(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】汚染土壌修復用の薬剤の混合均一性を評価するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/08 20060101AFI20230721BHJP
【FI】
G01N1/08 D
(21)【出願番号】P 2023057489
(22)【出願日】2023-03-31
【審査請求日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】202210926447.6
(32)【優先日】2022-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521088468
【氏名又は名称】生態環境部南京環境科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】李明
(72)【発明者】
【氏名】王磊
(72)【発明者】
【氏名】竜涛
(72)【発明者】
【氏名】万金忠
(72)【発明者】
【氏名】張亜
(72)【発明者】
【氏名】陳玉東
(72)【発明者】
【氏名】祝欣
(72)【発明者】
【氏名】姜錦林
(72)【発明者】
【氏名】温氷
(72)【発明者】
【氏名】曹少華
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-163180(JP,A)
【文献】特開2008-240494(JP,A)
【文献】特開昭62-244912(JP,A)
【文献】実開平3-2031(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリーブパイプ(1)およびオーガー(3)を備え、前記スリーブパイプ(1)の一端が
前記オーガー(3)に着脱可能に接続され、
前記スリーブパイプ(1)の外部に回転可能に接続されたハンドル(2)が設けられ、前
記ハンドル(2)はハンドルロッド(21)を介してスリーブパイプ(1)の他端を貫通
し、スリーブパイプ(1)の他端の内部に締付機構が設けられ、前記締付機構は第1ネジ
カラー(22)、第2ネジカラー(23)および複数組の締付葉(11)が設けられ、
前記第1ネジカラー(22)および第2ネジカラー(23)は上から下へ前記ハンドルロ
ッド(21)に順次嵌設され、前記締付葉(11)の上部に設けられた接続台(111)
がそれぞれ接続ロッド(24)を介して第1ネジカラー(22)および第2ネジカラー(
23)に接続され、前記接続ロッド(24)は接続台(111)、第1ネジカラー(22
)、第2ネジカラー(23)に回転可能に接続され、
第1ネジカラー(22)に位置するハンドルロッド(21)上に設けられたスレッドは、
第2ネジカラー(23)に位置するハンドルロッド(21)上に設けられたスレッドとは
反対方向であり、
スリーブパイプ(1)の一端との接続部における前記オーガー(3)に、オーガー(3)
の開口を開閉するための複数組の回転葉(33)が設けられ、前記回転葉(33)の一端
に移動棒(32)が設けられ、
前記締付葉(11)およびオーガー(3)の端面に、移動棒(32)の一端に摺動可能に
接続された第1摺動溝(114)、移動棒(32)の他端に摺動可能に接続された第2摺
動溝(31)がそれぞれ設けられ、前記第1摺動溝(114)、第2摺動溝(31)はい
ずれも一端が締付葉(11)の外壁に近接し、他端が締付葉(11)の内壁に近接する円
弧状構造であり、
前記締付葉(11)の内部が中空であり、その内壁に複数組の釘穴(113)が設けられ
、締付葉(11)内に移動棒(32)を利用し移動してたわむための釘板(112)が設
けられ、前記釘板(112)は締付葉(11)の内底面に摺動可能に接続され、
前記釘板(112)は第1バネ(1123)を介して締付葉(11)の内壁に接続され、
