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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】粒子システムと方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/62 20060101AFI20230721BHJP
   C09C 1/44 20060101ALI20230721BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20230721BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20230721BHJP
   C09D 11/00 20140101ALI20230721BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20230721BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20230721BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20230721BHJP
   H01M 4/14 20060101ALI20230721BHJP
   H01M 4/24 20060101ALI20230721BHJP
   H01M 4/32 20060101ALI20230721BHJP
   C01B 32/05 20170101ALI20230721BHJP
【FI】
H01M4/62 Z
C09C1/44
C09D201/00
C09D7/61
C09D11/00
C09J201/00
C09J11/04
H01M4/62 C
H01M4/13
H01M4/62 B
H01M4/14 Z
H01M4/24 G
H01M4/24 J
H01M4/32
C01B32/05
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020512786
(86)(22)【出願日】2018-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2018048378
(87)【国際公開番号】W WO2019046322
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】62/551,052
(32)【優先日】2017-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520068582
【氏名又は名称】モノリス マテリアルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ハードマン,ネッド・ジェー
(72)【発明者】
【氏名】フリーベル,ダニエル
【審査官】式部 玲
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/129683(WO,A1)
【文献】特表2016-526257(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0073522(US,A1)
【文献】特表2010-525142(JP,A)
【文献】特表2012-505939(JP,A)
【文献】特開2002-203551(JP,A)
【文献】国際公開第01/092151(WO,A1)
【文献】特開2001-085014(JP,A)
【文献】特表2007-505975(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0104636(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101335343(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/62
C09C 1/44
C09D 201/00
C09D 7/61
C09D 11/00
C09J 201/00
C09J 11/04
H01M 4/13
H01M 4/14
H01M 4/24
H01M 4/32
C01B 32/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気活性材料と導電性添加剤とを含む電極体であって、ここで、前記導電性添加剤は、.0nm超の格子定数(L)と.01~.4の統計的厚さ表面積/窒素表面積(STSA/N2SA)比を有する、電極体。
【請求項2】
動的光散乱法(DLS)により測定される前記導電性添加剤のZ平均粒径が、式
【数1】
に基づいて予測される値よりも少なくとも0%大きく、
式中、Dは最大凝集径(ナノメートル)であり、SはSTSA(m/g)であり、そして、<DBP>は標準試験手順ASTM D2414に準拠したフタル酸ジブチルの体積(ml/100g)に等しく、又は、
前記導電性添加剤の粒子総数の少なくとも%の自由空間割合が、計数に基づいて0%以上である、
請求項1に記載の電極体。
【請求項3】
(i)前記導電性添加剤の抽出可能な総PAHがppm未満であるか、又は
(ii)前記導電性添加剤が9.8%超のトートを有する、請求項1に記載の電極体。
【請求項4】
前記導電性添加剤が0ppm未満の総硫黄含有量を有する、請求項1に記載の電極体。
【請求項5】
前記導電性添加剤は、酸素が.4重量%以下の酸素含有量を有する、請求項1に記載の電極体。
【請求項6】
前記導電性添加剤は、水素が.4重量%未満の水素含有量を有する、請求項1に記載の電極体。
【請求項7】
前記導電性添加剤が%以下の総灰含有量を有する、請求項1に記載の電極体。
【請求項8】
前記灰含有量の90%以下が、Fe、Ni及び/又はCoの金属不純物であり、
又は、前記導電性添加剤が、5ppm未満のFe、200ppb未満のCr、200ppb未満のNi、10ppb未満のCo、10ppb未満のZn、10ppb未満のSn、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項7に記載の電極体
【請求項9】
前記導電性添加剤が、(i).3重量%以下の水分含有量を有するか、又は(ii)相対湿度80%雰囲気から前記導電性添加剤の表面積1平方メートルあたり水.5ml(ミリリットル)未満の水を吸着する親和性を有するか、又は
(iii)mJ/mの間の水拡散圧力(WSP)を有する、
請求項1に記載の電極体。
【請求項10】
前記導電性添加剤が、.5μmol/m以下の総表面酸基含有量を有する、請求項1に記載の電極体。
【請求項11】
前記導電性添加剤が、0ミクロンよりも大きい粒子を実質的に含まない、請求項1に記載の電極体。
【請求項12】
前記導電性添加剤が、固形分重量基準で.05%と7%の間のホウ素濃度を有する、請求項1に記載の電極体。
【請求項13】
前記電極体が、5メガパスカル(MPa)において、オームセンチメートル(Ω-cm)未満の抵抗を有する、請求項1に記載の電極体。
【請求項14】
前記導電性添加剤の体積抵抗率が、2MPaにおいて.3Ω-cm未満である、請求項1に記載の電極体。
【請求項15】
結合剤と導電性添加剤とを含む導電層であって、ここで、前記導電性添加剤は.0nm超の格子定数(L)と.01~.4の統計的厚さ表面積/窒素表面積(STSA/N2SA)比とを有する、導電層。
【請求項16】
前記導電性添加剤が、.3以上の表面積/電子顕微鏡表面積(STSA/EMSA)比を有する、請求項15に記載の導電層。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2017年8月28日に出願された米国仮出願第62/551,052号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
粒子は、多くの家庭用途及び産業用途で使用されている。粒子は、様々な化学プロセスによって生成され得る。このような化学プロセスに関連する性能とエネルギー供給は、経時的に進化している。
【発明の概要】
【0003】
本明細書では、粒子とその合成プロセスが提供される。粒子は炭素粒子であってもよい。粒子は導電性であってもよい。粒子は、導電性添加剤及び/又は充填剤として使用されてもよい。粒子を使用するシステムと方法が提供される。とりわけ本明細書で認識されるのは、例えば電池などのより軽量でより効率的なエネルギー蓄積装置の開発の必要性である。電池などのエネルギー蓄積装置はユビキタスであるため、性能向上だけでなく、費用削減にも多大な労力が費やされている。しかし、モバイルエレクトロニクス、グリッドストレージ、パーソナルコンピュータ、タブレット、更に最近では電気自動車や電気/ハイブリッド自動車で使用するための改良されたエネルギー蓄積装置(電池など)が必要とされている。
【0004】
本開示は、例えば、電気活性材料と導電性添加剤とを含む電極体を提供し、ここで、この導電性添加剤は、約3.0nm超の格子定数(L)と約1.01~約1.4の統計的厚さ表面積/窒素表面積(STSA/N2SA)比とを有する。STSA/N2SA比は、約1.01~約1.35であり得る。電極体は、結合剤を更に含んでもよい。電極体は、更に電池に組み立てられてもよい。電池は、リチウムイオン、リチウム硫黄、ニッケル金属水素化物(NiMH)、鉛酸又はニッケルカドミウム(NiCd)電池であり得る。リチウムイオン電池は一次電池又は二次電池であり得る。電極体は、少なくとも約10ミクロンの厚さであり得る。電極体は、少なくとも約30ミクロンの厚さであり得る。導電性添加剤は、約1.3以上の統計的厚さ表面積/電子顕微鏡表面積(STSA/EMSA)比を有し得る。STSA/EMSA比は、約1.4以上であり得る。動的光散乱法(DLS)により測定される導電性添加剤のZ平均粒径は、式
【数1】
【0005】
に基づいて予測される値よりも少なくとも約30%大きく、式中、Dは最大凝集径(ナノメートル)であり、SはSTSA(m/g)であり、そして、<DBP>は標準試験手順ASTM D2414に準拠したフタル酸ジブチルの体積(ml/100g)に等しい。導電性添加剤の粒子総数の少なくとも約5%の自由空間割合は、計数に基づいて約90%以上であり得る。導電性添加剤は、約30m/gと400m/gの間の窒素表面積(N2SA)を有してもよい。N2SAは、約40m/gと80m/gの間であり得る。N2SAは、約80m/gと150m/gの間であり得る。導電性添加剤は、約100ml/100gよりも大きい構造を有してもよい。導電性添加剤の抽出可能な総PAHは約1ppm未満であり得る。導電性添加剤は、約99.8%超のトート(Tote)を有し得る。導電性添加剤は、約50ppm未満の総硫黄含有量を有し得る。導電性添加剤は、酸素が約0.4重量%以下の酸素含有量を有し得る。導電性添加剤は、水素が約0.4重量%未満の水素含有量を有し得る。導電性添加剤は、炭素が約99重量%以上の炭素含有量を有し得る。導電性添加剤は、約1%以下の総灰含有量を有し得る。総灰含有量は約0.02%未満であってもよい。灰含有量の約90%以下は、Fe、Ni及び/又はCoの金属不純物であり得る。導電性添加剤は、約5ppm未満のFe、約200ppb未満のCr、約200ppb未満のNi、約10ppb未満のCo、約10ppb未満のZn、約10ppb未満のSn、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。導電性添加剤は、約0.3重量%以下の水分含有量を有し得る。導電性添加剤は、相対湿度80%雰囲気から導電性添加剤の表面積1平方メートルあたり水約0.5ml(ミリリットル)未満の水を吸着する親和性を有し得る。相対湿度80%の雰囲気から水を吸着する親和性は、導電性添加剤の表面積1平方メートルあたり水約0.05ml未満であり得る。導電性添加剤は、約0と約8mJ/mの間の水拡散圧力(WSP)を有し得る。WSPは約5mJ/m未満であり得る。導電性添加剤は、約0.5μmol/m以下の総表面酸基含有量を有し得る。導電性添加剤は、約(i)20ミクロン、(ii)30ミクロン、又は(iii)40ミクロンよりも大きい粒子を実質的に含まなくてもよい。導電性添加剤は、固形分重量基準で約0.05%と7%の間のホウ素濃度を有してもよい。導電性添加剤は、貫流プロセスで作製されてもよい。導電性添加剤は、炭化水素から調製されてもよい。炭化水素は天然ガスであってもよい。電極体は、5メガパスカル(MPa)において約10オームセンチメートル(Ω-cm)未満の抵抗を有してもよい。導電性添加剤の体積抵抗率は、2MPaにおいて約0.3Ω-cm未満であり得る。電極体を含むエネルギー蓄積装置は、既存の炭素粒子を含むエネルギー蓄積装置と比較して、(i)サイクル寿命の向上、(ii)カレンダ寿命の向上、(iii)充電及び/又は放電中の容量の向上、及び/又は(iv)充電/放電サイクル500回後の容量の向上を有し得る。サイクル寿命、カレンダ寿命、充電及び/又は放電中の容量、及び/又は充電/放電サイクル500回後の容量は、各々既存の炭素粒子を含むエネルギー蓄積装置と比較して少なくとも約1%増加し得る。
【0006】
本開示はまた、例えば、結合剤と導電性添加剤とを含む導電層が提供され、ここで、導電性添加剤は、約3.0nm超の格子定数(L)と、約1.01~約1.4の統計的厚さ表面積/窒素表面積(STSA/N2SA)比とを有する。STSA/N2SA比は、約1.01~約1.35であり得る。導電性添加剤は、約1.3以上の表面積/電子顕微鏡表面積(STSA/EMSA)比を有し得る。STSA/EMSA比は、約1.4以上であり得る。動的光散乱法(DLS)により測定される導電性添加剤のZ平均粒径は、式
【数2】
【0007】
に基づいて予測される値よりも少なくとも約30%大きく、式中、Dは最大凝集径(ナノメートル)であり、SはSTSA(m/g)であり、そして、<DBP>は標準試験手順ASTM D2414に準拠したフタル酸ジブチルの体積(ml/100g)に等しい。
【0008】
導電性添加剤の粒子総数の少なくとも約5%の自由空間割合は、計数に基づいて約90%以上であり得る。導電性添加剤は、約30m/gと400m/gの間の窒素表面積(N2SA)を有してもよい。N2SAは、約40m/gと80m/gの間であり得る。N2SAは、約80m/gと150m/gの間であり得る。導電性添加剤は、約100ml/100gよりも大きい構造を有してもよい。導電性添加剤の抽出可能な総PAHは、約1ppm未満であり得る。導電性添加剤は、約99.8%超のトートを有し得る。導電性添加剤は、約50ppm未満の総硫黄含有量を有し得る。導電性添加剤は、酸素が約0.4重量%以下の酸素含有量を有し得る。導電性添加剤は、水素が約0.4重量%未満の水素含有量を有し得る。導電性添加剤は、炭素が約99重量%以上の炭素含有量を有し得る。導電性添加剤は、約1%以下の総灰含有量を有し得る。総灰含有量は約0.02%未満であってもよい。灰含有量の約90%以下は、Fe、Ni及び/又はCoの金属不純物であり得る。導電性添加剤は、約5ppm未満のFe、約200ppb未満のCr、約200ppb未満のNi、約10ppb未満のCo、約10ppb未満のZn、約10ppb未満のSn、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。導電性添加剤は、約0.3重量%以下の水分含有量を有し得る。導電性添加剤は、相対湿度80%雰囲気から導電性添加剤の表面積1平方メートルあたり水約0.5ml(ミリリットル)未満の水を吸着する親和性を有し得る。相対湿度80%の雰囲気から水を吸着する親和性は、導電性添加剤の表面積1平方メートルあたり水約0.05ml未満であり得る。導電性添加剤は、約0と約8mJ/mの間の水拡散圧力(WSP)を有し得る。WSPは約5mJ/m未満であり得る。導電性添加剤は、約0.5μmol/m以下の総表面酸基含有量を有し得る。導電性添加剤は、約(i)20ミクロン、(ii)30ミクロン、又は(iii)40ミクロンよりも大きい粒子を実質的に含まなくてもよい。導電性添加剤は、固形分重量基準で約0.05%と7%の間のホウ素濃度を有してもよい。導電性添加剤は、貫流プロセスで作製されてもよい。導電性添加剤は、炭化水素から調製されてもよい。炭化水素は天然ガスであってもよい。導電性添加剤の体積抵抗率は、2メガパスカル(MPa)において約0.3オームセンチメートル(Ω-cm)未満であり得る。導電層を含むエネルギー蓄積装置は、既存の炭素粒子を含むエネルギー蓄積装置と比較して、(i)サイクル寿命の向上、(ii)カレンダ寿命の向上、(iii)充電及び/又は放電中の容量の向上、及び/又は(iv)充電/放電サイクル500回後の容量の向上を有し得る。サイクル寿命、カレンダ寿命、充電及び/又は放電中の容量、及び/又は充電/放電サイクル500回後の容量は、各々既存の炭素粒子を含むエネルギー蓄積装置と比較して少なくとも約1%増加し得る。導電層を含む電池は、リチウムイオン、リチウム硫黄、ニッケル金属水素化物(NiMH)、鉛酸又はニッケルカドミウム(NiCd)電池であり得る。
【0009】
本開示はまた、例えば、表面積/電子顕微鏡表面積(STSA/EMSA)比が約1.3以上の粒子を含む導電性充填剤を提供する。STSA/EMSA比は、約1.4以上であり得る。粒子は炭素粒子であってもよい。粒子は、約3.0nm超の格子定数(L)と、約1.01~約1.4の統計的厚さ表面積/窒素表面積(STSA/N2SA)比とを有し得る。STSA/N2SA比は、約1.01~約1.35であり得る。動的光散乱法(DLS)により測定される粒子のZ平均粒径は、式
【数3】
【0010】
に基づいて予測される値よりも少なくとも約30%大きく、式中、Dは最大凝集径(ナノメートル)であり、SはSTSA(m/g)であり、そして、<DBP>は標準試験手順ASTM D2414に準拠したフタル酸ジブチルの体積(ml/100g)に等しい。
【0011】
導電性充填剤の粒子総数の少なくとも約5%の自由空間割合は、計数に基づいて約90%以上であり得る。粒子は、約30m/gと400m/gの間の窒素表面積(N2SA)を有してもよい。N2SAは、約40m/gと80m/gの間であり得る。N2SAは、約80m/gと150m/gの間であり得る。粒子は、約100ml/100gを超える構造を有してもよい。粒子の抽出可能な総PAHは、約1ppm未満であり得る。粒子は、約99.8%超のトートを有し得る。粒子は、約50ppm未満の総硫黄含有量を有し得る。粒子は、酸素が約0.4重量%以下の酸素含有量を有し得る。粒子は、水素が約0.4重量%未満の水素含有量を有し得る。粒子は、炭素が約99重量%以上の炭素含有量を有し得る。粒子は、約1%以下の総灰含有量を有し得る。総灰含有量は約0.02%未満であってもよい。灰含有量の約90%以下は、Fe、Ni及び/又はCoの金属不純物であり得る。導電性充填剤は、約5ppm未満のFe、約200ppb未満のCr、約200ppb未満のNi、約10ppb未満のCo、約10ppb未満のZn、約10ppb未満のSn、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。粒子は、約0.3重量%以下の水分含有量を有し得る。粒子は、相対湿度80%雰囲気から粒子の表面積1平方メートルあたり水約0.5ml(ミリリットル)未満の水を吸着する親和性を有し得る。相対湿度80%の雰囲気から水を吸着する親和性は、粒子の表面積1平方メートルあたり水約0.05ml未満であり得る。粒子は、約0と約8mJ/mの間の水拡散圧力(WSP)を有し得る。WSPは約5mJ/m未満であり得る。粒子は、約0.5μmol/m以下の総表面酸基含有量を有し得る。導電性充填剤は、約(i)20ミクロン、(ii)30ミクロン、又は(iii)40ミクロンよりも大きい粒子を実質的に含まなくてもよい。粒子は、固形分重量基準で約0.05%と7%の間のホウ素濃度を有してもよい。粒子は、貫流プロセスで作製されてもよい。粒子は炭化水素から調製されてもよい。炭化水素は天然ガスであってもよい。粒子の体積抵抗率は、2メガパスカル(MPa)において約0.3オームセンチメートル(Ω-cm)未満であり得る。エラストマーが導電性充填剤を含んでもよい。ポリマーが導電性充填剤を含んでもよい。コーティングが導電性充填剤を含んでもよい。インクが導電性充填剤を含んでもよい。グリースが導電性充填剤を含んでもよい。接着剤が導電性充填剤を含んでもよい。テープが導電性充填剤を含んでもよい。電磁干渉ガスケット又はシールが導電性充填剤を含んでもよい。シーラントが導電性充填剤を含んでもよい。
【0012】
本開示はまた、例えば、約1.3以上の表面積/電子顕微鏡表面積(STSA/EMSA)比を有する炭素粒子を提供する。STSA/EMSA比は、約1.4以上であり得る。炭素粒子は、約3.0nm超の格子定数(L)と、約1.01~約1.4の統計的厚さ表面積/窒素表面積(STSA/N2SA)比とを有し得る。STSA/N2SA比は、約1.01~約1.35であり得る。動的光散乱法(DLS)により測定される炭素粒子のZ平均粒径は、式
【数4】
【0013】
で予測される値よりも少なくとも約30%大きく、式中、Dは最大凝集径(ナノメートル)であり、SはSTSA(m/g)であり、そして、<DBP>は標準試験手順ASTM D2414に準拠したフタル酸ジブチルの体積(ml/100g)に等しい。
【0014】
炭素粒子は、約30m/gと400m/gの間の窒素表面積(N2SA)を有してもよい。N2SAは、約40m/gと80m/gの間であり得る。N2SAは、約80m/gと150m/gの間であり得る。炭素粒子の抽出可能な総PAHは約1ppm未満であり得る。炭素粒子は、約99.8%超のトートを有し得る。炭素粒子は、約50ppm未満の総硫黄含有量を有し得る。炭素粒子は、酸素が約0.4重量%以下の酸素含有量を有し得る。炭素粒子は、水素が約0.4重量%未満の水素含有量を有し得る。炭素粒子は、炭素が約99重量%以上の炭素含有量を有し得る。炭素粒子は、約0.3重量%以下の水分含有量を有し得る。炭素粒子は、相対湿度80%雰囲気から炭素粒子の表面積1平方メートルあたり水約0.5ml(ミリリットル)未満の水を吸着する親和性を有し得る。相対湿度80%の雰囲気から水を吸着する親和性は、炭素粒子の表面積1平方メートルあたり水約0.05ml未満であり得る。炭素粒子は、約0と約8mJ/mの間の水拡散圧力(WSP)を有し得る。WSPは、約5mJ/m未満であり得る。炭素粒子は、約0.5μmol/m以下の総表面酸基含有量を有し得る。炭素粒子は、固形分重量基準で約0.05%と7%の間のホウ素濃度を有してもよい。炭素粒子は、貫流プロセスで作製されてもよい。炭素粒子は炭化水素から調製されてもよい。炭化水素は天然ガスであってもよい。複数の炭素粒子が提供されてもよい。複数の炭素粒子の少なくとも約5%の自由空間割合は、計数に基づいて約90%以上であり得る。複数の炭素粒子の構造は、約100ml/100gを超えてもよい。複数の炭素粒子は、約1%以下の総灰含有量を有し得る。総灰含有量は約0.02%未満であってもよい。灰含有量の約90%以下は、Fe、Ni及び/又はCoの金属不純物であり得る。複数の炭素粒子は、約5ppm未満のFe、約200ppb未満のCr、約200ppb未満のNi、約10ppb未満のCo、約10ppb未満のZn、約10ppb未満のSn、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。複数の炭素粒子は、約(i)20ミクロン、(ii)30ミクロン、又は(iii)40ミクロンよりも大きい粒子を実質的に含まなくてもよい。複数の炭素粒子の体積抵抗率は、2メガパスカル(MPa)において約0.3オームセンチメートル(Ω-cm)未満であり得る。複数の炭素粒子を含むエネルギー蓄積装置は、既存の炭素粒子を含むエネルギー蓄積装置と比較して、(i)サイクル寿命の向上、(ii)カレンダ寿命の向上、(iii)充電及び/又は放電中の容量の向上、及び/又は(iv)充電/放電サイクル500回後の容量の向上を有し得る。サイクル寿命、カレンダ寿命、充電及び/又は放電中の容量、及び/又は充電/放電サイクル500回後の容量は、各々既存の炭素粒子を含むエネルギー蓄積装置と比較して、少なくとも約1%増加し得る。複数の炭素粒子を含む電池は、リチウムイオン、リチウム硫黄、ニッケル金属水素化物(NiMH)、鉛酸又はニッケルカドミウム(NiCd)電池であり得る。エネルギー蓄積装置の電極が炭素粒子を含んでいてもよい。
【0015】
これらの実施形態及び追加の実施形態を以下で更に説明する。
【0016】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、及び添付の図面又は図(本明細書では「FIG」及び「Figs」とも記載)を参照することにより得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示のプロセスに従って作製された粒子タイプ1の例の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す図である。
図2】本開示のプロセスに従って作製された粒子タイプ1の例のTEM画像拡大図を示す図である。
図3】本開示のプロセスに従って作製された粒子タイプ2の例のTEM画像を示す図である。
図4】本開示のプロセスに従って作製された粒子タイプ2の例のTEM画像拡大図を示す図である。
図5】本開示のプロセスを実施するように構成された反応器/装置の例の概略図を示す図である。
図6】本開示のプロセスを実施するように構成された反応器/装置の別の例の概略図を示す図である。
図7】本開示のプロセスを実施するように構成された反応器/装置の別の例の概略図を示す図である。
図8】本開示のプロセスを実施するように構成された反応器/装置の別の例の概略図を示す図である。
図9】本開示のプロセスを実施するように構成されたシステムの一例の概略図を示す図である。
図10】本開示のプロセスの一例の概略図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に示される詳細は例であり、また本発明の様々な実施形態の例示的な説明のみを目的とするものであり、本発明の原理及び概念的側面の最も有用且つ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示される。これに関して、本発明の基本的な理解に必要な詳細を超えて本発明の詳細を示す試みは行われず、その説明は、本発明のいくつかの形態が実際にどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【0019】
ここで、より詳細な実施形態を参照することにより、本発明を説明する。しかし、本発明は異なる形態で実施してもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供されている。
【0020】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において本発明の説明で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で言及される全ての出版物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が明示的に組み込まれる。
【0021】
特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件などを表す全ての数字は、「約」という用語によって全ての場合に変更されると理解されるべきである。したがって、そうでないことが示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られることが求められる所望の特性に応じて変わり得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲への均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、有効数字の数と通常の丸めアプローチを考慮して解釈されるべきである。
【0022】
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示される数値は可能な限り正確に報告されている。但し、任意の数値には、それぞれの試験測定で見つかった標準偏差から必然的に生じる特定のエラーが本質的に含まれている。本明細書を通して与えられる全ての数値範囲は、そのようなより狭い数値範囲が本明細書で全て明示的に書かれているかのように、そのようなより広い数値範囲内にある全てのより狭い数値範囲を含む。
【0023】
本発明のさらなる利点は、一部は以下の説明に記載され、一部はその説明から明らかであり、又は本発明の実施により習得することができる。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示及び説明のみであり、特許請求される本発明を限定するものではないことを理解されたい。本発明の異なる態様は、個別に、集合的に、又は互いに組み合わせて理解できることを理解されたい。
【0024】
本明細書では、粒子とその合成プロセスが提供される。粒子は炭素粒子であってもよい。粒子は導電性であってもよい。粒子は、導電性添加剤(CA)及び/又は充填剤として使用されてもよい。本明細書の導電性添加剤又は導電剤の説明は、少なくともいくつかの構成では導電性充填剤に等しく適用でき、逆もまた同様である。本明細書の粒子又は炭素粒子の説明は、少なくともいくつかの構成では、導電性添加剤、導電剤又は導電性充填剤に等しく適用でき、逆もまた同様である。
【0025】
