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  • 特許-開封装置 図1
  • 特許-開封装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】開封装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 69/00 20060101AFI20230721BHJP
   B65B 61/18 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
B65B69/00 101
B65B61/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019164061
(22)【出願日】2019-09-09
(65)【公開番号】P2021041953
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】594013907
【氏名又は名称】株式会社進洋
(74)【代理人】
【識別番号】100164541
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 裕司
(72)【発明者】
【氏名】片田 誠
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-026207(JP,A)
【文献】特開平08-258819(JP,A)
【文献】米国特許第06077021(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0079930(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 69/00
B65B 61/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のローラと、ガイドと、開封機構と、
を備え、
前記一対のローラは、少なくとも片方が弾性体のローラである2つのローラで構成されており、
前記ガイドは、円筒形状をしていて、前記一対のローラから所定間隔を隔てて設置されており、
重ねたフィルムの端部をシールして形成され、内部に液体が充填された包装袋が長尺状に連なったものの一端を前記一対のローラに挟み込ませ、他端を前記ガイドにひっかけることにより、前記一対のローラと前記ガイドとの間に前記包装袋を平面状に固定し、
当該平面状に固定された前記包装袋に対して、前記開封機構を突き刺した状態で固定し、
前記一対のローラが回転することにより、前記包装袋を搬送するとともに、前記一対のローラの手前で前記開封機構により前記包装袋を開封し、前記一対のローラによって前記包装袋の内容物である液体を絞り出すことを特徴とする開封装置。
【請求項2】
一対のローラと、ガイドと、開封機構と、
を備え、
前記一対のローラは、弾性体によって互いに押し付けあう2つのローラで構成されており、
前記ガイドは、円筒形状をしていて、前記一対のローラから所定間隔を隔てて設置されており、
重ねたフィルムの端部をシールして形成され、内部に液体が充填された包装袋が長尺状に連なったものの一端を前記一対のローラに挟み込ませ、他端を前記ガイドにひっかけることにより、前記一対のローラと前記ガイドとの間に前記包装袋を平面状に固定し、
当該平面状に固定された前記包装袋に対して、前記開封機構を突き刺した状態で固定し、
前記一対のローラが回転することにより、前記包装袋を搬送するとともに、前記一対のローラの手前で前記開封機構により前記包装袋を開封し、前記一対のローラによって前記包装袋の内容物である液体を絞り出すことを特徴とする開封装置。
【請求項3】
開封機構は、搬送される包装袋に刃を押し当てて固定し、前記包装袋を搬送方向に切り裂くものであることを特徴とする、請求項1から2のいずれか1項に記載の開封装置。
【請求項4】
開封機構は、外周部に複数の針が固定されたホイールを搬送される包装袋に押し当てて固定し、前記包装袋に穿孔するものであることを特徴とする、請求項1から2のいずれか1項に記載の開封装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に液体が封入された包装袋を開封する、開封装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品や調味液のような液体を少量ずつパウチ袋に封入したものは、扱いが手軽なことから広く普及している。そして、このような未開封のパウチ袋を廃棄する必要が生じた場合に、内容物の液体を分離して処理する要請がある。このようなパウチ袋が、個々に切り離されておらず、長尺状に連なっている場合は、従来の、連続搬送される長尺状のフィルムに刃を押し当てて、搬送方向にフィルムを裁断する裁断装置の機構を応用して、パウチ袋を一度に全て開封する方法が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-30544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の裁断装置においては、一枚のフィルムを、皺を寄せず、きれいな切り口で裁断することを目的としている。
【0005】
