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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】照明器具取付装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20230721BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20230721BHJP
   F21V 21/34 20060101ALI20230721BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V15/01 370
F21V15/01 380
F21V21/34
F21V31/00 100
F21V31/00 400
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019146274
(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公開番号】P2021026987
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鶴留 和幸
(72)【発明者】
【氏名】熊王 光
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-229386(JP,A)
【文献】特表2015-529939(JP,A)
【文献】特開2016-021365(JP,A)
【文献】特開2018-097923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 15/01
F21V 21/34
F21V 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の被取付部に照明器具本体を取り付ける照明器具取付装置であって、
前記照明器具本体の上面側に位置し、前記被取付部と接する器具取付部を備え、
前記器具取付部は、
前記被取付部が当接する上面部と、
前記被取付部に取り付けられたときに生じる変形を抑制する補強部と、を備え
前記補強部は、
前記上面部よりも前記被取付部側に突出して形成された複数のリブであり、
前記複数のリブは、
前記上面部に対し垂直方向から見たときに、前記被取付部が延びる方向に対して交差する方向に延びる、照明器具取付装置。
【請求項2】
前記補強部は、
前記上面部に対し交差する方向に立ち上がるように形成されている、請求項1に記載の照明器具取付装置。
【請求項3】
前記補強部は、
前記上面部に対し垂直方向から見たときに、前記被取付部の延びる方向に対して交差する、請求項1又は2に記載の照明器具取付装置。
【請求項4】
前記補強部は、
前記器具取付部の外周縁から前記照明器具本体が位置する側に立ち上がるように形成された立上部を含む、請求項1~3の何れか1項に記載の照明器具取付装置。
【請求項5】
前記補強部は、
前記上面部よりも前記被取付部側に突出して形成されたリブを含み、
前記リブは、
前記上面部に対し垂直方向から見たときに、前記被取付部が延びる方向に対して交差する方向に延びる、請求項1~4の何れか1項に記載の照明器具取付装置。
【請求項6】
前記器具取付部と前記被取付部とを接続する取付金具を、更に備え、
前記取付金具は、
前記被取付部の上面に当接する支持部と、
前記支持部の両端から前記被取付部の側面に沿って延びる2つの接続部と、
前記接続部の下端から前記接続部に交差する方向に延びる固定部と、を備え、
前記固定部は、
前記器具取付部に固定部材で取り付けられた際、前記固定部材の締め付けによる変形量が前記器具取付部よりも大きい、請求項1~5の何れか1項に記載の照明器具取付装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載の照明器具取付装置と、
前記器具取付部に取り付けられた前記照明器具本体と、を備える、照明器具。
【請求項8】
前記照明器具本体は、
筐体カバーと、
前記器具取付部と前記筐体カバーとの間に挟まれて配置される本体パッキンと、を備える、請求項7に記載の照明器具。
【請求項9】
前記複数のリブは、
