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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】ベビーフード調製装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/40 20060101AFI20230720BHJP
   A47J 43/04 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
A47J31/40 104
A47J43/04
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021016532
(22)【出願日】2021-02-04
(62)【分割の表示】P 2018555824の分割
【原出願日】2017-01-11
(65)【公開番号】P2021072971
(43)【公開日】2021-05-13
【審査請求日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】102016000406.1
(32)【優先日】2016-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521242174
【氏名又は名称】エス エム イー イー ツェー エス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202496
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿角 剛二
(74)【代理人】
【識別番号】100202692
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 吉文
(72)【発明者】
【氏名】シュラック ステファン
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01852044(EP,A1)
【文献】米国特許第04993593(US,A)
【文献】中国実用新案第202355218(CN,U)
【文献】特表2010-508946(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0194631(US,A1)
【文献】特開平05-341473(JP,A)
【文献】特表2012-530494(JP,A)
【文献】特表2007-525259(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104665591(CN,A)
【文献】米国特許第04319568(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/40
A47J 43/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベビーフードを計量するおよび/または調製するための装置であって、
少なくとも1つのベビーフード濃縮物供給源に接続するための少なくとも1つの第1コネクタと、
少なくとも1つの液体供給源に接続するための第2コネクタと、
少なくとも1つの加熱装置と、
ベビーフード濃縮物および/または液体を哺乳瓶に充填するための少なくとも1つの出口と、
上記ベビーフード濃縮物を保管しおよび/または導くために設けられ、第1袋または第1袋/チューブキットまたは第1チューブキットまたは第1チューブまたは第1チューブ部からなる少なくとも1つの第1の使い捨て可能な構成部品と、
上記液体を保管しおよび/または導くために設けられ、第2袋または第2袋/チューブキットまたは第2チューブキットまたは第2チューブまたは第2チューブ部からなる少なくとも1つの第2の使い捨て可能な構成部品と、
上記ベビーフード濃縮物および/または液体を計量するように構成された計量装置とを備え、
上記計量装置は、
様々な分量の上記ベビーフード濃縮物の計測を実現するために上記第1の使い捨て可能な構成部品に設けられるスクリューコンベヤまたは1つ若しくは2つの移動可能な第1クランプと、
上記第2の使い捨て可能な構成部品に設けられる2つの第2クランプとを有し、
上記液体は、上記第2クランプに向かって重力によって運搬され
上記加熱装置は上記第2の使い捨て可能な構成部品の領域に設けられている
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記加熱装置は、液体を加熱および/または殺菌するように構成されている
ことを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
上記ベビーフード濃縮物供給源および/または上記液体供給源および/または上記哺乳瓶は、上記装置の交換部品であり、
上記ベビーフード濃縮物供給源および/または上記液体供給源は、小さな収納スペースを必要とする袋若しくは袋とチューブキットの組み合わせ品を有する
ことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項において、
液体を浄化および/または殺菌するための少なくとも1つのフィルタと、
上記ベビーフード濃縮物供給源の情報を読み取るための手段
上記装置に上記哺乳瓶を結合するための哺乳瓶取付部と、の少なくとも1つを備える
ことを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項において、
上記装置は、上記液体およびベビーフード濃縮物からベビーフードを調製するための少なくとも1つの調製装置を備え、
上記調製装置は、少なくとも1つのスプレーノズルおよび/または少なくとも1つのスプレーボールを有する少なくとも1つの撹拌器を備え
および/または、
上記調製装置は、交換可能である
ことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項において、
上記ベビーフード濃縮物は、粉ミルク濃縮物であり、
上記液体は、水であり、
上記調製装置は、上記粉ミルク濃縮物と上記水とが、互いに分かれたままで上記哺乳瓶に充填され、粉ミルクの調製または粉ミルク濃縮物と水との混合が、上記哺乳瓶に各成分が充填された後のみにおいて上記哺乳瓶内で実行されるように、上記哺乳瓶に対してまたは上記装置の上記第1の使い捨て可能な構成部品または上記第2の使い捨て可能な構成部品に対して結合可能である
ことを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項において、
上記装置は、異なるベビーフード濃縮物供給源が、異なる濃縮物の混合が生じないように互いに別個に接続可能に構成されている
ことを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1項において、
上記装置を操作可能な制御装置を備え
ことを特徴とする装置。
【請求項9】
ベビーフードを調製する方法であって、
請求項1~8のいずれか1項に記載の装置を使用する工程を備える
ことを特徴とするベビーフード調製方法。
【請求項10】
請求項9において、
ベビーフードを調製するための請求項1~8のいずれか1項に記載の装置における上記袋および/または袋/チューブキットを、ベビーフード濃縮物供給源としてベビーフード濃縮物で満たす工程を備える
ことを特徴とするベビーフード調製方法。
【請求項11】
請求項10において、
上記袋および/または袋/チューブキットには、磁気部品または金属部品が設けられ、
上記磁気部品または金属部品は、上記クランプによって上記袋および/または袋/チューブキットがその領域で引き離されるように上記クランプに設けられた磁石と相互作用するものである
ことを特徴とするベビーフード調製方法。
【請求項12】
