(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】縦型製袋充填包装機及びシャフトの交換方法
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20230721BHJP
B65B 9/207 20120101ALI20230721BHJP
B65B 9/213 20120101ALI20230721BHJP
【FI】
B65B57/00 D
B65B9/207
B65B9/213
(21)【出願番号】P 2019212539
(22)【出願日】2019-11-25
【審査請求日】2022-08-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年7月9日にFOOMA JAPAN 2019 国際食品工業展にて展示 令和1年10月29日にJAPAN PACK 2019 日本包装産業展にて展示
(73)【特許権者】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】窪井 宏行
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-043626(JP,A)
【文献】特開2017-197238(JP,A)
【文献】特開2019-091863(JP,A)
【文献】特開2016-037336(JP,A)
【文献】特開2011-105346(JP,A)
【文献】特開2009-184695(JP,A)
【文献】特開2012-144275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/00
B65B 59/00
B65B 51/00
B65B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状包装材から成形した袋に製品を充填する縦型製袋充填包装機であって、
帯状包装材を筒状に成形する製筒器と、
前記製筒器によって筒状に成形された帯状包装材を挟んで、袋の頂部の部分及び底部の部分をシールする横シール装置と、
前記横シール装置でシールされることによって帯状包装材から成形された袋に、製品供給装置から供給される製品を充填する製品充填筒とを備え、
前記横シール装置は、
上下方向に延設された一対のシャフトと、
前記一対のシャフトと交差する方向に延設された一対の開閉ガイドシャフト、各々が前記一対の開閉ガイドシャフトに沿って移動する一対のシールブロック、及び前記一対のシールブロックを接離させる接離機構がユニット化されたシールユニットとを含み、
前記一対のシャフトのうちの一方側の前記シャフトは、機械ベースに対して着脱可能に構成され、
前記シールユニットは、一方側の前記シャフトが前記機械ベースから取り外された状態で、他方側の前記シャフト周りに旋回可能に構成されて
おり、
前記機械ベースは、
一方側の前記シャフトの下端を受け入れる凹部が形成された第1ベースと、
一方側の前記シャフトの上端側の周面の一部を受け入れる円弧面が形成された第2ベースとを備え、
一方側の前記シャフトは、上下方向に移動することによって前記凹部に挿抜されることを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項2】
請求項
1に記載の縦型製袋充填包装機において、
前記一対のシャフトに沿って前記シールユニットを昇降させる昇降装置を備えることを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項3】
請求項
2に記載の縦型製袋充填包装機が備えるシャフトの交換方法であって、
下方への移動を規制した状態の前記シールユニットから前記昇降装置を取り外し、
一方側の前記シャフトを前記機械ベースから取り外し、
一方側の前記シャフトと共に前記シールユニットを、他方側の前記シャフト周りに旋回させ、
