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特許7316320回転プレスからペレットを排出するための排出装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】回転プレスからペレットを排出するための排出装置
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/08 20060101AFI20230720BHJP
【FI】
B30B11/08 B
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021083185
(22)【出願日】2021-05-17
(65)【公開番号】P2021186881
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】10 2020 114 369.9
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513277289
【氏名又は名称】フェッテ コンパクティング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142572
【弁理士】
【氏名又は名称】水内 龍介
(72)【発明者】
【氏名】リューデマン シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】マイスナー フリードリッヒ
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/203275(WO,A1)
【文献】特開2020-006439(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0067781(US,A1)
【文献】特開2017-039081(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0094449(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転プレスからペレット(48)を排出するための排出装置であって、
前記回転プレスで生成された前記ペレット(48)用の前記回転プレスの吐出装置(44)に接続することができる入口経路(54)と、
第1の排出経路(56)と、
第2の排出経路(58)と、を備え、
片方の前記入口経路(54)と、他方の前記第1および第2の排出経路(56、58)との間に配置されたゲート(62)をさらに備え、
前記ゲート(62)は、ペレット(48)が前記入口経路(54)から前記第1の排出経路(56)に向けられる第1の位置と、ペレット(48)が前記入口経路(54)から前記第2の排出経路(58)に向けられる第2の位置との間で移行することができ、
常時開いている均圧経路(68)が、前記ゲート(62)と並列に設けられており、当該均圧経路により、圧力は、片方の前記入口経路(54)と、他方の前記第1および/または第2の排出経路(56、58)との間で均一化されていることを特徴とする、排出装置。
【請求項2】
前記均圧経路(68)の流路断面は、前記入口経路(54)の前記流路断面の少なくとも10%、であることを特徴とする、請求項1に記載の排出装置。
【請求項3】
前記ゲート(62)は、前記第1の位置と前記第2の位置との間で枢動することができるゲート要素(66)、具体的にはゲートリーフを含むことを特徴とする、請求項1~2のいずれか一項に記載の排出装置。
【請求項4】
前記ゲート要素(66)は、前記入口経路(54)、および/または前記第1ならびに/もしくは第2の排出経路(56、58)の壁の一部を形成することを特徴とする、請求項3に記載の排出装置。
【請求項5】
前記均圧経路(68)は、前記第1の排出経路(56)および/または前記第2の排出経路(58)に直接接続されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の排出装置。
【請求項6】
前記均圧経路(68)は、一端が前記入口経路(54)に直接接続され、
他端が前記第1の排出経路(56)および/または前記第2の排出経路(58)に接続されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の排出装置。
