(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】補聴器
(51)【国際特許分類】
H04R 25/00 20060101AFI20230721BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
H04R25/00 K
H04R25/00 L
H04R25/00 D
H04R3/00 320
(21)【出願番号】P 2021518591
(86)(22)【出願日】2019-01-03
(86)【国際出願番号】 KR2019000077
(87)【国際公開番号】W WO2020141634
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-04-02
(31)【優先権主張番号】10-2019-0000057
(32)【優先日】2019-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519038758
【氏名又は名称】オリーブ ユニオン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Olive Union,Inc.
【住所又は居所原語表記】Fl.4,38,Seocho-daero 52-gil,Seocho-gu,06634 Seoul Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ミュン ジェウン
【審査官】大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1903374(KR,B1)
【文献】米国特許第09930447(US,B1)
【文献】特開2007-336308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 25/00
H04R 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ使用者の左耳側に形成された第1マイクおよび第2マイクが受信する音声信号および騒音信号を含む第1オーディオ信号を伝達し、前記第1オーディオ信号の分析結果に関連する情報に対応する第1制御パラメータを設定し、前記第1制御パラメータによって前記第1オーディオ信号を調節する第1ヒアリングデバイス、および
それぞれ前記使用者の右耳側に形成された第3マイクおよび第4マイクが受信する音声信号および騒音信号を含む第2オーディオ信号を伝達し、前記第2オーディオ信号の分析結果に関連する情報に対応する第2制御パラメータを設定し、前記第2制御パラメータによって前記第2オーディオ信号を調節する第2ヒアリングデバイス、
を含み、
前記第1マイクおよび前記第3マイクは、前記使用者の口の近くに位置し、前記第2マイクおよび前記第4マイクは、それぞれ前記使用者の口を基準として離隔距離に位置し、
前記第1マイクおよび前記第3マイクは、前記使用者の前記左耳側および前記右耳側で前記使用者の音声信号を収集し、前記第2マイクおよび前記第4マイクは、前記使用者の前記左耳側および前記右耳側で騒音信号を収集し、
前記第1マイクと前記第3マイクは互いにペアリングされ、前記第2マイクと前記第4マイクは互いにペアリングされ、いずれか1つのマイクに適用された設定にしたがい、前記いずれか1つのマイクとペアリングするマイクも自動設定される補聴器。
【請求項2】
前記第1ヒアリングデバイスは、
前記使用者の聴力データとモバイルデバイスから受信された
前記第1オーディオ信号の分析結果に関連する情報に基づき、環境変化に対応する増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節の少なくともいずれか1つ以上の前記第1制御パラメータを設定して調整された前記第1オーディオ信号を前記使用者の前記左耳に提供し、
前記第2ヒアリングデバイスは、
前記使用者の聴力データと前記モバイルデバイスから受信された
前記第2オーディオ信号の分析結果に関連する情報に基づき、環境変化に対応する増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節の少なくともいずれか1つ以上の前記第2制御パラメータを設定して調整された前記第2オーディオ信号を前記使用者の前記右耳に提供する、請求項1に記載の補聴器。
【請求項3】
前記第1ヒアリングデバイスおよび前記第2ヒアリングデバイスのそれぞれは、
調整された前記第1オーディオ信号を前記使用者の前記左耳に提供し、調整された前記第2オーディオ信号を前記使用者の前記右耳に提供し、前記使用者の左側および右側における音の方向性による環境変化と騒音変化を立体的に認知できるように提供することを特徴とする、請求項2に記載の補聴器。
【請求項4】
前記第1ヒアリングデバイスおよび前記第2ヒアリングデバイスのそれぞれは、
前記使用者の左聴力データおよび右聴力データに基づき、互いに異なるパラメータ値の前記第1制御パラメータおよび前記第2制御パラメータを設定することを特徴とする、請求項1に記載の補聴器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境変化および騒音変化による適応型立体ヒアリングシステムおよびその方法に関し、より詳細には、一側に形成された第1スマートヒアリングデバイスおよび他側に形成された第2スマートヒアリングデバイスが受信するオーディオ信号を分析して設定される制御パラメータに基づき、左側および右側の音の方向性による環境変化と騒音変化を立体的に認知できるように提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の医工学技術の飛躍的な発展により、既存の補聴器では大きな効果を得ることができなかった患者が、適した補聴器を選んで装用することにより、優れた聴力改善効果を示すことが可能となった。
【0003】
補聴器は、医療機器の中でも特に、身体に常に装着して使用する先端医療機器である。補聴器は、聴力の変化に合わせて継続的な管理が必要であり、湿気や耳内の異物によって損傷した部分に対してもメンテナンスを受けなければならない。したがって、補聴器は、医工学技術の中でも極めて重要な技術の1つであると言える。
【0004】
従来の補聴器はラッパ型の集音器の形態であったが、現在は普通音の増幅をサポートする形態の電気補聴器が使用されている。さらに、補聴器は、乳突部に固定する形態の骨導式もあるが、ほとんどは気導式の構造であり、マイクロホンで音波を受信して電気振動に変え、これを拡大して再び音波に変換し、イヤホンを経て耳に伝えるようにする。
【0005】
近年は、より優れた補聴器専用プロセッサに対する研究が進められている。補聴器専用プロセッサには従来のプロセッサに比べて2倍以上の処理速度とメモリが搭載されており、進化したナノ技術によって小型化したチップと部品とで構成されている。
【0006】
しかし、従来の補聴器技術は、難聴者(以下、「使用者」とする)の聴力データを基にして設定されてはいないため、使用者の周辺騒音に対するリアルタイムデータを適用することができないという限界を抱えていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、使用者の右側および左側それぞれに装用される第1スマートヒアリングデバイスおよび第2スマートヒアリングデバイスを利用して、左側および右側の音の方向性による環境変化と騒音変化を立体的に認知できるように提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、第1スマートヒアリングデバイスに含まれた第1マイクおよび第2マイクと第2スマートヒアリングデバイスに含まれた第3マイクおよび第4マイクとによって使用者の音声信号と騒音信号を認知することにより、周辺音をより立体的に収集することを目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、分析結果に基づき、第1スマートヒアリングデバイスおよび第2スマートヒアリングデバイスの互いに異なる制御パラメータを設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態に係る適応型立体ヒアリングシステムは、一側に形成された第1マイクおよび第2マイクが受信する音声信号および騒音信号を含む第1オーディオ信号を伝達し、前記第1オーディオ信号を分析した結果情報による第1制御パラメータを設定して一側の音を提供する第1スマートヒアリングデバイス、他側に形成された第3マイクおよび第4マイクが受信する音声信号および騒音信号を含む第2オーディオ信号を伝達し、前記第2オーディオ信号を分析した結果情報による第2制御パラメータを設定して他側の音を提供する第2スマートヒアリングデバイス、前記第1オーディオ信号および前記第2オーディオ信号を外部に伝達して前記第1スマートヒアリングデバイスおよび前記第2スマートヒアリングデバイスを制御するモバイルデバイス、および前記第1オーディオ信号と前記第2オーディオ信号に機械学習(Machine Learning)技法を適用して分析された音の方向性に対する結果情報を送信する外部サーバを含む。
【0011】
前記第1スマートヒアリングデバイスおよび前記第2スマートヒアリングデバイスそれぞれは、使用者の口の近くに位置する前記第1マイクおよび前記第3マイクを含み、前記使用者の口を基準として離隔距離に位置する前記第2マイクおよび前記第4マイクを含んでよい。
