(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】押出硫黄加硫可能ゴムブレンドの製造方法、方法を実施するためのデバイス、及びその使用
(51)【国際特許分類】
B29B 7/72 20060101AFI20230720BHJP
C08J 3/20 20060101ALI20230720BHJP
B29B 7/38 20060101ALI20230720BHJP
B29B 15/02 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
B29B7/72
C08J3/20 D CEQ
B29B7/38
B29B15/02
(21)【出願番号】P 2021567065
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(86)【国際出願番号】 EP2020059006
(87)【国際公開番号】W WO2020239293
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】102019207732.3
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510156561
【氏名又は名称】コンチネンタル・ライフェン・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】シャリフィ・モニール
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-028018(JP,A)
【文献】特表2001-525739(JP,A)
【文献】特開2017-077713(JP,A)
【文献】特開2004-091746(JP,A)
【文献】特開平11-057445(JP,A)
【文献】特表2004-511600(JP,A)
【文献】特開平03-015505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 7/00 - 7/94
B29B 11/00 - 11/14
B29B 15/00 - 15/06
C08J 3/00 - 3/28
C08J 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出硫黄架橋可能ゴム混合物の製造プロセスであって、以下のプロセスステップ、即ち、
A)硫黄架橋可能ゴム混合物をミキサを用いて製造するステップ又は硫黄架橋可能ゴム混合物を用意するステップであって、前記硫黄架橋可能ゴム混合物の温度は35℃未満である、ステップと、
B)ステップA)において製造された又は用意された前記硫黄架橋可能ゴム混合物の前記温度を、温度調節ユニット内で少なくとも40℃に非接触で調節するステップと、
C)任意選択的に、ステップB)において前記温度が調節された前記ゴム混合物の前記温度を測定するステップと、
D)前記温度がステップB)において調節され、ステップC)において測定された前記硫黄架橋可能ゴム混合物を35℃以上の温度で押出ユニットに供給し、前記押出ユニット内に前記供給されたゴム混合物を押し出すステップと、
を含
み、及び
以下のステップE)、即ち、
E)閉ループ制御ユニットを用い、
- 前記押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
及び/又は
- 前記押出ユニット内の前記ゴム混合物の圧力
及び/又は
- 前記押出ユニット内の前記ゴム混合物の圧力のばらつき
及び/又は
- 前記押出ユニットの下流で押し出された前記ゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつき
に応じてゴム混合物の前記温度を制御するステップ
を更に含む、製造プロセス。
【請求項2】
前記温度調節ユニット及び/又は前記押出ユニットは測定センサを含み、前記測定センサの1つ以上は、ステップC)において前記温度調節ユニット内の前記ゴム混合物の前記温度を確認する、並びに/又は更なるプロセスステップにおいて前記押出ユニット内の前記ゴム混合物の前記温度及び前記圧力を確認する、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記プロセスは、ステップA)の前に実施される以下のステップA0)、即ち、
A0)硫黄架橋可能ゴム混合物を、前記温度調節ユニットの上流に接続された、硫黄架橋可能ゴム混合物の製造用のミキサを用いて製造するステップ
を含む、請求項1
又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記プロセスのステップD)が、以下の通りの、即ち、
D)ステップC)において測定された前記硫黄架橋可能ゴム混合物を供給ユニットを用いて35℃以上の温度で押出ユニットに供給し、前記押出ユニットに供給された前記ゴム混合物を前記押出ユニット内で押し出すステップであって、前記供給ユニットは、ロールシステム又は押出機を含む、ステップ
である、請求項1~
3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記供給ユニットが、前記温度調節ユニットの下流に接続されている、請求項
4に記載のプロセス。
【請求項6】
ステップB)において前記温度調節ユニット内で前記温度が調節された前記硫黄架橋可能ゴム混合物は、少なくとも部分的に、40℃~150℃の範囲の温度を有する、請求項1~
5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
ステップD)において前記押出ユニットに供給される前記硫黄架橋可能ゴム混合物は、少なくとも部分的に、20℃~150℃の範囲の温度を有する、請求項1~
6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
ステップD)において前記押出ユニットに供給される前記硫黄架橋可能ゴム混合物は、5~150barの範囲の圧力を有する、請求項1~
7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか一項に記載のプロセスを実施するための装置であって、
