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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】熱源装置及び冷房装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/156 20220101AFI20230721BHJP
   F24F 11/58 20180101ALI20230721BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20230721BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20230721BHJP
   F24H 15/281 20220101ALI20230721BHJP
   F24H 15/457 20220101ALI20230721BHJP
   F24H 15/464 20220101ALI20230721BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230721BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
F24H15/156
F24F11/58
F24F11/80
F24H15/196 301C
F24H15/196 301V
F24H15/281
F24H15/457
F24H15/464
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019152731
(22)【出願日】2019-08-23
(65)【公開番号】P2021032471
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】恒川 良将
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-191100(JP,A)
【文献】特開2006-064324(JP,A)
【文献】特開2018-057245(JP,A)
【文献】特開2014-217071(JP,A)
【文献】特開2016-169938(JP,A)
【文献】特開2014-003391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 - 15/493
F24F 11/00 - 11/89
H04Q 9/00 - 9/16
H04M 11/00 - 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源装置であって、
前記熱源装置と同じ宅内に設置されている中継器と通信を実行するための通信インターフェースと、
設定温度による熱供給動作を実行するための制御部と、
を備え、
前記中継器は、
携帯端末と前記中継器との間に近距離の通信方式に従った無線接続が確立されている場合に、前記無線接続を利用して、前記携帯端末と前記熱源装置との間の通信を中継し、
前記携帯端末と前記中継器との間に前記無線接続が確立されていない場合に、インターネットを利用して、前記携帯端末と前記熱源装置との間の通信を中継するように構成されており、
前記制御部は、
前記通信インターフェースが、前記中継器を介して、前記携帯端末から前記熱供給動作の開始指示を受信する場合に、前記携帯端末と前記中継器との間に前記無線接続が確立されているのか否かを判断し、
前記無線接続が確立されていると判断される場合に、前記開始指示に従って、前記設定温度による前記熱供給動作を実行し、
前記無線接続が確立されていないと判断される場合に、前記開始指示に従って、前記設定温度より第1温度だけ低い温度による前記熱供給動作を実行し、
前記無線接続が確立されていないと判断された後に、前記携帯端末と前記中継器との間に前記無線接続が確立されることなく、前記開始指示の受信から所定時間が経過する場合に、前記設定温度による前記熱供給動作を実行するように構成されている、熱源装置。
【請求項2】
前記制御部は、さらに、
前記無線接続が確立されていないと判断された後に、前記通信インターフェースが、前記中継器を介して、前記携帯端末から前記携帯端末と前記中継器との間に前記無線接続が確立されたことを示す接続確立通知を受信する場合に、前記設定温度による前記熱供給動作を実行するように構成されている、請求項1に記載の熱源装置。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
前記無線接続が確立されていると判断された後に、前記携帯端末と前記中継器との間の前記無線接続が切断される場合に、前記設定温度より第2温度だけ低い温度による前記熱供給動作を実行する、請求項1又は2に記載の熱源装置。
【請求項4】
冷房装置であって、
前記冷房装置と同じ宅内に設置されている中継器と通信を実行するための通信インターフェースと、
設定温度による冷房動作を実行するための制御部と、
を備え、
前記中継器は、
携帯端末と前記中継器との間に近距離の通信方式に従った無線接続が確立されている場合に、前記無線接続を利用して、前記携帯端末と前記冷房装置との間の通信を中継し、
前記携帯端末と前記中継器との間に前記無線接続が確立されていない場合に、インターネットを利用して、前記携帯端末と前記冷房装置との間の通信を中継するように構成されており、
前記制御部は、
前記通信インターフェースが、前記中継器を介して、前記携帯端末から前記冷房動作の開始指示を受信する場合に、前記携帯端末と前記中継器との間に前記無線接続が確立されているのか否かを判断し、
