(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】複数のデバイスを充電するための折り畳み可能剛性ドッキングステーション
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230721BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20230721BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20230721BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20230721BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
H01F38/14
H02J7/00 301D
H02J50/90
H02J50/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021154566
(22)【出願日】2021-09-22
【審査請求日】2021-10-04
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カラニコス, デメトリオス ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ワルトン, クリストファー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハーグ, グラント エス.
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0099730(US,A1)
【文献】特表2013-500692(JP,A)
【文献】特開2017-055645(JP,A)
【文献】特開2012-019666(JP,A)
【文献】国際公開第2017/065272(WO,A1)
【文献】特開2017-107439(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0146576(US,A1)
【文献】CES 2020:Satechi Launches New Trio Wireless Charging Pad,米国,MacRumors,2020年01月07日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42 -10/48
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 50/00 -50/90
H01F 38/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み可能充電器であって、
上側及び下側を有する第1のリーフであって、
前記上側にある第1の接触面と、
前記第1の接触面の下の磁石アレイと、
第1のコイルと、
前記磁石アレイ及び前記第1のコイルを支持するための第1のエンクロージャと、
第1の固定磁石と、
を含む、第1のリーフと、
上側及び下側を有する第2のリーフであって、
充電パックと、
前記充電パックを支持するための第2のエンクロージャと、
第2の固定磁石と、
を含む、第2のリーフと、
前記第1のリーフを前記第2のリーフに接合する主ヒンジと、を備え、前記主ヒンジは、前記第1のリーフの前記上側が前記第2のリーフの前記上側に隣接するように第1の方向に折り畳み可能であり、前記主ヒンジは、前記第1のリーフの前記下側が前記第2のリーフの前記下側に隣接するように第2の方向に折り畳み可能であり、
前記第1のリーフの前記下側が前記第2のリーフの前記下側に隣接する場合に、前記第1の固定磁石が前記第2の固定磁石に引き付けられる、
折り畳み可能充電器。
【請求項2】
前記第1のリーフの前記上側が前記第2のリーフの前記上側に隣接する場合に、前記第1の固定磁石が前記第2の固定磁石に引き付けられる、請求項1に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項3】
前記充電パックが、
磁石と、
第2のコイルと、を備える、請求項2に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項4】
前記充電パックが、パックヒンジを介して前記第2のエンクロージャに取り付けられている、請求項3に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項5】
前記磁石アレイが、第1の電子デバイスを前記第1のリーフの前記第1の接触面に整列させる、請求項4に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項6】
前記充電パックが、第2の接触面を更に備え、前記充電パック内の前記磁石が、第2の電子デバイスを前記第2の接触面に整列させる、請求項5に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項7】
前記主ヒンジがフレキシブル回路基板を更に備え、前記フレキシブル回路基板が複数の導体を含み、前記複数の導体のそれぞれが電気接続を形成する、請求項6に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項8】
前記複数の導体のそれぞれが、第1のトレース及び第2のトレースを備え、前記第1のトレース及び前記第2のトレースが、前記第1のリーフ内で共に接続されており、前記第1のトレース及び前記第2のトレースが、前記第2のリーフ内で共に接続されている、請求項7に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項9】
前記主ヒンジがフレキシブル回路基板を更に備え、前記フレキシブル回路基板が、電気接続を形成する複数のトレースを含み、前記複数のトレースのそれぞれが蛇行パターンを形成する、請求項6に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項10】
前記複数のトレースのそれぞれが、部分的に入れ子にされた蛇行パターンを形成する、請求項9に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項11】
前記複数のトレースのそれぞれが、完全に入れ子にされた蛇行パターンを形成する、請求項9に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項12】
前記パックヒンジが、単一のシャフトを有する単一の枢動ヒンジを備える、請求項6に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項13】
前記パックヒンジが、前記充電パックに取り付けられた第1のシャフトと、前記第1のシャフトによって駆動される第2のシャフトと、を有する摺動ヒンジを備え、前記第2のシャフトが、前記パックヒンジのラックに係合するためのピニオンを備える、請求項6に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項14】
折り畳み可能充電器であって、
上側及び下側を有する第1のリーフであって、
前記上側にある第1の接触面と、
前記第1の接触面の下の磁石アレイと、
第1のコイルと、
前記磁石アレイ及び前記第1のコイルを支持するための第1のエンクロージャと、
を含む、第1のリーフと、
上側及び下側を有する第2のリーフであって、
第2の接触面と、
前記第
2の接触面の下の磁石と、
第2のコイルと、
前記磁石及び前記第2のコイルを支持するための第2のエンクロージャと、
を含む、第2のリーフと、
前記第1のリーフを前記第2のリーフに接合する主ヒンジであって、前記主ヒンジは、
電気接続を形成する複数のトレースを備えるフレキシブル回路基板であって、前記複数のトレースのそれぞれは蛇行パターンを有する、フレキシブル回路基板を備える、主ヒンジと、を備え、
前記主ヒンジは、前記第1のリーフの前記上側が前記第2のリーフの前記上側に隣接するように第1の方向に折り畳み可能であり、前記主ヒンジは、前記第1のリーフの前記下側が前記第2のリーフの前記下側に隣接するように第2の方向に折り畳み可能である、
折り畳み可能充電器。
【請求項15】
前記第2のリーフが、前記磁石及び前記第2のコイルを収容し前記第2の接触面を支持する充電パックを更に備え、前記充電パックは、外部電子デバイスを充電するために、前記第2のリーフにおける下方位置から前記第2のリーフの上にある上方位置へ移動可能である、請求項14に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項16】
各電気接続は、第1のトレース及び第2のトレースを備え、前記第1のトレース及び前記第2のトレースが、前記第1のリーフ内で共に接続されており、前記第1のトレース及び前記第2のトレースが、前記第2のリーフ内で共に接続されている、請求項15に記載の折り畳み可能充電器。
【請求項17】
前記磁石アレイが、前記第1のコイルの周りに周方向に位置し、前記第2のコイルが、前記磁石の周りに周方向に位置する、請求項16に記載の折り畳み可能充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2020年9月23日に出願された米国特許仮出願第63/082,263号の優先権の利益を主張し、同文献は参照により援用されている。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは過去数年間にわたって広く普及してきた。我々は、どこに行くときでもそれらを持ち歩く。電子デバイスは、電子メールのチェック、ビデオの視聴、又はニュースのキャッチアップなどの我々の活動の一部にとって不可欠であり得る。電子デバイスはまた、電子メールの更新を提供する、又は会議リマインダとして機能する場合などに我々の活動の一部を補完し得る。
【0003】
これらの電子デバイスは、定期的に充電される必要がある。多くの場合、ケーブルは電子デバイス内に挿入される必要があり、又は、電子デバイスは、電子デバイスの内部のバッテリ若しくは電子デバイスに関連付けられたバッテリを充電するために、無線充電器上に配置される必要がある。
【0004】
電子デバイスが無線充電器上に配置されたとき、電子デバイス内の充電電子機器が無線充電器内の電子機器に適切に整列することが望ましい場合がある。適切な整列は、無線充電器から電子デバイスへの充電の効率を増加させることができ、それによって、電力を節約し、充電時間を減少させる。しかし、適切に整列されると、電子デバイスは、不注意に押されて移動する場合がある。したがって、電子デバイスは、無線充電器に対して定位置に確実に保持されることが望ましい場合がある。
【0005】
充電は、例えば、ベッドサイドテーブル、旅行中のホテルの部屋、職場、コーヒーショップ、及び他の場所などの様々な場所で行われ得る。結果として、これらの無線充電器を持ち運ぶことが望ましい場合がある。これを容易にするために、無線充電器は、コンパクトな形態に折り畳まれる又は閉じられることが望ましい場合がある。
【0006】
これらの電子デバイスは非常に普及しているため、多くの場合、一度に2つ以上のデバイスを充電することができることが望ましい。したがって、無線充電器は、複数のデバイスを同時に充電することができることが望ましい場合がある。
【0007】
したがって、2つ以上の電子デバイスに電力を供給することができ、電子デバイスに適切に整列し電子デバイスを確実に保持することができ、コンパクトな形状に折り畳み可能である無線充電器が必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明の実施形態は、2つ以上の電子デバイスに電力を供給することができ、電子デバイスに適切に整列し電子デバイスを確実に保持することができ、コンパクトな形状に折り畳み可能である無線充電器を提供することができる。
【0009】
本発明の例示的な実施形態は、電子デバイスを無線充電器に整列させるための整列機構を有する無線充電器を提供することができる。無線充電器は、電子デバイスが無線充電器に対して定位置に確実に保持されるように、電子デバイスを無線充電器に取り付けるための取り付け機構を更に含むことができる。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、整列機構及び取り付け機構は同じ機構であってもよいが、他の実施形態では、それらは別個の機構であってもよい。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、2つ以上の整列及び取り付け機構が、2つ以上の電子デバイスを無線充電器に整列させ取り付けるために含まれ得る。
【0010】
本発明の例示的な実施形態は、整列機構及び取り付け機構の両方として磁石を用いることができる。無線充電器内の磁石は、電子デバイス内の対応する磁石を引き付けることができる。この磁気引力は、電子デバイスを無線充電器と整列させるのに役立ち得る。この磁気引力はまた、無線充電器に対して電子デバイスを定位置に固定するのに役立ち得る。
【0011】
コイルは、無線充電器内の磁石の周りに周方向に位置することができる。無線充電器内の磁石が電子デバイス内の対応する磁石と整列されたとき、無線充電器内のコイルは、電子デバイス内の対応する磁石の周りに周方向に位置する対応するコイルと整列され得る。無線充電器内のコイルと電子デバイス内のコイルとの間の結合を増加させて、充電効率を改善し充電時間を低減するために、シールドが無線充電器内に含められ得る。
【0012】
本発明の例示的な実施形態は、整列機構及び取り付け機構の両方として磁石アレイを用いる。無線充電器内の磁石アレイは、電子デバイス内の対応する磁石アレイを引き付けることができる。この磁気引力は、電子デバイスを無線充電器と整列させるのに役立ち得る。この磁気引力はまた、無線充電器に対して電子デバイスを定位置に固定するのに役立ち得る。
【0013】
磁石アレイは、無線充電器内のコイルの周りに周方向に位置することができる。無線充電器内の磁石アレイが電子デバイス内の対応する磁石アレイと整列されたとき、無線充電器内のコイルは、電子デバイス内の対応する磁石アレイによって周方向に取り囲まれた対応するコイルと整列され得る。無線充電器内のコイルと電子デバイス内のコイルとの間の結合を増加させて、充電効率を改善し充電時間を低減するために、シールドが無線充電器内に含められ得る。
【0014】
本発明の例示的な実施形態は、一度に2つ以上の電子デバイスを充電することができる無線充電器を提供することができる。例えば、無線充電器は、第1の電子デバイスを充電するための第1の整列、取り付け、及び充電構成要素を有する第1のリーフと、第2の電子デバイスを充電するための第2の整列、取り付け、及び充電構成要素を有する第2のリーフと、を含むことができる。第1のリーフは、上側にある第1の接触面を含むことができる。磁石アレイは、第1の接触面の下に配置され得る。磁石アレイは、第1のコイルを横方向及び周方向に取り囲むことができる。第1のエンクロージャは、磁石アレイ及び第1のコイルを支持することができる。第1のエンクロージャは、第1のコイルのためのシールドを提供することができ、第1のコイルと第1の電子デバイス内の対応するコイルとの間の結合を改善させることができる。
【0015】
第2のリーフは、第2の電子デバイスを充電するための充電パックを含むことができる。充電パックは、第2の接触面の下に配置され得る磁石を含むことができる。磁石は、第2のコイルによって横方向及び周方向に取り囲まれ得る。パックエンクロージャは、磁石及び第2のコイルを支持することができる。パックエンクロージャは、第2のコイルのためのシールドを提供することができ、第2のコイルと第2の電子デバイス内の対応するコイルとの間の結合を改善させることができる。
【0016】
パックは、パックヒンジによって、第2のリーフ内の第2のエンクロージャに取り付けられ得る。パックヒンジは、回転軸を提供することができる単一のシャフトを使用することができ、それによって、充電パックは、第2のリーフの上で回転することができる。これは、第2の電子デバイスが平坦な表面上に容易に配置されることを可能にする設計を第2の電子デバイスが有さないとき、パックが第2の電子デバイスを引き付けて固定する位置にあることを可能にする。パックヒンジは、充電パックが、第2のリーフの上側の上に第2のリーフに対して直角又は略直角で充電パックがある上方位置から第2のリーフ内の開口部又は通路内に充電パックがある下方位置へ移動することを可能にする。
【0017】
主ヒンジは、第1のリーフを第2のリーフに接合するために使用され得る。主ヒンジは、第1のリーフの上側が第2のリーフの上側に隣接し得るように、第1の方向に折り畳み可能である。主ヒンジは、第1のリーフの下側が第2のリーフの下側に隣接し得るように、第2の方向に折り畳み可能である。これらの配置は、移動のためのコンパクトな形態を有する無線充電器を提供することができる。閉鎖磁石は、折り畳まれたとき第1のリーフを第2のリーフに固定するために、第1のリーフ及び第2のリーフの両方に配置され得る。閉鎖磁石は、ヒンジの近くに配置され得る。これは、容易な開放を可能にしながら、無線充電器を閉鎖位置に保つのに役立ち得る。
【0018】
第1のリーフの下側が第2のリーフの下側に隣接するとき、第1のリーフの接触面及び第2のリーフの充電パックは露出され得る。接触面は、第1の電子デバイスの表面上、例えば、下向きに配置された電話の背面上に配置され得る。次いで、第2の電子デバイスは、無線充電器の上部上に配置され得、充電パックに取り付けられ得、充電パックは、第2の電子デバイスに応じて上方位置又は下方位置にあり得る。これは、複数のデバイスを充電するための省スペース配置を提供することができる。
【0019】
主ヒンジは、第1のリーフと第2のリーフとの間のデータ及び電力伝送のためのフレキシブル回路基板を含むことができる。フレキシブル回路基板は、第1のリーフと第2のリーフとの間に電気接続を形成するための多数の導体を含むことができる。導体はそれぞれ、冗長性のために2つ以上のトレースから形成され得る。この冗長性は、第1のリーフ及び第2のリーフの折り畳み及び展開によって生じる開放回路の形成から主ヒンジを保護するのに役立ち得る。加えて又は代わりに、1つ以上の導体又はトレースは、蛇行パターンを有することができ、蛇行パターンは、部分的に又は完全に入れ子にされた蛇行パターンである。
【0020】
無線充電器は、ケーブルを介して電力及びデータを受け取ることができる。ケーブルはまた、この同じケーブルを使用して外部デバイスにデータを供給することができる。ケーブルは、主ヒンジ、第1のリーフ、又は第2のリーフに接続され得る。ケーブルは、主ヒンジ、第1のリーフ、又は第2のリーフ内の回路又は構成要素に直接繋がれ得る。代わりに、ケーブルは、コネクタレセプタクル内に挿入され得るコネクタインサート内で終端することができ、コネクタレセプタクルは、主ヒンジ、第1のリーフ、又は第2のリーフ内に位置する。
【0021】
本発明の様々な実施形態は、本明細書に記載されているこれらの特徴及び他の特徴のうちの1つ以上を組み込むことができる。以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することによって、本発明の性質及び利点のより良い理解を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態による無線充電器を示す図である。
【0023】
【0024】
【0025】
【
図4】
図1の無線充電器で使用され得る電子回路のレイアウトを示す図である。
【0026】
【
図5A】本発明の一実施形態による無線充電器を示す図である。
【
図5B】本発明の一実施形態による無線充電器を示す図である。
【0027】
【
図6A】本発明の一実施形態による無線充電器を示す図である。
【
図6B】本発明の一実施形態による無線充電器を示す図である。
【0028】
【
図7A】本発明の一実施形態による無線充電器を示す図である。
【
図7B】本発明の一実施形態による無線充電器を示す図である。
【0029】
【0030】
【
図9A】本発明の一実施形態による無線充電器の一部分の破断図である。
【
図9B】本発明の一実施形態による無線充電器の一部分の破断図である。
【0031】
【
図10A】本発明の一実施形態による無線充電器の一部分の破断図である。
【
図10B】本発明の一実施形態による無線充電器の一部分の破断図である。
【0032】
【
図11】本発明の一実施形態による無線充電器を示す図である。
【0033】
【0034】
【0035】
【
図14】
図11の無線充電器で使用され得る電子回路のレイアウトを示す図である。
【0036】
【
図15A】本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す図である。
【
図15B】本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す図である。
【0037】
【
図16A】本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す図である。
【
図16B】本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す図である。
【0038】
【
図17A】本発明の一実施形態による別のパックヒンジを示す図である。
【
図17B】本発明の一実施形態による別のパックヒンジを示す図である。
【0039】
【
図18A】本発明の一実施形態による別のパックヒンジを示す図である。
【
図18B】本発明の一実施形態による別のパックヒンジを示す図である。
【0040】
【
図19A】本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す図である。
【
図19B】本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す図である。
