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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】蒸発冷却システム
(51)【国際特許分類】
   F16K 49/00 20060101AFI20230720BHJP
   A23L 3/22 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
F16K49/00 A
A23L3/22
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022068554
(22)【出願日】2022-04-18
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000157946
【氏名又は名称】岩井機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】望月 由紀夫
(72)【発明者】
【氏名】柳沼 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】勝木 純彦
【審査官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-528157(JP,A)
【文献】特開2010-004850(JP,A)
【文献】増田直也 ,アセプティツク製造ラインにおけるUHT技術 UHT Sterilization in Aceptic Processing System,食品と開発 9月号 ,第43巻,日本,牧野 順一 CMPジャパン株式会社,2008年09月01日,第18-20ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 49/00
A23L 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状製品を加熱殺菌する殺菌装置と、
前記殺菌装置から陽圧で液状製品が送液され、液状製品の流量を制御する流量制御バルブと、
前記流量制御バルブから送液された液状製品を陰圧下で蒸発させて冷却する冷却装置と、を備える蒸発冷却システムであって、
前記流量制御バルブは、弁室と、前記弁室に連通する流路を形成する入口部及び出口部と、前記弁室から前記出口部へ流入する液状製品の流量を制御する弁装置と、を備え、
前記弁装置は、前記弁室と前記出口部との境界である弁口の開度を調節可能な弁体部、及び前記弁体部を進退移動させる弁軸部と、を有し、
前記弁室は、前記弁口とは反対側に開口し、前記弁軸部が挿通する開口を有し、
さらに前記流量制御バルブは、前記弁軸部と前記開口との間を封止するダイアフラムと、前記弁軸部とで前記ダイアフラムを挟持するバックプレートと、を備え、
前記入口部は、前記殺菌装置が接続され、
前記出口部は、前記冷却装置が接続される
ことを特徴とする蒸発冷却システム
【請求項2】
請求項1に記載する蒸発冷却システムであって、
前記入口部は、前記弁室から鉛直方向の下方に延びた円筒状に形成され、
前記出口部は、前記弁室から水平方向に延びた円筒状に形成されている
ことを特徴とする蒸発冷却システム
【請求項3】
請求項1に記載する蒸発冷却システムであって、
前記出口部の周囲には、冷却水が流通するジャケットが設けられている
ことを特徴とする蒸発冷却システム
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか一項に記載する蒸発冷却システムであって、
前記弁体部は、前記弁口側に向かって縮径している
ことを特徴とする蒸発冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料などの高温液体を、陰圧下に蒸発させ急速冷却する蒸発冷却タンクの入口部に設けられる流量制御バルブ及び蒸発冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より二本の流路を接続し、流量を制御する流量制御バルブが知られている(例えば、特許文献1参照)。流量制御バルブは、一例として、高温液体を陰圧下で冷却する装置(以下、冷却装置)へ送液する手前で流量を制御するために用いられる。
【0003】
図5は、従来の流量制御バルブの要部の断面図である。従来の流量制御バルブ100は、弁室121を備えており、弁室121は入口部122、出口部123を有している。また、弁室121は、弁口128及び開口129が設けられている。開口129は、蓋部材153により塞がれている。固定部材150が蓋部材153に当接した状態で、クランプ160により弁室121に固定されている。
【0004】
入口部122は、弁室121から水平方向に延びた円筒形状を有しており、殺菌装置(図示せず)と接続するための配管(図示せず)が接続される。出口部123は、弁室121から鉛直方向の下側に延びた円筒形状を有しており、冷却装置(図示せず)が接続される。
【0005】
