IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ラックランドの特許一覧

<>
  • 特許-再利用システム及び方法 図1
  • 特許-再利用システム及び方法 図2
  • 特許-再利用システム及び方法 図3
  • 特許-再利用システム及び方法 図4
  • 特許-再利用システム及び方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】再利用システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20230721BHJP
   F25B 30/02 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
F25B1/00 397Z
F25B1/00 399Y
F25B1/00 396D
F25B30/02 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022080084
(22)【出願日】2022-05-16
【審査請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】593064489
【氏名又は名称】株式会社ラックランド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】岡田 裕志
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/167136(WO,A1)
【文献】特開2015-96797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫又は冷凍庫に接続された室外機と、
外部から取り込まれた空気の熱を第1の冷媒に伝達する第1の熱交換器と、該第1の熱交換器から供給される前記第1の冷媒を圧縮する圧縮器と、該圧縮器から供給される前記第1の冷媒の熱をタンクに供給される水に伝達する第2の熱交換器と、該第2の熱交換器から供給される前記第1の冷媒を減圧して前記第1の熱交換器に供給する膨張弁と、該膨張弁から供給される前記第1の冷媒により冷却された空気を外部に排出し、前記室外機に対向するように配置された排気管と、を含む第1の熱交換装置と、
を具備することを特徴とする再利用システム。
【請求項2】
前記第1の冷媒が二酸化炭素である、請求項1に記載の再利用システム。
【請求項3】
前記室外機と前記第1の熱交換装置との間に、前記排気管から排出された前記空気が前記室外機に到達することを阻害する他の物体が配置されていない、請求項1に記載の再利用システム。
【請求項4】
前記室外機に用いられる第2の冷媒を搬送する搬送管の一部と前記タンクに供給される水を搬送する給水管の一部とを収容する収容室と、前記搬送管の前記一部及び前記給水管の前記一部に接するように該収容室に充填される第3の冷媒と、を含む第2の熱交換装置、
をさらに具備する、請求項1に記載の再利用システム。
【請求項5】
前記第3の冷媒が水である、請求項4に記載の再利用システム。
【請求項6】
前記第2の熱交換装置が、前記室外機に対向する位置であって、前記室外機と前記第1の熱交換装置とを結ぶ直線に重ならない位置に配置される、請求項4に記載の再利用システム。
【請求項7】
前記収容室に収容される前記搬送管の一部は、
前記収容室に含まれる一端から該収容室に含まれる他端に向かって延在し、該他端から鉛直方向に向かって延在し、前記他端から前記一端に向かって延在し、該一端から前記鉛直方向に延在する、という一定形状を、複数含むように構成される、請求項4に記載の再利用システム。
【請求項8】
前記収容室に収容される前記給水管の一部は、
前記収容室に含まれる一端から該収容室に含まれる他端に延在し、該他端から鉛直方向に延在し、前記他端から前記一端に延在し、該一端から前記鉛直方向に延在する、という一定形状を、複数含むように構成される、請求項4に記載の再利用システム。
【請求項9】
外部から取り込まれた空気の熱を第1の冷媒に伝達する第1の熱交換器と、該第1の熱交換器から供給される前記第1の冷媒を圧縮する圧縮器と、該圧縮器から供給される前記第1の冷媒の熱をタンクに供給される水に伝達する第2の熱交換器と、該第2の熱交換器から供給される前記第1の冷媒を減圧して前記第1の熱交換器に供給する膨張弁と、該膨張弁から供給される前記第1の冷媒により冷却された空気を外部に排出する排気管と、を含む第1の熱交換装置を準備する段階と、