前記シールユニットに対して一方側の前記シャフトを交換することを特徴とするシャフトの交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状包装材から成形した袋に製品を充填する縦型製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、帯状包装材の側端縁部分を合掌状に重ね合わせるフォーマと、略筒状に成形された帯状包装材が長手(上下又は縦)方向に走行される中で、両側縁部分をシールする縦シール装置と、略筒状に成形された帯状包装材の頂部の部分と底部の部分とをシールする横シール装置とを備える縦型製袋充填包装機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、特許文献1では、横シール装置の構成要素のうち、横シーラ開閉ブロック、連結ロッド、横シーラ取付けブロック、横シーラ連結ブロック、ヒータブロック、開閉駆動用サーボモータ、及び横シーラ開閉用トグル機構等をユニット化(以下、「横シーラ開閉ユニット」と表記する)して、フレーム底部に立設された一対の横シーラ昇降ガイドロッドに昇降可能に取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の縦型製袋充填包装機では、横シール装置のメンテナンスや部品交換を行う際に、横シール装置を縦型製袋充填包装機から取り外す必要がある。しかしながら、多数の部品で構成される横シール装置は非常に重いので、横シール装置の着脱を複数人で行う必要があったり、時間がかかるという課題がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、横シール装置のメンテナンスや部品交換を容易に行える縦型製袋充填包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するため、帯状包装材から成形した袋に製品を充填する縦型製袋充填包装機であって、帯状包装材を筒状に成形する製筒器と、前記製筒器によって筒状に成形された帯状包装材を挟んで、袋の頂部の部分及び底部の部分をシールする横シール装置と、前記横シール装置でシールされることによって帯状包装材から成形された袋に、製品供給装置から供給される製品を充填する製品充填筒とを備え、前記横シール装置は、上下方向に延設された一対のシャフトと、前記一対のシャフトと交差する方向に延設された一対の開閉ガイドシャフト、各々が前記一対の開閉ガイドシャフトに沿って移動する一対のシールブロック、及び前記一対のシールブロックを接離させる接離機構がユニット化されたシールユニットとを含み、前記一対のシャフトのうちの一方側の前記シャフトは、機械ベースに対して着脱可能に構成され、前記シールユニットは、一方側の前記シャフトが前記機械ベースから取り外された状態で、他方側の前記シャフト周りに旋回可能に構成されており、前記機械ベースは、一方側の前記シャフトの下端を受け入れる凹部が形成された第1ベースと、一方側の前記シャフトの上端側の周面の一部を受け入れる円弧面が形成された第2ベースとを備え、一方側の前記シャフトは、上下方向に移動することによって前記凹部に挿抜されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、横シール装置のメンテナンスや部品交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】第1シールブロック及び第2シールブロックの側面図であって、(A)は離間させた図、(B)は当接させた図である。
【
図6】昇降ガイドシャフトが第1ベースに装着された状態を示す要部斜視図である。
【
図7】一方の昇降ガイドシャフトが第1ベースから抜去された状態を示す要部斜視図である。
【
図8】シールユニットが他方の昇降ガイドシャフト周りに旋回した状態を示す要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る縦型製袋充填包装機1を図面に基づいて説明する。なお、以下に記載する本発明の実施形態は、本発明を具体化する際の一例を示すものであって、本発明の範囲を実施形態の記載の範囲に限定するものではない。従って、本発明は、実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。
【0011】
図1は、縦型製袋充填包装機1の全体斜視図である。
図2は、縦型製袋充填包装機1の側面図である。本明細書では、後述する横シール装置50において、第1シールユニット110が設置された側を「後方」と定義し、第2シールユニット120が設置された側を「前方」と定義し、縦型製袋充填包装機1を前方から見た場合を基準として左右方向を定義する。
【0012】
縦型製袋充填包装機1は、帯状フィルムFw(帯状包装材)を袋Bpに成形すると共に、成形した袋Bpに製品を充填する装置である。縦型製袋充填包装機1は、フィルム搬送装置10と、送り装置20と、製品充填筒30と、縦シール装置40と、横シール装置50と、制御装置60とを主に備える。
