(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】搬送車及びその伝動装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230721BHJP
F16H 37/12 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
B65G1/04 521
F16H37/12 Z
(21)【出願番号】P 2021540577
(86)(22)【出願日】2020-01-03
(86)【国際出願番号】 CN2020070177
(87)【国際公開番号】W WO2020156025
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-07-13
(31)【優先権主張番号】201910108713.2
(32)【優先日】2019-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】320015083
【氏名又は名称】北京京東乾石科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG QIANSHI TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM A1905, 19TH FLOOR, NO. 2 BUILDING, NO. 18 KECHUANG 11 STREET, BEIJING ECONOMIC AND TECHNOLOGICAL DEVELOPMENT ZONE, BEIJING 100176, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲ジエン▼
(72)【発明者】
【氏名】熊 金 涛
(72)【発明者】
【氏名】王 成
(72)【発明者】
【氏名】湯 敬 仁
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/154574(WO,A1)
【文献】特許第2987020(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
F16H 37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送車の伝動装置であって、
クロールアセンブリ(320)と、回転駆動アセンブリと、クロール駆動アセンブリとを含み、
前記クロールアセンブリ(320)は、
第1端と、前記第1端に対向する第2端とを含み、前記第1端から前記第2端まで延在するホイールフレーム(321)と、
前記第2端に取り付けられており、軸線が前記ホイールフレーム(321)の延在方向に垂直するドライブホイール(322)と、
前記第2端に取り付けられており、軸線が前記ホイールフレーム(321)の延在方向に平行するガイドホイール(323)と、を含み、
前記回転駆動アセンブリは、前記ホイールフレーム(321)が前記ホイールフレーム(321)の延在方向の中心軸線に周りに回転するように駆動するためのものであり、前記クロール駆動アセンブリは、前記ドライブホイール(322)が転動するように駆動するためのものであ
り、
前記クロールアセンブリ(320)は、前記搬送車の車体内に引き込まれることができると共に、前記車体内から突出することができる、
ことを特徴とする搬送車の伝動装置。
【請求項2】
前記クロールアセンブリ(320)は、4つ設けられ、前記伝動装置は、伸縮駆動アセンブリをさらに含み、
前記伸縮駆動アセンブリは、
前記中心軸線に平行しており、2つの前記クロールアセンブリ(320)にスライド可能に接続される第1のスライドレール(71)と、
前記第1のスライドレール(71)に平行すると共に、前記第1のスライドレール(71)から離間しており、他の2つの前記クロールアセンブリ(320)にスライド可能に接続される第2のスライドレール(72)と、
各前記クロールアセンブリ(320)がそれぞれ位置するスライドレールに沿ってスライドするように駆動するためのリニアアクチュエータと、を含み、
同一のスライドレールに位置する2つのクロールアセンブリ(320)のホイールフレーム(321)の第1端は、対向して設けられることを特徴とする請求項1に記載の伝動装置。
【請求項3】
前記クロールアセンブリ(320)は、
スライドレールにスライド可能に接続される取付座(37)と、
前記取付座(37)に回転可能に接続されており、軸線の周りに回転する回転筒(36)と、
前記ホイールフレーム(321)内に設けられており、前記ドライブホイール(322)に伝動接続される伝動機構(34)と、
前記回転筒(36)を貫通しており、前記第1端から前記ホイールフレーム(321)内に延びると共に、前記伝動機構(34)に伝動接続され、軸線と前記回転筒(36)の軸線がいずれも前記中心軸線に重なり合う入力軸(35)と、をさらに含み、
前記クロール駆動アセンブリは、前記入力軸(35)が回転するように駆動することにより、前記ドライブホイール(322)が転動するように駆動し、回転駆動アセンブリは、前記回転筒(36)が回転するように駆動することにより、前記ホイールフレーム(321)が回転するように駆動することが特徴とする請求項2に記載の前記伝動装置。
【請求項4】
前記第1のスライドレール(71)に位置する2つのクロールアセンブリ(320)の入力軸(35)は、同軸に配置され、前記第2のスライドレール(72)に位置する2つのクロールアセンブリ(320)の入力軸(35)は、同軸に配置され、
前記クロール駆動アセンブリは、前記入力軸(35)に平行すると共に、前記第1のスライドレール(71)及び第2のスライドレール(72)にそれぞれ近接する2本の接続軸(51)と、2本の前記接続軸(51)が回転するように駆動するための第1のモータ(52)とを含み、
各接続軸(51)の両端は、同軸に配置される1組の2つの入力軸(35)にそれぞれスプライン接続され、前記接続軸(51)と前記入力軸(35)は、軸方向に相対的にスライド可能であることを特徴とする請求項3に記載の伝動装置。
【請求項5】
前記第1のモータ(52)と2本の前記接続軸(51)との間は、ベルト伝動、チェーン伝動またはギヤ伝動であることを特徴とする請求項4に記載の伝動装置。
【請求項6】
前記回転駆動アセンブリは、前記接続軸(51)に平行すると共に、自身の軸線の周りに回転可能である伝動軸(62)と、前記伝動軸(62)が回転するように駆動するための第2のモータ(61)とを含み、
前記伝動軸(62)の両端は、前記第1のスライドレール(71)に位置する2つのクロールアセンブリ(320)の前記回転筒(36)にそれぞれ伝動接続され、同一側に位置する2つの前記回転筒(36)の間は、伝動接続されることを特徴とする請求項4に記載の伝動装置。
【請求項7】
前記回転筒(36)と前記回転筒(36)との間は、ベルト伝動、ギヤラック伝動またはチェーン伝動であり、前記伝動軸(62)と前記回転筒(36)との間は、ベルト伝動、チェーン伝動またはギヤ伝動であり、前記第2のモータ(61)の主軸と前記伝動軸(62)との間は、ベルト伝動、チェーン伝動またはギヤ伝動であることを特徴とする請求項6に記載の伝動装置。
【請求項8】
前記接続軸(51)と前記入力軸(35)との間は、スプライン接続であり、前記入力軸(35)は、前記接続軸(51)に対して軸方向に沿ってスライド可能であり、前記接続軸(51)及び前記入力軸(35)のうちの一方は、スプライン軸であり、他方は、スプライン管であり、
前記伝動軸(62)は、前記入力軸(51)に平行すると共に、自身の軸線の周りに回転可能である第1のサブ軸(621)と、前記第1のサブ軸(621)の両端にそれぞれ設けられると共に、それぞれ前記第1のサブ軸(621)と同軸に配置される2本の第2のサブ軸(622)とを含み、
前記第1のサブ軸(621)と前記第2のサブ軸(622)との間は、スプライン接続であり、前記第2のサブ軸(622)は、前記第1のサブ軸(621)に対して軸方向に沿ってスライド可能であり、前記第1のサブ軸(621)及び前記第2のサブ軸(622)のうちの一方は、スプライン軸であり、他方は、スプライン管であり、
前記2本の第2のサブ軸(622)は、前記第1のスライドレール(71)に位置する2つのクロールアセンブリ(320)の回転筒(36)にそれぞれ伝動接続され、
前記伸縮駆動アセンブリは、2つのペデスタル(75)をさらに含み、2つの前記ペデスタル(75)は、前記第1のスライドレール(71)に位置する2つのクロールアセンブリ(320)の取付座(37)にそれぞれ固定接続され、2つの前記ペデスタル(75)は、さらに2つの前記第2のサブ軸(622)にそれぞれ回転可能に接続されることを特徴とする請求項6に記載の伝動装置。
【請求項9】
前記リニアアクチュエータは、
前記中心軸線に平行すると共に、自身の軸線の周りに回転しており、両端には、回転方向が逆である2段の雄ネジ部(761)が設けられる2本のリードスクリュー(76)と、
4つの雄ネジ部(761)にそれぞれ外嵌される4つのリードスクリューナット(77)と、
2本の前記リードスクリュー(76)が回転するように駆動するための第3のモータ(78)と、を含み、