請求項1~8のいずれか1項に記載の装置において交換可能または使い捨て可能な袋および/または袋/チューブキットとして使用するための計量および/または殺菌袋であって、
少なくとも、上記袋および/または袋/チューブキットの上側領域に設けられるコネクタと上記袋および/または袋/チューブキットの下側領域に設けられるコネクタとを備え、これらコネクタは液体または濃縮物を流入および流出させ、
上記液体または上記ベビーフード濃縮物は、重力によって運搬される
ことを特徴とする計量および/または殺菌袋。
【請求項13】
請求項12において、
上記袋および/または袋/チューブキットには、磁気部品または金属部品が設けられ、
上記磁気部品または金属部品は、上記クランプによって上記袋および/または袋/チューブキットがその領域で引き離されるように上記クランプに設けられた磁石と相互作用するものである
ことを特徴とする計量および/または殺菌袋。
【請求項14】
請求項1~のいずれか1項に記載の装置のための調整装置であって、
上記調製装置は、容器に接続可能であり、
1つまたはそれ以上のスプレーボールを有し、接続された上記容器の内容物を撹拌するように構成された撹拌器を備える
ことを特徴とする調製装置。
【請求項15】
請求項14において、
上記調製装置は、交換可能な消耗品として設計され、および/または、
上記調製装置は、上記ベビーフード濃縮物の上記液体との混合と、上記ベビーフード濃縮物の上記液体への溶解とを含む
ことを特徴とする調製装置。
【請求項16】
請求項12または請求項13に記載の計量および/または殺菌袋と液体供給源との組み立て品。
【請求項17】
粉ミルクまたはベビーミルクからなるベビーフードを調製するための請求項1~8のいずれか1項に記載の装置におけるベビーフード濃縮物供給源として使用するためのベビーフード濃縮物が充填された袋および/または袋/チューブキット。
【請求項18】
粉ミルクまたはベビーミルクからなるベビーフードを調製するための請求項1~8のいずれか1項に記載の装置における液体供給源として使用するための液体が充填された袋および/または袋/チューブキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベビーフード、特に粉ミルクやベビーピューレ等を調製するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーフード濃縮物からベビーフードを調製する際には、水を加熱し、それに対応する量の濃縮物を計量し、当該フードを与える前に濃縮物を調製しまたは当該加熱水と混合する。
【0003】
ここで、調製とは、各材料を、互いに混ぜ合わせもしくは溶け合わせて加熱し、または様々な態様で食べられるようにすることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、このような作業は、夜間において、育児疲れのために集中力が低下しがちな、フード調製を行う人間によってなされることが多い。ここで特に、フード調製の行為は骨が折れるものと感じられることや、高温の液体を扱う際に当該調製を行う人間がやけどやけがをする危険があることが短所となる。
【0005】
したがって、本発明の目的は、ベビーフード、特に粉ミルクの調製を簡易化しかつずっと安全にするための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記の目的は、請求項1の特徴を有するベビーフード調製装置によって達成される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。したがって、少なくとも1つのベビーフード濃縮物供給源に接続するための少なくとも1つの第1コネクタと、少なくとも1つの液体供給源、特に水供給源に接続するための少なくとも1つの第2コネクタと、特に液体および/またはベビーフードを加熱するための少なくとも1つの加熱装置と、液体およびベビーフード濃縮物を調製するための少なくとも1つの調製装置と、液体およびベビーフード濃縮物を哺乳瓶に充填するための少なくとも1つの出口とを備える装置が提供される。
【0007】
本発明によると、当該装置によって、適切に調製されて対応する温度で赤ん坊に与える準備ができたベビーフードで哺乳瓶を充填することができる。特定の環境下で骨の折れるベビーフードの調製を、装置による調整プロセスの自動化または簡略化によって省略することができる。
【0008】
本発明によると、液体供給源は、2つの別個の液体容器を有していてもよく、その一方は低温の液体で満たされてもよく、他方は温かいまたは高温の液体で満たされてもよい。ここで、液体容器は、熱的に絶縁されていてもよい。ベビーフードを調製するために、まずベビーフード濃縮物または濃縮物が、手作業または異なる態様で哺乳瓶に導入されてもよい。したがって、哺乳瓶それ自体が、そのような実施形態ではベビーフード濃縮物供給源であってもよい。2つの液体容器に保管された水が、必要なだけ時間を遅らせて、特定の比率で哺乳瓶に導入されてもよく、哺乳瓶で混合された水が所望の温度になることを実現する混合装置が設けられていてもよい。2つの液体容器における低温の水および温かいまたは高温の水が、このために対応する比率で混合されてもよい。ここで、温度計は、液体容器内および/または哺乳瓶内の温度を検出可能であり、混合装置は、必要量の高温および低温の水を混合可能であるか、または所望の飲用温度を得るために混合するべき水の比率をユーザに対して表示可能である。そして、ベビーフードは、調製装置によって調整または混合されてもよい。
【0009】
ここで、液体およびベビーフード濃縮物のための出口または2つの別個の出口は、装置内でベビーフード濃縮物と液体との混合が全くなされないか、または完全に混合がなされるように配置されていてもよい。このようにするために、当該出口は、ベビーフード濃縮物と液体とが互いに分かれて哺乳瓶に導入されるように、調製装置に別個に設けられていてもよい。このために、当該出口は、調製装置のうち哺乳瓶に対向する側に、または哺乳瓶の開口部が接続され得る側に、互いに別個に設けられていてもよい。
【0010】
それに代えてまたは加えて、チューブ内または複数のチューブ内に別個の出口が設けられていることも考えられ、当該チューブは、液体および/またはベビーフード濃縮物を哺乳瓶内に導くための共通の入口または入口領域を有していてもよい。ここで、2つの出口は、装置内に設けられかつ容器または哺乳瓶に向かって別々に開口しておらず、混合および/または吸引装置またはその他の容器上流に配置された入れ物に向かって開口していてもよい。
【0011】
ここで、加熱装置は、液体および/またはベビーフードが、提供に適した温度、例えば50℃未満、特に20~45℃、より好ましくは37±5℃まで加熱されるように構成されていてもよい。装置は、例えば粉ミルク濃縮物と水との混合を容器内でのみ可能としてもよい。このことは、濃縮物および水が互いに分かれたまま容器内に充填され、粉ミルクの調製または粉ミルク濃縮物と水との混合が各材料の容器への充填後にのみ当該容器内で実行されるように、調製装置が容器に結合可能であることで実現されてもよい。また、ユーザは、この装置において、任意の所望の商用のベビーミルクパウダまたは濃縮物を使用することができる。それに代えてまたは加えて、加熱装置が、液体および/またはベビーフードを煮沸するように、または約100℃まで加熱するように構成された実施形態も考えられる。よって、加熱装置は、各物質を殺菌するための計量および殺菌袋と組み合わせて使用することができる。
【0012】