【0041】
【
図20A】本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す図である。
【
図20B】本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す図である。
【0042】
【
図21A】本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す図である。
【
図21B】本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す図である。
【0043】
【0044】
【0045】
【
図24】本発明の一実施形態による、主ヒンジで使用され得るフレキシブル回路基板を示す図である。
【0046】
【
図25】本発明の一実施形態による無線充電器の一部分の側面図である。
【0047】
【
図26】本発明の一実施形態による、蛇行導体を有するフレキシブル回路基板の例を示す図である。
【0048】
【
図27A】本発明の一実施形態による、主ヒンジ内のフレキシブル回路基板上で使用され得るトレースの例を示す図である。
【
図27B】本発明の一実施形態による、主ヒンジ内のフレキシブル回路基板上で使用され得るトレースの例を示す図である。
【0049】
【
図28A】本発明の一実施形態による、主ヒンジ内のフレキシブル回路基板上で使用され得るトレースの例を示す図である。
【
図28B】本発明の一実施形態による、主ヒンジ内のフレキシブル回路基板上で使用され得るトレースの例を示す図である。
【0050】
【
図29】本発明の一実施形態による、主ヒンジ内のフレキシブル回路基板上で使用され得るトレースの例を示す図である。
【0051】
【
図30】本発明の一実施形態による、主ヒンジに使用され得る層を示す図である。
【0052】
【
図31】本発明の一実施形態による、リーフ内の基板に主ヒンジ用のフレキシブル回路基板を取り付ける際に使用され得るコネクタを示す図である。
【0053】
【0054】
【
図33A】本発明の一実施形態による無線充電器を示す図である。
【
図33B】本発明の一実施形態による無線充電器を示す図である。
【0055】
【0056】
【0057】
【
図36A】本発明の一実施形態による無線充電器を示す図である。
【
図36B】本発明の一実施形態による無線充電器を示す図である。
【0058】
【0059】
【
図38】いくつかの実施形態による、磁気整列システムを組み込む無線充電システムの簡略図である。
【0060】
【
図39A】いくつかの実施形態による磁気整列システムの斜視図である。
【0061】
【
図40A】いくつかの実施形態による磁気整列システムの斜視図である。
【0062】
【
図41】いくつかの実施形態による二次整列構成要素の簡略上面図である。
【0063】
【
図42A】いくつかの実施形態による磁気整列システムの斜視図である。
【
図42C】いくつかの実施形態による径方向の磁気配向を有する弓状磁石の例を示す図である。
【
図42D】いくつかの実施形態による径方向の磁気配向を有する弓状磁石の例を示す図である。
【
図42E】いくつかの実施形態による径方向の磁気配向を有する弓状磁石の例を示す図である。
【0064】
【
図43A】いくつかの実施形態による、異なる磁気整列システムについての力プロファイルのグラフである。
【
図43B】いくつかの実施形態による、異なる磁気整列システムについての力プロファイルのグラフである。
【0065】
【
図44】いくつかの実施形態による二次整列構成要素の簡略上面図である。
【0066】
【
図45A】いくつかの実施形態による磁気整列システムの斜視図である。
【0067】
【
図46A】様々な実施形態による二次整列構成要素の簡略上面図である。
【
図46B】様々な実施形態による二次整列構成要素の簡略上面図である。
【0068】
【
図47】いくつかの実施形態による二次整列構成要素の簡略上面図である。
【0069】
【
図48A】本発明の一実施形態による可動磁石を示す図である。
【
図48B】本発明の一実施形態による可動磁石を示す図である。
【
図48C】本発明の一実施形態による可動磁石を示す図である。
【0070】
【
図49A】本発明の一実施形態による可動磁気構造を示す図である。
【
図49B】本発明の一実施形態による可動磁気構造を示す図である。
【0071】
【
図50A】本発明の一実施形態による可動磁気構造を示す図である。
【
図50B】本発明の一実施形態による可動磁気構造を示す図である。
【0072】
【
図51】本発明の一実施形態による可動磁気構造を示す図である。
【
図52】本発明の一実施形態による可動磁気構造を示す図である。
【
図53】本発明の一実施形態による可動磁気構造を示す図である。
【0073】
【
図54】第1の電子デバイス内の第1の磁石と第2の電子デバイス内の第2の磁石との間の垂直抗力を示す図である。
【0074】
【
図55】第1の電子デバイス内の第1の磁石と第2の電子デバイス内の第2の磁石との間のせん断力を示す図である。
【0075】
【
図56】いくつかの実施形態による、NFCタグ回路を組み込む無線充電器デバイスの分解図である。
【0076】
【
図57】いくつかの実施形態による無線充電器デバイスの部分断面図である。
【0077】
【
図58】いくつかの実施形態による、ポータブル電子デバイスで実施され得るプロセスのフロー図である。
【0078】
【0079】
【
図60A】本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す図である。
【
図60B】本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す図である。
【0080】
【
図61】本発明の一実施形態によるパックヒンジの構成要素を示す図である。
【0081】
【
図62】本発明の一実施形態による、ヒンジを充電パックに取り付けるために使用され得るステムを示す図である。
【0082】
【
図63】本発明の一実施形態による主ヒンジの一部分を示す図である。
【0083】
【
図64】本発明の一実施形態による、主ヒンジ内のフレキシブル回路基板上にトレースを形成するために使用され得る金属化パターンの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
図1は、本発明の一実施形態による無線充電器を示す。この図は、他の含まれる図と同様に、説明のために示されており、本発明の可能な実施形態又は特許請求の範囲のいずれも限定しない。
【0085】
無線充電器100は、第1のリーフ110及び第2のリーフ120を含むことができる。第1のリーフ110及び第2のリーフ120は、主ヒンジ130によって接合され得る。第1のリーフ110は、上面116及び下面118を含むことができる。第1のリーフ110は、接触面112を更に含むことができる。第2のリーフ120は、本明細書では下方位置に示されており第2のリーフ120の空洞124内に位置する充電パック140を含むことができる。第2のリーフ120は、上面126及び下面128を含むことができる。
【0086】
本発明の実施形態は、1つ以上の電子デバイスに適切に整列し1つ以上の電子デバイスを確実に保持することができる無線充電器を提供することができる。したがって、第1のリーフ110は、第1の電子デバイス(図示せず)内の充電回路を第1のリーフ110内の充電回路に整列させるための1つ以上の整列機構を含むことができる。第1のリーフ110は、第1の電子デバイスを第1のリーフ110に取り付けるための1つ以上の取り付け機構を更に含むことができる。更に、第2のリーフ120は、第2の電子デバイス(図示せず)内の充電回路を第2のリーフ120の充電パック140内の充電回路に整列させるための1つ以上の整列機構を含むことができる。第2のリーフ120は、第2の電子デバイスを第2のリーフ120に取り付けるための1つ以上の取り付け機構を更に含むことができる。これらの様々な整列機構及び取り付け機構の例が、以下に示されている。
【0087】
本発明の実施形態は、一度に2つ以上の電子デバイスを更に充電することができる。したがって、無線充電器100は、第1の電子デバイスを充電するための第1のリーフ110と、第2の電子デバイスを充電するための充電パック140を有する第2のリーフ120と、を含むことができる。この例では、第1のリーフ110は、電話を充電するように構成され得、第2のリーフ120及び充電パック140は、腕時計又は他のウェアラブルコンピューティングデバイスを充電するように構成され得る。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、第1のリーフ110及び第2のリーフ120は、同じタイプのデバイスを充電するように構成され得る。例えば、第1のリーフ110及び第2のリーフ120の両方は、電話を充電するように構成され得る。代替的に、第1のリーフ110及び第2のリーフ120の両方は、腕時計又は他のウェアラブルコンピューティングデバイスを充電するように構成され得る。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、無線充電器は、3つ以上のリーフを含むことができ、各リーフは、同じ又は異なるタイプの電子デバイスを充電するように構成されている。
【0088】
本発明の実施形態は、コンパクトな形状に折り畳み可能である無線充電器を更に提供することができる。この例では、主ヒンジ130は、第1のリーフ110の上面116が第2のリーフ120の上面126に隣接するように、無線充電器100が閉鎖されることを可能にする。主ヒンジ130は、第1のリーフ110の下面118が第2のリーフ120の下面128に隣接するように、無線充電器100が閉鎖されることを更に可能にする。
【0089】
充電パック140は、パックヒンジ150を介して第2のリーフ120に取り付けられ得る。パックヒンジ150は、充電パック140が図示されているような閉鎖又は下方位置から開放又は上方位置へ移動することを可能にする。開放又は上方位置では、充電パック140は、第2のリーフ120の上面126に対して直角又は略直角であることができる。
【0090】
主ヒンジ130及びパックヒンジ150は、充電時に大きな可撓性を有する無線充電器100を提供することができる。例えば、主ヒンジ130は、第1のリーフ110の下面118が第2のリーフ120の下面に隣接することを可能にする。この構成では、第1のリーフ110は、第1の電子デバイスを充電するために使用され得、第2のリーフ120は、第2のデバイスを充電するために使用され得る。例えば、無線充電器100の第1のリーフ110の接触面112は、第1の電子デバイスの裏側上に配置され得、第1の電子デバイスは電話である。第2のリーフ120の充電パック140は、第2の電子デバイスを充電するために使用され得る。充電パック140は、第2の電子デバイスの特定の特性、及び任意のユーザの嗜好に応じて、上方位置又は下方位置にあることができる。
【0091】
図2は、
図1の無線充電器の下面図である。無線充電器100は、第1のリーフ110及び第2のリーフ120を含むことができる。第1のリーフ110及び第2のリーフ120は、主ヒンジ130によって接合され得る。第1のリーフ110は、下面118を含むことができ、第2のリーフ120は下面128を含むことができる。
【0092】
充電パック140は、第2のリーフ120内の空洞124内に位置し得る。充電パック140は、パックヒンジ150によって第2のリーフ120に取り付けられ得る。パックヒンジ150は、充電パック140が第2のリーフ120に対して上方位置へ回転することを可能にすることができ、これは、腕時計又は他のウェアラブルコンピューティングデバイスなどの電子デバイスを充電するのにより好適であり得る。充電パック140の回転を容易にするために、充電パック140の裏側を、第2のリーフ120の下面128で利用可能であることができる。これは、充電パック140を開放又は上方位置へ移動させるために力が充電パック140に適用されることを可能にする。
【0093】
図3は、
図1の無線充電器の分解図である。無線充電器100は、第1の電子デバイスを充電するための第1のリーフ110と、第2の電子デバイスを充電するための第2のリーフ120と、を含むことができる。第1のリーフ110は、主ヒンジ130によって第2のリーフ120に接合され得る。
【0094】
第1のリーフ110は、第1の電子デバイスを第1のリーフ110に整列させるための1つ以上の整列機構を含むことができる。具体的には、第1のリーフ110は環状磁石アレイ320を含むことができる。磁石アレイ320は、第1の電子デバイスが第1のリーフ110に近接するとき、第1の電子デバイス(図示せず)内の対応する磁石アレイ(図示せず)を引き付けることができる。磁石アレイ320は、第1の電子デバイスを第1のリーフ110に取り付けるための取り付けデバイスとして更に機能することができる。接触面112はまた、取り付けデバイスとして機能することができる。具体的には、接触面112は、電話(例えば)の裏側を第1のリーフ110に保持する高摩擦又は高静止摩擦(stiction)材料から形成され得る。接触面112の高摩擦又は高静止摩擦面は、第1の電子デバイスを第1のリーフ110から取り外すために必要なせん断力を増加させることができる。加えて又は代わりに、接触面112は、接着剤を使用して形成され得る。接着剤を使用することにより、第1の電子デバイスを第1のリーフ110から取り外すために必要な垂直抗力を増加させることができる。
【0095】
整列されると、第1のリーフ110は、コイル330を使用して第1の電子デバイスに充電を行うことができる。磁石アレイ320は、コイル330を後に及び周方向に取り囲むことができる。電力はコネクタ300で受け取られ得る。コネクタ300は、ライトニングコネクタ、USBタイプCコネクタ、又は他のタイプのコネクタであり得る。この電力は、基板410を介して制御回路310に供給され得る。制御回路310は、コイル330内に交流を生成することができる。これらの交流は、第1の電子デバイス内の対応するコイル(図示せず)に結合する時間変化磁束を生成することができる。第1の電子デバイスは、これらの誘導電流を使用して、第1の電子デバイス内のバッテリを充電することができる。コイル330及び磁石アレイ320は、第1の下部エンクロージャ350によって支持され得る。
【0096】
第2のリーフ120は、第2の電子デバイスを第2のリーフ120に整列させるための1つ以上の整列機構を含むことができる。具体的には、第2のリーフ120は磁石420を含むことができる。磁石420は、第2の電子デバイスが充電パック140に近接するとき、第2の電子デバイス(図示せず)内の対応する磁石(図示せず)を引き付けることができる。磁石420は、第2の電子デバイスを充電パック140に取り付けるための取り付けデバイスとして更に機能することができる。
【0097】
整列されると、充電パック140は、コイル430を使用して第2の電子デバイスに充電を行うことができる。コイル430は、磁石420を横方向及び周方向に取り囲むことができる。コネクタ300で受け取られた電力は、基板410によって、充電パック140内の制御回路412に供給され得る。制御回路412は、コイル430内に交流を生成することができる。これらの交流は、第2の電子デバイス内の対応するコイル(図示せず)に結合する時間変化磁束を生成することができる。第2の電子デバイスは、これらの誘導電流を使用してバッテリ及び第2の電子デバイスを充電することができる。コイル430、磁石420及び制御回路412は、充電パックエンクロージャ440内に支持され得る。第2のリーフ120は、第2の下部エンクロージャ450によって支持され得る。パックヒンジ150は、充電パックエンクロージャ440を第2の下部エンクロージャ450に取り付けることができる。基板410は、ケーブル414(
図4に示されている)を介して制御回路412と通信することができる。基板410は、フレキシブル回路基板132を介して制御回路310と通信することができる。
【0098】
無線充電器100は、上層510及び下層550を更に含むことができる。これらの層は、天然又は人工の層であることができ、触れたくなるような表面を有することができる。第1の上部エンクロージャ530及び第2の上部エンクロージャ532は、スペーサ520によって上層510に接合され得る。フレキシブル回路基板132及び主ヒンジ130は、保護層560及び保護層562によって保護され得る。歪み解放ブラケット564は、主ヒンジ130が折り畳まれる際に生じ得る歪みからフレキシブル回路基板132を保護するのに更に役立ち得る。無線充電器100は磁石540を更に含むことができる。磁石540は、無線充電器100が第1の方向に折り畳まれたとき、第1のリーフ110の上面116を第2のリーフ120の上面126に固定するように配置され得る。磁石540は、無線充電器100が第2の方向に折り畳まれたとき、第1のリーフ110の下面118を第2のリーフ120の下面128に固定するように配置され得る。
【0099】
これらの無線充電器の部分は、様々な材料から形成され得る。接触面112及び他の高摩擦表面は、エラストマー、プラスチック、PVCプラスチック、ゴム、シリコンゴム、ウレタン、ポリウレタン、ニトリル、ネオプレン、シリコーン、又は他の材料から形成され得る。接触面112は、二段成形プロセスを使用して形成され得る。例えば、接触面112は、より軟らかいシリコーン層によって覆われたポリカーボネート層から形成され得る。充電パックエンクロージャ440、パックヒンジ150、第1の下部エンクロージャ350、第2の下部エンクロージャ450、及び他の部分は、アルミニウム、ステンレス鋼、又は他の材料から形成され得る。これらの構造及び他の構造は、深絞りプロセス又は他の技術を使用して、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工、金属射出成形、打ち抜き、鍛造によって形成され得る。上層510及び下層550は、皮革又は他の天然材料又は人工材料から形成され得る。
【0100】
図4は、
図1の無線充電器で使用され得る電子回路のレイアウトを示す。無線充電器100は、第1のリーフ110及び第2のリーフ120を含むことができる。第1のリーフ110及び第2のリーフ120は、主ヒンジ130によって接合され得る。電力は、無線充電器100によってコネクタ300で受け取られ得る。コネクタ300は、ライトニング、USBタイプC、又は他のタイプのコネクタであり得る。コネクタ300で受け取られた電力は、基板410によって使用されて、ケーブル414を介して充電パック140内の制御回路412に電力を供給することができる。同様に、充電パック140は、パックヒンジ150で第2のリーフ120に取り付けられ得る。基板410からの電力は、主ヒンジ130内のフレキシブル回路基板132を介して制御回路310に供給され得る。
【0101】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、コネクタ300は、無線充電器100の他の部分上に位置してもよい。加えて、コネクタ300は省略され得、繋留ケーブルが、無線充電器100内のこれらの回路若しくは構成要素又は他の回路若しくは構成要素のうちの1つに直接接続され得る。例が次の図に示されている。
【0102】
図5A及び
図5Bは、本発明の一実施形態による無線充電器を示す。この例では、無線充電器101は、(
図1に示されている)無線充電器100と同様であり得る。無線充電器101は、第1のリーフ110及び第2のリーフ120を含むことができる。第1のリーフ110は、主ヒンジ130によって第2のリーフ120に接合され得る。ケーブル580は、主ヒンジ130に直接接続する繋留ケーブルであることができる。
図5Bに示されているように、無線充電器101によってケーブル580上で受け取られた電力は、基板410によって受け取られ得る。基板410は、フレキシブル回路基板132を介して制御回路310に電力を供給することができる。
【0103】
図6A及び
図6Bは、本発明の一実施形態による無線充電器を示す。この例では、無線充電器102は、(
図1に示されている)無線充電器100と同様であり得る。無線充電器102は、ケーブル580を介して電力を受け取ることができる。ケーブル580は、無線充電器102の第1のリーフ110内のコネクタ301に繋がれている繋留ケーブルであってもよい。電力は、ケーブル580を介して基板312によって受け取られ得る。基板312は、制御回路310に電力を供給することができる。基板312は、主ヒンジ130内のフレキシブル回路基板132を介して、第2のリーフ120内の基板410に電力を更に供給することができる。
【0104】
図7A及び
図7Bは、本発明の一実施形態による無線充電器を示す。この例では、無線充電器103は、(
図1に示されている)無線充電器100と同様であり得る。この例では、コネクタ300は、無線充電器103の第1のリーフ110内に位置することができる。コネクタ300で受け取られた電力は、基板312に供給され得る。基板312は、第1のリーフ110内の制御回路310に電力を供給することができる。基板312は、フレキシブル回路基板132及び主ヒンジ130を介して、第2のリーフ120内の基板410に電力を更に供給することができる。
【0105】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、データは、電力と同じ又は同様の方法で流れることができる。例えば、データは、第1のリーフ110内のコイル330を介して第1の電子デバイスに供給され得る。データはまた、第2のリーフ120内のコイル430を介して第2の電子デバイスに供給され得る。同様に、データは、第1の電子デバイスから第1のリーフ110内のコイル330を介して受け取られ得る。データはまた、第2の電子デバイスからコイル430及び第2のリーフ120を介して受け取られ得る。
【0106】
