的に取り除くことができる。
【0076】
再配線(Redistribution line)150(頭字語RDLとしても知られている)は、下面34に設けられ、第1のビアの下端部を、対応するはんだマイクロバンプに電気接続する。この目的のために、再配線は、はんだマイクロバンプが直接固定される接続パッドを備える。
図1には、3つのはんだマイクロバンプ152~154のみが示されている。これらのマイクロバンプ152~154は、キャリア14の上面の対応するパッドにはんだ付けされるように構成されているため、はんだマイクロバンプ配列22の一部を形成する。ここでは、再配線150は、ポリマー等の非導電性材料で作られた埋込層156に埋め込まれる。
【0077】
システム2を製造するプロセスについて、
図4と、
図5から
図11に示す様々な製造状態を参照して説明する。
【0078】
まず、工程160では、サブレイヤ90、122及び120のスタックが、ハンドル164(
図5)の上に設けられる。ここでは、このスタックは、この段階では、特にレイヤ128が存在しないため、光学層38の一部のみを形成する。この段階では、サブレイヤ120は、ハンドル164の反対側に配置され、接着面166を有する。この接着面166は、直接的に接着、すなわち、材料の追加を要しない接着によって、別の基板に接着するのに適している。
【0079】
また、工程160は、
ウェーブガイド76及び光学部品72をサブレイヤ122の光ガイドレベル92に作製する工程と、
第2のビア130及びビア158A,158B,158Cを作製する工程と、
第2のビア100及び102の下部110を作製する工程とを含む。
【0080】
サブレイヤ90は、ハンドル164に直接固定される。ハンドル164は、サブレイヤ120、122及び90のスタックを容易に取り扱うことを可能にするキャリアである。この目的のために、ハンドル164の厚さは、通常、250μm又は500μmよりも大きい。例えば、ここでは、ハンドル164は、750μm又は775μmの厚さを有するシリコン基板である。
【0081】
サブレイヤ90は、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板の酸化物埋込層であることが好ましい。この場合、ウェーブガイド76及び光学部品72は、通常、エッチングにより、このSOI基板の単結晶シリコン層に作られる。ウェーブガイド76及び光学部品72がサブレイヤ90に作られると、複数の酸化物層を連続して堆積することにより、サブレイヤ122の誘電体材料に埋め込まれる。これらの酸化物層が連続して堆積する際に、接点148A,148B,148C、第2のビア130、ビア158A,158B,158C、及び第2のビア100,102の下部110を形成する相互接続金属ネットワークが作られる。従って、これらの相互接続金属ネットワークは、ハンドル164の反対側から作られる。サブレイヤ90に光学部品を作るプロセス、サブレイヤ122に部品を埋め込むためのプロセス、及び相互接続金属ネットワークを作るプロセスは周知であるため、ここでは詳細に説明しない。製造プロセスのこの段階では、第2のビア100及び102の上部112を作ることはできないことに留意すべきである。従って、この段階では、サブレイヤ122は、ビア100及び102の上部112を含まない。
【0082】
並行して、工程162では、相互接続層36がハンドル170(
図6)上に設けられる。この段階では、相互接続層36は、ハンドル170の反対側に位置する外面172を有する。この外面172は、接着面、すなわち、接着面166に直接接着され得る面である。ハンドル170は、250μm又は500μmよりも大きいため、相互接続層36の取り扱いを容易にすることができる。ここでは、ハンドル170は、例えば、シリコン基板である。
【0083】
また、工程162は、第1のビア50~52を相互接続層36に作る工程を含む。したがって、工程162が終了すると、相互接続層36は、これらの第1のビア50~52を備える。このような相互接続層36をハンドル170に形成することと、相互接続層36に第1のビア50~52を形成することは、従来の作業である。例えば、ビア50~52の部分54は、チタン又はタンタルの保護層で覆われ、かつ、銅で満たされた誘電体コーティングを用いて作ることができる。これらの部分54を作るプロセスは、例えば、上述したKen Miyairiの文献に記載されている。次に、金属ビア60が、第1のビアの部分54と電気的に接続するように作られる。最後に、金属線58等の金属線が配置され、酸化物サブレイヤ44に埋め込まれる。そして、サブレイヤ44の外面が、接着面166に直接接着するために設けられる。
【0084】
工程174では、接着面166及び172は直接接着することにより、互いに接着される。これは、