本発明によると、ベビーフード濃縮物および/またはベビーフードおよび/または水および/またはその他のベビーフード濃縮物を溶かす液体を導くための、好ましくは交換可能な、少なくとも1つのチューブまたはチューブ部が設けられる。また、ベビーフード濃縮物供給源および/または液体供給源および/または容器が、装置の交換部品であり、および/または袋およびチューブキットで構成され、またはそれらに接続されていることも考えられる。ここで、特に一体的に作られるそのような袋およびチューブキットは、チューブ部と、例えばチューブ部よりも容量の大きい袋部とを有する。上述した交換可能なチューブ部は、そのような袋およびチューブキットに属するチューブ部であってもよい。袋部は、代替的または追加的に、チューブ部よりも大きな断面を有していてもよい。よって、袋およびチューブキットは、より少ない保管スペースしか必要とせず、また接続対象のより少ない構成要素を用いて装置に結合可能である。別個のチューブが特に省略され得る。
【0013】
チューブを使用する場合、それらは再利用可能なチューブとして、または使い捨て品として構成されてもよい。必要とされる衛生基準の観察が、チューブならびに濃縮物供給源および水供給源の対応する交換または洗浄によって容易化され得る。また、ベビーフード濃縮物供給源および/または液体供給源および/または哺乳瓶は、袋、チューブキット、および/または袋/チューブキットを有していてもよく、またはそれらに接続されていてもよい。当該構成要素は、可撓性であってもよく、よって有利には小さな保管スペースしか必要としない。これにより、後述するような計量および殺菌袋が、液体および/またはベビーフード濃縮物のための対応するチューブまたはチューブ部と一体形成されているか、またはチューブ部を構成している実施形態が示される。ここで、チューブは、袋の内容物を計量するために、後に詳述するクランプによって、またはクランプに似た装置によって囲まれまたは押さえられてもよい。
【0014】
別の有利な実施形態では、液体、特に水を浄化および/または殺菌するための少なくとも1つのフィルタが設けられることが考えられる。ここで、フィルタは、液体供給源と装置の出口との間に設けられてもよく、それにより液体が装置を流通する際にそれ相応にろ過または殺菌され得る。フィルタは、好ましくは、液体が濃縮物と接触する前にろ過または殺菌されるように設計されている。また、フィルタは、調製装置に対して直接的に取り付けられてもよい。さらに、調製装置は、必要に応じてアダプタの助けを借りて、容器(哺乳瓶)に対して直接的に接続されてもよい。これにより、容器および調製装置の閉システムが出来上がる。当該接続は、両要素の殺菌/高圧滅菌の直後になされてもよい。瓶を伴う調製装置は、充填のために水チューブおよび濃縮物チューブに接続されてもよい。殺菌のための水の煮沸は、対応する無菌フィルタの使用によって省略され得る。
【0015】
あるいは、調製装置が、装置の構成要素であって、哺乳瓶取付部を介して容器に接続可能であることが考えられる。ここでまた、調製装置が交換部品であることも考えられ、または調製装置の一部が交換部品としてまたは使い捨て品として設計されていてもよい。ここで、フィルタそれ自体は、チューブに似ていてもよく、容器、液体供給源、およびベビーフード濃縮物供給源は、使い捨て品として設計されていてもよい。
【0016】
別の有利な実施形態では、調製装置が少なくとも1つの撹拌器および/または少なくとも1つのスプレーノズルを有するか、および/または調製装置が交換可能な消耗品として構成されていることが考えられる。ここで、調製には、ベビーフード濃縮物と液体を混合すること、およびベビーフード濃縮物を液体に溶かすことが含まれてもよい。濃縮物は、固形物、特にパウダであってもよいし、または濃縮液であってもよい。
【0017】
ここで、撹拌器は、装置の出口の領域に配置可能な容器に係合するように構成されていてもよい。さらに、撹拌器は、回転駆動されてもよく、撹拌器の回転は、流体の流れによって、または撹拌器のモータ等のそれ自体が有する駆動部によって生じる。
【0018】
別の有利な実施形態では、第1コネクタが、ベビーフード濃縮物供給源に挿入するための挿入針を有することが考えられる。ここで、挿入針は、装置のラインや別部品と同様、より良い衛生基準を実現するように使い捨て品として構成されていてもよい。また、当該針は、プラスチック製であってもよい。衛生基準を実現するために各材料供給源(ベビーフード濃縮物供給源、液体供給源)内に、およびベビーフードが充填される容器内に導入可能な全部で3つの針またはそれよりも多いもしくは少ない針が装置に設けられてもよい。
【0019】
別の有利な実施形態では、ベビーフード濃縮物および/または液体を供給するための少なくとも1つのポンプが設けられ、および/または調製のためのベビーフード濃縮物および/または液体を重力によって供給するように構成された手段が設けられていることが考えられる。
【0020】
また、本発明によると、濃縮物および/または液体を計量するように構成され、かつ特にチューブまたはチューブ部に移動可能に設けられたクランプを有する計量装置が設けられる。当該クランプは、制御装置を介して電気的に、または手動で制御されてもよい。ここで、クランプの語は広く解釈されるべきであり、内容物を計量するために特に可撓性を有するチューブおよび/またはチューブ部の領域と協働し得る計量装置の任意かつ全ての構成要素を含み得る。したがって、計量装置は、可撓部と協働してパウダの計量を可能とする振動ローラ、振動くさび、振動スプーン、または類似のものを有していてもよい。
【0021】
したがって、締め付けることのできる可撓性の道具において、例えば、袋、チューブ、またはチューブ/袋の結合物等において、水およびパウダまたは濃縮物に対する計量が可能となる。ここで、水を計量する場合、締め付けられた道具内で、水の計量および殺菌を組み合わせて実行することができる。
【0022】
計量または計量および殺菌の組合せは、例えば、移動可能なクランプによって、回転ホイールによって、またはくさびによって実現されてもよい。上側クランプまたはバルブ上方に配置されたクランプの締付けと、バルブの対応する駆動とを、液体または濃縮物の放出において組み合わせることも考えられる。
【0023】
ここで、計量装置は、上記クランプによって所定の位置で外部から閉じられたチューブおよび/またはチューブ部を締め付け、それにより特に締付箇所の間におけるチューブの内容物を所望量だけ計量するように構成されていてもよい。それに代えてまたは加えて、計量装置は、例えば、対応する駆動部を駆動することによって、手動で固定の計測量を哺乳瓶内へ出す装置として構成されていてもよい。また、そのような計量は、ストローク原理にしたがって実行されるものとして記述され得る。ここで、所望の計量は、手作業で、または駆動部の対応する頻度の駆動を介して自動で実行されてもよい。例えば、ベビーフード濃縮物を手作業でまたは駆動部によって哺乳瓶に充填することが考えられる一方、その後、所定の時間をおいて特に自動で液体の追加を実行し、そしてベビーフードの調製を同様に自動で実行してもよい。
【0024】
別の有利な実施形態では、装置を操作、特に遠隔制御することのできる制御装置を設けることが考えられる。ここで、制御ユニットは、表示パネルまたは表示部を有していてもよく、また特別な補完モジュールによってモジュール式に補完可能であってもよい。無線LANモジュールによる制御装置の補完によると、装置全体の遠隔制御が可能になると考えられる。制御装置は、材料の計量、液体の加熱、および材料の撹拌、調製、または混合といった調製に必要な全てのステップを制御してもよい。
【0025】
装置の機能のうち一部または全部が手動で、すなわち制御装置を用いることなく設定可能である実施形態も考えられる。例えば、パウダの量またはベビーフード濃縮物の量が、回転することで対応するクランプを互いに離間させ、および/またはクランプを開閉させることのできる少なくとも1つの回転ノブを介して設定されてもよい。液体の量を設定するために、少なくとも1つの別個の回転ノブが同様に使用されてもよく、またはベビーフード濃縮物供給源を設定するための構成要素と、液体の量を設定するための構成要素との間に伝達装置が設けられてもよい。当該伝達装置は、例えば、液体を計量するために設けられたクランプを、濃縮物を計量するために設けられたクランプに対して自動的に適合または結合させる変換装置または変換ホイールを有する。これにより、高価でエラーが発生しがちな電子部品を有利には省略できる。