- 硫黄架橋可能ゴム混合物の温度の非接触調節用の少なくとも1つの温度調節ユニットと、
- 前記温度調節ユニットの下流に接続されている少なくとも1つの押出ユニットと、
及び
- 閉ループ制御ユニットであって、
- 前記押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
及び/又は
- 前記押出ユニット内の前記ゴム混合物の圧力
及び/又は
- 前記押出ユニット内の前記ゴム混合物の圧力のばらつき
及び/又は
- 前記押出ユニットの下流で押し出された前記ゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつき
に応じてゴム混合物の前記温度を制御することができる閉ループ制御ユニットと、
を含む、装置。
【請求項10】
押出硫黄架橋可能混合物の1メートルあたりの重量のばらつきを低減するための請求項
9に記載の装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出硫黄架橋可能ゴム混合物の製造プロセスに関する。本発明は更に、プロセスを実施するための装置及び装置の使用に関する。
【0002】
ゴム業界、特にタイヤ製造における、製造プロセスの完全自動化に向けた現在の展開によって、各ゴム製品の品質に対する要求は常に高まっている。特に重要なことは、ゴムプロファイルと呼ばれる連続的なストリップの形態であることが多い、押し出されるゴム混合物の重量及び幾何学的寸法である。押出成形では、ブレンドされたゴム混合物が、例えば、二軸スクリュー押出機内のスクリューによって押し出され、その後、成形ユニット、例えば、予備的な、最終テンプレートによってゴムプロファイルに成形される。
【0003】
幾何学的寸法からの差異又はゴムプロファイルの重量の過度のばらつきは、ゴムプロファイルの大部分を廃棄する必要性を生じさせることが多く、それゆえ、不必要な環境汚染又は製造プロセスの長期化を招くことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明が対処する主な課題は、上述の既知の欠点を有しない押出硫黄架橋可能ゴム混合物の製造プロセスを提供し、ゴムプロファイルへのゴム混合物の自動押出成形を可能にするというものである。
【0005】
対処する特定の課題は、ゴム混合物の所定の重量又は所定の寸法をより正確に設定できるように、ゴム混合物を押し出すというものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、押出硫黄架橋可能ゴム混合物の製造プロセスであって、以下のプロセスステップ、即ち、
A)硫黄架橋可能ゴム混合物をミキサを使用して製造するステップ又は硫黄架橋可能ゴム混合物を用意するステップと、
B)ステップA)において製造された又は用意された硫黄架橋可能なゴム混合物の温度を、温度調節ユニット内で少なくとも40℃に非接触で調節するステップと、
C)任意選択的に、ステップB)において温度が調節されたゴム混合物の温度を、好ましくは温度調節ユニット内で測定するステップと、
D)温度がステップB)において調節され、ステップC)において測定された硫黄架橋可能ゴム混合物を35℃以上の温度で押出ユニットに供給し、押出ユニット内に供給されたゴム混合物を押し出すステップと、
を含む、製造プロセスにより、本発明に従い達成される。
【0007】
本発明の大きな功績は、押出ユニット内での押し出し前にゴム混合物の温度を増加させると、特に、押出ユニットを用いて製造されるゴムプロファイルの1メートルあたりの重量のばらつきを低減できることを見出したことである。本明細書では、本発明のプロセスのステップB)において、押出ユニットの上流で少なくとも40℃に加熱することにより1メートルあたりの重量の想定目標値からの差異を半減することが可能である。このような、1メートルあたりの重量の目標値からの差異の半減は、ステップB)のように温度調節を伴わない本発明以外のプロセスと比較して少なくとも5%の生産性の増加をもたらし、したがって、環境に対する負荷の大幅な削減をもたらす。温度調節ユニット内に存在する硫黄架橋可能ゴム混合物を少なくとも60℃又は更には80℃超まで加熱するように設計された温度調節ユニットは、前記差異を更に一層低減する。
【0008】
更に、ステップB)の温度調節により、上記の又は上で好ましいと記載した本発明のプロセスにおいて、1メートルあたりの重量の目標値からの差異のみならず、驚くべきことに、押出ユニット内で生じるゴム混合物の圧力及び圧力のばらつき、又は押出ユニット内のゴム混合物の押し出しに使用される押出ユニットの押出機スクリューの駆動力も低減することが可能である。圧力の低減により、エネルギーの節約及び温度のわずかなばらつきにつながり、それゆえ、より均一な幾何学的寸法につながる。
【0009】
更に、ゴムプロファイルの想定断面からの幾何学的寸法の差異を低減することが可能である。ゴム業界で慣例的な押出ユニットは、特定の幾何学的寸法を確立するために、押し出されたゴム混合物を、適切な幾何学的寸法を有する所望の幾何学的形状に成形する成形構成要素、例えば最終テンプレートを含む。結果として得られる、押し出され、成形されたゴム混合物がゴムプロファイルである。したがって、本発明に関連して、押出ユニットは、標準として上記の成形構成要素を含み、そのため、本発明のプロセスは、特に、成形ゴムプロファイルの製造プロセスである。
【0010】
本発明に関連して、「硫黄架橋可能ゴム混合物」という表現は、特に、使用の準備が整った硫黄架橋可能ゴム混合物を包含する。
【0011】
本発明に関連して、「混合物の温度の非接触調節」という表現は、混合物が、例えばオーブン内で熱放射により加熱されることを意味する。熱伝導又は対流による別の加熱モードも可能であるが、本発明の文脈における「温度を非接触で調節する」という表現は、熱放射を用いた少なくとも1つの温度調節操作を含む。
【0012】
本発明に関連して、「ユニットBがユニットAの下流に接続されている」という表現は、ゴムプロファイルの製造用のゴム混合物が、最初にユニットAを通過し、次いでユニットBを通過することを意味する。ゴム混合物の温度が温度調節ユニットと押出ユニットとの間で特に5℃は低下しないように、以下で説明する本発明の装置内の押出ユニットが温度調節ユニットに直接隣接する場合が特に好ましい。
