(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】シャットダウンシステム、シャットダウン方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20230721BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20230721BHJP
【FI】
H02J1/00 308H
H02M7/48 M
(21)【出願番号】P 2019114498
(22)【出願日】2019-06-20
【審査請求日】2022-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】古賀 達雄
(72)【発明者】
【氏名】金森 圭太
(72)【発明者】
【氏名】木寺 和憲
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-252046(JP,A)
【文献】特開2014-063282(JP,A)
【文献】特開平11-318042(JP,A)
【文献】特開2018-046682(JP,A)
【文献】特開2014-068509(JP,A)
【文献】特開2016-157364(JP,A)
【文献】特表2013-542699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/12 - 1/44
1/45 - 7/00
H01L 31/02
31/0216-31/0224
31/0236
31/0248-31/0256
31/0352-31/036
31/0392-31/078
31/18
51/42 -51/48
H02J 1/00 - 7/12
7/34 - 7/36
13/00
H02M 7/42 - 7/98
H02S 10/00 -10/40
30/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光パネルにより生成された直流電力を交流電力に変換する
、MPPT方式に対応した電力変換装置を備え、
前記電力変換装置は、
有事を示す信号を取得したか否かを判定し、
前記信号を取得したと判定した場合
、前記太陽光パネルから供給される直流電力
を最大となる値に調整することをせず、電流
を最大となるように調整することで、前記太陽光パネルの正側と前記電力変換装置とを接続する正側伝送路と、前記太陽光パネルの負側と前記電力変換装置とを接続する負側伝送路との間の直流電圧を30V以下にする制御を行う
シャットダウンシステム。
【請求項2】
前記シャットダウンシステムは、さらに、操作スイッチを備え、
前記有事を示す信号は、前記操作スイッチが操作されたことを示す信号である
請求項1に記載のシャットダウンシステム。
【請求項3】
前記操作スイッチは、押しボタンである
請求項2に記載のシャットダウンシステム。
【請求項4】
前記シャットダウンシステムは、さらに、前記正側伝送路と前記負側伝送路とを短絡するための短絡スイッチを備える
請求項1~3のいずれか1項に記載のシャットダウンシステム。
【請求項5】
前記短絡スイッチは、半導体スイッチ又はリレーである
請求項4に記載のシャットダウンシステム。
【請求項6】
前記短絡スイッチは、サイリスタである
請求項4に記載のシャットダウンシステム。
【請求項7】
有事を示す信号を取得したか否かを判定し、
前記信号を取得したと判定した場合
、太陽光パネルから供給される直流電力
を最大となる値に調整することをせず、電流
を最大となるように調整することで、前記太陽光パネルの正側と前記太陽光パネルにより生成された直流電力を交流電力に変換する
、MPPT方式に対応した電力変換装置とを接続する正側伝送路と、前記太陽光パネルの負側と前記電力変換装置とを接続する負側伝送路との間の直流電圧を30V以下にする制御を行う
シャットダウン方法。
【請求項8】
請求項7に記載のシャットダウン方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャットダウンシステム、シャットダウン方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光パネルが設置された建物等で火災が発生した際に、消防士の消火活動における感電等の危険を減らすための規格として、ラピッドシャットダウン規格が存在する。ラピッドシャットダウン規格では、建物等に設置された太陽光パネルから30cm以内の領域の直流電圧を10秒以内に80V以下に降圧し、当該領域外の直流電圧を10秒以内に30V以下に降圧することが義務付けられている。
【0003】
