IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 台達電子工業股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-アンテナアレイ装置 図1
  • 特許-アンテナアレイ装置 図2
  • 特許-アンテナアレイ装置 図3
  • 特許-アンテナアレイ装置 図4
  • 特許-アンテナアレイ装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】アンテナアレイ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/08 20060101AFI20230720BHJP
   H01Q 1/52 20060101ALI20230720BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q1/52
H01Q21/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022024484
(22)【出願日】2022-02-21
(65)【公開番号】P2023035786
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】202111022962.3
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】596039187
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】黄 傑超
(72)【発明者】
【氏名】陳 彦廷
(72)【発明者】
【氏名】許 向榮
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/175835(WO,A1)
【文献】特開2021-022915(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104157982(CN,A)
【文献】特開2020-053908(JP,A)
【文献】B.Farooq et al.,"Antenna design for advance wireless systems using metamaterial surfaces",2016 13th International Bhurban Conference on Applied Sciences and Technology (IBCAST),2016年,pp.641-646,DOI: 10.1109/IBCAST.2016.7429947
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 1/52
H01Q 21/06
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地面と、
前記接地面に設けられる基板と、
前記基板に設けられ、複数のアンテナユニットを含むアンテナアレイと、
前記接地面に接続されずに、前記アンテナアレイを取り囲んで配列されるように、前記基板に設けられる複数のパッチ素子と、
を備え
前記複数のパッチ素子は、少なくとも2つの環形領域に沿って配列されるように、前記基板に内から外へ設けられ、
前記複数のパッチ素子の幾何学的中心と前記複数のアンテナユニットの幾何学的中心との間の最小距離は、前記アンテナアレイの動作周波数帯域の中心周波数の波長の1/4以上であり、且つ前記アンテナアレイの前記動作周波数帯域の前記中心周波数の波長の3/4以下である
アンテナアレイ装置。
【請求項2】
記複数のアンテナユニットの隣接する両者の間の距離は、前記アンテナアレイの動作周波数帯域の中心周波数の波長の2分の1であり、前記複数のアンテナユニット及び前記複数のパッチ素子は、前記基板に印刷された複数の金属シートである請求項1に記載のアンテナアレイ装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つの形領域は、中空の正方形である請求項2に記載のアンテナアレイ装置。
【請求項4】
前記複数のパッチ素子内の隣接する両者の幾何学的中心の間の距離は、前記アンテナアレイの動作周波数帯域の中心周波数の波長の1/4以上であり、且つ前記アンテナアレイの前記動作周波数帯域の前記中心周波数の波長の3/4以下である請求項1に記載のアンテナアレイ装置。
【請求項5】
前記アンテナアレイによる水平方向に走査される放射効率及びアンテナ利得と、前記アンテナアレイによる垂直方向に走査される放射効率及びアンテナ利得とを増加させるように、前記アンテナアレイは、前記複数のパッチ素子と共振する請求項1に記載のアンテナアレイ装置。