2本のリードスクリュー(76)は、第1のスライドレール(71)及び第2のスライドレール(72)にそれぞれ近接して設けられ、4つの前記リードスクリューナット(77)は、4つの前記取付座(37)にそれぞれ固定接続されることを特徴とする請求項8に記載の伝動装置。
【請求項10】
前記第3のモータ(78)の主軸と2つの前記リードスクリュー(77)との間は、それぞれベルト伝動、チェーン伝動またはギヤ伝動であることを特徴とする請求項9に記載の伝動装置。
【請求項11】
前記伝動装置(32)は、前記搬送車の車体にそれぞれ固定接続される第1の台座(43)及び第2の台座(44)をさらに含み、
前記第1の台座(43)及び前記第2の台座(44)は、前記第1のスライドレール(71)及び前記第2のスライドレール(72)にそれぞれ近接し、
前記第1の台座(43)は、前記第1のスライドレール(71)に近接する前記接続軸(51)、前記リードスクリュー(76)及び前記第1のサブ軸(621)に回転可能に接続され、前記第2の台座(44)は、前記第2のスライドレール(72)に近接する前記接続軸(51)及び前記リードスクリュー(76)に回転可能に接続されることを特徴とする請求項9に記載の伝動装置。
【請求項12】
前記第1の台座(43)及び前記第2の台座(44)は、いずれも2つ設けられ、2つの前記第1の台座(43)は、互いに離間し、2つの前記第2の台座(44)は、互いに離間することを特徴とする請求項11に記載の伝動装置。
【請求項13】
前記ドライブホイール(322)には、第1の回転軸(325)が設けられ、前記第1の回転軸(325)は、前記ホイールフレーム(321)に回転可能に接続され、
前記伝動機構(34)は、
前記入力軸(35)に外嵌される第1のべベルギヤ(341)と、
前記ホイールフレーム(321)に回転可能に接続されると共に、前記第1の回転軸(325)に平行する第2の回転軸(342)と、
前記第2の回転軸(342)に外嵌されており、前記第1のべベルギヤ(341)に噛合する第2のべベルギヤ(343)と、を含み、
前記第2の回転軸(342)は、前記第1の回転軸(325)に伝動接続されることを特徴とする請求項3に記載の伝動装置。
【請求項14】
前記伝動機構(34)は、
前記第1の回転軸(325)に外嵌される第1の平歯車(344)と、
前記第2の回転軸(342)に外嵌される第2の平歯車(345)と、
前記ホイールフレーム(321)に取り付けられると共に、前記第1の回転軸(325)に平行する芯軸(346)と、
前記芯軸(346)に外嵌されると共に、前記芯軸(346)の周りに回転可能であり、前記第1の平歯車(344)及び前記第2の平歯車(345)にそれぞれ噛合する第3の平歯車(347)と、をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の伝動装置。
【請求項15】
前記第2の回転軸(342)の中部は、前記ホイールフレーム(321)に回転可能に接続され、前記第2のべベルギヤ(343)及び前記第2の平歯車(345)は、前記第2の回転軸(342)の両端にそれぞれ設けられ、前記第1のべベルギヤ(341)は、前記第2のべベルギヤ(343)と前記第2の平歯車(345)との間に位置することを特徴とする請求項14に記載の伝動装置。
【請求項16】
前記クロールアセンブリ(320)は、軸受(351)をさらに含み、前記軸受(351)の外輪は、前記回転筒(36)の内壁に当接し、前記軸受(351)の内輪は、前記入力軸(35)に外嵌されることを特徴とする請求項3に記載の伝動装置。
【請求項17】
前記中心軸線は、前記ドライブホイール(322)の中心を通し、前記ガイドホイール(323)は、2つ設けられ、2つの前記ガイドホイール(323)は、前記ドライブホイール(322)の対向する両側にそれぞれ設けられると共に、前記中心軸線までの距離が等しいであることを特徴とする請求項1に記載の伝動装置。
【請求項18】
前記伸縮駆動アセンブリは、
前記第1のスライドレール(71)にそれぞれ設けられる2つの第1のスライダ(73)と、
前記第2のスライドレール(72)にそれぞれ設けられる2つの第2のスライダ(74)と、をさらに含み、
4つの前記取付座は、2つの第1のスライダ(73)及び2つの第2のスライダ(74)にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項3に記載の伝動装置。
【請求項19】
ドライブホイール(322)は、フラットホイール、同期ホイール、ギヤまたはスプロケットであることを特徴とする請求項3に記載の伝動装置。
【請求項20】
請求項1ないし19のいずれか1項に記載の伝動装置を含むことを特徴とする搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年2月3日に出願された、出願番号が201910108713.2であり、発明の名称が「搬送車及びその伝動装置」である中国特許出願に基づき優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容を本願に援用する。
【0002】
本発明は、概して、搬送車の技術に係り、特に、搬送車及びその伝動装置に関する。
【背景技術】
【0003】
社会の発展に伴い、生産生活の資料の需要が飛躍的に高まり、商品の交換、流通量や頻度が飛躍的に増加し、速達物流業界の発展を促進している。シャトルカーは、重要な輸送設備として、立体的な倉庫のシャトル棚上を往復走行し、荷台の入出庫を実現することができ、これにより、ピッキング効率を大きく向上させることができ、食品薬品、荷物処理、郵便速達、工業物流等の業界において広く利用されている。
【0004】
シャトル棚は、通常、多段棚の構造に設置され、各段の棚には、いずれも少なくとも1つの水平なシャトルカーレールが設けられる。シャトルカーは、水平なシャトルカーレール上を走行する。リフターは、シャトルカーレールのわきに設置され、シャトルカーが現在のシャトルカーレールから上段又は下段のシャトルカーレールに入る必要がある場合、先にリフターの載置台を現在のシャトルカーレールのわきに走行し、シャトルカーレールがリフターの載置台に入る必要があり、リフターは、載置台を上昇又は下降させて載置台を目的段のシャトルカーレールのわきに到達させ、最後に、シャトルカーは、目的段のシャトルカーレールに入る。
【0005】
注文の出庫、入庫の需要が大きい場合、全てのシャトルカーは、水平なシャトルカーレールに沿って往復走行し、且つシャトルカーレールの切り替え時にリフターの搬送が必要であるため、シャトルカーが渋滞することは避けられない。
【0006】
背景技術の欄で開示された上記の内容は、本発明の背景に対する理解を増進させるためのものだけであり、このため、当業者にとって公知の従来技術を構成しない内容を含んでよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の概要の部分では、一連の簡略化形態の概念が導入され、これを発明を実施するための形態の部分でさらに詳細に説明する。本発明の概要の部分は、保護される技術案の重要な特徴及び必須の技術特徴を限定しようとする意図ではなく、保護される技術案の保護範囲を確定するようとする意図ではない。
【0008】
本発明は、上記の従来技術の少なくとも1つの欠点を解消することを主な目的としてなされたものであり、クロールアセンブリと、回転駆動アセンブリと、クロール駆動アセンブリとを含む搬送車の伝動装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記クロールアセンブリは、
第1端と、前記第1端に対向する第2端とを含み、前記第1端から前記第2端まで延在するホイールフレームと、
前記第2端に取り付けられており、軸線が前記ホイールフレームの延在方向に垂直するドライブホイールと、
前記第2端に取り付けられており、軸線が前記ホイールフレームの延在方向に平行するガイドホイールと、を含み、
前記回転駆動アセンブリは、前記ホイールフレームが前記ホイールフレームの延在方向の中心軸線に周りに回転するように駆動するためのものであり、前記クロール駆動アセンブリは、前記ドライブホイールが転動するように駆動するためのものである。
【0010】
本発明の一実施形態によると、前記クロールアセンブリは、4つ設けられ、前記伝動装置は、伸縮駆動アセンブリをさらに含み、
前記伸縮駆動アセンブリは、
前記中心軸線に平行しており、2つの前記クロールアセンブリにスライド可能に接続される第1のスライドレールと、
前記第1のスライドレールに平行すると共に、前記第1のスライドレールから離間しており、他の2つの前記クロールアセンブリにスライド可能に接続される第2のスライドレールと、
各前記クロールアセンブリがそれぞれ位置するスライドレールに沿ってスライドするように駆動するリニアアクチュエータと、を含み、
同一のスライドレールに位置する2つのクロールアセンブリのホイールフレームの第1端は、対向して設けられる。
【0011】
本発明の一実施形態によると、前記クロールアセンブリは、
スライドレールにスライド可能に接続される取付座と、
前記取付座に回転可能に接続されており、軸線の周りに回転する回転筒と、
前記ホイールフレーム内に設けられており、前記ドライブホイールに伝動接続される伝動機構と、
前記回転筒を貫通しており、前記第1端から前記ホイールフレーム内延びると共に、前記伝動機構に伝動接続され、軸線と前記回転筒の軸線がいずれも前記中心軸線に重なり合う入力軸と、をさらに含み、
