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特許7316459デュアル基準電圧発生器、等化回路及びメモリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】デュアル基準電圧発生器、等化回路及びメモリ
(51)【国際特許分類】
   G11C 7/10 20060101AFI20230720BHJP
   G06F 12/00 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
G11C7/10 505
G06F12/00 550K
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022538822
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2021097395
(87)【国際公開番号】W WO2022062467
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】202011017186.3
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジーチアン
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-102119(JP,A)
【文献】特開2009-110643(JP,A)
【文献】特表2019-522289(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/002130(US,A1)
【文献】国際公開第2020/005592(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 7/10
G06F 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアル基準電圧発生器であって、等化回路に適用され、
オリジナルコード、第1コード及び第2コードを受信し、受信した前記オリジナルコードと第1コードに基づいて、第1基準電圧を発生させ、受信した前記オリジナルコードと第2コードに基づいて、第2基準電圧を発生させ、前記第1基準電圧が前記第2基準電圧と異なることを特徴とする、デュアル基準電圧発生器。
【請求項2】
前記デュアル基準電圧発生器は、第1処理回路、第2処理回路、第1セレクタ、第2セレクタ、第1出力バッファ回路、第2出力バッファ回路及び分圧回路を含み、
前記第1処理回路は、2つの入力端が前記第1コードと前記オリジナルコードをそれぞれ受信し、出力端が前記第1セレクタの制御端に接続され、
前記第2処理回路は、2つの入力端が前記第2コードと前記オリジナルコードをそれぞれ受信し、出力端が前記第2セレクタの制御端に接続され、
前記分圧回路の出力端は、前記第1セレクタの入力端と前記第2セレクタの入力端にそれぞれ接続され、
前記第1セレクタの出力端は前記第1出力バッファ回路の入力端に接続され、前記第2セレクタの出力端は前記第2出力バッファ回路の入力端に接続され、前記第1基準電圧は前記第1出力バッファ回路の出力端から出力され、前記第2基準電圧は前記第2出力バッファ回路の出力端から出力されることを特徴とする
請求項1に記載のデュアル基準電圧発生器。
【請求項3】
前記分圧回路は、それぞれが出力する電圧が異なる複数の電圧出力端を含むことを特徴とする
請求項2に記載のデュアル基準電圧発生器。
【請求項4】
前記分圧回路の複数の電圧出力端は、前記第1セレクタの複数の入力端、前記第2セレクタの複数の入力端にそれぞれ接続されることを特徴とする
請求項3に記載のデュアル基準電圧発生器。
【請求項5】
前記第1セレクタは、前記第1処理回路から出力されたコードに基づいて、前記分圧回路から出力された複数の電圧から1つの電圧を選択して前記第1出力バッファ回路に出力し、前記第2セレクタは、前記第2処理回路から出力されたコードに基づいて、前記分圧回路から出力された複数の電圧から1つの電圧を選択して前記第2出力バッファ回路に出力することを特徴とする
請求項4に記載のデュアル基準電圧発生器。
【請求項6】
前記第1処理回路は、前記第1処理回路の受信した前記オリジナルコードと前記第1コードに対して加算処理を行い、処理後のコードを出力する加算器を含み、
前記第2処理回路は、前記第2処理回路の受信した前記オリジナルコードと前記第2コードに対して減算処理を行い、処理後のコードを出力する減算器を含むことを特徴とする
請求項5に記載のデュアル基準電圧発生器。
【請求項7】
前記第1処理回路は、入力端が前記加算器の出力端に接続され、出力端が前記第1セレクタの制御端に接続される第1デコーダを更に含み、
前記第2処理回路は、入力端が前記減算器の出力端に接続され、出力端が前記第2セレクタの制御端に接続される第2デコーダを更に含むことを特徴とする
請求項6に記載のデュアル基準電圧発生器。
【請求項8】
前記第1基準電圧が前記第2基準電圧より大きいことを特徴とする
請求項1~7のいずれか一項に記載のデュアル基準電圧発生器。
【請求項9】
前記第1セレクタと前記第2セレクタには同じ回路構成が採用されることを特徴とする
請求項2~7のいずれか一項に記載のデュアル基準電圧発生器。
【請求項10】
前記第1出力バッファ回路と前記第2出力バッファ回路には同じ回路構成が採用されることを特徴とする
請求項2~7のいずれか一項に記載のデュアル基準電圧発生器。
【請求項11】
前記第1デコーダと前記第2デコーダには同じ回路構成が採用されることを特徴とする
請求項7に記載のデュアル基準電圧発生器。
【請求項12】
等化回路であって、
