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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】自動復帰機構ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01H 19/14 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
H01H19/14
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019126097
(22)【出願日】2019-07-05
(65)【公開番号】P2021012808
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000215833
【氏名又は名称】帝国通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 真也
(72)【発明者】
【氏名】永井 伸明
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-012194(JP,U)
【文献】実開平05-017718(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機器に装着される自動復帰機構ユニットであって、
前記自動復帰機構ユニットは、
前記回転機器の回転軸の上部に装着されるユニット本体部と、
前記ユニット本体部に回転自在に保持されるシャフトと、
前記ユニット本体部に保持され前記シャフトを所定の回転位置に自動復帰させる付勢力付与手段と、
を有し、
前記シャフトの一端に、前記回転機器の回転軸の一端を連結するシャフト結合部を設け
さらに前記ユニット本体部の側面もしくは底面から、前記回転機器の外周側面に当接して当該回転機器に対するユニット本体の回転を阻止する一対の当接部材を延出して設けたことを特徴とする自動復帰機構ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の自動復帰機構ユニットであって、
前記シャフトのシャフト結合部は、当該シャフトの端面の中央部分を突出して前記回転機器の回転軸の端面に設けた係合凹部内に挿入される係合凸部で構成され、
さらに当該シャフトの端面の係合凸部の周囲部分を、前記回転軸の端面の係合凹部の周囲部分に当接する当接面としたことを特徴とする自動復帰機構ユニット。
【請求項3】
回転機器に装着される自動復帰機構ユニットであって、
前記自動復帰機構ユニットは、
前記回転機器の回転軸の上部に装着されるユニット本体部と、
前記ユニット本体部に回転自在に保持されるシャフトと、
前記ユニット本体部に保持され前記シャフトを所定の回転位置に自動復帰させる付勢力付与手段と、
を有し、
前記シャフトの一端に、前記回転機器の回転軸の一端を連結するシャフト結合部を設け、
前記シャフトのシャフト結合部は、当該シャフトの端面の中央部分を突出して前記回転機器の回転軸の端面に設けた係合凹部内に挿入される係合凸部で構成され、
さらに当該シャフトの端面の係合凸部の周囲部分を、前記回転軸の端面の係合凹部の周囲部分に当接する当接面としたことを特徴とする自動復帰機構ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機器操作用のシャフトの自動復帰機構として用いて好適な自動復帰機構ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回転式スイッチの中には、非操作状態の際はその操作つまみが中立位置などの所定の停止位置(自動復帰位置)に位置してスイッチがオフし、一方、当該操作つまみを時計回り、もしくは反時計回りに回転した際はスイッチがオンし、さらに当該操作つまみの回転位置での保持を解除すると操作つまみが元の停止位置に自動復帰してスイッチがオフする機能を有するものがあった。
【0003】
そして、上記自動復帰機能を有する回転式スイッチを構成するためには、当該回転式スイッチ内に自動復帰用バネなどを組み込む必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-228549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記自動復帰機能を必要とする各種構成の回転式スイッチ全てに、当該自動復帰機構を組み込むこととすると、各回転式スイッチ毎に行われる設計開発工程や組立工程が煩雑になってしまい、開発コストや製造コストが増加してしまうという問題があった。
【0006】