本開示の炭素粒子及びプロセスを使用して、例えば、既存のカーボンブラック種(例えば、アモルファス、炭素質、ナノ粒子ドメインのサブタイプ、すなわちファーネスブラック、アセチレンブラック及びサーマルブラックのタイプに由来)、グラフェン、単層ナノチューブ(SWNT)、多層ナノチューブ(MWNT)、気相成長炭素繊維(VGCF)、及び/又はそれらのそれぞれの合成プロセス(例えば、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されている)の様々な欠点(例えば、不純物、サイズ寸法、資源強度など)を克服することができる。他の(例えばそのような)炭素粒子(例えば他のカーボンナノ粒子、他のカーボンブラック、所定の用途で使用される他のカーボンブラックなど)又は他の導電性添加剤に関する本明細書における任意の説明(例えば、比較)は、少なくともいくつかの構成において、既存の炭素粒子(例えば既存のカーボンブラック)及び/又は典型的な炭素粒子(例えば典型的なカーボンブラック及び/又はグラフェン/ナノチューブ)に等しく適用でき、逆もまた同様である。本明細書に記載の炭素粒子は、購入可能なカーボンブラックよりも本質的に高純度であり得、本明細書の他の箇所で説明するように、精製プロセスのリスクを増加させることなく、精製カーボンナノチューブ及び/又はグラフェンよりも高純度であり得る。本明細書に記載されるカーボンナノ粒子は、典型的なカーボンブラック及び/又はグラフェン/ナノチューブよりも結晶性であり得る。
【0026】
本開示の炭素粒子は、一次粒子(本明細書では「炭素一次粒子」ともいう)であり得る。本開示の炭素粒子は、凝集体(本明細書では「炭素粒子凝集体」及び「粒子凝集体」ともいう)であり得る。凝集体は、2つ以上(例えば、複数)の一次粒子を含み得る。炭素粒子という用語は、一次粒子、凝集体、又は両方を指すことがある(例えば、一次粒子と凝集体は両方とも粒子である)。本明細書で使用する粒子という用語は、大粒子の汚染の文脈で使用されない限り、炭素粒子を指すことがある。1以上の凝集体(aggregate)が凝集塊(agglomerate)(本明細書では「炭素粒子凝集塊」及び「粒子凝集塊」ともいう)を形成することがある。凝集塊は、ファンデルワールス力によって一緒に保持/維持された凝集体を含み得る。炭素粒子という用語は、凝集塊という用語と交換可能に使用される場合があり、又はいくつかの文脈では凝集塊を指すために使用される場合がある。本明細書の炭素粒子の任意の説明は、少なくともいくつかの構成において炭素粒子凝集体に等しく適用でき、逆もまた同様である(例えば、脱気に関して)。
【0027】
本開示の炭素粒子は、微粒子を含み得る。微粒子は、少なくとも1つの寸法が100ナノメートル(nm)未満の粒子であり得る。微粒子は、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を介して最大寸法で測定した場合の平均サイズが約5マイクロメートル(ミクロン)よりも小さい粒子(例えば凝集体)であり得る。微粒子は、等体積球が(例えば約)1ミクロンから(例えば約)5ミクロン(例えば液体変位は粒子あたり1ミクロンから5ミクロンの球に相当する)の直径(本明細書では「等体積直径」及び「等体積球直径」ともいう)を有する粒子であり得る。微粒子は、DLSによって決定されるサイズ(例えば流体力学的直径)が(例えば約)2ミクロンから(例えば約)10ミクロンであり得る粒子であり得る。炭素粒子は、球状及び/又は楕円状の炭素微粒子を含み得る。球形又は楕円形の粒子は、単一の粒子を意味する場合があり、ブドウの房状又は腺房状のものと類似した様式で一緒にくっついている複数の粒子を意味する場合もある。カーボンブラックは、このタイプの炭素微粒子の例であり得る。炭素粒子は数層グラフェン(FLG)を含んでもよく、これはグラフェンの2つ以上の層を所有し、且つ平坦又は実質的に平坦であると最もよく説明される形状を有する粒子を含み得る。炭素粒子は、実質的に円盤状であり得る。炭素粒子は、カーボンナノ粒子を含み得る。カーボンナノ粒子は、例えば、90%以上の炭素であり、且つグラムあたり(例えば約)5平方メートル/(m/g)、10m/g又は15m/gよりも大きい表面積を有する任意の粒子を含み得、その等体積球は(例えば約)1ミクロン未満の直径を有する(例えば、液体変位は、粒子あたり1ミクロン以下の球体に相当する)。カーボンナノ粒子は、例えば、90%以上の炭素であり、且つグラムあたり(例えば約)5平方メートル/(m/g)、10m/g又は15m/gよりも大きい表面積を有する任意の粒子を含み得、DLSによって決定されるサイズ(例えば流体力学的直径)は、(例えば約)2ミクロン未満であり得る。これは様々な形状を含むことができ、非限定的な例として針、チューブ、プレート、ディスク、ボウル、コーン、集合ディスク、数層グラフェン(FLG)、楕円、集合楕円、球、及び集合球(例えばカーボンブラック)が挙げられる。カーボンナノ粒子は、これらの粒子形状を複数含むこともある。カーボンナノ粒子は、これらの粒子形状のうちの1以上を別々に含んでもよいし(例えば、第1の離散一次粒子は第1の(一次)粒子形状を有し得、一方、第2の離散一次粒子は、第1の(一次)粒子形状とは異なる第2の(一次)粒子形状を有し得る)、及び/又は1つの離散一次粒子内若しくは凝集体内に含んでもよい(例えば、所与の離散一次粒子は、そのような粒子形状の組み合わせを有してもよい)。例えば、カーボンナノ粒子は、複数のこれらの粒子形状を別々に、並びに1つの離散粒子(例えば、一次粒子又は凝集体)内に含んでもよい。カーボンナノ粒子の任意のサンプル中の粒子の少なくとも90%は、カーボンナノ粒子のこの定義の範囲内に収まる可能性がある。
【0028】
そのような粒子は、例えば電池(例えばリチウムイオン電池(本明細書では「Liイオン電池」ともいう))などのエネルギー蓄積装置の導電性添加剤又は導電剤として、及び/又は様々な材料/用途の導電性充填剤として(例えばエラストマー、ポリマー、コーティング、インク、グリース、接着剤、テープ、電磁干渉ガスケット及びシール、シーラントなど)有利に使用することができる。導電性添加剤及び/又は充填剤の目的は、材料への及び/又は材料内の導電性経路を提供することであり得る。
【0029】
エネルギー蓄積装置(例えば、電池)は、導電性添加剤(例えば、導電剤)を含んでもよい。導電剤は、電気活性材料への及び/又は電気活性材料間の導電経路を提供し得る。エネルギー蓄積装置(例えば、電池)は、正電極と負電極を備えていてもよい。正電極(本明細書では「カソード」とも記載)は、放電時にカソードであり得る。負電極(本明細書では「アノード」とも記載)は、放電時にアノードであり得る。電気活性材料は、(例えば電池の)充電及び放電時に、ホスト材料に出入りするイオン(例えば、Liイオン)を受容及び放出することができる材料であり得る。
【0030】
既存のカーボンブラック種は、アモルファス、炭素質、ナノ粒子ドメインのサブタイプ、すなわちファーネスブラック(例えば、ブランド名KETJENBLACK、VULCAN、LITXなど)、アセチレンブラック(例えば、ブランド名DENKA BLACK)及びサーマルブラックのタイプに由来し得る。本開示のプロセスは、(例えば、本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように)前述のプロセスの様々な欠点を克服するために使用され得る。本明細書で説明するプロセスは、製品に適切な特性/特徴(例えば、N2SA、STSA、粒径、多孔度、構造などの値;例えば電池用途などの特定の用途に適切/適当性;低汚染及び/又は低不純物、例えば、最終製品に多量の硫黄、酸素、遷移金属及び/又は耐火性炉(例えばシリカ、アルミナ)不純物を含まない粒子の表面及びバルクなど;適切な導電率;及び/又は他の適切な特性/特徴に関して)、費用において有利に、又はそれらの任意の組み合わせを提供し得る。
【0031】
他の導電性添加剤(例えば、電池使用向け)は、グラフェン、単層ナノチューブ(SWNT)、多層ナノチューブ(MWNT)、気相成長炭素繊維(VGCF)などであり得る。そのような導電性添加剤の欠点及び/又は制限には、例えば、グラフェンの場合には不適切な不純物レベル及び/又は不適切なサイズ寸法、カーボンナノチューブの場合には不純物レベルが懸念事項であり、VGCFの場合には最長寸法が通常100ミクロンであり、通常大きすぎることが含まれ得る。一例では、カーボンナノチューブとグラフェンは、カーボンブラックと比較すると資源の観点から非常に異なり、大規模に精製することは非常に困難である。精製技術では、問題の遷移金属を強酸に溶解する必要があり得る。必要な追加資源に加えて、精製の実行に伴う複雑さにより、仕様外のナノカーボンが発生する可能性があり、これは電池の壊滅的な故障のリスクを伴う(例えば、壊滅的な故障は、電池内の遷移金属の規格外の量によって引き起こされる可能性がある)。そのような欠点及び/又は制限は、酸化還元反応に対する炭素ベースの固有の耐性と、高性能電池(例えば高性能リチウムイオン電池)を可能にする特性とを有する改良された導電性添加剤で克服され得る。
【0032】
導電性添加剤は、炭素粒子(例えば、カーボンナノ粒子)であってもよく、又はそれを含んでいてもよい。本開示の導電性添加剤は、モバイル電子機器、グリッドストレージ、パーソナルコンピュータ、タブレット、電気自動車及び電気/ハイブリッド自動車などのエネルギー蓄積装置(例えば、電池)に実装され得る。本開示の導電性添加剤は、(例えば、本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように)様々な組成の電極体に実装されてもよい。このような電極体は、本明細書では主にリチウムイオン電池の文脈で説明されるが、本開示の導電性添加剤は、例えばリチウム硫黄、ニッケル金属水素化物(NiMH)、鉛酸、ニッケルカドミウム(NiCd)及び/又はその他の電池の化学的性質の電極体のような他の種類の電極体で使用されてもよい。本開示の導電性添加剤は、リチウムイオン電池の電極体及び/又は本明細書に記載の他の電極体に含まれてもよい。本明細書で使用されるリチウムイオン電池は、一次及び/又は二次リチウムベースの電池(例えば、Liイオンが放電時にカソードで受け入れられ、及び/又は充電時にカソードから放出される任意の電池)を指し得る。
【0033】
電極体は、集電体(例えば、アルミニウム又は銅)上に堆積された材料の層を指し、ここで、材料の層は、例えば、約70%を超える電気活性材料を含み得る(又は約70%を超える電気活性材料から構成され得る)。電極体は、集電体(例えばアルミニウム又は銅の集電体)に(例えば時々)適用されることがある導電層(CL)を含まない場合がある。電極体の厚さは、例えば約1ミクロン(μm)、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、75μm又は100μm以上であり得る。或いは又は更に、電極体の厚さは、例えば約150μm、100μm、75μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μm又は5μm以下であり得る。いくつかの例では、電極体の厚さは少なくとも10μmであり得る。いくつかの例では、電極体の厚さは少なくとも30μmであり得る。電極体は、アノードでもカソードでもよい。
【0034】
(例えば、リチウムイオン電池の)アノードは、例えば、電気活性材料、結合剤、及び/又は導電性添加剤(CA)を含み得る。本明細書の他の箇所で説明するように、電気活性材料は、充電及び放電時にホスト材料に出入りするイオン(例えば、Liイオン)を受容及び放出することができる材料であり得る。例えば、リチウムイオン電池のアノードは、グラファイト、LiTi12、Si、Si/グラファイト、Sn及び/又はLi+イオンを受容及び放出することができる他のそのような材料を含むことができる。本開示の導電性添加剤は、電気活性材料の様々な形状(例えば、ナノワイヤ、シート、シリコン(Si)の複合体及び/又は他の形態)と共に使用され得る。一例では、アノード材料はグラファイトである。いくつかの例では、アノードはリチウム金属を含んでもよい。
【0035】
(例えば、リチウムイオン電池の)カソードは、例えば、電気活性材料、結合剤及び/又はCA(例えば、電気活性材料、導電性添加剤及び結合剤)を含み得る。電気活性カソード材料の一般的な結晶骨格は、層状、スピネル及び/又はかんらん石であり得る。電気活性カソード材料は、例えば、リチウム(Li)の酸化物、リン酸塩、ケイ酸塩及び/又はオルトケイ酸塩、並びに例えばコバルト(Co)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ガリウム(Ga)及び/又は鉄(Fe)などの1以上の金属を含み得る(例えば、各金属は適切な割合で存在する)。電気活性カソード材料の非限定的な例は、LiFePO、LiMnPO、LiCoPO、LiNiPO、LiNiO、LiMnO、LiCoO、LiAlO、LiMgO、LiTiO、LiVO、LiCrO、LiFeO、LiZrO、LiGaO、LiSiO、LiNi2O、LiMn、LiCo、LiAl、LiMg、LiTi、LiV、LiMnO及びLiMnを含み得る。追加的又は代替的に、これらの材料のバリエーションが使用されてもよい。例えば、Li(Ni0.33Co0.33Mn0.33)O、LiNi0.5Mn1.5、及びLiNi0.8Co0.15Al0.05を、電気活性カソード材料として使用してもよい。本明細書に記載の化合物のバリエーションは、例えば、所与の金属元素を別の金属元素で置き換えること(例えば、MnをAlで置き換える)、及び/又は化合物中の1以上の金属元素の割合(例えば、モルによる)を変更することを含み得る。電気活性カソード材料は、本明細書に記載の金属及びその化合物(例えば、金属/金属酸化物)の二成分及び/又は三成分種(例えば、金属酸化物化合物)(例えば、Ni、Co及びMnを含む化合物)を含み得る。いくつかの例では、電気活性カソード材料は、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(「NCA」)(例えば、LiNiCoAlO)、リチウムコバルト酸化物(「LCO」)(例えば、LiCoO)、リチウムマンガン酸化物(「LMO」)(例えば、LiMn)、リチウムニッケルマンガンコバル
ト酸化物(「NMC」)(例えば、LiNiMnCoO、LiNiMnCo)、リン酸鉄リチウム(「LFP」)(例、LiFePO)、LTO(例、LiTi12)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。性能を最大化するために、いくつかの異なるカソード材料(例えば、前述の電気活性カソード材料のいくつか)を混合することが有利な場合がある。カソードは(例えばカソードも)、1以上(例えば複数)の電気活性材料、1以上の(例えば複数)CA、1以上(例えば複数の結合剤)などを含み得る。一例では、複数の導電性添加剤が使用される。
【0036】
結合剤(例えば、リチウムイオン電池のアノードとカソードに使用)には、限定ではないがポリ(ビニルジフルオロエチレン)(PVDF)、ポリ(ビニルジフルオロエチレン-コヘキサフルオロプロピレン)(PVDF-HFP)、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)、ポリイミド、及び水溶性結合剤、例えばポリ(エチレン)オキシド、ポリビニルアルコール(PVA)、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、及びそれらのコポリマー及び混合物が含まれ得る。他の可能な結合剤には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フルオロゴム及びコポリマー及びそれらの混合物が含まれ得る。
【0037】
湿式堆積法では、結合剤を湿潤溶媒(例えばN-メチルピロリドン(NMP)又は水)に溶解した後、NMP/結合剤溶液に炭素粒子(例えばカーボンブラック)を分散させてもよい。最後のステップとして、電気活性材料を分散させてもよく、これは、比較的大きな粒径と電気活性材料の凝集塊を一緒に保持する比較的弱いファンデルワールス力のために非常に容易であり得る。このようにして、最終的な電極体の成分でペーストを作ることができる。次にペーストを集電体上に堆積させてもよく、集電体は、ドクターブレード又は他の何らかの塗布プロセスを介して集電体の上部に事前に適用された導電層(CL)を有していてもいなくてもよい。次にペーストを乾燥させてもよく、層を、例えば約10~20%の多孔度に圧縮又はカレンダ処理してもよい。
【0038】
乾式堆積法では、乾燥粉末を混合した後、集電体表面に押し付けることができる。乾燥混合物を熱間圧縮してもよい。成形性と粘着性を高めるために、乾燥材料にはある程度の量の液体が含まれている場合があるが、この量は約30~40%を超えないであろう(さもなければ、それは本明細書の他の箇所に記載の湿式法と見なされ得る)。
【0039】
前述のように、集電体上に堆積された導電層(CL)もあり得る。この導電層は、結合剤及び(1又は複数の)導電性ナノ粒子(例えば、カーボンブラック又は他の導電性カーボンナノ粒子)を含み得る。導電層は、電極体と集電体との間の接触抵抗を低減することができる。導電層は、集電体への接着性を(例えば更に)高めることができる。目標は、電気活性材料と集電体との直接接触をなくすことであり、これにより接着性が低下し、接触抵抗が高くなる可能性がある。導電層は、1つの結合剤(例えばポリマー)と1つのCA、複数の結合剤(例えばポリマー)と複数のCA、或いはそれらの任意の組み合わせ(例えば、1つの結合剤(例えばポリマー)と複数のCA、或いは複数の結合剤(例えばポリマー)と1つのCA)を含み得る。一例では、1つのポリマーと1つのCAが利用される。CLは、約5ミクロン未満の厚さであり得る。CLは、約3ミクロン未満の厚さであり得る。CLは、約20~80%のCAと、約20~80%の結合剤とを含み得る。結合剤/CA添加剤は、質量割合で約50/50に近い場合がある。
【0040】
カソードは、アノードと同様の様式で作製されてもよい。カソードは、カソードが(例えば銅の集電体の代わりに)アルミニウムの集電体上に堆積され得ることを除き、アノードと同様の様式で作製され得る。カソードでは、電極体と集電体との間で、集電体の表面に導電層を組み込む可能性が高くなり得る。
【0041】
本開示の炭素粒子及び導電性添加剤は、所定の(例えば望ましい/有利な)属性又は特性(又はそれらの任意の組み合わせ)を有してもよい。炭素粒子及び導電性添加剤は、(例えば、実施例1~3に関して)本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、1以上のタイプの粒子を含んでもよい。本開示の炭素粒子(類)は、本明細書に記載される特性の組み合わせ(例えば、導電率の1以上の値の組み合わせにおける純度の1以上の値)を有し得る。いくつかの例では、炭素粒子(類)は、本明細書に記載される特性の1以上(例えば全て)を作製時に(例えばワンステッププロセスで)有することができる。例えば、元素分析及び/又は本明細書に記載の(例えば全ての)他の特性の少なくともサブセットは、作製(本明細書では「製造」とも記載)されたとおりの炭素粒子(類)に関するものであり得る。
【0042】
本開示の導電性添加剤は、例えば、リチウムイオン電池の電極用の導電性添加剤であってもよい。導電性添加剤は、(例えば低硫黄、低遷移金属及び低酸素に関して)高導電性及び高純度の炭素粒子を含んでいてもよい。いくつかの例では、本明細書に記載の炭素粒子は、ナノチューブとグラフェンの異方性の利点を有し得るが、購入可能なカーボンブラックよりも本質的に高純度であり得、本明細書の他の箇所で説明するように、精製プロセスのリスクを増加させることなく、精製カーボンナノチューブ及び/又はグラフェンよりも高純度であり得る。本明細書に記載されるカーボンナノ粒子は、典型的なカーボンブラック及び/又はグラフェン/ナノチューブよりも結晶性であり得る。これは高い充電/放電レート(例えば、高い充電/放電Cレート)に役立つことがある。
【0043】
本開示の炭素粒子及び導電性添加剤は、電池用途に適した純度、表面積(例えばN2SA)、構造及び/又は導電性を有し得る。本明細書に記載の製造プロセスは、様々な表面積及び構造の製造を可能にし得る。本開示は、(例えば、高純度投入天然ガスによる)極端に高純度の製品を提供し得る。本開示は、アセチレンブラックプロセスに匹敵する品質及び純度の(例えば、高純度投入天然ガスによる)製品を提供し得る。全ての構成材料を慎重に検討することにより、更に純粋な製品を大規模に製造することができ(例えば、本明細書に記載の天然ガスを構成材料の慎重な操作と組み合わせて使用することにより、更に純粋な製品を大規模に得ることができる)、例えば、炭素鋼で作製された又は炭素鋼を含む所定の部品をステンレス鋼で作製された又はステンレス鋼を含む部品で置き換える、セラミック部品を高摩耗セラミックで裏打ちする、特定の領域を(1又は複数の)炭素質材料(例えば、硬化エポキシ、グラファイト及び/又は製品中の不純物に寄与しない他のそのような非多孔質材料)で裏打ちする、硬化ステンレス鋼を炭化タングステン及び/又は他の適切な材料で置き換える、などである。製品には、金属汚染(Fe、Cu、Znなど)が実質的にない(例えば、ない)、及び/又は大粒子(例えばグリット)汚染(例えば30ミクロン未満)が実質的にない(例えば、ない)可能性がある。本開示の炭素粒子(例えば導電性添加剤)は、非常に低い水分含有量(例えば0.2重量%未満)を有し得る。既存の(例えば競争力のある)技術に対する利点としては、限定ではないが、原料及び/又は設置された基質の純度の清浄性の問題、及び/又はファーネスブラックの水クエンチの高使用、望ましいレベルよりも高いナノチューブの最終製品不純物レベル(例えば、主成分がFe、Ni及び/又はCoの金属不純物である1重量%を超える灰)、PAHレベルを百万分の1スケールに低下させる追加能力、又はそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。本明細書に記載の炭素粒子(例えばカーボンブラック)は、例えば、適切な粒径(例えば、本明細書の他の箇所に記載の適切な一次粒径)での適切な表面積と構造、及び他の炭素粒子(例えば他のカーボンナノ粒子)と比較して増加した結晶性を有し得る。上述の特性及び特徴は、協調して或いはその様々な組み合わせ又はサブセットとして提供され得る。本明細書に記載の炭素粒子(例えば導電性添加剤)を含むエネルギー蓄積装置(例えば電池)の利点は、限定的ではないが、サイクル寿命(例えばサイクル数)の増加又は向上、カレンダ寿命(例えば貯蔵寿命)の増加又は向上、充電及び/又は放電中の容量の増加又は向上(例えば、高い充電及び/又は放電レートで)、充電/放電サイクル500回後の容量の増加又は向上、及び/又は(例えば、既存のカーボンブラックなどの既存のカーボン粒子を含むエネルギー蓄積装置と比較した)その他の特徴の改善又は向上を含み得る。
【0044】
炭素粒子(類)は、所定の純度を有し得る。高い純度は、低い汚染及び/又は少ない不純物に対応し得る。汚染は、例えば灰、グリット(又はその任意のサブセット)、又はそれらの任意の組み合わせ(例えば、大粒子の汚染)を含み得る。グリットは、(例えば約)5ミクロンよりも大きい等価球直径を有する粒子を含むか、そのような粒子であり得る。グリットは、(例えば約)5ミクロンよりも大きい等価球直径を有する炭素質及び/又は非炭素質粒子を含むか、それらであり得る。グリットは、炭素材料(コークス)、金属、半金属及び/又は金属/半金属化合物材料(例えば、金属/金属酸化物、水酸化物、硫化物、セレン化物などであり、例えば金属酸化物が残っている)、イオン材料(例えば、単原子イオン、多原子イオンなどの塩)、又はそれらの任意の組み合わせを備え得るか又は含み得る。コークス(例えば、コークス粒子)は、主に(例えば、実質的に全て)炭素を含んでいてもよい。加熱時/加熱後に、非気化材料(例えば、金属酸化物材料)が残り、灰をもたらす場合がある(例えば、本明細書の他の箇所で説明するようにASTM D1506により測定される)。灰は、ASTM D1506-99で規定されているように、550℃の酸素環境での加熱時/加熱後に分解及び/又は気化していない材料を含み得る。灰は、金属、半金属及び/又は金属/半金属化合物材料、及び/又はイオン材料を備え得るか又は含むことができる。代替的に又は追加的に、本明細書では、他の種類の汚染又は不純物を指す及び/又は含むために純度を使用してもよい。例えば、高純度は、場合によっては、低硫黄、低酸素、低遷移金属、及び/又は低レベルの他の種類の汚染又は不純物を指すか、含む場合がある。炭素粒子(例えば複数の炭素粒子、例えば複数のカーボンナノ粒子など)は、炭素粒子のみを指す、及び/又は任意の不純物を伴う炭素粒子(例えばカーボンナノ粒子)を指すために本明細書で使用され得る(例えば、「炭素粒子」には実質的に非炭素の任意の物体が含まれる場合がある)。
【0045】
炭素粒子(例えば導電性添加剤)には、非常に最小限の大粒子(例えばグリット)が含まれている場合がある。いくつかの例では、炭素粒子(例えば導電性添加剤)は、例えばサイズが20ミクロンを超える、非常に最小限の大粒子(例えばグリット)を有する場合がある。いくつかの例では、20~40ミクロンを超える粒子が実質的に存在しない(例えば、存在しない)か又は最小限であり得る。いくつかの例では、大粒子(例えばグリット)の汚染が実質的にない(例えば、ない)か又は最小限存在する可能性がある(例えば、30ミクロン未満の粒子のみが存在するか、30ミクロン以上の最小限の粒子が存在する可能性がある)。いくつかの例では、炭素粒子は、例えば、そのようなサイズの大粒子を(例えば重量割合で)約5ppm未満含む可能性がある(例えば、30ミクロン以上の粒子を約5ppm未満、約20ミクロン超の粒子を重量割合で約5ppm未満、約30ミクロン超の粒子を重量割合で約5ppm未満、又は約40ミクロン超の粒子を重量割合で約5ppm未満)。ASTM D1514水洗浄グリット試験(例えば325メッシュグリットによる)を用いてグリット/大粒子レベルを示してもよい。グリット(又はその任意のサブセット)の量(例えば500メッシュ、400メッシュ、325メッシュ、及び/又は120メッシュ)は、例えば、(例えば重量割合で)約5%、2%、1%、0.5%、0.2%、0.1%、900百万分率(ppm)、800ppm、700ppm、600ppm、500ppm、450ppm、400ppm、350ppm、300ppm、250ppm、200ppm、150ppm、100ppm、75ppm、50ppm、25ppm、10ppm、5ppm又は1ppm以下であってもよい。或いは又は更に、グリット(又はその任意のサブセット)の量(例えば、500メッシュ、400メッシュ、325メッシュ及び/又は120メッシュ)は、例えば、(例えば重量割合で)約0ppm、1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、75ppm、100ppm、150ppm、200ppm、250ppm、300ppm、350ppm、400ppm、450ppm、500ppm、600ppm、700ppm、800ppm、900ppm、0.1%、0.2%、0.5%又は1%以上であってもよい。本明細書でメッシュサイズ(例えば、325メッシュ及び/又は120メッシュ)に関して表すグリット(又はその任意のサブセット)の量又はレベルの説明は、少なくともいくつかの構成では、他のメッシュサイズ(例えばより小さい粒径、例えば400及び/又は500メッシュ)及び/又は公称粒径(例えば、約125ミクロン、105ミクロン、90ミクロン、75ミクロン、63ミクロン、53ミクロン、50ミクロン、45ミクロン、44ミクロン、40ミクロン、37ミクロン、35ミクロン、30ミクロン、25ミクロン、20ミクロン、15ミクロン又は10ミクロン以下)にも等しく適用され得る。グリット(又はその任意のサブセット)は、所定のサイズを超える(よりも大きい)又は所定のサイズ範囲内の粒子を実質的に含まない(例えば、含まない)又は(1又は複数の)最小限の量を含み得る(例えば、本明細書の他の箇所で説明するとおりであり得る)。約10ミクロン、15ミクロン、20ミクロン、25ミクロン、30ミクロン、35ミクロン、37ミクロン、40ミクロン、44ミクロン、45ミクロン、50ミクロン、53ミクロン、63ミクロン、75ミクロン、90ミクロン、105ミクロン又は125ミクロンを超える(よりも大きい)又は等しい(例えば約20~40ミクロンよりも大きい(を超える))粒子のグリット(又はその任意のサブセット)の量は、例えば、(例えば重量割合で)約5%、2%、1%、0.5%、0.2%、0.1%、900ppm、800ppm、700ppm、600ppm、500ppm、450ppm、400ppm、350ppm、300ppm、250ppm、200ppm、150ppm、100ppm、75ppm、50ppm、25ppm、10ppm、5ppm又は1ppm以下であり得る。或いは、又は更に、約10ミクロン、15ミクロン、20ミクロン、25ミクロン、30ミクロン、35ミクロン、37ミクロン、40ミクロン、44ミクロン、45ミクロン、50ミクロン、53ミクロン、63ミクロン、75ミクロン、90ミクロン、105ミクロン又は125ミクロンを超える(よりも大きい)又は等しい(例えば約20~40ミクロンよりも大きい(を超える))粒子のグリット(又はその任意のサブセット)の量は、例えば、(例えば重量割合で)約0ppm、1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、75ppm、100ppm、150ppm、200ppm、250ppm、300ppm、350ppm、400ppm、450ppm、500ppm、600ppm、700ppm、800ppm、900ppm、0.1%、0.2%、0.5%又は1%以上であり得る。グリット(又はその任意のサブセット)は、例えば、約125μm、105μm、90μm、75μm、63μm、53μm、50μm、45μm、44μm、40μm、37μm、35μm、30μm、25μm、20μm、15μm又は10μm以下の粒子のみを含み得る。