前記無線接続が確立されていると判断される場合に、前記開始指示に従って、前記設定温度による前記冷房動作を実行し、
前記無線接続が確立されていないと判断される場合に、前記開始指示に従って、前記設定温度より第1温度だけ高い温度による前記冷房動作を実行
前記無線接続が確立されていないと判断された後に、前記携帯端末と前記中継器との間に前記無線接続が確立されることなく、前記開始指示の受信から所定時間が経過する場合に、前記設定温度による前記冷房動作を実行するように構成されている、冷房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、熱源装置及び冷房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、通信端末を利用して給湯器を遠隔操作する技術が開示されている。通信端末は、ユーザから操作を受けると、インターネットを介して、遠隔操作のための制御信号を給湯器のコントローラに送信する。これにより、給湯器は、制御信号に従った湯はり動作を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-156598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ユーザは、宅外で通信装置を操作して、給湯器を遠隔操作する。この場合、設定温度による湯はり動作の開始から長時間が経過した後にユーザが帰宅する場合がある。長時間が経過すると、浴槽内の湯から自然放熱してしまい、湯はりのためのエネルギが無駄になる。
【0005】
また、例えば、特許文献1に記載の技術を利用して、宅外で通信装置を操作して、暖房装置及び冷房装置を遠隔操作することも想定される。暖房装置を遠隔操作する場合には、ユーザが長時間帰宅しないと、ユーザが宅内に居ないにも関わらず、設定温度による暖房が実行されて、暖房のためのエネルギが無駄になる。また、冷房装置を遠隔操作する場合には、ユーザが長時間帰宅しないと、ユーザが宅内に居ないにも関わらず、設定温度による冷房が実行されて、冷房のためのエネルギが無駄になる。
【0006】
本明細書は、熱源装置又は冷房装置の動作における無駄なエネルギを低減するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書が開示する熱源装置は、前記熱源装置と同じ宅内に設置されている中継器と通信を実行するための通信インターフェースと、設定温度による熱供給動作を実行するための制御部と、を備え、前記中継器は、携帯端末と前記中継器との間に近距離の通信方式に従った無線接続が確立されている場合に、前記無線接続を利用して、前記携帯端末と前記熱源装置との間の通信を中継し、前記携帯端末と前記中継器との間に前記無線接続が確立されていない場合に、インターネットを利用して、前記携帯端末と前記熱源装置との間の通信を中継するように構成されており、前記制御部は、前記通信インターフェースが、前記中継器を介して、前記携帯端末から前記熱供給動作の開始指示を受信する場合に、前記携帯端末と前記中継器との間に前記無線接続が確立されているのか否かを判断し、前記無線接続が確立されていると判断される場合に、前記開始指示に従って、前記設定温度による前記熱供給動作を実行し、前記無線接続が確立されていないと判断される場合に、前記開始指示に従って、前記設定温度より第1温度だけ低い温度による前記熱供給動作を実行するように構成されている。「熱供給動作」は、例えば、湯はり動作、暖房動作等である。
【0008】
携帯端末と宅内の中継器との間に近距離の通信方式に従った無線接続が確立されていないと判断されることは、携帯端末を携帯するユーザが宅内に居ないことを意味する。熱供給動作の実行中において熱供給動作によって供給された熱は、その後、自然放熱により失われていく。ユーザが長時間帰宅しないと、供給された熱がユーザによって使用されることなく無駄となる。上記の構成では、熱源装置が、近距離の通信方式に従った無線接続が確立されていない場合に、設定温度より第1温度だけ低い温度による熱供給動作を実行する。これにより、設定温度による熱供給動作を実行する場合と比較して、ユーザが長時間帰宅しない場合に自然放熱により失われる熱量(即ち無駄なエネルギ)を低減することができる。
【0009】
また、制御部は、さらに、無線接続が確立されていないと判断された後に、通信インターフェースが、中継器を介して、携帯端末から携帯端末と中継器との間に無線接続が確立されたことを示す接続確立通知を受信する場合に、設定温度による熱供給動作を実行するように構成されていてもよい。例えば、「熱供給動作」が湯はり動作である場合に、上記の「設定温度による熱供給動作」を実行することは、湯はりにより浴槽に溜まっている湯を設定温度にするため動作(例えば追い焚き動作)を実行することである。また、例えば、「熱供給動作」が暖房動作である場合に、上記の「設定温度による熱供給動作」を実行することは、設定温度より第1温度だけ低い温度による暖房動作に代えて、設定温度による暖房動作を実行することである。
【0010】
無線接続が確立されていないと判断された後に接続確立通知を受信することは、ユーザが帰宅したことを意味する。上記の構成によれば、熱源装置は、ユーザが帰宅した場合に、設定温度による熱供給動作を自動的に実行することができる。ユーザの利便性が向上する。
【0011】
また、制御部は、さらに、無線接続が確立されていないと判断された後に、携帯端末と中継器との間に無線接続が確立されることなく、開始指示の受信から所定時間が経過する場合に、設定温度による熱供給動作を実行するように構成されている
【0012】