【0013】
本発明に関連して、「ゴム混合物の温度を調節する」という表現は、所与の周囲温度である25℃でゴム混合物の自然な冷却特性の顕著な差異をもたらす任意の行為を意味し、ゴム混合物の例えば加熱要素を用いた加熱と自然な冷却特性に比べて遅い冷却との両方を含むが、好ましくは加熱である。本明細書では、ゴム混合物の自然な冷却特性とは、特に、熱力学的平衡による、加熱されたゴム混合物の温度と周囲温度との一致である。したがって、本発明に関連して、「ゴム混合物の温度を調節する」という表現は、周囲温度未満の温度を有するゴム混合物を周囲温度まで加熱することだけを包含するものではない。
【0014】
本発明に関連して、「硫黄架橋可能ゴム混合物を製造する」という表現は、好ましくは特に、使用の準備が整った硫黄架橋可能なゴム混合物を製造することを含む。
【0015】
プロセスが、以下のステップE)を更に含み、ステップE)が、本発明の装置に関して以下に記載する閉ループ制御ユニットを用いて好ましくは実施される、上記の又は上で好ましいと記載した本発明のプロセスが優先される。
E)
- 押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
及び/又は
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力
及び/又は
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力のばらつき
及び/又は
- 押出ユニットの下流で押し出されたゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつき
に応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するステップ。
【0016】
本発明の上記態様の利点の1つは、この閉ループ制御により、押出ユニットの下流で常時高品質の押出ゴムプロファイルが提供されることである。これについて、以下でより詳細に説明する。
【0017】
ステップC)における温度の測定により、ゴム混合物が、所定の温度である少なくとも40℃に達するほど十分に加熱されることが確実になる。したがって、温度の測定は、温度調節ユニット内で好ましくは実施される。
【0018】
上述のパラメータに応じた閉ループ制御により、ゴム混合物の表面積を確認するだけで十分となり、これは、自動化並びに重量及び形状の所望のばらつきを得るにあたり、プロセス技術の相当の利点となる。したがって、押出ユニットの下流で押し出されたゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつきを低減するための制御変数として温度の測定値を使用することは、本発明の大きな功績である。
【0019】
プロセスが、以下のステップE)を更に含み、ステップE)が、本発明の装置に関して以下に記載する閉ループ制御ユニットを用いて好ましくは実施される、上記の又は上で好ましいと記載した本発明のプロセスが優先される。
E)
- 押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
又は
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力
又は
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力のばらつき
又は
- 押出ユニットの下流で押し出されたゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつき
に応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するステップ。
【0020】
本発明の上記態様の利点の1つは、前記駆動出力、押出ユニット内のゴム混合物の圧力、押出ユニット内のゴム混合物の圧力のばらつき、又は押し出されたゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつきを低減させるために、閉ループ制御ユニットが、押し出し中、押出ユニットに入る際のゴム混合物又はその表面が40℃又は所望のより高い温度値であることを常時且つ完全に自動的に確実にできることである。対応する閉ループ制御ユニットは、従来技術において周知の標準的な閉ループ制御ユニットの構成要素を有し、したがって、本発明のプロセスの完全自動化を可能にし、上述のように、結果として得られるゴムプロファイルの重量及び幾何学的形状の品質が改善する。
【0021】
本発明に関連して、温度がステップC)において測定され、上記及び以下のように制御されるゴム混合物は、好ましくは、温度調節ユニット内のゴム混合物又は以下に記載する押出ユニット若しくは供給ユニットに供給されるところのすぐ上流のゴム混合物である。
【0022】
プロセスが、以下のステップE)を更に含み、ステップE)が、本発明の装置に関して以下に記載する閉ループ制御ユニットを用いて好ましくは実施される、上記の又は上で好ましいと記載した本発明のプロセスが優先される。
E)
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力
及び
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力のばらつき
に応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するステップ。
【0023】
プロセスが、以下のステップE)を更に含み、ステップE)が、本発明の装置に関して以下に記載する閉ループ制御ユニットを用いて好ましくは実施される、上記の又は上で好ましいと記載した本発明のプロセスが優先される。
E)
- 押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
及び
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力
及び
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力のばらつき