【0046】
炭素粒子(例えば導電性添加剤)は、ASTM D1506(例えばASTM D1506-99)によって測定されるように、低灰分を有する場合がある。いくつかの例では、灰の量は約1重量%以下であってもよい。超高純度と呼ばれる極度に低い灰分の炭素粒子(例えばカーボンブラック)は、例えば0.02%未満の灰(例えば、0.02%未満の総灰分)を有する場合がある。灰の量は、例えば、(例えば重量割合で)約5%、2%、1.5%、1%、0.5%、0.2%、0.1%、900ppm、800ppm、700ppm、600ppm、500ppm、450ppm、400ppm、350ppm、300ppm、250ppm、200ppm、175ppm、150ppm、140ppm、130ppm、120ppm、110ppm、100ppm、90ppm、80ppm、70ppm、60ppm、50ppm、40ppm、30ppm、20ppm、10ppm、5ppm又は1ppm以下であってもよい。或いは又は更に、灰の量は、例えば、(例えば重量割合で)約0ppm、1ppm、5ppm、10ppm、20ppm、30ppm、40ppm、50ppm、60ppm、70ppm、80ppm、90ppm、100ppm、110ppm、120ppm、130ppm、140ppm、150ppm、175ppm、200ppm、250ppm、300ppm、350ppm、400ppm、450ppm、500ppm、600ppm、700ppm、800ppm、900ppm、0.1%、0.2%、0.5%又は1%以上であってもよい。灰は、金属及び/又は半金属元素を含んでもよい。いくつかの例では、炭素粒子は、本明細書に記載の1以上のレベルの遷移金属(類)(例えば、Fe、Cu、Zn、Cr、Ni及び/又はCo)、Sn及び/又は他の金属及び/又は半金属と組み合わせて、そのような灰分(例えば総灰分)を有してもよい。いくつかの例では、炭素粒子はそのような灰分を有してもよく、灰分は金属及び/又は半金属元素の所定の全体レベルを含んでもよい。例えば、灰の所定の割合(例えば重量割合)以下は、本明細書に記載の金属及び/又は半金属の1以上(例えば、サブセット又は全て)の不純物を含むか、不純物であり得る。灰は、例えば、(例えば重量割合で)本明細書に記載の金属及び/又は半金属の1以上(例えば、サブセット又は全て)の約100%、99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、0.01%又は0.005%以下の不純物を含むか、それらであってもよい。いくつかの例では、そのような金属不純物は、例えば、Fe、Ni及び/又はCoの金属不純物を指すことがある。いくつかの例では、そのような金属不純物は、例えば、遷移金属(類)(例えばFe、Cu、Zn、Cr、Ni及び/又はCo)、Sn及び/又は他の金属の金属不純物を指すことがある。いくつかの例では、炭素粒子は(例えば重量割合で)約1%又は0.02%以下の灰を含み、灰の約90%以下(例えば、重量)は、Fe、Ni及び/又はCoの金属不純物を含むか又はそれらであり得る。
【0047】
炭素粒子(例えば導電性添加剤)には、金属及び/又は半金属汚染の所定のレベル又は制限を有し得る。いくつかの例では、本開示の炭素粒子(例えばCA)は、金属及び/又は半金属汚染(例えば、Fe、Cu、Znなど)を実質的に含まない(例えば、含まない)場合がある。いくつかの例では、炭素粒子(例えばカーボンブラック)の不純物のFeは5ppm未満であり、Cr及びNiは各々200ppb未満であり、一方、Co、Zn及びSnは各々10ppb未満であり得る。遷移金属(類)(例えばFe、Cu、Zn、Cr、Ni及び/又はCo)、Sn及び/又は他の金属及び/又は半金属の量は、単独で又は組み合わせて、例えば、(例えば重量割合で)約100ppm、90ppm、80ppm、70ppm、60ppm、50ppm、40ppm、30ppm、20ppm、10ppm、9ppm、8ppm、7ppm、6ppm、5ppm、4.5ppm、4ppm、3.5ppm、3ppm、2.5ppm、2ppm、1.5ppm、1ppm、900ppb、800ppb、700ppb、600ppb、500ppb、450ppb、400ppb、350ppb、300ppb、290ppb、280ppb、270ppb、260ppb、250ppb、240ppb、230ppb、220ppb、210ppb、200ppb、190ppb、180ppb、170ppb、160ppb、150ppb、140ppb、130ppb、120ppb、110ppb、100ppb、90ppb、80ppb、70ppb、60ppb、50ppb、45ppb、40ppb、35ppb、30ppb、25ppb、20ppb、15ppb、10ppb、5ppb、1ppb、0.5ppb又は0.1ppb以下であってもよい。或いは又は更に、遷移金属(類)(例えばFe、Cu、Zn、Cr、Ni及び/又はCo)、Sn及び/又は他の金属及び/又は半金属の量は、単独で又は組み合わせて、例えば約0ppb、0.1ppb、0.5ppb、1ppb、5ppb、10ppb、15ppb、20ppb、25ppb、30ppb、35ppb、40ppb、45ppb、50ppb、60ppb、70ppb、80ppb、90ppb、100ppb、110ppb、120ppb、130ppb、140ppb、150ppb、160ppb、170ppb、180ppb、190ppb、200ppb、210ppb、220ppb、230ppb、240ppb、250ppb、260ppb、270ppb、280ppb、290ppb、300ppb、350ppb、400ppb、450ppb、500ppb、600ppb、700ppb、800ppb、900ppb、1ppm、1.5ppm、2ppm、2.5ppm、3ppm、3.5ppm、4ppm、4.5ppm、5ppm、6ppm、7ppm、8ppm、9ppm、10ppm、20ppm、30ppm、40ppm、50ppm、60ppm、70ppm、80ppm又は90ppm以上であってもよい。前述の金属及び/又は半金属元素は、灰の中に存在してもよい。本明細書の金属不純物又はレベルの説明は、少なくともいくつかの構成では半金属不純物又はレベルに等しく適用でき、逆もまた同様である。
【0048】
多環式芳香族炭化水素(PAH)は、酸化又は反応する可能性があり、(例えば且つ)最小限に抑えることができる。PAH含有量は、場合によってはトルエン抽出物(TOTE)の透過率で表されることがある。抽出物は、例えばASTM D1618(例えばASTM D1618-99)を用いて定量化できる。PAH含有量は、食品医薬品局(FDA)から入手可能な手順「カーボンブラックのPAH含有量の決定CFR178.3297」(手順「22 PAH」としても知られる)で測定される、抽出可能な多環式芳香族炭化水素の合計で表される場合がある。いくつかの例では、トルエン抽出物(TOTE)試験ASTM D1618の透過率は、99.8%超であり得る。別の手法で測定するいくつかの例では、PAH含有量は、食品医薬品局(FDA)から入手可能な手順「カーボンブラックのPAH含有量の決定CFR178.3297」(手順「22 PAH」としても知られる)で測定される抽出可能な多環式芳香族炭化水素の合計は、1.0ppm以下であり得る。いくつかの例では、抽出可能な総PAH(例えば、手順「カーボンブラックのPAH含有量の決定CFR178.3297」(22PAH)で測定)は1ppm未満であり得る。PAHの量(例えば、手順「カーボンブラックのPAH含有量の決定CFR178.3297」(22PAH)で測定)は、例えば、(例えば質量割合で)約5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、900ppm、800ppm、700ppm、600ppm、500ppm、400ppm、300ppm、200ppm、100ppm、75ppm、50ppm、25ppm、10ppm、5ppm、1ppm、0.5ppm、0.25ppm、0.1ppm、0.05ppm、0.01ppm、5十億分率(ppb)又は1ppb以下であり得る。或いは又は更に、PAHの量(例えば、手順「カーボンブラックのPAH含有量の決定CFR178.3297」(22PAH)で測定)は、例えば、(例えば質量割合で)約0ppm、1ppb、5ppb、0.01ppm、0.05ppm、0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、75ppm、100ppm、200ppm、300ppm、400ppm、500ppm、600ppm、700ppm、800ppm、900ppm、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%又は4%以上であり得る。トート(本明細書では「TOTE」とも記載)は、例えば、約50%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、91.5%、92%、92.5%、93%、93.5%、94%、94.5%、95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.5%、99.7%、99.8%、99.9%又は100%以上であってもよい。或いは又は更に、トートは、例えば、約100%、99.9%、99.8%、99.7%、99.5%、99.5%、99.4%、99.3%、99.2%、99.1%、99%、98.5%、98%、97.5%、97%、96.5%、96%、95.5%、95%、94.5%、94%、93.5%、93%、92.5%、92%、91.5%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、80%又は75%以下であってもよい。
【0049】
炭素粒子(類)は、所定の表面機能を有している場合がある。例えば、炭素粒子(類)は、所定の(表面)親水性含有量、所定の水素含有量、及び/又は他の表面特性を有し得る。
【0050】
炭素粒子(類)は、所定の(表面)親水性含有量を有してもよい。親水性特性は、例えば、ガス吸着分析から導出できる(例えば、ガス吸着に続いてデータを統合して、水拡散圧力を決定する)。表面(例えば親水性)含有量は、例えば、水を吸着する親和性に関して、水拡散圧力(WSP)に関して、及び/又は他の測定基準(例えば、ベーム滴定)を通して表現され得る。WSPは、相対湿度(RH)が0から80%の相対湿度まで経時的にゆっくりと増加する制御雰囲気で質量増加を測定することによって決定でき、WSP(π)は式
【数5】
【0051】
に従って決定され、式中、Rは気体定数、Tは温度、AはサンプルのN表面積(SA)(ASTM D6556)、HOは様々なRHで炭素表面に吸着した水の量、Pは大気中の水の分圧、そしてPは飽和圧力である。平衡吸着は様々な個別のRHで測定でき、次に曲線下の面積を測定してWSP値を得ることができる。サンプルはMicromeriticsの3Flexシステムを使用して25℃で測定され得る。統合される領域は0から飽和圧力までであり得る。dは、dの後にある増分単位で積分するという通常の指示を有し得、すなわち、変化する圧力の自然対数で積分する。例えば、参照により本明細書に完全に組み込まれる米国特許第8,501,148号(「低構造カーボンブラック及びそれにより形成されたデバイスを組み込むコーティング組成物」)を参照されたい。いくつかの例では、炭素粒子の表面の親水性含有量は、例えば、相対湿度80%の雰囲気から水を吸着する親和性によって説明されるように、表面積のm(平方メートル)毎に水0.05~0.5ml(ミリリットル)未満であり得る。いくつかの例では、本明細書に記載のプロセスで作製された炭素粒子のWSPは、約0と約8mJ/mの間であり得る。これは、約5~約20mJ/mのファーネス製カーボンブラックの一般的な範囲よりも低い。いくつかの例では、本明細書に記載のプロセスで作製された炭素粒子のWSPは、約5mJ/m未満であり得る。相対湿度80%の雰囲気から水を吸着する親和性は、例えば、約1ml/m、0.9ml/m、0.8ml/m、0.7ml/m、0.6ml/m、0.5ml/m、0.45ml/m、0.4ml/m、0.35ml/m、0.3ml/m、0.25ml/m、0.2ml/m、0.15ml/m、0.1ml/m、0.05ml/m、0.01ml/m又は0.005ml/m以下であり得る。或いは又は更に、80%相対湿度の雰囲気から水を吸着する親和性は、例えば、約0.005ml/m、0.01ml/m、0.05ml/m、0.1ml/m、0.15ml/m、0.2ml/m、0.25ml/m、0.3ml/m、0.35ml/m、0.4ml/m、0.45ml/m、0.5ml/m、0.6ml/m、0.7ml/m、0.8ml/m、0.9ml/m又は1ml/m以上であり得る。WSPは、例えば、約40mJ/m、35mJ/m、30mJ/m、29mJ/m、28mJ/m、27mJ/m、26mJ/m、25mJ/m、24mJ/m、23mJ/m、22mJ/m、21mJ/m、20mJ/m、19mJ/m、18mJ/m、17mJ/m、16mJ/m、15mJ/m、14mJ/m、13mJ/m、12mJ/m、11mJ/m、10mJ/m、9mJ/m、8mJ/m、7mJ/m、6mJ/m、5mJ/m、4.5mJ/m、4mJ/m、3.5mJ/m、3mJ/m、2.5mJ/m、2mJ/m、1.5mJ/m、1mJ/m、0.5mJ/m又は0.25mJ/m以下であってもよい。或いは又は更に、WSPは、例えば、約0mJ/m、0.25mJ/m、0.5mJ/m、1mJ/m、1.5mJ/m、2mJ/m、2.5mJ/m、3mJ/m、3.5mJ/m、4mJ/m、4.5mJ/m、5mJ/m、6mJ/m、7mJ/m、8mJ/m、9mJ/m、10mJ/m、11mJ/m、12mJ/m、13mJ/m、14mJ/m、15mJ/m、16mJ/m、17mJ/m、18mJ/m、19mJ/m、20mJ/m、21mJ/m、22mJ/m、23mJ/m、24mJ/m、25mJ/m、26mJ/m、27mJ/m、28mJ/m、29mJ/m、30mJ/m、35mJ/m又は40mJ/m以上であってもよい。
【0052】
表面の機能に関する情報を取得する別の方法は、Boehmによって文書化された滴定を実行することであり得る。例えば、本明細書に参照として完全に組み込まれるBoehm,HP「カーボンブラック及び他のカーボンの表面化学のいくつかの側面」、カーボン、1994年、759ページを参照されたい。WSPは、炭素粒子(カーボンブラックなど)の一般的な親水性を測定するのに適したパラメータであるが、WSPは、場合により熱位相脱着(TPD)、X線光電子分光法(XPS)、又は滴定法(例えばベーム滴定)で測定できるように表面の官能基の比率を提供しない場合がある。
【0053】
炭素粒子(類)は、所定の表面酸基含有量を有し得る。酸性基の含有量は、例えば、官能基のベーム滴定を使用して決定することができる。ベーム滴定は、炭素粒子の表面を塩基性溶液にさらすことで達成され得る。次に塩基性溶液を酸性化し、強塩基性溶液で逆滴定することができる。いくつかの例では、総表面酸基含有量は、約0.5μmol/m以下であり得る。表面酸基含有量(例えば、総酸、強酸及び/又は弱酸含有量)は、例えば、約5μmol/m、4μmol/m、3μmol/m、2μmol/m、1.5μmol/m、1.4μmol/m、1.3μmol/m、1.2μmol/m、1.189μmol/m、1.1μmol/m、1μmol/m、0.095μmol/m、0.9μmol/m、0.863μmol/m、0.8μmol/m、0.767μmol/m、0.7μmol/m、0.6μmol/m、0.5μmol/m、0.424μmol/m、0.4μmol/m、0.375μmol/m、0.3μmol/m、0.2μmol/m、0.1μmol/m、0.05μmol/m又は0.01μmol/m以下であり得る。或いは又は更に、表面酸基含有量(例えば、総酸、強酸及び/又は弱酸含有量)は、例えば、約0μmol/m、0.01μmol/m、0.05μmol/m、0.1μmol/m、0.2μmol/m、0.3μmol/m、0.375μmol/m、0.4μmol/m、0.424μmol/m、0.5μmol/m、0.6μmol/m、0.7μmol/m、0.767μmol/m、0.8μmol/m、0.863μmol/m、0.9μmol/m、0.095μmol/m、1μmol/m、1.1μmol/m、1.189μmol/m、1.2μmol/m、1.3μmol/m、1.4μmol/m、1.5μmol/m、2μmol/m、3μmol/m又は4μmol/m以上であってもよい。酸性基は弱酸性基(例えば、フェノール、キノンなど)であってもよい。強酸性基は存在してもしなくてもよい(例えば、強酸性基は実質的に存在しなくてもよい)。
【0054】
水分含有量は、例えば、ASTM D1509に従って測定されてもよい。いくつかの例では、ASTM D1509によって測定される水分含有量は0.3%以下であり得る(例えば、リチウムイオン電池の候補CAの場合)。いくつかの例では、水分含有量は、約0.3重量%以下、又は約0.2重量%未満であり得る。水分含有量(例えば、重量割合)は、例えば、約5%、4.5%、4%、3.5%、3%、2.8%、2.6%、2.4%、2.2%、2%、1.95%、1.9%、1.85%、1.8%、1.75%、1.7%、1.65%、1.6%、1.55%、1.5%、1.45%、1.4%、1.35%、1.3%、1.25%、1.2%、1.15%、1.1%、1%、0.95%、0.9%、0.87%、0.85%、0.8%、0.75%、0.7%、0.68%、0.65%、0.6%、0.58%、0.56%、0.54%、0.52%、0.5%、0.48%、0.46%、0.44%、0.42%、0.4%、0.38%、0.36%、0.34%、0.32%、0.3%、0.29%、0.28%、0.26%、0.24%、0.23%、0.22%、0.21%、0.2%、0.19%、0.18%、0.17%、0.16%、0.15%、0.14%、0.13%、0.12%、0.11%、0.1%、0.05%、0.01%又は0.005%以下であってもよい。或いは又は更に、水分含有量(例えば、重量割合)は、例えば、約0%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.26%、0.28%、0.29%、0.3%、0.32%、0.34%、0.36%、0.38%、0.4%、0.42%、0.44%、0.46%、0.48%、0.5%、0.52%、0.54%、0.56%、0.58%、0.6%、0.65%、0.68%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.87%、0.9%、0.95%、1%、1.1%、1.15%、1.2%、1.25%、1.3%、1.35%、1.4%、1.45%、1.5%、1.55%、1.6%、1.65%、1.7%、1.75%、1.8%、1.85%、1.9%、1.95%、2%、2.2%、2.4%、2.6%、2.8%、3%、3.5%、4%又は4.5%以上であってもよい。
【0055】
元素分析は、例えばLeco製のデバイス(例えば、744及び844シリーズ製品)によって測定でき、結果はサンプル全体のパーセンテージ(例えば、質量パーセント)として得ることができる。例えば、硫黄はLecoが提供するプロセス技術を利用して測定できる。
【0056】
炭素粒子(例えば、導電性添加剤)は、所定の硫黄含有量を有し得る。いくつかの例では、硫黄の量(例えばCA中)は50ppm以下であり得る(例えば、硫黄の総含有量は50ppm未満であり得る)。硫黄含有量(例えば、重量割合)は、例えば、約5%、4%、3.5%、3%、2.9%、2.8%、2.7%、2.6%、2.5%、2.4%、2.3%、2.2%、2.1%、2%、1.95%、1.9%、1.85%、1.8%、1.75%、1.7%、1.65%、1.6%、1.57%、1.55%、1.5%、1.45%、1.4%、1.35%、1.3%、1.25%、1.2%、1.15%、1.1%、1.05%、1%、0.95%、0.9%、0.85%、0.8%、0.75%、0.7%、0.65%、0.6%、0.55%、0.5%、0.45%、0.4%、0.39%、0.38%、0.37%、0.36%、0.35%、0.34%、0.33%、0.32%、0.31%、0.3%、0.29%、0.28%、0.27%、0.26%、0.25%、0.24%、0.23%、0.22%、0.21%、0.2%、0.19%、0.18%、0.17%、0.16%、0.15%、0.14%、0.13%、0.12%、0.11%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、50ppm、45ppm、40ppm、35ppm、30ppm、25ppm、20ppm、15ppm、10ppm、5ppm、1ppm、0.5ppm又は0.1ppm以下であってもよい。或いは又は更に、硫黄含有量(例えば、重量割合)は、例えば、約0ppm、0.1ppm、0.5ppm、1ppm、5ppm、10ppm、15ppm、20ppm、25ppm、30ppm、35ppm、40ppm、45ppm、50ppm、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%、1.05%、1.1%、1.15%、1.2%、1.25%、1.3%、1.35%、1.4%、1.45%、1.5%、1.55%、1.57%、1.6%、1.65%、1.7%、1.75%、1.8%、1.85%、1.9%、1.95%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.5%又は4%以上であってもよい。
【0057】
炭素粒子(例えば、導電性添加剤)は、所定の酸素含有量を有し得る。いくつかの例では、酸素含有量は、約0.2重量%未満の酸素、又は約0.4重量%以下の酸素であり得る。酸素含有量(例えば、重量割合)は、例えば、約25%、20%、15%、10%、8%、6%、5%、4.5%、4%、3.5%、3%、2.8%、2.6%、2.4%、2.2%、2%、1.95%、1.9%、1.85%、1.8%、1.75%、1.7%、1.65%、1.6%、1.55%、1.5%、1.45%、1.4%、1.35%、1.3%、1.25%、1.2%、1.15%、1.1%、1%、0.95%、0.9%、0.87%、0.85%、0.8%、0.75%、0.7%、0.68%、0.65%、0.6%、0.58%、0.56%、0.54%、0.52%、0.5%、0.48%、0.46%、0.44%、0.42%、0.4%、0.38%、0.36%、0.34%、0.32%、0.3%、0.29%、0.28%、0.26%、0.24%、0.23%、0.22%、0.21%、0.2%、0.19%、0.18%、0.17%、0.16%、0.15%、0.14%、0.13%、0.12%、0.11%、0.1%、0.05%、0.01%又は0.005%以下であってもよい。或いは又は更に、酸素含有量(例えば、重量割合)は、例えば、約0%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.26%、0.28%、0.29%、0.3%、0.32%、0.34%、0.36%、0.38%、0.4%、0.42%、0.44%、0.46%、0.48%、0.5%、0.52%、0.54%、0.56%、0.58%、0.6%、0.65%、0.68%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.87%、0.9%、0.95%、1%、1.1%、1.15%、1.2%、1.25%、1.3%、1.35%、1.4%、1.45%、1.5%、1.55%、1.6%、1.65%、1.7%、1.75%、1.8%、1.85%、1.9%、1.95%、2%、2.2%、2.4%、2.6%、2.8%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、8%、10%、15%又は20%以上であってもよい。
【0058】
炭素粒子(類)は、所定の窒素含有量を有し得る。窒素含有量(例えば、重量割合)は、例えば、約5%、4%、3.5%、3%、2.9%、2.8%、2.7%、2.6%、2.5%、2.4%、2.3%、2.2%、2.1%、2%、1.95%、1.9%、1.85%、1.8%、1.75%、1.7%、1.65%、1.6%、1.57%、1.55%、1.5%、1.45%、1.4%、1.35%、1.3%、1.25%、1.2%、1.15%、1.1%、1.05%、1%、0.95%、0.9%、0.85%、0.8%、0.75%、0.7%、0.65%、0.6%、0.55%、0.5%、0.45%、0.4%、0.39%、0.38%、0.37%、0.36%、0.35%、0.34%、0.33%、0.32%、0.31%、0.3%、0.29%、0.28%、0.27%、0.26%、0.25%、0.24%、0.23%、0.22%、0.21%、0.2%、0.19%、0.18%、0.17%、0.16%、0.15%、0.14%、0.13%、0.12%、0.11%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.005%又は0.001%以下であってもよい。或いは又は更に、窒素含有量(例えば、重量割合)は、例えば、約0%、0.001%、0.005%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%、1.05%、1.1%、1.15%、1.2%、1.25%、1.3%、1.35%、1.4%、1.45%、1.5%、1.55%、1.57%、1.6%、1.65%、1.7%、1.75%、1.8%、1.85%、1.9%、1.95%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.5%、4%又は5%以上であってもよい。
【0059】
炭素粒子(類)は、所定の炭素含有量を有し得る。いくつかの例では、炭素含有量は約99重量%以上の炭素であり得る。炭素含有量(例えば、重量割合)は、例えば、約50%、75%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95.1%、95.2%、95.3%、95.4%、95.5%、95.6%、95.7%、95.8%、95.9%、96%、96.1%、96.2%、96.3%、96.4%、96.5%、96.6%、96.7%、96.8%、96.9%、97%、97.1%、97.2%、97.3%、97.4%、97.5%、97.6%、97.7%、97.8%、97.9%、98%、98.1%、98.2%、98.3%、98.4%、98.5%、98.6%、98.7%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、99.99%又は99.999%以上であってもよい。或いは又は更に、炭素含有量(例えば、重量割合)は、例えば、約100%、99.999%、99.99%、99.9%、99.8%、99.7%、99.6%、99.5%、99.4%、99.3%、99.2%、99.1%、99%、98.9%、98.8%、98.7%、98.6%、98.5%、98.4%、98.3%、98.2%、98.1%、98%、97.9%、97.8%、97.7%、97.6%、97.5%、97.4%、97.3%、97.2%、97.1%、97%、96.9%、96.8%、96.7%、96.6%、96.5%、96.4%、96.3%、96.2%、96.1%、96%、95.9%、95.8%、95.7%、95.6%、95.5%、95.4%、95.3%、95.2%、95.1%、95%、94%、93%、92%、91%又は90%以下であってもよい。
【0060】
炭素粒子(類)は、所定の水素含有量を有し得る。水素含有量は、例えば、約0.4重量%未満、又は約0.2重量%以下の水素であり得る。水素含有量(例えば、重量割合)は、例えば、約5%、4%、3%、2%、1%、0.95%、0.9%、0.85%、0.8%、0.75%、0.7%、0.65%、0.6%、0.55%、0.5%、0.45%、0.4%、0.39%、0.38%、0.37%、0.36%、0.35%、0.34%、0.33%、0.32%、0.31%、0.3%、0.29%、0.28%、0.27%、0.26%、0.25%、0.24%、0.23%、0.22%、0.21%、0.2%、0.19%、0.18%、0.17%、0.16%、0.15%、0.14%、0.13%、0.12%、0.11%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.005%又は0.001%以下であってもよい。或いは又は更に、水素含有量(例えば、重量割合)は、例えば、約0%、0.001%、0.005%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%、2%、3%、4%又は5%以上であってもよい。
【0061】