【0026】
また、装置のオン切替えは、手動によりまたはアプリを介した一部手動の制御により実行されてもよく、当該装置は、手動で設定された計測量を調製可能である。
【0027】
また、水道水を調製してそれを直接的に使用可能とする水調製モジュールが追加されてもよい。ここで、当該モジュールおよび別のモジュールは、特にラッチにより、中央ユニットもしくは制御装置に、または装置全体に対してシンプルに接続可能である。制御装置は、装置全体に組み込まれていてもよいし、または外部装置として設けられていてもよい。ここで、制御装置は、装置全体と、または装置の各構成要素と、無線でまたは対応する回線を介して通信可能である。
【0028】
また、ベビーフード濃縮物供給源の情報を読み込むための手段、特にスキャナを装置が有すること、および/または容器を調製装置にまたは装置に結合するための哺乳瓶取付部が設けられていることが考えられる。そして、読み込んだデータは、調製プロセスを実行するために制御装置によって利用されてもよい。このようにするために、ベビーフード濃縮物供給源には、読込可能な情報、例えば飲量および計量表を含むバーコードまたはその他の情報手段が設けられている。制御ユニットにレシピを手入力することも考えられる。
【0029】
哺乳瓶または容器は、哺乳瓶取付部を介して、または調製装置を利用して、また必要に応じて追加的なアダプタを利用して装置に結合されてもよく、それによりベビーフードの調製が容器内で実行されてもよい。このようにするために、容器は、例えば、調製装置にねじ止めまたはクリップ止めされてもよいし、または哺乳瓶取付部を介して接続されてもよい。ここで、哺乳瓶取付部は、調製装置と一体形成されていてもよく、また例えば、哺乳瓶にねじ込むためのねじを有していてもよい。これにより、容器および調製装置の閉システムが生じる。市場で入手可能な哺乳瓶の全てまたは一部を調製装置に結合するために、必要に応じてアダプタが使用されてもよい。瓶を伴う調製装置は、充填のために水チューブおよび濃縮物チューブに接続される。計量および殺菌袋を有する実施形態では、調製装置は、そのような計量および殺菌袋の開口部に接続されてもよい。あるいは、哺乳瓶取付部を伴う哺乳瓶が、装置に設けられた調製装置に接続される。粉ミルクの調整後、調製装置および/または取付部が容器から分離されてもよく、また容器に、容器内容物の消費または安全な保管のための乳首アタッチメントまたはその他のアタッチメントが設けられてもよい。
【0030】
別の有利な実施形態では、ベビーフード濃縮物供給源および/または液体供給源が、装置のコネクタに接続されることが考えられる。すなわち、本発明のこの態様は、装置それ自体に関するものではなく、ベビーフード濃縮物供給源および/または液体供給源が設けられた装置に関する。
【0031】
本発明は、また、ベビーフードを調製するための、および混合物、より広くは溶液または懸濁液を調製するための請求項1~11のいずれか1項に記載の装置の使用に関し、また請求項1~11のいずれか1項に記載の装置におけるベビーフード濃縮物供給源の使用に関する。
【0032】
本発明は、また、懸濁液および/または乳濁液、特に粉ミルク等のベビーフードを調製するための請求項1~11のいずれか1項に記載の装置のための計量および殺菌袋に関し、ここで、当該計量および殺菌袋は、液体を流入および流出させるための少なくとも2つのコネクタを有する。
【0033】
本発明は、さらに、請求項1~11のいずれか1項に記載の装置のための調製装置に関し、ここで、当該調製装置は、容器に結合可能であり、かつ調製装置に結合された容器の内容物を撹拌するように構成された撹拌器を有する。計量および殺菌袋、および調製装置は、本明細書において説明する別の特徴を有していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本発明に係る装置の概略構成図である。
図2図2は、圧力ポンプを伴う動作に対応した本発明に係る装置の構成を詳しく示す図である。
図3図3は、本発明に係る装置の調製装置を詳しく示す図である。
図4図4は、本発明の別の実施形態に係る構成を詳しく示す図である。
図5図5は、吸引ポンプを伴う動作に対応した本発明に係る装置の構成を詳しく示す図である。
図6図6は、複数の濃縮物供給源を用いる本発明の別の実施形態に係る構成を詳しく示す図である。
図7図7は、ベビーフード濃縮物供給源の、および/または計量ラインを有する液体供給源の容器を示す図である。
図8図8は、容器であって、当該容器をクランプ結合するための装置を有する容器を示す図である。
図9図9は、容器であって、当該容器をクランプ結合するための装置を有する容器を示す図である。
図10図10は、容器であって、当該容器をクランプ結合するための装置を有する容器を示す図である。
図11図11は、容器であって、当該容器をクランプ結合するための装置を有する容器を示す図である。
図12図12は、容器であって、当該容器をクランプ結合するための装置を有する容器を示す図である。
図13図13は、本発明に係る装置のコンパクトな構成を示す図である。
図14図14は、アダプタを有する調製装置を示す図である。
図15図15は、スプレーボールを有する調製装置の撹拌器を示す図である。
図16図16は、計量および殺菌袋を有する装置の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
さらなる利点および詳細について、図面に例示された実施形態を参照して説明する。
【0036】
図1は、粉ミルクを調製するための本発明に係る装置の概略構成図である。また、実施形態は、その他の任意のベビーフードまたはドリンクの調製に関する。
【0037】
ここで、少なくとも1つの粉ミルク濃縮物供給源11に装置を接続するための第1コネクタ1が示されている。粉ミルク濃縮物供給源11は、例えば、粉ミルクパウダの袋であってもよい。少なくとも1つの液体供給源12に対する接続のための第2コネクタ2は、例えば、水供給源に装置を接続するために使用されてもよい。
【0038】
この場合において、第1および第2コネクタ1,2の語は、広く解釈されるべきである。それらの語は、粉ミルク濃縮物供給源11や液体供給源12を装置に接続可能とする任意の装置を示し得る。ここで、コネクタ1,2は、調製装置4の一部であってもよいし、本発明に係る装置の他の部分の一部であってもよい。コネクタ1,2は、チューブまたはチューブ部の一部であってもよく、出口に繋がれていてもよい。
【0039】
図1の下部には、液体および粉ミルク濃縮物の調製、特に機械的調製に適合された調製装置4が示されている。ここで、調製装置4は、図1には示さない容器10に液体および粉ミルク濃縮物を充填するための少なくとも2つの出口を有する。ここで、調製装置4および容器10は、互いに接続されていてもよい。
【0040】
調製装置4には、容器10内に粉ミルク濃縮物またはパウダを移すために挿入針61を挿入することのできる膜体42が設けられていてもよい。当該針61は、例えばプラスチック製であってもよい。殺菌装置、特にUVライト殺菌装置が装置に設けられていてもよく、それによると、例えば挿入針61や膜体42を殺菌することができる。調製装置4には、容器10内に充填される水をろ過または浄化することのできる無菌フィルタ41がさらに設けられていてもよい。調製装置4と、液体供給源12または粉ミルク濃縮物供給源11との間には、各物質を互いに別々に導くことのできるチューブ62,63が設けられていてもよい。例えば袋であってもよい粉ミルク濃縮物供給源11からは、当該粉ミルク濃縮物供給源に接続されたチューブ62を介して、例えばパウダが吸い込まれてもよい。このことは、所望の調製に必要な量に応じて行われてもよい。それに代えてまたは加えて、対応する量の粉ミルク濃縮物を重力によって運ぶことも考えられる。このようにするために、粉ミルク濃縮物供給源4が容器10の上方に配置されてもよく、それにより、2つの入れ物の対応する接続を伴って、粉ミルク濃縮物供給源4の内容物が重力にしたがって容器10内へ流れるか、あるいは当該流れが促進される。それに代えてまたは加えて、粉ミルク濃縮物は、例えば様々な計量プロセスの実行に使用可能なスクリューコンベヤもしくはねじおよび/または適合チャンバを伴う他の供給手段を介して容器10内に導かれてもよい。吸込みをチャンバ等と組み合わせることも考えられる。