【請求項6】
接地面と、
前記接地面に設けられる基板と、
前記基板に設けられる複数のアンテナアレイと、
前記接地面に接続されずに、前記複数のアンテナアレイのうちのそれぞれを取り囲んで配列されるように、前記基板に設けられる複数のパッチ素子と、
を備えるアンテナアレイ装置。
【請求項7】
前記複数のアンテナアレイは、複数のアンテナユニットを含み、
前記複数のアンテナユニット内の隣接する両者の間の距離は、前記複数のアンテナアレイの動作周波数帯域の中心周波数の波長の2分の1であり、前記複数のアンテナユニット及び前記複数のパッチ素子は、前記基板に印刷された複数の金属シートである請求項6に記載のアンテナアレイ装置。
【請求項8】
前記複数のパッチ素子は、前記複数のアンテナアレイのそれぞれを取り囲む少なくとも2つの中空の正方形である環形構造に沿って配列されるように、前記複数のアンテナアレイのそれぞれを中心点として前記基板に内から外へ設けられ、
前記複数のパッチ素子の幾何学的中心と前記複数のアンテナユニットの幾何学的中心との間の最小距離は、前記複数のアンテナアレイの動作周波数帯域の中心周波数の波長の1/4以上であり、且つ前記複数のアンテナアレイの前記動作周波数帯域の前記中心周波数の波長の3/4以下である請求項7に記載のアンテナアレイ装置。
【請求項9】
前記複数のパッチ素子内の隣接する両者の幾何学的中心の間の距離は、前記複数のアンテナアレイの動作周波数帯域の中心周波数の波長の1/4以上であり、且つ前記複数のアンテナアレイの前記動作周波数帯域の前記中心周波数の波長の3/4以下である請求項6に記載のアンテナアレイ装置。
【請求項10】
前記複数のアンテナアレイによる水平方向に走査される放射効率及びアンテナ利得と、前記複数のアンテナアレイによる垂直方向に走査される放射効率及びアンテナ利得と、前記複数のアンテナアレイの間のアイソレーションを増加させるように、前記複数のアンテナアレイのそれぞれは、前記複数のパッチ素子のうちの近傍するものと共振する請求項6に記載のアンテナアレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第5世代新無線(5G new radio;5GNR)の技術に関し、特に、アンテナアレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代新無線(5G new radio;5GNR)ミリ波(mmWave)アンテナアレイ(antenna array)において、走査角度(steering angle)は、アンテナビーム(antenna beam)の達成可能な走査範囲に対する評価基準である。しかし、アンテナアレイは、信号を送受信する際に、表面波(surface wave)を発生させることが多く、アンテナアレイの間に結合効果(coupling effect)が発生するため、その走査角度が影響を受けることが多い。従って、対称的な走査フィールドを達成し、比較的に大きな走査角度の利得を増加させるように、アンテナアレイの間の結合効果を如何に低減するかは、当業者が至急に解決する必要のある課題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、接地面と、接地面に設けられる基板と、基板に設けられるアンテナアレイと、接地面に接続されずに、アンテナアレイを取り囲んで配列されるように、基板に設けられる複数のパッチ素子と、を備えるアンテナアレイ装置を提供する。
【0004】
本発明は、接地面と、接地面に設けられる基板と、基板に設けられる複数のアンテナアレイと、接地面に接続されずに、複数のアンテナアレイのそれぞれを取り囲んで配列されるように、基板に設けられる複数のパッチ素子と、を備えるアンテナアレイ装置を提供する。
【発明の効果】
【0005】
上記に鑑み、本発明の提供するアンテナアレイ装置は、アンテナアレイの周りを取り囲んだ、接地しない複数のパッチ素子によって、アンテナアレイの間の結合効果を低減し、比較的に大きな走査角度の利得を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施例によるアンテナアレイ装置を示す平面図である。
図2】本発明の実施例によるアンテナアレイ装置を示す側面図である。
図3】本発明の別の実施例によるアンテナアレイ装置を示す平面図である。
図4】本発明の別の実施例によるアンテナアレイ装置の水平偏波を水平方向に走査した放射効率(radiation efficiency)及びアンテナ利得(antenna gain)を示す模式図である。