デュアル基準電圧発生器、第1入力バッファ回路、第2入力バッファ回路及び選択サンプリング回路を含み、
前記デュアル基準電圧発生器は請求項1~11のいずれか一項に記載のデュアル基準電圧発生器であり、前記デュアル基準電圧発生器から出力される2種の異なる基準電圧は、それぞれ前記第1入力バッファ回路と前記第2入力バッファ回路の入力基準電圧であり、
前記第1入力バッファ回路と前記第2入力バッファ回路は前記選択サンプリング回路にそれぞれ接続され、
前記選択サンプリング回路は、前記等化回路から前回に出力されたデータに基づいて、前記第1入力バッファ回路から出力されるデータ信号又は前記第2入力バッファ回路から出力されるデータ信号を選択してデータのサンプリングを行って、収集されたデータを前記等化回路の現在出力するデータとすることを特徴とする、等化回路。
【請求項13】
前記デュアル基準電圧発生器で受信した前記オリジナルコード、第1コード及び第2コードがいずれも目標値である場合、前記等化回路の受信データに対応するアイパターン内の電圧マージンとタイミングマージンがいずれも最大値になることを特徴とする
請求項12に記載の等化回路。
【請求項14】
前記オリジナルコード、前記第1コード及び前記第2コードの目標値は、
前記オリジナルコード、前記第1コード及び前記第2コードの初期値を0に設置するステップ1と、
前記オリジナルコードの値に1を足し、前記等化回路の受信データに対応するアイパターン内のタイミングマージンの大きさを測定するステップ2と、
前記タイミングマージンの最大値が得られるまで、前記ステップ2を繰り返して実行するステップ3と、
前記オリジナルコードの目標値を、前記タイミングマージンが最大値となる時の前記オリジナルコードの値として設置するステップ4と、
前記第1コードと前記第2コードの値にそれぞれ1を足し、前記等化回路の受信データに対応するアイパターン内の電圧マージンの大きさを測定するステップ5と、
前記電圧マージンの最大値が得られるまで、前記ステップ5を繰り返して実行するステップ6と、
前記第1コードと前記第2コードの目標値を、前記電圧マージンが最大値となる時の前記第1コードと前記第2コードの値として設置するステップ7とによって、設置されることを特徴とする
請求項13に記載の等化回路。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか一項に記載の等化回路を含むことを特徴とする、メモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年9月24日に中国特許庁に提出された、出願番号が202011017186.3であり、出願名称が「デュアル基準電圧発生器、等化回路及びメモリ」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本願の実施例は、集積回路の技術分野に関し、特に、デュアル基準電圧発生器、等化回路及びメモリに関するものである。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ高速リンクにおいて、データ信号の伝送速度がますます速くなるのに伴い、明らかな符号間干渉(Inter Symbol Interference:ISIと略称する)の発生を回避することが困難になっている。従って、高速リンクデータ信号に対して等化処理を行い、それによって、使用可能なデータ信号を再度取得することが必要になる。
【0004】
メモリ受信器回路設計において、主に連続時間線形等化器(Continuous Time Linear Equalizer:CTLE)アーキテクチャを用いて等化処理を行い、その機能として、チャンネルの減衰特性により信号補償を行ってデータ信号の品質を向上させることである。
【0005】
従来の等化回路においては、単一の安定的基準電圧のみが提供されることが一般的であり、高速受信器の受信データ信号の処理要求を満たすことが困難である。従って、等化回路の等化処理効果を向上させるために、等化回路内の基準電圧をどのように設計するかは、早急な解決の待たれる課題である。
【発明の概要】
【0006】
本願の実施例は、等化回路の等化処理効果を効果的に向上可能なデュアル基準電圧発生器、等化回路及びメモリを提供する。
【0007】
第1態様において、本願の実施例は、デュアル基準電圧発生器を提供し、等化回路に適用され、オリジナルコード、第1コード及び第2コードを受信し、受信した前記オリジナルコードと第1コードに基づいて、第1基準電圧を発生させ、受信した前記オリジナルコードと第2コードに基づいて、第2基準電圧を発生させ、前記第1基準電圧が前記第2基準電圧と異なる。
【0008】
本願による上記デュアル基準電圧発生器は、2種の異なる基準電圧を提供でき、等化処理工程で異なる基準電圧の需要を良好に満たして、等化回路の等化処理効果を向上させることができる。
【0009】
実行可能な一実施形態では、前記デュアル基準電圧発生器は第1処理回路、第2処理回路、第1セレクタ、第2セレクタ、第1出力バッファ回路、第2出力バッファ回路及び分圧回路を含む。
【0010】
前記第1処理回路は2つの入力端が前記第1コードと前記オリジナルコードをそれぞれ受信し、出力端が前記第1セレクタの制御端に接続される。
【0011】
前記第2処理回路は、2つの入力端が前記第2コードと前記オリジナルコードをそれぞれ受信し、出力端が前記第2セレクタの制御端に接続される。
【0012】
前記分圧回路の出力端は、前記第1セレクタの入力端と前記第2セレクタの入力端にそれぞれ接続される。
【0013】
前記第1セレクタの出力端は前記第1出力バッファ回路の入力端に接続され、前記第2セレクタの出力端は前記第2出力バッファ回路の入力端に接続され、前記第1基準電圧は前記第1出力バッファ回路の出力端から出力され、前記第2基準電圧は前記第2出力バッファ回路の出力端から出力される。
