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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】発光ダイオードを備えたディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/32 20160101AFI20230721BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230721BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09G3/20 624B
G09G3/20 680G
G09F9/30 365
G09F9/30 338
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021185398
(22)【出願日】2021-11-15
(62)【分割の表示】P 2019223967の分割
【原出願日】2016-10-17
(65)【公開番号】P2022028797
(43)【公開日】2022-02-16
【審査請求日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】62/263,074
(32)【優先日】2015-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/263,803
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】リン, チン-ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リン, ヒュン ション
(72)【発明者】
【氏名】チャン, シー-チャン
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-161084(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0243720(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0243220(US,A1)
【文献】特開2004-177796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素回路であって、
正電源端子と
接地電源端子と、
前記正電源端子と前記接地電源端子との間に接続された発光ダイオードと、
前記発光ダイオードと直列に接続された第1のシリコントランジスタと、
第2のシリコントランジスタのソースを前記第1のシリコントランジスタのドレインに接続し、前記第2のシリコントランジスタのドレインを前記発光ダイオードのアノードに接続することにより、前記第1のシリコントランジスタと前記発光ダイオードとに直列に接続された第2のシリコントランジスタであって、前記第2のシリコントランジスタは前記発光ダイオードと前記第1のシリコントランジスタとの間に挟まれた第2のシリコントランジスタと、
前記第1のシリコントランジスタのゲートに結合された半導体酸化物スイッチングトランジスタと、
第3のシリコントランジスタのソースが前記正電源端子に接続され、前記第3のシリコントランジスタのドレインが第1のノードを介して前記第1のシリコントランジスタのソースに接続された第3のシリコントランジスタと、
前記第1のノードとデータ線との間に結合されたシリコンスイッチングトランジスタと、
一対の電極を有し、一方の電極が前記第1のノードに接続され、他方の電極が前記半導体酸化物スイッチングトランジスタと前記第1のシリコントランジスタの前記ゲートとの間に結合された第2のノードに接続されたコンデンサと、
を備え、
前記シリコンスイッチングトランジスタのソースが前記データ線に接続され、
前記シリコンスイッチングトランジスタのドレインが前記第1のノードを介して前記一方の電極と接続され、
前記半導体酸化物スイッチングトランジスタは、前記第2のノードと、基準電圧線との間に結合されている、画素回路。
【請求項2】
前記コンデンサは、前記第2のノードを介して前記第1のシリコントランジスタの前記ゲートに結合された請求項1に記載の画素回路。
【請求項3】
前記発光ダイオードのアノードと前記基準電圧線との間に結合されている第2のシリコンスイッチングトランジスタをさらに備える請求項1に記載の画素回路。
【請求項4】
前記第1のシリコントランジスタは第1のpチャネルシリコントランジスタであって、
前記第2のシリコントランジスタは第2のpチャネルシリコントランジスタであって、
前記半導体酸化物スイッチングトランジスタはnチャネル半導体酸化物スイッチングトランジスタである請求項1に記載の画素回路。
【請求項5】
画素回路であって、
第1の電源端子と、
第2の電源端子と、
前記第1の電源端子と前記第2の電源端子との間で、第1のシリコントランジスタ、第2のシリコントランジスタ、第3のシリコントランジスタ、発光ダイオードの順序で直列に接続された、第1のシリコントランジスタ、第2のシリコントランジスタ、第3のシリコントランジスタ、発光ダイオードであって、前記第1のシリコントランジスタのソースが前記第1の電源端子に接続され、前記第2のシリコントランジスタのソースが前記第2のシリコントランジスタのソースとデータ線との間の第1のノードを介して前記第1のシリコントランジスタのドレインに接続され、前記第3のシリコントランジスタのソースが前記第2のシリコントランジスタのドレインに接続され、前記第3のシリコントランジスタのドレインが前記発光ダイオードのアノードに接続された、第1のシリコントランジスタ、第2のシリコントランジスタ、第3のシリコントランジスタ、発光ダイオードと、
前記第2のシリコントランジスタのゲートと結合された半導体酸化物スイッチングトランジスタと
前記第1のノードと前記データ線との間に結合された第1のシリコンスイッチングトランジスタと、
前記発光ダイオードのアノードと基準電圧線との間に結合された第2のシリコンスイッチングトランジスタと、
一対の電極を有し、一方の電極が前記第1のノードに接続され、他方の電極が前記半導体酸化物スイッチングトランジスタと前記第2のシリコントランジスタの前記ゲートとの間に結合された第2のノードに接続されたコンデンサと、
を備え、
前記第1のシリコンスイッチングトランジスタのソースが前記データ線に接続され、
前記第1のシリコンスイッチングトランジスタのドレインが前記第1のノードを介して前記一方の電極と接続され、
前記半導体酸化物スイッチングトランジスタは、前記第2のノードと、前記基準電圧線との間に結合されている、画素回路。
【請求項6】
前記第1のシリコントランジスタは第1のpチャネルシリコントランジスタであって、
前記第2のシリコントランジスタは第2のpチャネルシリコントランジスタであって、
前記第3のシリコントランジスタは第3のpチャネルシリコントランジスタであって、
前記半導体酸化物スイッチングトランジスタはnチャネル半導体酸化物スイッチングトランジスタであって、
前記第1のシリコンスイッチングトランジスタは第1のpチャネルシリコンスイッチングトランジスタであって、
前記第2のシリコンスイッチングトランジスタは第2のpチャネルシリコンスイッチングトランジスタである、請求項に記載の画素回路。
【請求項7】
画素回路であって、
第1の電源端子と、
第2の電源端子と、
前記第1の電源端子と前記第2の電源端子との間で、第1のシリコントランジスタ、第2のシリコントランジスタ、第3のシリコントランジスタ、発光ダイオードの順序で直列に接続された、第1のシリコントランジスタ、第2のシリコントランジスタ、第3のシリコントランジスタ、発光ダイオードであって、前記第1のシリコントランジスタのソースが前記第1の電源端子に接続され、前記第2のシリコントランジスタのソースが前記第2のシリコントランジスタの前記ソースとデータ線との間の第1のノードを介して前記第1のシリコントランジスタのドレインに接続され、前記第3のシリコントランジスタのソースが前記第2のシリコントランジスタのドレインに接続され、前記第3のシリコントランジスタのドレインが前記発光ダイオードのアノードに接続された、第1のシリコントランジスタ、第2のシリコントランジスタ、第3のシリコントランジスタ、発光ダイオードと、
前記第2のシリコントランジスタのゲートと結合された半導体酸化物スイッチングトランジスタと、
前記第2のシリコントランジスタの前記ゲートと、前記第1のノードとの間に結合されたコンデンサと、
前記第1のノードと前記データ線との間に結合されたシリコンスイッチングトランジスタと、
を備え