【0013】
帯状フィルムFwは、製品を包装する袋の材料となる帯状の包装材である。帯状フィルムFwは、熱を加えることによって溶着することが可能な膜状の部材であって、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、アルミ裏打紙、アルミ蒸着紙などが挙げられる。製品は、例えば、飴、豆菓子、スナック等の粒状の食品を指す。但し、製品の具体例はこれらに限定されず、袋Bpに包装されて出荷されるあらゆる物を含む。
【0014】
フィルム搬送装置10は、巻取ロール11に巻き取られた帯状フィルムFwを、送り装置20に搬送する装置である。フィルム搬送装置10は、巻取ロール11と、複数の固定ガイドロール12a~12hと、テンション機構13と、製筒器14とを主に備える。
【0015】
巻取ロール11は、モータ(図示省略)の駆動力が伝達されて、帯状フィルムFwを繰り出す向きに回転する。固定ガイドロール12a~12hは、巻取ロール11から製筒器14に至る帯状フィルムFwの送り経路に配置されて、送り経路に沿って搬送される帯状フィルムFwを案内する。テンション機構13は、送り経路に沿って搬送される帯状フィルムFwに、適切なテンションを付与する。
【0016】
製筒器14は、帯状フィルムFwの幅方向の両端部を重ね合わせることによって、帯状フィルムFwを筒状に成形する。また、製筒器14は、筒状に成形した帯状フィルムFwを、製品充填筒30に向けて下方に送り出す。製筒器14によって筒状に成形された帯状フィルムFwは、製品充填筒30の外面に沿って下方に移動する。
【0017】
巻取ロール11から製筒器14に至る帯状フィルムFwの送り経路に対面して、日付印字装置15及び日付検査装置16が配置されている。日付印字装置15は、フィルム搬送装置10によって搬送される帯状フィルムFwの所定の位置に、日付(例えば、製造年月日、消費期限、賞味期限など)を印字する。日付検査装置16は、日付印字装置15によって日付が適切に印字されたかを検査する。
【0018】
送り装置20は、フィルム搬送装置10によって搬送された帯状フィルムFwを、上下方向に延びる送り経路に沿って搬送する。より詳細には、送り装置20は、製品充填筒30を挟んで対向する一対の送りベルト21、22を備える。一対の送りベルト21、22は、モータ(図示省略)の駆動力が伝達されて、製品充填筒30の外面を覆う帯状フィルムFwを、横シール装置50に向けて下方に送る。本実施形態において、送り装置20による帯状フィルムFwの送り方向は、下方向である。
【0019】
製品充填筒30は、上端及び下端が開放された筒状の部材である。製品充填筒30は、製筒器14と横シール装置50との間において、筒状に成形された帯状フィルムFwの送り方向に沿って上下方向に延設されている。製品充填筒30は、製品供給装置(図示省略)から上端開口を通じて供給された製品を、縦シール装置40及び横シール装置50によって成形された袋Bpに下端開口を通じて充填する。
【0020】
縦シール装置40は、製品充填筒30に対面する位置に配置されている。より詳細には、縦シール装置40は、送り装置20による帯状フィルムFwの送り方向において、製筒器14より下流側で且つ横シール装置50より上流側に配置されている。
【0021】
縦シール装置40は、帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を挟むように配置された一対のシールブロック41、42を備える。一対のシールブロック41、42は、モータ(図示省略)の回転が伝達されて接離する。一対のシールブロック41、42それぞれには、ヒータが内蔵されている。そして、一対のシールブロック41、42は、帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を挟んで加熱することによって、幅方向の両端部を溶着(シール)する。これにより、帯状フィルムFwは、筒状に成形される。
【0022】
横シール装置50は、筒状に成形された帯状フィルムFwを所定の間隔毎に溶着(シール)することによって、帯状フィルムFwを袋Bpに成形する。より詳細には、横シール装置50は、袋Bpの底部に相当する部分と、袋Bpの頂部に相当する部分とをシールすると共に、連続する2つの袋の境界部分を切断する。
【0023】
