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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】光反射マーカー
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/524 20160101AFI20230724BHJP
【FI】
E01F9/524
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019178262
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021055345
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-04-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517266779
【氏名又は名称】株式会社リンコー
(73)【特許権者】
【識別番号】516240592
【氏名又は名称】林 弘美
(73)【特許権者】
【識別番号】599012684
【氏名又は名称】唐沢 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 弘美
(72)【発明者】
【氏名】唐沢 伸
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-110315(JP,U)
【文献】特開2016-014765(JP,A)
【文献】特開2014-009534(JP,A)
【文献】実開昭60-046587(JP,U)
【文献】特開2015-158595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/00-11/00
G09F 13/00-13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面のある円錐台形状を成す金属基体を備え、前記金属基体は、上面の周縁から上方向で且つ放射方向に張り出す上環状壁を有していると共に、下面の周縁から下方向で且つ放射方向に張り出す下環状壁を有し、前記金属基体の上環状壁及び下環状壁の間で周方向に連続する側周面には、帯状の光反射シートを隙間及び重なりなく巻き付けて、両環状壁の高さと面一になるように配置し、前記金属基体の上環状壁で囲まれる上面には、円盤状の光反射シートを隙間及び重なりなく積層して、上環状壁の高さと面一になるように配置した光反射マーカー。
【請求項2】
上面側の光反射シートには人に伝えるための情報が表示されている請求項1に記載の光反射マーカー。
【請求項3】
光反射シートは複数の反射色のものが混在している請求項1又は請求項2に記載の光反射マーカー。
【請求項4】
前記情報はシートをカッティングした素材によって描かれたものである請求項2又は請求項2に従属する請求項3に記載の光反射マーカー。
【請求項5】
前記カッティング素材は、シリコーン透明素材によって保護されている請求項4に記載の光反射マーカー。
【請求項6】
表面が透明ガラスコーティングによって保護されている請求項1から請求項5のいずれか一に記載の光反射マーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面等に設置されて、主に安全のための警告や注意喚起等の標示を行う光反射マーカーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
夜間の屋外において、歩行者や自転車等に乗った通行者が、歩道・車道間の縁石や駐車場の車止め等の路面設置物に躓いたり乗り上げたりして転倒することや、側溝等のくぼみに転落することを回避するために、反射材や蓄光標示体による危険個所の存在の警告や注意喚起が行われている。
【0003】
従来において、反射材及び蓄光標示体の両者を備えた標示体が知られている(特許文献1参照)。
この標示体は、透明合成樹脂で形成された裁頭四角錘形の基台と、この基台の対向する一組の斜面に配置された反射材に相当する反射シートと、この基台の別の対向する一組の斜面及び基台底面にそれぞれ配置された蓄光標示体に相当する蓄光層を備えており、この標示体は、車両前照灯からの照射光を受ける方向に反射シートが配置された斜面を向けて設置されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-220673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の標示体において、反射シートからの反射光は車両の流れ方向に行き来する通行者からは視認できるのに対して、車両の流れ方向と交わる方向に行き来する通行者からは反射光を視認することはできない。