前記クロール駆動アセンブリは、前記入力軸が回転するように駆動することにより、前記ドライブホイールが転動するように駆動し、回転駆動アセンブリは、前記回転筒が回転するように駆動することにより、前記ホイールフレームが回転するように駆動する。
【0012】
本発明の一実施形態によると、前記第1のスライドレールに位置する2つのクロールアセンブリの入力軸は、同軸に配置され、前記第2のスライドレールに位置する2つのクロールアセンブリの入力軸は、同軸に配置され、
前記クロール駆動アセンブリは、前記入力軸に平行すると共に、前記第1のスライドレール及び第2のスライドレールにそれぞれ近接する2本の接続軸と、2本の前記接続軸が回転するように駆動するための第1のモータとを含み、
各接続軸の両端は、同軸に配置される1組の2つの入力軸にそれぞれスプライン接続され、前記接続軸と前記入力軸は、軸方向に相対的にスライド可能である。
【0013】
本発明の一実施形態によると、前記第1のモータと2本の前記接続軸との間は、ベルト伝動、チェーン伝動またはギヤ伝動である。
【0014】
本発明の一実施形態によると、前記回転駆動アセンブリは、前記接続軸に平行すると共に、自身の軸線の周りに回転可能である伝動軸と、前記伝動軸が回転するように駆動するための第2のモータとを含み、
前記伝動軸の両端は、前記第1のスライドレールに位置する2つのクロールアセンブリの前記回転筒にそれぞれ伝動接続され、同一側に位置する2つの前記回転筒の間は、伝動接続される。
【0015】
本発明の一実施形態によると、前記回転筒と前記回転筒との間は、ベルト伝動、ギヤラック伝動またはチェーン伝動であり、前記伝動軸と前記回転筒との間は、ベルト伝動、チェーン伝動またはギヤ伝動であり、前記第2のモータの主軸と前記伝動軸との間は、ベルト伝動、チェーン伝動またはギヤ伝動である。
【0016】
本発明の一実施形態によると、前記接続軸と前記入力軸との間は、スプライン接続であり、前記入力軸は、前記接続軸に対して軸方向に沿ってスライド可能であり、前記接続軸及び前記入力軸のうちの一方は、スプライン軸であり、他方は、スプライン管であり、
前記伝動軸は、前記入力軸に平行すると共に、自身の軸線の周りに回転可能である第1のサブ軸と、前記第1のサブ軸の両端にそれぞれ設けられると共に、それぞれ前記第1のサブ軸に同軸に配置される2本の第2のサブ軸とを含み、
前記第1のサブ軸と前記第2のサブ軸との間は、スプライン接続であり、前記第2のサブ軸は、前記第1のサブ軸に対して軸方向に沿ってスライド可能であり、前記第1のサブ軸及び前記第2のサブ軸のうちの一方は、スプライン軸であり、他方は、スプライン管であり、
前記2本の第2のサブ軸は、前記第1のスライドレールに位置する2つのクロールアセンブリの回転筒にそれぞれ伝動接続され、
前記伸縮駆動アセンブリは、2つのペデスタルをさらに含み、2つの前記ペデスタルは、前記第1のスライドレールに位置する2つのクロールアセンブリの取付座にそれぞれ固定接続され、2つの前記ペデスタルは、さらに2つの前記第2のサブ軸にそれぞれ回転可能に接続される。
【0017】
本発明の一実施形態によると、前記リニアアクチュエータは、
前記中心軸線に平行すると共に、自身の軸線の周りに回転しており、両端には、回転方向が逆である2段の雄ネジ部が設けられる2本のリードスクリューと、
4つの雄ネジ部にそれぞれ外嵌される4つのリードスクリューナットと、
2本の前記リードスクリューが回転するように駆動するための第3のモータと、を含み、
2本のリードスクリューは、第1のスライドレール及び第2のスライドレールにそれぞれ近接して設けられ、4つの前記リードスクリューナットは、4つの前記取付座(37)にそれぞれ固定接続される。
【0018】
本発明の一実施形態によると、前記第3のモータの主軸と2つの前記リードスクリューとの間は、それぞれベルト伝動、チェーン伝動またはギヤ伝動である。
【0019】
本発明の一実施形態によると、前記伝動装置は、前記搬送車の車体にそれぞれ固定接続される第1の台座及び第2の台座をさらに含み、
前記第1の台座及び前記第2の台座は、前記第1のスライドレール及び前記第2のスライドレールにそれぞれ近接し、
前記第1の台座は、前記第1のスライドレールに近接する前記接続軸、前記リードスクリュー及び前記第1のサブ軸に回転可能に接続され、前記第2の台座は、前記第2のスライドレールに近接する前記接続軸及び前記リードスクリューに回転可能に接続される。
【0020】
本発明の一実施形態によると、前記第1の台座及び前記第2の台座は、いずれも2つ設けられ、2つの前記第1の台座は、互いに離間し、2つの前記第2の台座は、互いに離間する。
【0021】
本発明の一実施形態によると、前記ドライブホイールには、第1の回転軸が設けられ、前記第1の回転軸は、前記ホイールフレームに回転可能に接続され、
前記伝動機構は、
前記入力軸に外嵌される第1のべベルギヤと、
前記ホイールフレームに回転可能に接続されると共に、前記第1の回転軸に平行する第2の回転軸と、
前記第2の回転軸に外嵌されており、前記第1のべベルギヤに噛合する第2のべベルギヤと、を含み、
前記第2の回転軸は、前記第1の回転軸に伝動接続される。
【0022】
本発明の一実施形態によると、前記伝動機構は、
前記第1の回転軸に外嵌される第1の平歯車と、
前記第2の回転軸に外嵌される第2の平歯車と、
前記ホイールフレームに取り付けられると共に、前記第1の回転軸に平行する芯軸と、
前記芯軸に外嵌されると共に、前記芯軸の周りに回転可能であり、前記第1の平歯車及び前記第2の平歯車にそれぞれ噛合する第3の平歯車と、をさらに含む。
【0023】
本発明の一実施形態によると、前記第2の回転軸の中部は、前記ホイールフレームに回転可能に接続され、前記第2のべベルギヤ及び前記第2の平歯車は、前記第2の回転軸の両端にそれぞれ設けられ、前記第1のべベルギヤは、前記第2のべベルギヤと前記第2の平歯車との間に位置する。
【0024】
本発明の一実施形態によると、前記クロールアセンブリは、軸受をさらに含み、前記軸受の外輪は、前記回転筒の内壁に当接し、前記軸受の内輪は、前記入力軸に外嵌される。
【0025】
本発明の一実施形態によると、前記中心軸線は、前記ドライブホイールの中心を通し、前記ガイドホイールは、2つ設けられ、2つの前記ガイドホイールは、前記ドライブホイールの対向する両側にそれぞれ設けられると共に、前記中心軸線までの距離が等しいである。
【0026】
本発明の一実施形態によると、前記伸縮駆動アセンブリは、
前記第1のスライドレールにそれぞれ設けられる2つの第1のスライダと、
前記第2のスライドレールにそれぞれ設けられる2つの第2のスライダと、をさらに含み、
4つの前記取付座は、2つの第1のスライダ及び2つの第2のスライダにそれぞれ設けられる。
【0027】
本発明の一実施形態によると、ドライブホイールは、フラットホイール、同期ホイール、ギヤまたはスプロケットである。
【0028】
本発明は、上記の伝動装置を含む搬送車をさらに提供する。
【発明の効果】
【0029】
上記の技術案からわかるように、本発明の搬送車の利点及び有利な効果は、以下の通りである。
【0030】
本発明に係る当該伝動装置が取り付けられる搬送車は、水平なレールに沿って走行することができると共に、鉛直なレールに沿って走行することができ、さらに、水平なレールと鉛直なレールとの間の切り替えを迅速に行うことができ、従来技術における搬送車に比べて、走行方式の柔軟性がより高くなり、特に、水平なレール及び鉛直なレールにより交錯したレール網において、進行方向に渋滞する場合、レールを変更して渋滞しているレールを避けることができ、走行効率がより高くなる。
【0031】
以下、添付する図面に基づいて本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明することにより、本発明の様々な目的、特徴及び利点は、より明らかになるであろう。図面は、本発明の例示的な図であり、必ずしも縮尺通りに描かれていない。なお、図面において、同一符号は、同一又は類似する部件を示す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、一例示的な実施形態に係る立体棚の模式斜視図である。
【
図2】
図2は、一例示的な実施形態に係る立体棚の模式的な側面図である。
【
図3】
図3は、一例示的な実施形態に係る立体棚の部分正面図である。
【
図4】
図4は、一例示的な実施形態に係る転向ガイドレールの模式的な分解図である。
【
図5】
図5は、一例示的な実施形態に係る転向ガイドレールの部分断面図である。
【
図6】
図6は、一例示的な実施形態に係るガイドレールアセンブリの部分正面図である。
【
図7】
図7は、一例示的な実施形態に係る搬送車の模式斜視図である。
【
図8】
図8は、一例示的な実施形態に係るクロールアセンブリの模式的な正面図である。
【
図9】
図9は、一例示的な実施形態に係るクロールアセンブリの模式的な左側面図である。
【
図10】
図10は、一例示的な実施形態に係る搬送車が立体棚に走行する模式図である。
【
図11】
図11は、一例示的な実施形態に係る搬送車が立体棚に走行する模式図である。
【
図12】
図12は、一例示的な実施形態に係るクロールアセンブリの全断面模式図である。
【
図13】
図13は、一例示的な実施形態に係るクロールアセンブリの模式的な分解図である。