図3は、横シール装置50の斜視図である。
図4は、第1シールブロック111及び第2シールブロック121の側面図であって、(A)は離間させた図、(B)は当接させた図である。
図3に示すように、横シール装置50は、一対の昇降ガイドシャフト51、52と、昇降装置53と、シールユニット100とを主に備える。
【0024】
一対の昇降ガイドシャフト51、52は、帯状フィルムFwの送り経路を挟んで配置されている。また、一対の昇降ガイドシャフト51、52は、各々が帯状フィルムFwの送り方向(すなわち、上下方向)と平行に延設されている。また、一対の昇降ガイドシャフト51、52は、第1ベース2と、第2ベース3とに支持されている。第1ベース2及び第2ベース3は、縦型製袋充填包装機1の骨格を構成する機械ベースの一例である。
【0025】
第1ベース2は、横シール装置50の下端に配置されている。第1ベース2は、複数の支持脚4によって載置面Gから上方に離間した位置に支持されている。第1ベース2には、上下方向に貫通する貫通孔2a、2bが形成されている。貫通孔2a、2bは、昇降ガイドシャフト51、52の下端を受け入れる凹部の一例である。
【0026】
貫通孔2a、2bの上端開口は、昇降ガイドシャフト51、52の下端を受け入れ可能な大きさ(すなわち、昇降ガイドシャフト51、52の下端の外径と同一或いは僅かに大きい)である。また、貫通孔2a、2bの下端開口の直径は、昇降ガイドシャフト51、52の下端より小さく、ボルト5a、5b(
図6参照)より大きい。そして、第1ベース2の上面側から貫通孔2a、2bに挿入された昇降ガイドシャフト51、52は、第1ベース2の下面側から貫通孔2a、2bに挿入されたボルト5a、5bによって固定される。
【0027】
横シール装置50の上端に配置されている第2ベース3には、前方側が開放された円弧面3a、3bが形成されている。円弧面3a、3bは、昇降ガイドシャフト51、52の上端側の周面の一部を受け入れ可能な形状(すなわち、昇降ガイドシャフト51、52の直径と同一の半円)である。そして、円弧面3a、3bに受け入れられた昇降ガイドシャフト51、52は、ボルト6a、6b(
図5参照)によって第2ベース3に締結される。
【0028】
昇降装置53は、一対の昇降ガイドシャフト51、52に沿って、シールユニット100を昇降させる。昇降装置53は、昇降モータ54と、クランク機構55とを主に備える。クランク機構55は、一端(上端)が昇降モータ54の出力軸に連結され、他端(下端)がシールユニット100に連結されている。また、クランク機構55とシールユニット100とは、例えば、ピン56を挿抜することによって、着脱可能に構成されている。
【0029】
昇降モータ54を一方に回転させると、クランク機構55が収縮して、シールユニット100が上昇する。また、昇降モータ54を他方に回転させると、クランク機構55が伸長して、シールユニット100が下降する。これにより、後述するボックスモーション動作が実現される。但し、昇降装置53の具体的な構成は、上記の例に限定されない。
【0030】
シールユニット100は、第1シールブロック111及び第2シールブロック121(一対のシールブロック)を接離させることによって、袋Bpの底部に相当する部分と、袋Bpの頂部に相当する部分とをシールする役割を担う。シールユニット100は、一対の昇降ガイドシャフト51、52の間に配置されている。
【0031】
図3に示すように、シールユニット100は、昇降ブロック101、102と、一対の開閉ガイドシャフト103、104と、後端ブロック105と、第1シールユニット110と、第2シールユニット120と、接離機構130とを一体化(ユニット化)したものである。
【0032】
昇降ブロック101、102は、左側部分101及び右側部分102を備える。昇降ブロックの左側部分101及び右側部分102は、
図6~
図8に示すように、シールユニット100の下方で相互に連結されて、一体化されている。
【0033】
昇降ブロックの左側部分101及び右側部分102には、上下方向に貫通する貫通孔101a、102aと、前後方向に貫通する貫通孔101b、101c、102b、102cとが形成されている。貫通孔101a、102aには、リニアブッシュ(図示省略)を介して昇降ガイドシャフト51、52が挿通される。貫通孔101b、101c、102b、102cには、リニアブッシュ(図示省略)を介して開閉ガイドシャフト103、104が挿通される。
【0034】