間隔を置いて互いに平行に配置されている、請求項1~6の何れか1項に記載の照明器具取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具取付装置及び照明器具に関し、特に照明器具を線ぴ等の被取付部に取り付ける構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、二種金属製線ぴ(レースウェイ)に取付金具を用いて照明器具を取り付ける照明器具取付装置が知られている。照明器具は、天井等に取り付けられた器具本体に内蔵部品を覆うカバーを取り付けて設置される(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に係る照明器具取付装置は、レースウェイとこのレースウェイに吊下げる照明器具本体との間に装着される。照明器具取付装置は、照明器具本体の上部に密着して装着され、上面が平坦な取付ベース板であることを特徴としている。照明器具取付装置は、取付ベース板の上面が平坦になり、塵埃や水等が滞留しないようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-229386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の照明器具取付装置は、レースウェイと取付ベース板とを互いに固定する吊下げボルトの締め込みが強すぎると、吊下げボルトを結んだ仮想線を頂点に、取付ベース板が折れ曲がるように変形してしまう恐れがある。これにより、取付ベース板と照明装置との間に隙間が生じ、この隙間から水が浸入するという課題があった。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためのものであり、線ぴ等の被取付部に照明器具を取り付ける照明器具取付装置の変形を抑制し、照明器具本体の防水性を確保できる照明器具取付装置及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明器具取付装置は、柱状の被取付部に照明器具本体を取り付ける照明器具取付装置であって、前記照明器具本体の上面側に位置し、前記被取付部と接する器具取付部を備え、前記器具取付部は、前記被取付部が当接する上面部と、前記被取付部に取り付けられたときに生じる変形を抑制する補強部と、を備え、前記補強部は、前記上面部よりも前記被取付部側に突出して形成された複数のリブであり、前記複数のリブは、前記上面部に対し垂直方向から見たときに、前記被取付部が延びる方向に対して交差する方向に延びる。
【0008】
本発明に係る照明器具は、上記の照明器具取付装置と、前記器具取付部に取り付けられた前記照明器具本体と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、線ぴ等の取付部に照明器具を取り付ける取付装置の変形が抑制される。取付装置の変形が抑制されるため、取り付けられた照明器具のぐらつき、又は傾きが抑制され、取付装置と照明器具本体との間の防水性(止水性)が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る照明器具100の外観斜視図である。
図2】実施の形態1に係る照明器具100の外観図である。
図3】実施の形態1に係る照明器具100の断面図である。
図4】実施の形態1に係る照明器具100の断面図である。
図5】実施の形態1に係る照明器具100の分解斜視図である。
図6図4のスタッドボルト13の周辺の拡大図である。
図7図3のケーブル40の導入部17の周辺の拡大図である。
図8】実施の形態1に係る照明器具100の照明器具取付装置10の比較例である。
図9】実施の形態2に係る照明器具200の照明器具取付装置210の上面図である。
図10】実施の形態2に係る照明器具取付装置210の断面図である。
図11】実施の形態2に係る照明器具取付装置210の断面図である。
図12】実施の形態2に係る照明器具取付装置210の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態における照明装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。更に、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
<照明器具100>
図1は、実施の形態1に係る照明器具100の外観斜視図である。図2は、実施の形態1に係る照明器具100の外観図である。図3及び図4は、実施の形態1に係る照明器具100の断面図である。図3は、図2(a)のA-A部の断面を示しており、図4は、図2(a)のB-B部の断面を示している。照明器具100は、照明器具取付装置10と、照明器具本体20と、を備える。照明器具100は、例えば非常灯である。照明器具100は、照明器具取付装置10が被取付部90に固定されることにより、室内の天井などに取り付けられる。被取付部90は、角柱状であり、例えば二種金属製線ぴである。二種金属製線ぴは、レースウェイとも呼ばれる。なお、被取付部90は、二種金属製線ぴのみに限定されるものではない。