特許文献1には、安全スイッチに関する技術が開示されている。具体的には、太陽光パネル毎に安全スイッチを設け、有事の際に、各安全スイッチを動作させて、各太陽光パネル間の接続を切断することで直流電圧を降圧する。これにより、上記領域内外の直流電圧を規定値内に降圧することができ、ラピッドシャットダウン規格に準拠できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、太陽光パネル毎に安全スイッチを設ける必要があるため、コストがかかるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、低コストでラピッドシャットダウン規格に準拠できるシャットダウンシステム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るシャットダウンシステムの一態様は、太陽光パネルにより生成された直流電力を交流電力に変換する電力変換装置を備え、前記電力変換装置は、有事を示す信号を取得したか否かを判定し、前記信号を取得したと判定した場合、前記太陽光パネルの正側と前記電力変換装置とを接続する正側伝送路と、前記太陽光パネルの負側と前記電力変換装置とを接続する負側伝送路との間の直流電圧を30V以下にする制御を行う。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明に係るシャットダウン方法の一態様は、有事を示す信号を取得したか否かを判定し、前記信号を取得したと判定した場合、太陽光パネルの正側と前記太陽光パネルにより生成された直流電力を交流電力に変換する電力変換装置とを接続する正側伝送路と、前記太陽光パネルの負側と前記電力変換装置とを接続する負側伝送路との間の直流電圧を30V以下にする制御を行う。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明に係るプログラムの一態様は、上記のシャットダウン方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、低コストでラピッドシャットダウン規格に準拠できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態に係るシャットダウンシステムが適用された太陽光発電システムの一例を示す構成図である。
【
図2】実施の形態に係るシャットダウンシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】実施の形態の変形例に係るシャットダウンシステムが適用された太陽光発電システムの一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。
【0013】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0014】
(実施の形態)
実施の形態に係るシャットダウンシステムについて、図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、実施の形態に係るシャットダウンシステム1が適用された太陽光発電システムの一例を示す構成図である。
図1には、シャットダウンシステム1の構成以外に太陽光発電システムにおける太陽光パネル50も示している。
【0016】
太陽光発電システムは、建物の屋根等に設置された複数の太陽光パネル50から供給される直流電力をパワーコンディショナ(パワコン)等の電力変換装置10で交流電力に変換するシステムである。
図1に示されるように、太陽光パネル50の正側と電力変換装置10とは正側伝送路51で接続され、太陽光パネル50の負側と電力変換装置10とは負側伝送路52で接続される。正側伝送路51と、負側伝送路52と、互いに直列接続された複数の太陽光パネル50とでストリングが形成される。
【0017】
太陽光パネル50は、受光面において太陽光等を受光することで、直流電力を生成する。1つの太陽光パネル50では、受光強度にもよるが、例えば50V~60Vの直流電圧が発生する。太陽光パネルが設置された建物で火災が発生する等の有事の際に、太陽光パネルから30cm以内の領域の直流電圧を10秒以内に80V以下に降圧し、当該領域外の直流電圧を10秒以内に30V以下に降圧することを義務付けたラピッドシャットダウン規格が存在する。シャットダウンシステム1は、太陽光発電システムがラピッドシャットダウン規格に準拠できるように太陽光発電システムに適用される。
【0018】
シャットダウンシステム1は、太陽光パネル50により生成された直流電力を交流電力に変換する電力変換装置10を備えるシステムである。本態様では、シャットダウンシステム1は、電力変換装置10と、操作スイッチ30とを備える。
【0019】
電力変換装置10は、例えば、パワコンである。電力変換装置10は、太陽光パネル50から正側伝送路51を介して供給される直流電力を交流電力に変換する。電力変換装置10は、例えばMPPT(Maximum Power Point Tracking)方式を採用しており、通常は、太陽光パネル50から供給される直流電力の電流及び電圧を、それぞれ電力が最大となる値に調整する。例えば、電力変換装置10は、通常は、直流電力を電圧100V、周波数50Hz又は60Hzの交流電力に変換する。
【0020】
一方で、有事の際には、電力変換装置10は、電力が最大となる値に調整することをせず、電流が最大となるように調整する。通常のパワコンのMPPT方式では、このような調整は行われないが、MPPT方式は電流の調整が可能な方式であるため、電力を最大とすることを無視してとにかく電流を大きくするような調整も可能となっている。太陽光パネル50から供給される直流電力の電流が調整されると、太陽光パネル50から供給される直流電力の電圧、つまり、正側伝送路51と負側伝送路52との間の直流電圧も調整される。本態様では、電力変換装置10は、有事の際に、当該電流を大きくする制御を行うことで当該直流電圧を小さくする。
【0021】
詳細は後述する
