(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】照明システム及び制御装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/18 20200101AFI20230721BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20230721BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
H05B47/18
H05B47/165
H04Q9/00 301C
(21)【出願番号】P 2019156051
(22)【出願日】2019-08-28
【審査請求日】2022-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】井原 康介
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-103297(JP,A)
【文献】特開2017-162730(JP,A)
【文献】特開2002-289364(JP,A)
【文献】特開2010-251152(JP,A)
【文献】特開2017-016874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
H03J 9/00-9/06
H04Q 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ネットワークに接続され、第1空間に設置される第1照明器具と、
第2ネットワークに接続され、前記第1空間とは異なる第2空間に設置される第2照明器具と、
前記第1照明器具又は前記第2照明器具を調光するための第1制御信号を、前記第1ネットワークと前記第2ネットワークとの間の第3ネットワークに送信する第1操作器と、
前記第3ネットワークを介して前記第1制御信号を受信し、受信された前記第1制御信号を、前記第1ネットワークに送信するか否かを判定する第1制御装置と、を備え、
前記第1制御信号は、調光対象を識別するための識別情報を有し、
前記第1照明器具及び前記第2照明器具は、それぞれ、受信された制御信号が、前記識別情報として、前記第1照明器具及び前記第2照明器具で共通の共通識別情報を有する場合に、受信された前記制御信号に基づいて調光し、
前記第1制御装置は、
受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第1照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を送信し、
受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第2照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を送信
せず、
受信された前記第1制御信号が、調光対象として前記第1照明器具を示す前記識別情報を有する場合に、前記識別情報を前記共通識別情報に変換して、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を送信する、
照明システム。
【請求項2】
前記第1操作器は、
前記第1制御信号の調光対象が前記第1照明器具である場合に、前記第1ネットワークに前記共通識別情報を有する前記第1制御信号を送信する、
請求項
1に記載の照明システム。
【請求項3】
第1ネットワークに接続され、第1空間に設置される第1照明器具と、
第2ネットワークに接続され、前記第1空間とは異なる第2空間に設置される第2照明器具と、
前記第1照明器具又は前記第2照明器具を調光するための第1制御信号を、前記第1ネットワークと前記第2ネットワークとの間の第3ネットワークに送信する第1操作器と、
前記第3ネットワークを介して前記第1制御信号を受信し、受信された前記第1制御信号を、前記第1ネットワークに送信するか否かを判定する第1制御装置と、
前記第1照明器具又は前記第2照明器具を調光するための第2制御信号を、前記第3ネットワークに送信する第2操作器
と、を備え、
前記第1制御装置は、
受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第1照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を送信し、
受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第2照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を送信せず、
前記第3ネットワークを介して、前記第2制御信号を受信し、
受信された前記第2制御信号の調光対象が前記第1照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第2制御信号を送信し、
受信された前記第2制御信号の調光対象が前記第2照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第2制御信号を送信しない、
照明システム。
【請求項4】
第1ネットワークに接続され、第1空間に設置される第1照明器具と、
第2ネットワークに接続され、前記第1空間とは異なる第2空間に設置される第2照明器具と、
前記第1照明器具又は前記第2照明器具を調光するための第1制御信号を、前記第1ネットワークと前記第2ネットワークとの間の第3ネットワークに送信する第1操作器と、
前記第3ネットワークを介して前記第1制御信号を受信し、受信された前記第1制御信号を、前記第1ネットワークに送信するか否かを判定する第1制御装置と、を備え、
前記第1制御装置は、
受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第1照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を送信し、
受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第2照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を送信せず、
前記第1操作器は、複数の前記第1制御信号を同時に送信し、
複数の前記第1制御信号には、前記第1照明器具を調光するための前記第1制御信号と前記第2照明器具を調光するための前記第1制御信号とが含まれる、
照明システム。
【請求項5】
前記第1操作器は、調光対象となる照明器具を選択する操作を受け付け、選択された照明器具を調光するための前記第1制御信号を送信する、
請求項
1から4のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項6】
前記第1制御信号は、調光対象を識別するための識別情報を有し、
前記第1制御装置は、受信された前記第1制御信号の前記識別情報に基づいて、前記第1制御信号の調光対象を判定する、
請求項
1から5のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項7】
前記第1操作器は、前記第1制御信号の調光対象が前記第1照明器具である場合に、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を送信する、
請求項1から
6のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項8】
前記第3ネットワークを介して前記第1制御信号を受信し、受信された前記第1制御信号を、前記第2ネットワークに送信するか否かを判定する第2制御装置をさらに備え、
前記第2制御装置は、
受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第1照明器具であると判定した場合に、前記第2ネットワークに前記第1制御信号を送信せず、
受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第2照明器具であると判定した場合に、前記第2ネットワークに前記第1制御信号を送信する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項9】
第1ネットワークに接続され、第1空間に設置される第1照明器具と、
第2ネットワークに接続され、前記第1空間とは異なる第2空間に設置される第2照明器具と、
前記第1照明器具又は前記第2照明器具を調光するための第1制御信号を、前記第1ネットワークと前記第2ネットワークとの間の第3ネットワークに送信する第1操作器と、の間で通信する制御装置であって、
前記第1ネットワークに接続された第1通信部と、
前記第3ネットワークに接続され、前記第3ネットワークを介して前記第1制御信号を受信する第2通信部と、
受信された前記第1制御信号を、前記第1ネットワークに送信するか否かを判定する通信制御部と、を備え、
前記第1制御信号は、調光対象を識別するための識別情報を有し、
前記第1照明器具及び前記第2照明器具は、それぞれ、受信された制御信号が、前記識別情報として、前記第1照明器具及び前記第2照明器具で共通の共通識別情報を有する場合に、受信された前記制御信号に基づいて調光し、
前記通信制御部は、
受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第1照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を前記第1通信部に送信させ、
受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第2照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を前記第1通信部に送信させず、
受信された前記第1制御信号が、調光対象として前記第1照明器具を示す前記識別情報を有する場合に、前記識別情報を前記共通識別情報に変換して、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を前記第1通信部に送信させる、
制御装置。
【請求項10】
第1ネットワークに接続され、第1空間に設置される第1照明器具と、
第2ネットワークに接続され、前記第1空間とは異なる第2空間に設置される第2照明器具と、
前記第1照明器具又は前記第2照明器具を調光するための第1制御信号を、前記第1ネットワークと前記第2ネットワークとの間の第3ネットワークに送信する第1操作器と、