【
図14】
図14は、一例示的な実施形態に係る伝動装置の模式的な正面図である。
【
図15】
図15は、一例示的な実施形態に係る伝動装置の模式斜視図である。
【
図16】
図16は、一例示的な実施形態に係る第1のスライドレールに沿った伝動装置の断面図である。
【
図17】
図17は、一例示的な実施形態に係る第2のスライドレールに沿った伝動装置の断面図である。
【
図18】
図18は、一例示的な実施形態に係る搬送車の模式斜視図である。
【
図19】
図19は、一例示的な実施形態に係る搬送車がレールアセンブリから脱離する状態にある模式斜視図である。
【
図20】
図20は、一例示的な実施形態に係る回転駆動アセンブリの部分断面図である。
【
図21】
図21は、一例示的な実施形態に係る伝動装置はクロールアセンブリが引き込まれる状態にある模式斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して例示的な実施形態を詳細に説明する。しかし、例示的な実施形態は、多様な形態で実施されることができ、ここで説明する実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。逆に、これらの実施形態は、本発明が完全になり、例示的な実施形態の構想が当業者に完全に伝達されるように提供される。なお、図における同一符号は、同一又は類似する構成を示すので、その詳細な説明を省略する。
【0034】
図1、2を参照すると、
図1、2は、本実施形態における立体棚1を示す図である。立体棚1は、棚本体20と、棚本体20の一側に設けられるガイドレールアセンブリ10とを含む。1つの倉庫において、立体棚1は、複数設けられてもよい、複数の立体棚1は、並設され、立体棚1の数は、4個であってもよい。
図2に示すように、隣接する2つの立体棚1を一組とし、同一組における2つの立体棚1は、互いに離間してこの2つの立体棚1の間に均一な幅の通路を形成する。立体棚1上のガイドレールアセンブリ10は、立体棚1の通路に近接する一側に設けられ、このように、通路の両側には、2つのガイドレールアセンブリ10がそれぞれ設けられる。搬送車3の両側のクロールアセンブリ320は、2つのガイドレールアセンブリ10にそれぞれ結合して、ガイドレールアセンブリ10に沿って走行することができ、これにより、通路内での搬送車3の走行を実現することができる。
【0035】
図3を参照すると、ガイドレールアセンブリ10は、転向ガイドレール11と、第1のレール13と、第2のレール14とを含む。転向ガイドレール11と、第1のレール13と、第2のレール14は、いずれも棚本体20に取り付けられる。第1のレール13と、第2のレール14と、転向ガイドレールとは、いずれも同一の平面に設けられ、当該平面は、鉛直平面であることが好ましい。第1のレール13は、水平な直線に沿って延在する。第2のレール14は、鉛直方向に沿って延在する。第1のレール13と第2のレール14とは、垂直に交差する。転向ガイドレール11は、第1のレール13と第2のレール14との交差部に取り付けられる。第1のレール13と第2のレール14は、いずれも転向ガイドレール11により複数段に分割される。
【0036】
図4、5を参照すると、転向ガイドレール11は、取付ベースプレート111と、回転部112とを含む。取付ベースプレート111は、直立柱22に取り付けられる。回転部112は、取付ベースプレート111に取り付けられると共に、取付ベースプレート111の棚本体20とは反対側に位置する。回転部112は、取付ベースプレート111に回転可能に接続されており、回転部112は、取付ベースプレート111に対して回転可能である。回転部112は、ガイドレール溝113の底面に垂直する中軸線の周りに回転する。中軸線は、前記ガイドレール溝113の中心を通ると共に、ガイドレール溝113の底面に垂直する1つの直線である。回転部112は、ガイドレール溝113を含む。ガイドレール溝113は、回転部112の棚本体20とは反対側に位置する。ガイドレール溝113は、2つの条状の直線溝を含む。2つの条状の直線溝の長さは、等しいである。2つの条状の直線溝は、垂直に交差し、交点は、それぞれの中点であり、当該交点は、ガイドレール溝113の中心である。2つの条状の直線溝は、いずれも回転部112の回転軸線に垂直し、当該回転軸線は、ガイドレール溝113の中心を通る。ガイドレール溝113は、十字状であってもよいし、米字状であってもよい。条状の直線溝の両端は、回転部112の対向する両側の縁までそれぞれ延在する。
【0037】
本実施形態において、取付ベースプレート111には、取付孔114が設けられ、取付孔114は、円孔である。取付孔114は、取付ベースプレート111の中部に設けられる。取付孔114は、貫通孔であってもよい。回転部112には、回転軸115が設けられる。回転軸115は、回転部112の取付ベースプレート111に近接する一側に設けられる。回転軸115は、取付孔114内に伸びる。回転軸115の直径は、取付孔114の直径よりも小さい、回転軸115の軸線は、取付孔114の軸線と同軸に形成される。
【0038】
転向ガイドレール11は、回転軸受116をさらに含む。回転軸受116は、内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に設けられるころとを含む。回転軸受116は、ボール軸受であることが好ましい。回転軸受116の内輪は、回転軸115に外嵌され、当該内輪は、回転軸115に締り嵌めされることが好ましい。回転軸受116の外輪の外周壁は、取付孔114の内周壁に当接し、回転軸受116の外輪と取付孔114とは、締り嵌めされる。
【0039】
このように、取付ベースプレート111と回転部112とは、回転軸受116により回転可能に接続され、取付ベースプレート111と回転部112との回転結合は、精密である。
【0040】
転向ガイドレール11は、スラスト軸受117をさらに含む。当該スラスト軸受117は、スラスト円筒ころ軸受、スラスト円錐ころ軸受、及びスラスト玉軸受のいずれか1つであってもよい。スラスト軸受117は、取付ベースプレート111と回転部112との間に挟まれる。スラスト軸受117は、回転軸受116と同軸に配置される。
【0041】
このように、スラスト軸受117は、最大部分の軸方向荷重を載せることができ、回転軸受116の使用寿命は、より長くなる。また、取付ベースプレート111と回転部112との結合もより緊密となり、相対的にがたつき難くなる。
【0042】
図6を参照すると、第1のレール13は、直線レールである。第1のレール13には、第1の条状溝131が設けられる。第1の条状溝131は、第1のレール13に沿って延在し、即ち、第1の条状溝131は、水平方向に沿って延在する。第2のレール14は、直線レールである。第2のレール14には、第2の条状溝141が設けられる。第2の条状溝141は、第2のレール14に沿って延在し、即ち、第2の条状溝141は、水平方向に沿って延在する。第1の条状溝131と第2の条状溝141との一端は、いずれも回転部112まで延在する。回転部112が回転する場合、回転部112は、ガイドレール溝113が第1の条状溝131及び第2の条状溝141にそれぞれ連通する位置、即ち、ガイドレール溝113における1つの条状の直線溝が第1の条状溝131に連通し、他の一つの条状の直線溝が第2の条状溝141に連通する位置までに回転可能である。
【0043】
第1の条状溝131と第2の条状溝141とガイドレール溝113との2つの条状の直線溝の底壁には、いずれも条状溝の延在方向に沿って延在する伝動部品が設けられてもよい、当該伝動部品は、タイミングベルト、ラックまたはチェーンであってもよい。
【0044】
第1のレール13と第2のレール14とは、いずれも複数設けられている。第1のレール13は、格納トレー21に一対一に対応して設けられ、各第1のレール13は、それに対応する格納トレー21の縁に設けられる。複数の第2のレール14は、それぞれ複数の直立柱22に設けられる。第2のレール14は、立体棚1の同一側に位置する直立柱22に一対一に対応して設けられ、各第2のレール14は、それに対応する直立柱22に設けられる。複数の第1のレール13と複数の第2のレール14とは、いずれも同一の鉛直平面に位置し、複数の第1のレール13と複数の第2のレール14は、レール網にインターリーブされる。転向ガイドレールも複数設けられ、複数の転向ガイドレールは、レール網における各交点にそれぞれ設けられる。
【0045】
図7に示すように、
図7は、本実施形態に係る搬送車3を示す図である。このような搬送車3は、無人搬送車(Automated Guided Vehicle)であることが好ましい。
【0046】
当該搬送車3は、車体31と伝動装置32とを含む。伝動装置32は、車体31に取り付けられる。伝動装置32は、車体31をガイドレールアセンブリ10に沿って走行させるためのものである。車体31は、略矩形状の構造に設置されてもよい。車体31は、前端41と、前端41に対向する後端42とを含む。前端41は、車体31の前端41であってもよい、後端42は、車体31の後端42であってもよい。
【0047】
