(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】調理システム
(51)【国際特許分類】
F24C 3/12 20060101AFI20230721BHJP
H05B 6/12 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
F24C3/12 K
F24C3/12 R
H05B6/12 334
(21)【出願番号】P 2020006308
(22)【出願日】2020-01-17
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕康
(72)【発明者】
【氏名】山田 勇雄
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-074252(JP,A)
【文献】特開平07-254484(JP,A)
【文献】特開2018-173246(JP,A)
【文献】特開2007-198613(JP,A)
【文献】特開2007-303804(JP,A)
【文献】国際公開第2017/090244(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/170318(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0154267(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 1/00-15/36
H05B 3/00- 3/86
H05B 6/00- 6/80
A47J 37/00-37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板部と、
前記天板部の上面に配置されるとともに、上方に載置される調理容器を加熱する加熱部と、
前記加熱部を上方から見た画像を撮像する撮像部と、
前記加熱部の上方に配置されており、上方から前記加熱部を照らす照明部と、
前記加熱部の上方に前記調理容器が載置された場合に、前記撮像部が撮像した前記調理容器の画像に基づいて、前記照明部の照明範囲を変更する照明制御部と、を備えている調理システム。
【請求項2】
前記調理システムは、前記撮像部が撮像した前記加熱部の画像に基づいて前記加熱部を制御する制御部をさらに備えており、
前記制御部は、前記加熱部の上方に前記調理容器が載置された場合に、前記撮像部が撮像した前記調理容器の画像に基づいて前記調理容器の外形を算出し、
前記照明制御部は、前記照明範囲が前記外形の内側に収まるように前記照明範囲を変更する、請求項1に記載の調理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記加熱部の上方に前記調理容器が載置された場合に、前記調理容器を上方から見たときの前記調理容器の中心である調理容器中心の位置を、前記撮像部が撮像した前記調理容器の画像に基づいて算出し、
前記照明制御部は、前記制御部が算出した前記調理容器中心の位置と、前記加熱部
の中心の位置がずれている場合に、前記
照明部が前記調理容器中心に向け
て光を発するように前記照明部の向きを変更する、請求項2に記載の調理システム。
【請求項4】
前記調理システムは、前記制御部を起動する電源スイッチをさらに備えており、
前記照明制御部は、前記電源スイッチにより前記制御部が起動された場合に、前記加熱部の中心に向かって延びる光線を前記照明部に照射させる、請求項2または3に記載の調理システム。
【請求項5】
前記調理システムは、前記加熱部の上方に前記調理容器が載置されたことを検知する調理容器検知部をさらに備えており、
前記照明制御部は、前記加熱部の上方に前記調理容器が載置されたことを前記調理容器検知部が検知した場合に、前記加熱部の中心に向かって延びる光線を前記照明部に照射させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、調理システムに関する。特に、天板部と、天板部の上面に配置されるとともに、上方に載置される調理容器を加熱する加熱部と、調理容器を上方から見た画像を撮像する撮像部と、を備えている調理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、調理容器の上方に配置されている撮像部(例えばカメラ)によって調理容器を上方から見た画像を取得する調理システムが開示されている。特許文献1の調理システムは、撮像部が取得した調理容器を上方から見た画像に基づいて調理容器内の調理物が調理容器の外側に吹きこぼれたことを検知する。特許文献1の調理システムは、調理物が調理容器の外側に吹きこぼれたことを検知した場合、加熱部の火力を小さくする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の調理システムは、加熱部を上方から照らす照明部を備えている。照明部が加熱部を上方から照らすことで、撮像部は、より鮮明な画像を取得することができる。しかしながら、近年、加熱部が配置される天板部は、デザイン性を向上させるために、いわゆるガラストップのような光沢を帯びている材質により構成されることがある。その場合、照明部の光が天板部によって反射し、撮像部の画像がぼやけるおそれがある。本明細書では、照明部の光が天板部に反射することを抑制し、撮像部の取得する画像がぼやけることを抑制する調理システムを提示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する調理システムは、天板部と、天板部の上面に配置されるとともに、上方に載置される調理容器を加熱する加熱部と、加熱部を上方から見た画像を撮像する撮像部を備えている。また、調理システムは、加熱部の上方に配置されており、上方から前記加熱部を照らす照明部と、照明制御部を備えている。照明制御部は、加熱部の上方に調理容器が載置された場合に、撮像部が撮像した調理容器の画像に基づいて、照明部の照明範囲を変更する。