図7に示されている。そして、接着面40が得られる。例えば、それはYan Beillard等の文献("Chip to wafer copper direct bonding electrical characterization and thermal cycling", 3D Systems Integration Conference (3DIC), 2013 IEEE International)に説明されているダイレクトハイブリッド酸化銅接着の問題である。
【0085】
次に、工程176では、ハンドル164が取り除かれ、サブレイヤ90(
図8)が露出する。例えば、ハンドル164は、化学機械研磨(CMP)を施した後、選択的な化学エッチングを施すことによって除去される。
【0086】
工程178では、光学部品70の光増幅部は、サブレイヤ90内の光ガイドレベル92の反対側に作られ(
図9)、埋込サブレイヤ128の誘電体材料に埋め込まれる。
【0087】
工程180では、接点84,86は、電気トラック106,108、及び第2のビア100,102の上部112が作られる(
図10)。例えば、初めに穴126等の穴がサブレイヤ128,90及びサブレイヤ122の光ガイドレベル92に作られる。次に、導電性材料で作られたコーティングが、外面全体に堆積される。最後に、この導電性コーティングがエッチングされ、導電性コーティングが、トラック106及び108の接点84,86の位置と、第2のビア100及び102の上部112の位置にのみ残る。このようにして、光学層38の製造が完了する。
【0088】
次いで、工程182では、ハンドル170が除去され、下面34が露出する(
図116)。
【0089】
工程184、再配線150、はんだマイクロバンプ152~154、及び埋込層156が、露出した下面34の上に作られる。このようにして、光チップ18の製造が完了する。
【0090】
工程186では、電子チップ16及び光チップ18が、キャリア14の上面のパッドにはんだ付けされる。次に、電子チップ16及び光チップ18は、キャリア14の水平接続により、互いに電気的に接続される。
【0091】
工程190では、キャリア14、電子チップ16及び光チップ18が、良質な熱伝導体、すなわちエポキシ樹脂のような材料である非導電性材料に埋め込まれる。さらに、ラジエータ等のヒートシンクが配置されたカバーを、電子チップ16及び光チップ18の上面に固定するのが好ましい。このカバーは、例えば、熱伝導性接着剤を用いて、光チップ18の上面32と電子チップ16の上面に直接接着される。従って、これらの上面は、熱接着剤と直接接触し、それにより、カバーと接続することができる。これは、電力及び電気信号の全てが、電子チップ16及び光チップ18の下面を流れることにより実現される。
【0092】
次に、工程192では、システム2は、例えば、プリント回路基板4にはんだ付けされる。
【0093】
図12は、システム2の光チップ18の代わりに使用される光チップ200を示す。光チップ200は、
光学層38が、光学層202によって置き換えられており、
第2のビア130が、第2のブラインドビア204に置き換えられており、
光チップ200が、第3のビア206を備えること以外、光チップ18と同じである。
【0094】
さらに、光学層202は、サブレイヤ122の光ガイドレベル92に埋め込まれたアクティブ電子部品210を含むこと以外、光学層38と同じである。この電子部品210は、動作のために電気が供給される必要があるため、アクティブであり、電気信号を送信及び/又は受信する。この目的のために、電子部品210は、その下面に電気接点212を備える。従って、この電気接点212は、サブレイヤ122に埋め込まれ、接着面40に面する。
【0095】
ここでは、第2のビア204は、電子部品210の電気接点212を第1のビア52に電気的に接続し、サブレイヤ122及びサブレイヤ120の下側のレベル94を単に通る。電子部品210は、例えば、第1のビア52を介して受信した電気信号と、電気制御信号を、光学部品72に供給するように構成される。このため、部品210は、その下面に、光学部品72の電気接点74に接続された別の電気接点を備える。これを実現するために、サブレイヤ122の電気相互接続レベル94に位置する相互接続金属ネットワークは、この別の電気接点と電気接点74とを電気的に接続するパスを形成するように変更される。
図12を簡略化するため、相互接続金属ネットワークの変更は示していない。ビア204の構造及び製造は、ビア130に関する説明から導き出せるであろう。
【0096】
ビア206は、サブレイヤ122の電気相互接続レベル94に埋め込まれた金属線135を、上面32に設けられた電気トラック216に電気的に接続する。ビア206は、上面32から、埋め込まれた金属線135まで垂直に延在し、特に、サブレイヤ90及び光ガイドレベル92等を通る。
