(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】X線透視撮像装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/04 20060101AFI20230721BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20230721BHJP
A61B 6/10 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
A61B6/04 330
A61B6/00 370
A61B6/10 350
(21)【出願番号】P 2019183552
(22)【出願日】2019-10-04
【審査請求日】2022-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】320011683
【氏名又は名称】富士フイルムヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000888
【氏名又は名称】弁理士法人山王坂特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 真也
(72)【発明者】
【氏名】曲 伸之
(72)【発明者】
【氏名】久保 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】藤野 昭人
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 奈津季
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-159490(JP,A)
【文献】特開平07-051260(JP,A)
【文献】特開2010-115390(JP,A)
【文献】特開2009-205046(JP,A)
【文献】国際公開第2008/122117(WO,A1)
【文献】特開平7-67885(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0033675(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
42/00-90/98
A61G 9/00-15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体が搭載される天板と、前記天板を搭載して支持する支持体と、前記被検体にX線を照射するX線管装置と、前記支持体内に配置され、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出部と、
両端にコネクタが備えられ、外部装置から別の外部装置へ出力または入力される電気信号を伝送するための少なくとも1本の外部装置用ケーブルと、
前記外部装置用ケーブルが内部に収容された管と、
前記外部装置用ケーブルの前記両端のコネクタがそれぞれ収容された第1および第2のコネクタボックスとを有し、
前記外部装置用ケーブルが内部に配置された前記管は、前記支持体と一体に構成され、
前記第1のコネクタボックスは、前記支持体の外側表面に備えられていることを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載のX線透視撮像装置であって、前記支持体に接続された回転軸と、前記回転軸を回転させることにより前記支持体を起倒動させる駆動部と、前記駆動部が内蔵された脚部とをさらに有し、
前記第2のコネクタボックスは、前記回転軸の外側表面に備えられていることを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載のX線透視撮像装置であって、前記管は、前記支持体の長手方向に沿って、前記支持体の一方の端部から他方の端部まで配置され、前記第1のコネクタボックスは、前記支持体の長手方向の一端に備えられていることを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載のX線透視撮像装置であって、前記管は、前記支持体の短手方向についても一方の端部から他方の端部まで配置され、
前記短手方向に配置された管には、前記外部装置用ケーブルに加えて、いずれも外部装置に接続される少なくとも1本の第2の外部装置用ケーブルが収容され、
前記第2の外部装置用ケーブルの両端には、コネクタが備えられ、
前記第2の外部装置用ケーブルの一端のコネクタは、第3のコネクタボックスに収容され、
前記第3のコネクタボックスは、前記支持体の外側表面に備えられていることを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項5】
請求項4に記載のX線透視撮像装置であって、前記第2の外部装置用ケーブルの他端のコネクタは、前記回転軸に備えらえた前記第2のコネクタボックスに収容されていることを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項6】
