(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】可撓性骨ツール
(51)【国際特許分類】
A61B 17/16 20060101AFI20230721BHJP
【FI】
A61B17/16
(21)【出願番号】P 2018536500
(86)(22)【出願日】2017-01-17
(86)【国際出願番号】 IL2017050062
(87)【国際公開番号】W WO2017122215
(87)【国際公開日】2017-07-20
【審査請求日】2019-12-13
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-26
(32)【優先日】2016-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510203669
【氏名又は名称】ティー.エー.ジー. メディカル デヴァイシス-アグリカルチャー コーポラティヴ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジルバーマン ロイ
(72)【発明者】
【氏名】アルフィア アヴィラム
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】佐々木 一浩
【審判官】安井 寿儀
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-508504(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0165420(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0293869(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0165420(US,A1)
【文献】国際公開第2012/110528(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/16-17/17
A61B 17/56-17/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持部分と、
骨組織除去要素と、
前記骨組織除去要素に移動可能に連結され、曲げ可能な本体を集合的に画定する少なくとも1つのリンクであって、
a)近位端では前記保持部分に、
b)遠位端では前記骨組織除去要素に連結され、
前記少なくとも1つのリンクおよび骨組織除去要素のそれぞれが受入れ部分を有し、前記それぞれの受入れ部分が、内側管腔と、ピンを受け入れるための少なくとも1つの第2の開口を備える円筒状の近位セグメントであって、所定の内径を有する円筒状の近位セグメントと、を有し、
前記少なくとも1つのリンクのそれぞれが係合部分を有し、前記それぞれの係合部分が、前記係合部分の全範囲において、先行する前記リンクの前記受入れ部分が有する円筒状の近位セグメントの前記内径よりも小さい外径を有し、
前記係合部分のそれぞれは、前記ピンを受け入れるための少なくとも1つの第1の開口を備える円周状の断面形状であって、先行する前記受入れ部分の前記内側管腔の円周状の断面形状に対応する円周状の断面形状を有し、
前記受入れ部分は、前記第1および第2の開口が位置合わせされるようにして前記係合部分を受け入れるようにサイズ設定され嵌合さ
れ、
前記少なくとも1つのリンクが、それぞれ受入れ部分を有する複数の連続するリンクを有し、前記連続するリンクのうちの1つのリンクの前記係合部分の前記円周状の断面形状が、前記連続するリンクのうちの他のリンクの前記受入れ部分が有する内側管腔の前記円周状の断面形状に対応し、前記対応する円周状の断面形状は、前記連続するリンクのうちの前記1つのリンクおよび他のリンクの両方を互いに対して軸線方向で回転させることができ
る、少なくとも1つのリンクと、
前記位置合わせされた第1および第2の開口に受け入れられる
ようにサイズ設定され嵌合されて前記受入れ部分および対応する前記受入れ部分に受け入れられた前記係合部分
を移動可能に連結
し、かつ、前記軸線方向での回転を規制する半径方向の干渉接続をもたらす、少なくとも1つのピンとを備え、
以下の方法により、前記1つのリンクと前記他のリンクとの間で十分なトルクが伝達される:
前記連続するリンクのうちの前記1つのリンクの前記受入れ部分が有する前記第2の開口が、前記連続するリンクのうちの前記他のリンクの前記受入れ部分が有する前記第2の開口に対して所定の角度で位置決めされることによりもたらされる、前記ピンによる、前記連続するリンク間の前記半径方向の干渉接続
可撓性骨ツール。
【請求項2】
保持部分と、
受入れ部分を有する骨組織除去要素と、
前記骨組織除去要素に移動可能に連結され、曲げ可能な本体を集合的に画定する少なくとも1つのリンクであって、
a)近位端では前記保持部分に、
b)遠位端では前記骨組織除去要素に連結され、
前記少なくとも1つのリンクおよび骨組織除去要素のそれぞれが受入れ部分を有し、前記それぞれの受入れ部分の壁が少なくとも1つの第2の開口を備え、前記それぞれの受入れ部分が、内側管腔と、所定の内径を有する円筒状の近位セグメントとを有し、
前記少なくとも1つのリンクのそれぞれが係合部分を有し、前記それぞれの係合部分の壁が少なくとも第1の開口を備え、前記それぞれの係合部分が、前記係合部分の全範囲において、先行する前記リンクの前記受入れ部分が有する円筒状の近位セグメントの前記内径よりも小さい外径を有し、
前記係合部分のそれぞれは、先行する前記受入れ部分の前記内側管腔の円周状の断面形状に対応する円周状の断面形状を有し、
前記受入れ部分は、前記第1および第2の開口が位置合わせされるようにして前記係合部分を受け入れるようにサイズ設定され嵌合される、少なくとも1つのリンクと、
前記位置合わせされた第1および第2の開口に受け入れられるとともに前記受入れ部分および対応する前記受入れ部分に受け入れられた前記係合部分を半径方向の干渉接続により移動可能に連結するようにサイズ設定され嵌合される、少なくとも1つのピンと、備える可撓性骨ツールであって、
前記少なくとも1つのリンクが、それぞれ受入れ部分を有する複数の連続するリンクを有し、前記連続するリンクのうちの1つのリンクの前記係合部分の前記円周状の断面形状が、前記連続するリンクのうちの他のリンクの前記受入れ部分が有する内側管腔の前記円周状の断面形状に対応し、
前記可撓性骨ツールはさらに、前記少なくとも1つのピンを前記第1および第2の開口に保定する固定具を備え、
前記固定具が弾力性であり、かつ
内側に面する表面と、外側に面する表面と、応力を加えると前記固定具が弾力的に変形することを可能にするスリットとを画定し、
前記リンクの前記受入れ部分の外表面が、開口が内部に形成された円周状の陥凹部を含み、前記少なくとも1つのピンが前記陥凹部に形成された開口に受け入れられ、前記固定具が前記円周状の陥凹部に沿って位置し、前記内側に面する表面が、前記開口に受け入れられた前記ピンのうち少なくとも1つの外側に面する表面と係合する、
可撓性骨ツール。
【請求項3】
前記少なくとも1つのリンクの前記係合部分および前記受入れ部分が、少なくとも一対の直径方向に対向する開口をそれぞれ備える、請求項1または2に記載の可撓性骨ツール。
【請求項4】
1つの前記受入れ部分の一対の直径方向に対向する開口を接続する第1の仮想線が、前記係合部分の直径方向に対向する開口を接続する第2の仮想線に対してある角度にある、請求項3に記載の可撓性骨ツール。
【請求項5】
前記少なくとも1つのピンが、前記係合部分が前記受入れ部分内部に完全に挿入されるのを妨げ、前記係合部分の外表面の少なくとも一部分と前記受入れ部分の内表面の少なくとも一部分との間にギャップを形成する、請求項1~4のいずれか1項に記載の可撓性骨ツール。
【請求項6】
前記ギャップによって、前記受入れ部分内部での前記係合部分の枢動移動が可能になることにより、前記少なくとも1つのリンクが前記骨組織除去要素に対して2~10度枢動するように動作可能である、請求項5に記載の可撓性骨ツール。
【請求項7】
前記可撓性骨ツールが少なくとも7つのリンクを備え、20~80mmの曲げ半径Rで曲がるように構成される、請求項1または2に記載の可撓性骨ツール。
【請求項8】
前記複数のリンクに沿った前記枢動移動の度合いによって前記可撓性骨ツールの曲げ半径が集合的に画定される、請求項6に記載の可撓性骨ツール。
【請求項9】
前記可撓性骨ツールが少なくとも7つのリンクを備え、前記保持部分の回転軸に対して0~180度の角度で曲がるように構成される、請求項1または2に記載の可撓性骨ツール。
【請求項10】
前記
半径方向の干渉接続が、前記1つのリンクの前記係合部分が前記他のリンクの前記受入れ部分に係合されたとき、前記骨組織除去要素を前進させて骨に入れるのに十分な大きさのトルクを前記連続するリンク間で伝達するように構成される、請求項
1に記載の可撓性骨ツール。
【請求項11】
前記可撓性骨ツールの少なくとも一部分が、ガイドピンおよびガイドワイヤの少なくとも1つの上で摺動可能である、請求項1~4のいずれか1項に記載の可撓性骨ツール。
【請求項12】
前記対応する円周状の断面形状は、前記連続するリンクのうちの前記1つのリンクおよび前記他のリンクを互いに対して軸線方向で回転させることができ、
前記軸線方向での回転を規制する前記半径方向の干渉接続による、以下の方法により、前記連続するリンク間で十分なトルクが伝達される:
前記連続するリンクのうちの前記1つのリンクの前記受入れ部分が有する前記第2の開口が、前記連続するリンクのうちの前記他のリンクの前記受入れ部分が有する前記第2の開口に対して所定の角度で位置決めされることによりもたらされる、前記ピンによる、前記連続するリンク間の前記半径方向の干渉接続
請求項2に記載の可撓性骨ツール。
【請求項13】
前記連結が、2つの連続するリンクの位置合わせされた開口内に少なくとも1つのピンが受け入れられる半径方向干渉接続部を含む、請求項1または12に記載の可撓性骨ツール。
【請求項14】
前記曲げ可能な本体および前記保持部分の少なくとも1つが、ガイドワイヤの上でツールを送達できるように形状およびサイズ設定される、請求項1~4のいずれか1項に記載の可撓性骨ツール。
【請求項15】
前記ピンを前記第1および第2の開口に保定する固定具を更に備える、請求項1に記載の可撓性骨ツール。
【請求項16】
前記固定具が環状の幾何学形状および半円の幾何学形状の一方の形状を有する、請求項2または15に記載の可撓性骨ツール。
【請求項17】
前記固定具が弾力性であり、
前記固定具が、
内側に面する表面と、外側に面する表面と、応力を加えると前記固定具が弾力的に変形することを可能にするスリットと、
複数の相互に分離された指状の突起を含む概念的なドーム状の幾何学形状と、
のうち1つを画定する、請求項15に記載の可撓性骨ツール。
【請求項18】
前記固定具が、内側に面する表面と、外側に面する表面と、応力を加えると前記固定具が弾力的に変形することを可能にするスリットと、を画定し、
前記リンクの前記受入れ部分の外表面が、開口が内部に形成された円周状の陥凹部を含み、前記少なくとも1つのピンが前記陥凹部に形成された開口に受け入れられ、
前記固定具が前記円周状の陥凹部に沿って位置し、前記内側に面する表面が、前記開口に受け入れられた前記ピンのうち少なくとも1つの外側に面する表面と係合する、請求項15に記載の可撓性骨ツール。
【請求項19】
前記固定具が直径方向に対向する固定的に取り付けられたピンを含む、請求項2および15~18のいずれか1項に記載の可撓性骨ツール。
【請求項20】
前記曲げ可能な本体の曲げ半径が、前記本体を備えるリンクの数と、
前記リンクの前記係合部分の外径、前記リンクの前記係合部分の長さ、および前記リンクの受入れ部分の内径と、
の少なくとも1つによって画定される、請求項1または2に記載の可撓性骨ツール。
【請求項21】
前記第1の開口および第2の開口の少なくとも1つが軸線方向に延びて延在する、請求項1または2に記載の可撓性骨ツール。
【請求項22】
前記可撓性骨ツールが、骨に接触すると縮小可能な、少なくとも2つの連続するリンク間の少なくとも1つの軸線方向のギャップを備える、請求項21に記載の可撓性骨ツール。
【請求項23】
前記骨組織除去要素が交換可能である、請求項1または2に記載の可撓性骨ツール。
【請求項24】
(a)少なくとも1つの近位の保持部分と、
所定の外径を有する係合部分をそれぞれ有する、前記保持部分の遠位に取付け可能な少なくとも1つの第1のリンクであって、
前記少なくとも1つの第1のリンクが、それぞれ内側管腔を有する受入れ部分を有する複数の連続するリンクを有し、前記受入れ部分は、前記係合部分を受け入れるようにサイズ設定され嵌合され、前記連続するリンクのうちの1つのリンクの前記係合部分が、前記連続するリンクのうちの他のリンクの前記受入れ部分が有する前記内側管腔が有する円周状の断面形状に対応する円周状の断面形状を有し、前記対応する円周状の断面形状は、前記連続するリンクのうちの前記1つのリンクおよび他のリンクの両方を互いに対して軸線方向で回転させることができ、
以下の方法により、前記連続するリンク間で十分なトルクが伝達される:
前記連続するリンクのうちの前記1つのリンクの前記受入れ部分が有する、接続用のピンが受け入れられる第2の開口が、前記連続するリンクのうちの前記他のリンクの前記受入れ部分が有する、接続用のピンが受け入れられる第2の開口に対して所定の角度で位置決めされることによりもたらされる、前記軸線方向での回転を規制する前記連続するリンク間の半径方向の干渉接続
第1のリンクと、
所定の内径を有する円筒状の近位セグメントを有する受入れ部分であって、前記内径は、前記係合部分の全範囲において、前記係合部分の前記外径が、前記円筒状の近位セグメントの前記内径よりも小さい内径である受入れ部分を有する、前記少なくとも1つの第1のリンクに取付け可能な、組織除去要素を備える少なくとも1つの第2のリンクと、
複数の接続用のピンと、
を備える少なくとも1つの可撓性骨ツールと、
(b)前記少なくとも1つの第1のリンクから前記組織除去要素を分離する、少なくとも1つのリンク分離ツールとを備える、
曲線状のボアを骨に穴開けする可撓性骨ツールキット。
【請求項25】
(a)少なくとも1つの近位の保持部分と、
所定の外径を有する係合部分を有する、前記保持部分の遠位に取付け可能な少なくとも1つの第1のリンクと、
所定の内径を有する円筒状の近位セグメントを有する受入れ部分であって、前記内径は、前記係合部分の全範囲において、前記係合部分の前記外径が、前記円筒状の近位セグメントの前記内径よりも小さい内径である受入れ部分を有する、前記第1のリンクの少なくとも1つに取付け可能な、組織除去要素を備える少なくとも1つの第2のリンクであって、前記少なくとも1つの第2のリンクの前記受入れ部分が、前記少なくとも1つの第1のリンクの前記係合部分を受け入れるようにサイズ設定され嵌合される、少なくとも1つの第2のリンクと、を備える可撓性骨ツールキットであって、
前記少なくとも1つの第1のリンクの前記係合部分の壁が少なくとも第1の開口を備え、前記少なくとも1つの第2のリンクの前記受入れ部分の壁が少なくとも1つの第2の開口を備え、
前記少なくとも1つの第1のリンクの前記係合部分が前記少なくとも1つの第2のリンクの前記受入れ部分に受入れられ、
前記可撓性骨ツールキットはさらに、複数の接続用のピンと、
前記ピンを前記第1および第2の開口に保定する固定具と、を備え、
前記ピンは、前記受入れ部分および対応する前記受入れ部分に受け入れられた前記係合部分を移動可能に連結し、かつ、前記第1のリンクの前記係合部分が有する前記第1の開口が、前記第2のリンクの前記受入れ部分が有する前記第2の開口に対して所定の角度で位置決めされることによる半径方向の干渉接続をもたらし、
前記固定具が、内側に面する表面と、外側に面する表面と、応力を加えると前記固定具が弾力的に変形することを可能にするスリットと、を画定し、
前記少なくとも1つの第1のリンクが、それぞれ受入れ部分を有する複数のリンクを含み、
前記少なくとも1つの第1のリンクの前記受入れ部分の外表面が、開口が内部に形成された円周状の陥凹部を含み、前記少なくとも1つのピンが前記陥凹部に形成された開口に受け入れられ、
前記固定具が前記円周状の陥凹部に沿って位置し、前記内側に面する表面が、前記開口に受け入れられた前記ピンのうち少なくとも1つの外側に面する表面と係合する、
を備える少なくとも1つの可撓性骨ツールと、
(b)前記少なくとも1つの第1のリンクから前記組織除去要素を分離する、少なくとも1つのリンク分離ツールとを備える、
曲線状のボアを骨に穴開けする可撓性骨ツールキット。
【請求項26】
前記リンク分離ツールが、リンク、および/または組織除去要素を備える前記リンクを分離するように構成される、請求項24または25に記載のキット。
【請求項27】
ボアを骨に穴開けするための可撓性骨ツールキットが含む複数の保持部分から、少なくとも1つの近位の保持部分を選択するステップと、
前記キットから、少なくとも1つの第1のリンクを選択し、前記少なくとも1つの第1のリンクを前記保持部分に取り付けるステップであって、
前記少なくとも1つの第1のリンクが、それぞれ円周状の断面形状を有する係合部分および円周状の断面形状を有する内側管腔を有する受入れ部分を有する複数の連続するリンクを有し、前記連続するリンクのうちの1つのリンクの前記係合部分の前記円周状の断面形状が、前記連続するリンクのうちの他のリンクの前記受入れ部分が有する内側管腔が有する前記円周状の断面形状に対応し、それぞれの前記係合部分は、対応する前記受入れ部分に受け入れられ、前記対応する円周状の断面形状は、前記連続するリンクのうちの前記1つのリンクおよび他のリンクの両方を互いに対して軸線方向で回転させることができ、
以下の方法により、前記連続するリンク間で十分なトルクが伝達される:
前記連続するリンクのうちの1つのリンクの前記受入れ部分が有する、接続用のピンが受け入れられる第2の開口が、前記連続するリンクのうちの他のリンクの前記受入れ部分が有する、接続用のピンが受け入れられる第2の開口に対して所定の角度で位置決めされることによりもたらされる、前記軸線方向での回転を規制する前記連続するリンク間の半径方向の干渉接続
ステップと、
前記キットから、組織除去要素を備える少なくとも1つの第2のリンクを選択し、少なくとも1つのピンを用いて前記少なくとも1つの第2のリンクを前記少なくとも1つの第1のリンクに取り付けるステップとを含み、