前記第1照明器具又は前記第2照明器具を調光するための第2制御信号を、前記第3ネットワークに送信する第2操作器と、の間で通信する制御装置であって、
前記第1ネットワークに接続された第1通信部と、
前記第3ネットワークに接続され、前記第3ネットワークを介して前記第1制御信号を受信する第2通信部と、
受信された前記第1制御信号を、前記第1ネットワークに送信するか否かを判定する通信制御部と、を備え、
前記通信制御部は、
受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第1照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を前記第1通信部に送信させ、
受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第2照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を前記第1通信部に送信させず、
前記第2通信部は、前記第3ネットワークを介して、前記第2制御信号を受信し、
前記通信制御部は、
受信された前記第2制御信号の調光対象が前記第1照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第2制御信号を前記第1通信部に送信させ、
受信された前記第2制御信号の調光対象が前記第2照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第2制御信号を前記第1通信部に送信させない、
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スタジオ、ホール又は舞台等では、照明器具を制御するための調光操作卓等の操作器が設置されている。操作器は、例えば、DMX(Digital Multiplex System)512と呼ばれる規格に沿った制御用のDMX信号を、スタジオ等に設置されている照明器具に送信することで、照明器具の調光、調色及び光の照射方向等の制御を行う。
【0003】
スタジオ等の空間に設置された照明器具を制御する場合、例えば、1つの空間に設置された照明器具に対して、1つの操作器が設置され、DMX信号等の制御信号の送信用の信号線により照明器具と操作器とが接続される。また、例えば、特許文献1に記載の照明システムのように、DMX信号をイーサネット(登録商標)プロトコルの信号に変換した信号等が用いられることで、照明器具と操作器とは、LAN(Loacal Area Network)で接続される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
テレビ局のように複数のスタジオ等を有する施設の場合、一般的には、操作器は、それぞれの照明器具の設置されたスタジオごとに設置され、スタジオに設置された照明器具を調光する。運用の利便性向上の観点から、操作器が調光する対象となる照明器具を自由に切り替えることができる運用が望まれる。例えば、制御信号の送信に信号線を用いる場合、操作したい照明器具が設置されたスタジオ等と操作器との間に、操作したい照明器具専用の信号線が設置される。そして、通信する信号線を切り替えることで操作する照明器具が切り替えられる。
【0006】
また、制御信号の送信にLANを用いる場合、複数の操作器からの制御信号が、スタジオ等につながるLANに送信されると、LANでの通信量が増大する。その結果、通信負荷が増大し、通信の遅延が懸念される。そのため、スタジオ等の空間ごとにVLAN(Virtual LAN)構成し、操作したい照明器具が設置されたスタジオ等と操作器との間に、操作したい照明器具専用のLANケーブル等が設置されている。そして、通信するLANケーブル等を切り替えることで操作する照明器具が切り替えられる。
【0007】
しかしながら、このように通信に用いられる信号線又はLANケーブル等の配線を切り替える場合、配線を切り替える操作が必要になる。さらに、操作器又は操作する対象となる照明器具が設置されるスタジオ等が増えるたびに、配線を増やす必要があり、大規模な施設の改修が必要となる。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を考慮し、操作器の調光の対象となる照明器具を容易に切り替えることができ、かつ、通信負荷を軽減できる照明システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る照明システムは、第1ネットワークに接続され、第1空間に設置される第1照明器具と、第2ネットワークに接続され、前記第1空間とは異なる第2空間に設置される第2照明器具と、前記第1照明器具又は前記第2照明器具を調光するための第1制御信号を、前記第1ネットワークと前記第2ネットワークとの間の第3ネットワークに送信する第1操作器と、前記第3ネットワークを介して前記第1制御信号を受信し、受信された前記第1制御信号を、前記第1ネットワークに送信するか否かを判定する第1制御装置と、を備え、前記第1制御装置は、受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第1照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を送信し、受信された前記第1制御信号の調光対象が前記第2照明器具であると判定した場合に、前記第1ネットワークに前記第1制御信号を送信しない。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る照明システムによれば、操作器の調光の対象となる照明器具を容易に切り替えることができ、かつ、通信負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る照明システムの構成を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る第1操作器の記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る第1制御装置の記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る第1操作器が第1制御信号を送信する動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係る第1制御装置が第1制御信号を受信する場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態1に係る照明システムの動作例1のシーケンス図である。
【
図8】
図8は、実施の形態2に係る照明システムの構成を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、実施の形態2に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、実施の形態2に係る第1操作器の記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施の形態2に係る第1制御装置の記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施の形態2に係る第1操作器が第1制御信号を送信する動作の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施の形態2に係る第1制御装置が第1制御信号を受信する場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、実施の形態2に係る照明システムの動作例1のシーケンス図である。
【
図15】
図15は、実施の形態2に係る照明システムの動作例2のシーケンス図である。
【
図16】
図16は、実施の形態2に係る照明システムの動作例3のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0013】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0014】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態に係る照明システムについて説明する。
【0015】
[照明システムの構成]
まず、本実施の形態に係る照明システムの概略構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明システム100の構成を模式的に示す図である。
【0016】
図1に示されるように、本実施の形態に係る照明システム100は、複数の空間それぞれに設置される照明器具と、複数の操作器と、複数の制御装置とを備える。
図1において、照明システム100が、N個の空間に設置される照明器具、M個の操作器及びN個の制御装置を備える例が示されている。なお、
図1では、M及びNが3以上である例が示されているが、これに限らない。Mは1以上の整数であってもよい。また、Nは2以上の整数であってもよい。つまり、Mは1以上の整数であり、Nは2以上の整数である。
【0017】
照明システム100は、例えば、テレビ局、コンサートホール施設又は演劇場等の複数の空間で照明の演出が行われる施設に設置される照明システムである。
【0018】
照明システム100は、第1空間1aに設置される複数の第1照明器具10aと、第2空間1bに設置される複数の第2照明器具10bと、・・・第N空間1nに設置される第N照明器具10nとを備える。また、照明システム100は、第1制御信号を送信する第1操作器30aと、第2制御信号を送信する第2操作器30bと、・・・第M制御信号を送信する第M操作器30mとを備える。また、照明システム100は、第1制御装置50aと、第2制御装置50bと、・・・第N制御装置50nとを備える。第1空間1aと第2空間1bと第N空間1nとは、それぞれが異なる空間である。第1空間1a、第2空間1b及び第N空間1nは、例えば、スタジオ、ホール又は舞台等である。
【0019】
本明細書において、第1照明器具10a、第2照明器具10b、・・・、及び第N照明器具10nを総称して、「照明器具」と称する場合がある。また、第1操作器30a、第2操作器30b、・・・、及び第M操作器30mを総称して、「操作器」と称する場合がある。また、第1制御装置50a、第2制御装置50b、・・・、及び第N制御装置50nを総称して、「制御装置」と称する場合がある。また、第1制御信号、第2制御信号、・・・、及び第M制御信号を総称して、「制御信号」と称する場合がある。
【0020】