例えば、何らかの原因(例えば携帯端末の無線接続に関する設定の変更、携帯端末の電池切れ)により、ユーザが帰宅しても携帯端末と中継器との間に無線接続が確立されない場合がある。上記の構成によれば、無線接続が確立されることなく所定時間が経過する場合に、熱源装置は、ユーザが帰宅したと推定して、設定温度による熱供給動作を実行することができる。ユーザの利便性が向上する。
【0013】
また、制御部は、さらに、無線接続が確立されていると判断された後に、携帯端末と中継器との間の無線接続が切断される場合に、設定温度より第2温度だけ低い温度による熱供給動作を実行してもよい。
【0014】
携帯端末と宅内の中継器との間に無線接続が確立されていると判断されることは、ユーザが宅内に居ることを意味する。しかし、携帯端末から熱供給動作の開始指示を受信した後にユーザが外出する場合がある。ユーザが外出したにも関わらず、設定温度による熱供給動作が継続されると、熱供給動作におけるエネルギが無駄になる。上記の構成によれば、無線接続が確立されていると判断された後に無線接続が切断される場合に、熱源装置は、ユーザが外出したと推定して、設定温度より第2温度だけ低い温度による熱供給動作を実行する。これにより、ユーザが外出する場合の無駄なエネルギを低減することができる。
【0015】
また、本明細書が開示する冷房装置は、前記冷房装置と同じ宅内に設置されている中継器と通信を実行するための通信インターフェースと、設定温度による冷房動作を実行するための制御部と、を備え、前記中継器は、携帯端末と前記中継器との間に近距離の通信方式に従った無線接続が確立されている場合に、前記無線接続を利用して、前記携帯端末と前記冷房装置との間の通信を中継し、前記携帯端末と前記中継器との間に前記無線接続が確立されていない場合に、インターネットを利用して、前記携帯端末と前記冷房装置との間の通信を中継するように構成されており、前記制御部は、前記通信インターフェースが、前記中継器を介して、前記携帯端末から前記冷房動作の開始指示を受信する場合に、前記携帯端末と前記中継器との間に前記無線接続が確立されているのか否かを判断し、前記無線接続が確立されていると判断される場合に、前記開始指示に従って、前記設定温度による前記冷房動作を実行し、前記無線接続が確立されていないと判断される場合に、前記開始指示に従って、前記設定温度より第1温度だけ高い温度による前記冷房動作を実行し、前記無線接続が確立されていないと判断された後に、前記携帯端末と前記中継器との間に前記無線接続が確立されることなく、前記開始指示の受信から所定時間が経過する場合に、前記設定温度による前記冷房動作を実行するように構成されている。
【0016】
冷房動作の実行中においては、室外から室内に熱が進入する。ユーザが長時間帰宅しないと、室外から進入する熱によって冷房のために消費されたエネルギが無駄となる。上記の構成によれば、冷房装置は、近距離の通信方式に従った無線接続が確立されていない場合に、設定温度より第1温度だけ高い温度による冷房動作を実行する。これにより、設定温度による冷房動作を実行する場合と比較して、室外から進入する熱量を低減することができる。これにより、ユーザが長時間帰宅しない場合に、冷房動作における無駄なエネルギを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施例における給湯システムのブロック図を示す。
図2】第1実施例における給湯リモコンの処理のフローチャートを示す。
図3】第1実施例における具体的なケースA1、A2を示す。
図4】第1実施例における具体的なケースA3を示す。
図5】第2実施例における冷房システムのブロック図を示す。
図6】第2実施例におけるエアコンの冷房処理のフローチャートを示す。
図7】第2実施例におけるエアコンの暖房処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施例)
(給湯システム2Aの構成;図1
図面を参照して、第1実施例における給湯システム2Aについて説明する。図1に示すように、給湯システム2Aは、給湯リモコン10と、給湯器200と、浴槽210と、中継器100と、携帯端末300と、を備える。給湯リモコン10、給湯器200、浴槽210、及び、中継器100は、ユーザの自宅に設置されている。
【0019】
(中継器100の構成)
中継器100は、いわゆる、アクセスポイントである。中継器100は、インターネット6に接続されている。また、中継器100は、携帯端末300との間にWi-Fi規格に従った無線接続を確立可能である。中継器100は、携帯端末300と中継器100との間に無線接続が確立されている場合に、無線接続を利用して、携帯端末300と給湯リモコン10との間の通信を中継する。一方、中継器100は、携帯端末300と中継器100との間に無線接続が確立されていない場合に、インターネット6を利用して、携帯端末300と給湯リモコン10との間の通信を中継する。
【0020】
(給湯リモコン10の構成)
給湯リモコン10は、給湯器200を遠隔で操作するためのコントローラである。給湯リモコン10は、給湯器インターフェース12と、中継器インターフェース14と、操作部16と、制御部20と、を備える。なお、以下では、インターフェースを「I/F」と記載する。給湯器I/F12は、給湯器200との通信を実行するためのI/Fであり、給湯器200に接続されている。中継器I/F14は、中継器100との通信を実行するためのI/Fである。中継器I/F14と中継器100との間には、Wi-Fi規格に従った無線接続が確立されている。操作部16は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部16を操作することによって、様々な指示を給湯リモコン10に入力することができる。
【0021】