上述の例では、充電パック140は、パックヒンジ150によって第2の下部エンクロージャ450に取り付けられ得る。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、他のパックヒンジが使用されてもよい。例が次の図に示されている。
【0107】
図8A及び
図8Bは、
図1の無線充電器の一部分の破断図である。第2のリーフ120は、パックヒンジ150を介して第2のリーフ120に取り付けられた充電パック140を含むことができる。充電パック140は、上面142、磁石420、及びコイル430を含むことができる。磁石420及びコイル430は、充電パックエンクロージャ440内に収容され得る。パックヒンジ150は、第2の下部エンクロージャ450に取り付けられ得るシャフト852に取り付けられ得る。図示の閉鎖位置では、パックヒンジ150の表面154は、ストップ853上に載置することができる。これは、充電パック140が下方位置にかつ空洞124内にあるとき、充電パック140の上面842と第2のリーフ120の上面126との間の適切な整列を提供することができる。この位置では、無線充電器100は閉鎖されている。パックヒンジ150は、パックヒンジ150の表面855がストップ856に遭遇するまで、シャフト852を中心に回転することができる。この時点で、充電パック140は、上方位置にかつ空洞124外にあることができる。この位置では、無線充電器100は開放している。充電パック140は、第2のリーフ120の上面126に対して略直角であり得る。例えば、充電パック140は、第2のリーフ120の上面126に対して85~90度の角度であり得る。例えば、充電パック140は、第2のリーフ120の上面126に対して87度の角度であり得る。代わりに、充電パック140は、充電パック140が上方位置にあるとき、第2のリーフ120の上面126に対して89度の角度であり得る。
【0108】
この構成では、ストップ853は、無線充電器100が閉鎖されているとき、パックヒンジ150の表面854に遭遇することができる。これは、充電パック140の上面142を第2のリーフ120の上面126に整列させることができる。加えて、ストップ856は、無線充電器100が開放しているとき、パックヒンジ150上の表面855に遭遇することができる。ストップ853及びストップ856は、組付け中に第2のリーフ120のエンクロージャ部分に取り付けられ得る。これは、開放又は閉鎖時に充電パック140が第2のリーフ120内に正しく位置決めされるように、ストップ853及びストップ856が正確に位置決めされることを可能にする。
【0109】
図9A及び
図9Bは、本発明の一実施形態による無線充電器の一部分の破断図を示す。無線充電器104は、パックヒンジにいくつかの変更を伴って、無線充電器100(
図1に示されている)と同じ又は同様であり得る。充電パック140は、第2のリーフ120内の充電パックエンクロージャ440内の磁石420及びコイル430を含むことができる。充電パックエンクロージャ440は、パックヒンジ950を介して第2の下部エンクロージャ450(
図3に示されている)に取り付けられ得る。パックヒンジ950は、軸952を中心として回転することができる。閉鎖位置では、ストップ953は、パックヒンジ950の表面954に遭遇することができる。開放状態では、ストップ956は、パックヒンジ950の表面955に遭遇することができる。様々な磁石(図示せず)が、開放状態、閉鎖状態、又は両方で充電パック140を固定するために使用され得る。
【0110】
図10A及び
図10Bは、本発明の一実施形態による無線充電器の一部分の破断図を示す。無線充電器105は、パックヒンジにいくつかの変更を伴って、無線充電器100(
図1に示されている)と同じ又は同様であり得る。充電パック140は、充電パックエンクロージャ440内に磁石420及びコイル430を含むことができる。パックヒンジ150は、無線充電器105の上面126を形成する柔軟な材料から形成され得る。したがって、ヒンジ1050は折り畳み可能であり、充電パック140が下方位置から上方位置へ移動するのを可能にすることができる。様々な磁石(図示せず)が、開放状態、閉鎖状態、又は両方で充電パック140を固定するために使用され得る。
【0111】
同様に、無線充電器の持ち運びを容易にするために、無線充電器はコンパクトな形状に折り畳み可能であることが望ましい場合がある。このような無線充電器の例が以下の図に示されている。
【0112】
図11は、本発明の一実施形態による無線充電器を示す。無線充電器1100は、第1のリーフ1110及び第2のリーフ1120を含むことができる。第1のリーフ1110は、第1の電子デバイスの充電をサポートすることができ、第2のリーフ1120は、第2の電子デバイスの充電をサポートすることができる。第1のリーフ1110は、主ヒンジ1130を介して第2のリーフ1120に取り付けられ得る。
【0113】
図12は、
図11の無線充電器を示す。無線充電器1100は、(
図1に示されている)無線充電器100と同様であり得る。無線充電器1100は、ケーブル580上で電力を受け取ることができる。無線充電器1100は、第1のリーフ1110及び第2のリーフ1120を含むことができる。第1のリーフ1110及び第2のリーフ1120は、主ヒンジ1130によって接合され得る。第2のリーフ1120は、充電パック1140を含むことができる。充電パック1140は、パックヒンジ1150によって第2のリーフ1120に接続され得る。
【0114】
第1のリーフ1110は、上面1116及び下面1118を含むことができる。第1のリーフ1110は、接触面1112を更に含むことができる。第2のリーフ1120は、本明細書では下方位置に示されており第2のリーフ1120の空洞1124内に位置する充電パック1140を含むことができる。第2のリーフ1120は、上面1126及び下面1128を含むことができる。
【0115】
本発明の実施形態は、1つ以上の電子デバイスに適切に整列し1つ以上の電子デバイスを確実に保持することができる無線充電器を提供することができる。したがって、第1のリーフ1110は、第1の電子デバイス(図示せず)内の充電回路を第1のリーフ1110内の充電回路に整列させるための1つ以上の整列機構を含むことができる。第1のリーフ1110は、第1の電子デバイスを第1のリーフ1110に取り付けるための1つ以上の取り付け機構を更に含むことができる。更に、第2のリーフ1120は、第2の電子デバイス(図示せず)内の充電回路を第2のリーフ1120の充電パック1140内の充電回路に整列させるための1つ以上の整列機構を含むことができる。第2のリーフ1120は、第2の電子デバイスを第2のリーフ1120に取り付けるための1つ以上の取り付け機構を更に含むことができる。これらの様々な整列機構及び取り付け機構の例が以下に示されている。
【0116】
本発明の実施形態は、一度に2つ以上の電子デバイスを更に充電することができる。したがって、無線充電器1100は、第1の電子デバイスを充電するための第1のリーフ1110と、第2の電子デバイスを充電するための充電パック1140を有する第2のリーフ1120と、を含むことができる。この例では、第1のリーフ1110は、電話を充電するように構成され得、第2のリーフ1120及び充電パック1140は、腕時計又は他のウェアラブルコンピューティングデバイスを充電するように構成され得る。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、第1のリーフ1110及び第2のリーフ1120は、同じタイプのデバイスを充電するように構成され得る。例えば、第1のリーフ1110及び第2のリーフ1120の両方は、電話を充電するように構成され得る。代替的に、第1のリーフ1110及び第2のリーフ1120の両方は、腕時計又は他のウェアラブルコンピューティングデバイスを充電するように構成され得る。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、無線充電器は、3つ以上のリーフを含むことができ、各リーフは、同じ又は異なるタイプの電子デバイスを充電するように構成されている。
【0117】
本発明の実施形態は、コンパクトな形状に折り畳み可能である無線充電器を更に提供することができる。この例では、主ヒンジ1130は、第1のリーフ1110の上面1116が第2のリーフ1120の上面1126に隣接するように、無線充電器1100が閉鎖されることを可能にする。主ヒンジ1130は、第1のリーフ1110の下面1118が第2のリーフ1120の下面1128に隣接するように、無線充電器1100が閉鎖されることを更に可能にする。
【0118】
充電パック1140は、パックヒンジ1150を介して第2のリーフ1120に取り付けられ得る。パックヒンジ1150は、充電パック1140が図示されているような閉鎖又は下方位置から開放又は上方位置へ移動することを可能にする。開放又は上方位置では、充電パック1140は、第2のリーフ1120の上面1126に対して直角又は略直角であることができる。
【0119】
図13は、
図11の無線充電器の分解図である。無線充電器1100は、第1の電子デバイスを充電するための第1のリーフ1110と、第2の電子デバイスを充電するための第2のリーフ1120と、を含むことができる。第1のリーフ1110は、主ヒンジ1130によって第2のリーフ1120に接合され得る。
【0120】
第1のリーフ1110は、第1の電子デバイスを第1のリーフ1110に整列させるための1つ以上の整列機構を含むことができる。具体的には、第1のリーフ1110は環状磁石アレイ1320を含むことができる。磁石アレイ1320は、第1の電子デバイスが第1のリーフ1110に近接するとき、第1の電子デバイス(図示せず)内の対応する磁石アレイ(図示せず)を引き付けることができる。磁石アレイ1320は、第1の電子デバイスを第1のリーフ1110に取り付けるための取り付けデバイスとして更に機能することができる。接触面1112はまた、取り付けデバイスとして機能することができる。具体的には、接触面1112は、電話(例えば)の裏側を第1のリーフ1110に保持する高摩擦又は高静止摩擦材料から形成され得る。接触面1112の高摩擦又は高静止摩擦面は、第1の電子デバイスを第1のリーフ1110から取り外すために必要なせん断力を増加させることができる。加えて又は代わりに、接触面1112は、接着剤を使用して形成され得る。接着剤を使用することにより、第1の電子デバイスを第1のリーフ1110から取り外すために必要な垂直抗力を増加させることができる。
【0121】
整列されると、第1のリーフ1110は、コイル1330を使用して第1の電子デバイスに充電を行うことができる。磁石アレイ1320は、コイル1330を後に及び周方向に取り囲むことができる。電力はコネクタ1300で受け取られ得る。コネクタ1300は、ライトニング、USBタイプC、又は他のタイプのコネクタであり得る。この電力は、基板1410を介して制御回路1310に供給され得る。制御回路1310は、コイル1330内に交流を生成することができる。これらの交流は、第1の電子デバイス内の対応するコイル(図示せず)に結合する時間変化磁束を生成することができる。第1の電子デバイスは、これらの誘導電流を使用して、第1の電子デバイス内のバッテリを充電することができる。コイル1330及び磁石アレイ1320は、コイルエンクロージャ1390及び第1の下部エンクロージャ1350によって支持され得る。
【0122】
第2のリーフ1120は、第2の電子デバイスを第2のリーフ1120に整列させるための1つ以上の整列機構を含むことができる。具体的には、第2のリーフ1120は、充電パック1140内に磁石1420を含むことができる。充電パック1140は、上面1142によって覆われてもよい。磁石1420は、第2の電子デバイスが充電パック1140に近接するとき、第2の電子デバイス(図示せず)内の対応する磁石(図示せず)を引き付けることができる。磁石1420は、第2の電子デバイスを充電パック1140に取り付けるための取り付けデバイスとして更に機能することができる。
【0123】
整列されると、充電パック1140は、コイル1430を使用して第2の電子デバイスに充電を行うことができる。コイル1430は、磁石1420を横方向及び周方向に取り囲むことができる。コネクタ1300で受け取られた電力は、基板1410によって、充電パック1140内の制御回路1412に供給され得る。制御回路1412は、コイル1430内に交流を生成することができる。これらの交流は、第2の電子デバイス内の対応するコイル(図示せず)に結合する時間変化磁束を生成することができる。第2の電子デバイスは、これらの誘導電流を使用してバッテリ及び第2の電子デバイスを充電することができる。コイル1430、磁石1420、及び制御回路1412は、パックエンクロージャ1440内に支持され得る。第2のリーフ1120は、第2の下部エンクロージャ1450によって支持され得る。パックヒンジ1150は、パックエンクロージャ1440を第2の下部エンクロージャ1450に取り付けることができる。基板1410は、フレキシブル回路基板1132を介して制御回路1310と通信することができる。
【0124】
無線充電器1100は、上層1560及び下層1550を更に含むことができる。これらの層は、天然又は人工の層であることができ、触れたくなるような表面を有することができる。従順性層1570が、上層1560と上部エンクロージャ1580との間にあってもよい。スペーサ1590を上部エンクロージャ1580の下に配置され得る。フレキシブル回路基板1132及び主ヒンジ1130が含まれ得る。従順性層1352は、下層1550と第1の下部エンクロージャ1350との間に配置され得、従順性層1452は、下層1550と第2の下部エンクロージャ1450との間に配置され得る。無線充電器1100は、無線充電器1100が第1の方向に折り畳まれたとき、第1のリーフ1110の上面1116を第2のリーフ1120の上面1126に固定するように配置され得る磁石(図示せず)を更に含むことができる。これらの磁石は、無線充電器1100が第2の方向に折り畳まれたとき、第1のリーフ1110の下面1118を第2のリーフ1120の下面1128に固定するように配置され得る。
【0125】
これらの無線充電器の部分は、様々な材料から形成され得る。接触面1112及び他の高摩擦表面は、エラストマー、プラスチック、PVCプラスチック、ゴム、シリコンゴム、ウレタン、ポリウレタン、ニトリル、ネオプレン、シリコーン、又は他の材料から形成され得る。接触面1112は、二段成形プロセスを使用して形成され得る。例えば、接触面1112は、より軟らかいシリコーン層によって覆われたポリカーボネート層から形成され得る。充電パックエンクロージャ1440、パックヒンジ1150、第1の下部エンクロージャ1350、第2の下部エンクロージャ1450、及び他の部分は、アルミニウム、ステンレス鋼、又は他の材料から形成され得る。これらの構造及び他の構造は、深絞りプロセス又は他の技術を使用して、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工、金属射出成形、打ち抜き、鍛造によって形成され得る。上層510及び下層550は、皮革又は他の天然材料又は人工材料から形成され得る。代わりに、第1の下部エンクロージャ1350及び第2の下部エンクロージャ1450は、プラスチック又は他の材料であってもよい。
【0126】
図14は、
図11の無線充電器で使用され得る回路を示す。無線充電器1100は、第1のリーフ1110及び第2のリーフ1120を含むことができる。電力は、無線充電器1100によってコネクタ1300で受け取られ得る。コネクタ1300は、ライトニング、USBタイプC、又は他のコネクタレセプタクルであり得る。基板1410は、この電力を受け取り、充電パック1140内の制御回路1412(
図13に示されている)に電力を供給することができる。基板1410は、フレキシブル回路基板1132を介して第1のリーフ1110内の制御回路1312に電力を供給することができる。データは、無線充電器1100のコネクタ1300で受け取られ得る。このデータは、基板1410によって受け取られ得、充電パック1140内の制御回路1144に供給され得る。充電パック1140は、コイル1430を使用して、第2の電子デバイスにデータを供給することができる。代替的に、基板1410は、主ヒンジ1130内のフレキシブル回路基板1132を介して制御回路1312にデータを供給することができる。制御回路1312は、コイル1330を使用して、第1の電子デバイスにデータを供給することができる。データは同様に、制御回路1312及び制御回路1412(
図13に示されている)によって受け取られてもよく、無線充電器1100によって使用されてもよく、又はコネクタ1300を介して外部デバイスに供給されてもよい。充電パック1140は、パックヒンジ1150によって第2のリーフ1120に取り付けられ得る。
【0127】
図15A及び
図15Bは、本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す。パックヒンジ1510は、
図12のパックヒンジ1150として、又は本発明の他の実施形態でのパックヒンジとして使用され得る。無線充電器1100は、充電パック1140を支持する第2のリーフ1120を含むことができる。充電パック1140は、パックヒンジ1510によって第2のリーフ1120に接続され得る。第2のリーフ1120は上面1126を含むことができ、充電パック1140は上面1142を含むことができる。パックヒンジ1510は、回転可能シャフト1520を含むことができる。
図15Aでは、無線充電器1100は閉鎖され得、充電パック1140は、下方位置にあることができる。パックヒンジ1610の表面1523は、ストップ1522に隣接し得る。この位置では、第2のリーフ1120の上面1126は、充電パック1140の上面1142と平行であってもよく、又は上面1142と整列されてもよい。
図15Bでは、充電パック1140は上方位置へ回転され得、無線充電器1100は開放され得る。この位置では、表面1525は、第2のリーフ1120のストップ1524に隣接し得る。この位置では、充電パック1140の上面1142は、第2のリーフ1120の上面1126に対して略直交又は垂直であり得る。例えば、上面1142は、上面1126に対して85度~89度の角度であり得る。上面1142は、上面1126に対して89度の角度であり得る。
【0128】
図16A及び
図16Bは、本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す。パックヒンジ1610は、
図12のパックヒンジ1150として、又は本発明の他の実施形態でのパックヒンジとして使用され得る。無線充電器1100は、充電パック1140を支持する第2のリーフ1120を含むことができる。充電パック1140は、パックヒンジ1610によって第2のリーフ1120に接続され得る。第2のリーフ1120は上面1126を含むことができ、充電パック1140は上面1142を含むことができる。パックヒンジ1610は、回転可能シャフト1620を含むことができる。
図16Aでは、無線充電器1100が閉鎖され得、充電パック1140は、下方位置にあることができる。パックヒンジ1610の表面1612は、第2の下部エンクロージャ1450に隣接し得る。この位置では、第2のリーフ1120の上面1126は、充電パック1140の上面1142と平行であってもよく、又は上面1142と整列されてもよい。
図16Bでは、充電パック1140は上方位置へ回転され得、無線充電器1100は開放され得る。この位置では、表面1622は、第2のリーフ1120の表面1624に隣接し得る。この位置では、充電パック1140の上面1142は、第2のリーフ1120の上面1126に対して略直交又は垂直であり得る。例えば、上面1142は、上面1126に対して85度~89度の角度であり得る。上面1142は、上面1126に対して89度の角度であり得る。
【0129】
図17A及び
図17Bは、本発明の一実施形態による別のパックヒンジを示す。このパックヒンジ1710は、
図12のパックヒンジ1150として、又は本発明の他の実施形態でのパックヒンジとして使用され得る。パックヒンジ1710は、充電パック1140を第2のリーフ1120に接続することができる。パックヒンジ1710は、ブロック1730によって支持されたシャフト1720を含むことができる。ブロック1730は、締結具1732を使用して、第2の下部エンクロージャ1450(
図13に示されている)又は他の適切な構造に締結され得る。ワイヤ1750は、充電パック1140内の回路及び他の構成要素に電気的に接続され得る。
【0130】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、
図12のパックヒンジ1150又はパックヒンジ1710などのパックヒンジが、移動に対する抵抗を提供することが望ましい場合がある。移動に対するこの抵抗は、充電パック1140が第2の電子デバイスを充電しているとき、第2のリーフ1120に対する充電パック1140の位置を維持するのに役立ち得る。したがって、締結具1740は、シャフト1720に適用される張力又は圧力の量を調節するために使用され得る。締結具1740によって適用されるシャフト1720上の圧力を増加させることにより、第2のリーフ1120に対する充電パック1140の移動に対する抵抗を増加させることができる。
【0131】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、
図12のパックヒンジ1150又はパックヒンジ1710などのパックヒンジが、第2のリーフ1120に増加した物理的間隙を提供することが更に望ましい場合がある。この追加の物理的間隙を提供することができるパックヒンジの例が、以下の図に示されている。
【0132】
図18A及び
図18Bは、本発明の一実施形態による別のパックヒンジを示す。パックヒンジ1810は、
