(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】債権遡及修正処理装置、債権遡及修正処理方法および債権遡及修正処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20230720BHJP
【FI】
G06Q40/12
(21)【出願番号】P 2021190107
(22)【出願日】2021-11-24
(62)【分割の表示】P 2017242911の分割
【原出願日】2017-12-19
【審査請求日】2021-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 欣也
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-151943(JP,A)
【文献】特開2012-173849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備え、会計上の締処理後
に、少なくとも受注データ、売上データ、発注データ又は仕入データである会計データの更新があると遡って修正を行う債権遡及修正処理装置であって、
前記記憶部は、
前記会計データを記憶する会計データ記憶部
を含み、
前記制御部は、
取引に関する
前記会計データを取得して前記会計データ記憶部に格納する会計データ取得手段と、
前記会計データにおける会計年月の先後関係を判定する会計年月判定手段と、
会計上の締処理後に
前記会計データが更新されて差額が生じているか否かを判定する更新種類判定手段と、
更新された
前記会計データの差額に対し元の金額を帳消しにする赤伝票処理と、更新後の新たな金額を計上する黒伝票処理とを行って金額を修正する赤黒処理手段と、
を備えたこと、
を特徴とする債権遡及修正処理装置。
【請求項2】
前記会計データの更新は、
受注に対して売上を計上し請求を行う
会計額の更新であること、
を特徴とする請求項1に記載の債権遡及修正処理装置。
【請求項3】
前記赤黒処理手段は、
会計上の締処理後に
会計額が更新され金額を修正する場合に、請求上は元の“請求基準日”と、会計年月を示す“売上年月”とを用いて
前記会計データを管理すること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の債権遡及修正処理装置。
【請求項4】
前記赤黒処理手段は、
前記会計データとして売上データを管理する場合に、受注Noに対し新たな売上があると新たな売上Noと結合させて履歴区分を“最新”とし、前記赤伝票処理を行うと履歴区分を“履歴赤”とし、前記黒伝票処理を行うと履歴区分を“履歴黒”として受注Noと売上Noとを紐付けて管理すること、
を特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載の債権遡及修正処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
請求基準日が同年同月で、前記履歴区分が前記“最新”の売上データを集計した請求書を作成すること、
を特徴とする請求項4に記載の債権遡及修正処理装置。
【請求項6】
前記赤黒処理手段は、
前記会計データとして売上データを管理する場合に、受注Noに対し新たな売上があると新たな売上Noと結合させて処理区分を“新規”とし、会計上の締処理前に売上金額を帳消しにすると処理区分を“削除”とし、会計上の締処理後に締処理前の売上金額を帳消しにすると処理区分を“締後修正前”とし、該帳消しにした受注Noに対し修正後の売上金額を計上すると処理区分を“締後修正後”として、売上金額の差額を赤黒処理の修正額とすること、
を特徴とする請求項1から請求項5のうち、いずれか一項に記載の債権遡及修正処理装置。
【請求項7】
記憶部と制御部とを備え、会計上の締処理後
に、少なくとも受注データ、売上データ、発注データ又は仕入データである会計データの更新があると遡って修正を行う債権遡及修正処理装置で実行される債権遡及修正処理方法であって、
前記記憶部は、
前記会計データを記憶する会計データ記憶部
を含み、
前記制御部で実行される、
取引に関する
前記会計データを取得して前記会計データ記憶部に格納する会計データ取得ステップと、
前記会計データにおける会計年月の先後関係を判定する会計年月判定ステップと、
会計上の締処理後に
前記会計データが更新されて差額が生じているか否かを判定する更新種類判定ステップと、
更新された
前記会計データの差額に対し元の金額を帳消しにする赤伝票処理と、更新後の新たな金額を計上する黒伝票処理とを行って金額を修正する赤黒処理ステップと、
を含むこと、
を特徴とする債権遡及修正処理方法。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備え、会計上の締処理後