に応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するステップ。
【0024】
本発明の上記態様の利点の1つは、閉ループ制御ユニットによる上記制御が、押出ユニット内の過度な高温を回避するための全ての閉ループ制御パラメータを含むことである。したがって、ステップB)の温度調節によって、押出ユニットの温度の120℃を超える局所的な上昇は回避される。これにより、1メートルあたりの重量又はゴムプロファイルの形状の差異を大幅に低減する。
【0025】
プロセスが、以下のステップE)を更に含み、ステップE)が、本発明の装置に関して以下に記載する閉ループ制御ユニットを用いて好ましくは実施される、上記の又は上で好ましいと記載した本発明のプロセスが優先される。
E)
- 押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
及び
- 押出ユニットの下流で押し出されたゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつき
に応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するステップ。
【0026】
本発明の上記態様の利点の1つは、閉ループ制御ユニットによる上記制御が、押出ゴムプロファイルの1メートルあたりの重量の目標値からの差異を低減するための全ての閉ループ制御パラメータを含むことである。
【0027】
プロセスが、以下のステップE)を更に含み、ステップE)が、本発明の装置に関して以下に記載する閉ループ制御ユニットを用いて好ましくは実施される、上記の又は上で好ましいと記載した本発明のプロセスが優先される。
E)
- 押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
及び
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力
及び
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力のばらつき
及び
- 押出ユニットの下流で押し出されたゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつき
に応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するステップ。
【0028】
ステップB)において温度調節ユニット内で温度が調節された硫黄架橋可能ゴム混合物が、少なくとも部分的に、40℃~150℃の範囲、好ましくは50℃~110℃の範囲の温度を有する、上記の又は上で好ましいと記載した本発明のプロセスが特に優先される。
【0029】
本発明の上記態様の利点の1つは、特にこれらの温度において、上述のように、1メートルあたりの重量の目標値からの特に小さな差異が生じることである。
【0030】
また、ステップD)において押出ユニットに供給される硫黄架橋可能ゴム混合物が、少なくとも部分的に、20℃~150℃の範囲、好ましくは30℃~110℃の範囲、より好ましくは40℃~80℃の範囲の温度を有する、及び/又は5~150barの範囲、好ましくは70~110barの範囲、より好ましくは90~105barの範囲、最も好ましくは93~100barの範囲の圧力を有する、上記の若しくは上で好ましいと記載した又は特にとりわけ好ましいと上記した本発明のプロセスが特に優先される。
【0031】
本発明の上記態様の利点の1つは、特にこれらの温度及び圧力において、上述のように、1メートルあたりの重量の目標値からの特に小さな差異が生じることである。
【0032】
- ステップC)において測定された硫黄架橋可能ゴム混合物が、40MU~150MUの範囲のムーニ粘度[100℃でML1+4]を有する、上記の又は上で好ましいと記載した本発明のプロセスが優先される。
【0033】
本発明の上記態様の利点の1つは、温度調節ユニットによって、上述のようにゴム混合物を押し出し、上述のような高品質及び寸法安定性を有するゴムプロファイルを得ることも可能なことである。
【0034】
温度調節ユニット及び/又は押出ユニットが測定センサを含み、測定センサの1つ以上が、ステップC)において温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を確認する、並びに/又は更なるプロセスステップにおいて押出ユニット内のゴム混合物の温度及び圧力を確認する、上記の又は上で好ましいと記載した本発明のプロセスが優先される。
【0035】
本発明の上記態様の利点の1つを、以下、本発明の装置に関連して記載する。
【0036】
プロセスが、ステップA)の前に実施される以下のステップA0)、即ち、
A0)硫黄架橋可能ゴム混合物を、温度調節ユニットの上流に接続された、硫黄架橋可能ゴム混合物の製造用のミキサを用いて製造するステップを含む、上記の又は上で好ましいと記載した本発明のプロセスが優先される。
【0037】
本発明の上記態様の利点の1つを、以下、本発明の装置に関連して記載する。
【0038】
プロセスのステップD)が以下の通り、即ち、
D)ステップC)において測定された硫黄架橋可能ゴム混合物を供給ユニットを用いて35℃以上の温度で押出ユニットに供給し、押出ユニットに供給されたゴム混合物を押出ユニット内で押し出すステップであって、供給ユニットが、ロールシステム又は押出機を含み、供給ユニットが、温度調節ユニットの下流に好ましくは接続されている、上記の又は上で好ましいと記載した本発明のプロセスが優先される。
【0039】
本発明の上記態様の利点の1つを、以下、本発明の装置に関連して記載する。
【0040】
押出硫黄架橋可能ゴム混合物を製造するための本発明のプロセスの上記の有利な態様は、上記の又は上で好ましいと記載した又は一態様として以下に記載するプロセスの実施のための、以下で説明する装置の全ての態様にも適用可能であり、上記の又は上で好ましいと記載した又は一態様として以下に記載する、以下に記載するプロセスの実施のための本発明の装置の有利な態様も、本発明のプロセスの全ての態様に同様に適用可能である。
【0041】
本発明はまた、
- 硫黄架橋可能ゴム混合物の温度の非接触調節用の少なくとも1つの温度調節ユニットと、
