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  • 特許-打栓装置および打栓方法 図1
  • 特許-打栓装置および打栓方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】打栓装置および打栓方法
(51)【国際特許分類】
   B67B 3/26 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
B67B3/26
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019210473
(22)【出願日】2019-11-21
(65)【公開番号】P2021080000
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】390029090
【氏名又は名称】靜甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117190
【弁理士】
【氏名又は名称】前野 房枝
(72)【発明者】
【氏名】望月 志緒莉
(72)【発明者】
【氏名】井▲柳▼ 篤
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-149144(JP,A)
【文献】特開平01-023988(JP,A)
【文献】特開2000-159292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67B 3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カム駆動機構により昇降可能とされたキャップ保持体のストローク内に、下位から、打栓を施す容器の口元が位置する容器口元位置、キャップを前記キャップ保持体へ供給するキャップ供給手段が進退可能とされたキャップ供給位置、前記キャップを前記キャップ供給位置から上方へ離間させて保持するキャップ保持位置、そして、待機位置を設定し、前記キャップ保持体の昇降動作によって、前記キャップ供給位置へ供給されたキャップを、前記容器口元位置に臨む容器の口元部に載置するとともに、前記容器の口元部に載置された前記キャップに対し、エアシリンダによって打栓圧を付与するように構成された打栓装置であって、
前記エアシリンダに対する打栓エアの供給のON/OFFの切換え手段と、前記打栓エアの供給のON時において、前記キャップ保持体の昇降動作に前記エアシリンダのシリンダロッドが追従可能な微圧の打栓エアを供給する微圧エアモードと、前記シリンダロッドを介して前記キャップに前記打栓圧を付与可能な巨圧の打栓エアを供給する巨圧エアモードとの切換え手段とを備えたエア回路と、
前記容器の口元部に前記キャップが載置されるタイミングを契機に前記微圧エアモードから前記巨圧エアモードに切換えるように制御する打栓駆動制御手段と
を備えることを特徴とする打栓装置。
【請求項2】
カム駆動機構により昇降可能とされたキャップ保持体に保持されたキャップに対し、エア駆動機構により昇降するエアシリンダのシリンダロッドによって打栓圧を付与して打栓を行う打栓方法であって、
打栓駆動制御手段により、
昇降自在に配設された主軸の下端部に配設された前記キャップ保持体を、ストローク内に形成された待機位置からキャップ供給手段が進退可能とされたキャップ供給位置へ移動させてキャップを受取り、前記キャップ供給位置の上方のキャップ保持位置へ移動させて前記キャップを前記キャップ保持体に保持し、下位の容器口元位置へ移動させて前記キャップを容器支持部に位置する容器の口元部に載置して打栓に供し、打栓完了後に再度待機位置へ戻すように、前記カム駆動機構を制御するとともに、
前記キャップ保持体が前記待機位置から容器口元位置へ移動する間に微圧の打栓エアを前記エアシリンダに供給して前記キャップ保持体の昇降動作に前記シリンダロッドを追従させ、前記容器口元位置において容器の口元部に前記キャップが載置されるタイミングで前記シリンダロッドを介して前記キャップに前記打栓圧を付与可能な巨圧の打栓エアを前記エアシリンダに供給して打栓を行い、打栓完了後、前記待機位置へキャップ保持体が移動する間は打栓エアを開放するように、エア駆動機構を制御することを特徴とする打栓方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カム機構により昇降するキャッピングヘッドに保持されたキャップを、容器の口元部に対しエアシリンダを用いて荷重を掛けて押し込む打栓装置および打栓方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、容器にキャップを取付ける打栓装置として、キャップを保持するチャックを備えたキャップチャックがコンベア等の容器支持部の上方において昇降可能に支持されており、打栓時には、チャックでキャップを保持したキャップチャックを下降させ、容器支持部に配置された容器の口元部にキャップを押し込んで装着(以下、「打栓」という)する打栓装置が用いられている。