前記第1の熱交換装置が、該第1の熱交換装置に対向して設けられた、冷蔵庫又は冷凍庫に接続された室外機に向けて、前記排気管から前記冷却された空気を排出する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記室外機に用いられる第2の冷媒を搬送する搬送管の一部と前記タンクに供給される水を搬送する給水管の一部とを収容する収容室と、前記搬送管及び前記給水管に接するように該収容室に充填される第3の冷媒と、を含む第2の熱交換装置を準備する段階と、
前記第2の熱交換装置が、前記室外機により排出され前記搬送管により搬送される前記第2の冷媒の熱を、該搬送管の一部から前記第3の冷媒を介して前記給水管の一部に伝達させる段階と、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件出願に開示された技術は、排出される熱を再利用するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、排出される熱を再利用するシステムとして、特開2015-96797号公報(特許文献1)に開示されたシステムが知られている。この文献に開示されたシステムは、湯を沸かすために用いられる熱交換装置と、この熱交換装置から排出される冷気を屋内に搬送するダクトと、を有する。かかるシステムは、湯を沸かす際に捨てられる冷気を室内に取り込むことにより、省エネルギーに貢献するものとして記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-96797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、消費されるエネルギーを節約するためのさらなる手法が必要とされている。
そこで、本件出願に開示された技術は、消費されるエネルギーの節約に少なくとも部分的に寄与する再利用システム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様に係る再利用システムは、「冷蔵庫又は冷凍庫に接続された室外機と、外部から取り込まれた空気の熱を第1の冷媒に伝達する第1の熱交換器と、該第1の熱交換器から供給される前記第1の冷媒を圧縮する圧縮器と、該圧縮器から供給される前記第1の冷媒の熱をタンクに供給される水に伝達する第2の熱交換器と、該第2の熱交換器から供給される前記第1の冷媒を減圧して前記第1の熱交換器に供給する膨張弁と、該膨張弁から供給される前記第1の冷媒により冷却された空気を外部に排出し、前記室外機に対向するように配置された排気管と、を含む第1の熱交換装置と、を具備する」ことができる。
【0006】
一態様に係る方法は、「外部から取り込まれた空気の熱を第1の冷媒に伝達する第1の熱交換器と、該第1の熱交換器から供給される前記第1の冷媒を圧縮する圧縮器と、該圧縮器から供給される前記第1の冷媒の熱をタンクに供給される水に伝達する第2の熱交換器と、該第2の熱交換器から供給される前記第1の冷媒を減圧して前記第1の熱交換器に供給する膨張弁と、該膨張弁から供給される前記第1の冷媒により冷却された空気を外部に排出する排気管と、を含む第1の熱交換装置を準備する段階と、前記第1の熱交換装置が、該第1の熱交換装置に対向して設けられた、冷蔵庫又は冷凍庫に接続された室外機に向けて、前記排気管から前記冷却された空気を排出する段階と、を含む」ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る再利用システム1の構成の一例を模式的に示す平面図である。
図2図2は、図1に示した再利用システム1の構成を同図に示す矢印Aからみて模式的に示す側面図である。
図3図3は、第1の熱交換装置100を含む図1に示した再利用システム1の一部の構成を模式的に示すブロック図である。
図4図4は、図1に示した再利用システム1に用いられる第2の熱交換装置200の構成の一例を模式的に示す図である。
図5図5は、図1に示した再利用システム1により行われる動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施形態を説明する。なお、図面において共通した構成要素には同一の参照符号が付されている。また、或る図面に表現された構成要素が、説明の便宜上、別の図面においては省略されていることがある点に留意されたい。さらにまた、添付した図面が必ずしも正確な縮尺で記載されている訳ではないということに注意されたい。
【0009】
1.概要
本件出願に開示された再利用システムは、第1の熱交換装置及び第2の熱交換装置のうちの少なくとも一方と、冷蔵庫又は冷凍庫に接続された室外機と、を含むことができる。