【0014】
実行可能な一実施形態では、前記分圧回路は、それぞれが出力する電圧が異なる複数の電圧出力端を含む。
【0015】
実行可能な一実施形態では、前記分圧回路の複数の電圧出力端は、前記第1セレクタの複数の入力端、前記第2セレクタの複数の入力端にそれぞれ接続される。
【0016】
実行可能な一実施形態では、前記第1セレクタは、前記第1処理回路から出力されたコードに基づいて、前記分圧回路から出力された複数の電圧から1つの電圧を選択して前記第1出力バッファ回路に出力し、前記第2セレクタは、前記第2処理回路から出力されたコードに基づいて、前記分圧回路から出力された複数の電圧から1つの電圧を選択して前記第2出力バッファ回路に出力する。
【0017】
実行可能な一実施形態では、前記第1処理回路は、前記第1処理回路の受信した前記オリジナルコードと前記第1コードに対して加算処理を行い、処理後のコードを出力する加算器を含み、前記第2処理回路は、前記第2処理回路の受信した前記オリジナルコードと前記第2コードに対して減算処理を行い、処理後のコードを出力する減算器を含む。
【0018】
実行可能な一実施形態では、前記第1処理回路は、入力端が前記加算器の出力端に接続され、出力端が前記第1セレクタの制御端に接続される第1デコーダを更に含み、前記第2処理回路は、入力端が前記減算器の出力端に接続され、出力端が前記第2セレクタの制御端に接続される第2デコーダを更に含む。
【0019】
実行可能な一実施形態では、前記第1基準電圧が前記第2基準電圧より大きい。
【0020】
実行可能な一実施形態では、前記第1セレクタと前記第2セレクタには同じ回路構成が採用される。
【0021】
実行可能な一実施形態では、前記第1出力バッファ回路と前記第2出力バッファ回路には同じ回路構成が採用される。
【0022】
実行可能な一実施形態では、前記第1デコーダと前記第2デコーダには同じ回路構成が採用される。
【0023】
第2態様においては、本願の実施例は、デュアル基準電圧発生器、第1入力バッファ回路、第2入力バッファ回路及び選択サンプリング回路を含む等化回路を提供する。
【0024】
前記デュアル基準電圧発生器は、本願の第1態様で提供されたデュアル基準電圧発生器であり、出力する2種の異なる基準電圧がそれぞれ前記第1入力バッファ回路と前記第2入力バッファ回路の入力基準電圧となる。
【0025】
前記第1入力バッファ回路と前記第2入力バッファ回路がそれぞれ前記選択サンプリング回路に接続される。
【0026】
前記選択サンプリング回路は、前記等化回路から前回に出力されたデータに基づいて、前記第1入力バッファ回路から出力されるデータ信号又は前記第2入力バッファ回路から出力されるデータ信号を選択してデータのサンプリングを行って、収集されたデータを前記等化回路の現在出力するデータとする。
【0027】
本願の実施例による上記等化回路は、2種の異なる基準電圧を採用する入力バッファ回路を含み、データ収集時、等化回路から前回に出力されたデータに基づいて、上記2つの入力バッファ回路から適切な入力バッファ回路を1つ選択してから、選択された入力バッファ回路から出力されたデータ信号に対してデータのサンプリングを行って、等化回路の入力電圧マージンを効果的に増加して、更に受信データ信号の品質を向上させることができる。
【0028】
実行可能な一実施形態では、前記デュアル基準電圧発生器の受信したオリジナルコード、第1コード及び第2コードがいずれも目標値となる時、前記等化回路の受信データに対応するアイパターン内の電圧マージンとタイミングマージンがいずれも最大値になる。
【0029】
実行可能な一実施形態では、前記オリジナルコード、前記第1コード及び前記第2コードの目標値は、
前記オリジナルコード、前記第1コード及び前記第2コードの初期値を0に設置するステップ1と、
前記オリジナルコードの値に1を足し、前記等化回路の受信データに対応するアイパターン内のタイミングマージンの大きさを測定するステップ2と、
前記タイミングマージンの最大値が得られるまで、前記ステップ2を繰り返して実行するステップ3と、
前記オリジナルコードの目標値を、前記タイミングマージンが最大値となる時の前記オリジナルコードの値として設置するステップ4と、
前記第1コードと前記第2コードの値にそれぞれ1を足し、前記等化回路の受信データに対応するアイパターン内の電圧マージンの大きさを測定するステップ5と、
前記電圧マージンの最大値が得られるまで、前記ステップ5を繰り返して実行するステップ6と、
前記第1コードと前記第2コードの目標値を、前記電圧マージンが最大値となる時の前記第1コードと前記第2コードの値として設置するステップ7とによって設置される。
【0030】
第3態様においては、本願の実施例は、本願の第2態様で提供された等化回路を含むメモリを提供する。
【0031】
本願の実施例は、デュアル基準電圧発生器、等化回路及びメモリを提供し、デュアル基準電圧発生器は、等化回路に適用され、オリジナルコード、第1コード及び第2コードを受信し、受信したオリジナルコード、第1コード及び第2コードに基づいて、2種の異なる基準電圧を出力する。即ち、本願によるデュアル基準電圧発生器は、等化処理で異なる基準電圧の需要をより良好に満たして、等化回路の等化処理効果を向上させることができ、また、上記オリジナルコード、第1コード及び第2コードの値を予め配置することによって、上記等化回路の受信データに対応するアイパターン内の電圧マージンとタイミングマージンをいずれも最大値にでき、更に受信データ信号の品質を向上可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本願の実施例によるデュアル基準電圧発生器の回路構成模式図である。
