(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】無線アンテナモジュール及び無線システム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/38 20150101AFI20230724BHJP
H01Q 23/00 20060101ALI20230724BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20230724BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20230724BHJP
H04W 84/20 20090101ALI20230724BHJP
【FI】
H04B1/38
H01Q23/00
H04W76/10
H04W84/10 110
H04W84/20
(21)【出願番号】P 2020541141
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(86)【国際出願番号】 JP2019033280
(87)【国際公開番号】W WO2020050083
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2018/033317
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】阿木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 憲正
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-061134(JP,A)
【文献】特開2017-188868(JP,A)
【文献】特開2011-082978(JP,A)
【文献】特開2001-077878(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0081963(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0243830(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38
H01Q 23/00
H04W 76/10
H04W 84/10
H04W 84/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(102)と、該筐体(102)に設けられた少なくとも無線アンテナ(122)と、コントローラ(40E)と、外部接続コネクタ(104)とを有し、
前記コントローラ(40E)は、少なくとも前記外部接続コネクタ(104)を通じて接続される他の装置との間で情報のやりとりを行う演算部(142)を有する無線アンテナモジュール(100)であって、
前記他の装置が接続されて電力が供給されることで起動し、
接続された前記他の装置に対して確認信号を出力し、
前記確認信号の入力に基づいて前記他の装置から出力された情報に基づいて、前記他の装置と共に、ネットワーク(14)上のマスター装置(M)又はスレーブ装置(S)として機能する、無線アンテナモジュール(100)。
【請求項2】
請求項1記載の無線アンテナモジュール(100)において、
前記他の装置が前記ネットワーク(14)上のゲートウェイユニット(20)である、無線アンテナモジュール(100)。
【請求項3】
請求項1記載の無線アンテナモジュール(100)において、
前記他の装置が前記ネットワーク(14)上の入出力ユニット(22)である、無線アンテナモジュール(100)。
【請求項4】
請求項1記載の無線アンテナモジュール(100)において、
前記他の装置が前記ネットワーク(14)上の機器ユニット(136)である、無線アンテナモジュール(100)。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の無線アンテナモジュール(100)において、
さらに、NFC(124)を有する、無線アンテナモジュール(100)。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の無線アンテナモジュール(100)において、
さらに、表示部(42)を有する、無線アンテナモジュール(100)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の無線アンテナモジュール(100)において、
さらにメモリ(44)を有する、無線アンテナモジュール(100)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の無線アンテナモジュール(100)において、
無線給電部(182)とバッテリ(184)とを有する、無線アンテナモジュール(100)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の無線アンテナモジュール(100)において、
前記コントローラ(40E)は、タイミング生成部(158)を有する、無線アンテナモジュール(100)。
【請求項10】
筐体(102)と、該筐体(102)に設けられた少なくとも無線アンテナ(122)と、コントローラ(40E)と、外部接続コネクタ(104)とを有し、
前記コントローラ(40E)は、少なくとも前記外部接続コネクタ(104)を通じて接続される他の装置との間で情報のやりとりを行う演算部(142)を有する無線アンテナモジュール(100)であって、
前記他の装置が接続されて電力が供給されることで起動し、
接続された前記他の装置に対して確認信号を出力し、
前記確認信号の入力に基づいて前記他の装置から出力された情報に基づいて、前記他の装置をマスター装置(M)又はスレーブ装置(S)として機能させる、無線アンテナモジュール(100)。
【請求項11】
請求項10記載の無線アンテナモジュール(100)において、
前記他の装置が前記マスター装置(M)又は前記スレーブ装置(S)として機能した段階で、他の外部装置とペアリングを行い、装置間での無線通信を実施する、無線アンテナモジュール(100)。
【請求項12】
コンピュータ(12)に接続された複数のネットワーク(14)を有する無線システム(10)において、
各前記ネットワーク(14)は、
前記コンピュータ(12)に接続された少なくとも1つの他の装置を有し、
前記他の装置は、無線アンテナモジュール(100)が接続され、
前記無線アンテナモジュール(100)は、
筐体(102)と、該筐体(102)に設けられた少なくとも無線アンテナ(122)と、コントローラ(40E)と、外部接続コネクタ(104)とを有し、
前記コントローラ(40E)は、少なくとも前記外部接続コネクタ(104)を通じて接続される前記他の装置との間で情報のやりとりを行う演算部(142)を有し、
前記他の装置が接続されて電力が供給されることで起動し、
接続された前記他の装置に対して確認信号を出力し、
前記確認信号の入力に基づいて前記他の装置から出力された情報に基づいて、前記他の装置と共に、前記ネットワーク(14)上のマスター装置(M)又はスレーブ装置(S)として機能する、無線システム(10)。
【請求項13】
コンピュータ(12)に接続された複数のネットワーク(14)を有する無線システム(10)において、
各前記ネットワーク(14)は、
前記コンピュータ(12)に接続された少なくとも1つの他の装置を有し、
前記他の装置は、無線アンテナモジュール(100)が接続され、
前記無線アンテナモジュール(100)は、
筐体(102)と、該筐体(102)に設けられた少なくとも無線アンテナ(122)と、コントローラ(40E)と、外部接続コネクタ(104)とを有し、
前記コントローラ(40E)は、少なくとも前記外部接続コネクタ(104)を通じて接続される
前記他の装置との間で情報のやりとりを行う演算部(142)を有し、
前記他の装置が接続されて電力が供給されることで起動し、
接続された前記他の装置に対して確認信号を出力し、
前記確認信号の入力に基づいて前記他の装置から出力された情報に基づいて、前記他の装置を、マスター装置(M)又はスレーブ装置(S)として機能させる、無線システム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線アンテナモジュールに関し、特に、FA(Factory Automation)環境において、各種装置間の無線通信を実現することができる無線アンテナモジュール及び無線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2015-70450号公報に記載の発明は、防爆規格を満たしつつ、任意のアンテナを用いて安定した無線通信を実現することが可能な無線モジュール及び無線機器を提供することを解決課題としている。この課題を解決するために、特開2015-70450号公報に記載の無線機器は、無線モジュールと、複数の外部アンテナが接続可能であって同軸ケーブルを介して無線モジュールに接続されるアンテナ接続モジュールとを備えている。無線モジュールは、アンテナ接続モジュールに接続された外部アンテナの選択を行い、外部からの信号を受信して選択した外部アンテナから無線信号にして送信させると共に、選択した外部アンテナで受信された無線信号の処理を行った信号を外部に送信する。
【発明の概要】
【0003】
しかしながら、特開2015-70450号公報に記載の無線機器は、信号処理モジュールにケーブルを介して接続された無線モジュールと、該無線モジュールに同軸ケーブルを介して接続されたアンテナ接続モジュールとを有する。そのため、無線モジュールを接続する場合は、ケーブルと、同軸ケーブルと、アンテナ接続モジュールとを別途用意して接続する必要がある。しかも、ケーブル等を含めた全体的な長さが大きくなり、ケーブル等の引き回しが面倒になるという問題がある。また、無線モジュール及びアンテナ接続モジュールを固定するための手段が別途必要になるという問題もある。
【0004】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、例えばFA環境において、各種装置間の無線通信を容易に実現することができ、ケーブルの本数の削減化、生産性の向上を図ることができる無線アンテナモジュール及び無線システムを提供することを目的とする。
【0005】
[1] 第1の本発明に係る無線アンテナモジュールは、筐体と、筐体に設けられた少なくとも無線アンテナと、コントローラと、外部接続コネクタとを有し、
前記コントローラは、少なくとも前記外部接続コネクタを通じて接続される他の装置との間で情報のやりとりを行う演算部を有する。
【0006】