昇降ブロック101、102は、リニアブッシュと一体になって、昇降ガイドシャフト51、52に沿って昇降する。また、昇降ブロック101、102は、リニアブッシュと一体になって、開閉ガイドシャフト103、104を前後方向にスライド可能に支持する。さらに、昇降ブロックの左側部分101の後方上面には、クランク機構55の下端がピン56を介して着脱可能に取り付けられる。
【0035】
一対の開閉ガイドシャフト103、104は、昇降ブロック101、102に支持されて前後方向(すなわち、昇降ガイドシャフト51、52と交差する方向)に延設されている。そして、一対の開閉ガイドシャフト103、104は、後端ブロック105と、第1シールユニット110と、第2シールユニット120とを支持している。
【0036】
後端ブロック105は、一対の開閉ガイドシャフト103、104の後端に固定されている。第1シールユニット110は、前後方向にスライド可能な状態で一対の開閉ガイドシャフト103、104に支持されている。第2シールユニット120は、一対の開閉ガイドシャフト103、104の前端に固定されている。すなわち、第1シールユニット110は、後端ブロック105及び第2シールユニット120の間に配置されて、第2シールユニット120に接離する向きに移動する。
【0037】
第1シールユニット110は、第1シールブロック111と、第1ホルダ112とを主に備える。第1ホルダ112は、前後方向に移動可能な状態で、一対の開閉ガイドシャフト103、104に支持されている。また、第1ホルダ112の前面には、第1シールブロック111が固定されている。
【0038】
第1シールブロック111は、左右方向に長い角柱である。第1シールブロック111の左右方向の長さは、成形する袋Bpの幅に対応して適宜設定される。第1シールブロック111の前面は、第2シールブロック121に当接する当接面である。
図4に示すように、第1シールブロック111の当接面には、第1シーラ115と、第2シーラ116と、溝117とが形成されている。
【0039】
第1シーラ115は、縦シール装置40によって筒状に成形された帯状フィルムFwのうち、袋Bpの頂部に相当する部分をシールする役割を担う。
図4に示すように、第1シーラ115には、各々が左右方向に延設された凸条115a及び凹条115bが上下方向に交互に形成されている。
【0040】
第2シーラ116は、縦シール装置40によって筒状に成形された帯状フィルムFwのうち、袋Bpの底部に相当する部分をシールする役割を担う。
図4に示すように、第2シーラ116には、各々が左右方向に延設された凸条116a及び凹条116bが上下方向に交互に形成されている。
【0041】
第1シーラ115は、第2シーラ116の下方に配置されている。そして、溝117は、上下方向において、第1シーラ115及び第2シーラ116の間に配置されている。溝117は、第1シールブロック111の左右方向に延設されている。溝117は、第2シールブロック121から突出するカッタ(図示省略)を受け入れる。
【0042】
第2シールユニット120は、第2シールブロック121と、第2ホルダ122とを主に備える。第2ホルダ122は、一対の開閉ガイドシャフト103、104の前端に固定されている。また、第2ホルダ122の後面には、第2シールブロック121が固定されている。
【0043】
第2シールブロック121は、左右方向に長い角柱である。第2シールブロック121の左右方向の長さは、第1シールブロック111と同一である。第2シールブロック121の前面は、第1シールブロック111に当接する当接面である。
図4に示すように、第2シールブロック121の当接面には、第1シーラ125と、第2シーラ126と、溝127とが形成されている。
【0044】
第1シーラ125は、縦シール装置40によって筒状に成形された帯状フィルムFwのうち、袋Bpの頂部に相当する部分をシールする役割を担う。
図4に示すように、第1シーラ125には、各々が左右方向に延設された凸条125a及び凹条125bが上下方向に交互に形成されている。
【0045】
第2シーラ126は、縦シール装置40によって筒状に成形された帯状フィルムFwのうち、袋Bpの底部に相当する部分をシールする役割を担う。
図4に示すように、第2シーラ126には、各々が左右方向に延設された凸条126a及び凹条126bが上下方向に交互に形成されている。
【0046】
