(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】清潔化組成物及びその生産方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20230721BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20230721BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20230721BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20230721BHJP
A61K 8/64 20060101ALI20230721BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20230721BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20230721BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20230721BHJP
A61K 8/9794 20170101ALI20230721BHJP
A61K 8/99 20170101ALI20230721BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230721BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/19
A61K8/36
A61K8/365
A61K8/64
A61K8/73
A61K8/81
A61K8/9789
A61K8/9794
A61K8/99
A61Q19/00
A61Q19/10
(21)【出願番号】P 2020110987
(22)【出願日】2020-06-26
【審査請求日】2022-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】300011999
【氏名又は名称】ブルネエズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092130
【氏名又は名称】若原 誠一
(72)【発明者】
【氏名】梅澤 一夫
(72)【発明者】
【氏名】小出 悠紀子
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-226324(JP,A)
【文献】特開昭63-051317(JP,A)
【文献】Alcohol-Free Wet Wipes, Corporacion Favorita, 2017年11月, Mintel GNPD [online], [検索日 2023.04.18], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID#:5254035
【文献】Toallitas Desodorantes, Isdin, 1999年12月, Mintel GNPD [online],[検索日 2023.04.18], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID#:15926
【文献】2-Sided Cleansing Pads, Johnson & Johnson, 2007年4月, Mintel GNPD [online],[検索日 2023.04.18], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID#:693042
【文献】Daily Cleansing Cushions, Neutrogena, 2008年1月, Mintel GNPD [online],[検索日 2023.04.18], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID#:831693
【文献】Deep Clean Purifying Charcoal Mask, IncoLabs, 2010年11月, Mintel GNPD [online],[検索日 2023.04.18], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID#:1429791
【文献】Care Make-Up Remover Wipes, Envapress, 2019年4月, Mintel GNPD [online],[検索日 2023.04.18], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID#:6458985
【文献】Purifying No-Rinse Cleansing Water, Pierre Fabre, 2016年5月, Mintel GNPD [online], [検索日 2023.04.18], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID#:4015449
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61K 36/00-36/9068
C11D 1/00-19/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を25重量%乃至95重量%、
笹または竹より抽出した成分を、0.001重量%乃至30重量%、ラウリン酸グリセリルを0.001重量%乃至50重量%、
カキタンニン、活性炭、微生物、光触媒物質または芳香剤を0.001重量%乃至30重量%、
乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸、ヒアルロン酸、ポリクオタニウム、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムまたはポ リ ( 2 - メ タ ク リ ロ イ ル オ キ シ エ チ ル ホ ス ホ リ ル コ リ ン )を0.001重量%乃至30重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合することを特徴とする清潔化組成物。
【請求項2】
水を25重量%乃至95重量%、
クマササ、大笹、千島笹、スズタケ、クマイザサ、チマキザサ、ミヤコザサまたはチュウゴクザサより抽出した成分を、0.001重量%乃至30重量%、ラウリン酸グリセリルを0.001重量%乃至50重量%、
カキタンニン、活性炭、微生物、光触媒物質または芳香剤を0.001重量%乃至30重量%、
乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸、ヒアルロン酸、ポリクオタニウム、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムまたはポ リ ( 2 - メ タ ク リ ロ イ ル オ キ シ エ チ ル ホ ス ホ リ ル コ リ ン )を0.001重量%乃至30重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合することを特徴とする清潔化組成物。
【請求項3】
上記清潔化組成物には、サクラの葉、種子、茎または樹皮より抽出した成分、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン、異性化リノール酸のうち、1つまたは複数