弁室121の内部には、弁軸部133と、弁軸部133に取り付けられた弁体部132が配置されている。弁軸部133が進退移動可能となっており、弁軸部133の進退移動により弁口128の開度が弁体部132により調整される。また、弁軸部133を囲うように金属製のベローズ140が設けられている。
【0006】
このような流量制御バルブ100は、殺菌装置から高温の液状製品が入口部122、弁口128から弁室121に流入する。弁室121の内部は、出口部123側に設けられた冷却装置に連なるので陰圧となっている。このため、弁室121に流入した液状製品の一部は直ちに蒸発する。この蒸発成分は、弁室121に滞留するので、ベローズ140や弁体部132に付着して焦げ付く虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2006-97901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、液状製品の蒸発成分の焦げ付きを抑えることができる流量制御バルブ及び蒸発冷却システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、液状製品を加熱殺菌する殺菌装置と、前記殺菌装置から陽圧で液状製品が送液され、液状製品の流量を制御する流量制御バルブと、前記流量制御バルブから送液された液状製品を陰圧下で蒸発させて冷却する冷却装置と、を備える蒸発冷却システムであって、前記流量制御バルブは、弁室と、前記弁室に連通する流路を形成する入口部及び出口部と、前記弁室から前記出口部へ流入する液状製品の流量を制御する弁装置と、を備え、前記弁装置は、前記弁室と前記出口部との境界である弁口の開度を調節可能な弁体部、及び前記弁体部を進退移動させる弁軸部と、を有し、前記弁室は、前記弁口とは反対側に開口し、前記弁軸部が挿通する開口を有し、さらに前記流量制御バルブは、前記弁軸部と前記開口との間を封止するダイアフラムと、前記弁軸部とで前記ダイアフラムを挟持するバックプレートと、を備え、前記入口部は、前記殺菌装置が接続され、前記出口部は、前記冷却装置が接続されることを特徴とする蒸発冷却システムにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、液状製品の蒸発成分の焦げ付きを抑えることができる流量制御バルブ及び蒸発冷却システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】流量制御バルブを含む液状製品の蒸発冷却システムの概略構成を示す図である。
図2】流量制御バルブの要部の断面図である。
図3図2の一部を拡大した図である。
図4図2のA-A線断面図である。
図5】従来技術に係る流量制御バルブの要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
【0014】
図1は、本実施形態に係る流量制御バルブを含む液状製品の蒸発冷却システム1の概略構成を示す図である。蒸発冷却システム1は、液状製品を加熱殺菌する殺菌装置2と、加熱殺菌された液状製品を冷却する冷却装置3と、殺菌装置2から冷却装置3へ送られる液状製品の流量を制御する流量制御バルブ10とを備えている。
【0015】
殺菌装置2、流量制御バルブ10、冷却装置3は、配管を介して直列的に接続されている。これらの装置、配管などを製造ラインと称する。製造ラインには、図示しないが、殺菌装置2の上流に液状製品を製造・供給する装置等があり、冷却装置3の下流に液状製品を貯留したり容器に充填したり様々な処理を行う装置等がある。また、製造ラインを流通する液体は、製造ラインの任意の箇所から供給される気体の圧力で下流に向けて圧送されるか、製造ラインの任意の箇所に設けられたポンプにより圧送されるか、又は、製造ラインに高低差を付けることにより送液される。
【0016】
殺菌装置2は、液状製品に蒸気を直接接触させて加熱殺菌する、いわゆるインフュージョン式の殺菌装置である。殺菌装置2により加熱殺菌された液状製品は、配管を介して流量制御バルブ10に送られる。なお、殺菌装置2は、請求項に記載の供給源の一例である。
【0017】
冷却装置3は、陰圧下で液状製品を冷却する装置である。具体的には、冷却装置3は、液状製品を一時的に貯留するタンク、及びタンク内を減圧させるためのポンプ等を備えた構成となっている。液状製品を貯留したタンク内をポンプによって陰圧にすることで、液状製品に含まれている水分が蒸発する。この水分の蒸発によって液状製品は熱を奪われて冷却される。このような冷却装置3は公知のものであるので、詳細な構成は省略する。
【0018】
流量制御バルブ10は、殺菌装置2と冷却装置3の間に設けられ、液状製品の流量を制御する装置である。図2図4を用いて詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態である流量制御バルブ10の要部の断面図である。図3は、図2の一部を拡大した図である。図4は、図2のA-A線断面図である。
【0019】
流量制御バルブ10は、L型ボディ20を備えている。L型ボディ20は、弁室21、入口部22及び出口部23の各部を有する。
【0020】
弁室21は、両端に弁口28及び開口29を有する円筒状に形成されている。弁室21は、出口部23との境界である弁口28に向けて徐々に縮径し、弁口28を介して出口部23と連通している。また、弁室21には、内側に突出し、内周面に沿った突部27が形成されている。