【0010】
このような再利用システムにおいて、第1の熱交換装置が、外部から取り込まれた空気の熱を、タンクに供給される水に対して、第1の冷媒を介して伝達し、これにより冷却された第1の冷媒により冷却される空気を、室外機に向けて排出(供給)することができる。これにより、第1の熱交換装置は、この第1の熱交換装置において発生した熱エネルギーを、室外機に伝達することにより、室外機により消費されるエネルギーを少なくとも部分的に抑えることができる。
【0011】
これに加えて又はこれに代えて、第2の熱交換装置が、室外機により用いられる第2の冷媒の熱を、上記タンクに供給される水に対して、第3の冷媒を介して伝達することができる。これにより、第2の熱交換装置は、室外機において発生した熱エネルギーを、上記タンクに供給される水に伝達することにより、上記タンクに供給される水を加熱するために消費されるエネルギーを少なくとも部分的に抑えることができる。
【0012】
再利用システムが、第1の熱交換装置及び第2の熱交換装置の両方を用いる場合には、第1の熱交換装置が、この第1の熱交換装置において発生した熱エネルギーを、室外機に伝達することができる。これに加えて、第2の熱交換装置が、室外機において発生した熱エネルギーを、上記タンクに供給される水に伝達することができる。これにより、空気を冷却する(室外機と冷凍庫又は冷蔵庫とを含む)第1のシステム、及び、水を加熱する(上記タンクに供給される水を加熱する第1の熱交換装置を含む)第2のシステムは、相互に熱エネルギーを利用し合うことにより、相互に運転効率を向上させることができる。
【0013】
2.一実施形態に係る再利用システムの構成例
図1は、一実施形態に係る再利用システムの構成の一例を模式的に示す平面図である。図2は、図1に示した再利用システムの構成を同図に示す矢印Aからみて模式的に示す側面図である。
【0014】
図1及び図2に示すように、再利用システム1は、室外機10と、第1の熱交換装置100と、貯湯ユニット20と、第2の熱交換装置200と、を含むことができる。
【0015】
(1)室外機10
室外機10は、図示しない冷凍庫又は冷蔵庫に接続されている。室外機10は、図示しない冷凍庫又は冷蔵庫(以下「冷凍庫等」ということがある。)と協働して、例えば次のような動作を実行することができる。
【0016】
第1ステップにおいて、冷凍庫等は、(図示しない)蒸発器を用いて、低温低圧の冷媒(液体)を気化させることにより、その気化熱で(図示しない)庫内を冷却することができる。冷凍庫等は、低温低圧の冷媒(気体)を、室外機10に供給することができる。
【0017】
第2ステップにおいて、室外機10は、(図示しない)圧縮器を用いて、低温低圧の冷媒(気体)を圧縮することにより高温高圧の冷媒(気体)を、(図示しない)熱交換器に供給することができる。
【0018】
第3ステップにおいて、室外機10は、(図示しない)熱交換器を用いて、高温高圧の冷媒(気体)を、放熱及び液化して、冷凍庫等に供給することができる。
【0019】
第4ステップにおいて、冷凍庫等は、(図示しない)膨張弁を用いて、室外機10から搬送された冷媒(液体)を減圧することにより、低温低圧の冷媒(液体)を上述した(図示しない)蒸発器に供給することができる。
【0020】
この後、上述したステップ1からステップ4が順次繰り返され得る。
【0021】
室外機10は、上記第2ステップに関連して述べたとおり、(図示しない)圧縮器を用いて高温高圧の冷媒(気体)を生成して(図示しない)熱交換器に供給することができる。この圧縮器により生成された高温高圧の冷媒(気体)は、(図示しない)搬送管を介して、この熱交換器に供給され得る。
【0022】
一実施形態では、室外機10は、このような高温高圧の冷媒(気体)を搬送する上記搬送管を、室外機10の外部に取り出して配置する構成を採用することができる。第1の例では、外部に配置される搬送管12は、その一端12aが上記圧縮器に接続され、その他端12bが上記熱交換器に接続される、ように構成され得る。第2の例では、外部に配置される搬送管12は、その一端12aが(図示しない)上記搬送管の或る部分に接続され、その他端12bが(図示しない)上記搬送管の他の部分に接続される、ように構成され得る。
【0023】
いずれの場合においても、外部に配置される搬送管12は、その一端12aが上記圧縮機に直接的に又は間接的に接続され、その他端12bが上記熱交換器に直接的に又は間接的に接続され、一端12aと他端12bとの間に位置する一部(搬送管12の一部12A)が(後述するように)第2の熱交換装置200に収容される、ように構成され得る。