【0003】
この打栓装置の具体的なものとして、キャップチャックを昇降させるための構成としてはカムとカムフォロアからなるカム機構を用い、キャップ供給機構からキャップを保持する際と、保持したキャップを容器の口元部へ配置する際の前記キャップチャックの昇降量を設定するとともに、容器の口元部にキャップが接触したタイミングで、エアシリンダの駆動により打栓に十分な荷重(打栓圧)をかけるように構成された装置がある(上記カム機構については特許文献1を、エアシリンダを用いた打栓圧付与については特許文献2を参照のこと。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-314235号公報
【文献】特開2004-210389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、キャップチャックの昇降に関するメカ駆動と、容器の口元部に配置されたキャップに対して適切な打栓圧を掛けるためのエア駆動とを組み合わせた従来の打栓装置においては、キャップチャックは、カム機構により、最上位の待機位置から、ストローク内中間部に設けられるキャップ供給機構のキャップ供給位置へ下降してキャップを保持した状態で、一旦、キャップをキャップ供給機構から取り外し、キャップ供給機構が後退可能な位置へ上昇し、その後、保持したキャップを下位の容器の口元部にキャップを載置可能な位置まで下降し、当該位置において打栓後、再び前記待機位置へ上昇する動作を繰り返す(図1参照)。そして、エアシリンダは、キャップチャックがキャップを容器の口元部へ載置したと同時にキャップを押し込むように動作することが望ましい。
【0006】
しかしながら、キャップチャックがキャップを容器の口元部へ載置するタイミングに合わせてキャップを押し込むエアシリンダは、キャップチャックがキャップを保持した状態で一旦上昇している間は動作できず、しかも、エアシリンダのストロークはキャップチャックの昇降範囲以上の長さを要するため、キャップが容器の口元部へ載置されてからそのキャップの押し込みが開始されるまでもタイムラグが発生し、押込時間が長くなり、打栓能力が上がらないという問題点があった。
【0007】
また、前述の構成の打栓装置においてエア駆動とカム駆動との速度差を調整することは困難であり、しかも、その困難な調整は容器やキャップ、能力などに変更がある度に必要であった。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、容器の口元部にキャップを押し込むための時間を低減し、打栓能力を向上させることができ、しかも調整が簡便な打栓装置と打栓方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、本発明の打栓装置は、カム駆動機構により昇降可能とされたキャップ保持体のストローク内に、下位から、打栓を施す容器の口元が位置する容器口元位置、キャップを前記キャップ保持体へ供給するキャップ供給手段が進退可能とされたキャップ供給位置、前記キャップを前記キャップ供給位置から上方へ離間させて保持するキャップ保持位置、そして、待機位置を設定し、前記キャップ保持体の昇降動作によって、前記キャップ供給位置へ供給されたキャップを、前記容器口元位置に臨む容器の口元部に載置するとともに、前記容器の口元部に載置された前記キャップに対し、エアシリンダによって打栓圧を付与するように構成された打栓装置であって、前記エアシリンダに対する打栓エアの供給のON/OFFの切換え手段と、前記打栓エアの供給のON時において、前記キャップ保持体の昇降動作に前記エアシリンダのシリンダロッドが追従可能な微圧の打栓エアを供給する微圧エアモードと、前記シリンダロッドを介して前記キャップに前記打栓圧を付与可能な巨圧の打栓エアを供給する巨圧エアモードとの切換え手段とを備えたエア回路と、前記容器の口元部に前記キャップが載置されるタイミングを契機に前記微圧エアモードから前記巨圧エアモードに切換えるように制御する打栓駆動制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
例えば、前記エア回路は、前記微圧エアモードに作用する微圧エア回路と前記巨圧エアモードに作用する巨圧エア回路とを別経路で備え、両回路を切換え手段により切換え可能に構成することができる。
【0011】