前記少なくとも1つの第2のリンクは所定の内径を有する円筒状の近位セグメントを有する、受入れ部分を有し、
前記少なくとも1つの第1のリンクは所定の外径を有する係合部分を有し、
前記少なくとも1つの第1のリンクの係合部分の外径は、前記係合部分の全範囲において、先行する前記少なくとも1つの第2のリンクの前記受入れ部分が有する前記円筒状の近位セグメントの前記内径よりも小さく、
前記少なくとも1つの第2のリンクの受入れ部分は、前記少なくとも1つの第1のリンクの係合部分を受け入れるようにサイズ設定され嵌合される、
ボアを骨に穴開けするための可撓性骨ツールを組み立てる方法。
【請求項28】
ボアを骨に穴開けするための可撓性骨ツールキットが含む複数の保持部分から、少なくとも1つの近位の保持部分を選択するステップと、
前記キットから、少なくとも1つの第1のリンクを選択し、前記少なくとも1つの第1のリンクを前記保持部分に取り付けるステップと、
前記キットから、組織除去要素を備える少なくとも1つの第2のリンクを選択し、少なくとも1つのピンを用いて前記第2のリンクを前記第1のリンクに取り付けるステップとを含み、
前記少なくとも1つの第2のリンクは所定の内径を有する円筒状の近位セグメントを有する、受入れ部分を有し、
前記少なくとも1つの第1のリンクは所定の外径を有する係合部分を有し、
前記係合部分の外径は、前記係合部分の全範囲において、先行する前記第2のリンクの前記受入れ部分が有する前記円筒状の近位セグメントの前記内径よりも小さく、前記受入れ部分は、前記係合部分を受け入れるようにサイズ設定され嵌合され、
前記少なくとも1つのリンクの前記係合部分が第1の開口を有し、前記少なくとも1つの第2のリンクの前記受入れ部分が
前記第1の開口に位置合わせされた第2の開口を有し、
前記ピンを前記第1
の開口および
前記位置合わせされた第2の開口に保定する固定具を備え、
前記ピンは、前記受入れ部分および対応する前記受入れ部分に受け入れられた前記係合部分を移動可能に連結し、かつ、前記第1のリンクの前記係合部分が有する前記第1の開口が、前記第2のリンクの前記受入れ部分が有する前記第2の開口に対して所定の角度で位置決めされることによる半径方向の干渉接続をもたらし、
前記固定具が、内側に面する表面と、外側に面する表面と、応力を加えると前記固定具が弾力的に変形することを可能にするスリットと、を画定し、
前記少なくとも1つのリンクが、それぞれ受入れ部分を有する複数のリンクを含み、
それぞれの前記係合部分は、対応する前記受入れ部分に受け入れられ、
前記少なくとも1つの第1のリンクの前記受入れ部分の外表面が、開口が内部に形成された円周状の陥凹部を含み、前記少なくとも1つのピンが前記陥凹部に形成された開口に受け入れられ、
前記固定具が前記円周状の陥凹部に沿って位置し、前記内側に面する表面が、前記開口に受け入れられた前記ピンのうち少なくとも1つの外側に面する表面と係合する、
ボアを骨に穴開けするための可撓性骨ツールを組み立てる方法。
【請求項29】
前記複数のリンクの前記係合部分および前記受入れ部分が、少なくとも一対の直径方向に対向する開口をそれぞれ備える、請求項27または28に記載のボアを骨に穴開けするための可撓性骨ツールを組み立てる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2015年2月17日付けの国際出願PCT/IL2015/050178を参照により援用し、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本出願は、2016年1月17日付けの米国特許仮出願第62/279,815号明細書、および2016年12月19日付けの米国特許仮出願第62/436,255号明細書の優先権の利益を主張し、それらの内容全体を参照により本明細書に援用する。
【0003】
本発明は、そのいくつかの実施形態において可撓性骨ツールに関し、より詳細には、ただし非排他的には、関節鏡下処置において前進させて骨に入れられるように構成された可撓性骨ツールに関する。
【背景技術】
【0004】
特許文献1は、以下のことを開示している。「骨髄腔のリーミングで使用される改善された可撓性シャフトについて記載する。シャフトは、長さ全体の長手方向ボアと、連続的にまたは区切られてシャフト周りで螺旋を描いて適切に形成されたスロットとを備える、中実要素で構成される。シャフトの両端それぞれには、切削ヘッドと、シャフトを駆動メカニズムに接続する手段とが取り付けられる。それに加えて、改善された人形態脊髄要素と、椎体置換インプラントとについて記載する。人形態脊髄要素は、長手方向ボアと、連続的またはセグメント状にシャフト周りで螺旋を描いて延在するとともに、エラストマー材料が完全にまたは部分的に充填された適切に形成されたスロットとを備える、中実要素から成る。椎体置換インプラントは、長さ全体の長手方向ボアと、連続的またはセグメント状にシャフト周りで螺旋を描いて延在する適切に形成されたスロットとを備える、適切なインプラント材料から成る。中央区画の両端には、高さおよび角度の調節を可能にする、隣接する脊椎への取付け手段が取り付けられる。」
【0005】
特許文献2は、以下のことを開示している。「本発明は、入力および出力シャフト間のミスアライメントに適応するヘビィデューティな可撓性シャフトである。可撓性シャフトは、管状の曲げ可能なシャフトに収容された、個別に加工された嵌合する複数の中空の部材で構成される。各セグメントは入れ子状で密接に係合されるが、セグメントは、制限された長手方向移動を可能にする一方で、入力シャフトから出力シャフトへとねじれを伝達する間のセグメント間の周方向移動を限定するように設計される。」
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第6447518(B1)号明細書
【文献】米国特許第4362520(A)号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、ツールの遠位端に構成された骨組織除去要素と、骨組織除去要素の近位に連結された少なくとも2つのリンクであって、第1のリンクの少なくとも1つの半径方向外向きに延在する突出部が次のリンクの陥凹部内に受け入れられる半径方向の干渉接続部によって互いに接続されるリンクとを備える、可撓性骨ツールが提供される。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、リンクはそれぞれ係合部分と受入れ部分とを備え、係合部分は受入れ部分の遠位に位置決めされる。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、受入れ部分は、リンクの近位端で開いていて陥凹部につながる内側管腔を備え、陥凹部は、少なくとも1つの突出部を内向きに圧縮することなく受け入れるのに十分な大きさである。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、接続部は、少なくとも1つの半径方向突出部が次のリンクの内側管腔によって内向きに圧縮され、突出部が陥凹部に弾性的に嵌め込まれるまで遠位へと前進させられて、第1のリンクおよび次のリンクを互いに噛み合わせながらリンクを互いに対して曲げられるようにする、スナップ嵌め接続部である。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、第1のリンクおよび次のリンクは、骨組織除去要素を前進させて骨に入れるのに十分な大きさのトルクをリンク間で伝達するのに適した合致する幾何学形状を備える。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、合致する幾何学形状は、リンクの互いに対する軸線方向回転と干渉するように形作られた少なくとも1つの表面を備える。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、合致する幾何学形状は、互いを少なくとも一部で接触させる相互の平面を備え、第1の平面は第1のリンクの係合部分上に構成され、第2の平面は次のリンクの受入れ部分の内側管腔内に構成される。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、トルクの大きさは3N・cm~30N・cmの範囲である。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、第1のリンクおよび次のリンクはそれぞれ受入れ陥凹部を備え、両方のリンクの陥凹部は、実質的に同じ設計を有するとともに、第1のリンクの受入れ陥凹部が次のリンクの受入れ陥凹部に対してある角度で構成されるように、互いに対して回転方向で配向されるように構成される。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、角度は90度である。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの半径方向突出部の体積は陥凹部の体積の95%以下を占める。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、陥凹部は受入れ部分の外縁部を越えて延在せず、突出部は受入れ部分の内部に受け入れられる。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、陥凹部は受入れ部分の外縁部を通って延在し、突出部は陥凹部を通って延在するのに十分な長さである。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、係合部分は、遠位方向に延在する少なくとも1つの歯状の延長部/ピンを備え、突出部は歯状の延長部/ピンから半径方向外向きに延在する。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によれば、リンクは管状体を画定する。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、管状体は、30mm以上の曲げ半径まで曲がるように構成される。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ツールはカニューレ化され、カニューレは、ガイドワイヤの上でツールを送達できるように形状およびサイズ設定される。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によれば、骨組織除去要素は、骨にボアを形成するように形状およびサイズ設定される。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態によれば、骨組織除去要素は、骨にある既存のボアをリーミングするように形状およびサイズ設定される。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ツールは、ユーザまたはツールによって係合可能な保持部分をツールの近位端に備える。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ツールはドリルである。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、半径方向の干渉接続部によって互いに噛み合わされた複数のリンクを備える可撓性骨ツールを提供するステップと、ガイドワイヤの上で可撓性骨ツールを導入して骨に近付けるステップと、ツールを回転させて前進させて、少なくともツールの遠位端を骨に入れるステップとを含む、可撓性骨ツールを前進させて骨に入れる方法が提供される。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態によれば、リンクは剛性であり、導入するステップは、剛性リンクが互いに対して曲がるように、ガイドワイヤによって画定された曲線経路に沿ってツールを前進させるステップを含む。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態によれば、複数のリンクのうち隣接したリンク間の軸線方向のギャップは、骨に接触する際に縮小される。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前進させるステップは、骨にボアを形成するステップを含む。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前進させるステップは、骨にある既存のボアをリーミングするステップを含む。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態によれば、骨は大腿骨であり、回転させるステップは、グラフトを受け入れる大腿骨の孔をリーミングする。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態によれば、回転させるステップは、ドリルを骨ツールの近位端に連結するステップを含む。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、ツールの遠位端に構成された骨組織除去要素と、骨組織除去要素の近位に連結された少なくとも2つのリンクであって、第1のリンクが、少なくとも1つの突出部が内側管腔の先につながる次のリンクのそれぞれの陥凹部内に弾性的にスナップ嵌めされるようになるまで、次のリンクの内側管腔によって内向きに圧縮される、少なくとも1つの突出部を備える、スナップ嵌め接続部によって互いに相互接続されるリンクとを備える、可撓性骨ツールが提供される。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態によれば、内側管腔は、次のリンクの近位端で開いていて、次のリンクの受入れ部分内で長手方向に延在し、内側管腔は、少なくとも1つの突出部を半径方向内向きに圧縮するように形状およびサイズ設定される。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態によれば、スナップ嵌め接続部は、第1のリンクおよび次のリンクが互いに対して曲がるようにしながら、リンクを互いに噛み合わせる。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、スナップ嵌め接続部によって互いに係合して細長い曲げ可能な本体を形成するように構成された、複数の相互接続可能なリンクを備える、可撓性骨ツールを調節するキットが提供される。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ツールは近位の保持部分を備え、リンクの少なくとも1つは、近位の保持部分と係合するように構成される。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態によれば、キットは複数の切削ヘッドを備え、そのうち1つの切削ヘッドは、リンクのうち少なくとも1つの遠位端と係合するように構成される。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、スナップ嵌め接続部によって互いに相互接続された複数のリンクを備える可撓性骨ツールを提供するステップと、1つ以上のリンクを取り付けるかまたは取り外して、骨ツールの長さを調節するステップとを含む、可撓性骨ツールを調節する方法が提供される。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法は、特定の形状またはサイズの切削ヘッドを選択するステップと、切削ヘッドを複数のリンクのうち最遠位のリンクに接続するステップとを更に含む。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態によれば、取り付けるかまたは取り外すステップは、可聴の、感知可能の、または可視のフィードバックをユーザに提供する。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態によれば、可聴フィードバックは、リンクが互いに噛み合うときの「クリック」音を含む。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、ツールの遠位端に構成された骨組織除去要素と、骨組織除去要素の近位に連結された少なくとも2つのリンクであって、リンクを接続する過程で音による指示が提供される「クリック」接続によって互いに相互接続されるリンクとを備える、可撓性骨ツールが提供される。
【0046】
いくつかの実施形態の一態様によれば、ガイドピンの上で摺動可能な可撓性リーマであって、
近位の保持部分と、
中間部分と、
ガイドピンの方向に対応する方向で1つのリンクから次のリンクへと力を伝達できるようにした、関節接合される形で取り付けられた、複数の相互接続されたリンクを含む遠位部分とを備える、可撓性リーマが提供される。
【0047】
いくつかの実施形態では、可撓性リーマはまた、遠位の穴開け端部を備える。
【0048】
いくつかの実施形態では、ガイドピンはニチノールで作られる。
【0049】
いくつかの実施形態では、リンクは分離不能に相互接続される。
【0050】
いくつかの実施形態では、リンクはスナップ嵌めによって相互接続される。
【0051】