請求項1に記載のX線透視撮像装置であって、前記管は、金属製であることを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項7】
請求項2に記載のX線透視撮像装置であって、前記脚部の外側表面には、第4のコネクタボックスが配置され、
前記第4のコネクタボックスには、両端にコネクタが備えられた少なくとも1本の延長用ケーブルの一端の前記コネクタが収容されていることを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項8】
請求項7に記載のX線透視撮像装置であって、前記延長用ケーブルの他端のコネクタは、前記第4のコネクタボックスから外部に引き出され、前記回転軸に備えられた第2のコネクタボックスのコネクタに着脱可能であることを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項9】
請求項8に記載のX線透視撮像装置であって、前記脚部の外側には、前記延長用ケーブルが前記回転軸の前記第2のコネクタボックスのコネクタに接続されているかどうかを検出する検出センサーが備えられていることを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項10】
請求項9に記載のX線透視撮像装置であって、前記検出センサーは、前記第2のコネクタボックスのコネクタに接続されていない状態の前記延長用ケーブルを掛けるフックを含むことを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項11】
請求項4に記載のX線透視撮像装置であって、前記第1および第3のコネクタボックスの少なくとも一方には、収容しているコネクタに外部の装置のケーブルが接続されているかどうかを検出する第2検出センサーを備えることを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項12】
請求項11に記載のX線透視撮像装置であって、前記第1および第3のコネクタボックスの第2検出センサーは、当該コネクタボックスに収容されているコネクタを覆う扉と、前記扉が開いているかどうかを検出する開閉センサーとを備えることを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項13】
請求項9に記載のX線透視撮像装置であって、制御部をさらに有し、
前記制御部は、前記検出センサーが前記回転軸の前記第2のコネクタボックスのコネクタに前記延長用ケーブルが接続されていることを検出した場合には、前記駆動部による前記支持体の起倒動を制限することを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項14】
請求項11に記載のX線透視撮像装置であって、制御部をさらに有し、
前記制御部は、前記第2検出センサーが前記コネクタに外部の装置のケーブルが接続されていることを検出した場合には、前記駆動部による前記支持体の起倒動を制限することを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項15】
請求項14に記載のX線透視撮像装置であって、前記制御部は、前記第2検出センサーが前記コネクタに外部の装置のケーブルが接続されていることを検出した場合には、前記駆動部による起倒動の角度範囲を制限することを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項16】
請求項15に記載のX線透視撮像装置であって、前記第1および第3のコネクタボックスには、複数種類の前記外部装置用ケーブルのコネクタが収容され、
前記第2検出センサーは、前記外部の装置のケーブルが接続されている前記コネクタの種類を検出し、
前記制御部は、前記第2検出センサーが前記外部の装置のケーブルが接続されていることを検出した前記コネクタの種類に応じて、前記起倒動の角度範囲を異なる角度範囲に制限することを特徴とするX線透視撮像装置。
【請求項17】
請求項2に記載のX線透視撮像装置であって、前記コネクタボックスのコネクタに外部装置の接続を希望することを入力するスイッチをさらに備え、
前記スイッチが押下された場合、前記駆動部は、前記回転軸を回転させ、予め定められた起倒動の角度に前記支持体を復帰させることを特徴とするX線透視撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線透視撮像装置に係り、特に、X線透視撮像を行いながら他の撮像装置による撮像を同時に行う場合の作業環境を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検体のX線透視撮像を行う装置として、被検体を載置する天板や、被検体に照射するX線を発生するX線発生部等を、所望の位置に移動させる複数の可動部を有する透視撮像装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、特許文献2には、X線透視撮像装置を用いて被検体のX線透視撮像を行いながら、内視鏡により当該被検体内を撮影し、X線透視撮像画像と内視鏡画像を、同一の表示装置の一つの表示画面内に同時に表示することで操作向上を図るシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-136797号公報