に、少なくとも受注データ、売上データ、発注データ又は仕入データである会計データの更新があると遡って修正を行う債権遡及修正処理装置で実行させるための債権遡及修正処理プログラムであって、
前記記憶部は、
前記会計データを記憶する会計データ記憶部
を含み、
前記制御部で実行させるための、
取引に関する
前記会計データを取得して前記会計データ記憶部に格納する会計データ取得ステップと、
前記会計データにおける会計年月の先後関係を判定する会計年月判定ステップと、
会計上の締処理後に
前記会計データが更新されて差額が生じているか否かを判定する更新種類判定ステップと、
更新された
前記会計データの差額に対し元の金額を帳消しにする赤伝票処理と、更新後の新たな金額を計上する黒伝票処理とを行って金額を修正する赤黒処理ステップと、
を含むこと、
を特徴とする債権遡及修正処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、債権遡及修正処理装置、債権遡及修正処理方法および債権遡及修正処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、債権月次締処理後も会計締区分が未締の期間において、締済月に対する入金業務を可能とし、締済期間の債権関連の残高を取引に合わせた更新が可能となる。また、次の月初めが会計の締めでない場合は、前月の処理を持ち越して翌月に処理を分散できるため、月末入金業務の負荷軽減が可能となる。更に、債権月次締処理後に発覚した入金業務のミスオペレーションの訂正が可能で、債権システムのデータと実際の取引の状態が乖離する可能性を低減するため、債権消込処理を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、月次締処理後に前月の請求内容を修正する場合に、月次決算を遅らせることなく月次会計実績を捉えつつ、請求業務の煩雑さを解消することはできなかった。特に、月次締処理後に訂正を行う場合は、債権消込を用いているため、訂正の経緯が会計上不明確になる恐れがあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、会計上の締処理後に請求額や支払額が確定され債権を更新した場合でも、締処理前の請求額や支払額の修正を可能とし、決算業務を遅らせること無く、月次会計実績を捉えつつ、修正業務の煩雑さを解消することが可能な債権遡及修正処理装置、債権遡及修正処理方法および債権遡及修正処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る債権遡及修正処理装置は、記憶部と制御部とを備え、会計上の締処理後に、少なくとも受注データ、売上データ、発注データ又は仕入データである会計データの更新があると遡って修正を行う債権遡及修正処理装置であって、前記記憶部は、前記会計データを記憶する会計データ記憶部を含み、前記制御部は、取引に関する前記会計データを取得して前記会計データ記憶部に格納する会計データ取得手段と、前記会計データにおける会計年月の先後関係を判定する会計年月判定手段と、会計上の締処理後に前記会計データが更新されて差額が生じているか否かを判定する更新種類判定手段と、更新された前記会計データの差額に対し元の金額を帳消しにする赤伝票処理と、更新後の新たな金額を計上する黒伝票処理とを行って金額を修正する赤黒処理手段と、を備えたこと、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る債権遡及修正処理装置は、前記会計データの更新は、受注に対して売上を計上し請求を行う会計額の更新であること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る債権遡及修正処理装置は、前記赤黒処理手段は、会計上の締処理後に会計額が更新され金額を修正する場合に、請求上は元の“請求基準日”と、会計年月を示す“売上年月”とを用いて前記会計データを管理すること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る債権遡及修正処理装置は、前記赤黒処理手段は、前記会計データとして売上データを管理する場合に、受注Noに対し新たな売上があると新たな売上Noと結合させて履歴区分を“最新”とし、前記赤伝票処理を行うと履歴区分を“履歴赤”とし、前記黒伝票処理を行うと履歴区分を“履歴黒”として受注Noと売上Noとを紐付けて管理すること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る債権遡及修正処理装置は、前記制御部は、請求基準日が同年同月で、前記履歴区分が前記“最新”の売上データを集計した請求書を作成すること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る債権遡及修正処理装置は、前記赤黒処理手段は、前記会計データとして