そして、カム駆動機構により昇降可能とされたキャップ保持体に保持されたキャップに対し、エア駆動機構により昇降するエアシリンダのシリンダロッドによって打栓圧を付与して打栓を行う打栓方法であって、打栓駆動制御手段により、昇降自在に配設された主軸の下端部に配設された前記キャップ保持体を、ストローク内に形成された待機位置からキャップ供給手段が進退可能とされたキャップ供給位置へ移動させてキャップを受取り、前記キャップ供給位置の上方のキャップ保持位置へ移動させて前記キャップを前記キャップ保持体に保持し、下位の容器口元位置へ移動させて前記キャップを容器支持部に位置する容器の口元部に載置して打栓に供し、打栓完了後に再度待機位置へ戻すように、前記カム駆動機構を制御するとともに、
前記キャップ保持体が前記待機位置から容器口元位置へ移動する間に微圧の打栓エアを前記エアシリンダに供給して前記キャップ保持体の昇降動作に前記シリンダロッドを追従させ、前記容器口元位置において容器の口元部に前記キャップが載置されるタイミングで前記シリンダロッドを介して前記キャップに前記打栓圧を付与可能な巨圧の打栓エアを前記エアシリンダに供給して打栓を行い、打栓完了後、前記待機位置へキャップ保持体が移動する間は打栓エアを開放するように、エア駆動機構を制御することを特徴とする。
【0012】
このように構成されたエア回路を備えた打栓装置や打栓方法によれば、エアシリンダに対して前記キャップ保持体のカム駆動を阻害しない程度の微圧の打栓エアを供給し、前記キャップ保持体の昇降動作に追従させることで、シリンダロッドのストロークの長さを考慮する必要が無く、前記容器の口元部に前記キャップが載置される時には、巨圧の打栓エアを供給することで、前記シリンダロッドを介して前記キャップに瞬時に前記打栓圧を付与することができるので、従来、容器の口元部にキャップを押し込むために要していた無駄な時間を限りなく低減することができ、よって、打栓能力も向上させることができる。
【0013】
そして、従来のように、容器やキャップの変更および/または能力の変更の度ごとにカム駆動とエア駆動の速度差を考慮して調整を行なうことも必要無く、該装置の調整も簡便となる。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明の打栓装置ならびに打栓方法によれば、容器の口元部にキャップを押し込むための時間を低減することができ、打栓能力も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の打栓装置の一実施形態における駆動構造を示す説明図
図2】本発明の打栓装置の一実施形態におけるエア回路図
図3】本発明の打栓方法の一実施形態並びに従来の打栓方法を比較した一打栓における制御・動作のタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る打栓方法を実施する打栓装置の一実施形態について説明する。
【0017】
本実施形態の打栓装置1は、筐体2を貫通させて鉛直、かつ、昇降自在に配置された主軸3を備えている。主軸3の下端にはキャップCを保持するためのキャップ保持体4が配設されている。
【0018】
筐体2の上面であって、主軸3の上端部が突出する部分には、エア駆動機構100を構成するエアシリンダ5を備えている。
【0019】
エアシリンダ5は、筐体2の上面に設けられた枠体6に載置されており、枠体6内に設けられた空間部7において下方へ向けて位置させたシリンダロッド8を昇降させ、シリンダロッド8の下端部に設けられた押圧部9を主軸3の上端部と当接させることで、キャップCに対して打栓圧を付与可能に構成されている。
【0020】
また、筐体2には、キャップ保持体4に保持されたキャップCを容器支持手段(不図示)により支持された容器(不図示)の口元部に接離させるべく、主軸3をカム駆動により昇降させるカム駆動機構200が設けられている。
【0021】
カム駆動機構200は、筐体2に枠体6と並設されたステージ11上に、駆動源としてのエンコーダ付きのサーボモータ12を備えており、下方へ向けて位置させた出力軸13にはカップリング14等により偏芯を抑制しつつ連接された回転軸15が筐体2内において軸受16により回転自在に配設されている。この回転軸15の外周には、周壁上面をカム端面17aとする円筒状のカム部材17がサーボモータ12の駆動により回転する回転軸15とともに回転するように嵌着されている。また、筐体2内には、カム駆動機構200を構成し、サーボモータ12の回転力をキャップ保持体4の昇降の駆動力として伝達する板状の揺動アーム部材18が一端部を支点として揺動自在にアーム揺動支持部10に軸支されている。揺動アーム部材18の他端部は主軸3の中間部に連結部材19により揺動自在に軸支されている。そして、揺動アーム部材18の中間部には、カム端面17aに摺接する接触子としてのローラ20が回転自在に配設されている。