記コンデンサは、一対の電極を有し、一方の電極が前記第1のノードに接続され、他方の電極が前記半導体酸化物スイッチングトランジスタと前記第2のシリコントランジスタの前記ゲートとの間に結合された第2のノードに接続され、
前記シリコンスイッチングトランジスタのソースが前記データ線に接続され、
前記シリコンスイッチングトランジスタのドレインが前記第1のノードを介して前記一方の電極と接続され、
前記半導体酸化物スイッチングトランジスタは、前記第2のノードと基準電圧線との間に結合された、画素回路。
【請求項8】
前記第1のシリコントランジスタは第1のpチャネルシリコントランジスタであって、
前記第2のシリコントランジスタは第2のpチャネルシリコントランジスタであって、
前記半導体酸化物スイッチングトランジスタはnチャネル半導体酸化物スイッチングトランジスタであって、
前記画素回路は、
前記発光ダイオードのアノードと前記基準電圧線との間に結合されたpチャネルシリコンスイッチングトランジスタをさらに備える、請求項に記載の画素回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して電子デバイスに関し、より具体的には、ディスプレイを有する電子デバイスに関する。本出願は、2016年9月13日出願の米国特許出願第15/263,803号、及び2015年12月4日出願の米国仮特許出願第62/263,074号に対する優先権を主張するものであり、これらの出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは、多くの場合、ディスプレイを含む。有機発光ダイオードディスプレイなどのディスプレイは、発光ダイオードを備えた画素を有する。
【0003】
発光ダイオードディスプレイを備えたディスプレイを設計することは難題であり得る。配慮がなされていない場合、トランジスタの高リーク電流、トランジスタの低スイッチング速度、ルーティングの複雑さ、オーミック損失による電圧降下、及びその他の問題が、ディスプレイの性能に悪影響を及ぼす場合がある。
【発明の概要】
【0004】
電子デバイスはディスプレイを有し得る。ディスプレイは、行及び列に整列された画素のアレイを有し得る。画素のそれぞれは、駆動電流の印加に応答して光を放出する有機発光ダイオードなどの発光ダイオードを有し得る。各画素内の駆動トランジスタは、駆動トランジスタのゲートとソースとの間のゲート-ソース電圧に応答して、その画素の発光ダイオードに駆動電流を供給し得る。
【0005】
各駆動トランジスタのソースは、正電源に結合されてもよい。発光トランジスタは、正電源と接地電源との間で各画素の駆動トランジスタ及び発光ダイオードに直列に結合されてもよい。画素は、第1及び第2のスイッチングトランジスタを含んでもよい。データ蓄積コンデンサは、各画素において駆動トランジスタのゲートとソースとの間に結合されてもよい。制御信号は、ディスプレイドライバ回路からスイッチングトランジスタ及び発光トランジスタの各ゲートに供給されてもよい。
【0006】
信号線を画素の列内に設けて、データ信号、駆動トランジスタからの感知された駆動電流、及びディスプレイドライバ回路と画素との間の基準電圧などの所定の電圧などの信号を送ってもよい。スイッチングトランジスタ、発光トランジスタ及び駆動トランジスタは、半導体酸化物トランジスタ及びシリコントランジスタを含んでもよく、nチャネルトランジスタ又はpチャネルトランジスタであってもよい。
【0007】
更なる特徴が、添付図面及び以下の詳細な説明から、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る例示的なディスプレイの模式図である。
図2】一実施形態に係るディスプレイのための例示的な画素の回路図である。
図3】一実施形態に係る、図2に示した種類の画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する例示的な信号を示すタイミング図である。
図4】一実施形態に係る、図2に示した種類の画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する例示的な信号を示すタイミング図である。
図5】一実施形態に係るディスプレイのための別の例示的な画素の回路図である。
図6】一実施形態に係る、図5に示した種類の画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する例示的な信号を示すタイミング図である。
図7】一実施形態に係る、図5に示した種類の画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する例示的な信号を示すタイミング図である。
図8】一実施形態に係るディスプレイのための追加の例示的な画素の回路図である。
図9】一実施形態に係る、図8に示した種類の画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する例示的な信号を示すタイミング図である。
図10】一実施形態に係る、図8に示した種類の画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する例示的な信号を示すタイミング図である。
図11】一実施形態に係るディスプレイのための更なる例示的な画素の回路図である。
図12】一実施形態に係る、図11に示した種類の画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する例示的な信号を示すタイミング図である。
図13】一実施形態に係る、図11に示した種類の画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する例示的な信号を示すタイミング図である。
図14】一実施形態に係る、5つのトランジスタ及び1つのコンデンサを備えた例示的な画素回路の図である。
図15】一実施形態に係る、図14に示した種類の画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する信号を示すタイミング図である。
図16】一実施形態に係るオンバイアスストレス(on-bias stress)動作中の図14の画素回路の図である。
図17】一実施形態に係るデータ書き込み動作中の図14の画素回路の図である。
図18】一実施形態に係る発光動作中の図14の画素回路の図である。
図19】一実施形態に係る閾電圧情報を収集するときの図14の画素回路の図である。
図20A】一実施形態に係る、図14に示したように画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する信号を示すタイミング図である。
図20B】一実施形態に係る、図14に示したように画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する信号を示すタイミング図である。
図21】別の実施形態に係る閾電圧情報を収集するときの図14の画素回路の図である。
図22】一実施形態に係る、図21に示したように画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する信号を示すタイミング図である。
図23】一実施形態に係るバイパストランジスタを備えた例示的な画素の回路図である。
図24】一実施形態に係る、図23の画素を動作させる際に使用され得る種類の制御信号を示す図である。
図25】一実施形態に係るバイパストランジスタを備えた別の例示的な画素の回路図である。
図26】一実施形態に係る、図25の画素を動作させる際に使用され得る種類の制御信号を示す図である。
図27図25に示した種類の画素に対する例示的な動作を示す。
図28図25に示した種類の画素に対する例示的な動作を示す。
図29図25に示した種類の画素に対する例示的な動作を示す。
図30図25に示した種類の画素に対する例示的な動作を示す。
図31図25に示した種類の画素に対する例示的な動作を示す。
図32図30に関連して記載された種類の電流感知動作がどのように実行され得るかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1のディスプレイ14などのディスプレイは、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ディスプレイ、携帯電話、メディアプレーヤ、腕時計デバイス若しくは他のウェアラブル電子機器、又は他の好適な電子デバイスなどのデバイスに使用されてもよい。
【0010】