【0006】
上述した調理システムの照明制御部は、撮像部が撮像した調理容器の画像に基づいて、照明部の照明範囲を変更する。このため、照明部は調理容器の内側のみを照らし、調理容器の外側の天板部を照らさないように、照明範囲を変更することができる。これによって、照明部の光が天板部に反射することを抑制し、撮像部の画像がぼやけることを抑制することができる。
【0007】
調理システムは、さらに、撮像部が撮像した加熱部の画像に基づいて加熱部を制御する制御部を備えてもよい。その場合、制御部は、加熱部の上方に調理容器が載置された場合に、撮像部が撮像した調理容器の画像に基づいて調理容器の外形を算出し、照明制御部は、照明範囲が外形の内側に収まるように照明範囲を変更してもよい。上述した調理システムによれば、照明範囲が調理容器の外形から外側に出ない。すなわち、照明部の光が天板部に反射しない。
【0008】
さらに、制御部は、加熱部の上方に調理容器が載置された場合に、調理容器を上方から見たときの調理容器の中心である調理容器中心の位置を、撮像部が撮像した調理容器の画像に基づいて算出してもよい。その場合、照明制御部は、制御部が算出した調理容器中心の位置と加熱部の中心の位置がずれている場合に、照明部が調理容器中心に向けて光を発するように照明部の向きを変更してもよい。上述した調理システムでは、調理容器中心の位置と加熱部の中心の位置がずれている場合であっても、調理容器内部の調理容器中心周りを照らすことができ、照明部の光が天板部に反射することを抑制することができる。
【0009】
さらに、上述した調理システムは、制御部を起動する電源スイッチをさらに備えていてもよい。その場合、照明制御部は、電源スイッチにより制御部が起動された場合に、加熱部の中心に向かって延びる光線を前記照明部に照射させてもよい。上述した調理システムは、電源スイッチをオンしたユーザに対して、調理容器中心の位置と加熱部の中心の位置を合わせて調理容器を加熱部の上方に載置するように促すことができる。
【0010】
また、上述した調理システムは、加熱部の上方に調理容器が載置されたことを検知する調理容器検知部をさらに備えていてもよい。その場合、照明制御部は、加熱部の上方に調理容器が載置されたことを調理容器検知部が検知した場合に、加熱部の中心に向かって延びる光線を照明部に照射させてもよい。上述した調理システムは、加熱部の上方に調理容器を載置したユーザに対して、調理容器中心の位置と加熱部の中心の位置を合わせて調理容器を加熱部の上方に載置するように促すことができる。
【0011】
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図4】鍋中心を算出する一例を記載した加熱調理部の上面視を示す。
【
図6】照明範囲の一例を記載した加熱調理部の上面視を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施例)
図面を参照して実施例の調理システムについて説明する。
図1は、実施例の調理システム2を模式的に示した斜視図である。
図1に示されるように、調理システム2は、レンジフード4と、加熱調理器10を備えている。加熱調理器10は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。レンジフード4は、加熱調理器10の上方に配置された換気装置である。
【0014】
レンジフード4と対向する加熱調理器10の上面には、天板10uが配置されている。天板10uは、ガラスで構成されている板状である。天板10uの上面は光沢を帯びている。加熱調理器10の天板10uには、第1コンロ11aと、第2コンロ11bと、第3コンロ11cと、グリル庫28に連通する排気口17が配置されている。また、加熱調理器10の前側(すなわち、
図1の右側)の面である前面10fには、コンロ操作部20と、グリル庫28が設けられている。本明細書では、理解を助けるため、加熱調理器10の前面10fが設けられている側を単に「前側」と表現し、その反対側を単に「後側」と表現することがある。また、前側と後側を結ぶ方向を前後方向とする。前後方向と直交する水平方向の左右については、加熱調理器10の前側に位置し、前面10fと対向するユーザの右側および左側と同様とする。また、加熱調理器10の前面10fの左側には、グリル庫28内のグリルバーナ(図示省略)を操作するグリル操作部が設けられているが、本明細書では説明を省略する。
【0015】