【0022】
そして、本実施形態の打栓装置1は、カム駆動機構200により昇降可能とされたキャップ保持体4のストローク中に、図1に示すように、下位から、容器支持部に供給された容器の口元が位置する容器口元位置L1、キャップCをキャップ保持体4へ供給するキャップ供給手段(不図示)が進退可能とされたキャップ供給位置L2、キャップCをキャップ供給位置から上方へ離間させて保持するキャップ保持位置L3、そして、その上に待機位置L4が設定されている。そして、本実施形態の打栓装置1は、サーボモータ12の駆動により回転する回転軸15に設けられたカム部材17が回転し、そのカム端面17aと摺接するローラ20が上下運動し、揺動アーム部材18がアーム揺動支持部10に軸支された一端部を支点として揺動することで、他端部が連接された主軸3を上下に移動させ、キャップ保持体4をL1からL4の4つの各位置を所定の順に停止させるとともに、エア駆動機構100としてのエアシリンダ5の駆動を適宜制御して、主軸3の下方の容器支持部(不図示)に供給される容器の口元部にキャップCを打栓する制御を行う打栓駆動制御手段300を備えている。
【0023】
より詳しくは、打栓駆動制御手段300は、1つの容器に対する打栓作業の設定時間内に、サーボモータ12の駆動を制御し、カム駆動機構200を用いてキャップ保持体4を待機位置L4からキャップ供給位置L2へ降下させてキャップCを掴み、その状態で、キャップ保持体4をキャップ保持位置L3へ上昇させてキャップCを前記キャップ供給手段から上方へ離間させて保持し、再び、キャップ保持体4を下降させ、容器口元位置L1において、前記容器支持部に位置する容器の口元部にキャップCを載置するように制御する。
【0024】
また、打栓駆動制御手段300は、エア駆動機構100を構成するエアシリンダ5に対する打栓用のエア(以下、打栓エア)の供給のON/OFF、並びに、そのON時においては打栓エアのエア圧を微圧と巨圧とで適宜切換え、容器の口元部にキャップCを載置したタイミングで前記キャップCに打栓圧を付与し、短時間で適切な打栓を行い、再び、キャップ保持体4を待機位置L4へ戻すように制御する。
【0025】
ここで、図2は本実施形態の打栓装置1におけるエア駆動機構100を構成するエアシリンダ5のエア回路図である。エア回路は、エアシリンダ5に打栓エアを供給するONと、打栓エアを開放するOFFとを切替え可能とするとともに、ON時には、エアシリンダ5に対し、カム駆動機構200による主軸3の昇降動作を阻害せず、キャップ保持体4の昇降動作にシリンダロッド8を追従させることができる程度のエア圧(微圧)を供給する微圧エアモードと、エアシリンダ5に対し、容器支持部に配置された容器の口元部に、所定の時間内にキャップCを押し込み、打栓するのに必要十分なエア圧(巨圧)を打栓圧として供給する巨圧エアモードとを切替え可能に構成されている。
【0026】
具体的には、エア回路は、前記微圧エアモードに作用する微圧エア回路35と前記巨圧エアモードに作用する巨圧エア回路36とを切換え可能に接続されたモード切替部41と、このモード切替部41とエアシリンダ5との間に接続され、エアシリンダ5に対するエアのON/OFF(給排)を切替える給排切替部42とを有している。微圧エア回路35や巨圧エア回路36にはそれぞれ減圧弁(レギュレータ)45や圧力計46が配設されており、エアシリンダ5と給排切替部42にはエアの逃がし口に、消音器(サイレンサ)48が適宜設けられている。
【0027】
以下では、図3および図4のタイミングチャートを用い、上記構成の打栓装置1による本実施形態の打栓方法について説明する。なお、図3および図4のタイミングチャートの上部ブロックには、エア駆動機構100の打栓エアの供給に関するタイミングを示し、下部ブロックには、カム駆動機構200のカム曲線と、キャップ保持体4並びにエアシリンダ5のシリンダロッド8の昇降のタイミングを示している。また、図3中、実線は本実施形態の打栓装置の駆動制御における動作や駆動を示し、二点鎖線は、比較のために、従来の打栓装置における駆動制御における動作や駆動を示している。
【0028】
図3に示すように、本実施形態の打栓装置1の一打栓動作の初期においては、打栓駆動制御手段300によるサーボモータ12の回転制御によりカム部材17を回転させ、カム端面17aと摺接するローラ20を介して揺動アーム部材18を筐体に軸支された一端部を支点として揺動させ、他端部が連接された主軸3を上昇させて、キャップ保持体4を待機位置L4に位置させる。このとき、打栓駆動制御手段300によるエア駆動機構100のエア回路の制御(具体的には、給排切替部42を制御してエアシリンダ5の打栓エアを開放し、シリンダロッド8をフリー状態とすること)により、押圧部9を上昇移動する主軸3の上端部に当接させ、キャップ保持体4の移動に追従させる(ステップST1)。