【0097】
電気トラック216は、テストパッドを備えており、これは、光チップ200の製造時、特に、ハンドル170を除去する前において、評価対象の電子部品210及び/又は72の動作を可能にする。この目的のため、
図12には示されていないが、サブレイヤ122の電気相互接続レベル94に位置する相互接続金属ネットワークもまた、金属線及び金属ビアを用いて、電気接点212及び/又は74を金属線135に電気的に接続する電気経路を形成するように変更される。
【0098】
ここでは、ビア206の構造は、下部110を除き、ビア100の構造と同じである。通常、ビア206は、ビア100の上部112と同様に作られ、また、この上部112と同時に作られる。
【0099】
図13は、システム2の光チップ18の代わりに使用され得る光チップ250を示す。光チップ250は、
第2のスルービア100及び102が、それぞれ第2のスルービア252及び254に置き換えられ、
光学部品70がレーザ光源256に置き換えられ、
第2のビア130が、第2のスルービア258、電子チップ260、及び第3のビア262に置き換えられていること以外、光チップ18と同じである。
【0100】
第2のスルービア252及び254はそれぞれ、それらの上部270が異なるように作られることを除き、ビア100及び102と同じである。より正確には、ここでは上部270は、固いビアである。換言すると、上部270は、穴126の中央の窪みが導電性材料で満たされることを除き、上部112と同じである。この場合、通常、ビア252及び254の上部270の最大直径は、1μm未満である。
【0101】
レーザ光源256は、
接点86が接点274に置き換えられ、
ウェーブガイド76がウェーブガイド276に置き換えられていること以外、光学部品70と同じである。
【0102】
接点274は、下層78を電気トラック108に電気的に接続する金属製ビアである。
【0103】
ウェーブガイド276は、突起部144A及び144Bが省略されることを除き、ウェーブガイド76と同じである。同様に、接点148A,148Bと、ビア158A,158Bが省略される。さらに、中央リブ142の厚さは、レーザ光源256によって導かれる光信号が主に活性層80に位置するように選択される。例えば、この目的のために、厚さe142は300nm又は200nm未満である。最後に、本実施形態では、接点148Cは、接点264によって置き換えられており、そのため、この接点264とリブ142の下面との間の距離dvはゼロである。ビア158Cは、ビア266に置き換えられており、その構造は、例えば、上述したビア158A又は158Bの構造と同じである。
【0104】
第2のスルービア258は、第1のビア52を、上面32に設けられた電気トラック276に電気的に直接接続する。トラック276は、電子チップ260の第1の電気接点がはんだ付けされるパッドを備える。ここでは、ビア258の構造は、ビア252の構造と同じである。
【0105】
ビア262は、上面32に設けられた電気トラック280を、サブレイヤ122の電気相互接続レベル94に埋め込まれた金属線135に電気的に直接接続する。この目的のために、例えば、ビア262の構造は、下部110が省略されることを除き、ビア252の構造と同じである。電気トラック280は、電子チップ260の第2の電気接点がはんだ付けされるパッドを備える。
【0106】
ここでは、金属線135は、
図12を参照して説明した相互接続金属ネットワークと同様に、光学部品72の電気接点74に電気的に接続される。通常、電子チップ260は変換器であり、これは、第1のビアを介して電力を供給され、第1のビア、例えばビア52を介して受信した電気信号に応じて、光学部品72を制御する。
【0107】
セクションII:変形例
セクションII.1:ビアの変形例
【0108】
ビアの水平断面は、必ずしも円形である必要はない。例えば、ビアの断面は、正方形又は長方形とし得る。この場合、「直径」とは、この水平断面の水力直径を意味する。
【0109】
上述した実施形態において第2のビアの場合に示したように、ビアの直径は、その高さの全体が必ずしも一定ではない。この場合、ビアの「直径」とは、このビアの高さに沿った最大直径を意味する。
【0110】
変形例では、第1のビアの上部56が省略される。この場合、第1のビアの部分54の上端部は、接着面40と同一平面上にある。
【0111】
別の変形例では、金属ビア60は省略される。この場合、部分54の上端部は、金属線58と機械的及び電気的に直接接続する。
【0112】
