(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】樹木の植栽構造
(51)【国際特許分類】
E04H 1/02 20060101AFI20230721BHJP
E04H 1/00 20060101ALI20230721BHJP
E04F 15/02 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
E04H1/02
E04H1/00
E04F15/02 H
(21)【出願番号】P 2019145163
(22)【出願日】2019-08-07
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】青野 拓司
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-019100(JP,A)
【文献】特開平05-184248(JP,A)
【文献】特開2004-100256(JP,A)
【文献】特開平09-125511(JP,A)
【文献】特開2002-115406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/00-1/02
E04B 1/00
E04F 15/00-15/02
A01G 23/02-23/04
A01G 17/04,17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅の屋外空間に設置された屋外床部に隣接する植栽スペースに、樹木を植栽する樹木の植栽構造であって、
根鉢を有する前記樹木と、
上端面が前記植栽スペースの地表面よりも高い位置に配置される屋外用床材、及び前記
屋外用床材を下方から支持する
とともに土壌に埋設される床支持基礎、からなる前記屋外床部と、を備え、
前記床支持基礎は、前記植栽スペースの前記屋外床部と反対側の端縁である第1端縁に相対向して設置される第1基礎と、当該第1基礎に略直交し、前記植栽スペース側へ延びる一対の第2基礎と、を有し、コンクリートブロック積みで平面視C形状に形成され、
前記屋外用床材は、前記第1基礎よりも前記植栽スペース側に配置される第1床材と、それ以外の位置に配置される第2床材と、に分かれており、
前記第1基礎は、前記植栽スペースの土壌と前記第2床材下の土壌とを区切り、
前記一対の第2基礎は、相対向する面同士間の距離が前記根鉢の幅よりも大きく、且つ、上端面に前記第1床材が載置され、
前記第1基礎の前記樹木側の端面~前記第1端縁までの水平距離は、前記屋外床部の前記植栽スペース側の端縁~前記第1端縁までの水平距離よりも長く、
前記第1基礎及び前記一対の第2基礎は、それぞれ前記植栽スペースの地表面から上方へ突出し、前記屋外用床材の前記植栽スペース側の端縁が、前記第2基礎よりも前記植栽スペース側に位置することを特徴とする樹木の植栽構造。
【請求項2】
前記屋外床部は、玄関アプローチの床部であることを特徴とする請求項1
に記載の樹木の植栽構造。
【請求項3】
請求項1
又は請求項2に記載の樹木の植栽構造を施工する樹木の植栽施工方法であって、
土壌を掘削して埋設穴を形成し、前記第1基礎を前記第1端縁に対向させて前記床支持基礎を前記埋設穴に設置し、
前記樹木の根鉢を、前記埋設穴の前記第1基礎と前記第1端縁との間に挿入して当該埋設穴を土壌で埋め戻した後に、
前記床支持基礎の上端面に前記屋外用床材を載置することを特徴とする樹木の植栽施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の屋外空間に設置された植栽スペースに、より樹高の高い樹木を植栽するための樹木の植栽構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、住宅の外観意匠性を向上させるためには住宅の屋外空間に魅力的な植栽スペースを形成することが重要とされており、以前より、狭小敷地に形成された住宅であっても庭を効果的に緑化することが可能な発明が提案されている。