【0012】
前記第1マイクおよび前記第3マイクは、一側および他側で使用者の音声信号を収集し、前記第2マイクおよび前記第4マイクは、一側の騒音信号および他側の騒音信号を収集してよい。
【0013】
前記第1マイクと前記第3マイク、さらに前記第2マイクと前記第4マイクそれぞれは互いにペアリングし、いずれか1つのマイクに適用された設定にしたがい、前記いずれか1つのマイクとペアリングするマイクも自動設定されてよい。
【0014】
前記第1スマートヒアリングデバイスは、使用者の聴力データと前記モバイルデバイスが受信した前記結果情報に基づき、環境変化による増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上の前記第1制御パラメータを設定して使用者個人にカスタマイズされた前記一側の音を提供し、前記第2スマートヒアリングデバイスは、使用者の聴力データと前記モバイルデバイスが受信した前記結果情報に基づき、環境変化による増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上の前記第2制御パラメータを設定して使用者個人にカスタマイズされた前記他側の音を提供してよい。
【0015】
前記第1スマートヒアリングデバイスは、前記第1マイクおよび前記第2マイクが受信するデジタル信号の前記音声信号および前記騒音信号に前記第1制御パラメータを設定して増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上のバランスを調節し、前記調節された信号に対するデジタル信号をアナログ信号に変換して前記使用者に前記一側の音を提供し、前記第2スマートヒアリングデバイスは、前記第3マイクおよび前記第4マイクが受信するデジタル信号の前記音声信号および前記騒音信号に前記第2制御パラメータを設定して増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上のバランスを調節し、前記調節された信号に対するデジタル信号をアナログ信号に変換して前記使用者に前記他側の音を提供してよい。
【0016】
前記第1スマートヒアリングデバイスおよび前記第2スマートヒアリングデバイスそれぞれは、使用者個人にカスタマイズされた前記一側の音および前記他側の音をそれぞれ提供し、左側および右側の音の方向性による環境変化と騒音変化を立体的に認知できるように提供してよい。
【0017】
前記第1スマートヒアリングデバイスおよび前記第2スマートヒアリングデバイスそれぞれは、使用者の左側の聴力データおよび右側の聴力データに基づき、互いに異なるパラメータ値の前記第1制御パラメータおよび前記第2制御パラメータを設定してよい。
【0018】
前記モバイルデバイスは、近距離無線通信モジュールにより、前記第1スマートヒアリングデバイスおよび前記第2スマートヒアリングデバイスが受信した前記第1オーディオ信号および前記第2オーディオ信号を前記外部サーバに送信し、前記外部サーバから受信された前記結果情報を前記第1スマートヒアリングデバイスおよび前記第2スマートヒアリングデバイスに送信してよい。
【0019】
前記モバイルデバイスは、使用者の選択入力にしたがい、前記第1スマートヒアリングデバイスおよび前記第2スマートヒアリングデバイスそれぞれの電源のオン(On)/オフ(Off)、信号収集、およびパラメータ設定のうちのいずれか1つ以上を制御してよい。
【0020】
前記外部サーバは、SVM(Support Vector Machine)およびk-means方式のうちのいずれか1つの前記機械学習技法によって前記第1オーディオ信号および前記第2オーディオ信号を分析し、環境変化または周辺騒音による音の方向性に対する前記結果情報を生成してよい。
【0021】
前記第1スマートヒアリングデバイスは、使用者の音声信号を受信する前記第1マイク、使用者周辺の騒音信号を受信する前記第2マイク、前記第1マイクおよび前記第2マイクが受信した前記音声信号および前記騒音信号を含む第1オーディオ信号を送信する送信部、前記外部サーバが前記第1オーディオ信号を処理することに応答し、前記モバイルデバイスから前記結果情報を受信する受信部、および前記結果情報に基づいて前記第1制御パラメータを設定する制御部を含んでよい。
【0022】
前記第2スマートヒアリングデバイスは、使用者の音声信号を受信する前記第3マイク、使用者周辺の騒音信号を受信する前記第4マイク、前記第3マイクおよび前記第4マイクが受信した前記音声信号および前記騒音信号を含む第2オーディオ信号を送信する送信部、前記外部サーバが前記第2オーディオ信号を処理することに応答し、前記モバイルデバイスから前記結果情報を受信する受信部、および前記結果情報に基づいて前記第2制御パラメータを設定する制御部を含んでよい。
【0023】
本発明の実施形態に係る、環境変化および騒音によって立体的な音を提供する適応型立体ヒアリングシステム内のモバイルデバイスの動作方法は、一側に形成された第1スマートヒアリングデバイスと他側に形成された第2スマートヒアリングデバイスから音声信号および騒音信号を含む第1オーディオ信号と第2オーディオ信号を受信する段階、前記第1オーディオ信号および前記第2オーディオ信号を外部サーバに送信する段階、前記外部サーバから機械学習(Machine Learning)技法によって分析される音の方向性に対する結果情報を受信する段階、および前記結果情報を前記第1スマートヒアリングデバイスおよび前記第2スマートヒアリングデバイスに提供する段階を含み、前記第1スマートヒアリングデバイスおよび前記第2スマートヒアリングデバイスそれぞれは、前記結果情報による第1制御パラメータおよび第2制御パラメータを設定して使用者に一側の音および他側の音を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態によると、使用者の右側および左側それぞれに装用される第1スマートヒアリングデバイスおよび第2スマートヒアリングデバイスを利用して左側および右側の音の方向性による環境変化と騒音変化によるオーダーメイド補聴サービスを提供し、これによる補聴器の利便性を高めることができる。
【0025】
また、本発明の実施形態によると、第1スマートヒアリングデバイスに含まれた第1マイクおよび第2マイクと第2スマートヒアリングデバイスに含まれた第3マイクおよび第4マイクによって使用者の音声信号と騒音信号を認知することにより、周辺音をより立体的に収集し、これによる適正騒音を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施形態における、適応型立体ヒアリングシステムの構成を示した図である。
【
図2a】本発明の実施形態における、第1スマートヒアリングデバイスおよび第2スマートヒアリングデバイスの製品例を示した図である。
【
図2b】本発明の実施形態における、第1スマートヒアリングデバイスおよび第2スマートヒアリングデバイスの製品例を示した図である。
【
図3】本発明の実施形態における、第1スマートヒアリングデバイスの詳細構成を示したブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態における、第2スマートヒアリングデバイスの詳細構成を示したブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態における、スマートヒアリングデバイスの適用例を示した図である。
【
図6a】本発明の実施形態における、スマートヒアリングデバイスの適用例を示した図である。
【
図6b】本発明の実施形態における、スマートヒアリングデバイスの適用例を示した図である。
【
図7】本発明の実施形態における、第1スマートヒアリングデバイス、第2スマートヒアリングデバイス、モバイルデバイス、および外部サーバ間の動作過程を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る実施形態について、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。しかし、本発明は、実施形態によって制限されたり限定されたりしてはならない。また、各図面に提示した同じ参照符号は、同じ部材を示す。
【0028】
また、本明細書で使用される用語(terminology)は、本発明の好ましい実施形態を適切に表現するための用語に過ぎず、視聴者あるいは運用者の意図または本発明が属する分野の慣例などによって異なることがある。したがって、このような用語に対する定義は、本明細書の全般的な内容に基づいて下されなければならない。
【0029】
本発明は、環境変化および騒音変化による適応型立体ヒアリングシステムおよびその方法に関する技術であって、使用者の左側および右側それぞれに装用される第1スマートヒアリングデバイスおよび第2スマートヒアリングデバイスを利用して、第1スマートヒアリングデバイスに含まれた第1マイクおよび第2マイクと第2スマートヒアリングデバイスに含まれた第3マイクおよび第4マイクが受信する左側の第1オーディオ信号および右側の第2オーディオ信号に対する分析結果に基づいて制御パラメータ(parameter)を設定することにより、左側および右側の音の方向性による環境変化と騒音変化を使用者が立体的に認知できるように提供する。
【0030】
ここで、本発明の実施形態に係るスマートヒアリングデバイスとは、聴覚能力が低い使用者が聞き取れるように増幅した音を提供する補聴器を意味する。
【0031】