図2】本願の実施例による別のデュアル基準電圧発生器の回路構成模式図である。
図3】本願の実施例による等化回路の回路構成模式図である。
図4】本願の実施例による別の等化回路の回路構成模式図である。
図5】本願の実施例による等化回路のデータ収集過程でのオシログラムである。
図6】本願の実施例による等化回路の等化処理効果模式図である。
図7】本願の実施例によるデュアル基準電圧発生器入力コードを決定する模式的フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本願の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以上に本願の実施例又は従来技術の記述に用いられる図面について簡単に説明するが、当然ながら、以下に記載する図面は単に本願の実施例の一部であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面に想到し得る。
【0034】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本願の実施例における図面を参照し、本願の実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく、得られた他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0035】
本願の実施例は、新たなデュアル基準電圧発生器を提供し、等化回路に適用され、該等化回路は、各種の高速インターフェース回路に適用することができ、具体的には各種のメモリ製品内の受信器回路に適用することができ、例えば、DDR4型メモリ内の受信器回路に適用することができる。
【0036】
現在、等化回路の設計においては、単一の安定的基準電圧のみが採用されることが一般であり、現在の等化回路に求められる等化処理効果を満たすことが困難である。
【0037】
等化回路の等化処理効果を向上させるために、本願の実施例は、等化回路に適用されるデュアル基準電圧発生器を提供し、該デュアル基準電圧発生器は、2種の異なる基準電圧を提供し、等化回路の2つの入力バッファ回路に入力することができ、等化回路はデータ収集時、等化回路から前回に出力されたデータに基づいて、上記2つの入力バッファ回路からそのうちの一方から出力されたデータ信号を選択してデータ収集を行うことができ、それによって、前倒しして等化処理を行い、等化処理で異なる基準電圧の需要をより良好に満たして、等化処理効果を向上させることができる。
【0038】
具体的には、上記デュアル基準電圧発生器はオリジナルコード、第1コード及び第2コードを受信し、受信したオリジナルコードと第1コードに基づいて、第1基準電圧を発生させ、受信したオリジナルコードと第2コードに基づいて、第2基準電圧を発生させることができる。第1基準電圧が第2基準電圧と異なる。
【0039】
本願の実施例によるデュアル基準電圧発生器の回路構成模式図である図1を参照し、上記デュアル基準電圧発生器は、第1処理回路11、第2処理回路12、第1セレクタ13、第2セレクタ14、第1出力バッファ回路15、第2出力バッファ回路16及び分圧回路17を含む。
【0040】
第1処理回路11は、2つの入力端が第1コードADD<3:0>とオリジナルコードOriginal_code<5:0>をそれぞれ受信し、出力端が第1セレクタ13の制御端bに接続される。
【0041】
第2処理回路12は、2つの入力端が第2コードSUB<3:0>とオリジナルコードOriginal_code<5:0>をそれぞれ受信し、出力端が第2セレクタ14の制御端bに接続される。
【0042】
分圧回路17の出力端は、第1セレクタ13の入力端と第2セレクタ14の入力端にそれぞれ接続される。
【0043】
分圧回路17は、それぞれが出力する電圧が異なる複数の電圧出力端を含む。
【0044】
選択可能に、分圧回路17は、シリーズの抵抗を直列に接続することによってシリーズの分圧を得ることができる抵抗分圧回路を含む。
【0045】
分圧回路17は複数の電圧出力端が第1セレクタ13の複数の入力端と第2セレクタ14の複数の入力端にそれぞれ接続される。説明すべきこととして、図1において、理解しやすくするために、分圧回路17の1つの電圧出力端が第1セレクタ13の1つの入力端aに接続されることだけ示されており、分圧回路17の1つの電圧出力端が第2セレクタ14の1つの入力端aに接続されることだけ示されている。
【0046】
第1セレクタ13の出力端は第1出力バッファ回路15の入力端に接続され、第2セレクタ14の出力端は第2出力バッファ回路16の入力端に接続され、第1基準電圧VREFDQ_ADDは第1出力バッファ回路15の出力端から出力され、第2基準電圧VREFDQ_SUBは第2出力バッファ回路16の出力端から出力される。
【0047】
本願の可能な一実施形態では、第1セレクタ13は第1処理回路11から出力されたコードに基づいて、分圧回路17から出力された複数の電圧から1つの電圧を選択して第1出力バッファ回路15に出力し、第2セレクタ14は第2処理回路12から出力されたコードに基づいて、分圧回路17から出力された複数の電圧から1つの電圧を選択して第2出力バッファ回路16に出力する。
【0048】
具体的には、第1処理回路11は第1コードADD<3:0>とオリジナルコードOriginal_code<5:0>を受信して、第1コードADD<3:0>とオリジナルコードOriginal_code<5:0>を処理し、処理後に得られたコードを第1セレクタ13に入力し、第1セレクタ13は受信したコードに基づいて、分圧回路17から出力された複数の電圧から1つの電圧を選択してから、選択された電圧を第1出力バッファ回路15に出力し、第1出力バッファ回路15は受信した電圧に基づいて第1基準電圧VREFDQ_ADDを出力する。