【0006】
つまり、歩行者が照光手段を有している場合や、自転車等に乗った通行者が前照灯を点灯している場合であったとしても、標示体を見る方向によっては反射シートからの反射光を視認することができない。また、標示体が斜めに設置されているといった特異な設置状態では、車両の流れ方向に行き来する歩行者や通行者からも反射光を視認できない場合がある。
【0007】
したがって、夜間において、見る方向や設置状態の特異性に左右されない、より反射光の視認性の高いマーカーの出現が望まれており、この問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0008】
本発明は、上記した従来の課題に着目して成されたものであり、どの方向からも、また、特異な設置状態においても反射光を視認することが可能であり、その結果、夜間において、例えば、照光手段を有する歩行者、或いは、自転車やオートバイや自動車等に乗る通行者にたいして、洩れなく危険個所の存在の警告や注意を喚起することができる光反射マーカーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目標を達成するために、本発明における第一の態様は、立体的外形を有する金属基体の設置面以外の全面に光反射シートを配置した構成としている。
【0010】
また、第二の態様は、上面側の光反射シートには人に伝えるための情報が表示されている構成としている。
【0011】
さらに、第三の態様において、光反射シートは複数の反射色のものが混在している構成としている。
【0012】
さらにまた、第四の態様において、前記情報はシートをカッティングした素材によって描かれたものである構成としている。
【0013】
さらにまた、第五の態様は、前記カッティング素材において、シリコーン透明素材によって保護されている構成としている。
【0014】
さらにまた、第六の態様は、表面が透明ガラスコーティングによって保護されている構成としている。
【0015】
さらにまた、第七の態様において、金属基体は、円錐台形状である構成としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る光反射マーカーによれば、どの方向からも、また、特異な設置状態においても反射光を視認することができ、したがって、夜間の屋外において、例えば、照光手段を有する歩行者、或いは、自転車やオートバイや自動車等に乗る通行者に対して、危険個所の存在の警告や注意を洩れなく喚起することが可能であるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】実施例1の光反射マーカーを示す全体斜視図
図1B】実施例1の光反射マーカーの金属基体を示す半割斜視図
図1C】実施例1の光反射マーカーの分解斜視図
図2】実施例2の光反射マーカーを示す全体斜視図
図3】実施例3の光反射マーカーを示す全体斜視図
図4】実施例4の光反射マーカーの上面側反射部におけるカッティング素材及びシリコーン透明素材の積層要領を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は以下のとおりである。実施例1は主に請求項1,請求項6,請求項7に関し、実施例2は主に請求項2に関し、実施例3は主に請求項3に関し、実施例4は主に請求項4,請求項5に関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【0019】
本発明に係る光反射マーカーの形状や大きさは、配置箇所の状況に応じて決定される。
例えば、歩道及び車道の境界ブロックとしてひろく用いられる略直方体の縁石(縦約15cm×横約60cm×高さ約20cm)上に円錐台形状の光反射マーカーを配置する場合には、歩行者の通行の妨げになるのを回避するべく、上面の直径を8~10cm、下面の直径を9~11cm、高さを1.8~2.2cmとすることが望ましく、この際、上面の直径を約8.6cm、下面の直径を約10.0cm、高さを約2cmとすることがより望ましい。
【0020】
また、駐車場の側面視略台形形状の車止め上に配置する場合にも、上記と同様に、歩行者の通行の妨げになるのを回避するべく、上面の直径を7~9cm、下面の直径を8~10cm、高さを1.8~2.2cmとすることが望ましい。なお、駐車場の車止めには様々な規格のものがあるので、このような場合には、配置する車止めの上面幅に対応して形状や大きさを決定する。
【0021】
さらに、光反射マーカーの他の設置場所として想定される、例えば、側溝の境界ブロック上に配置する場合も、その境界ブロックの上面幅に応じて形状や大きさを適切に決定する。
≪実施例1≫
