(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】利用客管理装置、表示装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20230721BHJP
【FI】
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2022147646
(22)【出願日】2022-09-16
(62)【分割の表示】P 2022063493の分割
【原出願日】2022-04-06
【審査請求日】2022-09-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511146118
【氏名又は名称】株式会社スカイダイニング
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】片岡 宏明
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-164692(JP,A)
【文献】特開2021-033740(JP,A)
【文献】特開2016-110192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食のサービスを行う店舗における複数の利用客グループを管理する利用客管理装置であって、
制御部と、
記憶部と、
表示装置と通信する通信部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数の利用客グループそれぞれに対応した複数のオブジェクトが2次元に配置された2次元配置画面を前記表示装置に表示させ、
前記複数の利用客
グループそれぞれについて、評価対象となる複数の評価時間それぞれを計測し、
前記2次元配置画面において、処理対象の対象利用客グループの第1評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第1時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を第1の表示態様で表示させ、
前記対象利用客グループの第2評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様と異なる第2の表示態様で表示させ
、
前記第1評価時間に対して、前記第2評価時間よりも高い優先度が予め設定され、
前記制御部は、前記対象利用客グループの前記第1評価時間が前記第1時間範囲に含まれ、かつ前記対象利用客グループの前記第2評価時間が前記第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループを示す前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様で表示させる、利用客管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記評価時間に応じた順に、前記複数の利用客グループが配置されたソート画面をさらに前記表示装置に表示させ、
前記表示装置におけるユーザ操作に応じて、前記ソート画面と前記2次元配置画面を切り替えて表示させる、請求項1に記載の利用客管理装置。
【請求項3】
前記複数の評価時間は、前記利用客グループの入店日時からの経過時間、注文日時からの経過時間、注文可能な期間の開始日時からの経過時間、及び前記注文可能な期間の残り時間、のうち、少なくとも1つを含む、請求項1に記載の利用客管理装置。
【請求項4】
飲食のサービスを提供する店舗における情報を表示する表示装置であって、
制御部と、
記憶部と、
通信部と、
表示部と
を備え、
前記制御部は、
複数の利用客グループそれぞれに対応した複数のオブジェクトが2次元に配置された2次元配置画面を前記表示部に表示させ、
前記2次元配置画面において、処理対象の対象利用客グループの第1評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第1時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を第1の表示態様で表示させ、
前記対象利用客グループの第2評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様と異なる第2の表示態様で表示させ
、
前記第1評価時間に対して、前記第2評価時間よりも高い優先度が予め設定され、
前記制御部は、前記対象利用客グループの前記第1評価時間が前記第1時間範囲に含まれ、かつ前記対象利用客グループの前記第2評価時間が前記第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループを示す前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様で表示させる、表示装置。
【請求項5】
飲食のサービスを提供する店舗における複数の利用客グループを管理する利用客管理装置のコンピュータに、
前記複数の利用客グループそれぞれに対応した複数のオブジェクトが2次元に配置された2次元配置画面を表示装置に表示させる表示ステップと、
前記複数の利用客
グループそれぞれについて、評価対象となる複数の評価時間それぞれを計測する計測ステップと、
を実行させるためのプログラムで、
前記表示ステップにおいて、
前記2次元配置画面において、処理対象の対象利用客グループの第1評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第1時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を第1の表示態様で表示させ、
前記対象利用客グループの第2評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様と異なる第2の表示態様で表示させ
、
前記第1評価時間に対して、前記第2評価時間よりも高い優先度が予め設定され、
前記表示ステップにおいて、前記対象利用客グループの前記第1評価時間が前記第1時間範囲に含まれ、かつ前記対象利用客グループの前記第2評価時間が前記第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループを示す前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様で表示させる、プログラム。
【請求項6】
飲食のサービスを提供する店舗における情報を表示する表示装置のコンピュータに、
複数の利用客グループそれぞれに対応した複数のオブジェクトが2次元に配置された2次元配置画面を表示部に表示させる表示ステップを
実行させるためのプログラムで、
前記表示ステップにおいて、
前記2次元配置画面において、処理対象の対象利用客グループの第1評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第1時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を第1の表示態様で表示させ、
前記対象利用客グループの第2評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様と異なる第2の表示態様で表示させ