無線アンテナを有することにより、例えばネットワーク上の他の装置に接続することで、他の装置と共に無線装置として機能する。
【0007】
また、無線アンテナモジュールは、外部接続コネクタを通じて、単独で電圧を出力可能な無線装置としても機能する。
【0008】
単独で、例えば他の装置からの診断情報や無線アンテナモジュールの診断情報も送受信可能となる。また、単独で無線通信状態を例えばリアルタイムにモニタ可能な無線装置としても機能させることができる。
【0009】
その結果、例えばFA環境において、各種装置間の無線通信を容易に実現することができ、ケーブルの本数の削減化、生産性の向上を図ることができる。
【0010】
[2] 第1の本発明において、前記他の装置が接続されて電力が供給されることで起動し、接続された前記他の装置に対して確認信号を出力し、前記確認信号の入力に基づいて前記他の装置から出力された情報に基づいて、前記他の装置と共に、ネットワーク上のマスター装置又はスレーブ装置として機能する。
【0011】
すなわち、マスター装置に無線アンテナモジュールを接続することで、無線通信が可能なマスター装置として機能させることができ、同様に、スレーブ装置に無線アンテナモジュールを接続することで、無線通信が可能なスレーブ装置(無線スレーブ装置)として機能させることができる。
【0012】
[3] 第1の本発明において、前記他の装置がネットワーク上のゲートウェイユニットである。ネットワーク上のゲートウェイユニットに接続することで、ゲートウェイユニットと共にマスター側の無線装置(無線マスター装置)を構成することができる。
【0013】
[4] 第1の本発明において、他の装置がネットワーク上の入出力ユニットであってもよい。ネットワーク上の入出力ユニットに接続することで、入出力ユニットと共に、スレーブ側の無線装置を構成することができる。
【0014】
[5] 第1の本発明において、他の装置がネットワーク上の機器ユニットであってもよい。ネットワーク上の機器ユニットに接続することで、機器ユニットと共に、スレーブ側の無線装置を構成することができる。
【0015】
[6] 第1の本発明において、さらに、NFCを有する。これにより、無線アンテナモジュール単独で機器にアクセスすることが可能となる。
【0016】
その結果、以下の効果を奏する。
・各種センサとの直接通信が可能となる。
・非接触で、他の機器のモードやパラメータ等の設定が可能となる。
【0017】
[7] 第1の本発明において、さらに、表示部を有する。これにより、無線アンテナモジュール単独で機器への入力信号をモニタすることが可能な無線アンテナモジュールとすることができる。もちろん、単独で出力電圧や入力電圧をモニタ可能となる。さらに、センサへの入力信号や、センサでの検知結果等を、表示部を通してモニタ可能となる。表示部としては、筐体に設けられたLED等で構成することができる。
【0018】
[8] 第1の本発明において、さらにメモリを有する。これにより、他に設置された無線装置のエラーロギングが可能となる。
【0019】
[9] 第1の本発明において、無線給電部とバッテリとを有する。これにより、他の装置と無線アンテナモジュールとの間に接続されるケーブルに電源線が不要となり、ケーブル内の配線構造を簡素化することができ、軽量化も図ることができると共に、無線アンテナモジュールが搭載された機器(アクチュエータを含む)のレイアウトの自由度も上がる。
【0020】
[10] 第1の本発明において、コントローラは、タイミング生成部を有する。これにより、空きチャンネル判定(CCA:clear channel assessment)が働いた場合の送信タイミングを自動で変更することができる。
【0021】
[11] 第1の本発明において、他の装置が接続されて電力が供給されることで起動し、接続された他の装置に対して確認信号を出力し、確認信号の入力に基づいて他の装置から出力された情報に基づいて、他の装置をマスター装置又はスレーブ装置として機能させる。
【0022】
これにより、マスター装置に無線アンテナモジュールを接続することで、無線通信が可能なマスター装置として機能させることができる。同様に、スレーブ装置に無線アンテナモジュールを接続することで、無線通信が可能なスレーブ装置として機能させることができる。
【0023】
[12] 第1の本発明において、他の装置がマスター装置又はスレーブ装置として機能した段階で、他の外部装置とペアリングを行い、装置間での無線通信を実施する。
【0024】
すなわち、例えばマスター装置が無線マスター装置として機能し、例えばスレーブ装置が無線スレーブ装置として機能した段階で、無線マスター装置が無線スレーブ装置とペアリングを行うことで、無線マスター装置と無線スレーブ装置との間で無線通信が可能となる。
【0025】
[13] 第2の本発明に係る無線システムは、コンピュータに接続された複数のネットワークを有する無線システムにおいて、各前記ネットワークは、前記コンピュータに接続された少なくとも1つのマスター装置と、前記マスター装置に接続された少なくとも1つのスレーブ装置とを有し、前記マスター装置及び前記スレーブ装置は、それぞれ無線アンテナモジュールが接続され、前記無線アンテナモジュールは、筐体と、筐体に設けられた少なくとも無線アンテナと、コントローラと、外部接続コネクタとを有し、前記コントローラは、少なくとも前記外部接続コネクタを通じて接続される前記マスター装置又は前記スレーブ装置との間で情報のやりとりを行う演算部を有する。
【0026】
これにより、少なくともマスター装置とスレーブ装置との間の情報のやりとりを無線にて行うことができる。その結果、例えばFA環境において、各種装置間の無線通信を容易に実現することができ、ケーブルの本数の削減化、生産性の向上を図ることができる。
【0027】
[14] 第3の発明に係る無線アンテナモジュールは、電源が収容された電源ケースと、前記電源に接続され、筐体と、該筐体に設けられた少なくとも無線アンテナと、少なくとも他の装置との間で情報のやりとりを行う演算部を有するコントローラとを有する少なくとも1つのモジュール本体と、前記モジュール本体を機器に取り付けるための取り付け機構と、を有する。
【0028】
これにより、無線アンテナモジュールのモジュール本体を、電源と共に、取り付け機構を介して機器に取り付けることができる。その結果、機器からの出力信号を無線アンテナモジュールを介して例えばネットワーク上に無線信号として出力することができる。また、ネットワーク上のマスターからの例えば機器を制御するための制御信号等をモジュール本体で受信して機器に出力し、機器を制御することができる。
【0029】
すなわち、ネットワーク上の例えばマスターと機器間の信号の無線化を実現させることができる。その結果、機器とマスターとの間に接続していた入出力ユニットを省略することができる。これは、ネットワークに接続する入出力ユニットの削減につながり、ネットワーク構成によっては、通信スピードの高速化を図ることも可能となる。
【0030】
[15] 第4の発明に係る無線アンテナモジュールは、バッテリが収容された電源ケースと、前記バッテリに接続され、筐体と、該筐体に設けられた少なくとも無線アンテナと、少なくとも他の装置との間で情報のやりとりを行う演算部を有するコントローラとを有する少なくとも1つのモジュール本体と、機器からの電力を前記バッテリに供給する無線給電部と、前記モジュール本体を前記機器に取り付けるための取り付け機構と、を有する。
【0031】
これにより、無線アンテナモジュールのモジュール本体を、バッテリ及び無線給電部と共に、取り付け機構を介して機器に取り付けることができる。その結果、機器からの出力信号を無線アンテナモジュールを介して例えばネットワーク上に無線信号として出力することができる。また、ネットワーク上のマスターからの例えば機器を制御するための制御信号等をモジュール本体で受信して機器に出力し、機器を制御することができる。すなわち、ネットワーク上の例えばマスターと機器間の信号の無線化を実現させることができる。しかも、無線給電部により、機器と無線アンテナモジュールとの間に接続される電源線が不要となり、配線構造の簡素化、軽量化も図ることができると共に、無線アンテナモジュールが搭載された機器のレイアウトの自由度も上がる。
【0032】
[16] 第3の発明又は第4の発明において、前記機器への前記取り付け機構は、前記電源ケースの一部と、前記機器の一部とを締結するバンドとを有し、前記バンドは、前記電源ケースの一部に固定されている。
【0033】
取り付け機構としてのバンドを電源ケースの一部に固定しているため、無線アンテナモジュールをバンドを使って容易に機器に取り付けることができる。
【0034】
[17] 第3の発明又は第4の発明において、前記機器への前記取り付け機構は、前記電源ケースの一部を、前記機器に締結するらせん状の溝を有する固着具を有し、前記固着具は、前記電源ケースの一部に設けられた突起に形成された貫通孔を通して、機器にねじ込まれる。
【0035】
固着具(ねじ等)を、電源ケースの一部に設けられた突起に形成された貫通孔を通して、機器にねじ込むことで、容易に無線アンテナモジュールを機器に取り付けることができる。
【0036】
[18] 第3の発明又は第4の発明において、前記機器は、該機器に対する信号の入出力を担う少なくとも1つの機器本体と、前記機器本体に電力を供給する機器電源とを有し、前記モジュール本体と、前記機器本体とが電気的に接続されている。
【0037】
これにより、機器からの出力信号を無線アンテナモジュールを介して例えばネットワーク上に無線信号として出力することができる。また、ネットワーク上のマスターからの例えば機器を制御するための制御信号等をモジュール本体で受信して機器に出力し、機器を制御することができる。
【0038】
すなわち、ネットワーク上の例えばマスターと機器間の信号の無線化を実現させることができる。
【0039】
[19] 第3の発明又は第4の発明において、前記電源ケース内に収容された前記電源又は前記バッテリに接続された第1モジュール本体と第2モジュール本体とを有し、前記第1モジュール本体及び前記第2モジュール本体は、前記電源ケースに設置されている。
【0040】
電源ケースに第1モジュール本体及び第2モジュール本体を設置することで、電源から第1モジュール本体及び第2モジュールへの電力供給のための配線の短縮化を図ることができ、無線アンテナモジュールのコンパクト化を図ることができる。
【0041】
[20] 第3の発明又は第4の発明において、前記電源ケースは、前記取り付け機構によって、前記機器上に固定され、前記電源ケースの長手方向両端部に設けられた各突部と前記機器とがそれぞれ固定されている。
【0042】
これにより、電源ケースを利用して、無線アンテナモジュールを機器に固定することができる。すなわち、無線アンテナモジュールを機器に安定して固定することができる。