この問題は、回転式スイッチに限られず、自動復帰機能を必要とする他の各種構成の回転機器においても同様に生じる問題である。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、自動復帰機能を必要とする各種構成の回転機器に、容易且つ低コストに自動復帰機能を持たせることができる自動復帰機構ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、回転機器に装着される自動復帰機構ユニットであって、前記自動復帰機構ユニットは、前記回転機器の回転軸の上部に装着されるユニット本体部と、前記ユニット本体部に回転自在に保持されるシャフトと、前記ユニット本体部に保持され前記シャフトを所定の回転位置に自動復帰させる付勢力付与手段と、を有し、前記シャフトの一端に、前記回転機器の回転軸の一端を連結するシャフト結合部を設け、さらに前記ユニット本体部の側面もしくは底面から、前記回転機器の外周側面に当接して当該回転機器に対するユニット本体の回転を阻止する一対の当接部材を延出して設けたことを特徴としている。
本発明によれば、回転機器とは別体で自動復帰機構ユニットを構成したので、この自動復帰機構ユニットを回転機器に装着するだけで、回転機器に容易に自動復帰機能を持たせることができる。これによって、1種類又は少ない種類の自動復帰機構ユニットによって、低コストで、各種構成の回転機器に自動復帰機能を持たせることができる。
【0009】
また本発明は、上記特徴に加え、前記シャフトのシャフト結合部は、当該シャフトの端面の中央部分を突出して前記回転機器の回転軸の端面に設けた係合凹部内に挿入される係合凸部で構成され、さらに当該シャフトの端面の係合凸部の周囲部分を、前記回転軸の端面の係合凹部の周囲部分に当接する当接面としたことを特徴としている。
本発明によれば、回転機器の回転軸の上部に自動復帰機構ユニットを設置するだけで、回転軸の係合凹部とシャフトの係合凸部とを結合できるので、自動復帰機構ユニットの回転機器への装着を容易に行うことが可能になる。
またシャフト端面の当接面を、回転軸端面の係合凹部の周囲部分に当接することで、容易に、回転機器に対する自動復帰機構ユニットの回転軸方向の位置決めを行うことができる。
また、自動復帰機構ユニット側のシャフトに係合凸部を設けたので、当該シャフトの外径寸法が大きくなることを防止できる。即ち、もし当該シャフトに係合凹部を設けるとした場合は、係合凹部周囲の肉の厚みの強度を持たせるためにシャフトの外径寸法を大きくする必要が生じてしまう。
【0010】
また本発明は、回転機器に装着される自動復帰機構ユニットであって、前記自動復帰機構ユニットは、前記回転機器の回転軸の上部に装着されるユニット本体部と、前記ユニット本体部に回転自在に保持されるシャフトと、前記ユニット本体部に保持され前記シャフトを所定の回転位置に自動復帰させる付勢力付与手段と、を有し、前記シャフトの一端に、前記回転機器の回転軸の一端を連結するシャフト結合部を設け、前記シャフトのシャフト結合部は、当該シャフトの端面の中央部分を突出して前記回転機器の回転軸の端面に設けた係合凹部内に挿入される係合凸部で構成され、さらに当該シャフトの端面の係合凸部の周囲部分を、前記回転軸の端面の係合凹部の周囲部分に当接する当接面としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自動復帰機能を必要とする各種構成の回転機器に、容易且つ低コストに自動復帰機能を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】自動復帰機構ユニット1を取り付けた回転機器100の斜視図である。
図2】自動復帰機構ユニット1と回転機器100を分離した状態を示す斜視図である。
図3図1のA-A概略断面図(概略側断面図)である。
図4】自動復帰機構ユニット1を斜め上側から見た分解斜視図である。
図5】自動復帰機構ユニット1を斜め下側から見た分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の1実施形態に係る自動復帰機構ユニット1を取り付けた回転機器(以下「回転式スイッチ」という)100の斜視図、図2は上記自動復帰機構ユニット1と回転式スイッチ100を分離した状態を示す斜視図、図3図1のA-A概略断面図である。これらの図に示すように、自動復帰機構ユニット1は、回転式スイッチ100の上部に、着脱自在に装着される。なお以下の説明において、「上」とは回転式スイッチ100から自動復帰機構ユニット1を見る方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。
【0014】