がさらに混合されることを特徴とする請求項
1または2記載の清潔化組成物。
【請求項4】
上記清潔化組成物には、メマツヨイグサ、キハダ、オウバク、ビワ、セージ、キトサン、メマツヨイグサの葉、種子、茎または樹皮より抽出した成分のうち、1つまたは複数
がさらに混合されることを特徴とする請求項
3記載の清潔化組成物。
【請求項5】
上記請求項1乃至
4のいずれか1つの上記清潔化組成物を生産することを特徴とする清潔化組成物の生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清潔化組成物(清潔化組成物/清潔化剤/外用剤)及びその生産方法に関し、特に例えば皮膚、体毛、頭髪などの身体の外面の汚れを除去したり清潔にしたりする清潔化組成物及びその生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような清潔化組成物には、清潔化アルコール、外用アルコール、石鹸、シャンプー、消毒用アルコールなど、多種多様なものが考えられてきている。これに応じてその生産方法もいろいろ考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-155225号公報
【文献】特開昭57-75937号公報
【文献】特開2016-88910号公報
【文献】特開昭63-199795号公報
【文献】特表平10-513189号公報
【文献】特開2016-041660号公報
【文献】特表平09-511244号公報
【文献】特開2004-026657号公報
【文献】特開2007-056009号公報
【文献】特許第6651104号公報
【文献】中国特許出願公開第103705391号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、従来の清潔化組成物などに比べて、身体の外面などの清潔化、清拭、洗浄、消毒などで最適な状態を実現できる清潔化組成物及びその生産方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため本発明の清潔化組成物は、水を25重量%乃至95重量%、ラウリン酸グリセリルを0.001重量%乃至50重量%、かゆみ防止成分を0.001重量%乃至30重量%を、消臭成分を0.001重量%乃至30重量%、保湿成分を0.001重量%乃至30重量%を、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合した。
【0006】
また、上記清潔化組成物には、クマササ、大笹、千島笹、スズタケ、クマイザサ、チマキザサ、ミヤコザサ、チュウゴクザサ、笹または竹より抽出した成分を、0.001重量%乃至30重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合した。
【発明の効果】
【0007】
これにより、身体の外面を、清浄しなくとも、本清潔化組成物で拭くだけで、汚れを取り、消臭して、清潔にできまたは消毒できる。むろん、洗浄した後に、本清潔化組成物で拭いてもよい。また、この清潔化組成物を皮膚などに塗布しても、皮膚が加湿すぎることも、乾燥しすぎることも、油分が多すぎることも少なすぎることもなく、ちょうどよい最適な水分、油分を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】クマササ葉エキス単独によるマウス単球性白血病RAW264.7細胞における一酸化窒素NOのクマササ葉エキスの添加量の増加による減少状態を示す。
【
図2】ラウリン酸グリセリル/モノラウリン単独によるマウス単球性白血病RAW264.7細胞における一酸化窒素NOのラウリン酸グリセリル/モノラウリンの添加量の増加による減少状態を示す。
【
図3】ラウリン酸グリセリル/モノラウリン及びクマササ葉エキスを混合したものによるマウス単球性白血病RAW264.7細胞における一酸化窒素NOのウリン酸グリセリル/モノラウリン及びクマササ葉エキスの添加量の増加による減少状態を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)清拭物などの清潔化組成物
本清潔化組成物をティッシュペーパー、タオル、ハンカチ、布、マスク、手袋、防護服、防護帽などの清拭物、身着具などに付けて、要介護者などの汚れた手、足、顔、腕、脚、胴、首、頭部、脇、陰部、臀部、局所などを、拭くだけで清潔にできる素材である。
【0010】
水は、軟水、硬水、水道水、蒸留水いずれでもよく、25重量%乃至95重量%、皮膚などの清拭剤などの清潔化組成物にほぼ均一に混合され、場合によって乳化される。上記清潔化組成物には、ラウリン酸グリセリル清拭物が0.001重量%乃至50重量%、清潔化組成物の総合計で100重量%を超えない範囲で、清拭物などの清潔化組成物にほぼ均一に混合し場合によって乳化される。
【0011】
このラウリン酸グリセリル清拭物(glyceryl laurate)は、化学式C15H30O4であり、「化1」「化2」…で示される構造を有し、モノラウリン、ラウリン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ポリラウリン酸グリセロール、ラウリン酸モノグリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル-2、ラウリン酸モノグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸モノグリセリル-20、ラウリン酸ポリグリセリル-20、…ともいわれ、これらのもの1つまたは複数が混合され場合によって乳化される。上述のラウリン酸グリセリルは、以下のような化学構造を有するものもある。
【0012】
【化1】
なお、上記及び下記の化学式中の数字は、本来は各化学記号の右下に小さく表示するが、本願では見やすくするため便宜上半角の通常の大きさで大きく表記する。
【0013】
【0014】
ラウリン酸グリセリル/モノラウリンは、母乳などに含まれ、人間または動物の母乳から抽出可能である。また、ラウリン酸グリセリル/モノラウリンはモノグリセリドグリセリンまたはグリセリンとラウリン酸から形成されることもでき、モノエステルであるが、ポリエステルでもよいし、モノラウリン酸、ポリラウリン酸いずれでもよい。
【0015】
ラウリン酸は、やし油の混合脂肪酸をエステル化し、減圧下で分留したのちけん化して得られるほか、グリセリドとしてやし油や月桂樹油などの種々の植物油中に含まれている。モノグリセリドグリセリンは、各種脂肪からリパーゼなどによって脂肪酸とモノグリセリドグリセリンに分解されて得られる。
【0016】
グリセリンは、脂肪酸とエステル結合をつくり、油脂、脂質などの形で多数の動植物中に存在する。プロピレンを出発物質として、塩化アリル、アリルアルコールを経て合成されるほか、油脂の分解、石鹸製造の際の副産物、アルコールなどの発酵法によっても製造される。ラウリン酸グリセリル/モノラウリンは、通常モノマーであるが、場合によって二量体、三量体、ポリマーでもよい。
【0017】
ラウリン酸グリセリル/モノラウリンは、デオドラントなどの化粧品で、界面活性剤、乳化剤などの食品添加物として利用され、体内ではラウリン酸が変換されて、モノラウリン/ラウリン酸グリセリルになる。このモノラウリン/ラウリン酸グリセリルはココナツオイル、人間または動物などの母乳中に存在する。モノラウリン/ラウリン酸グリセリルには、抗炎症作用、抗菌性ウイルス作用があり、感染症の予防や治療に役立つと考えられる。