釘板(112)に前記釘穴(113)と1対1で対応して釘穴(113)を通過させるた
めの複数組の釘(1122)が設けられ、
前記締付葉(11)の内底面に釘(1122)を釘穴(113)に対して嵌合させるよう
に案内するための制限スライドレール(1125)が設けられ、前記釘板(112)に、
前記制限スライドレール(1125)に摺動可能に接続された摺動穴(1124)が設け
られる、ことを特徴とする汚染土壌修復用の薬剤の混合均一性を評価するための装置。
【請求項2】
前記締付葉(11)の外壁に近い締付葉(11)の内底面に制限台(1121)が設けら
れ、前記制限台(1121)の前記移動棒(32)との接触面が前記第1摺動溝(114
)の曲率と一致している、ことを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌修復用の薬剤の混
合均一性を評価するための装置。
【請求項3】
前記ハンドルロッド(21)に、スリーブパイプ(1)に回転可能に接続された制限溝(
211)が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌修復用の薬剤の混合
均一性を評価するための装置。
【請求項4】
前記締付葉(11)の外壁に、複数組のサンプリングボックス(13)が設けられ、前記
サンプリングボックス(13)のサンプリング口に対応する位置における前記スリーブパ
イプ(1)に、サンプリングボックス(13)を通過させるための開口が設けられ、前記
開口に、スリーブパイプ(1)とねじりばねを介して接続された穴カバー(12)が設け
られる、ことを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌修復用の薬剤の混合均一性を評価す
るための装置。
【請求項5】
前記サンプリングボックス(13)のサンプリング口がサンプリングボックス(13)と
締付葉(11)の接触面よりも高く、前記接触面が締付葉(11)の外壁に摺動可能に係
合され、前記締付葉(11)の外壁にタブ(115)が設けられ、前記タブ(115)が
第3バネ(116)を介してサンプリングボックス(13)の底端に接続される、ことを
特徴とする請求項4に記載の汚染土壌修復用の薬剤の混合均一性を評価するための装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の汚染土壌修復評価薬剤混合均一性の装置を使用して
サンプルを収集および評価する方法であって、
S1:パイルの形状情報に従って、システムランダム、専門家判断、ゾーニングまたはシ
ステムポインティングのいずれか1つの方法を使用して、サンプリングポイントの決定を
行い、前記スリーブパイプ(1)を各前記サンプリングポイントの土壌試料にそれぞれ挿
入し、ハンドル(2)を回転することにより締付葉(11)が土壌試料を締め付け、回転
葉(33)が土壌試料を受けた後取り出し、3~10サンプリングポイントのマルチポイ
ントサンプリングを行うステップと、
S2:画像収集装置を用いて、異なる深さの土壌断面のサンプル断面画像を連続的に取得
し、前記サンプル断面画像のファイルフォーマットはコンピューターシステムに取り込む
可能なファイルフォーマットであり、前記画像収集装置はデジタルカメラまたは携帯電話
であるステップと、
S3:コンピューターシステムの分析処理ソフトウェアによってステップS2のサンプル
断面画像に対してデジタル処理を行い、パイル成分の色違いを可視化するデジタル画像を
取得するステップと、
S4:モデルおよび演算方法を構築してステップS3で取得したパイル成分の色違いを分
析および計算して、定量的な評価結果を取得するステップと、
を含む、ことを特徴とする汚染土壌修復評価薬剤混合均一性の装置を使用してサンプルを
収集および評価する方法。
【請求項7】
前記ステップS4は具体的に、
1)パイル成分の色違いによって、前記デジタル画像から汚染土壌粒子、修復薬剤粒子の