- 温度調節ユニットの下流に接続されている少なくとも1つの押出ユニットと、
を含む、装置であって、
温度調節ユニットは、温度調節ユニット内に存在する硫黄架橋可能ゴム混合物を少なくとも40℃まで加熱するように設計されている
ことを特徴とする、上記の又は上で好ましいと記載した又は一態様として以下に記載するプロセスの実施のための装置に関する。
【0042】
装置が測定センサを含み、測定センサの1つ以上が、温度調節ユニット内のゴム混合物の温度並びに/又は押出ユニット内のゴム混合物の温度及び/若しくは圧力を確認するように設計及び配置されている、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0043】
また、装置が測定センサを含み、測定センサの1つ以上が、温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を確認するように、及び好ましくは更に、押出ユニット内のゴム混合物の温度又は圧力を確認するように設計及び配置されている、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0044】
したがって、本発明の上記態様の利点の1つは、本発明の結果として得られるゴムプロファイルの上記利点を確実にするために、温度調節ユニット内のゴム混合物の温度が人員により常時監視され得ることである。
【0045】
装置が測定センサを含み、測定センサの1つ以上が、温度調節ユニット内のゴム混合物の温度並びに押出ユニット内のゴム混合物の温度及び圧力を確認するように設計及び配置されている、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0046】
本発明の上記態様の利点の1つは、押出ユニット内のゴム混合物の温度又は圧力の監視により、押出ユニット内のゴム混合物が高温になり過ぎず、それゆえ、予めスコーチを起こさない又は早期加硫しないことを更に確実にできることである。スコーチを起こした又は早期加硫したゴム混合物も同じく廃棄しなければならないため、本発明の装置の効率は低下する。
【0047】
装置が、
- 押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
又は
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力
又は
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力のばらつき
又は
- 押出ユニットの下流で押し出されたゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつき
に応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するように設計された閉ループ制御ユニットを更に含む、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0048】
本発明の上記態様の利点の1つは、前記駆動出力、押出ユニット内のゴム混合物の圧力、押出ユニット内のゴム混合物の圧力のばらつき、又は押し出されたゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつきを低減させるために、閉ループ制御ユニットが、押し出し中、押出ユニットに入る際のゴム混合物が40℃又は所望のより高い温度値であることを常時且つ完全に自動的に保証することができることである。対応する閉ループ制御ユニットは、従来技術において周知の標準的な閉ループ制御ユニットの構成要素を有し、したがって、完全自動化を可能にし、上述のように、結果として得られるゴムプロファイルの重量及び幾何学的形状の品質が改善する。
【0049】
温度調節ユニット及び/又は押出ユニットが測定センサを含み、測定センサの1つ以上が、ステップC)において温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を確認することができる、並びに/又は更なるプロセスステップにおいて押出ユニット内のゴム混合物の温度及び圧力を確認することができる、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0050】
本発明の上記態様の利点の1つは、上記閉ループ制御ユニットの上記閉ループ制御パラメータを検出できることである。
【0051】
プロセスが、ステップA)の前に実施される以下のステップA0)、即ち、
A0)硫黄架橋可能ゴム混合物を、温度調節ユニットの上流に接続された、硫黄架橋可能ゴム混合物の製造用のミキサを用いて製造するステップを含む、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0052】
ミキサに関連する本発明の上記態様の利点の1つを以下に記載する。
【0053】
プロセスのステップD)が以下の通り、即ち、
D)ステップC)において測定された硫黄架橋可能ゴム混合物を供給ユニットを用いて35℃以上の温度で押出ユニットに供給し、押出ユニットに供給されたゴム混合物を押出ユニット内で押し出すステップであって、供給ユニットが、ロールシステム又は押出機を含み、供給ユニットが、温度調節ユニットの下流に好ましくは接続されている、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0054】
供給ユニットに関連する本発明の上記態様の利点の1つを以下に記載する。
【0055】
また、装置が、
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力
及び
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力のばらつき
に応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するように設計された閉ループ制御ユニットを更に含む、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0056】
また、装置が、
- 押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