伝動装置32は、4つのクロールアセンブリ320と、クロール駆動アセンブリと、回転駆動アセンブリとを含む。4つのクロールアセンブリ320は、車体31の対向する両側にそれぞれ設けられる。クロール駆動アセンブリと回転駆動アセンブリは、いずれも車体31の内部に設けられる。搬送車3は、レールに沿ってクロールする場合、2つのガイドレールアセンブリ10との間に位置し、搬送車3の両側のクロールアセンブリ320は、搬送車3を支持するように、両側に位置するガイドレールアセンブリ10にそれぞれ当接する。
【0048】
本実施形態において、2つのクロールアセンブリ320は、車体31の前端41の対向する両側にそれぞれ設けられ、他の2つのクロールアセンブリ320は、車体31の後端42の対向する両側に設けられる。4つのクロールアセンブリ320は、車体31の4つの角に近接する位置から車体31を支持することにより、より安定で信頼性が高い。
【0049】
図8、9を参照すると、各クロールアセンブリ320は、いずれも、ホイールフレーム321と、ドライブホイール322と、ガイドホイール323とを含む。ホイールフレーム321は、ほぼ直線的な条状に構成され、ホイールフレーム321は、車体31の側部から、車体31から離れる方向に延在する。ホイールフレーム321は、第1端と、第1端に対向する第2端とを含み、ホイールフレーム321は、第1端から第2端まで延在する。ホイールフレーム321の第1端は、車体31に向き、ホイールフレーム321の第2端は、車体31から離れている。ホイールフレーム321の第2端は、車体31の側面から外側へ突出することができる。ドライブホイール322とガイドホイール323とは、いずれもホイールフレーム321の第2端に取り付けられる。ドライブホイール322は、フラットホイール、プーリ、ギヤ、スプロケットなどであってもよい。ドライブホイール322の軸線は、ホイールフレーム321の延在方向に垂直する。ガイドホイール323は、ドライブホイール322の一側に設けられ、ガイドホイール323の軸線は、ホイールフレーム321の延在方向に平行する。ガイドホイール323の軸線は、ドライブホイール322の中心を通り且つドライブホイール322の軸線に垂直する平面内に位置し、これにより、ドライブホイール322の外周面は、ガイドホイール323に向き、ガイドホイール323は、常にドライブホイール322の進行方向にある。
【0050】
本実施形態において、ホイールフレーム321は、ホイールフレーム321の延在方向の中心軸線の周りに回転可能であり、当該中心軸線は、ドライブホイール322の軸線に垂直する。当該中心軸線は、ドライブホイール322の中心を通ることが好ましい。ホイールフレーム321がその中心軸線の周りに回転可能であるため、ホイールフレーム321を回転させることによりドライブホイール322の進行方向を変更することができる。回転駆動アセンブリは、ホイールフレーム321の回転を駆動するためのものである。クロール駆動アセンブリは、ドライブホイール322の転動を駆動するためのものである。
【0051】
第1の条状溝131と第2の条状溝141とガイドレール溝113との幅は、いずれもガイドホイール323の直径よりも大きい、ガイドホイール323は、第1の条状溝131、第2の条状溝141及びガイドレール溝113内に進入可能である。搬送車3が第1の条状溝131に沿って水平に走行する場合、ガイドホイール323の直径がドライブホイール322の幅よりも大きいため、ガイドホイール323は、第1の条状溝131の側壁に掛けられると共に、車体31を担持し、ドライブホイール322が第2の条状溝141に沿って鉛直に走行する場合、ドライブホイール322は、車体31を担持し、ガイドホイール323は、第2の条状溝141の側壁と相互作用して、ドライブホイール322が第1の条状溝131に沿って移動するように案内する。
【0052】
搬送車3が第1のレール13から第2のレール14まで走行する必要がある場合、ガイドレール溝113がそれぞれ第1の条状溝131及び第2の条状溝141に連通する位置まで、予め回転部112を回転させ、クロール駆動アセンブリは、ドライブホイール322を駆動して、クロールアセンブリ320を第1の条状溝131からガイドレール溝113に進入させ、この時、クロールアセンブリ320と回転部112との状態は、
図10に示されている。その後、回転駆動アセンブリは、ホイールフレーム321が90°回転するように駆動し、ホイールフレーム321が回転すると、回転部112が回転し、回転部112が90°回転した後、ガイドレール溝113は、再び第1の条状溝131及び第2の条状溝141にそれぞれ連通し、この時、クロールアセンブリ320と回転部112との状態は、
図11に示されており、搬送車3は、第2の条状溝141に進入するまでに、第2の条状溝141に向かって移動し続けることができ、このように、搬送車3の第1のレール13から第2のレール14までの走行が完了する。同様に、搬送車3も、第2のレール14から第1のレール13まで走行することができる。このように、搬送車3は、ガイドレールアセンブリ10沿って水平方向に走行することができると共に、鉛直方向に走行することができ、搬送車3の走行経路は、より柔軟になる。
【0053】
レール網は、矩形格子状であり、最小セルは、矩形格子であり、搬送車3は、レール網に沿って走行可能であり、搬送車3は、各転向ガイドレール11で転向してレールを任意に切り替えることができ、これにより、搬送車3の走行経路は、より多様になる。搬送車3の進行方向のレールが渋滞された場合、搬送車3は、レールを切り替えることにより、当該渋滞まれた部位を迂回することができ、当該レールの疎通を待つ必要がなく、搬送車3の搬送効率を大幅に向上することができる。
【0054】
ドライブホイールは、フラットホイール、同期ホイール、ギヤまたはスプロケットであってもよい。ドライブホイール322は、同期ホイール、ギヤまたはスプロケットである場合、第1の条状溝131、第2の条状溝141及びガイドレール溝113の2つの条状の直線溝内に取り付けられる対応する伝動部品と噛合して、滑りを防止することができる。
【0055】
さらに、2つのガイドホイール323が設けられる。2つのガイドホイール323は、いずれもホイールフレーム321の第2端の端部に設けられる。2つのガイドホイール323は、ドライブホイール322の対向する両側にそれぞれ位置する。ホイールフレーム321は、この中心軸線の周りに回転し、当該中心軸線は、ドライブホイール322の中心を通ると共に、当該中心軸線から2つのガイドホイール323の軸線までの距離は、等しい。
【0056】
ドライブホイール322は、2つのガイドホイール323との間に設けられ、ドライブホイール322と条状溝の側壁が互いに摩擦することを完全に回避することができる。搬送車3が第1の条状溝131を水平に走行する場合、2つのガイドホイール323は、第1の条状溝131の側壁に掛けられると共に、車体31を担持し、さらに、2つのガイドホイール323からホイールフレーム321の中心軸線までの距離は等しい、2つのガイドホイール323によりホイールフレーム321に加えるヨーイングモーメントは、互いに相殺し、ホイールフレーム321にかかる力は、より合理になる。
【0057】
さらに、
図12、13を参照すると、クロールアセンブリ320は、いずれも伝動機構34と、入力軸35と、回転筒36と、取付座37とを含む。
【0058】
取付座37は、車体31に設けられる。本実施形態において、取付座37は、底板371と、2つの側板372とを含む。2つの側板372は、底部の同一側に位置し、且つ、いずれも底板371に垂直する。2つの側板372は、互いに平行する。2つの側板372には、いずれも取付貫通孔373が設けられ、取付貫通孔373は、円形の貫通孔である。2つの取付貫通孔373は、互いに揃えられ、即ち、2つの取付貫通孔373は、同軸に配置される。
【0059】
回転筒36は、筒体361を含む。筒体361は、円筒形である。筒体361の直径は、取付貫通孔373の直径よりも小さい。筒体361は、取付貫通孔373内に設けられる。筒体361と取付座37とは、回転可能に接続される。本実施形態において、クロールアセンブリ320は、2つの回転軸受374をさらに含み、2つの回転軸受374の内輪は、それぞれ筒体361の両端に外嵌される。回転軸受374は、ラジアル軸受であってもよい、深溝玉軸受であってもよい。2つの回転軸受374の外輪は、取付貫通孔373内に取り付けられ、取付貫通孔373との間に固定接続を形成する。回転軸受374の外輪と取付貫通孔373とは、締り嵌めされてもよい。このように、回転筒36は、回転軸受374を介して取付座37と回転可能に接接続される。なお、回転軸受374を設けなくてもよい、取付貫通孔373と回転筒36とは、隙間嵌めによって回転筒36と取付座37との間の回転接続を実現してもよい。
【0060】
ホイールフレーム321の第1端は、回転筒36の端部に固定接続される。ホイールフレーム321の第1端の端部と回転筒36の端部は、互いに溶接されてもよい、ネジで接続されてもよい、または、ボルトで接続されてもよい。このように、ホイールフレーム321は、回転筒36に取り付けられると共に、回転筒36は、ホイールフレーム321を回転筒36の軸線の周りに回転させることができる。この時、ホイールフレーム321の中心軸線と回転筒36の軸線とは重なり合う。
【0061】