【請求項7】
前記均圧経路(68)は、一端が前記回転プレスの内部を介して前記入口経路(54)に接続され、
他端が前記第1の排出経路(56)および/または前記第2の排出経路(58)に接続されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の排出装置。
【請求項8】
回転プレスであって、
回転子を備え、
前記回転子は、上部および下部プレスパンチ(14、16)用の上部および下部パンチ誘導部(18、20)、ならびに前記パンチ誘導部(18、20)間のダイプレート(10)を含み、
前記プレスパンチ(14、16)は、前記ダイプレート(10)の受容手段(12)と協働し、
前記回転プレスは、
プレスされる材料が前記受容手段(12)に充填される、少なくとも1つの充填装置(26)をさらに備え、
前記パンチが前記受容手段(12)内に位置する材料をペレット(48)にプレスするように、動作中に前記上部プレスパンチ(14)および下部プレスパンチ(16)と協働する、少なくとも1つのプレス装置(34)をさらに備え、
前記回転プレスで生成された前記ペレット(48)用の吐出装置(44)を備え、
請求項1~7のいずれか一項に記載の排出装置(50)も設けられており、
前記回転プレスで生成された前記ペレット(48)は、前記吐出装置(44)によって前記排出装置(50)の前記入口経路(54)に向けられることを特徴とする、回転プレス。
【請求項9】
前記ペレット(48)は、前記下部プレスパンチ(16)によって前記吐出装置(44)に到達する前に、前記受容手段(12)から前記ダイプレート(10)に搬送されることを特徴とする、請求項8に記載の回転プレス。
【請求項10】
前記吐出装置(44)は、ペレット(48)を前記ダイプレート(10)から掻寄して、前記排出装置(50)の前記入口経路(54)に入れるための掻寄装置(46)を備えることを特徴とする、請求項8~9のいずれか一項に記載の回転プレス。
【請求項11】
前記回転プレスは、前記回転子および前記排出装置(50)を囲むハウジング(53)を備えることを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載の回転プレス。
【請求項12】
前記ハウジング(53)の内部は、前記排出経路(56、58)に対して正圧または負圧がかかっていることを特徴とする、請求項11に記載の回転プレス。
【請求項13】
前記ハウジング(53)は、周囲に対して密封されていることを特徴とする、請求項11または12のいずれか一項に記載の回転プレス。
【請求項14】
前記均圧経路(68)の流路断面は、前記入口経路(54)の前記流路断面の少なくとも25%、であることを特徴とする、請求項1に記載の排出装置。
【請求項15】
前記均圧経路(68)の流路断面は、前記入口経路(54)の前記流路断面の少なくとも50%、であることを特徴とする、請求項1に記載の排出装置。
【請求項16】
前記均圧経路(68)の流路断面は、前記入口経路(54)の前記流路断面の少なくとも100%、であることを特徴とする、請求項1に記載の排出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転プレスからペレットを排出するための排出装置であって、回転プレスで生成されたペレット用の回転プレスの吐出装置に接続することができる入口経路と、第1の排出経路と、第2の排出経路と、を備え、片方の入口経路と、他方の第1および第2の排出経路との間に配置されたゲートをさらに備え、ゲートは、ペレットが入口経路から第1の排出経路に向けられる第1の位置と、ペレットが入口経路から第2の排出経路に向けられる第2の位置との間で移行することができる、回転プレスからペレットを排出するための排出装置に関する。
【0002】
本発明はまた、回転プレスであって、回転子を備え、回転子は、上部および下部プレスパンチ用の上部および下部パンチ誘導部、ならびにパンチ誘導部間のダイプレートを含み、プレスパンチは、ダイプレートの受容手段と協働し、前記回転プレスは、プレスされる材料が受容手段に充填される、少なくとも1つの充填装置をさらに備え、前記パンチが受容手段内に位置する材料をペレットにプレスするように、動作中に上部プレスパンチおよび下部プレスパンチと協働する、少なくとも1つのプレス装置をさらに備え、回転プレスで生成されたペレット用の吐出装置を備える、回転プレスに関する。