ディスプレイ14は、有機発光ダイオードディスプレイであってもよく、又は他の種類のディスプレイ技術に基づいたディスプレイ(例えば、離散結晶半導体ダイから形成された発光ダイオードを備えたディスプレイ、量子ドット発光ダイオードを備えたディスプレイなど)であってもよい。ディスプレイ14が有機発光ダイオードディスプレイである構成が、一例として本明細書に記載されることがある。ただし、これは例示に過ぎない。所望される場合、任意の好適な種類のディスプレイが使用され得る。
【0011】
ディスプレイ14は、矩形形状を有してもよく(すなわち、ディスプレイ14は矩形のフットプリント、及び矩形のフットプリントの周りに延びる矩形の周辺エッジを有し得る)、又は他の好適な形状を有してもよい。ディスプレイ14は、平らであってもよく、曲線状の輪郭を有してもよい。
【0012】
図1に示すように、ディスプレイ14は、基板24上に形成された画素22のアレイを有し得る。基板24は、ガラス、金属、プラスチック、セラミック、又は他の基板材料から形成されてもよい。画素22は、垂直経路16などの経路上でデータ信号及び他の信号を受信してもよい。各垂直経路16は、画素22の各列に関連付けられてもよく、1本以上の信号線を含んでもよい。画素22は、水平経路18などの経路を介して水平制御信号(発光イネーブル制御信号若しくは発光信号、走査信号、又はゲート信号と呼ばれることがある)を受信してもよい。各水平経路18は、1本以上の水平信号線を含んでもよい。
【0013】
ディスプレイ14には、好適な数の(例えば、数十若しくはそれよりも多い、数百若しくはそれよりも多い、又は数千若しくはそれよりも多い)画素22の行及び列が存在してもよい。各画素22は、薄膜トランジスタ回路(例えば、薄膜トランジスタ、薄膜コンデンサなど)から形成された画素回路の制御下で光を放出する発光ダイオードを有し得る。画素22の薄膜トランジスタ回路は、ポリシリコン薄膜トランジスタなどのシリコン薄膜トランジスタ、インジウムガリウム亜鉛酸化物トランジスタなどの半導体酸化物薄膜トランジスタ、又は他の半導体から形成された薄膜トランジスタを含んでもよい。画素22は、カラー画像を表示する能力をディスプレイ14に提供するために、種々の色の発光ダイオード(例えば、赤色、緑色及び青色の画素のための赤色、緑色及び青色の各ダイオード)を含んでもよい。
【0014】
画素22は、矩形アレイ又は他の形状のアレイに配置されてもよい。画素22のアレイは、ディスプレイ14のためのアクティブ領域を形成し、ユーザのための画像を表示する際に使用される。ディスプレイ14の非アクティブ部は、アクティブ領域AAの縁部のうちの1つ以上に沿って延びてもよい。非アクティブ領域は、ディスプレイ14のための境界を形成し、画素22を含まなくてもよい。
【0015】
ディスプレイドライバ回路20を使用して画素22の動作を制御してもよい。ディスプレイドライバ回路20は、集積回路、薄膜トランジスタ回路又は他の好適な回路から形成されてもよく、ディスプレイ14の非アクティブ領域内に位置してもよい。ディスプレイドライバ回路20は、マイクロプロセッサ、記憶装置、並びに他の記憶及び処理回路などのシステム制御回路と通信するための通信回路を含んでもよい。動作中、システム制御回路は、ディスプレイ14上に表示される画像に関する情報を回路20に供給してもよい。
【0016】
画素22上に画像を表示するために、回路20Aなどのディスプレイドライバ回路は、経路26を介して、クロック信号及び他の制御信号をディスプレイドライバ回路20Bなどの補助ディスプレイドライバ回路(例えば、ゲート駆動回路)に発行しながら、画像データを垂直線16に供給してもよい。所望により、回路20は、ディスプレイ14の対向縁部上のゲート駆動回路20Bにもクロック信号及び他の制御信号を供給してもよい。
【0017】
ゲート駆動回路20B(水平制御線制御回路と呼ばれることがある)は、集積回路の一部として実装されてもよく、かつ/又は薄膜トランジスタ回路を使用して実装されてもよい。ディスプレイ14内の水平制御線18は、各行の画素を制御するためのゲート線信号(例えば、走査線信号、発光イネーブル制御信号及び他の水平制御信号)を伝達してもよい。画素22の行当たりの任意の好適な数(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上など)の水平制御信号が存在し得る。
【0018】
画素22は、発光ダイオードと直列に結合された駆動トランジスタをそれぞれ含んでもよい。発光イネーブルトランジスタ(発光トランジスタ)は、正電源端子と接地電源端子との間で駆動トランジスタ及び発光ダイオードと直列に結合されてもよい。各画素内の蓄積コンデンサは、連続する画像フレーム間でロード済みのデータ(例えば、画素の画素輝度値を定めるデータ)を記憶するために使用されてもよい。各画素は、データロード動作及び他の動作をサポートするために1つ以上のスイッチングトランジスタも有し得る。
【0019】
ディスプレイ14のフレームレートは、60Hz又は他の好適なフレームレートであってよい。所望により、ディスプレイ14は、可変リフレッシュレート動作をサポートしてもよい。通常のリフレッシュレート動作中、ディスプレイ14のリフレッシュレートは、相対的に高くてもよい(例えば、60Hz)。ディスプレイ14上に静的コンテンツが表示されているときには、ディスプレイ14のリフレッシュレートを(例えば、1~5Hz又は他の好適な低リフレッシュレートに)低下させて電力を節約してもよい。
【0020】
画素22の回路(例えば、駆動トランジスタなどのトランジスタ、発光ダイオードなど)は、エージング効果の影響を受ける場合がある。ディスプレイドライバ回路20(例えば、回路20A)は、電流感知回路、及び画素22の性能を周期的に測定する他の補償回路を含んでもよい。これらの周期的測定(例えば、画素の駆動トランジスタによって生成される電流を測定するための周期的な電流感知測定)に基づき、ディスプレイドライバ回路20は、画素22にロードされるデータに対して調整を行ってもよい。ロード済みの画素データに対して行われる調整は、測定された画素性能の変動を補償することができる(例えば、調整は、エージング効果を補償し、それによりディスプレイ14は、所望の均一性及び他の属性を確実に示すことができる)。電流感知(例えば、画素22内の駆動トランジスタの電流の感知)は、線16などの、ディスプレイ14内の垂直線を使用して実行されてもよい。通常動作(ディスプレイ14の「発光」モードと呼ばれることがある)中、発光制御線をアサートして画素22内の発光イネーブルトランジスタをオンにすることができる。発光イネーブルトランジスタは、データロード動作及び電流感知動作中にオフにされてもよい。
【0021】
画素22は、半導体酸化物トランジスタとシリコントランジスタの両方を使用してもよい。半導体酸化物トランジスタは、シリコントランジスタよりも低いリーク電流を示す傾向がある。シリコントランジスタは、半導体酸化物トランジスタよりも速くスイッチングする傾向がある。各画素内のどのトランジスタを半導体酸化物トランジスタとするか、及び各画素のどのトランジスタをシリコントランジスタとするかを適切に選択することにより、更には水平線、垂直線及び他の画素回路を適切に構成することにより、ディスプレイの性能を最適化することができる。図2~13は、ディスプレイ14のための例示的な実施形態に関連付けられた様々な画素回路配置及び関連する信号タイミング図を示す。
【0022】
図2の画素22のための例示的な構成に示すように、各画素22は、駆動電流Idの印加に応答して光32を放出する発光ダイオード30などの発光ダイオードを含んでもよい。発光ダイオード30は、例えば、有機発光ダイオードであってもよい。画素22のトランジスタ及びコンデンサ構造は、基板24(図1)上の薄膜回路から形成されてもよい。一般に、ディスプレイ14の各画素22は、pチャネルトランジスタ、nチャネルトランジスタ、半導体酸化物トランジスタ、シリコントランジスタ、1つ以上の蓄積コンデンサ、並びに信号経路(例えば、1本以上の垂直信号線のうちの一部、及び1本以上の水平信号線)を含んでもよい。
【0023】
図2の例では、発光ダイオード30は、正電源Vddelと接地電源Vsselとの間で発光イネーブルトランジスタ(発光トランジスタ)TE及び駆動トランジスタTDと直列に結合されている。蓄積コンデンサCst1は、ロード済みのデータ値を、駆動トランジスタTDのゲートに接続されているNode2上に維持する。駆動トランジスタTDのソースSは、正電源Vddelに結合されている。駆動トランジスタTDのゲート-ソース電圧Vgsの値(すなわち、Node2とトランジスタTDのソースSの電源端子Vddelとの間の電圧差)は、発光ダイオード30を流れる駆動電流Idを定める。発光は、発光トランジスタTEのゲートに印加される発光イネーブル制御信号EMを使用してイネーブル又はディセーブルにされる。スイッチングトランジスタT1及びT2は、データロード動作及び電流感知動作に使用される。トランジスタT1、T2、TD及びTEは、全て(一例として)pチャネルシリコントランジスタであってもよい。