別の実施形態では、第1のビアの上部56は、サブレイヤ44の様々な深さに設けられた追加の複数の金属線を備えてもよい。このため、部分56の様々なレベルの金属線は、金属ビアによって互いに電気的に接続される。従って、これらの追加の金属線は、例えば、接着面40と同一平面上にある複数の金属線を互いに電気的に接続可能な再配線層、すなわちRDLを形成する。
【0113】
変形例として、第2のスルービアの下部を形成するために用いられる相互接続金属ネットワークもまた、4以上のレベルの金属線を含むことができる。
【0114】
変形例では、第2のスルービアの下部110が省略される。従って、この場合、穴126の底部は、第1のビアの金属線58に直接開口する。従って、このような第2のスルービアは、単一の部分、すなわち部分112のみを備える。
【0115】
穴126の中央はまた、サブレイヤ122の誘電体材料とは異なる誘電体材料を充填することができる。例えば、穴126の中央には、有機材料が充填される。
【0116】
別の実施形態では、第2のビアの上部112は、それぞれが上面32から金属線114に延在する1以上の金属ビアを用いて作られる。
【0117】
第2のビアに対する光学部品のレイアウトに関する制限を緩和する必要がない場合、第2のビアの直径は、3μmを超えてもよく、特に、第1のビアの直径以上とすることができる。
【0118】
変形例では、接点148A,148Bと突起部144A,144Bとの間の距離dvは、ゼロではない。この場合、距離dvは、例えば、接点148Cの例で説明したように選択される。
【0119】
特定の一実施形態では、ビア148Cが省略される。この場合、ウェーブガイド76からの熱は、ビア158A及び158Bによってのみ放散される。
【0120】
第II.2:光チップの構造の他の変形例:
【0121】
変形例では、相互接続層36は、シリコン以外の材料から作ってもよい。例えば、相互接続層36は、ガラスで作ることができる。
【0122】
別の変形例では、相互接続層36は、1以上の電子部品を含む。
【0123】
光学層38のサブレイヤは、他の材料で作ってもよい。特に、サブレイヤ122は、例えば、アモルファスシリコン、窒化ケイ素(SiN)、又は酸窒化ケイ素(SiON)等の別の誘電体材料を用いて作ることができる。
【0124】
光学層38の種々の酸化物サブレイヤは、必ずしも全てが同一の酸化物で作られない。変形例では、サブレイヤ120は、サブレイヤ90の作製に使用する酸化物とは異なる酸化物で作ることができる。サブレイヤ90の酸化物とは異なる酸化物を用いて、サブレイヤ122を作ることもできる。
【0125】
さらに、光学層は、追加のビアを通すことができ、その直径は、3μmを超え、例えば10μm又は20μmを超える。この場合、これらの追加ビアのそれぞれの周囲には、大きな領域の排他的範囲が設けられ、この排他的範囲には、光学部品が配置されない。この排他的範囲は、Yan Yang等の文献("Though‐Si‐via(TSV), Keep‐Out‐Zone(KOZ) in SOI photonics interposer: A study of impact of TSV-Induced stress on Si ring resonators", IEEE Photonics Journal, volume5, Number6, December 2013)が与える教示に基づいて大きさが規定される。以下、この文献を「Yang2013」と称する。ただし、光チップが、これらの追加ビアのいくつかを備える場合でも、第2のビアにより、引き続き光学部品のレイアウトの制限が緩和されるため、光学層における光学部品の配置は単純なままである。
【0126】
任意の数の光学部品をサブレイヤ122の光ガイドレベル92に埋め込んでもよい。さらに、様々な光学部品は、必ずしも光ガイドレベル92内の同じ深さに埋め込まれる必要はない。これは特に、光学部品又は光学部品の部分が、積層された材料の様々なサブレイヤから作られている場合に当てはまる。従って、これらの材料のサブレイヤは、結晶シリコンサブレイヤ、アモルファスシリコンサブレイヤ、窒化ケイ素(SiN)のサブレイヤ、及び酸窒化ケイ素(SiON)のサブレイヤを含む群から選択することができる。
【0127】
変形例では、1以上のビア158A,158B,158C及び266の下端部が、少なくとも1つの第1のビアに電気的及び機械的に接続され、レーザ光源によって生成された熱の放散を改善する。従って、第1の実施形態では、ビア158A、158B及び266のうちの少なくとも1つの下端部が、光チップ18の光学部品の1つをキャリア14に電気的に接続するのに用いられる第1のビアに電気的及び機械的に接続される。例えば、
ビア158A及び158Bの下端部は、それぞれ第1のビア50及び51に電気的及び機械的に接続され、又は