以下では、環境変化および騒音変化によってリアルタイムで音声信号および騒音信号の増幅値、ボリューム、および周波数のうちの少なくともいずれか1つ以上を制御することにより、使用者個人向けのオーダーメイド補聴サービスを向上させる本発明の実施形態に係る適応型立体ヒアリングシステムおよびその方法について、
図1~7を参照しながら詳しく説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施形態における、適応型立体ヒアリングシステムの構成を示した図である。
【0033】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る適応型立体ヒアリングシステムは、一側に形成された第1スマートヒアリングデバイスおよび他側に形成された第2スマートヒアリングデバイスが受信するオーディオ信号を分析して設定される制御パラメータに基づき、左側および右側の音の方向性による環境変化と騒音変化を立体的に認知できるように提供する。
【0034】
このために、本発明の実施形態に係る適応型立体ヒアリングシステム100は、第1スマートヒアリングデバイス110、第2スマートヒアリングデバイス120、モバイルデバイス130、および外部サーバ140を含む。
【0035】
第1スマートヒアリングデバイス110は、一側に形成された第1マイクおよび第2マイクが受信する音声信号および騒音信号を含む第1オーディオ信号を伝達し、第1オーディオ信号を分析した結果情報による第1制御パラメータを設定して一側の音を提供する。
【0036】
第2スマートヒアリングデバイス120は、他側に形成された第3マイクおよび第4マイクが受信する音声信号および騒音信号を含む第2オーディオ信号を伝達し、第2オーディオ信号を分析した結果情報による第2制御パラメータを設定して他側の音を提供する。
【0037】
第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、使用者の口の近くに位置する第1マイクおよび第3マイクを含み、使用者の口を基準として離隔距離に位置する第2マイクおよび第4マイクを含んでよい。このとき、第1マイクおよび第3マイクは、一側および他側で使用者の音声信号を収集し、第2マイクおよび第4マイクは、一側の騒音信号および他側の騒音信号を収集してよい。
【0038】
より詳しく説明すると、第1スマートヒアリングデバイス110は、使用者の左耳に装着されてよく、使用者の口の近くに位置する第1マイクによって使用者の左側の音声信号を受信し、使用者の口を基準として離隔距離に位置する第2マイクによって左側の騒音信号を受信してよい。また、第2スマートヒアリングデバイス120は、使用者の右耳に装着されてよく、使用者の口の近くに位置する第3マイクによって使用者の右側の音声信号を受信し、使用者の口を基準として離隔距離に位置する第4マイクによって右側の騒音信号を受信してよい。
【0039】
このとき、第1スマートヒアリングデバイス110の第1マイクと第2スマートヒアリングデバイス120の第3マイク、および第1スマートヒアリングデバイス110の第2マイクと第2スマートヒアリングデバイス120の第4マイクそれぞれは互いにペアリングすることを特徴とし、いずれか1つのマイクに適用された設定にしたがい、いずれか1つのマイクとペアリングするマイクも自動設定されてよい。例えば、第1制御パラメータによって第1マイクのボリュームが調節される場合、ペアリングされた第3マイクのボリュームも自動調節されてよい。また他の例として、第1スマートヒアリングデバイス110の第2マイクの電源がオン(on)となる場合、ペアリングする第2スマートヒアリングデバイス120の第4マイク電源も自動でオン(on)となってよい。
【0040】
第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120それぞれは、使用者の左聴力データおよび右聴力データに基づき、互いに異なるパラメータ値の第1制御パラメータおよび第2制御パラメータを設定してよい。
【0041】
実施例として、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120それぞれは、補聴器を使用する使用者の左側および右側に対する聴力データ(Personal Hearing Profile)を含んでよい。例えば、使用者の左側と右側の聴力データが異なることがあるため、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120それぞれは、使用者が選好するボリューム、認知可能な特定のボリューム、特定の周波数、違和感を持たない程度の増幅値、ボリューム、および周波数の範囲を含む、使用者にカスタマイズされた聴力データを含んでよい。このとき、使用者の聴力データは、モバイルデバイス130および外部サーバ140にも記録されて維持されてよい。
【0042】
ただし、前記聴力データは、増幅値、ボリューム、および周波数などの項目または数値に限定されることはない。例えば、前記聴力データは、小さな音は増幅して大きな音は増減する非線形圧縮情報、音が聞こえる方向を正確に把握する方向性情報、マイクが受信した音を増幅して雑音を除去して聞き取りやすくするフィードバック情報、および騒音を減らす騒音除去情報のうちの少なくともいずれか1つ以上の情報に対する使用者の選好度および数値をさらに含んでよい。
【0043】
本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、使用者の聴力データと、モバイルデバイス130から受信される分析された音の方向性に対する結果情報に基づき、環境変化および騒音変化による増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上の第1制御パラメータおよび第2パラメータを設定することで、左側および右側のオーダーメイド補聴サービスを提供してよい。
【0044】
より詳しく説明すると、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、使用者の聴力データとモバイルデバイス130から受信される分析された音の方向性に対する結果情報に基づき、環境変化による増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上の第1制御パラメータおよび第2制御パラメータを設定することで、使用者個人にカスタマイズされた右側および左側の音を提供してよい。
【0045】
実施例として、第1スマートヒアリングデバイス110は、第1マイクおよび第2マイクが受信するデジタル信号の音声信号および騒音信号に第1制御パラメータを設定して増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上のバランスを調節し、調節された信号に対するデジタル信号をアナログ信号に変換して使用者に左側の音として伝達してよい。
【0046】
他の例として、第2スマートヒアリングデバイス120は、第3マイクおよび第4マイクが受信するデジタル信号の音声信号および騒音信号に第2制御パラメータを設定して増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上のバランスを調節し、調節された信号に対するデジタル信号をアナログ信号に変換して使用者に右側の音として伝達してよい。
【0047】
例えば、第1マイク、第2マイク、第3マイク、および第4マイクが受信したオーディオ信号による増幅値、ボリューム、および周波数のうちの少なくともいずれか1つ以上が、使用者が予め設定したか使用者が選好する基準範囲を逸脱することがある。これは、使用者が位置する環境変化による要因、使用者の音声変化による要因、または機械的エラーの要因によることがある。これにより、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、第1制御パラメータおよび第2制御パラメータに基づいてオーディオ信号に対する増幅値、ボリューム、および周波数のうちの少なくともいずれか1つ以上のバランスを調節し、調節されたバランスによるデジタル信号をアナログ信号(音響エネルギー)に変換し、音として使用者に提供する。
【0048】
すなわち、本発明の実施形態に係る適応型立体ヒアリングシステム100の第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、使用者の環境変化および騒音変化にしたがい、第1マイク、第2マイク、第3マイク、および第4マイクが受信した音声信号および騒音信号を含む第1オーディオ信号および第2オーディオ信号をモバイルデバイス130から外部サーバ140に送信し、分析結果を受信し、使用者の聴力データおよび分析結果に関する情報に基づいて第1オーディオ信号および第2オーディオ信号に対する第1制御パラメータおよび第2制御パラメータを自動で設定することにより、使用者がいちいちボリュームを調節したり周波数を調節したりしなくても、変化する状況に最適化した補聴サービスを提供することができ、補聴器の利便性を高めることができる。
【0049】
また、本発明の実施形態に係る適応型立体ヒアリングシステム100の第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120それぞれは、使用者個人向けにカスタマイズして左側の音および右側の音を提供することで、左側および右側の音の方向性による環境変化と騒音変化を立体的に認知できるように提供することができる。