【0024】
図2の画素22などの画素22の各列は、一対の垂直信号線16に関連付けられてもよい。垂直信号線は、データ線(Data)及び基準電圧線(Vref)を含んでもよい。データ線は、データ蓄積コンデンサCst1上にデータをロードするために使用されてもよい。基準電圧線は、時には感知線と呼ばれる場合があり、電流感知動作中に駆動トランジスタTDの電流を測定するために(例えば、エージングを評価するために)使用されてもよい。基準電圧線は、発光トランジスタTEと発光ダイオード30との間のノード(すなわち、Node3)上に所定の電圧をロードする際にも使用され得る。
【0025】
図2の画素22などの画素22の各行は、3本の水平信号線18に関連付けられてもよい。水平信号線18は、スイッチングトランジスタT1のゲートに印加される第1のスイッチングトランジスタ制御信号(走査信号)Scan1、スイッチングトランジスタT2のゲートに印加される第2のスイッチングトランジスタ制御信号(走査信号)Scan2、及び発光トランジスタTEのゲートに印加される発光イネーブル信号(発光信号)EMを含んでもよい。
【0026】
データ線Dataから図2の画素22のNode2の蓄積コンデンサCst1上へのデータのロードに関連付けられた信号を示す信号タイミング図を図3に示す。通常動作(発光動作)中、ディスプレイドライバ回路20BによってEMがローに保持されるため、トランジスタTEがオンになる。TEがオンになると、ノードNode2上のデータ値が駆動トランジスタTDのゲートGとソースS(ソースSはVddelに繋がれている)との間に所望のVgs値を定め、それにより発光ダイオード30の駆動電流Idの大きさを設定する。データロード動作中、回路20BによってEMをハイにして、トランジスタTEをオフにし、電流Idを遮断する。EMがハイの間、回路20Bは、信号Scan1及びScan2をローにして、トランジスタT1及びT2をオンにする。T2がオンになると、線VrefからNode3に既知の基準電圧が供給され得る。T1がオンになると、データ線(Data)上の電流データ信号がNode2のコンデンサCst1上にロードされ得る。次に、EMをローにし、かつScan1及びScan2をハイにすることによって発光動作が再開されてもよい。発光中、Node2のコンデンサCst1上にロードされたデータ値が、発光ダイオード30からの光32の出力レベルを決定する。
【0027】
電流感知動作(この動作は、通常の発光動作を中断することにより、1時間に1回、一週間に1回など周期的に実行され得る)に関連付けられた信号を示す信号タイミング図を図4に示す。
【0028】
プリロード中は、Scan1及びScan2をローにしながらEMをハイにして発光ダイオード30に電流が流れるのを防ぐ。Scan2がローの間、トランジスタT2がオンになり、線VrefからNode3上に既知の基準電圧がロードされる。Scan1がローの間、既知の基準データ(「感知データ」)が、オンであるトランジスタT1を介して線DataからNode2上にロードされる。これにより、駆動トランジスタTDを動作させるための既知の条件(例えば、所定のVgs値、及びNode3上の所定の電圧)が定まる。
【0029】
画素22に感知データをロードした後、電流感知動作が実行される。感知動作中、Scan1をハイにしながら、EMをローにし、かつScan2をローに保持する。これにより、駆動トランジスタTDを流れている電流が線Vrefへと送られ、この線が次いで感知線として機能する。ディスプレイドライバ回路20Bの補償回路内の電流感知回路は、トランジスタTDに流れている電流の量を測定し、それによりトランジスタTDの性能を評価することができる。ディスプレイドライバ回路20Bの補償回路は、このような電流測定値を使用して、エージング効果(例えば、所与のVgs値に対してトランジスタTDが生成する駆動電流Idの量に影響を及ぼすエージング)に対して画素22を補償することができる。
【0030】
電流感知動作が完了した後、EMをハイにし、Scan1をローにしてトランジスタT1をオンにし、かつScan2をローに保持することにより、データ線DataからNode2上にデータをロードしてもよい。画素22は、EMをローにしてトランジスタTEをオンにし、かつScan1及びScan2をハイにしてトランジスタT1及びT2をオフにすることにより、データをロードした後に発光モードにされてもよい。
【0031】
図2の画素22のための構成は、画素22の各行内で3本の水平制御線上の3つのゲート制御信号を使用し、画素22の各列内で2本の垂直線を介してデータ及び基準電圧信号及び電流測定値を送る。各列の垂直線は、他の列の垂直線とは独立して動作する(すなわち、N列の画素22を有するディスプレイにはN本の独立した線Data及びN本の独立した線Vrefが存在する)。
【0032】
(例えば、ディスプレイ14が可変リフレッシュレート動作をサポートするように構成されているときに)トランジスタのリーク電流を低減し、それによりディスプレイ14を低リフレッシュレートで効率的に動作させるため、画素22に半導体酸化物スイッチングトランジスタを設けてもよい。例えば、図5の画素22のデータロードトランジスタT1はnチャネル半導体酸化物トランジスタであってもよい。トランジスタTE、TD及びT2はpチャネルシリコントランジスタであってもよい。
【0033】
データ線Dataから図5の画素22内のNode2の蓄積コンデンサCst1上へのデータのロードに関連付けられた信号を示す信号タイミング図を図6に示す。
【0034】
図5の画素22の通常動作(発光動作)中、ディスプレイドライバ回路20BによってEMがローに保持されているため、トランジスタTEがオンになる。駆動トランジスタTDのソースSはVddelになっている。TEがオンになると、ノードNode2上のデータ値が、駆動トランジスタTDのゲートGとソースSとの間に所望のゲートソース電圧Vgs値を定め、それにより発光ダイオード30に対する駆動電流Idの大きさを設定する。
【0035】
データロード動作中、回路20BによってEMをハイにして、トランジスタTEをオフにし、電流Idを遮断する。EMがハイの間、回路20Bは、信号Scan1をハイにし、かつScan2をローにして、トランジスタT1及びT2をオンにする。トランジスタT1が半導体酸化物トランジスタであるため、(T1がシリコントランジスタであるシナリオに比べて)Scan1がハイである時間を延ばしてトランジスタT1が安定する時間を十分確保することが望ましい場合がある。データロードのためにT2がオンになると、線VrefからNode3に既知の基準電圧が供給され得る。T1がオンになると、データ線(Data)上に存在するデータ信号がNode2のコンデンサCst1にロードされ得る。次に、EM及びScan1をローにし、かつScan2をハイにすることによって発光動作が再開されてもよい。
【0036】
図5の画素22に対する周期的な電流感知動作に関連付けられた信号を示す信号タイミング図を図7に示す。
【0037】
図5の画素22のプリロード中は、Scan1をハイにし、かつScan2をローにしながら、EMをハイにして発光ダイオード30に電流が流れるのを防ぐ。Scan2がローになると、トランジスタT2がオンになり、線VrefからNode3上に既知の基準電圧がロードされる。Scan1がハイになると、既知の基準データ(「感知データ」)が、オンであるトランジスタT1を介して線DataからNode2上にロードされる。これにより、駆動トランジスタTDを動作させるための既知の条件(例えば、所定のVgs値、及びNode3上の所定の電圧)が定まる。
【0038】
図5の画素22に対する感知動中、EM及びScan1がローになり、かつScan2がローに保持される。これにより、駆動トランジスタTDを流れている電流が線Vrefへと送られ、この線が感知線として機能する。ディスプレイドライバ回路20Bの補償回路内の電流感知回路は、トランジスタTDに流れている電流の量を測定し、それによりトランジスタTDの性能を評価することができる。図2のシナリオと同様に、ディスプレイドライバ回路20Bの補償回路は、このような電流測定値を使用して、エージング効果(例えば、所与のVgs値に対してトランジスタTDが生成する駆動電流Idの量に影響を与えるエージング)に対して図5の画素22を補償することができる。
【0039】
感知動作が完了した後、Scan2をローに保持しながらEM及びScan1をハイにすることにより、データ線DataからNode2上にデータがロードされ得る。画素22は、EM及びScan1をローにし、かつScan2をハイにすることにより、データがロードされた後に発光モードにされてもよく、それによりトランジスタTEがオンになり、かつトランジスタT1及びT2がオンになる。