図5】本発明の別の実施例によるアンテナアレイ装置の水平偏波を垂直方向に走査した放射効率及びアンテナ利得を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の実施例によるアンテナアレイ装置100を示す平面図であり、x-y平面における平面図である。図2は、本発明の実施例によるアンテナアレイ装置100を示す側面図であり、x-y平面における側面図である。図1及び図2を同時に参照すると、本発明のアンテナアレイ装置100は、接地面Gと、接地面Gに設けられる基板Sと、基板Sに設けられるアンテナアレイarrと、接地面Gに接続されずに(即ち、フローティングの形態で)、アンテナアレイarrを取り囲んで配列されるように、基板Sに設けられる複数のパッチ素子patと、を備える。
【0008】
いくつかの実施例において、接地面Gは、銅箔等の金属材質で作製されてよい。いくつかの実施例において、基板Sは、絶縁材質で製造されたプリント回路基板(printed circuit board;PCB)であってよく、その材質としては、テフロン(登録商標、PTFE)又はエポキシ樹脂(FR4)等のPCBの製造によく用いられる材質であってよい。
【0009】
いくつかの実施例において、アンテナアレイarrは、複数のアンテナユニットantを含んでよく、これらの複数のアンテナユニットantの隣接する両者の間の距離D1がアンテナアレイarrの動作周波数帯域の中心周波数の波長の2分の1であってよく、これらの複数のアンテナユニットant及び上記複数のパッチ素子patは、基板Sに印刷された複数の金属シートであってよい。
【0010】
いくつかの実施例において、アンテナユニットantの数は2のn乗であってよく、nは任意の正の整数であってよい。好ましい実施例において、アンテナユニットantの数は16個であってよい。
【0011】
いくつかの実施例において、アンテナユニットantは、単一偏波アンテナユニットや二重偏波アンテナユニット等の、アンテナアレイに任意に設けられるアンテナユニットであってよく、特に限定されない。好ましい実施例において、アンテナユニットantは、二重偏波アンテナユニットであってよく、且つパッチアンテナ(patch antenna)ユニットであってよく、また、第1偏波方向及び第2偏波方向を有してよい。例としては、アンテナユニットantは、x-y平面におけるx方向の水平偏波及びy方向の垂直偏波を有してよい。
【0012】
いくつかの実施例において、アンテナユニットantの形状は、任意の形状(例えば、正方形、矩形、菱形等)の金属シートであってよく、特に限定されない。好ましい実施例において、アンテナユニットantの形状は、正方形であってよい。
【0013】
いくつかの実施例において、アンテナユニットantは、それぞれが信号を給電して二重偏波信号を送受信するための2つの給電点fpを有してよい。例としては、アンテナユニットantの2つの給電点fpは、何れも基板Sに平行である別の基板(図示せず)に接続され、且つそれぞれ信号を給電してx-y平面におけるx方向の水平偏波の信号及びy方向の垂直偏波の信号を送受信することに用いられる。
【0014】
いくつかの実施例において、複数のアンテナユニットantの上の給電点fpは対称的に設けられてもよい(例えば、水平偏波の信号を生成するように、1~2行目のアンテナユニットantは左側の給電点fpを有し、3~4行目のアンテナユニットantは右側の給電点fpを有する。垂直偏波の信号を生成するように、1~2列目のアンテナユニットantは上側の給電点fpを有し、3~4列目のアンテナユニットantは下側の給電点fpを有する)。
【0015】
いくつかの実施例において、複数のパッチ素子patは、中空の正方形である環形領域a1~a3に沿って配列されるように、基板Sに内から外へ設けられてよい。更に、これらの複数のパッチ素子の幾何学的中心と複数のアンテナユニットantの幾何学的中心との間の最小距離D2は、アンテナアレイarrの動作周波数帯域の中心周波数の波長の1/4以上であり、且つアンテナアレイarrの動作周波数帯域の前記中心周波数の波長の3/4以下であってよい。
【0016】
詳細には、複数のパッチ素子patは、環形領域a1~a3において、3つの中空正方形の形状に配列されてよく、且つ環形領域a1におけるパッチ素子patの幾何学的中心と、アンテナアレイarrにおいて最外周に配列されたアンテナユニットantの幾何学的中心との間に、最小距離D2が存在する。最小距離D2は、アンテナアレイarrの動作周波数帯域の中心周波数の1/4波長以上であり、且つアンテナアレイarrの動作周波数帯域の中心周波数の3/4波長以下であってよい。
【0017】