【0041】
そのことは、調製のために水が対応するチューブ63を介してポンプおよび/または重量プロセスによって運ばれる液体または水の輸送にも同様に当てはまる。ここで、液体供給源12に接続するための対応するチューブ63の端部は、例えば、テトラパックの閉塞キャップに適合するかあるいはそれに結合できるように構成されていてもよい。また、液体供給源に対するコネクタは、それによって水差しまたは水道用の水栓が装置に結合できるように構成されていてもよい。このようにするために、チューブ63の端部に、対応する取付部が設けられていてもよい。液体供給源12にチューブ63を適合させるコネクタを、またはテトラパック、水差し、もしくは水栓として同コネクタを有するモジュール容器を液体供給源として設けることも考えられる。容器は、例えば袋等の可撓性の容器として構成されていてもよい。また、容器は、これに固定接続されたチューブであって、容器の交換に際して当該容器と共に交換され得るチューブを有していてもよい。
【0042】
とりわけ、液体供給源12に対するチューブ63を、フィルタ41に接続可能であって、特にクリップ止めにより固定または接続可能であるように構成することが考えられる。液体または水は、対応するチューブ63を介して装置に導入されてそこで加熱され、必要量の加熱された水が、制御装置に格納されたレシピにしたがって容器10またはミルク容器10へ充填される。レシピに、粉ミルク濃縮物供給源11の特性に、またはその調製に関するより詳しいデータが、例えばバーコードを介して、またはその他のデータ媒体を介して、粉ミルク濃縮物供給源11のパッケージから制御装置に伝達されてもよい。これから、装置によって実行可能な対応する調製オプションが生じる。粉ミルク濃縮物の古さに、その組成に、および/または粉ミルク濃縮物のその他の特性に関する情報が、粉ミルク濃縮物供給源11に格納されていてもよく、また制御装置に伝達されてもよい。制御ユニットにレシピを手入力することも考えられる。
【0043】
装置の制御は、例えばスマートファンまたはタブレットPCを介してアプリによって、および/または遠隔制御によって実行されてもよい。オンオフの切替えは、特にこのようにして制御されてもよい。また、アプリは、チューブ62,63、フィルタ41、またはその他の装置の構成要素といった消耗品の交換必要性に関する情報を提供するものであってもよい。ここで、制御装置は、ワイヤレスLANコネクタまたはその他の無線もしくは有線のインターフェースを有していてもよい。粉ミルクを調製するための装置によって確認または設定されるべき粉ミルク濃縮物の計測量、液体の温度、撹拌器15の撹拌動作、および必要に応じてその他のパラメータが、粉ミルク濃縮物供給源11のパッケージに含まれる情報からわかってもよい。これらのパラメータを制御ユニットに手入力することも考えられる。
【0044】
粉ミルク濃縮物供給源11には、結合点65が設けられていてもよい。結合点65を介して、粉ミルク濃縮物を取り出すための別の挿入針61を、粉ミルク濃縮物供給源11に挿入することができる。
【0045】
図3は、装置のより詳しい実施形態を示しており、粉ミルク濃縮物供給源11またはそのパッケージと液体供給源12とが、対応する支持体20に設けられ得るようになっている。液体供給源および濃縮物供給源は、支持体に吊されていてもよい。また、支持体内に両供給源を収納するための収納室を固定することも考えられる。ここで、液体供給源12は、液体を補充するためのねじ接続部13を有していてもよい。支持体20は、例えば販売場所における保管に際して、当該支持体20を折り畳んだ状態で、できるだけ小さな占有面積、またはできるだけ小さな装置の必要スペースを実現できるように、当該装置の別の構成要素に対して折り畳み態様で結合できるものであってもよい。
【0046】
また、カバー21を設けることも考えられる。カバー21は、例えば展開された支持体20の領域に装置の外部で被せることが可能であって、フィルム等として設計可能であり、かつ装置の少なくとも一部を閉じるかまたは覆うものであってもよい。装置は、完全に閉じたシステムとして設計されていてもよい。
【0047】
例えば、液体供給源12は、対応するチューブ63を介して装置に接続可能な例えば水用の袋として構成されていてもよい。ここで、袋は、使い捨て品として構成されていてもよく、例えば2週間にわたる相応の期間の使用後に処分されてもよく、そして新しいもの(必要に応じて水用のチューブキット6を含む)と交換されてもよい。これにより、バイオフィルムまたは化学汚染に対して液体供給源12(および水用のチューブキット6)を洗浄する必要がなくなる。
【0048】
装置は、機能ユニット30を備えていてもよい。機能ユニット30は、液体を加熱するための不図示の水加熱器または加熱装置3と、粉ミルク濃縮物を計量するための装置と、粉ミルクの調製を実行するための開始ボタンと、その他の電気的な構成要素とを有する。ここで、制御装置は、当該機能ユニットの一部であってもよい。機能ユニットおよび/または制御ユニットは、例えば、粉ミルク濃縮物および/または液体の残量を測定するためのロードセルまたはその他のセンサ装置を有していてもよい。また、当該測定は、充填または調製工程の数を考慮に入れて、移動可能なクランプ16,17(図2および図5)の位置を介してなされてもよい。そして、新しい粉ミルク濃縮物を得るために、必要に応じて、例えばインターネット経由で自動充填が引き起こされてもよい。ここで、提供対象の子どもの年齢を考慮に入れて、粉ミルク濃縮物の選択に対する適切な提案が制御装置によって与えられてもよい。もちろん、順番を必要に応じて手動で変更してもよい。ここで、機能ユニット30は、装置の他の構成要素に恒久的に結合されていてもよく、または当該構成要素に着脱可能に接続されていてもよい。水に対しても同様の原理が考えられる(図2におけるクランプ18、または図5におけるクランプ18,19)。システムは、このようにして、水がどの程度取り出されたかをチェックしてユーザに補充を勧めることができる。しかしながら、流れセンサを介して、ポンプ工程の持続時間または圧力ポンプを介して測定することも考えられる。
【0049】
図4は、無菌フィルタ41、膜体42、および撹拌器43を有する調製装置4のより詳しい図である。調製装置4は、少なくとも部分的に、対応する哺乳瓶10または対応する容器10に導入されていてもよい。そして、粉ミルク濃縮物および液体は、当該容器10内に導入されてそこで混合されてもよい。それに代えてまたは加えて、1つまたはそれ以上のスプレーノズルを有する調製装置4の構成も考えられ、同様に粉ミルクを調製するために使用可能である。調製装置4は、所定期間の使用後に交換されてもよく、例えば対応する殺菌器で殺菌されてもよい。
【0050】
また、調製装置4は、様々な大きさの容器10に適合可能となるように、装置全体に対して伸縮可能に結合されていてもよい。また、様々な形状の容器10を調製装置4に結合可能とするアダプタを調製装置4に設けることも考えられる。さらに、撹拌器43または調製装置4に温度センサおよび/またはpHセンサを設けることも考えられる。温度センサおよび/またはpHセンサは、制御装置に結合可能であってもよく、粉ミルクの監視および/または最適な調製のために制御装置に測定値を送る。
【0051】
ここで、調製装置4または撹拌ユニット4、粉ミルク濃縮物および/または水のためのチューブセット6、水袋または容器12、および/または水調製モジュールは、再利用品として、または使い捨て品として構成されていてもよい。
【0052】