炭素粒子(例えば、導電性添加剤)は、高い導電性を有し得る(例えば、電池での高性能が望まれる場合)。高い導電率は、低い抵抗率に対応し得る(体積抵抗率など)。炭素粒子の体積抵抗率は、非導電性樹脂で作製されたシリンダ状のリザーバに微細又は「ふわふわ」の粉末を充填することで測定できる。シリンダには4つの穴を開けることができる。これらの等間隔の穴から導電性の銅ボルトを挿入してもよい。粉末を、非導電性樹脂製のピストンを使用してデバイスの上部から2MPa~40MPaの範囲の圧力に圧縮してもよい。0.1アンペアの定電流を外側のボルトに印加し、内側のボルト間のサンプル全体の電圧降下を測定してもよい。この電圧測定から、体積抵抗率をオームセンチメートル(Ω-cm)で計算できる。導電性添加剤の体積抵抗率は、例えば、約5Ω-cm、4Ω-cm、3Ω-cm、2Ω-cm、1Ω-cm、0.5Ω-cm、0.4Ω-cm、0.3Ω-cm、0.25Ω-cm、0.24Ω-cm、0.23Ω-cm、0.22Ω-cm、0.21Ω-cm、0.20Ω-cm、0.19Ω-cm、0.18Ω-cm、0.17Ω-cm、0.16Ω-cm、0.15Ω-cm、0.14Ω-cm、0.13Ω-cm、0.12Ω-cm、0.11Ω-cm、0.10Ω-cm、0.09Ω-cm、0.08Ω-cm、0.07Ω-cm、0.06Ω-cm、0.05Ω-cm、0.01Ω-cm又は0.005Ω-cm以下であってもよい。或いは又は更に、導電性添加剤の体積抵抗率は、例えば、約0.001Ω-cm、0.005Ω-cm、0.01Ω-cm、0.05Ω-cm、0.06Ω-cm、0.07Ω-cm、0.08Ω-cm、0.09Ω-cm、0.10Ω-cm、0.11Ω-cm、0.12Ω-cm、0.13Ω-cm、0.14Ω-cm、0.15Ω-cm、0.16Ω-cm、0.17Ω-cm、0.18Ω-cm、0.19Ω-cm、0.20Ω-cm、0.21Ω-cm、0.22Ω-cm、0.23Ω-cm、0.24Ω-cm、0.25Ω-cm、0.3Ω-cm、0.4Ω-cm、0.5Ω-cm、1Ω-cm、2Ω-cm、3Ω-cm又は4Ω-cm以上であってもよい。導電性添加剤は、例えば、約2メガパスカル(MPa)、5MPa、10MPa、15MPa、20MPa、25MPa、30MPa、35MPa又は40MPa(例えば、2MPa)でそのような体積抵抗率を有し得る。いくつかの例では、体積抵抗率は2MPaにおいて0.3Ω-cm未満であり得る。
【0062】
いくつかの実装形態では、ホウ素のドーピングを使用することにより、増加した導電率が得られうる。粒子のホウ素ドーピングは、本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、例えば、ホウ素前駆体ホウ酸及び/又はジボランガスを用いて実施され得る。本明細書に記載の炭素粒子及び導電性添加剤のホウ素濃度は、例えば、(例えば固形分重量基準で)約0%、0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%又は10%以上であってもよい。或いは又は更に、本明細書に記載の炭素粒子及び導電性添加剤のホウ素濃度は、例えば、(例えば固形分重量基準で)約10%、9.5%、9%、8.5%、8%、7.5%、7%、6.5%、6%、5.5%、5%、4.5%、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.5%、1%、0.05%、0.01%又は0.005%以下であってもよい。いくつかの例では、ホウ素濃度は、固形分重量基準で0.05と7%の間であり得る。
【0063】
炭素粒子の結晶化度は、例えば、X線結晶回折法(XRD)を介して測定され得る。例えば、Cu Kアルファ放射線を40kV(キロボルト)の電圧及び44mA(ミリアンペア)の電流で使用してもよい。走査速度は、2シータが12~90度の場合、1.3度/分であり得る。グラファイトの002ピークは、シェラーの式を使用してL(格子定数(本明細書では「結晶化度」ともいう))及びd002(グラファイトの002ピークの格子間隔)の値を取得することにより分析してもよい。c軸に沿ったグラファイトの平均サイズ(グラフェンシートの厚さ又は炭素一次粒子内のグラファイトドメインのc軸の長さ)であるLは、シェラーの式
【数6】
【0064】
を使用して計算でき、式中、λ=0.154nm、β002は(002)回折ピークの半値全幅(FWHM)、θ002は(002)回折ピークのブラッグ角である。(002)面の格子間隔d002は、ブラッグの式
【数7】
【0065】
を用いて計算される。より大きいL値は、より高い結晶化度に対応し得る。より小さい格子間隔(d002)値は、より高い結晶化度又はよりグラファイトに似た格子構造に対応し得る。例えば0.36nm以上の大きな格子間隔(d002)は、ターボ層状炭素(例えば、炉プロセスで製造されたカーボンブラックサンプルに一般的)を示している可能性がある。いくつかの例では、CAとして使用される炭素粒子(例えばカーボンブラック)は、XRDで測定して4nmを超える結晶化度(L)を有し得る(例えば、結晶化度が高いほど、高いサイクルレートの充電/放電が促進され得る)。Lは、例えば、約0.1nm、0.5nm、1nm、1.1nm、1.2nm、1.3nm、1.4nm、1.5nm、1.6nm、1.7nm、1.8nm、1.9nm、2nm、2.1nm、2.2nm、2.3nm、2.4nm、2.5nm、2.6nm、2.7nm、2.8nm、2.9nm、3nm、3.1nm、3.2nm、3.3nm、3.4nm、3.5nm、4nm、4.5nm、5nm、5.5nm、6nm、6.1nm、6.2nm、6.3nm、6.4nm、6.5nm、6.6nm、6.7nm、6.8nm、6.9nm、7nm、7.1nm、7.2nm、7.3nm、7.4nm、7.5nm、7.6nm、7.7nm、7.8nm、7.9nm、8nm、8.1nm、8.2nm、8.3nm、8.4nm、8.5nm、8.6nm、8.7nm、8.8nm、8.9nm、9nm、9.1nm、9.2nm、9.3nm、9.4nm、9.5nm、9.6nm、9.7nm、9.8nm、9.9nm、10nm、10.1nm、10.2nm、10.3nm、10.4nm、10.5nm、10.6nm、10.7nm、10.8nm、10.9nm、11nm、11.1nm、11.2nm、11.3nm、11.4nm、11.5nm、11.6nm、11.7nm、11.8nm、11.9nm、12nm、12.1nm、12.2nm、12.3nm、12.4nm、12.5nm、12.6nm、12.7nm、12.8nm、12.9nm、13nm、13.1nm、13.2nm、13.3nm、13.4nm、13.5nm、13.6nm、13.7nm、13.8nm、13.9nm、14nm、14.5nm、15nm、15.5nm、16nm、16.5nm、17nm、17.5nm、18nm、18.5nm、19nm、19.5nm又は20nm以上であってもよい。或いは又は更に、Lは、例えば、約20nm、19.5nm、19nm、18.5nm、18nm、17.5nm、17nm、16.5nm、16nm、15.5nm、15nm、14.5nm、14nm、13.9nm、13.8nm、13.7nm、13.6nm、13.5nm、13.4nm、13.3nm、13.2nm、13.1nm、13nm、12.9nm、12.8nm、12.7nm、12.6nm、12.5nm、12.4nm、12.3nm、12.2nm、12.1nm、12nm、11.9nm、11.8nm、11.7nm、11.6nm、11.5nm、11.4nm、11.3nm、11.2nm、11.1nm、11nm、10.9nm、10.8nm、10.7nm、10.6nm、10.5nm、10.4nm、10.3nm、10.2nm、10.1nm、10nm、9.9nm、9.8nm、9.7nm、9.6nm、9.5nm、9.4nm、9.3nm、9.2nm、9.1nm、9nm、8.9nm、8.8nm、8.7nm、8.6nm、8.5nm、8.4nm、8.3nm、8.2nm、8.1nm、8nm、7.9nm、7.8nm、7.7nm、7.6nm、7.5nm、7.4nm、7.3nm、7.2nm、7.1nm、7nm、6.9nm、6.8nm、6.7nm、6.6nm、6.5nm、6.4nm、6.3nm、6.2nm、6.1nm、6nm、5.5nm、5nm、4.5nm、4nm、3.5nm、3.4n2.7nm,m,3.3 nm、3.2nm、3.1nm、3nm、2.9nm、2.8nm、2.6nm、2.5nm、2.4nm、2.3nm、2.2nm、2.1nm、2nm、1.9nm、1.8nm、1.7nm、1.6nm又は1.5nm以下であってもよい。d002は、例えば、約0.5nm、0.49nm、0.48nm、0.47nm、0.46nm、0.45nm、0.44nm、0.43nm、0.42nm、0.41nm、0.4nm、0.395nm、0.39nm、0.385nm、0.38nm、0.375nm、0.37nm、0.369nm、0.368nm、0.367nm、0.366nm、0.365nm、0.364nm、0.363nm、0.362nm、0.361nm、0.360nm、0.359nm、0.358nm、0.357nm、0.356nm、0.355nm、0.354nm、0.353nm、0.352nm、0.351nm、0.350nm、0.349nm、0.348nm、0.347nm、0.346nm、0.345nm、0.344nm、0.343nm、0.342nm、0.341nm、0.340nm、0.339nm、0.338nm、0.337nm、0.336nm、0.335nm、0.334nm、0.333nm又は0.332nm以下であってもよい。或いは又は更に、d002は、例えば、約0.332nm、0.333nm、0.334nm、0.335nm、0.336nm、0.337nm、0.338nm、0.339nm、0.340nm、0.341nm、0.342nm、0.343nm、0.344nm、0.345nm、0.346nm、0.347nm、0.348nm、0.349nm、0.350nm、0.351nm、0.352nm、0.353nm、0.354nm、0.355nm、0.356nm、0.357nm、0.358nm、0.359nm、0.360nm、0.361nm、0.362nm、0.363nm、0.364nm、0.365nm、0.366nm、0.367nm、0.368nm、0.369nm、0.37nm、0.375nm、0.38nm、0.385nm、0.39nm、0.395nm、0.4nm、0.41nm、0.42nm、0.43nm、0.44nm、0.45nm、0.46nm、0.47nm、0.48nm又は0.49nm以上であってもよい。
【0066】
炭素粒子は、所定の形状を有し得る。この粒子は、所与の楕円体因子(本明細書では「楕円因子」ともいう)を有してもよい。楕円因子は、長さに対して90度の角度で描かれた線で定義される楕円の幅で割った楕円の最長寸法の長さであり得る。ファーネスブラック一次粒子の楕円体係数は、通常1.0と1.3の間である。いくつかの例では、本明細書に記載の粒子は、楕円体因子が1.3超であるように、より楕円体の形状を有してもよい。楕円因子は、例えば、約1、1.05、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、1.55、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、1.85、1.9、1.95、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9又は3以上であってもよい。或いは又は更に、楕円体因子は、例えば、約3、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2、1.95、1.9、1.85、1.8、1.75、1.7、1.65、1.6、1.55、1.5、1.45、1.4、1.35、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05又は1以下であってもよい。粒子は、1次元(例えば針状)及び/又は2次元(例えば板状又はグラフェン状)の所定の異方性を有していてもよい。いくつかの例では、粒子は、1次元(例えば針状)と2次元(例えば板状又はグラフェン状)の両方で異方性であり得る。
【0067】
炭素粒子(類)は、特定のサイズ(類)又は特定のサイズ分布を有していてもよい。等体積球径(例えば、TEMヒストグラムから粒子(類)、/凝集体の体積を決定することにより得られる)は、例えば、約5ミクロン(μm)、4.5μm、4μm、3.5μm、3μm、2.5μm、2.4μm、2.3μm、2.2μm、2.1μm、2μm、1.9μm、1.8μm、1.7μm、1.6μm、1.5μm、1.4μm、1.3μm、1.2μm、1.1μm、1μm、0.95μm、0.9μm、0.85μm、0.8μm、0.75μm、0.7μm、0.65μm、0.6μm、0.55μm、0.5μm、0.45μm、0.4μm、0.35μm、0.3μm、0.25μm、0.2μm、0.15μm、0.1μm、90ナノメートル(nm)、80nm、70nm、60nm、50nm、40nm、30nm、20nm、10nm又は5nm以下であり得る。代替的又は追加的に、等体積球径(例えば、TEMヒストグラムから粒子(類)/凝集体の体積を決定することにより得られる)は、例えば、約5nm、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、0.1μm、0.15μm、0.2μm、0.25μm、0.3μm、0.35μm、0.4μm、0.45μm、0.5μm、0.55μm、0.6μm、0.65μm、0.7μm、0.75μm、0.8μm、0.85μm、0.9μm、1μm、1.2μm、1.3μm、1.4μm、1.5μm、1.6μm、1.7μm、1.8μm、1.9μm、2μm、2.1μm、2.2μm、2.3μm、2.4μm、2.5μm、3μm、3.5μm、4μm、4.5μm又は5μm以上であり得る。粒径は、例えば動的光散乱法(DLS)を用いて分析できる。DLSが提供するサイズ測定は、TEMが提供するサイズ測定と異なる場合がある。TEMによるサイズ測定は、等体積球径であり得る。DLSによるサイズ測定は、流体力学的直径であり得る。DLSは、流体力学的半径に基づいて粒径を測定するために使用でき、これは粒子が無限に高速で回転している場合に切り出された半径に相当する。Z平均粒径は、粒子の流体力学的直径であり得る。Z平均粒径は、3次元(流体力学的直径)の凝集体(例えば粒子凝集体)の最大直径であり得る。DLS分析は、強度及び/又は体積による粒度分布を提供し得る。例えば、DLSを用いて強度測定によるサイズを得ることができる。強度によるサイズは、体積によるサイズよりも小さい場合がある。体積によるサイズは、強度によるサイズの測定に基づく場合がある。このサイズ(例えば、強度及び/又は体積による)は、例えば、約5nm、10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、35nm、40nm、45nm、50nm、75nm、100nm、105nm、110nm、113nm、115nm、120nm、125nm、150nm、175nm、200nm、205nm、210nm、213nm、216nm、220nm、225nm、230nm、235nm、240nm、245nm、247nm、250nm、255nm、260nm、265nm、270nm、275nm、280nm、281nm、285nm、290nm、295nm、300nm、303nm、305nm、310nm、312nm、315nm、320nm、323nm、325nm、328nm、330nm、332nm、333nm、335nm、340nm、345nm、350nm、355nm、360nm、370nm、380nm、390nm、403nm、410nm、420nm、430nm、440nm、450nm、460nm、470nm、480nm、490nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm、1000nm、1500nm、2000nm、2500nm、3000nm、3500nm、4000nm、4500nm、5000nm、5500nm、6000nm、6500nm、7000nm、7500nm、8000nm、8500nm、9000nm、9500nm又は10μm以上であり得る。或いは又は更に、サイズ(例えば、強度及び/又は体積による)は、例えば、約10μm、9500nm、9000nm、8500nm、8000nm、7500nm、7000nm、6500nm、6000nm、5500nm、5000nm、4500nm、4000nm、3500nm、3000nm、2500nm、2000nm、1500nm、1000nm、950nm、900nm、850nm、800nm、750nm、700nm、650nm、550nm、500nm、490nm、480nm、470nm、460nm、450nm、440nm、430nm、420nm、410nm、403nm、390nm、380nm、370nm、360nm、355nm、350nm、345nm、340nm、335nm、333nm、332nm、330nm、328nm、325nm、323nm、320nm、315nm、312nm、310nm、305nm、303nm、300nm、295nm、290nm、285nm、281nm、280nm、275nm、270nm、265nm、260nm、255nm、250nm、247nm、245nm、240nm、235nm、230nm、225nm、220nm、216nm、213nm、210nm、205nm、200nm、175nm、150nm、125nm、120nm、115nm、113nm、110nm、105nm、100nm、75nm、50nm、45nm、40nm、35nm、30nm、25nm、20nm、15nm、10nm又は5nm以下であり得る。前述の粒径は、測定値及び/又は計算値を含み得る。粒子は、DLS分析により提供される1以上の多分散指数と組み合わせて、そのようなサイズを有し得る。多分散指数は、例えば、約0、0.005、0.010、0.025、0.050、0.075、0.100、0.120、0.140、0.160、0.180、0.200、0.205、0.211、0.215、0.221、0.225、0.230、0.234、0.240、0.245、0.250、0.275、0.3、0.35、0.4、0.45又は0.5以上であってもよい。或いは又は更に、多分散指数は、例えば、約0.5、0.45、0.4、0.35、0.3、0.275、0.250、0.245、0.240、0.234、0.230、0.225、0.221、0.215、0.211、0.205、0.200、0.180、0.160、0.140、0.120、0.100、0.075、0.050、0.025、0.010又は0.005以下であってもよい。
【0068】
測定されたDLSサイズを、計算されたDLSサイズと比較してもよい。計算されたDLSサイズは、DBPとN2SAをMalvern InstrumentsのMalvern Zetasizerで測定されたZ平均粒径に一致させることにより得られる。Z平均粒径は、粒子の流体力学的直径であり得る。Z平均粒径は、3次元の凝集体(粒子凝集体など)の最大直径であり得る。DLSによる凝集体サイズは、式
【数8】
【0069】
に従って予測(計算)することができ、式中、Dは凝集体のナノメートル単位の最大直径(ここでは「最大凝集体直径」ともいう)、SはSTSA(m/g)、そして<DBP>は標準試験手順ASTM D2414(例えば、ASTM D2414-12)によるフタル酸ジブチルの体積(ml/100g)に等しい。例えば、参照により本明細書に完全に組み込まれるA.I.Medaliaら「カーボンブラックの着色力」Journal of Colloid and Interface Science、Vol.40、No.2、1972年8月を参照されたい。測定値と計算値の差は、DLS偏差(
【数9】
【0070】
)で表すことができる。例1~2に示すように、この計算は、PT1のZetasizerで測定される実際のサイズに非常に近く、PT2ではそれほど近くない場合がある。これは、PT2がPT1と比較して非常に異なる形態を有するためであり得る。DLSは、流体力学的半径に基づいて粒径を測定するために使用でき、これは粒子が無限に高速で回転している場合に切り出された半径に相当する。したがって、異方性粒子PT2は、典型的な腺房構造のカーボンブラックのフラクタル粒子に適合するように用いられる方程式の単純な使用を通じて予測よりもはるかに大きいように見える可能性がある。対照的に、腺房型のカーボンブラック粒子の測定値と計算値の間には良好な一致があり得る。DLS偏差は正であり得る。DLS偏差は、例えば、約-15%、-10%、-8%、-6%、-5%、-4%、-3%、-2%、-1%、0%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%以上であり得る。或いは又は更に、DLS偏差は、例えば、約100%、99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4.5%、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.5%、1%又は0.5%以下であってもよい。DLSによって測定されるZ平均粒径は、例えば、式
【数10】
に基づく値の、約85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%以上であり得る。DLSによって測定されるZ平均粒径は、式
【数11】
【0071】
に基づく値よりも大きい場合がある。DLSによって測定されるZ平均粒径は、例えば、式
【数12】
に基づく値の、約0%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、160%、170%、180%、190%、194%、195%、200%、203%、205%、210%、220%、230%、240%、250%、300%、350%、400%、450%以上、又は500%超であり得る。或いは又は更に、DLSによって測定されるZ平均粒径は、例えば、式
【数13】
【0072】
に基づく値の、約500%、450%、400%、350%、300%、250%、240%、230%、220%、210%、205%、203%、200%、195%、194%、190%、180%、170%、160%、150%、125%、100%、90%、80%、70%、60%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、5%、4%、3%、2%以下、又は1%超であり得る。いくつかの例では、DLSによって測定されるZ平均粒径は、式
【数14】
に基づく値よりも少なくとも30%大きい場合がある。
【0073】
透過型電子顕微鏡(TEM)ヒストグラムを実行し、粒子の最大寸法を測定した後、粒子の占有面積を取得し、その面積を、同じ最大寸法の円の面積から減算することによって、異なる粒子集団を区別できる(例えば、例1~2の2つの粒子集団を区別する別の方法)。粒子が占有しない面積と円の面積との比は、自由空間パーセンテージと呼ぶことができる(本明細書では「自由空間割合」及び「自由空間が占める割合」とも呼ばれる)。いくつかの例では、自由空間が占める割合は、PT2異方性粒子では約90%超であり得るが、(例えば大半の)腺房型カーボンブラック粒子では約40~50%(例えば40から50%)又は40~60%に近いことがある。いくつかの例では、自由空間が占める割合は、PT1では約40~50%(例えば40から50%)又は40~60%に近いことがある。自由空間パーセンテージは、例えば、約5%、10%、15%、25%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又は99.9%以上であり得る。或いは又は更に、自由空間パーセンテージは、例えば、約100%、99.9%、99.5%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、80%、75%、70%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、25%、15%又は10%以下であり得る。
【0074】
粒子総数の所与の部分(例えば、少なくとも一部分)は、所与の種類のものであり得、及び/又は所与の特性/特徴又は所与の特性/特徴のセットを有し得る。例えば、粒子総数の所与の部分は、所与の自由空間パーセンテージ又は自由空間パーセンテージの所与の範囲、所与の形状又は異方性、及び/又は他の所与の特性/特徴を有し得る。所与の特性/特徴又は所与の特性/特徴のセット(例えば、所与の自由空間パーセンテージ又は自由空間パーセンテージの所与の範囲)を有する粒子総数の部分は、例えば、(例えば計数に基づいて)約0%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、99.5%又は99.9%以上であり得る。或いは又は更に、所与の特性/特徴又は所与の特性/特徴のセット(例えば、所与の自由空間パーセンテージ又は所与の範囲の自由空間パーセンテージ)を有する粒子総数の部分は、例えば、(例えば計数に基づいて)約100%、99.9%、99.5%、99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%又は0.01%以下であり得る。いくつかの例では、粒子総数の少なくとも5%の自由空間割合は、計数に基づいて90%以上であり得る。いくつかの例では、粒子総数の少なくとも約0.5%、1%、5%、10%、15%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、75%、90%又は99%の自由空間割合は、計数に基づいて約60%、65%又は90%以上であり得る。いくつかの例では、粒子総数の少なくとも約0.5%、1%、5%、10%、15%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、75%、90%又は99%の自由空間割合は、計数に基づいて約60%、54%、53%又は50%未満であり得る。いくつかの例では、粒子総数の最大約95%、90%、75%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、10%、5%、1%又は0.05%の自由空間割合は、計数に基づいて約90%、85%、60%、54%又は50%未満、或いは約50%と60%の間であり得る。
【0075】
炭素粒子(類)は、所定の密度を有し得る。密度は真密度であり得る。真密度は、例えばヘリウム(He)比重瓶法で測定できる。真密度は、例えば、ASTM D7854(例えばASTM D7854-16)に従って測定できる。いくつかの例では、本明細書に記載の炭素粒子(類)は、(例えば約)2.1g/cm以上の真密度を有し得る。ファーネスブラックの真密度は、通常1.8~1.9g/cmである。本明細書に記載の炭素粒子(類)の真密度は、例えば、約1.5g/cm、1.6g/cm、1.7g/cm、1.75g/cm、1.8g/cm、1.85g/cm、1.9g/cm、1.95g/cm、2g/cm、2.05g/cm、2.1g/cm、2.15g/cm、2.2g/cm、2.25g/cm、2.3g/cm、2.35g/cm、2.4g/cm、2.45g/cm、2.5g/cm、2.6g/cm、2.7g/cm、2.8g/cm、2.9g/cm又は3g/cm以上であってもよい。或いは又は更に、本明細書に記載の炭素粒子(類)の真密度は、例えば、約3g/cm、2.9g/cm、2.8g/cm、2.7g/cm、2.6g/cm、2.5g/cm、2.45g/cm、2.4g/cm、2.35g/cm、2.3g/cm、2.25g/cm、2.2g/cm、2.15g/cm、2.1g/cm、2.05g/cm、2g/cm、1.95g/cm、1.9g/cm、1.85g/cm、1.8g/cm、1.75g/cm、1.7g/cm、1.6g/cm又は1.5g/cm以下であってもよい。
【0076】
炭素粒子(類)は、所定の表面積を有し得る。表面積は、例えば、窒素表面積(N2SA)(例えば、窒素ベースのブルナウアー・エメット・テラー(BET)表面積)、統計的厚さ表面積(STSA)及び/又は電子顕微鏡表面積(EMSA)を指すことがある。N2SA(本明細書では「NSA」ともいう)及びSTSAは、ASTM D6556(例えばASTM D6556-10)によって測定してもよい。EMSA(電子顕微鏡で予測される表面積)は、ASTM D3849(例えばASTM D3849-07など)で測定してもよい。本明細書に記載される表面積は、(内部)多孔性を除く表面積(例えば、一次粒子の内部にある細孔を除外する、任意の内部細孔による多孔性表面積を除外する)を指すことがある。表面積(例えば、N2SA、STSA及び/又はEMSA)は、例えば、約5m/g、10m/g、11m/g、12m/g、13m/g、14m/g、15m/g、16m/g、17m/g、18m/g、19m/g、20m/g、21m/g、22m/g、23m/g、24m/g、25m/g、26m/g、27m/g、28m/g、29m/g、30m/g、31m/g、32m/g、33m/g、34m/g、35m/g、36m/g、37m/g、38m/g、39m/g、40m/g、41m/g、42m/g、43m/g、44m/g、45m/g、46m/g、47m/g、48m/g、49m/g、50m/g、51m/g、52m/g、54m/g、55m/g、56m/g、60m/g、61m/g、63m/g、65m/g、70m/g、72m/g、75m/g、79m/g、80m/g、81m/g、85m/g、90m/g、95m/g、100m/g、105m/g、110m/g、111m/g、112m/g、113m/g、114m/g、115m/g、116m/g、117m/g、118m/g、119m/g、120m/g、121m/g、123m/g、125m/g、130m/g、135m/g、138m/g、140m/g、145m/g、150m/g、160m/g、170m/g、180m/g、190m/g、20