【文献】特開2018-11807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
X線透視撮像によって被検体のX線透視画像の撮像を行いながら、内視鏡画像等の他の撮像装置による撮像を同時に行って、それぞれ別々の表示装置または同一の表示装置に表示させることにより、医師等のユーザは、複数の画像を同時に視認できる。これにより、ユーザは、被検体や手技の状況をX線透視画像と内視鏡画像等の2種類以上の画像情報をリアルタイムで見ることができる。
【0006】
この場合、X線透視装置の周囲には、内視鏡装置等の他の撮像装置と、撮像した画像を表示するための表示装置が配置される。撮像装置と表示装置とは、画像信号を伝送するためのケーブルによって接続される。例えば、内視鏡装置で胃部を撮像する場合、医師は被検体の頭側に立って、被検体の口等から内視鏡を挿入しながら、被検体の足側に配置した表示装置に内視鏡画像を表示させてそれを視認し、必要な手技を行うことがある。また、内視鏡装置等の撮像装置を、病院内のネットワークに接続して、被検体情報を取り込んだり、撮像した画像を共有したり録画したりする場合もある。
【0007】
そのため、X線透視装置でX線透視画像を撮像しながら、他の撮像装置による撮像を行う場合、被検体を搭載した天板の周囲に他の撮像装置が配置され、その撮像装置と表示装置とを接続するケーブルが少なくとも必要になる。被検体が搭載された天板の周囲は、医師等の術者や看護師や技師等が行き来するため、他の撮像装置と表示装置とを接続するケーブルがあることは、そのケーブルが空中に張られていても、また、床面に引きまわれていても邪魔になり、操作や作業の効率を低下させるとともに、安全性向上の妨げになることがある。
【0008】
本発明の目的は、X線透視撮像を行いながら他の撮像装置による撮像を同時に行う場合であっても、作業環境を向上させることのできるX線透視撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のX線透視撮像装置は、被検体が搭載される天板と、天板を搭載して支持する支持体と、被検体にX線を照射するX線管装置と、支持体内に配置され、被検体を透過したX線を検出するX線検出部と、両端にコネクタが備えられ、外部装置から別の外部装置へ出力または入力される電気信号を伝送するための少なくとも1本の外部装置用ケーブルと、外部装置用ケーブルが内部に収容された管と、外部装置用ケーブルの両端のコネクタがそれぞれ収容された第1および第2のコネクタボックスとを有する。外部装置用ケーブルが内部に配置された管は、支持体と一体に構成されている。第1のコネクタボックスは、支持体の外側表面に備えられている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、X線透視撮像を行いながら他の撮像装置による撮像を同時に行う場合、他の撮像装置とその表示装置等を、X線透視撮像装置の支持体に配置された第1及び第2のコネクタボックスにそれぞれ接続することにより、支持体に備えられた外部装置用ケーブルを介して接続することができる。よって、ケーブルを支持体の周囲で引き回す必要がなく、X線透視撮像装置の作業環境を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1のX線透視撮像装置の側面図である。
【
図2】実施形態1のX線透視撮像装置の正面図である。
【
図3】実施形態1のX線透視撮像装置の上面図である。
【
図4】実施形態1のX線透視撮像装置の天板と支持体を起倒動させた状態を示す正面図である。
【
図5】(a)
図3のA-A断面図、(b)
図3のB-B断面図である。
【
図6】(a)実施形態1のコネクタボックス1等の正面図、(b)実施形態1のコネクタボックス2の正面図である。
【
図7】(a)および(b)は、実施形態1、2のX線透視撮像装置の延長用ケーブル153のフックの構造を示す側面図および正面図である。
【
図8】実施形態2のX線透視撮像装置の機能ブロック図である。
【
図9】実施形態3のX線透視撮像装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0013】
<<実施形態1>>
以下、本発明の実施形態1のX線透視撮像装置について、
図1等を用いて説明する。
【0014】
図1、
図2および
図3はそれぞれ、実施形態1のX線透視撮像装置の側面図、正面図、および、上面図である。