【背景技術】
【0003】
回転プレスは、回転子を備え、回転子は、一般に、垂直軸を中心に回転するように駆動され、上部および下部プレスパンチ用の上部および下部パンチ誘導部、ならびにパンチ誘導部間のダイプレートを有する。プレスパンチは、ダイプレートと共に回転し、その回転中に例えば、制御カムによって軸方向に移動する。この種の回転プレスはまた、ダイプレートの受容手段内にプレスされる材料が充填される、少なくとも1つの充填装置と、受容手段内に充填された材料を上部および下部プレスパンチによってペレット、具体的にはタブレットにプレスする、プレス装置に加えて、吐出装置を備える。周知の吐出装置は、ダイプレートからペレットを掻寄せるための掻寄装置を備えることが多く、このペレットは、以前には一般に、下部パンチが上昇することによってダイプレートの上面に搬送されていた。周知の回転プレスでは、吐出装置は多くの場合、回転プレスからペレットを排出するための排出装置の上流にある。この種の排出装置は、掻寄装置によってダイプレートから掻寄せられたペレットが向けられる入口経路を備える。排出装置は、一般に、ペレットが重力によって前記装置を通って搬送されるように傾斜を備える。また、排出装置内の2つの位置との間で移行可能なゲートを配置することも知られている。前記ゲートは、入口経路に向けられたペレットをその位置に応じて、第1の排出経路または第2の排出経路のいずれかに向ける。例えば、一方の排出チャネルは、「良好」タブレット用の「良好」経路であってもよく、他方の排出チャネルは、「不良」タブレット用の「不良」経路であってもよい。また、例えば、排出流路の一方が、例えばランダム試験対象のペレットをサンプリングするためのサンプリング流路となることも考えられる。この種のゲートを有する排出装置は、例えば、ドイツ特許第102007015672B3号公報(特許文献1)から知られている。ここでは、ゲートは、軸を中心に回動できるように取り付けられたゲート要素を含む。
【0004】
この種のゲートは、一般に、ゲートの2つの切り替え位置を示す終端位置を指定することにより動作される。終端位置に到達しない場合、センサによって検出し、対応するエラーメッセージを発することができる。周知の回転プレスは、一般に、回転子および排出装置を囲むハウジングを有する。ハウジングおよびハウジングの周囲との間に圧力差がある場合がある。特に、ハウジングの内部は、排出経路に対して正圧もしくは負圧がかかる場合がある。これは特に、いわゆる封じ込めプレスの場合であり、ハウジングは、ハウジングの内部から周囲への粉塵の放出を最小限に抑えるために周囲に対して密閉されている。
【0005】
特に、この種の回転プレスのゲートは、指定された終端位置に確実に到達するとは限らないことが分かっている。これにより、誤作動が起こり、したがって、機械の稼働率が低下し、それ故に、無人運転および無人運転による生産が限られた範囲内でしか行えなくなる。例えば、ゲートの誤作動により、ペレットが所望の方法でサンプリングされない可能性がある。最悪の場合、ゲートの誤作動により、良好タブレットの出口に不良タブレットが入ってしまう恐れがある。その後、タブレットを全数検査することにより再度徹底的に確認し、良品タブレット用の出口において選別しなければならず、骨折り仕事である。この仕事が不可能、または現実的でない場合、生成されたタブレットを完全に破棄しなければならない可能性もある。
【0006】
この問題を解決するための1つの試みは、ゲートをより強力に動かすための、特に、高いトルクを備える駆動装置を製造すること、またはこの方法で高いトルクを生成するために別のタイプの駆動装置、例えば空気圧駆動装置を用いることにより可能であった。しかしながら、これには、別の欠点がある。例えば、より強力なゲート駆動装置は、ゲートに捕捉されたペレットを傷つける可能性がある。さらに、より強力なゲート駆動装置を備えても、終端位置に到達するゲートに対して誤動作が発生する可能性がある。最後に、より強力なゲート駆動装置は、高コストおよび高エネルギー消費を伴い、多くの設置空間が必要となるため、小型の回転プレスの場合には問題となる。また、高いエネルギー需要により、タブレットの流れにおいて発生する熱量が多くなり、特に、不耐熱性のペレットの場合には問題となる。この点において、ゲートを適切な終端位置に保持するためのより強力なゲート駆動装置に伴う可能性がある高いエネルギー需要により、さらなる問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】ドイツ特許第102007015672B3号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