図12のパックヒンジ1150として、又は本発明の他の実施形態でのパックヒンジとして使用され得る。パックヒンジ1180は、充電パック1140を第2のリーフ1120に接続することができる。パックヒンジ1810は、第1のシャフト1820を含むことができる。第1のシャフト1820は、第2のシャフト1830のギヤ1832を駆動することができるギヤ1822を含むことができる。第2のシャフト1830は、ギヤ1834を含むことができる。ギヤ1834は、ラック1840と噛合して、第1のシャフト1820及び第2のシャフト1830の横方向の移動を提供することができる。
【0133】
この構成では、パックヒンジ1810の回転軸は、ラック1840に沿って横方向に移動することができる。結果として、充電パック1140は、下方位置から上方位置へ回転することができ、第2のリーフ1120の上面1126により大きな間隙を有することができる。これは、充電のために第2のリーフ1120上に第2の電子デバイスを配置することを容易にすることができる。
【0134】
同様に、本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、
図12のパックヒンジ1150又はパックヒンジ1710などのパックヒンジが、移動に対する抵抗を提供することが望ましい場合がある。移動に対するこの抵抗は、充電パック1140が第2の電子デバイスを充電しているとき、第2のリーフ1120に対する充電パック1140の位置を維持するのに役立ち得る。したがって、本発明の実施形態は、摩擦クリップなどの構造を使用して、この移動に対する抵抗を提供することができる。この抵抗は対称であることができる、すなわち、抵抗は、充電パック1140の上方移動の場合と、充電パック1140の下方移動の場合とで同じであることができる。本発明の他の実施形態では、下方移動に対する抵抗は、上方移動に対する抵抗よりも増加され得る。これは、無線充電器1100が使用のために容易に開放されることを可能にしつつ、充電中に第2のデバイスを定位置に保持することができるパックヒンジ1150を提供することができる。例が次の図に示されている。
【0135】
図19A及び
図19Bは、本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す。この例では、充電パック1140をパックヒンジ1910に取り付けられ得る。パックヒンジ1910は、シャフト1920及びばねクリップ1930を含むことができる。ばねクリップ1930は、単一のばねクリップであってもよく、又はブロック1940のスロット1942内に平行に配置されたいくつかのばねクリップから形成されてもよい。ばねクリップ1930は、タブ1932及びアーム1934を含むことができる。タブ1932はスロット1942内に挿入され得、アーム1934はシャフト1920を保持することができる。シャフト1920とアーム1934との間の表面における干渉は、第2のリーフ1120(
図12に示されている)に対する充電パック1140の移動に対する抵抗を提供することができる。アーム1934は、充電パック1140の上方及び下方運動に対する非対称抵抗を提供するために異なる幅を有することができ、又は、アーム1934は、充電パック1140の上方及び下方運動に対する対称抵抗を提供することができる。
【0136】
図20A及び
図20Bは、本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す。この例では、ヒンジ2010はシャフト2020を含むことができる。シャフト2020は、ばねクリップ2030によって定位置に保持され得、ばねクリップ2030は、ばねクリップ1930(
図19Bに示されている)と同じ又は同様であることができる。ばねクリップ2030は、ヒンジ2010のブロック2040のスロット2042内に位置することができるタブ2032を含むことができる。シャフト2020は、充電パック1140の上方運動と下方運動との間の差動抵抗を提供するために、カム加工されてもよく又は非円筒形であってもよい。アーム2034は、充電パック1140の上方及び下方運動に対する非対称抵抗を提供するために異なる幅を有してもよく、又はアーム2034は、充電パック1140の上方及び下方運動に対する対称抵抗を提供するために同等であってもよい。
【0137】
図21A及び
図21Bは、本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す。この例では、パックヒンジ2110は、充電パック1140の移動を提供することができる。この例では、パックヒンジ2110のシャフト2120は、ブロック2140によって支持され得る。シャフト2120は、上方位置と下方位置との間で回転することができる。磁石2152及び2154は、充電パック1140が下方位置にあるとき、充電パック1140を定位置に固定するために、互いに引き付けるように配置され得る。磁石2154及び磁石2156は、充電パック1140が上方位置にあるとき、充電パック1140を定位置に固定するために、互いに引き付けることができる。これらの磁石間の磁場は、充電パック1140の移動に対する抵抗を提供することができる。磁石2152及び磁石2156は、充電パック1140の移動に対する抵抗を提供及び調節するようにサイズ決定され得る。下方移動に対する抵抗及び上方移動に対する抵抗は、サイズ決定に応じて対称又は非対称であることができる。
【0138】
図22は、
図21A及び
図21Bのパックヒンジのより詳細な図である。この例では、パックヒンジ2100のシャフト2120は、ブロック2140によって支持され得る。磁石2154はシャフト2120に取り付けられ得、磁石2152はブロック2140に取り付けられ得る。
【0139】
図23は、
図21A及び
図21Bのパックヒンジの下面図である。この例では、パックヒンジ2100のシャフト2120は、ブロック2140によって支持され得る。磁石2154はシャフト2120に取り付けられ得、磁石2152はブロック2140に取り付けられ得る。
【0140】
図12に示されているように、第1のリーフ1110及び第2のリーフ1120は、主ヒンジ1130によって接続され得る。主ヒンジ1130は、無線充電器1100がコンパクトな形状になることを可能にする。例えば、主ヒンジ1130は、第1のリーフ1110の上面1116が、第2のリーフ1120の上面1126に隣接して折り畳まれることを可能にする。同様に、主ヒンジ1130は、第1のリーフ1110の下面1118が第2のリーフ1120の下面1128に隣接して折り畳まれることを可能にする。残念ながら、この折り畳みは、主ヒンジ1130及びその構成要素を摩耗させる可能性がある。例えば、主ヒンジ1130は、フレキシブル回路基板1132を含むことができる。したがって、フレキシブル回路基板1132は、その信頼性を改善させるための機構を含むことができる。例が次の図に示されている。
【0141】
図24は、本発明の一実施形態に主ヒンジで使用され得るフレキシブル回路基板を示す。フレキシブル回路基板1132は、
図14に示されているように基板1410に接続するための第1の端部1134と、
図14に示されているように制御回路1312に接続するための第2の端部1136と、を含むことができる。第1の端部1134は、基板1410上の対応する接点と嵌合するための接点1135を含むことができ、第2の端部1136は、制御回路1312上の対応する接点と嵌合するための接点1137を含むことができる。フレキシブル回路基板1132は、接点1135を接点1137に接続するための多数のトレース1138を含むことができる。
【0142】
図25は、本発明の一実施形態による無線充電器の一部分の側面図を示す。無線充電器1100の主ヒンジ1130は、フレキシブル回路基板1132を含むことができる。フレキシブル回路基板1132は、第1のリーフ1110内の基板1410から第2のリーフ1200内の制御回路1312への経路を提供することができる。
【0143】
耐久性を改善するために、フレキシブル回路基板1132上のトレースは、曲線状、ループ状、又は蛇行形状又はパターンなどの非線形形状を有することができる。これらの蛇行形状又はパターンは、主ヒンジ1130の折り畳み及び展開の際の伸張及び圧縮に対してより弾性がある。例が次の図に示されている。
【0144】
図26は、本発明の一実施形態による、蛇行導体を有するフレキシブル回路基板の例を示す。この例では、トレース2610は蛇行形状を有することができる。これは、トレースが狭く主ヒンジ1130の折り畳みに起因する損傷を受けやすい場合、特に有用である。トレース2620は、例えば電力を伝送するために、よりより幅広であってもよい。トレース2620がより幅広であり、したがって潜在的により堅牢であるため、トレース2620は蛇行形状を必要としない場合がある。
【0145】
図27A及び
図27Bは、本発明の一実施形態による、主ヒンジ内のフレキシブル回路基板上で使用され得るトレースの例を示す。
図27Aでは、トレース2710は蛇行形状を有することができ、トレース2720は蛇行形状を有さない。蛇行形状は、トレース2712によって示されているように入れ子にされ得、又は蛇行形状は、トレース2714によって示されているように別個であることができる。トレース2710は、部分的に入れ子にされたトレースであることができる。
図27Bでは、トレース2750は、蛇行でない十分な幅を有することができる。トレース2760は、入れ子にされ得、蛇行であり得る。トレース2760は、端部2762及び2764で終端することができる。これらのトレースは、冗長性のために複数のトレースが使用される1つ以上の信号に使用され得る。トレース2770は、単一のトレースであってもよい。
【0146】
図28A及び
図28Bは、本発明の一実施形態による、主ヒンジ内のフレキシブル回路基板上で使用され得るトレースの例を示す。
図28Aでは、トレース2810は、完全に入れ子にされた蛇行トレースであってもよい。トレース2820は、より幅広のトレースであってもよく、したがって、蛇行形状を有さなくてもよい。トレース2830はまた、完全に入れ子にされたトレースであってもよい。
図28Bでは、トレース2850は、蛇行でない十分な幅を有することができる。トレース28800は、入れ子にされ得、蛇行であり得る。トレース2860は、端部2862及び2864で終端することができる。これらのトレースは、冗長性のために複数のトレースが使用される1つ以上の信号に使用され得る。トレース2870は、単一のトレースであってもよい。
【0147】
図29は、本発明の一実施形態による、主ヒンジ内のフレキシブル回路基板上で使用され得るトレースの例を示す。この例では、トレース2910は、端部2912で共に接合された2つの個々のトレース2910から形成された導体であってもよい。同様に、トレース2920は、端部2922で共に接合された2つの個々のトレース2920から形成された導体であってもよい。
【0148】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、様々な層が、耐久性を改善させるために、主ヒンジ1130に使用され得る。例が次の図に示されている。
【0149】
図30は、本発明の一実施形態による、主ヒンジに使用され得る層を示す。この例では、第1の層3010は、熱活性化フィルム3020又は他の接着剤層を使用して、第2の層3030に取り付けられ得る。第2の層3030及びフレキシブル回路基板1132は、熱活性化フィルム3040又は他の接着剤層によって第3の層3050に取り付けられ得る。第3の層3050は、熱活性化フィルム3060又は他の接着剤層によって第4の層3070に取り付けられ得る。第1の層3010及び第4の層3070は、ニトリルゴムなどの柔軟な材料であり得る。第2の層3030及び第3の層3050は、プラスチック又は液晶ポリマーなどの他の材料から形成され得る。
【0150】
図31は、本発明の一実施形態による、リーフ内の基板に主ヒンジ用のフレキシブル回路基板を取り付ける際に使用され得るコネクタを示す図である。この例では、コネクタ3100は、フレキシブル回路基板1132を第2のリーフ1120に接続することができる。コネクタ3100は、基板1410上のパッド1413にはんだ付けされたカウリング3110を含むことができる。基板間コネクタ3120は、フレキシブル回路基板1132と基板1410との間の接続を形成することができる。
【0151】
図32は、
図31のコネクタの側面図である。この破断側面図は、
図31の線A-Bに沿って示されている。コネクタ3100は、基板1410上のパッド1413にはんだ付けされたカウリング3110を含むことができる。基板間コネクタ3120は、フレキシブル回路基板1132を基板1410に接続することができる。
【0152】
図33A及び
図33Bは、本発明の一実施形態による無線充電器を示す。無線充電器3300は、無線充電器100(
図1に示されている)及び無線充電器1100(
図12に示されている)と同様であり得るが、基部3330は剛性であってもよく、折り畳み可能でなくてもよい。無線充電器3300は、充電パック3340及び接触面3312を支持する基部3330を含むことができる。接触面3312は、
図1の接触面112などの上述の他の接触サービスと同様であり得る。充電パック3340は、
図12に示されている充電パック1140などの本明細書に示されている他の充電パックと同様であり得る。充電パック3340は、パックヒンジ3650を介して基部3330に取り付けられ得る。基部3330は、ユーザが第2の電子デバイスを充電する際の使用のために上方位置内へ充電パック3340を押し込むためのアクセスを可能にする開口部3332を含むことができる。無線充電器3300は、電力を受け取るためのコネクタ3350を更に含むことができる。コネクタ3350はまた、データを受け取る及び供給するために使用され得る。コネクタ3350は、ライトニング、USBタイプC、又は他のタイプのコネクタレセプタクルであり得る。
【0153】
図34は、
図33A及び
図33Bの無線充電器に使用され得る電子機器を示す。電力及びデータは、無線充電器3300のコネクタ3350で受け取られ得る。電力及びデータは、基板3430によってコネクタ3350から受け取られ得る。電力及びデータは、ケーブル3420を介して制御回路3410に供給され得る。制御回路3431は、接触面3312(
図33Aに示されている)の下に位置することができる。制御回路3410は、充電パック3340内に位置することができる。データは同様に、制御回路3431又は制御回路3410から基板3430を介してコネクタ3350に供給され得る。
【0154】
図35は、
図33A及び
図33Bの無線充電器の分解図である。無線充電器3300は、接触面3312及び上面3342を支持する基部3330を含むことができる。整列及び充電構成要素が、第1の電子デバイスと嵌合することができる接触面3312のために提供され得る。無線充電器3300は、第1の電子デバイスをコイル3530と整列させ接触面3312に対して第1の電子デバイスを固定するための整列及び取り付け機構として、磁石アレイ3520を含むことができる。無線充電器は、磁石アレイ3520によって横方向及び周方向に取り囲まれ得るコイル3530を更に含むことができる。コイル3530は、第1の電子デバイスに電力を供給するために使用され得る。シールド3532は、磁石アレイ3520及びコイル3530を支持することができる。シールド3532は、下部エンクロージャ3550に取り付けられ得る。フット3560は、無線充電器3300が使用され得る表面上の欠陥スクラッチを防止するために、下部エンクロージャ3550の下に配置され得る。充電パック3340は磁石3820を含むことができる。磁石3820は、第2の電子デバイスを充電パック3340に整列させ取り付けるための整列機構及び取り付け機構として使用され得る。磁石3820及びコイル3830は、充電パックエンクロージャ3811内に収容され得る。コイル3830は、第2の電子デバイスに電力を供給するために使用され得る。充電パックエンクロージャ3811は、パックヒンジ3850を介して下部エンクロージャ3550に取り付けられ得る。コネクタ3350はまた、下部エンクロージャ3550に取り付けられてもよく、基板3430に電気的に接続されてもよい。
【0155】
図36A及び
図36Bは、本発明の一実施形態による無線充電器を示す。無線充電器3600は、本明細書に示されている無線充電器100及び他の無線充電器と同様であり得る。無線充電器3600は、第1のリーフ3610及び第2のリーフ3620を含むことができる。第1のリーフ3610及び第2のリーフ3620は、主ヒンジ3630によって接合され得る。第1のリーフ3610は、上面3616及び下面3618を含むことができる。第1のリーフ3610は、接触面3612を更に含むことができる。第2のリーフ3620は、ここでは下方位置で示されている充電パック3640を含むことができる。
【0156】
本発明の実施形態は、1つ以上の電子デバイスに適切に整列し1つ以上の電子デバイスを確実に保持することができる無線充電器を提供することができる。したがって、第1のリーフ3610は、第1の電子デバイス(図示せず)内の充電回路を第1のリーフ3610内の充電回路に整列させるための1つ以上の整列機構を含むことができる。第1のリーフ3610は、第1の電子デバイスを第1のリーフ3610に取り付けるための1つ以上の取り付け機構を更に含むことができる。更に、第2のリーフ3620は、第2の電子デバイス(図示せず)内の充電回路を、第2のリーフ3620の充電パック3640内の充電回路に整列させるための1つ以上の整列機構を含むことができる。第2のリーフ3620は、第2の電子デバイスを第2のリーフ3620に取り付けるための1つ以上の取り付け機構を更に含むことができる。これらの様々な整列機構及び取り付け機構の例は、本明細書に示されており、無線充電器100及び本明細書に示されている他の無線充電器に示されているものと同じ又は同様であることができる。
【0157】
本発明の実施形態は、一度に2つ以上の電子デバイスを更に充電することができる。したがって、無線充電器3600は、第1の電子デバイスを充電するための第1のリーフ3610と、第2の電子デバイスを充電するための充電パック3640を有する第2のリーフ3620と、を含むことができる。この例では、第1のリーフ3610は、電話を充電するように構成され得、第2のリーフ3620及び充電パック3640は、腕時計又は他のウェアラブルコンピューティングデバイスを充電するように構成され得る。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、第1のリーフ3610及び第2のリーフ3620は、同じタイプのデバイスを充電するように構成され得る。例えば、第1のリーフ3610及び第2のリーフ3620の両方は、電話を充電するように構成され得る。代替的に、第1のリーフ3610及び第2のリーフ3620の両方は、腕時計又は他のウェアラブルコンピューティングデバイスを充電するように構成され得る。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、無線充電器は、3つ以上のリーフを含むことができ、各リーフは、同じ又は異なるタイプの電子デバイスを充電するように構成されている。
【0158】
本発明の実施形態は、コンパクトな形状に折り畳み可能である無線充電器を更に提供することができる。この例では、主ヒンジ3630は、第1のリーフ3610の上面3616が第2のリーフ3620の上面3626に隣接するように、無線充電器3600が閉鎖されることを可能にする。主ヒンジ3630は、第1のリーフ3610の下面3618が第2のリーフ3620の下面3628に隣接するように、無線充電器3600が閉鎖されることを更に可能にする。
【0159】
図37A及び
図37Bは、
図36A及び
図36Bの無線充電器用の主ヒンジを示す。主ヒンジ3630は、ヒンジピンで第1のリーフ3610及び第2のリーフ3620のそれぞれに接続されており中央ヒンジピンで互いに接続されている2つの連結セクションを含むことができる。具体的には、主ヒンジ3630は、リンク3710及び3720を含む第1の連結セクションを含むことができる。リンク3710は、ピン3712で第1のリーフ3610に、及びピン3726で第2のリンク3720に取り付けられ得る。リンク3720は、ピン3722で第2のリーフ3620に取り付けられ得る。主ヒンジ3630は、リンク3730及び3740を含む第2の連結セクションを含むことができる。リンク3730は、ピン3732で第1のリーフ3610に、及びピン3744で第2のリンク3740に取り付けられ得る。リンク3740は、ピン3742で第2のリーフ3620に取り付けられ得る。リンク3720及びリンク3730は、ピン3724で取り付けられ得る。各ピンは、リンク及びリーフが、図面の平面に対して垂直又は直交する方向に回転することを可能にする。
【0160】
同様に、磁石アレイ320及び本明細書に示されている他の磁石は、定位置に固定されてもよく、又は第1の位置と第2の位置との間で移動可能であってもよい。磁石アレイ320に使用され得る固定磁石の例が、以下の図に示されている。例えば、本明細書に示されている又は本発明の実施形態によって提供される磁石アレイ320、1320、3520、又は他の磁石若しくは磁石アレイは、一次磁気整列構成要素3816などの一次磁気整列構成要素のうちのいずれかであり得る。別の例として、本明細書に示されている又は本発明の実施形態によって提供されるコイル330、1330、3530、又は他の磁石若しくは磁石アレイは、誘導コイル3812、又は本明細書に示されている他のコイルのうちのいずれかであり得る。
【0161】
同様に、本明細書に示されている様々な磁石アレイは、定位置に固定されてもよく、又は第1の位置と第2の位置との間で移動可能であってもよい。これらの磁石アレイに使用され得る固定磁石アレイの例が、以下の図に示されている。
【0162】