【0040】
EM信号とScan1信号が同一であるため、これらの信号の機能は、単一の信号線上に伝達される単一の組み合わせ信号を使用して実装することができる(すなわち、単一の信号EM/Scan1は、図2の画素22の別々に調整されたEM信号及びScan1信号を置換することができる)。従って、図5の画素22のための構成は、2本の水平制御線上の2つのゲート制御信号のみを使用することにより、ルーティングリソースを節約する。2本の垂直線(Data及びVref)を使用して、画素22の各列内のデータ、基準電圧信号及び電流測定値を伝達することができる。図5に示した種類の画素22を備えたディスプレイの各列の垂直線は、他の列の垂直線とは独立して動作する(すなわち、N列の画素22を備えたディスプレイにはN本の独立した線Data及びN本の独立した線Vrefが存在する)。
【0041】
所望により、画素22の各行に関連付けられている水平制御信号の数を、図8の画素22に示した種類の回路を使用して更に低減することができる。図8の構成では、トランジスタT1とトランジスタT2は共にnチャネル半導体酸化物トランジスタであるのに対し、トランジスタTEとトランジスタTDは共にpチャネルシリコントランジスタである。素22において(例えば、トランジスタT1に対して)半導体酸化物トランジスタを使用することは、リーク電流を低減し、それにより(例えば、ディスプレイ14が可変リフレッシュレート動作をサポートするように構成されているときに)ディスプレイ14を低リフレッシュレートで効率的に動作させるのに役立つ。
【0042】
データ線Dataから図8の画素22内のNode2の蓄積コンデンサCst1上へのデータのロードに関連付けられた信号を示す信号タイミング図を図9に示す。
【0043】
図8の画素22の通常動作(発光動作)中、ディスプレイドライバ回路20BによってEMがローに保持されるため、トランジスタTEがオンになる。TEがオンになると、ノードNode2上のデータ値が、駆動トランジスタTDのゲートGとソースSとの間に所望のVgs値を定め、それにより発光ダイオード30に対する駆動電流Idの大きさを設定する。信号Scan1及びScan2を発光中にローに保持して、発光中にトランジスタT1及びT2をオフにしてもよい。
【0044】
データロード動作中、回路20BによってEMをハイにして、トランジスタTEをオフにし、電流Idを遮断する。EMがハイの間、回路20Bは、信号Scan1及びScan2をハイにして、トランジスタT1及びT2をオンにする。トランジスタT1が半導体酸化物トランジスタであるため、(T1がシリコントランジスタであるシナリオに比べて)Scan1がハイである時間を延ばしてトランジスタT1が安定する時間を十分確保することが望ましい場合がある。データロードのためにT2がオンになると、トランジスタTEと発光ダイオード30との間のNode3に線Vrefから既知の基準電圧が供給され得る。T1がオンになると、データ線(Data)上に存在するデータ信号がNode2のコンデンサCst1上にロードされ得る。次に、EM、Scan1及びScan2をローにすることによって発光動作が再開されてもよい。
【0045】
図8の画素22に対する周期的な電流感知動作に関連付けられた信号を示す信号タイミング図を図10に示す。
【0046】
図8の画素22のプリロード中は、Scan1及びScan2をハイにしながら、EMをハイにして発光ダイオード30に電流が流れるのを防ぐ。Scan2がハイになると、トランジスタT2がオンになり、線VrefからNode3上に既知の基準電圧がロードされる。Scan1がハイになると、既知の基準データ(「感知データ」)が、オンであるトランジスタT1を介して線DataからNode2上にロードされる。これにより、駆動トランジスタTDを動作させるための既知の条件(例えば、所定のVgs値、及びNode3上の所定の電圧)が定まる。
【0047】
図8の画素22に対する感知動作中、EM及びScan1がローになり、かつScan2がハイに保持される。これにより、駆動トランジスタTDを流れている電流が感知線Vrefへと送られる。ディスプレイドライバ回路20Bの補償回路内の電流感知回路は、トランジスタTDに流れている電流の量を測定し、それによりトランジスタTDの性能を評価することができる。図2のシナリオと同様に、ディスプレイドライバ回路20Bの補償回路は、このような電流測定値を使用して、エージング効果(例えば、所与のVgs値に対してトランジスタTDが生成する駆動電流Idの量に影響を与えるエージング)に対して図8の画素22を補償することができる。
【0048】
感知動作が完了した後、Scan2をハイに保持しながらEM及びScan1をハイにすることにより、データ線DataからNode2上にデータがロードされ得る。画素22は、EM、Scan1及びScan2をローにすることにより、データがロードされた後に発光モードにされてもよく、それによりトランジスタTEがオンになり、かつトランジスタT1及びT2がオフになる。
【0049】
EM信号、Scan1信号及びScan2信号が同一であるため(すなわち、トランジスタT2がトランジスタT1と同様にnチャネルトランジスタであるため)、これらの信号の機能は、単一の信号線上に伝達される単一の組み合わせ信号を使用して実装することができる(すなわち、単一の信号EM/Scan1/Scan2は、図2の画素22の別々に調整されたEM信号、Scan1信号及びScan2信号を置換することができる)。従って、図5の画素22のための構成は、画素22の各行内で単一の関連付けられた水平制御線上の単一のゲート制御信号のみを使用することにより、ルーティングリソースを最小限にするのに役立つ。2本の垂直線(Data及びVref)を使用して、画素22の各列内のデータ、基準電圧信号及び電流測定値を伝達することができる。図8に示した種類の画素22を備えたディスプレイの各列の垂直線は、他の列の垂直線とは独立して動作する(すなわち、N列の画素22を備えたディスプレイ内にはN本の独立した線Data及びN本の独立した線Vrefが存在する)。
【0050】
図2、5及び8に示した種類の構成を有する画素は、ディスプレイ14全体にVddelが分配されるため、IRドロップ(オーミック損失)に起因するVddelの変動の影響を受けやすい場合がある。これは、駆動トランジスタTDのソースSのソース電圧が、Vddelに結合されており、ディスプレイ14内の各画素22の位置によってVddelが変化するにつれて変化し得るためである。
【0051】
所望により、図11に示した種類の画素回路を画素22に使用して、Vddelの変動による性能の変動を低減するのに役立ててもよい。図11の例示的な構成では、T1は線VrefとNode2との間に結合されているのに対し、トランジスタT2はデータ線DataとNode1との間に結合されている。従って、トランジスタT2は、データロードトランジスタとして機能し得る。駆動トランジスタTDのゲートにはNode2が結合されている。
【0052】
発光動作中、コンデンサCst1上の電圧(すなわち、Node2上の電圧)を好ましくは一定レベルに維持して、光32に対する定常的な出力レベルを確保する。可変リフレッシュレート動作などの動作中、ディスプレイ14のリフレッシュレートは相対的に低くてもよい(例えば、1~5Hz)。Node2のデータ電圧の安定性に悪影響を及ぼし得るトランジスタのリーク電流を防ぐため、半導体酸化物トランジスタ(例えば、nチャネル半導体酸化物トランジスタ)を使用してトランジスタT1を実装してもよい。トランジスタTE、TD及びT2はpチャネルシリコントランジスタであってもよい。トランジスタT2がシリコントランジスタであるため、データ線DataからNode1にデータが迅速にロードされ得る。
【0053】
図2図5及び図8の配置とは異なり、図11の駆動トランジスタTDのソースSは、VddelではなくNode1に接続されている。電圧Vddelのレベルは、Vddelがディスプレイ14全体に分配されているためにIR損失によって変化し得るが、ソースS上の電圧Vsはディスプレイ14全体で変化しない(すなわち、Vsは、ディスプレイ14内の画素22の位置とは無関係となる)。これは、トランジスタT2を介してデータ線DataからNode1上に所定の基準電圧をロードすることによって電圧Vsが定まるためである。
【0054】
データ線Dataから図11の画素22のNode1の蓄積コンデンサCst1上へのデータのロードに関連付けられた信号を示す信号タイミング図を図12に示す。
【0055】