図4は、X線透視撮像装置を起倒動させた状態を示す正面図である。X線透視装置は、被検体が搭載される天板10と、天板10を搭載して支持する支持体4と、被検体にX線を照射するX線管装置8と、支持体4内に配置され、被検体を透過したX線を検出するX線検出部(例えばFPD)9と、支持体4に接続された回転軸51と、脚部5とを備えて構成される。脚部5には、回転軸51を回転させる駆動部52が内蔵されている。駆動部52が回転軸51を回転させることにより、
図4のように支持体4を起倒動させることができる。また、駆動部52は、回転軸51を上下動させることにより、支持体4を昇降させる機能も備えている。
【0015】
X線管装置8は、支持体4上に支持柱53によって支持されている。支持体4内には、X線管装置8とX線検出部9とを対向させた状態で、支持柱53とX線検出部9とを天板10の長手方向および短手方向に支持体4に対して相対的に移動させる駆動機構が内蔵されている。
【0016】
支持体4には、
図5(a)に示すように、1本以上の外部装置用ケーブル151が内部に収容された管61が配置されている。外部装置用ケーブル151は、外部装置から別の外部装置へ出力または入力される電気信号を伝送するためのケーブルである。
【0017】
図2、
図3および
図4に示すように、管61は、支持体4の長手方向に沿って、支持体4の一方の端部から他方の端部まで配置された管61aと、支持体4の短手方向に沿って配置された管61bと、管61b内の外部装置用ケーブル151の端部を回転軸51まで導く管61cとを含んでいる。管61は、支持体4と一体に構成されている。
【0018】
管61に収容された外部装置用ケーブル151には、両端にコネクタ251a、251bが備えられている。外部装置用ケーブル151の両端にはそれぞれ、コネクタボックス1,2が接続され、両端のコネクタ251a、251bは、
図6(a)、(b)のように、コネクタボックス1,2にそれぞれ収容されている。
【0019】
本実施形態では、外部装置用ケーブル151は、4本であり、両端にD-SUBコネクタ251a-1,251b-1が接続されたDVIケーブル251-1、両端にLANポート251a-2,251b-2が接続されたLANケーブル251-2、両端にBNCコネクタ251a-3,251b-3が接続された同軸ケーブル251-3、および、両端にBNCコネクタ251a-4,251b-4が接続された同軸ケーブル251-4である。
【0020】
図2および
図4に示すように、コネクタボックス1は、支持体4の長手方向の一端の外側表面(下面)に備えられている。
【0021】
一方、コネクタボックス2は、
図1および
図3に示すように、回転軸51の外側表面に備えられている。
【0022】
なお、本実施形態において、管61は、金属製であることが望ましい。これにより、
図5(a)に示すように、支持体4にX線透視撮像装置の操作パネル12が備えられ、支持体4の枠4a内に操作パネル12に接続されたケーブル15が引き回されている場合であっても、外部装置用ケーブル151を、電磁気的にシールドすることができるため、ケーブル15と外部装置用ケーブル151との相互のノイズ混入を防止できる。
【0023】
このような本実施形態のX線透視撮像装置では、X線透視撮像を行いながら他の撮像装置(ここでは内視鏡装置)6による撮像を同時に行う場合、
図2に示すように、内視鏡装置6と表示装置7を、X線透視撮像装置の支持体4の長手方向の端部に配置されたコネクタボックス1と、回転軸51の外側に配置されたコネクタボックス2内のコネクタにそれぞれ接続することにより、支持体4の管61に収容された外部装置用ケーブル151を介して接続することができる。これにより、内視鏡装置6の撮像画像を、外部装置用ケーブル151を介して、表示装置7に表示することができる。よって、ケーブル151を支持体4の周囲で引き回す必要がなく、X線透視撮像装置の周辺の作業環境を向上させることができる。
【0024】
一方、X線透視撮像装置は、X線管装置8からX線を天板10上の被検体に照射し、被検体を透過したX線をX線検出器(FPD)9により検出する。X線検出器9の出力は、支持体4内に別途配置されている画像ケーブルによって、回転軸51の中心を通って、脚部5に受け渡され、脚部5から床下のケーブルを通って隣室の操作室のコンソール(不図示)内の画像生成部に受け渡される。画像生成部は、X線透視画像を生成し、操作室およびX線透視撮像装置が設置された撮像室にそれぞれ配置された透視画像用表示装置に表示させる。撮像室の透視画像用表示装置は、内視鏡画像が表示される表示装置7の近傍に配置する。これにより、手技を行う医師等のユーザは、X線透視画像と内視鏡画像とを両画像を同時に目視して手技を行うことができる。
【0025】
<2系統目の外部装置用ケーブル152>
また、本実施形態では、支持体4の短手方向に配置された管61bには、上述の4本の外部装置用ケーブル151(1系統目のケーブル)に加えて、4本の外部装置用ケーブル152(2系統目のケーブル)が収容されている。
【0026】
2系統目の4本の外部装置用ケーブル152のケーブルの種類は、1系統目の外部装置用ケーブル151の4本のケーブルと同様である。第2の外部装置用ケーブル152の両端には、コネクタ252a-1~4、252b-1~4が備えられている。一方のコネクタ252a-1~4は、コネクタボックス11に収容されている。コネクタボックス11は、