第1コンロ11aと、第2コンロ11bと、第3コンロ11cは、天板10uの上面に前後方向に2列に配置されている。第1コンロ11aは、前列の右側に配置されている。第3コンロ11cは、前列の左側に配置されている。後列の第2コンロ11bは、第1コンロ11aと第3コンロ11cの左右方向の間に配置されている。第1コンロ11aは、第1コンロバーナ12aと、第1センサ14aと、五徳16aを備えている。第1コンロバーナ12aには、ガス供給路(図示省略)が接続されている。ガス供給路には、第1コンロバーナ12aへのガス供給量を調整するための流量調整弁(図示省略)が設けられている。第1コンロバーナ12aは、第1コンロバーナ12aにガスが供給されている状態でイグナイタ(図示省略)を動作させることによって点火する。第1コンロ11aは、点火した第1コンロバーナ12aによって、上方に載置される鍋やフライパン等の調理容器を加熱する。第1コンロバーナ12aへのガス供給量を調整することにより、第1コンロバーナ12aの加熱量を調整することができる。また、第1コンロバーナ12aへのガスの供給が停止されることにより、第1コンロバーナ12aは消火される。なお、第2コンロ11bが備えている第2コンロバーナ12bと、第3コンロ11cが備えている第3コンロバーナ12cは、第1コンロバーナ12aと同様の構造を有している。
【0016】
第1センサ14aは、第1コンロ11aの調理容器の存在を検出するとともに、調理容器の温度を検出する。第1コンロ11aの上に調理容器が配置されると、第1センサ14aが調理容器によって押圧される。第1センサ14aは、調理容器によって押圧されると、第1コンロ11aの上に調理容器が載置されたことを検知する。第1コンロ11aの上に調理容器が載置されていない場合は、第1センサ14aが押圧されない。第1センサ14a内には熱電対が配置されており、第1センサ14aに接触している対象物の温度を検出することができる。なお、第2コンロ11bが備えている第2センサ14bと、第3コンロ11cが備えている第3センサ14cは、第1センサ14aと同様の構造を有する。また、五徳16a~16cは、それぞれのコンロの上方に載置される調理容器を、それぞれのコンロバーナから一定の距離を維持して支持する。
【0017】
コンロ操作部20は、加熱調理器10の電源スイッチ24と、第1加熱量操作部20aと、第2加熱量操作部20bと第3加熱量操作部20cと、パネル操作部22を備えている。電源スイッチ24は、加熱調理器10を起動させるスイッチであり、電源スイッチ24をオンすることで各コンロバーナへの点火が可能になる。第1加熱量操作部20aは、第1コンロ11aに対応する。同様に、第2加熱量操作部20bは、第2コンロ11bに対応し、第3加熱量操作部20cは、第3コンロ11cに対応する。第1加熱量操作部20aは、第1コンロバーナ12aの点火および消火を行うとともに、第1コンロバーナ12aの加熱量の調整を行うための操作部である。第1加熱量操作部20aは、オルタネイト型のスイッチである。ユーザによって第1加熱量操作部20aを消火位置から点火位置に移動させるための操作が実行されると、第1コンロバーナ12aが点火され、ユーザによって第1加熱量操作部20aを点火位置から消火位置に移動させるための操作が実行されると、第1コンロバーナ12aが消火される。点火位置とは、第1加熱量操作部20aの前面が加熱調理器10の前面10fよりも前方に突出している位置であり、消火位置とは、第1加熱量操作部20aの前面が加熱調理器10の前面10fと同じ位置に揃うように、第1加熱量操作部20aが収容されている位置である。すなわち、
図1では、第3加熱量操作部20cが点火位置で表現されており、第1加熱量操作部20aと第2加熱量操作部20bが消火位置で表現されている。また、ユーザは、第1加熱量操作部20aが点火位置に位置している状態において、第1加熱量操作部20aを時計方向または反時計方向に操作することで、第1コンロバーナ12aへのガス供給量を調整し、第1コンロバーナ12aの加熱量(以下では「火力」と記載する場合がある)を調整することができる。なお、第2加熱量操作部20bと第3加熱量操作部20cも、第1加熱量操作部20aと同様の構造を有している。
【0018】
パネル操作部22には、第1コンロバーナ12a、第2コンロバーナ12b、第3コンロバーナ12cの動作状態などが表示される。ユーザは、パネル操作部22によって各コンロバーナを所定の時間経過後に消火する、消火タイマーの設定等をすることができる。
【0019】
次に、レンジフード4について説明する。レンジフード4は、内部に不図示のファンを収容している。レンジフード4は、ファンを下方から覆うカバー6と、カメラ9と、第1照明部8aと、第2照明部8bと、第3照明部8cを備えている。カバー6は、レンジフード4から取り外し可能に構成されており、レンジフード4のメンテナンス時にはカバー6を取り外して内部のファンの清掃等を行う。図示は省略したが、レンジフード4は、カバー6の外周に沿った開口を備えている。レンジフード4のファンが回転すると、カバー6の外周に沿った開口から空気がレンジフード4の内部に吸い込まれて排気される。
【0020】
カバー6の中央部には、カメラ9が配置されている。カメラ9は、第1コンロ11a、第2コンロ11b、第3コンロ11cを上方から見た画像を撮像する。また、カバー6の周囲には、第1照明部8aと、第2照明部8bと、第3照明部8cが配置されている。第1照明部8aと、第2照明部8bと、第3照明部8cは、上述した各コンロ同様に、前後方向に2列に配置されている。第1照明部8aは、前列の右側に配置されている。第3照明部8cは、前列の左側に配置されている。後列の第2照明部8bは、第1照明部8aと第3照明部8cの左右方向の間に配置されている。第1照明部8aは、上方から第1コンロ11aを照らす。同様に、第2照明部8bは、上方から第2コンロ11bを照らし、第3照明部8cは、上方から第3コンロ11cを照らす。