第1シーラ125は、第2シーラ126の下方に配置されている。そして、溝127は、第1シーラ125及び第2シーラ126の間に配置されている。溝127は、第2シールブロック121の左右方向に延設されている。溝127の内部には、カッタが収容されている。カッタは、エアシリンダ(図示省略)によって、溝127から出没可能に構成されている。カッタは、連続して成形される複数の袋Bpの境界を切断する役割を担う。
【0047】
図4(A)に示すように、第1シールブロック111及び第2シールブロック121は、前後方向において当接面同士が互いに対面するように、第1シールユニット110及び第2シールユニット120に対して予め位置決めされている。より詳細には、第1シールブロック111及び第2シールブロック121は、前後方向において、第1シーラ115、125が互いに対面し、第2シーラ116、126が互いに対面し、溝117、127が互いに対面するように位置決めされる。
【0048】
また、第1シーラ115、125は、上下方向において、凸条115a、125a及び凹条115b、125bの配置が逆転している。同様に、第2シーラ116、126は、上下方向において、凸条116a、126a及び凹条116b、126bの配置が逆転している。
【0049】
そして、
図4(B)に示すように、第1シールブロック111及び第2シールブロック121は、当接面同士を当接させたときに、凸条115aが凹条125bに進入し、凸条125aが凹条115bに進入し、凸条116aが凹条126bに進入し、凸条126aが凹条116bに進入するように、第1シールユニット110及び第2シールユニット120に対して予め位置決めされている。
【0050】
また、
図4(B)に示すように、第1シールブロック111及び第2シールブロック121は、当接面同士を当接させたときに、溝117、127が連通するように、第1シールユニット110及び第2シールユニット120に対して予め位置決めされている。すなわち、第1シールブロック111及び第2シールブロック121の当接面同士を当接させた状態で、溝127から突出するカッタは溝117に進入する。
【0051】
さらに、第1シールブロック111及び第2シールブロック121には、ヒータが内蔵されている。そして、帯状フィルムFwを挟んだ第1シールブロック111及び第2シールブロック121をヒータで加熱することによって、筒状に成形された帯状フィルムFwのうち、袋Bpの頂部及び底部に相当する部分を溶着(シール)することができる。
【0052】
図3に示すように、接離機構130は、第1シールユニット110及び第2シールユニット120を、近接させる向き及び離間させる向きに移動させることによって、第1シールブロック111及び第2シールブロック121の当接面を接離させる。
図3に示すように、接離機構130は、接離モータ131と、トグル機構132とを主に備える。
【0053】
トグル機構132は、接離モータ131の駆動力が伝達されることによって、連動して伸縮する第1アーム133及び第2アーム134を備える。第1アーム133の先端は、第1ホルダ112に固定されている。第2アーム134の先端は、後端ブロック105に固定されている。
【0054】
接離モータ131を一方に回転させると、第1アーム133及び第2アーム134が伸長する。これにより、第1シールユニット110が前方に移動し、後端ブロック105、一対の開閉ガイドシャフト103、104、及び第2シールユニット120が一体になって後方に移動する。その結果、第1シールブロック111及び第2シールブロック121の当接面が当接する。
【0055】
一方、接離モータ131を他方に回転させると、第1アーム133及び第2アーム134が収縮する。これにより、第1シールユニット110が後方に移動し、後端ブロック105、一対の開閉ガイドシャフト103、104、及び第2シールユニット120が一体になって前方に移動する。その結果、第1シールブロック111及び第2シールブロック121の当接面が離間する。
【0056】
縦型製袋充填包装機1は、フィルム搬送装置10、送り装置20、縦シール装置40、横シール装置50が連動して動作することによって、帯状フィルムFwから袋Bpを成形して製品を充填する処理を、間欠的に繰り返し実行する。縦型製袋充填包装機1の動作は、制御装置60によって制御される。
【0057】