0m/g、210m/g、220m/g、230m/g、240m/g、250m/g、260m/g、270m/g、280m/g、290m/g、300m/g、310m/g、320m/g、330m/g、340m/g、350m/g、360m/g、370m/g、380m/g、390m/g又は400m/g以上であってもよい。或いは又は更に、表面積(例えば、N2SA、STSA及び/又はEMSA)は、例えば、約400m/g、390m/g、380m/g、370m/g、360m/g、350m/g、340m/g、330m/g、320m/g、310m/g、300m/g、290m/g、280m/g、270m/g、260m/g、250m/g、240m/g、230m/g、220m/g、210m/g、200m/g、190m/g、180m/g、170m/g、160m/g、150m/g、145m/g、140m/g、138m/g、135m/g、130m/g、125m/g、123m/g、121m/g、120m/g、119m/g、118m/g、117m/g、116m/g、115m/g、114m/g、113m/g、112m/g、111m/g、110m/g、105m/g、100m/g、95m/g、90m/g、85m/g、81m/g、80m/g、79m/g、75m/g、72m/g、70m/g、65m/g、63m/g、61m/g、60m/g、56m/g、55m/g、54m/g、52m/g、51m/g、50m/g、49m/g、48m/g、47m/g、46m/g、45m/g、44m/g、43m/g、42m/g、41m/g、40m/g、39m/g、38m/g、37m/g、36m/g、35m/g、34m/g、33m/g、32m/g、31m/g、30m/g、29m/g、28m/g、27m/g、26m/g、25m/g、24m/g、23m/g、22m/g、21m/g、20m/g、19m/g、18m/g、17m/g、16m/g、15m/g、14m/g、13m/g、12m/g、11m/g、
10m/g又は5m/g以下であってもよい。いくつかの例では、表面積(例えば、N2SA)は、約30m/g~約400m/g、約30m/g~約65m/g、約40m/g~約150m/g、約40m/g~約80m/g、約80m/g~約150m/g、約40m/g~約75m/g、約120m/g~約150m/g、又は約120m/g~約160m/gであってもよい。例えば、本明細書に記載されるプロセス(類)は、ASTM D6556により測定される40~80m/g及び/又は80~150m/gのN2SA及び/又はSTSAを生じ得る(例えば、本明細書に記載されるプロセス(類)は、ASTM D6556で測定した80~150m/gの範囲と40~80m/gの範囲の両方でN2SA又はSTSA生じ得る)。STSAとN2SAは異なる場合がある。この差は、STSA/N2SA比で表すことができる。STSA/N2SA比は、例えば、約0.4、0.5、0.6、0.7、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.8、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1、1.01、1.02、1.03、1.03、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.1、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.19、1.20、1.21、1.22、1.23、1.24、1.25、1.26、1.27、1.28、1.29、1.3、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.37、1.38、1.39、1.4、1.45、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9又は2以上であってもよい。或いは又は更に、STSA/N2SA比は、例えば、約2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.45、1.4、1.39、1.38、1.37、1.36、1.35、1.34、1.33、1.32、1.31、1.3、1.29、1.28、1.27、1.26、1.25、1.24、1.23、1.22、1.21、1.2、1.19、1.18、1.17、1.16、1.15、1.14、1.13、1.12、1.11、1.1、1.09、1.08、1.07、1.06、1.05、1.04、1.03、1.02、1.01、1、0.99、0.98、0.97、0.96、0.95、0.94、0,93、0.92、0.91、0.9、0.89、0.88、0.87、0.86、0.85、0.84、0.83、0.82、0.81、0.8、0.79、0.78、0.77、0.76、0.75、0.7、0.6又は0.5以下であってもよい。いくつかの例では、STSA/N2SA比は1.01~1.35、又は1.01~1.4であり得る。いくつかの例では、(例えば、例2~3のPT2及び/又はPT3の)電子顕微鏡法によって予測される表面積は、STSA(及び/又はN2SA)によって測定された対応する値とは大きく異なる場合がある。この差は、STSA/EMSA(及び/又はN2SA/EMSA)比で表すことができる。STSA/EMSA(及び/又はN2SA/EMSA)比は、例えば、約0.1、0.5、0.6、0.7、0.75、0.8、0.85、0.88、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.1、1.2、1.3、1.33、1.35、1.4、1.45、1.5、2、2.5、3、3.05、3.08、3.1、3.2、3.3、3.35、3.4、3.5、3.55、3.6、3.63、3.65、3.7、3.75、3.8、3.85、3.9、3.95、3.97、4、4.05、4.1、4.15、4.2、4.3、4.4、4.5、5、5.5、6、6.5又は7以上であってもよい。或いは又は更に、STSA/EMSA(及び/又はN2SA/EMSA)比は、例えば、約10、9、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4.4、4.3、4.2、4.15、4.1、4.05、4、3.97、3.95、3.9、3.85、3.8、3.75、3.7、3.65、3.63、3.6、3.55、3.5、3.4、3.35、3.3、3.2、3.1、3.08、3.05、3、2.5、2、1.5、1.45、1.4、1.35、1.33、1.3、1.2、1.1、1.05、1.04、1.03、1.02、1.01、1、0.99、0.98、0.97、0.96、0.95、0.94、0.93、0.92、0.91、0.9、0.88、0.85、0.8、0.75、0.7、0.6又は0.5以下であってもよい。腺房型カーボンブラックは、0.7~1.3のSTSA/EMSA比を有してもよい(例えば、腺房型カーボンブラック粒子は、0.7~1.3のSTSA/EMSAを有してもよい)。いくつかの例では、炭素粒子(類)(例えば、実施例1のPT1)は、約0.7~約1.3のSTSA/EMSA比を有し得る。いくつかの例では、炭素粒子(類)(例えば、例2~3のPT2及び/又はPT3)は、約1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、2、3、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.05、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、5、5.5又は6以上のSTSA/EMSAを有し得る。炭素粒子は、例えば、1以上のDLS偏差、自由空間パーセンテージ、形状、純度、及び/又は本明細書に記載の他の特性又は特徴(例えば、実施例1~3に関連して記載されたもの)と組み合わせて、そのような表面積比を有し得る。
【0077】
いくつかの例では、炭素粒子は、3.0nm超のL及び1.01~1.35、又は1.01~1.4のSTSA/N2SA比を有し得る。
【0078】
高N2SAのカーボン添加剤は、電池の性能に高い充電/放電レートが必要な場合に有利であり得る。モバイル電子機器の最大充電/放電レートは、例えば約1C~3Cであり得る。電気自動車のような用途では5Cのレートが使用される場合があり、(例えば、自動車用途における厳しいデューティサイクル要件のため)より高いレートが望ましい。導電性添加剤は、導電性の提供を(例えば、大いに)支援し得るが、導電性添加剤は、過剰なCAが電極に追加されると、リチウム(Li)イオンの移動を妨げる場合がある。このため、用途に応じて2種類の炭素粒子(例えばカーボンブラック)CAを電極配合に追加してもよい。例えば、ミッドレンジN2SA(例えば、本書の他の箇所に記載)とハイレンジN2SA(例えば、本明細書の他の箇所に記載)の炭素粒子(例えばカーボンブラック)を(例えば電池のデューティ要件に応じて)追加してもよい。したがって、これらのクラスの両方の導電性添加剤を製造するプロセスが望ましい場合がある。用途により高N2SAが必要とされない場合は、高(例えばハイレンジ)N2SAのCAではなく、ミッドレンジN2SA製品を使用してもよい。このような場合、例えば高N2SA CAの費用が増加するため、及び/又は高N2SA CAが、高N2SA CAの増加した表面での寄生反応及び/又は電解質消費の増加によるサイクル及び/又はカレンダ寿命の減少を引き起こす可能性がある場合、高N2SAのCAではなく、ミッドレンジN2SA製品を使用してもよい。一部の構成では、異なる表面積を有するCAの組み合わせを使用してもよい。例えば、ミッドレンジN2SA製品と高N2SA CAの組み合わせを使用してもよい。CAの組み合わせは、2つ以上(例えば2、3、4、5又はそれ以上のCA)で構成され得る。個々のCAは、例えば約1ppb、2ppb、5ppb、15ppb、50ppb、100ppb、0.5ppm、1ppm、5ppm、50ppm、100ppm、500ppm、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.5%又は99.9%以上のレベルで(例えば、2つ以上のCAの混合物で)存在してもよい。或いは又は更に、個々のCAは、例えば約100%、99.9%、99.5%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、2%、1%、0.5%、0.1%、500ppm、100ppm、50ppm、5ppm、1ppm、0.5ppm、100ppb、50ppb、15ppb、5ppb又は2ppb以下のレベルで(例えば、2つ以上のCAの混合物で)存在してもよい。
【0079】
炭素粒子は、所定の構造を有し得る。構造はフタル酸ジブチル(DBP)吸収の観点から表現でき、これにより特定の粘弾性目標トルクに達する前に所与の質量の炭素粒子が吸収できるDBPの量を決定することによって炭素粒子(例えばカーボンブラック)の相対構造が測定される。カーボンブラックの場合、サーマルブラックはカーボンブラックの中でDBP番号が最も低く(32~47ml/100g)、粒子の凝集や構造が非常に少ないことを示している。この構造は、圧縮されたフタル酸ジブチル(CDBP)吸収の観点から表示でき、これにより特定の粘弾性目標トルクに達する前に粉砕された炭素粒子の所与の質量が吸収できるDBPの量を決定することによって炭素粒子の相対構造が測定される。用語構造は、用語DBP及び/又はCDBPで交換可能に使用され得る(例えば、高構造材料はDBP高値を有する)。本明細書に記載される構造は、造粒後の構造(例えば、造粒後のDBP及び/又はCDBP)を指すことがある。DBP吸収(本明細書では「DBP」ともいう)は、ASTM D2414(例えばASTM D2414-12)に従って測定され得る。CDBP吸収(本明細書では「CDBP」ともいう)は、ASTM D3493に従って測定され得る。いくつかの例では、ASTM D2414で測定した炭素粒子の構造は、100ml/100gよりも高い(大きい)場合がある。いくつかの例では、炭素粒子の構造は100ml/100gと150ml/100gの間であり得る。いくつかの例では、炭素粒子の構造は100ml/100gと200ml/100gの間であり得る。いくつかの例では、炭素粒子の構造は100ml/100gと250ml/100gの間であり得る。いくつかの例では、炭素粒子の構造は150ml/100gよりも高い(大きい)場合がある。DBP及び/又はCDBPは、例えば、100グラムあたり約1ミリリットル(ml/100g)、5ml/100g、10ml/100g、15ml/100g、20ml/100g、25ml/100g、32ml/100g、40ml/100g、45ml/100g、47ml/100g、50ml/100g、55ml/100g、56ml/100g、57ml/100g、58ml/100g、59ml/100g、60ml/100g、61ml/100g、62ml/100g、63ml/100g、64ml/100g、65ml/100g、66ml/100g、67ml/100g、68ml/100g、69ml/100g、70ml/100g、71ml/100g、72ml/100g、73ml/100g、74ml/100g、75ml/100g、76ml/100g、78ml/100g、79ml/100g、80ml/100g、81ml/100g、82ml/100g、83ml/100g、84ml/100g、85ml/100g、86ml/100g、87ml/100g、88ml/100g、89ml/100g、90ml/100g、91ml/100g、92ml/100g、93ml/100g、94ml/100g、95ml/100g、96ml/100g、97ml/100g、98ml/100g、99ml/100g、100ml/100g、101ml/100g、104ml/100g、105ml/100g、109ml/100g、110ml/100g、111ml/100g、112ml/100g、113ml/100g、114ml/100g、115ml/100g、116ml/100g、117ml/100g、118ml/100g、119ml/100g、120ml/100g、121ml/100g、122ml/100g、123ml/100g、124ml/100g、125ml/100g、126ml/100g、127ml/100g、128ml/100g、129ml/100g、130ml/100g、131ml/100g、132ml/100g、134ml/100g、135ml/100g、136ml/100g、137ml/100g、138ml/100g、140ml/100g、142ml/100g、145ml/100g、150ml/100g、152ml/100g、155ml/100g、160ml/100g、165ml/100g、170ml/100g、174ml/100g、175ml/100g、180ml/100g、183ml/100g、185ml/100g、190ml/100g、195ml/100g、200ml/100g、205ml/100g、210ml/100g、215ml/100g、220ml/100g、225ml/100g、230ml/100g、235ml/100g、240ml/100g、245ml/100g、250ml/100g、255ml/100g、260ml/100g、265ml/100g、270ml/100g、275ml/100g、280ml/100g、285ml/100g、290ml/100g、295ml/100g又は300ml/100g以上であり得る。或いは又は更に、DBP及び/又はCDBPは、例えば、約300ml/100g、295ml/100g、290ml/100g、285ml/100g、280ml/100g、275ml/100g、270ml/100g、265ml/100g、260ml/100g、255ml/100g、245ml/100g、240ml/100g、235ml/100g、230ml/100g、225ml/100g、220ml/100g、215ml/100g、210ml/100g、205ml/100g、200ml/100g、195ml/100g、190ml/100g、185ml/100g、183ml/100g、180ml/100g、175ml/100g、174ml/100g、170ml/100g、165ml/100g、160ml/100g、155ml/100g、152ml/100g、150ml/100g、145ml/100g、142ml/100g、140ml/100g、138ml/100g、137ml/100g、136ml/100g、135ml/100g、134ml/100g、132ml/100g、131ml/100g、130ml/100g、129ml/100g、128ml/100g、127ml/100g、126ml/100g、125ml/100g、124ml/100g、123ml/100g、122ml/100g、121ml/100g、120ml/100g、119ml/100g、118ml/100g、117ml/100g、116ml/100g、115ml/100g、114ml/100g、113ml/100g、112ml/100g、111ml/100g、110ml/100g、109ml/100g、105ml/100g、104ml/100g、101ml/100g、100ml/100g、99ml/100g、98ml/100g、97ml/100g、96ml/100g、95ml/100g、94ml/100g、93ml/100g、92ml/100g、91ml/100g、90ml/100g、89ml/100g、88ml/100g、87ml/100g、86ml/100g、85ml/100g、84ml/100g、83ml/100g、82ml/100g、81ml/100g、80ml/100g、79ml/100g、78ml/100g、76ml/100g、75ml/100g、74ml/100g、73ml/100g、72ml/100g、71ml/100g、70ml/100g、69ml/100g、68ml/100g、67ml/100g、66ml/100g、65ml/100g、64ml/100g、63ml/100g、62ml/100g、61ml/100g、60ml/100g、59ml/100g、58ml/100g、57ml/100g、56ml/100g、55ml/100g、50ml/100g、47ml/100g、45ml/100g、40ml/100g又は32ml/100g以下であり得る。DBPとCDBPは異なる場合がある(例えば、DBPはCDBPよりも大きい場合がある)。場合によっては、DBPとCDBPの差は、例えば本明細書の他の箇所でより詳細に説明するようにより高い結晶化度のため(例えば、より高い結晶化度によって破壊がより難しいより強い炭素粒子(類)が可能になり得る)及び/又は他の要因のために、本開示の炭素粒子(類)についてより小さくなり得る。いくつかの例では、DBPはCDBPの約1%~10%、1%~15%、5%~19%、1%~20%、5%、及び30%、或いは5%~35%超であり得る。DBP値は、例えば、CDBP値の約2、1.9、1.85、1.8、1.75、1.7、1.65、1.6、1.55、1.5、1.45、1.4、1.35、1.3、1.28、1.26、1.24、1.22、1.2、1.19、1.18、1.16、1.15、1.14、1.13、1.12、1.11、1.1、1.09、1.08、1.07、1.06、1.05、1.04、1.03、1.02又は1.01倍以下であり得る。或いは又は更に、DBP値は、例えば、CDBP値の約1、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.1、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.2、1.22、1.24、1.26、1.28、1.3、1.35、1.40、1.45、1.5、1.55、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、1.85、1.9又は2倍以上であり得る。
【0080】
炭素粒子は、例えば、N2SAが約30m/g~約400m/g、約30m/g~約65m/g、約40m/g~約80m/g、約80m/g~約150m/g、約40m/g~約150m/g、約40m/g~約75m/g、約120m/g~約150m/g、又は約120m/g~約160m/gであってもよく、DBPが約100ml/100g超、約100ml/100g~約150ml/100g、約150ml/100g超、約100ml/100g~約200ml/100g、又は約100ml/100g~約250ml/100gであってもよい(例えば、N2SAが約40m/g~約75m/gであり、DBPが約100ml/100g~約200ml/100gであるか、又はN2SAが約120m/g~約150m/g又は160m/gであり、DBPが約100ml/100g~約250ml/100g)。炭素粒子は、そのような特性を、本明細書に記載する1以上の他の特性と組み合わせて、有し得る。例えば、炭素粒子は、本書に記載の1以上の粒径、結晶化度及び/又は純度(例えば、低硫黄、低遷移金属、低酸素、低灰分、低グリット、又はそれらの任意の組み合わせに関して)で前述の特性を有し得る。一例では、炭素粒子は、適切な粒径(例えば、本明細書の他の箇所で説明する適切な一次粒径)、他の炭素粒子(例えば他のカーボンナノ粒子)と比べて増加した結晶化度、低い金属汚染レベル(例えば、本明細書の他の箇所に記載)、低レベルの元素硫黄及び酸素(例えば、本明細書の他の箇所に記載)、低レベル(例えば、本明細書の他の箇所に記載)の大粒子汚染(例えば、30ミクロン未満の粒径のみを含む)、非常に低い水分含有量(例えば0.2重量%未満)、百万分の1スケールのPAHレベル(例えば約1ppm未満)、約99.8%を超えるトート、約1%以下又は約0.02%未満の灰含有量、又はそれらの任意の組み合わせで前述の特性を有し得る。
【0081】
一例では、本開示による炭素粒子は、約105m/gのN2SA、約123m/gのSTSA、約185ml/100gのDBP、(例えば重量割合で)約0.05%未満の灰、約97%のトート、及び(例えば重量割合で)約0.2%未満の水分を有し得る。
【0082】
本開示の導電性添加剤は、本明細書に記載されている特性又は特徴の任意の組み合わせを有し得る。本明細書に記載されている導電性添加剤は、例えば以下の属性、すなわち、導電性添加剤は、サイズ20ミクロンを超える大粒子を非常に最小限(例えば、325メッシュのグリットを用いた水洗グリット試験ASTM D1514で測定されるレベル)有し得(例えば、どの粒子も20~40ミクロンを超えない);導電性添加剤はASTM D1506で測定される低灰分(例えば0.02%未満の灰分)を有し得;炭素粒子(例えばカーボンブラック)の不純物のうちFeは5ppm未満、Cr及びNiは200ppb未満、Co、Zn及びSnは各々10ppb未満であり得、トート試験ASTM D1618は99.8%超であり得;FDAから入手可能な「カーボンブラックCFR178.3297のPAH含有量の決定」手順(「22 PAH」手順)で測定される抽出可能な総多環芳香族炭化水素は1.0ppm以下であり得;Lecoプロセス技術で測定されるCAの硫黄量(例えば、本明細書の他の箇所で説明されている)は50ppm以下であり得;ASTM D1509で測定される水分含有量は0.3%以下であり得(例えば、リチウムイオン電池の候補CAの場合);炭素CAは高導電性を有し得(例えば、電池での高性能が必要な場合);CAとして使用される炭素粒子(例えばカーボンブラック)はXRDで測定した場合4nm超の結晶化度(L)を有し得(例えば、結晶化度が高いと高サイクルレートの充電/放電が促進されるため);本明細書に記載のプロセスは、ASTM D6556で測定した場合のハイレンジ(例えば80~150m/g)及び/又はミッドレンジ(例えば40~80m/g)のN2SA又はSTSAをもたらすことができ(例えば、本明細書に記載のプロセスはそのようなハイレンジ及びミッドレンジ両方のN2SA又はSTSAをもたらしてもよい);ASTM D2414で測定した場合の炭素粒子(例えばカーボンブラック)の構造は、100ml/100g又は150ml/100gを超えてもよい;又はこれらの属性の任意の組み合わせを有し得る。
【0083】
本開示の導電性添加剤を含むエネルギー蓄積装置(例えば、電池)は、改善された特徴/性能を有し得る。本明細書に記載の導電性添加剤は、サイクル寿命(例えば、サイクル数)を改善し、カレンダ寿命(例えば、貯蔵寿命)を改善し、充電及び/又は放電中の容量の増加を可能にし(例えば、高い充電レート及び/又は放電レートで)、充電/放電サイクル500回後の容量の増加、又はそれらの任意の組み合わせを可能にし得る。本明細書に記載の導電性添加剤は、例えば、サイクル寿命(例えば、サイクル数)を改善し、カレンダ寿命(例えば、貯蔵寿命)を改善し、充電及び/又は放電中の容量が増加し(例えば、高い充電及び/又は放電レートで)、及び/又は充電/放電サイクル500回後の容量が、例えば、既存の炭素粒子(例えば既存のカーボンブラック)と比較して少なくとも(各々)約0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、100%、125%、150%、175%、200%、225%、250%、275%、300%、350%、400%、450%又は500%増加するような特徴が改善されてもよい。充電レート及び/又は放電レート(例えば、高い充電及び/又は放電レート)は、例えば、本明細書の他の箇所で説明されているようなものであり得る。
【0084】
(例えば電極体の)抵抗は、4点プローブで測定してもよい。抵抗は、(例えば電極体の)表面抵抗であってもよい。本開示の導電性添加剤(類)を含む電極体(例えばカソード)は、例えば、約1010Ω-cm、10Ω-cm、10Ω-cm、10Ω-cm、10Ω-cm又は10Ω-cm以下の抵抗(例えば表面抵抗)を有し得る。或いは又は更に、本開示の導電性添加剤(類)を含む電極体(例えばカソード)は、例えば、約10Ω-cm、10Ω-cm、10Ω-cm又は10Ω-cm以上の抵抗(例えば、表面抵抗)を有し得る。電極体は、例えば、約2MPa、5MPa、10MPa、15MPa、20MPa、25MPa、30MPa、35MPa又は40MPaで(例えば5MPaで)そのような抵抗を有し得る。いくつかの例では、電極体(例えばカソード)は、10Ω-cm未満の5MPaで抵抗(例えば表面抵抗)を有し得る。
【0085】
コイン電池の測定は、対電極としてLi金属、及びカソード電気活性材料としてLi(Ni0.33Co0.33Mn0.33)Oを利用して構成したコイン電池で実施してもよい。NMP、PVDF(1重量%)、導電性添加剤(1重量%)、及びLi(Ni0.33Co0.33Mn0.33)O(98%)からなる配合物を湿式法でペーストとして調製し、アルミニウム集電体上に配置してもよい。電極体は、多孔度15%、厚さ30ミクロンにカレンダ加工してもよい。LiPFは電解質として使用でき、セパレータは業界で使用される典型的な多孔質ガラス繊維セパレータであり得る。低Cレートで数回サイクリングした後、充電及び放電試験を実施してもよい。充電は0.5Cで実施してもよく、放電は3C又は5Cで実施してもよい。それぞれのCレートでの容量保持を様々な電極体の配合について測定してもよい。本開示の導電性添加剤(類)を含む電極体の容量保持率は、例えば、約1ミリアンペア時間/グラム(mAh/g)、5mAh/g、15mAh/g、25mAh/g、50mAh/g、75mAh/g、100mAh/g、105mAh/g、110mAh/g、115mAh/g、120mAh/g、125mAh/g、130mAh/g、135mAh/g、140mAh/g、145mAh/g、150mAh/g、175mAh/g、200mAh/g、225mAh/g、250mAh/g、275mAh/g、300mAh/g、325mAh/g、350mAh/g、375mAh/g、400mAh/g、425mAh/g、450mAh/g、475mAh/g又は500mAh/g以上であってもよい。電極体は、そのような容量保持率を、例えば約0.1C、0.5C、1C、2C、3C、4C、5C、6C、7C、8C、9C、10C、11C、12C、13C、14C、15C、16C、17C、18C、19C、20C、21C、22C、23C、24C、25C、26C、27C、28C、29C又は30Cの充電レートで(例えば0.5Cで)有してもよい。電極体は、そのような容量保持率を、例えば約0.1C、0.5C、1C、2C、3C、4C、5C、6C、7C、8C、9C、10C、11C、12C、13C、14C、15C、16C、17C、18C、19C、20C、21C、22C、23C、24C、25C、26C、27C、28C、29C又は30Cの放電レートで(例えば3C及び/又は5Cで)有してもよい。
【0086】