図2は、本発明の代替的な設計を示しており、例えば、クランプ16~18として構成されていてもよいバルブであって、水および/または粉ミルク濃縮物の供給を制御可能なバルブが備えられている。ここで、クランプ16~18は、例えば、空気圧または電気によって操作されてもよい。別の構成要素または参照番号は、別図に示されたものに対応している。
【0053】
とりわけ、パウダの計量は大きな課題である。本発明によると、非常に低コストにこれが可能となる。また、使い捨て品を用いてこれを実現できる。
【0054】
まず、粉ミルク濃縮物の供給において、クランプ16を開ける一方でクランプ17を閉じてもよい。当該濃縮物は、クランプ17まで運ばれるか、またはそれ自体で自動的に流れもしくは落下し得る。このために、濃縮物の輸送を促進しまたは可能とする振動装置を設けることが考えられる。クランプ16および/または17は、所望の計測量にしたがって、矢印の方向に沿って上方または下方に適合または配置されてもよい。これは、制御ユニットを介して電気的に行われてもよいし、または手動で行われてもよい。ユーザは、例えば、所望のレシピを選択することができるし、またはスキャナを介してそれを読むことができる。所望の計量のためのクランプ16,17のうち少なくとも1つの配置が完了すると、充填対象の容器10に近い方のクランプ16,17がそれに応じて閉じられてもよく、クランプ16,17間の領域が所望の分量において濃縮物で満たされてもよい。このために、クランプ16,17は、個々にまたは共に、それぞれに対応する各チューブの領域を締め付ける。そして、充填対象の容器10に近い方のクランプ16,17を開ける一方で当該2つのクランプ16,17の他方を閉じてもよく、それにより計量された粉ミルク濃縮物が容器10内に導かれてもよい。クランプ16,17によって規定される領域から濃縮物(液体を計量している場合には液体も)を流出させられるように、例えば、このための対応する空気供給源を介して当該領域内に空気が導入されてもよい。計量領域から濃縮物および/または液体を運ぶための機械的手段が設けられてもよい。よって、容量設定は、対応する交換によって清浄に保たれ得る交換部品としてのチューブ62において完全に実行されてもよい。水の計量は、上述した粉ミルク濃縮物の計量と同様にして、水チューブ63において、対応するクランプ18および必要に応じてさらなるクランプ(図示せず)によって実行されてもよい。
【0055】
容器10に接続された調製装置4は、トレイ上で上方に移動させられてもよく、またチューブ62,63に接続されてもよい。それに代えてまたは加えて、ホースが下方に移動可能であることも考えられる。ここで、容器10にパウダを供給するための挿入針61は、調製装置4の膜体42を通って挿入されてもよいし、またはそれに代えて、開放フラップを介して押されてもよい。また、チューブキット6の一部である水チューブ63は、フィルタ41に接続されてもよい。そして、クランプ17が開かれてもよく、濃縮物が容器10内に導入されてもよい。容器10を充填した後で、クランプ17が閉じかつクランプ16が開いてもよい。図2は、圧力ポンプを介した水の供給/充填を示している。クランプ18は、容器内へ水を送るために開かれてもよく、また(レシピにしたがった)必要量が送られるとすぐに閉じられる。本発明のこの態様では、水は、ろ過を可能とする圧力ポンプを介して運ばれてもよい。流量は、圧力ポンプおよび/または流れセンサを介して、時間と共に制御されてもよい。
【0056】
そして、プロセスは、例えば、次の容器10を充填するために繰り返されてもよい。ここで、クランプ16~18は、再利用品として構成されていてもよい。完全なクランプ制御は、制御ユニットを介して電気的に実行されてもよいし、または手動で実行されてもよい。
【0057】
パウダチューブ62は、哺乳瓶または容器10の調製に対する最大量のパウダを受けられるように設計されていてもよい。当該量は、ベビーフードおよび粉ミルクのための対応する調製表から得られてもよい。チューブは、例えば、直径が3cmでありかつ長さが10cmであってもよい。
【0058】
装置には、それを介して空気を導入可能なエアフィルタがさらに設けられていてもよく、当該エアフィルタによると、装置があらゆるパウダ残留物から解放され得る。よって、例えば、チューブ62からパウダ残留物が取り出され得るように装置に送風しまたは吹きつけることが考えられる。また、水チューブ63に対して、または水チューブキット6に対してこれを実行して水残留物を取り除くことも考えられる。
【0059】
粉ミルク濃縮物供給源11は、パウダ内容物を伴う袋として、またはパウダ小袋として構成されていてもよく、また例えば、粉ミルク製造業者によって提供されてもよい。粉ミルク濃縮物供給源11は、例えば、スクリューキャップによって閉じることができ、また取付部64内に配置することができる。取付部64は、円錐状に先細りになっていてもよく、その内部には、粉ミルク濃縮物供給源11から粉ミルク濃縮物を取り出すための挿入針61が設けられてもよい。また、対応する取付部64が、液体供給源12を装置に結合するために設けられてもよい。ここで、粉ミルク濃縮物供給源11から容器10内への濃縮物の供給に対する接続は、挿入針61を介して提供されてもよい。
【0060】
また、液体供給源12、チューブ63,および/または装置のその他の領域において、特に自動的に、細菌暴露またはバイオバーデンを低減するために特定の時間間隔または周期で水を煮沸する煮沸サイクルが設けられてもよい。これにより、水/チューブキット6における、および/または液体供給源12におけるバイオバーデンが低減され得る。粉ミルクの調製においては煮沸は不要である。なぜなら、殺菌フィルタまたはウイルスフィルタとしてのフィルタ41が、煮沸を伴うことなく対応する殺菌を可能とするためである。これに対して、必要な粉ミルク温度まで、または粉ミルクの摂取温度まで液体または水を加熱してもよい。
【0061】
あるいは、液体供給源12から容器10への水供給は、吸引によって実行されまたは促進されてもよい(図5)。接続された容器10を有する調製装置4は、チューブ62,63,66に接続されてもよい。ここで、対応する吸引コネクタが調製装置4に設けられていてもよい。液体の供給に伴う計量は、クランプ18,19によって実行されてもよく、液体が重力によって供給されてもよい。クランプ18が閉じられると、水が同クランプまで運ばれるか、または自動的に(重力の影響下で)そこまで流れることができる。所望の量に達するとクランプ19を閉じる。クランプ18を開く。疎水性エアフィルタ44によって容器10に吸引を適用してもよい。ここで、ろ過は、フィルタ41によってなされてもよい。容量は、チューブ長およびチューブ径から、およびクランプ18,19間の間隔から定まる。流出の後、クランプ18が閉じかつクランプ19が開く。プロセスは、レシピにしたがった所望の容量の水が容器10に加えられるまで繰り返されてもよい。クランプ19は、所望の分量にしたがって、矢印の方向に沿って上方または下方に適合または配置されてもよい。これは、容量設定が水チューブ63において実行されてもよいことを意味する。また、調製表にしたがった最大量の水を取り出せるように、十分に大きなチューブを使用することも考えられる。また、必要に応じて、クランプ18を移動させることも考えられる。チューブ63および/または水/チューブキット6、および水供給源12は、交換部品として、対応する交換によって清浄に保たれ、よってそれらの汚染を回避することができる。完全なクランプ制御は、制御ユニットを介して電気的に実行されてもよいし、または手動で実行されてもよい。
【0062】
また、加熱カバーまたはジャケットが容器10,12に設けられていてもよい。しかしながら、それとは異なる水または粉ミルクの加熱のための追加的または代替的なアプローチが同様に考えられる。それらは、機能ユニット30にではなく、容器10,12に直接的に設けられていてもよい。
【0063】