及び
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力
及び
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力のばらつき
に応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するように設計された閉ループ制御ユニットを更に含む、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0057】
本発明の上記態様の利点の1つは、閉ループ制御ユニットによる上記制御が、押出ユニット内の過度な高温を回避するための全ての閉ループ制御パラメータを含むことである。
【0058】
また、装置が、
- 押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
及び
- 押出ユニットの下流で押し出されたゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつき
に応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するように設計された閉ループ制御ユニットを更に含む、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0059】
本発明の上記態様の利点の1つは、閉ループ制御ユニットによる上記制御が、押出ゴムプロファイルの1メートルあたりの重量の目標値からの差異を低減するための全ての閉ループ制御パラメータを含むことである。
【0060】
また、装置が、
- 押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
及び
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力
及び
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力のばらつき
及び
- 押出ユニットの下流で押し出されたゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつき
に応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するように設計された閉ループ制御ユニットを更に含む、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0061】
装置が、温度調節ユニットの上流に接続された、硫黄架橋可能ゴム混合物を製造するためのミキサを含み、ミキサと温度調節ユニットとの間に空間的に配置されたストレージユニットがあり、ストレージユニットは、ミキサ内で製造されたゴム混合物を40℃未満又は更には30℃未満まで冷却するように設定されている、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。このようなストレージユニットは、例えば、1ユーロパレットであり得る。
【0062】
本発明の上記態様の利点の1つは、当該技術分野で周知の押出成形後に特に40℃未満又は更には30℃未満の温度で予め保管されるゴム混合物が、1メートルあたりの重量の目標値からの特に大きな差異を有するということである。したがって、そのようなゴム混合物の場合に本発明の装置を使用すると特に有利である。
【0063】
硫黄架橋可能ゴム混合物の温度の非接触調節用の少なくとも1つの温度調節ユニットよりもむしろ、混合ツールのない温度調節ユニット、例えば、
- ゴム混合物を押し出すためのギヤ、
- ロールシステム
又は
- 押出機スクリュー
を有し、
混合ツールのない温度調節ユニットは、上記の又は下記の硫黄架橋可能ゴム混合物の温度の非接触調節用の温度調節ユニットに加えて好ましくは存在する、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0064】
本発明の上記態様の利点の1つは、上記温度調節ユニットが前記混合ツールを含む本発明の装置と比較すると、押出成形前に本発明の装置の前記温度調節ユニットにおいてゴム混合物のより迅速且つより低コストの加熱が行われることである。より具体的には、前記混合ツールのない上記温度調節ユニットは、ゴム分子の鎖が短くならず、最終的に得られるタイヤの化学的性質及び物性を、比例を上回る程度向上させるという利点を有する。あらゆる科学的な理論に拘束されることを望むものではないが、本明細書の技術的効果は、ゴム混合物又はその表面の温度が調節される、ゴム混合物の温度の測定を伴う非接触温度調節と後に続く閉ループ制御との新たな組み合わせに起因するものである。
【0065】
タイヤの製造用のゴム混合物の押し出しのために設定された、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0066】
装置が、硫黄架橋可能ゴム混合物の温度の非接触調節用の少なくとも1つの温度調節ユニットよりもむしろ、少なくとも1つのオーブン又はマイクロ波により加熱する少なくとも1つの加熱ユニットを含み、供給ユニット内に存在する硫黄架橋可能ゴム混合物を少なくとも70℃まで加熱するように好ましくは設計されている、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。温度調節ユニットはまた、IR源を排他的に又は追加的に含んでもよい。
【0067】
装置が、非接触温度調節用の温度調節ユニットに加えて、少なくとも1つのオーブン又はマイクロ波により加熱する少なくとも1つの加熱ユニットを含み、供給ユニット内に存在する硫黄架橋可能ゴム混合物を少なくとも70℃まで加熱するように好ましくは設計されている、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0068】