【0050】
モバイルデバイス130は、第1オーディオ信号および前記第2オーディオ信号を外部に伝達し、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120を制御する。
【0051】
図1に示すように、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120とモバイルデバイス130は、近距離無線通信モジュールであるブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)通信によってデータを送受信してよい。例えば、モバイルデバイス130は、ブルートゥース通信により、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120から、音声信号および騒音信号を含む第1オーディオ信号および第2オーディオ信号を受信してよい。
【0052】
この後、モバイルデバイス130は、Ethernet/3G、4G、5Gのような無線データ通信により、第1オーディオ信号および第2オーディオ信号を外部サーバ140に送信してよい。また、モバイルデバイス130は、無線データ通信により、外部サーバ140から分析結果に関する情報を受信してよく、ブルートゥース通信により、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120それぞれに分析結果情報を提供してもよい。
【0053】
このとき、本発明の実施形態に係る適応型立体ヒアリングシステム100内のモバイルデバイス130は、PC(personal computer)、ノート型PC(laptop computer)、スマートフォン(smart phone)、タブレット(tablet)、ウェアラブルコンピュータ(wearable computer)などのように使用者が所持している端末装置であって、ウェブ/モバイルサイトまたは専用アプリケーションの制御下で、サービス画面の構成、データ入力、データ送受信、データ保存などのような全般的なサービスの作動を実行してよい。また、モバイルデバイス130は、モバイルデバイス内にダウンロードされてインストールされたアプリケーション(Application)を意味するものであってもよい。
【0054】
実施形態によっては、モバイルデバイス130は、ディスプレイ部(図示せず)によって多数の領域それぞれに位置する多数のアイテムを含む画面を表示してよく、力覚(haptic)接触または触覚(tactile)接触によって使用者からの入力を受けるタッチ感知表面、センサまたはセンサ集合に基づいて機能に関する少なくとも1つ以上のアイテムを含むまた他の画面を表示してよい。また、モバイルデバイス130は、キーボード、タッチディスプレイ、ダイヤル、スライダスイッチ、ジョイスティック、マウスなどの入力部(図示せず)によって使用者の選択入力を受信してよく、オーディオモジュール、スピーカモジュール、および振動モジュールを含む出力部(図示せず)によってオーダーメイド補聴サービスに関する情報を出力してよい。
【0055】
モバイルデバイス130は、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120それぞれと連動し、使用者の聴力をテストするための画面と、これによる各種レポートに関する情報を提供してよい。このとき、前記レポートとは、時間の経過によるオーダーメイド補聴サービスに対するヒストリー(history)指標または記録を意味してよい。
【0056】
また、モバイルデバイス130は、使用者情報と、使用者情報に対応する聴力データを含んでよく、使用者が選好する増幅値、ボリューム、および周波数などの適正範囲を数値で記録して維持してよい。さらに、モバイルデバイス130は、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120それぞれが受信する音声信号および騒音信号と、外部サーバ140が分析した分析結果に関する情報をマッチングさせてデータベース化してもよい。
【0057】
また、モバイルデバイス130は、使用者の選択入力にしたがい、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120それぞれの電源をオン(on)またはオフ(off)してよく、外部サーバ140から受信した分析結果に関する情報に基づき、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120の増幅値、ボリューム、および周波数などの数値を手動で制御してもよい。
【0058】
また、モバイルデバイス130は、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120それぞれに付与される一連番号またはデバイス情報とペアリングされ、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120のバッテリー管理、紛失管理、故障管理を実行してよい。
【0059】
外部サーバ140は、第1オーディオ信号と第2オーディオ信号に機械学習(Machine Learning)技法を適用して分析された音の方向性に関する結果情報を送信する。
【0060】
例えば、外部サーバ140は、Ethernet/3G、4G、5Gのような無線データ通信によってモバイルデバイス130と通信してよく、SVM(Support Vector Machine)およびk-means方式のうちの少なくともいずれか1つの機械学習技法によってモバイルデバイス130から受信した第1オーディオ信号および第2オーディオ信号を分析し、環境変化または周辺騒音による音の方向性に対する結果情報を生成してよい。
【0061】
外部サーバ140は、機械学習技法によって第1オーディオ信号および第2オーディオ信号を分析して使用者の位置による使用環境および作業環境などの環境変化を感知し、環境変化による増幅値、ボリューム、および周波数のうちの少なくともいずれか1つ以上の数値変化を感知してよい。これにより、外部サーバ140は、使用者の聴力データによる適正範囲から逸脱した増幅値、ボリューム、および周波数のうちの少なくともいずれか1つ以上の項目および数値を取得し、取得した項目および数値に対する情報と適正範囲内への進入のための数値変動情報を含む分析結果を生成してよい。
【0062】
この後、外部サーバ140は、分析結果に関する情報をEthernet/3G、4G、5Gのような無線データ通信によってモバイルデバイス130に送信し、モバイルデバイス130は、分析結果に関する情報をブルートゥース通信によって第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120それぞれに送信してよい。
【0063】
このとき、外部サーバ140は、使用者情報と使用者情報による聴力データ、および使用者が選好する増幅値、ボリューム、および周波数などの適正範囲を数値化して記録し、使用者情報に対応する第1スマートヒアリングデバイス110、第2スマートヒアリングデバイス120、およびモバイルデバイス130をマッチングさせてデータベース化することを基本とする。すなわち、外部サーバ140は、記録されて維持されるデータに基づいてモバイルデバイス130から受信したオーディオ信号を分析し、分析結果に関する情報を第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120、またはモバイルデバイス130に提供し、使用者情報とマッチングさせてデータベース化してよい。
【0064】
実施形態によっては、外部サーバ140が実行する、第1オーディオ信号および第2オーディオ信号に機械学習技法を適用して音の方向性に対する結果情報を分析する過程は、モバイルデバイス130で実行されてもよい。このような場合、本発明の他の実施形態に係る適応型立体ヒアリングシステム100には、第1スマートヒアリングデバイス110、第2スマートヒアリングデバイス120、およびモバイルデバイス130だけが含まれてよい。
【0065】
図2aおよび
図2bは、本発明の実施形態における、第1スマートヒアリングデバイスおよび第2スマートヒアリングデバイスの製品例を示した図である。
【0066】
より詳しく説明すると、
図2aは、本発明の実施形態における、第1スマートヒアリングデバイスおよび第2スマートヒアリングデバイスの前面図の一例であり、
図2bは、本発明の実施形態における、第1スマートヒアリングデバイスおよび第2スマートヒアリングデバイスの後面図の一例である。
【0067】
図2aを参照すると、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110は、第1マイク111、第2マイク112、およびオン/オフスイッチ113を含み、第2スマートヒアリングデバイス120は、第3マイク121、第4マイク122、およびオン/オフスイッチ123を含む。第1スマートヒアリングデバイス110は使用者の左耳に装用され、第2スマートヒアリングデバイス120は使用者の右耳に装用されるように図に示しているが、スマートヒアリングデバイスが装用される位置および形態がこれに制限されることはない。
【0068】
このとき、第1マイク111および第3マイク121は、主に使用者の声である音声信号を受信するために使用者の口に隣接するように位置してよく、オン/オフスイッチ113、123の下側に位置し、第2マイク112および第4マイク122に比べて相対的に使用者の口に隣接した位置にあることを特徴とする。