【0021】
図2を参照して、第1照明部8aの詳細構造について説明する。第1照明部8aは、照明本体80と、脚部88と、回転機構89を備えている。照明本体80は筒状であり、内部に電球86を収容している。電球86は、通電することで光を発する発光体である。電球86の下方には、反射コーン83が配置されている。反射コーン83は、ロートのような中空の形状を有しており、上部の内径が一定で形成されているとともに、下部の内径が下側ほど広がっている。反射コーン83の表面は、光沢を帯びており、電球86が発した光を反射させる。反射コーン83の下側には、レンズ84が配置されている。電球86が発した光は、反射コーン83に反射するとともにレンズ84を通過して第1コンロ11a(
図1参照)を照らす。
図2では、電球86が発する光の方向を方向Ldで示している。
【0022】
電球86は、昇降機構85の下端に配置されている。昇降機構85は、方向Ldに沿って移動可能に構成されている。昇降機構85が方向Ldに沿って下方に移動することで、電球86が反射コーン83の上部内に挿通される。さらに昇降機構85が下方に移動すると、
図2の二点鎖線で示されるように、電球86が反射コーン83の内側に露出する。これにより、電球86の発する光の照明範囲が広くなる。また、電球86の発する光は、レンズ84によって屈折して第1コンロ11a(
図1参照)を照らす。昇降機構85が方向Ldに沿って下方に移動することで、電球86とレンズ84の距離が小さくなる。その結果、屈折角が変わり、電球86の発する光の照明範囲が広くなる。
図2に示されるように、電球86とレンズ84の距離が距離D1から距離D2に変更すると、下方に移動した電球86は、移動前の照明範囲AL1よりも広い照明範囲AL2の光を発する。
【0023】
また、照明本体80は、その中央部で脚部88に接続されている。照明本体80は、両側(すなわち、
図2の手前および奥側)から脚部88に挟まれて支持されている。照明本体80は、角度変更機構87を介して脚部88に支持されている。角度変更機構87は、ターンテーブルによって構成されており、矢印Rd1の方向に回転可能である。角度変更機構87が矢印Rd1の方向に回転すると、照明本体80も矢印Rd1の方向に回転する。その結果、電球86が発する光の方向Ldが変更される。さらに、脚部88の上端が固定されている回転機構89も、矢印Rd2の方向に回転可能である。回転機構89が矢印Rd2の方向に回転すると、照明本体80も矢印Rd2の方向に回転する。このように、第1照明部8aは、照明範囲を変更可能に構成されているとともに、光を発する方向Ldを変更可能に構成されている。なお、第2照明部8bと第3照明部8cも同様の構造であるため、説明は省略する。
【0024】
図3を参照して、実施例の調理システム2が備えている制御構成について説明する。
図3では、第1コンロ11aの第1コンロバーナ12aのみを記載して、第2コンロバーナ12bと第3コンロバーナ12cの記載を省略している。同様に、
図3では、第1コンロ11aの第1センサ14aのみを記載して、第2センサ14bと第3センサ14cの記載を省略している。さらに、
図3では、第1コンロ11aに対応する第1照明部8aのみを記載して、第2照明部8bと第3照明部8cの記載を省略している。電源スイッチ24がオンされると、コンロ操作部20や制御部40等が起動する。先に述べたように、加熱調理器10は、コンロ操作部20によって、第1コンロバーナ12aの火力を調整する。また、第1センサ14aは、第1コンロバーナ12aの上に鍋が載置されたことを検知するとともに、載置された鍋の温度を検知する。第1センサ14aが第1コンロバーナ12aの上に鍋が載置されたことを検知すると、制御部40は、カメラ9に対して鍋を上方から見た画像を撮像する指示を送信する。制御部40からの指示を受信したカメラ9は、鍋を上方から見た画像を撮像してその画像を制御部40に送信する。
【0025】
制御部40は、加熱制御部42とメモリ44と外形算出部46を備える。加熱制御部42は、第1コンロバーナ12a、第2コンロバーナ12b、第3コンロバーナ12cの動作を制御する。メモリ44は、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどによって構成される。メモリ44には、カメラ9が撮像した画像と比較する火力基準画像が格納されている。火力基準画像は、第1コンロ11aの上方に載置された鍋の外形から第1コンロバーナ12aの炎がはみ出している状態等、安全上各コンロバーナの火力調整が必要となる状態を示す複数の画像である。制御部40は、カメラ9が撮像した第1コンロ11aの画像が、火力基準画像に含まれる画像と一致する場合に、加熱制御部42によって第1コンロバーナ12aの火力を弱める。このように、実施例の調理システム2(
図1参照)が備える制御部40は、カメラ9が撮像した第1コンロ11aの画像に基づいて第1コンロ11aの第1コンロバーナ12aを制御する。なお、火力基準画像は、加熱調理器10の製造時にメモリ44に予め記憶されていてもよいし、外部サーバとの通信が可能な外部通信装置(図示省略)を介して、外部サーバからダウンロードしてメモリ44に記憶されていてもよい。
【0026】
先に述べたように、第1コンロ11aは、第1照明部8aによって照らされている。第1照明部8aが照らすことで、カメラ9が撮像する画像がより鮮明となる。しかしながら、加熱調理器10の天板10u(