いくつかの実施形態では、前記遠位部分の支点は最近位リンクに形成される。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、したがって、保持部分と、骨組織除去要素と、互いに枢動可能に連結され、曲げ可能な本体を集合的に画定する複数のリンクとを含み、複数のリンクが、a)近位端では保持部分に、b)遠位端では骨組織除去要素に連結され、複数のリンクが少なくとも2つのリンクを含み、各リンクが係合部分を有し、その壁が少なくとも第1の開口および受入れ部分を含み、その壁が少なくとも1つの第2の開口を含み、受入れ部分が、第1および第2の開口が位置合わせされるようにして係合部分を受け入れるようにサイズ設定され嵌合され、少なくとも1つのピンが、位置合わせされた第1および第2の開口に受け入れられるとともに近位および遠位のリンクを枢動可能に連結するようにサイズ設定され嵌合される、可撓性骨ツールが提供される。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態では、可撓性骨ツールリンクは、少なくとも1つの開口をそれぞれ含む係合部分および受入れ部分を含む。いくつかの実施形態では、リンクは、少なくとも一対の直径方向に対向する開口をそれぞれ含む係合部分および受入れ部分を含み、受入れ部分の一対の直径方向に対向する開口を接続する第1の仮想線は、係合部分の直径方向に対向する開口を接続する第2の仮想線に対してある角度にある。いくつかの実施形態では、角度は90度である。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態では、遠位のリンクの受入れ部分の一対の直径方向に対向する開口を接続する第1の仮想線は、先行するまたは後続の次のリンクの受入れ部分の直径方向に対向する開口の第2の仮想線に対してある角度にある。いくつかの実施形態では、角度は90度である。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのリンクは、先行するまたは後続の次のリンクの少なくとも1つに対して2~10度枢動するように動作可能である。いくつかの実施形態では、ツールは、複数のリンクを含み、20~80mmの曲げ半径Rで曲がるように構成される。いくつかの実施形態では、ツールは、複数のリンクを含み、ほぼL字形の曲線に従うように構成される。いくつかの実施形態では、ツールは、複数のリンクを含み、ほぼU字形の曲線に従うように構成される。いくつかの実施形態では、ツールは、複数のリンクを含み、保持部分の回転軸に対して0~180度の角度で曲がるように構成される。いくつかの実施形態では、前記複数のリンクに沿って累積される枢動角度は、前記ツールの曲げ半径を画定する。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、したがって、係合部分、および連続する受入れ部分の対応する内側管腔の合致する幾何学形状が、係合されたとき、骨組織除去要素を前進させて骨に入れるのに十分な大きさのトルクをリンク間で伝達するのに適している、可撓性骨ツールが提供される。いくつかの実施形態では、次のリンクは、3N・cm~30N・cmの範囲のトルクをリンク間で伝達するのに適した、合致する幾何学形状を含む。いくつかの実施形態では、係合部分、および連続する受入れ部分の対応する内側管腔の合致する幾何学形状によって、依然としてリンク間で十分なトルクを伝達することができる程度だけ、リンクを互いに対して軸線方向で回転させることができる。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、したがって、骨除去要素が、骨を切削すること、骨にボアを形成すること、および骨にある既存のボアをリーミングすることのうち少なくとも1つに合わせて形状およびサイズを決められ、可撓性ツールの少なくとも一部分が、ガイドピンおよびガイドワイヤの少なくとも1つの上で摺動可能である、可撓性骨ツールが提供される。いくつかの実施形態では、連結は半径方向干渉連結部を含む。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態によれば、管状体および近位の保持部分の少なくとも1つはカニューレ化される。いくつかの実施形態では、ピンの少なくとも1つは、円筒状部分と、外側に面する表面を画定する外側に向けて先太になった部分とを含み、ピンの少なくとも1つは、円筒状部分と、リンクの管腔に面する内壁表面に当接する平坦面を有するピンヘッドとを含む。いくつかの実施形態では、ピンの少なくとも1つは、円筒状部分と、リンクの内壁表面にある開口の周周りの陥凹部に嵌合するように、半径方向内側に向けて先細になったピンヘッドとを含み、開口の少なくとも1つは、受入れ部分の外表面にある円周状の陥凹部内に形成される。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、したがって、環状の幾何学形状を有する固定具を含む可撓性骨ツールが提供される。いくつかの実施形態では、固定具は半円の幾何学形状を有する。いくつかの実施形態では、固定具は弾力性であり、内側に面する表面と、外側に面する表面と、応力を加えると固定要素が弾力的に変形することを可能にするスリットとを画定する。いくつかの実施形態では、固定具は、複数の相互に分離された指状の突起を含む、概念的なドーム状の幾何学形状を有する。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、受入れ部分の外表面は円周状の陥凹部を含み、ピンは陥凹部に形成された開口に受け入れられ、固定具は円周状の陥凹部に沿って位置し、内側に面する表面は、開口に受け入れられたピンのうち少なくとも1つの外側に面する表面と係合し、固定具は直径方向に対向する固定的に取り付けられたピンを含む。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、したがって、本体を含むリンクの数によって規定される曲げ半径を有する曲げ可能な本体を含む、可撓性骨ツールが提供される。いくつかの実施形態では、曲げ可能な本体の曲げ半径は、リンクの係合部分の外径、リンクの係合部分の長さ、リンクの受入れ部分の内径を含む寸法群から選択される、リンクの少なくとも1つの寸法によって規定される。いくつかの実施形態では、管状体は可撓性コアを含む。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、開口の少なくとも1つは、可撓性ツールが、骨に接触すると縮小する少なくとも1つの軸線方向のギャップを少なくとも2つの連続するリンク間に含むように、軸線方向に楕円形である。いくつかの実施形態では、リンクは、それらの長手方向軸線を中心にして互いに対して回転させられ、例えば、リンクは互いに対して90度回転させられる。いくつかの実施形態では、骨組織除去要素は交換可能である。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、したがって、ガイドワイヤの少なくとも一部分を骨に導入するステップと、ガイドワイヤの上で、骨に当たるまで骨切削ヘッドを含む可撓性骨ツールを摺動させるステップと、ツールを回転させてツールの少なくとも遠位端を前進させて骨に入れるステップと、ガイドワイヤによって画定された曲線経路に沿ってツールを前進させるステップとを含む、曲線状のボアを骨に穴開けする方法が提供される。方法は、可撓性骨ツールを除去するステップと、切削ヘッドを分離し、切削ヘッドをリーマヘッドと交換するステップと、ガイドワイヤの上で可撓性骨ツールを摺動させ、骨に穴開けされたボアに入れるステップと、ボアをリーミングするステップとを更に含む。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、したがって、少なくとも1つの近位の保持部分と、保持部分の遠位に取付け可能な少なくとも1つの第1のリンクと、保持部分および第1のリンクのうち少なくとも1つに取付け可能な組織除去要素を含む少なくとも1つの第2のリンクと、複数の接続ピンと、少なくとも1つのリンク分離ツールとを含む、少なくとも1つの可撓性骨ツールを含む、曲線状のボアを骨に穴開けするキットが提供される。いくつかの実施形態では、組織除去要素は、少なくとも、骨を切削し、骨にボアを形成し、骨にある既存のボアをリーミングするように構成される。いくつかの実施形態では、リンク分離ツールは、リンク同士、および/または組織除去要素を含むリンクを分離するように構成され、初期基本長は30~120mmの範囲である。
【0065】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および/または科学用語は、本発明が関係する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載するものと同様または等価の方法および材料は、本発明の実施形態の実施または試験で使用することができるが、例示的な方法および/または材料について以下に記載する。矛盾が生じた場合、定義を含めて本特許明細書が優先する。それに加えて、材料、方法、および実施例は単なる例証であって、必ずしも限定であることを意図しない。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態について、添付図面を参照して、単なる例として本明細書に記載する。ここで、図面の詳細を具体的に参照する場合、図示される特徴は例であり、本発明の実施形態を図解して考察するためのものであることが強調される。この点に関して、説明を図面と組み合わせることで、本発明の実施形態をどのように実施できるかが当業者には明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による、スナップ嵌め接続部によって噛み合わされた複数のリンクを備える可撓性骨ツールを前進させて骨に入れる方法を示すフローチャートである。
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態による、可撓性骨ツールのリンク構造を示す単純化した分解組立図、およびピンの種類を示す単純化した側面図である。
【
図2B】本発明のいくつかの実施形態による、可撓性骨ツールのリンク構造を示す単純化した分解組立図、およびピンの種類を示す単純化した側面図である。
【
図2C】本発明のいくつかの実施形態による、可撓性骨ツールのリンク構造を示す単純化した分解組立図、およびピンの種類を示す単純化した側面図である。
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態による、可撓性骨ツールを屈曲対応および直線対応でそれぞれ示す単純化した側面図である。
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態による、可撓性骨ツールを屈曲対応および直線対応でそれぞれ示す単純化した側面図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態による、L字の曲線状に曲げられた可撓性骨ツールを示す単純化した側面図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態による、単一のリンクを示す単純化した断面斜視図である。
【
図6A】本発明のいくつかの実施形態による、断面を
図5の線A-Aに沿って得た、
図5の単一のリンクを示す単純化した断面図である。
【
図6B】本発明のいくつかの実施形態による、断面を
図5の線A-Aに沿って得た、
図5の単一のリンクを示す単純化した断面図である。
【
図7】
図3Bの線A-Aに沿って得た、
図5のリンクと、
図5のリンクに対して回転方向で配向された受入れ側の次のリンクとを示し、本発明のいくつかの実施形態に従ってリンクが互いに連結された、単純化した断面図である。
【
図8A】本発明のいくつかの実施形態による、連結されたリンクを示す単純化した部分斜視図である。
【
図8B】本発明のいくつかの実施形態による、連結されたリンクを示す単純化した部分斜視図である。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態による、切削ヘッドを示す単純化した側面図である。
【
図10】本発明のいくつかの実施形態に従って構築され動作可能である、組み立てられた可撓性骨ツールの一実施形態を示す単純化した図である。
【
図11】
図10の可撓性骨ツールの一実施形態のリンク構造を示す単純化した部分分解組立図である。
【
図12A】
図10の可撓性骨ツールの一実施形態によるシャフトを示す単純化した斜視図および断面を線B-Bに沿って得た断面図である。
【
図12B】
図10の可撓性骨ツールの一実施形態によるシャフトを示す単純化した斜視図および断面を線B-Bに沿って得た断面図である。
【
図13A】
図10の可撓性骨ツールの単一のリンクの一実施形態を示す単純化した斜視図および断面図である。
【
図13B】
図10の可撓性骨ツールの単一のリンクの一実施形態を示す単純化した斜視図および断面図である。
【
図14A】リンクアセンブリ固定要素の例示的な実施形態を示す単純化した斜視図である。
【
図14B】リンクアセンブリ固定要素の例示的な実施形態を示す単純化した斜視図である。
【
図14C】リンクアセンブリ固定要素の例示的な実施形態を示す単純化した斜視図である。
【
図15】
図10の可撓性骨ツールの一実施形態のいくつかの連続するリンクアセンブリに沿って得た単純化した部分断面図である。
【
図16A】
図10の可撓性骨ツールのいくつかの連続するリンクアセンブリの一実施形態を示す単純化した斜視図および、断面を
図16Aの線C-Cに沿って得た断面図である。
【
図16B】
図10の可撓性骨ツールのいくつかの連続するリンクアセンブリの一実施形態を示す単純化した斜視図および、断面を
図16Aの線C-Cに沿って得た断面図である。
【
図16C】
図10の可撓性骨ツールのいくつかの連続するリンクアセンブリの一実施形態を示す単純化した斜視図および、断面を
図16Aの線C-Cに沿って得た断面図である。
【
図17】ガイドピンの上に装着された
図10の可撓性骨ツールの一実施形態を示す単純化した図である。
【
図18A】患者の骨内において曲げ配向で示される、ガイドピンの上に装着された
図10の可撓性骨ツールの一実施形態をそれぞれ示す単純化した図および断面図である。
【
図18B】患者の骨内において曲げ配向で示される、ガイドピンの上に装着された
図10の可撓性骨ツールの一実施形態をそれぞれ示す単純化した図および断面図である。
【
図19】本発明の更に別の実施形態による組み立てられた可撓性骨ツールを示す単純化した図である。
【
図20】
図19の可撓性骨ツールの一実施形態のリンク構造を示す単純化した部分分解組立図である。
【
図21A】
図19の可撓性骨ツールのリンクの一実施形態を示す単純化した斜視図および断面図である。
【
図21B】
図19の可撓性骨ツールのリンクの一実施形態を示す単純化した斜視図および断面図である。
【
図22A】
図19の可撓性骨ツールの固定要素を示す単純化した図である。
【
図22B】
図19の可撓性骨ツールの固定要素を示す単純化した図である。
【
図23】
図19の可撓性骨ツールのいくつかの連続するリンクに沿って得た単純化した部分断面図である。
【
図24A】
図19の可撓性骨ツールのいくつかの連続するリンクを示す単純化した斜視図および、断面を
図24Aの線C-Cに沿って得た断面図である。
【
図24B】
図19の可撓性骨ツールのいくつかの連続するリンクを示す単純化した斜視図および、断面を
図24Aの線C-Cに沿って得た断面図である。
【
図24C】
図19の可撓性骨ツールのいくつかの連続するリンクを示す単純化した斜視図および、断面を
図24Aの線C-Cに沿って得た断面図である。
【
図25】曲げ配向でガイドピンの上に装着された
図19の可撓性骨ツールを示す単純化した斜視図である。
【
図26A】患者の骨内において曲げ配向で示される、ガイドピンの上に装着された
図19の可撓性骨ツールを示す単純化した斜視図および断面図である。
【
図26B】患者の骨内において曲げ配向で示される、ガイドピンの上に装着された
図19の可撓性骨ツールを示す単純化した斜視図および断面図である。
【
図27A】本発明のいくつかの実施形態によるリンク分離ツールを示す単純化された平面図および側面図である。
【
図27B】
図27Aに示されるリンク分離ツールの使用を示す単純化した側面図である。
【
図28】骨に曲線状のボアをあける可撓性骨ツールキットの使用方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本発明は、そのいくつかの実施形態では可撓性骨ツールに関し、より詳細には、ただし非排他的には、骨の穴開けまたはオーソバイオロジカル処置で、関節鏡下処置において前進させて骨に入れられるように構成された可撓性骨ツールに関する。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、半径方向の干渉接続部によって互いに相互接続された複数のリンクを備える可撓性骨ツールに関する。いくつかの実施形態では、リンクは、細長い本体を形成するように共通の軸線に沿って配置される。いくつかの実施形態では、細長い本体は管状の幾何学形状を有する。いくつかの実施形態では、管状体は10~50のリンクを備える。いくつかの実施形態では、管状体は、20~40のリンク、10未満、50超、または任意の中間の数を備える。
【0070】
いくつかの実施形態では、管状体の外径は、例えば、2~10mm、4~6.5mm、5~20mm、または中間の、より大きい、もしくはより小さい直径の範囲である。
【0071】
いくつかの実施形態では、可撓性管状体の長さは、30~120mm、40mm~100mm、60~80mm、120mm超、30mm未満、または任意の中間の長さの範囲である。いくつかの実施形態では、単一のリンクの直径は、2~6.5mm、3~4.5mm、3mm未満、6.5mm超、または任意の中間の直径である。いくつかの実施形態では、単一のリンクの長さは、2~8mm、4~6mm、2mm未満、8mm超、または任意の中間の長さである。
【0072】
いくつかの実施形態では、リンクの長さは、前のリンクの係合部分の外寸(例えば、直径)、リンク受入れ部分の壁の厚さ(即ち、受入れ部分の内径)、および2つの連結されたリンク間の軸線方向のギャップの少なくとも1つによって規定される。
【0073】
いくつかの実施形態では、半径方向の干渉接続部は、リンクの壁にある開口を通して挿入されるピンを備える。いくつかの実施形態では、ピンは、位置合わせされた第1のリンクの開口と第2の先行するまたは連続するリンクの開口とを介して挿入される。いくつかの実施形態では、ピンは円筒状である。いくつかの実施形態では、ピンは圧力下で挿入され、摩擦によって開口内部で保持される。いくつかの実施形態では、ピンは、少なくとも1つのリンクの管腔に面する内壁表面に当接し、ツールを回転させたときに加えられる遠心力または他の力によってピンが適所から脱落するのを防ぐ、ピンヘッドを一端に備える。
【0074】