【0018】
このようなラウリン酸グリセリルを含む清潔化組成物をティッシュペーパー、ハンカチ、タオル、パルプ、紙、布などに染み込ませ、要介護者、高齢者、障碍者、乳児、幼児、乳幼児などの汚れた手、足、顔、腕、脚、胴、首、頭部、腹、胸、背中、脇、陰部、臀部、局部などを拭くと、皮脂汚れ、糞尿、排せつ物、吐しゃ物、肌に不要な汚れ、その他の汚れがきれいに簡単に取れ、洗浄に優れ、清潔にでき、除菌、保湿、肌保護もできる。
【0019】
また、あわせて、黄色ブドウ球菌、枯草菌、ウェルシュ菌、大腸菌などの各種細菌、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、新型コロナウイルスなどの各種ウイルス、その他のバクテリアなども殺菌または除去できる。しかし、肌に必要なアミノ酸、油分、水分は除去されず、保湿、保水、保油、油分保持などにすぐれている。
【0020】
したがって、肌のうるおい感・弾力性・しっとり感・すべすべ感は維持され、肌を傷めることがなく、低刺激性で、冬場などの乾燥肌を防止し、このような肌の保護がなされる。この点は、消毒用アルコール、漂白剤などとは異なる。肌以外に粘膜、爪、頭髪、体毛、口内などに使用してもよいし、人間以外の動物に使用してもよいし、外用で使用してもよいし、内用で使用してもよい。
【0021】
このようなラウリン酸グリセリル/モノラウリンは、後述するクマササ葉エキスと混合されると、抗炎症作用を相乗的に発揮する。
図1では、クマササ葉エキス単独の添加量を順次増加していくと、マウス単球性白血病RAW264.7細胞において一酸化窒素NOの発生量が減少していく状態を示す。
図2では、ラウリン酸グリセリル/モノラウリン単独の添加量を順次増加していくと、マウス単球性白血病RAW264.7細胞において一酸化窒素NOの発生量が減少していく状態を示す。
【0022】
これに対して、
図3の「右端」はラウリン酸グリセリル/モノラウリン及びクマササ葉エキスを混合して添加すると、マウス単球性白血病RAW264.7細胞において一酸化窒素NOが減少する状態を示す。一酸化窒素NOは、炎症を誘起する物質である。
【0023】
図1及び
図2に比べて、
図3の一酸化窒素NOの減少は各段に増加しており、抗炎症作用を相乗的に発揮することがわかる。
図3では、クマササ葉エキス単独(-++)、ラウリン酸グリセリル/モノラウリン単独(+-+)に比べて、「右端」のラウリン酸グリセリル/モノラウリン及びクマササ葉エキスを混合したもの(+++)が、一酸化窒素NOの発生量が格段に減少している。
【0024】
ここで、注意すべきは、
図1、
図2、
図3の左端は、炎症を誘起させるLPS炎症誘起物質が全く添加されておらず、したがって一酸化窒素NOの発生もほとんどないことを表している。また、各図の縦軸のスケールが異なり、
図3の一酸化窒素NO発生量がいちばん少ない。
【0025】
そして、
図3では、ラウリン酸グリセリル/モノラウリンの添加量が30μg/mlであり、
図2の一番右ではなく、右から2つ目の一酸化窒素NO発生量と条件が同じであり、
図3と
図2の右から2つ目を対比すべきである。本実験では生きた細胞を使って一酸化窒素NOの発生量を測定した。
【0026】
上記清潔化組成物には、アルコールが0.1重量%乃至50重量%、清拭物などの清潔化組成物の総合計で100重量%を超えない範囲で、清拭物などの清潔化組成物にほぼ均一に混合し場合によって乳化される。
【0027】
このアルコールは、例えば多価のアルコール、単価のアルコール、2価のアルコール、3価のアルコール、1価のアルコール、ブチレン系のアルコール、プロピレン系のアルコール、グリセリン、エチルアルコールなどのうち、1つまたは複数である。ブチレン系のアルコールは、例えば1,3ブチレングリコールであり、プロピレン系のアルコールは、例えばジプロピレングリコールである。
【0028】
この1,3ブチレングリコールは、化学式C4H10O2であり、「化3」で示される構造を有し、2価のアルコールであり、水、エタノールに容易に溶け、アセトン、エーテルにも溶け、脂肪族、芳香族炭化水素には溶けない。この1,3ブチレングリコールは、アセチレンとホルムアルデヒドとから、レッペ反応によって得られるブチンジオールを接触還元すると得られる。
【0029】
【0030】
1,3ブチレングリコール(1,3-butylene glycol)は、1,3-ブタンジオール(1,3-Butanediol)、ブタン1,3-ジオール(butane-1,3-diol)、1,3-ジヒドロキシブタン(1,3-dihydroxybutane)とも呼ばれ、それぞれブタンジオールの4つの異性体のうちの1つであり、本願ではこれらをすべて含む。
【0031】
食品香料の溶媒に用いられたり、ポリウレタンやポリエステル樹脂のコモノマーとして使われたりする。生物に対しては低血糖剤として働く。1,3-ブタンジオールはβ-ヒドロキシブチレートに変換し、脳の新陳代謝の基質としてはたらくと考えられる。
【0032】
上記ジプロピレングリコールは、プロピレングリコール、プロパン-1,2-ジオールともいわれ、化学式C3H8O2であり、「化4」で示される構造を有し、2価のアルコールであり、常温では無色・無味・無臭で吸湿性のある油状液体であり、水、アセトン、クロロホルムに溶ける。酸化プロピレンの加水分解によって製造される。
【0033】
【0034】
上記ジプロピレングリコールは、グリコールに分類される有機化合物で、溶媒となり、中央の炭素はキラル中心であるため1対の鏡像異性体が存在する。生物への毒性が低く、無味無臭であり、保湿剤、潤滑剤、乳化剤、不凍液、プラスチックの中間原料、溶媒などとしての使用の可能性が考えられ、さらに保湿剤、防カビ剤、医薬品、化粧品、食品の品質改善剤などとしての使用の可能性が検討されている。
【0035】
上記グリセリンは、3価のアルコールであり、分子式CH2(OH)CH(OH)CH2OHであって、甘味のある粘稠な無色の液体であり、天然には油脂の成分として大量に産し、石鹸製造の副産物として得られ、工業的にはプロピレンから合成される。水によく溶け、ニトログリセリン(爆薬原料)・アルキド樹脂の製造、医薬、化粧品などの可能性が考えられる。グリセロール、リスリンとも呼ばれる。消毒作用、保湿作用が認められた。
【0036】
上記エチルアルコールは、アルコール類の一つであり、分子式C2H5OHであり、無色透明、特有の香りと味を持つ液体であって、揮発し易く燃え易い。糖類のアルコール発酵により生成される。酒類の成分となるほか、溶剤、燃料、種々の化学薬品の合成原料となり、単にアルコールともいう。酒精、エタノールとも呼ばれる。消毒作用、保湿作用が認められた。
【0037】
このようなアルコールは、水とほぼ同量または上記水より少ない量、上記清潔化組成物に混合される。これにより、上記または下記ラウリン酸グリセリル/モノラウリン、かぶれ防止成分、かゆみ防止成分、消臭成分、保湿成分、クマササの抽出した成分のうち、水に溶けにくいまたは水で抽出しにくい成分をアルコールに溶融またはアルコールで抽出して、最終的に水溶液にすることができ、水に溶けにくいまたは水で抽出しにくい成分の効能を水溶液でも発揮でき、清潔化組成物の清潔化能力を十分に発揮できる。
【0038】