本明細書では、磁気整列システム及びその構成要素の様々な実施形態が記載されている。磁気整列システムは、環状整列構成要素を含み得、環状整列構成要素は、特定の磁気配向又は磁気配向パターンを有する磁石のリングを備え、「一次」環状整列構成要素は、相補的な「二次」環状整列構成要素を引き付け保持することができる。以下に説明されているいくつかの実施形態では、一次環状整列構成要素は、無線充電デバイス内にあり、誘導充電コイルを取り囲むと想定され、二次環状整列構成要素は、ポータブル電子デバイス内にあり、無線充電デバイスの誘導充電コイルから電力を受け取ることができる受電コイルを取り囲むと想定される。多くの変形が可能である。例えば、「一次」環状整列構成要素は、ポータブル電子デバイス内にあってもよく、「二次」環状整列構成要素は、無線充電デバイス内にあってもよい。加えて、本明細書では、一次及び二次環状整列構成要素と相補的である「補助」環状整列構成要素が記載されており、補助環状整列構成要素の一方の表面は、一次整列構成要素に引き付けられ、反対側の表面は、二次整列構成要素に引き付けられる。補助環状整列構成要素は、例えばポータブル電子デバイスの場合、配置され得る。
【0163】
いくつかの実施形態では、磁気整列システムはまた、2つのデバイスを好ましい回転配向に整列させるのを容易にする回転整列構成要素を含むことができる。環状整列構成要素を有するいずれのデバイスも、回転整列構成要素を有してもよく又は有さなくてもよいことを理解されたい。
【0164】
いくつかの実施形態では、磁気整列システムはまた、デバイスが近距離通信(NFC)プロトコルを使用して互いに識別することを可能にするために、NFCコイル及び支持回路を含むことができる。NFCコイルは、環状整列構成要素の内側(inboard)又は環状整列構成要素の外側(outboard)に配置され得る。NFC構成要素は、磁気整列を提供するという文脈において任意選択であることを理解されたい。
【0165】
図38は、いくつかの実施形態による、磁気整列システム3806を組み込む無線充電システム3800の簡略図を示す。ポータブル電子デバイス3804は、無線充電デバイス3802の充電面3808上に配置されている。ポータブル電子デバイス3804は、スマートフォン、タブレット、若しくはウェアラブルデバイスなどの消費者用電子デバイス、又は無線充電が望まれる任意の他の電子デバイスであることができる。無線充電デバイス3802は、好適に構成された受信デバイス内に電流を誘導するために、時間変化磁束を生成するように構成された任意のデバイスであることができる。例えば、無線充電デバイス3802は、本明細書に記載されている無線充電器、無線充電マット、パック、又はドッキングステーションなどのうちのいずれであってもよい。無線充電デバイス3802は、バッテリ電力又は標準AC電力などの電源を含んでもよく、又は電源にアクセスしてもよい。
【0166】
無線電力伝送を可能にするために、ポータブル電子デバイス3804及び無線充電デバイス3802は、それぞれ誘導コイル3810及び3812を含むことができ、これらは、それらの間で電力を伝送するように動作することができる。例えば、誘導コイル3812は、時間変化磁束3814を生成する送電コイルであることができ、誘導コイル3810は、電流が時間変化磁束3814に応答して誘導される受電コイルであることができる。受け取られた電流は、ポータブル電子デバイス3804のバッテリを充電する、及び/若しくはポータブル電子デバイス3804の構成要素に動作電力を供給するために、並びに/又は所望に応じて他の目的で使用され得る。(本明細書で使用する場合、「無線電力伝送」及び「誘導電力伝送」とは、一般に、第2のデバイスの導電コイル内に電流を誘導する第1のデバイスの導電コイル内に時間変化磁場を生成するプロセスを指す。)
【0167】
効率的な無線電力伝送を可能にするために、誘導コイル3812及び3810を整列させることが望ましい。いくつかの実施形態によれば、磁気整列システム3806は、このような整列を提供することができる。
図38に示されている例では、磁気整列システム3806は、無線充電デバイス3802の表面内又はその上に配置された一次磁気整列構成要素3816と、ポータブル電子デバイス3804の表面内又はその上に配置された二次磁気整列構成要素3818と、を含む。一次整列構成要素3816及び二次整列構成要素3818は、誘導コイル3810及び3812が互いに整列されて無線電力伝送を実施する整列位置へ互いに磁気的に引き付けるように構成されている。
【0168】
一次整列構成要素3816は、磁石アレイ320(
図3に示されている)として、又は本明細書に示されている他の磁石アレイのうちのいずれかとして、又は本発明の実施形態によって提供される他の磁石アレイのうちのいずれかとして使用され得る。
【0169】
本明細書に記載の実施形態によれば、磁気整列システムの磁気整列構成要素(一次又は二次整列構成要素を含む)は、環状構成に配置された弓状磁石から形成され得る。いくつかの実施形態では、各磁石は、所望の方向に配向された磁極性を有し、一次磁気整列構成要素と二次磁気整列構成要素との間の磁気引力は所望の整列を提供する。いくつかの実施形態では、弓状磁石は、第1の方向に配向された磁極性を有する第1の磁気領域と、第1の方向とは異なる(例えば、反対の)第2の方向に配向された磁極性を有する第2の磁気領域と、を含むことができる。以下に説明されているように、異なる構成は、異なる程度の磁場漏れを提供することができる。
【0170】
図39Aは、いくつかの実施形態による磁気整列システム3900の斜視図を示し、
図39Bは、
図39Aに示されている切断面にわたる磁気整列システム3900を通る断面を示す。磁気整列システム3900は、
図38の磁気整列システム3806の実装形態であってもよい。磁気整列システム3900では、整列構成要素は全て、(環状構成の軸に沿って)同じ方向に配向された磁極性を有する。説明の便宜上、「軸」方向(「長手」又は「z」方向とも称される)は、磁気整列システム3900の回転対称軸3901と平行であると定義され、横断面(「横」又は「x」又は「y」方向とも称される)は、軸3901に対して垂直であると定義される。用語「近位側」は、本明細書では、磁気整列システムが整列されたとき他の整列構成要素に向かって配向された1つの整列構成要素の側を指すために使用され、用語「遠位側」は、近位側と反対側の側を指すために使用される。
【0171】
図39Aに示されているように、磁気整列システム3900は、一次整列構成要素3916(
図38の一次整列構成要素3816の実装形態であってもよい)と、二次整列構成要素3918(
図38の二次整列構成要素3818の実装形態であってもよい)を含むことができる。一次整列構成要素3916及び二次整列構成要素3918は、環状の形状を有し、「環状」整列構成要素とも称され得る。特定の寸法は、所望に応じて選択され得る。いくつかの実施形態では、一次整列構成要素3916及び二次整列構成要素3918はそれぞれ、約424mmの外径及び約6mmの径方向幅を有し得る。一次整列構成要素3916及び二次整列構成要素3918の外径及び径方向幅は、正確に等しくある必要はない。例えば、二次整列構成要素3918の径方向幅は、一次整列構成要素3916の径方向幅よりもわずかに小さくてもよく、及び/又は二次整列構成要素3918の外径はまた、一次整列構成要素3916の径方向幅よりもわずかに小さくてもよく、整列しているとき、一次整列構成要素3916の内側及び外側は、二次整列構成要素3918の対応する内側及び外側を越えて延在する。一次整列構成要素3916及び二次整列構成要素3918の厚さ(又は軸方向寸法)はまた、所望に応じて選択され得る。いくつかの実施形態では、一次整列構成要素3916は約1.5mmの厚さを有し、二次整列構成要素3918は、約0.37mmの厚さを有する。
【0172】
一次整列構成要素3916は、それぞれが1つ以上の一次弓状磁石3926から形成され得るいくつかのセクタを含むことができ、二次整列構成要素3918は、それぞれが1つ以上の二次弓状磁石3928から形成され得るいくつかのセクタを含むことができる。図示されている例では、一次磁石3926の数は二次磁石3928の数に等しく、各セクタは正確に1つの磁石を含むが、これは必須ではない。一次磁石3926及び二次磁石3928は、横断面に弓状の(又は湾曲した)形状を有することができ、一次磁石3926(又は二次磁石3928)が端部から端部まで互いに隣接して配置されたとき、一次磁石3926(又は二次磁石3928)は、図示されているような環状構造を形成する。いくつかの実施形態では、一次磁石3926は、境界面3930において互いと接触することができ、二次磁石3928は、境界面3932において互いと接触することができる。代替的に、小さな隙間又は空間は、隣接する一次磁石3926又は二次磁石3928を分離することができ、より大きな製造中の公差を提供する。
【0173】
いくつかの実施形態では、一次整列構成要素3916はまた、一次磁石3926の遠位表面上に配置された環状シールド3914を含むことができる。いくつかの実施形態では、シールド3914は、単一の環状材料片として形成され得、一次磁石3926に接着されて、一次磁石3926を定位置に固定することができる。シールド3914は、ステンレス鋼などの高い透磁率を有する材料から形成され得、磁場を再方向付けして、磁場が一次整列構成要素3916の遠位側を越えて伝播するのを防止することができ、それによって、一次整列構成要素3916の遠位側を越えて位置する高感度の電子部品を磁気干渉から保護する。
【0174】
一次磁石3926及び二次磁石3928は、NdFeB材料、他の希土類磁性材料、又は磁化されて永続的な磁場を作り出すことができる他の材料などの磁性材料から作製され得る。各一次磁石3926及び各二次磁石3928は、
図39Bにおいて磁極性インジケータ3915、3917によって示されているように、軸方向に整列された磁極性を有する単一の磁気領域を含むモノリシック構造を有することができる。例えば、各一次磁石3926及び各二次磁石3928は、接地されており軸方向の磁気配向を有する弓状構造に成形された棒磁石であってもよい。(明らかとなるように、用語「磁気配向」とは、磁石の磁極性の配向の方向を指す。)図示されている例では、一次磁石3926は、近位表面に向かって配向された北極、及び遠位表面に向かって配向された南極を有し、二次磁石3928は、近位表面に向かって配向された南極、及び遠位表面に向かって配向された北極を有する。他の実施形態では、磁気配向は逆にされてもよく、一次磁石3926は、近位表面に向かって配向された南極、及び遠位表面に向かって配向された北極を有し、二次磁石3928は、近位表面に向かって配向された北極、及び遠位表面に向かって配向された南極を有する。
【0175】
図39Bに示されているように、一次磁石3926及び二次磁石3928の軸方向の磁気配向は、一次磁石3926と二次磁石3928との間に引力を生成する磁場3940を生成することができ、それによって、一次整列構成要素3916及び二次整列構成要素3918が(例えば、
図38に示されているように)配置されているそれぞれの電子デバイス間の整列を容易にする。シールド3914は、一次磁石3926の下の領域から離れるように磁場3940の一部を再方向付けすることができ、磁場3940は依然として、一次磁石3926及び二次磁石3928に横方向に隣接する領域に伝搬することができる。いくつかの実施形態では、磁場3940の横方向の伝播は、他の磁気的に高感度の構成要素への磁場漏れをもたらし得る。例えば、強磁性シールドを有する誘導コイルが、環状一次整列構成要素3916(又は二次整列構成要素3918)の内側領域に配置されている場合、磁場3940の漏れは、フェリ磁性シールドを飽和させることができ、これは無線充電性能を劣化させる可能性がある。
【0176】
磁気整列システム3900は例示的であり、変形形態及び変更形態が可能であることが理解されよう。例えば、一次整列構成要素3916及び二次整列構成要素3918はそれぞれ、8個の弓状磁石から構築されているとして示されているが、他の実施形態は、16個の磁石、36個の磁石、又は任意の他の数の磁石などの異なる数の磁石を使用することができ、一次磁石の数は二次磁石の数に等しくある必要はない。他の実施形態では、一次整列構成要素3916及び/又は二次整列構成要素3918はそれぞれ、単一のモノリシック環状磁石から形成されてもよいが、磁気整列構成要素3916及び3918を弓状磁石にセグメント化することにより製造が改善され得、これは、より小さい弓状セグメントが単一のモノリシック環状磁石よりも脆くなく、製造中に磁性材料に課せられた物理的応力に起因する損失が生じにくいためである。
【0177】
図39Bを参照して上述したように、単一の軸方向の磁気配向を有する磁気整列システムは、磁場の横方向の漏れを可能にし得、これは、電子デバイスの他の構成要素の性能に悪影響を及ぼし得る。したがって、いくつかの実施形態は、磁場漏れが低減された磁気整列システムを提供する。ここで、例が説明される。
【0178】
図40Aは、いくつかの実施形態による磁気整列システム4000の斜視図を示し、
図40Bは、
図40Aに示されている切断面にわたる磁気整列システム4000を通る断面を示す。磁気整列システム4000は、
図38の磁気整列システム3806の実装形態であってもよい。磁気整列システム4000において、整列構成要素は、以下に記載されているように、「閉ループ」構成で構成された磁気構成要素を有する。
【0179】
図40Aに示されているように、磁気整列システム4000は、一次整列構成要素4016(
図38の一次整列構成要素3816の実装形態であってもよい)と、二次整列構成要素4018(
図38の二次整列構成要素3818の実装形態であってもよい)を含むことができる。一次整列構成要素4016及び二次整列構成要素4018は、環状の形状を有し、「環状」整列構成要素とも称され得る。特定の寸法は、所望に応じて選択され得る。いくつかの実施形態では、一次整列構成要素4016及び二次整列構成要素4018はそれぞれ、約424mmの外径及び約6mmの径方向幅を有し得る。一次整列構成要素4016及び二次整列構成要素4018の外径及び径方向幅は、正確に等しくある必要はない。例えば、二次整列構成要素4018の径方向幅は、一次整列構成要素4016の径方向幅よりもわずかに小さくてもよく、及び/又は二次整列構成要素4018の外径はまた、一次整列構成要素4016の径方向幅よりもわずかに小さくてもよく、整列しているとき、一次整列構成要素4016の内側及び外側は、二次整列構成要素4018の対応する内側及び外側を越えて延在する。一次整列構成要素4016及び二次整列構成要素4018の厚さ(又は軸方向寸法)はまた、所望に応じて選択され得る。いくつかの実施形態では、一次整列構成要素4016は約1.5mmの厚さを有し、二次整列構成要素4018は、約0.37mmの厚さを有する。
【0180】
一次整列構成要素4016は、それぞれがいくつかの一次磁石4026から形成され得るいくつかのセクタを含むことができ、二次整列構成要素4018は、それぞれがいくつかの二次磁石4028から形成され得るいくつかのセクタを含むことができる。図示されている例では、一次磁石4026の数は二次磁石4028の数に等しく、各セクタは正確に1つの磁石を含むが、これは必須ではない。例えば、以下に説明されているように、セクタは複数の磁石を含むことができる。一次磁石4026及び二次磁石4028は、横断面に弓状の(又は湾曲した)形状を有することができ、一次磁石4026(又は二次磁石4028)が端部から端部まで互いに隣接して配置されたとき、一次磁石4026(又は二次磁石4028)が図示されているような環状構造を形成する。いくつかの実施形態では、一次磁石4026は、境界面4030において互いと接触することができ、二次磁石4028は、境界面4032において互いと接触することができる。代替的に、小さな隙間又は空間は、隣接する一次磁石4026又は二次磁石4028を分離することができ、より大きな製造中の公差を提供する。
【0181】
いくつかの実施形態では、一次整列構成要素4016はまた、一次磁石4026の遠位表面上に配置された環状シールド4014を含むことができる。いくつかの実施形態では、シールド4014は、単一の環状材料片として形成され得、一次磁石4026に接着されて、一次磁石4026を定位置に固定することができる。シールド4014は、ステンレス鋼などの高い透磁率を有する材料から形成され得、磁場を再方向付けして、磁場が一次整列構成要素4016の遠位側を越えて伝播するのを防止することができ、それによって、一次整列構成要素4016の遠位側を越えて位置する高感度の電子部品を磁気干渉から保護する。
【0182】
一次磁石4026及び二次磁石4028は、NdFeB材料、他の希土類磁性材料、又は磁化されて永続的な磁場を作り出すことができる他の材料などの磁性材料から作製され得る。各二次磁石4028は、(
図40Bの磁極性インジケータ4017によって示されているように)横断面に径方向成分を有する磁極性を有する単一の磁気領域を有することができる。以下に記載されているように、磁気配向は、軸4001に対して径方向、又は横断面に径方向成分を有する別の方向であってもよい。各一次磁石4026は、反対の磁気配向を有する2つの磁気領域を含み得る。例えば、各一次磁石4026は、(
図40Bの極性インジケータ4053によって示されているように)第1の軸方向に磁気配向を有する内側弓状磁気領域4052と、(
図40Bの極性インジケータ4055によって示されているように)第1の方向と反対の第2の軸方向に磁気配向を有する外側弓状磁気領域4054と、磁気配向を有さない中央非磁化領域4056と、を有し得る。中央非磁化領域4056は、磁場が中央領域4056を通って直接わたることを阻止することによって、外側弓状領域4054から内側弓状領域4052を磁気的に分離することができる。非磁化領域によって分離された反対の磁気配向の領域を有する磁石は、本明細書では、「四極」構成を有すると称される場合がある。
【0183】
いくつかの実施形態では、各二次磁石4028は、接地されており弓状構造に成形された磁性材料から作製され得、横断面に径方向成分を有する磁気配向が、例えば、磁化器を使用して作り出され得る。同様に、各一次磁石4026は、接地されており弓状構造に成形された単一の磁性材料片から作製され得、磁化器が弓状構造に適用されて、中央領域において消磁しながら又は磁気配向の発生を回避しながら、構造の内側弓状領域内で一方向に軸方向の磁気配向を誘導し、構造の外側弓状領域内で反対方向に軸方向の磁気配向を誘導することができる。いくつかの代替実施形態では、各一次磁石4026は、内側弓状磁気領域4052及び外側弓状磁気領域4054を提供する2つの弓状磁性材料片を有する複合構造であってもよく、このような実施形態では、中央非磁化領域4056は、弓状非磁性材料片から形成されてもよく、又は内側弓状磁気領域4052及び外側弓状磁気領域4054の側壁によって画定されるエアギャップとして形成されてもよい。
【0184】
図40Bに示されているように、二次磁石4028(インジケータ4017によって示されている)の磁極性は、一次整列構成要素4016及び二次整列構成要素4018が整列されたとき、二次磁石4028の南極が内側弓状磁気領域4052の北極(インジケータ4053によって示されている)に向かって配向され、二次磁石4028の北極が外側弓状磁気領域4054の南極に向かって配向される(インジケータ4055によって示されている)ように、配向され得る。したがって、内側弓状磁気領域4052、二次磁石4028及び外側弓状磁気領域4056のそれぞれの磁気配向は、一次磁石4026と二次磁石4028との間に引力を生成する磁場4040を生成することができ、それによって、一次整列構成要素4016及び二次整列構成要素4018が(例えば、
図38に示されているように)配置されているそれぞれの電子デバイス間の整列を容易にする。シールド4014は、一次磁石4026の下の領域から離れるように磁場4040の一部を再方向付けすることができる。更に、中央非磁気領域4056の周りに形成された「閉ループ」磁場4040は、密かつコンパクトな力線を有することができ、力線は、磁場3940が
図39Bにおいて一次磁石3926及び二次磁石3928から漂遊する限り、一次磁石4026及び二次磁石4028から漂遊しない。したがって、磁気的に高感度の構成要素は、漂遊磁場に対する懸念が低減されながら一次整列構成要素4016に比較的近接して配置され得る。したがって、磁気整列システム3900と比較して、磁気整列システム4000は、一次整列構成要素4016が配置されているデバイスの全体的なサイズを低減するのに役立ち得、また、二次整列構成要素4018が配置されている受電デバイスなどの隣接する構成要素又はデバイス内の磁場4040によって作り出されるノイズを低減するのに役立ち得る。
【0185】
磁気整列システム4000は例示的であり、変形形態及び変更形態が可能であることが理解されよう。例えば、一次整列構成要素4016及び二次整列構成要素4018はそれぞれ、8個の弓状磁石から構築されているとして示されているが、他の実施形態は、16個の磁石、36個の磁石、又は任意の他の数の磁石などの異なる数の磁石を使用することができ、一次磁石の数は二次磁石の数に等しくある必要はない。他の実施形態では、二次整列構成要素4018は、単一のモノリシック環状磁石から形成され得る。同様に、一次整列構成要素4016は、上述のような適切な磁化パターンを有する単一のモノリシック環状磁性材料片から形成され得、又は一次整列構成要素4016は、内側環状磁石と外側環状磁石との間に配置された環状のエアギャップ又は非磁性材料の領域を有する、モノリシック内側環状磁石及びモノリシック外側環状磁石から形成され得る。いくつかの実施形態では、複数の弓状磁石を使用する構築は、製造を改善させることができ、これは、より小さい弓状磁石が単一のモノリシック環状磁石よりも脆くなく、製造中に磁性材料に課せられた物理的応力に起因する損失が生じにくいためである。様々な磁気整列構成要素又は個々の磁石の磁気配向は、横方向及び軸方向と正確に整列する必要はないことも理解されたい。磁気配向は、一次及び二次整列構成要素を通る磁場の閉ループ経路を提供する任意の角度を有することができる。
【0186】