図4は自動復帰機構ユニット1を斜め上側から見た分解斜視図、図5は自動復帰機構ユニット1を斜め下側から見た分解斜視図である。これらの図に示すように、自動復帰機構ユニット1は、下ケース10と、付勢力付与手段(以下「コイルバネ」という)40と、シャフト付き回転体50と、上ケース80とを具備して構成されている。なお下ケース10と上ケース80によって、コイルバネ40とシャフト付き回転体50とを保持するユニット本体部が構成されている。
【0015】
下ケース10は合成樹脂の一体成型品であり、有底の概略四角筒形状に成形されている。即ち、底部11と側壁13とを有し、内部は収納部15となっており、上面は開口17となっている。底部11中央には、円形のシャフト挿通孔19が形成され、底部11上面のシャフト挿通孔19の周囲の所定位置には一対のバネ係止部21,21が上方向に向かって突出している。バネ係止部21,21の一方の側辺は、それぞれバネ当接部21a,21aとなっており、他方の側辺はストッパ当接部21b,21bとなっている。また側壁13の上辺近傍の所定位置からは、一対の小突起からなる位置決め部27,27が突出している。また側壁13の外周面の180度対向する所定位置には、上ケース係止爪29,29が設けられている。
【0016】
また下ケース10の底部11下面の所定位置(シャフト挿通孔19を挟んで180°対向する位置)からは、一対の当接部材31,31が下向きに突出している。両当接部材31,31は、略平板状であり、両当接部材31,31の対向する平面(挟持面)31a,31aは平行に設置されている。両挟持面31a,31a間の離間距離は、下記する回転式スイッチ100の上ケース190の対向する外周側面190a、190a間の距離とほぼ同一に形成されている。
【0017】
コイルバネ40は、弾性金属棒をリング状に1又は複数回巻き回したリング部45の両端を半径方向外方に直線状に引き出し、引き出した部分をそれぞれ係止部41,41として構成されている。リング部45の中央には、円形の挿通孔43が形成される。
【0018】
シャフト付き回転体50は合成樹脂の一体成型品であり、略円柱状のシャフト51の下部外周に、円板状の回転体53を一体に取り付けて構成されている。言い換えれば、回転体53の上下面からシャフト51を突出して構成されている。シャフト51の下端部は、円形平面状の当接面55の中央から下方向に向かって係合凸部57を突出させて構成されている。係合凸部57は、円柱の対向する両側面を略平行な平面形状にカットした形状に形成されている。言い換えれば、横断面が非円形になるように形成されている。またシャフト51の回転体53下面から突出した根元近傍部分は、前記下ケース10のシャフト挿通孔19に回転自在に挿入・軸支される軸支部61となっている。
【0019】
一方、回転体53の下面の前記シャフト51の周囲を囲む所定位置(同一円周上)には、一対のストッパ部兼バネガイド部63,63が突設されている。両ストッパ部兼バネガイド部63,63は、前記下ケース10のバネ係止部21,21と略同一の円周上に位置するように配置されている。両ストッパ部兼バネガイド部63,63の一方の側辺は、ストッパ用当接部63a,63aとなっている。また回転体53の外周辺部分から下方向に向けて、一対の回転側バネ係止部65,65が突設されている。両回転側バネ係止部65,65は、その一方の側面が回転側バネ当接部65a,65aとなっている。また回転体53の下面の前記軸支部61の外側の所定位置には半径方向外方に向けて突出する小突起状のバネ抑え部67が設けられている。
【0020】
上ケース80は、金属板を略四角形状に形成した本体部81を有し、その外周辺から4枚の略矩形状の係止片83,83,85,85を突出し、これら係止片83,83,85,85の根元部分を90°下方向に屈曲させて構成されている。対向する一方の係止片83,83は同一形状であり、その中央部分に矩形状の係止孔83a,83aが形成されている。対向するもう一方の係止片85,85は同一形状であり、その先端辺の両端位置から一対の爪85a,85aを突出している。本体部81の中央には、円形の貫通孔からなるシャフト挿通孔87が形成されている。また本体部81の、前記下ケース10の一対の位置決め部27,27に対向する位置には、小孔からなる位置決め部89,89が形成されている。
【0021】
次に上記自動復帰機構ユニット1の組み立て方法を説明する。
自動復帰機構ユニット1を組み立てるには、まずシャフト付き回転体50の回転体53の下面側にコイルバネ40を装着する。このときコイルバネ40の挿通孔43にシャフト51の下側部分を挿入し、リング部45を一対のストッパ部兼バネガイド部63,63の内側に位置させると同時に、バネ抑え部67の上側に係止させる。同時にこのときコイルバネ40の両係止部41,41を回転側バネ係止部65,65の回転側バネ当接部65a,65aに当接する。
【0022】