図2で説明するが、電力変換装置10は、有事を示す信号を取得したか否かを判定し、当該信号を取得したと判定した場合、太陽光パネル50の正側と電力変換装置10とを接続する正側伝送路51と、太陽光パネル50の負側と電力変換装置10とを接続する負側伝送路52との間の直流電圧を30V以下にする制御を行う。例えば、電力変換装置10は、プロセッサ(例えばマイコン)及びメモリ等を備えるコンピュータであり、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより上記制御が実現される。
【0022】
操作スイッチ30は、例えば人に操作されるスイッチであり、複数の太陽光パネル50が設置された建物等の屋内又は屋外(建物の壁等)に設けられる。操作スイッチ30は、複数の太陽光パネル50が設置された建物等において火災が発生したり、災害(地震、水害等)が発生したりするときに操作される。操作スイッチ30は、操作されることで、操作スイッチ30が操作されたことを示す信号を出力する。操作スイッチ30と電力変換装置10とは有線又は無線で接続されており、操作スイッチ30は、操作されることで上記信号を電力変換装置10へ出力する。操作スイッチ30は、例えば押しボタンである。
【0023】
次に、シャットダウンシステム1の動作の詳細について
図2を用いて説明する。
【0024】
図2は、実施の形態に係るシャットダウンシステム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0025】
電力変換装置10は、有事を示す信号を取得したか否かを判定する(ステップS11)。有事を示す信号は、例えば、操作スイッチ30が操作されたことを示す信号である。つまり、電力変換装置10は、操作スイッチ30が操作されたか否かを判定することで、有事の際の動作を行うか否かを判定できる。
【0026】
電力変換装置10は、上記信号を取得しないと判定した場合(ステップS11でNo)、有事に備えつつ通常の動作を行う。
【0027】
電力変換装置10は、上記信号を取得したと判定した場合(ステップS11でYes)、正側伝送路51と負側伝送路52との間の直流電圧を30V以下にする制御を行う(ステップS12)。具体的には、電力変換装置10は、上述したように、太陽光パネル50から供給される直流電力の電流を調整することで、当該制御を行う。当該制御によって、正側伝送路51と負側伝送路52との間の直流電圧は、10秒以内に(例えば数秒以内に)30V以下となり、すなわち、太陽光パネル50から30cm以内の領域の直流電圧が10秒以内に80V以下に降圧し、当該領域外の直流電圧が10秒以内に30V以下に降圧することになる。通常のパワコンでは、当該直流電圧が30V以下となる制御は行われないが、本態様では、電力変換装置10は、有事の際に(有事を示す信号を取得した際に)、当該直流電圧が30V以下となる制御を行う。
【0028】
以上説明したように、本実施の形態に係るシャットダウンシステム1は、太陽光パネル50により生成された直流電力を交流電力に変換する電力変換装置10を備える。電力変換装置10は、有事を示す信号を取得したか否かを判定し、当該信号を取得したと判定した場合、太陽光パネル50の正側と電力変換装置10とを接続する正側伝送路51と、太陽光パネル50の負側と電力変換装置10とを接続する負側伝送路52との間の直流電圧を30V以下にする制御を行う。
【0029】
これによれば、有事の際に、パワコン等の電力変換装置10によって、正側伝送路51と負側伝送路52との間の直流電圧を30V以下にすることができ、ラピッドシャットダウン規格に準拠できる。特に、本態様では、例えば、太陽光パネル50毎に安全スイッチ等を設ける必要がなく、電力変換装置10の制御方法を変更するだけでよいため、低コストでラピッドシャットダウン規格に準拠できる。
【0030】
また、シャットダウンシステム1は、さらに、操作スイッチ30を備え、有事を示す信号は、操作スイッチ30が操作されたことを示す信号であるとしてもよい。例えば、操作スイッチ30は、押しボタンであるとしてもよい。
【0031】
これによれば、操作スイッチ30を操作することで、容易に上記直流電圧を30V以下にすることができる。例えば、操作スイッチ30が押しボタンである場合には、操作スイッチ30の操作を、押すという単純な操作にすることができる。
【0032】
(変形例)
シャットダウンシステム1は、正側伝送路51と負側伝送路52との間の直流電圧を30V以下にするための構成として電力変換装置10を備えているが、当該直流電圧を30V以下にするための別の構成を電力変換装置10に加えてさらに備えていてもよい。これについて、実施の形態の変形例として
図3を用いて説明する。
【0033】
図3は、実施の形態の変形例に係るシャットダウンシステム2が適用された太陽光発電システムの一例を示す構成図である。
【0034】
シャットダウンシステム2は、さらに短絡スイッチ20を備える点が、シャットダウンシステム1と異なる。その他の点は、シャットダウンシステム1におけるものと同じであるため説明は省略する。
【0035】
短絡スイッチ20は、正側伝送路51と負側伝送路52とを短絡するためのスイッチである。短絡スイッチ20は、例えば、半導体スイッチ又はリレーであり、外部からの信号によって、導通状態及び非導通状態が切り替えられる。例えば、短絡スイッチ20は、操作スイッチ30が操作されたことを示す信号に応じて、導通状態及び非導通状態が切り替えられる。例えば、短絡スイッチ20は、操作スイッチ30が操作されたことを示す信号を取得することで導通状態となり、すなわち、正側伝送路51と負側伝送路52とを短絡する。一方で、短絡スイッチ20は、操作スイッチ30が操作されたことを示す信号を取得しない場合には非導通状態となり、すなわち、正側伝送路51と負側伝送路52とを開放とする。例えば、短絡スイッチ20は、サイリスタであってもよい。