図1において、図示は省略されているが、照明器具、操作器及び制御装置のそれぞれには、電源装置から電力が供給される。
【0021】
第1照明器具10aは、第1個別ネットワーク2aに接続されている。第2照明器具10bは、第2個別ネットワーク2bに接続されている。以降同様に、第N照明器具10nは、第N個別ネットワーク2nに接続されている。本明細書において、第1個別ネットワーク2aは、第1ネットワークの一例であり、第2個別ネットワーク2bは、第2ネットワークの一例である。
【0022】
第1照明器具10aは、例えば、スタジオ、ホール又は舞台等において用いられるホリゾントライト、ダウンライト、スポットライト又はフラッドライト等である。第1照明器具10aは、例えば、光源としてLED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)、蛍光灯及び白熱灯などを有する。第1照明器具10aは、光の照射方向を変更するためのモータ等を有していてもよい。第1照明器具10aは、例えば、設置されるスタジオ等の空間の床又は天井等の任意の場所に配置される。また、第1照明器具10aは、天井に設置されたバトン等の懸架器具に吊り下げられてもよい。
【0023】
第1空間1aに設置される第1照明器具10aの数は、
図1に示される例では複数であるが、1つであってもよい。
【0024】
第1照明器具10aは、操作器からの制御信号を受信し、受信された制御信号に従って、出射する光を調光する。第1照明器具10aは、受信された制御信号に従って、出射する光の調色、及び、照明範囲の変更等を行ってもよい。それによって、第1照明器具10aは、例えば、スタジオ、ホール又は舞台等の照明の演出を行う。第1照明器具10aは、例えば、DMX信号をイーサネットで通信するためのsACN(streaming Architecture for Control Networks)プロトコルの制御信号(sACN信号)に従って調光するsACN信号対応の照明器具である。つまり、第1照明器具10aは、第1個別ネットワーク2aを介して受信された、操作器からのsACN信号に従って調光する。sACNプロトコルは、512チャネルのDMX信号のデータパケットを1系統(ユニバース)の制御信号として、複数系統の制御信号をマルチキャスト方式で送信することができる通信プロトコルである。
【0025】
制御信号は、調光対象となる照明器具を識別するための識別情報を有する。制御信号としてsACN信号が用いられる場合、sACN信号には、系統ごとにID(IDentification)番号であるユニバース番号が付与されており、ユニバース番号を識別情報として用いることができる。つまり、第1照明器具10aは、第1照明器具10aに割り当てられたユニバース番号を有するsACN信号に従って、出射する光を調光する。なお、本明細書において、ユニバース番号を「ID」と称する場合がある。
【0026】
また、例えば、各第1照明器具10aには、DMXアドレスが割り当てられる。各第1照明器具10aは、受信された制御信号におけるDMX信号のチャネル数をカウントし、カウントした数と割り当てられたDMXアドレスとが一致したDMX信号を取り込み、出射する光を調光する。
【0027】
操作器と照明器具との通信方式は、DMX信号をマルチキャスト方式で送信するsACNプロトコルに限らず、イーサネットに制御信号を送信することができる他の通信プロトコルであってもよい。操作器と照明器具との通信方式は、例えば、DMX信号をブロードキャスト方式で送信するArt-netプロトコルであってもよい。
【0028】
また、操作器と照明器具との通信には、国の電波利用の割り当てに沿った周波数を利用した特定小電力無線、ZigBee(登録商標)又はBluetooth(登録商標)、又は、Wi-Fi(登録商標)などの無線用の通信方式が用いられてもよい。
【0029】
第2照明器具10b等の他の照明器具についても、第1照明器具10aと同様の照明器具であるため、詳細な説明は省略する。
【0030】
第1照明器具10a、第2照明器具10b及び第N照明器具10nは、それぞれ、受信された制御信号が照明器具で共通の共通識別情報を有する場合に、受信された制御信号に従って調光してもよい。例えば、第1照明器具10a、第2照明器具10b及び第N照明器具10nには、同一のユニバース番号が割り当てられる。
図1においては、例えば、第1照明器具10a、第2照明器具10b及び第N照明器具10nそれぞれのユニバース番号は、1、2、3、4である。この場合、詳細は後述するが、制御装置が制御信号の識別情報を共通識別情報に変換する。これにより、異なる空間に設置される照明器具の設定を統一することができ、設定及び保守等が容易になる。
【0031】
第1操作器30aは、共通ネットワーク3に接続され、第1照明器具10a、第2照明器具10b又は第N照明器具10nを調光するための第1制御信号を共通ネットワーク3に送信する。第2操作器30bは、共通ネットワーク3に接続され、第1照明器具10a、第2照明器具10b又は第N照明器具10nを調光するための第2制御信号を共通ネットワーク3に送信する。以降同様に、第M操作器30mは、共通ネットワーク3に接続され、第1照明器具10a、第2照明器具10b又は第N照明器具10nを調光するための第M制御信号を共通ネットワーク3に送信する。制御信号には、例えば、上述のように、sACN信号が用いられる。
【0032】
操作器は、例えば、調光レベルを設定するためのフェーダ等を有する調光操作卓である。操作器は、調光のためのアプリケーションがインストールされた、タブレット型端末、スマートフォン又はパソコン等であってもよい。
【0033】
第1制御装置50aは、第1個別ネットワーク2a、及び、第1個別ネットワーク2aと第2個別ネットワーク2bと第N個別ネットワーク2nとの間の共通ネットワーク3、に接続され、共通ネットワーク3から第1制御信号等の制御信号を受信する。第2制御装置50bは、第2個別ネットワーク2b及び共通ネットワーク3に接続され、共通ネットワーク3から制御信号を受信する。以降同様に、第N制御装置50nは、第N個別ネットワーク2n及び共通ネットワーク3に接続され、共通ネットワーク3から制御信号を受信する。本明細書において、共通ネットワーク3は、第3ネットワークの一例である。
【0034】
第1制御装置50a、第2制御装置50b及び第N制御装置50nは、受信された制御信号の識別情報を変換する機能も有する。
【0035】
制御装置は、2つ以上の通信インタフェースを有し、制御信号の通信を行う装置であり、例えば、パソコン等である。
【0036】
第1個別ネットワーク2aは、第1照明器具10aと第1制御装置50aとを接続するネットワークである。第2個別ネットワーク2bは、第2照明器具10bと第2制御装置50bとを接続するネットワークである。第N個別ネットワーク2nは、第N照明器具10nと第N制御装置50nとを接続するネットワークである。
【0037】
共通ネットワーク3は、第1操作器30aと第2操作器30bと第M操作器30mと第1制御装置50aと第2制御装置50bと第N制御装置50nとを接続するネットワークである。共通ネットワーク3は、各操作器と各照明器具との通信に共通で用いられる。共通ネットワーク3と第1個別ネットワーク2aとの間には、第1制御装置50aが介在している。共通ネットワーク3と第2個別ネットワーク2bとの間には、第2制御装置50bが介在している。共通ネットワーク3と第N個別ネットワーク2nとの間には、第N制御装置50nが介在している。共通ネットワーク3は、照明器具とは直接接続されていない。
【0038】
第1個別ネットワーク2a、第2個別ネットワーク2b、第N個別ネットワーク2n及び共通ネットワーク3等のネットワークには、例えば、LAN等が用いられる。ネットワークに用いられるLANは、有線LANであってもよく、無線LANであってもよい。ネットワークに有線LANが用いられる場合、具体的には、有線LANは、LANケーブル及びスイッチングハブ等で構成される。また、通信距離が長い場合には、LANケーブルの代わりに光ファイバが用いられてもよい。
【0039】
次に、操作器及び制御装置の詳細について説明する。
【0040】
図2は、本実施の形態に係る照明システム100の構成を示すブロック図である。
図2においては、照明システム100における、第1照明器具10a、第1操作器30a、第1制御装置50a、第2照明器具10b、第2操作器30b及び第2制御装置50bが代表して示されている。
【0041】
以下では、第1操作器30a、第1制御装置50a、第2操作器30b及び第2制御装置50bのうち、第1操作器30a及び第1制御装置50aについて説明する。第2操作器30b等の他の操作器及び第2制御装置50b等の他の制御装置については、それぞれ、第1操作器30a及び第1制御装置50aと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0042】
第1操作器30aは、第1通信部31、操作部32、選択部33、制御部34及び記憶部35を備える。
【0043】
第1通信部31は、共通ネットワーク3と接続する通信インタフェースである。共通ネットワーク3に第1制御信号を送信する。第1通信部31は、具体的には、有線LAN又は無線LANの通信用の通信モジュール(通信回路)である。
【0044】
操作部32は、ユーザから、照明器具を調光するための操作を受け付ける。操作部32は、照明器具の調色、及び、照明範囲の変更等を行う操作を受け付けてもよい。操作部32は、例えば、各種フェーダ及び各種ボタン等で構成される。フェーダは、例えば、照明器具を調光するための操作を受け付けるスライダである。操作部32は、タッチパネル等で構成されていてもよい。
【0045】
選択部33は、ユーザから、第1制御信号の調光対象となる照明器具を選択する操作を受け付ける。選択部33は、例えば、第1制御信号の調光対象として、第1照明器具10a、第2照明器具10b及び第N照明器具10nのうち少なくとも1つの照明器具を選択する操作を受け付ける。選択部33は、例えば、各種ボタン等で構成される。選択部33は、タッチパネル等で構成されていてもよい。
【0046】
制御部34は、操作部32及び選択部33が受け付けた操作に基づいた第1制御信号を、第1通信部31に送信させる。例えば、操作部32が複数のフェーダで構成される場合、制御部34は、受け付けたフェーダの操作に基づく調光情報、及び、操作されたフェーダに関連付けられたユニバース番号、を有する第1制御信号を第1通信部31に送信させる。制御部34は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路などにより実現される。