【0069】
また、第2マイク112および第4マイク122は、主に使用者の位置による周辺騒音である騒音信号を受信するために使用者の口から可能な限り遠くに位置し、オン/オフスイッチ113、123の上側に位置し、第1マイク111および第3マイク121に比べて相対的に使用者の口から遠く離れた位置にあることを特徴とする。
【0070】
さらに、第1マイク111および第2マイク112、さらに第3マイク121および第4マイク122の孔口(または、穴)の向きは同じであることを特徴とする。これは、均一な音声信号および騒音信号をそれぞれ収集し、これによる適正騒音を除去するためである。
【0071】
図2aに示すように、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、位置が互いに異なる2つのマイク111、112と121、122を含み、ソフトウェア的に第1マイク111および第3マイク121をメインとしてセッティングし、第2マイク112および第4マイク122を2次入力ソースとして適用することで、互いに異なる音声信号および騒音信号を均一に収集してよい。
【0072】
このとき、第1スマートヒアリングデバイス110の第1マイク111と第2スマートヒアリングデバイス120の第3マイク121は互いにペアリングし、第1スマートヒアリングデバイス110の第2マイク112と第2スマートヒアリングデバイス120の第4マイク122は互いにペアリングすることを特徴とし、いずれか1つのマイクに適用された設定にしたがい、いずれか1つのマイクとペアリングするマイクも自動設定されてよい。
【0073】
例えば、制御パラメータによって第1マイク111のボリュームが一定の値までアップ(up)した場合、ペアリングする第3マイク121のボリュームも一定の値まで自動でアップ(up)調節されてよい。また他の例として、第1スマートヒアリングデバイス110の第2マイク112電源がオン(on)となる場合、ペアリングする第2スマートヒアリングデバイス120の第2マイク122電源も自動でオン(on)となってよい。
【0074】
図2aを参照すると、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、オン/オフスイッチ113、123を含む。オン/オフスイッチ113、123は、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120の電源をオン(on)またはオフ(off)するものである。例えば、使用者がスイッチ形態のオン/オフスイッチ113、123をタッチ、プッシュ、または長押しすれば、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、オン(on)またはオフ(off)となってよい。このとき、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120のうちの少なくともいずれか1つがオン(on)またはオフ(off)になる場合、ペアリングする他の一側のスマートヒアリングデバイスも同じようにオン(on)またはオフ(off)となってよい。
【0075】
図2bを参照すると、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、充電モジュール115、125およびスピーカ114、124を含む。
【0076】
本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、充電式デバイスとして、充電モジュール(Charging Terminals)115、125を含んでよい。
【0077】
例えば、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、充電式リチウムイオンポリマー電池(Li-ion Polymer Battery)およびモバイル装置のバッテリーメータ(Battery Meter)を含んでよく、充電モジュール115、125によってバッテリー充電がなされてよい。
【0078】
また、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、スピーカ114、124により、デジタル信号からアナログ信号(音響エネルギー)に変換された音を提供してよい。
【0079】
例えば、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、第1マイク111、第2マイク112、第3マイク121、第4マイク122が収集した音声信号および騒音信号に、分析結果に関する情報による第1制御パラメータおよび第2制御パラメータを設定し、増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上のバランスが調節されたデジタル信号をアナログ信号に変換し、スピーカ114、124から使用者に音を提供してよい。
【0080】
図3は、本発明の実施形態における、第1スマートヒアリングデバイスの詳細構成を示したブロック図であり、
図4は、本発明の実施形態における、第2スマートヒアリングデバイスの詳細構成を示したブロック図である。
【0081】
以下では、第1スマートヒアリングデバイス110は使用者の左耳に装用され、第2スマートヒアリングデバイス120は使用者の右耳に装用されるものとして説明するが、各デバイスが装用される位置および形態が制限されることはない。
【0082】
図3を参照すると、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイスは、一側に形成された第1マイクおよび第2マイクが受信する音声信号および騒音信号を含む第1オーディオ信号を伝達し、第1オーディオ信号を分析した結果情報による第1制御パラメータを設定して一側の音を提供する。
【0083】
これにより、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110は、第1マイク111、第2マイク112、制御部116、送信部117、および受信部118を含む。
【0084】
第1マイク111は、使用者の音声信号を受信してよい。また、第2マイク112は、使用者周辺の騒音信号を受信してよい。
【0085】
このとき、第1マイク111および第2マイク112は、使用者の口を基準として互いに異なる距離に位置する。例えば、第1マイク111は、使用者の口の近くに隣接するように位置し、主に使用者の声である音声信号を受信してよく、第2マイク112は、第1マイク111に比べて相対的に使用者の口から可能な限り遠くに位置し、主に周辺騒音である騒音信号を受信してよい。
【0086】
また、第1マイク111および第2マイク112は、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110内の互いに異なる位置に含まれるが、第1マイク111および第2マイク112の孔口(または、穴)の向きは、均一な音声信号および騒音信号を収集し、これによる適正騒音を除去するために同じであることを特徴とする。ここで、前記適正騒音とは、マイクの位置で収集される音声信号および騒音信号以外の騒音および数値を意味してよい。
【0087】
これにより、第1マイク111および第2マイク112は、感知した音声信号および騒音信号を電気信号に変換し、変換された信号情報を送信部117または制御部116に提供する。
【0088】
送信部117は、第1マイク111および第2マイク112が受信した音声信号および騒音信号を含む第1オーディオ信号を送信してよい。
【0089】
例えば、送信部117は、ブルートゥース(bluetooth)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、ジグビー(Zigbee)、BLE(Bluetooth Low Energy)のうちのいずれか1つの近距離コードレス通信モジュールにより、使用者が所持するモバイルデバイス130に、音声信号および騒音信号を含んだ第1オーディオ信号を伝達してよい。
【0090】
受信部118は、外部サーバ140が第1オーディオ信号を処理することに応答し、モバイルデバイス130から結果情報を受信してよい。
【0091】
例えば、受信部118は、外部サーバ140で第1オーディオ信号に対して機械学習(Machine Learning)技法によって分析された分析結果に関する情報を、外部サーバ140またはモバイルデバイス130から受信してよい。
【0092】
このとき、外部サーバ140は、SVM(Support Vector Machine)およびk-means方式のうちの少なくともいずれか1つの機械学習技法により、使用者が所持するモバイルデバイス130から受信した音声信号および騒音信号を含む第1オーディオ信号を分析してよい。ただし、前記機械学習技法が上述したSVMまたはk-means方式に限定されてはならず、オーディオ信号を利用した機械学習が可能な技法であればすべて適用可能である。
【0093】
実施形態によっては、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110の送信部117および受信部118は、近距離無線通信モジュールだけでなく、セルラーネットワーク、無線LAN(local area network)、および/またはMAN(metropolitan area network)などのような無線ネットワーク、イントラネットおよび/またはワールドワイドウェブ(WWW)とも呼ばれるインターネットのようなネットワーク、およびその他の装置と無線通信によって通信してもよい。