【0043】
[21] 第3の発明又は第4の発明において、前記電源ケース内に収容された前記電源又は前記バッテリに接続された前記第1モジュール本体と第2モジュール本体とを有し、前記機器は、第1機器本体と第2機器本体とを有し、前記第1機器本体は、第1センサ及び第1ソレノイドを有し、前記第2機器本体は、第2センサ及び第2ソレノイドを有し、前記第1モジュール本体と前記第1機器本体とが電気的に接続され、前記第2モジュール本体と前記第2機器本体とが電気的に接続されている。
【0044】
これにより、第1センサ及び第2センサからの出力信号を無線アンテナモジュールを介して例えばネットワーク上に無線信号として出力することができる。また、ネットワーク上のマスターからの例えば第1ソレノイド及び第2ソレノイドを制御するための制御信号等を第1モジュール本体及び第2モジュール本体で受信して機器に出力し、機器を制御することができる。
【0045】
すなわち、ネットワーク上の例えばマスターと機器間の信号の無線化を実現させることができる。その結果、マスターと機器との間に接続していた入出力ユニットを省略することができる。これは、ネットワークに接続する入出力ユニットの削減につながり、ネットワーク構成によっては、通信スピードの高速化を図ることも可能となる。
【0046】
[22] 第5の本発明に係る無線システムは、コンピュータに接続された複数のネットワークを有する無線システムにおいて、各前記ネットワークは、前記コンピュータに接続された少なくとも1つの他の装置を有し、前記他の装置は、無線アンテナモジュールが接続され、前記無線アンテナモジュールは、電源が収容された電源ケースと、前記電源に接続され、筐体と、該筐体に設けられた少なくとも無線アンテナと、少なくとも他の装置との間で情報のやりとりを行う演算部を有するコントローラとを有する少なくとも1つのモジュール本体と、前記モジュール本体を機器に取り付けるための取り付け機構と、を有する。
【0047】
これにより、ネットワーク上の例えばマスターと機器間の信号の無線化を実現させることができる。その結果、マスターと機器との間に接続していた入出力ユニットを省略することができる。これは、ネットワークに接続する入出力ユニットの削減につながり、ネットワーク構成によっては、通信スピードの高速化を図ることも可能となる。
【0048】
[23] 第6の本発明に係る無線システムは、コンピュータに接続された複数のネットワークを有する無線システムにおいて、各前記ネットワークは、前記コンピュータに接続された少なくとも1つの他の装置を有し、前記他の装置は、無線アンテナモジュールが接続され、前記無線アンテナモジュールは、バッテリが収容された電源ケースと、前記バッテリに接続され、筐体と、該筐体に設けられた少なくとも無線アンテナと、少なくとも他の装置との間で情報のやりとりを行う演算部を有するコントローラとを有する少なくとも1つのモジュール本体と、前記他の装置からの電力を前記バッテリに供給する無線給電部と、前記モジュール本体を前記他の装置に取り付けるための取り付け機構と、を有する。
【0049】
これにより、ネットワーク上の例えばマスターと機器間の信号の無線化を実現させることができる。その結果、機器とマスターとの間に接続していた入出力ユニットを省略することができる。これは、ネットワークに接続する入出力ユニットの削減につながり、ネットワーク構成によっては、通信スピードの高速化を図ることも可能となる。しかも、無線給電部により、機器と無線アンテナモジュールとの間に接続される電源線が不要となり、配線構造の簡素化、軽量化も図ることができると共に、無線アンテナモジュール100が搭載された機器のレイアウトの自由度も上がる。
【0050】
本発明の無線アンテナモジュール及び無線システムによれば、例えばFA環境において、各種装置間の無線通信を容易に実現することができ、ケーブルの本数の削減化、生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】本実施の形態に係る無線システムを示す構成図である。
【
図2】PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)に接続されたゲートウェイユニット(以下、「GWユニット」と記す)に無線アンテナモジュールを接続した状態を示す斜視図である。
【
図3】GWユニットと無線アンテナモジュールの一構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4Aは入出力ユニット(以下、「IOユニット」と記す)と無線アンテナモジュールを示す斜視図であり、
図4BはIOユニットに無線アンテナモジュールを接続した状態を示す斜視図である。
【
図5】IOユニット、無線アンテナモジュール及び拡張ユニットの一構成例を示すブロック図である。
【
図6】バルブシリアル入力ユニット(以下、「バルブSIユニット」と記す)に無線アンテナモジュールを接続した状態を示す斜視図である。
【
図7】バルブSIユニット及び無線アンテナモジュールの一構成例を示すブロック図である。
【
図8】無線アンテナモジュールが接続されたIOユニットに拡張ユニットをシリーズに接続した状態を示す平面図である。
【
図9】無線アンテナモジュールのメインコントローラの構成を示すブロック図である。
【
図10】無線アンテナモジュールにおけるメインコントローラの演算部を示す機能ブロック図である。
【
図11】無線GWユニット(無線マスター)とした場合の演算部の代表的な処理動作を示す説明図である。
【
図12】無線IOユニット(無線スレーブ)又は無線バルブSIユニット(無線スレーブ)とした場合の演算部の代表的な処理動作を示す説明図である。
【
図13】無線機器ユニット(無線スレーブ)とした場合の演算部の代表的な処理動作を示す説明図である。
【
図14】GWユニットが無線GWユニットとして設定可能とされるまでの無線アンテナモジュールとの連携処理を示すフローチャートである。
【
図15】IOユニットが無線IOユニットとして設定可能とされるまでの無線アンテナモジュールとの連携処理を示すフローチャートである。
【
図16】バルブSIユニットが無線バルブSIユニットとして設定可能とされるまでの無線アンテナモジュールとの連携処理を示すフローチャートである。
【
図17】無線GWユニット、無線IOユニット及び無線バルブSIユニットにおける各無線アンテナモジュール間の同期処理を示すフローチャートである。
【
図18】変形例に係る無線アンテナモジュールを、GWユニットと共に示すブロック図である。
【
図19】他の実施の形態に係る無線システムを示す構成図である。
【
図20】
図20Aは機器(アクチュエータを含む)に無線アンテナモジュールを固定する例を示す斜視図であり、
図20Bは機器に無線アンテナモジュールを固定する例を示す斜視図である。
【
図21】機器と無線アンテナモジュールの一構成例を示すブロック図である。
【
図22】機器と無線アンテナモジュールの他の構成例を示すブロック図である。
【
図23】
図23Aは機器に無線アンテナモジュールを固定する例を示す斜視図であり、
図23Bは機器に無線アンテナモジュールを固定する例を示す斜視図である。
【
図24】機器と無線アンテナモジュールの一構成例を示すブロック図である。
【
図25】機器の第1センサ、第2センサ、第1ソレノイド及び第2ソレノイドを無線アンテナモジュール共に示すブロック図である。
【
図26】機器と無線アンテナモジュールの他の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明に係る無線システム及び無線アンテナモジュールの実施の形態例を
図1~
図26を参照しながら説明する。
【0053】
本実施の形態に係る無線システム10は、
図1に示すように、産業用設備内の少なくとも監視を行うPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)12と、PLC12に接続された複数のネットワーク14とを有する。なお、
図1において、有線接続を実線で示し、無線接続を破線で示す。
【0054】
各ネットワーク14には、PLC12とフィールドバス16で接続された少なくとも1つのマスターMとしてのゲートウェイユニット20(以下、「GWユニット20」と記す)と、少なくとも1つのスレーブSとしての入出力ユニット22(以下、「IOユニット22」と記す)と、少なくとも1つのスレーブSとしてのバルブシリアル入力ユニット24(以下、「バルブSIユニット24」と記す)が設置される。スレーブSが設置される装置としては、例えばロボットハンドの先端可動部(溶接ガン等)、組立治具、回転テーブル等が挙げられる。
【0055】
ネットワーク14によっては、IOユニット22に少なくとも1つのスレーブSとしての拡張入出力ユニット26(以下、「拡張ユニット26」と記す)が接続されたり、IOユニット22に代えてバルブSIユニット24が接続される場合がある。
【0056】
また、GWユニット20に少なくとも1つのIOユニット22と、少なくとも1つの機器28(センサ68やバルブ等を有するアクチュエータを含む)が接続される場合がある。
【0057】
GWユニット20は、
図2に示すように、例えば直方体状の筐体30Aを有し、該筐体30Aの例えば1つの面に2つの入出力端子32a、32bが設置され、そのうちの1つの入出力端子32aにフィールドバス16を介してPLC12が接続されている。また、筐体30Aの他の面には、1つのモジュール接続用コネクタ34Aが設けられている。さらに、筐体30Aのうち、モジュール接続用コネクタ34Aから離れた箇所に電源接続端子54Aが設けられている。
【0058】
GWユニット20の回路構成は、
図3に示すように、CPU(中央処理装置)を具備したメインコントローラ40Aを有する。このメインコントローラ40Aに接続される部品は、例えば表示部42A(LED等)、メモリ44A、クロック信号発生装置46A(例えば水晶振動子)、内部電源生成回路48A、上位通信インターフェイス50(以下、「上位通信I/F50」と記す)、モジュールI/F52A等である。
【0059】
このうち、内部電源生成回路48Aには電源接続端子54Aを介して電源56Aが接続され、上位通信I/F50にはPLC12が接続される。また、モジュールI/F52Aには、本実施の形態に係る無線アンテナモジュール100が接続される。無線アンテナモジュール100については、後述する。なお、メインコントローラ40Aの機能としては、少なくともPLC12との上位通信制御、表示部42Aに対する表示制御、メモリ44Aに対する読み書き制御等がある。
【0060】
IOユニット22は、