【0022】
<概要>
本実施例の光反射マーカーは、円錐台形状を成す金属基体の設置面以外の全面に光反射シートを配置し、表面を透明ガラスコーティングによって保護したことを特徴としている。すなわち、どの方向からも、また、特異な設置状況においても反射光を視認することができる。
【0023】
<構成>
図1Aに示すように、本実施例の光反射マーカー0100は、上下面及び側周面を有する立体的外形状を成す金属基体0110と、この金属基体0110の側周面に位置する周面側反射部0150と、金属基体0110の上面に位置する上面側反射部0160とを備えている。
【0024】
本実施例において、図1Bに半割して示すように、金属基体0110は円錐台形状を成しており、上面0111の周縁から上方向で且つ放射方向に張り出す上環状壁0112を備えている。同じく、金属基体0110は、下面0113の周縁から下方向で且つ放射方向に張り出す下環状壁0114を備えている。
【0025】
そして、図1Cに示すように、上環状壁0112及び下環状壁0114の間で周方向に連続する側周面0115に帯状の光反射シート0120を巻き付けて貼り付けることで周面側反射部0150を形成するようにしている。この光反射シート0120は、粘着面を有している場合にはその粘着面により、また、粘着面を有していない場合には接着剤を介して、金属基体0110の側周面0115に固定される。
【0026】
この際、上環状壁0112及び下環状壁0114の間の側周面0115に、帯状の光反射シート0120を隙間や重なりなく、そして、両環状壁0112,0114の高さと面一になるようにして嵌め込むようにしている。つまり、光反射シート0120の幅及び長さが金属基体0110の側周面0115の幅及び長さとほぼ同じとなるように裁断すると共に、光反射シート0120の厚みと両環状壁0112,0114の高さとがほぼ同じになるようにすることで、光反射シート0120を剥がれ難くすると共に、光反射シート0120を巻き付けて固定する際の位置決めを容易なものとしている。
【0027】
一方、上環状壁0112で囲まれる上面0111にスペーサ0121を介して円盤状の光反射シート0122を積層することで上面側反射部0160を形成するようにしている。この円盤状の光反射シート0122も、粘着面を有している場合にはその粘着面により、また、粘着面を有していない場合には接着剤を介して、金属基体0110の上面0111に固定される。
【0028】
この上面側反射部0160においても、上環状壁0112で囲まれた上面0111に円盤状の光反射シート0122を隙間や重なりなく、そして、上環状壁0112の高さと面一になるようにして嵌め込むようにしている。つまり、光反射シート0122の半径が金属基体0110の上面0111の半径とほぼ同じとなるように裁断すると共に、光反射シート0122の厚み(スペーサ0121の厚みを含む)と上環状壁0112の高さとがほぼ同じになるようにすることで、光反射シート0122を剥がれ難くすると共に、光反射シート0122を固定する際の位置決めを容易なものとしている。
【0029】
上記した円錐台形状を成す金属基体0110の設置面である下面0113以外の全面に配置される光反射シート0120,0122には、すなわち、歩行者が持つ懐中電灯や自転車・自動車の前照灯からの光を反射する光反射シートには、再帰性反射シートを用いることが望ましい。
【0030】
この再帰性反射シートを光反射シート0120,0122に採用すると、懐中電灯や自転車・自動車の前照灯からの光がまっすぐ歩行者や自転車・自動車の運転者に向けて反射されるため、歩行者や運転者が反射光を明るい状態で明確に視認することが可能となる。好適な再帰性反射シートとしては、例えば、スリーエム社製のプリズム型高輝度反射シート(商品名:3930ホワイト,3931イエロー,3932レッド,3935ブルー等)が挙げられる。
【0031】
また、金属基体0110に用いられる素材には、アルミニウムやステンレスやニッケル合金等の金属を用いることができるほか、些か高価ではあるがチタニウム合金を用いることができるが、屋外に配置される光反射マーカーに要求される耐候性や耐衝撃性を有している素材であれば特に限定しない。
【0032】
本実施例において、金属基体0110は、アルミニウムに切削加工を施して中実の円錐台形状としたものであり、このように切削加工によって中実の金属基体0110とすることで、強度に優れた光反射マーカー0100を提供することができる。ここで、本実施例の金属基体0110では、上述したように、下面0113側に下環状壁0114を設けている、すなわち、下面0113を窪ませているので、中実構造を成す金属基体0110であっても、例えば、歩道及び車道間の縁石Bの上面に多少の凹凸があったとしても、ほぼ平らに設置することが可能である。
【0033】