本発明によると、装置の領域で水と濃縮物とを分離することができ、また哺乳瓶または容器10においてのみ材料の混合を実行可能にできる。これにより、特に袋アセンブリまたは容器11,12,6を定期的に交換する場合に、汚れた材料の洗浄を省略することができる。テトラパック等に接続された水チューブ63を高圧滅菌器に入れることも考えられる。これも、無菌フィルタ41の使用により、および対応する部品の定期的な交換により省略可能である。
【0064】
図6は、本発明に係る代替的な設計を示している。この例では、複数の異なる濃縮物供給源11が、装置に導入されかつ処理されてもよい。それらは、例えば、ベビーティーやりんごジュース等を含んでいてもよい。ここで、液体供給源を組み込むことも考えられる。これにより、クランプセット、例えばクランプ18,19を計量ユニット3において省略することができる。
【0065】
回転可能インサート5により、必要に応じて濃縮物供給源11を計量システム3に接触させることができる。計量システム3をチューブ62,63へ移動させ、また計量の実行後にインサート5の回転を可能とするために計量システム3をチューブ62,63から遠ざけることも考えられる。代替的な実施形態も考えられるだろう。
【0066】
加熱装置は、濃縮物に応じてオンまたはオフに切り替えられる。例えば、加熱時間に関する情報が、濃縮物パッケージのデータから生じてもよいし(スキャン)、または手入力されてもよい。水のみの調製も可能であり、例えば、滅菌ろ過または水処理モジュールによる調製がこれに含まれる。
【0067】
従来技術にしたがって設計された装置では、粉ミルクの混合または調製がシステム自体の中で行われるので、薬品等を使って当該システムを苦心して洗浄する必要がある。なぜなら、粉ミルク(ミルクを含むパウダまたは濃縮物)が、細菌に適した温床を形成するためである。ここで、特に洗浄システムが故障するおそれがあるため、赤ん坊に関連する薬品には注意するべきである。また、必要な洗浄作業には多くの時間を要する。原則として必要とされる脱灰も、有利にはもはや不要である。また、本発明によると、商業的に利用可能な任意のかつ全ての粉ミルクパウダを使用することができる。
【0068】
また、本発明によると、装置を使用する際に有利には時間を節約できる。従来技術から公知のシステムは使用する水を煮沸する必要があり、それには石灰含有量に応じて2~3分、最大で5分の時間がかかる可能性がある。なぜなら、細菌を死滅させる必要があるためである。ビタミンやタンパク質が破壊されるのを回避するために、その後で水を冷ます必要がある。それらの栄養素は熱に敏感なのである。定期的に高圧滅菌器に入れられる無菌フィルタ41を使用するために水を煮沸する必要がなく、対応する冷却も省略される。必要温度または摂取温度への加熱のみで十分である。フィルタ41は、レジオネラ属等の全ての細菌を保持している。ウイルスフィルタを使用することも考えられる。とりわけ、計量および殺菌袋14を使用することで、沸騰水の滅菌保存による従来技術と違って、滅菌または冷却を待つことなく装置をすぐに利用できるという利点が生まれる。
【0069】
調製装置4は、哺乳瓶10を含む閉システムを作り出す。これにより、哺乳瓶は、ディスペンサに保管されてもよい。例えば白かび等の浮遊菌による汚染が抑止される。ここでは、殺菌は無駄になるだろう。この態様では、遠隔制御、例えば自動充填が、リスクなくして実装可能である。例えば接触等によるフィルタ41の無菌面の汚染が、対応する調製装置4を含むこのシステムによって回避される。調製装置4と哺乳瓶10とは、高圧滅菌処理または殺菌処理の直後に互いに接続される。また、調製装置4を介して装置に容器10または哺乳瓶10を結合することにより、容器10内でベビーフードの調製を行うことが可能となる。
【0070】
従来技術から公知のシステムは、大きくて販売場所で多くのスペースを占める。本システムの空間的広がりは、袋、チューブアセンブリ、および伸縮可能なフィルタ21の使用により最小化され得る。ここで、フィルタ21は、袋が設置されると共に装置の機構または構成要素が収容されるハウジングのことである。よって、本発明によると、撹拌器を用いる他のシステムを伴うことなく、粉ミルクの理想的かつ迅速な混合または調製が可能となる。望ましくない気泡の形成は、有利な実施形態において、撹拌器によって阻止または最小化され得る。
【0071】
パウダ計量は、廉価な計量ユニットを用いて実行されてもよく、それにより使い捨て可能なコンセプトが可能となる。それに代えてまたは加えて、栓や箱を用いた古典的な計量プロセスが依然として用いられてもよい。対応する相互配線による材料または成分の自動追加注文の機能も考えられる。このために、ロードセルが使用されてもよいし、または追加注文が賢明かどうかを簡易なカウント、例えばチューブ6の充填プロセスのカウントによって求めてもよい。もちろん、適用可能な計量設定がここで考慮に入れられるだろう。
【0072】
従来技術からは、異なる濃縮物を処理できるシステム、特に異なる濃縮物の望ましくない混合を阻止するシステムは知られていない。本発明における各チューブシステムによると、これが可能となる。
【0073】
図7は、粉ミルク濃縮物供給源11として、および/または液体供給源11として使用可能な容器を示している。容器は、異なる断面を有する少なくとも2つの領域を有する。当該領域のうち少なくとも1つは、その中に入った物質の流出または流下/滴下をシンプル化するために少なくとも一部がじょうご状に形成されていてもよい。上側領域は下側領域よりも大きくてもよく、容器を空にするための開口は小さい方の下側領域に設けられていてもよい。下側領域は、容器に組み込まれた計量ラインとして機能してもよく、その中で、ベビーフードまたはその他の産品の調製のために必要な内容物の計量がクランプ16~19を介して実行されてもよい。計量ラインと呼ばれるこの部分は、各内容物を導くための上述したチューブに対応していてもよい。この計量ラインは、生産され得る部分の最大容量にしたがって寸法設定されてもよく、および/または容器を簡易に開けるための閉じ部を有していてもよい。
【0074】
容器は、それ自体が接合されたフィルタから、もしくは互いに接合された複数のフィルタから、またはその他の構成要素から作られてもよい。また、容器は、空になった後に装置から取り出されて新しい容器と交換される消耗品として構成されてもよい。
【0075】
容器には、クランプ16~19に設けられた磁石と相互作用し得る磁気的または金属製の部品が設けられていてもよい。そのような相互作用によると、クランプ16~19の磁石が容器の金属部品にくっつく領域で、クランプ16~19によって容器を引き離すことができる。ここで、複数の金属部品は、互いに離間して設けられていてもよいし、および/または容器の反対側に設けられていてもよい。したがって、クランプ16~19の磁石も互いに離間していてもよい。すなわち、クランプ16~19の磁石は、閉じた状態においてあるクランプ16~19の磁石が互いに全くまたは実質的に影響しないように、つまり互いに吸引または反発しないように配置されていてもよい。
【0076】
それに代えてまたは加えて、クランプ16~19と容器との間の相互作用を実現する別の構成要素が設けられていてもよい。
【0077】
ある実施形態における容器は、例えば、図8に示すように、クランプ16~19が係合可能なポケットおよび/またはタブを有していてもよい。その中に入ったまたは係合したクランプ16~19は、したがって、クランプ16~19の開状態において容器を開けることができると共に、クランプ16~19の閉状態において容器を閉じることができる。
【0078】
図9は、折り畳みクリップとして設計された少なくとも2つのクランプ16~19によって開閉可能な容器の実施形態を示している。互いに隣り合って配置された2つよりも多くの折り畳みクリップが設けられる場合、それらの鉛直方向の調節を省略することができる。なぜなら、小分けのために、選択した折り畳みクリップのみを開けてその他を閉じればよいためである。
【0079】