図1参照)は、ガラスで構成されているため、その上面が光沢を帯びている。そのため、仮に第1照明部8aの光が天板10uを照らすと、第1照明部8aの光が天板10uに反射してカメラ9に映り込む。その結果、上方から見た鍋の外形と天板10uの境界が、反射した第1照明部8aの光によってぼやける。その場合、制御部40は、カメラ9が撮像した画像と火力基準画像を正しく比較することができない。
【0027】
詳細は
図4を参照して説明するが、本明細書が開示する調理システム2(
図1参照)の制御部40は、外形算出部46によって、カメラ9から受信した画像から、第1コンロ11aの上方に載置された鍋の外形と、鍋の中心座標を算出する。制御部40のメモリ44には、第1コンロ11aと第2コンロ11bと第3コンロ11cを上方から見たときの中心(第1コンロ中心21a、第2コンロ中心21b、第3コンロ中心21c)の座標が格納されている。制御部40は、メモリ44内に格納されている第1コンロ11aの第1コンロ中心21aと第1コンロ11aの上方に載置された鍋の鍋中心の間の距離が所定の範囲を超えた場合に、鍋中心の座標を第1照明制御部18aに送信する。ここで、所定の範囲とは、鍋中心の位置がその範囲内にあるときに、鍋を第1コンロ11aで効率的に加熱することができる範囲である。なお、この所定の範囲は、調理システム2(
図1参照)のユーザが変更することができる。
【0028】
第1照明部8aは、製造時にはメモリ44内の第1コンロ中心21aの座標に向けて光を発するように向きが規制されている。第1照明制御部18aは、制御部40から鍋中心の座標を受信すると、電球86(
図2参照)の発する光の方向Ldが受信した鍋中心の座標に向くように第1照明部8aの向きを変更する。第1照明制御部18aは、電球86の中心の座標を記憶している。第1照明制御部18aは、受信した鍋中心の座標と電球86の中心の座標を結ぶ直線と、光の方向Ldが平行となるように第1照明部8aの角度を変更する。具体的には、第1照明制御部18aは、
図2を参照して説明した角度変更機構87と回転機構89を回転させて、第1照明部8aの光の方向Ldを鍋中心の座標に向ける。
【0029】
図4を参照して、制御部40(
図3参照)が加熱調理器10の各コンロの上方に載置された鍋の外形および中心位置を算出する方法について説明する。
図4は、カメラ9(
図1参照)が撮像した加熱調理器10を上方から見た画像の一例である。
図4では、第1コンロ11aの上方に円形の鍋50aが載置されており、第3コンロ11cの上方に矩形のフライパン50cが載置されている。先に述べたように、制御部40は、カメラ9が撮像した画像から、各コンロの上方に載置された鍋やフライパンの外形と中心座標を算出する。制御部40では、第1コンロ11aの第1コンロ中心21aと第3コンロ11cの第3コンロ中心21cを結んだ直線と、その直線に直交するとともに第2コンロ11bの第2コンロ中心21bを通る直線の交点を座標原点O1に設定している。
【0030】
第1コンロ11aの上方に鍋50aが載置されると、第1センサ14a(
図1参照)が上方に鍋50aが載置されたことを検知する。その後、カメラ9は、
図4に示される画像を撮像し、制御部40に送信する。制御部40は、画像を取得すると、座標原点O1から鍋50aの外形の最も後方(すなわち、
図4の上側)に位置する部位までの距離Da1を取得する。同様に、制御部40は、座標原点O1から鍋50aの外形の最も前方(すなわち、
図4の下側)に位置する部位までの距離Da2を取得する。さらに、制御部40は、鍋50aの外形の左右方向についても距離Da3、Da4を取得する。その後、制御部40は、距離Da1と距離Da2の平均値を算出することで鍋中心51aの前後方向(すなわち、
図4の上下方向)の座標を算出する。なお、
図4では、距離Da1と距離Da2は等しい。座標原点1から後方(すなわち、
図4の上側)を正とした場合、距離Da2はマイナス距離Da1となる。すなわち、距離Da1と距離Da2の平均値はゼロとなるため、鍋中心51aの上下方向の座標は、座標原点O1の上下方向の座標と同じとなる。同様に、制御部40は、鍋50aの左右方向の距離Da3、Da4の平均値を算出することで、鍋中心51aの左右方向の座標を算出する。フライパン50cのような矩形形状の場合も、制御部40は、上下方向の距離Dc1および距離Dc2の平均値と左右方向の距離Dc3および距離Dc4の平均値から、フライパン中心51cの座標を算出する。このように、実施例の調理システム2(
図1参照)が備える制御部40は、カメラ9(
図1参照)が撮像した各コンロを上方から見た画像に基づいて、鍋等の外形を算出するとともに、鍋等の中心の座標を算出する。なお、制御部40は、上下方向および左右方向の距離によって鍋等の中心座標を算出しているが、斜め方向の距離等、取得する距離の数を増やすことによって、より正確な外形および中心座標を算出してもよい。また、制御部40は、座標原点O1を用いて鍋中心51a等を算出しなくてもよい。その場合、制御部40は、第1コンロ中心21aから鍋50aの外形の最も前後方向に位置する部位までの距離と、第1コンロ中心21aから鍋50aの外形の最も左右方向に位置する部位までの距離から鍋50aの鍋中心51aの位置を算出してもよい。同様に、制御部40は、第2コンロ11bおよび第3コンロ11cの上方に載置された鍋やフライパンの中心の位置についても、それぞれのコンロ中心21b、21cからの距離を用いて算出してもよい。