【0036】
以上説明したように、シャットダウンシステム2は、さらに、正側伝送路51と負側伝送路52とを短絡するための短絡スイッチ20を備えるとしてもよい。
【0037】
これによれば、短絡スイッチ20によって正側伝送路51と負側伝送路52とを短絡することで、上記直流電圧を30V以下(ほぼ0V)にすることができる。有事の際には、電力変換装置10が破壊されて、電力変換装置10によって、上記直流電圧を30V以下にすることができないことも考えられるため、シャットダウンシステム2が電力変換装置10に加えて短絡スイッチ20を備えることで、より確実に上記直流電圧を30V以下にすることができる。
【0038】
また、短絡スイッチ20は、半導体スイッチ又はリレーであるとしてもよい。
【0039】
このように、短絡スイッチ20を半導体スイッチ又はリレーで実現してもよい。
【0040】
また、短絡スイッチ20は、サイリスタであるとしてもよい。
【0041】
例えば、通常のスイッチは、導通状態にするための信号が入力されている間導通状態となり、当該信号の入力が停止されると非導通状態となる。例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)は、ゲートにMOSFETを導通状態にするための電圧が印加されている間、ソース-ドレイン間が導通状態となり、当該電圧が印加されないとソース-ドレイン間が非導通状態となる。短絡スイッチ20としてこのような通常のスイッチが用いられる場合、有事の際に、短絡スイッチ20は、短絡スイッチ20を制御する装置(ここでは操作スイッチ30)から信号が入力されて導通状態となるが、その後当該装置が破壊されたり、当該装置と短絡スイッチ20とを接続する通信線が断線したりすると当該信号が入力されなくなり短絡スイッチ20が非導通状態となってしまう。これに対して、サイリスタは、一度導通状態となると、外部から導通状態を解除する信号が入力されない限り、電流がサイリスタを通過している間は導通状態が維持される。例えば、太陽光パネル50が太陽光を受光している間は、サイリスタが導通状態であれば太陽光パネル50からの電流がサイリスタを通過することになるため、発電が行われる日中において有事の際にサイリスタの導通状態を維持できる。したがって、有事の際に、短絡スイッチ20(サイリスタ)が導通状態となった後に、短絡スイッチ20を制御する装置が破壊されたとしても、短絡スイッチ20の導通状態を維持することができ、すなわち、正側伝送路51と負側伝送路52との間の直流電圧を30V以下に維持できる。
【0042】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係るシャットダウンシステム1、2について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0043】
例えば、上記実施の形態では、有事を示す信号は、操作スイッチ30が操作されたことを示す信号であるとしたが、これに限らない。例えば、有事を示す信号は、火災センサ又は煙センサ等の異常検知センサが異常を検知したことを示す信号であってもよい。
【0044】
また、例えば、上記実施の形態では、操作スイッチ30は、押しボタンであるとしたが、これに限らない。
【0045】
また、本発明は、シャットダウンシステム1、2として実現できるだけでなく、シャットダウンシステム1、2を構成する各構成要素が行うステップ(処理)を含むシャットダウン方法として実現できる。
【0046】
具体的には、
図2に示されるように、シャットダウン方法では、有事を示す信号を取得したか否かを判定し(ステップS11)、当該信号を取得したと判定した場合(ステップS11でYes)、太陽光パネル50の正側と太陽光パネル50により生成された直流電力を交流電力に変換する電力変換装置10とを接続する正側伝送路51と、太陽光パネル50の負側と電力変換装置10とを接続する負側伝送路52との間の直流電圧を30V以下にする制御を行う(ステップS12)。
【0047】
例えば、それらのステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。そして、本発明は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本発明は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
【0048】
上記実施の形態に係るシャットダウンシステム1、2は、マイコンによってソフトウェア的に実現されたが、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータにおいてソフトウェア的に実現されてもよい。さらに、シャットダウンシステム1、2は、A/D変換器、論理回路、ゲートアレイ、D/A変換器等で構成される専用の電子回路によってハードウェア的に実現されてもよい。
【0049】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1、2 シャットダウンシステム
10 電力変換装置
20 短絡スイッチ
30 操作スイッチ
50 太陽光パネル
51 正側伝送路
52 負側伝送路