本発明の上記態様の利点の1つは、本発明の装置の押出ユニットの上流で少なくとも50℃まで加熱することにより、1メートルあたりの重量の想定目標値からの差異が3分の1に減少することである。このような、1メートルあたりの重量の目標値からの差異が3分の1に減少することは、本発明以外の装置と比較して少なくとも7%の生産性の増加をもたらし、したがって、環境に対する負荷の大幅な削減をもたらす。同時に、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置において、1メートルあたりの重量の目標値からの差異が減少するのみならず、押出ユニット内で生じるゴム混合物の圧力及び圧力のばらつき、又は押出ユニット内のゴム混合物の押し出しに使用される押出ユニットの押出機スクリューの駆動力も減少する。
【0069】
装置が、ゴム混合物を下流の押出ユニットに供給するための少なくとも1つの供給ユニットを更に含み、供給ユニットは、ロールシステム又は1つ若しくは2つの押出機スクリューを有する押出機又はゴム混合物を押し出すための当業者に周知の別の装置を含み、供給ユニットは、温度調節ユニットの下流に好ましくは接続されている、上記の又は上で好ましいと記載した本発明の装置が優先される。
【0070】
本発明の上記態様の利点の1つは、追加的な供給ユニットの上記使用が、押出ゴムプロファイルの1メートルあたりの重量の目標値からの差異の更なる低減につながることである。
【0071】
- 硫黄架橋可能ゴム混合物の温度の非接触調節用の少なくとも1つの温度調節ユニットと、
- 温度調節ユニットの下流に接続されている少なくとも1つの押出ユニットと、
を含む、
装置であって、
- 装置が、複数の測定センサを更に含み、
- 温度調節ユニットは、温度調節ユニット内に存在する硫黄架橋可能ゴム混合物を少なくとも50℃まで加熱するように設計されており、
- 複数の測定センサは、温度調節ユニット内のゴム混合物の温度及び圧力並びに押出ユニット内のゴム混合物の温度及び圧力を確認するように設計及び配置されており、
- 装置が、押出ユニットの下流で押し出されたゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつきに応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するように設計された閉ループ制御ユニットを更に含み、
- 装置が、温度調節ユニットの上流に接続された、硫黄架橋可能ゴム混合物を製造するためのミキサを有し、
- 温度調節ユニットは、ゴム混合物を押し出すためのギヤ、ロールシステム、又は押出機スクリューなどの任意の混合ツールを有さず、
- 温度調節ユニットは、少なくとも1つのIR源又は少なくとも1つのオーブン又はマイクロ波により加熱する少なくとも1つの加熱ユニットを含み、
- 供給ユニットは、ロールシステム又は押出機を含み、供給ユニットは、温度調節ユニットの下流に接続されている、
ことを特徴とする、上述の本発明の装置が特に高度に優先される。
【0072】
上記の若しくは上で好ましいと記載した又は一態様として以下に記載するプロセス、並びに押出硫黄架橋可能ゴム混合物を製造するための本発明のプロセスの実施のための本発明の装置の上記の有利な態様は、以下に記載する使用の全ての態様にも適用可能であり、本発明の使用に関して以下に記載する有利な態様は、上記の若しくは上で好ましいと記載した又は一態様として以下に記載するプロセス、及び押出硫黄架橋可能ゴム混合物を製造するための本発明のプロセスの実施のための本発明の装置の全ての態様に同様に適用可能である。
【0073】
本発明はまた、上記の又は上で好ましいと記載した、押出硫黄架橋可能ゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつきを低減するための装置の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下、本発明を、態様の形態の更なる実施形態において記載する。
1.
- 硫黄架橋可能ゴム混合物の温度の非接触調節用の少なくとも1つの温度調節ユニットと、
- 温度調節ユニットの下流に接続されている少なくとも1つの押出ユニットと、
を含む、硫黄架橋可能ゴム混合物を押し出すための装置であって、
温度調節ユニットは、温度調節ユニット内に存在する硫黄架橋可能ゴム混合物を少なくとも40℃まで加熱するように設計されている
ことを特徴とする、装置。
2.装置が測定センサを含み、測定センサの1つ以上が、温度調節ユニット内のゴム混合物の温度並びに押出ユニット内のゴム混合物の温度及び圧力を確認するように設計及び配置されている、態様1に記載の装置。
3.装置が、
- 押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
及び/又は
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力
及び/又は
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力のばらつき
及び/又は
- 押出ユニットの下流で押し出されたゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつき
に応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するように設計された閉ループ制御ユニットを更に含む、態様1又は2に記載の装置。
4.装置が、温度調節ユニットの上流に接続された、硫黄架橋可能ゴム混合物を製造するためのミキサを有する、態様1~3のいずれかに記載の装置。
5.装置が、ゴム混合物を下流の押出ユニットに供給するための少なくとも1つの供給ユニットを更に含み、供給ユニットは、ロールシステム又は押出機を含み、供給ユニットは、温度調節ユニットの下流に好ましくは接続されている、態様1~4のいずれかに記載の装置。
6.硫黄架橋可能ゴム混合物の非接触温度調節用の少なくとも1つの温度調節ユニットよりもむしろ、
- ゴム混合物を押し出すためのギヤ、ロールシステム、又は押出機スクリューなどの混合ツールのない温度調節ユニットを有する、
及び/又は
- 装置が、少なくとも1つのオーブン又はマイクロ波により加熱する少なくとも1つの加熱ユニットを含み、供給ユニット内に存在する硫黄架橋可能ゴム混合物を少なくとも70℃まで加熱するように好ましくは設計されている、
態様1~5のいずれかに記載の装置。