【0047】
記憶部35は、制御部34が実行するプログラムが記憶される記憶装置である。また、記憶部35には、制御部34により参照又は作成される各種データが記憶される。
【0048】
また、記憶部35には、操作部32及び選択部33が受け付けた操作を第1制御信号の識別情報と関連付けるための情報が記憶される。記憶部35には、例えば、操作部32の操作をsACN信号のユニバース番号等と関連付ける情報が記憶される。記憶部35には、操作部32の操作をDMX信号のチャネル番号等と関連付ける情報が記憶されていてもよい。
図3は、記憶部35に記憶される情報の一例を示す図である。
図3には、操作されるフェーダと、第1制御信号のユニバース番号とが関連付けられた調光対象情報が示されている。例えば、
図3に示される調光対象情報に基づいて、各フェーダの操作に基づく調光情報を有する第1制御信号には、選択部33が受け付けた調光対象に応じたユニバース番号が付与される。
【0049】
記憶部35は、具体的には、SRAM又はDRAM等の揮発性の記憶装置、若しくは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等の不揮発性の記憶装置等により実現される。
【0050】
第1制御装置50aは、第1通信部51、第2通信部52、通信制御部53及び記憶部54を備える。
【0051】
第1通信部51は、第1個別ネットワーク2aと接続する通信インタフェースであり、調光対象が第1照明器具10aである制御信号を第1個別ネットワーク2aに送信する。
【0052】
第2通信部52は、共通ネットワーク3と接続する通信インタフェースであり、共通ネットワーク3から制御信号を受信する。
【0053】
第1通信部51及び第2通信部52は、具体的には、それぞれ、有線LAN又は無線LANの通信用の通信モジュール(通信回路)である。
【0054】
通信制御部53は、第2通信部52によって受信された第1制御信号を、第1個別ネットワーク2aに送信するか否かを判定する。通信制御部53は、第1制御信号以外の受信された制御信号を、第1個別ネットワーク2aに送信するか否かを判定してもよい。通信制御部53は、送信すると判定した制御信号を第1通信部51に送信させる。
【0055】
例えば、通信制御部53は、受信された第1制御信号の識別情報に基づいて、第1制御信号の調光対象を判定する。
【0056】
通信制御部53は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路などにより実現される。
【0057】
記憶部54は、通信制御部53が実行するプログラムが記憶される記憶装置である。また、記憶部54には、通信制御部53により参照又は作成される各種データが記憶される。
【0058】
また、記憶部54には、第2通信部52が受信した制御信号の処理についての情報が記憶される。
図4は、記憶部54に記憶される情報の一例を示す図である。
図4には、第2通信部52が共通ネットワーク3を介して受信した制御信号を判定するための判定情報が示されている。具体的には、判定情報は、制御信号のユニバース番号と調光対象となる照明器具とが関連付けられたテーブルである。
図4では、第1照明器具10a及び第2照明器具10bが複数備えられている場合の例が示され、複数の第1照明器具10a及び複数の第2照明器具10bのそれぞれがユニバース番号と関連付けられている。
【0059】
記憶部54は、具体的には、SRAM又はDRAM等の揮発性の記憶装置、若しくは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等の不揮発性の記憶装置等により実現される。
【0060】
[操作器及び制御装置の動作]
次に、本実施の形態に係る操作器及び制御装置の動作について説明する。以下では、第1操作器30a及び第1制御装置50aの動作について説明する。第2操作器30b等の他の操作器及び第2制御装置50b等の他の制御装置については、それぞれ、第1操作器30a及び第1制御装置50aと同様の動作であるため、詳細な説明は省略する。
【0061】
図5は、第1操作器30aが第1制御信号を送信する動作の一例を示すフローチャートである。
【0062】
まず、第1操作器30aの選択部33は、第1制御信号の調光対象となる照明器具を選択する操作を受け付ける(S11)。例えば、ユーザにより、調光対象として第1照明器具10a又は第2照明器具10bが選択される。
【0063】
次に、第1操作器30aの操作部32は、調光対象となる照明器具を調光するための操作を受け付ける(S12)。例えば、ユーザは、フェーダ等の操作部32を操作することにより調光レベルを設定する。
【0064】
次に、第1操作器30aは、ステップS11及びS12にて選択部33及び操作部32の受け付けた操作に基づいた第1制御信号を共通ネットワーク3に送信する(S13)。例えば、制御部34は、
図3に示される記憶部35の調光対象情報を参照し、操作されたフェーダと選択部33により選択された調光対象とに基づくユニバース番号、及び、フェーダの操作に基づく調光情報、を有する第1制御信号を第1通信部31に送信させる。
【0065】
なお、第2操作器30bが第2制御信号を送信する場合にも、
図5に示される方法と同様の方法にて、第2操作器30bは第2制御信号を共通ネットワーク3に送信する。
【0066】
図6は、第1制御装置50aが共通ネットワーク3を介して第1制御信号を受信する場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【0067】
まず、第1制御装置50aの第2通信部52は、共通ネットワーク3から第1制御信号を受信する(S21)。受信された第1制御信号は、例えば、上述のステップS13で第1操作器30aから送信された第1制御信号である。通信制御部53は、受信された第1制御信号を記憶部54に一時的に記憶させる。次に、第1制御装置50aの通信制御部53は、受信された第1制御信号の調光対象が、第1照明器具10aであるか否かを判定する(S22)。例えば、通信制御部53は、
図4に示される判定情報を参照し、第1制御信号の調光対象を判定する。
【0068】
第1制御装置50aは、受信された第1制御信号の調光対象が第1照明器具であると判定した場合(S22でYes)、受信された第1制御信号の識別情報を共通識別情報に変換する(S23)。そして、第1制御装置50aは、第1個別ネットワーク2aに第1制御信号を送信する(S24)。例えば、通信制御部53は、第1制御信号のユニバース番号を変換し、第1制御信号を第1個別ネットワーク2aへ第1通信部51に送信させる。第1照明器具10aは、第1制御信号を受信し、受信された第1制御信号に従って、出射する光を調光する。
【0069】
第1制御装置50aは、受信された第1制御信号の調光対象が第1照明器具とは異なる照明器具であると判定した場合(S22でNo)、第1個別ネットワーク2aに第1制御信号を送信しない(S25)。言い換えると、ステップS25では、通信制御部53は、受信された第1制御信号を第1通信部51に第1個別ネットワーク2aへ送信させない。第1照明器具10aとは異なる照明器具は、例えば、第2照明器具10bである。通信制御部53は、記憶部54に記憶された第1制御信号を消去し、第1制御信号を破棄する。これにより、第1個別ネットワーク2aにおける通信量が減少する。
【0070】
なお、第1制御装置50aが、共通ネットワーク3から第1制御信号以外の制御信号を受信する場合にも、
図6に示される方法と同様の方法にて、制御信号の判定、及び、その後の処理を行う。また、第2制御装置50bが、共通ネットワークから制御信号を受信する場合にも、
図6に示される方法と同様の方法にて、制御信号の判定、及び、その後の処理を行う。
【0071】
[照明システムの動作例]
次に、本実施の形態に係る照明システム100の動作例について説明する。以下の動作例では、操作器と照明器具との通信方式には、sACNプロトコルが用いられている。また、第1操作器30a及び第2操作器30bは、複数系統、具体的には、4系統の制御信号(sACN信号)を同時に送信する。また、各動作例において、1度の制御信号の送信に関する動作が示されているが、操作器が照明器具を調光する間は、制御信号は繰り返し送信される。なお、本明細書において、複数系統の制御信号を同時に送信するとは、動作例で示されるような、操作器が複数系統の制御信号を同一のタイミングで送信する場合だけでなく、照明器具を調光するために制御信号が繰り返し送信される期間が略同一である場合を含む。例えば、照明器具が調光される間、複数系統の制御信号は、系統ごとに異なるタイミングで繰り返し送信されていてもよい。また、以下の各動作例では、ユニバース番号をIDと表記する。
【0072】
また、各動作例において、第1個別ネットワーク2aと共通ネットワーク3との間には、第1制御装置50aが介在しており、第1個別ネットワーク2aと共通ネットワーク3とは直接つながっていない。第1個別ネットワーク2aは、第1制御装置50aの第1通信部51と接続し、共通ネットワーク3は、第1制御装置50aの第2通信部52と接続している。第2個別ネットワーク2b、共通ネットワーク3及び第2制御装置50bの接続についても、上記と同様である。
【0073】
(1)動作例1
まず、本実施の形態に係る照明システム100の動作例1について説明する。
図7は、本実施の形態に係る照明システム100の動作例1のシーケンス図である。動作例1では、第1操作器30aの操作により第1照明器具10aが調光され、第2操作器30bの操作により第2照明器具10bが調光される。動作例1において、第1照明器具10a及び第2照明器具10bは、受信された制御信号が、共通識別情報としてID:1、2、3、4を有する場合に、受信された制御信号に従って調光する。
【0074】
まず、第1操作器30aは、ID:11、12、13、14を有する第1制御信号を共通ネットワーク3に送信する(S31)。ステップS31における第1制御信号は、第1制御装置50a及び第2制御装置50bにとって、調光対象が第1照明器具10aであることを示す第1制御信号である。第1制御装置50a及び第2制御装置50bは、共通ネットワーク3を介して、ステップS31で送信された第1制御信号を受信する。
【0075】
次に、第1制御装置50aは、IDに基づいて、受信された第1制御信号の調光対象が第1照明器具10aであると判定し、第1制御信号のID:11、12、13、14をID:1、2、3、4に変換する(S32)。そして、第1制御装置50aは、ID:1、2、3、4に変換された第1制御信号を第1個別ネットワーク2aに送信する(S33)。第1照明器具10aは、第1個別ネットワーク2aを介して、ステップS33で送信された第1制御信号を受信する。