【0021】
入口部22は、鉛直方向の下側に開口した円筒状に形成され、弁室21の下側に連通している。入口部22は、下側の開口に入口側フランジ24が形成されている。入口側フランジ24には、殺菌装置2と流量制御バルブ10を接続する配管が固定される。
【0022】
出口部23は、弁室21よりも短い径の円筒状に形成され、弁室21に対して水平方向の一方側(図2では右側)に連通している。出口部23は、弁室21とは反対側の開口に出口側フランジ25が形成されている。出口側フランジ25には、流量制御バルブ10と冷却装置3を接続する配管が固定される。
【0023】
また、弁室21から出口部23を見た平面(図4参照)において、入口部22の中心線が弁室21の中心からずれている。このような構成とすることで、弁室21内における液状製品の流れを均一にするとともに、滞留を低減することができる。さらに、ステム31の振動を抑制することができる。
【0024】
流量制御バルブ10は、弁室21から出口部23へ流入する液状製品の流量を制御する弁装置30を備えている。具体的には、弁装置30は、弁室21及び出口部23の中心軸に沿うように配置されたステム31を有する。ステム31は、図示しないアクチュエーターにより中心軸に沿う方向(図2の左右方向)に進退移動可能となっている。
【0025】
ステム31は、弁体部32及び弁軸部33を有している。弁体部32は、弁口28の開度を調節可能な形状となっている。具体的には弁体部32は紡錘形状に形成されており、最も径が大きい部分が弁口28を塞ぐ形状となっている。弁軸部33は、一端側に弁体部32が取り付けられている。また、ステム31は、取付部34を有している。取付部34は、弁軸部33と同軸であり、弁軸部33からジョイント部材55側へ突出している。取付部34の側面にはネジが切られている。さらに、弁軸部33は、取付部34側の一部が縮径した段差部35を有している。
【0026】
ダイアフラム40は、樹脂で形成された部材であり、中央には第1挿通孔41が設けられている。また、バックプレート52は、中央に段差状に開口した第3挿通孔53が設けられた部材である。第3挿通孔53のうち狭い径の部分を第3挿通孔53a、広い径の部分を第3挿通孔53bとする。バックプレート52の第3挿通孔53bには、ジョイント部材55が嵌合している。
【0027】
取付部34は、第1挿通孔41及び第3挿通孔53を挿通し、ジョイント部材55に設けられたネジ穴56に螺合している。このように取付部34がネジ穴56に螺合することで、ダイアフラム40の第1挿通孔41の縁部が段差部35とバックプレート52によって挟持されている。また、ダイアフラム40の周縁部は、固定部材50と突部27とに挟持されている。このように挟持されたダイアフラム40は、弁室21の開口29と弁軸部33との間を封止している。なお、段差部35と、ダイアフラム40の第1挿通孔41の縁部の間には第2Oリング42が設けられている。固定部材50と突部27との間にも第1Oリング26が設けられている。
【0028】
固定部材50は、ジョイント部材55が挿通する第2挿通孔51と、第2挿通孔51に連通し、バックプレート52が収容可能な凹部54を有している。固定部材50は、第2挿通孔51にジョイント部材55が挿通し、凹部54にバックプレート52が収容された状態で、L型ボディ20の開口29に取り付けられ、クランプ60によって固定されている。なお、図示しないが、固定部材50は、凹部54と反対側にアクチュエーターが取り付けられている。
【0029】
ステム31は、ジョイント部材55を介して接続したアクチュエーターにより左右方向に進退移動する。ステム31が左方向に移動した状態、すなわち、ステム31が最もアクチュエーター側に引き寄せられた状態では、弁体部32(二点鎖線部分参照)が弁口28を塞ぐ。この状態を閉状態と称する。また、閉状態では、バックプレート52は凹部54の底部に当接し、ダイアフラム40(点線部分参照)は凹部54側へ撓んでいる。
【0030】
ステム31が右方向に移動した状態、すなわち、ステム31が出口部23側へ押された状態では、弁体部32(実線部分参照)が弁口28から離れ、弁口28が開放される。この状態を開状態と称する。ステム31を移動させる距離に応じて弁口28の開度が調節され、弁室21から出口部23へ流入する液状製品の流量を制御することが可能となっている。開状態では、バックプレート52は凹部54の底部から離れ、ダイアフラム40(実線部分参照)は弁室21側に凸となるように伸長している。
【0031】
また、L型ボディ20にはジャケット70が設けられている。ジャケット70は、出口部23の側面に沿った流路71を形成している。ジャケット70は、冷却水を流路71に供給する供給口72、及び流路71から排出される排出口73が設けられている。
【0032】
上述した構成の流量制御バルブ10は、入口部22及び弁室21に殺菌装置2がが接続され、出口部23に冷却装置3が接続されている。殺菌装置2から陽圧で高温の液状製品が入口部22及び弁室21に流入する。弁装置30により弁口28の開度を調整することで、液状製品は弁室21から出口部23を経て冷却装置3へ送液される。