ドライブホイール322は、ローラ本体324と、第1の回転軸325とを含む。ローラ本体324は、円形であり、中部には、貫通孔が設けられる。第1の回転軸325は、円柱形である。第1の回転軸325は、ローラ本体324と同軸に配置される。ドライブホイール322は、第1の回転軸325に外嵌されると共に、第1の回転軸325に固定接続される。ドライブホイール322と第1の回転軸325との間は、締り嵌めされてもよい。第1の回転軸325は、ホイールフレーム321の第2端に回転可能に接続される。第1の回転軸325の延在方向とホイールフレーム321の延在方向とは、互いに垂直する。本実施形態において、ホイールフレーム321の第2端には、2つの軸受326が設けられ、これらの2つの軸受326の内輪は、第1の回転軸325の両端にそれぞれ外嵌される。ホイールフレーム321の両側の内壁には、2つの貫通孔327がそれぞれ設けられ、2つの軸受326の外輪は、これらの2つの貫通孔327にそれぞれ設けられると共に、取付貫通孔373に固定接続される。このように設置した後、ドライブホイール322とホイールフレーム321との間は、回転可能に接続される。ローラ本体324は、一部がホイールフレーム321内に収容され、一部がホイールフレーム321の第2端から突出する。
【0062】
入力軸35は、直線的な条状である。入力軸35は、回転筒36と同軸に配置される。入力軸35の直径は、入力軸35の内孔の直径よりも小さい。入力軸35は、回転筒36を貫通すると共に、ホイールフレーム321の第1端からホイールフレーム321内に延びる。入力軸35は、ホイールフレーム321に対して移動可能であり、その回転方式は、自身の軸線の周りに回転することである。本実施形態において、クロールアセンブリ320は、入力軸35と回転筒36との間に設けられる軸受351をさらに含む。軸受351は、回転筒36内に設けられ、軸受351の内輪は、入力軸35に外嵌され、軸受351の外輪は、回転筒36の内壁に当接する。軸受351は、2つ設けられてもよい、2つの軸受351は、回転筒36の両端にそれぞれ設けられる。入力軸35の軸線は、ドライブホイール322の中心を通ると共に、ドライブホイール322の軸線に垂直する。
【0063】
伝動機構34は、ホイールフレーム321内に設けられる。伝動機構34は、入力軸35及びドライブホイール322にそれぞれ伝動接続され、入力軸35から伝達されたトルクをドライブホイール322に伝達して、ドライブホイール322が転動するように駆動する。伝動機構34は、第1のべベルギヤ341と、第2の回転軸342と、第2のべベルギヤ343とを含む。第2の回転軸342は、第1の回転軸325に平行する。第2の回転軸342は、ホイールフレーム321の第1端に設けられる。第2のべベルギヤ343は、第2の回転軸342に外嵌されると共に、第2の回転軸342に固定接続される。第2の回転軸342は、ホイールフレーム321内の1つの軸孔内に挿入されると共に、当該軸孔に隙間嵌められ、第2の回転軸342は、当該軸孔内に自身の軸線の周りに回転可能である。第1のべベルギヤ341は、入力軸35のホイールフレーム321内に延びる一端に外嵌されると共に、第2のべベルギヤ343に噛合し、両軸の交差角は、90°である。第1のべベルギヤ341と第2のべベルギヤ343とは、互いに噛合して、入力されたトルクの方向を変更することができる。
【0064】
第2の回転軸342と第1の回転軸325とは、伝動接続される。第2の回転軸342と第1の回転軸325との間は、ベルト伝動、チェーン伝動またはギヤ伝動であってもよい。本実施形態において、第2の回転軸342と第1の回転軸325との間は、ギヤ伝動を使用し、伝動機構34は、第1の平歯車344と、第2の平歯車345と、第3の平歯車347と、芯軸346とをさらに含む。第1の平歯車344は、第1の回転軸325に外嵌されると共に、第1の回転軸325に固定接続される。第2の平歯車345は、第2の回転軸342に外嵌されると共に、第2の回転軸342に固定接続される。芯軸346は、第1の回転軸325と第2の回転軸342との間に設けられると共に、第1の回転軸325に平行する。第3の平歯車347は、芯軸346に外嵌され、第3の平歯車347は、芯軸346の軸線の周りに回転可能である。芯軸346は、ホイールフレーム321の内壁に固定され、第3の平歯車347と芯軸346とは、隙間嵌められ、第3の平歯車347は、芯軸346の周りに回転可能である。第1の平歯車344は、第3の平歯車347に噛合し、第3の平歯車347は、第2の平歯車345に噛合する。
【0065】
本実施形態において、入力軸35が外力を受けて自身の軸線の周りに回転した後、入力軸35は、第1のべベルギヤ341を回転させ、第1のべベルギヤ341は、第2の回転軸342を回転させ、第2の回転軸342は、第2の平歯車345を回転させ、第2の平歯車345は、第3の平歯車347を回転させ、第3の平歯車347は、第1の平歯車344を回転させ、第1の平歯車344は、ドライブホイール322が転動するように駆動する。これにより、入力軸35から入力されたトルクは、ドライブホイール322が転動するように駆動することができる。
【0066】
クロール駆動アセンブリは、入力軸35が回転するように駆動して、ドライブホイール322を転動させるためのものである。回転駆動アセンブリは、回転筒36が回転するように駆動して、ドライブホイール322を転向させるためのものである。
【0067】
ドライブホイール322は、ホイールフレーム321に取り付けられ、ホイールフレーム321は、回転筒36に取り付けられ、回転駆動アセンブリは、回転筒36を駆動して、ドライブホイール322の進行方向を変更することができる。入力軸35の軸線がドライブホイール322の中心を通ると共に、ドライブホイール322の軸線に垂直し、さらに、入力軸35が回転筒36と同軸に配置されるため、回転筒36はドライブホイール322が転向するように駆動することと、及び入力軸35はドライブホイール322が転動するように駆動することとの間に、互いに渉することがない。同時に、入力軸35は、車体31の内部に延在され、車体31の内部に設けられたクロール駆動アセンブリにより駆動されて回転して、ドライブホイール322を転動させることができ、クロール駆動アセンブリをホイールフレーム321に設ける必要がなく、これにより、搬送車3全体の構成がよりコンパクトになる。
【0068】
さらに、芯軸346は、前記第1の回転軸325と前記第2の回転軸342との間に設けられ、且つ、第1の回転軸325、第2の回転軸342及び芯軸346の軸線は、同一の平面にある。このように、第1の平歯車344、第2の平歯車345、第3の平歯車347は、直線に沿って順次に配置され、これにより、ホイールフレーム321の体積は、より小さくなる。
【0069】
さらに、第2の回転軸342の中部は、ホイールフレーム321に回転可能に接続される。第2のべベルギヤ343と第2の平歯車345とは、第2の回転軸342の両端にそれぞれ設けられ、第1のべベルギヤ341は、第2のべベルギヤ343と第2の平歯車345との間に位置する。このように、伝動機構34をよりコンパクトになり、体積をより小さくなることができ、さらに、第2の回転軸342にかかる力は、より合理になることができる。
【0070】
さらに、回転筒36は、フランジ362をさらに含む。フランジ362は、筒体361のホイールフレーム321に接続される一端に設けられ、フランジ362は、筒体361の端部から径方向外側に突出する。フランジ362は、円環状である。フランジ362の外径は、取付貫通孔373の内径よりも大きい。クロールアセンブリ320は、スラスト軸受38をさらに含む。スラスト軸受38は、筒体361と同軸に配置される。スラスト軸受38は、フランジ362と取付座37の外壁との間に挟まれる。このように、スラスト軸受38は、ホイールフレーム321から伝達された軸方向の荷重を受けることができ、回転軸受374が過大な軸方向の荷重を受けることを回避することができる。さらに、フランジ362の外縁の取付座37に近接する一側には、内側に凹む環状の凹部が形成され、スラスト軸受38は、環状の凹部に取り付けられる。このように、スラスト軸受38に対して位置制限を行い、これにより、スラスト軸受38が自由に移動することを回避することができる。
【0071】
さらに、
図15~17を参照すると、伝動装置32は、伸縮駆動アセンブリをさらに含む。伸縮駆動アセンブリは、第1のスライドレール71と、第2のスライドレール72と、2つの第1のスライダ73と、2つの第2のスライダ74と、リニアアクチュエータとを含む。
【0072】
2つの第1のスライダ73は、第1のスライドレール71に設けられる。2つの第2のスライダ74は、第2のスライドレール72に設けられる。第1のスライダ73は、第1のスライドレール71に沿ってスライド可能であり、第2のスライダ74は、第2のスライドレール72に沿ってスライド可能である。第1のスライドレール71は、車体31の前端41に配置され、第2のスライドレール72は、車体31の後端42に配置される。第1のスライドレール71及び第2のスライドレール72は、いずれも入力軸35に平行し、即ち、ホイールフレーム321の中心軸線に平行する。第1のスライドレール71及び第2のスライドレール72は、長さが同じであり且つ互いに揃えられるものが好ましい、第1のスライドレール71と第2のスライドレール72との4つの端点を結ぶ線は、矩形を構成することができる。第1のスライドレール71と第2のスライドレール72は、いずれも車体31に固定接続され、ネジ接続、ボルト接続または溶接であってもよい。