【0013】
<照明器具本体20>
照明器具本体20は、筐体カバー60を備える。筐体カバー60は、照明器具本体20の外観部を構成している。筐体カバー60の内部には、光源ユニット50、点灯装置70、及び電源端子台71が設置されている。筐体カバー60は、図3において上側、即ち被取付部90が配置される側が開口されている有底筒形状である。有底筒形状の筐体カバー60の底部62の中央部には孔61が設けられている。筐体カバー60の孔61は、光源ユニット50から光線が出射される出射口である。光源ユニット50に設けられている光学制御部材51は、孔61から突出して配置されている。光学制御部材51は、光源ユニット50の光源から出射される光線の照射される範囲を制御するものであり、例えばレンズである。
【0014】
照明器具本体20は、本体パッキン30を備える。有底筒形状の筐体カバー60の開口は、本体パッキン30により覆われている。本体パッキン30は、基礎部34とパッキン部35とから構成される。基礎部34は、有底筒形状に形成されており、パッキン部35より剛性の高い材料で構成されている。パッキン部35は、弾性材料により構成されており、有底筒形状の基礎部34の底部34a及び側部34bを覆っている。なお、照明器具本体20が被取付部90に取り付けられた状態において、基礎部34の底部34aは、パッキン部35の上部31を支持している。基礎部34の側部34bは、本体パッキン30の側部36を支持している。基礎部34とパッキン部35とは、例えば接着などの手段により一体になっている。
【0015】
本体パッキン30は、有底筒形状の筐体カバー60の開口に嵌め込まれ、筐体カバー60と一体になっている。本体パッキン30のパッキン部35は、側部36に溝部37が形成されている。溝部37は、筒形状になっている側部36の全周に亘って形成されている。筐体カバー60の開口縁部63は、本体パッキン30のパッキン部35に形成された溝部37に嵌め込まれている。パッキン部35の溝部37の内側面は、筐体カバー60の開口縁部63の外周面及び内周面に密着することにより、筐体カバー60の内部に水が浸入しないよう封止している。
【0016】
<照明器具取付装置10>
図5は、実施の形態1に係る照明器具100の分解斜視図である。照明器具取付装置10は、被取付部90と照明器具本体20とを接続するものである。照明器具取付装置10は、照明器具本体20の上面を覆う器具取付部11を備える。照明器具本体20の上面は、被取付部90が延びる方向と平行になっている。器具取付部11の上面には、取付金具12が固定されるスタッドボルト13が立設されている。器具取付部11と取付金具12とは、被取付部90の周囲を囲むように組み合わされる。つまり、照明器具取付装置10は、器具取付部11と取付金具12との間に被取付部90を挟み込む様にして、被取付部90に固定される。実施の形態1において、取付金具12は、スタッドボルト13とナット14とにより締結固定される。
【0017】
器具取付部11は、平板状に形成された上面部18と、上面部18の周縁から照明器具本体20側に立ち上がる様に設けられた補強部19と、を備える。図4に示される様に、取付金具12は、被取付部90の上面に当接する支持部12aと、支持部12aの両端から被取付部90の側面93に沿って器具取付部11側に延びる様に設けられた2つの接続部12bと、接続部12bの下端から接続部12bに交差する方向に延びる固定部12cと、を備える。被取付部90の下端部91は、器具取付部11の上面部18に当接される。取付金具12は、被取付部90の上方から被取付部90に嵌め合わされる。そして、取付金具12の固定部12cは、器具取付部11の上面部18に沿うように位置する。器具取付部11に設けられたスタッドボルト13は、固定部12cに形成された孔12dに通されている。スタッドボルト13にはナット14が螺合し、ナット14は、固定部12cを器具取付部11の上面部18に締結固定する。
【0018】