また、上記アルコールは保湿性を有する。これにより、汚れ除去、洗浄、清潔化または除菌しても、保湿ができて、汚れなどを拭いても、水分または/及び油分が余分に除去されたり乾燥したりすることがなく、肌のうるおい感・弾力性・しっとり感・すべすべ感は維持され、肌を傷めることがなく、低刺激性で、保湿され、乾燥肌を防止し、肌の保護がなされる。
【0039】
上記清潔化組成物には、かぶれ防止成分が、0.001重量%乃至30重量%、清拭物などの清潔化組成物の総合計で100重量%を超えない範囲で、清拭物などの清潔化組成物にほぼ均一に混合し場合によって乳化される。かぶれ防止成分は、汚れ、汚物、その他の物質などの刺激によって、皮膚に発疹や炎症がおこることを防止する成分である。
【0040】
このかぶれ防止成分は、例えば、メマツヨイグサ、キハダ、オウバク、ビワ、セージ、ヒドロキシプロピルキトサン、メマツヨイグサの葉、種子、茎または樹皮より抽出したエキス/成分、キハダの葉、種子、茎または樹皮より抽出したエキス/成分、オウバクの葉、種子、茎または樹皮より抽出したエキス/成分、ビワの葉、種子、茎または樹皮より抽出したエキス/成分、セージの葉、種子、茎または樹皮より抽出したエキス/成分、トリカプリルグリセル/トリカプリングリセル、ソルビタンモノオレアート/ソルビタンオレアート、シクロメチコン、ヒドロキシプロピルキトサンなどのうち、1つまたは複数である。
【0041】
このようなかぶれ防止成分は、メマツヨイグサ、キハダ、オウバク、ビワ、セージ、キトサン、メマツヨイグサの葉、種子、茎または樹皮が粉砕または裁断など細片化されて、煎じて抽出、精製されるか、または水、油、アルコール、エーテル、四塩化炭素などの溶媒に浸して、上記成分/エキスが溶融され取り出され抽出される。
【0042】
上記トリカプリルグリセル/トリカプリングリセルは、中鎖トリグリセリドの1つまたは中鎖トリグリセリドから製造され、例えばStepanにより製造されるNeobee(登録商標)1053などがある。上記ソルビタンモノオレアート/ソルビタンオレアートは、例えばソルビトールと脂肪酸のモノエステル、ジエステル、トリエステルからなる群より選択され、例えばUniqemaにより製造されるSpan 80V Pharmaである。上記シクロメチコンは、例えば原料はダウコーニングにより製造されるST-シクロメチコン5-NFである。上記シクロメチコン、上記ヒドロキシプロピルキトサンは公知である。
【0043】
このようなかぶれ防止成分は、かぶれを防止するが、このかぶれ防止成分を省略して、上記クマササ葉エキスなどで代用してもよい。クマササ葉エキスなどは、上述したように抗炎症作用を発揮するからである。むろん、クマササ以外に、大笹、千島笹、スズタケ、クマイザサ、チマキザサ、ミヤコザサ、チュウゴクザサ、笹、竹、イグサ、葦、菖蒲、ホホバクマササでも同様の効果を発揮する。
【0044】
上記清潔化組成物には、かゆみ防止成分が、0.001重量%乃至30重量%、清拭物などの清潔化組成物の総合計で100重量%を超えない範囲で、清拭物などの清潔化組成物にほぼ均一に混合し場合によって乳化される。上記かゆみ防止成分は、汚れ、汚物、その他の物質などの刺激によって、皮膚・粘膜の痛点の弱い刺激によって生ずるかゆいという感覚がおこることを防止する成分である。
【0045】
このかゆみ防止成分は、例えば、ソメイヨシノなどのサクラの葉、種子、茎または樹皮より抽出したエキス/成分、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン、異性化リノール酸、ヒドロコルチゾン、メトジラジン、トリメブラジンなどのうち、1つまたは複数である。
【0046】
このようなかゆみ防止成分は、ソメイヨシノなどのサクラの葉、種子、茎または樹皮が粉砕または裁断など細片化されて、煎じて抽出、精製されるか、または水、油、アルコール、エーテル、四塩化炭素などの溶媒に浸して、上記成分/エキスが溶融され取り出され抽出される。
【0047】
上記抗ヒスタミン剤は、例えばステビアの植物組織を乾燥させ細かく粉砕させて、そのまままたはエキスを抽出して発酵し、さらに抽出、濃縮される。副腎皮質ホルモンは、例えば動物の副腎皮質でコレステロールから作られるほか、人工的に合成もされる。
【0048】
上記異性化リノール酸は、例えば商業的に入手できる製品は、9、11-オクタデカジエン酸及び10、12-オクタデカジエン酸の他に通常のリノール酸や近隣の脂肪酸を不純物として含有したものが一般的である。上記ヒドロコルチゾン、上記メトジラジン、上記トリメブラジンは、公知である。
【0049】
上記清潔化組成物には、消臭成分が0.001重量%乃至30重量%、清拭物などの清潔化組成物の総合計で100重量%を超えない範囲で、清拭物などの清潔化組成物にほぼ均一に混合し場合によって乳化される。この消臭成分は、汚れ、汚物、その他の物質などによって、人間などに不快なにおいを与えるのを消したり除去したり防止したりする成分である。
【0050】
この消臭成分は、例えば、カキタンニン、活性炭、納豆菌、微生物、バクテリアなどの悪臭分解作用のある菌、光触媒物質、芳香剤などのうち、1つまたは複数であり、化学的消臭、物理的消臭、生物的消臭、感覚的消臭の1つまたは複数でもよい。カキタンニンは、柿渋の実から採取/抽出した液である。カキタンニンには、消臭のほか、防水、防腐の効果が認められた。
【0051】
化学的消臭は、悪臭の原因となる成分と化学反応させ、無臭の成分にしてしまう方法である。物理的消臭は、悪臭の原因となる成分を抑え込んだり、包み込んだりしてしまう物質を用いる方法である。生物的消臭は、各種菌、各種微生物、各バクテリアなどの繁殖によって悪臭原因成分を分解したり、悪臭を放つ菌、微生物、バクテリアを分解したりする方法である。感覚的消臭は、悪臭原因成分を芳香成分で包み込んでしまう方法である。
【0052】
カキタンニンは、渋柿の実から採取した液の中に含まれ、これを水に溶かし、柿渋の水溶液から抽出される。特に悪臭成分のノネナールの無臭化に優れている。場合によって、布、木、麻、紙などに塗って防臭・防水・防腐用とされる可能性が考えられる。
【0053】
上記清潔化組成物には、クマササ葉エキスが0.001重量%乃至30重量%、清拭物などの清潔化組成物の総合計で100重量%を超えない範囲で、清拭物などの清潔化組成物にほぼ均一に混合し場合によって乳化される。このクマササ葉エキスは、例えばクマササの葉が粉砕または裁断など細片化されて、煎じて抽出、精製されるか、または水、油、アルコール、エーテル、四塩化炭素などの溶媒に浸して、上記成分/エキスが溶融され取り出され抽出される。
【0054】
このクマササ葉エキスは、葉のほか、クマササの種子、茎または樹皮から抽出することもできる。またこのクマササ以外に、大笹、千島笹、スズタケ、クマイザサ、チマキザサ、ミヤコザサ、チュウゴクザサ、笹、竹、イグサ、葦、菖蒲、ホホバなどでも同様の効果を発揮する。
【0055】
後述するクマル酸、フェルラ酸、カフェ酸(コーヒー酸)は、これらクマササなどの葉、種子、茎、樹皮が粉砕または裁断など細片化されて、煎じて抽出、精製されるか、または水、油、アルコール、エーテル、四塩化炭素などの溶媒に浸して、上記成分/エキスが溶融され取り出され抽出される。
【0056】
上記清潔化組成物には、保湿成分、例えば乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸、ヒアルロン酸、ポリクオタニウム、リピジュア、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ペリセアの1つまたは複数が、0.001重量%乃至30重量%、清拭物などの清潔化組成物の総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合し場合によって乳化される。この保湿成分は、本清潔化組成物が塗布された対象が、乾燥しすぎないように、湿度を一定の範囲内に保つものである。