制御部20は、記憶部30に記憶されているプログラム32に従って、各部12、14、16を制御し、様々な処理を実行する。記憶部30は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。例えば、制御部20は、給湯リモコン10の操作部16に湯はり操作が行われると、給湯器I/F12を介して、湯はりを開始するための湯はり要求を給湯器200に送信する。湯はり要求は、例えば、湯はりの設定温度及び水位を示す情報を含む。これにより、給湯器200は、湯はり要求内の情報に従って、浴槽210を湯はりするための湯はり動作を開始する。制御部20は、さらに、中継器100及び中継器I/F14を介して、携帯端末300から信号を受信すると、受信済みの信号に従った要求を給湯器200に送信することも可能である。
【0022】
また、記憶部30は、湯はりの設定温度と湯はりの水位とを示す設定情報34を記憶する。設定情報34は、給湯リモコン10の操作部16がユーザに操作されることによって入力される。
【0023】
(携帯端末300の構成)
携帯端末300は、携帯電話(例えばスマートフォン)、PDA、タブレット端末等のユーザが携帯している可搬型の端末装置である。携帯端末300は、中継器I/F314と移動体通信I/F316を備える。中継器I/F314は、中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続を確立可能である。移動体通信I/F316は、移動体通信(例えば、3G、4G、5G)の基地局8との無線通信を実行するためのI/Fである。基地局8は、インターネット6に接続されている。即ち、移動体通信I/F316は、基地局8を介して、インターネット6を利用した通信を実行可能である。
【0024】
携帯端末300は、Wi-Fi規格に従った無線接続の確立のための接続情報がユーザによって入力されると、中継器100との間に無線接続を確立する。接続情報は、例えば、SSID(Service Set Identifierの略)及びパスワードである。例えば、無線接続が確立された後に、携帯端末300を携帯するユーザが宅外に移動して、携帯端末300と中継器100との距離が離れると、無線接続が切断される。この場合、携帯端末300は、移動体通信を利用して、中継器100及び給湯リモコン10と通信する。また、無線接続が切断された後に、携帯端末300を携帯するユーザが帰宅すると、携帯端末300は、入力済みの接続情報を利用して、携帯端末300と中継器100との間に無線接続を自動的に確立する。この処理は、例えば、携帯端末300のOS(Operating Systemの略)プログラム(図示省略)によって実行される。
【0025】
携帯端末300は、さらに、アプリケーション332をインストールしている。アプリケーション332は、給湯リモコン10の遠隔操作のための信号を給湯リモコン10に送信するためのアプリケーションプログラムである。アプリケーション332は、給湯リモコン10のベンダによってユーザに提供される。アプリケーション332は、例えば、インターネット6上のサーバ(図示省略)から携帯端末300にインストールされる。
【0026】
(給湯リモコン10の処理;図2
図2を参照して、給湯リモコン10の制御部20がプログラム32に従って実行する処理を説明する。図2の処理は、給湯リモコン10の電源が投入されることをトリガとして開始される。
【0027】
S10では、制御部20は、中継器100及び中継器I/F14を介して、携帯端末300から湯はりの開始を指示するための信号である湯はり開始指示を受信することを監視する。制御部20は、携帯端末300から湯はり開始指示を受信する場合(S10でYES)に、S12に進む。
【0028】
S12では、制御部20は、携帯端末300と中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続が確立されているのか否かを判断する。具体的には、制御部20は、携帯端末300から受信した湯はり開始指示がWi-Fi規格に従った無線接続を利用した通信のための第1プロトコル(例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocolの略))に従って記述されている場合に、携帯端末300と中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続が確立されていると判断する。一方、制御部20は、湯はり開始指示がインターネット6及び基地局8を利用した通信(即ち移動体通信)のための第2プロトコル(例えばHTTP(HyperText Transfer Protocolの略))に従って記述されている場合に、携帯端末300と中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続が確立されていないと判断する。第2プロトコルは、第1プロトコルとは異なるプロトコルである。制御部20は、携帯端末300と中継器100との間に無線接続が確立されていると判断する場合(S12でYES)に、S20~S24の処理をスキップして、S26に進む。一方、制御部20は、携帯端末300と中継器100との間に無線接続が確立されていないと判断する場合(S12でNO)に、S20に進む。
【0029】
S20では、制御部20は、設定情報34によって示される設定温度から所定温度(例えば2℃)を減算した減算温度に従った湯はり要求を給湯器200に送信する。これにより、給湯器200は、減算温度による湯はり動作を開始する。なお、S20の所定温度は、給湯リモコン10に予め記憶されている値でもよいし、ユーザによって操作部16に入力される値であってよい。
【0030】