さらに、中実構造を成す金属基体0110の軸心上には、大径のねじ収容孔0116及び小径のねじ孔0117が連続して設けられており、小径のねじ孔0117にねじ0130の頭部寄りの雄ねじ部0131をねじ込むことで、大径のねじ収容孔0116にねじ頭0132を収容した状態でねじ0130を金属基体0110に一体化するようにしている。
【0034】
この場合、ねじ0130は、その先端部に抜け止め用のストッパ0133を有しており、金属基体0110に一体化させたねじ0130を、例えば、歩道及び車道間の縁石Bに埋め込んだマーカー受け0140の固定孔0141に挿し込んでストッパ0133を係止させることで、金属基体0110を縁石Bに固定するようにしている。縁石Bに埋め込むマーカー受け0140には、ある程度弾力性を有する合成樹脂製や硬質ゴム製のものを用いることが望ましい。
なお、ねじ0130の先端部に、ストッパ0133に替えて目の粗い雄ねじ部を設けて、この雄ねじ部をマーカー受け0140の固定孔0141に木ねじの要領でねじ込むことで、金属基体0110を縁石Bに固定するようにしてもよい。
【0035】
さらにまた、本実施例のように、光反射マーカー0100の金属基体0110が中実構造を成している場合には、金属基体0110の窪ませた下面0113と縁石Bの上面とを両面テープで接着させるようにしてもよく、金属材料とコンクリート材料とを強固に接着するための両面テープとして、例えば、スリーエム社製のVHD(登録商標)両面テープを挙げることができる。
【0036】
さらにまた、本実施例の光反射マーカー0100は、図1Aに一点鎖線で示すように、表面を透明ガラスコーティングによって保護するようにしている。
【0037】
このように、本実施例の光反射マーカー0100では、金属基体0110の設置面である下面0113以外の全面に光反射シート0120,0122を配置しているので、どの方向からも、また、特異な設置状態においても反射光を視認し得ることとなる。
【0038】
また、本実施例の光反射マーカー0100は円錐台形状を成しているので、金属基体0110の側周面に位置する周面側反射部0150が傾斜面を成すこととなり、懐中電灯や自転車・自動車の前照灯からの光を斜め上方に反射するので、歩行者や運転者が反射光を明るい状態で明確に視認し得ることとなる。
【0039】
さらに、本実施例の光反射マーカー0100は、表面が透明ガラスコーティングによって保護されているので、周面側反射部0150及び上面側反射部0160の各光反射シート0120,0122が、傷や水濡れや埃から護られることとなる。
【0040】
なお、本実施例において、光反射マーカー0100が円錐台形状を成している場合を示したが、これに限定されるものではない。光反射マーカーの全体形状は、歩行者や自動車の運転者がどの方向から接近してきた場合であっても、反射光で警告することができる形状であればよく、したがって、円錐台形状のほかに、円柱形状や角錐台形状や角柱形状等の形状としてもよい。
【0041】
また、本実施例では、円錐台形状を成している光反射マーカー0100の上面側反射部0160における光反射シート0122を平らな面としているが、上面側反射部0160上に埃が積もり難くするために、上面側反射部0160の中央部分を若干隆起させたり尖らせたりすることが望ましい。
【0042】
さらに、本実施例では、アルミニウムに切削加工を施すことで、中実円錐台形状の金属基体0110を形成するようにしているが、金属板をプレス加工して中空円錐台形状の金属基体を形成するようにしてもよい。
【0043】
<効果>
このように、本実施例の光反射マーカーでは、 円錐台形状を成す金属基体の設置面以外の全面に光反射シートを配置するようにしているので、どの方向からも、また、特異な設置状態においても反射光を視認することが可能である。
したがって、夜間において、例えば、照光手段を有する歩行者、或いは、自転車やオートバイや自動車等に乗る通行者に対して、洩れなく危険個所の存在の警告や注意を喚起することができる。
【0044】
加えて、本実施例の光反射マーカーでは、表面を透明ガラスコーティングによって保護するようにしているので、耐候性及び防汚性に優れたものとすることが可能となる。
≪実施例2≫
【0045】
<概要>
本実施例の光反射マーカーは、実施例1の光反射マーカーを基本とし、上面側反射部の光反射シートに、人に伝えるための情報を表示したことを特徴としている。すなわち、光反射マーカーの近傍において、危険個所の存在の警告や注意等の情報を告知することができる。
【0046】
<構成>
図2に示すように、本実施例の光反射マーカー0200が、先の実施例1の光反射マーカーと相違するところは、上面側反射部0260の光反射シート0222に、人に伝えるための情報を表示した点にあり、他の構成は先の実施例1の光反射マーカーと同じである。