【0073】
2つのクロールアセンブリ320の取付座37は、2つの第1のスライダ73にそれぞれ設けられ、他の2つのクロールアセンブリ320の取付座37は、2つの第2のスライダ74にそれぞれ設けられる。取付座37の底板371は、各スライダに固定接続され、取付座37と各スライダとの間は、ネジ接続、溶接、かしめまたはボルト接続であってもよい。
【0074】
2つの第1のスライダ73にそれぞれ位置する2つのクロールアセンブリ320のホイールフレーム321の第1端は、対向して設けられ、2つの第2のスライダ74にそれぞれ位置する2つのクロールアセンブリ320のホイールフレーム321の第1端は、対向して設けられる。このように、4つのクロールアセンブリ320のドライブホイール322及びガイドホイール323は、伝動装置32の両側にそれぞれ向く。同時に、リニアアクチュエータは、各前記クロールアセンブリ320を駆動してそれらをそれぞれ位置するスライドレールに沿ってスライドさせることができ、リニアアクチュエータが同時にクロールアセンブリ320を各スライドレールの中部へ移動させた後、クロールアセンブリ320は、車体内に引き込まれることができ、この時、クロールアセンブリ320とガイドレールアセンブリ10との間の結合を解除することができる。逆に、4つのクロールアセンブリ320を第1のスライドレール71及び第2のスライドレール72の各端部にそれぞれ移動した場合、クロールアセンブリ320は、車体内から突出して、クロールアセンブリ10と再び結合することができる。
【0075】
図18を参照すると、搬送車3は、車体31の底部に設けられる床面走行機構8をさらに含む。床面走行機構8は、床面に沿って走行することができる。床面走行機構8は、複数の全方向輪81と、2つの駆動輪82とを含む。複数の全方向輪81は、車体31の底部の両端にそれぞれ位置する。全方向輪81は、4個設けてもよい、車体31の底部の四隅にそれぞれ設けられ、全方向輪81は、車体31を支持している。2つの駆動輪82は、車体31の底部の中央両側にそれぞれ位置する。各駆動輪82は、自律的に転動して車体31を床面に沿って走行させる。2つの駆動輪82が差動走行することは、搬送車を転向させることができる。
【0076】
図19を参照すると、第2のレール14は、棚本体20の底端まで延在する。搬送車3は、物品を他の場所から立体棚1の付近まで床面に沿って搬送し、その後、2つの立体棚1の間の通路に進入し、次に、クロールアセンブリ320を車体31の両側から突出させると共に、搬送車3の両側に位置する第2のレール14内に入れる。このように、搬送車3は、クロールアセンブリ320によって立体棚1上をクロールして、搬送車3のアウトフォークアセンブリによって搬送車3上の物品を棚本体20の格納トレー21上に搬送することができる。対応的に、搬送車3のアウトフォークアセンブリは、立体棚1から物品を取り出し、その後、搬送車1の床面走行機構8が着地するまで、クロールアセンブリ320によって立体棚1において立体棚1の底部にクロールし、その後、クロールアセンブリ320を車体31内に引き込んでクロールアセンブリ320を第2のレール14から分離させ、その後、物品を床面に沿って所定の場所に搬送することができる。これにより、搬送車3は、床面に沿って走行することができ、且つ立体棚1において走行することもでき、このため、このような搬送車3は、適応性がより広くなり、機能がより強くなる。
【0077】
さらに、
図14、15を参照すると、伝動装置32は、2つの第1の台座43と、2つの第2の台座44とをさらに含む。第1の台座43は、いずれも車体31の前端41に固定接続されると共に、第1のスライドレール71に近接し、第2の台座44は、いずれも車体31の後端42に固定接続されると共に、第2のスライドレール72に近接する。2つの第1の台座43同士は、互いに離間しており、2つの第2の台座44同士は、互いに離間している。
【0078】
第1の台座43は、第1の横板431と、第1の横板431に固定接続される第1の縦板432とを含む。第1の横板431は、車体31の底部に接続され、これは、ネジ接続またはボルト接続であってもよい。第1の縦板432は、第1の横板431に垂直する。第1の縦板432には、第1の貫通孔433と、第2の貫通孔434と第3の貫通孔とが設けられる。2つの第1の縦板432は、平行に設けられ、且つ、いずれも入力軸35に垂直する。第1の貫通孔433、第2の貫通孔434、第3の貫通孔内には、第1の軸受と、第2の軸受と、第3の軸受とがそれぞれ順次に設けられる。2つの第1の軸受は、同軸に配置され、2つの第2の軸受は、同軸に配置され、2つの第3の軸受は、同軸に配置される。
【0079】
第2の台座44は、第2の横板441と、第2の横板441に固定接続される第2の縦板442とを含む。第2の横板441は、車体31の底部に接続され、ネジ接続またはボルト接続であってもよい。第2の縦板442は、第2の横板441に垂直する。第2の縦板442には、第4の貫通孔443と第5の貫通孔444とが設けられる。2つの第2の縦板442は、平行に設けられ、且つ、いずれも入力軸35に垂直する。第4の貫通孔443及び第5の貫通孔444には、第4の軸受及び第5の軸受がそれぞれ順次に設けられる。2つの第4の軸受は、同軸に配置され、2つの第5の軸受は、同軸に配置される。
【0080】
第1の軸受、第2の軸受、第3の軸受、第4の軸受及び第5の軸受の軸線は、いずれも入力軸35の軸線に平行する。全ての回転筒36の軸線及び全ての入力軸35の軸線は、いずれも互いに平行する。
【0081】
クロール駆動アセンブリは、2本の接続軸51と、第1のモータ52とを含む。2本の接続軸51は、直線的な条状である。1つの接続軸51は、2つの第1の台座43の第1の貫通孔433を貫通し、2つの第1の軸受は、それぞれ当該接続軸51の両端に外嵌される。他の1つの接続軸51は、2つの第2の台座44の第4の貫通孔443に貫通し、2つの第4の軸受は、当該接続軸51の両端にそれぞれ外嵌される。このように、2本の接続軸51は、それぞれ第1の台座43及び第2の台座44に回転可能に接続され、且つ、接続軸51は、入力軸35に平行する。
【0082】
前記前端41に位置する2つのクロールアセンブリ320の入力軸35は、同軸に配置され、車体の前端41に位置する接続軸51の両端の端部は、2つの入力軸35の端部にそれぞれ接続される。前記後端42に位置する2つのクロールアセンブリ320の入力軸35は、同軸に配置され、車体31の後端42に位置する接続軸51の両端の端部は、2つの入力軸35の端部にそれぞれ接続される。この時、1つの接続軸51を回転させることにより、2つの入力軸35が回転するように同時に駆動することができ、さらに、2つのドライブホイール322を転動させる。接続軸51と入力軸35との間は、スプライン接続であってもよい。
【0083】
第1のモータ52は、車体31に取り付けられる。第1のモータ52の主軸は、接続軸51に平行するように構成される。第1のモータ52の主軸と2本の接続軸51との間は、ベルト伝動、チェーン伝動またはギヤ伝動であってもよい、これにより、第1のモータ52は、4つのドライブホイール322が転動するように同期に駆動することができる。
【0084】
本実施形態において、第1のモータ52の主軸と2本の接続軸51との間は、ベルト伝動である。具体的には、クロール駆動アセンブリは、2つの第1のセカンダリプーリ53と、第1のプライマリプーリ54と、第1の伝動ベルト55とをさらに含む。第1のセカンダリプーリ53及び第1のプライマリプーリ54は、タイミングプーリであることが好ましい、第1の伝動ベルト55は、タイミングベルトであることが好ましい。2つの第1のセカンダリプーリ53は、2本の接続軸51にそれぞれ外嵌される。第1のセカンダリプーリ53は、接続軸51に固定接続される。第1のプライマリプーリ54は、駆動モータの主軸に外嵌されると共に、2つの第1の伝動ベルト55との間に位置する。第1の伝動ベルト55は、環形である。第1の伝動ベルト55は、2つの第1のセカンダリプーリ53に巻き掛けられると共に、第1のプライマリプーリ54に密に当接し、これにより、第1のモータ52と接続軸51との間にベルト伝動を形成する。
【0085】
さらに、クロール駆動アセンブリは、2つの第1のテンションプーリ56をさらに含む。2つの第1のテンションプーリ56は、第1のプライマリプーリ54の両側に設けられると共に、第1の伝動ベルト55の外側に密に当接して第1のプライマリプーリ54と第1の伝動ベルト55との間の接触面積を大きくして、第1のプライマリプーリ54と第1の伝動ベルト55との間の滑りを回避することができる。
【0086】
さらに、
図20を参照すると、回転駆動アセンブリは、第2のモータ61と、伝動軸62とを含む。伝動軸62は、車体31の前端41に設けられ、伝動軸62の軸線は、回転筒36の軸線に平行する。伝動軸62は、第1のサブ軸621と、2本の第2のサブ軸622とを含む。2本の第2のサブ軸622は、第1のサブ軸621の両端にそれぞれ設けられると共に、第1のサブ軸621と同軸に配置される。2本の第2のサブ軸622の一端は、第1のサブ軸621の両端にそれぞれ接続される。
【0087】
第1のサブ軸621は、2つの第1の台座43の第2の貫通孔434を貫通し、2つの第2の軸受は、第1のサブ軸621の両端にそれぞれ外嵌される。このように、伝動軸62は、車体31に回転可能に接続され、伝動軸62は、自身の軸線の周りに回転可能である。