例えば、特許文献1に記載の発明では、居室内部から視認可能な庭の地表面を盛り上げているので、庭に植えられた樹木の根元や庭の地表面が屋外に設置された屋外床部に隠れることがなく、狭小な庭であっても、居室内部から庭を眺めた際に庭の奥行き感を効果的に演出することができる。また、特許文献2に記載の発明では、隣地との境界にコンクリーブロック塀など閉鎖的な面材を形成するのではなく、型鋼を組んで形成した架構フレームを立設し、この架構フレームに植栽の吊り鉢を吊るすことによって、隣地からの視線を遮るとともに光や風を通過させて住宅と架構フレームとの間に形成された庭空間自体を広く感じさせる旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-19100
【文献】特開2000-145210
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1及び特許文献2に記載の発明は、庭空間自体を広く見せるための工夫であり、これまで、狭小な植栽スペースを存在感のある緑豊かなスペースとするための効果的な提案はされていなかった。また小規模住宅などの場合は、
図9に示すように、低木と比較して立面的にボリュームのある樹木101を玄関アプローチ102のように人が日常的に通行する箇所に隣接して植栽することで住宅外観の意匠性を向上させることができるが、一般的に、植栽工事を行う際には周囲の構造物や舗装の工事が完了しているため、通常、植栽スペース103の範囲内に収まる大きさの根鉢101aを有する樹木101しか植栽スペース103に配置することができない。このとき、樹木101は樹高が高くなるにつれて根鉢101aが大きくなるため、植栽スペース103が狭小な場合は、根鉢101aが小さく樹高の低い樹木101しか植栽することができず、植栽スペース103全体の立面的なボリュームが小さくなってしまい住宅外観の存在感や意匠性が低下して住宅としての魅力が低減するという問題が生じる。そして昨今、住宅を建設する際に自然との共生を目指し、より豊かな自然環境への寄与を図ることは必須事項であり、住宅の効果的な緑化計画は積極的に取り組むべき課題といえる。
【0005】
そこで、本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであって、狭小な植栽スペースであっても、立面的に存在感のある樹木を効率的に植栽することができる構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の樹木の植栽構造は、住宅の屋外空間に設置された屋外床部に隣接する植栽スペースに、樹木を植栽する樹木の植栽構造であって、根鉢を有する前記樹木と、上端面が前記植栽スペースの地表面よりも高い位置に配置される屋外用床材、及び前記屋外用床材を下方から支持するとともに土壌に埋設される床支持基礎、からなる前記屋外床部と、を備え、前記床支持基礎は、前記植栽スペースの前記屋外床部と反対側の端縁である第1端縁に相対向して設置される第1基礎と、当該第1基礎に略直交し、前記植栽スペース側へ延びる一対の第2基礎と、を有し、コンクリートブロック積みで平面視C形状に形成され、前記屋外用床材は、前記第1基礎よりも前記植栽スペース側に配置される第1床材と、それ以外の位置に配置される第2床材と、に分かれており、前記第1基礎は、前記植栽スペースの土壌と前記第2床材下の土壌とを区切り、前記一対の第2基礎は、相対向する面同士間の距離が前記根鉢の幅よりも大きく、且つ、上端面に前記第1床材が載置され、前記第1基礎の前記樹木側の端面~前記第1端縁までの水平距離は、前記屋外床部の前記植栽スペース側の端縁~前記第1端縁までの水平距離よりも長く、前記第1基礎及び前記一対の第2基礎は、それぞれ前記植栽スペースの地表面から上方へ突出し、前記屋外用床材の前記植栽スペース側の端縁が、前記第2基礎よりも前記植栽スペース側に位置することを特徴としている。
【0009】
本発明の第2の樹木の植栽構造は、前記屋外床部は、玄関アプローチの床部であることを特徴としている。
【0011】