いくつかの実施形態では、ピンヘッドは、1つ以上のリンクの管腔に面する内壁表面に当接する平坦化された表面を備える。いくつかの実施形態では、ピンヘッドは、半径方向内側に向けて先細になっているので、1つ以上のリンクの管腔に面する内壁表面にある受入れ開口の周周りの陥凹部に嵌合する。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、複数のリンクを備える可撓性骨ツールに関する。いくつかの実施形態では、骨ツールの少なくとも一部分を含むリンクは互いに類似している。いくつかの実施形態では、リンクは互いに類似していない。いくつかの実施形態では、リンクは異なる長さを含む。いくつかの実施形態では、リンクは異なる直径を含む。いくつかの実施形態では、リンク間の枢動角度は可撓性管状体の長さに沿って変動する。いくつかの実施形態では、ピンによって、連結されたリンクを噛み合わされた構成で維持したまま、連結されたリンクが互いに対して少なくとも枢動移動することが可能になる。いくつかの実施形態では、リンクは類似したリンクおよび類似していないリンクを含む。いくつかの実施形態では、各リンクは、少なくとも1つの受入れ部分と少なくとも1つの係合部分とを備える。いくつかの実施形態では、第1のリンクの受入れ部分は、第2のリンクの係合部分を受け入れるようにサイズ設定され嵌合される。いくつかの実施形態では、第1のリンクの係合部分は、第2のリンクの受入れ部分に挿入されるようにサイズ設定され嵌合される。
【0076】
いくつかの実施形態では、可撓性管状体は回転対称性を有する。いくつかの実施形態では、可撓性管状体は回転非対称性を有する。
【0077】
いくつかの実施形態では、リンクは、骨組織除去要素を前進させて骨に入れるのに十分な大きさのトルクに耐え、リンクの本体に沿ってリンク間でトルクを伝達する硬質材料で作られる。
【0078】
いくつかの実施形態では、受入れ部分および係合部分はそれぞれ、直径方向に対向する半径方向を向いた開口を備える。いくつかの実施形態では、一対の直径方向に対向する開口を接続する第1の仮想線は、係合部分の直径方向に対向する開口を接続する第2の仮想線に対してある角度にある。
【0079】
いくつかの実施形態では、角度は90度である。いくつかの実施形態では、開口はリンク壁の全厚に延在する。いくつかの実施形態では、開口は少なくとも1つのピンを受け入れるようにサイズ設定され嵌合される。いくつかの実施形態では、ピンの長さは、開口の高さで測定して少なくともリンク壁2つ分の厚さである。
【0080】
いくつかの実施形態では、可撓性骨ツールの少なくとも一部分は、少なくとも1つの第1の近位のリンクと少なくとも1つの第2の次の遠位のリンクとを備える。いくつかの実施形態では、近位のリンクの係合部分は、遠位のリンクの受入れ部分の内部に移動可能に受け入れられる。いくつかの実施形態では、近位および遠位のリンクは、近位のリンクの係合部分の開口が遠位のリンクの受入れ部分の開口と位置合わせされるようにして係合される。
【0081】
いくつかの実施形態では、リンクは半径方向の干渉接続部によって接続される。いくつかの実施形態では、半径方向の干渉接続部は、近位のリンクの係合部分および遠位のリンクの受入れ部分の位置合わせされた開口の両方に受け入れられ、細長い本体の長手方向軸線に対して半径方向に延在し、第1のリンクおよび第2の次のリンクの開口に受け入れられる、少なくとも1つのピンを備える。
【0082】
いくつかの実施形態では、リンクの間の接続によってリンクが互いに対して移動するようになる。いくつかの実施形態では、移動は振り子移動である。いくつかの処置では、例えば、治療された範囲の解剖学的形状により、曲線経路を辿ることによって骨にアクセスする(即ち、骨に直接的にアクセスするのではなく)ことが必要なことがある。いくつかの処置では、標的の骨に対して特定の角度で近付いていく。本明細書に記載するような可撓性ツールは、管状体が関節接合できることにより、かかる処置で特に有用なことがある。いくつかの実施形態では、隣接したリンク間を関節接合できることにより、軟組織を通って骨に近付くとき、および/または骨内へと前進させるときなど、曲線経路に沿ってツールを前進させることができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、可撓性ツールはガイドワイヤの上で導入される。任意に、いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、可撓性骨ツールを骨に導く曲線経路を画定する。あるいは、ガイドワイヤは、骨に至る実質的に直線の経路を画定する。いくつかの実施形態では、可撓性ツールを屈曲させて、ガイドワイヤによって画定される経路を忠実に辿ることができる。任意に、いくつかの実施形態では、細長い本体を、50mm、30mm、60mm程度の小さい、または中間の、より大きい、もしくはより小さい曲げ半径へと屈曲させることができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、半径方向の干渉接続部は、例えば、身体から撤回させる間にツールに働く引抜き力に抵抗することによって、リンク間の連結を維持するように構成される。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、ピンによって連結される複数のリンクとピンを適所で保定する固定具とを備える可撓性骨ツールに関する。いくつかの実施形態では、固定デバイスは環状の幾何学形状を有する。いくつかの実施形態では、固定具は半円の幾何学形状を有する。いくつかの実施形態では、固定具は弾力性であり、内側に面する表面と、外側に面する表面と、応力を加えると固定要素が弾力的に変形することを可能にするスリットとを画定する。いくつかの実施形態では、受入れ部分の外表面は円周状の陥凹部を含む。いくつかの実施形態では、ピンは、陥凹部に形成された開口に受け入れられ、固定具は、内側に面する表面がピンの少なくとも1つの外側に面する表面と係合した状態で、円周状の陥凹部に沿って位置する。いくつかの実施形態では、固定具は直径方向に対向する固定的に取り付けられたピンを含む。いくつかの実施形態では、固定要素は、対応するリンクに対するスナップ嵌めアタッチメントを備える。いくつかの実施形態では、固定具は、複数の相互に分離された指状の突起を含む、概念的なドーム状の幾何学形状を有する。
【0086】
いくつかの実施形態では、適用されたとき、固定具は、円周状の陥凹部および陥凹部内に形成された開口の高さでリンクの少なくとも一部分を包囲し、ピンが開口から半径方向に出るのを阻止する。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、互いに相互接続された複数のリンクを備え、互いに力を伝達することができる、可撓性骨ツールに関する。いくつかの実施形態では、リンクは、リンク間でトルクなどの力を伝達するのを可能にするように構築された合致する幾何学形状を有する。いくつかの実施形態では、伝達された力は、ツールの少なくとも遠位端を前進させて骨に入れるのに十分な大きさを含む。いくつかの実施形態では、トルクは、例えばドリルによって、ツールの近位端に加えられ、相互接続されたリンクによって遠位方向に伝達される。いくつかの実施形態では、切削ヘッドがツールの遠位端に構成され、骨にボアを形成する、および/または骨の既存のボアをリーミングするのに十分な大きさのトルクが、リンクによって遠位方向に切削ヘッドへ伝達される。
【0088】
いくつかの実施形態では、切削および/またはリーミングヘッドは交換可能である。いくつかの実施形態では、切削および/またはリーミングヘッドのサイズおよび/またはタイプは、ヘッドのタイプおよびサイズの選択肢から選択され、医療処置に先立って可撓性管状部分の遠位端に取り付けられる。いくつかの実施形態では、切削および/またはリーミングヘッドはリンク分離ツールを用いて分離される。
【0089】
いくつかの実施形態では、リンクの合致する幾何学形状は、隣接したリンクに対するリンクの軸線方向回転と干渉するように形作られた、少なくとも1つの表面を含む。いくつかの実施形態では、隣接したリンクは互いに対して角度をもって回転される。任意に、受入れリンクの開口は、次のリンクの開口に対してある角度で、例えば90度の角度で位置決めされる。
【0090】
いくつかの実施形態では、可撓性骨ツールは、単一の外科処置の間、使用後に使い捨て可能であるように構成されてもよい。本発明のいくつかの実施形態の一態様は、ツールの遠位端に骨組織除去要素を備える可撓性骨ツールに関する。いくつかの実施形態では、骨組織除去要素は骨にボアを形成するように構成される。いくつかの実施形態では、骨組織除去要素は骨にある既存のボアをリーミングするように構成される。いくつかの実施形態では、骨組織除去要素は、骨にボアを形成する、および/または骨にある既存のボアをリーミングするように構成される。
【0091】
いくつかの実施形態では、例えば、特定の形状および/またはサイズおよび/または機能などを有する特定の切削ヘッド(例えば、穴開け用に構成されたヘッド、リーミング用に構成されたヘッド)が選択され、ツールの遠位端に取り付けられ、例えば最遠位のリンクに接続される。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、1つ以上の可撓性骨ツールを備え、1つ以上の近位の保持部分、保持部分の遠位に取り付けられた1つ以上のリンク、ツールに追加するための複数の別個のリンク、ならびに/あるいは様々な形状および/またはサイズおよび/または機能の複数の切削ヘッドを含む、キットに関する。いくつかの実施形態では、キットは、リンクを組み立てる、および/またはリンクを分離する、および/または切削ヘッドを組み立て、交換、もしくは分離するように構成された、調節デバイスを含んでもよい。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態では、「骨組織除去要素」および/または「切削ヘッド」は、骨を切削すること、骨にボアを形成すること、骨にある既存のボアをリーミングすること、骨組織を貫通すること、骨組織を断片化もしくは粉砕すること、および骨を研削することの1つ以上に合わせて、形状およびサイズ設定された要素を指す。
【0094】
本明細書において参照するとき、「近位」という用語は、身体の外側方向など、ツールのユーザ端の方向を指してもよく、「遠位」という用語は、ツールのユーザ端から離れていく、標的の骨の方向を指してもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、様々な関節鏡下処置の間、特に前十字靭帯再建術(ACL再建術)の間、損傷した前十字靭帯を置換するために、膝に作られたボアに外科用組織グラフトが挿入される。損傷した靭帯が膝から除去され、次に穴開けによって作られたボアを通してグラフトが挿入される。この技術と関連する可能性がある、考えられる困難は、特定の角度で膝関節に近付くことである。大腿骨とリーマとが特定の角度で係合できるようにする、いくつかの任意の方法が開発されてきた。任意の例示的な方法は、大腿骨上を通してドリルガイドおよびガイドピンを位置決めし、大腿骨孔を作るために、ガイドピンの上でリーマを摺動させるものである。
【0096】
いくつかの実施形態は、ドリルを大腿骨に対して便利に位置決めするようにする、可撓性外科用リーマに関する。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態は、関節鏡下再建処置で使用される、特に前十字靭帯再建術(ACL)で有用な、可撓性リーマに関する。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態は、ヒト大腿骨に孔をあける改善された可撓性リーマを提供することを目的とする。
【0099】
したがって、本発明の一実施形態に従って、ガイドピンの上で摺動可能な可撓性リーマが提供される。いくつかの実施形態では、リーマは、近位の保持部分と、中間部分と、複数の相互接続されたリンクを含む遠位部分とを含む。任意に、リンクは、ガイドピンの方向に対応する方向で1つのリンクから次のリンクへと力を伝達できるようにする、関節接合される形で取り付けられる。
【0100】
本発明の一実施形態によれば、可撓性リーマは遠位の穴開け端部も含む。
【0101】
任意に、ガイドピンはニチノールで作られる。
【0102】
更に本発明の一実施形態によれば、リンクは分離不能に相互接続される。
【0103】
いくつかの実施形態では、リンクは接続ピンによって相互接続される。
【0104】
いくつかの実施形態では、リンクは深絞りプロセスを使用して製造されてもよい。
【0105】
いくつかの実施形態は、近位の保持部分と、中間部分と、関節接合される形で取り付けられた、複数の相互接続されたリンクを含む遠位部分とを含み、それによってガイドピンの方向に対応する方向で1つのリンクから次のリンクへと力を伝達できるようにした、ガイドピンの上で摺動可能な可撓性リーマに関する。
【0106】
本発明の少なくとも1つの実施形態について詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記述される、ならびに/あるいは図面および/または実施例に例証される、構造の詳細ならびに構成要素および/または方法の構成に、その応用が必ずしも限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な手法で実践または実施されることが可能である。
【0107】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、接続要素を使用して相互接続された複数のリンクを備える可撓性骨ツールを前進させて骨に入れる方法のフローチャートである、
図1を参照する。
【0108】
いくつかの実施形態では、例えば本明細書に更に記載するような、接続要素によって相互接続された複数のリンクを備える可撓性骨ツールが提供される(100)。いくつかの実施形態では、リンクは、共通の長手方向軸線に沿って配置される。いくつかの実施形態では、連鎖されたリンクは実質的に管状の曲げ可能な本体を画定する。いくつかの実施形態では、骨ツールは、管状体の遠位端に構成された切削ヘッドを備える。任意に、切削ヘッドは、骨にボアを切削するように形状および/またはサイズ設定されて、ツールがドリルビットとして機能できるようにしている。それに加えて、またはその代わりに、切削ヘッドは、例えば回転運動が、ツールに、例えばツールの近位のヘッド部分に加えられたときに、骨にある既存のボアを広げるように形状および/またはサイズ設定されて、ツールがリーマとして機能するのを可能にしている。いくつかの実施形態では、骨ツールは、管状体の近位に構成された保持部分を備える。近位の保持部分は、医師などのユーザによって、および/またはドリルなどの追加ツールによって係合されてもよい。いくつかの実施形態では、管状体および任意に近位の保持部分はカニューレ化される。任意に、カニューレ化ツールは、ガイドワイヤ、ガイドピン、縫合糸、および/またはカニューレ内に嵌合する、および/またはカニューレを貫通させることができる他の細長い要素の上で送達される。
【0109】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤが標的の骨に導入される。任意に、例えば、ドリルなどを利用して、ガイドワイヤを前進させて骨に入れることによって、最初のボアが骨に穴開けされる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの少なくとも一部分が、アーチ状または他の曲線形状に曲げられる。任意に、ガイドワイヤは、その少なくとも一部(例えば、遠位端)が標的の骨に固着されると、選択された曲率へと曲げられる。
【0110】
いくつかの実施形態では、可撓性骨ツールはガイドワイヤの上で導入される(102)。任意に、ガイドワイヤは、可撓性骨ツールを骨に導く曲線経路を画定する。あるいは、ガイドワイヤは、骨に至る実質的に直線の経路を画定する。いくつかの処置では、例えば、治療された範囲の解剖学的形状により、曲線経路を辿ることによって骨にアクセスする(即ち、骨に直接的にアクセスするのではなく)ことが必要であるか、または好ましい。いくつかの処置では、標的の骨に対して特定の角度で近付いていく。本明細書に記載するような可撓性ツールは、管状体が関節接合できることにより、かかる処置で特に有用なことがある。
【0111】
いくつかの実施形態では、可撓性骨ツールは前進させられて骨に入れられる(104)。いくつかの実施形態では、ツールを前進させることは、例えば、ドリルをツールの近位の保持部分に連結することによって、管状体を軸線方向で回転させることを含む。任意に、ツールの管状体の少なくとも一部分を前進させて、骨に予め形成されたボアに入れ、前進させる際にボアの直径を広げる。あるいは、ツールはボアを作成する。いくつかの実施形態では、管状体の複数のリンク間のスナップ嵌め接続部は、骨の抵抗力に十分に耐える強度であるとともに、リンク間で、例えば近位の保持部分から遠位のヘッドへ、トルクなどの力を伝達するのを可能にする。
【0112】
例えば本明細書に記載するような方法は、関節鏡下処置において特に有利であり、大腿骨にボアが形成される前十字靭帯再建処置で特に有用であることができる。いくつかの例では、軟組織器官または他の骨を包囲する曲線経路を辿ることが必要なボアを形成するため、特定の角度で骨に接近する。任意に、いくつかの実施形態による可撓性骨ツールは、(任意に、骨に最初のボアを作るのに使用された曲げられたガイドワイヤの上で)大腿骨に導入され、グラフトを受け入れる孔を作成するのに最初のボアを広げるリーマとして機能する。任意に、ツールは、曲線経路に沿って導入されて、所望の位置で骨に当たる。
【0113】
いくつかの実施形態では、ユーザは、所望の機能(例えば、骨を貫通してボアを作成する、既存のボアを広げる、および/または他の機能)を実施するのに適した切削ヘッドを選択し、ヘッドをツール上に組み立てる。
【0114】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、可撓性骨ツールのリンク構造を示す単純化した分解組立図、およびピンの種類を示す単純化した側面図である、
図2A、2B、および2Cを参照する。
図2に示されるように、いくつかの実施形態では、各リンクは、2つの連続するリンクごとの間に半径方向の干渉接続部を備える、1つ以上のピン、例えば124A/Bおよび/または128A/Bを受け入れるようにサイズ設定され嵌合された、1つ以上の開口または一対以上の半径方向で直径方向に対向する開口、例えば134/136を備える。いくつかの実施形態では、ピン、例えば124A/Bおよび/または128A/Bは、円筒状であり、圧力下で挿入され、摩擦のみによって開口、例えば134/136内部で保持される。いくつかの実施形態では、