図4Aに示すように、例えば直方体状の筐体30Bと、該筐体30Bの1つの面に設置された複数の管状のIO接続用コネクタ60Bと、1つの管状のモジュール接続用コネクタ34Bと、1つの管状の電源接続端子54Bとを有する。
【0061】
IOユニット22の回路構成は、
図5に示すように、CPUを具備したメインコントローラ40Bを有する。このメインコントローラ40Bに接続される部品は、例えば表示部42B(LED等)、メモリ44B、クロック信号発生装置46B、内部電源生成回路48B、外部入出力インターフェイス62B(以下、「外部入出力I/F62B」と記す)、拡張ユニットインターフェイス64B(以下、「拡張ユニットI/F64B」と記す)、モジュールI/F52B等である。
【0062】
このうち、内部電源生成回路48Bには電源接続端子54Bを介して電源56Bが接続され、外部入出力I/F62BにはそれぞれIO接続用コネクタ60Bを介して複数のセンサ68が接続される。拡張ユニットI/F64Bには、後述する拡張ユニット26が接続され、モジュールI/F52Bには、後述する無線アンテナモジュール100が接続される。なお、メインコントローラ40Bの機能としては、少なくとも外部機器(例えばセンサ68)に対する入出力制御と、後述する拡張ユニット26に対する入出力制御と、表示部42Bに対する表示制御、メモリ44Bに対するアクセス制御(読み書き制御等)がある。
【0063】
バルブSIユニット24は、
図6に示すように、例えば直方体状の筐体30Cと、該筐体30Cの横に設置されたホルダー80と、該ホルダー80に設置されたバルブマニホールド82と、筐体30Cの1つの面に設置されたモジュール接続用コネクタ34C及び電源接続端子54Cとを有する。
【0064】
バルブSIユニット24の回路構成は、
図7に示すように、CPUを具備したメインコントローラ40Cを有する。このメインコントローラ40Cに接続される部品は、例えば表示部42C(LED等)、メモリ44C、クロック信号発生装置46C、内部電源生成回路48C、バルブI/F84、モジュールI/F52C等である。
【0065】
このうち、内部電源生成回路48Cには電源56Cからの電源電力が供給され、バルブI/F84にはバルブマニホールド82が接続される。モジュールI/F52Cには、後述する無線アンテナモジュール100が接続される。なお、メインコントローラ40Cの機能としては、少なくともバルブマニホールド82に対するバルブ制御と、表示部42Cに対する表示制御、メモリ44Cに対するアクセス制御がある。
【0066】
拡張ユニット26は、
図8に示すように(IOユニット22と共に示す)、例えば直方体状の筐体30Dと、該筐体30Dの1つの面に設置された複数の管状のIO接続用コネクタ60Dと、IOユニット22又は他の拡張ユニット26が接続される拡張接続ポート70とを有する。この拡張ユニット26は、拡張接続ポート70を通じて順次接続することで、無線アンテナモジュール100を用いることなく、IOユニット22の入出力点数を拡大することができる。すなわち、無線機器を増やしていくと、そのデメリットとして、通信負荷が増大することが挙げられる。そこで、無線アンテナモジュール100を用いずに、拡張接続ポート70による拡張ユニット26の有線接続によって、IOユニット22の入出力点数を拡大することができる。
【0067】
拡張ユニット26の回路構成は、
図5に示すように、CPUを具備したメインコントローラ40Dを有する。このメインコントローラ40Dに接続される部品は、例えば表示部42D(LED等)、メモリ44D、クロック信号発生装置46D、内部電源生成回路48D、外部入出力I/F62D、拡張ユニットI/F64Da及び拡張ユニットI/F64Db等である。
【0068】
このうち、内部電源生成回路48DにはIOユニット22の内部電源生成回路48Bからの電源電力が供給され、外部入出力I/F62Dには図示しない複数の機器(例えばセンサ等)が接続される。また、拡張ユニットI/F64Daには、IOユニット22又は前段の拡張ユニット26が接続され、拡張ユニットI/F64Dbには後段の拡張ユニット26が接続される。なお、メインコントローラ40Dの機能としては、少なくとも外部機器(例えばセンサ等)に対する入出力制御と、IOユニット22や他の拡張ユニット26に対する入出力制御と、表示部42Dに対する表示制御、メモリ44Dに対するアクセス制御がある。
【0069】
そして、無線アンテナモジュール100は、例えば
図2、
図4A及び
図4Bに示すように、接続先のコネクタの形態に応じて、例えば2種類の無線アンテナモジュール100が用意されている。
【0070】
第1形態の無線アンテナモジュール100Aは、
図2に示すように、例えば直方体状の筐体102Aと、筐体102Aの1つの面に設置されたコネクタ104A等を有する。
【0071】
また、第1形態の無線アンテナモジュール100Aは、例えばGWユニット20の筐体30Aに設けられたモジュール接続用コネクタ34Aに直接接続する。無線アンテナモジュール100Aの筐体102Aとコネクタ104Aとは支軸108を中心に回転自在となっており、例えば
図2に示すように、コネクタ104AをGWユニット20のモジュール接続用コネクタ34Aに挿入した際に、筐体102A(モジュール)を支軸108を中心に回転させて、GWユニット20に対して傾き方向を例えば-90°~+90°に自在に変更することができる。この傾き角度の範囲は、これに限ることはなく、-90°~+90°よりも広くてもよいし、狭くてもよい。以下同様である。
【0072】
これは、
図6に示すバルブSIユニット24に対しても同様であり、コネクタ104AをバルブSIユニット24のモジュール接続用コネクタ34Cに挿入した際に、筐体102A(モジュール)を支軸(図示せず)を中心に回転させて、バルブSIユニット24の筐体30Cに対して傾き方向を例えば-90°~+90°に自在に変更することができる。
【0073】
第2形態の無線アンテナモジュール100Bは、
図4Aに示すように、例えば直方体状の筐体102Bと、筐体102Bの1つの面に設置されたコネクタ104Bと、筐体102Bの側面に設けられた表示部42B(LED)等を有する。なお、筐体102Bの側面には、無線アンテナモジュール100BをIOユニット22の筐体30Bの側面にワンタッチで固定するための磁石110(
図4B参照)が付着されている。
【0074】
また、第2形態の無線アンテナモジュール100Bは、コネクタ104Bが筐体102B(モジュール)に対して固定された形態となっている。本実施の形態では、
図4Bに示すように、無線アンテナモジュール100Bのコネクタ104Bを管状のモジュール接続用コネクタ34Bに接続し、さらに、該モジュール接続用コネクタ34Bを撓ませることで、無線アンテナモジュール100BをIOユニット22の筐体30Bの側面に位置させる。このとき、筐体102B(モジュール)の側面に付着された磁石110の吸引によって無線アンテナモジュール100Bの筐体102BがIOユニット22の側面に固定される。
【0075】
無線アンテナモジュール100の回路構成は、例えば
図3、
図7等に示すように、CPUを具備したメインコントローラ40Eを有する。このメインコントローラ40Eに接続される部品は、例えば表示部42E(LED等)、メモリ44E、クロック信号発生装置46E、内部電源生成回路48E、モジュールI/F52E、無線用増幅器(AMP)120、高周波アンテナ(例えば2.4GHz)122、NFC(Near Field Communication)124及びNFCアンテナ126等である。NFC124は、半導体チップや、該半導体チップを収容したカードにて構成することができる。
【0076】
なお、メインコントローラ40Eの機能としては、少なくとも表示部42Eに対する表示制御、メモリ44Eに対するアクセス制御(読み書き制御等)、高周波アンテナ122及びNFCアンテナ126に対する周波数制御等がある。
【0077】
そして、
図1~
図3に示すように、この無線アンテナモジュール100(100A)のコネクタ104Aを、GWユニット20のモジュール接続用コネクタ34Aに接続することで、無線通信が可能なGWユニット、すなわち、無線GWユニット130として機能し、ネットワーク14上の無線マスターとなる。
【0078】
同様に、
図1、
図4B、
図5に示すように、この無線アンテナモジュール100(100B)のコネクタ104Bを、IOユニット22のモジュール接続用コネクタ34Bに接続することで、無線通信が可能なIOユニット、すなわち、無線IOユニット132(
図5参照)として機能し、ネットワーク14上の無線スレーブとなる。
【0079】
また、
図6及び
図7に示すように、この無線アンテナモジュール100(100A)のコネクタ104Aを、バルブSIユニット24のモジュール接続用コネクタ34Cに接続することで、無線通信が可能なバルブSIユニット、すなわち、無線バルブSIユニット134として機能し、ネットワーク14上の無線スレーブとなる。
【0080】
ここで、無線アンテナモジュール100の構成並びに各種処理動作について
図9~
図13を参照しながら説明する。
【0081】
先ず、無線アンテナモジュール100のメインコントローラ40Eは、
図9に示すように、入出力部140と、演算部142と、記憶部144とを有する。演算部142は、中央演算装置(CPU)を含み、記憶部144に記憶されているプログラムを実行することにより動作する。
【0082】
演算部142は、
図10に示すように、アプリケーション処理部150と、マスター処理部152と、スレーブ処理部154と、無線プロトコル処理部156と、ホッピングタイミング生成部158と、送受信データ制御部160と、ホッピング制御部162と、無線通信IC制御部164と、モジュールI/Fプロトコル処理部166と、モジュールI/F制御部168と、表示制御部170と、メモリ制御部172と、NFC処理部174と、NFC制御部176と、を有する。
【0083】
モジュールI/F制御部168は、主に以下の処理を行う。
・モジュールI/F52E(
図3参照)からの受信データをモジュールI/Fプロトコル処理部166に出力する。
・モジュールI/Fプロトコル処理部166からの送信データをモジュールI/F52Eを介して外部装置(GWユニット20等)に出力する。
【0084】
なお、上述したモジュールI/F52Eは、外部装置(GWユニット20等)からの無線によるデータを受信したり、モジュールI/F制御部168からの送信データを外部装置(GWユニット20等)に送信する。これらの動作は、IOユニット22におけるモジュールI/F52B間との処理、バルブSIユニット24におけるモジュールI/F52C間との処理においても同様である。
【0085】
モジュールI/Fプロトコル処理部166は、入力データを予め設定された通信プロトコルに従って復調(復元)して受信データを生成する。例えばアプリケーション処理部150等からの送信データを予め設定された通信プロトコルに従って変調して送信信号を生成する。