説明した先行技術に基づき、本発明の目的は、特に、封じ込めプレスの場合にもより強力なゲート駆動装置を必要とせずに排出装置のゲートを確実に動作できる上記に引用したタイプの排出装置および回転プレスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、請求項1および8の主題を通してこの目的を達成する。有利な実施形態は、従属請求項、明細書、および図面に開示されている。
【0010】
上記に引用したタイプの排出装置に対して、本発明は、均圧経路が、ゲートと並列に設けられており、これにより、圧力が片方の入口経路と、他方の第1および/または第2の排出経路との間で均一化されているという点においてこの目的を達成する。
【0011】
回転プレスで生成されたペレットは、具体的にはタブレットであってもよい。したがって、回転プレスは、具体的には回転タブレットプレスであってもよい。回転プレスで生成されたペレットは、吐出装置から排出装置の入口経路に入る。この入口経路は、吐出装置に接続されている。周知の通り、吐出装置は、ペレットを回転プレスの回転子のダイプレートの上面に掻寄するための掻寄装置を備えてもよい。上記で述べた通り、排出装置は、入口経路に向けられたペレットを重力によって排出装置を通って搬送できるように傾斜を備えてもよい。排出装置の第1の排出経路は、回転プレスの第1の出口につながり、第2の排出経路は、回転プレスの第2の出口につながっていてもよい。回転プレスの第1の出口は、例えば良好なペレット用、具体的には良好なタブレット、すなわちセンサシステムによって適切であると識別されたペレット用の出口であってもよい。第2の出口は、例えば不良なペレット用、具体的には不良なタブレット、すなわちセンサシステムによって欠陥であると識別されたペレット用の出口であってもよい。しかしながら、出口の1つをサンプリングするための出口、すなわちペレットをサンプリングするための出口とすることも可能である。
【0012】
本発明は、ゲートがその位置との間を移動する間に、ある状況下では大きな圧力差が生じ、そのために関連する終端位置に到達しない場合があるという知識に基づいている。本発明はまた、これが、ゲートがペレットを転換し、したがって気流も一方の排出経路から他方の排出経路に転換するという事実によって引き起こされているという知識にも基づいている。こういった個々の排出経路が開閉することにより、ゲートにわたる圧力差が生じる。これは特に、排出装置を設けた回転プレスのハウジングが適切な吸引手段のために、周囲に対してまたは排出経路に対して圧力差、具体的には正圧または負圧を受ける場合、もしくはハウジングが封じ込めプレスの場合のように周囲に対して密閉されている場合に適用される。ゲートにわたる圧力差は、ゲートに作用するトルクとなり、好ましくない状況においては、ゲートが所望の終端位置に到達することを妨げる場合がある。封じ込めシステムでは、発塵器または他の周辺機器などの回転プレスに接続された周辺機器が独自の吸引手段を備える場合もある。これもまた、回転プレスの吸引手段がプレス内部に負圧を生成することに関連して、こういった吸引手段の設置に応じて、ゲートにわたる圧力差が生じる可能性がある。
【0013】