本開示は、化学変化に影響を及ぼすためのシステム及び方法を提供する。そのようなシステム及び方法は、本明細書に記載のプロセスを実装するために使用することができる。本明細書に記載のシステム及び方法は、電気エネルギーを使用して化学変化に影響を与え得る。そのような化学変化に影響を与えることは、本開示のシステム及び方法を使用して粒子(例えば、カーボンブラックなどの炭素粒子)を作製することを含み得る。本明細書に記載の化学変化は、炭化水素含有材料を炭素粒子(例えばカーボンブラック)に変換するために使用される原材料に関連又は密接に関連していないエネルギーを使用して(主に、実質的に、全体的に、又は少なくとも部分的に)影響を受ける可能性がある。本明細書のシステム及び方法を使用して、改善された粒子(例えば、改善された炭素粒子)を生成することができる。そのような粒子は、本明細書では主に炭素粒子に関して又は炭素粒子の文脈で説明され得るが、本開示の粒子は他の種類の粒子を含み得る。
【0087】
本開示のシステム(例えば、装置)及び方法、並びに本明細書のシステム及び方法の支援により実施されるプロセスは、炭素粒子の連続的な生成を可能にし得る。このプロセスは、炭素含有原料を変換することを含み得る。本明細書で説明されるシステム及び方法は、高品質の炭素粒子の連続動作及び生成を可能にし得る。炭素粒子は、加熱したガスに炭化水素を添加して炭素粒子(例えばカーボンナノ粒子)を生成することにより(例えばワンステッププロセスで)作製されてもよい。炭化水素を高温ガスと混合して、炭化水素から水素を除去してもよい。いくつかの例では、炭素粒子(例えばカーボンナノ粒子)は、加熱したガスに炭化水素を添加して、本明細書の他の箇所でより詳細に説明する1以上の特性を有する炭素粒子(例えばカーボンナノ粒子)を生成することにより(例えばワンステッププロセスで)作製することができる。本明細書に記載のシステム及び方法は、電力(例えば、基本的な構成要素に対する十分な単位電力)、耐食性(例えば、水素プラズマなどにさらされたときにこれらの構成要素が分解されるか又は腐食しない)、及び炭素粒子を生成するための連続動作要件を満たし得る。
【0088】
このプロセスは、(例えば、DC又はAC源からの)電気エネルギーで熱伝達ガス(例えば、プラズマガス)を加熱することを含み得る。熱伝達ガスは、電気アークによって加熱されてもよい。熱伝達ガスは、ジュール加熱(例えば、抵抗加熱、誘導加熱、又はそれらの組み合わせ)によって加熱されてもよい。熱伝達ガスは、ジュール加熱及び電気アーク(例えば、ジュール加熱の下流)によって加熱されてもよい。熱伝達ガスは、加熱の前に予熱されてもよい(例えば、熱交換によって予熱される)。例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる同じ譲受人の同時係属中の国際公開第2017/034980(「カーボンブラックの高温加熱統合方法」)を参照されたい。炭化水素原料は、(例えば加熱された)熱伝達ガスと接触する前に、約100℃から約800℃の温度に予熱(例えば約25℃の温度から)されてもよい(例えば熱交換、ジュール加熱又はそれらの組み合わせによって予熱される)。炭化水素原料は、反応が開始される温度に達する前(例えば加熱された熱伝達ガスと接触する前、例えば注入の前、最中及び/又は後、予熱の前、最中及び/又は後、又はそれらの組み合わせなど)に、(例えば、本明細書の他の箇所で説明するように)希釈されてもよい。そのような希釈は、炭素粒子の表面積、形態及び/又は構造を制御するために使用されてもよい。このプロセスは、注入した原料と加熱した熱伝達ガス(例えばプラズマガス)とを混合して、適切な反応条件を達成することを更に含み得る。反応ゾーンは、接触面とすぐに接触しない場合がある。1以上の追加の材料の流れがプロセスに供給されてもよい(例えば、反応ゾーンの上流の熱伝達ガスへの注入又はそれを伴う注入、原料蒸気への注入又はそれを伴う注入、熱伝達ガスと原料との混合物への注入、例えば、反応ゾーンへの注入、原料注入の上流への注入、同じ平面内又は下流又は隣接部への注入などを通じて反応器に供給される)。1以上の追加の材料の流れは、1以上の適切な化合物を含んでいてもよい(例えば、気化状態、溶融状態、水への溶解、有機溶媒(例えば、液体原料、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチルエーテル又は他の類似のエーテル、又は他の適切な有機溶媒)又はそれらの混合物など)。例えば、構造(例えば、DBP)は、例えばアルカリ金属塩(例えば、酢酸塩、アジピン酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、デヒドロ酢酸塩、エリソルビン酸塩、パラヒドロキシ安息香酸エチル、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、酢酸水素、水酸化物、乳酸塩、リンゴ酸塩、パラヒドロキシ安息香酸メチル、オルトフェニルフェノール、プロピオン酸塩、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸塩、コハク酸塩又は酒石酸塩のナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウム)のような適切なイオン化合物を用いて少なくとも部分的に制御され得る。そのような化合物(類)は、原料及び/又は熱伝達ガスに関して(又は関連して)適切なレベルで添加することができる(例えば、化合物(類)は、例えば原料の流量及び/又は熱ガスの流量に関する又は原料に加えられた炭素の量に関する、モル又は質量基準で(例えば、カチオンの)約0ppmと2ppmの間、0ppmと5ppmの間、0ppmと10ppmの間、0ppmと20ppmの間、0ppmと50ppmの間、0ppmと100ppmの間、0ppmと200ppmの間、0ppmと500ppmの間、0ppmと1000ppmの間、0ppmと2000ppmの間、0ppmと5000ppmの間、0ppmと1%の間、5ppmと50ppmの間、10ppmと100ppmの間、20ppmと100ppmの間、100ppmと200ppmの間、100ppmと500ppmの間、200ppmと500ppmの間、10ppmと2000ppmの間、100ppmと5000ppmの間、1000と2000ppmの間、2000ppmと5000ppmの間、2000ppmと1%の間、又は5000ppmと1%の間の比又は濃度で添加することができる)。追加の材料の流れは予熱してもよい。反応の生成物は冷却してもよく、炭素粒子(例えばカーボンブラック)又は炭素含有化合物は他の反応生成物から分離してもよい。生成されたままの水素をリサイクルして反応器に戻してもよい。例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2017/034980(「カーボンブラックの高温加熱統合方法」)を参照されたい。
【0089】
場合によっては、熱伝達ガスは無酸素環境で加熱してもよい。場合によっては、炭素粒子は無酸素雰囲気で生成(例えば製造)されてもよい。無酸素雰囲気は、例えば、約5体積%未満の酸素、(例えば体積で)約3%未満の酸素、又は(例えば体積で)約1%未満の酸素を含み得る。場合によっては、本開示の炭素粒子は、実質的に無酸素のプロセスによって(例えば商業規模で)製造されてもよい。実質的に無酸素のプロセスは、例えば、(体積で)約5%未満の酸素、又は(例えば体積で)約3%未満の酸素を含み得る。
【0090】
熱伝達ガスは、少なくとも約60%の水素から最大約100%の水素(体積)を含んでもよく、更に最大約30%の窒素、最大約30%のCO、最大約30%のCH、最大約10%のHCN、最大約30%のC、及び最大約30%のArを含んでもよい。例えば、熱伝達ガスは約60%超の水素であり得る。更に、熱伝達ガスは、アントラセン、ナフタレン、コロネン、ピレン、クリセン、フルオレンなどのような多環式芳香族炭化水素を含んでもよい。加えて、熱伝達ガスには、ベンゼン及びトルエン又は同様の単芳香族炭化水素成分が存在していてもよい。例えば、熱伝達ガスは、約90%以上の水素、約0.2%の窒素、約1.0%のCO、約1.1%のCH、約0.1%のHCN、及び約0.1%のCを含んでもよい。熱伝達ガスは、約80%以上の水素を含んでもよく、残りは、前述のガス、多環式芳香族炭化水素、単芳香族炭化水素及び他の成分の混合物を含んでもよい。酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、空気、水素、一酸化炭素、炭化水素(例えばメタン、エタン、不飽和)などのような(単独又は2つ以上の混合物で使用される)熱伝達ガスを使用してもよい。熱伝達ガスは、体積で約50%以上の水素を含んでもよい。熱伝達ガスは、例えば、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、空気、水素、炭化水素(例えばメタン、エタン)など(単独又は2つ以上の混合物で使用される)を含み得る。熱伝達ガスは、体積で約70%以上のHを含んでもよく、HCN、CH、C、C、CO、ベンゼン又は多芳香族炭化水素(例えば、ナフタレン及び/又はアントラセン)の少なくとも1つ以上のガスを少なくとも約1ppmのレベルで含み得る。多芳香族炭化水素は、例えば、ナフタレン、アントラセン及び/又はそれらの誘導体を含んでもよい。多芳香族炭化水素は、例えば、メチルナフタレン及び/又はメチルアントラセンを含んでもよい。熱伝達ガスは、(例えば前述の熱伝達ガスのうち)所与の熱伝達ガスを、重量、体積又はモルで、約1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%以上の濃度で(例えば、熱伝達ガスの混合物中に)含むことができる。或いは又は更に、熱伝達ガスは、所与の熱伝達ガスを、重量、体積又はモルで、約100%、99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4,5%、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01%、50ppm、25ppm、10ppm、5ppm又は1ppm以下の濃度で(例えば、熱伝達ガスの混合物中に)含むことができる。熱伝達ガスは、追加の熱伝達ガスを(例えば、熱伝達ガスの混合物中に)同様の又は異なる濃度で含んでもよい。そのような追加の熱伝達ガスは、例えば、所与の熱伝達ガスとして選択されない前述の熱伝達ガスの中から選択することができる。所与の熱伝達ガス自体が混合物を含んでいてもよい。熱伝達ガスは、加熱前、加熱中及び/又は加熱後に、そのような組成物の少なくともサブセットを有してもよい。
【0091】
炭化水素原料には、式C又はCの任意の化学物質が含まれてもよく、ここで、nは整数であり、xは(i)1と2n+2の間、又は(ii)石炭、コールタール、熱分解燃料油などのような燃料の場合は1未満であり、yは0とnの間である。炭化水素原料には、例えば、単純な炭化水素(例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタンなど)、芳香族原料(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、熱分解燃料油、コールタール、石炭、重油、油、バイオオイル、バイオディーゼル、その他の生物由来の炭化水素など)、不飽和炭化水素(エチレン、アセチレン、ブタジエン、スチレンなど)、含酸素炭化水素(エタノール、メタノール、プロパノール、フェノール、ケトン、エーテル、エステルなど)、又はそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。これらの例は、製造のために他の成分と更に組み合わせる及び/又は混合することができる許容可能な炭化水素原料の非限定的な例として提供されている。炭化水素原料は、原料の大部分(例えば、約50重量%超)が本質的に炭化水素である原料を指し得る。反応性炭化水素原料は、少なくとも約70重量%のメタン、エタン、プロパン、又はそれらの混合物を含んでもよい。炭化水素原料は、天然ガスを含むか、天然ガスであってもよい。炭化水素は、メタン、エタン、プロパン又はそれらの混合物を含むか、それらであり得る。炭化水素は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、アセチレン、エチレン、カーボンブラック油、コールタール、粗コールタール、ディーゼル油、ベンゼン及び/又はメチルナフタレンを含んでもよい。炭化水素は、(例えば、追加の)多環式芳香族炭化水素を含んでもよい。炭化水素原料は、1以上の単純な炭化水素、1以上の芳香族原料、1以上の不飽和炭化水素、1以上の含酸素炭化水素、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。炭化水素原料は、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、天然ガス、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、アントラセン、メチルアントラセン、他の単環式又は多環式芳香族炭化水素、カーボンブラック油、ディーゼル油、熱分解燃料油、コールタール、粗コールタール、石炭、重油、油、バイオオイル、バイオディーゼル、その他の生物由来炭化水素、エチレン、アセチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、エタノール、メタノール、プロパノール、フェノール、1以上のケトン、1以上のエーテル、1以上のエステル、1以上のアルデヒド、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。原料は、例えばベンゼン及び/又はその誘導体(類)、ナフタレン及び/又はその誘導体(類)、アントラセン及び/又はその誘導体(類)のような、本明細書に記載の原料化合物の1以上の誘導体を含み得る。炭化水素原料(本明細書では「原料」ともいう)は、(例えば前述の原料の中の)所与の原料を、重量、体積又はモルで、約1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%以上の濃度で(例えば、原料の混合物中に)含み得る。或いは又は更に、原料は、所与の原料を、重量、体積又はモルで、約100%、99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4,5%、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01%、50ppm、25ppm、10ppm、5ppm又は1ppm以下の濃度で(例えば、原料の混合物中に)含み得る。原料は、追加の原料を(例えば原料の混合物中に)同様の又は異なる濃度で含んでもよい。そのような追加の原料は、例えば、所与の原料として選択されない前述の原料の中から選択されてもよい。所与の原料自体が混合物(例えば天然ガスなど)を含んでもよい。
【0092】
注入された炭化水素は、共有結合により炭化水素に最初に化学的に結合した水素の少なくとも約80モル%が二原子水素としてホモ原子結合するように分解され得る。ホモ原子結合とは、同じ2つの原子の間の結合を指すことがある(例えば、2原子の水素又はHの場合)。C-Hはヘテロ原子結合であってもよい。炭化水素は、ヘテロ原子結合C-Hからホモ原子結合H-H及びC-Cになり得る。プラズマからのHがまだ存在する可能性があるが、これは単にCHからのH、又はその他の炭化水素原料を指している場合がある。
【0093】
本開示のシステム(例えば、封入粒子生成システム)は、熱生成セクションを備え得る。いくつかの実装形態では、熱生成セクションは、プラズマ生成電極の1以上のセットを含むプラズマ生成セクションであってもよい。熱発生セクションは、炭化水素インジェクタを含む反応器セクションに接続されてもよい。いくつかの実装形態では、炭化水素インジェクタは、例えば、反応器のサイズ縮小の最大地点、又はプラズマ生成電極の更に下流のいずれかにあってもよい。本明細書で使用される反応器という用語は、装置(例えば、反応器セクションを含むより大きな装置)又は反応器セクションのみを指す場合がある。反応器は、(例えば図5に関連してのような本明細書の他の箇所で説明するように)、流れ(例えば、流れの少なくとも一部又は注入の前、最中及び/又は後の流れの合計;熱発生、注入及び/又は反応中の流れの少なくとも一部又は全て;熱伝達ガスの流れの少なくとも一部又は全て;など)が反応器の少なくとも一部において(例えば、図5図6図7及び図8に関連して説明する1以上の部分において、例えば熱発生、注入及び/又は反応を実施するように構成された1以上の部分において、例えば一定の直径領域/セクション、収束領域/セクション、発散領域/セクション、挿入物又は他の追加の構成要素、スロート、ナローイング、又はそれらの任意の組み合わせにおいて)、軸方向(例えば実質的に軸方向)、放射状(例えば実質的に放射状)、又はその組み合わせになることを可能にするように構成され得る。システムは、例えば、反応器に接続された熱交換器、熱交換器に接続されたフィルタ、フィルタに接続された脱気装置、脱気装置に接続されたペレタイザ、ペレタイザに接続された結合剤混合タンク、及びペレタイザに接続された乾燥機のうちの1以上を(例えば追加的に)含み得る。例えば、1以上の熱交換器、フィルタ、脱気チャンバー及び/又はバックエンド機器(例えば、1以上のペレタイザ、ペレタイザに接続された結合剤混合タンク、及び/又はペレタイザに接続された乾燥機)が使用されてもよい。本明細書の他の箇所で説明するように、「反応器」は装置(例えば、反応器セクションを含むより大きな装置)又は反応器セクションのみを指すことがある。
【0094】
本明細書に記載のシステムは、プラズマ発生器を備えていてもよい。プラズマ発生器は、ガス又はガス混合物(例えば、体積で少なくとも50%ガス)を利用してもよい。プラズマ発生器は、ガス又はプラズマ混合物(例えば、体積で少なくとも50%ガス)を利用してもよく、ここで、ガスはプラズマ状態で反応性及び腐食性である。プラズマガスは、例えば、少なくとも50体積%の水素であり得る。本明細書に記載のシステムは、DC又はAC電源によって通電されるプラズマ発生器を備えていてもよい。水素ガス混合物は、DC又はAC電源によって生成される放電が維持されるゾーンに直接供給されてもよい。プラズマは、(例えば、熱伝達ガスの組成に関して)本明細書の他の箇所で説明するような組成を有していてもよい。プラズマはアーク加熱を用いて生成されてもよい。プラズマは誘導加熱を用いて生成されてもよい。
【0095】
システム(例えば、封入粒子生成システム)は、炭素粒子の作製方法を実施するように構成されていてもよい。この方法は、熱発生及び炭化水素注入を含み得る。この方法は、例えば、プラズマ生成電極(例えば、反応器内)でプラズマ(例えば、少なくとも約60体積%の水素を含む)を生成すること、及び、(例えば、本明細書の他の箇所で説明するように)炭素粒子を形成するために炭化水素を注入することを含み得る。いくつかの実装形態では、方法は、プラズマ生成電極(例えば、反応器内)でプラズマ(例えば、少なくとも約60体積%の水素を含む)を生成すること、(例えば本明細書の他の箇所で説明するように)反応器の内部寸法を縮小すること、及び、(例えば本明細書の他の箇所で説明するように)炭素粒子を形成するために炭化水素を注入することを含み得る。炭化水素は、反応器内で(例えば、プラズマから生成される熱によって)少なくとも約1,000℃であるが約3,500℃以下の温度にさらされ得る。プラズマ温度は、一次粒子のサイズに合わせて調整され得る。
【0096】
電極(例えば、電気アークにさらされる表面(本明細書では「アークスポット」ともいう))は、最も強い加熱環境にあり得る。電極表面の破壊は侵食につながり、電極の寿命を縮める可能性がある。電極の侵食は、水素や酸素のような化学的に活性な元素の存在下で動作するプラズマ発生器で最も激しい可能性がある。電極の寿命は、例えば、電極への電気アークの熱効果を最小限にすることにより、及び/又は侵食性媒体に対する電極表面の適切な保護により延長され得る。電磁界を印加して、アークスポットを電極表面上で急速に移動させることによりアークスポットの影響を低減し、それにより、電極と電気アークとの間の接触領域への平均熱流束の密度を下げてもよい。磁場は、2つの電極間の直接的な空間の境界の外側にプラズマを押し出すことがある。これは、侵食性媒体(例えば、過熱されたH及び水素ラジカル)が電極自体から大きく分離される可能性があることを意味する。電極への磁場の印加により生成される回転アーク放電を(例えば追加的に)使用してもよい。磁場は、例えば約20ミリテスラ(mT)~約100mTであり得る(例えば、トーチの先端で放射状方向に(トーチの円周の周り)及び/又は電極の環状部で軸方向に(電極の軸に沿って)測定される)。電極の侵食は、いくつかの放電間での主アーク放電の電流の分布によって制御され、それにより、電極アセンブリの並列接続された電極の1つずつ、例えばアノードへの熱効果が緩和され得る。例えば、参照により本明細書に完全に組み込まれる米国特許第2,951,143号(「アークトーチ」)及び第3,344,051号(「高強度アークでのカーボンブラックの製造方法」)を参照されたい。プラズマは、AC電極を使用して生成されてもよい。複数(例えば、3つ以上)のAC電極を使用してもよい(例えば、より効率的なエネルギー消費と電極表面での熱負荷の低減という利点がある)。
【0097】
電極は一定の割合で消費され得る。例えば、消費される電極の1立方メートルあたり約70トン超の炭素粒子が生成される可能性がある。内側電極と外側電極の表面積の比は、プラズマ生成中(例えば劣化中)に一定のままであり得る。いくつかの実装形態では、電極は同心円状に配置されてもよい。プラズマを生成するために使用される電極は、場合によっては製品ナノ粒子の一部になることがある(例えば、グラファイト電極はプロセスにおいてフラーレンナノ粒子になることがある)。電極の分解は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように制限される場合がある。
【0098】
熱発生(例えばプラズマ発生)の下流で、熱活性化チャンバー(例えば、プラズマチャンバー)は、場合によっては円錐又は正方形/スロット端部に狭くなるか、収束する場合があり、その後、反応器内へ発散する前に真っ直ぐになってもよい。スロートは、熱活性化セクション(例えば熱活性化チャンバー)と反応器セクションを分離し、及び/又は熱伝達ガスを加速して、より小さな領域でより強力な混合が行われるようにする。スロートは、熱活性化セクションと反応器セクションとの間の最も狭いセクションとして定義されてもよい。スロートの長さは、数メートル又は約0.5~約2ミリメートル程度の短さであり得る。スロートの最も狭い地点は、スロートの最も狭い直径として定義されてもよい。最も狭い断面の約10%以内にある任意の断面は、スロートの範囲内であると見なされる場合がある。1つの直径を、スロートの最も狭い地点でのスロートの直径として定義することができる。反応器への炭化水素注入地点は、例えば、スロートの上流の約5直径からスロートの下流の約5直径までに位置付けられ得る。いくつかの例では、注入は、スロートの約+/-2直径又は約+/-1直径内で起こり得る。炭化水素原料の注入地点は、例えば、スロートの最も狭い地点の下流にあり、反応器への発散の開始に向かい得る。スロートはノズルであってもよい。熱伝達ガス(例えばプラズマガス)は、ノズルを通して加速されてもよい。ノズルの直径は、熱伝達ガス(例えばプラズマガス)の(流れの)方向に狭くなり得る。狭める望ましい量(例えばスロートの直径)は、例えば、炭化水素及び固体炭素粒子のプラズマチャンバーへの再循環、最適な混合、ビューファクタ、又はそれらの任意の組み合わせに基づいて決定され得る。縮小は、最小再循環、最大混合、及び増加したビューファクタのバランスに基づいて決定され得る。反応器セクションの内部寸法は、例えば、熱発生器から(例えばプラズマ発生電極から)約(例えば少なくとも約)10%、20%、30%又は40%以上下流で縮小され得る(例えば、プロセスの直径がスロートで縮小され得る)。異なる炭素粒子は、表面積、構造及び/又は表面化学特性を目標にするためにこのパラメータの微調整を必要とする可能性があるが、同時に、未反応の多環芳香族炭化水素(PAH)を最小限にし、製品における大粒子汚染(例えば、グリット)を最小限にする必要もあり得る。
【0099】
熱伝達ガス(例えばプラズマガス)は、反応器領域に導かれてもよい。原料は、空力及び電磁力によって発生する支配的な条件下でプラズマガスと原料との間に激しい急速な混合が発生し得るように、及び/又は熱活性化チャンバー(例えばプラズマチャンバー)への原料の再循環が制限されるか又は実質的に起きない(例えば、有意な再循環がない)ように、反応器領域に注入されてもよい。炭化水素の注入は、反応が発生する空間の領域がいかなる表面とも接触しないように制御されてもよい。
【0100】
本明細書に記載のシステム及び方法は、炭化水素を急速に加熱して炭素粒子(例えばカーボンナノ粒子)を形成することを含み得る。例えば、炭化水素は急速に加熱されて、炭素粒子(例えばカーボンナノ粒子)及び水素を形成する場合がある。水素は、場合によっては大部分の水素を指すことがある。例えば、この水素の一部には、メタン(例えば、使用されていないメタン)及び/又は様々な他の炭化水素(例えば、エタン、プロパン、エチレン、アセチレン、ベンゼン、トルエン、ナフタレンのような多環芳香族炭化水素(PAH)など)も含まれることがある。
【0101】
原料が注入されると、2つのガスを平衡(例えば熱平衡)にするための熱伝達の少なくとも一部は、約2秒以下で発生し得る。十分な熱が原料に伝達され、高品質の炭素粒子が形成され得る。一例では、加熱された熱伝達ガスに含まれる熱の約30%~約80%又は約40%~約70%は、熱伝達ガスへの最初の曝露から約2秒以内に炭化水素原料に伝達され得る。別の例では、加熱された熱伝達ガスに含まれる熱の約60%超が、熱伝達ガスへの最初の曝露から約2秒以内に炭化水素原料に伝達され得る。別の例では、熱伝達ガス(例えば水素)に含まれるエネルギーの約50%超が、(炭化水素が注入される時点から開始して)最初の500ミリ秒以内に炭化水素流出ストリームに伝達され得る。例えば、ジュールで測定されるプラズマによって生成される熱の少なくとも約50%は、約500ミリ秒以内に炭化水素に伝達され得る。熱は、放射、伝導、熱ガス伝達又はその他のメカニズムによって伝達され得る。更に別の例では、炭素粒子を形成する反応全体が、炭化水素原料の注入後数ミリ秒以内に終了する場合がある。
【0102】
炭素粒子(例えばカーボンブラック)反応の中間生成物は、それらが接触する任意の表面に付着する傾向を有し得る。炭素粒子(例えばカーボンブラック)形成前の中間生成物は、任意の表面への接触を妨げられ、一方で内部構成要素(熱活性化チャンバーのライナ、スロート材料、インジェクタ材料、及び反応器自体)の存続が維持されることがある。混合は、急速な混合を達成しながら反応器の完全性を維持するように制御されてもよい。例えば、混合は、構成要素の存続可能性を改善する(例えば最大化する)、混合を改善する(例えば最大化する)、及び/又はコーキングを減少させる(例えば最小化する)方法で制御され得る。いくつかの実装形態では、混合は、かなりの密度の比較的冷たい炭化水素と、非常に低密度の非常に高温の水素との混合を含んでもよい。場合によっては、2つの流出ストリームは、異なる密度、温度、速度及び粘度を有していてよい。これらの流出ストリームの急速な混合により、十分な量の分解炭化水素が得られる場合がある。
【0103】
原料の注入は、(例えば、図5図6図7及び図8に関して本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように)適切な領域で行われてもよい。例えば、原料は、反応容器の壁から離れた位置(例えば中央)で、反応容器の壁から、電極を通して、又はそれらの任意の組み合わせで、(例えば平面に)注入されてもよい。炭化水素注入には、1以上のインジェクタが含まれる場合がある(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100以上のインジェクタ)。インジェクタは、例えば、円形又はスリット形状を含む様々な形状の先端部、スロット、ノズルを備えていてもよい。いくつかの実装形態では、水素の大部分が炭化水素原料のカーテン内に閉じ込められるように、インジェクタの開口部を構成/利用することができる。そのようなインジェクタ開口部の全直径(例えば直径の合計)は、例えば、本明細書の他の箇所で(例えば、ノズルに関して)記載されているとおりであり得る。複数のインジェクタ開口部が同じ軸平面に位置していてもよい。熱伝達ガスの流れは、軸方向(例えば、実質的に軸方向)、放射状方向(例えば、実質的に放射状方向)、又はそれらの組み合わせであり得る。原料は、熱伝達ガスと同じ流れ方向、熱伝達ガスに垂直な流れ方向、又はそれらの組み合わせで(例えば、1以上の開口部を通して)熱伝達ガスの前述の流れに注入されてもよい(例えば、原料は軸方向(例えば、実質的に軸方向)、放射状方向(例えば、実質的に放射状方向)、又はそれらの組み合わせで注入されてもよい)。インジェクタは、熱ガス流に対して接線方向/軸方向、放射状方向、又はそれらの組み合わせに対して方向付けられてもよい。本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、軸外注入を使用してもよい。軸外注入は、約0.1、0.5、1、2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、89又は89.5度以上の軸外角度であってもよい。或いは又は更に、軸外角度は、約89.9、89.5、89、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2、1又は0.5度以下であってもよい。軸外角度は、例えば、約5度~約85度であり得る。接線流を(例えば追加的に)導入して、2つの流出ストリーム間の混合を更に強化してもよい。