【0086】
メモリ制御部172は、アプリケーション処理部150の指示に従って、CPUの外部又は内部に接続されたメモリ44Eに対してデータを書き込む。また、メモリ44Eからデータを読み出してアプリケーション処理部150に出力する。
【0087】
表示制御部170は、例えばアプリケーション処理部150からの出力データを、CPUの外部に接続された表示部42Eに応じたデータ形態に変換して、表示部42Eに出力する。
【0088】
NFC制御部176は、NFCリーダ/ライタからの近接無線通信を受信して、その受信信号をNFC処理部174に出力する。また、NFC制御部176は、NFC処理部174からの送信信号を近接位置にあるNFCリーダ/ライタに向けて送信する。
【0089】
NFC処理部174は、NFC制御部176からの受信信号をNFCプロトコルに従って復調(復元)して受信データを生成する。例えばアプリケーション処理部150等からの送信データをNFCプロトコルに従って変調して近接通信用の送信信号を生成する。すなわち、NFC処理部174は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)等の外部読み書き装置との間で、NFCリーダ/ライタを通じて、無線アンテナモジュール100のパラメータの送受信、データのダウンロード・アップロード、また、無線接続のための設定を行うことができる。
【0090】
アプリケーション処理部150は、主に以下の処理を行う。
・無線アンテナモジュール100に応じた各種処理を行う。
・モジュールI/Fプロトコル処理部166、マスター処理部152、スレーブ処理部154、モジュールI/Fプロトコル処理部166、NFC処理部174等からの各種データをメモリ制御部172を介してメモリ44Eに格納する。
・メモリ44E内の各種データを、モジュールI/Fプロトコル処理部166、マスター処理部152、スレーブ処理部154、モジュールI/Fプロトコル処理部166、NFC処理部174等に出力する。
・各種データを表示制御部170を介して表示部42Eに出力する。
マスター処理部152は、主に以下の処理を行う。
・無線アンテナモジュール100がGWユニット20に接続されることで起動される。
・マスター側同期信号の生成を行う。
・スレーブ装置に対する送信データの生成を行う。
・スレーブ装置からの受信データ(復号済み)をアプリケーション処理部150に出力する。
【0091】
スレーブ処理部154は、主に以下の処理を行う。
・無線アンテナモジュール100がスレーブ装置(IOユニット、バルブユニット等)に接続されることで起動する。
・スレーブ側同期信号の生成を行う。
・マスター装置に対する送信データの生成を行う。
・マスター装置からの受信データ(復号済み)をアプリケーション処理部150に出力する。
【0092】
無線プロトコル処理部156は、主に以下の処理を行う。
・アプリケーション処理部150からの指示に従い、ペアリングのための同期信号をホッピングタイミング生成部158に出力する。
・マスター処理部152やスレーブ処理部154からの送信データを予め設定された通信プロトコルに従って変調して送信データを生成し、送受信データ制御部160に出力する。
・送受信データ制御部160からの入力データを予め設定された通信プロトコルに従って復調(復元)して受信データを生成し、マスター処理部152やスレーブ処理部154に出力する。
【0093】
次に、
図11~
図13を参照しながら無線アンテナモジュール100の各種処理動作について説明する。
【0094】
先ず、無線アンテナモジュール100をGWユニット20に接続して、無線GWユニット130(無線マスター)とした場合の代表的な処理動作を
図11を参照しながら説明する。なお、以下の(1)、(2)等の番号は、
図11に示す情報の伝達経路の(1)、(2)等の番号と対応させて示す。これは、その後に説明する
図12及び
図13についても同様である。
【0095】
(1)アプリケーション処理部150から個体識別信号をモジュールI/Fプロトコル処理部166、モジュールI/F制御部168及びモジュールI/F52E(
図3参照)を介してGWユニット20に出力する。
【0096】
(2)GWユニット20からのマスターデータマップ(PID(プロダクトID)又はDDファイル等)をモジュールI/F52Eを介して入力し、さらに、マスターデータマップをメモリ制御部172を介してメモリ44Eに格納する。
【0097】
(3)マスター処理部152を通じてホッピング同期信号処理(無線出力)を行う。
【0098】
(4)上位装置(PLC12等)から受け取った入力信号を、マスター処理部152を通じて無線スレーブに出力する。
【0099】
(5)無線IOユニット132(無線スレーブ)から無線信号にて受信した入力信号を、メモリ制御部172を通じてメモリ44Eに格納する。
【0100】
次に、無線アンテナモジュール100をIOユニット22又はバルブSIユニット24に接続して、無線IOユニット132(無線スレーブ)又は無線バルブSIユニット134(無線スレーブ)とした場合の処理動作を
図12を参照しながら説明する。
【0101】
(1)アプリケーション処理部150から個体識別信号をモジュールI/Fプロトコル処理部166、モジュールI/F制御部168及びモジュールI/F52Eを介して無線GWユニット130に出力する。
【0102】
(2)IOユニット22又はバルブSIユニット24からのスレーブデータマップ(PID又はDDファイル等)をモジュールI/F52Eを介して入力し、さらに、スレーブデータマップを、メモリ制御部172を介してメモリ44Eに格納する。
【0103】
(3)無線GWユニット130から出力されたホッピング同期信号に基づいてホッピング同期信号処理を行う。
【0104】
(4)上位装置(無線GWユニット130)から受信した出力信号を、スレーブ処理部154及びメモリ制御部172を通じてメモリ44Eに格納する。
【0105】
(5)センサ68又はバルブマニホールド82からの入力信号を上位装置(無線GWユニット130)に無線送信する。
【0106】
次に、無線アンテナモジュール100をセンサや電磁弁等の機器28(
図1参照)に接続して、無線機器ユニット136とした場合の処理動作を
図13を参照しながら説明する。
【0107】
(1)アプリケーション処理部150から個体識別信号をモジュールI/Fプロトコル処理部166、モジュールI/F制御部168及びモジュールI/F52Eを介して機器に出力する。機器28には、PID又はDDファイル等の情報を有しないため、応答なしの状態となる。
【0108】
(2)無線GWユニット130から出力されたホッピング同期信号に基づいてホッピング同期信号処理を行う。
【0109】
(3)上位装置(無線GWユニット130)から受信した出力信号を、スレーブ処理部154及びメモリ制御部172を通じてメモリ44Eに保存する。
【0110】
(4)機器28からの入力信号を上位装置(無線GWユニット130)に無線送信する。
【0111】
次に、GWユニット20、IOユニット22及びバルブSIユニット24とそれぞれに対応した無線アンテナモジュール100との連携処理について
図14~
図17を参照しながら説明する。
【0112】
先ず、GWユニット20、IOユニット22及びバルブSIユニット24が、それぞれ無線GWユニット130(無線マスター)、無線IOユニット132(無線スレーブ)及び無線バルブSIユニット134(無線スレーブ)として設定可能とされるまでの無線アンテナモジュール100との連携処理を
図14~
図16を参照しながら説明する。
【0113】
図14のステップS1において、GWユニット20は、電源56A(
図3参照)が接続されることで起動する。
【0114】
ステップS2において、無線アンテナモジュール100は、GWユニット20に接続される。
【0115】
ステップS3において、図14に示すように、GWユニット20の内部電源生成回路48AからモジュールI/F52A及びモジュールI/F52Eを介して無線アンテナモジュール100に電源電力が供給され、ステップS4において、無線アンテナモジュール100が起動する。
【0116】
ステップS5において、無線アンテナモジュール100からGWユニット20に個体識別信号を送信する。
【0117】
ステップS6において、GWユニット20は、マスターデータマップ(PID又はDDファイル等)を無線アンテナモジュール100に送信(返送)する。
【0118】
ステップS7において、無線アンテナモジュール100は、受信したマスターデータマップに基づいて、接続先がGWユニット20と認識する。
【0119】
ステップS8において、無線アンテナモジュール100は、GWユニット20と共に、無線GWユニット130(無線マスター)として設定可能となる。
【0120】
次に、IOユニット22が無線スレーブとして設定可能とされるまでの無線アンテナモジュール100との連携処理を
図15を参照しながら説明する。
【0121】
図15のステップS101において、IOユニット22は、電源56B(
図5参照)が接続されることで起動する。
【0122】
ステップS102において、無線アンテナモジュール100は、IOユニット22に接続される。
【0123】
ステップS103において、
図5に示すように、IOユニット22の内部電源生成回路48BからモジュールI/F52B及びモジュールI/F52Eを介して無線アンテナモジュール100に電源電力が供給され、ステップS104において、無線アンテナモジュール100が起動する。
【0124】
ステップS105において、無線アンテナモジュール100からIOユニット22に個体識別信号を送信する。
【0125】
ステップS106において、IOユニット22は、スレーブデータマップ(PID又はDDファイル等)を無線アンテナモジュール100に送信(返送)する。
【0126】
ステップS107において、無線アンテナモジュール100は、受信したスレーブデータマップに基づいて、接続先がIOユニット22と認識する。
【0127】
ステップS108において、無線アンテナモジュール100は、IOユニット22と共に、無線IOユニット132(無線スレーブ)として設定可能となる。
【0128】
次に、バルブSIユニット24が無線スレーブとして設定可能とされるまでの無線アンテナモジュール100との連携処理を
図16を参照しながら説明する。
【0129】
図16のステップS201において、バルブSIユニット24は、電源56Cが接続されることで起動する。
【0130】
ステップS202において、無線アンテナモジュール100は、バルブSIユニット24に接続される。
【0131】