【0049】
同様に、第2処理回路12は第2コードSUB<3:0>とオリジナルコードOriginal_code<5:0>を受信して、第2コードSUB<3:0>とオリジナルコードOriginal_code<5:0>を処理し、処理後に得られたコードを第2セレクタに入力し、第2セレクタ14は受信したコードに基づいて、分圧回路17から出力された複数の電圧から1つの電圧を選択してから、選択された電圧を第2出力バッファ回路16に出力し、第2出力バッファ回路16は受信した電圧に基づいて第2基準電圧VREFDQ_SUBを出力する。
【0050】
選択可能に、オリジナルコードOriginal_code<5:0>はDDR4メモリ内のモードレジスタMR6の第0、1、2、3、4、5ビット、即ちMR6 A[5:0]であってよい。本願はDDR4メモリのVREFDQ補正モードで、MR6 A[5:0]を配置することができる。
【0051】
実行可能な一実施形態では、回路整合度を向上させて、回路設計コストを節約できるように、第1セレクタ13と第2セレクタ14には同じ回路構成が採用され、及び/又は、第1出力バッファ回路15と第2出力バッファ回路16には同じ回路構成が採用される。
【0052】
本願の実施例によるデュアル基準電圧発生器は、上記第1コード、第2コード及びオリジナルコードに基づいて、2種の異なる基準電圧を出力することができ、等化処理工程で異なる基準電圧の需要を良好に満たして、等化回路の等化処理効果を向上させることができる。
【0053】
上記実施例に記載された内容に基づき、本願の実施例による別のデュアル基準電圧発生器の回路構成模式図である図2を参照する。
【0054】
本願の実施例では、第1処理回路11は、第1処理回路11の受信した第1コードADD<3:0>とオリジナルコードOriginal_code<5:0>に対して加算処理を行い、処理後のコードを出力するように構成される加算器111を含む。
【0055】
一例として、加算器111はOriginal_code<5:0>にADD<3:0>を足すことできる。
【0056】
第2処理回路12は、第2処理回路12の受信した第2コードSUB<3:0>とオリジナルコードOriginal_code<5:0>に対して減算処理を行い、処理後のコードを出力するように構成される減算器121を含む。
【0057】
一例として、減算器121はOriginal_code<5:0>からSUB<3:0>を差し引くことができる。
【0058】
第1処理回路11は、入力端が加算器111の出力端に接続され、出力端が第1セレクタ13の制御端bに接続される第1デコーダ112を更に含む。
【0059】
第2処理回路12は、入力端が減算器121の出力端に接続され、出力端が第2セレクタ14の制御端bに接続される第2デコーダ122を更に含む。
【0060】
ここで、第1デコーダ112は加算器111から出力されるコードをデコードし、特定形式のデータを出力するように構成される。同じ原理によれば、第2デコーダ122は減算器121から出力されるコードをデコードするように構成される。
【0061】
選択可能に、回路整合度を向上させて、回路設計コストを節約できるように、第1デコーダと第2デコーダは同じ回路構成であってよい。
【0062】
本願の実施例では、第1セレクタ13と第2セレクタ14で受信したコード値が大きいほど、分圧回路17で発生したシリーズの電圧から選択して出力する電圧が大きくなる。
【0063】
理解可能なこととして、第1デコーダ112で出力するコードは、第1コードADD<3:0>とオリジナルコードOriginal_code<5:0>に基づいて加算処理を行った後に生成するものであり、第2デコーダ122で出力するコードは、第2コードSUB<3:0>とオリジナルコードOriginal_code<5:0>に基づいて減算処理を行った後に生成するものであり、そのため、第1セレクタ13で受信するコード値が第2セレクタ14で受信するコード値より大きく、更に第1セレクタ13が分圧回路17から出力されたシリーズの電圧から選択する電圧は、第2セレクタ14が分圧回路17から出力されたシリーズの電圧から選択する電圧より大きく、そのため、最後に出力される第1基準電圧を第2基準電圧より大きくできる。
【0064】
更に、上記実施例に記載された内容に基づき、本願の実施例においては、更に、等化回路を提供する。本願の実施例による等化回路の回路模式図である図3を参照する。図3において、上記等化回路はデュアル基準電圧発生器10、第1入力バッファ回路20、第2入力バッファ回路30及び選択サンプリング回路40を含む。
【0065】
ここで、デュアル基準電圧発生器10は上記実施例に記載されたデュアル基準電圧発生器であり、具体的には上記実施例内の内容を参照でき、ここで繰り返して説明しない。
【0066】
本実施例では、デュアル基準電圧発生器10から出力される2種の異なる基準電圧は、それぞれ第1入力バッファ回路20と第2入力バッファ回路30の入力基準電圧である。
【0067】
第1入力バッファ回路20と第2入力バッファ回路30がそれぞれ選択サンプリング回路40に接続され、選択サンプリング回路40は、等化回路から前回に出力されたデータに基づいて、第1入力バッファ回路20から出力されたデータ信号又は第2入力バッファ回路30から出力されたデータ信号を選択してデータのサンプリングを行って、収集されたデータを等化回路の現在出力するデータとする。
【0068】
一例として、等化回路から前回に出力されたデータの値が1である場合、選択サンプリング回路40は、第1入力バッファ回路20から出力されたデータ信号を選択してデータのサンプリングを行って、収集されたデータを等化回路の現在出力するデータとする。等化回路から前回に出力されたデータの値が0である場合、選択サンプリング回路40は、第2入力バッファ回路30から出力されたデータ信号を選択してデータのサンプリングを行って、収集されたデータを等化回路の現在出力するデータとする。