【0024】
(2)貯湯ユニット20
貯湯ユニット20は、水を貯留するタンク22と、タンク22に接続された第1の管24と、タンク22に接続された第2の管26と、を含むことができる。タンク22の内部においては、より温度の高い水が上方に移動して位置し、より温度の低い水が下方に移動して位置することが知られている。
【0025】
第1の管24は、その一端がタンク22の下部付近に接続され、その他端が第1の熱交換装置100(の後述する第2の熱交換器106)に接続され、タンク22の下部付近に位置する低温の水を第1の熱交換装置100に搬送する、ように構成され得る。第2の管26は、その一端がタンク22の上部付近に接続され、その他端が第1の熱交換装置100(の後述する第2の熱交換器106)に接続され、第1の熱交換装置100により加熱された水を、タンク22の上部付近に搬送する、ように構成され得る。
【0026】
さらに、貯湯ユニット20のタンク22の上部付近には、後述する第2の熱交換装置200を通過する給水管204の他端204bが接続され得る。これにより、タンク22の上部付近には、この給水管204を介して、第2の熱交換装置200により加熱された水が供給され得る。
【0027】
さらにまた、貯湯ユニット20のタンク22の上部付近には、排出管28(図3参照)が接続され得る。タンク22の上部付近に位置する高温の水が、排出管28を介して家屋等30(図3参照)の内部に供給され得る。
【0028】
(3)第1の熱交換装置100
図3は、第1の熱交換装置100を含む図1に示した再利用システム1の一部の構成を模式的に示すブロック図である。
【0029】
図3に示すように、第1の熱交換装置100は、第1の熱交換器102と、圧縮器104と、第2の熱交換機106と、膨張弁108と、排気管110と、を含むことができる。
【0030】
第1の熱交換器102は、第1の熱交換装置100の外部から取り込まれた空気の熱を、第1の冷媒(ここでは、一例として二酸化炭素)120に伝達することにより、第1の冷媒120を加熱することができる。第1の熱交換器102は、このように加熱した第1の冷媒120を、管102aを介して圧縮器104に供給することができる。
【0031】
圧縮器104は、第1の熱交換器102から供給される第1の冷媒120を圧縮することによりさらに加熱し、加熱した第1の冷媒120を、管104aを介して第2の熱交換器106に供給することができる。
【0032】
第2の熱交換器106は、圧縮器104から供給される第1の冷媒120の熱を、貯湯ユニット20のタンク22から第1の管24を介して搬送される水に伝達することにより、この水を加熱することができる。第2の熱交換器106は、加熱した水を、第2の管26を介して、タンク22に搬送することができる。
【0033】
さらに、第2の熱交換装置106は、水に熱を伝達することにより冷却された第1の冷媒120を、管106aを介して膨張弁108に供給することができる。
【0034】
膨張弁108は、第2の熱交換器106から供給される第1の冷媒120を減圧することによりさらに冷却することができる。膨張弁108は、冷却された第1の冷媒120を、管108aを介して第1の熱交換器102に供給することができる。
【0035】
排気管110は、膨張弁108から供給される第1の冷媒120により冷却された空気を、第1の熱交換装置100の外部に排出することができる。例えば、排気管110は、その一端が(冷却された第1の冷媒120を搬送する)管108aの付近に配置され、その他端が、第1の熱交換装置100の外面に、又は、第1の熱交換装置100の外部に連通する部分に配置される、ように構成され得る。
【0036】
管108aの付近にある空気は、この管108aを通る冷却された第1の冷媒120によって冷却されている。したがって、排気管110の一端が管108aの付近に配置されることにより、排気管110は、第1の冷媒120により冷却された空気を、その他端から、第1の熱交換装置100の外部に排出することができる。
【0037】
排気管110の他端は、室外機10に対向して配置され得る。好ましくは、排気管110の他端は、第1の冷媒120により冷却された空気が室外機10の上述した(図示しない)熱交換器に到達し易くなるように、この(図示しない)熱交換器に対向して配置され得る。
【0038】
一実施形態では、室外機10と第1の熱交換装置100との間の距離は、近ければ近いほどよい。
【0039】
さらに、室外機10と第1の熱交換装置100との間には、第1の熱交換装置100の排気管110から排出された空気が室外機10に到達することを阻害する他の物体が配置されていないことが好ましい。ここでいう他の物体は、装置、壁、シート及び/又は建物等を、これらに限定することなく含み得る。