通常動作(発光動作)中、ディスプレイドライバ回路20BによってEMがローに保持されるため、トランジスタTEがオンになる。Scan1は、トランジスタT1をオフ状態に維持するためにローである。Scan2は、トランジスタT2をオフ状態に維持するためにハイである。TEがオンになると、ノードNode1上のデータ値(及びNode2上の電圧)が、駆動トランジスタTDのゲートGとソースSとの間に所望のVgs値を定め、それにより発光ダイオード30に対する駆動電流Idの大きさを設定する。
【0056】
データロード動作中、回路20BによってEMをハイにして、トランジスタTEをオフにし、電流Idを遮断する。EMがハイの間、回路20Bは、信号Scan1をハイにしてトランジスタT1をオンにする。トランジスタT1がオンになると、Node2が所定の電圧までプリチャージされ、それによりトランジスタTDのNode2に既知のゲート電圧Vgを定める。Scan2は最初ハイであり、それによりT2はオフに保持される。Scan2がlowになると(これは、発光開始前の1行分の時間、発光開始前の2行分の時間、又は任意の他の好適な時間に起こり得る)、トランジスタT2がオンになり、データ線DataからNode1にトランジスタT2を介して所望のデータ値がロードされる。発光動作は、次に、EMをローにし、Scan1をローにし、かつScan2をハイにすることによって再開されてもよい。
【0057】
図11の画素22に対する周期的な電流感知動作に関連付けられた信号を示す信号タイミング図を図13に示す。
【0058】
プリロード中は、Scan1をハイにし、かつScan2をローにしながら、EMをハイにして発光ダイオード30に電流が流れるのを防ぐ。Scan2がローになると、トランジスタT2がオンになり、既知の基準データ(「感知データ」)が線DataからNode1上にロードされる。Scan1がハイになると、トランジスタT1がオンになり、基準電圧線VrefからNode2に所定の電圧(例えば、-5.5V又は他の好適な値)が提供される。これにより、駆動トランジスタTDを動作させるための既知の条件(例えば、所定のVgs値)が定まる。
【0059】
感知動作中は、EMがハイに保持され、Scan1がローになり、かつScan2がローに保持される。これにより、TEがオフに保持され、T1がオフになり、かつT2がオンに保持され、それにより駆動トランジスタTDに流れている電流が線Dataを通じて送られる。従って、この線が感知線として機能する。ディスプレイドライバ回路20Bの補償回路内の電流感知回路は、トランジスタTDに流れている電流の量を線Dataを介して測定し、それによりトランジスタTDの性能を評価することができる。電流感知は、100マイクロ秒の期間又は他の好適な時間にわたって行われ得る。ディスプレイドライバ回路20Bの補償回路は、このような電流測定値を使用して、エージング効果(例えば、所与のVgs値に対してトランジスタTDが生成する駆動電流Idの量に影響を及ぼすエージング)に対して画素22を補償することができる。
【0060】
電流感知動作が完了した後、EMをハイに保持してトランジスタTEをオフにし、かつScan1をハイにしてトランジスタT1をオンにし、それによりVrefからNode2に所定の電圧を伝達することにより、更にはScan2をローに保持してトランジスタT2をオンに保持することによってデータ線DataからNode1に所望のデータ信号を通過させることにより、画素22にデータがロードされ得る。画素22は、EMをローにしてトランジスタTEをオンにし、Scan1をローにしてトランジスタT1をオフにし、かつScan2をハイにしてトランジスタT2をオフにすることにより、データがロードされた後に発光モードにされてもよい。
【0061】
信号EMの電圧範囲は、-10V~8Vであってもよく、-8V~8Vであってもよく、又は任意の他の好適な電圧範囲であってもよい。Vddelの電圧は、5~8V又は他の好適な正電源電圧レベルであってもよい。Vsselの電圧は-2V又は他の好適な接地電源電圧レベルであってもよい。線Data上の信号の電圧範囲は、-4.5V~-0.3V又は他の好適な電圧範囲であってもよい。Scan2の電圧範囲は、-10V~-8Vであってもよく、-12V~-4Vであってもよく、又は他の好適な電圧範囲であってもよい。Scan1の電圧範囲は、-10V~-8Vであってもよく、-8V~8Vであってもよく、又は他の好適な電圧範囲であってもよい。
【0062】
図2の画素22のための構成は、画素22の各行内で3本の水平制御線上の3つのゲート制御信号(EM、Scan1及びScan2)を使用し、画素22の各列内で2本の垂直線、すなわちVref及びDataを使用してデータ、基準電圧信号及び電流測定値を送る。垂直線(線Data)のうちの一方は、電流感知動作とデータロード動作の両方に使用される共用線である。ディスプレイ14内の画素22の各列には、好ましくは個別のData線が存在する。画素22に関連付けられた垂直線のうちの他方(線Vref)は、ディスプレイ14内の画素22の全てに共用電圧を並列に分配するために使用され得るグローバル経路の一部である。Vrefがグローバル信号経路であるため、ディスプレイドライバ回路20Aによって画素22に単一のVref信号のみを提供する必要がある(すなわち、個別のVref信号線が各列に使用されるシナリオに比べてディスプレイドライバ回路20Bと画素22との間の信号ルーティングリソースの必要量が低減される)。図2、5及び8に示した種類の配置に使用される2本の別個の垂直信号線ではなく、1本の別個の垂直信号線Dataのみを各列に設ける必要がある。従って、図11の配置は、ディスプレイドライバ回路のファンアウトが小さいことを示す。
【0063】
トランジスタT1に対して低リーク電流の半導体酸化物トランジスタを使用することにより、可変リフレッシュレート動作中にディスプレイ14のリフレッシュレートを低レート(例えば1~5Hz)に低下させてもよい。シリコントランジスタを使用してトランジスタT2を実装することにより、充電時間(すなわち、データロード動作中にNode1を所望の値まで充電することに関連付けられた時間)を最小限にしてもよい。図11の画素配置は、データロード中にNode1とNode2の両方が所望の電圧によって能動的にロードされるため、Vddelの変動(例えばIRドロップによる変動)の影響も受けにくく、それによりVddelを使用することなく駆動トランジスタTDの両端に所望のゲート-ソース電圧を定める。
【0064】
図14は、5つのトランジスタ及び1つのコンデンサを備えた例示的な画素回路の図である。駆動トランジスタTDは、正電源端子40と接地電源端子42との間で、発光イネーブルトランジスタTE1及びTE2と、更には発光ダイオード44(例えば、有機発光ダイオード)と直列に結合されている。発光イネーブル制御信号EM1及びEM2などの水平制御信号(ゲート信号)を使用してトランジスタTE1及びTE2をそれぞれ制御してもよい。操作制御信号SCAN1及びSCAN2などの水平制御信号(ゲート信号)を使用してスイッチングトランジスタTS1及びTS2をそれぞれ制御してもよい。トランジスタTS1は、例えば、半導体酸化物トランジスタであってもよく、トランジスタTS2、TE1、TE2及びTDは、(一例として)シリコントランジスタであってもよい。コンデンサCst1は、(駆動トランジスタTDのゲートの)Node2と(トランジスタTDのソースの)Node1との間に結合されてもよい。線Vrefを使用して画素22の列に基準電圧を供給してもよい。データ信号(D)は、データ線Dataを使用して画素22に供給されてもよい。
【0065】
図15は、図14に示した種類の画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する信号を示すタイミング図である。図15に示すように、オンバイアスストレス期間200の動作中にオンバイアスストレスを印加してもよく、データ書き込み期間202中にデータ書き込みを実行してもよく、発光期間204中に発光動作を実行してもよい。
【0066】
図16は、オンバイアスストレス期間200中の図14の画素回路の図である。この期間中、トランジスタTE2をオフにしてダイオード44に駆動電流が流れるのを防ぎ、トランジスタTS1をオンにして、トランジスタTDを事前調整するために駆動トランジスタTDのゲートにオンバイアスストレスを供給する。トランジスタTDの電圧Vgsはハイである。これは、TE1がオンでNode1がVddelであり、かつTS1がonでNode2がVrefであるためである。
【0067】