注意すべきなのは、パッチ素子patを有する環形領域の数は、2以上の任意の正の整数であってよく、特に限定されない。好ましい実施例において、環形領域の数は、3個であってよい。
【0018】
いくつかの実施例において、パッチ素子patの形状は、任意の形状の金属シート(例えば、正方形、矩形、又は菱形等)であってもよく、特に限定されない。好ましい実施例において、パッチ素子patは、形状が正方形であってよく、その面積がアンテナユニットantの面積と等しくてよい。
【0019】
いくつかの実施例において、複数のパッチ素子pat内の隣接する両者の幾何学的中心の間の距離D3は、アンテナアレイarrの動作周波数帯域の中心周波数の波長の1/4以上であってよく、且つアンテナアレイarrの動作周波数帯域の中心周波数の波長の3/4以下であってよい。好ましい実施例において、距離D3は、上記距離D1及び上記最小距離D2と等しくてよい。
【0020】
詳細には、環形領域a1における隣接する2つのパッチ素子patの幾何学的中心の間に、距離D3が存在する。環形領域a2における隣接する2つのパッチ素子patの幾何学的中心の間にも、距離D3が存在する。環形領域a3における隣接する2つのパッチ素子patの幾何学的中心の間にも、距離D3が存在する。更に、環形領域a1におけるパッチ素子patの幾何学的中心と環形領域a2におけるパッチ素子patの幾何学的中心との間には、距離D3に等しい別の最小距離が存在する。環形領域a2におけるパッチ素子patの幾何学的中心と環形領域a3におけるパッチ素子patの幾何学的中心との間にも、距離D3に等しい別の最小距離が存在する。
【0021】
いくつかの実施例において、アンテナアレイarrによる水平方向に走査される放射効率(radiation efficiency)及びアンテナ利得(antenna gain)と、アンテナアレイarrによる垂直方向に走査される放射効率及びアンテナ利得とを増加させるように、アンテナアレイarrは、複数のパッチ素子と共振してよい。
【0022】
詳細には、アンテナアレイarrが信号を送信又は受信する場合、アンテナアレイarrは、基板Sに表面波(surface wave)を発生させる可能性がある。表面波は、アンテナアレイarrの水平方向の大きな走査角度(steering angle)での放射効率及びアンテナ利得に影響を与え、垂直方向の大きな走査角度での放射効率及びアンテナ利得にも影響を与える。
【0023】
上記影響を防止するために、環形領域a1~a3に沿って内から外へ配列された複数のパッチ素子patがこの表面波と共振することで、アンテナアレイarrによる水平方向及び垂直方向の大きな走査角度での放射効率及びアンテナ利得を大きく増加させることができる。
【0024】
上記に基づき、環形領域a1~a3に沿って内から外へ配列された複数のパッチ素子patにより、アンテナアレイ装置100の大きな走査角度での放射効率及びアンテナ利得を大きく増加させることができる。
【0025】
図3は、本発明の別の実施例によるアンテナアレイ装置200を示す平面図である。図3を参照すると、アンテナアレイ装置200は、図1のアンテナアレイ装置100と同様の構造を有し、両者の相違はアンテナアレイの数だけにあり、アンテナアレイarr1~arr4及びアンテナアレイarr1~arr4の周りをそれぞれ取り囲むパッチ素子patの何れもアンテナアレイ装置100と同じ構造を有する。従って、ここでは、相違点についてのみ説明し、その他の類似の箇所については説明を省略する。
【0026】
まず、アンテナアレイ装置200は、4個のアンテナアレイarr1~arr4を備える。いくつかの実施例において、アンテナアレイ装置200におけるアンテナアレイの数は、1より大きい任意の正の整数であってよく、特に限定されない。好ましい実施例において、アンテナアレイ装置200におけるアンテナアレイの数は4であってよい。
【0027】
注意すべきなのは、アンテナアレイarr1~arr4の周りのこれらのパッチ素子patは、アンテナアレイarr1~arr4の水平方向及び垂直方向の大きな走査角度での放射効率及びアンテナ利得を増加させることができることに加えて、アンテナアレイarr1~arr4により発生する表面波が隣接するアンテナアレイに与える干渉による走査の非対称性を更に大きく減少させることができる。
【0028】
つまり、アンテナアレイarr1~arr4の周りのこれらのパッチ素子patの配列形態により、アンテナアレイarr1~arr4の水平方向及び垂直方向の走査角度、及びアンテナアレイarr1~arr4の間のアイソレーションを大きく増加させることができる。
【0029】