売上データを管理する場合に、受注Noに対し新たな売上があると新たな売上Noと結合させて処理区分を“新規”とし、会計上の締処理前に売上金額を帳消しにすると処理区分を“削除”とし、会計上の締処理後に締処理前の売上金額を帳消しにすると処理区分を“締後修正前”とし、該帳消しにした受注Noに対し修正後の売上金額を計上すると処理区分を“締後修正後”として、売上金額の差額を赤黒処理の修正額とすること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る債権遡及修正処理方法は、記憶部と制御部とを備え、会計上の締処理後に、少なくとも受注データ、売上データ、発注データ又は仕入データである会計データの更新があると遡って修正を行う債権遡及修正処理装置で実行される債権遡及修正処理方法であって、前記記憶部は、前記会計データを記憶する会計データ記憶部を含み、前記制御部で実行される、取引に関する前記会計データを取得して前記会計データ記憶部に格納する会計データ取得ステップと、前記会計データにおける会計年月の先後関係を判定する会計年月判定ステップと、会計上の締処理後に前記会計データが更新されて差額が生じているか否かを判定する更新種類判定ステップと、更新された前記会計データの差額に対し元の金額を帳消しにする赤伝票処理と、更新後の新たな金額を計上する黒伝票処理とを行って金額を修正する赤黒処理ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る債権遡及修正処理プログラムは、記憶部と制御部とを備え、会計上の締処理後に、少なくとも受注データ、売上データ、発注データ又は仕入データである会計データの更新があると遡って修正を行う債権遡及修正処理装置で実行させるための債権遡及修正処理プログラムであって、前記記憶部は、前記会計データを記憶する会計データ記憶部を含み、前記制御部で実行させるための、取引に関する前記会計データを取得して前記会計データ記憶部に格納する会計データ取得ステップと、前記会計データにおける会計年月の先後関係を判定する会計年月判定ステップと、会計上の締処理後に前記会計データが更新されて差額が生じているか否かを判定する更新種類判定ステップと、更新された前記会計データの差額に対し元の金額を帳消しにする赤伝票処理と、更新後の新たな金額を計上する黒伝票処理とを行って金額を修正する赤黒処理ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、会計上の締処理後に請求額や支払額が確定され債権が更新された場合でも、締処理前の請求額や支払額の修正を可能とし、決算業務を遅らせること無く、月次会計実績を捉えつつ、修正業務の煩雑さを解消できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る債権債務遡及修正処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る債権債務遡及修正処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、債権債務の遡及修正処理を実現するためのデータの扱いと更新制御の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、サンプルデータを用いて遡及修正処理を行った場合のデータ遷移の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図4の場合に発行される請求書の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図5の9月請求対象の売上データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、2016年9月度の売掛管理表の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、2016年9月度の売上実績表の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、2016年9月の売上データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、2016年10月度の売掛管理表の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、2016年10月度の売上実績表の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、2016年10月の売上データの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、
図4の売上履歴データの処理区分における追加表記例の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
