(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】ピンチを使わない物干し具
(51)【国際特許分類】
D06F 57/08 20060101AFI20230724BHJP
D06F 57/12 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
D06F57/08 Z
D06F57/08 A
D06F57/12 A
D06F57/12 H
(21)【出願番号】P 2020110937
(22)【出願日】2020-06-02
【審査請求日】2020-07-04
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2019240229
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514314554
【氏名又は名称】山口 道子
(73)【特許権者】
【識別番号】598059860
【氏名又は名称】山口 晴義
(72)【発明者】
【氏名】山口 晴義
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】山崎 孔徳
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案3066614第(JP,U)
【文献】実開昭62-64492(JP,U)
【文献】実開昭54-121831(JP,U)
【文献】特開平9-192393(JP,A)
【文献】実開昭62-169637(JP,U)
【文献】特開2001-310099(JP,A)
【文献】実開平6-62878(JP,U)
【文献】国際公開第2007/125905(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 57/08
D06F 57/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物干し棚の左右1対の側部枠杆(2-2)、前記側部枠杆に両端を固定され、物干し棚の洗濯物を干すための桟杆(2-3)、前記左右一対の側部枠杆の一端側に固定された桟杆(2-4)、前記左右一対の側部枠杆の他端側に固定された桟杆(2-5)を含む物干し棚(2-1)と
、
洗濯物を押さえる格子状の平面部材(3-1)
、の二つの部材と、
前記二つの部材を
下方から支える支柱(6-1)
と、から構成され、
前記左右一対の側部枠杆の一端側に固定された桟杆(2-4)は、前記平面部材(3-1)を軸回転させるのに使
われ、前記支柱に固定され
、
前記平面部材(3-1)は、前記物干し棚の接続ジョイント(4)で
前記左右一対の側部枠杆の一端側に固定された桟杆(2-4)に軸回転可能に繋
がれ、
前記物干し棚の
洗濯物を干すための桟杆(2-3)に逆U字状に洗濯物(8,9)を吊して、前記洗濯物が風に吹かれて飛ばされないようにピンチで固定する代わりに、前記
物干し棚の洗濯物を干すための桟杆(2-3)の上部に一部分露出している
前記洗濯物に
、前記平面部材(3-1)を
前記左右一対の側部枠杆の一端側に固定された桟杆(2-4)を回転軸として軸回転させて、前記洗濯物の上から押さえつけてピンチの代りとし、前記平面部材(3-1)を元の位置に戻すと前記洗濯物を外す事が出来ることを特徴とする、ピンチを使わない物干し具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はピンチを使わない物干し具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、物干し具は枠体に複数個のピンチで洗濯物を挟んで干していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-216966
【文献】特開2004-358108
【文献】特開2009-19448
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は次のような欠点があった。