【0031】
図5を参照して、実施例の調理システム2の使用状態の一例について説明する。
図5では、第2コンロ11bの上方に鍋30bが載置されており、第3コンロ11cの上方に鍋30cが載置されている。
図3を参照して説明したように、鍋30bが第2コンロ11bの上方に載置されると、第2センサ14b(
図1参照)が鍋30bの下面によって押され、鍋30bが載置されたことを検知する。その際、第2照明制御部は、第2照明部8bに第2コンロ中心21bに向かって延びるレーザ光Lbを照射させる。より詳細には、第2照明制御部は、電球86とレンズ84の距離を最大にするように昇降機構85を作動させる。これにより、
図2を参照して説明したように、電球86が反射コーン83の内側に露出しない。その結果、電球86の発する光は、拡散しない。電球86の発する光は、レンズ84を介して第2コンロ中心21bに向かって延びるレーザ光Lbとなる。レーザ光Lbは、鍋30bの内側の第2コンロ中心21bの直上となる位置を部分的に照らす。実施例の調理システム2は、第2照明部8bによって鍋30bが第2コンロ11bの上方に載置されたときに鍋30bの内側の第2コンロ中心21bの直上となる位置を部分的に照らす。調理システム2のユーザは、レーザ光Lbが鍋30bの鍋中心31bを照らすように鍋30bを第2コンロ11bの上方に載置する。このように、調理システム2は、ユーザに鍋中心31bと第2コンロ中心21bの位置を合わせて鍋30bを第2コンロ11bの上方に載置することを促すことができる。
【0032】
同様に、鍋30cが第3コンロ11cの上方に載置されると、鍋30cを照らす第3照明部8cは、第3コンロ11cの第3コンロ中心21cをレーザ光Lc1で照らす。なお、
図5では、鍋中心とコンロ中心の位置がずれた場合における照明部の動作について説明するために、鍋30cの鍋中心31cと第3コンロ中心21cの位置をずらして記載している。
【0033】
その後、カメラ9は、鍋30b、30cを上方から見た画像を撮像し、制御部40(
図3参照)へ送信する。
図4を参照して説明したように、画像を受信した制御部40は、鍋30b、30cの外形情報を取得する。外形情報を取得した制御部40は、外形算出部46(
図3参照)によって鍋30bの外形と鍋中心31bの座標を算出する。同様に、外形算出部46は、鍋30cの外形と鍋中心31cの座標を算出する。
図5に示されるように、鍋中心31bは、第2コンロ中心21bの直上に位置している。鍋30bを上方から見たときに、鍋中心31bから第2コンロ中心21bまでの距離は所定の範囲内である。すなわち、鍋中心31bから第2コンロ中心21bの位置がずれていない。そのため、制御部40は、第2照明部8bの第2照明制御部に鍋中心31bの座標を送信しない。第2照明制御部は、
図2を参照して説明した角度変更機構87等を作動させることなく、鍋30bの外形に合わせて第2照明部8bの照明範囲を変更する。これにより、
図5に示されるように、鍋30bの上方が第2照明部8bの光によって照らされる。第2照明部8bの発する光は、加熱調理器10の天板10uに反射しない。このように、調理システム2では、カメラ9が撮像する画像がぼやけない。
【0034】
一方、
図5に示されるように、鍋中心31cは、第3コンロ中心21cの直上から左側にずれた位置で第3コンロ11cの上方に載置されている。鍋30cを上方から見たときに、鍋中心31cから第3コンロ中心21cまでの距離は所定の範囲を超えている。すなわち、鍋中心31cから第3コンロ中心21cの位置がずれている。この場合、制御部40(
図3参照)は、第3コンロ中心21cに対してずれて載置された鍋30cの鍋中心31cの座標を第3照明部8cの第3照明制御部に送信する。鍋中心31cの座標を受信した第3照明制御部は、第3照明部8cの発する光が鍋中心31cに向かって延びるように第3照明部8cを
図5の矢印Rd3の方向に回転させる。具体的には、第3照明制御部は、受信した鍋中心31cの座標と第3照明部8cの電球86の中心の座標を結ぶ直線と、第3照明部8cの光方向が平行となるように第3照明部8cの角度を変更する。そのため、第3照明制御部は、
図2を参照して説明した角度変更機構87を
図5に示す矢印Rd3の方向に回転させる。これにより、第3照明部8cの電球86の光の方向は、レーザ光Lc1が延びている方向から鍋中心31cに向かって延びる方向に変更する。すなわち、
図5に示されるように、第3照明部8cは鍋中心31cに向かって延びるレーザ光Lc2を発する。その後、第3照明部8cは、
図5に示されるように、鍋30cの外形に合わせて第3照明部8cの照明範囲を変更する。なお、第3照明制御部は、第3コンロ中心21cに対してずれて載置された鍋30cの鍋中心31cに向かって延びるレーザ光Lc2を発することなく第3照明部8cの照明範囲を変更してもよい。
【0035】
図5に示されるように、第3照明部8cから鍋30cの右側の上端までの距離に対して、第3照明部8cから鍋30cの左側の上端までの距離が短い。そのため、第3コンロ中心21cに向かって延びるレーザ光Lc2は、下側ほど右側に傾斜する。すなわち、鍋30cの右側の上端と左側の上端の位置は、レーザ光Lc1が延びる方向について非対称である。ここで、