従来の運輸業界やサービス業界などにおいて、社内の月次決算のタイミングよりも、請求先との請求額確定のタイミングが遅くなってしまった場合は、月次決算の方を優先していたため、請求書を表計算ソフト(例えば、エクセル(商標登録))を用いて手作業で管理する必要があった。
【0018】
そこで、本実施形態に係る債権債務遡及修正処理装置では、社内の月次決算の観点と、請求先との間の請求額確定の観点とで、日付の基準の認識を分けて考えることにより、月次締処理後であっても前月の請求内容の訂正を可能としている。つまり、本実施形態の債権債務遡及修正処理装置は、月次決算の内容と請求額確定の内容とが異なる場合に、会計上の差額の売上金額を赤黒伝票として、翌月に自動生成する仕組みを構築したものである。これによって、月次決算を遅らせることなく、月次会計実績を捉えつつ、請求業務の煩雑さも解消できるようになった。
【0019】
[2.構成]
本実施形態に係る債権債務遡及修正処理装置の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る債権債務遡及修正処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
債権債務遡及修正処理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、債権債務遡及修正処理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0021】
債権債務遡及修正処理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。債権債務遡及修正処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、債権債務遡及修正処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、債権債務遡及修正処理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。ここで、記憶部106は、会計データ記憶部106a等を備えている。
【0024】
会計データ記憶部106aは、取引に関する会計データを格納する。会計データには、会計年月や会計金額に関する情報を含み、受注入力に対して出荷を行うと売上を計上して請求書を発行するための売上データ、あるいは、発注入力に対して入荷が行われると仕入を計上して出金伝票を作成するための仕入データなどがある。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
制御部102は、債権債務遡及修正処理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。ここで、制御部102は、機能概念的に、会計データ取得手段としての会計データ取得部102a、会計年月判定手段としての会計年月判定部102b、更新種類判定手段としての更新種類判定部102c、赤黒処理手段としての赤黒処理部102d等を備えている。
【0027】
会計データ取得部102aは、取引に関する会計データを取得して会計データ記憶部106aに格納する。例えば、受注入力に対して出荷を行って売上を計上し請求書を発行したり、発注入力に対して入荷が行われると仕入を計上して出金伝票を作成したりする一連の取引行為を行うと会計データが生成され、その会計データを順次取得して会計データ記憶部106aに格納する。
【0028】
会計年月判定部102bは、会計データにおける会計年月の先後関係を判定する。この会計年月としては、例えば、受注データ、売上データ、発注データ、仕入データ、あるいは、会計システムなどの会計年月があって、これらの先後関係を判定する。例えば、月次決算のタイミングに対して、当会計年月の売上計上、当会計年月内での既売上データの修正によるマイナス売上、前会計年月以前での既売上データの修正による売上、あるいは、前会計年月計上売上の帳消しなどを判定する。
【0029】
更新種類判定部102cは、会計上の締処理後に債権債務が更新されて会計金額に差額が生じているか否かを判定する。つまり、会計上の締処理前に債権債務が計上され、当会計年月内に債権債務データを更新した場合は、同額のマイナスの債権債務データを計上すれば良いが、会計上の締処理後に前会計年月以前の債権債務が更新され、差額が生じている場合は、赤黒伝票を用いて修正処理をする必要がある。このため、本実施形態では、会計年月判定部102bで判定した会計データの会計年月の先後関係に基づいて、更新種類判定部102cにより会計上の締処理後に債権債務が更新されて会計金額に差額が生じているか否かを判定している。
【0030】