ステップS203において、バルブSIユニット24の内部電源生成回路48CからモジュールI/F52C及びモジュールI/F52Eを介して無線アンテナモジュール100に電源電力が供給され、ステップS204において、無線アンテナモジュール100が起動する。
【0132】
ステップS205において、無線アンテナモジュール100からバルブSIユニット24に個体識別信号を送信する。
【0133】
ステップS206において、バルブSIユニット24は、スレーブデータマップ(PID又はDDファイル等)を無線アンテナモジュール100に送信(返送)する。
【0134】
ステップS207において、無線アンテナモジュール100は、受信したスレーブデータマップに基づいて、接続先がバルブSIユニット24と認識する。
【0135】
ステップS208において、無線アンテナモジュール100は、バルブSIユニット24と共に、無線バルブSIユニット134(無線スレーブ)として設定可能となる。
【0136】
次に、無線GWユニット130、無線IOユニット132及び無線バルブSIユニット134における各無線アンテナモジュール100間の同期処理について
図17のフローチャートを参照しながら説明する。
【0137】
先ず、
図17のステップS301及びステップS302において、例えば無線GWユニット130の無線アンテナモジュール100と無線IOユニット132の無線アンテナモジュール100とのペアリング設定が行われる。
【0138】
ステップS303及びステップS304において、例えば無線GWユニット130の無線アンテナモジュール100と無線バルブSIユニット134の無線アンテナモジュール100とのペアリング設定が行われる。
【0139】
その後、ステップS305において、例えば無線IOユニット132での同期信号待ちとなり、ステップS306において、例えば無線バルブSIユニット134での同期信号待ちとなる。
【0140】
ステップS307において、無線GWユニット130の無線アンテナモジュール100は、無線IOユニット132の無線アンテナモジュール100と無線バルブSIユニット134の無線アンテナモジュール100に同期信号を送信する。
【0141】
ステップS308において、例えば無線IOユニット132の無線アンテナモジュール100は、同期信号を受信したことを示すアンサー信号を無線GWユニット130の無線アンテナモジュール100に送信する。
【0142】
その後、無線GWユニット130の無線アンテナモジュール100は、例えばステップS309において、無線IOユニット132の無線アンテナモジュール100からのアンサー信号を受信する。
【0143】
また、ステップS310において、例えば無線バルブSIユニット134の無線アンテナモジュール100は、同期信号を受信したことを示すアンサー信号を無線GWユニット130の無線アンテナモジュール100に送信する。
【0144】
その後、無線GWユニット130の無線アンテナモジュール100は、例えばステップS311において、無線バルブSIユニット134の無線アンテナモジュール100からのアンサー信号を受信する。
【0145】
この段階から、無線GWユニット130、無線IOユニット132、無線バルブSIユニット134間での指示データ、検出データ、補正データ等のやりとりが周波数ホッピングによって開始される。
【0146】
次に、変形例に係る無線アンテナモジュール100Cについて、
図18を参照しながら説明する。
【0147】
例えば、
図18に示すように、GWユニット20から無線アンテナモジュール100Cへの電源電力の供給を無線給電にて行うようにしてもよい。この場合、以下のような構成を採用することができる。
【0148】
GWユニット20に、内部電源生成回路48Aから供給された電源電力を外部に出力する電力出力部180を設置する。無線アンテナモジュール100Cには、GWユニット20から出力される電源電力を受け取る電力入力部182(無線給電部)と、電力入力部182にて受け取った電力を蓄積するバッテリ184とを設置する。また、バッテリ184からの電力が内部電源生成回路48Eに供給されるように配線接続する。
【0149】
そして、無線給電方式として、例えばコイルによる電磁誘導方式を採用する場合は、電力出力部180を一次コイルで構成し、電力入力部182を二次コイルで構成することが挙げられる。
【0150】
また、無線給電方式として、磁場の共鳴を利用する無線電力送信技術であれば、電力出力部180をLC共振器にて構成し、電力入力部182を、上記電力出力部180で発生した電磁エネルギを電磁誘導で電力エネルギに変換するコイル等で構成してもよい。
【0151】
これにより、GWユニット20と無線アンテナモジュール100Cとの間に接続されるケーブルに電源線が不要となり、ケーブル内の配線構造を簡素化することができ、軽量化も図ることができる。しかも、無線アンテナモジュール100が搭載された機器のレイアウトの自由度も上がる。
【0152】
上述の構成は、無線IOユニット132や無線バルブSIユニット134等においても同様に採用することができることは勿論である。
【0153】
次に、無線アンテナモジュール100をセンサや電磁弁等の機器28(
図1及び
図19参照)に接続して、無線機器ユニット136とした場合の構成例を
図1、
図19~
図26を参照しながら説明する。
【0154】
図1及び
図19に示すように、各種機器28にそれぞれ無線アンテナモジュール100を接続し、スレーブ装置(入出力ユニット等)を介さずに、無線機器ユニット136として、マスター装置(GWユニット20)と無線にて信号のやりとりを行う。
【0155】
この場合、無線アンテナモジュール100に各種機器28への取り付け機構200(
図20A及び
図20B参照)を設けるようにしてもよい。
【0156】
例えば
図20Aに示すように、機器28として、円筒状のシリンダ202内をピストンロッド204が移動する流体機器(以下、第1流体機器210Aと記す)である場合、取り付け機構200として無線アンテナモジュール100に予めバンド212を固定しておく。バンド212としては、例えばステンレス製の金属バンド等が挙げられる。
【0157】
無線アンテナモジュール100は、
図21にも示すように、モジュール本体100aと、モジュール本体100aに電力を供給する電源214(例えば二次電池等)が収容された電源ケース216とを有する。
【0158】
モジュール本体100aは、筐体102(
図20A参照)と、筐体102に設けられた無線アンテナ122と、コントローラ40Eと、外部接続コネクタ等を有する。
図20Aの例では、例えば箱状に形成された電源ケース216の長手方向の一端部にモジュール本体100aが取り付けられた構成を有する。バンド212は例えば電源ケース216の例えば1つの面に固定されている。もちろん、複数の面に固定してもよい。
【0159】
無線アンテナモジュール100の回路構成は、
図21に示すように、上述した
図3に示す無線アンテナモジュールとほぼ同様の構成を有するが、独自に電源214を有しているため、機器28との間で電源ラインが接続されていない。なお、機器28は、
図21に示すように、例えば機器電源218と、内部電源生成回路48Dと、センサ等の機器本体220と、モジュールI/F52Dとを有する。
【0160】
無線アンテナモジュール100は、機器28の機器本体220と、モジュールI/F52D及びモジュールI/F52Eとを通じて接続されていることから、機器本体からの例えばピストンの位置の情報をモジュールI/F52D及びモジュールI/F52Eを通じてメモリ44Eに記憶することが可能である。また、メモリ44Eに記憶されたピストンの位置は、メインコントローラ40E、高周波アンテナ122を通じてマスター装置であるGWユニット20に送信することが可能である。
【0161】
そして、無線アンテナモジュール100を第1流体機器210Aに取り付ける場合は、無線アンテナモジュール100の電源ケース216を第1流体機器210Aのシリンダ202上に載置して、さらに、バンド212をシリンダ202に巻き付けて固定する。バンド212の固定方法としては、例えばバンド212の端部同士をねじ止めする等が挙げられる。
【0162】
また、例えば
図20Bに示すように、機器28として、平坦な面230を有する例えば電磁弁等の流体機器(以下、第2流体機器210Bと記す)である場合は、取り付け機構200として、無線アンテナモジュール100の側面等に予めねじ孔が形成された突起232を設けておく。そして、無線アンテナモジュール100を第2流体機器210Bに取り付ける場合は、無線アンテナモジュール100の電源ケース216を第2流体機器210Bの平坦な面230に載置あるいは当接する。その後、ねじ234を突起232のねじ孔を通して第2流体機器210Bの平坦な面230にねじ込むことで、無線アンテナモジュール100を第2流体機器210Bに固定する。
【0163】
上述した
図21の例では、電源ケース216に二次電池等の電源214を収容して、モジュール本体100aに電力を供給するようにしたが、その他、
図22に示すように、モジュール本体100aへの電力供給を無線給電にて行うようにしてもよい。
【0164】
すなわち、機器28に、内部電源生成回路48Dから供給された電源電力を外部に出力する電力出力部180を設置する。無線アンテナモジュール100には、機器28から出力される電源電力を受け取る電力入力部182(無線給電部)と、電力入力部182にて受け取った電力を蓄積するバッテリ184とを設置する。また、バッテリ184からの電力が内部電源生成回路48Eに供給されるように配線接続する。
【0165】
この場合も、無線給電方式として、例えばコイルによる電磁誘導方式を採用する場合は、電力出力部180を一次コイルで構成し、電力入力部182を二次コイルで構成することが挙げられる。
【0166】
また、無線給電方式として、磁場の共鳴を利用する無線電力送信技術であれば、電力出力部180をLC共振器にて構成し、電力入力部182を、上記電力出力部180で発生した電磁エネルギを電磁誘導で電力エネルギに変換するコイル等で構成してもよい。
【0167】
これにより、機器28と無線アンテナモジュール100との間に接続されるケーブルに電源線が不要となり、ケーブル内の配線構造を簡素化することができ、軽量化も図ることができると共に、無線アンテナモジュール100が搭載された機器28のレイアウトの自由度も上がる。
【0168】
上述の例は、1つの機器28に1つのモジュール本体100aを有する無線アンテナモジュール100を固定する例を示したが、1つの機器28に複数のモジュール本体を有する無線アンテナモジュール100を固定してもよい。その代表例について、
図23A~
図26を参照しながら説明する。
【0169】
先ず、
図23A及び