【0040】
(4)第2の熱交換装置200
図4は、図1に示した再利用システムに用いられる第2の熱交換装置200の構成の一例を模式的に示す図である。具体的には、図4(a)は、第2の熱交換装置200の構成を、図1に示す矢印Bからみて模式的に示す側面図であり、図4(b)は、第2の熱交換装置200の構成を、図1に示す矢印Cからみて模式的に示す正面図である。
【0041】
第2の熱交換装置200は、略直方体状を呈する収容室202と、収容室202に収容される、室外機10に用いられる冷媒(第2の冷媒)を搬送する搬送管12の一部12Aと、収容室202に収容される、貯湯ユニット20のタンク22に供給される水を搬送する給水管204の一部204Aと、収容室202に充填される冷媒(第3の冷媒)206と、を含むことができる。
【0042】
搬送管12の一部12Aは、図4(b)によく示されるように、一定形状を複数含むように構成され得る。具体的には、例えば、搬送管12の一部12Aは、収容室202に含まれる一端202aから収容室202に含まれる他端202bに向かって延在し、次に、他端202bから鉛直方向に(下方に)延在し、次に、他端202bから一端202aに向かって延在し、一端202aから鉛直方向に(下方に)延在する、という一定形状を、複数含むように構成され得る。すなわち、搬送管12の一部12Aは、略2字状を成す一定形状を複数含むように構成され得る。
【0043】
別の例では、搬送管12の一部12Aは、略S字状又は略Z字状等を成す一定形状を複数含むように構成され得る。
【0044】
一部12Aの一端の先には、図2によく示されるように、搬送管12の一端12aが存在し、一部12Aの他端の先には、図2によく示されるように、搬送管12の他端12bが存在し得る。
【0045】
一方、給水管204は、図1及び図2によく示されるように、その一端204aが(図示しない)水の供給源(水道等)に接続され、その他端204bが貯湯ユニット20のタンク22に接続されるように、構成され得る。供給源から供給された水は、給水管204の一端204aから第2の熱交換装置200を経て(第2の熱交換装置200により加熱され)他端204bまで搬送され、貯湯ユニット20のタンク22に供給され得る。
【0046】
図4に戻り、このような給水管204の一部204Aが第2の熱交換装置200の収容室202に収容され得る。図4には示されていないが、給水管204の一部204Aもまた、上述した搬送管12の一部12Aと同様に、略2字状、略S字状又は略Z字状等を成す一定形状を複数含むように構成され得る。
【0047】
給水管204の一部204Aは、収容室202において、搬送管12の一部12Aに例えば対向して配置され得る。また、給水管204の一部204Aは、搬送管12の一部12Aから距離をおいて配置され得る。
【0048】
さらにまた、給水管204の一部204Aは、搬送管12の一部12Aに対して並行に延在し得る。すなわち、給水管204の一部204Aを図1に示す矢印Cからみた形状は、搬送管12の一部12Aを図1に示す矢印Cからみた形状と略同一であり得る。
【0049】
図4に示すように、収容室202には、第3の冷媒(例えば水又は塩化カルシウム水溶液等)が充填され得る。一実施形態では、収容室202には、搬送管12の一部12A及び給水管204の一部204Aの各々の略全体を浸す(略全体に当接する)ように、第3の冷媒が充填され得る。
【0050】
上記構成を有する第2の熱交換装置200は、搬送管12により搬送される、室外機10により加熱された第2の媒体の熱を、第3の冷媒を介して、タンク22に供給される水に伝達することができる。
【0051】
なお、第2の熱交換装置200が設置される位置については、図1を参照すると、第2の熱交換装置200は、室外機10に対向する位置であって、室外機10と第1の熱交換装置100とを結ぶ直線に重ならない位置に配置されることが好ましい。
【0052】
ここで、室外機10と第1の熱交換装置100とを結ぶ直線は無数に存在するが、そのような直線の例が図1において便宜上複数の点線により表現されている。このような直線に重なる位置に第2の熱交換装置200が設置された場合には、第1の熱交換装置100の排気管110(図3参照)から排出された(冷却された)空気が室外機10に到達することが、第2の熱交換装置200(の筐体)により阻害される可能性が高くなる。このような理由により、第2の熱交換装置200は、室外機10と第1の熱交換装置100とを結ぶ直線に重ならない位置に配置されることが好ましい。