本発明によれば、この問題を解決するために均圧経路がゲートと並列に設けられている。特にゲートが関連する排出経路を閉鎖する位置にあると、圧力は、均圧経路によって片方の入口経路と、他方の第1および/または第2の排出経路との間で均一化される。圧力は、ゲートの位置に応じて、入口経路と、片方または両方の出口経路との間で均一化される。ゲートにわたる圧力差は、均圧経路によって少なくとも低減される。完全に均圧されてもよいが、これは、頻繁には必要とされない。実際、部分的な均圧およびこれに関連して伴う圧力差の低減であっても、従来のゲート装置でゲートを確実に終端位置に到達させるには十分である。したがって、小さな圧力差、それに応じて小さな駆動トルクの場合でも、ゲートを確実に切り替えるには十分である。均圧経路は、恒久的に開いていてもよい。そのため、均圧弁などは必要ない。さらに、排出装置は、回転プレスのハウジングによって周囲から閉鎖された領域、または正圧もしくは負圧がかかっている領域に配置される場合もあるので、排出装置内または回転プレスのハウジング内の均圧およびこれに伴う気流は、正圧もしくは負圧の維持または閉鎖された状態の維持に関して問題とならない。また一般に、ゲートは関連する終端位置において、関連する遮断された排出経路の入口を完全には密閉しないが、関連する終端位置において、ゲートを超えてもなお起こり得る気流は、それ自体では、終端位置に到達するのに有害な圧力差を防止するのに十分ではなく、特に、ゲートが移動すると、前記圧力差を十分に迅速に減少させるのに十分ではないことに留意すべきである。この問題は、本発明による均圧経路によって解決される。均圧経路では、ゲートと並行して同様に気流が起こり得、したがって、ゲートにわたる圧力差が大幅に減少する。任意の残留圧力差は、均圧経路の断面および生成される流速によって決定される。これに伴い、残留圧力差は、均圧経路を寸法設定することによって、所望のように低減可能である。その結果、ゲートの終端位置への移動が妨げられない。これに伴い、均圧経路の流路断面は、入口経路の流路断面の少なくとも10%、好ましくは入口経路の流路断面の少なくとも25%、より好ましくは入口経路の流路断面の少なくとも50%、さらに好ましくは入口経路の流路断面の少なくとも100%としてもよい。
【0014】
本発明によって、プレスのハウジング内に正圧もしくは負圧がかかっているときでも、ゲート用の典型的な駆動トルクで終端位置に確実に到達することが保証される。したがって、これまで以上に厳しい規制のためにますます重要になっている防塵または封じ込め回転プレスに対しても解決策が提案されている。ゲートを切り替えるとき、ペレットに損傷を与える可能性、コストの増加、設置スペースの増加、エネルギー需要の増加、および発熱量の増加などの、より強力なゲート駆動装置に関連する欠点が回避される。
【0015】
勿論、排出装置はまた、1つ以上の入口経路を備えてもよい。例えば、複数の入口経路の場合、複数の入口経路のうちの1つのみがゲートにつながることが可能である。例えば、別の入口経路は、直接回転プレスの出口または追加のゲートにつながっていてもよい。周知の通り、回転プレスの吐出装置は、廃棄装置を備えてもよく、廃棄装置によって、回転プレスにおいて生成されたペレットがゲートにつながる排出装置の入口経路に到達する前に、例えば別の入口経路に廃棄される。周知の通り、この種の廃棄装置は、例えば廃棄ノズルを含んでもよく、廃棄ノズルによって、センサシステムにより不良と識別されたペレットがゲートに接続されている入口経路に到達する前に、例えば別の入口経路に廃棄される。排出装置はまた、追加の排出経路を備えてもよい。例えば、排出経路は、例えば第2の排出経路の下流にある第3の排出経路を備えてもよい。また、2つの位置との間で移行可能であり、その位置に応じてペレットを第2の排出経路に残すか、または第2の排出経路から第3の排出経路に向ける追加のゲートは、例えば第3の排出経路の上流に配置されてもよい。原則として、任意の数の入口経路および任意の数の排出経路を備えてもよい。複数のゲートを備える場合、均圧経路は、1つまたは複数のゲートもしくは各々のゲートと並列して配置されてもよい。上記ですでに説明したように、排出経路は、例えば、良好ペレット用の出口、不良ペレット用の出口、およびサンプリング採取用の少なくとも1つの出口など、回転プレスの出口につながっていてもよい。
【0016】
一実施形態によれば、ゲートは、第1の位置と第2の位置との間で枢動することができるゲート要素、具体的にはゲートリーフを含んでもよい。回転プレスの吐出装置から入口経路に吐出されたペレットは、ゲート要素、具体的にはゲートプレートとして設計され得るゲートリーフによって、枢動位置に応じて、第1の排出経路または第2の排出経路へ転換される。ゲート要素の枢動軸は、入口経路または第1および第2の排出経路の縦延伸に実質的に垂直に延びていてもよい。ゲート要素は、入口経路、および/または第1ならびに/もしくは第2の排出経路の壁の一部を形成してもよい。その位置に応じて、ゲート要素は、第1または第2の排出経路の壁の一部を形成してもよい。