【0069】
理解可能なこととして、第1入力バッファ回路20と第2入力バッファ回路30に採用される基準電圧が異なるため、第1入力バッファ回路20と第2入力バッファ回路30が受信データと基準電圧を比較する時の電圧マージンも異なる。選択サンプリング回路40は、データ収集時、等化回路から前回に出力されたデータに基づいて、第1入力バッファ回路20から出力されたデータ信号からデータ収集を行うか、第2入力バッファ回路30から出力されたデータ信号からデータ収集を行うかを選択し、これによって、上記等化回路は前回出力のデータに基づいて前倒ししてデータ等化処理を行うことができ、ISIを除去して、受信データ信号の品質を向上させることに寄与する。
【0070】
更に、上記実施例に記載された内容に基づき、本願の実施例による別の等化回路の回路構成模式図である図4を参照する。本願の可能な一実施形態では、デュアル基準電圧発生器10は第1基準電圧出力端Hと第2基準電圧出力端Lを含み、第1基準電圧出力端Hから出力される第1基準電圧と第2基準電圧出力端Lから出力される第2基準電圧が異なる。
【0071】
選択可能に、第1基準電圧が第2基準電圧より大きい。
【0072】
第1基準電圧出力端Hが第1入力バッファ回路20の基準電圧入力端に接続され、第2基準電圧出力端Lが第2入力バッファ回路30の基準電圧入力端に接続される。
【0073】
本願の実施例では、選択サンプリング回路40は選択回路とサンプリング回路を含み、この選択回路とサンプリング回路とが接続される。上記選択回路は、上記サンプリング回路から送信されたデータに基づいて、第1入力バッファ回路20から出力されたデータ信号又は第2入力バッファ回路30から出力されたデータ信号を選択して、上記サンプリング回路に入力するように構成されてもよい。上記サンプリング回路はこの選択回路から入力したデータ信号に対してデータのサンプリングを行うように構成される。
【0074】
具体的には、また図4を参照し、上記選択回路は第1選択回路41と第2選択回路42を含み、上記サンプリング回路は第1サンプリング回路43と第2サンプリング回路44を含む。
【0075】
第1選択回路41の2つの入力端aとbは、第1入力バッファ回路20の出力端と第2入力バッファ回路30の出力端にそれぞれ接続され、第2選択回路42の2つの入力端aとbは、第1入力バッファ回路20の出力端と第2入力バッファ回路30の出力端にそれぞれ接続される。
【0076】
第1選択回路41は、出力端が第1サンプリング回路43の入力端に接続され、制御端cが第2サンプリング回路44の出力端に接続され、第2選択回路42は、出力端が第2サンプリング回路44の入力端に接続され、制御端cが第1サンプリング回路43の出力端に接続される。
【0077】
第1サンプリング回路43は、現在収集されたデータDQ_RISEを第2選択回路42の制御端cに送信するように構成され、第2選択回路42は、第1サンプリング回路43から送信されたデータDQ_RISEに基づいて、第1入力バッファ回路20又は第2入力バッファ回路30内のデータを選択して第2サンプリング回路44に入力する。
【0078】
第2サンプリング回路44は、現在収集されたデータDQ_FALLを第1選択回路41の制御端cに送信するように構成され、第1選択回路41は、第2サンプリング回路44から送信されたデータDQ_FALLに基づいて、第1入力バッファ回路20又は第2入力バッファ回路30内のデータを選択して第1サンプリング回路43に入力する。
【0079】
選択可能に、第1サンプリング回路43が第2選択回路42の制御端cに送信したデータDQ_RISEが1である場合、第2選択回路42は第1入力バッファ回路20の出力データを選択して第2サンプリング回路44に入力する。第1サンプリング回路43が第2選択回路42の制御端cに送信したデータDQ_RISEが0である場合、第2選択回路42は第2入力バッファ回路30の出力データを選択して第2サンプリング回路44に入力する。
【0080】
第2サンプリング回路44が第1選択回路41の制御端cに送信したデータDQ_FALLが1である場合、第1選択回路41は第1入力バッファ回路20の出力データを選択して第1サンプリング回路43に入力する。第2サンプリング回路44が第1選択回路41の制御端cに送信したデータDQ_FALLが0である場合、第1選択回路41は第2入力バッファ回路30の出力データを選択して第1サンプリング回路43に入力する。
【0081】
選択可能に、回路整合度を向上させて、回路設計コストを節約できるように、第1選択回路41と第2選択回路42は同じ回路構成を採用してもよい。
【0082】
選択可能に、回路整合度を向上させて、回路設計コストを節約するように、第1サンプリング回路43と第2サンプリング回路44は同じ回路構成を採用してもよい。
【0083】
更に、上記等化回路は、サンプリングクロック入力回路50を更に含み、サンプリングクロック入力回路50の出力端は、第1サンプリング回路43と第2サンプリング回路44のサンプリングクロックの入力端にそれぞれ接続され、第1サンプリング回路43と第2サンプリング回路44にサンプリングクロック信号を提供することができる。
【0084】
ここで、サンプリングクロック入力回路50は、互いに逆方向であるサンプリングクロック信号DQSとDQSBを受信することができる。
【0085】
また、サンプリングクロック入力回路50はコンパレータ回路と遅延回路を更に含む。遅延回路はコンパレータ回路から出力されるサンプリングクロック信号の位相を調節することができる。
【0086】