【0053】
さらに、第2の熱交換装置200を図1に例示されるように室外機10に対向する位置に配置することにより、室外機10からその外部に延びる搬送管12の一部12Aが、第2の熱交換装置200の収容室202に容易に収容され得る。
【0054】
3.再利用システム1の動作
次に、上述した再利用システム1により行われる動作の一例を、図5を参照して説明する。図5は、図1に示した再利用システム1により行われる動作の一例を示すフロー図である。
【0055】
まず、ステップ(以下「ST」という。)500において、第1の熱交換装置100が設置(準備)される。第1の熱交換装置100は、上述したように、その排気管110が室外機10(の図示しない熱交換器)に対向するように、配置され得る。
【0056】
次に、ST502において、第2の熱交換装置200が設置(準備)される。第2の熱交換装置200は、上述したように、室外機10に対向する位置であって、室外機10と第1の熱交換装置100とを結ぶ直線に重ならない位置に配置され得る。
【0057】
次に、ST504において、第1の熱交換装置100が動作する。具体的には、第1の熱交換装置100は、図3を参照して上述したとおりに動作することにより、排気管110を用いて、(膨張弁108[図3参照]により冷却された)第1の冷媒により冷却された空気を、室外機10に向けて排出することができる。
【0058】
次に、ST506において、室外機10は、上記「2(1)」において説明したとおりに動作する。ここで、室外機10は、図示しない圧縮器により圧縮された、高温高圧の冷媒(第2の冷媒)を、搬送管12の一部12Aを介して、第2の熱交換装置200に供給することができる。
【0059】
次に、ST508において、室外機10は、図示しない熱交換器を用いて、図示しない圧縮器により圧縮された高圧高温の冷媒(第2の冷媒)の熱を、室外機10の外部から取り込んだ空気に対して、伝達することができる。ここで、室外機10の熱交換器は、室外機10の外部から取り込んだ空気の温度が低い程、圧縮器により圧縮された高温高圧の冷媒が有するより多くの熱エネルギーを、室外機10の外部から取り込んだ空気に対して伝達することができる。すなわち、室外機10の熱交換器の効率は、室外機10の外部から取り込んだ空気の温度が低い程、向上する。室外機10の外部から取り込んだ空気は、上記のとおり、第1の熱交換器100の排気管110により排出された冷却された空気を含むことにより、低くなっている。これにより、室外機10の熱交換器の効率は向上する。
【0060】
次に、ST510において、第2の熱交換装置200は、室外機10から搬送管12を介して供給される高温高圧の冷媒(第2の冷媒)の熱を、第3の冷媒を介して、タンク22(図3参照)に供給される水に対して伝達することができる。このように加熱された水は、給水管204を介して、タンク22に供給され得る。これにより、タンク22に貯留される水の温度は上昇し得る。
【0061】
この後、再利用システム1は、上述したST504以下の動作を繰り返し実行することができる。このような動作が繰り返し行われるに際して、タンク22に貯留される水の温度が第1の閾値(例えば摂氏70度)に到達した場合には、第1の熱交換装置100は、タンク22に貯留される水の温度が第2の閾値(例えば摂氏30度)以下となるまで、動作を停止することができる。
【0062】
上述したように、タンクに22に貯留される水の温度は、給水管204を介して第2の熱交換装置200から供給される加熱された水によって、時間の経過とともに、上昇し得る。これにより、総合的にみれば、第1の熱交換装置100が動作する時間を短縮すること、すなわち、第1の熱交換装置100を動作させるのに必要なエネルギーを抑えることが可能となる。
【0063】
なお、説明を分かり易くするために、ST504~ST510の各々に対応する動作が、順次、実行されるように説明したが、実際には、ST504~ST510の各々に対応する動作は、上記とは異なる順序により実行される可能性もあり、又は、ST504~ST510の各々に対応する動作は、相互に並行して実行される可能性もある。
【0064】
4.変形例
上述した様々な例では、再利用システム1が第1の熱交換装置100及び第2の熱交換装置200の両方を含む場合について説明した。しかし、再利用システム1は、第1の熱交換装置100及び第2の熱交換装置200のうちのいずれか一方のみを含む構成を採用することも可能である。
【0065】
上述した様々な例では、図4を参照して、収容室202において、搬送管12の一部12Aと給水管204の一部204Aとが相互に対向して延在する構成を説明した。しかし、かかる構成は単なる一例に過ぎない。