制御装置60は、例えば、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)、各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び演算手段の作業領域となるRAM(Random Access Memory)を備える。そして、ROMに記憶されたプログラムをCPUが読み出して実行することによって、後述する各処理を実現してもよい。
【0058】
但し、制御装置60の具体的な構成はこれに限定されず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよい。
【0059】
まず、制御装置60は、フィルム搬送装置10及び送り装置20を駆動して、1つの袋Bpの高さに相当する分だけ、帯状フィルムFwを送り方向に送る。次に、制御装置60は、縦シール装置40を駆動して、帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を一対のシールブロック41、42で挟んでシールすることによって、帯状フィルムFwを筒状に成形する。
【0060】
また、制御装置60は、横シール装置50にボックスモーション動作を実行させることによって、筒状に成形された帯状フィルムFwのうち、第1袋の頂部に相当する部分と、第1袋の直後の第2袋の底部に相当する部分とを、シールブロック111、121で挟んでシールする。また、制御装置60は、エアシリンダを駆動して、溝127からカッタを出没させることにより、帯状フィルムFwを第1袋及び第2袋の境界で切断する。
【0061】
さらに、制御装置60は、縦シール装置40及び横シール装置50を駆動するのと並行して、製品の供給を指示する信号を製品供給装置に出力する。これにより、製品供給装置から供給された所定量の製品が、底部がシールされた第1袋に製品充填筒30を通じて充填される。そして、この処理を繰り返すことによって、製品が充填された袋Bpが連続的に生成される。
【0062】
ボックスモーション動作とは、シールユニット100の昇降動作と、第1シールブロック111及び第2シールブロック121の接離動作とを組み合わせた動作である。具体的には、制御装置60は、第1シールブロック111及び第2シールブロック121を離間させた状態でシールユニット100を上昇させ、第1シールブロック111及び第2シールブロック121を近接させ、シールユニット100を下降させ、第1シールブロック111及び第2シールブロック121を当接させて帯状フィルムFwをシールする。
【0063】
このように、第1シールブロック111及び第2シールブロック121を近接させた状態でシールユニット100を下降させることによって、製品供給装置から供給された製品を第1袋に適切に充填することができる。その結果、第1シールブロック111及び第2シールブロック121によるシール位置に製品が残存することによる不良品の生成を防止することができる。
【0064】
但し、ボックスモーション動作によって、昇降ガイドシャフト51、52に沿ってシールユニット100を昇降させると、互いに摺接する昇降ガイドシャフト51、52の外面及びリニアブッシュの内面が摩耗する。そのため、昇降ガイドシャフト51、52及びリニアブッシュは、定期的に交換する必要が生じる。
【0065】
そこで、上記の実施形態に係る縦型製袋充填包装機1では、以下の手順で昇降ガイドシャフト52を交換する。なお、以下の説明では、昇降ガイドシャフト52を交換する手順を説明するが、昇降ガイドシャフト51も同様の手順で交換することができる。
【0066】
図5は、シャフト交換処理のフローチャートである。
図6~
図8は縦型製袋充填包装機1の横シール装置50周辺の要部斜視図であって、
図6は昇降ガイドシャフト52が第1ベース2に装着された状態を、
図7は昇降ガイドシャフト52が第1ベース2から抜去された状態を、
図8はシールユニット100が昇降ガイドシャフト51周りに旋回した状態を示す。
【0067】
まず、
図6に示すように、縦型製袋充填包装機1のオペレータは、ジャッキ7でシールユニット100を下方から支持することによって、シールユニット100の下方への移動を規制する(S11)。但し、シールユニット100の下方への移動を規制する方法は、ジャッキ7で支持することに限定されず、ワイヤー等で吊下してもよい。
【0068】
次に、オペレータは、ピン56を取り外すことによって、シールユニット100から昇降装置53を取り外す(S12)。次に、ジャッキ7をジャッキダウンして、シールユニット100を最下位置まで下降させる(S13)。シールユニット100を最下位置まで降下させた後、ジャッキ7は取り外される。