分布状況を区別し、前記汚染土壌粒子、修復薬剤粒子はデジタル画像において斑点状に表
示されること、
2)グリッドライン法を用いて、デジタル画像を十字型のグリッドで均一にスライスして
、異なる画像ゾーニング状況を得ること、
3)ステップ2)の各前記画像ゾーニング内の前記修復薬剤粒子を表す斑点数を統計する
こと、
4)すべての画像ゾーニング間の修復薬剤粒子の斑点数の違い度合いを統計および分析し
、前記統計分析の計算指標は平均値、標準差であること、
5)式(1)を通じて各前記サンプリングポイントの変動係数をそれぞれ計算して、修復
薬剤粒子の均一分布状況を得ること、
CV=SD/Mean*100% (1)
ここで、CVはサンプリングポイントの変動係数であり、SDは標準差であり、Mean
は平均値であり、
6)各サンプリングポイントのCV値をまとめ、各サンプリングポイントのCV値を平均
して算術平均値を求めること、
1)ステップ6)で計算した算術平均値に基づいて、CV値>100%の場合を強変動、
CV値が100%~40%の場合を中変動、CV値が40%~10%の場合を低変動、C
V値<10%の場合を弱変動とする方法に従って、パイル中の汚染土壌と修復薬剤の混合
均一性を総合的に評価すること、
を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の汚染土壌修復評価薬剤混合均一性の装置を使
用してサンプルを収集および評価する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染土壌サンプリングの技術分野に属し、具体的に汚染土壌修復用の薬剤の混
合均一性を評価するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、重金属の安定化、化学的酸化、化学的還元などの汚染土壌の修復技術では、修復剤
の使用と混合反応を伴うが、実際には、混合の均一性の程度には注意が払われず、汚染土
壌の修復を確実に行うことが難しく、修復剤の使用量が増え、結果として修復コストが増
大し、修復サイクルが長くなることが多い。特許では、混合物の均一性を評価するために
磁気マーカーを用いるものがあるが、すべての修復剤が磁気特性を有するわけではなく、
実際の適用効果を保証することは困難である。
また、既存のサンプラーは、通常、土壌に垂直に挿入して取り出すものであり、サンプリ
ングロッドを土壌から取り出す過程で、ロッド内部の土壌がサンプリングポートから脱出
し、採取した土壌サンプルの健全性が損なわれ、得られたサンプルデータの精度に影響す
るため、これをさらに改善する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、汚染土壌修復用の薬剤の混合均一性を評価するための装置を提供し、それは、
スリーブパイプおよびオーガーを備え、前記スリーブパイプの一端が前記オーガーに着脱
可能に接続され、
前記スリーブパイプの外部に回転可能に接続されたハンドルが設けられ、前記ハンドルは
ハンドルロッドを介してスリーブパイプの他端を貫通し、スリーブパイプの他端の内部に
締付機構が設けられ、前記締付機構は第1ネジカラー、第2ネジカラーおよび複数組の締
付葉が設けられ、前記第1ネジカラーおよび第2ネジカラーは上から下へ前記ハンドルロ
ッドに順次嵌設され、前記締付葉の上部に設けられた接続台がそれぞれ接続ロッドを介し
て第1ネジカラーおよび第2ネジカラーに接続され、前記接続ロッドは接続台、第1ネジ
カラー、第2ネジカラーに回転可能に接続され、第1ネジカラーに位置するハンドルロッ
ド上に設けられたスレッドは、第2ネジカラーに位置するハンドルロッド上に設けられた
スレッドとは反対方向であり、上記の設置により、ハンドルロッドを回転すると、第1ネ
ジカラー、第2ネジカラーがそれぞれハンドルロッドに沿って上下に移動し、接続ロッド
の接続により締付葉が内側に近づけ、土壌試料の締付を実現し、