赤黒処理部102dは、更新された債権債務の差額に対し元の金額を帳消しにする赤伝票処理と、更新後の新たな金額を計上する黒伝票処理とを行って金額を修正する。つまり、会計上の締処理後に債権債務の更新があった場合は、まず元の金額を帳消しにする赤伝票処理を行ってから、更新後の新たな金額を計上する黒伝票処理を行うことにより、修正履歴が残るため、締処理後に債権債務を更新しても修正過程の検証が可能となる。
【0031】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2~
図14を参照して、本実施形態に係る債権債務遡及修正処理装置100の処理の一例について具体的に説明する。
図2は、本実施形態に係る債権債務遡及修正処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3は、債権債務の遡及修正処理を実現するためのデータの扱いと更新制御の一例を示す図である。
図4は、サンプルデータを用いて遡及修正処理を行った場合のデータ遷移の一例を示す図である。
図5は、
図4の場合に発行される請求書の一例を示す図である。
図6は、
図5の9月請求対象の売上データの一例を示す図である。
図7は、2016年9月度の売掛管理表の一例を示す図である。
図8は、2016年9月度の売上実績表の一例を示す図である。
図9は、2016年9月の売上データの一例を示す図である。
図10は、2016年10月度の売掛管理表の一例を示す図である。
図11は、2016年10月度の売上実績表の一例を示す図である。
図12は、2016年10月の売上データの一例を示す図である。
図13は、
図4の売上履歴データの処理区分における追加表記例の一例を示す図である。
図14は、
図4の売上履歴データと
図11の売上実績表との関係の一例を示す図である。
【0032】
[処理の流れ]
本実施形態に係る債権債務遡及修正処理装置100の会計データ取得部102aは、例えば、受注入力があると出荷を行って売上を計上し請求書の発行を行い、また、発注入力を行って入荷があると仕入を計上して出金伝票を作成する一連の取引行為に基づいて会計データが生成されるため、これを取得して会計データ記憶部106aに格納する(ステップS1)。
【0033】
続いて、会計年月判定部102bは、会計データ記憶部106aに格納された各会計データの会計年月の先後関係を判定し、計上された売上データや仕入データを当会計年月内に修正や帳消しを行う場合か、締処理後に前会計年月のデータとして修正や帳消しを行う場合かを判定する(ステップS2)。
【0034】
そして、更新種類判定部102cは、会計上の締処理前に債権債務が計上され、当会計年月の締処理後に当該債権債務の更新が行われて、会計金額に差額が生じている場合は(ステップS3でYes)、次段にて赤黒処理が行われる。また、会計上の締処理後に債権債務の更新がないか、更新されても会計金額に差額が生じない場合は(ステップS3でNo)、赤黒処理は行われない。
【0035】
赤黒処理部102dは、上記更新種類判定部102cで締処理後に債権債務が更新され、会計金額に差額が生じていると判定されると、更新された債権債務の差額に対して元の金額を帳消しにする赤伝票処理を行い、続いて更新後の新たな金額を計上する黒伝票処理が行われる(ステップS4)。このように、会計上の締処理後に前会計年月以前の債権債務が更新された場合でも、自動的に赤黒処理による修正が行われるため、修正履歴が残り、修正過程を検証することが可能となる。
【0036】
[債権債務の遡及修正処理のためのデータの扱いと更新制御]
社内の月次決算のタイミングよりも、請求先との請求額確定のタイミングの方が遅くなった場合、従来は月次決算の方を優先するため、請求書は表計算ソフトなどを使って手作業で管理していた。これに対し、本実施形態では、社内決算の観点と、請求先との請求額確定の観点とで、日付の基準の認識を分けて考えることで、月次の締処理後であっても前月の請求内容の修正が可能となる。具体的には、会計上生じた差額の売上金額については、赤黒伝票として翌月に自動生成する仕組みを構築している。これにより、月次決算を遅らせることなく、月次会計実績を捉えつつ、請求業務の煩雑さを解消することができる。このような仕組みは、あらゆる業界や事業に適用可能であるが、本実施形態では、貨物自動車運送を営む企業を例にあげて説明する。
【0037】
図3の例では、貨物運送会社に荷主から受注があると、車両により出荷を行って売上を計上した後、請求書を発行する一連の取引行為を行う中で、売上データを修正する場合、同じ会計年月内で売上データを修正するのか、締処理後に前会計年月以前の売上データを修正するのかについては、会計年月の先後関係を判定することで更新種類を判定している。
【0038】