【0076】
第1照明器具10aは、受信された第1制御信号がID:1、2、3、4を有するため、受信された第1制御信号が示す調光内容を読み取り、第1制御信号に従って出射する光を調光する(S34)。これにより、第1操作器30aの操作に従って、第1照明器具10aが調光される。
【0077】
第2制御装置50bは、IDに基づいて、受信された第1制御信号の調光対象が第1照明器具10aであると判定し、第1制御信号を破棄する(S35)。つまり、第2制御装置50bは、受信された第1制御信号を第2個別ネットワーク2bに送信しない。これにより、第2個別ネットワーク2bにおける通信量が減少する。
【0078】
また、第2操作器30bは、ID:21、22、23、24を有する第2制御信号を共通ネットワーク3に送信する(S41)。ステップS41における第2制御信号は、第1制御装置50a及び第2制御装置50bにとって、調光対象が第2照明器具10bであることを示す第2制御信号である。第1制御装置50a及び第2制御装置50bは、共通ネットワーク3を介して、ステップS41で送信された第2制御信号を受信する。
【0079】
次に、第2制御装置50bは、IDに基づいて、受信された第2制御信号の調光対象が第2照明器具10bであると判定し、第2制御信号のID:21、22、23、24をID:1、2、3、4に変換する(S42)。そして、第2制御装置50bは、ID:1、2、3、4に変換された第2制御信号を第2個別ネットワーク2bに送信する(S43)。第2照明器具10bは、第2個別ネットワーク2bを介して、ステップS43で送信された第2制御信号を受信する。
【0080】
第2照明器具10bは、受信された第2制御信号がID:1、2、3、4を有するため、受信された第2制御信号が示す調光内容を読み取り、第2制御信号に従って出射する光を調光する(S44)。これにより、第2操作器30bの操作に従って、第2照明器具10bが調光される。
【0081】
第1制御装置50aは、IDに基づいて、受信された第2制御信号の調光対象が第2照明器具10bであると判定し、第2制御信号を破棄する(S45)。つまり、第1制御装置50aは、受信された第2制御信号を第1個別ネットワーク2aに送信しない。これにより、第1個別ネットワーク2aにおける通信量が減少する。
【0082】
また、第1操作器30aがID:21、22、23、24を有する第1制御信号を送信し、第2操作器30bがID:11、12、13、14を有する第2制御信号を送信することで、
図7とは操作器が調光する対象となる照明器具が入れ替わる。つまり、第1操作器30aの操作に従って、第2照明器具10bが調光され、第2操作器30bの操作に従って第1照明器具10aが調光される。よって、照明システム100において、第1操作器30aと第2操作器30bとは、調光する対象の照明器具を入れ替えた運用、いわゆるクロス運用が可能である。また、その場合、第1制御信号は、第1個別ネットワーク2aには送信されず、第2制御信号は、第2個別ネットワーク2bに送信されない。よって、第1個別ネットワーク2a及び第2個別ネットワーク2bにおける通信量が減少する。
【0083】
以上のように、第1操作器30aからの第1制御信号が、共通ネットワーク3を介して第1照明器具10a及び第2照明器具10bに送信される。つまり、LANケーブル等が第1操作器30aと第1照明器具10a及び第2照明器具10bそれぞれとの間に専用で設置されていなくても、第1操作器30aは、調光するための第1制御信号を、第1照明器具10a及び第2照明器具10bのいずれにも送信することができる。そのため、LANケーブル等の配線が切り替えられなくても、第1操作器30aは、第1照明器具10a及び第2照明器具10bのいずれも調光することができる。
【0084】
また、第2照明器具10bを調光するための第1制御信号は、第1制御装置50aにより第1個別ネットワーク2aに送信されない。これにより、第1個別ネットワーク2aにおける通信量が減少する。また、第2操作器30bからの第2制御信号についても、第1操作器30aからの第1制御信号と同様の効果が得られる。
【0085】
[効果]
以上、説明したように、照明システム100は、第1個別ネットワーク2aに接続され、第1空間1aに設置される第1照明器具10aと、第2個別ネットワーク2bに接続され、第1空間1aとは異なる第2空間1bに設置される第2照明器具10bとを備える。照明システム100は、さらに、第1照明器具10a又は第2照明器具10bを調光するための第1制御信号を、第1個別ネットワーク2aと第2個別ネットワーク2bとの間の共通ネットワーク3に送信する第1操作器30aを備える。照明システム100は、さらに、共通ネットワーク3を介して第1制御信号を受信し、受信された第1制御信号を、第1個別ネットワーク2aに送信するか否かを判定する第1制御装置50aを備える。第1制御装置50aは、受信された第1制御信号の調光対象が第1照明器具10aであると判定した場合に、第1個別ネットワーク2aに第1制御信号を送信する。第1制御装置50aは、受信された第1制御信号の調光対象が第2照明器具10bであると判定した場合に、第1個別ネットワーク2aに第1制御信号を送信しない。
【0086】
これにより、第1操作器30aからの第1制御信号が、共通ネットワーク3を介して第1照明器具10a及び第2照明器具10bに送信される。つまり、LANケーブル等が第1操作器30aと第1照明器具10a及び第2照明器具10bそれぞれとの間に専用で設置されていなくても、第1操作器30aは、調光するための第1制御信号を、第1照明器具10a及び第2照明器具10bのいずれにも送信することができる。そのため、LANケーブル等の配線が切り替えられなくても、第1操作器30aは、調光対象となる照明器具を変更できる。また、第2照明器具10bを調光するための第1制御信号は、第1制御装置50aにより第1個別ネットワーク2aに送信されない。これにより、第1個別ネットワーク2aにおける通信量が減少する。
【0087】
よって、照明システム100は、操作器の調光の対象となる照明器具を容易に切り替えることができ、かつ、通信負荷を軽減できる。
【0088】
また、例えば、第1操作器30aは、調光対象となる照明器具を選択する操作を受け付け、選択された照明器具を調光するための第1制御信号を送信する。
【0089】
これにより、第1操作器30aが、ユーザ等から調光対象となる照明器具を選択する操作を受け付けるだけで、調光対象となる照明器具を切り替えることができる。
【0090】
また、例えば、第1制御信号は、調光対象を識別するための識別情報を有し、第1制御装置50aは、受信された第1制御信号の識別情報に基づいて、第1制御信号の調光対象を判定する。
【0091】
これにより、第1制御装置50aは、制御信号を送信するか否かの判定に、識別情報を用いることができる。
【0092】
また、例えば、第1照明器具10a及び第2照明器具10bは、それぞれ、受信された制御信号が、識別情報として、第1照明器具10a及び第2照明器具10bで共通の共通識別情報を有する場合に、受信された制御信号に基づいて調光する。第1制御装置50aは、受信された第1制御信号が、調光対象として第1照明器具10aを示す識別情報を有する場合に、識別情報を共通識別情報に変換して、第1個別ネットワーク2aに第1制御信号を送信する。
【0093】
これにより、第1照明器具10aには、共通識別情報を有する第1制御信号が、第1個別ネットワーク2aを介して送信される。また、第1照明器具10a及び第2照明器具10bは、同じ共通識別情報を有する制御信号に従って、出射する光を調光する。そのため、照明システム100は、異なる空間に設置される照明器具の、制御信号に関する設定を統一することができ、設定及び保守等が容易になる。
【0094】
また、例えば、照明システム100は、第1照明器具10a又は第2照明器具10bを調光するための第2制御信号を、共通ネットワーク3に送信する第2操作器30bをさらに備える。第1制御装置50aは、さらに、共通ネットワーク3を介して、第2制御信号を受信する。第1制御装置50aは、受信された第2制御信号の調光対象が第1照明器具10aであると判定した場合に、第1個別ネットワーク2aに第2制御信号を送信する。第1制御装置50aは、受信された第2制御信号の調光対象が第2照明器具10bであると判定した場合に、第1個別ネットワーク2aに第2制御信号を送信しない。
【0095】
これにより、第2操作器30bからの第2制御信号が、共通ネットワーク3を介して第1照明器具10a及び第2照明器具10bに送信される。つまり、LANケーブル等が第2操作器30bと第1照明器具10a及び第2照明器具10bそれぞれとの間に専用で設置されていなくても、第2操作器30bは、調光するための第2制御信号を、第1照明器具10a及び第2照明器具10bのいずれにも送信することができる。また、第2照明器具10bを調光するための第2制御信号は、第1制御装置50aにより第1個別ネットワーク2aに送信されない。そのため、第1個別ネットワーク2aにおける通信量が減少する。よって、照明システム100は、より通信負荷を軽減できる。
【0096】
また、例えば、照明システム100は、共通ネットワーク3を介して第1制御信号を受信し、受信された第1制御信号を、第2個別ネットワーク2bに送信するか否かを判定する第2制御装置50bをさらに備える。第2制御装置50bは、受信された第1制御信号の調光対象が第1照明器具10aであると判定した場合に、第2個別ネットワーク2bに第1制御信号を送信しない。第2制御装置50bは、受信された第1制御信号の調光対象が第2照明器具10bであると判定した場合に、第2個別ネットワーク2bに第1制御信号を送信する。
【0097】
これにより、第2制御装置50bは、第1照明器具10aを調光するための第1制御信号を、第2個別ネットワーク2bに送信しない。そのため、第2個別ネットワーク2bにおける通信量が減少する。よって、照明システム100は、より通信負荷を軽減できる。
【0098】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、操作器が制御信号を送信するネットワークが、実施の形態1と相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0099】
[照明システムの構成]
まず、本実施の形態に係る照明システムの概略構成について説明する。
図8は、本実施の形態に係る照明システム200の構成を模式的に示す図である。
【0100】