図1、
図2に示すように、コネクタボックス1とは逆側の支持体3の端部の外側表面(下面)に備えられている。コネクタボックス11のコネクタ252a-1~4の配置は、
図6(a)のコネクタボックス1のコネクタ251a-1~4と同様である。他方のコネクタ252b-1~4は、回転軸51に備えられたコネクタボックス2に、
図6(b)のように収容されている。
【0027】
よって、本実施形態のX線透視撮像装置では、
図2のように、別の撮像装置60を、内視鏡装置6とは、逆側の端部に配置して撮像を同時に行う場合、別の撮像装置60と表示装置7を、コネクタボックス11と、回転軸51の外側に配置されたコネクタボックス2内のコネクタにそれぞれ接続することにより、支持体4の管61bに収容された外部装置用ケーブル152を介して接続することができる。よって、ケーブル152を支持体4の周囲で引き回す必要がなく、X線透視撮像装置の周辺の作業環境を向上させることができる。
【0028】
<脚部5のコネクタボックス3への延長>
また、本実施形態では、
図1のように脚部5の外側表面に、さらに別のコネクタボックス3が配置されている。このコネクタボックス3には、外部装置用ケーブル151、152を延長するための延長用ケーブル153の片端のコネクタ253a-1~4が
図6(a)と同様に収容されている。延長用ケーブル153および他端のコネクタ(不図示)は、脚部5や回転軸51の内部には収容されず、コネクタボックス3から外部に引き出されている。そして、回転軸51に備えられたコネクタボックス2のコネクタ251b-1~4、または、252b-1~4に選択的に着脱可能である。
【0029】
このような構成により、外部装置用ケーブル151、152は、回転軸51のコネクタボックス2から脚部5のコネクタボックス3まで延長されるため、表示装置等の外部装置を回転軸51のコネクタボックス3ではなく、脚部5のコネクタボックス3のコネクタに接続することにより、内視鏡装置6や他の撮像装置60と接続することができる。このとき、延長用ケーブル153およびそのコネクタを、コネクタボックス2のコネクタ251b-1~4、または、252b-1~4に選択的に着脱することにより、コネクタボックス1に接続されている内視鏡装置6、または、コネクタボックス11に接続されている撮像装置60のいずれかに選択的に接続することができる。
【0030】
なお、脚部5の外側面のコネクタボックス3の近傍には、
図7(a)、(b)に示すように、フック33が設けられている。延長用ケーブル153を回転軸51のコネクタボックス2に接続していない場合には、延長用ケーブル153に取り付けられた治具32をフック33に掛けて収納することができる。
【0031】
上述してきたように、本実施形態2では、天板10の支持体4の外部装置用ケーブル151,152が収容された管61を配置し、コネクタボックス1,11を支持体4の外側表面に配置することにより、天板10の近傍に配置されることが多い内視鏡装置等の外部撮像装置6,60の入出力ケーブルの一部又は全てを、コネクタボックス1または11に接続することにより、表示装置に接続することができる。これにより、術者や操作者が、ケーブルに接触することがなく、操作性や安全性向上が図れるという効果を奏することができる。
【0032】
<<実施形態2>>
実施形態2のX線透視撮像装置は、外部の撮像装置6,60が支持枠4内の外部装置用ケーブル151や152を介して、表示装置7に接続されている場合、天板10および支持枠4が上昇したり起倒動したりする動作を制限する制御部81を備えている(
図8参照)。そのため、X線透視撮像装置には、外部の撮像装置6,60が支持枠4内の外部装置用ケーブル151や152を介して表示装置7に接続されているかどうかを検出する検出センサー32が配置されている。
【0033】
検出センサー32としては、どのようなものであってもよいが、例えば、
図7(a)、(b)に示すように、延長用ケーブル153が回転軸51のコネクタボックス2のコネクタに接続されているかどうかを検出する検出センサーを用いることができる。この検出センサー32は、延長用ケーブル153が回転軸51のコネクタボックス2のコネクタに接続されている場合、外部の撮像装置6,60が支持枠4内の外部装置用ケーブル151や152を介して、表示装置7に接続されているとして、制御部81は、駆動部52による起倒動や昇降動を制限する。
具体的には、
図7(a),(b)の検出センサー32は、フック33に延長用ケーブル153が治具30によって掛けられている場合には、フック33にかかっている延長用ケーブル153の重さを検出する。例えば、フック33は、延長用ケーブル153が掛けられた場合には、その重さにより下方にシフトする構造を有し、検出センサー32は、フック33が下方にシフトしたことを検出するスイッチを内蔵する構成とする。これにより、延長用ケーブル153がフック33に掛けられている場合には、延長用ケーブル153がコネクタボックス2には接続されておらず、フック33に掛けられていない場合にはコネクタボックス2に接続されていることを検出センサー32は検出することができる。