図17は、データ書き込み動作(図15の期間202)中の図14の画素回路の図である。データ書き込み中、最初にトランジスタTS1をオンにしてNode2上に既知の基準電圧Vrefをロードすると共に、トランジスタTS2をオンにしてNode1上にデータ信号(Vdata、Data又は信号Dと呼ばれることがある)をロードする。トランジスタTE1をオフにしてNode1をVddelから分離する。これにより、コンデンサCst1の両端に電圧Vdata-Vrefが生じる。次に、図18に示すように、トランジスタTS1及びトランジスタTS2をオフにし、トランジスタTE1をオンにする。TE1がオンになると、Node1の電圧がVddelになる。コンデンサCst1の両端の電圧は瞬時に変化しないため、Node1がVddelになると、Node2がVddel-(Vdata-Vref)になる。ダイオード44に電流が流れるため、従って、発光期間204中、発光46はVdataに比例する。
【0068】
図19、20A、20B、21及び22は、ディスプレイ14の画素22内のトランジスタTDなどの駆動トランジスタの閾電圧Vtの変動に対し、ディスプレイドライバ回路20がどのようにディスプレイ14を補償し得るかを示す。
【0069】
図19は、時には「電流感知」配置と呼ばれる場合がある種類の配置に従って閾電圧情報を収集するときの図14の画素回路の図である。図20Aは、閾電圧情報を収集する動作の際に関係する信号を示すタイミング図である。図20Aに示すように、オンバイアスストレス期間200中、オンバイアスストレスがトランジスタTDに印加されてもよい。期間202'中、閾電圧補償動作中に使用される所定のデータが画素22にロードされてもよい(すなわち、図17に関連してNode1上にVdataをロードすることに関連して記載されているようにコンデンサCst1の両端に既知の電圧が印加されてもよい)。データ書き込み期間202中に画像データが画素22にロードされてもよく、ロード済みの画像データを使用して発光期間204中にダイオード44によって放出される光の量を制御してもよい。期間202'から期間202までの間、ディスプレイドライバ回路20は、感知期間206中、駆動トランジスタTDの閾電圧Vtを測定してもよい。トランジスタTDの閾電圧Vtを決定するため、期間202'中に既知の基準データ値Vrefが書き込まれる。次に、データ線Data上の電流の流れが電流センサによって測定され、測定された電流から閾電圧Vtが算出される。次に、期間202中、Vtのあらゆる変動に対して外部補償されたデータを画素22に書き込むことができる。期間202中にディスプレイドライバ回路20が画素22に供給する画像データの値を調整することにより、図14の画素22などのディスプレイ14内の画素22のそれぞれを、閾電圧Vtの測定されたあらゆる変動に対して補償することができる(すなわち、ディスプレイドライバ回路20は、外部閾電圧補償方式を実装することができる)。
【0070】
図19は、感知期間206中の画素22の動作(閾電圧感知又は電流感知と呼ばれることがある)を示す。図19に示すように、期間206中、トランジスタTE1をオフにしてNode1をVddelから分離する。トランジスタTS1をオフにしてNode2をフローティングさせる。期間206中、期間202'中にコンデンサCst1にロードされた既知のデータによってトランジスタTDのゲート-ソース電圧Vgsが決定される。トランジスタTS2がオンであるため、トランジスタTD上の既知のデータ(及びトランジスタTDの閾電圧Vt)が、Data線上に流れている電流を決定する。ディスプレイドライバ回路20は、期間206中、この電流を測定して閾電圧Vtの値を確認する。次に、データ書き込み動作202中に画素22にロードされた画像データの値を調整することにより、適切な閾電圧補償動作を実行することができる(図20A)。
【0071】
図21は、別の例示的な外部閾電圧補償方式(すなわち、時には「電圧感知」方式と呼ばれる場合がある種類の方式)に従って閾電圧情報を収集するときの図14の画素回路の図である。図22は、図21に示すような画素を備えたディスプレイを動作させる際に関係する信号を示すタイミング図である。
【0072】
図22に示すように、オンバイアスストレス期間200中、オンバイアスストレスがトランジスタTDに印加されてもよい。データ書き込み期間22中に画像データが画素202にロードされてもよく、ロード済みの画像データを使用して発光期間204中にダイオード44によって放出される光の量を制御してもよい。期間200から202までの間、ディスプレイドライバ回路20は、感知期間208中、駆動トランジスタTDの閾電圧Vtを測定してもよい。最初に、トランジスタTS1をオンにしてNode2をVrefにしてもよい。これにより、データ線Data上に既知の電流が定まる。トランジスタTD及びTE2がオンであるため、発光ダイオード44に電流が流れる。トランジスタTE2、TD及びTS2にわたる電圧降下は小さいため、データ線Data上の生成電圧Voledを測定することができる。次に、流れる電流及び電圧Voledの既知の値から閾電圧Vtを得ることができる。期間202中にディスプレイドライバ回路20が画素22に供給する画像データの値を調整することにより、感知期間208中に測定されている閾電圧Vtのあらゆる変動に対して画素22を補償することができる(すなわち、ディスプレイドライバ回路20は、外部閾電圧補償方式を実装することができる)。
【0073】
図21は、感知期間208中の画素22の動作(電圧感知又はVoled感知と呼ばれることがある)を示す。図21に示すように、期間208中、トランジスタTE1をオフにしてNode1をVddelから分離する。トランジスタTS1をオンにして、駆動トランジスタTDのゲートGのNode2に基準電圧Vrefを供給する。既知のデータ電圧Vdataが、Data線を通じて、更にはオンであるトランジスタTS2を通じて、駆動トランジスタTDのソースSのNode1に供給される。これにより、駆動トランジスタTDの両端に既知のゲートソース電圧Vgsが定まる。トランジスタTDの既知のVgs値及び閾電圧Vtは、Data線からダイオード44に流れている電流の量を決定する。ディスプレイドライバ回路20は、期間208中、この電流を測定して閾電圧Vtの値を確認する。次に、データ書き込み動作202中に画素22にロードされた画像データの値を調整することにより、適切な閾電圧補償動作を実行することができる(図22)。
【0074】
所望により、図20Bに示すように、図20Aの過程にセトリング時間を挿入してもよい。このセトリング時間により、データ線Data上の電圧をVddel近傍の高電圧に定めることができ、発光ダイオード44が正常な発光動作を電流感知中に再現することができる。セトリング動作の感知により、データ線Dataに結合されている回路20内のアナログ/デジタルコンバータ回路は、線Data上の電圧を十分な時間サンプリングすることができる。
【0075】
図23は画素22のための例示的な6T1C構成を示す。トランジスタTS3及びトランジスタTS2は、図23に示すように走査信号Scan2によって制御されてもよく、又はトランジスタTS3のゲートは、前走査線信号(例えば、前行からのScan2(n-1))を使用して制御されてもよい。図23のトランジスタTS3は、発光ダイオード44のアノードのNode4をリセットするために使用されてもよい。発光ダイオード44の寄生容量は、データ書き込み中にNode4を(例えば、約2.5ボルトから-6ボルトに)迅速に放電して発光ダイオード44を迅速にオフにすることができる。このことは、Node4を発光ダイオード44の閾電圧未満に低下させるのに役立ち、ディスプレイ14上に黒画像を表示している間に駆動トランジスタTDからのリークによって発光ダイオード44が点灯するのを防ぐのに役立つ。図24は、オンバイアスストレス、データ書き込み及び発光期間中に図23の画素22を動作させるのに使用され得る例示的な制御信号を示す。
【0076】
図25の画素22のための例示的な構成では、トランジスタTD上の電流感知動作を実行している間にトランジスタTD及び不所望に点灯するダイオード44を電流が通過するのを防ぐのに役立つ(Scan3によって制御される)バイパストランジスタTS4によってTS3が置換されている。所望により、トランジスタTS4を代替の位置TS4'に配置してもよい。図25の例は単なる例示に過ぎない。図26は、図25の画素22を動作させる際に使用され得る制御信号を示す。図27は、オンバイアスストレス動作中の図22の画素25を示す。図28はデータ書き込み中の図25の画素22を示す。図29は、発光動作中の図25の画素22を示す。図30は、TDのVtを測定するための電流感知動作中の図25の画素22を示す(この場合、発光ダイオード44は、トランジスタTS4によって定められた電流バイパス経路によって点灯していない。図31の例では、トランジスタTS4は電圧感知方式で使用されている。図31の電圧感知方式では、トランジスタTS3を使用してトランジスタTS2、TD及びTE2にわたる電圧降下が生じないようにすることにより、感知精度を向上させている。
【0077】