【0104】
炭化水素原料の(例えば、スロート又はスロートのすぐ下流での)混合は、熱ガス(例えば、プラズマ)の流れに対して接線方向に向けられた複数のインジェクタを使用して実現してもよい。いくつかの実装形態では、適切な直径(例えば、ノズルの総直径が、インジェクタが同じ場所にある断面の円周の約5%未満)の円形ノズルを4個使用してもよい。いくつかの実装形態では、適切な直径(例えば、ノズルの直径の合計が、インジェクタが同じ場所にある断面の円周の約5%超)のノズルを6個以上使用するか、代替形状(例えばスリット形状)のノズルを使用してもよい。ノズル(例えば、増加したノズル数/調整されたノズル形状の構成)を、水素の大部分が炭化水素原料のカーテン内に閉じ込められるように利用してもよい。炭化水素は、熱ガス(例えば、プラズマ)の流れと共に軸方向に注入されてもよい(本明細書では「軸方向炭化水素注入」ともいう)。炭化水素は放射状に注入されてもよい。流れは、軸方向成分と放射状方向成分の両方を含んでもよい(「軸外」流れ)。軸外注入は、例えば、約5度~約85度の軸外角度であり得る。更に、接線流れを導入して、2つの流出ストリーム間の混合を更に強化してもよい。これに関連して、直径は、不規則又は規則的な形状のノズルの最大寸法を指すことがある(例えば、形状が星である場合、直径は、最大の内部寸法を与える星の2つの先端の間で測定される)。原料は、インジェクタを使用して反応器の実質的に中央の位置で軸方向に注入されてもよく、インジェクタは、例えば、図6に示すような軸方向の回転の有無にかかわらず、反応器の側面(例えば、狭窄部の上流(前)、中(例えば中央)又は下流(後);スロート又はその付近(例えば収束領域の下)又はスロートの更に下流(例えば反応器の発散領域)などの平面上のどこか)から進入し、(例えば、注入面の1つの開口部又は複数の開口部を通して)1つの開口部又は複数の開口部を含む中心インジェクタチップから軸方向下流に炭化水素を注入してもよい。炭化水素原料の注入は、中心に位置するインジェクタから放射状方向外向きに、又は反応容器の壁から放射状方向内向きに発生してもよい。
【0105】
インジェクタ(類)は、冷却液(例えば水)を介して冷却されてもよい。インジェクタ(類)は、例えば、水又は非酸化性液体(例えば、鉱油、エチレングリコール、プロピレングリコール、例えばDOWTHERM(商標)材料のような合成有機流体)によって冷却されてもよい。例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる同じ譲受人の同時係属中の国際公開第2015/116800号(「プラズマガススロートアセンブリ及び方法」)を参照されたい。インジェクタ(類)は、例えば、銅、ステンレス鋼、グラファイト、及び/又は高融点及び良好な耐食性を(例えば水素フリーラジカル環境に対して)有する他の同様の材料(例えば合金)のような適切な材料から作られてもよい。
【0106】
図5は、本開示による反応装置(本明細書では「装置」ともいう)500を示す。装置は、例えば、熱発生(例えば加熱)505、注入510、及び反応515を可能にするように構成され得る。例えば、装置は、1以上の一定直径領域/セクション、1以上の収束領域/セクション、1以上の発散領域/セクション、1以上の挿入物又は他の追加の構成要素、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。そのような領域/セクション、及び/又は挿入物又は他の追加の構成要素は、熱発生(例えば加熱)505、注入510及び反応515を実施するために様々な方法で組み合わされてもよい。そのような実装形態は、図6図7及び図8の概略図に関連して説明される構成を含むことができるが、それに限定されない。例えば、熱発生505が実施される領域/セクションは、反応515が実施される反応領域/セクションからスロートによって分離されていても分離されていなくてもよく、注入510は熱発生505の下流にあってもなくてもよい。
【0107】
熱伝達ガスは、例えば、約1標準立方メートル/時(Nm/時)、2Nm/時、5Nm/時、10Nm/時、25Nm/時、50Nm/時、75Nm/時、100Nm/時、150Nm/時、200Nm/時、250Nm/時、300Nm/時、350Nm/時、400Nm/時、450Nm/時、500Nm/時、550Nm/時、600Nm/時、650Nm/時、700Nm/時、750Nm/時、800Nm/時、850Nm/時、900Nm/時、950Nm/時、1,000Nm/時、2,000Nm/時、3,000Nm/時、4,000Nm/時、5,000Nm/時、6,000Nm/時、7,000Nm/時、8,000Nm/時、9,000Nm/時、10,000Nm/時、12,000Nm/時、14,000Nm/時、16,000Nm/時、18,000Nm/時、20,000Nm/時、30,000Nm/時、40,000Nm/時、50,000Nm/時、60,000Nm/時、70,000Nm/時、80,000Nm/時、90,000Nm/時又は100,000Nm/時以上の速度でシステムに(例えば、反応装置に)供給されてもよい。或いは又は更に、熱伝達ガスは、例えば、約100,000Nm/時、90,000Nm/時、80,000Nm/時、70,000Nm/時、60,000Nm/時、50,000Nm/時、40,000Nm/時、30,000Nm/時、20,000Nm/時、18,000Nm/時、16,000Nm/時、14,000Nm/時、12,000Nm/時、10,000Nm/時、9,000Nm/時、8,000Nm/時、7,000Nm/時、6,000Nm/時、5,000Nm/時、4,000Nm/時、3,000Nm/時、2,000Nm/時、1,000Nm/時、950Nm/時、900Nm/時、850Nm/時、800Nm/時、750Nm/時、700Nm/時、650Nm/時、600Nm/時、550Nm/時、500Nm/時、450Nm/時、400Nm/時、350Nm/時、300Nm/時、250Nm/時、200Nm/時、150Nm/時、100Nm/時、75Nm/時、50Nm/時、25Nm/時、10Nm/時、5Nm/時又は2Nm/時以下の速度でシステムに(例えば、反応装置に)供給されてもよい。熱伝達ガスは、(例えば、例4に関連して説明するように)1以上の流路に分割されてもよい。本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、熱伝達ガスの少なくとも一部を使用して、原料が反応を開始できる温度に達する前に原料を希釈することができる(例えば、事前希釈)。熱伝達ガスは、本明細書に記載の1以上の原料流量と組み合わせて、そのような速度でシステムに(例えば、反応装置に)に供給されてもよい。熱伝達ガス(又はその一部)は、そのような流量(又はその一部)で、本明細書に記載の1以上の温度に加熱されてもよい。
【0108】
原料(例えば、炭化水素)は、例えば、毎時約50グラム(g/時)、100g/時、250g/時、500g/時、750g/時、毎時1キログラム(kg/時)、2kg/時、5kg/時、10kg/時、15kg/時、20kg/時、25kg/時、30kg/時、35kg/時、40kg/時、45kg/時、50kg/時、55kg/時、60kg/時、65kg/時、70kg/時、75kg/時、80kg/時、85kg/時、90kg/時、95kg/時、100kg/時、150kg/時、200kg/時、250kg/時、300kg/時、350kg/時、400kg/時、450kg/時、500kg/時、600kg/時、700kg/時、800kg/時、900kg/時、1,000kg/時、1,100kg/時、1,200kg/時、1,300kg/時、1,400kg/時、1,500kg/時、1,600kg/時、1,700kg/時、1,800kg/時、1,900kg/時、2,000kg/時、2,100kg/時、2,200kg/時、2,300kg/時、2,400kg/時、2,500kg/時、3,000kg/時、3,500kg/時、4,000kg/時、4,500kg/時、5,000kg/時、6,000kg/時、7,000kg/時、8,000kg/時、9,000kg/時又は10,000kg/時以上の速度でシステムに(例えば、反応装置に)供給されてもよい。或いは又は更に、原料(例えば、炭化水素)は、例えば、約10,000kg/時、9,000kg/時、8,000kg/時、7,000kg/時、6,000kg/時、5,000kg/時、4,500kg/時、4,000kg/時、3,500kg/時、3,000kg/時、2,500kg/時、2,400kg/時、2,300kg/時、2,200kg/時、2,100kg/時、2,000kg/時、1,900kg/時、1,800kg/時、1,700kg/時、1,600kg/時、1,500kg/時、1,400kg/時、1,300kg/時、1,200kg/時、1,100kg/時、1,000kg/時、900kg/時、800kg/時、700kg/時、600kg/時、500kg/時、450kg/時、400kg/時、350kg/時、300kg/時、250kg/時、200kg/時、150kg/時、100kg/時、95kg/時、90kg/時、85kg/時、80kg/時、75kg/時、70kg/時、65kg/時、60kg/時、55kg/時、50kg/時、45kg/時、40kg/時、35kg/時、30kg/時、25kg/時、20kg/時、15kg/時、10kg/時、5kg/時、2kg/時、1kg/時、750g/時、500g/時、250g/時又は100g/時以下の速度でシステムに(例えば、反応装置に)供給されてもよい。
【0109】
熱伝達ガスは、約1,000℃、1,100℃、1,200℃、1,300℃、1,400℃、1,500℃、1,600℃、1,700℃、1,800℃、1,900℃、2,000℃、2050℃、2,100℃、2,150℃、2,200℃、2,250℃、2,300℃、2,350℃、2,400℃、2,450℃、2,500℃、2,550℃、2,600℃、2,650℃、2,700℃、2,750℃、2,800℃、2,850℃、2,900℃、2,950℃、3,000℃、3,050℃、3,100℃、3,150℃、3,200℃、3,250℃、3,300℃、3,350℃、3,400℃又は3,450℃以上の温度に加熱され、及び/又は原料はこの温度にさらされ得る。或いは又は更に、熱伝達ガスは約3,500℃、3,450℃、3,400℃、3,350℃、3,300℃、3,250℃、3,200℃、3,150℃、3,100℃、3,050℃、3,000℃、2,950℃、2,900℃、2,850℃、2,800℃、2,750℃、2,700℃、2,650℃、2,600℃、2,550℃、2,500℃、2,450℃、2,400℃、2,350℃、2,300℃、2,250℃、2,200℃、2,150℃、2,100℃、2050℃、2,000℃、1,900℃、1,800℃、1,700℃、1,600℃、1,500℃、1,400℃、1,300℃、1,200℃又は1,100℃以下の温度に加熱され、及び/又は原料はこの温度にさらされ得る。熱伝達ガスは、熱発生器(例えば、プラズマ発生器)によってそのような温度に加熱されてもよい。熱伝達ガスは、熱発生器によってそのような温度まで電気的に加熱されてもよい(例えば、熱発生器は電気エネルギーによって駆動されてもよい)。そのような熱発生器は、適切な電力を有し得る。熱発生器は、そのような電力で、例えば腐食環境で数百又は数千時間連続して動作するように構成されてもよい。
【0110】
熱発生器は適切な電力で動作し得る。電力は、例えば、約0.5キロワット(kW)、1kW、1.5kW、2kW、5kW、10kW、25kW、50kW、75kW、100kW、150kW、200kW、250kW、300kW、350kW、400kW、450kW、500kW、550kW、600kW、650kW、700kW、750kW、800kW、850kW、900kW、950kW、1メガワット(MW)、1.05MW、1.1MW、1.15MW、1.2MW、1.25MW、1.3MW、1.35MW、1.4MW、1.45MW、1.5MW、1.6MW、1.7MW、1.8MW、1.9MW、2MW、2.5MW、3MW、3.5MW、4MW、4.5MW、5MW、5.5MW、6MW、6.5MW、7MW、7.5MW、8MW、8.5MW、9MW、9.5MW、10MW、10.5MW、11MW、11.5MW、12MW、12.5MW、13MW、13.5MW、14MW、14.5MW、15MW、16MW、17MW、18MW、19MW、20MW、25MW、30MW、35MW、40MW、45MW、50MW、55MW、60MW、65MW、70MW、75MW、80MW、85MW、90MW、95MW又は100MW以上であり得る。或いは又は更に、電力は、例えば、約100MW、95MW、90MW、85MW、80MW、75MW、70MW、65MW、60MW、55MW、50MW、45MW、40MW、35MW、30MW、25MW、20MW、19MW、18MW、17MW、16MW、15MW、14.5MW、14MW、13.5MW、13MW、12.5MW、12MW、11.5MW、11MW、10.5MW、10MW、9.5MW、9MW、8.5MW、8MW、7.5MW、7MW、6.5MW、6MW、5.5MW、5MW、4.5MW、4MW、3.5MW、3MW、2.5MW、2MW、1.9MW、1.8MW、1.7MW、1.6MW、1.5MW、1.45MW、1.4MW、1.35MW、1.3MW、1.25MW、1.2MW、1.15MW、1.1MW、1.05MW、1MW、950kW、900kW、850kW、800kW、750kW、700kW、650kW、600kW、550kW、500kW、450kW、400kW、350kW、300kW、250kW、200kW、150kW、100kW、75kW、50kW、25kW、10kW、5kW、2kW、1.5kW又は1kW以下であり得る。
【0111】
炭素粒子は、例えば、約1%、5%、10%、25%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又は99.9%以上の収率(例えば原料変換率に基づく、注入された全炭化水素に基づく、重量%炭素基準、又は生成物炭素のモル数に対する反応物炭素のモル数で測定される炭素粒子の収率)で生成され得る。或いは又は更に、炭素粒子は、例えば、約100%、99.9%、99.5%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、25%又は5%以下の収率(例えば原料変換率に基づく、注入された全炭化水素に基づく、重量%炭素基準、又は生成物炭素のモル数に対する反応物炭素のモル数で測定される炭素粒子の収率)で生成され得る。
【0112】
図6は、反応器600(の一部)の一例の断面を示す。この例では、高温の熱伝達ガス601は、3つ以上のAC電極の使用、同心DC電極の使用(例えば、図7及び図8に示すように)、或いは抵抗又は誘導ヒータの使用によって反応器の上部に生成され得る。高温熱伝達ガスは、例えば、少なくとも約2,400℃であり得る体積で少なくとも約50%の水素を含み得る。炭化水素インジェクタ602は、冷却(例えば水冷)されてもよい。炭化水素インジェクタ602は、反応器の側面から(例えば、図示のように、又は本明細書の他の箇所に記載の適切な位置で)進入し、その後、熱伝達ガス(高温ガス)の流れに対して軸方向の位置になってもよい。炭化水素インジェクタ先端部603は、1又は複数の開口部を含むか、1又は複数の開口部であり得る(例えば、開口部は炭化水素を(例えば、混合を最適化するために)時計回り又は反時計回りの流れパターンで注入できる)。反応器は、収束領域(類)604を含み得る。収束領域(類)604は、反応器の狭窄部につながり得る。収束領域(類)604は、反応器の狭窄部につながった後、収束領域(類)の下流に発散領域(類)605に至ることがある。例えば、参照により本明細書に完全に組み込まれる同じ譲受人の同時係属中の国際公開第2017/044594号(「円形の数層グラフェン」)及び第2017/048621号(「天然ガス由来のカーボンブラック」)を参照されたい。
【0113】
図7は、装置700の別の例の概略図を示す。例えば、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、空気、水素、一酸化炭素、炭化水素(例えば、メタン、エタン、不飽和)のような熱伝達ガス(例えばプラズマガス)701(単独又は2つ以上の混合物で使用される)は、上部室に同心円状に位置付けられている2つの電極によって作成された環状部に注入されてもよい。プラズマ形成電極は、内側電極702と外側電極703とを備えていてもよい。2つの電極間に十分に大きな電圧が印加され得る。電極は、銅、タングステン、グラファイト、モリブデン、銀などを含むか、それらで作製されてもよい。このように形成されたプラズマは、反応ゾーンに入り、炭化水素インジェクタ(類)705で供給される炭化水素原料と反応/相互作用して、炭素粒子生成物を生成することができる。(例えば、耐火物、グラファイト、冷却などを含む、又はそれらで構成される)容器の壁は、プラズマ形成温度に耐えることができる。炭化水素インジェクタ(類)705は、収束領域707の下のスロート706又はスロート706の近くの平面上のどこか、又はスロートの更に下流で反応器の発散領域708に位置してもよい。炭化水素インジェクタの先端部は、例えば、注入面の周りに同心円状に配置され得る。非限定的な例として、少なくとも6個のインジェクタと、最大18個のこの種の先端部、スロット又は連続スロットがあり得る。
【0114】
図8は、装置800の別の例の概略図を示す。図8は、導電性材料(例えば、グラファイト)の同心リングで構成される内側電極801及び外側電極802をそれぞれ含む反応器の二次元の切断面を示す。熱伝達ガス(例えばプラズマガス)807は、2つの電極間の環状部を流れてもよく、そこでアークはガスをプラズマ状態に励起することができる。アークは磁場の使用により制御されてもよく、磁場はアークを電極先端部の周りで急速に円形に動かす。この例では、炭化水素は、炭化水素インジェクタ803を介して同心電極の中心を通って炭化水素インジェクタ803で(例えば、炭化水素インジェクタ先端部804で)注入されてもよい。いくつかの例では、炭化水素インジェクタ803は、例えば水冷式であってもよい。炭化水素インジェクタの先端部は、電極の底面よりも上の地点に位置に置かれてもよく、平面よりも下、又は同じ平面(例えば、平面と同じ高さ)であってもよい。いくつかの実装形態では(例えば、任意に)、装置は、反応器の狭窄部につながる収束領域(類)805を備え、その後、収束領域(類)の下流で発散領域(類)806を備えてもよい。
【0115】
図6図7及び図8に示す反応器の例は、各々、下向きの流れを伴う垂直方向を有するが、上向きの流れ又は水平な反応器の向きも使用され得る。
【0116】
本開示又はその部分の熱発生器(例えばプラズマ発生器)、熱発生セクション(例えばプラズマ発生セクション)、熱活性化セクション(例えば、プラズマチャンバーのような熱活性化チャンバー)、スロート及び/又は注入ゾーンは、例えば、銅、タングステン、グラファイト、モリブデン、レニウム、窒化ホウ素、ニッケル、クロム、鉄、銀、又はそれらの合金を含むか、それらから作製されてもよい。
【0117】
本開示のシステムは、反応装置を備えていてもよい。反応装置は、本明細書の他の箇所に(例えば、図5図6図7及び図8に関連して)記載されているようなものであってもよい。本明細書に記載のシステム及び方法に対するいくつかの修正及び/又は調整は、本明細書に記載の粒子特性及び/又は特性の組み合わせのいくつかを実現するために必要な場合がある。
【0118】
本開示のシステムは、閉鎖型のプロセスを実施するように構成され得る。そのような閉鎖型粒子生成システムは、例えば、閉鎖型粒子生成反応器を含んでもよい。閉鎖型のプロセスは、熱発生器(例えばプラズマ発生器)、反応チャンバー、メインフィルタ、及び脱気チャンバーを含んでもよい。閉鎖型のプロセスは、例えば、熱発生器(例えばプラズマ発生器)、反応チャンバー、スロート及び/又は他の領域(例えば、図5に関連して説明される)、メインフィルタ、及び脱気チャンバーを含んでもよい。これらの構成要素は、酸素及び他の大気ガスを実質的に含まない場合がある。このプロセス(又はその一部)は、所定の雰囲気のみを許可する。例えば、酸素は、閉鎖型のプロセスにおいて、例えば、除外されるか又は体積で約5%未満の制御された用量であってもよい。システム(プロセス)は、熱発生器(例えばプラズマ発生器)、熱活性化チャンバー(例えばプラズマチャンバー)、スロート及び/又は他の領域(例えば、図5に関して説明される)、炉又は反応器、熱交換器(例えば、反応器に接続されている)、メインフィルタ(例えば、熱交換器に接続されている)、脱気(例えば製品不活性化)装置(例えば、チャンバー)(例えば、フィルタに接続されている)及びバックエンドの1以上を含み得る。バックエンドは、ペレタイザ(例えば、脱気装置に接続されている)、結合剤混合(例えば結合剤及び水)タンク(例えば、ペレタイザに接続されている)、及び乾燥機(例えば、ペレタイザに接続されている)の1以上を含み得る。他の構成要素の非限定的な例として、搬送プロセス、プロセスフィルタ、サイクロン、分級機及び/又はハンマーミルが(例えば、任意選択で)追加されてもよい。バックエンドの構成要素のさらなる例は、本明細書の他の箇所で提供されているものであり得る。例えば、参照により本明細書に完全に組み込まれる米国特許第3,981,659号(「カーボンブラックペレットを乾燥させるための装置」)、第3,309,780号(「湿った特定の固形分を乾燥させるためのプロセス及び装置」)及び第3,307,923号(「カーボンブラックを製造するためのプロセス及び装置」)も参照されたい。
【0119】
図9は、本開示のプロセスを実施するように構成されたシステム900の一例を示す。システムは、熱活性化チャンバー(例えばプラズマチャンバー)905、スロート及び/又は他の領域910、反応器915、熱交換器920、フィルタ925、脱気930、バックエンド935、又はこれらの組み合わせを備えていてもよい。
【0120】
図10は、プロセス1000のフローチャートの例を示す。このプロセスは、(例えば、図5図6図7及び図8における高温ガス1001及び炭化水素(例えば炭化水素前駆体)を組み合わせる方法の例に関して説明したように)高温ガス(例えば、熱+炭化水素)への炭化水素の添加によって開始され得る。このプロセスは、ガス(例えば熱伝達ガス)を加熱するステップ、高温ガス(例えば1001)に炭化水素を添加するステップ、反応器1002を通過するステップ、1以上の熱交換器1003を使用するステップ、フィルタ1004ステップ、脱気(例えば脱気チャンバー)1005ステップ、及びバックエンド1006ステップの1以上を含み得る。高温ガスは、平均温度が約2,200℃を超える高温ガスの流れであり得る。高温ガスは、本明細書の他の箇所に記載されている組成を有していてもよい(例えば、高温ガスは、体積で50%を超える水素を含んでもよい)。いくつかの実装形態では、本明細書に記載のプロセス(類)は、大気酸素を実質的に含まない可能性がある(本明細書では「実質的に無酸素」ともいう)。このプロセスは、ガス(例えば、体積で50%以上の水素を含む)を加熱し、1001でこの高温ガスを炭化水素に加えることを含んでもよい。熱は、反応器の壁からの潜在的な放射熱を通じて(例えば、通じても)供給される場合がある。これは、外部から供給されたエネルギーによる壁の加熱、又は高温ガスからの壁の加熱により発生する可能性がある。熱は、高温ガスから炭化水素原料に伝達され得る。これは、炭化水素原料を反応器又は反応ゾーン1002内の高温ガスに添加するとすぐに発生する可能性がある。炭化水素は、炭素粒子に完全に変換される前に分留及び分解し始める場合がある。脱気(例えば脱気ユニット)1005は、例えば、参照により本明細書に完全に組み込まれる、同じ譲受人の同時係属中の国際公開第2016/126599号(「カーボンブラック生成システム」)に記載されているものであり得る。バックエンド1006は、例えば、ペレタイザ、結合剤混合タンク(例えば、ペレタイザに接続されている)、及び乾燥機(例えば、ペレタイザに接続されている)のうちの1以上を含み得る。
【0121】
いくつかの例では、本明細書に記載のシステム/プロセスは、反応器又はシステムのフロントエンド(例えば、反応器)にフィルタを備えてもよい。フロントエンドフィルタは、例えば、反応器に入る1以上の材料ストリームから硫黄不純物を除去してもよい。そのような硫黄不純物は、例えば、硫化水素、硫化カルボニル、メルカプタン中の硫黄、硫化鉄及び/又は他の硫黄化合物を含み得る。フィルタは、例えば、アミンスクラビング及び/又は他の技術を使用して、そのような不純物を除去してもよい。フィルタは、原料ストリームから硫黄不純物を除去してもよい。フィルタは、例えば、原料インジェクタ(例えば、反応器原料インジェクタの入口)に結合されてもよい。フィルタは、例えば、フィルタの前に材料ストリーム(例えば原料ストリーム)に存在する硫黄含有量(例えば質量割合)の少なくとも約1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、99.9%又は100%を除去してもよい。更に、フィルタは、場合によっては、フィルタの前に原料ストリームに存在する硫黄含有量(例えば質量割合)の最大で約99.9%、99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%又は5%を除去してもよい。フィルタを通過した後、材料ストリーム(例えば原料)は、例えば約5%、2%、1%、0.75%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、50ppm、45ppm、40ppm、35ppm、30ppm、25ppm、20ppm、15ppm、10ppm、5ppm、1ppm、0.5ppm、又は0.1ppm以下の硫黄(例えば重量割合)を含み得る。或いは又は更に、フィルタを通過した後、材料ストリーム(例えば原料)は、例えば約0ppm、0.1ppm、0.5ppm、1ppm、5ppm、10ppm、15ppm、20ppm、25ppm、30ppm、35ppm、40ppm、45ppm、50ppm、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.75%、1%又は2%以上の硫黄(例えば重量割合)を含み得る。本明細書に記載のシステム/プロセスは、本明細書の他の箇所で説明される元素硫黄含有量を有する粒子を生成するために使用されてもよい。
【0122】
反応生成物は製造後に冷却してもよい。反応生成物を冷却するために急冷(quench)を使用してもよい。例えば、大部分の水素ガスを含む急冷が使用され得る。急冷は、プロセスの反応器部分に注入されてもよい。プロセスガスを冷却するために、熱交換器が使用される場合がある。熱交換器では、プロセスガスが大量の表面積にさらされて冷却される一方、生成物ストリームがプロセス内を同時に輸送される。本開示のプロセスにおける反応器内の熱交換器は、例えば、炉プロセスにおけるよりも効率的であり得る(例えば、本明細書に記載のプロセスにおける高温のため)。熱交換器(例えば熱交換器920)は、例えば、各々参照により本明細書に完全に組み込まれる国際公開第2016/126599号(「カーボンブラック生成システム」)及び国際公開第2017/034980号(「カーボンブラック製造の高温熱統合法」)に記載されるように構成されてもよい。
【0123】
炭素粒子は、反応器を出て熱交換器と接触する高温ガスの流出ストリームと共に/混合物で生成されてもよい。熱交換器は、約5000キロジュール/キログラム(kJ/kg)を超える炭素粒子により、ガス及び炭素粒子の流出ストリームの熱エネルギーを低減させる場合がある。ガス及び炭素粒子の流出ストリームは(例えばその後)フィルタを通過してもよく、このフィルタはガスの50%超を通過させ、実質的に全ての炭素粒子をフィルタ上に捕捉する。炭素粒子の少なくとも約98重量%がフィルタ上に捕捉され得る。
【0124】
炭素粒子は、反応器を出て熱交換器と接触する可燃性ガスを含む高温ガスの流出ストリームの混合物中で生成されてもよい。可燃性ガスを含む高温ガスの流出ストリームは(例えばその後)、実質的に全ての炭素粒子をフィルタ上に捕捉するフィルタを通過してもよい。ガスは(例えばその後)、可燃性ガスの量が体積で約10%未満に減少する脱気装置を通過してもよい。可燃性ガスは水素を含むか、水素であり得る。
【0125】
炭素粒子は、反応器を出て熱交換器と接触する可燃性ガスを含む高温ガスの流出ストリームの混合物中で生成されてもよい。混合物は(例えばその後)、実質的に全ての炭素粒子をフィルタ上に捕捉するフィルタを通過してもよい。残留ガスを含む炭素粒子は(例えばその後)、可燃性ガスの量が体積で約10%未満に減少する脱気装置を通過してもよい。炭素粒子を(例えばその後)結合剤を含む水と混合し、次にペレットに形成し、続いて乾燥機で水の大部分を除去することができる。
【0126】
