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  • 特許-マニキュアボトル用キャップ 図1
  • 特許-マニキュアボトル用キャップ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】マニキュアボトル用キャップ
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20230721BHJP
【FI】
A45D34/04 515Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022119322
(22)【出願日】2022-07-27
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2021-10-05
(65)【公開番号】P2023055195
(43)【公開日】2023-04-17
【審査請求日】2022-08-02
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-06
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521434089
【氏名又は名称】佐野 勇哉
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】佐野勇哉
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】佐々木 芳枝
【審判官】関口 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-230427(JP,A)
【文献】実開平1-115421(JP,U)
【文献】特開2004-8826(JP,A)
【文献】特開2002-85151(JP,A)
【文献】米国特許第6895628(US,B1)
【文献】特表2010-512234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マニキュアボトル(2)の口部(2a)に着脱可能に装着されるキャップ本体(10)と、
ロッド部(21)とこのロッド部(21)の先端に設けられたブラシ部(22)とを有し、ブラシ部(22)がマニキュアボトル(2)の底部(2b)に向かうように前記キャップ本体(10)に設けられたマニキュアブラシ(20)と、
を有するマニキュアボトル用キャップであって、
前記キャップ本体(10)は、前記マニキュアボトル(2)の口部(2a)の外周に嵌まる筒状部(12)を有し、
前記キャップ本体(10)に対し、ブラシ部(22)の大きさが互いに異なる複数本のマニキュアブラシ(20)が、前記キャップ本体(10)の筒状部(12)の内側かつマニキュアボトル(2)の口部(2a)の内側において、それぞれのロッド部(21)が軸線方向にスライド可能に設けられ、
これら複数本のマニキュアブラシ(20)のうちの任意の1本のマニキュアブラシ(20)が他のマニキュアブラシ(20)よりもマニキュアボトル(2)の底部(2b)に向かう方向に大きく突出可能に設けられ、
前記複数本のマニキュアブラシ(20)は全て前記キャップ本体(10)と一緒に、マニキュアボトル(2)の口部(2a)に対して着脱され
前記キャップ本体(10)には、カム(31)を有する円筒状または円柱状のカム体(30)が、前記マニキュアボトル(2)の口部(2a)の外周に嵌まる筒状部(12)に対し、筒状部(12)の、前記マニキュアボトル(2)の底部(2b)側と反対側において相対回転可能に設けられ、
前記複数本のマニキュアブラシ(20)のロッド部(21)には、それぞれ前記カム(31)と係合するカムフォロア(24)が設けられ、
前記筒状部(12)に対するカム体(30)の回動操作により前記ロッド部(21)がスライドすることを特徴とするマニキュアボトル用キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マニキュアボトル用キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、
マニキュアボトル2の口部に着脱可能に装着されるキャップ本体4と、
ロッド部53とこのロッド部53の先端に設けられたブラシ部53aとを有し、ブラシ部53aがマニキュアボトル2の底部に向かうように前記キャップ本体4に設けられたマニキュアブラシと、
を有し、
キャップ本体4に対し、ロッド部53が軸線方向にスライド可能に設けられたマニキュアボトル用キャップ3が知られている。
【0003】
しかしこのものは、キャップ本体4に対し1本のマニキュアブラシしか設けられていない。
したがって、マニキュアを塗る部位に応じてマニキュアブラシ(ブラシ部の大きさ)を選択するということができない。
【0004】