【0066】
例えば、搬送管12の一部12Aが収容室202の下方に配置され、給水管204の一部204Aが収容室202の上方に配置される構成を採用することも可能である。この構成では、収容室202に充填され、搬送管12の一部12A(により搬送される高温高圧の第2の冷媒)により加熱された第3の冷媒(例えば水)は、上方に移動して位置し得る。これにより、収容室202の上方には、より高い温度の第3の冷媒(水)が位置し、収容室202の下方には、より低い温度の第3の冷媒(水)が位置し得る。この状態において、収容室202の上方に配置された給水管204の一部204Aにより搬送される水は、より高い温度の第3の冷媒(水)により加熱され得る。このように、給水管204の一部204Aにより搬送される水は、収容室202において効率的に加熱され得る。なお、このような構成においても、搬送管12の一部12A、及び/又は、給水管204の一部204Aは、上述したとおり、一定形状を複数含むように構成され得る。
【0067】
以上説明したように、本件出願に開示される再利用システム1にあっては、第1の熱交換装置100が、外部から取り込まれた空気の熱を、タンク22に供給される水に対して、第1の冷媒を介して伝達し(第1の冷媒を冷却し)、これにより第1の冷媒により冷却される空気を、室外機10に向けて排出(供給)することができる。これにより、第1の熱交換装置100は、この第1の熱交換装置100において発生した熱エネルギーを、室外機に伝達することにより、室外機10により消費されるエネルギーを少なくとも部分的に抑えることができる。
【0068】
さらに、第2の熱交換装置200は、室外機10により用いられる第2の冷媒の熱を、タンク22に供給される水に対して、第3の冷媒を介して伝達することができる。これにより、第2の熱交換装置200は、室外機10において発生した熱エネルギーを、タンク22に供給される水に伝達することにより、タンク22に供給される水を加熱するために(第1の熱交換装置100及び/又は他の給湯装置等により)消費されるエネルギーを少なくとも部分的に抑えることができる。
【0069】
したがって、本件出願に開示された技術によれば、消費されるエネルギーの節約に少なくとも部分的に寄与する再利用システム及び方法を提供することができる。
【0070】
本開示の利益を有する当業者により容易に理解されるように、上述した様々な例は、矛盾の生じさせない限りにおいて、相互に様々なパターンで適切に組み合わせて用いられ得る。
【0071】
本明細書に開示された発明の原理が適用され得る多くの考えられる実施形態を考慮すれば、例示された様々な実施形態は好ましい様々な例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明の技術的範囲をこれらの好ましい様々な例に限定すると考えるべきではない、と理解されたい。実際には、特許請求の範囲に係る発明の技術的範囲は、添付した特許請求の範囲により定められる。したがって、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に属するすべてについて、本発明者らの発明として、特許の付与を請求する。
【符号の説明】
【0072】
1 再利用システム
10 室外機
12 搬送管
12A 搬送管の一部
20 貯湯ユニット
22 タンク
100 第1の熱交換装置
102 第1の熱交換器
104 圧縮器
106 第2の熱交換器
108 膨張弁
110 排気管
120 第1の冷媒
200 第2の熱交換装置
202 収容室
204 給水管
204A 給水管の一部
206 第3の冷媒
【要約】
【課題】 消費されるエネルギーの節約に少なくとも部分的に寄与する再利用システム及び方法を提供すること。
【解決手段】 一実施形態に係る再利用システムは、「冷蔵庫又は冷凍庫に接続された室外機と、外部から取り込まれた空気の熱を第1の冷媒に伝達する第1の熱交換器と、該第1の熱交換器から供給される前記第1の冷媒を圧縮する圧縮器と、該圧縮器から供給される前記第1の冷媒の熱をタンクに供給される水に伝達する第2の熱交換器と、該第2の熱交換器から供給される前記第1の冷媒を減圧して前記第1の熱交換器に供給する膨張弁と、該膨張弁から供給される前記第1の冷媒により冷却された空気を外部に排出し、前記室外機に対向するように配置された排気管と、を含む第1の熱交換装置と、を具備する」ことができる。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5