S22では、制御部20は、中継器100及び中継器I/F14を介して、携帯端末300から接続確立通知を受信するのか否かを判断する。接続確立通知は、携帯端末300と中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続が確立されたことを示す通知である。制御部20は、携帯端末300から接続確立通知を受信する場合(S22でYES)に、S26に進む。一方、制御部20は、携帯端末300から接続確立通知を受信しない場合(S22でNO)に、S24に進む。
【0031】
S24では、制御部20は、S10で湯はり開始指示を受信してから所定時間(例えば、30分)が経過したのか否かを判断する。制御部20は、湯はり開始指示の受信から所定時間が経過していないと判断する場合(S24でNO)に、S22に戻り、接続確立通知の受信を再び判断する。一方、制御部20は、湯はり開始指示の受信から所定時間が経過したと判断する場合(S24でYES)に、S26に進む。
【0032】
S26では、制御部20は、設定情報34によって示される設定温度に従った湯はり要求を給湯器200に送信する。これにより、給湯器200は、設定温度による湯はりを行う。例えば、S20の処理によって給湯器200が減算温度による湯はり動作を実行している場合には、給湯器200は、浴槽210内の湯を設定温度にするための動作(例えば追い焚き動作)を実行する。また、例えば、給湯器200が湯はり動作を実行していない場合には、給湯器200は、設定温度による湯はり動作を開始する。
【0033】
S30では、制御部20は、中継器100及び中継器I/F14を介して、携帯端末300から切断通知を受信するのか否かを判断する。切断通知は、携帯端末300と中継器100との間に確立されたWi-Fi規格に従った無線接続が切断されたことを示す通知である。制御部20は、携帯端末300から切断通知を受信しない場合(S30でNO)に、S32の処理をスキップして、S40に進む。一方、制御部20は、携帯端末300から切断通知を受信する場合(S30でYES)に、S32に進む。
【0034】
S32では、制御部20は、設定情報34によって示される設定温度から所定温度(例えば2℃)を減算した減算温度に従った湯はり要求を給湯器200に送信する。これにより、給湯器200は、設定温度による湯はり動作に代えて、減算温度による湯はり動作を実行する。なお、S32の所定温度は、給湯リモコン10に予め記憶されている値でもよいし、ユーザによって操作部16に入力される値であってよい。
【0035】
S40では、制御部20は、湯はりが完了したのか否かを判断する。例えば、制御部20は、浴槽210の水位を計測するためのセンサ(図示省略)の検出値を利用して、浴槽210の水位が設定情報34によって示される水位以上となると判断する場合に、湯はりが完了したと判断する。制御部20は、湯はりが完了していないと判断する場合(S40でNO)に、S30に戻る。一方、制御部20は、湯はりが完了したと判断する場合(S40でYES)に、図2の処理を終了する。
【0036】
(具体的なケースA1)
図3図4を参照して、図2の処理によって実現される具体的なケースを説明する。図3に示すケースA1は、携帯端末300と中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続が確立されていない状況、即ち、携帯端末300を携帯するユーザが宅外にいる状況を想定している。
【0037】
ユーザは、湯はり開始指示を給湯リモコン10に送信するための操作を携帯端末300に行う。これにより、携帯端末300は、T10Aにおいて、移動体通信I/F316及びインターネット6を介して、アプリケーション332に従った湯はり開始指示を中継器100に送信する。なお、本ケースでは、湯はり開始指示は、移動体通信のための第2プロトコルに従って記述されている。
【0038】
中継器100は、T10Aにおいて、携帯端末300から湯はり開始指示を受信すると、T10Bにおいて、湯はり開始指示を給湯リモコン10に送信する。
【0039】
給湯リモコン10は、T10Bにおいて、中継器100から湯はり開始指示を受信すると(図2のS10でYES)、T12において、携帯端末300と中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続が確立されていないと判断する(S12でNO)。
【0040】
T14では、給湯リモコン10は、設定情報34によって示される設定温度「41℃」から所定温度「2℃」を減算した減算温度「39℃」に従った湯はり要求を給湯器200に送信する(S20)。これにより、給湯器200は、減算温度「39℃」による湯はり動作を開始する。
【0041】
携帯端末300と宅内の中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続が確立されていないと判断されることは、携帯端末300を携帯するユーザが宅内に居ないことを意味する。本ケースによれば、給湯リモコン10は、無線接続が確立されていない場合(T12)に、設定温度「41℃」より低い減算温度「39℃」による湯はり動作を開始する。湯はり動作の実行中において浴槽210内の湯の熱は自然放熱する。ユーザが長時間帰宅しないと、浴槽210内の湯がユーザによって使用されることなく冷めて、湯の熱が無駄となる。ケースA1のように、減算温度「39℃」による湯はり動作を実行することによって、設定温度「41℃」による湯はり動作を実行する場合と比較して、ユーザが長時間帰宅しない場合に、浴槽210内の湯から自然放熱により失われる熱量(即ち無駄なエネルギ)を低減することができる。
【0042】