洗濯物を物干し具に干したり、取り込んだりする場合に洗濯物が風で飛ばないようにピンチで挟んだり、ピンチを取り外したりする手間が面倒だった、また、洗濯物干し棚を収納しやすくするためと、洗濯物の干す面積を拡張するための前記特許文献1のような折畳み式物干し具はあったが、前記折畳める物干し具棚をピンチの代わりに形状を変えて洗濯物を押さえるために使おうという「従来技術から容易に考えられる改良改変」の範疇での発想にたどり着くことはいままで出来なかったので、洗濯物干し棚の上に洗濯物の重しとして風養生用の洗濯物押さえる格子状の平面部材を被せることにより、ピンチを使わない物干し具を提供して洗濯物を干したり取り込んだりする手間を簡単にして家事の作業効率の向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する為に、本発明はピンチを使わない物干し具を提供する。
【0006】
上記目的を達成するために、洗濯物干し棚に洗濯物を干し、前記洗濯物が飛ばないようにピンチで洗濯物を個別に止める代わりに、前記洗濯物干し棚の全体を風養生用の洗濯物押さえる格子状の平面部材で覆って洗濯物を押さえつけることによって、洗濯物すべて飛ばないようにすることを特徴とする、ピンチを使わない物干し具。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明では次に記する効果が得られる。
(1)本発明はピンチで洗濯物を挟む必要が無くなるので、洗濯物を干す、取り込む作業時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】は実施に係る支柱に支えられた、ピンチを使わない物干し具の外観斜視図(使用前)。
【
図2】は実施に係る支柱に支えられた、ピンチを使わない物干し具の側面図(使用時、物干し棚に洗濯物1と洗濯物2を干した時)。
【
図3】は実施に係る支柱に支えられた、ピンチを使わない物干し具の側面図(使用時、洗濯物押さえAを前記物干し棚の上に90度軸回転させて洗濯物1を飛ばないように押さえつけた時)。
【
図4】は実施に係る支柱に支えられた、ピンチを使わない物干し具の側面図(使用時、洗濯物押さえBを前記物干し棚の上に180度軸回転させて洗濯物2を飛ばないように押さえつけた時)。
【
図5】は実施に係る壁に取付けられ、物干し棚(2-1)も倒せるようになったピンチを使わない物干し具の外観斜視図(前記物干し棚を倒した状態)。
【
図7】は洗濯物押さえAと洗濯物押さえBの平面図。
【
図8】は前記丸パイプ式物干し棚の上に前記洗濯物押さえAと洗濯物押さえBが重なり合った平面図
【
図11】は洗濯物押さえAと洗濯物押さえBを切り離して、回転軸となる物干し棚の桟杆(2-4)と反対側の物干し棚の桟杆(2-5)に接続し、左右から洗濯物押さえAと洗濯物押さえBを別々に倒して、洗濯物全体を覆うことによって干した洗濯物が飛ばないようにするピンチを使わない物干し具の側面図(使用前、2点鎖線は洗濯物Aと洗濯物Bを倒した時の軌跡)
【
図12】は洗濯物を押さえる格子状の平面部材(3-1)の縦桟に波形線状部材(3-9)使ったときの部分立面図(前記物干し棚の前記洗濯物を干すための桟杆と交差する方向の桟)
【
図13】は洗濯物を押さえる格子状の平面部材(3-1)の縦桟に弾力性と対候性を備えたシリコーンゴム(3-11)を使ったときの部分立面図(前記物干し棚の前記洗濯物を干すための桟杆と交差する方向の桟)
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。( )内は符号番号
【0010】
図1~
図4は支柱によって水平に固定されたピンチを使わない物干し具(
図1)の物干し具(2-1)に洗濯物X(8)と洗濯物Y(9)を干し(
図2)、洗濯物押さえA(3-4)と洗濯物押さえB(3-5)を回転させて前記物干し具(2-1)に倒して前記洗濯物X(8)を押さえつけ(
図3)、さらに前記洗濯物押さえB(3-5)を回転させて前記物干し具(2-1)に倒して前記洗濯物Y(9)を押さえつけて(
図3)洗濯物X、Yを飛ばないようにしたイメージ図である。
【0011】
洗濯物を押さえる格子状の平面部材には通気性の良い格子状の線材、合成樹脂等が使用される。
【0012】
図12は物干し棚の洗濯を干すための桟杆に直行する洗濯物を押さえる格子状の平面部材に波形線状部材を用いることにより、直線形線状部材よりも洗濯物の厚さの違いに馴染んで洗濯物を押さえつける効果が上がる。