スリーブパイプの一端との接続部における前記オーガーに、オーガーの開口を開閉するた
めの複数組の回転葉が設けられ、前記回転葉の一端に移動棒が設けられ、締付葉およびオ
ーガーの端面に、移動棒の一端に摺動可能に接続された第1摺動溝、移動棒の他端に摺動
可能に接続された第2摺動溝がそれぞれ設けられ、前記第1摺動溝、第2摺動溝はいずれ
も一端が締付葉の外壁に近接し、他端が締付葉の内壁に近接する円弧状構造であり、移動
棒と回転葉の設置により、サンプリング時、締付葉の閉過程中、移動棒が葉を移動させる
ように回転して、オーガー開口を閉じ、土壌試料がスリーブパイプから脱出することが容
易ではない。
さらに、前記締付葉の内部が中空であり、その内壁に複数組の釘穴が設けられ、締付葉内
に移動棒を利用し移動してたわむための釘板が設けられ、前記釘板は締付葉の内底面に摺
動可能に接続され、前記釘板は第1バネを介して締付葉の内壁に接続され、釘板に前記釘
穴と1対1で対応して釘穴を通過させるための複数組の釘が設けられ、上記の設置により
、締付葉の閉過程中、移動棒が第1摺動溝と第2摺動溝の間に移動する時、釘が釘穴を通
過し、締付葉と土壌試料の摩擦が大きくなり土壌試料を把持することができ、第1バネの
設置により、締付葉の開過程中、釘板が締付葉の内部でリセットされる。
さらに、前記締付葉の内底面に釘を釘穴に対して嵌合させるように案内するための制限ス
ライドレールが設けられ、前記釘板に、前記制限スライドレールに摺動可能に接続された
摺動穴が設けられ、釘板が摺動を制限でき、釘板上の釘と締付葉上の釘穴との嵌合を実現
することができる。
さらに、前記締付葉の外壁に近い締付葉の内底面に制限台が設けられ、前記制限台の前記
移動棒との接触面が前記第1摺動溝の曲率と一致し、第1摺動溝での移動棒の移動がより
安定するようにする。
さらに、前記ハンドルロッドに、スリーブパイプに回転可能に接続された制限溝が設けら
れ、スリーブパイプを制限し、ハンドルがスリーブパイプに対して回転してスリーブパイ
プを押して使用することができる。
さらに、前記締付葉の外壁に、複数組のサンプリングボックスが設けられ、前記サンプリ
ングボックスのサンプリング口に対応する位置における前記スリーブパイプに、サンプリ
ングボックスを通過させるための開口が設けられ、前記開口に、スリーブパイプとねじり
ばねを介して接続された穴カバーが設けられ、サンプリングボックスの設置により、締付
葉の開閉時、サンプリングボックスが移動し、穴カバーを押して開閉し、サンプリングボ
ックスのサンプリングを実現する。
さらに、前記サンプリングボックスのサンプリング口がサンプリングボックスと締付葉の
接触面よりも高く、前記接触面が締付葉の外壁に摺動可能に係合され、前記締付葉の外壁
にタブが設けられ、前記タブが第3バネを介してサンプリングボックスの底端に接続され
、上記の設置により、サンプリングボックスが穴を通過する時上向きに傾斜され、サンプ
リングを容易にするとともにサンプリングボックス引き戻すとき土壌試料の包みをより容
易にすることができる。
本発明は、汚染土壌修復用の薬剤の混合均一性を評価するための方法をさらに提供し、こ
の方法は、
S1:パイルの形状情報に従って、システムランダム、専門家判断、ゾーニングまたはシ
ステムポインティングのいずれか1つの方法を使用して、サンプリングポイントの決定を
行い、前記スリーブパイプを各前記サンプリングポイントの土壌試料にそれぞれ挿入し、
ハンドルを回転することにより締付葉が土壌試料を締め付け、回転葉が土壌試料を受けた
後取り出し、3~10サンプリングポイントのマルチポイントサンプリングを行うステッ
プと、
S2:画像収集装置を用いて、異なる深さの土壌断面のサンプル断面画像を連続的に取得
し、前記サンプル断面画像のファイルフォーマットはコンピューターシステムに取り込む
可能なファイルフォーマットであり、前記画像収集装置はデジタルカメラまたは携帯電話
であるステップと、