【0094】
このような無線通信は、GSM(Global System for Mobile Communications)、EDGE(Enhanced Data GSM Environment)、W-CDMA(wideband code division multiple access)、CDMA(code division multiple access)、TDMA(time division multiple access)、ブルートゥース(Bluetooth)、(IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、および/またはIEEE802.11nなどの)Wi-Fi(Wireless Fidelity)、VoIP(voice over Internet Protocol)、Wi-MAX、LTE(Long Term Evolution)、ジグビー(Zigbee)、Z-wave、BLE(Bluetooth Low Energy)、ビーコン(Beacon)、IMAP(Internet Message Access Protocol)、および/またはPOP(Post Office Protocol)などのような電子メール用プロトコル、XMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocol)、SIMPLE(Session Initiation Protocol for Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions)、IMPS(Instant Messaging and Presence Service)、SMS(Short Message Service)、LoRaなどのようなインスタントメッセージング、または本願の出願日当時には未開発の通信プロトコルを含んでよい。ただし、上述した無線通信には、これらに限定されない複数の通信標準、プロトコル、および技術が使用されてよい。
【0095】
制御部116は、結果情報に基づいて第1制御パラメータを設定してよい。
【0096】
このとき、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110は、補聴器を使用する使用者の左聴力データ(Personal Hearing Profile)を基本的に含んでよい。例えば、制御部116は、使用者が選好するボリュームおよび周波数と、違和感を持たない程度の増幅値、ボリューム、および周波数範囲を含む使用者の左聴力データを含んでよい。実施形態によっては、上述したデータは、モバイルデバイス130または外部サーバ140に記録されて維持されてもよい。
【0097】
ただし、前記聴力データが増幅値、ボリューム、および周波数などの項目または数値に限定されてはならない。例えば、前記聴力データは、小さな音は増幅して大きな音は増減する非線形圧縮情報、音が聞こえる方向を正確に把握する方向性情報、マイクが受信した音を増幅して他の雑音を除去して聞き取りやすくするフィードバック情報、および騒音を減らす騒音除去情報のうちの少なくともいずれか1つ以上の情報に対する使用者の選好度および数値をさらに含んでもよい。
【0098】
本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110の制御部116は、使用者の左聴力データと、受信部118によって外部サーバ130およびモバイルデバイス140のうちの少なくともいずれか1つの外部端末から受信した分析結果に関する情報に基づき、環境変化および騒音による増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上の第1制御パラメータを設定してオーダーメイド補聴サービスを提供してよい。
【0099】
より詳しく説明すると、制御部116は、第1マイク111および第2マイク112が受信するデジタル信号の音声信号および騒音信号に第1制御パラメータを設定して増幅値変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上のバランスを調節し、調節した信号に対するデジタル信号をアナログ信号に変換して使用者に伝達してよい。
【0100】
例えば、第1マイク111および第2マイク112が受信した第1オーディオ信号による増幅値、ボリューム、および周波数のうちの少なくともいずれか1つ以上が、使用者が予め設定したか使用者が選好する基準範囲を逸脱することがある。これは、使用者が位置する環境変化による要因、使用者の音声変化による要因、および機械的エラーの要因のうちのいずれか1つによって発生することがある。これにより、制御部116は、分析結果に関する情報に基づき、音声信号および騒音信号の増幅値、ボリューム、および周波数のうちの少なくともいずれか1つ以上のバランスを調節してよく、調節されたバランスによるデジタル信号をアナログ信号(音響エネルギー)に変換し、音として使用者に提供してよい。
【0101】
すなわち、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110は、使用者の環境変化にしたがい、第1マイク111および第2マイク112が受信した音声信号および騒音信号を含む第1オーディオ信号を外部サーバ140に送信し、外部端末から分析結果を受信し、使用者の聴力データおよび分析結果に関する情報に基づいて第1オーディオ信号に対する第1制御パラメータを自動で設定することにより、使用者がいちいちボリュームを調節したり周波数を調節したりしなくても、変化する状況に最適化した補聴サービスを提供することができ、補聴器使用の利便性を高めることができる。
【0102】
図4を参照すると、本発明の実施形態に係る第2スマートヒアリングデバイスは、他側に形成された第3マイクおよび第4マイクが受信する音声信号および騒音信号を含む第2オーディオ信号を伝達し、第2オーディオ信号を分析した結果情報による第2制御パラメータを設定して他側の音を提供する。
【0103】
これにより、本発明の実施形態に係る第2スマートヒアリングデバイス120は、第3マイク121、第4マイク122、制御部126、送信部127、および受信部128を含む。
【0104】
第3マイク121は、使用者の音声信号を受信してよい。また、第4マイク122は、使用者周辺の騒音信号を受信してよい。
【0105】
このとき、第3マイク121および第4マイク122は、使用者の口を基準として互いに異なる距離に位置する。例えば、第3マイク121は、使用者の口の近くに隣接するように位置し、主に使用者の声である音声信号を受信してよく、第4マイク122は、第3マイク121に比べて相対的に使用者の口から可能な限り遠くに位置し、主に周辺騒音である騒音信号を受信してよい。
【0106】
また、第3マイク121および第4マイク122は、本発明の実施形態に係る第2スマートヒアリングデバイス120内の互いに異なる位置に含まれるが、第3マイク121および第4マイク122の孔口(または、穴)の向きは、均一な音声信号および騒音信号を収集し、これによる適正騒音を除去するために同じであることを特徴とする。ここで、前記適正騒音とは、マイクの位置で収集される音声信号および騒音信号以外の騒音および数値を意味してよい。
【0107】
これにより、第3マイク121および第4マイク122は、感知した音声信号および騒音信号を電気信号に変換し、変換された信号情報を送信部127または制御部126に提供する。
【0108】
送信部127は、第3マイク121および第4マイク122が受信した音声信号および騒音信号を含む第2オーディオ信号を送信してよい。
【0109】
例えば、送信部127は、ブルートゥース(bluetooth)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、ジグビー(Zigbee)、BLE(BluetoothLow Energy)のうちのいずれか1つの近距離無線通信モジュールにより、使用者が所持するモバイルデバイス130に音声信号および騒音信号を含んだ第2オーディオ信号を伝達してよい。
【0110】
受信部128は、外部サーバ140が第2オーディオ信号を処理することに応答し、モバイルデバイス130から結果情報を受信してよい。
【0111】
例えば、受信部128は、外部サーバ140で第2オーディオ信号に対して機械学習(Machine Learning)技法によって分析された分析結果に関する情報を、外部サーバ140またはモバイルデバイス130から受信してよい。
【0112】
このとき、外部サーバ140は、SVM(Support Vector Machine)およびk-means方式のうちの少なくともいずれか1つの機械学習技法により、使用者が所持するモバイルデバイス130から受信した音声信号および騒音信号を含む第2オーディオ信号を分析してよい。ただし、前記機械学習技法が上述したようなSVMまたはk-means方式に限定されてはならず、オーディオ信号を利用した機械学習が可能な技法であればすべて適用可能である。
【0113】