図23Bに示すように、機器28として、円筒状のシリンダ202内をピストンロッド204(
図25参照)が移動する流体機器(第3流体機器210C及び第4流体機器210D)であって、且つ、シリンダ202の長手方向端部近傍にそれぞれ機器本体(第1機器本体220a及び第2機器本体220b)が設置された機器が挙げられる。
図24及び
図25に示すように、第1機器本体220aとしては、第1センサ250a及び第1ソレノイド252aが挙げられ、第2機器本体220bとしては、第2センサ250b及び第2ソレノイド252bが挙げられる。なお、第1センサ250a及び第2センサ250bは、例えばシリンダセンサとしてのオートスイッチやマグネット感知式のスイッチ等が挙げられる。
【0170】
そして、第3流体機器210C及び第4流体機器210Dに対しては、第1機器本体220a及び第2機器本体220bに対応して、例えばシリンダ202の長手方向中央部に、2つのモジュール本体(第1モジュール本体100a及び第2モジュール本体100b)が設置される。また、例えばシリンダ202の長手方向中央部に、2つのモジュール本体100a及び100bに対して共通とされた1つの電源ケース216が設置される。
【0171】
図23A及び
図23Bにも示すように、電源ケース216のうち、第1機器本体220a寄りに第1モジュール本体100aが電源ケース216に対して直立した状態で設置され、第2機器本体220b寄りに第2モジュール本体100bが電源ケース216に対してほぼ直立した状態で設置されている。もちろん、第1モジュール本体100a及び第2モジュール本体100bは、直立した状態とは限らず、水平状態でもよいし、傾斜した状態でもよい。
【0172】
そして、無線アンテナモジュール100を例えば第3流体機器210Cに取り付ける場合は、
図23Aに示すように、共通の電源ケース216を第3流体機器210Cのシリンダ202上に載置して、さらに、電源ケース216の長手方向両端部に設けられた各突部236とシリンダ202とをそれぞれバンド238で巻き付けて固定する。バンド238の固定方法としては、例えばバンド238の端部同士をねじ止めする等が挙げられる。
【0173】
一方、無線アンテナモジュール100を例えば第4流体機器210Dに取り付ける場合は、例えば
図23Bに示すように、電源ケース216の側面両側から横方向に突出する板状の固定部240を、第4流体機器210Dの上面にそれぞれねじ止めする等が挙げられる。
【0174】
第3流体機器210C及び第4流体機器210Dは、例えば
図25に示すように、流体圧シリンダ等のアクチュエータ242と、アクチュエータ242に供給又は排出される圧力流体の方向を切り換える方向切換弁244とを有する。
【0175】
そして、第1機器本体220aと第1モジュール本体100aとが電気的に接続されることで、第1センサ250aでの検知信号が第1モジュール本体100aに供給され、第1モジュール本体100aからの制御信号が第1ソレノイド252aに供給される。同様に、第2機器本体220bと第2モジュール本体100bとが電気的に接続されることで、第2センサ250bでの検知信号が第2モジュール本体100bに供給され、第2モジュール本体100bからの制御信号が第2ソレノイド252bに供給される。
【0176】
無線アンテナモジュール100は、第1機器本体220a及び第2機器本体220bからの検知信号をマスターM(GWユニット20:
図1及び
図19参照)に無線を通じて送信する。送信信号はPLC12(
図1及び
図19参照)に送信される。また、無線アンテナモジュール100は、PLC12からマスターMを介して無線送信される指示信号を受信する。無線アンテナモジュール100は、受信した指示信号に基づいて、第1ソレノイド244a又は第2ソレノイド244bを励磁することによって、方向切換弁244を第1方向又は第2方向に移動させることで、アクチュエータ242を駆動制御する。
【0177】
上述の例では、無線アンテナモジュール100の電源供給として、二次電池を用いた例を示したが、その他、
図26に示すように、上述した電力出力部180、電力入力部182(無線給電部)及びバッテリ184を用いた無線給電方式を採用してもよい。
【0178】
[実施の形態から得られる発明]
上述の実施の形態から把握しうる発明について、以下に記載する。なお、第1形態の筐体102A及び第2形態の筐体102Bを一括して言う場合は、単に「筐体102」と記す。同様に、第1形態のコネクタ104A及び第2形態のコネクタ104Bを一括して言う場合は、単に「コネクタ104」と記す。
【0179】
[1] 本実施の形態に係る無線アンテナモジュール100は、筐体102と、筐体102に設けられた少なくとも無線アンテナ122と、コントローラ40Eと、外部接続コネクタ104とを有し、コントローラ40Eは、少なくとも外部接続コネクタ104を通じて接続される他の装置との間で情報のやりとりを行う演算部142を有する。
【0180】
無線アンテナ122を有することにより、例えばネットワーク14上の他の装置に接続することで、他の装置(GWユニット20、IOユニット22等)と共に無線装置(無線GWユニット130、無線IOユニット132等)として機能する。
【0181】
また、無線アンテナモジュール100は、外部接続コネクタ104を通じて、単独で電圧を出力可能な無線装置としても機能する。
【0182】
単独で、例えば他の装置(GWユニット20、IOユニット22等)からの診断情報(例えばリミット入力信号、制御入出力信号、パルス出力信号等)や無線アンテナモジュール100の診断情報も送受信可能となる。また、単独で無線通信状態を例えばリアルタイムにモニタ可能な無線装置としても機能させることができる。
【0183】
その結果、例えばFA環境において、各種装置間の無線通信を容易に実現することができ、ケーブルの本数の削減化、生産性の向上を図ることができる。
【0184】
[2] 本実施の形態において、他の装置が接続されて電力が供給されることで起動し、接続された他の装置に対して確認信号(個体識別信号等)を出力し、確認信号の入力に基づいて他の装置から出力された情報に基づいて、他の装置と共に、ネットワーク14上のマスター装置又はスレーブ装置として機能する。
【0185】
すなわち、マスター装置に無線アンテナモジュール100を接続することで、無線通信が可能なマスター装置(無線マスター装置)として機能させることができ、同様に、スレーブ装置に無線アンテナモジュール100を接続することで、無線通信が可能なスレーブ装置(無線スレーブ装置)として機能させることができる。
【0186】
[3] 本実施の形態において、他の装置がネットワーク14上のゲートウェイユニット(GWユニット20)であってもよい。ネットワーク14上のGWユニット20に接続することで、GWユニット20と共にマスター側の無線装置(無線マスター装置)を構成することができる。
【0187】
[4] 本実施の形態において、他の装置がネットワーク14上の入出力ユニット(IOユニット22)であってもよい。ネットワーク14上のIOユニット22に接続することで、IOユニット22と共に、スレーブ側の無線装置(無線IOユニット132)を構成することができる。
【0188】
[5] 本実施の形態において、他の装置がネットワーク14上の機器ユニット(例えばバルブSIユニット24)であってもよい。ネットワーク14上の機器ユニット24に接続することで、機器ユニット24と共に、スレーブ側の無線装置(無線バルブSIユニット134)を構成することができる。
【0189】
[6] 本実施の形態において、さらに、NFC124を有する。これにより、無線アンテナモジュール100単独で機器(センサ68やバルブマニホールド82等)にアクセスすることが可能となる。
【0190】
その結果、以下の効果を奏する。
・NFCリーダ/ライタを通じての各種センサ68との直接通信が可能となる。
・非接触で、他の機器のモードやパラメータ等の設定が可能となる。
【0191】
[7] 本実施の形態において、さらに、表示部42Eを有する。これにより、無線アンテナモジュール100単独で機器(センサ68やバルブマニホールド82等)への入力信号をモニタすることが可能な無線アンテナモジュール100とすることができる。もちろん、単独で出力電圧や入力電圧をモニタ可能となる。さらに、センサ68への入力信号や、センサ68での検知結果等を、表示部42Eを通してモニタ可能となる。表示部42Eとしては、筐体102に設けられたLED等で構成することができる。
【0192】
[8] 本実施の形態において、さらにメモリ44Eを有する。これにより、他に設置された無線装置のエラーロギングが可能となる。
【0193】
[9] 本実施の形態において、無線給電部(電力入力部182)とバッテリ184とを有する。これにより、他の装置と無線アンテナモジュール100との間に接続されるケーブルに電源線が不要となり、ケーブル内の配線構造を簡素化することができ、軽量化も図ることができると共に、無線アンテナモジュール100が搭載された機器のレイアウトの自由度も上がる。
【0194】
[10] 本実施の形態において、コントローラ40Eは、ホッピングタイミング生成部158を有する。これにより、空きチャンネル判定(CCA:clear channel assessment)が働いた場合の送信タイミングを自動で変更することができる。
【0195】
[11] 本実施の形態において、他の装置(GWユニット20やIOユニット22等)が接続されて電力が供給されることで起動し、接続された他の装置に対して確認信号(個体識別信号)を出力し、確認信号の入力に基づいて他の装置から出力された情報に基づいて、他の装置をマスター装置又はスレーブ装置として機能させる。
【0196】
これにより、マスター装置(GWユニット20)に無線アンテナモジュール100を接続することで、無線通信が可能なマスター装置(例えば無線GWユニット130)として機能させることができる。同様に、スレーブ装置(IOユニット22等)に無線アンテナモジュール100を接続することで、無線通信が可能なスレーブ装置(例えば無線IOユニット132等)として機能させることができる。
【0197】
[12] 本実施の形態において、他の装置がマスター装置又はスレーブ装置として機能した段階で、他の外部装置とペアリングを行い、装置間での無線通信を実施する。
【0198】
すなわち、例えばGWユニット20が無線GWユニット130として機能し、例えばIOユニット22が無線IOユニット132として機能した段階で、無線GWユニット130が無線IOユニット132とペアリングを行うことで、無線GWユニット130と無線IOユニット132との間で無線通信が可能となる。もちろん、無線GWユニット130と無線バルブSIユニット134との間での無線通信も可能となる。