図6は、図4のスタッドボルト13の周辺の拡大図である。図6は、図4のC部の拡大図である。図4及び図6に示される様に、取付金具12の固定部12cは、器具取付部11の上面部18に沿って配置される。固定部12cは、上方からナット14が当接している。ナット14がスタッドボルト13に螺合して締め付けられることにより、取付金具12は、器具取付部11に固定される。図4に示される様に、取付金具12の支持部12aの下側面から固定部12cの下側面までの距離は、被取付部90の上面92から下端部91までの距離よりも小さい。従って、取付金具12と器具取付部11との間に被取付部90を挟んだ状態においては、図4及び図6に示される様に、取付金具12の固定部12cの下側面は器具取付部11の上面部18に当接せず、被取付部90の下端部91が器具取付部11の上面部18に当接する。ナット14を所定の締め込みトルクまで締め込むことにより、照明器具取付装置10は、被取付部90に固定される。
【0019】
実施の形態1に係る照明器具取付装置10の器具取付部11は、上面部18の外周縁の全周から照明器具本体20側へ立ち上がるように形成された立上部である補強部19を備える。つまり、器具取付部11は、筒部の高さが低い有底筒形状になっている。そのため、器具取付部11は、剛性が高く、上面部18の垂直方向に変形しにくい。これに対し、取付金具12の接続部12bから固定部12cの部分は、板金をL字形状に折り曲げて形成されているため、器具取付部11と比較すると上面部18の垂直方向に変形しやすい。従って、図6(b)に示される様に、ナット14の締め込みトルクによっては、取付金具12の固定部12cは、器具取付部11の上面部18に追従するように変形する。ナット14を締め込んだときに取付金具12が器具取付部11よりも変形量が大きく、器具取付部11は変形量が小さいため、本体パッキン30と器具取付部11とは接触した状態が維持される。よって、照明器具取付装置10は、被取付部90に固定された状態においても本体パッキン30との間に隙間が生じるのが抑えられ、照明器具100の内部の防水性を維持することができる。
【0020】
また、取付金具12は、変形して被取付部90及び器具取付部11に追従する。そのため、照明器具取付装置10は、照明器具100ががたついたり、傾いて被取付部90に取り付けられることがない。
【0021】
図7は、図3のケーブル40の導入部17の周辺の拡大図である。図7は、図3のD部の拡大図である。ケーブル40は、器具取付部11の上面部18に設けられた孔である導入部17から照明器具本体20の内部に引き込まれている。ケーブル40は、照明器具本体20の内部において、被覆44の内部の電線43が被覆44の端部から引き出されている。電線43は、内部の点灯装置70又は電源端子台71に接続されている。ケーブル40は、被覆44の端部にブッシュ42が取り付けられている。ケーブル40が延びる方向において、ブッシュ42の両側には結束バンド41a及び41bが固定されている。これにより、ケーブル40上でブッシュ42が移動しないように構成されている。
【0022】
ブッシュ42は、中央部に挿通孔45が形成されており、その挿通孔にケーブル40が通されている。つまり、ブッシュ42は筒形状になっている。ブッシュ42の照明器具本体20側の端部42aは、器具取付部11の上面部18に設けられた導入部17から照明器具本体20側に挿入されている。ブッシュ42の端部42aは、外側に向かって突出した係止部42cが形成されている。ブッシュ42の端部42aは、器具取付部11の照明器具本体20側の面に係止部42cが引っ掛かり、容易に抜けなくなっていると共に、器具取付部11の上面部18から照明器具本体20側の空間を密閉している。
【0023】
ブッシュ42の照明器具本体20から遠い側の端部42bにも、外側に突出したリップ部42dが形成されている。リップ部42dは、ブッシュ42の全周に形成されており、器具取付部11の上面部18側に向かって斜めに延びている。ブッシュ42の照明器具本体20側の端部が導入部17から照明器具本体20側に挿入された状態において、リップ部42dの先端は、導入部17の周囲の面に当接する。ブッシュ42は、弾性材料により形成されている。リップ部42dの先端は、リップ部42dが撓んだ状態で器具取付部11に当接する。そのため、ブッシュ42が変形した弾性力によりリップ部42dの先端は、器具取付部11に押し付けられて、導入部17の周囲をシールする。以上の構成により、器具取付部11の上面部18から外部からの電線を照明器具本体20の内部に引き込むことができ、照明器具100の防水性も確保できる。
【0024】
(効果)