図3に示す処理区分は、売上を計上する“売上計上時”と、売上を削除する“売上削除時”とに分かれ、“売上計上時”と“売上削除時”におけるそれぞれの“区分”0~3の“区分名”については、受注のみで売上計上が完了していない“0:未完了”、売上計上が完了した“1:完了”、計上内容を変更する“2:計上済変更”、計上内容を削除する“3:計上済削除”に分かれている。各区分における“処理”には、売上を計上する“黒”と、売上計上を帳消しにする“赤”とがある。“会計年月判定”は、受注データや売上データの会計年月と、締処理を行うシステム会計年月とを比較し、当会計年月内の修正か前会計年月以前の修正かを判定する。“更新種類”は、“会計年月判定”に基づいて、どのような更新処理を行うのかを決める。“更新種類”が“黒”の場合は、当会計年月の売上計上であり、“赤”の場合は、当会計年月内での既売上データの修正によるマイナス売上であり、“履歴黒”の場合は、前会計年月以前での既売上データの修正による売上であり、“履歴赤”の場合は、前会計年月計上売上の帳消しである。“更新対象”には、“売上データ”、“売上履歴”、“車両売上”、“車両履歴”、“回収予定”、“残高T(トータル)”、“受注データ”、“運送データ”などがあり、各更新対象に対して“追加”、“更新”、“削除”が行われる。
【0039】
[運用サンプルによるデータ遷移例]
本実施形態に係る債権債務遡及修正処理装置100は、以下のストーリー(a)~(f)に基づく運用サンプルに基づいて、
図4に示すようにデータ処理が行われる。なお、ストーリー(a)~(f)のタイミングチャートは、
図4の右上の2016/9の枠内において(a)、(b)、(c)の順で実行され、2016/10の枠内において(d)、(e)、(f)の順で実行される。なお、ストーリー(d)は、9月の月次更新のタイミングを示している。
【0040】
(a)2016/09/25
31日締、荷主で(2016/09/25 ¥100,000 受注No:J5001)を売上計上。
(b)2016/09/27
受注No:J5001を(¥120,000)に修正して売上計上。
(c)2016/09/28
同荷主で(2016/09/28 ¥150,000 受注No:J5201)を売上計上。
(d)2016/10/05
(2016/9月度)の「月次締処理」を実行。※債権管理上はここで締切。
(e)2016/10/07
2016/09/25計上の売上を(¥80,000)に修正。→月次締後の修正
(f)2016/10/10
上記荷主の請求書を作成。
【0041】
まず、2016/9/25時点の売上データは、
図4上段の左側に示すように、ストーリー(a)で、売上Noが“1001”、売上日が“2016/09/25”、売上金額が“¥100,000”、会計年月が“2016/9”、受注Noが“J5001”、履歴区分が“最新”、請求基準日が“2016/09/25”、売上年月が“2016/9”となっている。この売上年月は、あくまでも営業勘定管理用の年月である。
【0042】
この売上データに対する回収予定データは、
図4上段の右側に示すように、ストーリー(a)で、売上Noが“1001”、計上日が“2016/09/25”、売上金額が“¥100,000”、回収予定日が“2016/11/10”、請求基準日が“2016/09/25”、回収が“未”となっている。回収が“未”の状態とは、売上が計上されているがまだ入金されていない売掛の状態である。
【0043】
続いて、
図4中段の左側の売上データは、同じ受注No“J5001”の売上金額を“¥120,000”に修正するストーリー(b)において、売上No“1001”で計上した売上金額“¥100,000”と同月内で修正しているため、最新の売上No“2201”に置換され、その履歴区分は“履歴黒”となっている。しかし、ストーリー(b)の段階では、新たに売上を計上しているため、履歴区分は“最新”となるはずである。しかし、後述するストーリー(e)の売上No“2301”と“2302”では、月次締後に売上No“2201”の売上金額“¥120,000”を売上No“2302”において“¥80,000”に修正する前に、売上No“2201”を帳消しにする売上No“2301”の履歴区分の“履歴赤”に対応させる必要があるため、売上No“2201”の“最新”という履歴区分は“履歴黒”になる。従って、本実施形態に係る債権債務遡及修正処理装置100は、
図4中段の左側に示すように、売上No“2301”と“2302”において、請求基準日が“2016/09/25”の売上に対し、月次締処理後の会計年月が“2016/10”となるため、赤黒処理によって遡及修正処理が行われる。その際、赤黒処理部102dは、自動で売上No“2301”の差分データである“△¥40,000”を作成する。このように、月次締処理後に売上金額を修正する場合は、売上日は翌月1日(ここでは、“2016/10/1”)に置換されるため、請求処理ができなくなるのを防ぐため、請求上は“請求基準日”を使って管理している。但し、受注データ上の売上日については、当初の“2016/10/1”のままで、売上計上処理を行う時点で置換される。
【0044】
また、