【0047】
本実施例の光反射マーカー0200において、人に伝えるための情報(図示例では海抜5mの告知文字)は、例えば、上面側反射部0260の光反射シート0222に採用したスリーエム社製のプリズム型高輝度反射シート(商品名:3930ホワイト,3931イエロー,3932レッド,3935ブルー等)に対応するスリーエム社製のインクジェットシステムによって直接印刷されている。
【0048】
本実施例では、上面側反射部0260の光反射シート0222に、海抜5mの告知文字を印刷した場合を示したが、これに限定されるものではなく、写真をプリントするようにしてもよい。
【0049】
<効果>
本実施例の光反射マーカー0200では、実施例1の光反射マーカーと同じ効果が得られるのに加えて、例えば、災害時の備えの情報伝達マーカーとして活用することができる。
例えば、図示例のように、その場所の標高を示すことによって、津波が到来する可能性を日常的に認識し得る。
≪実施例3≫
【0050】
<概要>
本実施例の光反射マーカーは、実施例1の光反射マーカーを基本とし、周面側反射部及び上面側反射部の各光反射シートに複数の反射色のものを混在させていることを特徴としている。すなわち、光反射シートの色彩によって、異なる意味を表すようにすることができる。
【0051】
<構成>
図3に示すように、本実施例の光反射マーカー0300が、先の実施例1の光反射マーカーと相違するところは、周面側反射部0350の光反射シート0320、及び、上面側反射部0360の光反射シート0322に、互いに色彩の異なる光反射シートを採用した点にあり、他の構成は先の実施例1の光反射マーカーと同じである。
【0052】
本実施例の光反射マーカー0300において、例えば、光反射シートの色彩に、赤色は危険、青色は安全、黄色は注意、緑色は誘導先や誘導方向、白色は単なる注意喚起といった意味を持たせたうえで、周面側反射部0350の光反射シート0320には赤色の光反射シートを、上面側反射部0360の光反射シート0322には白色の光反射シートをそれぞれ採用する。
【0053】
この場合には、光反射マーカー0300を危険告知のマーカーとして用いることができ、これとは逆に、周面側反射部0350の光反射シート0320には青色の光反射シートを、上面側反射部0360の光反射シート0322には白色の光反射シートをそれぞれ採用することで、光反射マーカー0300を安全告知のマーカーとして用いることができる。
【0054】
<効果>
本実施例の光反射マーカー0300では、実施例1の光反射マーカーと同じ効果が得られるのに加えて、周面側反射部及び上面側反射部に互いに色彩の異なる光反射シートを採用することで、異なる意味を告知することができる。
≪実施例4≫
【0055】
<概要>
本実施例の光反射マーカーは、実施例2の光反射マーカーを基本とし、上面側反射部の光反射シートに表示した情報が、シートをカッティングした素材によって描かれたものとしたうえで、このカッティング素材をシリコーン透明素材によって保護していることを特徴としている。すなわち、光反射シートから切り出したカッティング文字を使用して、これをシリコーン透明素材によって保護することで、危険個所の存在の警告や注意等の情報をより明確に告知することができる。
【0056】
<構成>
図4に示すように、本実施例の光反射マーカー0400が、先の実施例2の光反射マーカーと相違するところは、上面側反射部0450の光反射シート0422に、光反射シート0425から切り出したピクトサイン(カッティング文字)S及び円盤形状を成すシリコーン透明素材0428を順次積層した点にあり、他の構成は先の実施例2の光反射マーカーと同じである。
【0057】
本実施例の光反射マーカー0400において、光反射シート0425から切り出したピクトサインSを上面側反射部0450の光反射シート0422上に貼り付けているので、人に伝えるための情報の告知がより一層明確なものとなる。
【0058】
加えて、本実施例の光反射マーカー0400では、ピクトサインSを上面側反射部0450の光反射シート0422上に貼り付けるのに続いて、シリコーン透明素材0428を積層するようにしているので、耐候性及び防汚性に優れたものとなる。
【0059】
<効果>
本実施例の光反射マーカー0400では、実施例1の光反射マーカーと同じ効果が得られるのに加えて、例えば、災害時の備えの情報をより一層明確に伝達し得るうえ、耐候性及び防汚性の向上を実現できる。
【符号の説明】
【0060】
0100 光反射マーカー
0110 金属基体
0113 金属基体の下面(設置面)
0120 周面側の光反射シート
0122 上面側の光反射シート
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4