一例として、第1サンプリング回路43は、受信されたサンプリングクロック信号DQSが立ち上がりエッジである場合、第1選択回路41から出力されたデータ信号に基づいてデータのサンプリングを行って、データDQ_RISEを収集し、データDQ_RISEを第2選択回路42に送信して、第2選択回路42の制御信号とする。第2サンプリング回路44は、受信されたサンプリングクロック信号DQSが立ち下がりエッジである場合、第2選択回路42から出力されたデータ信号に基づいてデータのサンプリングを行って、データDQ_FALLを収集し、データDQ_FALLを第1選択回路41に送信して、第1選択回路41の制御信号とする。
【0087】
更に、また図4を参照し、第1入力バッファ回路20は第1コンパレータ回路21と第1遅延回路22を含み、第1コンパレータ回路21と第1遅延回路22とが直列に接続され、第1コンパレータ回路21の基準電圧入力端が第1基準電圧出力端Hに接続される。
【0088】
第2入力バッファ回路30は第2コンパレータ回路31と第2遅延回路32を含み、第2コンパレータ回路31と第2遅延回路32とが直列に接続され、第2コンパレータ回路31の基準電圧入力端が第2基準電圧出力端Lに接続される。
【0089】
第1コンパレータ回路21の信号入力端と第2コンパレータ回路31の信号入力端が同じ入力データ信号DQに接続される。
【0090】
ここで、第1遅延素子22は、DQ信号の位相を調節して、第1サンプリング回路43で受信されるDQ信号をサンプリングクロック信号と同期するように保持するために用いられ、これによって第1サンプリング回路43はサンプリングクロック信号に基づいて、正確なデータを収集することができる。第2遅延素子32は、同様にDQ信号の位相を調節して、第2サンプリング回路44で受信されるDQ信号をサンプリングクロック信号と同期するように保持するために用いられ、これによって第2サンプリング回路44はサンプリングクロック信号により正確なデータを収集することができる。
【0091】
選択可能に、回路整合度を向上させて、回路設計コストを節約できるように、第1コンパレータ回路21と第2コンパレータ回路31は同じ回路構成を採用してもよい。
【0092】
選択可能に、回路整合度を向上させて、回路設計コストを節約するように、第1遅延回路22と第2遅延回路32は同じ回路構成を採用してもよい。
【0093】
理解可能なこととして、等化回路の現在出力するデータが、サンプリングクロック信号DQSが立ち上がりエッジである時に第1サンプリング回路43により収集されたデータであれば、等化回路から前回に出力されたデータは、サンプリングクロック信号DQSがこの立ち上がりエッジの1つ前の隣接立ち下がりエッジである時に第2サンプリング回路44により収集されたデータであり、等化回路の現在出力するデータが、サンプリングクロック信号DQSが立ち下がりエッジである時に第2サンプリング回路44により収集されたデータであれば、等化回路から前回に出力されたデータは、サンプリングクロック信号DQSがこの立ち下がりエッジの1つ前の隣接立ち上がりエッジである時に第1サンプリング回路43により収集されたデータである。
【0094】
本願の実施例をより良好に理解するために、本願の実施例による等化回路のデータ収集過程でのオシログラムである図5を参照する。
【0095】
図5において、DQ_VREFDQADDは、第1入力バッファ回路20がDQ信号と第1基準電圧Hに基づいて出力するデータを示し、DQ0、DQ1、DQ2…を含む。DQ_VREFDQSUBは、第2入力バッファ回路30がDQ信号と第2基準電圧Lに基づいて出力するデータを示し、同様にDQ0、DQ1、DQ2…を含む。
【0096】
本願の実施例では、第1サンプリング回路43で受信したサンプリングクロック信号DQSが立ち上がりエッジである時、データDQ0を収集し、DQ0を第2選択回路42に送信し、データDQ0の値が1であれば、第2選択回路42がその入力端aを介して、第1入力バッファ回路20で発生したデータを第2サンプリング回路44に出力する。第2サンプリング回路44で受信したサンプリングクロック信号DQSが立ち下がりエッジである時、第1入力バッファ回路20から出力されるデータDQ1を収集し、データDQ0の値が0であれば、第2選択回路42がその入力端bを介して、第2入力バッファ回路30で発生したデータを第2サンプリング回路44に出力する。第2サンプリング回路44で受信したサンプリングクロック信号DQSが立ち下がりエッジである時、第2入力バッファ回路30から出力されるデータDQ1を収集することができる。
【0097】
同様に、第2サンプリング回路44がデータDQ1を収集した後、DQ1を第1選択回路41に送信し、上記データDQ1の値が1であれば、第1選択回路41がその入力端aを介して、第1入力バッファ回路20で発生したデータを第1サンプリング回路43に出力する。第1サンプリング回路43で受信したサンプリングクロック信号DQSが立ち上がりエッジである時、第1入力バッファ回路20から出力されるデータDQ2を収集し、上記データDQ1の値が0であれば、第1選択回路41がその入力端bを介して、第2入力バッファ回路30で発生したデータを第1サンプリング回路43に出力する。第1サンプリング回路43で受信したサンプリングクロック信号DQSが立ち上がりエッジである時、第2入力バッファ回路30から出力されるデータDQ2を収集することができる。
【0098】