【0033】
冷却装置3は陰圧下で液状製品を減圧することから、冷却装置3に接続された出口部23も陰圧となり、液状製品は出口部23に流入すると蒸発し始める。一部の蒸発した液状製品を蒸発成分と称する。
【0034】
このように、流量制御バルブ10では、蒸発成分の発生が出口部23に限定される。したがって、仮に蒸発成分が出口部23で滞留したとしても、弁室21の内部にあるダイアフラム40やステム31(弁軸部33や弁体部32の一部)には蒸発成分の影響が及びにくく、ダイアフラム40等に蒸発成分が焦げ付くことを防止することができる。
【0035】
また、従来技術では、弁室121が陰圧であることから、外気の流入を防止するためにスチームシールを用いている。具体的には、図5に示すように、開口129と固定部材150との間には、円周状の流路170が形成されており、図示しない注入口を介して陽圧の蒸気が注入される。しかしながら、図2に示したように、本発明の流量制御バルブ10では、弁室21は陽圧であることからスチームシールが不要となり、構造の簡素化、コストの低減を図ることができる。
【0036】
図5に示したように、従来技術では冷却装置3によって陰圧となることから、弁室121及び出口部123に蒸発成分が発生する。出口部123は、弁室121から鉛直方向の下方に延びているため、蒸発成分が弁室121及び出口部123に滞留しやすい。そして弁室121には、ベローズ140、蓋部材153、弁体部132等が配置されているため、それらに蒸発成分が焦げ付きやすい。
【0037】
一方、図2に示したように、本発明の流量制御バルブ10においては、出口部23は、弁室21から水平方向に延びた円筒状の構造である。このような構造とすることで、蒸発成分は、冷却装置3へ移動し、出口部23に滞留し難くなっている。このため、蒸発成分が出口部23に滞留して焦げ付くことを抑制することができる。
【0038】
さらに、流量制御バルブ10は、出口部23の周りにジャケット70を設け、冷却水を流通する構成となっている。このため、出口部23が冷却され、蒸発成分の焦げ付きを抑制することができる。
【0039】
また、図5に示したように、従来技術では、陰圧であることから弁室121を区画する部材として金属製のベローズ140を用いざるを得なかった。しかしながら、図2に示したように、本発明の流量制御バルブ10では、弁室21は陽圧であることから樹脂製のダイアフラム40を採用することができ、金属製のベローズ140と比較して耐久性が向上している。
【0040】
このような流量制御バルブ10を備えた蒸発冷却システム1は、冷却装置3の陰圧による蒸発成分の発生が出口部23に限定される。したがって、仮に蒸発成分が出口部23で滞留したとしても、弁室21の内部にあるダイアフラム40やステム31(弁軸部33や弁体部32の一部)に蒸発成分が焦げ付くことを防止することができる。
【0041】
本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
陽圧の液状製品を供給する供給源としてインフュージョン式の殺菌装置2を例示したが、これに限定されない。シェルチューブ式、プレート式、ジュール加熱式など任意の方式の殺菌装置を用いることができる。さらには、供給源としては殺菌装置に限らず、流量制御バルブ10に液状製品を供給することが可能な装置であればよい。
【0042】
供給源から供給される液状製品は陽圧である必要はなく、供給源から流量制御バルブ10の弁室21に至るまでの流路内で蒸発しない程度の圧力が掛っていればよい。
【0043】
入口部22は弁室21から鉛直方向の下方に延び、出口部23は弁室21から水平方向の伸びる構成としたが、入口部22及び出口部23が弁室21から延びる方向は任意でよい。出口部23が鉛直方向の下方に向けて延びていても、出口部23で発生した蒸発成分は、弁口28が弁体部32で完全に又は一部が塞がれているので、弁室21には入り込みにくく、弁室21の内部にあるダイアフラム40や弁軸部33が焦げ付くことを抑制できる。
【0044】
L型ボディ20には、出口部23の周囲にジャケット70が設けられていたが、必須の構成ではない。
【0045】
弁装置30は、ジョイント部材55を介してアクチュエーターにより進退移動するが、これに限定されない。例えば、手動操作で弁装置30を進退動作させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…蒸発冷却システム、2…殺菌装置(供給源)、3…冷却装置、10…流量制御バルブ、21…弁室、22…入口部、23…出口部、28…弁口、29…開口、30…弁装置、31…ステム、32…弁体部、33…弁軸部、34…取付部、40…ダイアフラム、70…ジャケット
【要約】
【課題】液状製品の蒸発成分の焦げ付きを抑えることができる流量制御バルブを提供する。
【解決手段】弁室21と、入口部22と、出口部23と、液状製品の流量を制御する弁装置30と、を備え、入口部22及び弁室21は、液状製品を供給する供給源が接続され、出口部23は、液状製品を陰圧下で蒸発させて冷却する冷却装置が接続される。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5