しかしながら、従来の裁断機の機構を応用して、内部に液体が封入され、複数が長尺状に連なったパウチ袋を全て開封しようとすると、袋に液体分の厚みがあり、上刃、下刃がかみ合わずに裁断できない問題が生じる。また、裁断しただけでは内容物の液体を全て絞り出すことができないことも問題である。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、内部に液体が封入された包装袋を確実に開封し、封入されている液体を全て絞り出す開封装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による開封装置は、一対のローラと、ガイドと、開封機構と、を備え、前記一対のローラは、少なくとも片方が弾性体のローラである2つのローラで構成されており、前記ガイドは、円筒形状をしていて、前記一対のローラから所定間隔を隔てて設置されており、重ねたフィルムの端部をシールして形成され、内部に液体が充填された包装袋が長尺状に連なったものの一端を前記一対のローラに挟み込ませ、他端を前記ガイドにひっかけることにより、前記一対のローラと前記ガイドとの間に前記包装袋を平面状に固定し、当該平面状に固定された前記包装袋に対して、前記開封機構を突き刺した状態で固定し、前記一対のローラが回転することにより、前記包装袋を搬送するとともに、前記一対のローラの手前で前記開封機構により前記包装袋を開封し、前記一対のローラによって前記包装袋の内容物である液体を絞り出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、内部に液体が封入された包装袋を確実に開封し、封入されている液体を全て絞り出す開封装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の1例である開封装置の概略図である。
図2】外周部に針が固定されたホイールを開封機構とした開封装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態の1例である開封装置の概略図である。図面が煩雑にならないよう、主要部のみ表示している。
【0012】
包装袋2は、フィルムを重ねて端部をシールし、そうして形成された袋に化粧品や調味液のような液体を充填した後、残りの端部をシールして充填した液体を密閉したものである。個々の袋は切り離されておらず、全体が連なっている。また、袋の部分は、内部に液体が充填されているため、厚みがあり、容易に変形する。
【0013】
包装袋2は、三辺がシールされた袋を例示しているが、これに限定されず、四辺がシールされた袋であってもよい。また、図1では、全体が連なっているが、個々の袋が切り離された状態であっても構わない。全体が連なっている場合は、より効率的に作業を進めることができる。
【0014】
ローラ1は、2つのローラで構成され、モータのような駆動機構によって回転させることができる。また、2つのローラの間隔は微調整することができる。ローラ1は、包装袋2を挟んで、矢印の方向に回転することにより、長尺状の包装袋2を、右手前側から左奥側へ搬送する。
【0015】
前述したように、包装袋2は当初厚みがあるところ、内容物の液体が絞り出されるに従い、厚みを減じてゆく。このような包装袋2を挟んで搬送するローラ1は、ゴムのように弾力性のある素材が好ましい。あるいは、ローラ1を構成する2つのローラを、ばねのような弾性体により押し付けあうように構成すれば、ローラ1の素材が金属のように弾力性がないものであってもよい。
【0016】
ローラ1の手前にはガイド5があり、ローラ1が長尺状の包装袋2の一端を保持し、ガイド5が少し離れて包装袋2を支持することにより、包装袋2の位置を整えてテンションをかけ、開封機構3が安定に機能するよう、包装袋2を水平に保持する。
【0017】
開封機構3は、刃3aと、その刃3aが先端に固定されている支持体とから構成される。支持体は、図示していないクランプなどにより固定されている。包装袋2を、本開封装置へセットする場合は、クランプを緩めて開封機構3を上に跳ね上げておくか、または、外しておく。そして、包装袋2をローラ1で挟み込んだ後、刃3aを包装袋2に押し付けた状態で、クランプを締めて開封機構3を固定する。その後、ローラ1を矢印の方向に回転させる。そうすると、包装袋2は、ローラ1により搬送され、それに従い、包装袋2は、開封機構3によって、搬送方向に切り裂かれて開封される。そうして開封された包装袋2は、ローラ1によって封入されていた液体を絞り出されるのである。
【0018】
開封され、中の液体を絞り出された包装袋2は、図示しないが、ローラ1の左奥側にある廃棄物受けに集積される。
【0019】
図2は、外周部に針が固定されたホイール4を開封機構とした開封装置の概略図である。図が煩雑にならないように、ホイール4の支持体は図示していない。
【0020】
外周部に針が固定されたホイール4は、回転自在に支持体に固定されている。前述した開封機構3をセットする方法と同様に、包装袋2をローラ1で挟み込んだ後、ホイール4の針を包装袋2に押し付けた状態で、クランプを締めてホイール4を固定する。その後、ローラ1の回転により、包装袋2は、搬送され、同時にホイール4の針によって、穿孔されて開封される。そうして開封された包装袋2は、ローラ1によって封入されていた液体を絞り出されるのである。
【符号の説明】
【0021】
1 ローラ
2 包装袋
3 開封機構
4 ホイール
5 ガイド
図1
図2