本発明の第1の樹木の植栽施工方法は、第1又は第2の樹木の植栽構造を施工する樹木の植栽施工方法であって、土壌を掘削して埋設穴を形成し、前記第1基礎を前記第1端縁に対向させて前記床支持基礎を前記埋設穴に設置し、前記樹木の根鉢を、前記埋設穴の前記第1基礎と前記第1端縁との間に挿入して当該埋設穴を土壌で埋め戻した後に、前記床支持基礎の上端面に前記屋外用床材を載置することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の樹木の植栽構造によると、第1基礎の樹木側の端面~第1端縁までの水平距離が、屋外床部の植栽スペース側の端縁~第1端縁までの水平距離よりも長いので、樹木の根鉢が第1基礎から第1端縁までの間に納まる幅であれば、土壌に床支持基礎及び樹木の根鉢を埋設してから床支持基礎の上面に屋外用床材を設置することにより、植栽スペースの幅が樹木の根鉢幅より小さい場合であっても樹木を植栽スペースに植栽することができる。したがって、敷地に余裕がなく狭小な植栽スペースしか形成できない場合であっても、植栽スペースに根鉢幅が大きく樹高の高い樹木を植栽することができ、住宅外観の存在感や意匠性を向上させることができる。
【0013】
本発明の第1の樹木の植栽構造によると、屋外用床材は、第1基礎よりも植栽スペース側に配置される第1床材と、それ以外の位置に配置される第2床材と、に分かれているので、屋外用床材の材質を天然石やハツリ仕上げを施したコンクリート平板など重量のある意匠性の高い床材とした場合に、屋外用床材の1枚あたりの重量や大きさを抑えて作業負担を軽減し、施工性を向上させることができる。
【0014】
本発明の第1の樹木の植栽構造によると、植栽スペース側へ延びる一対の第2基礎は、相対向する面同士間の距離が根鉢幅よりも大きく、且つ、上端面に第1床材を載置されるので、樹木の根鉢を一対の第2基礎の間の土壌に埋設した後に、安定的に第1床材を下方から支持することができる。
【0015】
本発明の第2の樹木の植栽構造によると、屋外床部は、玄関アプローチの床部であるので、玄関アプローチ際に狭小な植栽スペースしか形成できない場合であっても、植栽スペースに根鉢幅が大きく樹高の高い樹木を植栽することができ、住宅の顔となる玄関アプローチ廻りの存在感や意匠性を向上させてより住宅の外観を魅力あるものとすることができる。
【0017】
本発明の第1の樹木の植栽施工方法によると、土壌を掘削して埋設穴を形成し、第1基礎を植栽スペースの第1端縁に対向させて床支持基礎を埋設穴内に設置し、樹木の根鉢を埋設穴の第1基礎と第1端縁との間に挿入して埋設穴を土壌で埋め戻した後に、床支持基礎の上端面に屋外用床材を載置するので、樹木の根鉢が第1基礎から第1端縁までの間に納まる幅であれば、植栽スペースの幅が樹木の根鉢幅より小さい場合であっても樹木を植栽スペースに植栽することができる。したがって、敷地に余裕がなく狭小な植栽スペースしか形成できない場合であっても、植栽スペースに根鉢幅が大きく樹高の高い樹木を植栽することができ、住宅外観の存在感や意匠性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図5】埋設穴を形成し、床支持基礎を埋設穴に載置した状況を示す断面図。
【
図7】床支持基礎の上面に屋外用床材を載置する状況を示す断面図。
【
図8】テラス廻りに形成された樹木の植栽構造を示す断面図。
【
図9】(a)従来工法で樹木を植栽した状況を示す平面図、(b)
図9(a)の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る樹木の植栽構造の実施形態について各図を参照しつつ説明する。本願の樹木の植栽構造は、狭小な住宅の植栽スペースに樹高の高い樹木を植栽するためのものであって、主に、人が日常的に通行するため他の場所よりも植栽の重要度が高い玄関アプローチ廻りに用いられる構造であるが、デッキテラスのように、上端面が植栽スペースの地表面よりも高い位置に配置される屋外床部廻りであれば適用することができる。本実施形態では、住宅の玄関アプローチに隣接する植栽スペースの場合について説明する。なお、本発明において「東」、「西」、「南」、「北」とはそれぞれ