図2Bおよび2Cに示されるように、ピン124/128は、リンク120の管腔に面する内壁表面に当接し、ツール150を回転させたときに加えられる遠心力または他の力によってピンが適所から脱落するのを防ぐ、ピンヘッド250/252をピンの一端に備える。
図2Bに示されるように、ピンヘッド1250は、リンク120の管腔に面する内壁表面に当接する平坦面を備える。いくつかの実施形態では、
図2Cに示されるように、ピンヘッド1252は半径方向内側に向けて先細になっているので、リンク120の管腔に面する内壁表面にある開口134/136の周周りの陥凹部に嵌合する。いくつかの実施形態では、単一のピンが、開口134および/または136を介してねじ込まれる。いくつかの実施形態では、ピンの対の各対、例えば124A/Bおよび/または128A/Bが、対応する開口136および/または134を介してねじ込まれる。
【0115】
いくつかの実施形態では、
図2に示されるように、3つのリンク120、122、および126の接続によって、可撓性骨ツールの可撓性部分110が形成される。図示される実施形態では、第1のリンク120は、2つの接続ピン124Aおよび124Bによって次のより遠位のリンク122に接続され、更に遠位のリンク126が、接続ピン128Aおよび128Bによってリンク122に接続されるように構成される。いくつかの実施形態では、各リンク120、122、および126は、各リンク(120/122/124)が次のリンクの受入れ部分130内に受け入れられるように構成された係合部分132を備えるように、受入れ部分130と係合部分132とを備える。例えば、第2のリンク(例えば、122)の受入れ部分130は、第1の近位のリンク(例えば、120)の係合部分132を受け入れるようにサイズ設定され嵌合される。
【0116】
いくつかの実施形態では、係合部分132は、円筒状の幾何学形状を備え、少なくとも2つの直径方向に対向する開口134を備える。あるいは、また任意に、いくつかの実施形態では、係合部分132は、異なる断面周辺の幾何学形状、外側形状、例えば六角形、卵形、および/または次のリンクの受入れ部分130内に受け入れられるように構成された他の外側形状を画定する。
【0117】
いくつかの実施形態では、受入れ部分130は、ほぼ円筒状の第1の近位のセグメントと、内側に向けて先細になった第2の遠位のセグメントと、受入れ部分130の第1の近位セグメントの壁に位置する2つの直径方向に対向する開口136とを備える。いくつかの実施形態では、開口136は円形である。いくつかの実施形態では、開口136および/または134は軸線方向で楕円形である。あるいは、また任意に、リンク(例えば、122)受入れ部分130は、六角形、卵形、および/または連続する近位のリンク(例えば、120)の対応する係合部分132内に受け入れるように構成された他の外側形状など、異なる内側形状を画定する。いくつかの実施形態では、開口136および/または134は、軸線方向に延びて、軸線133に平行に延在する。楕円形の開口136および/または134は、1つのリンクが先行するまたは後続の連続するリンクに対して軸線方向で移動することを可能とする。
【0118】
いくつかの実施形態では、リンク120、122、および126は、一般に、休止時に相互の長手方向軸線133に沿って配置される。
【0119】
いくつかの実施形態では、リンク120の係合部分132の外側形状は、次のリンク122の受入れ部分130内に嵌合するように、受入れ部分130の内径よりも一般に小さい外径のものである。
【0120】
いくつかの実施形態では、受入れ部分130の内側形状は、近位のリンク120の係合部分132を中に受け入れるように、係合部分132の外径よりも一般に大きい内径のものである。例えば、第1の近位のリンク(例えば、120)の係合部分132は、第2の次の遠位のリンク(例えば、122)の受入れ部分130に挿入され嵌合するように、サイズ設定され嵌合される。
【0121】
いくつかの実施形態では、リンクが軸線方向で位置合わせされると、例えば、リンク122は、連続する次の近位のリンク120に対して一般的に90度の角度で軸線方向に回転させられて、リンク122の開口136がリンク120の開口134と位置合わせされる。
【0122】
いくつかの実施形態では、各リンクは、複数の開口134および136と、接続ピン124または128、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、10、または中間の、より多い、もしくはより少ない数のピンとを備える。任意に、単一のツールが有する複数のリンクは互いに異なる数の延長部/ピンを備えてもよい。任意に、延長部/ピンの数は、互いに対するリンクの移動の程度を決定する。例えば、単一の開口は、より多数の開口と比べて、移動、例えば軸線方向および/または半径方向の移動のより大きな自由度を提供することができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、リンクは金属で、例えばステンレス鋼で形成される。それに加えて、またはその代わりに、また任意に、リンクは、生体適合性プラスチック、例えばポリカーボネートおよび/またはイソプラストで形成される。
【0124】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンクおよび/または少なくとも管状体および/または切削ヘッドは使い捨てである。
【0125】
いくつかの実施形態では、リンクによって伝達されるトルクの大きさは、骨組織を穴開けするのに十分であり、例えば3N・cm~15N・cmの範囲である。任意に、管状体は、1N・cm~150N・cm、例えば5~20N・cm、10~40N・cm、50~100N・cmの範囲の大きさのトルクを伝達するように構成される。
【0126】
いくつかの実施形態では、係合部分、および受入れ部分の内側管腔の合致する非円形の幾何学形状は、ツールの機能性を維持するのに十分なトルクをリンク間で依然として伝達することができる程度だけ、リンクが互いに対して軸線方向で回転することができるように、サイズ設定され嵌合される。
【0127】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、可撓性骨ツールを屈曲構成および直線構成でそれぞれ示す単純化した側面図である、
図3Aおよび3Bを参照する。
【0128】
図3Aは、屈曲構成の可撓性骨ツール150の一実施形態を示している。ツール150は管状体152を備え、その遠位部分は任意の切削ヘッド154を含む。任意に、いくつかの実施形態では、可撓性骨ツール150は、挿通されたときにツール150の遠位端から突出する、ガイドワイヤ156(図示なし)によって挿通されることができる。ツール150は、管状体152の近位の保持部分158を備える。保持部分158は、ドリルおよび/または他のツールによって係合されるように形状および/またはサイズ設定された、近位のヘッド部分160を近位に備える。
【0129】
いくつかの実施形態では、ツール150は、例えば、曲線および/または直線経路である、挿通されたガイドワイヤ156によって画定される経路を辿るように構築される。いくつかの実施形態では、管状体152は、曲げ半径Rまで曲げられるように構成される。任意に、曲げ半径Rは、例えば、50mm、30mm、20mm程度の小さい、または中間の、より大きい、もしくはより小さい半径であることができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、管状体がガイドワイヤの曲率と適応するように屈曲することができる能力は、リンク120と122、または122と126の間の相対角度配向によってもたらされる。任意に、回転運動をツールに与えている間(例えば、穴開けの間)、リンクは、リンク間の相対角度配向によって決定される数分の1回転ごとに、ガイドワイヤ経路と再び位置合わせされる。一例では、隣接したリンク間における90度の配向では、リンクは4分の1回転ごとに規定の経路に「戻る」であろう。任意に、リンクの回転配向によって、剛性リンクによって引き起こされることがある、非連続の回転をもたらす回転の分断化が低減される。任意に、回転配向される隣接したリンク間の角度を縮小することによって、ツールの管状体のより平滑で実質的に連続する回転が可能になる。
【0131】
いくつかの実施形態では、管状体152の外径は、例えば、2~10mm、4~6.5mm、5~20mm、または中間の、より大きい、もしくはより小さい直径の範囲である。任意に、ツール150は、類似の直径の骨にボアを形成するか、または既存のボアをリーミングするように構成される。
【0132】
図3Bは、直線構成のツール150を示している。いくつかの実施形態では、ツール150は、環状体152の遠位端に位置する切削ヘッド154を備える。
【0133】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、L字形の曲線状に曲げられた可撓性骨ツール150を示す単純化した斜視図である、
図4を参照する。
【0134】
いくつかの実施形態では、可撓性骨ツール150の管状体152は、曲げ半径R、例えば30mm、40mm、60mm、または中間の、より大きい、もしくはより小さい半径へと曲げられるように構成される。任意に、管状体152は、例えば、遠位の切削ヘッド154の回転軸が、ハンドル158の回転軸に対して0~180度の角度であるように、L字形の曲線状に曲げられるように構成される。いくつかの実施形態では、角度は90度である。可撓性骨ツールがL字形または更にはU字形の曲線状に屈曲される構成は、例えば脊髄手術中など、例えば解剖学的構造の周りを進むことによって、曲線経路を通して骨にアクセスすることが必要な処置において有利なことがある。いくつかの実施形態では、ツールをU字曲線状に屈曲させたときにその軸線を中心にしてツールを回転させることで、トルクを実質的に反対方向から、例えばツール150の近位部分から加え、関節接合されたリンクによって遠位の切削ヘッド154に伝達しながら、骨のボアが穴開けされ、および/または広げられる。
【0135】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、単一のリンク120を示す単純化した図である、
図5を参照する。それに加えて、線A-Aに沿って得た、
図5の単一のリンク120の実施形態を示す単純化した断面図である、
図6Aおよび6Bを参照する。
【0136】
いくつかの実施形態では、単一のリンク120、122、および/または126は、ステンレス鋼で作られ、深絞りを用いて製造される。
【0137】
本明細書のいずれかの箇所に詳細に記載されるように、単一のリンク120、122、および/または126は、近位の受入れ部分130と遠位の係合部分132とを備える。係合部分132は、次の遠位のリンクの受入れ部分130内に受け入れられるようにサイズ設定され嵌合される。
【0138】
いくつかの実施形態では、係合部分132はほぼ円筒状であり、少なくとも2つの直径方向に対向する開口134を有し、開口134間にわたる直径は長手方向軸線133に対して横断方向に配向されている。あるいは、また任意に、係合部分132は、六角形、卵形、および/または次のリンクの受入れ部分130内に受け入れられるように構成された他の外側形状など、異なる外側形状を画定する。
【0139】
いくつかの実施形態では、受入れ部分130は、ほぼ円筒状の第1の近位のセグメントと、内側に向けて先細になった第2の遠位のセグメントと、受入れ部分の第1の近位のセグメントの壁に位置し、長手方向軸線133に対して横断方向で配向された軸線に沿って延在する、2つの直径方向に対向する開口136とを備える。あるいは、また任意に、受入れ部分130は、六角形、卵形、および/または次のリンクの対応する係合部分132内に受け入れられるように構成された他の外側形状など、異なる外側形状を画定する。
【0140】
開口134は、開口136が位置決めされる面にほぼ垂直な面上に位置決めされる。
【0141】
いくつかの実施形態では、リンク120の係合部分132の外側形状は、次のリンク122の受入れ部分130内に嵌合するように、受入れ部分130の内径よりも一般に小さい外径のものである。
【0142】
いくつかの実施形態では、受入れ部分130の内側形状は、近位のリンク120の係合部分132を中に受け入れるように、係合部分132の外径よりも一般に大きい内径のものである。
【0143】
いくつかの実施形態では、開口136は、開口134に対して一般的に90度の角度で位置決めされる。
【0144】
いくつかの実施形態では、各リンクは、複数の開口134および136と、対応する接続ピン128および/または124、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、10、または中間の、より多い、もしくはより少ない数の延長部/ピンとを備える。任意に、単一のツールのリンクは異なる数の延長部/ピンを備える。任意に、延長部/ピンの数は、互いに対するリンクの移動の程度を決定する。例えば、単一の開口は、より多数の開口と比べて、移動、例えば軸線方向および/または半径方向の移動のより大きい自由度を提供することができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、120、122、および126などの単一のリンクの直径は、2~6.5mmの範囲内であり、120、122、および126などの単一のリンクの長さは、4~8mmの範囲内である。
【0146】
図6Aおよび6Bに示される例示的な実施形態では、開口136は、円形(
図6A)または楕円形(
図6B)であってもよい。いくつかの実施形態では、開口136および/または134の一方もしくは両方が楕円形であることができる。楕円形の開口136/134は、先行するまたは後続の連続するリンク120に対する、前記ツールの回転軸に沿った第1のリンク120の軸線方向の制限された範囲での移動を可能とする。
【0147】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、可撓性骨ツール150のリンクの配置を示す単純化した断面図である、
図7を参照する。
【0148】
図7の例示的な実施形態に示されるように、リンク120、122、および126は軸線方向で位置合わせされ、各リンクは、次の連続する遠位のリンクまたは先行の連続する近位のリンクに対して連結され、軸線方向で回転させられる(例えば、その長手方向軸線を中心にして回転させられる)。いくつかの実施形態では、リンクは、1つのリンクの開口136が先行の連続する近位のリンクの開口134と位置合わせされるように、互いに対して90度の角度で連結され回転させられる。いくつかの実施形態では、ツール150の遠位の切削ヘッド154が骨に接触すると、リンク間の周方向接触面積が増加し、リンクは互いに向かって軸線方向に近付けられる。接触面積の増加は負荷の分散に寄与し、それによって、リンクをともに保持する歯状の延長部/ピンに作用する負荷が低減されるので、周方向接触面積の増加によって、例えば穴開け中に利点がもたらされる。
【0149】
図7に示される実施形態では、リンク120および次の受入れリンク122は、互いに対して回転方向垂直に配向される。リンク120の開口136は、断面図で、リンク122の開口136の断面の面に対して垂直な面上で延在するように示される。
【0150】
いくつかの実施形態では、リンク120、122、および126は、本明細書のいずれかの箇所に詳細に記載されるように、接続ピン124および128を使用して互いと係合される。
図7の例では、リンク122の開口136は、リンク120の開口134と位置合わせされるとともにそれに当接し、両方の開口124および136を通して駆動される接続ピン124は、2つのリンクを互いに固定するとともに、本明細書のいずれかの箇所に詳細に記載されるように、回転自由度を提供する。
【0151】
いくつかの実施形態では、リンクの1つ以上の寸法は、複数のリンクを備える管状体の特定の曲げ半径範囲を提供するように選択される。任意に、曲げ半径の程度は、リンク寸法、例えば、2つの連続するリンクごとの接触面積の寸法、リンク120の係合部分132の長さ、リンク120の係合部分132の外径、および受入れリンク122の受入れ部分130の内径によって決定される。いくつかの実施形態では、より小さい曲げ半径へと曲がるように構成されたより可撓性の高い管状体を、長さ寸法の増加、外形寸法の減少、および内径寸法の増加のうち1つ以上によって提供することができる。任意に、例えば記載したようなリンク寸法を選択することによって、2つの連続するリンク間で使用されずに残る空間がより大きくなるので、リンクを曲げる間、より回転しやすくなり、管状体152の屈曲度合いを大きくすることができる。
【0152】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、可撓性骨ツール150の連結されたリンクの配置を示す、部分図を示す
図8Aおよび8B、ならびに単純化した部分断面図を示す
図8Cを参照する。
図8A、8B、および8Cに示されるように、遠位のリンク122は、受け入れられた先行する近位のリンク120に連結して示されている。それに加えて、また任意に、遠位のリンク122は近位のリンク120に連結され、それに対して例えば90度または4分の1回転分回転されている。リンクは曲げ配向で示されている。それに加えて、
図8Aの線C-Cに沿って得た、
図8Aの断面図を示す
図8Cを参照する。
【0153】
任意に、距離L2にわたって延在する軸線方向のギャップが、隣り合ったリンク120および122の周囲の少なくとも一部分の間に存在する。任意に、L2の程度は、開口134および136、ならびにリンクをともに連結する対応する接続ピン124の数のうち1つ以上による影響を受ける。いくつかの実施形態では、連結されると、係合部分132が受入れ部分130内に位置決めされるように、連続するリンク120は1つ以上のピン124/128によって連結される。係合部分132を受入れ部分130内で連結するピン124Aおよび124Bは、係合部分132が受入れ部分130に完全に挿入されるのを妨げて、係合部分132に使用されずに残される受入れリンクの受入れ部分130内の体積(例えば、ギャップ)が残されるので、係合部分132が受入れ管腔内部で移動(例えば、枢動移動)することが可能になり、管状体152またはそのセグメントの曲げ半径、および張力が管状体152に作用する。
【0154】