S3:コンピューターシステムの分析処理ソフトウェアによってステップS2のサンプル
断面画像に対してデジタル処理を行い、パイル成分の色違いを可視化するデジタル画像を
取得するステップと、
S4:モデルおよび演算方法を構築してステップS3で取得したパイル成分の色違いを分
析および計算して、定量的な評価結果を取得するステップと、を含み、
前記ステップS4は具体的に、
1)パイル成分の色違いによって、前記デジタル画像から汚染土壌粒子、修復薬剤粒子の
分布状況を区別し、前記汚染土壌粒子、修復薬剤粒子はデジタル画像において斑点状に表
示されること、
2)グリッドライン法を用いて、デジタル画像を十字型のグリッドで均一にスライスして
、異なる画像ゾーニング状況を得ること、
3)ステップ2)の各前記画像ゾーニング内の前記修復薬剤粒子を表す斑点数を統計する
こと、
4)すべての画像ゾーニング間の修復薬剤粒子の斑点数の違い度合いを統計および分析し
、前記統計分析の計算指標は平均値、標準差であること、
5)式(1)を通じて各前記サンプリングポイントの変動係数をそれぞれ計算して、修復
薬剤粒子の均一分布状況を得ること、
CV=SD/Mean*100% (1)
ここで、CVはサンプリングポイントの変動係数であり、SDは標準差であり、Mean
は平均値であり、
6)各サンプリングポイントのCV値をまとめ、各サンプリングポイントのCV値を平均
して算術平均値を求めること、
1)ステップ6)で計算した算術平均値に基づいて、CV値>100%の場合を強変動、
CV値が100%~40%の場合を中変動、CV値が40%~10%の場合を低変動、C
V値<10%の場合を弱変動とする方法に従って、パイル中の汚染土壌と修復薬剤の混合
均一性を総合的に評価すること、を含む。
【0004】
本発明は、以下の有益な効果を有する。
(1)本発明は、締付機構およびオーガーの設置により、ハンドルを回転すれば、土壌を
締付および収集することができ、葉を回転させてオーガー端を密閉することができ、土壌
試料がスリーブパイプから脱出しにくく、土壌試料の完全性を保ち、サンプリング効果が
より良好である。
(2)本発明は、サンプリングボックスの設置により、ハンドルを回転させ、締付葉を移
動させる同時に、スリーブパイプの外壁のパイルの異なる深さ土壌のマルチポイントサン
プリングを実現することができ、土壌サンプリングの過程を容易にする。
(3)本発明は、コンピューター分析処理ソフトウェアおよび演算方法を用いて、薬剤と
土壌の混合度合いを迅速かつ科学的に対応し、パイルの混合均一性を総合的に評価するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図2】本発明の締付機構とハンドルの外観を示す模式図である。
【
図3】本発明の締付機構の構造を示す模式図である。
【
図8】本発明の釘板が締付葉内底面に摺動可能に接続された場合の模式図である。
【
図10】本発明のオーガーおよび移動棒を示す模式図である。
【
図11】本発明の実施例2の外観を示す模式図である。
【
図12】本発明の実施例2中のサンプリングボックスの組立外観図である。
【
図13】本発明の実施例2中のサンプリングボックスの組立側面図である。
【
図14】本発明の評価薬剤混合均一性の方法のフローチャートである。
【0006】
[符号の説明]
1 スリーブパイプ
11 締付葉
111 接続台
112 釘板
1121 制限台
1122 釘
1123 第1バネ
113 釘穴
114 第1摺動溝
115 タブ
116 第3バネ
12 穴カバー
13 サンプリングボックス
2 ハンドル
21 ハンドルロッド
211 制限溝
22 第1ネジカラー
23 第2ネジカラー
24 接続ロッド
3 オーガー
31 第2摺動溝
32 移動棒
321 第2バネ
33 回転葉
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の利点をより良く反映するために、具体的な実施形態を参照しながら本発明