【0013】
図13、
図14は洗濯物を押さえる格子状の平面部材には、洗濯物を押さえるのに効果的な弾力性と対候性を備えたシリコーンゴム等を用いることにより、洗濯物の厚さの違いに馴染んで洗濯物を押さえつける効果が上がる。
【0014】
ピンチを使わない物干し具を従来からある製品と組み合わせて設置する方法として、ピンチを使わない物干し具をスタンド台に取付ける。
【0015】
図5は本発明品をバルコニー等の壁面に設置することにより洗濯作業の効率化が期待でき、物干し棚(2-1)も倒せるようになっている。
【0016】
ピンチを使わない物干し具を手すり設置して洗濯作業の効率化が期待できる。
【0017】
図11は洗濯物押さえAと洗濯物押さえBを切り離して、回転軸となる物干し棚の桟杆(2-4)と反対側の物干し棚の桟杆(2-5)に接続し、左右から洗濯物押さえAと洗濯物押さえBを別々に倒して、洗濯物全体を覆うことによって干した洗濯物が飛ばないようにするピンチを使わない物干し具
【0018】
洗濯物を押さえる格子状の平面部材(3-1)は折り畳めるように二分割にされていたが、前記折り畳める洗濯物を押さえる格子状の平面部材(3-1)を最初から折り畳めない格子状の一つの平面部材とし、前記格子状の一つの平面部材を回転軸となる物干し棚の桟杆(2-4)に接続することによって、前記一つの平面部材を物干し棚(2-1)に一度に倒して、洗濯物全体を覆うことによって干した洗濯物が飛ばないようにする。
【符号の説明】
【0019】
1 支柱に支えられた、ピンチを使わない物干し具
2-1 物干し棚
2-2 物干し棚の左右1対の側部枠杆
2-3 物干し棚に洗濯物を干すための桟杆
2-4 格子状の洗濯物押さえAを軸回転させるのに使う前記物干し棚の桟杆
2-5 格子状の洗濯物押さえBを軸回転させるのに使う前記物干し棚の桟杆
2-6 壁に沿って取付けて、物干し棚の左右1対の側部枠杆(2-2)を回転させる固定端になる一対の枠杆
3-1 洗濯物を押さえる格子状の平面部材
3-2 洗濯物を押さえる格子状の平面部材(3-1)の縦桟(前記物干し棚の前記洗濯物を干すための桟杆と交差する方向の桟)
3-3 洗濯物を押さえる格子状の平面部材(3-1)の横桟(前記物干し棚の前記洗濯物を干すための桟杆と平行となる方向の桟)
3-4 洗濯物を押さえる格子状の平面部材(3-1)を二分割したときの洗濯物押さえA
3-5 洗濯物を押さえる格子状の平面部材(3-1)を二分割したときの洗濯物押さえB
3-6 前記洗濯物押さえA(3-4)を軸回転させるのに使う前記洗濯物押さえ1(3-4)の横桟
3-7 前記洗濯物押さえA(3-4)と洗濯物押さえ2(3-5)を軸回転させるのに使う前記洗濯物押さえA(3-4)の横桟
3-8 前記洗濯物押さえA(3-4)と洗濯物押さえ2(3-5)を軸回転させるのに使う前記洗濯物押さえ2(3-5)の横桟
3-9 洗濯物を押さえる格子状の平面部材(3-1)の波形線状の縦桟(前記物干し棚の前記洗濯物を干すための桟杆と交差する方向の桟)
3-10 洗濯物を押さえる格子状の平面部材(3-1)の弾力性と対候性を備えたシリコーンゴム(3-11)を取付けるための縦桟(前記物干し棚の前記洗濯物を干すための桟杆と交差する方向の桟)
3-11 前記洗濯物を押さえる格子状の平面部材(3-1)の弾力性と対候性を備えたシリコーンゴム(3-11)
4 格子状の洗濯物押さえA(3-4)を軸回転させるために物干し棚の洗濯物を干すための桟杆(2-4)と洗濯物押さえAの横桟(3-6)に取付ける接続ジョイント
5 前記洗濯物押さえA(3-4)の横桟(3-7)と前記洗濯物押さえB(3-5)の横桟(3-8)に取付けて前記洗濯物押さえAと洗濯物押さえBを軸回転させるための接続ジョイント。
6-19 支柱(本発明対象外)
6-2 支柱の筋交い(本発明対象外)
7 前記洗濯物押さえA(3-4)と前記洗濯物押さえB(3-5)が倒れないようする上部連結部材
8 洗濯物1(本発明対象外)
9 洗濯物2(本発明対象外)
10 壁面に取付けた、ピンチを使わない物干し具
11 壁面(本発明対象外)
12 前記洗濯物押さえA(3-4)と前記洗濯物押さえB(3-5)が動いた時の軌跡(2点鎖線)
13 前記物干し棚(2-1)が動いた時の軌跡(2点鎖線)