いくつかの実施形態では、ツール150は骨内部の曲線経路に沿って前進させられる。任意に、ツールは、管状体の曲げ半径がガイドワイヤの曲げ半径と適合性がある限り、ガイドワイヤ156によって画定される経路を辿る。それに加えて、またはその代わりに、ツール150は直線経路に沿って前進させられる。
【0155】
いくつかの実施形態では、管状体は、骨の表面に対する骨内への特定の深さ、例えば1mm~5cmの範囲の深さまで前進させられる。任意に、管状体は、例えば、切削ヘッド154が、ツールを挿入した面と反対側の骨の面から出るように、骨を横切って前進させられる。
【0156】
いくつかの実施形態では、ツールはその軸線を中心にして回転させられて、前進して骨に入る。任意に、回転運動は、ドリルを近位の保持部分160のヘッドに連結することによって加えられる。いくつかの実施形態では、ツールの近位端上に加えられるトルクは、接続されたリンクによってツール150の遠位端に伝達される。いくつかの実施形態では、ツールは、例えば、3.2、4.5、4.8N・cmなど、3N・cm~5N・cm、または中間の、より高い、もしくはより低い値の範囲内のトルクを伝達するように構成される。
【0157】
いくつかの実施形態では、例えば、可撓性骨ツールが骨にボアを穴開けするのに使用されるとき、管状体は、例えばニチノール、ステンレス鋼で作られた、可撓性コアを備えてもよい。任意に、コアは、管状体の曲げを可能にするのに十分な可撓性であるが、骨を貫通するために骨組織からの比較的強い力に管状体が耐える必要がある穴開けの間、リンクを支持するのに十分な剛性であるように選択される。
【0158】
特に、
図8A~8Cでは、ツール150の曲げ配向において、互いに対する角度「a」でリンク120および122が位置決めされ、したがって、
図7に示されるように、リンク122の受入れ部分130の近位端が休止時はその配向に対して角度的に変位されることが分かる。いくつかの実施形態では、角度「a」は2~10度の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、2つの連続するリンク間の回転角度「a」は5~8度の範囲であってもよい。
【0159】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、骨組織除去リンクを示す単純化した側面図である、
図9を参照する。
図9に示される例では、遠位の骨組織除去リンクは切削ヘッド154を含む。いくつかの実施形態では、遠位の骨組織除去リンクは骨リーマを含む。いくつかの実施形態では、切削ヘッド154は可撓性骨ツール150と係合するように構成される。
【0160】
いくつかの実施形態では、切削ヘッド154は、先行するリンクの係合部分を受け入れるように構築された近位の受入れ部分170を備える。任意に、受入れ部分170は、例えば、本明細書のいずれかの箇所に記載するような、内部陥凹部を含む。いくつかの実施形態では、切削ヘッド154は、骨を貫通する、および/または骨にある既存のボアを拡大する1つ以上の切刃174を備える、遠位の切削部分172を含む。
【0161】
いくつかの実施形態では、切削部分172の断面積は、受入れ部分170(および任意に、ツールの管状体の残りの部分)の断面積よりも大きい。一例では、切削部分172の最大直径は、受入れ部分170の直径よりも、少なくとも5%、10%、20%、40%、または中間の、より多い、もしくはより少ない比率の分大きい。
【0162】
いくつかの実施形態では、ツールの近位部分は調節可能である。任意に、近位のヘッドの構造は、ドリル、リーマ、ねじ回し、および/または他のツールなど、外科用ツールと係合するように選択される。任意に、近位のヘッドは、回転運動を可撓性骨ツールに加えるのに適したツールに接続するように適合される。例えば、近位のヘッドは、六角形状、正方形状、円形状、および/またはツールによって係合されるように形状およびサイズ設定された他の任意の形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、近位部分の寸法(軸線方向長さおよび/または直径など)は必要性に従って選択される。
【0163】
いくつかの実施形態では、キットが提供される。任意に、キットは、複数の別個のリンクと、異なる構造および/またはサイズを有する複数の切削ヘッドと、近位の保持部分、および初期基本長の管状体(例えば、40mm、60mm、100mmなど、30~120mmの範囲の長さ、または中間の、より長い、もしくはより短い管状体)を備える可撓性骨ツールとを備える。
【0164】
それに加えて、またはその代わりに、また任意に、リンクの取付けおよび/または分離は、例えば、本明細書のいずれかの箇所に説明されるような専用ツールを用いてユーザによって、手動で実施される。
【0165】
本発明の一実施形態の特定の特徴は、ツールが深絞りおよびピンの接続を使用して製造されて、安価な製造プロセスとなるので、管状ツール152が使い捨てツールとして使用されてもよいことである。
【0166】
次に、本発明のいくつかの実施形態に従って構築され動作可能である、組み立てられた可撓性骨ツールを示す単純化した図である
図10、および
図10の可撓性骨ツールのリンク構造を示す単純化した部分分解組立図である
図11を参照する。
【0167】
複数の相互接続されたリンクアセンブリ202を備える、可撓性骨ツール200の一実施形態が、
図10に見られる。可撓性骨ツール200は、ツールの近位端にあるシャフトまたは近位の保持部分204と、互いに対して枢動可能に変位されるように適合された複数の相互接続されたリンクアセンブリ202と、ツールの遠位端にある切削ヘッド206とを含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、リンクアセンブリ202は、休止時は共通の長手方向軸線208に沿って配置される。いくつかの実施形態では、相互接続されたリンクアセンブリは実質的に管状の曲げ可能な本体を画定する。いくつかの実施形態では、骨ツールは、管状体の遠位端に構成された切削ヘッドを備える。任意に、切削ヘッドは、骨にボアを切削するように形状および/またはサイズ設定されて、ツールがドリルビットとして機能できるようにしている。それに加えて、またはその代わりに、また任意に、切削ヘッドは、例えば回転運動が、ツールに、例えばツールの近位の保持部分に加えられたときに、骨にある既存のボアを広げるように形状および/またはサイズ設定されて、ツールがリーマとして機能するのを可能にしている。いくつかの実施形態では、骨ツールは、管状体の近位に構成された保持部分を備える。いくつかの実施形態では、近位の保持部分は、医師などのユーザによって、および/またはドリルなどの追加ツールによって係合されてもよい。いくつかの実施形態では、管状体および任意に近位の保持部分はカニューレ化される。任意に、カニューレ化ツールは、ガイドワイヤ、ガイドピン、縫合糸、および/またはカニューレ内に嵌合する、および/またはカニューレを通過させることができる他の細長い要素の上で送達される。
【0169】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤが標的の骨に導入される。任意に、例えば、ドリルなどを利用して、ガイドワイヤを前進させて骨に入れることによって、最初のボアが骨に穴開けされる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの少なくとも一部分が、アーチ状または他の曲線形状に曲げられる。任意に、ガイドワイヤは、ワイヤの少なくとも一部(例えば、遠位端)が標的の骨に固着された後、選択された曲率へと曲げられる。
【0170】
いくつかの実施形態では、リンクアセンブリ202はそれぞれ、2つの接続ピン210および固定具212を用いて、次のより遠位のリンクアセンブリ202に接続されるように構成される。各リンクアセンブリ202は、受入れ部分230および係合部分240を有する、リンク220を備える。いくつかの実施形態では、リンクアセンブリ202のリンク220は、係合部分240が次のリンク220の受入れ部分230内に受け入れられるように構成される。
【0171】
いくつかの実施形態では、係合部分240はほぼ円筒状であり、2つの直径方向に対向する開口242を有する。あるいは、係合部分240は、六角形、卵形、および/または対応する幾何学形状を有する次のリンクの受入れ部分230内に受け入れられるように構成された他の外側形状など、異なる外側形状を画定する。
【0172】
いくつかの実施形態では、受入れ部分230は、ほぼ円筒状の外側形状を有し、円周状の環状陥凹部250および2つの直径方向に対向する開口252がその中に形成される。あるいは、また任意に、係合部分240は、六角形、卵形、および/または対応する幾何学形状を有する次のリンクの対応する受入れ部分230内に受け入れられるように構成された他の外側形状など、異なる外側形状を画定する。
【0173】
いくつかの実施形態では、リンク220の係合部分240の外径は、次のリンク220の受入れ部分230内に嵌合するように、受入れ部分230の内径よりも一般に小さい外径のものである。
【0174】
いくつかの実施形態では、受入れ部分230の内径は、近位のリンク220の係合部分240を中に受け入れるように、係合部分240の外径よりも一般に大きい。
【0175】
いくつかの実施形態では、開口242は、開口252に対して一般的に90度の角度で位置決めされる。
【0176】
いくつかの実施形態では、次のリンク220はそれぞれ、別のリンク220に対して一般的に90度の角度で位置決めされるので、第1のリンク220の開口242が第2のリンク220の開口252と位置合わせされるように適合される。
【0177】
接続ピン210は、ほぼ円筒状の部分260と、外側に面する表面264を画定する、ほぼ外側に向けて先太になった部分262とを含むことが留意される。
【0178】
いくつかの実施形態では、各リンクは、複数の開口242および252と、接続ピン210、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、10、または中間の、より多い、もしくはより少ない数の延長部/ピンとを備える。任意に、単一のツールのリンクは異なる数の延長部/ピンを備える。任意に、延長部/ピンの数は、互いに対するリンクの移動の程度を決定する。例えば、単一の開口は、より多数の開口と比べて、移動、例えば軸線方向および/または半径方向の移動のより大きい自由度を提供することができる。
【0179】
いくつかの実施形態では、リンクはステンレス鋼などの金属で形成される。それに加えて、またはその代わりに、リンクは、ポリカーボネートおよび/またはイソプラストなどの生体適合性プラスチックで形成される。
【0180】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンクおよび/または少なくとも管状体および/または切削ヘッドは使い捨てである。
【0181】
いくつかの実施形態では、リンクによって伝達されるトルクの大きさは、骨組織を穴開けするのに十分であり、例えば3N・cm~15N・cmの範囲である。任意に、管状体は、5~20N・cm、10~40N・cm、50~100N・cmなど、1N・cm~150N・cmの範囲の大きさのトルクを伝達するように構成される。
【0182】
いくつかの実施形態では、係合部分、および受入れ部分の内側管腔の合致する非円形の幾何学形状は、十分なトルクをリンク間で依然として伝達することができる程度だけ、リンクアセンブリ202が互いに対して軸線方向で回転することができるように選択される。
【0183】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、可撓性骨ツール200のシャフト204を示す単純化した斜視図および断面を線B-Bに沿って得た断面図である、
図12Aおよび12Bを参照する。
【0184】
いくつかの実施形態では、シャフトまたは近位の保持部分204はカニューレ化される。いくつかの実施形態では、カニューレ化シャフト204は、近位の把持端部270と、中間のほぼ円筒状の部分272と、近位の接続部分274とを備える。
【0185】
図12Aおよび12Bに示される実施形態に示されるように、2つの直径方向に対向する開口276は、接続ピン210を用いて最近位のリンクアセンブリ202に取り付けるため、近位の接続部分274に形成される。
【0186】
次に、可撓性骨ツール200の単一のリンク220を示す単純化した斜視図および断面図である、
図13Aおよび13Bを参照する。いくつかの実施形態では、リンク220は、例えばステンレス鋼で作られ、深絞りを用いて製造される。
【0187】
詳細に上述したように、いくつかの実施形態では、リンク220、係合部分240は、次のリンク220の受入れ部分230内に受け入れられるようにサイズ設定され嵌合される。
【0188】
いくつかの実施形態では、係合部分240はほぼ円筒状であり、長手方向軸線208に対して横断方向に置かれた軸線に沿って延在する、2つの直径方向に対向する開口242を有する。あるいは、係合部分240は、六角形、卵形、および/または次のリンクの受入れ部分230内に受け入れられるように構成された他の外側形状など、異なる外側形状を画定する。
【0189】
いくつかの実施形態では、受入れ部分230はほぼ円筒状の外側形状のものであり、外表面上に形成された円周状の環状陥凹部250と、陥凹部250内に形成された2つの直径方向に対向する開口252とを有し、長手方向軸線208に対して横断方向で配向された軸線に沿って延在する。あるいは、受入れ部分230は、六角形、卵形、および/または次のリンクの対応する係合部分240内に受け入れられるように構成された他の外側形状など、異なる外側形状を画定する。
【0190】
開口252は、開口242が位置決めされる面にほぼ垂直な面上に位置決めされる。
【0191】
陥凹部250は、外側に面する表面290と、陥凹部250を制限する2つの肩縁部表面292とを画定する。
【0192】
いくつかの実施形態では、第1のリンク220の係合部分240の外側形状は、次のリンク220の受入れ部分230内に嵌合するように、受入れ部分230の内径よりも一般に小さい外径のものである。
【0193】
いくつかの実施形態では、受入れ部分230の内径は、近位のリンク220の係合部分240を中に受け入れるように、係合部分240の外径よりも一般に大きい。
【0194】
いくつかの実施形態では、開口252は、開口242に対して一般的に90度の角度で位置決めされる。
【0195】
いくつかの実施形態では、単一のリンク220の直径は2~6.5mmの範囲内であり、単一のリンク220の長さは4~8mmの範囲内である。
【0196】
次に、リンクアセンブリ固定要素の例示的な実施形態を示す単純化した斜視図である、
図14A、14B、および14Cを参照する。
【0197】
図14Aに示されるように、固定要素212は、ほぼ環状形状の一体的に作られた環状要素であり、弾力性または半弾力性材料、例えばステンレス鋼、または他の任意の生体適合性材料で作られる。固定要素212は、内側に面する表面300と、外側に面する表面302と、応力を加えたときに固定要素212が弾力的に変形することを可能にするスリット304とを画定する。
【0198】
いくつかの実施形態では、適用されたとき、固定具212は、開口252の高さでリンク220の少なくとも一部分を包囲し、ピン210が開口252から半径方向に出るのを阻止する。
【0199】
いくつかの実施形態では、
図14Bおよび14Cに示されるように、固定要素212は、内側に面する表面300に堅く連結された少なくとも1つのピン210を含む。
図14Bおよび14Cの例では、各固定要素は一対の直径方向に対向するピン210を備える。いくつかの実施形態、例えば
図14Bでは、固定要素212は
図14Aの固定要素212と同様の形状である。いくつかの実施形態では、固定要素212は、
図14Cに示されるような半円の幾何学形状を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のピン210を備える固定要素212は、例えば
図14Bおよび14Cに示されるピン210など、ピン210によって互いに対して連結された連続するリンクの枢動移動を支持する。いくつかの実施形態では、
図14A~14Cに示される固定要素212はそれぞれ、対応するリンク220に対するスナップ嵌めアタッチメントを備える。
【0200】
次に、可撓性骨ツール200のいくつかの連続するリンクアセンブリに沿って得た単純化した部分断面図である、
図15を参照する。
図15に示される実施形態では、リンクアセンブリ202は、休止時には応力が掛からない配向で互いに連結されている。
【0201】
図15に示される実施形態では、近位のリンク220および次の遠位の受入れリンク220は互いに対して垂直に配向されていることが分かる。近位のリンク220の開口252は、断面では、遠位のリンク220の開口242の断面の面に対して垂直な面上で延在して示されている。
【0202】
リンク220は、接続ピン210を使用して互いに連結される。近位のリンク220の開口242は、遠位のリンク220の開口252と位置合わせされ、接続ピン210は両方の開口242および252を通して挿入され、
図16A~16Cで更に分かるように、回転自由度を提供しながら2つのリンクをともに固定する。
【0203】
本発明の一実施形態の特定の特徴は、接続ピン210が外側に向けて先太になった部分262を有することにより、接続ピン210をリンク220の内部に完全に挿入できないことである。本発明の一実施形態の特定の特徴は、固定要素212が各リンク220の陥凹部250内に装着され、リンク220の肩縁部292によって制限されることである。固定要素212の内側に面する表面300は、接続ピンの外側に面する表面264と係合し、それによって接続ピン210が開口242および252から脱落するのを防ぎ、またそれによって接続ピン210は、リンク220内でしっかりと保持され、複数のリンク220をともにしっかりと保定する。固定要素212を、スリット204の形成によってもたらされるばね特性によって、リンク220上に装着するのが可能であることが注目される。
【0204】
次に、互いに連結された可撓性骨ツール200のいくつかの連続するリンクアセンブリ202の実施形態を示す単純化した斜視図および
図16Aの線C-Cに沿って得られる断面図である、
図16A、16B、および16Cを参照する。リンクアセンブリ202は、