また、従来、例えば特許文献2に見られるように、
「複数の区画(16、17)、例えば2つまたは3つの区画を有する化合物用中空容器(900)であって、1つまたは複数の液体(マニキュア液およびマニキュア除光液、ならびにマニキュア硬化剤など)、任意に流動固体(ネイルグリッターなど)、さらに任意にそれらの付属品(マニキュア除光液拭き取り用パッドなど)(88)を収容、収納、および供給することができる化合物用中空容器を記載する。容器(900)は、液体アプリケータ(52)、例えば垂直に配置される長いブラシ(53)、または各液体用の多孔性パッド、および任意に、流動固体用の流動固体(300)ディスペンサ、例えば、容器(900)の上蓋部(10)に配置された開閉可能なスクリーン(200)または複数の孔(201A)を備える」(同文献要約欄)生成物を収容、収納、および供給する個別区画容器
が知られている。
【0005】
しかしこのものは、マニキュアボトルのキャップ本体に対し1本のマニキュアブラシしか設けられていない。
したがって、このものも、マニキュアを塗る部位に応じてマニキュアブラシ(ブラシ部の大きさ)を選択するということができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-120550号公報
【文献】特表2005-516639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、マニキュアを塗る部位に応じてマニキュアブラシ(ブラシ部の大きさ)を選択して使用できるマニキュアボトル用キャップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のマニキュアボトル用キャップは、
マニキュアボトルの口部に着脱可能に装着されるキャップ本体と、
ロッド部とこのロッド部の先端に設けられたブラシ部とを有し、ブラシ部がマニキュアボトルの底部に向かうように前記キャップ本体に設けられたマニキュアブラシと、
を有するマニキュアボトル用キャップであって、
前記キャップ本体に対し、ブラシ部の大きさが互いに異なる複数本のマニキュアブラシが、それぞれのロッド部が軸線方向にスライド可能に設けられ、
これら複数本のマニキュアブラシのうちの任意の1本のマニキュアブラシが他のマニキュアブラシよりもマニキュアボトルの底部に向かって大きく突出可能に設けられていることを特徴とする。
【0009】
このマニキュアボトル用キャップは、上記の構成となっているので、次のようにして使用することができる。
複数本のマニキュアブラシのうち、マニキュアを塗る部位に適すると思われる大きさのブラシ部を有するマニキュアブラシを選択して他のマニキュアブラシよりも突出させ、その突出させたマニキュアブラシによって、マニキュアを塗ることができる。
このマニキュアブラシの選択は、マニキュアを塗る部位に応じて適宜行うことができる。
以上のように、このマニキュアボトル用キャップによれば、マニキュアを塗る部位に応じてマニキュアブラシ(ブラシ部の大きさ)を選択して使用することができる。
【0010】
このマニキュアボトル用キャップにおいては、
前記ロッド部には、ロッド部のスライド範囲を規制するストッパと、ロッド部のスライド操作のための摘み部とが設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、単純な構成で、マニキュアブラシを選択可能とすることができる。
【0011】
このマニキュアボトル用キャップにおいては、
前記キャップ本体には、溝カムを有する円筒状または円柱状のカム体が回転可能に設けられ、
前記複数本のマニキュアブラシのロッド部には、それぞれ前記溝カムと係合するカムフォロアが設けられ、
前記カム体の回動操作により前記ロッド部がスライドする構成とすることができる。
このように構成すると、キャップ本体に設けられたカム体を回転させるという簡単な操作で、マニキュアブラシを選択することができる。
【0012】
このマニキュアボトル用キャップにおいては、
前記溝カムは円筒状のカム体の内周面に設けられ、前記カムフォロアは円筒状のカム体の半径方向外側に向かって設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、カム体の外径を大きくして回しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るマニキュアボトル用キャップの実施の形態を示す図で、(a1)は部分省略平面図、(a2)は正断面図、(b)(c)はそれぞれ使用法説明図。
図2】(a1)(a2)は他の実施の形態の概略平面図と正断面図、(b1)(b2)はさらに他の実施の形態を示す概略平面図と正断面図、(c)はカムの展開図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るマニキュアボトル用キャップの実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0015】