図2を参照して説明したように、第3照明部8cは、反射コーン83およびレンズ84によって照明範囲を調整する。このため、第3照明部8cの照明範囲は、方向Ldについて対称に広がる。すなわち、第3照明部8cの照明範囲は、鍋中心31cに向かって延びるレーザ光Lc2について対称となる。
【0036】
先に述べたように、第3照明制御部は、第3照明部8cの電球86(
図2参照)の中心の座標を記憶している。上方から見たときに、電球86の中心と鍋中心31cの位置がずれている場合、第3照明部8cの第3照明制御部は、鍋30cの両方の上端のうち、第3照明部8cの電球86の中心に近い側の上端に合うように照明範囲を調整する。これにより、
図5に示されるように、第3照明部8cの光は、鍋30cの大きさによっては鍋30c内部の全体を照らすことはできないものの、鍋30cの左側から天板10uを照らさない。
【0037】
また、レンジフード4のカバー6(
図1参照)の形状によっては、各コンロ中心の直上にレンジフード4が空気を吸い込む吸引部等が配置されることがある。その場合、各照明部は、対応する各コンロ中心の直上に配置することができない。第2照明部8bは、第2コンロ中心21bおよび鍋中心31bの略直上に配置されている。それに対し、第3照明部8cは、第3コンロ中心21cおよび鍋中心31cの直上から左側にずれた位置に配置されている。そのため、仮に鍋30cの鍋中心31cと第3コンロ中心21cの位置がずれていない場合であっても、第3照明部8cから鍋30cの右側の上端までの距離に対して、第3照明部8cから鍋30cの左側の上端までの距離が短くなる。その場合も、
図5に示される鍋30cを照らす第3照明部8cの照明範囲と同様に、第3照明部8cの第3照明制御部は、鍋30cの両方の上端のうち、第3照明部8cの電球86の中心に近い側の上端に合うように照明範囲を調整する。これにより、第3照明部8cの光は、鍋の電球86の中心に近い側の上端の外側(すなわち、
図5の左側)から天板10uを照らさない。このように、調理システム2では、第3照明部8cのように第3コンロ11cの直上に第3照明部8cが配置できない場合であっても、第3照明部8cの光は、天板10uを反射してカメラ9に撮像されない。このため、カメラ9が撮像する画像がぼやけない。
【0038】
図6を参照して、各照明部の照明範囲について説明する。
図6では、各照明部が照らす照明範囲AL3~AL5をドッティングで示している。第1コンロ11aの上方には、円形の鍋60aが載置されている。第2コンロ11bの上方には、矩形のフライパン60bが載置されている。第3コンロ11cの上方には、円形の鍋60cが載置されている。なお、第3コンロ11c上に載置された鍋60cの照明範囲AL5については、変形例2の説明時に後述する。
【0039】
図6では、鍋60aが第1コンロ11aの上方に載置されたときに第1照明部8aが第1コンロ中心21aを照らすレーザ光Laを破線で示している。
図6に示されるように、ユーザは、レーザ光Laに囲まれた範囲に鍋60aの鍋中心61aを配置することで、第1コンロ11aの第1コンロ中心21aと鍋中心61aの位置を合わせて鍋60aを配置することができる。その結果、鍋60aの上側の全面が第1照明部8a(
図1参照)の照明範囲AL3に含まれている。
【0040】
また、フライパン60bが第2コンロ11bの上方に載置されたときに第2照明部8bが第2コンロ中心21bを照らすレーザ光Lbを破線で示している。そのため、ユーザは、
図6に示されるように、レーザ光Lbに囲まれた範囲に矩形のフライパン60bのフライパン中心61bを配置することで、第2コンロ11bの第2コンロ中心21bとフライパン中心61bの位置を合わせてフライパン60bを配置することができる。しかしながら、フライパン60bは、前後方向(すなわち、
図6の上下方向)の距離と左右方向の距離が異なる。フライパン60bの左右方向の距離は、前後方向の距離よりも短い。先に述べたように、第2照明部8bの照明範囲AL4は、第2照明部8bの発する光の方向について対称に広がる。すなわち、上方から見た照明範囲AL4は、
図6に示されるように略円形となる。このため、第2照明部8b(
図1参照)の第2照明制御部は、より短い距離であるフライパン60bの左右方向の距離に第2照明部8bの照明範囲AL4を合わせる。これにより、フライパン60bの前後の端部が照明範囲AL4に含まれないものの、第2照明部8bの光が、加熱調理器10の天板10uの上面を照らさない。すなわち、カメラ9(
図1参照)の画像がぼやけにくい。
【0041】
(対応関係)
第1コンロ11a、第2コンロ11b、第3コンロ11cが「加熱部」の一例であり、カメラ9が「撮像部」の一例である。また、電球86が、「発光部」の一例であり、第1センサ14a、第2センサ14b、第3センサ14cが「調理容器検知部」の一例である。また、鍋中心、フライパン中心が「調理容器中心」の一例である。
【0042】
以上、実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上述した実施例の変形例を以下に列挙する。
【0043】
(変形例1)上述した調理システム2では、第1照明部8aの照明範囲を、反射コーン83とレンズ84を用いて変更している。これに代えて、変形例では、照明部が複数の電球を備えており、光を発する電球の数を変更することで照明範囲を変更してもよい。
【0044】
(変形例2)上述した調理システム2の各照明部は、角度変更機構87等を用いて向きを変更可能に構成されているが、これに代えて、変形例では、向きを変更することができない照明部を備えていてもよい。この場合、照明制御部は、