ここで、ケースA1では、所定時間が経過する前にユーザが帰宅する。ユーザが帰宅すると、携帯端末300は、T20において、中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続を確立する。携帯端末300は、中継器100との間に無線接続が確立されると、アプリケーション332に従って、以下のT22とT24Aの処理を実行する。
【0043】
T22では、携帯端末300は、中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続が確立されたと判断する。T24Aでは、携帯端末300は、無線接続を利用して、中継器I/F314を介して、接続確立通知を中継器100に送信する。
【0044】
中継器100は、T24Aにおいて、携帯端末300から接続確立通知を受信すると、T24Bにおいて、接続確立通知を給湯リモコン10に送信する。
【0045】
給湯リモコン10は、T24Bにおいて、中継器100から接続確立通知を受信すると(図2のS22でYES)、T26において、設定温度「41℃」に従った湯はり要求を給湯器200に送信する。これにより、給湯器200は、浴槽210内の湯を設定温度「41℃」にするための動作(例えば追い焚き動作)を実行する。
【0046】
T28では、給湯リモコン10は、設定温度「41℃」で湯はりが完了したと判断する(S40でYES)。
【0047】
Wi-Fi規格に従った無線接続が確立されていないと判断された後に接続確立通知を受信することは、ユーザが帰宅したことを意味する。ケースA1によれば、給湯リモコン10は、ユーザが帰宅した場合に、設定温度「41℃」による湯はり動作を自動的に実行することができる。ユーザの利便性が向上する。
【0048】
(具体的なケースA2)
図3に示すケースA2も、ケースA1と同様に、携帯端末300を携帯するユーザが宅外にいる状況を想定している。ケースA2でも、T10A~T14と同様の処理が実行される。
【0049】
ここで、ケースA2でも、所定時間が経過する前にユーザが帰宅する。しかし、本ケースでは、携帯端末300のWi-Fi規格に従った無線接続に関する接続設定がユーザによって変更される。接続設定は、例えば、携帯端末300と中継器100との間の無線接続の確立を許容するのか否かの設定を示す。本ケースでは、接続設定が無線接続の確立を許容しないことを示す。このため、本ケースでは、ユーザが帰宅したにも関わらず、携帯端末300と中継器100との間に無線接続が確立されない。
【0050】
T30では、給湯リモコン10は、携帯端末300から接続確立通知を受信することなく、湯はり開始指示の受信から所定時間が経過したと判断する(S24でYES)。T36、T38は、T26、T28と同様である。
【0051】
ケースA2によれば、Wi-Fi規格に従った無線接続が確立されることなく所定時間(例えば、30分)が経過する場合(T30)に、給湯リモコン10は、ユーザが帰宅したと推定して、設定温度「41℃」による湯はり動作を実行することができる(T36)。ユーザの利便性が向上する。
【0052】
(具体的なケースA3)
図4に示すケースA3は、携帯端末300と中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続が確立されている状況、即ち、携帯端末300を携帯するユーザが宅内にいる状況を想定している。
【0053】
本ケースでも、ユーザは、湯はり開始指示を給湯リモコン10に送信するための操作を携帯端末300に行う。これにより、携帯端末300は、T40Aにおいて、中継器I/F314を介して、Wi-Fi規格に従った無線接続を利用して、アプリケーション332に従った湯はり開始指示を中継器100に送信する。T40Bは、湯はり開始指示が無線接続を利用する通信のための第1プロトコルで記述されている点を除いて、図3のT10Bと同様である。
【0054】
給湯リモコン10は、T40Bにおいて、中継器100から湯はり開始指示を受信すると(図2のS10でYES)、T42において、携帯端末300と中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続が確立されていると判断する(S12でYES)。
【0055】
T44では、給湯リモコン10は、設定情報34によって示される設定温度「41℃」に従った湯はり要求を給湯器200に送信する(S26)。これにより、給湯器200は、設定温度「41℃」による湯はり動作を開始する。
【0056】
ここで、本ケースでは、ユーザは、湯はりが完了する前に外出する。これにより、携帯端末300と中継器100との間のWi-Fi規格に従った無線接続が切断される。携帯端末300は、無線接続が切断されると、アプリケーション332に従って、以下のT52とT54Aの処理を実行する。
【0057】
T52では、携帯端末300は、Wi-Fi規格に従った無線接続が切断されたと判断する。T54Aでは、携帯端末300は、移動体通信I/F316及びインターネット6を介して、切断通知を中継器100に送信する。
【0058】
中継器100は、T54Aにおいて、携帯端末300から切断通知を受信すると、T54Bにおいて、切断通知を給湯リモコン10に送信する。
【0059】
給湯リモコン10は、T54Bにおいて、中継器100から切断通知を受信すると(図2のS30でYES)、T56において、設定温度「41℃」から所定温度「2℃」を減算した減算温度「39℃」に従った湯はり要求を給湯器200に送信する(S32)。これにより、給湯器200は、設定温度「41℃」による湯はり動作に代えて、減算温度「39℃」による湯はり動作を実行する。
【0060】
T58では、給湯リモコン10は、減算温度「39℃」で湯はりが完了したと判断する(S40でYES)。
