【図1】
図1は、エンベロープウイルスの界面活性剤破壊の理論的な一般メカニズムを示している。レトロウイルスなどのエンベロープウイルスは、二十面体型のヌクレオカプシドを有し、宿主細胞およびウイルスに由来するウイルスのエンベロープによって保護されている。各界面活性剤分子は親水性の頭と疎水性の尾を持つことにより、両親媒性の構造を有している。この2つの部分によって、各界面活性剤の固有の特性である臨界ミセル濃度(CMC)が決定される。界面活性剤モノマーは、特定のCMC未満でウイルスエンベロープ内に挿入され、宿主へのウイルスの付着を妨害する場合と妨害しない場合がある。一方、CMC以上の濃度では、より多くの界面活性剤モノマーがエンベロープに挿入されてエンベロープが破壊され、その結果、ウイルスが宿主細胞表面の受容体に結合できなくなる。
【図2】
図2は、N-メチルグルカミド界面活性剤の疎水性(非極性)および親水性(極性)領域を示す。
【図3】
図3は、N-メチルグルカミド界面活性剤ホモログの二次元(2D)および三次元(3D)構造を示す。各化合物は、同様に、非環式の親水性グルコース糖部分に結合したアミドによって結合された8~10個または12個の炭素からなる疎水性脂肪酸鎖で構成されている。
【図4】
図4は、組換えFVIII(rFVIII)をCMC の0.5倍、1倍、2倍のMegax 8、Mega 9、Mega 10およびMega 12と個別にインキュベートした場合、X-MuLVが室温で30分以内に完全に不活化されることを示している。
【図5】
図5は、組換えFVIII(rFVIII)がCMCの1倍および2倍の各界面活性剤(Mega 8、Mega 9、Mega 10、およびMega 12)と別々にインキュベートされた場合、X-MuLVが2.0 ℃で30分以内に完全に不活化されることを示している。
【図6】
図6は、組み換えFVIII(rFVIII)中2.0℃で30分間インキュベートすると、0.3%(w/v)Mega 10および0.3%(w/v)Triton X-100によってX-MuLVの完全な不活化が達成され、これら2つの界面活性剤が同等の潜在能力を有することを示している。
【図7】
図7は、組換えFVIII(rFVIII)が、2.0℃で水またはMega 10と2時間インキュベートした後でもその活性を維持することを示している。
【図8】
図8は、X-MuLVおよび漸増濃度のMega 10とともに2.0℃で30分間インキュベートされた組換えFVIII(rFVIII)の用量反応を示している。用量反応曲線は、この糖界面活性剤の濃度が増加するにつれて、X-MuLVの力価が逆に、検出限界(LOD)にまで減少しウイルスが検出されなかったことを示している。rFVIII対照(Ctrl)の破線は、X-MuLVのみとインキュベートしたrFVIIIの力価に対応している。
【図9】
図9は、X-MuLVおよび0.3%(w/v)Mega 10と共に2.0℃で0、5、15、30、60、および120分間インキュベートした組換えFVIII(rFVIII)の動力学を示している。Mega 10処理により、ウイルス力価の即時の低下(完全な不活化)が検出限界(LOD)に達し、ウイルスは検出されなかった。これは、rFVIIIのみおよび培地のみの対照とは対照的である。
【図10】
図10は、0.02%、0.10%または0.20%(w/v)Mega 10を含むX-MuLVの高力価ストックと共に2.0℃で0、5、30、60および120分間インキュベートした組換えFVIII(rFVIII)の動力学を示している。ウイルスの不活化が観察されなかった0.02%(w/v)のMega 10、rFVIIIおよび培地のみの対照サンプルとは対照的に、0.10%(w/v)のMega 10はウイルス力価の低下をもたらし、0.20%(w/v)はウイルス力価の即時の低下(完全な不活化)を引き起こし、5分以内に検出限界(LOD)に達した。
【図11】
図11は、製造が異なるMega10分子が、類似の再現可能な用量反応結果をもたらすことを示している。
【図12】
図12は、組換えFVIII(rFVIII)でインキュベートしたときに、0.2および0.3(w/v)のMega 10で2.0℃、15分以内にブタ偽狂犬病ウイルス(PRV)が検出限界まで不活化されることを示している。
【図13】
図13は、ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)が、組換えFVIII(rFVIII)中で2.0℃で30分インキュベートした場合、0.2、0.3、および0.4(w/v)のMega 10および1.0%(w/v)のMega 9によって、検出限界まで完全に不活化されることを示している。
【図14】
図14は、ヒト免疫グロブリンG(IgG)およびヒト血漿タンパク質溶液中で0.2、0.3、および0.4%(w/v)のMega 10とともに2.0℃で30分間インキュベートすると、X-MuLVが検出限界まで完全に不活化されることを示している。両方のタンパク質溶液は、それぞれが30 mg/mLの最終濃度になるように調製された。
【図15】
図15は、Mega 10(M10)のみ、Tween 20(Tw20)のみ、および0.05%(w/v)、0.10%(w/v)、または0.30の濃度のMega 10とTw20無し、または、0.01%(w/v)、0.02%(w/v)もしくは0.06%(w/v)のTw20との混合物によるX-MuLVの不活化を示している。0.30%(w/v)0.30%(w/v)M10単独または0.30%(w/v)M10+0.06%(w/v)Tw20混合物の濃度では、X-MuLVは30分以内に完全に不活化された。
【図16】
図16は、Mega 10(M10)のみ、リン酸トリ(n-ブチル)(TnBP)のみ、および0.05%(w/v)または 0.30%(w/v)の濃度のMega 10とTnBP混合物による、X-MuLVの不活化を示す。0.30%(w/v)M10単独または0.30%(w/v)M10+0.30%(w/v)TnBP混合物の濃度では、X-MuLVは30分以内に完全に不活化された。興味深いことに、0.05%(w/v)M10+0.05%(w/v)TnBPにはウイルス力価の低下があり(完全な不活化ではない)、Mega 10とTnBPの間に相乗効果があることを示している。その他の界面活性剤処理では、ウイルス力価はrFVIII対照(界面活性剤なし)と同等であり、ウイルスの不活化は生じなかった。
【図17】
図17は、550 mM NaClとの共存または不在における、0.06%(w/v)、0.10%(w/v)または0.20%(w/v)のMega 10あるいは0.30%(w/v)、0.51%(w/v)または0.71%(w/v)のMega 9によるX-MuLVの不活化を示している。0.20%(w/v)Mega 10のみ、0.20%(w/v)Mega 10+NaCl、および500mMのNaClと共存または不在の0.71%(w/v)Mega 9の濃度で、X-MuLVは有意に不活化された。0.10%(w/v)Mega 10+550 mM NaClおよび0.51%(w/v)Mega 9+500 mM NaClにおいてウイルス力価が低下し、このことは、Mega 10またはMega 9とNaClの間に相乗効果があることを示している。その他の界面活性剤処理では、ウイルス力価がrFVIII対照(界面活性剤なし)とNaCl対照(界面活性剤なし)と同等であり、ウイルスの不活化は生じなかった。