、
前記第1評価時間に対して、前記第2評価時間よりも高い優先度が予め設定され、
前記表示ステップにおいて、前記対象利用客グループの前記第1評価時間が前記第1時間範囲に含まれ、かつ前記対象利用客グループの前記第2評価時間が前記第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループを示す前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様で表示させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用客管理装置、表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レストラン等の飲食店では、ハンディターミナルなどのオーダー端末装置(注文端末)を用いたシステムが導入されている。このようなシステムが導入された飲食店では、接客者がハンディターミナルに注文を入力すると、注文情報はサーバ装置を介して厨房端末に送信され、厨房端末において、注文内容を示す伝票が出力される。このようなシステムにおいて、特許文献1には、ハンディ端末において入力された客席毎の客数と、注文情報と、を管理し、これらの情報に基づいて、新規入店客の新規客情報と、未注文の客数情報とを、出力する技術が開示されている。これにより、厨房においては、実際の調理に先立ち、下ごしらえなどの事前準備を始めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接客者は、飲食店内のすべての客に対し、様々な注意を払う必要がある。例えば、食べ飲み放題の終了時刻が近付いているグループに対しては、その旨を案内する必要がある。また、入店からの時間が想定された時間を大きく上回る場合には、混雑状況によっては、退店をお願いする等の対応が必要になる。しかしながら、従来は、これらを管理するための仕組みがなく、接客者それぞれが注意して適宜案内を行う、といった対応であり、接客者の負担が大きいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、飲食のサービスを提供する店舗における接客者の負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、飲食のサービスを行う店舗における複数の利用客グループを管理する利用客管理装置であって、制御部と、記憶部と、表示装置と通信する通信部と、を備え、前記制御部は、前記複数の利用客グループそれぞれに対応した複数のオブジェクトが2次元に配置された2次元配置画面を前記表示装置に表示させ、前記複数の利用客グループそれぞれについて、評価対象となる複数の評価時間それぞれを計測し、前記2次元配置画面において、処理対象の対象利用客グループの第1評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第1時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を第1の表示態様で表示させ、前記対象利用客グループの第2評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様と異なる第2の表示態様で表示させ、前記第1評価時間に対して、前記第2評価時間よりも高い優先度が予め設定され、前記制御部は、前記対象利用客グループの前記第1評価時間が前記第1時間範囲に含まれ、かつ前記対象利用客グループの前記第2評価時間が前記第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループを示す前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様で表示させる。
【0007】
本発明の他の形態は、飲食のサービスを提供する店舗における情報を表示する表示装置であって、制御部と、記憶部と、通信部と、表示部とを備え、前記制御部は、複数の利用客グループそれぞれに対応した複数のオブジェクトが2次元に配置された2次元配置画面を前記表示部に表示させ、前記2次元配置画面において、処理対象の対象利用客グループの第1評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第1時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を第1の表示態様で表示させ、前記対象利用客グループの第2評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様と異なる第2の表示態様で表示させ、前記第1評価時間に対して、前記第2評価時間よりも高い優先度が予め設定され、前記制御部は、前記対象利用客グループの前記第1評価時間が前記第1時間範囲に含まれ、かつ前記対象利用客グループの前記第2評価時間が前記第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループを示す前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様で表示させる。
【0008】
本発明の他の形態は、飲食のサービスを提供する店舗における複数の利用客グループを管理する利用客管理装置のコンピュータに、前記複数の利用客グループそれぞれに対応した複数のオブジェクトが2次元に配置された2次元配置画面を表示装置に表示させる表示ステップと、前記複数の利用客グループそれぞれについて、評価対象となる複数の評価時間それぞれを計測する計測ステップと、を実行させるためのプログラムで、前記表示ステップにおいて、前記2次元配置画面において、処理対象の対象利用客グループの第1評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第1時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を第1の表示態様で表示させ、前記対象利用客グループの第2評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様と異なる第2の表示態様で表示させ、前記第1評価時間に対して、前記第2評価時間よりも高い優先度が予め設定され、前記表示ステップにおいて、前記対象利用客グループの前記第1評価時間が前記第1時間範囲に含まれ、かつ前記対象利用客グループの前記第2評価時間が前記第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループを示す前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様で表示させる。
【0009】