【0017】
別の実施形態によれば、均圧経路は、第1の排出経路および/または第2の排出経路に直接接続されてもよい。
【0018】
さらに、均圧経路は、入口経路に直接接続されてもよい。しかしながら、均圧経路はまた、例えば回転プレスの回転子またはプレス室を介して入口経路に間接的に接続されることも考えられる。
【0019】
本発明はまた、上記で引用したタイプの回転プレスであって、本発明によれば排出装置も設けられており、回転プレスにおいて生成されたペレットは吐出装置によって排出装置の入口経路に向けられる回転プレスによって目的を達成する。
【0020】
原則として、本発明による回転プレスは、それ自体周知の方法において設計されてもよい。本発明による回転プレスは、複数の受容手段を有するいわゆるダイプレートを備え、複数の受容手段において、一般に粉末状であるプレスされる材料がプレスされる。受容手段は、ダイプレートの孔の形であってもよく、受容手段は、プレスパンチと直接協働する。しかしながら、受容手段としていわゆるダイブッシュがダイプレートの孔に配置されることも可能である。ダイプレートは、1つの単体のピースとして設計されてもよく、またはダイセグメントからなってもよい。回転子は、例えば枢動軸を中心に回転するように駆動装置によって駆動される。回転プレスを用いて生成されたペレットは、タブレットであってもよい。本発明によれば、回転プレスは、排出装置を設ける。
【0021】
一実施形態によれば、ペレットは、下部プレスパンチによって吐出装置に到達する前に受容手段からダイプレート上に搬送される。下部プレスパンチは、下部パンチ誘導部、および該当する場合カム要素などの制御要素によって、吐出装置に到達する前に、軸方向に上方に移動し、受容手段に位置するペレットをダイプレートの上面に押し上げる。
【0022】
吐出装置は、ペレットをダイプレートから掻寄して、排出装置の入口経路に入れるための掻寄装置を備えてもよい。例えば、掻寄装置は、ダイプレートが回転する下部に、例えば、据置型の三日月状の吐出要素を備えてもよい。次に、ダイプレート上に搬送されたペレットは、掻寄装置によって入口に掻寄せられる。
【0023】
別の実施形態によれば、回転プレスは、回転子および排出装置を囲むハウジングを備えてもよい。ハウジングの内部は、ハウジングの周囲または排出経路に対して正圧または負圧がかかっていてもよい。対応する負圧を発生させることにより、回転プレス内部からの塵埃の排出が最小限に抑えられる。この種の負圧は、特に、いわゆる封じ込めプレスに存在する。しかしながら、非封じ込めプレスの場合、例えば、正圧または負圧が余分な製品を吸引するために必要な場合には、正圧または負圧が望ましい場合もある。
【0024】
別の実施形態によれば、ハウジングは、周囲に対して密封されていてもよい。したがって、回転プレスは、封じ込めプレスであってもよい。周囲に対してハウジングを密閉することにより、塵埃の排出が軽減する。回転プレスは、例えばSMEPAC規格に従う、封じ込めプレスまたは高度封じ込めプレスであってもよい。回転プレスは、例えば、少なくともOEBレベル3を満たす可能性がある。しかし、回転プレスはまた、例えば、OEBレベル4または5を満たす可能性もある。
【0025】
本発明の例示的な実施形態は、図面に基づいて下記にてより詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】回転子を平らにして描写した本発明による回転プレスを図式化して示す。
図2】第1の動作位置において、図1に示した回転プレスからペレットを排出するための本発明による排出装置の模式的な詳細図である。
図3】第2の動作位置において、図2の排出装置を図式化して示す。
図4図1に示した回転プレスからペレットを排出するための本発明による排出装置を他の例示的な実施形態によって図式化して示す。
図5図1に示した回転プレスからペレットを排出するための本発明による排出装置を他の例示的な実施形態によって図式化して示す。
【0027】