ビア158A及び158Bの下端部は、第1のビア50、51又は52に電気的及び機械的に接続され、又は、
ビア266の下端部は、第1のビア50、51、又は52に電気的及び機械的に接続される。
第2の実施形態では、ビア158A、158B及び266のうちの少なくとも1つの下端部は、追加の第1のビアに電気的及び機械的に接続される。この追加の第1のビアは電気的に絶縁される。そのため、追加の第1のビアは、第1のビア50、51、及び52から電気的に絶縁される。従って、この追加の第1のビアは、電気的な接続のために使用されない。例えば、ビア158A又は158Bの下端部は、そのような追加の第1のビアに電気的及び機械的に接続される。
【0128】
ビア158A,158B,158Cのうち1以上の直径と、ビア266の直径は、必ずしも3μm又は1μm未満である必要はない。また、当該直径は、これらの値よりも大きくてもよい。
【0129】
レーザ光源によって生成された熱の放散を改善するためにビア158A,158B,158C及び266を使用することは、同じように、少なくとも一部がサブレイヤ122に埋め込まれた任意の種類の光学部品又は電子部品によって生成された熱の放散を改善する。例えば、ビア158C又は266と同様のビアを用いて、光学部品72又は電子部品210によって生成された熱を放散することもできる。
【0130】
ウェーブガイド76の他の実施形態も可能である。例えば、変形例では、突起部144B及びリム146Bが省略される。この場合、接点148B及びビア158Bも省略される。突起部144A,144Bの厚さは、リブ142の厚さe142よりも大きくてもよい。別の変形例では、突起部148A及び148Bのみが省略され、リム146A及び146Bは省略されない。後者の場合、接点148A及び148Bは、突起部148A,148Bの下に形成される例で説明した方法と同じ方法で、それぞれリム146A及び146Bの下に形成することができる。
【0131】
セクションII.3:他の変形例:
【0132】
光チップは、光学部品を第1のビアの一つに電気的に接続するために必ずしも使用されない電気的トラックを、上面32に備えることができる。例えば、
図13の実施形態に関連して説明したように、そのような電気トラック276は、光チップの上面32にはんだ付けされた電子チップを、第1のビアの1つに電気的に接続するためにのみ使用することができる。
【0133】
一実施形態では、光チップは、第2のブラインドビアのみを備える。この場合、全ての第2のブラインドビアは、ハンドル164の反対側から作られる。従って、ハンドルを除去する順序を逆にすることができる。このため、ハンドル170は、ハンドル164よりも前に除去することができる。具体的には、第2のスルービアの上部112を作る必要はない。また、この場合、第2のブラインドビアは、光学層38が相互接続層36に接着される前に、完全に形成される。
【0134】
別の実施形態では、光チップは、第2のスルービアのみを備える。
【0135】
代替的に、チップ260は、
図1の電子チップ16に対応する。この場合、電子チップ260は、第1のビアによって給電されるASICであり、それが生成する電気信号を用いて、光学部品72を制御する。
【0136】
また、他の製造方法も可能である。
【0137】
光学部品70又はレーザ光源256の一部は、ここで説明した光チップの他の特徴と関係なく、ビア158A,158B,158C及び266等の第2のブラインドビア、通常、第3のブラインドビアを介して、相互接続層に熱接続することができる。特に、そのような熱接続は、文献Yang2013に記載されているように、第1のビアが光学層を通る方法で、又は全ての第1のビアが省略される方法で実現することができる。第1のビアが省略された場合、相互接続層36はもはや相互接続層ではなく、単に光学層38のキャリアである。第1のビアが省略された場合、表面サブレイヤ44の厚さは、サブレイヤ42の第2のビアが熱的に絶縁されないように十分に薄いことが好ましい。例えば、この場合、表面サブレイヤ44が省略され、または、その厚さが100nm又は50nm未満である。表面サブレイヤ44の厚さが大きい場合、すなわち100nm又は300nmを超える場合、上部56を省略せずに、サブレイヤ44を通るサーマルブリッジを形成でき、第1のビアの下部54のみを省略することができる。この場合、上部56は、厚さが100nm又は50nm未満の誘電体材料の薄層により、シリコンサブレイヤ42から電気的に絶縁され得る。
【0138】
セクションIII:説明した実施形態の利点:
【0139】