本発明の他の形態は、飲食のサービスを提供する店舗における情報を表示する表示装置のコンピュータに、複数の利用客グループそれぞれに対応した複数のオブジェクトが2次元に配置された2次元配置画面を表示部に表示させる表示ステップを実行させるためのプログラムで、前記表示ステップにおいて、前記2次元配置画面において、処理対象の対象利用客グループの第1評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第1時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を第1の表示態様で表示させ、前記対象利用客グループの第2評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループに対応する前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様と異なる第2の表示態様で表示させ、前記第1評価時間に対して、前記第2評価時間よりも高い優先度が予め設定され、前記制御部は、前記対象利用客グループの前記第1評価時間が前記第1時間範囲に含まれ、かつ前記対象利用客グループの前記第2評価時間が前記第2時間範囲に含まれる場合に、前記対象利用客グループを示す前記オブジェクト内を、前記第1の表示態様で表示させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、飲食のサービスを提供する店舗における接客者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】予約管理情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図3】テーブル状況DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図4】表示色決定情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】追加注文記録処理を示すフローチャートである。
【
図11】変形例に係る2次元配置画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0013】
図1は、本実施形態に係る利用客管理システム1の全体図である。利用客管理システム1は、レストランなどの飲食店において、飲食店を利用する客(以下、利用客と称する)を管理するシステムである。利用客管理システム1は、利用客管理装置10と、オーダー端末装置20と、レジ端末装置30と、を備える。利用客管理装置10と、オーダー端末装置20と、レジ端末装置30と、は、ネットワークNを介して相互に通信することができる。
【0014】
利用客管理装置10は、例えば据置型の汎用コンピュータやクラウド型の外部サーバ等により構成され、利用客の情報を管理し、利用客の情報をオーダー端末装置20に提供する。オーダー端末装置20は、例えばハンディターミナルやスマートフォン、タブレット端末などのスマートデバイスである。
【0015】
オーダー端末装置20は、接客者などのユーザが携帯し、利用客からのオーダー入力等に利用される。入力された情報は、利用客管理装置10に送信される。なお、
図1に示す例では、一つのオーダー端末装置20が示されているものの、オーダー端末装置20は複数あってよく、すなわち利用客管理装置10は複数のオーダー端末装置20と通信可能である。
【0016】
レジ端末装置30は、タブレット端末等の携帯型の装置であってもよく、固定型の装置であってもよい。レジ端末装置30は、利用客管理装置10からオーダー内容を受信し、オーダー内容に応じた会計処理等を行う。本実施形態においては、利用客管理装置10から送信された利用客に関する情報がオーダー端末装置20やレジ端末装置30に表示される。なお、以下では、オーダー端末装置20やレジ端末装置30のユーザは接客者であるものとして説明するが、これらの操作者は、特に限定されるものではない。
【0017】
つぎに、各装置の構成について説明する。利用客管理装置10は、第1制御部11と、第1通信部12と、時計部13と、記録媒体14と、を備えている。第1制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等、プロセッサが処理を実行するためのメモリとを含み、各種の処理を実行する。第1制御部11は、記録媒体14やROMなどに格納された種々のプログラムを実行する。本実施形態の第1制御部11は、記録媒体14に格納されたプログラムを実行することにより、利用客の情報に係る処理を行う。第1制御部11の処理については後述する。第1通信部12は、オーダー端末装置20など外部の装置と無線通信を行うための装置であり、第1制御部11による情報の送受信は、第1通信部12を介して行われる。時計部13は、時刻を計測する。
【0018】
記録媒体14は、予約管理情報141と、テーブル状況DB142と、表示色決定情報143と、を記憶する。
図2は、予約管理情報141のデータ構成の一例を示す図である。予約管理情報141は、店舗内に設置されたテーブル単位で、予約を管理するためのデータテーブルである。予約管理情報141には、テーブルID、テーブル名、収容人数、タイプ、予約情報が対応付けて格納される。テーブルIDは、テーブルの識別情報である。テーブル名は、接客者により用いられる、テーブルの名前であり、店舗毎に、任意に設定可能である。収容人数は、テーブルに着席可能な人数である。タイプは、席の種類であり、個室、ホールの他、窓際、カウンター等がある。タイプも店舗毎に任意に設定可能である。予約日時には、当該テーブルに係る予約日時が格納される。
【0019】
図3は、テーブル状況DB142のデータ構成の一例を示す図である。テーブル状況DB142は、利用客グループの状況をテーブル単位で管理する。なお、本実施形態においては、1つのテーブルに1つの利用客グループのメンバーが着席するものとする。すなわち、テーブルの状況は、利用客グループの状況に対応し、利用客グループの状況は、テーブル単位でテーブルの状況として管理されるものとする。ここで、利用客グループは、店舗側で1グループとして管理すべき複数の客のグループである。利用客グループは、例えば、同一会計のグループでもよく、また会計は異なるが、1つのテーブルを利用するグループなどが利用客グループとして管理される。なお、本実施形態においては、説明の便宜上、1つの利用客グループが1つのテーブルに対応するものとする。そして、利用客管理装置10は、利用客グループの状況としてテーブルの状況を管理する。
【0020】
テーブル状況DB142には、テーブルID、レコード生成日時、入店日時、最終注文日時、飲み食べ放題開始日時、注文履歴、合計金額及び人数が対応付けて格納される。なお、これらの情報は、オーダー端末装置20から送信され、記録されるが、本処理については後述する。
【0021】
テーブルIDは、店舗の利用客が利用するテーブルのテーブルIDである。レコード生成日時は、テーブル状況DB142において、1つの利用客グループについてのレコードが新たに生成されたタイミング(日時)を示す情報である。利用客グループの入店前に接客者が店舗利用の予約を受け付けた場合には、テーブル状況DB142のレコードは、予約受付時に生成される。利用客グループが予約なく入店した場合には、テーブル状況DB142のレコードは、入店時に生成される。入店日時は、当該テーブルを利用する利用客が入店した日時である。なお、予約時にレコードが生成された場合には、実際の入店までは入店日時には、予約日時が記録される。最終注文日時は、利用客から最後に注文を受け付けた日時である。例えば、1回のみ注文を受け付けた場合には、1回目の注文が最終注文である。複数回注文を受け付けた場合には、最後に受け付けた注文が最終注文である。
【0022】