図32は、図30に関連して記載された種類の電流感知動作がどのように実行され得るかを示す、図26に示した種類の図である。
【0078】
これらの例が示すとおり、駆動トランジスタTDに対する閾電圧測定中に電流バイパス経路を生成するために追加のトランジスタを画素22に組み込んでもよい。追加のトランジスタは、発光ダイオード44をバイパスするバイパス経路を生成するのに使用されるため、追加のトランジスタは、時にはバイパストランジスタと呼ばれる場合がある。バイパストランジスタは、例えば、シリコントランジスタ(すなわち、シリコン活性領域を有するトランジスタ)であってもよい。
【0079】
一実施形態によれば、ディスプレイドライバ回路と、画素のアレイと、ディスプレイドライバ回路と画素との間で信号を伝える信号線とを備えるディスプレイが提供され、各画素は、正電源と接地電源との間に直列に結合された、発光トランジスタと、駆動トランジスタと、発光ダイオードと、第1の経路と駆動トランジスタのゲートとの間に結合された第1のスイッチングトランジスタと、第2の経路と駆動トランジスタのソースとの間に結合された第2のスイッチングトランジスタと、駆動トランジスタのゲートとソースとの間に結合されたコンデンサとを含む。
【0080】
別の実施形態によれば、駆動トランジスタは発光トランジスタと発光ダイオードとの間に結合され、第1のスイッチングトランジスタは半導体酸化物トランジスタを含む。
【0081】
別の実施形態によれば、第2のスイッチングトランジスタはシリコントランジスタを含む。
【0082】
別の実施形態によれば、駆動トランジスタ及び発光トランジスタはシリコントランジスタである。
【0083】
別の実施形態によれば、第1のスイッチングトランジスタはnチャネルトランジスタであり、第2のスイッチングトランジスタ、発光トランジスタ及び駆動トランジスタはpチャネルトランジスタである。
【0084】
別の実施形態によれば、第2の経路は、電流感知動作中に感知された電流を駆動トランジスタからディスプレイドライバ回路に伝達し、データロード動作中にデータ信号をコンデンサに伝達する共用経路である。
【0085】
別の実施形態によれば、画素のアレイは、画素の列と画素の行とを含み、信号線は、列のそれぞれにおいて、当該列内の画素のそれぞれの第2の経路として機能する個別の信号線を含む。
【0086】
別の実施形態によれば、第1の経路は、ディスプレイドライバ回路から画素の行及び列内の画素のそれぞれに共通電圧を供給するグローバル信号経路を含む。
【0087】
別の実施形態によれば、第1のスイッチングトランジスタは、nチャネルトランジスタと、発光トランジスタと、駆動トランジスタとを含み、第2のスイッチングトランジスタはpチャネルトランジスタを含む。
【0088】
別の実施形態によれば、第1のスイッチングトランジスタは半導体酸化物トランジスタを含む。
【0089】
別の実施形態によれば、発光トランジスタ、駆動トランジスタ及び第2のスイッチングトランジスタはシリコントランジスタを含む。
【0090】
一実施形態によれば、ディスプレイドライバ回路と、画素のアレイと、ディスプレイドライバ回路と画素との間で信号を伝える信号線とを備えるディスプレイが提供され、各画素は、正電源と接地電源との間に直列に結合された、正電源に結合されたソースを有する駆動トランジスタと、発光トランジスタと、発光ダイオードと、第1の経路と駆動トランジスタのゲートとの間に結合された第1のスイッチングトランジスタと、第2の経路と発光トランジスタと発光ダイオードとの間のノードとの間に結合された第2のスイッチングトランジスタと、駆動トランジスタのゲートとソースとの間に結合されたコンデンサとを含む。
【0091】
別の実施形態によれば、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタ、駆動トランジスタ及び発光トランジスタはpチャネルトランジスタを含む。
【0092】
別の実施形態によれば、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタ、駆動トランジスタ及び発光トランジスタはシリコントランジスタを含み、画素は行及び列に配置され、画素の各列は、当該列内の画素のそれぞれの第1の経路を形成するデータ線を有し、かつ当該列内の画素のそれぞれの第2の経路を形成する基準電圧線を有する。
【0093】
一実施形態によれば、ディスプレイドライバ回路と、ディスプレイドライバ回路に結合されたデータ線と、ディスプレイドライバ回路に結合されたゲート線と、画素のアレイとを備えるディスプレイが提供され、画素は、ディスプレイドライバ回路からデータ線を介してデータを受信し、ディスプレイドライバ回路からゲート線を介して受信した制御信号によって制御され、画素のアレイ内の各画素は、第1の電源端子と第2の電源端子との間に直列に結合された、発光ダイオードと、駆動トランジスタと、第1及び第2の発光イネーブルトランジスタとを有し、各画素は、駆動トランジスタのソース端子と駆動トランジスタのゲート端子との間に結合されたコンデンサを有し、各画素は、基準電圧線と駆動トランジスタのゲートとの間に結合された第1のスイッチングトランジスタを有し、かつデータ線のうちの1本と駆動トランジスタのソース端子との間に結合された第2のスイッチングトランジスタを有し、ゲート線は、第1及び第2の発光トランジスタ並びに第1及び第2のスイッチングトランジスタに制御信号を供給し、第1のスイッチングトランジスタは半導体酸化物活性領域を有し、第2のスイッチングトランジスタ、第1及び第2のイネーブルトランジスタ並びに駆動トランジスタはシリコン活性領域を有する。
【0094】
別の実施形態によれば、ディスプレイドライバ回路は、駆動トランジスタを事前調整するために駆動トランジスタにオンバイアスストレスを印加するオンバイアスストレス期間において、制御信号及びデータを供給して画素のアレイを動作させるように構成されている。
【0095】
別の実施形態によれば、ディスプレイドライバ回路は、感知期間中にデータ線を流れる電流を測定することによって駆動トランジスタに対する閾電圧測定を行うように構成されている。
【0096】
別の実施形態によれば、ディスプレイドライバ回路は、感知期間中にゲート線を介して制御信号を供給して、第1のスイッチングトランジスタをオフにし、第2のスイッチングトランジスタをオンにし、第1の発光トランジスタをオフにし、かつ第2の発光トランジスタをオンにするように構成されている。
【0097】
別の実施形態によれば、ディスプレイドライバ回路は、感知期間中にゲート線を介して制御信号を供給して、第1のスイッチングトランジスタをオンにし、第2のスイッチングトランジスタをオンにし、第1の発光トランジスタをオフにし、かつ第2の発光トランジスタをオンにするように構成されている。
【0098】
一実施形態によれば、ディスプレイドライバ回路と、ディスプレイドライバ回路に結合されたデータ線と、ディスプレイドライバ回路に結合されたゲート線と、画素のアレイとを備えるディスプレイが提供され、画素は、ディスプレイドライバ回路からデータ線を介してデータを受信し、ディスプレイドライバ回路からゲート線を介して受信した制御信号によって制御され、画素のアレイ内の各画素は、第1の電源端子と第2の電源端子との間に直列に結合された、アノード及びカソードを有する発光ダイオードと、駆動トランジスタと、第1及び第2の発光イネーブルトランジスタとを有し、各画素は、駆動トランジスタのソース端子と駆動トランジスタのゲート端子との間に結合されたコンデンサを有し、各画素は、基準電圧線と駆動トランジスタのゲートとの間に結合された第1のスイッチングトランジスタを有し、かつデータ線のうちの1本と駆動トランジスタのソース端子との間に結合された第2のスイッチングトランジスタを有し、各画素は、発光ダイオードのアノードに結合された端子を有するバイパストランジスタを有し、ゲート線は、第1及び第2の発光トランジスタ並びに第1及び第2のスイッチングトランジスタに制御信号を供給し、第1のスイッチングトランジスタは半導体酸化物活性領域を有し、第2のスイッチングトランジスタ、第1及び第2のイネーブルトランジスタ、駆動トランジスタ並びにバイパストランジスタはシリコン活性領域を有する。
【0099】
上記は単なる例示に過ぎず、説明された実施形態に対して様々な修正を実施することができる。上記の実施形態は、個々に、又は任意の組み合わせで実装することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
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図25
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図32