図8に示されるように、照明システム200は、実施の形態1に係る照明システム100と比較して、第1操作器30a及び第1制御装置50aの代わりに第1操作器230a及び第1制御装置250aを備える点が相違する。また、第2操作器230b及び第2制御装置250b等の他の操作器及び制御装置についても同様に、実施の形態1に係る照明システム100と相違している。
【0101】
本実施の形態に係る照明システム200は、複数の空間それぞれに設置される照明器具と、複数の操作器と、複数の制御装置とを備える。
図8において、照明システム200が、N個の空間に設置される照明器具、N個の操作器及びN個の制御装置を備える例が示されている。なお、
図8では、Nが3以上である例が示されているが、Nは2以上の整数であってもよい。つまり、Nは、2以上の整数である。
【0102】
第1操作器230aは、第1個別ネットワーク202a及び共通ネットワーク203に接続され、第1制御信号を第1個別ネットワーク202a及び共通ネットワーク203に送信する。第2操作器230bは、第2個別ネットワーク202b及び共通ネットワーク203に接続され、第2制御信号を第2個別ネットワーク202b及び共通ネットワーク203に送信する。以降同様に、第N操作器230nは、第N個別ネットワーク202n及び共通ネットワーク203に接続され、第N制御信号を第N個別ネットワーク202n及び共通ネットワーク203に送信する。本明細書において、第1個別ネットワーク202aは第1ネットワークの一例であり、第2個別ネットワーク202bは第2ネットワークの一例であり、共通ネットワーク203は第3ネットワークの一例である。
【0103】
第1制御装置250aは、第1個別ネットワーク202a及び共通ネットワーク203に接続され、共通ネットワーク203から制御信号を受信する。第2制御装置250bは、第2個別ネットワーク202b及び共通ネットワーク203に接続され、共通ネットワーク203から制御信号を受信する。以降同様に、第N制御装置250nは、第N個別ネットワーク202n及び共通ネットワーク203に接続され、共通ネットワーク203から制御信号を受信する。
【0104】
第1制御装置250a、第2制御装置250b及び第N制御装置250nは、受信された制御信号の識別情報を変換する機能も有する。
【0105】
第1個別ネットワーク202aは、第1照明器具10aと第1操作器230aと第1制御装置250aとを接続するネットワークである。第2個別ネットワーク202bは、第2照明器具10bと第2操作器230bと第2制御装置250bとを接続するネットワークである。第N個別ネットワーク202nは、第N照明器具10nと第N操作器230nと第N制御装置250nとを接続するネットワークである。
【0106】
共通ネットワーク203は、第1操作器230aと第2操作器230bと第N操作器230nと第1制御装置250aと第2制御装置250bと第N制御装置250nとを接続するネットワークである。共通ネットワーク203と第1個別ネットワーク202aとの間には、第1制御装置250aが介在している。共通ネットワーク203と第2個別ネットワーク202bとの間には、第2制御装置250bが介在している。共通ネットワーク203と第N個別ネットワーク202nとの間には、第2制御装置250bが介在している。共通ネットワーク203は、照明器具とは直接接続されていない。
【0107】
次に、操作器及び制御装置の詳細について説明する。
【0108】
図9は、本実施の形態に係る照明システム200の構成を示すブロック図である。
【0109】
第1操作器230aは、第1通信部231、第2通信部236、操作部32、選択部33、制御部237及び記憶部238を備える。
【0110】
第1通信部231は、共通ネットワーク203と接続する通信インタフェースであり、調光対象が第1照明器具10aとは異なる照明器具である第1制御信号を共通ネットワーク203に送信する。
【0111】
第2通信部236は、第1個別ネットワーク202aと接続する通信インタフェースであり、調光対象が第1照明器具10aである第1制御信号を第1個別ネットワーク202aに送信する。
【0112】
第1通信部231及び第2通信部236は、具体的には、有線LAN又は無線LANの通信用の通信モジュール(通信回路)である。
【0113】
制御部237は、操作部32及び選択部33が受け付けた操作に基づいた第1制御信号を、第1通信部231及び第2通信部236の少なくとも一方に送信させる。例えば、操作部32が複数のフェーダで構成される場合、制御部34は、受け付けたフェーダの操作に基づく調光情報、及び、操作されたフェーダに関連付けられたユニバース番号、を有する第1制御信号を第1通信部231及び第2通信部236の少なくとも一方に送信させる。制御部237は、選択部33が受け付けた操作に基づき、第1制御信号を、第1個別ネットワーク202aに送信するか、共通ネットワーク203に送信するかを決定する。制御部237は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路などにより実現される。
【0114】
記憶部238は、制御部237が実行するプログラムが記憶される記憶装置である。また、記憶部238には、制御部237により参照又は作成される各種データが記憶される。
【0115】
また、記憶部238には、操作部32及び選択部33が受け付けた操作を第1制御信号の識別情報と関連付けるための情報が記憶される。記憶部238には、例えば、操作部32の操作をsACN信号のユニバース番号等と関連付ける情報が記憶される。また、記憶部238には、選択部33により選択された調光対象となる照明器具を、第1制御信号の送信先と関連付ける情報が記憶される。記憶部238には、操作部32の操作をDMX信号のチャネル番号等と関連付ける情報が記憶されていてもよい。
図10は、記憶部238に記憶される情報の一例を示す図である。
図10には、操作されるフェーダと、第1制御信号のユニバース番号とが関連付けられた調光対象情報が示されている。例えば、
図10に示される調光対象情報に基づいて、各フェーダの操作に基づく調光情報を有する第1制御信号には、選択部33が受け付けた調光対象に応じたユニバース番号が付与される。
図11は、記憶部238に記憶される情報の別の例を示す図である。
図11には、選択部33により選択された調光対象となる照明器具と、第1制御信号の送信先とが関連付けられた送信先情報が示されている。例えば、
図11に示される送信先情報に基づいて、第1制御信号が送信される。
【0116】
記憶部238は、具体的には、SRAM又はDRAM等の揮発性の記憶装置、若しくは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等の不揮発性の記憶装置等により実現される。
【0117】
第1制御装置250aは、第1通信部251、第2通信部52、通信制御部253及び記憶部254を備える。
【0118】
第1通信部251は、第1個別ネットワーク202aと接続する通信インタフェースであり、調光対象が第1照明器具10aである制御信号を第1個別ネットワーク202aに送信する。また、第1通信部251は、第1個別ネットワーク202aから第1制御信号を受信する。
【0119】
第1通信部251は、具体的には、それぞれ、有線LAN又は無線LANの通信用の通信モジュール(通信回路)である。
【0120】
通信制御部253は、第2通信部52によって受信された制御信号を、第1個別ネットワーク2aに送信するか否かを判定する。通信制御部253は、送信すると判定した制御信号を第1通信部51に送信させる。
【0121】
例えば、通信制御部253は、受信された制御信号の識別情報に基づいて、制御信号の調光対象を判定する。
【0122】
また、通信制御部253は、第1通信部251によって受信された第1制御信号を破棄してもよい。つまり、通信制御部253は、第1通信部251によって受信された第1制御信号を、共通ネットワーク203に送信させなくてもよい。
【0123】
通信制御部253は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路などにより実現される。
【0124】
記憶部254は、通信制御部253が実行するプログラムが記憶される記憶装置である。また、記憶部254には、通信制御部253により参照又は作成される各種データが記憶される。
【0125】
また、記憶部254には、第2通信部52が受信した制御信号の処理についての情報が記憶される。記憶部254には、例えば、
図4に示される判定情報が記憶される。
【0126】
記憶部254は、具体的には、SRAM又はDRAM等の揮発性の記憶装置、若しくは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等の不揮発性の記憶装置等により実現される。
【0127】
[操作器及び制御装置の動作]
次に、本実施の形態に係る操作器及び制御装置の動作について説明する。以下では、第1操作器230a及び第1制御装置250aの動作について説明する。第2操作器230b等の他の操作器及び第2制御装置250b等の他の制御装置については、それぞれ、第1操作器230a及び第1制御装置250aと同様の動作であるため、詳細な説明は省略する。
【0128】
図12は、第1操作器230aが第1制御信号を送信する動作の一例を示すフローチャートである。
【0129】
まず、第1操作器230aの選択部33は、第1制御信号の調光対象となる照明器具を選択する操作を受け付ける(S111)。例えば、ユーザにより、調光対象として第1照明器具10a又は第2照明器具10bが選択される。
【0130】
次に、第1操作器230aの操作部32は、調光対象となる照明器具を調光するための操作を受け付ける(S112)。例えば、ユーザは、フェーダ等の操作部32を操作することにより調光レベルを設定する。
【0131】
次に、第1操作器230aの制御部237は、ステップS111で選択された第1制御信号の調光対象が、第1照明器具10aであるか否かを判定する(S113)。
【0132】
第1操作器230aは、ステップS111にて選択部33の受け付けた調光対象となる照明器具が第1照明器具10aである場合(S113でYes)、操作部32及び選択部33の操作に基づいた第1制御信号を第1個別ネットワーク202aに送信する(S114)。言い換えると、ステップS114では、制御部237は、第1制御信号を第2通信部236に第1個別ネットワーク202aへ送信させる。これにより、調光対象が第1照明器具10aである第1制御信号が、共通ネットワーク203に送信されないため、共通ネットワーク203における通信量が減少する。