上記に基づき、アンテナアレイarr1~arr4の周りを取り囲む複数のパッチ素子patにより、アンテナアレイ装置200の大きな走査角度での放射効率及びアンテナ利得を大きく増加させることができることに加えて、アンテナアレイ装置200におけるアンテナアレイarr1~arr4の間のアイソレーションを大きく増加させることができる。
【0030】
以下の説明では、水平偏波を例とするが、垂直偏波の効果も同じであるので、説明を省略する。図4は、本発明の別の実施例によるアンテナアレイ装置200の水平偏波を水平方向に走査した放射効率及びアンテナ利得を示す模式図である。図3及び図4を同時に参照すると、アンテナアレイarr1~arr4が周りに取り囲まれたパッチ素子patを有しなく且つ互いに近接して設けられる時に、アンテナアレイarr4は、水平方向の走査角度が-50~50度である場合、水平偏波の放射効率の曲線HE2を有する。一方、アンテナアレイ装置200の構造を採用する時に、アンテナアレイarr4は、走査角度の方位角が-50~50度である場合、水平偏波方向の放射効率の曲線HE1を有する。これにより、水平方向の走査角度が-50~-30度及び30~50度である時に、アンテナアレイ装置200は、水平方向に10%~15%の放射効率を増加しながら、同じ正負の角度における走査の値がより一致することが分かる。更に、アンテナアレイarr1~arr4が周りに取り囲まれたパッチ素子patを有しなく且つ互いに近接して設けられる時に、アンテナアレイarr4は、水平方向の走査角度が-50~50度である場合、水平のアンテナ利得の曲線HG2を有する。アンテナアレイ装置200の構造を採用する時に、アンテナアレイarr4は、水平方向の走査角度が-50~50度である場合、水平偏波のアンテナ利得の曲線HG1を有する。これにより、水平方向の走査角度が-50~-30度及び30~50度である時に、アンテナアレイ装置200は、水平方向に2dB~3dBのアンテナ利得を増加させることができるとともに、同じ正負の角度におけるアンテナアレイ装置200による走査の値がより一致することが分かる。
【0031】
図5は、本発明の別の実施例によるアンテナアレイ装置200の水平偏波を垂直方向に走査した放射効率及びアンテナ利得を示す模式図である。図3及び図5を同時に参照すると、アンテナアレイarr1~arr4が周りに取り囲まれたパッチ素子patを有しなく且つ互いに近接して設けられる時に、アンテナアレイarr4は、垂直方向の走査角度が-50~50度である場合、水平偏波の放射効率の曲線VE2を有する。アンテナアレイ装置200の構造を採用する時に、アンテナアレイarr4は、垂直方向の走査角度が-50~50度である場合、水平偏波の放射効率の曲線VE1を有する。これにより、垂直方向の走査角度が-50~-30度及び30~50度である時に、アンテナアレイ装置200は、垂直方向に5%~10%の放射効率を増加させることができることが分かる。
【0032】
更に、アンテナアレイarr1~arr4が周りに取り囲まれたパッチ素子patを有しなく且つ互いに近接して設けられる時に、アンテナアレイarr4は、垂直方向の走査角度が-50~50度である場合、水平偏波のアンテナ利得の曲線VG2を有する。アンテナアレイ装置200の構造を採用する時に、アンテナアレイarr4は、垂直方向の走査角度が-50~50度である場合、水平偏波方向のアンテナ利得の曲線VG1を有する。これにより、垂直走査角度が-50~-30度及び30~50度である時に、アンテナアレイ装置200は、垂直方向に0.2dB~1.5dBのアンテナ利得を増加させることができることが分かる。
【0033】
以上をまとめると、本発明によるアンテナアレイ装置は、上記した接地しないパッチ素子の設置形態を利用して、アンテナアレイの大きな走査角度での放射効率及びアンテナ利得を大きく増加させることができる。また、パッチ素子も、複数のアンテナアレイの間のアイソレーションを大きく増大させることができる。
【0034】
本発明は、実施例により前述の通りに開示されたが、実施例が本開示内容を限定するものではなく、当業者であれば、本開示内容の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えることができる。従って、本開示内容の保護範囲は、下記特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0035】
100、200 アンテナアレイ装置
ant アンテナユニット
arr、arr1~arr4 アンテナアレイ
pat パッチ素子
fp 給電点
a1~a3 環形領域
D1、D3 距離
D2 最小距離
S 基板
G 接地面
HE1、VE1、HE2、VE2 放射効率の曲線
HG1、VG1、HG2、VG2 アンテナ利得の曲線
図1
図2
図3
図4
図5