次に、上記コイルバネ40を取り付けたシャフト付き回転体50の下側部分を、下ケース10の収納部15内に収納する。このとき、シャフト51の軸支部61が下ケース10のシャフト挿通孔19に回動自在に挿入・軸支される。同時に、コイルバネ40の両係止部41,41が、下ケース10の両バネ当接部21a,21aに当接する。即ち、コイルバネ40の両係止部41,41は、下ケース10の両バネ当接部21a,21aとシャフト付き回転体50の両回転側バネ当接部65a,65aにそれぞれ同時に当接しており、これによって、シャフト付き回転体50は、下ケース10に対して中立位置に保持される。またこのとき、下ケース10のシャフト挿通孔19の下側から係合凸部57が突出する。
【0023】
次に、前記シャフト付き回転体50の上側から上ケース80を被せ、その際、シャフト付き回転体50のシャフト51を上ケース80のシャフト挿通孔87に挿通し、上ケース80の本体部81の下面を下ケース10の側壁13の上端辺に当接する。このとき一対の係止孔83a,83aに下ケース10の一対の上ケース係止爪29,29が係止され、同時に一対の位置決め部89,89に一対の位置決め部27,27が挿入される。そして、上ケース80の一対の爪85a,85aを下ケース10の底面側に折り曲げる。これによって、自動復帰機構ユニット1が完成する。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0024】
一方、回転式スイッチ100は、図2図3に示すように、下ケース110と、下ケース110の内底面に設置されるスイッチ基板130と、下ケース110の内部に収納される回転体150と、回転体150の底面に取り付けられ前記スイッチ基板130の表面に形成したスイッチパターン131上を摺動する摺動子170と、回転体150などを収納した下ケース110の上面を覆うように取り付けられる上ケース190とを具備して構成されている。
【0025】
下ケース110には、前記スイッチ基板130のスイッチパターン131に電気的に接続された金属板製の3本の出力端子210が取り付けられている。回転体150は合成樹脂の成型品であり、その中央には上方向に突出する回転軸151が設けられている。また回転体150の下面中央からは下ケース110中央に設けた軸支孔111に挿入されて回転自在に軸支するための軸部153が突出している。回転軸151は、上ケース190に設けた軸支孔191から上方に突出し、その上面中央には係合凹部155が形成されている。係合凹部155は、前記シャフト51の係合凸部57を篏合する寸法形状に形成されている。また回転軸151の上端面は平面状の当接面157となっている。
【0026】
次に、自動復帰機構ユニット1の回転式スイッチ100への装着方法を説明する。自動復帰機構ユニット1を回転式スイッチ100に装着するには、回転式スイッチ100の回転軸151の上に自動復帰機構ユニット1を被せるように装着すればよい。このとき、自動復帰機構ユニット1のシャフト51の係合凸部57を、回転式スイッチ100の回転軸151の係合凹部155に篏合して両者を一体に結合すると同時に、シャフト51の当接面55を回転軸151の当接面157に当接して両者の回転軸方向の位置決めを行う。またこのとき、自動復帰機構ユニット1の下ケース10の一対の当接部材31,31を回転式スイッチ100の上ケース190の対向する外周側面190a、190aの外側に挿入して回転式スイッチ100を挟持し、これによって回転式スイッチ100に対する自動復帰機構ユニット1の回転方向への固定を行う。即ち、自動復帰機構ユニット1は、回転式スイッチ100上に被せるように設置するだけで、シャフト51と回転軸151が結合されると同時に、回転式スイッチ100に対して回転軸方向及び回転方向に位置決め・固定される。
【0027】
以上のようにして回転式スイッチ100上に取り付けた自動復帰機構ユニット1のシャフト51を前記コイルバネ40の付勢力に抗して回転すれば、シャフト51の回転に伴って回転軸151及び摺動子170が回転し、スイッチパターン131の電気的出力が変化し(この例の場合、オンオフ信号がオフからオンに変化し)、その出力が出力端子210から取り出される。
【0028】
シャフト51を回転した際、前記コイルバネ40の一方の係止部41が、シャフト付き回転体50の一方の回転側バネ当接部65aによってコイルバネ40を絞る方向に移動し、これによって、シャフト51には元の中立位置に戻る方向の付勢力が働く。なお、シャフト51の回転角度は、回転体50のストッパ部兼バネガイド部63のストッパ用当接部63aが下ケース10のバネ係止部21のストッパ当接部21bに当接することで制限される。
【0029】
そして前記付勢力に抗したシャフト51の回転を解除すれば、コイルバネ40の弾発力によって、シャフト付き回転体50は元の中立位置に自動復帰し、スイッチパターン131の電気的出力が元の状態に変化し(この例の場合、オンオフ信号がオンからオフに変化し)、その出力が出力端子210から取り出される。