図4中段の左側の売上データのストーリー(c)については、同じ荷主からの新たな受注No“J5201”であり、売上金額が“¥150,000”で、売上日“2016/09/28”に売上計上され、売上Noが“2253”となり、履歴区分は“最新”となる。
【0045】
図4中段の右側の回収予定データは、
図4中段の左側の売上データと、ストーリー、売上No、売上金額、請求基準日については同じであり、売上日を計上日としている。この売上データに対する回収予定日は、ここでは全て2016/11/10となっており、回収が“済”となっている明細は、赤黒処理により回収が済んでいるもので、“回収”が“未”となっている明細(売上No“2253”と“2302”)は、入金消込の対象となる。
【0046】
上記の売上データの推移を記録した売上履歴データは、
図4の下段に示すように、同じ会計年月内に売上金額を修正する場合でも、ストーリー(b)の売上No“1001”に示すように、前に計上した売上金額を帳消しにし“△¥100,000”、ストーリー(b)の売上No“2201”に示すように、修正後の売上金額“¥120,000”を計上する。この売上履歴データには、さらに“処理区分”という項目を追加し、新たに売上が計上された場合を“10:新規”、同会計年月内に計上された売上金額が削除された場合を“30:削除”とし、前会計年月以前に計上した売上金額を締処理後に帳消しにする場合を“24:修正前”とし、前会計年月以前に計上した売上金額を締処理後に修正する場合を“25:修正後”として区別している。
【0047】
[請求書の作成]
本実施形態に係る債権債務遡及修正処理装置100は、
図4の運用サンプルデータの推移例で説明したように、計上した売上を同会計年月内で帳消しにしたり、計上年月の締処理を行った後に前会計年月における売上に対し遡及して修正を行ったりすることが可能になる。このため、請求先との請求額確定のタイミングに合わせて月次決算のタイミングを遅らせる必要が無く、月次締処理後であっても前月以前の請求内容の訂正が可能となり、会計上の差額の売上金額を赤黒伝票として翌月に自動生成するので請求業務の煩雑さを解消することができる。
【0048】
図4の運用サンプルの会計処理によって発行される請求書は、
図5のようになる。この請求書の元データは、
図6に示す9月請求書対象の売上データである。今回は、9月の月次締処理後に売上金額の修正を行っているが、対象となるデータは請求基準日を基に制御している、月次締処理後の売上金額の修正内容も加味されて請求書を作成することができる。この月次締処理後の修正は、同一請求期間に修正履歴があるが、最新のデータのみを用いて請求書を作成する。つまり、月次締処理後の変更データ(履歴黒、履歴赤)は、仮締処理の対象にはなるが、印刷からは除外される。
【0049】
[債権管理上の帳票例]
最終的な請求書は、
図5のようになるが、債権管理上の帳票例としては以下のような売掛管理表や売上実績表となる。まず、2016年9月度の売掛管理表は、
図7に示すように、会計年月の9月に売上が計上され、まだ入金されていない売掛金の状況を表している。つまり、
図4に示す売上データのうち、9月25日に売上計上されたストーリー(b)の売上No“2201”の“¥120,000”と、9月28日に売上計上されたストーリー(c)の売上No“2253”の“¥150,000”となり、これが
図9の対象当月売上データである。このため、2016年9月度の合計売上額は“¥270,000”となり、
図8に示す2016年9月度の売上実績表と一致する。従って、2016年9月度の売掛管理表は、
図7に示すように、当月の合計売上額が“¥270,000”で、消費税(8%)の“¥21,600”を加算して、売掛の当月残高は“¥291,600”となる。このように、
図7に示す売掛管理表や
図8に示す売上実績表は、請求基準日ではなく会計年月に基づいて制御されるため、会計上と同期がとれている。
【0050】
これに対し、2016年10月度の売掛管理表は、
図10に示すように、会計年月の10月に売上が計上され、まだ入金されていない売掛金の状況を表している。つまり、
図4に示す売上データのうち、10月1日に売上計上されたストーリー(e)の売上No“2301”の赤伝票処理を行った“△¥120,000”と、10月1日に売上計上されたストーリー(e)の売上No“2302”の黒伝票処理を行った“¥80,000”となり、これが
図12の対象当月売上データである。このため、2016年10月度の合計売上額は“△¥40,000”となり、
図11に示す2016年10月度の売上実績表と一致する。従って、2016年10月度の売掛管理表は、
図10に示すように、前月までの売掛残高が“¥291,600”あって、当月の売上額が“△¥40,000”で、消費税(8%)の“△¥3,200”を加算して、売掛の当月残高は“¥248,400”となる。このように、
図10に示す売掛管理表や