【0057】
上記乳酸ナトリウムはナトリウムの乳酸塩で、化学式C3H5NaO3で表される化合物であり、糖の発酵により生じる乳酸を中和して得られる。本来は液体であるが、粉末の製剤も市販されている。抗菌作用と保湿効果があり、食肉を初めとした多くの食品の日持ちや風味の向上、離水防止の可能性が考えられる。「乳」と付いているが、乳アレルギーのアレルゲンとはならない。保湿性の可能性が考えられている。
【0058】
上記乳酸ナトリウムは、上記乳酸と水酸化ナトリウム溶液、その他のナトリウム溶液とを反応させて得られ、水、エタノール、グリセリンによく溶け、エーテル、クロロホルム、油脂類には不溶である。50?60%水溶液の応用範囲が広いと考えられ、保湿性、乳化安定性に優れていると考えられる。
【0059】
上記乳酸カリウムは、上記乳酸と水酸化カリウム溶液、その他のカリウム溶液とを反応させて得られ、水、エタノール、グリセリンによく溶け、エーテル、クロロホルム、油脂類には不溶である。50?60%水溶液の応用範囲が広いと考えられ、保湿性、乳化安定性に優れていると考えられる。
【0060】
上記乳酸カリウムは、例えば、Purac Biochem BV、オランダ、によって、PURASAL HiPure(商標)Pとして、60%溶液として市販入手可能である。乳酸を乳酸カリウムに転化する場合、理論上60%より高い濃度が得られる。
【0061】
上記乳酸は、有機酸の一つであり、乳酸発酵や激しい筋肉運動など、糖を無酸素状態で分解することによって生成される。通常は、ブドウ糖を乳酸菌で発酵させて製造する。無色・水飴状の物質で、酸味をもち、無臭であり、工業用または清涼飲料の酸剤の可能性が考えられる。
【0062】
上記ヒアルロン酸は、直鎖状のグリコサミノグリカン(ムコ多糖)の一種であり、学術上はヒアルロナン(英: hyaluronan)と呼ばれる。保水性が高く水分保持により粘性を持ち、生体内に広く分布し、皮膚、軟骨、眼球では重要な役割を持つ。ヒアルロン酸の分子量は多いと200万に達する可能性があるが、最小では411となる。
【0063】
変形性関節症や成人の美容を目的とした注射はFDAによる医療承認があり、保湿成分として化粧品に添加される可能性が考えられ、膝の違和感や乾燥肌に対する可能性が考えられる。産業用の工業生産では、主に鶏冠(とさか)からヒアルロン酸が単離され、乳酸菌が生産するヒアルロン酸もある。医療用途では、レスチレインというブランドのように動物由来ではないコラーゲンが使われる。
【0064】
ヒアルロン酸は皮膚表面での保湿作用がある。分子量が80万から120万と極めて多いため、塗布では吸収は難しいと考えられてきたが、分子量が5万から200万までの5種類のヒアルロン酸を塗布することで、どの分子量でも肌の水分量や弾力性は、偽薬を使用するよりも改善される。表皮の保水性が低下すると俗に「ちりめんシワ」と呼ばれる細かなシワができるが、保湿はこうした乾燥性の小ジワを防ぐ可能性が考えられる。
【0065】
ヒアルロン酸は水分を保持し親水性なため、皮脂に弾かれにくくするように加工することが考えられ、盲検試験によって顔面半面に塗ることで塗らない面よりも水分量や質感が改善された。ヒアルロン酸入り化粧水を利用したシャボン玉液も考えられ、ヒアルロン酸の保水力や粘性の大きさに着目したもので、割れにくいシャボン玉になる。また毛糸の手袋や軍手を使用して、弾ませることができる。
【0066】
マイクロニードルの技術を使って肌への浸透性を高められる。痛みを伴う注射でヒアルロン酸の皮膚への投与も可能で、ヒアルロン酸を微細な針の形状へと加工することで、痛みを感じることなく皮膚から吸収することができると考えられる。薬効成分を吸収させる目的の、医療用のパッチ型ワクチンにも使用が考えられる。
【0067】
上記ポリクオタニウムは、ポリクオタニウム-51ともいわれ、リピジュアの1つで、水溶性ポリマーであって人間の細胞膜の成分に近く、ヒアルロン酸の2倍の保湿力を持ち、汗や水にぬれても保湿性が下がらないという点でヒアルロン酸より機能が高いと考えられる。さらに肌のバリア機能をサポートし、肌荒れを防いでお肌の美しい状態を保つと考えられる。
【0068】
上記リピジュアは、水溶性ポリマーで、リン脂質と似た構造を持つ2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンのホモポリマー、または2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを含む共重合体を指す。
【0069】
ホモポリマー (Lipidure HM) の一般名はポリ(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン) (poly(2-methacryloyloxyethylphosphorylcholine)) で、CAS登録番号 [67881-99-6]。メタクリル酸n-ブチルとの共重合体 (Lipidure PMB) のCAS登録番号は [125275-25-4]。成分表示では「MPC」や「リピジュア」等と表示されている。
【0070】
このリピジュアは保湿性を有し、水洗い1時間後の乾燥時でも高い保湿力を維持し、その保湿力はヒアルロン酸の約2倍である。 塗布後に水洗いしても高い保湿力を保つため、このリピジュアはハンドクリームやコンタクトレンズ保存液、シャンプー・リンスなどに向いていると考えられる。
【0071】
上記ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムは、植物性脂肪酸とアミノ酸(グルタミン酸、リジン)により作られた保湿・湿潤剤でもあり、角質層に浸透し、乱れた構造を整える働きをして、バリア機能をサポートし、保水性を高めると考えられる。また、化学構造的に陰イオン界面活性剤であるラウロイルグルタミン酸ナトリウム2つを塩基性アミノ酸の一種であるリシンで連結させた縮合物であり、2鎖3親水基の陰イオン性ジェミニ型界面活性剤でもある。
【0072】
上記ペリセアは、天然脂肪酸とアミノ酸の一種であるグルタミン酸とリジンから作られた生分解性の高い、高機能香粧品原料で、旭化成ケミカルズ株式会社が開発した化粧品原材料であって、(化粧品表示名称:ジラウロイルグルタミン酸リシンNa)、従来のPPTなどに比べ、すばやい浸透性と、高い持続性があると考えられる。毛髪についても改善効果があると考えられる。
【0073】
このペリセアは、天然脂肪酸とアミノ酸の一種であるグルタミン酸とリジンから作られた生分解性の高い、高機能香粧品原料でもある。人体などの角質内部に浸透し、セラミドと同様の働きで、皮膚のバリア機能を改善し、肌の弾力、キメの回復を促す。保湿感、浸透感などに優れた使用感を達成できると考えられる。
【0074】
上記清潔化組成物には、場合によって、添加物または香料、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなどの1つまたは複数が、0.001重量%乃至30重量%、清拭物などの清潔化組成物の総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合し場合によって乳化される。この添加物は、上記清潔化組成物に、つけ加えられるものである。香料は、食料品・化粧品などに芳香をそえるために加える物質である。