をより詳細に説明する。
実施例1
図1、2、10に示すように、汚染土壌修復用の薬剤の混合均一性を評価するための装置
は、スリーブパイプ1およびオーガー3を備え、前記スリーブパイプ1の一端が前記オー
ガー3にねじ込まれて接続され、前記スリーブパイプ1の外部に回転可能に接続されたハ
ンドル2が設けられ、前記ハンドル2はハンドルロッド21を介してスリーブパイプ1の
他端を貫通し、スリーブパイプ1の他端の内部に締付機構が設けられ、前記締付機構は第
1ネジカラー22、第2ネジカラー23および3組の締付葉11を含み、前記ハンドルロ
ッド21に、スリーブパイプ1に回転可能に接続された制限溝211が設けられる。
図2、3、10に示すように、前記第1ネジカラー22および第2ネジカラー23は上か
ら下へ前記ハンドルロッド21に順次嵌設され、前記締付葉11の上部に設けられた接続
台111がそれぞれ接続ロッド24を介して第1ネジカラー22および第2ネジカラー2
3に接続され、前記接続ロッド24は接続台111、第1ネジカラー22、第2ネジカラ
ー23に回転可能に接続され、
第1ネジカラー22に位置するハンドルロッド21上に設けられたスレッドは、第2ネジ
カラー23に位置するハンドルロッド21上に設けられたスレッドとは反対方向であり、
スリーブパイプ1の一端との接続部における前記オーガー3に、オーガー3の開口を開閉
するための複数組の回転葉33が設けられ、前記回転葉33の一端に移動棒32が設けら
れ、前記締付葉11およびオーガー3の端面に、移動棒32の一端に摺動可能に接続され
た第1摺動溝114、移動棒32の他端に摺動可能に接続された第2摺動溝31がそれぞ
れ設けられ、前記第1摺動溝114、第2摺動溝31はいずれも一端が締付葉11の外壁
に近接し、他端が締付葉11の内壁に近接する円弧状構造であり、
図4、5、6、7、8、9に示すように、前記締付葉11の内部が中空であり、その内壁
に複数組の釘穴113が設けられ、締付葉11内に移動棒32を利用し移動してたわむた
めの釘板112が設けられ、前記釘板112は締付葉11の内底面に摺動可能に接続され
、前記締付葉11の内底面に釘1122を釘穴113に対して嵌合させるように案内する
ための制限スライドレール1125が設けられ、前記釘板112に、前記制限スライドレ
ール1125に摺動可能に接続された摺動穴1124が設けられ、前記釘板112は第1
バネ1123を介して締付葉11の内壁に接続され、釘板112に前記釘穴113と1対
1で対応して釘穴113を通過させるための複数組の釘1122が設けられ、前記締付葉
11の外壁に近い締付葉11の内底面に制限台1121が設けられ、前記制限台1121
の前記移動棒32との接触面が前記第1摺動溝114の曲率と一致し、
前記オーガー3の底端は切削チップであり、前記スリーブパイプ1はステンレススチール
材料である。
上記装置を使用してサンプルを収集および評価する方法は、
S1:パイルの形状情報に従って、システムランダム、専門家判断、ゾーニングまたはシ
ステムポインティングのいずれか1つの方法を使用して、サンプリングポイントの決定を
行い、前記スリーブパイプ1を各前記サンプリングポイントの土壌試料にそれぞれ挿入し
、ハンドル2を回転することにより締付葉11が土壌試料を締め付け、回転葉33が土壌
試料を受けた後取り出し、8サンプリングポイントのマルチポイントサンプリングを行う
ステップと、
S2:画像収集装置を用いて、異なる深さの土壌断面のサンプル断面画像を連続的に取得
し、前記サンプル断面画像のファイルフォーマットはコンピューターシステムに取り込む
可能なファイルフォーマットであり、前記画像収集装置はデジタルカメラであるステップ
と、
S3:コンピューターシステムの分析処理ソフトウェアによってステップS2のサンプル
断面画像に対してデジタル処理を行い、パイル成分の色違いを可視化するデジタル画像を