図1(a1)(a2)に示すように、この実施の形態のマニキュアボトル用キャップ1は、
マニキュアボトル2の口部2bに着脱可能に装着されるキャップ本体10と、
ロッド部21とこのロッド部21の先端に設けられたブラシ部22とを有し、ブラシ部22がマニキュアボトル2の底部2bに向かうように前記キャップ本体10に設けられたマニキュアブラシ20と、を有するマニキュアボトル用キャップであって、
前記キャップ本体10に対し、ブラシ部22の大きさが互いに異なる複数本(図示のものは2本)のマニキュアブラシ20が、それぞれのロッド部21が軸線方向(図1において上下方向)にスライド可能に設けられ、
これら複数本のマニキュアブラシ20のうちの任意の1本のマニキュアブラシ20が他のマニキュアブラシ20よりもマニキュアボトル2の底部2bに向かって大きく突出可能に設けられている。
【0016】
図1に示すマニキュアブラシ20(L,S)は、一方のブラシ部22Lが他方のブラシ部22Sよりも大きくなっている。
【0017】
このマニキュアボトル用キャップは、上記の構成となっているので、次のようにして使用することができる。
【0018】
複数本のマニキュアブラシ20のうち、マニキュア(図示せず)を塗る部位に適すると思われる大きさのブラシ部22を有するマニキュアブラシ20を選択して他のマニキュアブラシ20よりも突出させ、その突出させたマニキュアブラシ20によって、マニキュアを塗ることができる。
【0019】
例えば、塗布面積が広い場合には、図1(b)に示すように、大きなブラシ部22Lを有するマニキュアブラシ20Lを他方のマニキュアブラシ20Sよりも突出させ、大きなブラシ部22Lでマニキュアを塗ることができる。
【0020】
逆に、塗布面積が狭い場合には、図1(c)に示すように、小さなブラシ部22Sを有するマニキュアブラシ20Sを他方のマニキュアブラシ20Lよりも突出させ、小さなブラシ部22Sでマニキュアを塗ることができる。
【0021】
このように、マニキュアブラシ20の選択は、マニキュアを塗る部位に応じて適切に行うことができる。
【0022】
以上のように、このマニキュアボトル用キャップによれば、マニキュアを塗る部位に応じてマニキュアブラシ20(ブラシ部22の大きさ)を選択して使用することができる。
【0023】
図1に示すロッド部21には、ロッド部21のスライド範囲を規制するストッパ21sと、ロッド部21のスライド操作のための摘み部21tとが設けられている。
このように構成すると、単純な構成で、マニキュアブラシ20を選択可能にスライドさせることができる。
【0024】
11は、キャップ本体10に設けられたガイド溝であり、このガイド溝11に案内されてストッパ21sがスライドする。したがって、ストッパ21sはスライダとしての役割も果たす。ストッパ21sがキャップ本体10側のストッパ10s、11sに当接することで、マニキュアブラシ20のスライド範囲が規定される。
【0025】
マニキュアブラシ20をスライドさせる機構として、図2(a1)(a2)または(b1)(b2)に示すようなカム機構を用いることができる。
【0026】
このマニキュアボトル用キャップにおいては、
キャップ本体10には、溝カム31を有する円筒状または円柱状のカム体30が回転可能に設けられ、
複数本のマニキュアブラシ20のロッド部21には、それぞれ溝カム31と係合するカムフォロア24が設けられ、
カム体30の回動操作によりロッド部21が矢印Sで示すようにスライドする。
【0027】
このように構成すると、キャップ本体10に設けられたカム体30を回転させるという簡単な操作で、マニキュアブラシ20を選択することができる。
【0028】
図(b1)(b2)に示すものにおいては、
溝カム31は円筒状のカム体30の内周面32に設けられ、カムフォロア24はロッド部21から円筒状のカム体30の半径方向外側に向かって設けられている。
【0029】
このように構成すると、カム体30の外径を大きくして回しやすくすることができる。
【0030】
図(c)に溝カム31の展開図の一例を示す。
【0031】
なお、マニキュアブラシ20をスライドさせる機構としては、複数色のボールペンに採用されていて、任意の色の芯を選択的突出させる公知の機構を採用することもできる。
【0032】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。例えば、
【0033】
ブラシ部22の大きさが互いに異なるマニキュアブラシ20の本数は3本以上とすることができる。
【符号の説明】
【0034】
1: マニキュアボトル用キャップ
2: マニキュアボトル
10: キャップ本体
20: マニキュアブラシ
21: ロッド部
22: ブラシ部
24: カムフォロア
31: 溝カム
30: カム体
図1
図2