飲み食べ放題開始日時は、飲み食べ放題の期間の開始の日時である。ここで、飲み食べ放題は、当該メニューにおけるサブメニューの注文可能な時間に制限(期限)があるメニューの一例である。飲み食べ放題は、飲み放題及び食べ放題を含む。注文履歴は、テーブルの利用客の入店以降に注文を受け付けたメニューを日時に対応付けた一覧情報である。合計金額は、テーブルの利用客の入店以降に注文を受け付けたメニューの金額の合計値である。人数は、テーブルを利用する利用客の数である。
【0023】
図4は、表示色決定情報143のデータ構成の一例を示す図である。表示色決定情報143においては、各評価時間と、アラート範囲と、表示色と、優先度と、が対応付けられている。ここで、評価時間は、各テーブルの状況を評価するための時間、すなわち評価対象となる時間であり、例えば、飲み食べ放題の残り時間などである。評価時間は、利用客管理装置10により計測される。本実施形態においては、利用客管理装置10は、評価時間として、放題残り時間、最終注文後経過時間、入店後経過時間及びレコード生成後経過時間のそれぞれを計測する。ここで、放題残り時間は、飲み食べ放題において注文可能な時間から、テーブル状況DB142に記録される飲み食べ放題開始日時からの経過時間を減じた時間である。最終注文後経過時間は、テーブル状況DB142に記録される最終注文日時からの経過時間である。入店後経過時間は、テーブル状況DB142に記録される入店日時からの経過時間である。レコード生成後経過時間は、テーブル状況DB142に記録されるレコード生成日時からの経過時間である。なお、他の例としては、利用客管理装置10は、さらに飲み食べ放題の開始日時からの経過時間を評価時間として計測してもよい。さらに、利用客管理装置10が計測する評価時間は、これらに限定されるものではなく、接客者が各テーブルに対し、注意を払うべき時刻や期間であればよい。
【0024】
アラート範囲は、アラートすべき時間範囲である。例えば、放題残り時間が30分未満になると、アラート範囲に含まれるため、利用客管理装置10は、対応するテーブルをアラート対象として特定する。表示色は、計測された評価時間がアラート範囲に含まれるテーブルを表示する際に着色に用いる色である。例えば、あるテーブルの放題残り時間が30分未満のテーブルを、テーブル状況画面などに表示させるとする。この場合、このテーブルを示す画像は、赤色で表示される。テーブル状況画面は、後述のオーダー端末装置20の第2表示部23等に表示されるが、テーブル状況画面については後述する。優先度は、1つのテーブルにおいて複数の評価時間それぞれがアラート範囲に含まれる場合に、いずれの色で着色するかを決めるための指標である。優先度については後述する。
【0025】
説明を
図1に戻す。オーダー端末装置20は、第2制御部21と、第2通信部22と、第2表示部23と、第2入力部24と、を備えている。第2制御部21は、利用客管理装置10の第1制御部11と同様に、プロセッサと記憶部(図示せず)とを含み、ROM等の記憶部に格納された種々のプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。第2制御部21は、例えばオーダー端末装置20を操作するユーザ(接客者)から入力を受け付けたり、利用客管理装置10から受信した情報(例えばメニュー表等)を表示したりする。第2通信部22は、利用客管理装置10など外部の装置と無線通信を行うための装置であり、第2制御部21による情報の送受信は、第2通信部22を介して行われる。第2表示部23は、各種情報を表示する表示装置である。第2入力部24は、接客者による指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースである。第2表示部23と第2入力部24は、タッチパネルとして一体に設けられてもよい。
【0026】
レジ端末装置30は、第3制御部31と、第3通信部32と、第3表示部33と、第3入力部34と、を備えている。第3制御部31は、利用客管理装置10の第1制御部11と同様に、プロセッサと記憶部(図示せず)とを含み、ROM等の記憶部に格納された種々のプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。第3制御部31は、利用客管理装置10との協働により、会計に係る処理を行う。第3制御部31はまた、例えばレジ端末装置30を操作するユーザ(接客者)から入力を受け付けたり、利用客管理装置10から受信した情報(例えばメニュー表等)を表示したりする。第3通信部32は、利用客管理装置10など外部の装置と無線通信を行うための装置であり、第3制御部31による情報の送受信は、第3通信部32を介して行われる。第3表示部33は、各種情報を表示する表示装置である。第3入力部34は、接客者による指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースである。第3表示部33と第3入力部34は、タッチパネルとして一体に設けられてもよい。
【0027】
なお、利用客管理装置10の第1制御部11は、一つのCPU等で構成されてもよく、または、複数のCPU等で構成されてもよい。また、第1制御部11が実現する機能のうち少なくとも一部は、ハードウェア回路により実現されてもよい。オーダー端末装置20の第2制御部21及びレジ端末装置30の第3制御部31についても同様である。
【0028】
次に、利用客管理装置10がテーブル状況DB142へ情報を記録する処理について
図5~
図7を参照しつつ説明する。利用客管理装置10は、テーブルの予約が完了したタイミング、入店のタイミング及び追加注文を受け付けたタイミングにおいて、テーブル状況DB142に情報を記録する。
【0029】
図5は、予約記録処理を示すフローチャートである。予約記録処理は、予約完了時にテーブル状況DB142に、新たなレコードを生成し、予約に係る情報を記録する処理である。なお、予約記録処理に先立ち、接客者は、利用予定の客等から電話予約を受け付ける。接客者は、電話で予約を受け付けると、予約日時と、人数、テーブルのタイプから、予約するテーブルを決定し、テーブル名と、予約日時、人数を、オーダー端末装置20の第2入力部24を利用して入力する。なお、接客者は、注文内容を受け付けた場合には、テーブル名と共に注文内容も入力する。なお、接客者がテーブルを決定する際に、オーダー端末装置20は、利用客管理装置10から予約管理情報141に記録されたテーブル毎の予約日時を受信し、これを第2表示部23に表示させる。これにより、接客者は、予約日時において空いているテーブルを選択することができる。接客者から予約日時、人数及びテーブル名が入力されると、オーダー端末装置20の第2制御部21は、予約日時、人数、テーブル名を含み、さらにこれらの情報が入力された入力日時を含む予約情報を生成し、これを利用客管理装置10へ送信する。なお、注文内容が入力された場合には、予約情報には、注文内容も含まれる。
【0030】
これに対し、予約記録処理において、利用客管理装置10の第1制御部11は、オーダー端末装置20から予約情報を受信するまで待機し(ステップS100でN)、予約情報を受信すると(ステップS100でY)、処理をステップS102へ進める。ステップS102において、第1制御部11は、テーブル状況DB142において、新たなレコードを生成する。そして、第1制御部11は、生成したレコードに、予約情報に含まれるテーブルIDと、人数と、を記録する。第1制御部11はさらに、予約情報に含まれる入力日時をレコード生成日時として記録し、予約情報に含まれる予約日時を入店日時(予約日時)として記録する。以上で、予約記録処理が完了する。このように、予約が完了した時点で、当該利用客グループに対するレコードが生成される。なお、予約情報に注文内容が含まれる場合には、第1制御部11は、ステップS102において、さらに注文内容と、注文内容から定まる合計金額と、を記録する。第1制御部11はまた、予約管理情報141において、予約情報に含まれるテーブル名に対応付けて、予約情報に含まれる予約日時を記録する。以上で、予約記録処理が完了する。