上記実施例に記載された内容によれば、本願の可能な一実施形態では、第1基準電圧は基準である基準電圧を強化したものであり、第2基準電圧は基準である基準電圧を弱めたものである。従って、等化回路から前回に出力されたデータが1である場合、基準電圧が第1基準電圧である第1入力バッファ回路から出力されたデータ信号を選択してデータのサンプリングを行い、等化回路から前回に出力されたデータが0である場合、基準電圧が第2基準電圧である第2入力バッファ回路から出力されたデータ信号を選択してデータのサンプリングを行い、これによって、等化回路の入力電圧マージンを効果的に向上させることができ、更にISIを効果的に除去して、書込みデータのアイパターンの開き具合を向上させる。
【0099】
本願の実施例をより良好に理解するために、本願の実施例による等化回路の等化処理効果模式図である図6を参照する。
【0100】
図6から明らかなように、等化回路から前回に出力されたデータPre_Dataの値が1である場合、基準電圧が第1基準電圧VREFDQ_ADDである第1入力バッファ回路から出力されたデータ信号を選択してデータのサンプリングを行い、この場合、等化回路の入力電圧マージン(黒色矢印で示す)は、基準電圧が基準としての基準電圧VREFDQである入力バッファ回路から出力されたデータ信号によってデータのサンプリングを行った時に上記等化回路の入力電圧マージン(灰色矢印で示す)を明らかに超えている。
【0101】
同様に、等化回路から前回に出力されたデータPre_Dataの値が0である場合、基準電圧が第2基準電圧VREFDQ_SUBである第2入力バッファ回路から出力されたデータ信号を選択してデータのサンプリングを行い、この場合、等化回路の入力電圧マージン(黒色矢印で示す)は、基準電圧が基準としての基準電圧VREFDQである入力バッファ回路から出力されたデータ信号によってデータのサンプリングを行った時に上記等化回路の入力電圧マージン(灰色矢印で示す)を明らかに超えている。
【0102】
本願の実施例による等化回路は、2種の異なる基準電圧を採用する入力バッファ回路を含み、データ収集時、等化回路から前回に出力されたデータに基づいて、上記2つの入力バッファ回路から適切な入力バッファ回路を1つ選択してから、選択された入力バッファ回路から出力されたデータ信号に対してデータのサンプリングを行って、等化回路の入力電圧マージンを効果的に増加して、更に受信データ信号の品質を向上させることができる。
【0103】
上記実施例に記載された内容によれば、本願の可能な一実施形態では、上記オリジナルコードOriginal_code<5:0>、第1コードADD<3:0>及び第2コードSUB<3:0>の値を目標値に配置することによって、上記等化回路の受信データに対応するアイパターン内の電圧マージンとタイミングマージンをいずれも最大値にすることができる。
【0104】
具体的には、本願の実施例による基準電圧発生器入力コードを決定する模式的フローチャートである図7を参照する。上記オリジナルコードOriginal_code<5:0>、第1コードADD<3:0>及び第2コードSUB<3:0>の目標値は、
第1コードADD<3:0>、第2コードSUB<3:0>及びオリジナルコードOriginal_code<5:0>の初期値を0に設置するステップS701と、
オリジナルコードOriginal_code<5:0>の値に1を足し、等化回路の受信データに対応するアイパターン内のタイミングマージン(timming margin)の大きさを測定するステップS702と、
タイミングマージンの最大値が得られるまで、ステップS702を繰り返して実行するステップS703と、
Original_code<5:0>の目標値を、タイミングマージンが最大値となる時のOriginal_code<5:0>の値に設置するステップS704と、
ADD<3:0>とSUB<3:0>の値にそれぞれ1を足し、等化回路の受信データに対応するアイパターン内の電圧マージン(voltage margin)の大きさを測定するステップS705と、
電圧マージンの最大値が得られるまで、ステップS705を繰り返して実行するステップS706と、
ADD<3:0>とSUB<3:0>の目標値を、電圧マージンが最大値となる時のADD<3:0>とSUB<3:0>の値に設置するステップS707とによって、決定することができる。
【0105】
即ち、本願の実施例では、デュアル基準電圧発生器10で受信した第1コードADD<3:0>、第2コードSUB<3:0>及びオリジナルコードOriginal_code<5:0>が上記目標値となる時、上記等化回路の受信データに対応するアイパターン内の電圧マージンとタイミングマージンがいずれも最大値であり、受信データ信号の品質を向上することが可能である。
【0106】
選択可能に、図7に示す流れはメモリシステム内のコントローラによって遂行してもよいし、テストエンジニアによって遂行してもよい。ここで、同じシステム環境で1回実行すればよく、実行した後各入力コードを維持し、後でメモリシステムに電源を投入すると回路レジスタに直接更新することができる。
【0107】
更に、上記実施例に記載された等化回路に基づき、本願の実施例においては、更に、上記実施例に記載された等化回路を含むメモリを提供する。具体的には上記実施例に記載された等化回路の動作原理を参照でき、ここで繰り返して説明しない。
【0108】
最後に以下のことを説明すべきである。以上の各実施例は本願の技術的手段を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではなく、上述した各実施例を参照して本願を詳細に説明したが、上述した各実施例に記載の技術的手段を修正するか、その術的特徴の一部又は全部に同等な取り替えを実施することも可能であり、これらの修正や取り替えによって、対応する技術的手段の本質が本願の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱しないことは当業者に自明である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7