図16A~Cでは曲げ配向で示される。
【0205】
図16A~16Cに示される実施形態は曲げ配向で示されている。リンクアセンブリ202は互いに対して角度「a」で位置決めされ、したがって、
図15に示されるように、遠位のリンク220の受入れ部分230の近位端は、休止時はその配向に対して角度的に変位される。いくつかの実施形態では、角度「a」は2~10度の範囲であってもよく、特に、2つの連続するリンク間の回転角度「a」は5~8度の範囲であってもよい。
【0206】
リンクアセンブリ202のアレイを曲げると、距離Lにわたって延在する軸線方向のギャップが、隣り合ったリンクアセンブリ202の周囲の少なくとも一部分の間に作られる。任意に、距離Lの程度は、開口242および252とリンクをともに連結する対応する接続ピン210の数、受入れ陥凹部の内部で係合部分240が移動可能になる、係合部分240によって使用されず残される受入れリンク内の体積のうち1つ以上によって影響を受ける。
【0207】
いくつかの実施形態では、リンクの1つ以上の寸法は、複数のリンクを備える管状体の特定の曲げ半径範囲を提供するように選択される。任意に、曲げ半径の程度は、リンク220の係合部分240の長さ、リンク220の係合部分240の外径、および受入れリンク220の受入れ部分230の内径など、リンク寸法によって決定される。いくつかの実施形態では、より小さい曲げ半径へと曲がるように構成されたより可撓性の管状体を、長さ寸法の増加、外形寸法の減少、および内径寸法の増加のうち1つ以上によって提供することができる。任意に、例えば記載したようなリンク寸法を選択することによって、2つの連続するリンク間で使用されずに残る空間がより大きくなるので、リンクを曲げる間、より回転しやすくなる。
【0208】
次に、曲げ配向で示される、ガイドピンの上に装着された可撓性骨ツール200の例示的な実施形態を示す単純化した側面図である
図17、ならびに患者の骨内における曲げ配向で示される、ガイドピンの上に装着された可撓性骨ツール200の例示的な実施形態を示す単純化した斜視図および断面図である、
図18Aおよび18Bを参照する。
【0209】
図17に示される実施形態に示されるように、ともにしっかりと保定されたリンクアセンブリ202のアレイは、管状体320を有する可撓性骨ツール200を形成し、その遠位部分は切削ヘッド206を含み、その近位部分はシャフト204を含む。可撓性骨ツール200は、ツール200の遠位端から突出する、ガイドピン350によって挿通されることができる。シャフトまたは近位の保持部分204は、ドリルおよび/または他のツールによって係合されるように形状および/またはサイズ設定された、近位の把持端部270を含む。
【0210】
いくつかの実施形態では、ツール200は、例えば曲線および/または直線経路である、ガイドピン350によって画定される経路を辿るように構築される。いくつかの実施形態では、管状体320は、曲げ半径Rへと曲げられるように構成される。任意に、曲げ半径Rは、例えば、50mm、30mm、20mm程度の小さい、または中間の、より大きい、もしくはより小さい半径であることができる。
【0211】
いくつかの実施形態では、管状体がガイドピンの曲率と適応するように屈曲することができる能力には、リンクアセンブリ202間の相対角度配向が寄与する。任意に、いくつかの実施形態では、回転運動をツールに与えている間(例えば、穴開けの間)、リンクは、連続するリンクアセンブリ202の間の角度配向によって決定される数分の1回転ごとに、ガイドピン経路と位置合わせされるように「戻る」。例えば、隣接したリンク間における90度の軸線方向回転配向では、リンクは4分の1回転ごとに規定の経路に「戻る」であろう。任意に、リンクの回転配向によって、剛性リンクによって引き起こされることがある、非連続の回転をもたらす回転の分断化が低減される。任意に、回転配向される隣接したリンク間の角度を縮小することによって、ツールの管状体のより平滑で実質的に連続する回転が可能になる。
【0212】
いくつかの実施形態では、管状体320の外径は、例えば、2~10mm、4~6.5mm、5~20mm、または中間の、より大きい、もしくはより小さい直径の範囲である。任意に、ツール200は、骨にボアを形成するか、または骨にある既存のボアを類似の直径までリーミングするように構成される。
【0213】
いくつかの実施形態では、ツール200は骨内部の曲線経路に沿って前進させられる。任意に、ツールは、管状体の曲げ半径がガイドワイヤの曲げ半径と適合性がある限り、ガイドピン350によって画定される経路を辿る。それに加えて、またはその代わりに、ツール200は直線経路に沿って前進させられる。
【0214】
いくつかの実施形態では、管状体は、骨の表面に対する骨内への特定の深さ、例えば1mm~5cmの範囲の深さまで前進させられる。任意に、管状体は、例えば、切削ヘッド206が、ツールを挿入した面と反対側の骨の面から出るように、骨を横切って前進させられる。
【0215】
いくつかの実施形態では、ツールはその軸線を中心にして回転させられて、前進して骨に入る。任意に、回転運動は、ドリルを近位の把持部分270のヘッドに連結することによって加えられる。いくつかの実施形態では、ツールの近位端上に加えられるトルクは、接続されたリンクアセンブリによってツール200の遠位端に伝達される。いくつかの実施形態では、ツールは、例えば、3.2、4.5、4.8N・cmなど、3N・cm~5N・cm、または中間の、より高い、もしくはより低い値の範囲内のトルクを伝達するように構成される。
【0216】
いくつかの実施形態では、例えば、可撓性骨ツールが骨にボアを穴開けするのに使用されるとき、管状体は、例えばニチノール、ステンレス鋼で作られた、可撓性コアを備えてもよい。任意に、コアは、管状体の曲げを可能にするのに十分な可撓性であるが、骨を貫通するために骨組織からの比較的強い力に管状体が耐える必要がある穴開けの間、リンクを支持するのに十分な剛性であるように選択される。
【0217】
いくつかの実施形態では、可撓性骨ツールはガイドピン350の上で導入される。任意に、ガイドピン350は可撓性骨ツールを骨に導く曲線経路を画定する。あるいは、ガイドピンは、骨に至る実質的に直線の経路を画定する。いくつかの処置では、例えば、治療された範囲の解剖学的形状により、曲線経路を辿ることによって骨にアクセスする(即ち、骨に直接的にアクセスするのではなく)ことが必要であるか、または好ましい。いくつかの処置では、標的の骨に対して特定の角度で近付いていく。本明細書に記載するような可撓性ツール200は、管状体が関節接合できることにより、かかる処置で特に有用なことがある。
【0218】
いくつかの実施形態では、各リンクは、連結された先行するまたは後続のリンクに対して移動または枢動する自由度を有するように構成される。関節接合の自由は、いくつかの実施形態では、先行するまたは後続の次のリンクのうち少なくとも1つに対して2~10度枢動するように制限される。しかしながら、最大枢動角度は、いくつかの実施形態では、リンク間で一定のままであるが、複数のリンクの長さに沿って累積する効果によって、可撓性骨ツール150の可撓性管状部分152の曲げ半径Rが20~80mmになる。
【0219】
いくつかの実施形態では、連続するリンク間の枢動自由度の変化によって、可撓性ツール150の可撓性部分の全長に沿って累積する曲げ効果がもたらされて、ツール全体の曲げ半径に影響する。
【0220】
いくつかの例では、ツール200の遠位の切削ヘッド206が骨に接触すると、リンクアセンブリ間の周方向接触面積が増加し、リンクは互いに向かって軸線方向に近付けられる。接触の増加は負荷の分散に寄与し、それによって、リンクをともに保持する接続ピン210に作用する負荷が低減されるので、周方向接触面積の増加によって、例えば穴開け中に利点がもたらされる。
【0221】
いくつかの実施形態では、可撓性骨ツールは前進させられて患者の骨に入れられる。いくつかの実施形態では、ツールを前進させることは、例えば、ドリルをツールの近位の保持部分に連結することによって、管状体を軸線方向で回転させることを含む。任意に、ツールの管状体の少なくとも一部分を前進させて、骨に予め形成されたボアに入れ、前進させる際にボアの直径を広げる。あるいは、ツールはボアを作成する。いくつかの実施形態では、管状体の複数のリンク間のスナップ嵌め接続部は、骨の抵抗力に十分に耐える強度であるとともに、リンク間で、例えば近位の保持部分から遠位のヘッドへ、トルクなどの力を伝達するのを可能にする。
【0222】
例えば本明細書に記載するような方法は、関節鏡下処置において特に有利であり、大腿骨にボアが形成される前十字靭帯再建処置で特に有用であってもよい。いくつかの例では、ボアを形成するため、特定の角度で骨に近付く。任意に、いくつかの実施形態による可撓性骨ツールは、(任意に、骨に最初のボアを作るのに使用された曲げられたガイドワイヤの上で)大腿骨に導入され、グラフトを受け入れる孔を作成するのに最初のボアを広げるリーマとして機能する。任意に、ツールは、曲線経路に沿って導入されて、所望の位置で骨に当たる。
【0223】
いくつかの実施形態では、ユーザは、所望の機能(例えば、骨を貫通してボアを作成する、既存のボアを広げる、および/または他の機能)を実施するのに適した切削ヘッドを選択し、ヘッドをツール200上に組み立てる。
【0224】
次に、本発明の一実施形態に従って構築され動作可能である、組み立てられた可撓性骨ツールを示す単純化した斜視図である
図19、および
図19の可撓性骨ツールのリンク構造を示す単純化した部分分解組立図である
図20を参照する。
【0225】
図19に示されるように、可撓性骨ツール400は複数の相互接続されたリンクアセンブリ402を備える。いくつかの実施形態では、可撓性骨ツール400は、ツールの近位端にあるシャフトまたは近位の保持部分404と、互いに対して枢動可能に変位されるように適合された複数の相互接続されたリンクアセンブリ402と、ツールの遠位端にある切削ヘッド406とを含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、リンクアセンブリ402は、休止時は共通の長手方向軸線408に沿って配置される。いくつかの実施形態では、相互接続されたリンクアセンブリは実質的に管状の曲げ可能な本体を画定する。いくつかの実施形態では、骨ツールは、管状体の遠位端に構成された切削ヘッドを備える。任意に、切削ヘッドは、骨にボアを切削するように形状および/またはサイズ設定されて、ツールがドリルビットとして機能できるようにしている。それに加えて、またはその代わりに、切削ヘッドは、例えば回転運動が、ツールに、例えばツールの近位のヘッド部分に加えられたときに、骨にある既存のボアを広げるように形状および/またはサイズ設定されて、ツールがリーマとして機能するのを可能にしている。いくつかの実施形態では、骨ツールは、管状体の近位に構成された保持部分を備える。近位の保持部分は、医師などのユーザによって、および/またはドリルなどの追加ツールによって係合されてもよい。いくつかの実施形態では、管状体および任意に近位の保持部分はカニューレ化される。任意に、カニューレ化ツールは、ガイドワイヤ、ガイドピン、縫合糸、および/またはカニューレ内に嵌合する、および/またはカニューレを貫通させることができる他の細長い要素の上で送達される。
【0227】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤが標的の骨に導入される。任意に、例えば、ドリルなどを利用して、ガイドワイヤを前進させて骨に入れることによって、最初のボアが骨に穴開けされる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの少なくとも一部分が、アーチ状または他の曲線形状に曲げられる。任意に、ガイドワイヤは、その少なくとも一部(例えば、遠位端)が標的の骨に固着されると、選択された曲率へと曲げられる。
【0228】
リンクアセンブリ402はそれぞれ、1つ以上の接続ピン410および1つ以上の固定具412を用いて、次のより遠位のリンクアセンブリ402に接続されるように構成される。各リンクアセンブリ402は、受入れ部分430および係合部分440を有し、次のリンク420の受入れ部分430内に受け入れられるように受入れ部分430の遠位に構成された、リンク420を備える。
【0229】
いくつかの実施形態では、係合部分440はほぼ円筒状であり、2つの直径方向に対向する開口442を有する。あるいは、また任意に、係合部分440は、六角形、卵形、および/または次のリンクの受入れ部分430内に受け入れられるように構成された他の外側形状など、異なる外側形状を画定する。
【0230】
いくつかの実施形態では、受入れ部分430は、全体的に丸み付けられた内側に湾曲した遠位端448を有するほぼ円筒状の外側形状と、リンク420の受入れ部分430と係合部分440との間の環状の周方向首部分450とを備える。いくつかの実施形態では、受入れ部分430および/または係合部分440の壁は、その内部に形成された2つの直径方向に対向する開口452を備える。あるいは、また任意に、受入れ部分430は、六角形、卵形、および/または次のリンクの対応する係合部分440内に受け入れられるように構成された他の外側形状など、異なる外側形状を画定する。
【0231】
いくつかの実施形態では、リンク420の係合部分440の外径は、次のリンク420の受入れ部分430内に嵌合するように、受入れ部分430の内径よりも一般に小さい外径のものである。
【0232】
いくつかの実施形態では、受入れ部分430の内径は、近位のリンク420の係合部分440を中に受け入れるように、係合部分440の外径よりも一般に大きい。
【0233】
いくつかの実施形態では、開口442は、開口452に対して一般的に90度の角度で位置決めされる。
【0234】
いくつかの実施形態では、次のリンク420はそれぞれ、先行するまたは後続の連続するリンク420に対してある角度で、例えば90度の角度で位置決めされ回転させられるので、第1のリンク420の開口442が第2のリンク420の開口452と位置合わせされる。
【0235】
いくつかの実施形態では、接続ピン410は、ほぼ円筒状の部分460と、外側に面する表面464を画定するほぼ外側に向けて先太になった部分462とを含む。
【0236】
いくつかの実施形態では、各リンクは、複数の開口442および452と、接続ピン410、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、10、または中間の、より多い、もしくはより少ない数の延長部/ピンとを備える。任意に、単一のツールのリンクは異なる数の延長部/ピンを備える。任意に、延長部/ピンの数は、互いに対するリンクの移動の程度を決定する。例えば、単一の開口は、より多数の開口と比べて、移動、例えば軸線方向および/または半径方向の移動のより大きい自由度を提供することができる。
【0237】
いくつかの実施形態では、リンクは、例えばステンレス鋼などの金属材料で形成される。それに加えて、またはその代わりに、また任意に、リンクは、例えばポリカーボネートおよび/またはイソプラストなど、生体適合性プラスチックで形成される。
【0238】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリンクおよび/または少なくとも管状体および/または切削ヘッドは使い捨てである。
【0239】
いくつかの実施形態では、リンクによって伝達されるトルクの大きさは、骨組織を穴開けするのに十分であり、例えば3N・cm~15N・cmの範囲である。任意に、管状体は、5~20N・cm、10~40N・cm、50~100N・cmなど、1N・cm~150N・cmの範囲の大きさのトルクを伝達するように構成される。
【0240】
いくつかの実施形態では、係合部分、および受入れ部分の内側管腔の合致する非円形の幾何学形状は、十分なトルクをリンク間で依然として伝達することができる程度だけ、リンクアセンブリ402が互いに対して軸線方向で回転することができるように選択される。いくつかの実施形態では、可撓性骨ツール400のシャフト404は、
図10に示されるシャフト204と実質的に同一である。いくつかの実施形態では、可撓性骨ツール400のシャフト404は、
図10に示されるシャフト204と類似している。
【0241】
次に、可撓性骨ツール400の単一のリンク420を示す単純化した斜視図および断面図である、
図21Aおよび21Bを参照する。
【0242】
いくつかの実施形態では、リンク420は、金属材料、例えばステンレス鋼で作られ、深絞りを用いて製造される。
【0243】
本明細書に詳細に記載するように、リンク420は、次のリンク420の係合部分440を受け入れるようにサイズ設定され嵌合された受入れ部分430を備える。
【0244】
いくつかの実施形態では、係合部分440はほぼ円筒状であり、長手方向軸線408に対して横断方向に置かれた軸線に沿って延在する、2つの直径方向に対向する開口442を有する。あるいは、係合部分440は、六角形、卵形、および/または次のリンクの受入れ部分430内に受け入れられるように構成された他の外側形状など、異なる外側形状を画定する。
【0245】
いくつかの実施形態では、受入れ部分430は、丸み付けられた遠位端448を有し、受入れ部分430と係合部分440との間に環状の首部分450を形成する、ほぼ円筒状の外側形状のものである。一般的に、2つの直径方向に対向する開口452は、受入れ部分430に形成され、長手方向軸線408に対して横断方向で配向された軸線に沿って延在する。あるいは、受入れ部分430は、六角形、卵形、および/または次のリンクの対応する係合部分440内に受け入れられるように構成された他の外側形状など、異なる外側形状を画定する。
【0246】
開口452は、開口442が位置決めされる面にほぼ垂直な面上に位置決めされる。
【0247】
いくつかの実施形態では、第1のリンク420の係合部分440の外側形状は、次のリンク420の受入れ部分430内に嵌合するように、受入れ部分430の内径よりも一般に小さい外径のものである。
【0248】
いくつかの実施形態では、受入れ部分430の内径は、近位のリンク420の係合部分440を中に受け入れるように、係合部分440の外径よりも一般に大きい。
【0249】
いくつかの実施形態では、開口452は、開口442に対して一般的に90度の角度で位置決めされる。
【0250】