【0031】
図6は、入店記録処理を示すフローチャートである。入店記録処理は、利用客が入店し、接客者が初めて注文を受け付けた時に、入店時刻等をテーブル状況DB142に記録する処理である。なお、入店記録処理に先立ち、接客者は、利用客から最初の注文を受け付ける際、オーダー端末装置20の第2入力部24を用いて、利用客が利用するテーブルのテーブル名と、人数と、注文内容を入力する。オーダー端末装置20の第2制御部21は、これらの情報が入力されると、テーブル名と、人数と、注文内容と、を含む入店時注文情報を生成する。第2制御部21はさらに、これらの情報の入力日時を入店日時として入店時注文情報に含める。そして、第2制御部21は、入店時注文情報を利用客管理装置10へ送信する。
【0032】
これに対し、入店記録処理において、利用客管理装置10の第1制御部11は、オーダー端末装置20から入店時注文情報を受信するまで待機し(ステップS200でN)、入店時注文情報を受信すると(ステップS200でY)、処理をステップS202へ進める。ステップS202において、第1制御部11は、テーブル状況DB142に、新たなレコードを生成する。なお、予約がされた利用客で、対応するレコードが生成済みの場合には、当該処理は不要である。第1制御部11は、入店時注文情報に含まれるテーブル名に対応するテーブルIDと、入店日時と、に基づいて、テーブル状況DB142において、入店時注文情報に対応するレコードが既に生成されているかを確認することができる。
【0033】
新たなレコードを生成した場合には、第1制御部11は、新たに生成したレコードに、入店日時を記録する。第1制御部11はさらに、入店時注文情報に含まれる入力時刻を、レコード生成日時及び最終注文日時として記録する。第1制御部11はまた、注文内容を注文履歴として、入力時刻に対応付けて記録し、さらに、これらの注文内容の合計金額を記録する。
【0034】
一方、既に、入店時注文情報に対応するレコードが生成されている場合には、第1制御部11は、当該レコードの入店日時を、入店時注文情報に含まれる入店日時に更新する。そして、第1制御部11は、注文内容を注文履歴として、入店時刻に対応付けて記録し、さらに、これらの注文内容の合計金額を記録する。以上で、入店記録処理が完了する。
【0035】
図7は、追加注文記録処理を示すフローチャートである。追加注文記録処理は、利用客から2回目以降の注文を受け付けた場合に、追加注文の内容や日時をテーブル状況DB142に記録する処理である。追加注文記録処理に先立ち、接客者は、利用客から2回目以降の注文(追加注文)を受ける際、オーダー端末装置20の第2入力部24を用いて、利用客が利用するテーブルのテーブル名と、注文内容を入力する。オーダー端末装置20の第2制御部21は、これらの情報が入力されると、テーブル名と、注文内容を含む追加注文情報を生成する。第2制御部21は、さらに、これらの情報の入力日時を注文日時として、追加注文情報に含める。そして、第2制御部21は、追加注文情報を利用客管理装置10へ送信する。
【0036】
これに対し、追加注文記録処理において、利用客管理装置10の第1制御部11は、オーダー端末装置20から追加注文情報を受信するまで待機し(ステップS300でN)、追加注文情報を受信すると(ステップS300でY)、処理をステップS302へ進める。ステップS302において、第1制御部11は、追加注文情報に含まれる注文日時を、テーブル名で特定される、テーブル状況DB142のレコードに、最終注文日時として記録する。さらに、第1制御部11は、注文内容を注文履歴として、注文日時に対応付けて記録し、さらに、これらの注文内容の合計金額を記録する。以上で、追加注文記録処理が完了する。
【0037】
このように、予約記録処理、入店記録処理及び追加注文記録処理により、テーブル状況DB142には、店舗内のテーブル単位で、利用客の利用状況を、状況が変化する毎に、記録することができる。なお、テーブル状況DB142の利用客情報に含まれる、飲み食べ放題開始日時は、飲み食べ放題の開始時に、接客者がオーダー端末装置20を操作することに応じて、オーダー端末装置20から利用客管理装置10へ開始情報が受信された場合に、記録される。
【0038】
利用客管理装置10は、上記の処理により記録されたテーブル状況DB142の情報に基づいて、各テーブル(利用客グループ)の状況を示すテーブル状況画面をオーダー端末装置20の第2表示部23に表示させることができる。なお、テーブル状況画面は、レジ端末装置30の第3表示部33に表示させることもできる。以下では、オーダー端末装置20からの要求に応じて、第2表示部23にテーブル状況画面を表示させる場合について説明するが、レジ端末装置30の第3表示部33に表示する場合も同様であり、レジ端末装置30から要求を受信し、要求に応じてレジ端末装置30の第3表示部33に表示させる。
【0039】
本実施形態の利用客管理装置10は、テーブル状況画面として、ソート画面と2次元配置画面を表示させることができる。ソート画面は、オーダー端末装置20の第2入力部24により指定された評価時間の順にテーブルをソートして表示する画面である。2次元配置画面は、テーブルを示すオブジェクトを2次元のマス目上に配置し、各テーブルに対応したオブジェクトにおいて、テーブルの利用状況を示す画面である。利用客管理装置10は、第2入力部24による切替指示に応じて、ソート画面と2次元配置画面を切り替えて表示させる。
【0040】
図8は、オーダー端末装置20の第2表示部23に表示される、ソート画面410の一例を示す図である。
図8に示すソート画面410においては、飲み食べ放題の残り時間(放題残り時間)が短い順に、テーブル名が配置された一覧が表示される。ソート画面410においては、テーブル名を示す欄411に、テーブル名に加えて、評価時間の計測結果と、人数と、が表示される。さらに、評価時間が表示色決定情報143に示される放題残り時間のアラート範囲に含まれるテーブルについては、その欄の背景色が赤で着色される。これにより、接客者は、注意を払うべきテーブルを把握することができる。なお、上述の通り、利用客管理装置10は、飲み食べ放題の残り時間以外にも、最終注文日時からの経過時間、入店日時からの経過時間を計測し、ソート画面410には、これらの時間順で、テーブル一覧を表示することもできる。
【0041】