【0133】
また、第1操作器230aは、ステップS111にて選択部33の受け付けた調光対象となる照明器具が第1照明器具10aとは異なる照明器具である場合(S113でNo)、操作部32の操作に基づいた調光情報を含む第1制御信号を共通ネットワーク203に送信する(S115)。言い換えると、ステップS115では、制御部237は、第1制御信号を第1通信部31に共通ネットワーク203へ送信させる。
【0134】
ステップS113~S115において、制御部237は、例えば、
図10に示される記憶部238の調光対象情報を参照する。そして、制御部237は、操作されたフェーダと選択部33により選択された調光対象とに基づくユニバース番号、及び、フェーダの操作に基づく調光情報、を有する第1制御信号を第1通信部231又は第2通信部236に送信させる。また、制御部237は、
図11に示される記憶部238の送信先情報を参照し、第1制御信号の送信先を決定する。
【0135】
図13は、第1制御装置250aが第2制御信号を受信する場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【0136】
まず、第1制御装置250aの第2通信部52は、共通ネットワーク203から第2制御信号を受信する(S121)。受信された第2制御信号は、例えば、
図12に示される方法と同様の方法にて、第2操作器230bから送信された第2制御信号である。通信制御部253は、受信された第2制御信号を記憶部254に一時的に記憶させる。次に、第1制御装置250aの通信制御部253は、受信された第2制御信号の調光対象が、第1照明器具10aであるか否かを判定する(S122)。例えば、通信制御部253は、
図4に示される記憶部254の判定情報を参照し、第2制御信号の調光対象を判定する。
【0137】
第1制御装置250aは、受信された第2制御信号の調光対象が第1照明器具10aであると判定した場合(S122でYes)、受信された第2制御信号の識別情報を共通識別情報に変換する(S123)。そして、第1制御装置250aは、第1個別ネットワーク202aに第2制御信号を送信する(S124)。例えば、通信制御部253は、第2制御信号のユニバース番号を変換し、第2制御信号を第1個別ネットワーク202aへ第1通信部251に送信させる。第1照明器具10aは、第2制御信号を受信し、受信された第2制御信号に従って、出射する光を調光する。
【0138】
第1制御装置250aは、受信された第2制御信号の調光対象が第1照明器具10aとは異なる照明器具であると判定した場合(S122でNo)、第1個別ネットワーク202aに第2制御信号を送信しない(S125)。言い換えると、ステップS125では、通信制御部253は、受信された第2制御信号を第1通信部251に第1個別ネットワーク202aへ送信させない。第1照明器具10aとは異なる照明器具は、例えば、第2照明器具10bである。通信制御部253は、記憶部254に記憶された第2制御信号を消去し、第2制御信号を破棄する。これにより、第1個別ネットワーク202aにおける通信量が減少する。
【0139】
なお、第1制御装置250aが、共通ネットワーク203から第2制御信号以外の制御信号を受信する場合にも、
図13に示される方法と同様の方法にて、制御信号の判定、及び、その後の処理を行う。また、第2制御装置250bが、共通ネットワーク203から制御信号を受信する場合にも、
図13に示される方法と同様の方法にて、制御信号の判定、及び、その後の処理を行う。
【0140】
[照明システムの動作例]
次に、本実施の形態に係る照明システム200の動作例について説明する。以下の動作例では、操作器と照明器具との通信方式には、sACNプロトコルが用いられている。また、第1操作器230a及び第2操作器230bは、複数系統、具体的には、4系統の制御信号(sACN信号)を同時に送信する。また、各動作例において、1度の制御信号の送信に関する動作が示されているが、操作器が照明器具を調光する間は、制御信号は繰り返し送信される。また、以下の各動作例では、ユニバース番号をIDと表記する。
【0141】
また、各動作例において、第1個別ネットワーク202aと共通ネットワーク203との間には、第1操作器230a及び第1制御装置250aが介在しており、第1個別ネットワーク202aと共通ネットワーク203とは直接つながっていない。第1個別ネットワーク202aは、第1操作器230aの第2通信部236及び第1制御装置250aの第1通信部251と接続し、共通ネットワーク203は、第1操作器230aの第1通信部31及び第1制御装置250aの第2通信部52と接続している。第2個別ネットワーク202b、共通ネットワーク203、第2操作器230b及び第2制御装置250bの接続についても、上記と同様である。
【0142】
(1)動作例1
まず、本実施の形態に係る照明システム200の動作例1について説明する。
図14は、本実施の形態に係る照明システム200の動作例1のシーケンス図である。動作例1では、第1操作器230aの操作により第1照明器具10aが調光され、第2操作器230bの操作により第2照明器具10bが調光される。また、動作例1において、第1照明器具10a及び第2照明器具10bは、受信された制御信号が、共通識別情報としてID:1、2、3、4を有する場合に、受信された制御信号に従って調光する。
【0143】
まず、第1操作器230aは、ID:1、2、3、4を有する第1制御信号を第1個別ネットワーク202aに送信する(S131)。第1照明器具10a及び第1制御装置250aは、第1個別ネットワーク202aを介して、ステップS131で送信された第1制御信号を受信する。
【0144】
第1照明器具10aは、受信された第1制御信号がID:1、2、3、4を有するため、受信された第1制御信号が示す調光内容を読み取り、第1制御信号に従って、出射する光を調光する(S132)。これにより、第1操作器230aの操作に従って、第1照明器具10aが調光される。
【0145】
第1制御装置250aは、受信された第1制御信号を破棄する(S133)。つまり、第1制御装置250aは、受信された第1制御信号を共通ネットワーク203に送信しない。これにより、共通ネットワーク203における通信量が減少する。
【0146】
また、第2操作器230bは、ID:1、2、3、4を有する第2制御信号を第2個別ネットワーク202bに送信する(S141)。第2照明器具10b及び第2制御装置250bは、第2個別ネットワーク202bを介して、ステップS141で送信された第2制御信号を受信する。
【0147】
第2照明器具10bは、受信された第2制御信号がID:1、2、3、4を有するため、受信された第2制御信号が示す調光内容を読み取り、第2制御信号に従って、出射する光を調光する(S142)。これにより、第2操作器230bの操作に従って、第2照明器具10bが調光される。
【0148】
第2制御装置250bは、受信された第2制御信号を破棄する(S143)。つまり、第2制御装置250bは、受信された第2制御信号を共通ネットワーク203に送信しない。これにより、共通ネットワーク203における通信量が減少する。
【0149】
なお、第1操作器230aは、第1個別ネットワーク202aのみに第1制御信号を送信しているが、同じ内容の第1制御信号を共通ネットワーク203にも送信してもよい。その場合、第2制御装置250bは共通ネットワーク203から第1制御信号を受信し、受信された第1制御信号を破棄する。また、第2操作器230bについても上記と同様の動作をしてもよい。
【0150】
(2)動作例2
次に、本実施の形態に係る照明システム200の動作例2について説明する。
図15は、本実施の形態に係る照明システム200の動作例2のシーケンス図である。動作例2では、第1操作器230aの操作により第2照明器具10bが調光され、第2操作器230bの操作により第1照明器具10aが調光される。動作例2において、第1照明器具10a及び第2照明器具10bは、受信された制御信号が、共通識別情報としてID:1、2、3、4を有する場合に、受信された制御信号に従って調光する。
【0151】
まず、第1操作器230aは、調光対象として第2照明器具10bを示すID:21、22、23、24を有する第1制御信号を共通ネットワーク203に送信する(S151)。第1制御装置250a及び第2制御装置250bは、共通ネットワーク203を介して、ステップS151で送信された第1制御信号を受信する。
【0152】
第2制御装置250bは、IDに基づいて、受信された第1制御信号の調光対象が第2照明器具10bであると判定し、第1制御信号のID:21、22、23、24をID:1、2、3、4に変換する(S152)。そして、第2制御装置250bは、ID:1、2、3、4に変換された第1制御信号を第2個別ネットワーク202bに送信する(S153)。第2照明器具10bは、第2個別ネットワーク202bを介して、ステップS153で送信された第1制御信号を受信する。
【0153】
次に、第2照明器具10bは、受信された第1制御信号がID:1、2、3、4を有するため、受信された第1制御信号が示す調光内容を読み取り、第1制御信号に従って出射する光を調光する(S154)。これにより、第1操作器230aの操作に従って、第2照明器具10bが調光される。
【0154】
第1制御装置250aは、IDに基づいて、受信された第1制御信号の調光対象が第2照明器具10bであると判定し、第1制御信号を破棄する(S155)。つまり、第1制御装置250aは、受信された第1制御信号を第1個別ネットワーク202aに送信しない。これにより、第1個別ネットワーク202aにおける通信量が減少する。
【0155】
また、第2操作器230bは、調光対象として第1照明器具10aを示すID:11、12、13、14を有する第2制御信号を共通ネットワーク203に送信する(S161)。第1制御装置250a及び第2制御装置250bは、共通ネットワーク203を介して、ステップS161で送信された第2制御信号を受信する。
【0156】
第1制御装置250aは、IDに基づいて、受信された第2制御信号の調光対象が第1照明器具10aであると判定し、第2制御信号のID:11、12、13、14をID:1、2、3、4に変換する(S162)。そして、第1制御装置250aは、ID:1、2、3、4に変換された第2制御信号を第1個別ネットワーク202aに送信する(S163)。第1照明器具10aは、第1個別ネットワーク202aを介して、ステップS163で送信された第2制御信号を受信する。
【0157】