取得するステップと、前記コンピューターシステムの分析処理ソフトウェアはコンピュー
ターWindowsシステムのMatlabソフトウェアであり、前記デジタル処理は、
画像をセグメント化して画像の特徴パラメータを抽出することであり、
S4:モデルおよび演算方法を構築してステップS3で取得したパイル成分の色違いを分
析および計算して、定量的な評価結果を取得するステップと、を含み、
前記ステップS4は具体的に、
1)パイル成分の色違いによって、前記デジタル画像から汚染土壌粒子、修復薬剤粒子の
分布状況を区別し、前記汚染土壌粒子、修復薬剤粒子はデジタル画像において斑点状に表
示されること、
2)グリッドライン法を用いて、デジタル画像を十字型のグリッドで均一にスライスして
、異なる画像ゾーニング状況を得ること、
3)ステップ2)の各前記画像ゾーニング内の前記修復薬剤粒子を表す斑点数を統計する
こと、
4)すべての画像ゾーニング間の修復薬剤粒子の斑点数の違い度合いを統計および分析し
、前記統計分析の計算指標は平均値、標準差であること、
5)式(1)を通じて各前記サンプリングポイントの変動係数をそれぞれ計算して、修復
薬剤粒子の均一分布状況を得ること、
CV=SD/Mean*100% (1)
ここで、CVはサンプリングポイントの変動係数であり、SDは標準差であり、Mean
は平均値であり、
6)各サンプリングポイントのCV値をまとめ、各サンプリングポイントのCV値を平均
して算術平均値を求めること、
7)ステップ6)で計算した算術平均値に基づいて、CV値>100%の場合を強変動、
CV値が100%~40%の場合を中変動、CV値が40%~10%の場合を低変動、C
V値<10%の場合を弱変動とする方法に従って、パイル中の汚染土壌と修復薬剤の混合
均一性を総合的に評価すること、を含む。
上記汚染土壌修復用の薬剤の混合均一性を評価するための装置は以下のように動作する。
まず、締付葉11がスリーブパイプ1に近接する開状態を確保した上で、ハンドル2を押
してスリーブパイプ1を土壌に挿入し、土壌表面がスリーブパイプ1を越えるとき、ハン
ドル2を回転させ、ハンドル2の回転下で、第1ネジカラー22と第2ネジカラー23が
それぞれハンドルロッド21上のスレッドに沿って上下に移動し、第1ネジカラー22と
第2ネジカラー23が接続ロッド24を駆動し、接続ロッド24が接続台111を介して
締付葉11が内側に近づけられるように駆動し、
締付葉11が内側に近づけられると、第1摺動溝114の移動棒32を第1摺動溝114
と第2摺動溝31に沿って移動させ、移動棒32の移動および第1摺動溝114の制限下
で、移動棒32が釘板112を押して締付葉11の内壁の締め付け方向へ移動させ、釘板
112上の釘1122が釘穴113を通過し、移動棒32の移動下で、回転葉33をオー
ガー3の中心に回転させ、オーガー3の開口を密閉してサンプリングを実現し、
その後、スリーブパイプ1を引き抜き、ハンドル2を回転させ、締付葉11を開き、移動
棒32が第2バネ321を介してリセットされ、釘板112が第1バネ1123を介して
リセットされ、回転葉33がオーガー3の端縁位置までリセットして、土壌試料を流しだ
し、土壌試料を流しだした後、デジタルカメラを用いてサンプルの断面画像を取得し、コ
ンピューターシステムの分析処理ソフトウェアに取り込んで処理した後、モデルおよび演
算方法を構築して分析および評価する。
【0008】
実施例2
本実施例は、実施例1を基にさらに改良し、実施例1とは以下の点で異なり、
図11、12、13に示すように、前記締付葉11の外壁に3組のサンプリングボックス
13が設けられ、前記サンプリングボックス13のサンプリング口に対応する位置におけ
る前記スリーブパイプ1に、サンプリングボックス13を通過させるための穴が設けられ
、前記穴にスリーブパイプ1がねじりばねを介して接続された穴カバー12が設けられ、
前記サンプリングボックス13のサンプリング口がサンプリングボックス13と締付葉1