図9は、オーダー端末装置20の第2表示部23に表示される、2次元配置画面420の一例を示す図である。2次元配置画面420においては、各テーブルに対応した複数の矩形枠421がマス目状に、すなわち縦方向及び横方向に2次元に配置されている。ここで、矩形枠421は、テーブル、すなわちテーブルを利用する利用客グループを示すオブジェクトの一例である。すなわち、2次元配置画面420には、複数のオブジェクトが2次元に配置されている。矩形枠421には、各テーブルの利用状況が表示される。具体的には、矩形枠421内には、テーブル名と、現在時刻と、合計金額が示される。テーブル名及び合計金額は、テーブル状況DB142に格納されている情報である。矩形枠421内にはさらに、4つの評価時間を示す4つの評価時間欄、すなわち、レコード生成(レ生成)欄422と、入店欄423と、放題欄424と、最終注文(最終注)欄425とが配置されている。レコード生成欄422には、レコード生成後経過時間が示される。入店欄423には、入店後経過時間が示される。放題欄424には、放題残り時間が示される。最終注文欄425には、最終注文後時間が示される。これらは、前述の通り、利用客管理装置10により計測される評価時間である。
【0042】
例えば、
図9の2次元配置画面420の左上の矩形枠421(テーブルA1の矩形枠421)においては、テーブル名「A1」、人数「4名」、現在時刻「13:30」が示されている。さらに、左上の矩形枠421においては、レコード生成欄422に「1:30(1時間30分)」が示され、入店欄423に「1:30」が示され、放題欄424は空欄であり、最終注文欄には、「0:10(10分)」が示されている。なお、放題欄424が空欄なのは、飲み食べ放題が注文されていないことを示している。飲み食べ放題が注文されている場合には、最上段の左から2番目の矩形枠(テーブルA2の矩形枠)に示されるように、放題欄に残り時間が表示される。
【0043】
さらに、2次元配置画面420においては、各テーブルにおいて、いずれかの評価時間がアラート範囲に含まれる場合には、そのテーブルの矩形枠421内は、表示色決定情報143により定まる色で着色される。例えば、放題残り時間がアラート範囲内の場合は赤、最終注文後経過時間がアラート範囲内の場合は青、というように、評価時間毎に、異なる色で各テーブルが表示される。これにより、2次元配置画面420においても、接客者は、注意を払うべきテーブルを把握することができる。
【0044】
図10はテーブル状況画面の表示処理を示すフローチャートである。表示処理は、利用客管理装置10が実行する処理である。利用客管理装置10は、表示処理において、オーダー端末装置20がテーブル状況画面を表示するための表示情報を生成し、これをオーダー端末装置20へ送信する。
【0045】
表示処理において、まず、ステップS400において、利用客管理装置10の第1制御部11は、表示要求を受信したか否かを確認する。表示要求は、オーダー端末装置20において、接客者が第2入力部24を操作することで、ソート画面又は2次元配置画面の表示指示を入力した場合に送信される。なお、接客者は、ソート画面の表示指示を入力する場合には、ソートの対象となる評価時間についても入力する。ソート画面の表示指示が入力されると、オーダー端末装置20は、表示指示に従い、ソート画面の表示要求を生成し、これを利用客管理装置10に送信する。なお、表示要求には、表示対象の画面の種類(ソート画面)と、ソート対象の評価時間が含まれる。一方、2次元配置画面の表示指示が入力された場合には、オーダー端末装置20は、表示指示に応じて、2次元画面の表示要求を生成し、これを利用客管理装置10に送信する。この場合の表示要求には、表示対象の画面の種類(2次元配置画面)が含まれる。
【0046】
第1制御部11は、表示要求を受信するまで待機し(ステップS400でN)、表示要求を受信すると(ステップS400でY)、処理をステップS402へ進める。ステップS402において、第1制御部11は、表示要求に含まれる画面を確認する。画面がソート画面の場合には(ステップS402でソート画面)、第1制御部11は、処理をステップS404へ進める。画面が2次元配置画面の場合には(ステップS402で2次元配置画面)、処理をステップS420へ進める。
【0047】
ステップS404において、第1制御部11は、表示要求において指定された評価時間を計測する。例えば、放題残り時間が指定されているとする。この場合には、第1制御部11は、テーブル状況DB142において、飲み食べ放題開始日時が記録されているテーブルを抽出し、各テーブルについて、飲み食べ放題において注文可能な時間と、飲み食べ放題開始日時と、ステップS404の処理時点の日時とに基づいて、放題残り時間を計測する。次に、ステップS406において、第1制御部11は、評価時間がアラート範囲内か否かに応じて、各テーブルの表示色を決定する。具体的には、第1制御部11は、評価時間がアラート範囲内のテーブルについては、その表示色を、表示色決定情報143において、評価時間に対応付けられた表示色に決定する。一方、第1制御部11は、評価時間がアラート範囲外のテーブルについては、その表示色を、着色なし、すなわち標準色(例えば白)に決定する。
【0048】
次に、ステップS408において、第1制御部11は、評価時間順にテーブル名がソートされたソート画面の表示情報を生成する。なお、ステップS408において生成されるソート画面においては、評価時間がアラート範囲に含まれるテーブルは、表示色決定情報143で定まる色でその欄411が着色されている。表示情報には、各テーブルのテーブル名と、評価時間と、人数と、表示色と、配置順が含まれるものとする。その後、ステップS440において、第1制御部11は、ステップS406において生成した表示情報をオーダー端末装置20に送信する。オーダー端末装置20の第2制御部21は、ソート画面の表示情報を受信すると、表示情報に基づいて、第2表示部23にソート画面を表示させる。これにより、第2表示部23には、
図8に示すようなソート画面が表示される。
【0049】
したがって、接客者は、表示要求を送信したタイミングにおける、店内の利用客の状況を把握することができる。例えば、接客者は、飲み放題の状況を確認したい場合には、放題残り時間のソート画面の表示指示を入力することで、放題残り時間が短い順にテーブル名が配置されたソート画面を表示させることができる。
【0050】
また、接客者は、店内が混雑してきたような場合には、最終注文後経過時間のソート画面の表示指示を入力することで、最終注文後経過時間が長い順にテーブル名が配置されたソート画面を表示させることができる。また、接客者は、同様に、入店後経過時間のソート画面の表示指示を入力することで、入店後経過時間が長い順にテーブル名が配置されたソート画面を表示させることができる。これにより、接客者は、待機中の客の待ち時間を予測する、長居している利用客に退店を促す、といった対応を行うことができる。
【0051】
次に、ステップS442において、第1制御部11は、表示処理を終了するか否か確認する。第1制御部11は、例えば、利用客管理装置10の電源がオフされた場合に、終了と判断し(ステップS442でY)、表示処理を終了する。第1制御部11は、終了しない場合には(ステップS442でN)、処理をステップS400へ進み、再び表示要求を受信するまで待機する。なお、ここで、ソート画面の表示中に2次元配置画面の表示要求を受信した場合には、オーダー端末装置20の第2表示部23の表示は、ソート画面から2次元配置画面へ切り替わる。同様に、2次元画面の表示中にソート画面の表示要求を受信した場合には、第2表示部23の表示は、2次元配置画面からソート画面へ切り替わる。
【0052】