実施形態によっては、本発明の実施形態に係る第2スマートヒアリングデバイス120の送信部127および受信部128は、近距離無線通信モジュールだけでなく、セルラーネットワーク、無線LAN(local area network)、および/またはMAN(metropolitan area network)などのような無線ネットワーク、イントラネットおよび/またはワールドワイドウェブ(WWW)とも呼ばれるインターネットのようなネットワーク、およびその他の装置と無線通信によって通信してよい。
【0114】
このような無線通信は、GSM(Global System for Mobile Communications)、EDGE(Enhanced Data GSM Environment)、W-CDMA(wideband code division multiple access)、CDMA(code division multiple access)、TDMA(time division multiple access)、ブルートゥース(Bluetooth)、(IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、および/またはIEEE802.11nなどの)Wi-Fi(Wireless Fidelity)、VoIP(voice over Internet Protocol)、Wi-MAX、LTE(Long Term Evolution)、ジグビー(Zigbee)、Z-wave、BLE(Bluetooth Low Energy)、ビーコン(Beacon)、IMAP(Internet Message Access Protocol)、および/またはPOP(Post Office Protocol)などのような電子メール用プロトコル、XMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocol)、SIMPLE(Session Initiation Protocol for Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions)、IMPS(Instant Messaging and Presence Service)、SMS(Short Message Service)、LoRaなどのようなインスタントメッセージング、または本願の出願日当時には未開発の通信プロトコルを含んでよい。ただし、上述したような無線通信には、これらに限定されない複数の通信標準、プロトコル、および技術が使用されてよい。
【0115】
制御部126は、結果情報に基づいて第2制御パラメータを設定してよい。
【0116】
このとき、本発明の実施形態に係る第2スマートヒアリングデバイス120は、補聴器を使用する使用者の右聴力データ(Personal Hearing Profile)を基本的に含んでよい。例えば、制御部126は、使用者が選好するボリュームおよび周波数と、違和感を持たない程度の増幅値、ボリューム、および周波数範囲を含む使用者の右聴力データを含んでよい。実施形態によっては、上述したようなデータは、モバイルデバイス130または外部サーバ140に記録されて維持されてもよい。
【0117】
ただし、前記聴力データが増幅値、ボリューム、および周波数などの項目または数値に限定されてはならない。例えば、前記聴力データは、小さな音は増幅して大きな音は増減する非線形圧縮情報、音が聞こえる方向を正確に把握する方向性情報、マイクが受信した音を増幅して他の雑音を除去して聞き取りやすくするフィードバック情報、および騒音を減らす騒音除去情報のうちの少なくともいずれか1つ以上の情報に対する使用者の選好度および数値をさらに含んでもよい。
【0118】
本発明の実施形態に係る第2スマートヒアリングデバイス120の制御部126は、使用者の右聴力データと、受信部128によって外部サーバ130およびモバイルデバイス140のうちの少なくともいずれか1つの外部端末から受信した分析結果に関する情報に基づき、環境変化および騒音による増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上の第2制御パラメータを設定してオーダーメイド補聴サービスを提供してよい。
【0119】
より詳しく説明すると、制御部126は、第3マイク121および第4マイク122が受信するデジタル信号の音声信号および騒音信号に第2制御パラメータを設定して増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上のバランスを調節し、調節された信号に対するデジタル信号をアナログ信号に変換して使用者に伝達してよい。
【0120】
例えば、第3マイク121および第4マイク122が受信した第2オーディオ信号による増幅値、ボリューム、および周波数のうちの少なくともいずれか1つ以上が、使用者が予め設定したか選好する基準範囲を逸脱することがある。これは、使用者が位置する環境変化による要因、使用者の音声変化による要因、および機械的エラーの要因のうちのいずれか1つによって発生することがある。これにより、制御部126は、分析結果に関する情報に基づき、音声信号および騒音信号の増幅値、ボリューム、および周波数のうちの少なくともいずれか1つ以上のバランスを調節してよく、調節されたバランスによるデジタル信号をアナログ信号(音響エネルギー)に変換させ、音として使用者に提供してよい。
【0121】
すなわち、本発明の実施形態に係る第2スマートヒアリングデバイス120は、使用者の環境変化にしたがい、第3マイク121および第4マイク122が受信した音声信号および騒音信号を含む第2オーディオ信号を外部サーバ140に送信し、外部端末から分析結果を受信し、使用者の聴力データおよび分析結果に関する情報に基づいて第2オーディオ信号に対する第2制御パラメータを自動で設定することにより、使用者がいちいちボリュームを調節したり周波数を調節したりしなくても、変化する状況に最適化した補聴サービスを提供することができ、補聴器の利便性を高めることができる。
【0122】
図5、
図6aおよび
図6bは、本発明の実施形態における、スマートヒアリングデバイスの適用例を示した図である。
【0123】
より詳しく説明すると、
図5は、本発明の実施形態に係るスマートヒアリングデバイスを装用した使用者を上面から見た例を示したものであり、
図6aは、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイスを装用した使用者を左側から見た例を示したものであり、
図6bは、本発明の実施形態に係る第2スマートヒアリングデバイスを装用した使用者を右側から見た例を示したものである。
【0124】
図5を参照すると、使用者10は、左耳に第1スマートヒアリングデバイス110を装用し、右耳に第2スマートヒアリングデバイス120を装用している。使用者10は、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120の両方を装用することにより、左側および右側の音の方向性による環境変化と騒音変化をより立体的に認知できるようになり、オーダーメイド補聴サービスを受けることができる。
【0125】
図6aを参照すると、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110は、使用者10の左耳に装用されており、第1マイク111および第2マイク112は、使用者の口を基準として互いに異なる距離に位置する。
【0126】
例えば、第1マイク111は、第2マイク112に比べて使用者の口の近くに隣接するように位置し、主に使用者の声である音声信号を受信してよい。この反面、第2マイク112は、第1マイク111に比べて使用者の口から可能な限り遠くに位置し、主に使用者の位置による周辺騒音である騒音信号を受信してよい。
【0127】
このとき、
図6aに示すように、第1マイク111および第2マイク112は、オン/オフスイッチ113を基準として使用者の口に隣接するか、遠くに位置することを確認することができる。
【0128】
第1マイク111および第2マイク112は、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス110内の互いに異なる位置に含まれるが、第1マイク111および第2マイク112の孔口(または、穴)の向きは、均一な音声信号および騒音信号を収集し、これによる適正騒音を除去するために同じであることを特徴とする。
【0129】
図6bを参照すると、本発明の実施形態に係る第2スマートヒアリングデバイス120は、使用者10の右耳に装用されており、第3マイク121および第4マイク122は、使用者の口を基準として互いに異なる距離に位置する。
【0130】
例えば、第3マイク121は、第4マイク122に比べて使用者の口の近くに隣接するように位置し、主に使用者の声である音声信号を受信してよい。この反面、第4マイク122は、第3マイク121に比べて使用者の口から可能な限り遠くに位置し、主に使用者の位置による周辺騒音である騒音信号を受信してよい。
【0131】
このとき、
図6bに示すように、第3マイク121および第4マイク122は、オン/オフスイッチ123を基準として使用者の口に隣接するか、遠くに位置することを確認することができる。
【0132】
第3マイク121および第4マイク122は、本発明の実施形態に係る第2スマートヒアリングデバイス120内の互いに異なる位置に含まれるが、第3マイク121および第4マイク122の孔口(または、穴)の向きは、均一な音声信号および騒音信号を収集し、これによる適正騒音を除去するために同じであることを特徴とする。