図1における右方向、左方向、下方向、上方向をそれぞれ指すものとする。
【0020】
樹木の植栽構造1は、
図1及び
図3に示すように、住宅Xの屋外空間に設置された屋外床部2に隣接する植栽スペース3に、樹木4を植えるための構造であって、根鉢41を有する樹木4と、上端面21aが植栽スペース3の地表面3aよりも高い位置に配置される屋外用床材21、及び屋外用床材21を下方から支持する床支持基礎22、からなる屋外床部2と、を備えている。
図1に示すように、住宅Xを配置する敷地S1は南側の道路境界線Y1を介して前面道路Rに行き来可能に隣接しており、また、東西の隣地境界線Y2を介してそれぞれの隣地S2と隣接するとともに、各隣地境界線Y2に沿って形成されたコンクリートブロック塀Fによって隣地S2と隔てられている。そして、住宅Xは敷地S1の北側寄りに配置され、住宅Xの南面側に位置する玄関扉X1に面して形成された玄関ポーチ5と前面道路Rとは玄関アプローチ6によって繋がっており、また、玄関ポーチ5は前面道路Rよりも床レベルが高く、玄関アプローチ6には段差を解消するための階段61が形成されている。さらに、玄関アプローチ6の東側には前面道路Rに面する駐車場Pが形成されており、玄関アプローチ6の階段61と駐車場Pとの間に植栽スペース3が設置されている。
【0021】
屋外床部2は、玄関アプローチ6の階段61の一部分であり、
図3及び
図4に示すように、平板状の屋外用床材21と、屋外用床材21を下方から支持し、植栽スペース3側へ開く平面視C字型状の床支持基礎22と、から構成されている。屋外用床材21は第1床材21Aと第2床材21Bとに分割されており、一方、床支持基礎22は、植栽スペース3の屋外床部2と反対側の端縁である第1端縁3bに対向して設置される第1基礎23及び第1基礎23に直交する方向へ延びる一対の第2基礎24を有している。
【0022】
屋外用床材21の第1床材21Aは、
図3及び
図4に示すように、第1基礎23よりも植栽スペース3側へ配置されて第2基礎24の上端面24aに載置され、また、第2床材21Bは、第1基礎23の上端面23aに載置される。このように屋外用床材21を第1基礎23を境界にして分割することにより、屋外用床材21を重量のある床材とした場合であっても、1枚あたりの重さや大きさを抑えて作業負担を軽減することができ、施工性を向上させることができる。また、第1床材21A及び第2床材21Bは、それぞれ幅500mm程度、奥行き1000mm程度の大きさで形成されており、その材質は、コンクリート平板、コンクリート平板の表面をはつり仕上げやタイル仕上げとしたものの他、枕木、天然石、グレーチング材など様々な材質とすることができる。なお、屋外用床材21の材質は、屋外床部2を除く玄関アプローチ6のその他の床材と同一、又はデザイン的に統一性を図れる材質とすることが好ましい。
【0023】
床支持基礎22は、
図3に示すように、樹木4の根鉢41の周囲を囲うように過半を地中に埋設される基礎部材で、
図4に示す一対の第2基礎24の相対向する面24b同士間の距離L1aは、
図3に示す樹木4の根鉢幅W1よりも長い。そして第1基礎23及び一対の第2基礎24は、施工上、及び費用上の点から図示例のようにコンクリートブロック積みで形成されることが望ましく、その厚さや高さは埋設される地盤や屋外用床材21の重量、大きさなどを考慮して決定される。なお、第1基礎23及び第2基礎24の材質は特に限定されるものではなく、屋外用床材21を支持できるものであればコンクリートブロック以外の材質であってもよい。
【0024】
植栽スペース3は、
図1及び
図3に示すように、玄関アプローチ6の階段61の一部である屋外床部2と、駐車場Pとの間に挟まれた位置に形成されており、玄関アプローチ6の幅と駐車場Pの間口幅とを優先するため十分な面積を確保できず狭小なスペースとなっている。
図3に示すように、屋外床部2の植栽スペース3側の端縁2a~植栽スペース3の第1端縁3bまでの水平距離である第1水平距離L1は、例えば、450mm~600mm程度となっており、この範囲内には樹木4や複数の低木42が配置される。
【0025】