次に、第1照明器具10aは、受信された第2制御信号がID:1、2、3、4を有するため、受信された第2制御信号が示す調光内容を読み取り、第2制御信号に従って出射する光を調光する(S164)。これにより、第2操作器230bの操作に従って、第1照明器具10aが調光される。
【0158】
第2制御装置250bは、IDに基づいて、受信された第2制御信号の調光対象が第1照明器具10aであると判定し、第2制御信号を破棄する(S165)。つまり、第2制御装置250bは、受信された第2制御信号を第2個別ネットワーク202bに送信しない。これにより、第2個別ネットワーク202bにおける通信量が減少する。
【0159】
なお、第1操作器230aは、共通ネットワーク203のみに第1制御信号を送信しているが、同じ内容の第1制御信号を第1個別ネットワーク202aにも送信してもよい。その場合、第1制御装置250aは、第1個別ネットワーク202aからも第1制御信号を受信し、受信された第1制御信号を破棄する。また、第2操作器230bについても上記と同様の動作をしてもよい。
【0160】
動作例1及び動作例2のように、照明システム200において、照明システム100と同様に、操作器の調光対象となる照明器具を入れ替えたクロス運用が可能である。また、第1個別ネットワーク202a及び第2個別ネットワーク202bにおける通信量が減少する。
【0161】
また、第1照明器具10aを調光するための第1制御信号は、第1個別ネットワーク202aに送信され、第2照明器具10bを調光するための第2制御信号は、第2個別ネットワーク202bに送信される。そのため、第1照明器具10aを調光するための第1制御信号、及び、第2照明器具10bを調光するための第2制御信号は、共通ネットワーク203に送信されなくてもよい。これにより、共通ネットワーク203における通信量が減少する。
【0162】
(3)動作例3
次に、本実施の形態に係る照明システム200の動作例3について説明する。
図16は、本実施の形態に係る照明システム200の動作例3のシーケンス図である。動作例3では、第1操作器230aの操作により第1照明器具10a及び第2照明器具10bの両方が調光される。動作例3において、第1照明器具10a及び第2照明器具10bは、受信された制御信号が、共通識別情報としてID:1、2を有する場合に、受信された制御信号に従って調光する。
【0163】
まず、第1操作器230aは、ID:1、2を有する第1制御信号を第1個別ネットワーク202aに送信し、ID:21、22を有する第1制御信号を共通ネットワーク203に送信する(S171)。ステップS171における第1制御信号(4系統)は、第1照明器具10aを調光するためのID:1、2を有する第1制御信号(2系統)と、第2照明器具10bを調光するためのID:21、22を有する第1制御信号(2系統)とを含む。第1照明器具10a及び第1制御装置250aは、第1個別ネットワーク202aを介して、ステップS171で送信されたID:1、2を有する第1制御信号を受信する。第2制御装置250bは、共通ネットワーク203を介して、ステップS171で送信されたID:21、22を有する第1制御信号を受信する。
【0164】
なお、図示されていないが、第1制御装置250aは、共通ネットワーク203を介して、ステップS171で送信されたID:21、22を有する第1制御信号を受信する。第1制御装置250aは、IDに基づいて、ID:21、22を有する第1制御信号を破棄する。
【0165】
第1照明器具10aは、受信された第1制御信号がID:1、2を有するため、受信された第1制御信号が示す調光内容を読み取り、第1制御信号に従って、出射する光を調光する(S172)。これにより、第1操作器230aの操作に従って、第1照明器具10aが調光される。
【0166】
第1制御装置250aは、受信されたID:1、2を有する第1制御信号を破棄する(S173)。つまり、第1制御装置250aは、受信されたID:1、2を有する第1制御信号を共通ネットワーク203に送信しない。これにより、共通ネットワーク3における通信量が減少する。
【0167】
また、第2制御装置250bは、IDに基づいて、受信された第1制御信号の調光対象が第2照明器具10bであると判定し、第1制御信号のID:21、22をID:1、2に変換する(S174)。そして、第2制御装置250bは、ID:1、2に変換された第1制御信号を第2個別ネットワーク202bに送信する(S175)。第2照明器具10bは、第2個別ネットワーク202bを介して、ステップS175で送信された第1制御信号を受信する。
【0168】
次に、第2照明器具10bは、受信された第1制御信号がID:1、2を有するため、受信された第1制御信号が示す調光内容を読み取り、第1制御信号に従って出射する光を調光する(S176)。これにより、第1操作器230aの操作に従って、第2照明器具10bが調光される。つまり、動作例3においては、第1操作器230aの操作に従って、第1照明器具10a及び第2照明器具10bがいずれも調光される。また、第2操作器230bも第1操作器230aと同様の方法で、第1照明器具10a及び第2照明器具10bがいずれも調光することが可能である。そのため、第2操作器230bは、第1操作器230aが故障した場合等に用いるバックアップ用の操作器として利用できる。
【0169】
[効果]
以上、説明したように、第1操作器230aは、第1制御信号の調光対象が第1照明器具10aである場合に、第1個別ネットワーク202aに第1制御信号を送信する。
【0170】
これにより、第1照明器具10aを調光するための第1制御信号は、第1個別ネットワーク202aに送信される。そのため、第1照明器具10aを調光するための第1制御信号は、共通ネットワーク203に送信されなくてもよいことから、共通ネットワーク203における通信量が減少する。よって、照明システム200は、通信負荷をより軽減できる。
【0171】
また、例えば、第1操作器230aは、第1制御信号の調光対象が第1照明器具10aである場合に、第1個別ネットワーク202aに共通識別情報を有する第1制御信号を送信する。
【0172】
これにより、共通識別情報を有する第1制御信号は、第1個別ネットワーク202aに送信される。そのため、共通識別情報を有する第1制御信号は、共通ネットワーク203に送信されなくてもよいことから、共通ネットワーク203における通信量が減少する。
【0173】
また、例えば、第1操作器230aは、複数の第1制御信号を同時に送信し、複数の第1制御信号には、第1照明器具10aを調光するための第1制御信号と第2照明器具10bを調光するための第1制御信号とが含まれる。
【0174】
これにより、第1操作器230aは、第1照明器具10a及び第2照明器具10bを同時に調光することができる。
【0175】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態には限定されない。
【0176】
例えば、上記実施の形態において、各操作器及び各制御装置は同じ構成を有していたが、各操作器及び各制御装置は、それぞれの一部が異なる構成を有していてもよい。
【0177】
また、例えば、上記実施の形態では、照明器具はイーサネットを利用したLANから直接制御信号を受信する、sACN信号等に対応した照明器具であったが、これに限らない。照明器具は、DMX信号に従って調光するDMX信号対応の照明器具であってもよい。この場合、例えば、照明器具とネットワークとの間に、sACN信号をDMX信号に変換するいわゆるノードと呼ばれる変換器が備えられる。ノードは、sACN信号を受信し、sACN信号をDMX信号に変換して、DMX信号対応の照明器具にDMX信号を送信する。また、制御信号を受信し、照明器具を調光するための機能を有するコントローラが、照明器具とは別に備えられていてもよい。
【0178】
また、例えば、上記実施の形態では、照明器具が共通識別情報を有する制御信号を受信した場合に、受信された制御信号に従って調光したが、これに限らない。各照明器具が調光に用いる制御信号の識別情報は、異なっていてもよい。この場合、例えば、制御装置は、
図6に示されるステップS23のような、識別情報を共通識別情報に変換するステップを実施せず、変換されていない識別情報を有する制御信号を照明器具に送信し、照明器具は受信された当該制御信号に従って調光する。
【0179】
また、例えば、上記実施の形態では、照明システムは、複数の操作器及び複数の制御装置を備えていたが、これに限らない。照明システムは、複数の操作器及び複数の制御装置のうち、少なくとも第1操作器及び第1制御装置を備えていればよく、例えば、第2操作器又は第2制御装置を備えていなくてもよい。
【0180】
また、例えば、上記実施の形態における照明システムは、照明器具以外の操作対象を操作器により操作するための制御システムであってもよい。例えば、制御システムは、上記実施の形態に係る照明器具が音響機器に置き換えられた、音響機器を操作するための音響システムであってもよい。また、制御システムは、上記実施の形態に係る照明器具が映像投影装置に置き換えられた、映像投影装置を操作するための映像投影システムであってもよい。
【0181】
また、上記実施の形態において、制御部等の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0182】
また、各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0183】
また、本発明の包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び非一時的な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、照明システムの各構成要素が備える制御部等が行う制御をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。
【0184】
また、上記実施の形態において説明された照明システムの動作における複数の処理の順序は一例である。複数の処理の順序は、変更されてもよいし、複数の処理は、並行して実行されてもよい。
【0185】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0186】
1a 第1空間
1b 第2空間
2a、202a 第1個別ネットワーク(第1ネットワーク)
2b、202b 第2個別ネットワーク(第2ネットワーク)
3、203 共通ネットワーク(第3ネットワーク)
10a 第1照明器具
10b 第2照明器具
30a、230a 第1操作器
30b、230b 第2操作器
50a、250a 第1制御装置
50b、250b 第2制御装置
100、200 照明システム