上述のように、磁気整列システム4000のような閉ループ磁気配向を有する磁気整列システムの実施形態では、二次整列構成要素4018は、横断面に磁気配向を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、二次整列構成要素4018は、径方向の配向で磁極性を有することができる。
図41は、磁極性インジケータ4117a~hによって示されているような径方向の磁気配向を有する二次磁石4128a~hを有する、いくつかの実施形態による二次整列構成要素4118の簡略上面図を示す。この例では、各二次磁石4128a~hは、径方向外方側に向かって配向された北磁極、及び径方向内方側に向かう南磁極を有するが、この配向は逆にされてもよく、各二次磁石4128a~hの北磁極は、径方向内方側に向かって配向されてもよく、南磁極は、径方向外方側に向かって配向されている。
【0187】
図42Aは、いくつかの実施形態による磁気整列システム4200の斜視図を示す。磁気整列システム4200は、径方向外方磁気配向を有する二次整列構成要素4218(例えば、
図41に示されている)と、相補的な一次整列構成要素4216と、を含む。磁気整列システム4200の弓状セクションのうちのいくつかは、内部構造を明瞭化するために図示されていないが、磁気整列システム4200は、完全な環状構造であり得ることを理解されたい。構成要素4202がまた図示されており、構成要素4202は、例えば、一次磁気整列構成要素4216又は二次磁気整列構成要素4218の中央領域内に位置する誘導コイルアセンブリ又は他の構成要素を含むことができる。磁気整列システム4200は、上述の磁気整列システム4000と同様の閉ループ磁気整列システムであってもよく、それぞれが1つ以上の弓状磁石から作製され得る弓状セクタ4201を含むことができる。いくつかの実施形態では、磁気整列システム4200の閉ループ構成は、構成要素4202に影響を及ぼし得る磁場漏れを低減又は防止することができる。
【0188】
図42Bは、弓状セクタ4201のうちの1つを通る軸方向断面図を示す。弓状セクタ4201は、一次磁石4226及び二次磁石4228を含む。配向インジケータ4217によって示されているように、二次磁石4228は、径方向外方方向に配向された磁極性を有し、すなわち、北磁極は磁気整列システム4200の径方向外方側に向かう。上述の一次磁石4026と同様に、一次磁石4226は、内側弓状磁気領域4252と、外側弓状磁気領域4254と、中央非磁気領域4256(例えば、エアギャップ又は非磁性材料の領域を含むことができる)と、を含む。内側弓状磁気領域4252は、インジケータ4253によって示されているように、北磁極が二次磁石4228に向かうように軸方向に配向された磁極性を有し、外側弓状磁気領域4254は、反対の磁気配向を有し、インジケータ4255によって示されているように二次磁石4228に向かって配向された南磁極を有する。
図40Bを参照して説明されているように、
図42Bに示されている磁気配向の配置は、一次磁石4226と二次磁石4228との間の磁気引力をもたらす。いくつかの実施形態では、磁極性は逆にされてもよく、二次磁石4228の北磁極は、磁気整列システム4200の径方向内方側に向かって配向されており、一次磁石4226の外側弓状領域4254の北磁極は、二次磁石4228に向かって配向されており、内側弓状領域4252の北磁極は、二次磁石4228から離れるように配向されている。
【0189】
一次整列構成要素4216及び二次整列構成要素4218が整列されたとき、一次整列構成要素4216及び二次整列構成要素4218の磁極性の径方向に対称的な配置及び方向的な等価性は、二次整列構成要素4218が軸に沿った整列を維持しながら、横方向平面で時計回り又は反時計回り方向に自由に(一次整列構成要素4216に対して)回転することを可能にする。
【0190】
本明細書で使用する場合、「径方向」の配向は、正確に又は純粋に径方向である必要はない。例えば、
図42Cは、いくつかの実施形態による二次弓状磁石4238を示す。二次弓状磁石4238は、矢印4239によって示されているように、純粋な径方向の磁気配向を有する。各矢印4239は、磁石4238の曲率中心で方向付けられており、内方に延在する場合、矢印4239は、曲率中心で収束する。しかしながら、この純粋な径方向磁化を達成するには、磁石4238内の磁区が隣接する磁区に対して斜めに配向されることを必要とする。いくつかのタイプの磁性材料では、純粋な径方向の磁気配向が実用的ではないこともある。したがって、いくつかの実施形態は、
図42Cの純粋な径方向の配向に近似する「擬似径方向」の磁気配向を使用する。
図42Dは、いくつかの実施形態による擬似径方向の磁気配向を有する二次弓状磁石4248を示す。磁石4248は、弓状磁石4248の内側コーナー4257、4259を接続するベースライン4251に対して垂直である、矢印4249によって示されている磁気配向を有する。内方に延在する場合、矢印4249は収束しない。したがって、磁石4248内の隣接する磁区は互いに平行であり、これは、NdFeBなどの磁性材料で容易に達成可能である。しかしながら、磁気整列システムにおける全体的な効果は、
図42Cに示されている純粋な径方向の磁気配向と同様となり得る。
図42Eは、いくつかの実施形態による磁石4248から作製された二次環状整列構成要素4258を示す。磁気配向矢印4249は、環状整列構成要素4258の中心点4261まで延在する。図示されているように、磁場方向は略径方向であってもよく、近似値の接近性は、磁石4248の数及び環状整列構成要素4258の内側半径に依存する。いくつかの実施形態では、178個の磁石4248は、擬似径方向の配向を提供することができ、他の実施形態では、より多い又はより少ない磁石が使用され得る。「径方向」の磁気配向を有する磁石についての本明細書における全ての言及は、擬似径方向の磁気配向、及び略径方向であるが純粋な径方向ではない他の磁気配向を含むことを理解されたい。
【0191】
いくつかの実施形態では、(例えば、
図42Bに示されているように)二次整列構成要素4218の径方向の磁気配向は、磁気整列システムの全周の周りで同じである二次整列構成要素4218と一次整列構成要素4216との間の磁力プロファイルを提供する。径方向の磁気配向はまた、より大きな磁気透過係数(magnetic permeance)をもたらすことができ、これは、二次整列構成要素4218が消磁に対して抵抗し、軸方向の引力を向上させ、2つの構成要素が整列されたときの横方向のせん断力を改善させることを可能にする。
【0192】
図43A及び
図43Bは、いくつかの実施形態による、異なる磁気整列システムについての力プロファイルのグラフを示す。具体的には、
図43Aは、同様のタイプの磁石を使用する同等のサイズの異なる磁気整列システムについての、軸方向(z)方向における垂直引力(垂直抗力)のグラフ4300を示す。グラフ4300は、整列の中心からの変位を表す水平軸を有し、0は整列位置を表し、負及び正の値は、任意の単位での整列位置からの左右変位を表し、グラフ4300は、任意の単位での変位の関数としての垂直抗力(F
NORMAL)を示す垂直軸を有する。この説明の目的で、F
NORMALは、軸方向における一次整列構成要素と二次整列構成要素との間の磁力として定義され、F
NORMAL>0は引力を表し、F
NORMAL<0は反発力を表す。グラフ4300は、3つの異なるタイプの磁気整列システムについての垂直抗力プロファイルを示す。第1のタイプの磁気整列システムは、軸に沿って配置された一対の相補的なディスク型磁石などの中央整列構成要素を使用し、「中央」磁気整列システムについての代表的な垂直抗力プロファイルは、線4301(一点鎖線)として示されている。第2のタイプの磁気整列システムは、例えば、
図39A及び
図39Bの磁気整列システム3900などの軸方向の磁気配向を有する環状整列構成要素を使用し、このような環状軸方向磁気整列システムについての代表的な垂直抗力プロファイルは、線4303(破線)として示されている。第3のタイプの磁気整列システムは、閉ループ磁気配向及び径方向の対称性を有する環状整列構成要素(例えば、
図42の磁気整列システム4200)を使用し、径方向に対称的な閉ループ磁気整列システムについての代表的な垂直抗力プロファイルは、線4305(実線)として示されている。
【0193】
同様に、
図43Bは、異なる磁気整列システムについての横断方向における横方向(せん断)力のグラフ4320を示す。グラフ4320は、グラフ4300と同じ規則及び単位を使用して整列の中心からの変位を表す水平軸と、任意の単位での方向の関数としてせん断力(F
SHEAR)を示す垂直軸と、を有する。この説明の目的で、F
SHEARは、横方向の一次整列構成要素と二次整列構成要素との間の磁力として定義され、F
SHEAR>0は、変位軸に沿って左に向かう力を表し、F
SHEAR<0は、変位軸に沿って右に向かう力を表す。グラフ4320は、グラフ4300と同じ3タイプの磁気整列システムについてのせん断力プロファイルを示し、中央磁気整列システムについての代表的なせん断力プロファイルは線4321(一点鎖線)として示されている。環状軸方向磁気整列システムについての代表的なせん断力プロファイルは、線4323(破線)として示されており、径方向に対称的な閉ループ磁気整列システムについての代表的な垂直抗力プロファイルは、線4325(実線)として示されている。
【0194】
図43Aに示されているように、各タイプの磁気整列システムは、それぞれのピーク4311、4313、及び4315によって示されているように、一次及び二次整列構成要素が整列位置(水平軸上の0)にあるとき、軸方向において最も強い磁気引力を達成する。最も強く引き付ける垂直抗力は、全てのシステムについて整列位置で達成されるが、ピークの大きさは、磁気整列システムのタイプに依存する。特に、径方向に対称的な閉ループ磁気整列システム(例えば、
図42の磁気整列システム4200)は、整列位置にあるとき、他のタイプの磁気整列システムよりも強い磁気引力を提供する。この強く引き付ける垂直抗力は、摩擦力に起因する小さい誤整列を克服することができ、一次整列構成要素と二次整列構成要素との間のより正確かつ堅牢な整列を達成することができ、これは、ポータブル電子デバイスと、磁気整列システムが内部に実装されている無線充電デバイスとの間のより正確かつ堅牢な整列を提供することができる。
【0195】
図43Bに示されているように、最も強いせん断力(引力又は反発力)は、一次及び二次整列構成要素が横方向で整列位置のすぐ外側にあるとき、例えば、それぞれのピーク4331a~b、4333a~b、及び4335a~bによって示されているように、整列位置からの分離の-2単位及び+2単位であるとき得られる。垂直抗力と同様に、せん断力のピーク強度の大きさは、磁気整列システムのタイプに依存する。特に、径方向に対称的な閉ループ磁気整列システム(例えば、
図42の磁気整列システム4200)は、整列位置のすぐ外側にあるとき、他のタイプの磁気整列システムよりも高い大きさのせん断力を提供する。この強いせん断力は、2つの構成要素が整列されたときをユーザが識別するのを助けるために、触覚フィードバックを提供することができる。加えて、強い垂直抗力と同様に、強いせん断力は、摩擦力に起因する小さい誤整列を克服することができ、一次整列構成要素と二次整列構成要素との間のより正確かつ堅牢な整列を達成することができ、これは、ポータブル電子デバイスと、磁気整列システムが内部に実装されている無線充電デバイスとの間のより正確かつ堅牢な整列を提供することができる。
【0196】
径方向に対称的な閉ループ磁気整列システム(例えば、
図42の磁気整列システム4200)は、軸方向及び横方向に正確かつ堅牢な整列を提供することができる。更に、径方向の対称性のため、整列システムは、軸の周りに横方向平面で好ましい回転配向を有さない。せん断力プロファイルは、整列された電子デバイスの相対的な回転配向にかかわらず同じである。
【0197】
いくつかの実施形態では、閉ループ磁気整列システムは、1つ以上の好ましい回転配向を提供するように設計され得る。
図44は、いくつかの実施形態による、二次整列構成要素4418の簡略上面図を示す。二次整列構成要素4418は、磁極性インジケータ4417a~hによって示されているような径方向の磁気配向を有するセクタ4428a~hを含む。セクタ4428a~hのそれぞれは、1つ以上の二次弓状磁石(図示せず)を含み得る。この例では、セクタ4428b、4428d、4428f、及び4428h内の二次磁石はそれぞれ、径方向外方側に向かって配向された北磁極、及び径方向内方側に向かう南磁極を有し、セクタ4428a、4428c、4428e、及び4428g内の二次磁石はそれぞれ、径方向内方側に向かって配向された北磁極、及び径方向外方側に向かう南磁極を有する。換言すれば、二次整列構成要素4418のセクタ4428a~h内の磁石は、交互の磁気配向を有する。相補的な一次整列構成要素は、対応する交互の磁気配向を有するセクタを有することができる。
【0198】
例えば、
図45Aは、いくつかの実施形態による磁気整列システム4500の斜視図を示す。磁気整列システム4500は、交互の径方向の磁気配向を有する二次整列構成要素4518(例えば、
図44に示されている)と相補的な一次整列構成要素4516と、を含む。磁気整列システム4500の弓状セクションのうちのいくつかは、内部構造を明瞭化するために図示されていないが、磁気整列システム4500は、完全な環状構造であり得ることを理解されたい。構成要素4502がまた図示されており、構成要素4502は、例えば、一次環状整列構成要素4516及び/又は二次環状整列構成要素4518の中央領域内に位置する誘導コイルアセンブリ又は他の構成要素を含むことができる。磁気整列システム4500は、上述の磁気整列システム4000と同様の閉ループ磁気整列システムであってもよく、交互の磁気配向の弓状セクタ4501b、4501cを含むことができ、各弓状セクタ4501b、4501cは、一次環状整列構成要素4516及び二次環状整列構成要素4518のそれぞれにおける1つ以上の弓状磁石を含む。いくつかの実施形態では、磁気整列システム4500の閉ループ構成は、構成要素4502に影響を及ぼし得る磁場漏れを低減又は防止することができる。
【0199】
図45Bは、弓状セクタ4501bのうちの1つを通る軸方向断面図を示し、
図45Cは、弓状セクタ4501cのうちの1つを通る軸方向断面図を示す。弓状セクタ4501bは、一次磁石4526b及び二次磁石4528bを含む。配向インジケータ4517bによって示されているように、二次磁石4528bは、径方向外方方向に配向された磁極性を有し、すなわち、北磁極は磁気整列システム4500の径方向外方側に向かう。上述の一次磁石4026と同様に、一次磁石4526bは、内側弓状磁気領域4552bと、外側弓状磁気領域4554bと、中央非磁気領域4556b(例えば、エアギャップ又は非磁性材料の領域を含むことができる)と、を含む。内側弓状磁気領域4552bは、インジケータ4553bによって示されているように、北磁極が二次磁石4528bに向かうように軸方向に配向された磁極性を有し、外側弓状磁気領域4554bは、反対の磁気配向を有し、インジケータ4555bによって示されているように二次磁石4528bに向かって配向された南磁極を有する。
図40Bを参照して説明されているように、
図45Bに示されている磁気配向の配置は、一次磁石4526bと二次磁石4528bとの間の磁気引力をもたらす。
【0200】
図45Cに示されているように、弓状セクタ4501cは、弓状セクタ4501bに対して「逆」磁気配向を有する。弓状セクタ4501cは、一次磁石4526c及び二次磁石4528cを含む。配向インジケータ4517cによって示されているように、二次磁石4528cは、径方向内方方向に配向された磁極性を有し、すなわち、北磁極は磁気整列システム4500の径方向内方側に向かう。上述の一次磁石4026と同様に、一次磁石4526cは、内側弓状磁気領域4552cと、外側弓状磁気領域4554cと、中央非磁気領域4556c(例えば、エアギャップ又は非磁性材料の領域を含むことができる)と、を含む。内側弓状磁気領域4552cは、インジケータ4553cによって示されているように、南磁極が二次磁石4528cに向かうように軸方向に配向された磁極性を有し、外側弓状磁気領域4554cは、反対の磁気配向を有し、インジケータ4555cによって示されているように二次磁石4528cに向かって配向された北磁極を有する。
図40Bを参照して説明されているように、
図45Cに示されている磁気配向の配置は、一次磁石4526cと二次磁石4528cとの間の磁気引力をもたらす。
【0201】
図44及び
図45A~
図45Cに示されているような磁極性の交互配置は、二次整列構成要素4518が一次整列構成要素4516と整列され、整列構成要素4516、4518のうちの一方が共通の軸を中心にして他方に対して回転されるとき、「ラチェット(ratcheting)」感を作り出すことができる。例えば、二次整列構成要素4518が一次整列構成要素4516に対して回転された際に、各径方向外方磁石4528bは、一次整列構成要素4516の相補的な磁石4526bと交互に近接して、引き付ける磁力をもたらし、一次整列構成要素4516の反対の相補的な磁石(anti-complementary magnet)4526cと近接して、反発磁力をもたらす。一次磁石4526b、4526c及び二次磁石4528b、4528cが、任意の所与の配向で同じ角度サイズ及び間隔を有する場合、磁石の各対は、相補的な磁石対4526b、4528b及び4526c、4528cが近接する回転配向において整列が安定し堅牢であるように同様の正味の引き付ける磁力又は反発磁力を受ける。他の回転配向では、安定した回転配向に向かうトルクが受けられ得る。
【0202】
図44及び
図45A~
図45Cに示されている例では、各セクタが1つの磁石を含み、磁気配向の方向が各磁石で交互する。いくつかの実施形態では、セクタは、同じ方向の磁気配向を有する2つ以上の磁石を含み得る。例えば、
図46Aは、いくつかの実施形態による二次整列構成要素4618の簡略上面図を示す。二次整列構成要素4618は、上述の二次整列構成要素4518と同様に、径方向外方の磁気配向を有する二次磁石4628bと、径方向内方の配向を有する二次磁石4628cと、を含む。この例では、磁石は、一対の外方に配向された磁石4628b(第1のセクタを形成する)が一対の内方に配向された磁石4628c(第1のセクタに隣接する第2のセクタを形成する)に隣接するように配置されている。交互のセクタのパターン(1セクタ当たり2つの磁石を有する)は、二次整列構成要素4618の周りで繰り返される。同様に、
図46Bは、いくつかの実施形態による別の二次整列構成要素4618’の簡略上面図を示す。二次整列構成要素4618’は、径方向外方の磁気配向を有する二次磁石4628bと、径方向内方の配向を有する二次磁石4628cと、を含む。この例では、磁石は、4つの径方向外方の磁石4628bの群(第1のセクタを形成する)が、4つの径方向内方の磁石4628cの群(第1のセクタに隣接する第2のセクタを形成する)に隣接するように配置されている。交互のセクタのパターン(1セクタ当たり4つの磁石を有する)は、二次整列構成要素4618’の周りで繰り返される。
図46A及び
図46Bには示されていないが、二次整列構成要素4618又は4618’についての相補的な一次整列構成要素の構造は、
図45A~
図8Cを考慮して明らかである。
図46A及び
図46Bの整列構成要素についてのせん断力プロファイルは、上述のラチェットプロファイルと同様であり得るが、安定した整列を提供する回転配向の数は異なる。
【0203】
他の実施形態では、様々な力プロファイルが、一次及び/又は二次整列構成要素の異なる構成要素磁石の整列を変更することによって作り出され得る。単なる一例として、
図47は、磁極性インジケータ4717a~hによって示されているような位置依存性の磁気配向を有するセクタ4728a~hを有するいくつかの実施形態による、二次整列構成要素4718の簡略上面図を示す。この例では、二次整列構成要素4718は、二次整列構成要素4718の2つの半体を画定する二等分線4701によって二分されると見なされ得る。第1の半体4703では、セクタ4728e~hは、上述の例と同様に、径方向外方に配向された磁極性を有する。
【0204】
第2の半体4705では、セクタ4728a~dは、径方向ではなく、二等分線4701に略平行に配向された磁極性を有する。特に、セクタ4728a及び4728bは、二等分線4701に平行な第1の方向に配向された磁極性を有し、セクタ4728c及びセクタ4728dはセクタ4728a及び4728bの磁極性の方向と反対の方向に配向された磁極性を有する。相補的な一次整列構成要素は、二次整列構成要素4718に向かって配向された北磁極を有する内側環状領域と、二次整列構成要素4718から離れて配向された北磁極を有する外側環状領域と、中央非磁化領域と、を有することができ、上述のように閉ループ磁気配向を提供する。二次整列構成要素4718における磁気配向の非対称配置は、二次整列構成要素4718が、第1の半体4703に向かう方向よりも、第2の半体4705に向かう方向に小さいせん断力を生成するように、せん断力プロファイルを変更することができる。いくつかの実施形態では、このような非対称配置は、一次整列構成要素がドッキングステーションに装着されており、二次整列構成要素がドッキングステーションとドッキングするポータブル電子デバイスに装着されている場合、使用され得る。半環4705がポータブル電子デバイスの上部に向かうように二次環状整列構成要素4718がポータブル電子デバイス内に配向されていると想定すると、非対称的なせん断力は、ポータブル電子デバイスを下方に摺動させてドッキングステーションとドッキングするアクション、又は、ポータブル電子デバイスを上方に摺動させてドッキングステーションからポータブル電子デバイスを取り外すアクションを容易にすることができ、ポータブル電子デバイスをドッキングステーションとの所望の整列に引き寄せるための引力を依然として提供する。
【0205】