特に明記しない限り、同一の参照番号は、図中の同一の対象を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に示す回転プレス、具体的には回転タブレットプレスは、回転駆動装置によって回転駆動され、複数の受容手段12を含むダイプレート10を有する回転子を備える。受容手段12は、例えば、ダイプレート10内の孔の形であってもよい。さらに、回転子は、ダイプレート10と同期して回転する複数の上部パンチ14および下部パンチ16を備える。上部パンチ14は、上部パンチ誘導部18の軸方向に誘導され、下部パンチ16は、下部パンチ誘導部20の軸方向に誘導される。回転子の回転中の上部パンチ14および下部パンチ16の軸方向移動は、上部制御カム要素22ならびに下部制御カム要素24によって制御される。回転プレスは、充填装置26をさらに備え、この装置は、充填容器28、および充填室30を含み、これらは供給部32を介して接続されている。このようにして、本実施例における粉末状の充填材料は、重力下で、充填容器28から供給部32を介して充填室30に入り、そこから充填室30の底面に設けられた充填開口部を介して、再度重力下でダイプレート10の受容手段12に入る。
【0029】
回転プレスは、プレス装置34をさらに備える。プレス装置34は、上部プリプレスローラ36、および下部プリプレスローラ38を有するプリプレス装置、ならびに上部メインプレスローラ40、および下部メインプレスローラ42を有するメインプレス装置を有する。さらに、回転プレスは、吐出装置44、および掻寄要素を有する、吐出装置44の掻寄装置46を備え、掻寄要素は、回転プレスで生成されたペレット48、具体的にはタブレットを、回転プレスからペレットを排出するための排出装置50に供給する。掻寄装置46は、例えば、好ましくは三日月状の掻寄要素46を含んでもよく、この掻寄要素46は、下部パンチ16によってダイプレート10の上面に搬送されたペレット48を、吐出装置44の領域でダイプレート10から掻寄して、排出装置50に供給する。
【0030】
回転プレスはまた、その動作を制御するための制御装置52も備える。制御装置52は、特に回転子の回転駆動装置に線(図示せず)によって接続されており、動作中の回転プレスを制御する。また、回転プレスの任意のセンサに接続されてもよく、具体的には、任意のセンサデータを受信し、制御プロセスの基礎と同じものを使用してもよい。制御プロセスでは、制御装置52は、制御される回転プレスのすべての構成要素に、対応する線によって接続されてもよい。
【0031】
さらに、回転プレスは、図1に破線で示しているハウジング53内に配置されている。具体的には、回転プレスの回転子および排出装置50は、ハウジング53内に配置されている。ハウジング53は、ハウジング53の周囲に対して、または排出経路56、58に対して正圧もしくは負圧がかかってもよい。さらに、ハウジング53は、周囲に対して密閉されてもよい。回転プレスは、いわゆる封じ込めプレスであってもよい。
【0032】
ここで、回転プレスの排出装置50は、図2および図3に基づいてより詳細に説明される。排出装置50は、一般に、掻寄装置46によってダイプレート10から掻寄せられたペレット48が供給される入口経路54を備える。排出経路50は、第1の排出経路56および第2の排出経路58を追加的に有する。第1の排出経路56は、回転プレスで生成されたペレット用の第1の出口につながり、第2の排出経路58は、回転プレスで生成されたペレット用の第2の出口につながる。例えば、第1の排出経路56に接続されている第1の出口は、例えば、回転プレスのセンサシステムによって欠陥があると識別された不良ペレット用の出口であってもよい。第2の排出経路58に接続されている第2の出口は、例えば、所定の仕様を満たす良好なペレット用の出口であってもよい。排出装置50はまた、例えば、不良ペレット用の第1の排出経路56、したがって回転プレスの第1の出口に直接接続されている追加の入口経路60も備える。掻寄装置46は、例えば、廃棄ノズルを含む廃棄装置を備え、これにより、不良と識別されたペレットは、入口経路54に達する前に追加の入口経路60に廃棄され、その結果、ペレットは、例えば、不良ペレット用の第1の排出経路56を通過して、回転プレスの第1の出口に入る。原則として、排出装置50は、入口経路54、60のうちの1つに搬送されたペレットが重力によって当該装置を通って搬送されるように、傾斜を備えてもよい。
【0033】