【0030】
以上説明したように、上記自動復帰機構ユニット1は、回転式スイッチ100の回転軸151の上部に装着される上下ケース(ユニット本体部)80,10と、上下ケース80,10内に回転自在に保持されるシャフト51と、上下ケース80,10内に保持されシャフト51を所定の回転位置に自動復帰させるコイルバネ40と、を有し、シャフト51の一端(下端)に、回転式スイッチ100の回転軸151の一端(上端)を連結する係合凸部(シャフト結合部)57を設けて構成されている。
【0031】
そして上記自動復帰機構ユニット1によれば、回転式スイッチ100とは別体で自動復帰機構ユニット1を構成したので、この自動復帰機構ユニット1を回転式スイッチ100に装着するだけで、回転式スイッチ100に容易に自動復帰機能を持たせることができる。これによって、1種類又は少ない種類の自動復帰機構ユニット1によって、低コストで、各種構成の回転機器に自動復帰機能を持たせることができる。
【0032】
また、上記自動復帰機構ユニット1によれば、シャフト51の端面の中央部分を突出して回転式スイッチ100の回転軸151の端面に設けた係合凹部155内に挿入される係合凸部(シャフト結合部)57を構成したので、回転式スイッチ100の回転軸151の上部に自動復帰機構ユニット1を設置するだけで、回転軸151の係合凹部155にシャフト51の係合凸部57を結合できる。即ち、自動復帰機構ユニット1の回転式スイッチ100への装着を容易に行うことができる。
【0033】
また、シャフト51の端面の係合凸部57の周囲部分を、回転式スイッチ100の回転軸151の端面の係合凹部155の周囲部分(当接面157)に当接する当接面55としたので、両当接面55,157を当接することで、回転式スイッチ100に装着する自動復帰機構ユニット1の回転軸方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0034】
また、自動復帰機構ユニット1側のシャフト51に係合凸部57を設けたので、当該シャフト51の外径寸法が大きくなることを防止できる。即ち、もし当該シャフト51に係合凹部を設けるとした場合は、係合凹部周囲の肉の厚みの強度を持たせるためにシャフト51の外径寸法を大きくする必要が生じてしまう。
【0035】
また上記自動復帰機構ユニット1は、下ケース10の底面から、回転式スイッチ100の外周側面に当接して当該回転式スイッチ100に対する下ケース10の回転を阻止する一対の当接部材31,31を延出して設けているので、回転式スイッチ100の回転軸151の上部に自動復帰機構ユニット1を設置するだけで、回転式スイッチ100に対する自動復帰機構ユニット1の回転方向への固定を行うことができる。即ちこの点からも、自動復帰機構ユニット1の回転式スイッチ100への装着を容易に行うことができる。
【0036】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記実施形態では、付勢力付与手段としてコイルバネを用いたが、圧縮スプリングや板バネなどの他の各種付勢力付与手段を用いても良い。また上記実施形態では、当接部材を下ケースの底面から延出したが、その代わりに、下ケースの側面または上ケースの側面から延出するように構成しても良い。また上記実施形態では、回転機器として回転式スイッチを用いた例を説明したが、回転式可変抵抗器などの他の各種回転機器に対しても同様に本発明を適用することができる。また上記実施形態では、上下ケースによってユニット本体部を構成したが、シャフトを回転自在に保持し、また付勢力付与手段を保持できる構成であればどのような構造のユニット本体部であっても良い。また上記実施形態では、シャフトと回転体を一体に構成したが、両者は別部品で構成しても良い。また上記実施形態では、付勢力付与手段によってシャフトを中立位置に自動復帰させる構成としたが、自動復帰させる位置は必ずしも中立位置でなくても良く、一方の回転終了位置など、所定の回転位置であればよい。またシャフトを付勢力付与手段によって所定の回転位置に自動復帰させることができる構成であれば、回転体は省略しても良い。またシャフト結合部の構造も、シャフトの一端と回転機器の回転軸の一端とを連結する構成であれば、種々の変更が可能である。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0037】
1 自動復帰機構ユニット
10 下ケース(ユニット本体部)
31 当接部材
40 コイルバネ(付勢力付与手段)
50 シャフト付き回転体
51 シャフト
53 回転体
55 当接面
57 係合凸部(シャフト結合部)
80 上ケース(ユニット本体部)
100 回転式スイッチ(回転機器)
151 回転軸
155 係合凹部
157 当接面
図1
図2
図3
図4
図5