図11に示す売上実績表は、請求基準日ではなく会計年月に基づいて制御されるため、会計上と同期がとれている。
【0051】
[売上履歴データの処理区分]
図4に示す売上履歴データの処理区分では、前会計年月以前に計上した売上金額を締処理後に帳消しにする場合を“24:修正前”とし、前会計年月以前に計上した売上金額を締処理後に修正する場合を“25:修正後”として区別している。しかし、この記載だけでは、月次締処理後に行われる修正か否かが不明であるため、月次締処理後の修正データであることをより明確にするため、処理区分の記載を
図13のように変更や追加することが可能である。例えば、“24:修正前”を“24:締後修正(修正前)”と変更し、“25:修正後”を“25:締後修正(修正後)”と変更し、さらに、月次締処理後に計上金額を削除するだけの修正を行う場合のため“32:締後修正(削除)”という処理区分を追加しても良い。
【0052】
[売上履歴データと売上実績表]
また、赤黒処理部102dは、
図14に示すように、売上実績表の前月修正額の計算を行う場合に、売上履歴データの処理区分である“24:修正前”と“25:修正後”、あるいは、上記
図13で変更した“24:締後修正(修正前)”と“25:締後修正(修正後)”のデータを使用することにより、自動で計算することができる。
【0053】
上記したように、本実施形態に係る債権債務遡及修正処理装置100は、売上を計上した月の締処理後に請求先との間で請求額が確定し、売上金額が更新された場合でも、締処理前の売上金額との差額を赤黒伝票で翌月に自動生成することで、締処理前に遡って請求内容を修正することが可能なため、決算業務を遅らせること無く、月次会計実績を捉えつつ、修正業務の煩雑さを解消することができる。
【0054】
上記実施形態では、受注に対して売上を計上し請求を行う債権額の更新の例を用いて説明したが、必ずしもこれに限定されず、発注に対して仕入を計上し支払を行う債務額の更新の場合であっても、同様のロジックを用いることにより債務額を遡及して修正することができる。
【0055】
また、上記実施形態では、貨物運送会社が荷主から荷物の運送契約を受注し、出荷を指示して売上を計上し請求書の発行を行う運輸業界の例を用いて説明したが、これに限定されず、サービス業界などあらゆる業界や業種に対しても本発明を適用することが可能である。
【0056】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0057】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0058】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0059】
また、債権債務遡及修正処理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0060】
例えば、債権債務遡及修正処理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて債権債務遡及修正処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0061】
また、このコンピュータプログラムは、債権債務遡及修正処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0062】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0063】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0064】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0065】
また、債権債務遡及修正処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、債権債務遡及修正処理装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0066】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、あらゆる業種や業界において適用可能であるが、特に、会計上の締め処理後に請求金額や支払金額の更新が行われる物流業やサービス業全般において有用である。
【符号の説明】
【0068】
100 債権債務遡及修正処理装置
102 制御部
102a 会計データ取得部
102b 会計年月判定部
102c 更新種類判定部
102d 赤黒処理部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 会計データ記憶部
108 入出力インターフェース部
112 入力装置(キーボード、マウス)
114 出力装置(モニタ)
200 サーバ
300 ネットワーク