図8は、実施の形態1に係る照明器具100の照明器具取付装置10の比較例である。比較例に係る照明器具取付装置110a及び110bは、その下方に照明器具本体20が取り付けられるものであるが、図8においては省略されている。図8(a)に示されている照明器具取付装置110aは、実施の形態1に係る照明器具取付装置10と同じ取付金具12を用いている。しかし、照明器具取付装置110aは、器具取付部111aの構成が実施の形態1に係る器具取付部11とは異なる。比較例に係る器具取付部111aは、平板状に形成されており、周縁部に補強部19を有していない。そのため、スタッドボルト13に螺合したナット14を締め込んだ際に、器具取付部111aと被取付部90の下端部91とが接触した部分は、被取付部90に抑えられたまま、スタッドボルト13が固定されている部分が取付金具12側に引っ張られる。これにより、器具取付部111aは、周縁部が本体パッキン30から離れる方向に変形する。本体パッキン30の周縁部には、器具取付部11、111a、111b側に突出したシール部32及び33が設けられており、器具取付部11のように変形が抑えられていれば、上面部18とシール部32及び33が接触して照明器具本体20の内部は、密閉される。しかし、図8(a)に示される器具取付部111aのように、平板形状だと、被取付部90の下端部91を支点として器具取付部111aが変形し、照明器具本体20の内部の防水性が保持できない。
【0025】
また、図8(b)に示される照明器具取付装置110bは、被取付部90の内部に接続プレート116を引っ掛けて、スタッドボルト113とナット114とにより、器具取付部111bを接続プレート116側に引き込むようにして被取付部90に締結固定する構造を備える。この場合、ナット114の締め付けトルクを高くすると、スタッドボルト113を挟んで位置する被取付部90の下端部91により、器具取付部111bは、ナット114が当接している部分を中心として、両端部が本体パッキン30側に近づく様に折り曲げられる。器具取付部111bは、直線状に延びる被取付部90の下端部91と当接しているため、被取付部90を中心Lについて対称にへ字形に変形する。これにより、照明器具取付装置110bは、器具取付部111bと本体パッキン30との間に隙間が生じ、防水性を保持できない。
【0026】
一方、実施の形態1に係る照明器具100の照明器具取付装置10は、器具取付部11が、被取付部90が当接する上面部18と、上面部18に対し交差する方向に立ち上がるように形成された補強部19と、を備える。そして、補強部19は、上面部18に対し垂直方向から見たときに、被取付部90に対して交差している。これにより、器具取付部11の剛性が高く、被取付部90に固定されても器具取付部11の形状が保持される。また、取付金具12を用いて器具取付部11を被取付部90に当接させて固定する場合においても、取付金具12の固定部12cは、器具取付部11に固定部材で取り付けられた際、固定部材の締め付けによる変形量が器具取付部11よりも大きい。これにより、取付金具12が変形しつつ器具取付部11に固定されるため、固定部材が器具取付部11と本体パッキン30との接触に影響を与えることなく、照明器具取付装置10は、被取付部90に固定される。なお、固定部材は、実施の形態1においては、スタッドボルト13及びナット14に相当する。ただし、固定部材は、これに限定されるものではなく、例えば、器具取付部11とは別体のボルト及びナット14により構成されていても良い。
【0027】
実施の形態2.
実施の形態2に係る照明器具200の照明器具取付装置210について説明する。照明器具取付装置210は、実施の形態1に係る照明器具取付装置10の補強部19を変更したものである。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0028】
図9は、実施の形態2に係る照明器具200の照明器具取付装置210の上面図である。図9においては、照明器具200の上面図のみを示しているが、照明器具200は、照明器具100と同様に本体パッキン30及び照明器具本体20を備える。
【0029】
照明器具取付装置210は、実施の形態1に係る照明器具取付装置10と同様に取付金具12を用い、被取付部90と器具取付部211とを接続固定している。実施の形態2に係る器具取付部211は、上面部218から被取付部90側に突出するリブ219が2つ設けられている。リブ219は、被取付部90が延びる方向に対し直交する方向に直線的に延びるように設けられている。リブ219は、上面部218の一方の周縁部から他方の周縁部に至る範囲に設置されており、上面部218を横断するように設置されている。
【0030】