さらに、図2に示す第1の位置と図3に示す第2の位置との間の枢動軸64を中心に枢動することができるゲート要素66を含むゲート62は、入口経路54と、第1および第2の排出経路56、58との間に位置している。例えば、ゲート要素66は、例えば、ゲートプレートの形で、いわゆるゲートリーフとして設計されてもよい。図2に示す第1の位置では、入口経路54に搬送されたペレットは、第1の排出経路56、したがって回転プレスの第1の出口に供給される。しかしながら、図3に示す第2の位置では、ペレットは、第2の排出経路58、したがって回転プレスの第2の出口に供給される。ゲート62は、ゲート要素66を図2および図3に示す終端位置の間で移動させるための、対応する枢動駆動装置を含む。これにより、ゲート要素66は、入口経路54の壁の一部を形成し、その位置に応じて、第1および/または第2の排出経路56、58の壁の一部を形成する。さらに、図示の例では常時開いている均圧経路68は、ゲート62と平列に配置されており、この経路により、一方では入口経路54と、他方では第1および/または第2の排出経路56、58との間で圧力が均一化されている。圧力はまた、追加の入口経路60と、第1および/または第2の排出経路56、58との間でも均一化されている。具体的には、均圧経路68は、回転プレスの回転子またはプレス内部を介して入口経路54、60に間接的に接続されている。しかしながら、均圧経路68は、他方では第2の排出経路58に直接接続されている。気流は、特にゲート要素66が図2および図3に示す位置の間を移動したときに、均圧経路68によって起こり得、この気流は、少なくとも、ゲート要素66がより大きな駆動装置を必要とせずに安全かつ確実にその関連する終端位置に到達する限りにおいて、ゲート62にわたる圧力差を低減する。
【0034】
図示の例では、排出装置50はまた、第3の排出経路70を備え、これは、ペレット用の回転プレスの第3の出口、具体的には、サンプリング用の出口、すなわち、ランダム試験用に供給されるペレット用の出口につながる。図示の例では、例えば、枢動軸74を中心に枢動することができる、ゲートリーフでもあるゲート要素76も含む追加のゲート72は、第2の排出経路58と第3の排出経路70との間に位置されている。この追加のゲート72は、図2および図3に示す位置/終端位置の両方に示されている。この位置では、第2の排出経路58に向けられたペレットは、経路内にそのまま残り、回転プレスの第2の出口に到達する。第2のゲート72を第2の位置に切り替えることにより、その自由端が第1の排出経路56と第2の排出経路58との間の中間壁に隣接し、第2の排出経路58に向けられたペレットを、この経路から第3の排出経路70に、したがって回転プレスの第3の出口に向けることができる。
【0035】
図4および図5は、本発明による排出装置の他の例示的な実施形態を示している。
図4による例示的な実施形態では、均圧経路68は、片方の入口経路54に直接接続され、かつ、他方の第1の排出経路56に直接接続されている。これに伴い、入口経路54と第1の排出経路56との間の均圧が確保される。図5に示す例示的な実施形態では、均圧経路68は、片方の入口経路54に直接接続され、かつ、他方の第2の排出経路58に直接接続されている。これに伴い、入口経路54と第2の排出経路58との間の均圧が確保される。それ以外の場合は、図4および図5による排出装置は、上で説明した図1図3による例示的な実施形態と同様に、設計されるか、または回転プレスに組み込まれ得る。例えば、図4および図5による排出装置はまた、図1図3を参照して上で説明したように、追加のゲート72および第3の排出経路70を備えてもよい。
【符号の説明】
【0036】
10 ダイプレート
12 受容手段
14 上部パンチ
16 下部パンチ
18 上部パンチ誘導部
20 下部パンチ誘導部
22 上部制御カム要素
24 下部制御カム要素
26 充填装置
28 充填容器
30 充填室
32 供給部
34 プレス装置
36 上部プリプレスローラ
38 下部プリプレスローラ
40 上部メインプレスローラ
42 下部メインプレスローラ
44 吐出装置
46 掻寄装置
48 ペレット
50 排出装置
52 制御装置
54 入口経路
56 第1の排出経路
58 第2の排出経路
60 追加の入口経路
62 ゲート
64 枢動軸
66 ゲート要素
68 均圧経路
70 第3の排出経路
72 追加のゲート
74 枢動軸
76 ゲート要素
図1
図2
図3
図4
図5