いくつかの実施形態では、単一のリンク420の直径は2~6.5mmの範囲内であり、単一のリンク420の長さは4~8mmの範囲内である。
【0251】
次に、可撓性骨ツール400の固定要素412の例示的な実施形態を示す単純化した図である、
図22Aおよび22Bを参照する。
【0252】
いくつかの実施形態では、固定要素412/414は、円筒状または半円形の近位部分490と、ギャップ496を間に画定する複数の相互に分離された指状の突起494を有する、概念的なドーム状の幾何学形状が全体的に丸み付けられた、内側に湾曲されたまたは延在する遠位部分とを有する、一体的に作られた要素である。ギャップ496によって、応力が加えられると固定要素412が弾力的に変形することができる。
【0253】
図22Bの実施形態に示されるように、固定要素414は、ギャップ450と、一体的に連結された1つ以上のピン410とを備える、半円形の幾何学形状を有する。固定要素412/414は、それらの弾力性により、対応するリンク420に対するスナップ嵌めアタッチメントを備える。
【0254】
次に、休止時の配向の可撓性骨ツール400の互いに連結されたいくつかの連続するリンクアセンブリ402に沿って得た、本発明のいくつかの実施形態による可撓性骨ツールの可撓性セグメントを示す単純化した部分断面図である、
図23を参照する。
【0255】
図23の例示的な実施形態に示されるように、近位のリンク420および次の遠位の受入れリンク420は、互いに対して垂直に軸線方向で回転させられる。近位のリンク420の開口452は、断面では、遠位のリンク420の開口442の断面の面に対して垂直な面上で延在して示されている。
【0256】
リンク420は、接続ピン410を使用して互いに連結される。近位のリンク420の開口442は、遠位のリンク420の開口452と位置合わせされ、接続ピン410は両方の開口442および452を通して挿入され、特に
図24A~24Cで更に分かるように、少なくとも回転または枢動自由度を提供しながら2つのリンクをともに固定する。
【0257】
本発明の一実施形態の特定の特徴は、接続ピン410が外側に向けて先太になった部分462を有するという事実により、接続ピン410をリンク420の内部に完全に挿入できないことである。本発明の一実施形態の特定の特徴は、内向きに延在する遠位部分492が各リンク420の首部分450で保定されるようにして、固定要素412が各リンク420の受入れ部分430上に装着されることである。固定要素412は、接続ピンの外側に面する表面464と係合し、それによって接続ピン410が開口442および452から脱落するのを防ぎ、またそれによって接続ピン410は、リンク420内でしっかりと保持され、複数のリンク420をともにしっかりと保定する。固定要素412を、ギャップ496によってもたらされるそのばね特性によって、リンク420上に装着するのが可能であることが注目される。
【0258】
次に、リンクアセンブリ402が曲げ配向で示され、断面を
図24Aの線C-Cに沿って得た、
図19の可撓性骨ツール400のいくつかの連続するリンクアセンブリ402をそれぞれ示す単純化した2つの異なる図および断面図である、
図24A~24Cを参照する。
【0259】
特に、
図24A~24Cでは、曲げ配向において、互いに対する角度「a」でリンクアセンブリ402が位置決めされ、したがって、
図23に示されるように、遠位のリンク420の受入れ部分430の近位端が休止時はその配向に対して角度的に変位されることが分かる。いくつかの実施形態では、角度「a」は2~10度の範囲であってもよく、特に、2つの連続するリンク間の回転角度「a」は5~8度の範囲であってもよい。
【0260】
リンクアセンブリ402のアレイを曲げると、距離Lにわたって延在する軸線方向のギャップが、隣り合ったリンクアセンブリ402の周囲の少なくとも一部分の間に作られる。任意に、距離Lの程度は、開口442および452とリンクをともに連結する対応する接続ピン410の数、受入れ陥凹部の内部で係合部分440が移動可能になる、係合部分440によって使用されず残される受入れリンク内の体積のうち1つ以上によって影響を受ける。
【0261】
いくつかの実施形態では、リンクの1つ以上の寸法は、複数のリンクを備える管状体の特定の曲げ半径範囲を提供するように選択される。任意に、曲げ半径の程度は、リンク420の係合部分440の長さ、リンク420の係合部分440の外径、および受入れリンク420の受入れ部分430の内径など、リンク寸法によって決定される。いくつかの実施形態では、より小さい曲げ半径へと曲がるように構成されたより可撓性の管状体を、長さ寸法の増加、外形寸法の減少、および内径寸法の増加のうち1つ以上によって提供することができる。任意に、例えば記載したようなリンク寸法を選択することによって、2つの連続するリンク間で使用されずに残る空間がより大きくなるので、リンクを曲げる間、より回転しやすくなる。
【0262】
次に、曲げ配向で示される、ガイドピンの上に装着された可撓性骨ツール400を示す単純化した側面図である
図25、ならびに患者の骨内における曲げ配向で示される、ガイドピンの上に装着された可撓性骨ツール400の実施形態を示す単純化した斜視図および断面図である、
図26Aおよび26Bを参照する。
【0263】
図25に示される例示的な実施形態に示されるように、ともにしっかりと保定されたリンクアセンブリ402のアレイは、管状体520を有する可撓性骨ツール400を形成し、その遠位部分は切削ヘッド406を含み、その近位部分はシャフト404を含む。可撓性骨ツール400は、ツール400の遠位端から突出する、ガイドピン500によって挿通されることができる。シャフト404は、ドリルおよび/または他のツールによって係合されるように形状および/またはサイズ設定された、近位の把持端部270を含む。
【0264】
いくつかの実施形態では、ツール400は、例えば曲線および/または直線経路である、ガイドピン500によって画定される経路を辿るように構築される。いくつかの実施形態では、管状体520は、曲げ半径Rへと曲げられるように構成される。任意に、曲げ半径Rは、例えば、50mm、30mm、20mm程度の小さい、または中間の、より大きい、もしくはより小さい半径であることができる。
【0265】
いくつかの実施形態では、管状体がガイドピンの曲率と適応するように屈曲することができる能力には、リンクアセンブリ402間の相対角度配向が寄与する。任意に、回転運動をツールに与えている間(例えば、穴開けの間)、リンクは、リンクアセンブリの間の角度配向によって決定される数分の1回転ごとに、ガイドピン経路と位置合わせされるように「戻る」。一例では、隣接したリンク間における90度の配向では、リンクは4分の1回転ごとに規定の経路に「戻る」であろう。任意に、リンクの回転配向によって、剛性リンクによって引き起こされることがある、非連続の回転をもたらす回転の分断化が低減される。任意に、回転配向される隣接したリンク間の角度を縮小することによって、ツールの管状体のより平滑で実質的に連続する回転が可能になる。
【0266】
いくつかの実施形態では、管状体520の外径は、例えば、2~10mm、4~6.5mm、5~20mm、または中間の、より大きい、もしくはより小さい直径の範囲である。任意に、ツール400は、骨にボアを形成するか、または骨にある既存のボアを類似の直径までリーミングするように構成される。
【0267】
いくつかの実施形態では、ツール400は骨内部の曲線経路に沿って前進させられる。任意に、ツールは、管状体の曲げ半径がガイドワイヤの曲げ半径と適合性がある限り、ガイドピン500によって画定される経路を辿る。それに加えて、またはその代わりに、ツール400は直線経路に沿って前進させられる。
【0268】
いくつかの実施形態では、管状体は、骨の表面に対する骨内への特定の深さ、例えば1mm~5cmの範囲の深さまで前進させられる。任意に、管状体は、例えば、切削ヘッド406が、ツールを挿入した面と反対側の骨の面から出るように、骨を横切って前進させられる。
【0269】
いくつかの実施形態では、ツールはその軸線を中心にして回転させられて、前進して骨に入る。任意に、回転運動は、ドリルを近位の把持部分270のヘッドに連結することによって加えられる。いくつかの実施形態では、ツールの近位端上に加えられるトルクは、接続されたリンクアセンブリによってツール400の遠位端に伝達される。いくつかの実施形態では、ツールは、例えば、3.2、4.5、4.8N・cmなど、3N・cm~5N・cm、または中間の、より高い、もしくはより低い値の範囲内のトルクを伝達するように構成される。
【0270】
いくつかの実施形態では、例えば、可撓性骨ツールが骨にボアを穴開けするのに使用されるとき、管状体は、例えばニチノール、ステンレス鋼で作られた、可撓性コアを備えてもよい。任意に、コアは、管状体の曲げを可能にするのに十分な可撓性であるが、骨を貫通するために骨組織からの比較的強い力に管状体が耐える必要がある穴開けの間、リンクを支持するのに十分な剛性であるように選択される。
【0271】
いくつかの実施形態では、可撓性骨ツールはガイドピン500の上で導入される。任意に、ガイドピン500は可撓性骨ツールを骨に導く曲線経路を画定する。あるいは、ガイドピンは、骨に至る実質的に直線の経路を画定する。いくつかの処置では、例えば、治療された範囲の解剖学的形状により、曲線経路を辿ることによって骨にアクセスする(即ち、骨に直接的にアクセスするのではなく)ことが必要であるか、または好ましい。いくつかの処置では、標的の骨に対して特定の角度で近付いていく。本明細書に記載するような可撓性ツール400は、管状体が関節接合できることにより、かかる処置で特に有用なことがある。
【0272】
いくつかの例では、ツール400の遠位の切削ヘッド406が骨に接触すると、リンクアセンブリ間の周方向接触面積が増加し、リンクは互いに向かって軸線方向に近付けられる。接触の増加は負荷の分散に寄与し、それによって、リンクをともに保持する接続ピン410に作用する負荷が低減されるので、周方向接触面積の増加によって、例えば穴開け中に利点がもたらされる。
【0273】
いくつかの実施形態では、可撓性骨ツールは前進させられて患者の骨に入れられる。いくつかの実施形態では、ツールを前進させることは、例えば、ドリルをツールの近位の保持部分に連結することによって、管状体を軸線方向で回転させることを含む。任意に、ツールの管状体の少なくとも一部分を前進させて、骨に予め形成されたボアに入れ、前進させる際にボアの直径を広げる。あるいは、ツールはボアを作成する。いくつかの実施形態では、管状体の複数のリンク間のスナップ嵌め接続部は、骨の抵抗力に十分に耐える強度であるとともに、リンク間で、例えば近位の保持部分から遠位のヘッドへ、トルクなどの力を伝達するのを可能にする。
【0274】
例えば本明細書に記載するような方法は、関節鏡下処置において特に有利であり、大腿骨にボアが形成される前十字靭帯再建処置で特に有用であってもよい。いくつかの例では、ボアを形成するため、特定の角度で骨に近付く。任意に、いくつかの実施形態による可撓性骨ツールは、(任意に、骨に最初のボアを作るのに使用された曲げられたガイドワイヤの上で)大腿骨に導入され、グラフトを受け入れる孔を作成するのに最初のボアを広げるリーマとして機能する。任意に、ツールは、曲線経路に沿って導入されて、所望の位置で骨に当たる。
【0275】
いくつかの実施形態では、ユーザは、所望の機能(例えば、骨を貫通してボアを作成する、既存のボアを広げる、および/または他の機能)を実施するのに適した切削ヘッドを選択し、ヘッドをツール400上に組み立てる。
【0276】
次に、
図27Aが、本発明のいくつかの実施形態によるリンク分離ツールを示す単純化した平面図および側面図であり、
図27Bが、
図27Aに示されるリンク分離ツールの使用を示す単純化した側面図である、
図27Aおよび27Bを参照する。
図27Aに示される例示的な実施形態に示されるように、リンク分離ツール2700は、第1の端部でハンドル2704に、第2の端部で分離端部2706に連結されたシャフト2702を備える。いくつかの実施形態では、分離端部2706は枝分かれし、可撓性骨ツール150の任意の2つの連続するリンク120および/またはリンクアセンブリ220の間に挿入されるようにサイズ設定され嵌合された、1つ以上のプロングを備える。いくつかの実施形態では、分離端部2706は、可撓性骨ツール150の周囲の少なくとも一部分に沿って、任意の2つの連続するリンク120の間に挿入されるようにサイズ設定され嵌合された、2つ以上のプロング2708を備える。
【0277】
いくつかの実施形態では、ツール2700は、シャフト2702の長手方向軸線に対してある角度でシャフト2702から延在する、片持ちアーム2710を備える。
【0278】
図27Bに示される例では、リンク分離ツール2700は、骨組織除去要素154と先行する連結されたリンク120との間で可撓性骨ツール150に適用される。いくつかの実施形態では、片持ちアーム2710の端面2712は、1つ以上の先行するリンク120の外表面上に位置し、分離ツール2700のハンドル2704が矢印2750によって示される方向で付勢されると、分離端部2700に対しててこ比を提供する。次に、可撓性骨ツールキットを使用する方法の単純化したフローチャートである、
図28を参照する。
【0279】
いくつかの実施形態では、可撓性骨ツールキットは、保持部分を有する可撓性骨ツール、保持部分の遠位に取付け可能な少なくとも1つの第1のリンク、保持部分および第1のリンクの少なくとも1つに取付け可能な組織除去要素を備える少なくとも1つの第2のリンク、複数の接続ピン、ならびに少なくとも1つのリンク分離ツールのうち少なくとも1つを備える。
【0280】
いくつかの実施形態では、
図28に示されるように、キットを使用する方法は、ステップ2802で、実施される処置(例えば、関節鏡下処置)に従って、所望の長さをもたらす適切な数のリンクを備える可撓性骨ツールを選択することを含む。いくつかの実施形態では、2804で、適切な骨組織除去要素、例えば骨切削要素、リーマ、ドリル、および他の任意の骨組織除去・操作デバイスを選択し、接続ピンを用いて要素を可撓性骨ツールの最遠位のリンクに取り付ける(2806)。2808で、外科的処置を実施し、処置が終了すると可撓性骨ツールを除去する(2810)。いくつかの実施形態では、可撓性骨ツールはこの時点で廃棄される(2814)。いくつかの実施形態では、リンク分離ツールは、骨組織除去要素を遠位のリンク2812から分離するのに使用され、同じまたは異なる骨組織除去要素が取り付けられる(2804)。
【0281】
本発明は、上記に特に図示し記載してきたものに限定されないことが、当業者には認識されるであろう。それよりもむしろ、本発明の範囲は、上記に記載した様々な特徴の組み合わせおよび下位組み合わせの両方、ならびに従来技術にはないその変形および修正を含む。
【0282】
「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」という用語、およびそれらの活用形は、「~を含むがそれらに限定されない」ことを意味する。
【0283】
「~から成る」という用語は、「~を含み、それらに限定される」ことを意味する。
【0284】
「本質的に~から成る」という用語は、組成物、方法、または構造が、追加の成分、ステップ、および/または部分を含んでもよいが、それらの追加の成分、ステップ、および/または部分が、特許請求される組成物、方法、または構造の基本特性および新規の特性を実質的に変更しない場合に限る。
【0285】
本明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈において別段の明確な指示がない限り、複数を含む。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、複数の化合物の混合物を含めて、複数の化合物を含んでもよい。
【0286】
本出願全体を通して、本発明の様々な実施形態が範囲の形式で提示されることがある。範囲の形式での説明は、単に便宜性および簡潔性のためのものであり、本発明の範囲に対する確固たる限定として解釈されるべきでないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、全ての可能な部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数値全てを具体的に開示しているものと見なされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数字、例えば1、2、3、4、5、および6を、具体的に開示しているものと見なされるべきである。これは、範囲の幅にかかわらず当てはまる。
【0287】
数字の範囲が本明細書に示されている場合は、示された範囲内にある任意の引用された数字(分数もしくは整数)を含むものと意図される。第1の指示数と第2の指示数と「の間に及ぶ/の間の範囲」、および第1の指示数「から」第2の指示数「までに及ぶ/までの範囲」という語句は、本明細書では交換可能に使用され、第1および第2の指示数ならびにそれらの間の全ての分数および整数を示すことが意図される。
【0288】
本明細書で使用するとき、「方法」という用語は、化学分野、薬理学分野、生物学分野、生化学分野、および医学分野の実務者には既知の手法、手段、技術、および手順、あるいはそれらの実務者によって既知の手法、手段、技術、または手順から容易に展開される手法、手段、技術、および手順を含むがそれらに限定されない、所与のタスクを遂行するための手法、手段、技術、および手順を指す。
【0289】
本明細書で使用するとき、「処理する」という用語は、状態の進行を抑止、実質的に阻害、緩徐化、もしくは逆転すること、状態の臨床的もしくは審美的症状を実質的に寛解させること、または状態の臨床的もしくは審美的症状の発現を実質的に防止することを含む。
【0290】
明瞭にするため、別々の実施形態の文脈において記載される本発明の特定の特徴はまた、単一の実施形態で組み合わせて提供されてもよいことが認識される。逆に、簡潔にするため、単一の実施形態の文脈において記載される本発明の様々な特徴はまた、別々に、または任意の好適な下位組み合わせで、または本発明の他の任意の記載される実施形態において好適なように提供されてもよい。様々な実施形態の文脈において記載される特定の特徴は、それらの要素がなければ実施形態が無効である場合以外は、それらの実施形態における必須の特徴と見なされるものではない。