【0069】
次に、オペレータは、機械ベース2、3に対して昇降ガイドシャフト52を締結しているボルト5b、6bを取り外す。そして、
図7に示すように、オペレータは、昇降ガイドシャフト52を上方に引き上げることによって、昇降ガイドシャフト52の下端を貫通孔2bから抜去する(S14)。
【0070】
次に、
図8に示すように、オペレータは、昇降ガイドシャフト52が前方側に引き出されるように、昇降ガイドシャフト52及びシールユニット100を昇降ガイドシャフト51周りに旋回させる(S15)。これにより、昇降ガイドシャフト52が縦型製袋充填包装機1の前面に引き出される。そして、オペレータは、既存の昇降ガイドシャフト52及びリニアブッシュを昇降ブロックの右側部分102から抜去し、新たな昇降ガイドシャフト52及びリニアブッシュを昇降ブロックの右側部分102に挿入する(S16)。
【0071】
次に、オペレータは、ステップS11~S15の処理を逆に実行することによって、昇降ガイドシャフト52を機械ベース2、3に取り付ける。すなわち、オペレータは、昇降ガイドシャフト52を円弧面3bに近づける向きに、シールユニット100及び昇降ガイドシャフト52を旋回させ(S15)、昇降ガイドシャフト52を下降させて貫通孔2bに挿入し(S14)、ボルト5b、6bで昇降ガイドシャフト52を機械ベース2、3に締結し、ジャッキ7でシールユニット100を上昇させ(S13)、シールユニット100と昇降装置53とをピン56で連結し(S12)、ジャッキ7を除去する(S11)。
【0072】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0073】
上記の実施形態によれば、昇降ガイドシャフト51周りにシールユニット100を旋回させることによって、昇降ガイドシャフト51を縦型製袋充填包装機1の前方側に引き出すことができる。これにより、昇降ガイドシャフト51、52を交換する際に、機械ベース2、3から昇降ガイドシャフト51、52取り外して、シールユニット100全体を引き出す必要がない。その結果、昇降ガイドシャフト51、52及びリニアブッシュの交換を容易に行うことができる。
【0074】
また、上記の実施形態によれば、ボルト5b、6bを取り外して、昇降ガイドシャフト52を第1ベース2の貫通孔2bから抜去するだけで、シールユニット100が旋回可能になる。その結果、昇降ガイドシャフト52の交換作業がさらに容易になる。但し、機械ベース2、3に対する昇降ガイドシャフト51、52の固定方法は、前述の例に限定されない。
【0075】
また、上記の実施形態では、昇降ガイドシャフト52を交換する例を説明したが、シールユニット100を旋回させる目的はこれに限定されない。例えば、シールユニット100の構成部品(典型的には、第1シールブロック111、第2シールブロック121、カッター等)の交換、シールユニット100全体のメンテナンス(グリースの充填等)のために、シールユニット100を縦型製袋充填包装機1の前方側に旋回させてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…縦型製袋充填包装機、2…第1ベース、2a,2b,101a,101b,101c,102a,102b,102c…貫通孔、3…第2ベース、3a,3b…円弧面、4…支持脚、5a,5b,6a,6b…貫通孔ボルト、7…ジャッキ、10…フィルム搬送装置、11…巻取ロール、12a~12h…固定ガイドロール、13…テンション機構、14…製筒器、15…日付印字装置、16…日付検査装置、20…送り装置、21,22…送りベルト、30…製品充填筒、40…縦シール装置、41,42…シールブロック、50…横シール装置、51,52…昇降ガイドシャフト、53…昇降装置、54…昇降モータ、55…クランク機構、56…ピン、100…シールユニット、101,102…昇降ブロック、103,104…開閉ガイドシャフト、105…後端ブロック、110…第1シールユニット、111…第1シールブロック、112…第1ホルダ、115,125…第1シーラ、115a,116a,125a,126a…凸条、115b,116b,125b,126b…凹条、116,126…第2シーラ、117,127…溝、120…第2シールユニット、121…第2シールブロック、122…第2ホルダ、130…接離機構、131…接離モータ、132…トグル機構