【0075】
上記クエン酸は、柑橘類などに含まれる有機化合物で、ヒドロキシ酸のひとつである。爽やかな酸味を持つことから食品添加物として多用される。枸櫞とは漢名でマルブシュカン(シトロン)を指す。レモンをはじめ柑橘類に遊離して多く含まれ、この柑橘類や、梅干しなどから抽出されたり、糖を微生物で発酵させて製造されたりする。食品添加物でもあり、清涼飲料水を始め各種の加工食品に添加される。
【0076】
上記クエン酸ナトリウムは上記クエン酸と水酸化ナトリウム溶液、その他のナトリウム溶液とを反応させて得られ、上記クエン酸カリウムは上記クエン酸と水酸化カリウム溶液、その他のカリウム溶液とを反応させて得られ、食品添加物であり、清涼飲料水を始め各種の加工食品に添加される。
【0077】
また、尿をアルカリ化させ尿酸の排泄を促進し、痛風に代表される高尿酸血症の治療薬として考えられ、尿路結石や代謝性アシドーシスの治療にも向くと考えられる。オルニチン同様、肝機能低下による疲労臭に対する低減効果も認められる。
【0078】
上記清潔化組成物には、場合によって、界面活性剤、例えばコカミドプロピルベタイン、グリチルリチン酸2K、ジラウロイルグルタミン酸リジンナトリウムなどの1つまたは複数が、0.001重量%乃至30重量%、清拭物などの清潔化組成物の総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合し場合によって乳化される。
【0079】
上記コカミドプロピルベタインは、ココナッツオイルを原料にした両面活性剤であり、「コカミド」とはココアミドの略称で、ココナッツオイルの脂肪酸にアミド基がついたものであり、「ベタイン」は甜菜やサトウダイコンに含まれるアミノ酸の一種である。
【0080】
両性界面活性剤(amphoteric surfactant)はpHによって親水基の部分がプラスに帯電したり、マイナスに帯電したりする界面活性剤である。塩酸アルキルジアミノエチルグリシンを用いた洗浄・消毒剤が医療・介護現場において使用されている。ヤシ油脂肪酸(主にラウリン酸)とジメチルアミノプロピルアミンを加熱・縮合させたり、生成物とクロロ酢酸ナトリウムを反応させたり、3級アルキルアミンとクロロ酢酸ナトリウムを反応させたりする。
【0081】
上記グリチルリチン酸2K、つまりグリチルリチン酸ジカリウム(dipotassium glycyrrhizate)は、グリチルリチン酸とカリウムの塩であり、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸2K、グリチルリチン酸K2、グリチノンK2ともいわれ、いずれが使用されてもよい。CASは68797-35-3である。
【0082】
化学式はC42H60K2O16であり、分子量は899.1128である。グリチルリチン酸2Kは主要活性成分であるグリチルリチンには抗炎症、抗アレルギー作用があり、皮膚用医薬品や頭髪育毛剤などに向き、グリチルリチン由来のグリチルリチン酸ジカリウムにも同様な作用がある。化学構造的に陰イオン界面活性剤であるラウロイルグルタミン酸Na2つを塩基性アミノ酸の一種であるリシンで連結させた縮合物であり、2鎖3親水基の陰イオン性ジェミニ型界面活性剤である。
【0083】
上記ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムは、化学構造的に陰イオン界面活性剤であるラウロイルグルタミン酸ナトリウム2つを塩基性アミノ酸の一種であるリシンで連結させた縮合物であり、2鎖3親水基の陰イオン性ジェミニ型界面活性剤である。植物性脂肪酸とアミノ酸(グルタミン酸、リジン)により作られた保湿・湿潤剤でもあり、角質層に浸透し、乱れた構造を整える働きをして、バリア機能をサポートし、保水性を高めると考えられる。
【0084】
上記清潔化組成物には、場合によって、フェノキシエタノールなどが、0.001重量%乃至10重量%、清拭物などの清潔化組成物の総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合し場合によって乳化される。
【0085】
このフェノキシエタノールは、エチレングリコールの水酸基の片方とフェノールの水酸基とが、エーテル結合をした構造の有機化合物であり、その構造からグリコールエーテル、フェノールエーテル、芳香族アルコールに分類される。フェノキシエタノールは、ホルムアルデヒドを放出する防腐剤として、ワクチンなどの医薬品・化粧品・染料・インク・樹脂・潤滑剤用の防腐剤として使用が考えられる。
【0086】
このフェノキシエタノーは、塗料の防黴剤、香料の保留剤、防虫剤、織物の捺染助剤、写真フィルムの添加剤、消毒薬、アセチルセルロースの溶媒、水産養殖用の麻酔薬、有機合成化学に利用可能と考えられる。また、第4級アンモニウム化合物と同様に、農薬用の殺菌剤やゲル化安定剤としても利用可能と考えられる。
【0087】
このフェノキシエタノールは、フェノールのヒドロキシエチル化(ウィリアムソン合成)によって、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属水素化ホウ素の存在下で生成される。フェノキシエタノールは、グラム陰性菌およびグラム陽性菌、ならびに酵母型のカンジダ・アルビカンスに対して有効であると考えられる。
【0088】
このような清潔化組成物の上述の各成分は、一度にまとめて投入され、または順次投入され、撹拌機などで十分にほぼ均一に混合される。この場合上記水またはアルコールが当該各成分の溶媒となる。ここで、水と水溶性の成分を混合し、アルコールとアルコールに溶けやすい成分とを混合し、この後両者を混合してもよい。これが、本清拭物などの本清潔化組成物の生産方法である。
【0089】
上記クマササ、大笹、千島笹、スズタケ、クマイザサ、チマキザサ、ミヤコザサ、チュウゴクザサ、笹、竹、イグサ、葦、菖蒲、ホホバからは、クマル酸、フェルラ酸、カフェ酸(コーヒー酸)が抽出される。
【0090】
【0091】
上記クマル酸(Coumaric acid)は、化学式C9H8O3で、「化5」で示される構造を有し、ケイ皮酸に水酸基がついた構造を持つ有機化合物であり、フェニル基の水酸基の位置によって、o-クマル酸、m-クマル酸、p-クマル酸の3種類の異性体がある。この中で、p-クマル酸が天然に最も多く存在する。o-クマル酸は別名クマリン酸(coumaric acid)と呼ばれることもあるが、英語名 coumalic acid のクマリン酸とは異なる。クマル酸として、o-クマル酸、m-クマル酸、p-クマル酸いずれが用いられてもよい。
【0092】
p-クマル酸は、結晶性で固く、水にはわずかしか溶けないが、エタノールやジエチルエーテルには良く溶ける。p-クマル酸には酸化防止剤の効果があるため、発癌性のあるニトロソアミンの生成を抑えることにより、胃癌のリスクを減らすと考えられている。
【0093】
上記クマル酸には、o-クマル酸、m-クマル酸、p-クマル酸を含み、上記クマル酸は、0.001重量%乃至30重量%、清拭物などの清潔化組成物の総合計で100重量%を超えない範囲で、当該清拭物などの清潔化組成物にほぼ均一に混合し場合によって乳化される。
【0094】
【0095】
上記フェルラ酸(ferulic acid)は、化学式C10H10O4であり、「化6」で示される構造を有し、フィトケミカルとして植物の細胞壁などに存在する有機化合物である。ケイ皮酸の誘導体で、リグニンを構成し、他の芳香族化合物の合成の前駆体となる。