図6の第3コンロ11cに示されるように、鍋60cの鍋中心61cが第3コンロ中心21cに対して右方にずれて載置された場合に、第3コンロ中心21cから最も近い位置の鍋60cの外形までの距離Dc5を半径とする照明範囲AL5としてもよい。
【0045】
(変形例3)上述した調理システム2では、第1センサ14a、第2センサ14b、第3センサ14cを用いて各コンロの上方に鍋等が載置されたことを検知し、その後カメラ9が画像を撮像する。これに代えて、各センサを備えず、常時カメラ9が画像を撮像しており、カメラ9の画像によって、鍋等が各コンロの上方に載置されたことを検知してもよい。
【0046】
(変形例4)上述した調理システム2の各照明制御部は、各センサが各コンロの上方に鍋等が載置されたことを検知した場合に、各コンロに対応する各照明部に各コンロ中心に向かって伸びるレーザ光を照射させる。これに代えて、変形例の照明制御部は、電源スイッチ24がオンされ、制御部40が起動した場合に、コンロ中心に向かって伸びるレーザ光を照射させてもよい。
【0047】
(変形例5)上述した調理システム2では、レーザ光Lb、Lcによって第2コンロ11bの第2コンロ中心21b、第3コンロ11cの第3コンロ中心21cをそれぞれ照らしているが、これに代えて、変形例では、レーザ光を発しない照明部を用いてもよい。
【0048】
(変形例6)上述した調理システム2では、第1コンロ11a、第2コンロ11b、第3コンロ11cのそれぞれを照らす照明部が設けられていたが、これに代えて、1個の照明部で3個のコンロを照らしてもよいし、2台の照明部で3個のコンロを照らしてもよい。その場合は、先に鍋が載置されたコンロを照明部で照らしてもよい。
【0049】
(変形例7)上述した調理システム2では、制御部40は、第1コンロ中心21aの位置から鍋中心31aの位置までの距離が所定の範囲外の場合に、第1照明制御部18aに鍋中心31aの座標を送信する。これに代えて、変形例では、制御部40は、第1コンロ11aの上方に鍋が載置された場合には、必ず鍋中心31aを第1照明制御部18aに送信してもよい。その場合、第1照明制御部18aは、受信した鍋中心31aが所定の範囲外の場合にのみ第1照明部8aの向きを変更してもよいし、受信する度に鍋中心31aを向くように第1照明部8aの向きを変更してもよい。
【0050】
(変形例8)実施例の制御部40は、メモリ44内に火力基準画像を格納し、火力基準画像とカメラ9の撮像した画像を比較することで、各コンロバーナの火力調整が必要となる状態を検知する。変形例の制御部は、火力基準画像に代えて、鍋やフライパンの大きさや形状と、その大きさや形状に対応するコンロバーナの火力が格納されているデータテーブルをメモリ内に格納してもよい。その場合、制御部は、カメラ9が撮像したコンロの上方に載置された鍋やフライパンの形状の画像とメモリ内のデータテーブルによって、コンロバーナの火力を制御してもよい。
【0051】
(変形例9)上述した調理システム2では、制御部40が加熱調理器10内に組み込まれているが、別の実施例では、加熱調理器10とは別体で構成されている制御部によって加熱調理器10を制御してもよい。また、同様に、各照明制御部も各照明部に組み込まれる必要はなく、変形例では、制御部と照明制御部が一体で構成されていてもよい。
【0052】
(変形例10)実施例の調理システム2は、制御部40によって各コンロバーナの火力調整を行っているが、変形例の調理システムは、制御部40を備えなくてもよい。
【0053】
(変形例11)実施例の加熱調理器10は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。これに代えて、変形例では、電磁誘導加熱調理器(IH調理器)であってもよい。その場合、制御部40は、火力基準画像に代えて、鍋の中の料理の状態を判定する基準画像をメモリ44に格納してもよい。
【0054】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0055】
2 :調理システム
4 :レンジフード
6 :カバー
8a :第1照明部
8b :第2照明部
8c :第3照明部
9 :カメラ
10 :加熱調理器
10f :前面
10u :天板
11a :第1コンロ
11b :第2コンロ
11c :第3コンロ
12a :第1コンロバーナ
12b :第2コンロバーナ
12c :第3コンロバーナ
14a :第1センサ
14b :第2センサ
14c :第3センサ
16a~16c :五徳
17 :排気口
18a :第1照明制御部
20 :コンロ操作部
20a :第1加熱量操作部
20b :第2加熱量操作部
20c :第3加熱量操作部
21a :第1コンロ中心
21b :第2コンロ中心
21c :第3コンロ中心
22 :パネル操作部
24 :電源スイッチ
28 :グリル庫
30b、30c、50a、60a、60c :鍋
31b、31c、51a、61a、61c :鍋中心
40 :制御部
42 :加熱制御部
44 :メモリ
46 :外形算出部
50c、60b :フライパン
51c、61b :フライパン中心
80 :照明本体
83 :反射コーン
84 :レンズ
85 :昇降機構
86 :電球
87 :角度変更機構
88 :脚部
89 :回転機構
AL1~AL5 :照明範囲
La、Lb、Lc :レーザ光