【0199】
[13] 本実施の形態に係る無線システム10は、PLC12に接続された複数のネットワーク14を有する無線システム10において、各ネットワーク14は、PLC12に接続された少なくとも1つのマスター装置(GWユニット20)と、マスター装置に接続された少なくとも1つのスレーブ装置(IOユニット22、バルブSIユニット24等)とを有し、マスター装置及びスレーブ装置は、それぞれ無線アンテナモジュール100が接続される。ここで、無線アンテナモジュール100は、筐体102と、筐体102に設けられた少なくとも無線アンテナ122と、コントローラ40Eと、外部接続コネクタ104とを有し、コントローラ40Eは、少なくとも外部接続コネクタ104を通じて接続されるマスター装置又はスレーブ装置との間で情報のやりとりを行う演算部142を有する。
【0200】
これにより、少なくともマスター装置とスレーブ装置との間の情報のやりとりを無線にて行うことができる。その結果、例えばFA環境において、各種装置間の無線通信を容易に実現することができ、ケーブルの本数の削減化、生産性の向上を図ることができる。
【0201】
[14] 本実施の形態に係る無線アンテナモジュール100は、電源214が収容された電源ケース216と、電源214に接続され、筐体102と、該筐体102に設けられた少なくとも無線アンテナ122と、少なくとも他の装置との間で情報のやりとりを行う演算部142を有するコントローラ40Eとを有する少なくとも1つのモジュール本体100aと、モジュール本体100aを機器28に取り付けるための取り付け機構200と、を有する。
【0202】
これにより、無線アンテナモジュール100のモジュール本体100aを、電源214と共に、取り付け機構200を介して機器28に取り付けることができる。その結果、機器28からの出力信号を無線アンテナモジュール100を介して例えばネットワーク14上に無線信号として出力することができる。また、ネットワーク14上のマスターMからの例えば機器28を制御するための制御信号等をモジュール本体100aで受信して機器28に出力し、機器28を制御することができる。
【0203】
すなわち、ネットワーク14上の例えばマスターMと機器28間の信号の無線化を実現させることができる。その結果、機器28とマスターMとの間に接続していた入出力ユニットを省略することができる。これは、ネットワーク14に接続する入出力ユニットの削減につながり、ネットワーク構成によっては、通信スピードの高速化を図ることも可能となる。
【0204】
[15] 本実施形態において、バッテリ184が収容された電源ケース216と、バッテリ184に接続され、筐体102と、該筐体102に設けられた少なくとも無線アンテナ122と、少なくとも他の装置との間で情報のやりとりを行う演算部142を有するコントローラ40Eとを有する少なくとも1つのモジュール本体100aと、機器28からの電力をバッテリ184に供給する無線給電部186と、モジュール本体100aを機器28に取り付けるための取り付け機構200と、を有する。
【0205】
これにより、無線アンテナモジュール100のモジュール本体100aを、バッテリ184及び無線給電部186と共に、取り付け機構200を介して機器28に取り付けることができる。その結果、機器28からの出力信号を無線アンテナモジュール100を介して例えばネットワーク14上に無線信号として出力することができる。また、ネットワーク14上のマスターMからの例えば機器28を制御するための制御信号等をモジュール本体100aで受信して機器28に出力し、機器28を制御することができる。
【0206】
すなわち、ネットワーク14上の例えばマスターMと機器28間の信号の無線化を実現させることができる。
【0207】
[16] 本実施形態において、機器28への取り付け機構200は、電源ケース216の一部と、機器28の一部とを締結するバンド212とを有し、バンド212は、電源ケース216の一部に固定されている。取り付け機構200としてのバンド212を電源ケース216の一部に固定しているため、無線アンテナモジュール100をバンド212を使って容易に機器28に取り付けることができる。
【0208】
[17] 本実施形態において、機器28への取り付け機構200は、電源ケース216の一部を、機器28に締結するらせん状の溝を有する固着具234を有し、固着具234は、電源ケース216の一部に設けられた突起232に形成された貫通孔を通して、機器28にねじ込まれる。ねじ等の固着具234を、電源ケース216の一部に設けられた突起232に形成された貫通孔を通して、機器28にねじ込むことで、容易に無線アンテナモジュール100を機器28に取り付けることができる。
【0209】
[18] 本実施形態において、機器28は、機器28に対する信号の入出力を担う少なくとも1つの機器本体220と、機器本体220に電力を供給する機器電源218とを有し、モジュール本体100aと、機器本体220aとが電気的に接続されている。
【0210】
これにより、機器28からの出力信号を無線アンテナモジュール100を介して例えばネットワーク14上に無線信号として出力することができる。また、ネットワーク14上のマスターMからの例えば機器28を制御するための制御信号等をモジュール本体100aで受信して機器28に出力し、機器28を制御することができる。すなわち、ネットワーク14上の例えばマスターMと機器28間の信号の無線化を実現させることができる。
【0211】
[19] 本実施形態において、電源ケース216内に収容された電源214又はバッテリ184に接続された第1モジュール本体100aと第2モジュール本体100bとを有し、第1モジュール本体100a及び第2モジュール本体100bは、電源ケース216に設置されている。
【0212】
電源ケース216に第1モジュール本体100a及び第2モジュール本体100bを設置することで、電源214又はバッテリ184から第1モジュール本体100a及び第2モジュール本体100bへの電力供給のための配線の短縮化を図ることができ、無線アンテナモジュール100のコンパクト化を図ることができる。
【0213】
[20] 本実施形態において、電源ケース216は、取り付け機構200によって、機器28上に固定され、電源ケース216の長手方向両端部に設けられた各突部236と機器28とがそれぞれ固定されている。これにより、電源ケース216を利用して、無線アンテナモジュール100を機器28に安定に固定することができる。
【0214】
[21] 本実施形態において、電源ケース216内に収容された電源214又はバッテリ184に接続された第1モジュール本体100aと第2モジュール本体100bとを有し、機器28は、第1機器本体220aと第2機器本体220bとを有し、第1機器本体220aは、第1センサ250a及び第1ソレノイド252aを有し、第2機器本体220bは、第2センサ250b及び第2ソレノイド252bを有し、第1モジュール本体100aと第1機器本体220aとが電気的に接続され、第2モジュール本体100bと第2機器本体220bとが電気的に接続されている。
【0215】
これにより、第1センサ250a及び第2センサ250bからの出力信号を無線アンテナモジュール100を介して例えばネットワーク14上に無線信号として出力することができる。また、ネットワーク14上のマスターMからの例えば第1ソレノイド252a及び第2ソレノイド252bを制御するための制御信号等を第1モジュール本体100a及び第2モジュール本体100bで受信して機器28に出力し、機器28を制御することができる。
【0216】
すなわち、ネットワーク14上の例えばマスターMと機器28間の信号の無線化を実現させることができる。その結果、機器28とマスターMとの間に接続していた入出力ユニットを省略することができる。これは、ネットワーク14に接続する入出力ユニットの削減につながり、ネットワーク構成によっては、通信スピードの高速化を図ることも可能となる。
【0217】
[22] 本実施の形態に係る無線システム10は、PLC12に接続された複数のネットワーク14を有する無線システムにおいて、各ネットワーク14は、PLC12に接続された少なくとも1つの他の装置(機器28)を有し、機器28は、無線アンテナモジュール100が接続され、無線アンテナモジュール100は、電源214が収容された電源ケース216と、電源214に接続され、筐体102と、該筐体102に設けられた少なくとも無線アンテナ122と、少なくとも機器28との間で情報のやりとりを行う演算部142を有するコントローラ40Eとを有する少なくとも1つのモジュール本体100aと、モジュール本体100aを機器28に取り付けるための取り付け機構200と、を有する。
【0218】
これにより、ネットワーク14上の例えばマスターMと機器28間の信号の無線化を実現させることができる。その結果、マスターMと機器28との間に接続していた入出力ユニットを省略することができる。これは、ネットワーク14に接続する入出力ユニットの削減につながり、ネットワーク構成によっては、通信スピードの高速化を図ることも可能となる。
【0219】
[23] 本実施の形態に係る無線システム10は、PLC12に接続された複数のネットワーク14を有する無線システムにおいて、各ネットワーク14は、PLC12に接続された少なくとも1つの他の装置(機器28)を有し、機器28は、無線アンテナモジュール100が接続され、無線アンテナモジュール100は、バッテリ184が収容された電源ケース216と、バッテリ184に接続され、筐体102と、該筐体102に設けられた少なくとも無線アンテナ122と、少なくとも機器28との間で情報のやりとりを行う演算部142を有するコントローラ40Eとを有する少なくとも1つのモジュール本体100aと、機器28からの電力をバッテリ184に供給する無線給電部186と、モジュール本体100aを機器28に取り付けるための取り付け機構200と、を有する。
【0220】
これにより、ネットワーク14上の例えばマスターMと機器28間の信号の無線化を実現させることができる。その結果、マスターMと機器28との間に接続していた入出力ユニットを省略することができる。これは、ネットワーク14に接続する入出力ユニットの削減につながり、ネットワーク構成によっては、通信スピードの高速化を図ることも可能となる。しかも、無線給電部186により、機器28と無線アンテナモジュール100との間に接続される電源線が不要となり、配線構造の簡素化、軽量化も図ることができると共に、無線アンテナモジュール100が搭載された機器のレイアウトの自由度も上がる。
【0221】
なお、本発明に係る無線アンテナモジュール及び無線システムは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。