一方、ステップS420においては、第1制御部11は、現在、すなわち処理時点において、利用中のテーブルの中から、処理対象のテーブルを1つ選択する。次に、ステップS422において、第1制御部11は、選択したテーブル(以下、対象テーブルと称する)のすべての評価時間、すなわち放題残り時間、最終注文後経過時間及び入店後経過時間を計測する。放題残り時間は、飲み食べ放題の継続時間から、テーブル状況DB142に記録された飲み食べ放題開始日時からの経過時間を減じることで得られる。最終注文後経過時間は、テーブル状況DB142に記録された最終注文日時から処理時点までの時間を計測することで得られる。入店後経過時間は、テーブル状況DB142に記録された入店日時から処理時点までの時間を計測することで得られる。
【0053】
次に、ステップS424において、第1制御部11は、対象テーブルにおいて計測した評価時間のうち、2以上の評価時間がアラート範囲内に含まれるか否かを判断する。アラート範囲としては、表示色決定情報143において各評価時間に対応付けられたアラート範囲が利用される。例えば、対象テーブルの入店後経過時間が3時間以上で、かつ、最終注文後経過時間が1時間以上の場合に、2以上の評価時間がアラート範囲内に含まれると判断される。
【0054】
アラート範囲内に含まれる評価時間が1つのみの場合又はいずれの評価時間もアラート範囲に含まれない場合には(ステップS424でN)、第1制御部11は、処理をステップS426へ進める。ステップS426において、第1制御部11は、いずれの評価時間もアラート範囲に含まれない場合には、対象テーブルの表示色を着色なし、すなわち標準色(例えば白)に決定する。また、第1制御部11は、アラート範囲内に含まれる評価時間が1つのみの場合には、表示色決定情報143において、アラート範囲内に含まれる評価時間に対応付けられた表示色を、対象テーブルの表示色として決定する。第1制御部11は、ステップS426の処理の後、処理をステップS430へ進める。
【0055】
ステップS424において、2以上の評価時間がアラート範囲内に含まれる場合には(ステップS424でY)、第1制御部11は、処理をステップS428へ進める。ステップS428において、第1制御部11は、2以上の評価時間のうち、表示色決定情報143において評価時間に対して定められた優先度が最も高い(優先度の値が最も小さい)評価時間に対応付けられた表示色を、対象テーブルの表示色として決定する。第1制御部11は、ステップS428の処理の後、処理をステップS430へ進める。
【0056】
例えば、対象テーブルの入店後経過時間が3時間以上で、かつ、最終注文後経過時間が1時間以上であるとする。この場合、最終注文後経過時間の優先度が入店後経過時間の優先度よりも高いことから、最終注文後経過時間の優先度に対応付けられた青が対象テーブルの表示色として決定される。このように、2つの評価時間のうちより高い優先度が設定された評価時間に対応付けられた色で対象テーブル(対象利用客グループ)が表示される。ステップS426およびステップS428の処理により、各テーブルは、計測された評価時間に応じた色で表示される。
【0057】
ステップS430において、第1制御部11は、処理時点において利用中のテーブルすべてをステップS420において選択済みか否かを確認する。未選択のテーブルが存在する場合には(ステップS430でN)、利用客管理装置10は、処理をステップS420へ進める。すなわち、この場合には、利用客管理装置10は、未選択のテーブルを対象テーブルとして選択し、ステップS422~ステップS428の処理により表示色を決定する。すべてのテーブルを選択済みの場合には(ステップS430でY)、第1制御部11は、処理をステップS432へ進める。ステップS432において、第1制御部11は、2次元配置画面の表示情報を生成する。表示情報には、各テーブルについて、テーブル名と、すべての評価時間と、人数と、合計金額と、表示色と、が含まれるものとする。第1制御部11は、その後処理をステップS440へ進め、ステップS440において、2次元配置画面の表示情報をオーダー端末装置20へ送信する。
【0058】
オーダー端末装置20の第2制御部21は、2次元画面の表示情報を受信すると、表示情報に基づいて、第2表示部23に2次元配置画面を表示させる。これにより、第2表示部23には、
図8に示すような2次元配置画面が表示される。なお、2次元配置画面においては、利用中のテーブル以外のテーブルを含む店舗内のすべてのテーブルに対応した矩形枠が表示され、表示情報に示される、処理時点において利用中のテーブルについてのみ、各評価時間が表示される。
【0059】
なお、各テーブルが、2次元配置画面のいずれの位置に配置されるかは、予め設定されているものとし、また、オーダー端末装置20やレジ端末装置30におけるユーザ操作に応じて、適宜、変更、追加及び削除が可能であるものとする。
【0060】
以上のように、第1制御部11は、接客者の希望に応じて、ソート画面又は2次元配置画面を第2表示部23に表示することができる。さらに、接客者は、ソート画面が表示された状態で、新たに2次元配置画面の表示指示を入力することで、第2表示部23に表示されるテーブル状況画面をソート画面から2次元配置画面に切り替えて表示させることができる。同様に、接客者は、2次元配置画面が表示された状態で、新たにソート画面の表示指示を入力することで、第2表示部23に表示されるテーブル状況画面を2次元配置画面からソート画面に切り替えて表示させることもできる。
【0061】
以上のように、本実施形態に係る利用客管理システム1においては、テーブル(接客グループ)毎の評価時間を計測し、評価時間に応じた順にテーブルを配置したソート画面を表示させる。したがって、接客者は注意を払うべきテーブルを容易に把握できるため、注意を払うべきテーブルを特定するための作業負担を軽減することができる。
【0062】
(変形例)
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。すなわち特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、以下に説明する種々の変形や変更が可能である。
【0063】
そうした第1の変形例としては、利用客管理システム1はソート画面のみ、又は2次元配置画面のみを表示させるシステムであってもよい。このように、利用客管理システム1は、ソート画面及び2次元画面の少なくとも一方を表示させればよい。
【0064】
第2の変形例について説明する。利用客管理装置10は、評価時間に応じた順に、複数のテーブル(利用客グループ)が配置されたソート画面を表示させればよく、具体的な表示態様は実施形態に限定されるものではない。利用客管理装置10は、例えば、ユーザ操作を受ける度に、ソートすべき対象の評価時間を変更したソート画面を表示させてもよい。利用客管理装置10は、例えば、放題残り時間によるソート画面、最終注文後経過時間によるソート画面、入店後経過時間によるソート画面の順に画面を切り替えて表示させてもよい。また、利用客管理装置10は、放題残り時間に応じたソート結果と、最終注文後経過時間に応じたソート結果と、入店後経過時間に応じてソート結果を、1つのソート画面内に表示させもよい。この場合、利用客管理装置10はさらに、優先度が高いものをより画面の上側に配置するようにしてもよい。
【0065】
第3の変形例としては、利用客管理装置10は、ソート画面においては、評価時間がアラート範囲に含まれるテーブルのみを表示対象としてもよい。
【0066】
第4の変形例としては、2次元配置画面において、各テーブルに対応した矩形枠は、店舗内におけるテーブルの配置に対応して配置されてもよい。これにより、接客者は、店舗内の状況をより把握しやすくなる。