前述の例は例示的であり、限定的ではないことが理解されよう。一次及び/又は二次整列構成要素のセクタは、所与の磁気整列システムの一次及び二次整列構成要素が、所望の整列位置に向かう力を提供するための相補的な磁気配向を有する限り、任意の所望の方向及び任意の組み合わせで配向された磁極性を有する磁気要素を含むことができる。磁気配向の異なる組み合わせは、異なるせん断力プロファイルを作り出すことができ、磁気配向の選択は、所望のせん断力プロファイルに基づいて行われ得る。
【0206】
上述の実施形態では、磁気整列構成要素が、デバイスエンクロージャに対して定位置に固定されており、軸方向又は横方向に移動しないと想定される(必須ではない)。これは、固定された磁束を提供する。いくつかの実施形態では、磁気整列構成要素のうちの1つ以上が軸方向に移動することが望ましい場合がある。例えば、本発明の様々な実施形態では、これらの磁気構造体によって提供される磁束を制限することが望ましい場合がある。磁束を制限することは、ユーザがこれらの磁気構造体のうちの1つを組み込む電子デバイスと携帯している可能性がある様々な料金及び決済カードの消磁を防止するのに役立ち得る。しかし、いくつかの状況では、電子デバイスとアクセサリ又は第2の電子デバイスとの間の磁気引力を増加させるために、この磁束を増加させることが望ましい場合がある。加えて、磁気整列構成要素のうちの1つ以上が横方向に移動することが望ましい場合がある。例えば、電子デバイス及び取り付け構造体又は無線デバイスは、横方向に互いからオフセットされてもよい。磁気整列構成要素が横方向に移動する能力は、特にコイルが磁気整列構成要素と共に移動する場合、このオフセットを補償することができ、デバイス間の結合を改善することができる。したがって、本発明の実施形態は、これらの磁気構造体内の磁石のうちのいくつか又は全てが位置を変更してもよく又は移動してもよい構造を提供することができる。可動磁石を有する磁気構造体の例が、以下の図に示されている。
【0207】
図48A~
図48Cは、本発明の一実施形態による可動磁石の例を示す。これらの例では、第1の電子デバイス4800は、本明細書に示されている無線充電器のうちのいずれかなどの無線充電器、又は磁石4810(例えば、
図3の磁石アレイ320、又は上述の磁石アレイ及び整列磁石などの環状若しくは他の磁気整列構成要素のうちのいずれか)を有する他のデバイスであってもよく、第2の電子デバイス(図示せず)は、電話又は他の電子デバイスであってもよい。
図48Aでは、可動磁石4810は第1の電子デバイス4800内に収容され得る。第1の電子デバイス4800は、デバイスエンクロージャ4830、磁石4810、及びシールド4820を含むことができる。磁石4810は、非可動シールド4820に隣接する第1の位置(図示せず)にあってもよい。この位置では、磁石4810はデバイスエンクロージャ4830から分離され得る。結果として、デバイスエンクロージャ4830の表面における磁束4812は比較的低くなり得、それによって、磁気デバイス、及び決済カード上に記憶された情報などの磁気的に記憶された情報を保護する。第1の電子デバイス4800内の磁石4810が第2の電子デバイス内の第2の磁石(図示せず)に引き付けられた際に、磁石4810は移動することができ、例えば、図示されているように、シールド4820から離れてデバイスエンクロージャ4830に隣接するように移動することができる。磁石4810がこの位置にある場合、デバイスエンクロージャ4830の表面における磁束4812は、比較的高くなり得る。磁束4812のこの増加は、第2の電子デバイスを第1の電子デバイス4800に引き付けることに役立ち得る。
【0208】
この構成では、磁石4810がシールド4820から分離するのに大量の磁気引力が必要となり得る。したがって、本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態は、シールド部分及び戻り板部分に分割されるシールドを含むことができる。例えば、
図48Bでは、線4860は、シールド4840及び戻り板4850へのシールド4820の分割を示すために使用され得る。
【0209】
図48Cでは、可動磁石4810を第1の電子デバイス4800内に収容され得る。第1の電子デバイス4800は、デバイスエンクロージャ4830、磁石4810、シールド4840、及び戻り板4850を含むことができる。磁気引力がない場合、磁石4810は、シールド4840が戻り板4850に隣接し得るように、第1の位置(図示せず)にあり得る。同様に、この構成では、デバイスエンクロージャ4830の表面における磁束4812は、比較的低くなり得る。磁石4810及び第1の電子デバイス4800が、第2の電子デバイス(図示せず)内の第2の磁石(図示せず)に引き付けられた際に、磁石4810は移動することができ、例えば、図示されているように、戻り板4850から離れてデバイスエンクロージャ4830に隣接するように移動することができる。この構成では、シールド4840は、戻り板4850から分離され得、デバイスエンクロージャ4830の表面における磁束4812が増加され得る。前述のように、磁束4812のこの増加により、第2の電子デバイスを第1の電子デバイス4800に引き付けることに役立ち得る。
【0210】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、様々な筐体及び構造が、可動磁石を案内するために使用され得る。加えて、様々な表面が、これらの可動磁石と共に使用され得る。これらの表面は剛性であり得る。代替的に、これらの表面は、従順性であり得、少なくともいくらか可撓性である。例が次の図に示されている。
【0211】
図49A及び
図49Bは、本発明の一実施形態による可動磁気構造を示す。この例では、第1の電子デバイス4900は、本明細書に示されている無線充電器のうちのいずれかなどの無線充電器、又は磁石4910(例えば、
図3の磁石アレイ320、又は上述の磁石アレイ及び整列磁石などの環状若しくは他の磁気整列構成要素のうちのいずれか)を有する他のデバイスであってもよく、第2の電子デバイス4960(
図49Bに示されている)は、電話又は他の電子デバイスであってもよい。
図49Aは、第1の電子デバイス4900内の可動第1の磁石4910を示す。第1の電子デバイス4900は、第1の磁石4910、保護表面4912、筐体4920及び4922、従順性構造体4924、シールド4940、及び戻り板4950を含み得る。この図では、第1の磁石4910は第2の磁石(図示せず)に引き付けられず、したがって、シールド4940は、戻り板4950に磁気的に引き付けられている又は取り付けられている。この位置では、従順性構造体4924は、拡張又は弛緩され得る。従順性構造体4924は、エラストマー、シリコンゴム連続気泡フォーム、シリコンゴム、ポリウレタンフォーム、又は他のフォーム若しくは他の圧縮性材料から形成され得る。
【0212】
図49Bでは、第2の電子デバイス4960は、第1の電子デバイス4900に近接する。第2の磁石4970は、第1の磁石4910を引き付けることができ、それによってシールド4940及び戻り板4950を互いから分離させる。筐体4920及び4922は、従順性構造体4924を圧縮することができ、それによって、第1の電子デバイス4900の保護表面4912が第2の電子デバイス4960の筐体4980に向かって又は筐体4980に隣接するように移動することを可能にする。第2の磁石4970は、筐体4990又は他の構造によって第2の電子デバイス4960内の定位置で保持され得る。第2の電子デバイス4960が第1の電子デバイス4900から取り外された際に、第1の磁石4910及びシールド4940は、
図49Aに示されているように、戻り板4950に磁気的に引き付けられ得る。
【0213】
図50A及び
図50Bは、本発明の一実施形態による可動磁気構造を示す。この例では、第1の電子デバイス5000は、本明細書に示されている無線充電器のうちのいずれかなどの無線充電器、又は磁石5010(例えば、
図3の磁石アレイ320、又は上述の磁石アレイ及び整列磁石などの環状若しくは他の磁気整列構成要素のうちのいずれか)を有する他のデバイスであってもよく、第2の電子デバイス5060(
図50Bに示されている)は、電話又は別の電子デバイスであってもよい。
図50Aは、第1の電子デバイス5000内の可動第1の磁石5010を示す。第1の電子デバイス5000は、第1の磁石5010、柔軟な表面5012、筐体部分5020及び5022、シールド5040、及び戻り板5050を含むことができる。この図では、第1の磁石5010は第2の磁石に引き付けられず、したがって、シールド5040は、戻り板5050に磁気的に取り付けられている又は引き付けられている。この位置では、柔軟な表面5012は弛緩され得る。柔軟な表面5012は、エラストマー、シリコンゴム連続気泡フォーム、シリコンゴム、ポリウレタンフォーム、又は他のフォーム若しくは他の圧縮性材料から形成され得る。
【0214】
図50Bでは、第2の電子デバイス5060は、第1の電子デバイス5000に近接する。第2の磁石5070は、第1の磁石5010を引き付けることができ、それによって、シールド5040及び戻り板5050を互いから分離させる。第1の磁石5010は、第2の電子デバイス5060に向かって柔軟な表面5012を引き伸ばすことができ、それによって、第1の電子デバイス5000の第1の磁石5010が第2の電子デバイス5060の筐体5080に向かって移動することを可能にする。第2の磁石5070は、筐体5080又は他の構造によって第2の電子デバイス5060内の定位置で保持され得る。第2の電子デバイス5060が第1の電子デバイス5000から取り外された際に、第1の磁石5010及びシールド5040は、
図50Aに示されているように、戻り板5050に磁気的に引き付けられ得る。
【0215】
図51~
図53は、本発明の一実施形態による可動磁気構造を示す。この例では、第1の電子デバイス5100は、本明細書に示されている無線充電器のうちのいずれかなどの無線充電器、又は磁石5110(例えば、
図3の磁石アレイ320、又は上述の磁石アレイ及び整列磁石などの環状若しくは他の磁気整列構成要素のうちのいずれか)を有する他のデバイスであってもよく、第2の電子デバイス5090(
図52に示されている)は、電話又は他の電子デバイスであってもよい。
図51では、第1の磁石5110及びシールド5140は、第1の電子デバイス5100における戻り板5150に磁気的に引き付けられてもよく又は取り付けられてもよい。第1の電子デバイス5100は、デバイスエンクロージャ5120内に少なくとも部分的に収容され得る。
図52では、第2の電子デバイス5160の筐体5180は、方向5185に第1の電子デバイス5100のデバイスエンクロージャ5120の表面にわたって横方向に移動することができる。第2の電子デバイス5160内の第2の磁石5170は、第1の電子デバイス5100内の第1の磁石5110を引き付け始めることができる。この磁気引力5115は、シールド5140と戻り板5150との間の磁気引力5145を克服することによって、第1の磁石5110及びシールド5140を戻り板5150から引き離すことができる。
図53では、第2の電子デバイス5160内の第2の磁石5170は、第1の電子デバイス5100内の第1の磁石5110と整列されている。第1の磁石5110及びシールド5140は、戻り板5150から引き離され、それによって、磁気引力5145を低減する。第1の磁石5110は、デバイスエンクロージャ5120の近くに又は隣接に移動し、それによって、第2の電子デバイス5160内の第2の磁石5170への磁気引力5115を増加させる。
【0216】
図51~
図53に示されているように、第1の電子デバイス5100内の第1の磁石5110と第2の電子デバイス5160内の第2の磁石5170との間の磁気引力は、第1の磁石5110及びシールド5140が戻り板5150から引き離されたとき増加し得る。これは、以下の図にグラフで示されている。
【0217】
図54は、第1の電子デバイス内の第1の磁石と第2の電子デバイス内の第2の磁石との間の垂直抗力をそれらの間の横方向のオフセットの関数として示す。
図51~
図53に示されているように、第1の磁石5110と第2の磁石5170との間のオフセットが大きい場合、第1の磁石5110及びシールド5140は、第1の電子デバイス5100内の戻り板5150に取り付けられたままでもよく、磁気引力5115は最小であり得る。この磁気引力を克服するために必要なせん断力は、ここでは曲線5410として示されている。
図52に示されているように、第1の磁石5110と第2の磁石5170との間のオフセット又は横方向距離が減少した際に、第1の磁石5110及びシールド5140は、戻り板5150から引き離されてもよく又は分離されてもよく、それによって、第1の磁石5110と第2の磁石5170との間の磁気引力5115を増加させる。これは、ここでは不連続5420として示されている。
図53に示されているように、第1の磁石5110及び第2の磁石5170が整列した際に、磁気引力5115は曲線5430に沿って最大5440まで増加する。曲線5410と曲線5430との間の差は、第1の磁石5110が軸方向に移動することができることからもたらされる、第2の電子デバイス5160などの電話又は他の電子デバイスと、第1の電子デバイス5100などの無線充電器との間の磁気引力の増加を示すことができる。この例では、第1の磁石5110は横方向に移動しないが、本発明の他の実施形態では、第1の磁石5110はこのような移動が可能であることにも留意されたい。第1の磁石5110が横方向に移動することが可能である場合、曲線5430は、ゼロのオフセットから第1の磁石5110の可能な横方向の移動の範囲によって克服され得るオフセットへの平坦なピークを有することができる。
【0218】
図55は、第1の電子デバイス内の第1の磁石と第2の電子デバイス内の第2の磁石との間のせん断力をそれらの間の横方向のオフセットの関数として示す。オフセットが第1の磁石5110と第2の磁石5170との間にない場合、
図53に示されているように、第2の磁石5170を第1の磁石5110に対して移動させるためのせん断力はない。オフセットが増加した際に、磁石を再整列させることを試みる力であるせん断力は、曲線5540に沿って増加することができる。不連続5510において、第1の磁石5110及びシールド5140は、(
図51及び
図52に示されているように)戻り板5150に戻ることができ、それによって、点5520に磁気せん断力を減少させる。磁気せん断力は、オフセットが増加する際に、曲線5530に沿って降下し続けることができる。曲線5530と曲線5540との間の差は、第1の磁石5110が軸方向に移動することができることからもたらされる、第2の電子デバイス5160などの電話又は他の電子デバイスと、第1の電子デバイス5100などの無線充電器との間の磁気引力の増加を示すことができる。この例では、第1の磁石5110は横方向に移動しないが、他の例では、第1の磁石5110はこのような移動が可能であることにも留意されたい。第1の磁石5110が横方向に移動することが可能である場合、曲線5530は、第2の磁石5170の横方向の移動が第1の磁石5110の可能な横方向の移動の範囲を克服するまで、ゼロにとどまることができる。
【0219】
様々な用途のために、磁気整列構成要素を有するデバイスが、整列される他のデバイスを識別することを可能にすることが望ましい場合がある。デバイスがデバイス間の通信プロトコルを定義する無線充電規格をサポートするいくつかの実施形態では、デバイスは、そのプロトコルを使用して通信する。例えば、無線電力伝送のQi規格は、誘導コイルの変調方式を介して、受電デバイス(すなわち、無線で伝送される電力を受け取るための誘導コイルを有するデバイス)が送電デバイス(すなわち、別のデバイスに無線で電力を伝送するための時間変化磁場を生成するための誘導コイルを有するデバイス)に情報を通信することを可能にする通信プロトコルを定義する。Qi通信プロトコル又は同様のプロトコルは、デバイス識別若しくは充電状態などの情報、又は受電デバイスから送電デバイスへの電力伝送を増加又は減少させるためのリクエストを通信するために使用され得る。
【0220】
いくつかの実施形態では、NFCサブシステムなどの別個の通信サブシステムが、デバイス間の追加の通信を可能にするために提供され得る。例えば、環状磁気整列構成要素を有する各デバイスは、NFCコイルを有することができ、NFCコイルは、環状磁気整列構成要素の内側に配置され得、環状磁気整列構成要素と同心に配置され得る。デバイスがまた誘導性充電コイル(送電コイル又は受電コイルであることができる)を有する場合、NFCコイルは、誘導性充電コイルと環状磁気整列構成要素との間の隙間内に配置され得る。いくつかの実施形態では、NFCコイルは、デバイスのそれぞれの磁気整列構成要素が整列されたとき、ポータブル電子デバイスが無線充電デバイス及び/又は補助デバイスなどの他のデバイスを識別することを可能にするために使用され得る。例えば、受電デバイスのNFCコイルはNFCリーダ回路に結合され得、送電デバイス又はアクセサリデバイスのNFCコイルはNFCタグ回路に結合され得る。デバイスが近接するとき、受電デバイスのNFCリーダ回路は作動されて送電デバイス及び/又はアクセサリデバイスのNFCタグを読み取ることができる。このようにして、受電デバイスは、送電デバイス及び/又はアクセサリデバイスから情報(例えば、デバイス識別)を得ることができる。
【0221】
いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイス内のNFCリーダは、相補的な磁気整列構成要素を有する別のデバイスが整列されたとき予想される変化に対応する、ポータブル電子デバイスの磁気整列構成要素によって生成されたDC(又は静的)磁場の変化を検出することによって、トリガされ得る。予想される変化が検出されたとき、他のデバイスが存在すると想定して、NFCリーダは作動されて他のデバイス内のNFCタグを読み取ることができる。
【0222】
いくつかの実施形態では、NFCタグは、無線充電器及び環状整列構造体を含むデバイス内に位置することができる。NFCタグは、無線充電器デバイスが相補的な環状整列構造体及びNFCリーダを有するポータブルデバイスと整列されたとき、NFCタグがポータブル電子デバイスのNFCリーダによって読み取り可能であるように配置及び構成され得る。
【0223】
図56は、いくつかの実施形態によるNFCタグを組み込む無線充電器デバイス5602の分解図を示し、
図57は、いくつかの実施形態による無線充電器デバイス5602の部分断面図を示す。
図56に示されているように、無線充電器デバイス5602は、プラスチック又は金属(例えば、アルミニウム)から作製され得るエンクロージャ5604と、シリコーン、プラスチック、ガラス、又はAC及びDC磁場に対して透過性である他の材料から作製され得る充電面5606と、を含むことができる。充電面5606は、エンクロージャ5604の上部にある円形開口部5603内に嵌合するように成形され得る。
【0224】
無線送電コイルアセンブリ5611は、エンクロージャ5604内に配置され得る。無線送電コイルアセンブリ5611は、別のデバイスへの誘導電力伝送のための無線送電コイル5612、並びに無線送電コイル5612のうちのいくつかの又は全ての表面の周りに配置されたAC磁気及び/又は電気シールド5613を含むことができる。無線送電コイル5612を制御するための制御回路5614(例えば、ロジックボード及び/又は電力回路を含むことができる)は、コイル5612の中心及び/又はコイル5612の下に配置され得る。いくつかの実施形態では、制御回路5614は、Qiプロトコル又は他のプロトコルなどの無線充電プロトコルに従って、無線送電コイル5612を動作させることができる。
【0225】
一次環状磁気整列構成要素5616は、無線送電コイルアセンブリ5611を取り囲むことができる。一次環状磁気整列構成要素5616は、図示されているように環状構成で配置された多数の弓状磁石セクションを含むことができる。各弓状磁石セクションは、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、磁気的に偏光されていない中央弓状領域と、を含むことができる。いくつかの実施形態では、一次環状磁気整列構成要素5616の直径及び厚さは、
図57に最も良く見られるように、一次環状磁気整列構成要素5616の弓状磁石セクションがエンクロージャ5604の上面にあるリップ5609の下に嵌合するように選択される。例えば、各弓状磁石セクションは、内側領域及び外側領域を磁化する前又は後のいずれかで、リップ5609の下の位置内に挿入され得る。いくつかの実施形態では、一次環状磁気整列構成要素5616は、2つの隣接する弓状磁石セクションの間に隙間5636を有することができる。隙間5636は、外部ワイヤが無線送電コイル5612及び/又は制御回路5614に接続されることを可能にするために、エンクロージャ5604の側面における開口部5607と整列され得る。
【0226】
支持リングサブアセンブリ5640は、軸方向に延在する環状フレーム5642と、フレーム5642の上縁部にある摩擦パッド5644と、を含むことができる。摩擦パッド5644は、熱可塑性ウレタン(TPU)などのシリコーン又は熱可塑性エラストマー(TPE)などの材料から作製され得、充電面5606に対する支持及び保護を提供することができる。フレーム5642は、ポリカーボネート(PC)、ガラス繊維強化ポリカーボネート(GFPC)、又はガラス繊維強化ポリアミド(GFPA)などの材料から作製され得る。フレーム5642は、その上に配置されたNFCコイル5664を有することができる。例えば、NFCコイル5664は、フレーム5642上に巻かれた銅ワイヤ又は他の導電性ワイヤから作製された4ターン又は5ターンのソレノイドコイルであることができる。いくつかの実施形態では、NFCコイル5664は、フレーム5642上に配置され得るNFCタグ回路(図示せず)に電気的に接続され得る。NFC回路の関連する設計原理は、当技術分野において周知であり、詳細な説明は省略される。フレーム5642は、一次環状磁気整列構成要素5616と無線送電コイルアセンブリ5611との間の隙間領域5617内に挿入され得る。いくつかの実施形態では、隙間領域5617は、無線送電コイル5612内で生成されたAC電磁場からACシールド5613によってシールドされており、また、一次環状磁気整列構成要素5616のDC磁場から弓状磁石セクションの閉ループ構成によってシールドされている。