図10は、クランプ16~19が、例えば、容器に設けられた小穴内を案内される金属棒によって形成された実施形態を示している。
【0080】
図11は、クランプ16~19が、例えば、少なくとも1つのフィルタヒンジおよび粘着面を有し得る樹脂クランプとして設計された実施形態を示している。クランプ16~19は、粘着面を介して容器の開閉のために当該容器と協働してもよい。ここで、クランプ16~19は、対応するアクチュエータによって直線的に調節可能であってもよい。クランプ16~19および/または容器を、例えばクランプ16~19によって閉じられた容器を押すために90°の回転動作によって回転させることも考えられる。
【0081】
図12は、クランプ16~19が直線移動可能なスライダとして設計された実施形態を示している。スライダの直線位置に応じて、自由チューブ断面または容器断面が変わり得る。考えられる袋形状または容器形状および対応する袋打抜きが、また、残片を全くまたは少ししか伴わない容器製造を可能とするものとして図12に示されている。ここで、袋打抜きは、容器の全長にわたって延びる直線領域を有しかつ第1領域と平行な2つの短直線領域とを有する。当該2つの短直線領域は、接続領域、特に傾斜接続領域を介して互いに接続されていて、第1領域から別々に離間している。
【0082】
図13は、シンプルに分解および組立てが可能であり、かつ特にコンパクトな態様で取りまとめまたは保管することができる装置の実施形態を示している。ここで、装置は、当該装置を中に移すために折り畳むことのできる折り畳み可能ベースを有していてもよい。例えば、装置の液体供給源12であってもよいタンクは、保管のために装置の他の部品を収容可能である。装置の他の部品を内部に収容したタンクは、カバーまたは覆いによって閉じられてもよい。
【0083】
図14は、アダプタを有する調製装置4を示している。当該アダプタによると、本発明に係る装置に対して哺乳瓶10を特にシンプルに結合することができる。このために、装置に特に鉛直方向に調節可能なドッキング部が設けられていてもよく、その中にアダプタが例えばフック部で吊られてもよい。また、アダプタとドッキング部との間の接続を分離するための少なくとも1つのボタンがドッキング部に設けられていてもよい。
【0084】
図15は、撹拌器43が1つまたはそれ以上のスプレーボールまたはスプレーヘッドを有し得る調製装置4の実施形態を示している。ここで、撹拌器43を介して、特に撹拌器に設けられたスプレーボールを介して、哺乳瓶10内またはその他の容器内へ液体が導入されることが考えられる。よって、調製装置4は、特に哺乳瓶の内部空間を洗浄するためにも使用可能である。このようにするために、哺乳瓶が設けられた調製装置4は、対応する洗浄装置に結合可能である。洗浄液が洗浄装置によってスプレーヘッド内に導入されると、当該洗浄液によって調製装置4に設けられた哺乳瓶が洗浄される。
【0085】
撹拌器43が機械的におよび/またはスプレーボールを流れる流体によって回転駆動されるように、撹拌器43を調製装置4における他の構造に対して回転可能に設計することも可能である。
【0086】
図16は、液体供給源12がテトラパックとして、水差しとして、またはその他の容器として設計された装置の実施形態を示している。容器は、装置と一緒におよび/または別個に購入されてもよい。液体供給源12は、設置状態の装置において液体供給源12の下方に配置可能な計量および殺菌袋14に対して結合可能である。よって、液体は、特にシンプルにポンプの存在の必要なくして、液体供給源12から計量および殺菌袋14内へ重力にしたがって流れ得る。このようにするために、クランプ18,19は、計量および殺菌袋14にセットされていてもよい。ここで、計量および殺菌袋14は、請求項1に係るチューブまたはチューブ部であって、その内容物を計量するための計量装置と協働し得るチューブまたはチューブ部に対応していてもよい。対応する計量および殺菌袋14は、したがってまた、ベビーフード濃縮物を計量および/または殺菌するために使用可能である。袋14は円錐状に先細りになっていてもよく、それにより当該袋を通る濃縮物または液体の流れが最適化されまたは促進される。
【0087】
計量および殺菌袋14は、当該袋14を液体供給源12に結合するためのねじ141または別の第1コネクタ141を有していてもよい。よって、袋14は、例えば、液体供給源12に対してねじ固定されてもよい。第1コネクタ141は、袋14の上側領域に設けられていてもよい。袋14の下側領域には、液体の流出を阻止する開口フラップもしくは閉塞部または別のコネクタ142が設けられていてもよい。一方、テトラパックおよびこれに接続された計量および殺菌袋14は、例えば、装置内に配置される。
【0088】
袋14および/またはベビーフード濃縮物供給源11は、調製装置4に対して、およびさらに哺乳瓶10に対して、下側コネクタ142を介して結合されてもよい。このために、調製装置4に入口フラップ45が設けられていてもよい。また、調製装置4は、上述したスプレーボールを少なくとも1つ有する撹拌器43を有していてもよい。スプレーボールによって、特に、装置または調製装置4、および装置の別の構成要素が洗浄装置において洗浄される。
【0089】
液体供給源12と哺乳瓶10との間の領域に、UV光源46が設けられていてもよい。UV光源46は、入口および/または出口の、ラインの、または装置内に含まれる物質の殺菌に供される。
【0090】
調節可能クランプ18,19により、液体供給源12からの液体を袋14内で計量することが可能である。このために、当該クランプは、それによって袋14に対する殺菌、一部殺菌、または仮殺菌の締付けが実現されるように構成されていてもよい。ここで、クランプ18,19は、袋14または袋14の一部を締め付けることが可能であり、それにより例えば、クランプ18,19によって締め付けられた領域を通る流体流れが阻止され、よって細菌の通過がより困難または不可能とされる。加熱および/または冷却プレートまたは対応する要素22が、計量および殺菌袋14の領域に設けられていてもよい。当該要素22は、計量および殺菌袋14内に存在するまたは入れられた液体を、加熱および殺菌し、および必要に応じて冷却するように構成されていてもよい。このために、袋14は、対応する耐熱材料で作られていてもよい。
【0091】
ベビーフードの調製がなされた後、または殺菌および/または加熱された液体が哺乳瓶10内に導入された後で、袋14が再び液体で満たされ、そして当該袋14内の液体のさらなる殺菌が加熱によって実行されてもよい。殺菌は、2回以上の煮沸サイクルを含んでいてもよい。クランプ18,19は、袋14もしくは袋14の一部、または袋14に接続されたチューブを殺菌の間にわたって無菌態様で閉じ、それにより殺菌された液体の無菌保管を可能とする。よって、殺菌された液体は、その後の調製において飲用温度まで加熱されるだけで足りる。このように、殺菌のための繰り返しの加熱および飲用温度までの冷却が省略可能であり、それによりフード調製において実質的に時間が節約される。
【0092】
ベビーフード濃縮物供給源11は、図5に示すように、ベビーフード濃縮物を計量するためのクランプ16,17を介して使用されてもよい。このために、ベビーフード濃縮物供給源11内に、さらなるベビーパウダパッケージ11’が必要に応じて設けられてもよい。各内容物を計量するための図7図12に記載された装置は、ベビーフード濃縮物供給源11の容器に、および/または計量および殺菌袋14に設けられていてもよい。磁気要素または金属要素は、例えば、とりわけ各容器に設けられていてもよく、そして各磁気クランプと相互作用してもよい。また、磁石は、磁気ストリップ47として設計されていてもよい。
【0093】
液体供給源12および必要に応じてベビーフード濃縮物供給源11のクランプまたは計量クランプ16~19は、計量および殺菌袋を無菌態様で閉じるように構成されていてもよい。
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