【0133】
図7は、本発明の実施形態に係る第1スマートヒアリングデバイス、第2スマートヒアリングデバイス、モバイルデバイス、および外部サーバ間の動作過程を示したフローチャートである。
【0134】
図7を参照すると、段階701で、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、使用者の左耳および右耳にそれぞれ装用され、使用者の音声信号および周辺の騒音信号を収集してよい。
【0135】
段階702および段階703で、モバイルデバイス130は、左側に形成された第1スマートヒアリングデバイス110と右側に形成された第2スマートヒアリングデバイス120から音声信号および騒音信号を含む第1オーディオ信号および第2オーディオ信号を受信し、第1オーディオ信号および第2オーディオ信号を外部サーバ140に送信する。
【0136】
このとき、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、ブルートゥース通信により、モバイルデバイス130に第1オーディオ信号および第2オーディオ信号をそれぞれ送信してよく、モバイルデバイス130は、Ethernet/3G、4G、5Gのような無線データ通信により、外部サーバ140に第1オーディオ信号および第2オーディオ信号を送信してよい。
【0137】
この後、段階704および段階705で、外部サーバ140は、SVM(Support Vector Machine)およびk-means方式のうちの少なくともいずれか1つの機械学習技法を利用してモバイルデバイス130から受信した第1オーディオ信号および第2オーディオ信号を分析し、分析結果に関する情報を生成してよい。
【0138】
例えば、外部サーバ140は、機械学習技法によって第1オーディオ信号および第2オーディオ信号を分析して使用者の位置による使用環境および作業環境などの環境変化を感知し、環境変化による増幅値、ボリューム、および周波数のうちの少なくともいずれか1つ以上の数値変化を感知してよい。これにより、外部サーバ140は、使用者の聴力データによる適正範囲を逸脱する増幅値、ボリューム、および周波数のうちの少なくともいずれか1つ以上の項目および数値を取得し、取得した項目および数値に対する情報と適正範囲内への進入のための数値変動情報を含む分析結果を生成してよい。
【0139】
実施形態によっては、外部サーバ140で実行される段階704および段階705がモバイルデバイス130で実行されてもよく、モバイルデバイス130がSVM(Support Vector Machine)およびk-means方式のうちの少なくともいずれか1つの機械学習技法を利用して第1オーディオ信号および第2オーディオ信号を分析し、分析結果に関する情報を生成してもよい。
【0140】
段階706で、モバイルデバイス130は、外部サーバ140から、機械学習技法(Machine Learning)技法によって分析された音の方向性に関する結果情報を受信する。
【0141】
この後、段階707で、モバイルデバイス130は、結果情報を第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120に提供する。
【0142】
一実施例として、段階706で、モバイルデバイス130は、使用者の選択入力がない場合、外部サーバ140から受信した分析結果に関する情報を保存するか、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120に送信してよい(段階707)。他の実施例として、段階706で、モバイルデバイス130は、受信した分析結果に関する情報をディスプレイ部に提供し、使用者の選択入力にしたがって第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120を制御してよい(段階708)。
【0143】
これにより、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120それぞれは、モバイルデバイス130から受信した結果情報による第1制御パラメータおよび第2制御パラメータを設定し、使用者に左側の音および右側の音を提供する(段階709)。
【0144】
例えば、第1スマートヒアリングデバイス110および第2スマートヒアリングデバイス120は、受信した分析結果に関する情報に基づき、マイクが受信する第1オーディオ信号および第2オーディオ信号に第1制御パラメータおよび第2制御パラメータをそれぞれ設定して増幅値の変化、ボリューム調節、および周波数調節のうちの少なくともいずれか1つ以上のバランスを調節し、調節された信号に対するデジタル信号をアナログ信号に変換して使用者にオーダーメイド補聴サービスを提供してよい。これにより、使用者は、第1スマートヒアリングデバイス110から出力される左側の音と第2スマートヒアリングデバイス120から出力される右側の音により、環境変化、騒音変化、および音声変化をより立体的に認知することができる。
【0145】
上述した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、および/またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実現されてよい。例えば、実施形態で説明された装置および構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令を実行して応答することができる様々な装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを利用して実現されてよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)およびOS上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスし、データを記録、操作、処理、および生成してもよい。理解の便宜のために、1つの処理装置が使用されるとして説明される場合もあるが、当業者は、処理装置が複数個の処理要素および/または複数種類の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサまたは1つのプロセッサおよび1つのコントローラを含んでよい。また、並列プロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0146】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよく、思うままに動作するように処理装置を構成したり、独立的または集合的に処理装置に命令したりしてよい。ソフトウェアおよび/またはデータは、処理装置に基づいて解釈されたり、処理装置に命令またはデータを提供したりするために、いかなる種類の機械、コンポーネント、物理装置、仮想装置、コンピュータ記録媒体または装置に具現化されてよい。ソフトウェアは、ネットワークによって接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された状態で記録されても実行されてもよい。ソフトウェアおよびデータは、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。
【0147】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令の形態で実現されてコンピュータ読み取り可能な媒体に記録されてよい。前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含んでよい。前記媒体に記録されるプログラム命令は、実施形態のために特別に設計されて構成されたものであっても、コンピュータソフトウェアの当業者に公知な使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピディスク(登録商標)、磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を記録して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例は、コンパイラによって生成されるもののような機械語コードだけではなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。上述したハードウェア装置は、実施形態の動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されてよく、その逆も同じである。
【0148】
以上のように、実施形態を、限定された実施形態および図面に基づいて説明したが、当業者であれば、上述した記載から多様な修正および変形が可能であろう。例えば、説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、かつ/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合されたりまたは組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって対置されたり置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。
【0149】
したがって、異なる実施形態であっても、特許請求の範囲と均等なものであれば、添付される特許請求の範囲に属する。