1の接触面よりも高く、前記接触面は締付葉11の外壁に摺動可能に係合され、前記締付
葉11の外壁にタブ115が設けられ、前記タブ115は第3バネ116を介してサンプ
リングボックス13の底端に接続される。
本実施例の動作原理は実施例1と基本的に同じであるが、以下の点で異なり、締付葉11
の閉状態時、ハンドル2を押してスリーブパイプ1をオーガー3を通じて土壌に挿入し、
その後、ハンドル2を回転させ、第1ネジカラー22と第2ネジカラー23がそれぞれハ
ンドルロッド上のスレッドに沿って下上に移動し、第1ネジカラー22と第2ネジカラー
23が接続ロッド24を駆動し、接続ロッド24が接続台111を介して締付葉11を外
側に展開させるように駆動し、この時、締付葉11がスリーブパイプ1に徐々に近接し、
サンプリングボックス13が穴カバー12を外側に押し、その後、サンプリングボックス
13がサンプリングを実施し、次にハンドル2を回転させて締付葉11を閉じ、穴カバー
12がねじりばねの作用下でリセットして閉じられ、最後にスリーブパイプ1を引き抜き
、ハンドル2を回転させてサンプリングボックス13中の土壌試料を流しだす。
【0009】
応用例
実施例1の装置を用いて、SA1、SA2重金属安定化薬剤を用いた同じ質量の2つの汚
染土壌について、SA1、SA2重金属安定化薬剤と汚染土壌の混合均一性状況をそれぞ
れ判定し、汚染土壌サンプルの収集および評価を行い、この方法は、以下のステップを含
み、
まず、SA1、SA2重金属安定化薬剤と汚染土壌の混合後の2つのパイルの形状情報に
応じて、専門家判断のポインティング方式を採用し、SA1重金属安定化薬剤を用いた汚
染土壌パイルに対して5ポイントのサンプリングを実施し、システムランダムのポインテ
ィング方式を採用し、SA2重金属安定化薬剤を用いた汚染土壌パイルに対して9ポイン
トのサンプリングを実施し、前記専門家判断は専門家からのポインティング判断方式であ
り、
その後、パイル深さに応じて異なるセクション深さに5等分し、デジタルカメラを用いて
各異なるセクション深さの土壌断面のサンプル断面画像を取得し、各サンプル断面画像を
コンピューターシステムに取り込み、
最後に、Matlab分析処理ソフトウェアを用いて、ステップS2のサンプル断面画像
に対してデジタル処理を行い、モデルおよび演算方法を構築して取得したパイル成分(汚
染土壌粒子、修復薬剤粒子)の色違いを分析および計算し、ナインインワングリッドライ
ン法でデジタル画像を均一にスライスし、それぞれ2つの汚染土壌パイルの異なる画像区
画内の前記修復薬剤粒子を表す斑点数および変動係数を統計し、以下の表1および表2に
示され:
表1 SA1重金属安定化薬剤を用いた汚染土壌パイルの混合均一性の総合的な評価状況
表2 SA2重金属安定化薬剤を用いた汚染土壌の混合均一性の総合的な評価状況
計算したCV算術平均値から分かるように、SA1重金属安定化薬剤と汚染土壌の混合均
一度の総合的な評価結果は低変動であり、SA2重金属安定化薬剤と汚染土壌の混合均一
度の総合的な評価結果は中変動である。
【要約】 (修正有)
【課題】汚染土壌修復用の薬剤の混合均一性を評価するための装置および方法を提供する。
【解決手段】装置は、スリーブパイプおよびオーガーを備え、前記スリーブパイプの一端は前記オーガーに着脱可能に接続され、スリーブパイプの他端の内部に締付機構が設けられ、前記移動棒の両端間にオーガー中心に回転して土壌試料を受けるための回転葉が設けられ、締付葉の外壁にサンプリングボックスが設けられ、前記方法は、画像収集装置、コンピューター分析処理ソフトウェアおよび演算方法によって定量的な評価結果を得、本発明は、締付機構の設置により、土壌試料がスリーブパイプから脱出しにくく、サンプリングボックスの設置により、管外壁に複数の土壌サンプリングポイントを設け、土壌サンプリングのプロセスを容易にする同時に、評価方法により薬剤と汚染土壌の混合均一性を科学的に評価することができる。
【選択図】
図11