【0088】
第2のモータ61は、車体31の底部に固定され、第1のサブ軸621の下方に設けられることが好ましい。第2のモータ61の主軸と第1のサブ軸621は、互いに平行し、第2のモータ61の主軸と第1のサブ軸621とは、伝動接続される。第2のモータ61の主軸と第1のサブ軸621との間は、ギヤ伝動、ベルト伝動またはチェーン伝動であってもよい。本実施形態において、第2のモータ61と第1のサブ軸621との間は、ベルト伝動である。具体的には、回転駆動アセンブリは、第2のプライマリプーリ631と、第2のセカンダリプーリ632と、第2の伝動ベルト633とをさらに含む。第2のセカンダリプーリ632及び第2のプライマリプーリ631は、タイミングプーリであることが好ましい、第2の伝動ベルト633は、タイミングベルトであることが好ましい。第2のプライマリプーリ631は、第2のモータ61の主軸に外嵌される。第2のセカンダリプーリ632は、第1のサブ軸621に外嵌される。第2の伝動ベルト633は、環形である。第2の伝動ベルト633は、第2のプライマリプーリ631及び第2のセカンダリプーリ632に巻き掛けられて、第1のサブ軸621と第2のモータ61の主軸との間にベルト伝動を形成する。
【0089】
2本の第2のサブ軸622は、第1のスライドレール71に位置する2つのクロールアセンブリ320の回転筒36にそれぞれ伝動接続されることができ、第1のサブ軸621は、回転して、回転筒36を回転させることができる。例えば、第2のサブ軸622と回転筒36との間は、ギヤ伝動、ベルト伝動またはチェーン伝動であってもよい。本実施形態において、第2のサブ軸622と回転筒36との間は、ベルト伝動である。回転駆動アセンブリは、第3のプライマリプーリ641と、第3のセカンダリプーリ642と、第3の伝動ベルト643とをさらに含む。第3のセカンダリプーリ642及び第3のプライマリプーリ641は、タイミングプーリであることが好ましい、第3の伝動ベルト643は、タイミングベルトであることが好ましい。第3のプライマリプーリ641は、第2のサブ軸622に外嵌される。第3のセカンダリプーリ642は、回転筒36に外嵌される。第3の伝動ベルト643は、環形である。第3の伝動ベルト643は、第3のプライマリプーリ641及び第3のセカンダリプーリ642に巻き掛けられて、第2のサブ軸622と回転筒36との間にベルト伝動を形成する。
【0090】
車体31の一側に位置する2つの回転筒36は、伝動接続され、車体31の他の一側に位置する2つの回転筒36は、伝動接続される。2つの回転筒36との間は、ベルト伝動、ギヤラック伝動またはチェーン伝動であってもよい。本実施形態において、2つの回転筒36との間は、ベルト伝動である。回転駆動アセンブリは、2つの第4のプライマリプーリ651と、2つの第4のセカンダリプーリ652と、2つの第4の伝動ベルト653とをさらに含む。第4のセカンダリプーリ652及び第4のプライマリプーリ651は、タイミングプーリであることが好ましい、第4の伝動ベルト653は、タイミングベルトであることが好ましい。2つの第4のプライマリプーリ651は、車体31の前端41に位置する2つの回転筒36にそれぞれ外嵌される。2つの第4のセカンダリプーリ652は、車体31の後端42に位置する2つの回転筒36にそれぞれ外嵌される。2つの第4の伝動ベルト653は、いずれも環形である。1つの第4の伝動ベルト653は、車体31の一側に位置する1つの第4のプライマリプーリ651および1つの第4のセカンダリプーリ652に巻き掛けられ、他の1つの第4の伝動ベルト653は、車体31の他の一側に位置する1つの第4のプライマリプーリ651及び1つの第4のセカンダリプーリ652に巻き掛けられる。
【0091】
このように、第2のモータ61の主軸が回転した後、伝動軸62を回転させることができ、伝動軸62が回転すると、車体31の前端41に位置する2つの回転筒36を回転させることができ、2つの回転筒36が回転すると、他の2つの回転筒36を回転させることができ、このように、第2のモータ61は、4つのドライブホイール322が転向するように同期に駆動することができる。本実施形態において、4つのドライブホイール322の軸線は、互いに平行する。
【0092】
さらに、伸縮駆動アセンブリは、2つのペデスタル75をさらに含む。2つのペデスタル75は、前端41に位置する2つの取付座37にそれぞれ固定接続される。2つのペデスタル75は、さらに、第2のサブ軸622にそれぞれ回転可能に接続される。本実施形態において、第2のペデスタル75には、第6の軸受が設けられ、第6の軸受は、第2のサブ軸622に外嵌される。
【0093】
第1のサブ軸621と第2のサブ軸622との間は、スプライン接続であり、第1のサブ軸621と第2のサブ軸622との間にトルクを伝達することができる。第2のサブ軸622は、第1のサブ軸621に対して軸方向に沿ってスライド可能である。本実施形態において、第1のサブ軸621は、スプライン管であり、第2のサブ軸622は、スプライン軸である。第1のサブ軸621をスプライン軸としてもよい、第2のサブ軸622をスプライン管としてもよい。
【0094】
接続軸51と入力軸35との間は、スプライン接続であり、接続軸51と入力軸35との間にトルクを伝達することができる。入力軸35は、接続軸51に対して軸方向に沿ってスライド可能である。本実施形態において、接続軸51は、スプライン管であり、入力軸35は、スプライン軸である。接続軸51をスプライン軸としてもよい、入力軸35をスプライン管としてもよい。
【0095】
図15、21を参照すると、リニアアクチュエータは、取付座37が車体31に対してスライドするように駆動するためのものである。リニアアクチュエータが取付座37を同時に駆動して車体31内へスライドさせる場合、クロールアセンブリ320は、ガイドレールアセンブリを開放して車体31内に引き込ませることができる。リニアアクチュエータが取付座37を同時に駆動して車体31の外部へスライドさせる場合、クロールアセンブリ320は、ガイドレールアセンブリと結合可能である。クロールアセンブリ320が伸縮する場合、第2のサブ軸622は、それを追従して第1のサブ軸621に対してスライドし、伝動軸62は、それを追従して接続軸51に対してスライドし、これにより、クロール駆動アセンブリ及び回転駆動アセンブリは、依然として正常な動作を維持することができる。
【0096】
本実施形態において、前記リニアアクチュエータは、2本のリードスクリュー76と、4つのリードスクリューナット77と、第3のモータ78とを含む。リードスクリュー76の両端には、回転方向が逆である2段の雄ネジ部761が設けられる。1本のリードスクリュー76は、2つの第1の台座43の第3の貫通孔を貫通し、2つの第3の軸受761は、当該リードスクリュー76に外嵌され、他の1本のリードスクリュー76は、2つの第2の台座44の第5の貫通孔444を貫通し、2つの第5の軸受は、当該リードスクリュー76に外嵌される。このように、2つのリードスクリュー76は、いずれも車体31と回転可能に接続されると共に、車体31の前端41及び後端42にそれぞれ位置する。
【0097】
2つのリードスクリューナット77は、前端41に位置するリードスクリュー76の2段の雄ネジ部761にそれぞれ外嵌され、他の2つのリードスクリューナット77は、後端42に位置するリードスクリュー76の2段の雄ネジ部761にそれぞれ外嵌される。4つのリードスクリューナット77は、4つの取付座37にそれぞれ固定接続される。
【0098】
第3のモータ78の主軸は、2つのリードスクリュー76に伝動接続され、第3のモータ78は、2本のリードスクリュー76が同期に回転するように駆動することができる。第3のモータ78が2つのリードスクリュー76を駆動して回転させる場合、リードスクリュー76は、リードスクリューナット77を駆動してリードスクリュー76に沿ってスライドさせ、リードスクリューナット77は、取付座37をスライドさせる。
【0099】
さらに、第3のモータ78の主軸と2つのリードスクリュー76との間は、ベルト伝動である。伸縮駆動アセンブリは、第5のプライマリプーリ791と、2つの第5のセカンダリプーリ792と、第5の伝動ベルト793とをさらに含む。第5のセカンダリプーリ792及び第5のプライマリプーリ791は、タイミングプーリであることが好ましい、第5の伝動ベルト793は、タイミングベルトであることが好ましい。第5のプライマリプーリ791は、第3のモータ78の主軸に外嵌される。2つの第5のセカンダリプーリ792は、2本のリードスクリュー76にそれぞれ外嵌される。第5のプライマリプーリ791は、2つの第5のセカンダリプーリ792との間に位置する。第5の伝動ベルト793は、環形である。第5の伝動ベルト793は、2つの第5のセカンダリプーリ792に巻き掛けられると共に、第5のプライマリプーリ791に当接する。
【0100】
本発明は、特定の実施形態を参照して開示されたが、本発明の範囲および範疇から逸脱することなく、説明された実施形態に様々な変形および補正を行うことができる。したがって、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その保護範囲は、添付されている特許請求の範囲の記載及びその均等物によって定められるべきである。