2本のリブ219は、所定の間隔を置いて互いに平行に配置されている。2本のリブ219は、その間に取付金具12の固定部12cが配置される。従って、少なくとも2本のリブ219の間の間隔は、取付金具12の固定部12cの幅よりも大きい。
【0031】
図10及び図11は、実施の形態2に係る照明器具取付装置210の断面図である。図10は、図9のE-E部の断面を示している。図11は、図9のF-F部の断面を示している。被取付部90の下端部91は、器具取付部211に設けられたリブ219に交差するように位置し、リブ219に当接する。図9に示されるように、取付金具12は、被取付部90の上方から取り付けられる。ナット14を締め込む前において、取付金具12の固定部12cの下側面は、器具取付部211の上面部218に当接していない。一方、被取付部90の下端部91が器具取付部211のリブ219に当接している。取付金具12は、ナット14を所定の締め込みトルクまで締め込むことにより、照明器具取付装置210は、被取付部90に固定される。
【0032】
照明器具取付装置210の補強部は、上面部218よりも被取付部90側に突出して形成されたリブ219に相当する。リブ219は、上面部218に対し垂直方向から見たときに、被取付部90が延設される方向に対して交差する方向に延びる。この構成を備えることにより、器具取付部211は、被取付部90の下端部91に当接し、スタッドボルト13及びナット14により取付金具12が締結固定されても、変形が抑えられ、本体パッキン30との接触状態が変動しない。これにより、照明器具200は、被取付部90に取り付けられても照明器具本体20の内部の防水性が保持される。
【0033】
(実施の形態2の変形例)
図12は、実施の形態2に係る照明器具取付装置210の変形例である。照明器具取付装置210のリブ219は、被取付部90の下端部91と当接したときに、当接した部分が変形するように構成されていても良い。このように構成されることにより、器具取付部211が被取付部90に取り付けられたときに、リブ219が局部的に変形するだけで、器具取付部211の全体は、変形しないため、本体パッキン30との接触状態が変動しない。
【0034】
実施の形態2において、照明器具取付装置210の器具取付部211に設けられたリブ219は、2本であったが、更に多くのリブ219を設けても良い。また、リブ219は、被取付部90の延設方向に対し直交する方向に延びるように配置されているが、被取付部90の延設方向に対し交差する方向に延びていれば、直角以外の異なる角度で被取付部90と交差しても良い。
【0035】
実施の形態1及び実施の形態2において、照明器具取付装置10及び210は、取付金具12を用いて被取付部90に固定されているが、その他の形態の金具を用いても良い。例えば、図8(b)に示されている、接続プレート116を用いて被取付部90と器具取付部11又は211とを接続しても良い。接続プレート116を用いた場合であっても、補強部19及びリブ219は、上面部218に対し垂直方向から見たときに、被取付部90の延びる方向に対して交差している。従って、器具取付部11及び211は、変形が抑制され、本体パッキン30の接触状態が変動しないため、照明器具本体20の内部の防水性が確保される。
【符号の説明】
【0036】
10 照明器具取付装置、11 器具取付部、12 取付金具、12a 支持部、12b 接続部、12c 固定部、12d 孔、13 スタッドボルト、14 ナット、17 導入部、18 上面部、19 補強部、20 照明器具本体、30 本体パッキン、31 上部、32 シール部、34 基礎部、34a 底部、34b 側部、35 パッキン部、36 側部、37 溝部、40 ケーブル、41a 結束バンド、42 ブッシュ、42a 端部、42b 端部、42c 係止部、42d リップ部、43 電線、44 被覆、45 挿通孔、50 光源ユニット、51 光学制御部材、60 筐体カバー、61 孔、62 底部、63 開口縁部、70 点灯装置、71 電源端子台、90 被取付部、91 下端部、92 上面、93 側面、100 照明器具、110a 照明器具取付装置、110b 照明器具取付装置、111a 器具取付部、111b 器具取付部、113 スタッドボルト、114 ナット、116 接続プレート、200 照明器具、210 照明器具取付装置、211 器具取付部、218 上面部、219 リブ、L 中心。
図1
図2
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図5
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図10
図11
図12