水素及び/又は他の可燃性ガスは、炭素粒子及び/又は炭素粒子凝集塊(例えば、カーボンブラック凝集塊)の生成流(例えば、プラズマトーチ反応器システム中で、又は約40%超の可燃性ガスを含む炭素粒子を形成する際にガスが生成される炭素粒子を生成するための他のシステム中に形成される)の細孔及び/又は隙間空間から(例えば、脱気930において)分離することができる。このようなプロセスは、ろ過されるか或いはテールガスのバルクから分離され得る炭素を生成する可能性があり、粒子及び/又は凝集塊の可燃性ガスで満たされた細孔及び/又は隙間空間を残す(例えば、下流大気中の機器に重大な安全上の危険をもたらす)。そのような可燃性ガスは、炭素粒子及び/又は凝集塊の細孔及び/又は隙間から除去されてもよい(例えば、空気又は空気混合物中の炭素を処理する下流装置を保護するため)。
【0127】
ワンステッププロセスには、炭化水素原料(例えばメタン)の分解から生成される可燃性ガス(例えば水素)を除去するための脱気ステップが完了するまで、反応物と生成物が含まれ得る。カーボンナノ粒子を操作するために、非常に可燃性のガスである水素を、生成されたままの炭素粒子(カーボンナノ粒子など)から分離してもよい。例えば、水素レベルが例えば体積で20%未満に低下した場合、脱気は完了したと見なすことができる。
【0128】
生成された炭素粒子及び/又は凝集塊は、その細孔及び/又は隙間空間に高濃度の可燃性ガスを含み得て、これは例えば不活性ガスで置換することにより、その後除去することができる(例えば、それにより下流の機器で炭素粒子を安全に処理できる)。不活性ガスは、例えば、窒素、希ガス、蒸気又は二酸化炭素であり得る。不活性ガスは、希ガス、窒素、蒸気、及び/又は二酸化炭素のうち2つ以上の混合物であってもよい。炭素粒子がサイクロン、バッグハウスで又は他の主要な分離装置でバルク分離された後に、炭素粒子及び/又は凝集塊の細孔及び/又は隙間空間及び構造に残る少量の炭素粒子から可燃性ガス(例えば水素)を除去することは、困難であり得る。可燃性ガスの濃度は、乾燥ベースの体積で約30%を超える場合がある。
【0129】
可燃性ガスは、例えば圧力又は温度を変化させるか、生成された炭素粒子を不活性ガスの上向きに流れるストリームに放出することにより、粒子及び/又は粒子凝集塊(例えば黒色凝集塊)の細孔及び/又は隙間から除去してもよい。生成された炭素粒子は、上向きに流れる不活性ガスのストリームに放出され、(例えば粒子及び/又は凝集塊の)細孔及び/又は間隙空間に含まれる可燃性ガス(例えば水素)を不活性ガス中に拡散させる。(例えば、プラズマトーチシステム及び/又は炭素粒子を作るための他の高強度システムで生成される)炭素粒子及び/又は炭素粒子凝集塊の細孔及び/又は隙間空間内に閉じ込められた可燃性ガス(例えば水素)は、不活性ガス(例えば窒素)の向流によって回収され得る。いくつかの例では、向流構成は、炭素粒子が流れ落ちる上向きに流れる不活性ガスを設定してもよい。メインユニットフィルタ(例えばフィルタ925)から炭素粒子を放出するとき、炭素粒子は不活性ガスの上向きの流れに送られてもよい。炭素粒子が不活性ガスを通って落下すると、水素は、粒子及び/又は凝集塊の細孔及び/又は隙間空間から出て不活性ガス中に拡散する。水素及び他の可燃性ガスの浮力がこのプロセスを支援する可能性がある。いくつかの例では、向流構成は、不活性ガス(例えば窒素)をほとんど使用しない結果となり、プロセスから発生したガスストリーム中で可燃性ガスの濃度が最も高く、プロセスは継続的に完了することがある。絶対圧力の変化を用いて、可燃性ガスを不活性ガスに置き換えてもよい。可燃性ガス(類)(例えば水素)は、圧力の各変化(例えば、複数の雰囲気からより低い圧力又は真空まで)によって少なくとも一部の可燃性ガスが不活性ガスに置換され得るように、窒素又は別の不活性ガスとの圧力スイングによって除去できる。圧力スイング脱気は、圧力スイングの使用に必要な圧力の変化を含めるために圧力容器を必要とする場合がある。圧力スイングが圧力スイングの代わりに又は補助的に真空を使用する場合、圧力スイング脱気は圧力容器を必要とする場合がある。このような圧力変動は、不連続ではあるが短時間で発生する可能性があり、その結果、比較的短時間で製品が不活性化される。圧力を変化させるため又は上向きに流れる不活性ガスを供給するために使用される不活性ガスは、例えば、窒素、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなど)、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。可燃性ガスは、温度の変化(例えば温度スイング)によって除去され得る。温度スイングによって(例えば、温度スイングによっても)細孔及び/又は隙間の可燃性ガスは効果的に置換され得るが、圧力スイング又は向流法よりも時間がかかるかもしれない。可燃性ガス(類)(例えば水素)は、可燃性ガス(類)(例えば水素)が経時的に拡散するように、生成物をフィルタに一晩放置するだけで除去され得る。可燃性ガス(類)は、粒子の塊にガスを流すことにより又は流動化粒子(例えば、炭素粒子の流動床などの流動化炭素粒子)にガスを流すことにより除去してもよい。可燃性ガス(類)は、不活性ガス(例えばアルゴン)で希釈することにより除去してもよい。不活性化とは、可燃性ガスを安全なレベル(例えば、爆発が発生しない)まで除去することを指してもよい。不活性化とは、不活性環境の作成を指してもよい。いくつかの例では、可燃性ガス(類)を除去することは、可燃性ガス(類)を(例えば、容認できる体積パーセントに)減らすことを指してもよい。
【0130】
反応器のバックエンド(例えばバックエンド935)は、構成要素の非限定的な例(類)として、ペレタイザ、乾燥機及び/又は袋詰め機を含み得る。より多くの構成要素又はより少ない構成要素が追加又は削除され得る。例えば、ペレタイザの例は、米国特許公開第2012/0292794号(「カーボンブラックペレットの調製プロセス」)に見出すことができ、これは参照により全体が本明細書に組み込まれる。ペレタイザについては、水、結合剤及び炭素粒子をピン型ペレタイザに一緒に添加し、ペレタイザで処理した後、乾燥させてもよい。結合剤:炭素粒子比は約0.1:1未満であり得、水:炭素粒子比は約0.1:1~約3:1の範囲内であり得る。結合剤は、例えば、本明細書の他の箇所に記載されているもの(例えば無灰結合剤)であってもよい。炭素粒子は、分級機、ハンマーミル、及び/又は他のサイズ縮小装置を通過することもある(例えば、製品中のグリットの割合を減らすため)。一例では、エネルギー流は、約1.2kg水/kgの炭素粒子を必要とする炭素粒子(例えば、120DBP)について約3500kJ/kgであり得る。DBP炭素粒子が少ないと、許容できる品質のペレットを作るために使用する水が少なくなり得るため、必要な熱量が少なくなり得る。(例えば、炭素(例えばカーボンブラック)がより高い温度で乾燥機に入るように)ペレット化媒体(例えば水)を加熱してもよい。或いは、プロセスは、回転ドラムで製品を高密度化する乾式ペレット化プロセスを使用してもよい。いくつかの用途では、ふわふわした炭素粒子と呼ばれるペレット化されていない炭素粒子、又はふわふわした状態に粉砕されたペレット化された炭素粒子も許容され得る。
【0131】
ペレタイザは、油式ペレット化プロセスを使用してもよい。油式ペレット化プロセスの例は、米国特許第8,323,793号(「熱分解されたゴム製品のペレット化」)に見出すことができ、これは参照により本明細書に完全に組み込まれる。油式ペレット化は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されている低灰/低グリット炭素粒子を生成するために有利に使用され得る。油式ペレット化によって炭素粒子に灰が追加されることはない。結合剤油(例えば、高芳香族油、ナフテン油及びパラフィン油のうちの少なくとも1つ)及び炭素粒子をペレタイザ内に一緒に添加してもよい。結合剤油は、炭素粒子と共にミキサに(例えば、結合剤油の約15重量%までの量で)添加して、ペレット化炭素粒子を形成してもよい。或いは、蒸留水及び無灰結合剤(砂糖など)を使用して、本明細書の他の箇所でより詳細に説明する低灰/低グリットの炭素粒子を生成してもよい。蒸留水及び無灰結合剤(砂糖など)でのペレット化では、炭素粒子にいかなる灰も追加され得ない。無灰結合剤の他の例には、ポリエチレングリコール及び/又はポリオキシエチレン(例えば、TWEEN(登録商標)80及び/又はTWEEN(登録商標)20材料のようなエチレンオキシドのポリマー)が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0132】
乾燥機は、例えば、間接的な(例えば、燃焼の代わりにシステムの1以上の流体との熱交換などにより間接的に燃焼されるか、さもなければ加熱される)回転乾燥機であってもよい。乾燥機は、空気、プロセスガス及びパージガスのうちの1以上を使用して、(例えば、ペレット化された)炭素粒子を加熱してもよい。いくつかの例では、パージガスのみが使用され得る。いくつかの例では、パージガスの有無にかかわらず空気が使用され得る。いくつかの例では、パージガスの有無にかかわらずプロセスガスが使用され得る。いくつかの例では、パージガスの有無にかかわらず、空気及びプロセスガスが使用され得る。乾燥機は、並流又は向流動作用に構成されてもよい(例えば、パージガスを使用)。
【0133】
乾燥機は、例えば、並流パージガス(乾燥機への直接的なガス添加)を備えた間接燃焼回転乾燥機であってもよい。パージガスは、熱風と並流で乾燥機に供給されてもよい。湿った炭素粒子は、熱風の全酸素含有量にさらされることなく乾燥されてもよい(例えば、そのような曝露は火災を引き起こす可能性があるため)。並流でのパージガスと熱風の乾燥機への供給は、炭素粒子の外側の最高温度を制限してもよく、そうでなければ、内部が湿っていると炭素粒子は熱くなりすぎる可能性がある。乾燥機の向流動作は、場合によってはより多くのエネルギーと容量効率を有する。バレルに空気を追加すると、乾燥機の熱効率が向上し、容量も増え得る。但し、乾燥機のバレル速度が高くなりすぎると、乾燥機からペレットが一掃され、パージフィルタへのリサイクル率が高くなり、ペレタイザに戻る場合がある(例えば、これによって効率と容量が低下する)。また、炭素粒子の表面に過剰な酸素を追加する可能性がある。使用済み(例えば、より冷たい)空気の乾燥機バレルへの追加は制限されてもよい(例えば、実質的な蒸気雰囲気で制限された酸化を提供するため)。乾燥機に熱を与えた後、空気にはまだ多くのエネルギーが含まれている可能性がある。いくつかの例では、空気は約350℃程度の温度であり得る。このガスは、例えば、ボイラーに送られてもよい(例えばエネルギー効率の目的で)。本明細書の他の箇所で説明するように、(例えば脱気ユニットからの)プロセスガスを使用して(例えば、空気及び/又はパージガスと組み合わせて)粒子を乾燥させることができる。例えば、プロセスガスは、熱風の代わりに(例えば、パージガスと並流で)又は熱風と組み合わせて粒子を乾燥させるために使用されてもよい。
【0134】
炭素粒子は、約150℃~約400℃の温度まで乾燥させてもよい。いくつかの例では、炭素粒子は少なくとも約250℃まで乾燥させてもよい(例えば、中心が確実に乾燥するようにするため)。乾燥機内の雰囲気は制御され得る。乾燥機内の雰囲気を制御して、例えば、炭素粒子の自然のまま(dead)の表面を維持してもよい。「自然の」表面は、ある範囲の相対湿度(RH)条件(例えば、約0%~約80%RH)にさらされたときに、実質的な量の水分吸収がないことを特徴とし得る。本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、本開示のプロセスからの炭素粒子は、作製時の初期状態のままであり(例えば、表面官能基が形成され場合があり、材料は「自然の」表面を有する場合がある)、例えば約0.2重量%未満の酸素を含み得る(例えば、最終製品に表面酸素官能基がないかもしれない)。本開示のプロセスからの炭素粒子は、作製された粒子が初期状態ではないプロセスとは対照的に、作製時に初期状態であり得る(例えば、乾燥機内でより初期の状態になり得ないファーネスブラックと比較して、カーボンブラックの表面から自然酸素を除去するのに必要な温度は700℃超である)。
【0135】
本明細書に記載のプロセス(類)は、競争力のある技術よりも(例えば更に)有利であり得、その理由は、材料が一度反応器を出ると完成する可能性があり(例えば、最終製品は反応器を出た後に作製される可能性がある)、ペレット化され、乾燥されるためである。これ以上の手順は必要でないかもしれない。炭素粒子は、(例えば、典型的なファーネスブラックとは対照的に)高温炉での後処理を必要としないかもしれない。例えば、導電性添加剤は、(例えば、典型的なファーネスブラックとは対照的に)高品質の電池ブラックに変換するために高温炉での後処理を必要とし得ない。これに関して、本開示のプロセスは、「貫流プロセス」(本明細書では「ワンステッププロセス」)であり得る。例えば、導電性添加剤は、貫流プロセスで作製されてもよい。導電性添加剤は、炭化水素から調製されてもよい。例えば、導電性添加剤は、天然ガス前駆体炭化水素の使用により調製されてもよい(例えば、炭化水素は天然ガスであってもよい)。
【0136】
いくつかの実施例(例えば、実施例1~4)では、本開示の炭素粒子は、水素熱伝達ガスを加熱するプラズマトーチの使用により合成され得る。加熱された熱伝達ガスの温度は、本明細書の他の箇所で説明されているとおりであってもよい。次に、熱伝達ガスを天然ガスと混合してもよい。熱伝達ガス及び天然ガス原料の流量は、本明細書の他の箇所で説明されているとおりであってもよい。結果として生じるN2SA、構造及び形態は、流量、プラズマ及び反応温度、並びに他の様々な重要要素(例えば、本明細書の他の箇所で説明されている)を慎重に操作することで制御され得る。
【0137】
ホウ素ドーピング(例えば、実施例3を参照)は、例えば、炭化水素注入領域の近くにホウ酸及び/又は他のホウ素前駆体(例えば、ジボラン、トリメチルボランなど)を注入することにより実施され得る。注入時、注入前及び/又は注入後にホウ素前駆体を注入してもよい。ホウ素前駆体は(例えば原料と)共注入されてもよい。ホウ素前駆体は、注入のすぐ下流に注入されてもよい。ホウ素前駆体は、(例えば、ホウ素が炭素結晶格子に組み込まれるように)例えば、炭化水素注入領域の約200cm以内に注入されてもよい。
【0138】
ホウ素(例えば、ホウ素の総量)は、例えば、約0.005g/時、0.01g/時、0.015g/時、0.02g/時、0.03g/時、0.04g/時、0.05g/時、0.06g/時、0.07g/時、0.08g/時、0.09g/時、0.1g/時間、0.2g/時間、0.5g/時間、1g/時間、2g/時間、5g/時間、10g/時間、20g/時間、30g/時間、40g/時間、50g/時間、75g/時間、100g/時間、150g/時間、200g/時間、250g/時間、300g/時間、350g/時間、400g/時間、450g/時間、500g/時、550g/時、600g/時、650g/時、700g/時、750g/時、800g/時、850g/時、900g/時、1kg/時、2kg/時、5kg/時、10kg/時、15kg/時、20kg/時、25kg/時、50kg/時、75kg/時、100kg/時、150kg/時、200kg/時、250kg/時、300kg/時、350kg/時、400kg/時、450kg/時、500kg/時、550kg/時、600kg/時、650kg/時、700kg/時、750kg/時、800kg/時、850kg/時、900kg/時、950kg/時又は1,000kg/時以上の速度でシステム(例えば反応装置)に供給(例えば添加)されてもよい。或いは又は更に、ホウ素(例えば、ホウ素の総量)は、例えば約1,000kg/時、950kg/時、900kg/時、850kg/時、800kg/時、750kg/時、700kg/時、650kg/時、600kg/時、550kg/時、500kg/時、450kg/時、400kg/時、350kg/時、300kg/時、250kg/時、200kg/時、150kg/時、100kg/時、75kg/時、50kg/時、25kg/時、20kg/時、15kg/時、10kg/時、5kg/時、2kg/時、1kg/時、900g/時、850g/時、800g/時間、750g/時間、700g/時間、650g/時間、600g/時間、550g/時間、500g/時間、450g/時間、400g/時間、350g/時間、300g/時、250g/時、200g/時、150g/時、100g/時、75g/時、50g/時、40g/時、30g/時、20g/時、10g/時、5g/時、2g/時、1g/時、0.5g/時、0.2g/時、0.1g/時、0.09g/時、0.08g/時、0.07g/時、0.06g/時、0.05g/時、0.04g/時、0.03g/時、0.02g/時、0.015g/時又は0.01g/時以下の速度でシステム(例えば反応装置)に供給(例えば添加)されてもよい。ホウ素は、本明細書の他の箇所で説明される1以上の原料流量及び熱伝達ガス流量と組み合わせて、そのような速度でシステム(例えば、反応装置)に供給されてもよい。ホウ素は、固形分(例えば、重量)基準(例えば、カーボンブラック固形分基準)で生成される全炭素粒子の例えば約0.01%、0.02%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%又は10%以上のホウ素総量が(例えば、本明細書の他の箇所で説明される1以上の収率で)得られるように添加されてもよい。或いは又は更に、ホウ素は、固形分(例えば、重量)基準(例えば、カーボンブラック固形分基準)で生成される全炭素粒子の例えば約10%、9.5%、9%、8.5%、8%、7.5%、7%、6.5%、6%、5.5%、5%、4.5%、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.5%、1%、0.5%、0.1%、0.05%又は0.02%以下のホウ素総量が(例えば、本明細書の他の箇所で説明される1以上の収率で)得られるように添加されてもよい。いくつかの例では、ホウ素濃度は、固形分重量基準で約0.05%と7%の間であり得る。例えば、添加されるホウ素の総量は、固形分基準で(例えば、カーボンブラック固形分基準で)生成される全炭素粒子の1%であり得る。
【0139】
ホウ素は、ガス、液体及び/又は固形でシステム(例えば反応装置)に供給(例えば追加)されてもよい。ホウ素前駆体は、非限定的な例として、ホウ酸、ジボラン及びトリメチルボランを含んでもよい。或いは又は更に、固体供給システムを使用してもよい。
【0140】
一例では、ホウ素前駆体ホウ酸が添加され得る。エチレングリコール(EG)又は水中の5%ホウ酸溶液を調製してもよい。この溶液を、H(及び/又は本明細書の他の箇所で説明する他の熱伝達ガス又はその任意の成分)と天然ガスの接近する高温混合物に注入してもよい。
【0141】
一例では、ジボランガスが添加されてもよい。ジボランガスを、H(及び/又は本明細書の他の箇所で説明する他の熱伝達ガス又はその任意の成分)と天然ガスの高温混合物に注入してもよい。
【0142】
[実施例]
[実施例1]
この例では、本開示のプロセスによって粒子タイプ1(「PT1」)が生成される。
【0143】
図1は、第1のタイプの粒子の例のTEMを示している。この例では、粒子の形状は球形から楕円体であり、多数の異方性粒子を有さない。この点で、粒子はファーネス又はアセチレンブラックに似ているが、(他の違いを示すことに加えて)外観は典型的なファーネス及びアセチレンブラックよりもわずかに楕円体である。
【0144】
図2は、PT1の例のTEM拡大図を示している。この例の粒子は、リチウムイオン電池で使用されている他のカーボンブラックよりも結晶性が高い。
【0145】
PT1導電性添加剤サンプルは、N2SAは46m/g、STSAは49m/g、STSA/N2SAは1.07、構造は135ml/100g、測定されたDLS粒径は281nm、計算されたDLS粒径は247nm、DLS偏差は12.1%、自由空間割合は52%、EMSAは52m/g、STSA/EMSAは0.94、Lは6.9nm、d002は0.347nm、及び2MPaでの体積抵抗率は0.09Ω-cmを有する。この例におけるコインセル容量保持率は、3Cで125mAh/g、5Cで115mAh/gである。
【0146】
[実施例2]
この例では、本開示のプロセスによって粒子タイプ2(「PT2」)が生成される。
【0147】
図3は、第2のタイプの粒子の例のTEMを示している。これははるかに異方性の粒子であり、そのようなものは従来調製されていない。粒子の少なくとも一部は、1次元(例えば針状)と2次元(例えば板状又はグラフェン状)の両方で異方性であり得る。この粒子は、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン又はVGCFとの類似点をほぼ有していない。寸法は、最も近い相対物であるVGCFよりもはるかに小さい。この材料は、PT1とほぼ同じ結晶性を有するが、粒子の性質が非常に異なる。この差は、本明細書の他の箇所で説明するように、例えば動的光散乱法(DLS)及びTEMヒストグラムを通じて定量化され得る。
【0148】
図4は、PT2の例のTEM拡大図を示している。
【0149】
PT2導電性添加剤サンプルは、N2SAは114m/g、STSAは135m/g、STSA/N2SAは1.18、構造は174ml/100g、測定されたDLS粒径は333nm、計算されたDLS粒径は110nm、DLS偏差は67.0%、自由空間割合は90%、EMSAは34m/g、STSA/EMSAは3.97、Lは16nm、d002は0.343nm、及び2MPaでの体積抵抗率は0.07Ω-cmを有する。この例のコインセル容量保持率は、3Cで140mAh/g、5Cで135mAh/gである。
【0150】
[実施例3]
この例では、本開示のプロセスによって粒子タイプ3(「PT3」)が生成される。PT3は、ジボランが追加されている以外は、PT2と同じである。ホウ素ドーピングは、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されているように実施される。
【0151】
PT3導電性添加剤サンプルは、N2SAは117m/g、STSAは138m/g、STSA/N2SAは1.18、構造は183ml/100g、測定されたDLS粒径は332nm、計算されたDLS粒径は113nm、DLS偏差は66.0%、自由空間割合は92%、EMSAは38m/g、STSA/EMSAは3.63、Lは16nm、d002は0.344nm、及び2MPaでの体積抵抗率は0.05Ω-cmを有する。この例のコインセル容量保持率は、3Cで140mAh/g、5Cで140mAh/gである。
【0152】
[実施例4]
炭素粒子は、炭化水素インジェクタが2つの同心電極の中心に挿入される図8に示すものと同様のセットアップを使用して製造される。インジェクタの先端部は、電極の平面から14インチ上にあり、電極は850kWで動作している。電極間の環における水素流量は235Nm/時(通常の立方メートル/時間)で、電極の外側のシールドフローは192Nm/時である。天然ガスは103kg/時間の割合で注入される。メタン変換率に基づくカーボンナノ粒子の収率は94%超である。
【0153】
この例における炭素粒子のサンプル(例えばカーボンナノ粒子)は、N2SAは45.6m/g、STSAは48.8m/g、DBPは135ml/100g、Lは6.9nm、d002は0.346nm、S含有量は0.15(全サンプルの割合)、H含有量は0.09(全サンプルの割合)、N含有量は0.2(全サンプルの割合)、O含有量は0.11(全サンプルの割合)を有する。
【0154】
[比較例1]
アセチレンブラックのサンプルは、N2SAは45m/g、STSAは44m/g、STSA/N2SAは0.98、構造は152ml/100g、測定されたDLS粒径は312nm、計算されたDLS粒径は303nm、DLS偏差は2.9%、自由空間割合は56%、EMSAは48m/g、STSA/EMSAは0.92、Lは2.5nm、d002は0.356nm、及び2MPaでの体積抵抗率は0.11Ω-cmを有する。この例のコイン電池容量保持率は、3Cで125mAh/g、5Cで120mAh/gである。
【0155】
[比較例2]
ファーネスブラックのサンプルは、N2SAは72m/g、STSAは56m/g、STSA/N2SAは0.78、構造は165ml/100g、測定されたDLS粒径は240nm、計算されたDLS粒径は255nm、DLS偏差は-6.3%、自由空間割合は54%、EMSAは54m/g、STSA/EMSAは1.04、Lは2nm、d002は0.358nm、2MPaでの体積抵抗率は0.12Ω-cmを有する。この例におけるコインセル容量保持率は、3Cで125mAh/g、5Cで115mAh/gである。
【0156】
本開示のシステム及び方法は、他のシステム及び/又は方法、例えば、米国特許公開第2015/0210856号及び国際公開第2015/116807号(「高温化学処理システム」)、米国特許公開第2015/0211378号(「複合サイクル発電所、単純サイクル発電所及び蒸気改質器を組み合わせたプラズマ及び水素プロセスの統合」)、国際公開第2015/116797号(「サイクル発電所及び蒸気改質器を組み合わせたプラズマ及び水素プロセスの統合」)、米国特許公開第2015/0210857号及び国際公開第2015/116798号(「カーボンブラックプラズマプロセスにおける原料の使用」)、米国特許公開第2015/0210858号及び国際公開第2015/116800号(「プラズマガススロートアセンブリ及び方法」)、米国特許公開第2015/0218383号及び国際公開第2015/116811号(「プラズマ反応器」)、米国特許公開第2015/0223314号及び国際公開第2015/116943号(「プラズマトーチ設計」)、国際公開第2016/126598号(「カーボンブラック可燃性ガス分離」)、国際公開第2016/126599号(「カーボンブラック生成システム」)、国際公開第2016/126600号(「再生冷却方法及び装置」)、米国特許公開第2017/0034898号及び国際公開第2017/019683号(「DCプラズマトーチ電力設計方法及び装置」)、米国特許公開第2017/0037253号及び国際公開第2017/027385号(「カーボンブラック製造方法」)、米国特許公開第2017/0058128号及び国際公開第2017/034980号(「カーボンブラック製造の高温加熱積分法」)、米国特許公開第2017/0066923号及び国際公開第2017/044594号(「円形の数層グラフェン」)、米国特許公開第20170073522号及び国際公開第2017/048621号(「天然ガス由来のカーボンブラック」)、米国特許第1,339,225号(「ガス燃料の製造プロセス」)、米国特許第7,462,343号(「ミクロドメインの黒鉛材料及びその製造方法」)、米国特許第6,068,827号(「炭化水素のカーボンブラックへの分解」)、米国特許第第7,452,514号(「原料を含む炭素を定義されたナノ構造を有する炭素含有材料に変換するための装置及び方法」)、米国特許第2,062,358号(「カーボンブラック製造」)、米国特許第4,199,545号(「高温化学反応プロセス用の流体壁反応器」)、米国特許第5,206,880号(「炭化水素を分解するための管を備えた炉」)、米国特許第4,864,096号(「アークトーチ及び反応器容器の移送」)、米国特許第8,443,741号(「廃棄物処理プロセス及び装置」)、米国特許第3,344,051号(「高強度アークにおけるカーボンブラックの製造方法」)、米国特許第2,951,143号(「アークトーチ」)、米国特許第5,989,512号(「炭化水素の熱分解のための方法及び装置」)、米国特許第3,981,659号(「カーボンブラックペレット乾燥用装置」)、米国特許第3,309,780号(「湿った粒子状固形分を乾燥させるためのプロセス及び装置」)、米国特許第3,307,923号(「カーボンブラックを製造するためのプロセス及び装置」)、米国特許第8,501,148号(「低構造カーボンブラック及びそれを用いて形成されたデバイスを組み込むコーティング組成物」)、PCT特許公開第2013/185219号(「カーボンブラックの製造方法」)、米国特許第8,486,364号(「メタン前駆体材料を利用した黒鉛炭素粒子の製造」)、中国特許公開第103160149号(「カーボンブラック反応炉及びカーボンブラックの製造方法」)、米国特許公開第2012/0292794号(「カーボンブラックペレットの調製プロセス」)、米国特許公開第2005/0230240号(「炭素同素体合成の方法と装置」)、英国特許公開第1400266号(「プラズマ中の炭化水素ストック材料の熱分解によるカーボンブラックの製造方法」)、米国特許第8,771,386号(「発熱的に生成された合成ガスストリームに含まれる煤のその場ガス化」)及び米国特許8,323,793号(「熱分解されたゴム製品の造粒」)に記載の化学処理及び加熱方法、化学処理システム、反応器及びプラズマトーチと組み合わせることや、修正したりすることができ、これらの各々は参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0157】
したがって、本発明の範囲には、添付の特許請求の範囲に含まれる可能性のある全ての修正及び変更が含まれるものとする。本発明の他の実施形態は、本明細書の考察及び本明細書に開示された本発明の実施から当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は例示としてのみ考慮されることが意図されており、本発明の真の範囲及び精神は添付の特許請求の範囲によって示される。
図1
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図10