【0061】
宅内の携帯端末300から湯はり開始指示を受信した後に携帯端末300を携帯するユーザが外出する場合がある。ユーザが外出したにも関わらず、設定温度「41℃」による湯はり動作が継続されると、湯の熱が自然放熱により失われ、湯はり動作のためのエネルギが無駄になる。本ケースによれば、Wi-Fi規格に従った無線接続が確立されていると判断された後にその無線接続が切断される場合(T54B)に、給湯リモコン10は、ユーザが外出したと推定して、設定温度「41℃」より低い減算温度「39℃」による湯はり動作を実行する。これにより、ユーザが外出する場合の無駄なエネルギの低減することができる。
【0062】
(対応関係)
給湯リモコン10、中継器100、携帯端末300が、それぞれ、「熱源装置」、「中継器」、「携帯端末」の一例である。中継器I/F14、制御部20が、それぞれ、「通信インターフェース」、「制御部」の一例である。Wi-Fi規格が、「近距離の通信方式」の一例である。湯はり動作が、「熱供給動作」の一例である。図2のS10の湯はり開始指示が、「開始指示」の一例である。S20の所定温度、S32の所定温度が、それぞれ、「第1温度」、「第2温度」の一例である。S22の接続確立通知、S24の所定時間が、それぞれ、「接続確立通知」、「所定時間」の一例である。
【0063】
(第2実施例)
図5図6を参照して、第2実施例における空調システム2Bについて説明する。図5に示すように、空調システム2Bは、給湯リモコン10、給湯器200、及び、浴槽210に代えて、エアコン500を備える点を除いて、第1実施例の給湯システム2A(図1)と同様である。
【0064】
(エアコン500の構成)
エアコン500は、中継器I/F514と、制御部520と、を備える。中継器I/F514と中継器100との間には、Wi-Fi規格に従った無線接続が確立されている。
【0065】
制御部520は、記憶部530に記憶されているプログラム532に従って、中継器I/F514等を制御し、様々な処理を実行する。例えば、制御部520は、エアコン500の赤外線リモコン(図示省略)に冷房操作(又は暖房操作)が行われると、赤外線リモコンにおいて設定された設定温度による冷房動作(又は暖房動作)を実行する。
【0066】
(エアコン500の冷房処理;図6
図6を参照して、エアコン500の制御部520がプログラム532に従って実行する冷房処理を説明する。図6の処理は、エアコン500の電源が投入されることをトリガとして開始される。
【0067】
S110では、制御部520は、中継器100及び中継器I/F514を介して、携帯端末300から冷房の開始を指示するための信号である冷房開始指示を受信することを監視する。冷房開始指示は、ユーザによって携帯端末300に入力された冷房の設定温度を示す設定温度情報を含む。制御部520は、携帯端末300から冷房開始指示を受信する場合(S110でYES)に、S112に進む。S112は、図2のS12と同様である。
【0068】
制御部520は、携帯端末300と中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続が確立されていないと判断する場合(S112でNO)に、S120において、冷房開始指示内の設定温度情報によって示される設定温度に所定温度(例えば2℃)を加算した加算温度による冷房動作を開始する。
【0069】
S122、S124は、図2のS22、S24と同様である。S126では、制御部520は、冷房開始指示内の設定温度情報によって示される設定温度による冷房動作を実行する。
【0070】
S130は、図2のS30と同様である。S132では、制御部520は、冷房開始指示内の設定温度情報によって示される設定温度に所定温度(例えば2℃)を加算した加算温度による冷房動作を実行する。
【0071】
S140では、制御部520は、中継器100及び中継器I/F514を介して、携帯端末300から冷房の停止を指示するための信号である停止指示を受信することを監視する。制御部520は、携帯端末300から停止指示を受信しない場合(S140でNO)に、S130に戻る。一方、制御部520は、携帯端末300から停止指示を受信する場合(S140でYES)に、S142において、冷房動作を停止する。S142が終了すると、図6の処理が終了する。なお、ユーザによって冷房動作を停止するための停止操作が赤外線リモコンに行われる場合にも、図6の処理が終了する。
【0072】
例えば、携帯端末300と宅内の中継器100との間にWi-Fi規格に従った無線接続が確立されていない状況を想定する(図3のケースA1参照)。この場合、エアコン500は、無線接続が確立されていないと判断し(図6のS112でNO)、設定温度より高い加算温度による冷房動作を開始する(S120)。冷房動作の実行中において室外から室内に熱が進入する。ユーザが長時間帰宅しないと、室外から進入する熱によって冷房のために消費されたエネルギが無駄となる。高い加算温度による冷房動作を実行することによって、低い設定温度による冷房動作を実行する場合と比較して、室外から進入する熱量を低減することができる。これにより、ユーザが長時間帰宅しない場合に、冷房動作における無駄なエネルギを低減することができる。
【0073】
また、S122の判断を実行することによって、エアコン500は、ユーザが帰宅した場合に、設定温度による冷房動作を自動的に実行することができる(図3のケースA1参照)。ユーザの利便性が向上する。
【0074】
また、S124の判断を実行することによって、エアコン500は、ユーザが帰宅したと推定して、設定温度による冷房動作を実行することができる(図3のケースA2参照)。ユーザの利便性が向上する。