【0096】
フェルラ酸とジヒドロフェルラ酸は、細胞壁のリグノセルロース中でリグニンと多糖を繋ぎ合わせる役割を担っている。米、小麦、ライ麦、大麦やコーヒー、リンゴ、アーティチョーク、ピーナッツ、オレンジ、パイナップルなどの種子の中にも見られる。濃アルカリを用いて小麦や大豆のふすまから抽出される。カフェ酸にO-メチルトランスフェラーゼ(caffeic acid 3-O-methyltransferase;COMT、 EC2.1.1.68、反応)が作用することにより、生合成される。
【0097】
フェルラ酸は、他のフェノール類のように抗酸化作用を持ち、活性酸素種などのラジカルと反応する。活性酸素種とラジカルはDNAの損傷や癌の原因となり、細胞の老化を促す。動物実験やin vitroでの実験では、フェルラ酸は乳癌や肝臓癌に対して抗腫瘍活性を示す。また癌細胞にアポトーシスを起こさせる働きを持つ。
【0098】
さらにベンゾピレンなどによる発癌を予防する効果も持つ。ただし、これらは人間によるランダム化比較試験に基づくものではなく、これらの結果が人間にも直接当てはまるとは限らない。アスコルビン酸、ビタミンEと共存すると酸化ストレスを減らし、チアミン二量体を形成して皮膚を守る。フェルラ酸は、0.001重量%乃至30重量%、清拭物などの清潔化組成物の総合計で100重量%を超えない範囲で、当該清拭物などの清潔化組成物にほぼ均一に混合し場合によって乳化される。
【0099】
【0100】
上記カフェ酸(コーヒー酸)(caffeic acid)は、化学式C9H8O4であり、「化7」で示される構造を有し、ケイ皮酸のパラ位及びメタ位がヒドロキシ化された構造を持つ芳香族カルボン酸で、フェニルプロパノイドの1種である。分子量は180.16である。IUPAC名は3、4-ジヒドロキシケイ皮酸(3、4-dihydroxycinnamic acid)。コーヒー酸、カフェイン酸とも呼ばれる。コーヒー酸はリグニン生合成の重要な中間体である。
【0101】
キナ酸とのエステルがクロロゲン酸であり、メタ位のヒドロキシ基がメトキシ基になったものはフェルラ酸として知られる。その他エステルとして植物界に広く分布し、その一部はタンニンとして知られる。生合成はチロシンあるいはフェニルアラニンが原料であり、ケイヒ酸の酸化による。
【0102】
クロロゲン酸は、カフェ酸のカルボキシル基がキナ酸5位のヒドロキシ基と脱水縮合した構造を持つ化合物である。カフェ酸は、0.001重量%乃至30重量%、清拭物などの清潔化組成物の総合計で100重量%を超えない範囲で、当該清拭物などの清潔化組成物にほぼ均一に混合し場合によって乳化される。
【0103】
上記クマル酸、フェルラ酸、カフェ酸(コーヒー酸)は、上述したように、例えばクマササを煎じてこれらの成分を抽出、精製することによって得られる。クマササ以外に、大笹、千島笹、スズタケ、クマイザサ、チマキザサ、ミヤコザサ、チュウゴクザサ、笹、竹、イグサ、葦、菖蒲、ホホバなどが用いられてもよい。
【0104】
(2)他の実施の形態・実施例
本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で工程の一部省略可能である。例えば、上記アルコールは、1価アルコール、2価アルコール、3価アルコール、4価アルコール、5価アルコール、6価アルコール、…、であってもよいし、第1アルコール、第2アルコール、第3アルコール、第4アルコール、…、であってもよいし、他のグリコール、他のグリセリン、エチルアルコール、メチルアルコール、ブタンジオール、プロパンジオール、ブチルアルコール、プロパノール、t-ブタノール、ヘキサン、低級アルコール、高級アルコールなど、鎖式または指環式の炭化水素の水素原子を水酸基OHで置換したヒドロキシ化合物であれば何でもよい。アルコールは、望ましくは保湿性のあるものがよいが、場合によって保湿性はなくてもよい。アルコールは、水と同量または少なかったが、多くてもよい。
【0105】
上記水は、すべてまたは一部、上記アルコールまたは油(オリーブ油、ホホバ油、ヤシ油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、ヒマシ油、ハッカ油、アーモンド油、大豆油、椿油、ゴマ油、ベニ花油、ココナツ油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、菜種油、米油、落花生油、綿実油)に置き替えてもよいし、上記水に上記アルコールまたは上記油を混合してもよいし、水は省略されてもよい。上記油は、上記植物性由来でもよいが、動物性のものもふくまれてもよい。
【0106】
オリーブ油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、クマル酸、フェルラ酸、カフェ酸が抽出されたオリーブ、ホホバ、ヤシ、パーム、クマササは、通常水からろ過されて廃棄されてもよいし、水またはアルコールに残されてもよい。上記オリーブ油及びオリーブ油由来の化合物・組成物は、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、ヒマシ油、ハッカ油、アーモンド油、大豆油、椿油、ゴマ油、ベニ花油、ココナツ油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、菜種油、米油、落花生油、綿実油などの液体または固体の油でもよい。
【0107】
この場合、界面活性剤が0.001重量%乃至30重量%、望ましくは0.1重量%乃至10重量%、混合されてもよい。これにより、上記外用剤組成物または上記水溶液は、エマルジョン、マイクロエマルジョン状態となる。
【0108】
上記かゆみ防止成分は、サクラの葉、種子、茎または樹皮より抽出した成分、またはソメイヨシノの葉、種子、茎または樹皮から抽出した成分、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン、異性化リノール酸以外のものでもよい。上記消臭成分は、柿より抽出したカキタンニン、活性炭、納豆菌、微生物、バクテリアなどの悪臭分解作用のある菌、光触媒物質、芳香剤以外のものでもよい。
【0109】
上記保湿成分は、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸、ヒアルロン酸、ポリクオタニウム、リピジュア、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ペリセア以外のものでもよい。上記かぶれ防止成分は、メマツヨイグサ、キハダ、オウバク、ビワ、セージ、キトサン、メマツヨイグサの葉、種子、茎または樹皮より抽出した成分、トリカプリルグリセル/トリカプリングリセル、ソルビタンモノオレアート/ソルビタンオレアート以外のものでもよい。
【0110】