【0034】
また、検出センサー32としては、コネクタボックス1、11に外部の撮像装置6,60のケーブルが接続されているかどうかを検出するセンサー(不図示)を用いてもよい。例えば、コネクタボックス1,11に、収容されているコネクタを覆う扉を設け、扉が開いているかどうかを検出する開閉センサーを備え、この開閉センサーを検出センサー32として用いる。これにより、開閉センサー(検出センサー32)は、扉が開いていることを検出することにより、コネクタボックス1,11のコネクタに外部の撮像装置6,60のケーブルが接続され、支持枠4内の外部装置用ケーブル151や152を介して表示装置7に接続されていることを検出できる。
【0035】
制御部81は、検出センサー32が、外部の撮像装置6,60が支持枠4内の外部装置用ケーブル151や152を介して表示装置7に接続されていることを検出した場合には、駆動部52の動作を制限する。例えば、支持体4の起倒動を禁止し、昇降動作を予め定めた範囲内に制限する。
【0036】
同時に、制御部は、起倒動が禁止され、昇降動作が予め定めた範囲内に制限されていることを、操作者に報知する。例えば、音声を流したり、ランプを点灯させたり、または、X線透視撮像装置の表示装置(不図示)に表示する等して報知する。
【0037】
これにより、外部の撮像装置6,60が支持枠4のコネクタボックス1,11に接続されている状態で、支持枠4が起倒動等されて外部の撮像装置6,60が持ち上げられる等の状況を防ぐことができる。また、延長用ケーブル153の断線を防止できる。
【0038】
<<実施形態3>>
実施形態3のX線透視撮像装置は、コネクタボックス1,11に、コネクタ251a-1~4、252a-1~4のうちのどのコネクタに外部の装置のケーブルが接続されているかを検出するセンサー132-1~4をコネクタ251a-1~4ごとに設ける(
図9)。例えば、コネクタボックス1のコネクタ251a-1~4ごとに蓋を設け、各蓋の開閉をセンサー132-1~4で検出する構成とする。
【0039】
制御部81は、
図9のように、検出センサー132-1~4が外部の装置のケーブルが接続されていることを検出したコネクタの種類に応じて、起倒動の角度範囲を異なる角度範囲に制限する。
【0040】
一例としては、内視鏡装置6が、コネクタボックス1のBNCコネクタ251a-4に接続されていることをセンサー132-4が検出した場合、駆動部52による起倒動の動作範囲を±5°に制限し,昇降動は制限しない。一方、LANポート251a-2に内視鏡装置6が接続されていることをセンサー132-2が検出した場合は、制御部起倒動の動作範囲を±50°、昇降動は500~700mmに制限する。
【0041】
これにより、外部の撮像装置6,60が支持枠4のコネクタボックス1,11に接続されている状態で、支持枠4が起倒動等されて外部の撮像装置6,60が持ち上がったり、引きずられたりする状況を防ぎつつ、ある範囲の起倒動や昇降動を許容できるため、術者の安全性や操作性と、手技の自由度とを両立させることができる。
【0042】
他の構成は、実施形態2と同様である。
【0043】
<<実施形態4>>
実施形態4のX線透視撮像装置では、
図4に示すように、操作パネル12にスイッチ212が備えられている。スイッチ212は、コネクタボックス1,11のコネクタに、外部の撮像装置の接続を操作者が希望する場合に、操作者が押下するためのスイッチである。
【0044】
スイッチ212が押下された場合、駆動部52は、
図4のように支持体4を起倒動させた状態であるならば、回転軸51を回転させ、
図2のように予め定められたフラットな角度に支持体4を復帰させる。
【0045】
これにより、操作者は、スイッチ212を押下するだけで、支持体4を自動的に外部の撮像装置のケーブルをコネクタに接続可能な角度まで移動させることができ、操作者の作業効率が向上する。
【0046】
なお、スイッチ212の配置場所は、支持枠4の操作パネル12に限らず、X線透視撮像装置の遠隔操作卓や脚部5等に設けることも可能である。
【0047】
<<変形例>>
上述してきた実施液体では、表示装置7は、外部の撮像装置6,60の画像を表示させる表示装置であったが、表示装置7にX線透視撮像装置の撮像した透視画像も画像生成部(不図示)から入力し、外部の撮像装置6,60の画像と並べて、もしくは、重畳させて表示させる構成にすることも可能である。
【0048】
なお、本発明は上記した実施形態1~4に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1、2、3、11…コネクタボックス、4…支持体、5…脚部、6…外部の撮像装置(一例として内視鏡装置)、7…表示装置、8…X線管装置、9…X線検出部、10…天板、12…操作パネル、52…駆動部、32…検出センサー、81…制御部、151,152…外部装置用ケーブル