【0227】
図58は、いくつかの実施形態による、ポータブル電子デバイス5204で実装され得るプロセス5800のフロー図を示す。いくつかの実施形態では、プロセス5800は、ポータブル電子デバイス5204の電源がオンにされる間、反復的に実行され得る。ブロック5802において、プロセス5800は、例えば磁力計5280を使用して、ベースライン磁場を決定することができる。ブロック5804において、プロセス5800は、磁場の変化が検出されるまで、磁力計5280からの信号をモニタリングし続けることができる。ブロック5806において、プロセス5800は、磁場の変化が相補的な磁気整列構成要素の整列と関連付けられた変化の大きさ及び方向と一致するか否かを判定することができる。一致しない場合、ブロック5802においてベースライン磁場が更新され得る。ブロック5806において磁場の変化が相補的な整列構成要素の整列と関連付けられた変化の大きさ及び方向と一致する場合、ブロック5808において、プロセス5800は、NFCコイル5260と関連付けられたNFCリーダ回路を作動して、整列されたデバイスのNFCタグを読み取ることができる。ブロック5810において、プロセス5800は、NFCタグから読み取られた識別情報を受信することができる。ブロック5812において、プロセス5800は、識別情報に基づいてポータブル電子デバイス5204の挙動を変更することができ、例えば、上述のように色洗浄効果を生成する。ブロック5812の後、プロセス5800はブロック5802に任意選択で戻って磁力計5280の連続的なモニタリングを提供することができる。プロセス5800は例示的であり、プロセス5800に加えて又はプロセス5800の代わりに他のプロセスを実行することができると理解されたい。
【0228】
図59は、
図1の無線充電器の代替分解図である。無線充電器5900は、本明細書に示されている無線充電器100(
図1に示されている)及び他の無線充電器と実質的に同様であり得る。無線充電器5900は、第1の電子デバイス(図示せず)を充電するための第1のリーフ5902と、第2の電子デバイス(図示せず)を充電するための第2のリーフ5904と、を含むことができる。第1のリーフ5902は、主ヒンジ5906によって第2のリーフ5904に接合され得る。
【0229】
第1のリーフ5902は、第1の電子デバイスを第1のリーフ5902に整列させるための1つ以上の整列機構を含むことができる。具体的には、第1のリーフ5902は環状磁石アレイ6140を含むことができる。磁石アレイ6140は、第1の電子デバイスが第1のリーフ5902に近接するとき、第1の電子デバイス(図示せず)内の対応する磁石アレイ(図示せず)を引き付けることができる。磁石アレイ6140は、第1の電子デバイスを第1のリーフ5902に取り付けるための取り付けデバイスとして更に機能することができる。接触面6111はまた、取り付けデバイスとして機能することができる。具体的には、接触面6111は、電話(例えば)の裏側を第1のリーフ5902に保持する高摩擦又は高静止摩擦材料から形成され得る。接触面6111の高摩擦又は高静止摩擦面は、第1の電子デバイスを第1のリーフ5902から取り外すために必要なせん断力を増加させることができる。加えて又は代わりに、接触面6111は、接着剤を使用して形成され得る。接着剤を使用することにより、第1の電子デバイスを第1のリーフ5902から取り外すために必要な垂直抗力を増加させることができる。
【0230】
整列されると、第1のリーフ5902は、コイル6110を使用して第1の電子デバイスに充電を行うことができる。磁石アレイ6140は、コイル6110を後に及び周方向に取り囲むことができる。電力はコネクタ5992で受け取られ得る。コネクタ5992は、ライトニング、USBタイプC、又は他のタイプのコネクタであり得る。この電力は、基板5990を介して制御回路6130に供給され得る。制御回路6130は、コイル6110内に交流を生成することができる。これらの交流は、第1の電子デバイス内の対応するコイル(図示せず)に結合する時間変化磁束を生成することができる。第1の電子デバイスは、これらの誘導電流を使用して、第1の電子デバイス内のバッテリ(図示せず)を充電することができる。コイル6110及び磁石アレイ6140は、第1の下部エンクロージャ5950によって支持され得るエンクロージャ6150内に収容され得る。エンクロージャ6150は、アルミニウム、ステンレス鋼、又は他の材料から形成され得る。シールド6120は、第1のリーフ5902と充電中の第1の電子デバイスとの間の容量結合を増加させるのに役立ち得る。容量結合のこの増加は、コイル6110によって生成された電磁干渉を低減するのに役立ち得る、放射及びノイズを低減するのに役立ち得る。シールド6120は、銅、ステンレス鋼、又は他の材料から形成され得る。導電性フォーム及び他の導電性構造体が、このシールドを改善させるために使用され得る。例えば、導電性フォームリング(図示せず)が接触面6111の周囲に配置され得る。
【0231】
第2のリーフ5904は、第2の電子デバイスを第2のリーフ5904に整列させるための1つ以上の整列機構を含むことができる。具体的には、第2のリーフ5904は磁石6162を含むことができる。磁石6162は、第2の電子デバイスが充電パック6170に近接するとき、第2の電子デバイス内の対応する磁石(図示せず)を引き付けることができる。磁石6162は、第2の電子デバイスを充電パック6170に取り付けるための取り付けデバイスとして更に機能することができる。磁石6162及びコイル6110は、充電パック6170内に収容され得る。パックキャップ6161は、ポリカーボネート又は他の材料から形成され得、コイル6160及び磁石6162を覆うことができる。パックキャップ6161の表面及び他の態様は、接触面6111と同じ又は同様であることができる。
【0232】
第2の電子デバイスが充電パック6170に整列されると、充電パック6170はコイル6160を使用して第2の電子デバイスへの充電を行うことができる。コイル6160は、磁石6162を横方向及び周方向に取り囲むことができる。コネクタ5992で受け取られた電力は、基板5990によって、充電パック6170内のコイル6160に接続され得る制御回路(図示せず)に供給され得る。充電パック6170内の制御回路は、コイル6160内に交流を生成することができる。これらの交流は、第2の電子デバイス内の対応するコイル(図示せず)に結合する時間変化磁束を生成することができる。第2の電子デバイスは、これらの誘導電流を使用して、第2の電子デバイス内のバッテリ(図示せず)を充電することができる。コイル6160、磁石6162、及び制御回路は、第2の下部エンクロージャ5952によって支持され得る充電パック6170内に支持され得る。パックヒンジ6000は、充電パック6170を第2の下部エンクロージャ5952に取り付けることができる。基板5990は、ケーブル414(
図4に示されている)を介して制御回路と通信することができる。
【0233】
無線充電器5900は、上層5910及び下層5970を更に含むことができる。これらの層は、天然又は人工の層であることができ、触れたくなるような表面を有することができる。第1の上部エンクロージャ5930及び第2の上部エンクロージャ5932は、層5920及び層5922によって上層5910に接合され得る。第1の下部エンクロージャ5950及び第2の下部エンクロージャ5952は、層5960及び層5962によって下層5970に接合され得る。無線充電器5900は磁石5940を更に含むことができる。磁石5940は、無線充電器5900が第1の方向に折り畳まれたとき、第1のリーフ5902の上面を第2のリーフ5904の上面に固定するように配置され得る。磁石5940は、無線充電器5900が第2の方向に折り畳まれたとき、第1のリーフ5902の下面を第2のリーフ5904の下面に固定するように配置され得る。
【0234】
主ヒンジ5906内のフレキシブル回路基板5982は、成形物6320によって保護され得る。成形物6320に関する更なる詳細が
図63に以下に示されている。
【0235】
1つ以上の電磁シールド(e-shield)(図示せず)は、コイル6110及びコイル6160のうちのいずれか又は両方の上に配置され得る。これらの電磁シールドは、コイル6110又はコイル6160と電子デバイス内の対応するコイルとの間の電場を遮断するために銅又は他の導電性材料の層から形成され得、対応するコイル間に磁場を通すための透磁率が低くあり得る。これらの電磁シールドは、渦電流の形成を防止するための破断部を含むことができる。1つ以上のフェライト又はフェライト要素(図示せず)が、コイル6110及びコイル6160のうちのいずれか又は両方の下に配置されて、結合及びシールドを更に改善させることができる。これらのフェライトは、ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、酸化鉄、マンガン、亜鉛、若しくは他の材料又は材料の組み合わせなどの高透磁率を有する材料から形成され得る。
【0236】
これらの無線充電器の部分は、様々な材料から形成され得る。接触面6111及び他の高摩擦表面は、エラストマー、プラスチック、PVCプラスチック、ゴム、シリコンゴム、ウレタン、ポリウレタン、ニトリル、ネオプレン、シリコーン、又は他の材料から形成され得る。接触面6111は、二段成形プロセスを使用して形成され得る。例えば、接触面6111は、より軟らかいシリコーン層によって覆われたポリカーボネート層から形成され得る。充電パック6170、パックヒンジ6000、第1の下部エンクロージャ5950、第2の下部エンクロージャ5952、エンクロージャ6150、及び他の部分は、アルミニウム、ステンレス鋼、又は他の材料から形成され得る。これらの構造及び他の構造は、深絞りプロセス又は他の技術を使用して、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工、金属射出成形、打ち抜き、鍛造によって形成され得る。上層5910及び下層5970は、合成皮革、又は他の天然若しくは人工材料から形成され得る。この例での磁石5940、磁石アレイ6140、及び磁石6162などの本明細書に示されている磁石のそれぞれは、再利用希土類磁石、又は他の磁石若しくは磁気構造体を使用して形成され得る。
【0237】
図60A及び
図60Bは、本発明の一実施形態によるパックヒンジを示す。この例では、パックヒンジ6000は、シャフト6020を含むことができる。シャフト6020は、ばねクリップ1930(
図19Bに示されている)と同じ又は同様であり得るばねクリップ6030によって定位置に保持され得る。ばねクリップ6030は、パックヒンジ6000のブロック6010のスロット6016(
図61に示されている)内に位置することができるタブ6032(
図61に示されている)を含むことができる。シャフト6020は、充電パック6170(
図59に示されている)の上方運動と下方運動との間の差動抵抗を提供するために、カム加工されてもよく又は非円筒形であってもよい。アーム6034(
図61に示されている)は、充電パック6170の上方及び下方運動に対する非対称抵抗を提供するために異なる幅を有してもよく、アーム6034は、充電パック6170の上方及び下方運動に対する対称抵抗を提供するために同等であってもよい。
【0238】
この例では、シャフト6020は、スロット6018内の限界6012と限界6014との間で移動することができるストップ6022を有することができる。限界6014は、無線充電器5900の上面に対する充電パック6170の上方移動を制限することができる。限界6012は、無線充電器5900(
図59に示されている)の上面に対する充電パック6170の下方移動を制限することができる。すなわち、シャフト6020は、(図示されているように)反時計回りに回転して、シャフト6020のストップ6022がスロット6018の限界6014と係合するまで、充電パック6170を上昇させることができる。シャフト6020は、時計回りに回転して、シャフト6020のストップ6022がスロット6018の限界6012と係合するまで、充電パック6170を下降させることができる。組付け中に、シャフト6020は、ストップ6022が限界6012と係合するように配置され得る。充電パック6170は、無線充電器5900の上面に対して所望の位置に配置され得る。次いで、充電パック6170に取り付けられたステム(図示せず)は、例えば、はんだ付け又はレーザ溶接によってシャフト6020に固定され得る。この位置では、ストップ6022が限界6012に戻ったとき、充電パック6170は、無線充電器5900に対して所望の位置にあることができる。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、この所望の位置は、無線充電器5900の上面の平面を含む平面内、無線充電器5900の上面の平面と平行な平面内、又は他の適切な相対位置にあることができる。
【0239】
図61は、本発明の一実施形態によるパックヒンジの構成要素を示す。この例では、パックヒンジ6000は、シャフト6020を含むことができる。シャフト6020は、ばねクリップ6030によって定位置に保持され得る。ばねクリップアーム6034は、シャフト6020との締まり嵌めを有して、シャフト6020の回転摩擦を提供することができる。ばねクリップ6030は、パックヒンジ6000のブロック6010のスロット6016内に位置することができるタブ6032を含むことができる。タブ6032は、スロット6016との締まり嵌めを有することができる。シャフト6020は、充電パック6170(
図59に示されている)の上方運動と下方運動との間の差動抵抗を提供するために、カム加工されてもよく又は非円筒形であってもよい。アーム6034は、充電パック6170の上方及び下方運動に対する非対称抵抗を提供するために異なる幅を有してもよく、又はアーム6034は、充電パック6170の上方及び下方運動に対する対称抵抗を提供するために同等であってもよい。ばねクリップ6030は、シャフト6020を垂直方向に保持することができ、係止クリップ6040は、凹部6017でブロック6010に取り付けられて、シャフト6020の軸方向並進、すなわち、軸に沿ったシャフト6020の移動を防止するのに役立ち得る。
【0240】
この例では、シャフト6020は、スロット6018内の限界6012と限界6014(
図60に示されている)との間で移動することができるストップ6022を有することができる。2つのストップ6022は、過剰な力が充電パック6170に適用されたときパックヒンジ6000の強度を増加させるために使用され得る。限界6014は、無線充電器5900(
図59に示されている)の上面に対する充電パック6170の上方移動を制限することができる。限界6012は、無線充電器5900の上面に対する充電パック6170の下方移動を制限することができる。すなわち、シャフト6020は、反時計回りに回転して、シャフト6020のストップ6022がスロット6018の限界6014と係合するまで、充電パック6170を上昇させることができる。シャフト6020は、時計回りに回転して、シャフト6020のストップ6022がスロット6018の限界6012と係合するまで、充電パック6170を下降させることができる。組付け中に、シャフト6020は、ストップ6022が限界6012と係合するように配置され得る。充電パック6170は、無線充電器5900の上面に対して所望の位置に配置され得る。次いで、充電パック6170に取り付けられたステムは、例えば、シャフト6020内の開口部6029を介するはんだ付け又はレーザ溶接によってシャフト6020に固定され得る。この位置では、ストップ6022が限界6012に戻ったとき、充電パック6170は、無線充電器5900に対して所望の位置にあることができる。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、この所望の位置は、無線充電器5900の上面の平面を含む平面内、無線充電器5900の上面の平面と平行な平面内、又は他の適切な位置にあることができる。
【0241】
充電パック6170は、ステムを介してパックヒンジ6000に取り付けられ得る。このステムは、
図15A~
図15B及び
図16A~
図16Bに示されているステムの変形形態であることができる。例えば、ステム内のケーブルの出口は、ステムを通るケーブル414(
図4に示されている)のルーティングを簡略化するために、ステムに対して小さい又は限られた角度で形成され得る。ステムは、シャフト上でより高い線に沿ってシャフト6020に取り付けられ得る。この変更形態は、充電パック6170が上方位置にあるとき、ケーブル414をステムの後方に隠すのに役立ち得る。このようなステムの例が、以下の図に示されている。
【0242】
図62は、本発明の一実施形態による、パックヒンジを充電パックに取り付けるために使用され得るステムを示す。ステム6200は、溝6210に沿ってシャフト6020(
図60に示されている)に取り付けられ得る。ステム6200は、シャフト6020内の開口部6029(
図61に示されている)を介してシャフト6020にはんだ付け又はレーザ溶接され得る。ステム6200の端部6220は、充電パック6170(
図59に示されている)に取り付けられ得る。ケーブル414(
図4に示されている)は、端部6220にある開口部6223から端部6230にある開口部6233への開口部へステムを通ってルーティングされ得る。開口部6223と開口部6233との間の角度は、ステム6200を通るケーブル414のルーティングを容易にするために、制限され得る(例えば、90度未満)。溝6210は、端部6230が無線充電器5900(
図59に示されている)内で下方に位置し得るように、端部6230から離れて配置され得る。これは、充電パック6170が直立位置にあるとき、ケーブル414の視認性を制限するのに役立ち得る。
【0243】
本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態では、フレキシブル回路基板5982上のトレース(
図59に示されている)及びフレキシブル回路基板5982自体が、
図59に示されている主ヒンジ5906の外面上に可視パターンを形成しないことが望ましい場合がある。すなわち、フレキシブル回路基板5982上のトレースは、無線充電器5900の表面に透けて見えないことが望ましい場合がある。したがって、本発明の実施形態は、このような視認性又は透けて見えることを軽減するための構造を含むことができる。例が次の図に示されている。
【0244】
図63は、本発明の一実施形態による主ヒンジの一部分を示す。この例では、フレキシブル回路基板5982は、上層5910と下層5970との間の成形物6320内に成形され得る。製造中、成形物6320は、上層5910の底部及び下層5970の頂部に適用され得る。フレキシブル回路基板5982を間に挟んだ状態で、上層5910及び下層5970は、圧縮成形機で圧縮され得る。これは、上層5910の頂部及び下層5970の底部に均一な表面を提供することができる。
【0245】
図64は、本発明の一実施形態による、主ヒンジ内のフレキシブル回路基板上にトレースを形成するために使用され得る金属化パターンの例を示す。基板部分6400は、フレキシブル回路基板5982の一部分であることができる。トレース2760(
図27Aに示されている)と同様に、トレース6410は蛇行形状を有することができる。複数のトレース6410は入れ子にされ得る。トレース6410は、端部6420で終端することができる。これらのトレース6410は、1つ以上の信号に使用され得、複数のトレース6410は、冗長性のために使用され得る。
【0246】
上層5910及び成形物6320又は下層5970及び成形物6320(両方とも
図59に示されている)を介する主ヒンジ5906の表面でのトレース6410の視認性を防止することが望ましい場合がある。したがって、本発明の実施形態は、トレース6410間、トレース6410の上、及びトレース6410の下に形成された追加の金属化領域6430を提供することができる。追加の金属化領域6430は、固体であってもよく、穿孔されてもよく、網掛けパターンを有してもよく、又は他のパターンを使用して形成されてもよい。これらの領域は、これらの領域が成形物6320及び上層5910又は成形物6320及び下層5970に透けて見えず、主ヒンジ5906の表面上に現れないように、非金属化領域のサイズを縮小させる傾向があり得る。
【0247】
個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たす又は超えると一般に認識されているプライバシーポリシー及びプラクティスに従うべきであることに十分に理解されたい。特に、個人特定可能な情報データは、意図されない又は許可されていないアクセス又は使用のリスクを最小限に抑えるように管理及び取り扱いされるべきであり、許可された使用の性質はユーザに明確に示されるべきである。
【0248】
本発明の実施形態の上述の説明は、例示及び説明のために提示されている。網羅的であること、又は記載されている厳密な形態に本発明を限定することは意図されず、多くの変更形態及び変形形態が上述の教示に照らして可能である。実施形態は、本発明の原理及びその実際的な適用を最良に説明して、それによって、他の当業者が本発明を様々な実施形態で及び想到される特定の用途に好適な様々な変更形態と共に最良に利用することを可能にするために、選択及び説明されている。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲内の全ての変更形態及び均等物を網羅することを意図することが理解されよう。