図3に示すように、樹木4は根鉢41を有しており、その根鉢幅W1は第1水平距離L1以上となっている。また樹木4は、樹高が例えば3500mm~4000mm程度、また、根鉢幅W1が800mm程度とある程度成長した樹木であり、低木42と比較して立面的な存在感が大きい植栽となっている。
【0026】
次に、樹木の植栽構造1の施工方法について説明する。
図5に示すように、隣地S2との境界沿いには、地中に埋設された砕石7、及び立上り81を有するコンクリート基礎8に支持されたコンクリートブロック塀Fが設置されている。そして、立上がり部81から、駐車場Pのコンクリート塀F側の端縁(第1端縁3b)までの土壌Gを掘削して埋設穴9を形成し、第2基礎24の先端部を第1端縁3bの方向へ向けた状態で上方から床支持基礎22を埋設穴9へ挿入し、予め床支持基礎22の設置箇所に埋設された砕石7、及びコンクリート基礎8上部に床支持基礎22を載置する。このとき床支持基礎22は、
図6に示すように、第1基礎23の第1端縁3b側の端面23b~第1端縁3bまでの水平距離である第2水平距離L2が、
図3に示す樹木4の根鉢幅W1よりも長くなるように位置を調整して設置され、また、第1基礎23及び第2基礎24のそれぞれの上端面23a、24aが後ほど形成される植栽スペース3の地表面3aよりも上方となるように設置高さを調整される。
【0027】
続いて
図6及び
図7に示すように、樹木4の根鉢41を第1基礎23と第1端縁3bとの間の埋設穴9に挿入して土壌Gを埋め戻し、根鉢41を地中に埋設するとともに、樹木4の根元に低木42を植栽して植栽スペース3を完成させる。そして、コンクリートブロック塀F下部のコンクリート基礎8と第1基礎23との間の埋設穴9にも土壌Gを埋め戻し、その上部に砕石7、捨てコンクリート10を敷設する。最後に、捨てコンクリート10及び第1基礎23の上端面23aに第2床材21Bを設置するとともに、第2基礎24の上端面24aに第1床材21Aを設置して、
図3に示すように樹木の植栽構造1を完成させる。
【0028】
このように、本願の樹木の植栽構造1は、屋外床部2を、屋外用床材21と床支持基礎22とに分割しているので、樹木4の植栽作業を終えた後に屋外用床材21を設置することができ、樹木4の根鉢幅W1が植栽スペース3の第1水平距離L1内に収まらない場合であっても、樹木4を植栽することが可能となる。したがって、十分な広さを確保できない狭小な植栽スペース3や、また道路境界線Y1際に形成された植栽スペース3であっても、樹高が高く立面的に存在感のある樹木4を効率良く配置することができ、住宅Xの存在感や意匠性を向上させることができる。また本願の屋外床部2は、コンクリートブロックやコンクリート平板などの既製品を利用しているので、特別な部材を準備する必要がなく、経済性に優れた植栽構造とすることができる。なお本実施形態では、玄関アプローチ6廻りの場合について説明したが、
図9に示すように、屋外に形成されたテラス11(屋外床部2)に隣接する植栽スペース3に樹高のある樹木4を植栽する際にも使用することができる。
【0029】
本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明に係る樹木の植栽構造は、狭小な植栽スペースに樹高の高い樹木を植栽する際に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 樹木の植栽構造
2 屋外床部
21 屋外用床材
21A 第1床材
21B 第2床材
22 床支持基礎
23 第1基礎
23a 第1基礎の上面
23b 第1基礎の樹木側の端面
24 第2基礎
24a 第2基礎の上面
24b 一対の第2基礎の互いに相対向する面
2a 屋外床部の植栽スペース側の端縁
3 植栽スペース
3a 植栽スペースの地表面
3b 第1端縁
4 樹木
41 根鉢
6 玄関アプローチ
9 埋設穴
X 住宅
L1 第1水平距離(屋外床部の植栽スペース側の端縁~第1端縁までの水平距離)
L1a 第2基礎の相対向する面同士間の距離
L2 第2水平距離(第1基礎の樹木側の端面~第1端縁までの水平距離)
W1 根鉢幅
G 土壌