7.押出硫黄架橋可能ゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつきを低減するための態様1~6のいずれかに記載の装置の使用。
8.押出硫黄架橋可能ゴム混合物の製造プロセスであって、以下のプロセスステップ、即ち、
A)硫黄架橋可能ゴム混合物をミキサを用いて製造するステップ又は硫黄架橋可能ゴム混合物を用意するステップであって、硫黄架橋可能ゴム混合物の温度は35℃未満である、ステップと、
B)ステップA)において製造された又は用意された硫黄架橋可能ゴム混合物の温度を、温度調節ユニット内で少なくとも40℃に調節するステップと、
C)温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を測定するステップと、
D)ステップC)において測定された硫黄架橋可能ゴム混合物を35℃以上の温度で押出ユニットに供給し、押出ユニット内に供給されたゴム混合物を押し出すステップと、
を含む、製造プロセス。
9.プロセスは、以下のステップE)、即ち、
E)
- 押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
及び/又は
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力
及び/又は
- 押出ユニット内のゴム混合物の圧力のばらつき
及び/又は
- 押出ユニットの下流で押し出されたゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつき
に応じて温度調節ユニット内のゴム混合物の温度を制御するステップを更に含む、態様8~10のいずれかに記載のプロセス。
10.ステップB)において温度調節ユニット内で温度が調節された硫黄架橋可能ゴム混合物は、少なくとも部分的に、40℃~150℃の範囲、好ましくは50℃~110℃の範囲の温度を有する、態様8~10のいずれかに記載のプロセス。
11.ステップD)において押出ユニットに供給される硫黄架橋可能ゴム混合物は、少なくとも部分的に、20℃~150℃の範囲、好ましくは40℃~80℃の範囲の温度を有する、及び/又は5~150barの範囲、好ましくは70~110barの範囲、より好ましくは90~105barの範囲、最も好ましくは93~100barの範囲の圧力を有する、態様8~10のいずれかに記載のプロセス。
本願は特許請求の範囲に記載の発明に係るものであるが、本願の開示は以下も包含する:
1. 押出硫黄架橋可能ゴム混合物の製造プロセスであって、以下のプロセスステップ、即ち、
A)硫黄架橋可能ゴム混合物をミキサを用いて製造するステップ又は硫黄架橋可能ゴム混合物を用意するステップであって、前記硫黄架橋可能ゴム混合物の温度は35℃未満である、ステップと、
B)ステップA)において製造された又は用意された前記硫黄架橋可能ゴム混合物の前記温度を、温度調節ユニット内で少なくとも40℃に非接触で調節するステップと、
C)任意選択的に、ステップB)において前記温度が調節された前記ゴム混合物の前記温度を測定するステップと、
D)前記温度がステップB)において調節され、ステップC)において測定された前記硫黄架橋可能ゴム混合物を35℃以上の温度で押出ユニットに供給し、前記押出ユニット内に前記供給されたゴム混合物を押し出すステップと、
を含む、製造プロセス。
2. 前記プロセスは、以下のステップE)、即ち、
E)閉ループ制御ユニットを用い、
- 前記押出ユニットのスクリューを回転させるための駆動力
及び/又は
- 前記押出ユニット内の前記ゴム混合物の圧力
及び/又は
- 前記押出ユニット内の前記ゴム混合物の圧力のばらつき
及び/又は
- 前記押出ユニットの下流で押し出された前記ゴム混合物の1メートルあたりの重量のばらつき
に応じてゴム混合物の前記温度を制御するステップ
を更に含む、前記1.に記載のプロセス。
3. 前記温度調節ユニット及び/又は前記押出ユニットは測定センサを含み、前記測定センサの1つ以上は、ステップC)において前記温度調節ユニット内の前記ゴム混合物の前記温度を確認する、並びに/又は更なるプロセスステップにおいて前記押出ユニット内の前記ゴム混合物の前記温度及び前記圧力を確認する、前記1.又は2.に記載のプロセス。
4. 前記プロセスは、ステップA)の前に実施される以下のステップA0)、即ち、
A0)硫黄架橋可能ゴム混合物を、前記温度調節ユニットの上流に接続された、硫黄架橋可能ゴム混合物の製造用のミキサを用いて製造するステップ
を含む、前記1.~3.のいずれか一項に記載のプロセス。
5. 前記プロセスのステップD)が、以下の通りの、即ち、
D)ステップC)において測定された前記硫黄架橋可能ゴム混合物を供給ユニットを用いて35℃以上の温度で押出ユニットに供給し、前記押出ユニットに供給された前記ゴム混合物を前記押出ユニット内で押し出すステップであって、前記供給ユニットは、ロールシステム又は押出機を含み、前記供給ユニットは、前記温度調節ユニットの下流に好ましくは接続されている、ステップ
である、前記1.~4.のいずれか一項に記載のプロセス。
6. ステップB)において前記温度調節ユニット内で前記温度が調節された前記硫黄架橋可能ゴム混合物は、少なくとも部分的に、40℃~150℃の範囲、好ましくは50℃~110℃の範囲の温度を有する、前記1.~5.のいずれか一項に記載のプロセス。
7. ステップD)において前記押出ユニットに供給される前記硫黄架橋可能ゴム混合物は、少なくとも部分的に、20℃~150℃の範囲、好ましくは40℃~80℃の範囲の温度を有する、前記1.~6.のいずれか一項に記載のプロセス。
8. ステップD)において前記押出ユニットに供給される前記硫黄架橋可能ゴム混合物は、5~150barの範囲、好ましくは70~110barの範囲、より好ましくは90~105barの範囲、最も好ましくは93~100barの範囲の圧力を有する、前記1.~7.のいずれか一項に記載のプロセス。
9. 前記1.~8.のいずれか一項に記載のプロセスを実施するための装置であって、
- 硫黄架橋可能ゴム混合物の温度の非接触調節用の少なくとも1つの温度調節ユニットと、
- 前記温度調節ユニットの下流に接続されている少なくとも1つの押出ユニットと、を含む、装置。
10. 押出硫黄架橋可能混合物の1メートルあたりの重量のばらつきを低減するための前記9.に記載の装置の使用。