【0075】
また、S130、S132の処理を実行することによって、ユーザが外出する場合の無駄なエネルギを低減することができる(図4のケースA3参照)。
【0076】
(エアコン500の暖房処理;図7
図7を参照して、エアコン500の制御部520がプログラム532に従って実行する暖房処理を説明する。図7の処理は、エアコン500の電源が投入されることをトリガとして開始される。
【0077】
S210は、携帯端末300から暖房の開始を指示するための信号である暖房開始指示を受信することを除いて、図6のS110と同様である。暖房開始指示は、ユーザによって携帯端末300に入力された暖房の設定温度を示す設定温度情報を含む。S212は、図6のS112と同様である。
【0078】
S220は、暖房開始指示内の設定温度情報によって示される設定温度から所定温度(例えば2℃)を減算した減算温度による暖房動作を開始する点を除いて、図6のS120と同様である。
【0079】
S222、S224は、図6のS122、S124と同様である。S226では、制御部520は、暖房開始指示内の設定温度情報によって示される設定温度による暖房動作を実行する。
【0080】
S230は、図6のS130と同様である。S232では、制御部520は、暖房開始指示内の設定温度情報によって示される設定温度から所定温度(例えば2℃)を減算した減算温度による暖房動作を実行する。
【0081】
S240は、図6のS140と同様である。S242は、暖房動作を停止する点を除いて、図6のS142と同様である。
【0082】
図7のS220の処理によって、ユーザが長時間帰宅しない場合に、暖房動作における無駄なエネルギを低減することができる。さらに、S222の判断を実行することによって、ユーザが帰宅した場合に設定温度による暖房動作を自動的に実行することができ、S224の判断を実行することによって、ユーザが帰宅したと推定して設定温度による暖房動作を実行することができる。ユーザの利便性が向上する。S230、S232の処理を実行することによって、ユーザが外出する場合の無駄なエネルギを低減することができる。
【0083】
(対応関係)
図6の冷房処理が実行される場合における対応関係は以下の通りである。エアコン500が、「冷房装置」の一例である。中継器I/F514、制御部520が、それぞれ、「通信インターフェース」、「制御部」の一例である。図6のS110の冷房開始指示が、「開始指示」の一例である。S120の所定温度が、「第1温度」の一例である。
【0084】
図7の暖房処理が実行される場合における対応関係は以下の通りである。エアコン500、暖房動作、暖房開始指示が、それぞれ、「熱源装置」、「熱供給動作」、「開始指示」の一例である。
【0085】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の各実施例の変形例を以下に列挙する。
【0086】
(変形例1)図2の処理において、S22の判断が省略されてもよい。この場合、例えば、給湯リモコン10は、S20の処理の後に、湯はり開始指示の受信から所定時間が経過することを監視してもよい。そして、給湯リモコン10は、湯はり開始指示の受信から所定時間が経過した場合に、S26の処理を実行してもよい。本変形例では、「接続確立通知」を省略可能である。
【0087】
(変形例2)図2の処理において、S24の判断が省略されてもよい。この場合、例えば、給湯リモコン10は、S20の処理の後に、携帯端末300から接続確立通知を受信することを監視してもよい。そして、給湯リモコン10は、携帯端末300から接続確立通知を受信した場合に、S26の処理を実行してもよい。本変形例では、「所定時間」を省略可能である。また、図2の処理において、S22とS24の双方の判断が省略されてもよい。本変形例では、「接続確立通知」及び「所定時間」の双方を省略可能である。
【0088】
(変形例3)図2の処理において、S30、S32の処理が省略されてもよい。本変形例では、「第2温度」を省略可能である。
【0089】
(変形例4)上記の第1実施例では、図2のS20の所定温度とS32の所定温度が同じである。これに対して、図2のS20の所定温度とS32の所定温度が異なっていてもよい。一般的に言えば、「第2温度」は、「第1温度」と同じであってもよいし、「第1温度」と異なっていてもよい。
【0090】
(変形例5)「熱源装置」は、給湯リモコン10に限らず、例えば、給湯器200そのもの、暖房機器(例えば、床暖房器、ファンヒータ)を遠隔操作するためのリモコン、及び、暖房機器そのものであってもよい。また、「熱源装置」及び「冷房装置」は、エアコン500に限らず、エアコン500を遠隔操作するための装置(例えば、リモコン、端末装置)であってもよい。
【0091】
(変形例6)「近距離の通信方式」は、Wi-Fi規格に限らず、他の通信方式(例えば、Bluetooth(登録商標)方式、Zigbee(登録商標)方式)であってもよい。
【0092】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0093】
2A:給湯システム、2B:冷房システム、6:インターネット、8:基地局、10:給湯リモコン、12:給湯器I/F、14:中継器I/F、20:制御部、30:記憶部、32:プログラム、34:設定情報、100:中継器、200:給湯器、210:浴槽、300:携帯端末、314:中継器I/F、316:移動体通信I/F、332:アプリケーション、500:エアコン、514:中継器I/F、520:制御部、530:記憶部、532:プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7