上記清潔化組成物の上記水、ラウリン酸グリセリル、かぶれ防止成分、かゆみ防止成分、消臭成分、保湿成分、クマササ、大笹、千島笹、スズタケ、クマイザサ、チマキザサ、ミヤコザサ、チュウゴクザサ、笹または竹より抽出した成分、アルコール、1,3ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、エチルアルコール、メマツヨイグサ、キハダ、オウバク、ビワ、セージ、キトサン、メマツヨイグサの葉、種子、茎または樹皮より抽出した成分、トリカプリルグリセル/トリカプリングリセル、ソルビタンモノオレアート/ソルビタンオレアート、サクラの葉、種子、茎または樹皮より抽出した成分、またはソメイヨシノの葉、種子、茎または樹皮から抽出した成分、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン、異性化リノール酸、カキタンニン、活性炭、納豆菌、微生物、バクテリアなどの悪臭分解作用のある菌、光触媒物質、芳香剤、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸、ヒアルロン酸、ポリクオタニウム、リピジュア、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ペリセア、清潔化組成物の一部または全部は省略されてもよいし、それぞれは、液体、固体、気体、ゾル状、ゲル状いずれでもよい。
【0111】
(3)他の発明の効果
[1]水を25重量%乃至95重量%、ラウリン酸グリセリルを0.001重量%乃至50重量%、かゆみ防止成分を0.001重量%乃至30重量%を、消臭成分を0.001重量%乃至30重量%、保湿成分を0.001重量%乃至30重量%を、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合することを特徴とする清潔化組成物。
【0112】
[2]上記清潔化組成物には、クマササ、大笹、千島笹、スズタケ、クマイザサ、チマキザサ、ミヤコザサ、チュウゴクザサ、笹または竹より抽出した成分を、0.001重量%乃至30重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合することを特徴とする請求項1記載の清潔化組成物。
【0113】
これにより、ラウリン酸グリセリル/モノラウリンとともに、炎症誘起物質である一酸化窒素NOの産生を阻害して、「相乗的」に炎症を抑えることができる。クマササ葉エキスなど単独(
図1)、またはラウリン酸グリセリル/モノラウリン単独(
図2)より、より一酸化窒素NO産生阻害の効果を発揮し、相乗的により強い抗炎症作用を発揮する(
図3)。
【0114】
[3]上記清潔化組成物には、さらに、アルコールを0.1重量%乃至50重量%であって、上記水とほぼ同量または上記水より少ない量を、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合し、当該アルコールは保湿性を有することを特徴とする請求項2記載の清潔化組成物。
【0115】
これにより、上記ラウリン酸グリセリル/モノラウリン、かぶれ防止成分、かゆみ防止成分、消臭成分、保湿成分、クマササの抽出した成分のうち、水に溶けにくいまたは水で抽出しにくい成分をアルコールに溶融またはアルコールで抽出して、最終的に水溶液にすることができ、水に溶けにくいまたは水で抽出しにくい成分の効能を水溶液でも発揮でき、清潔化組成物の清潔化能力を十分に発揮でき、しかも保湿性も保って、汚れ除去、洗浄、清潔化または除菌しても、保湿ができて、肌保護ができる。
【0116】
[4]上記清潔化組成物には、さらに、かぶれ防止成分を0.001重量%乃至30重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合することを特徴とする請求項3記載の清潔化組成物。 これにより、拭くなどだけで、かぶれを防止できる。むろん、流れるまたは/及び溜めた湯及び/または界面活性剤などで洗浄してもよい。
【0117】
[5]上記かゆみ防止成分は、サクラの葉、種子、茎または樹皮より抽出した成分、またはソメイヨシノの葉、種子、茎または樹皮から抽出した成分、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン、異性化リノール酸のうち、1つまたは複数であることを特徴とする請求項4記載の清潔化組成物。 これにより、拭くなどだけで、かゆみを防止できる。むろん、流れるまたは/及び溜めた湯及び/または界面活性剤などで洗浄してもよい。
【0118】
[6]上記消臭成分は、柿より抽出したカキタンニン、活性炭、納豆菌、微生物、バクテリアなどの悪臭分解作用のある菌、光触媒物質、芳香剤のうち、1つまたは複数であることを特徴とする請求項5記載の清潔化組成物。 これにより、拭くなどだけで、かぶれを防止できる。むろん、流れるまたは/及び溜めた湯及び/または界面活性剤などで洗浄してもよい。 これにより、拭くなどだけで、消臭できる。むろん、流れるまたは/及び溜めた湯及び/または界面活性剤などで洗浄してもよい。
【0119】
[7]上記保湿成分は、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸、ヒアルロン酸、ポリクオタニウム、リピジュア、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ペリセアのうち、1つまたは複数であることを特徴とする請求項6記載の清潔化組成物。 これにより、汚れなどを拭いても、水分または/及び油分が余分に除去されたり乾燥したりすることがなく、肌のうるおい感・弾力性・しっとり感・すべすべ感は維持され、肌を傷めることがなく、低刺激性で、乾燥肌を防止し、肌の保護がなされる。
【0120】
[8]上記かぶれ防止成分は、メマツヨイグサ、キハダ、オウバク、ビワ、セージ、キトサン、メマツヨイグサの葉、種子、茎または樹皮より抽出した成分、トリカプリルグリセル/トリカプリングリセル、ソルビタンモノオレアート/ソルビタンオレアートのうち、1つまたは複数であることを特徴とする請求項7記載の清潔化組成物。 これにより、拭くなどだけで、かぶれを防止できる。むろん、流れるまたは/及び溜めた湯及び/または界面活性剤などで洗浄してもよい。
【0121】
[9]上記アルコールは、1,3ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、エチルアルコールのうち、1つまたは複数であることを特徴とする請求項8記載の清潔化組成物。 これにより、水に溶けにくいまたは水で抽出しにくい成分をアルコールに溶融またはアルコールで抽出して、最終的に水溶液にすることができ、水に溶けにくいまたは水で抽出しにくい成分の効能を水溶液でも発揮でき、清潔化組成物の清潔化能力を十分に発揮でき、しかも保湿性も保って、汚れ除去、洗浄、清潔化または除菌しても、保湿ができて、肌保護ができる。
【0122】
[10]上記請求項1乃至9のいずれか1つの上記清潔化組成物を生産することを特徴とする清潔化組成物の生産方法。
【産業上の利用可能性】
【0123】
清潔化しても、肌のうるおい感・弾力性・しっとり感・すべすべ感は維持される。清潔化組成物は、水を25重量%乃至95重量%、ラウリン酸グリセリルを0.001重量%乃至50重量%、かぶれ防止成分を0.001重量%乃至30重量%、かゆみ防止成分を0.001重量%乃至30重量%を、消臭成分を0.001重量%乃至30重量%、保湿成分を0.001重量%乃至30重量%を、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合した。
【0124】
さらに、クマササなどより抽出した成分を、0.001重量%乃至30重量%、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合した。また、アルコールを0.1重量%乃至50重量%であって、上記水とほぼ同量または上記水より少ない量を、総合計で100重量%を超えない範囲で、ほぼ均一に混合し、当該アルコールは保湿性を有するものとした。