【0067】
第5の変形例としては、利用客管理装置10は、2次元配置画面においても、ソート画面と同様に、ユーザ操作に応じて指定された評価時間のみに基づいて、表示色を決定してもよい。例えば、放題残り時間が指定された場合には、放題残り時間がアラート範囲内のテーブルが赤に着色されるが、最終注文後経過時間がアラート範囲内のテーブルが存在しても、青に着色されない。これにより、接客者は、注目したい時間のみを確認することができる。
【0068】
第6の変形例としては、2次元配置画面においては、テーブルの矩形枠内が、評価時間に応じて決定された表示色で表示されるのにかえて、評価時間に対応した評価時間欄が、各評価時間に応じた表示色で表示されてもよい。さらに、この場合には、1つのテーブルにおいて、2以上の評価時間がアラート範囲内の場合には、各評価時間欄が、それぞれに対応付けられた表示色で表示されればよい。例えば、対象テーブルの第1評価時間である入店後経過時間が第1時間範囲であるアラート範囲内、すなわち3時間以上で、かつ、第2評価時間である最終注文後経過時間が第2時間範囲であるアラート範囲内、すなわち1時間以上であるとする。この場合、
図11の矩形枠4211に示すように、矩形枠内の第1の領域である入店欄4211aが緑(第1の色)で表示され、第2の領域である最終注文欄4211bが青(第2の色)で表示される。このように、利用客管理装置10は、矩形枠内において、評価時間毎の領域を、評価時間に応じた、異なる表示色で着色して表示させてもよい。
【0069】
また、利用客管理装置10は、評価時間に応じて表示態様を異ならせればよく、表示態様は色に限定されるものではない。このような表示態様としては、線の太さ、表示の点滅、テーブルを示す形状やサイズ等が挙げられる。
【0070】
第7の変形例について説明する。利用客管理装置10の第1制御部11は、例えば、接客者によるオーダー端末装置20の操作に応じて、ソート画面及び2次元配置画面における表示対象となるテーブルの絞り込みを行ってもよい。これにより、第1制御部11は、例えば、収容人数(4名席、2名席など)を少なくとも1つに限定したソート画面や2次元配置画面を表示させてもよい。また、第1制御部11は、テーブルのタイプ(個室、ホール、入口側、窓側など)を少なくとも1つに限定したソート画面や2次元配置画面を表示させてもよい。
【0071】
第8の変形例について説明する。第1制御部11は、評価時間に応じた順に、複数の利用客グループが配置されたソート画面を表示させればよく、対象となる利用客グループは、テーブルIDに対応付けられていなくてもよい。例えば、予約時に、案内すべきテーブルが決まらない場合がある。この場合には、記録媒体14は、各利用客グループを識別するグループ識別情報と、レコード生成日時と、入店予約日時とを対応付けたレコードを複数格納する予約状況DBをさらに記憶するものとする。そして第1制御部11は、同じ時間帯を入店予約日時とするレコードを予約のタイミング(レコード生成日時)が早い順にソートしたソート画面を表示させてもよい。これにより、予約タイミングの早い利用客を優先したサービスの提供などが可能となる。
【0072】
第9の変形例について説明する。本実施形態においては、オーダー端末装置及びレジ端末装置が、ソート画面及び2次元配置画面、すなわちテーブル状況画面を表示する表示装置として機能する場合について説明した。ただし、表示装置は、利用客管理装置10とネットワークNを介して接続される装置であればよく、これらの装置に限定されるものではない。
【0073】
第10の変形例について説明する。本実施形態の利用客管理装置及び表示装置は、飲食店の利用客グループを管理するものであった。ただし、これらの装置の管理対象は、飲食のサービスを行う店舗における利用客グループであればよい。このような店舗としては、飲食店の他、カラオケなどの娯楽施設が挙げられる。
【0074】
第11の変形例について説明する。オーダー端末装置20は、本実施形態の利用客管理装置10の記録媒体14に格納される情報(予約管理情報141、テーブル状況DB142及び表示色決定情報143)と同一の情報を格納することとしてもよい。なお、この場合、オーダー端末装置20は、利用客管理装置10から、定期的に各情報を受信するものとする。そして、オーダー端末装置20において、利用客管理装置10と同様の処理を行い、2次元配置画面やソート画面の表示情報を生成し、これを第2表示部23に表示させてもよい。これにより、オーダー端末装置20は、利用客管理装置10との通信が途絶えた場合においても、2次元配置画面やソート画面を表示させることができる。レジ端末装置30も同様に、利用客管理装置10の記録媒体14に格納される情報(予約管理情報141、テーブル状況DB142及び表示色決定情報143)と同一の情報を格納し、表示情報を生成し、これを第3表示部33に表示させてもよい。
【0075】
第12の変形例としては、評価時間がアラート範囲に含まれない場合には、第1制御部11は、ネットワークNに接続された他の機器(例えばレジ端末装置30、利用客が注文を入力する注文装置、モバイルオーダー端末)に、評価時間がアラート範囲に含まれない旨の通知を送信してもよい。
【0076】
第13の変形例としては、飲み食べ放題のラストオーダーや閉店前のラストオーダーの確認の有無がテーブル状況DB142にさらに格納されてもよい。この場合には、これらの情報が、ソート画面及び2次元配置画面に表示されてもよい。また、利用客が注文を入力する注文装置がテーブル毎に準備されている場合には、テーブルに対応付けられた注文装置の識別情報がテーブル状況DB142にさらに格納されてもよい。この場合には、注文装置の識別情報も、ソート画面及び2次元配置画面に表示されてもよい。
【0077】
さらに、本発明の手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0078】
1 利用客管理システム
10 利用客管理装置
11 第1制御部
12 第1通信部
13 時計部
14 記録媒体
20 オーダー端末装置
21 第2制御部
22 第2通信部
23 第2表示部
24 第2入力部
30 レジ端末装置
31 第3制御部
32 第3通信部
33 第3表示部
34 第3入力部
141 予約管理情報
142 テーブル状況DB
143 表示色決定情報
【要約】
【課題】飲食のサービスを提供する店舗における接客者の負担を軽減することを目的とする。
【解決手段】飲食のサービスを行う店舗における複数の利用客グループを管理する利用客管理装置であって、制御部と、記憶部と、表示装置と通信する通信部と、を備え、制御部は、記複数の利用客グループそれぞれに対応した複数のオブジェクトが2次元に配置された2次元配置画面を表示装置に表示させ、複数の利用客それぞれについて、評価対象となる複数の評価時間それぞれを計測し、2次元配置画面において、処理対象の対象利用客グループの第1評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第1時間範囲に含まれる場合に、対象利用客グループに対応するオブジェクト内を第1の表示態様で表示させ、対象利用客グループの第2評価時間が、注目すべき時間として予め定められた第2時間範囲に含まれる場合に、対象利用客グループに対応するオブジェクト内を、第1の表示態様と異なる第2の表示態様で表示させる。
【選択図】
図9