その下端部が相互接続層36と機械的に直接接続するビアを介して、ウェーブガイド76又は276を相互接続層36に熱接続することにより、本特許出願の導入で引用されたJ.Durel等の文献に記載された実施形態と比較して、レーザ光源が動作中に生成した熱の拡散を改善することができる。さらに、光チップの製造は、とりわけ簡単なままである。特に、ビア158A,158B,158C及び266が相互接続金属ネットワークによって形成されることにより、これらのビアの製造を簡易化し、従って、光チップの製造を簡易化する。これらのビアが、下側の相互接続レベル94にのみ配置されることにより、さらに上側の光ガイドレベル92を通るビアを用いて、これらのサーマルブリッジをウェーブガイド76、276と相互接続層36との間に作る場合と比べて、光学部品のレイアウトの制限を緩和することができる。
【0140】
本発明者は、ウェーブガイドの一部を直接支持する導電性接点が存在することにより、通常、このウェーブガイドの光損失が増加することを知っている。しかしながら、そのような光損失の増加は、できる限り抑制しなければならず、また、抑制することが好ましい。この意味において、同じ実施形態では、中央リブ142の厚さe142を300nm未満とし、接点264と中央リブ142との間の距離dvをゼロにすることにより、光損失を実質的に増やすことなく、熱の放散を改善することができる。具体的には、厚さe142が300nm未満である場合、導かれた光信号の大部分は活性層80に留まる。この場合、接点264がリブ142を機械的に直接支持することにより、光損失をほとんど増加させない。
【0141】
接点148Cとリブ142の下面との間の距離dvを10nm又は50nmよりも大きくすることにより、光損失を抑制することができる。さらに、この距離dvを500nm未満とすることにより、相互接続層36への熱の放散を改善することができる。
【0142】
また、その上端部が突起部144A,144Bを直接支持する突起部144A,144B及びビア158A,158Cを用いることにより、光損失を実質的に増加させることなく、熱の放散を改善することができる。具体的には、リム146A,146Bにより、突起部144A,144Bに導かれる光信号は無視できる。従って、これらの突起部が、ビア158A、158Bの上端部を直接支持することにより、光損失をほとんど増加させることなく、熱の放散を改善することができる。
【0143】
光学部品の近くにスルービアが存在すると問題が生じることが知られている。具体的には、そのようなビアは導電性材料でできており、その熱膨張係数は、光学部品を作る材料とは異なる。従って、温度が変化すると、スルービアは、近くの光学部品に対し、温度関数のように変化する機械的応力を及ぼす。この機械的応力の変化は、光学部品の光学特性を変化させ、この光学部品の特性の変化が生じる。これにより、例えば、光学部品が光学フィルタの場合、その中心波長が変化する。そのような光学部品の特性の変化は、避けなければならない。説明した実施形態では、第1のビアは、光学部品に対して機械的応力を実質的に及ぼさない。具体的には、相互接続層36は、光学部品を全く含んでいない。光学部品は、光学層にのみ配置される。従って、第1のビアの配置を気にすることなく、光学部品を互いに配置することができる。特に、第1のビアそれぞれの周りの排他的範囲を気にする必要はない。それらの部分の光ガイドレベル92を通る第2のスルービアの直径は、3μm、さらには1以下μmであることが好ましい。従って、このような第2のスルービアは、後者に機械的応力を加えることなく、光学部品から4μm、さらには2μmの位置に配置することができる。対照的に、Yang2013に記載された10μmを超える直径を有するスルービアは、光学部品に機械的応力が加わらないように、光学部品から40μm離して配置しなければならなかった。従って、第2のビアの直径が第1のビアの直径に等しい場合に可能であったものと比べて、第2のビアの非常に近くに光学部品を配置することができる。従って、同一の光チップにおいて第1のビア及び第2のビアを組み合わせることにより、ビアについて光学部品の配置に関する制限を緩和しつつ、光チップが、許容可能な撓みを実現するのに十分な厚さを有することができる。相互接続層は、必ずしも酸化ケイ素埋込層を含むとは限らないことにも留意すべきである。従って、許容可能な撓みが得られるその最小の厚さは、酸化ケイ素埋込層の厚さ未満である。相互接続層の厚さを薄くすることにより、特に第1のビアの寄生容量を低減できる。具体的には、この寄生容量は、第1のビアの高さに比例する。
【0144】
光チップ18,200,250に関し、酸化物層90の上面にレーザ光源を配置することにより、特にシステムのパッケージングのおかげで、外部からそれを冷却するのが容易になる。
【0145】
熱膨張係数がコーティング124の熱膨張係数よりも低い非導電性材料で穴126の中心を充填することにより、第2のビアが近くの光学部品に及ぼす機械的応力をさらに低減することができる。