【0029】
また、本実施形態の打栓装置1においては、キャップ保持体4がキャップ供給位置L2に下降する前に、前記キャップ供給手段から送られるキャップCをキャップ保持体4のストローク内におけるキャップ供給位置L2において受渡し可能に配置させておく。
【0030】
そして、打栓駆動制御手段300によるサーボモータ12の回転制御により、カム部材17を回転させ、揺動する揺動アーム部材18を介して主軸3を下降させ、キャップ保持体4をキャップ供給位置L2に移動させ、前記キャップ供給手段からキャップCを受け取らせる。
【0031】
このとき、打栓駆動制御手段300によるエア駆動機構のエア回路の制御により、モード切替部41は微圧モードに設定し、給排切替部42を給気可能な状態に切替えることにより、エアシリンダ5に打栓エアとしての微圧を供給し、シリンダロッド8の押圧部9を主軸3の上端部に微圧をもって当接させ、キャップ保持体4の移動に追従させる(ステップST2)。
【0032】
さらに、打栓駆動制御手段300によるサーボモータ12の回転制御により、カム部材17を回転させ、カム端面17aと摺接するローラ20を介して揺動アーム部材18を筐体2のアーム揺動支持部10に軸支された一端部を支点として揺動させ、他端部が連接された主軸3を若干上昇させ、キャップ保持体4をキャップ保持位置L3に上昇移動させ、キャップCを前記キャップ供給手段から離間させて保持する。
【0033】
このとき、打栓駆動制御手段300によるエア駆動機構のエア回路の制御により、モード切替部41は微圧モードとし、給排切替部42を給気可能な状態のまま維持し、エアシリンダ5に打栓エアとしての微圧を供給し続け、シリンダロッド8の押圧部9を主軸3の上端部に微圧をもって当接させ、キャップ保持体4の移動に追従させる(ステップST3)。
【0034】
また、キャップ保持体4がキャップ保持位置L3へ移動する際、前記キャップ供給手段はキャップ保持体4のストローク内から退避し、次のキャップCの供給準備を行なう。
【0035】
続いて、打栓駆動制御手段300によるサーボモータ12の回転制御により、カム部材17を回転させ、カム端面17aと摺接するローラ20を介して揺動アーム部材18を筐体2のアーム揺動支持部10に軸支された一端部を支点として揺動させ、他端部が連接された主軸3を下降させ、キャップ保持体4を容器口元位置L1へ下降移動させ、キャップCを容器の口元部に載置する。
【0036】
このとき、打栓駆動制御手段300によるエア駆動機構のエア回路の制御により、モード切替部41は微圧エアモードとし、給排切替部42を給気可能な状態のまま維持し、エアシリンダ5に打栓エアとしての微圧を供給し続け、シリンダロッド8の押圧部9を主軸3の上端部に微圧をもって当接させ、キャップ保持体4の移動に追従させる(ステップST4)。
【0037】
そして、本実施形態の打栓装置においては、このキャップCの容器の口元部への載置を契機として、打栓駆動制御手段300によるエア駆動機構のエア回路の制御により、モード切替部41は巨圧エアモードに切替え、給排切替部42を給気可能な状態とすることにより、エアシリンダ5に打栓エアとして、打栓圧となる巨圧を供給し、シリンダロッド8の押圧部9を主軸3の上端部に巨圧をもって当接させることにより、キャップCを容器の口元部に押込み、打栓を行なう(ステップST5)。
【0038】
図3中、h5に示されているのは、このときの押込み量(打栓量)である。また、キャップ保持体4は、打栓圧によりカム駆動機構200に負荷がかかることを防止するべく、図3中、h6に示すように、キャップ保持体4の昇降範囲の最下位置との間に若干の間隙を形成するようにその移動量を調整する。そして、本実施形態においては、キャップCを容器の口元部に巨圧をもって当接させた状態を所定時間を保持することで打栓を確実なものとする。
【0039】
打栓完了後、打栓駆動制御手段300は、後続の容器に対する打栓を行なうべく、前述のステップST1に戻り、カム駆動機構200並びにエア駆動機構100を制御する。
【0040】
このように、本実施形態の打栓装置1を用いた打栓方法によれば、図3及び図4において、h1乃至h3に示す昇降の移動量が等しいことで明らかなように、打栓エアが開放され又は微圧エアモードの場合は、エアシリンダ5のシリンダロッド8をキャップ保持体4に追従させておき、前記容器の口元部に前記キャップが載置されたときに、エアシリンダ5に供給する打栓エアを微圧エアモードから巨圧エアモードに切りかえて供給することで、キャップ保持体4に追従しているエアシリンダ5のシリンダロッド8を介してキャップCに瞬時に前記打栓圧を付与することができるので、従来、容器の口元部にキャップCを押し込むために要していた無駄な時間を限りなく低減することができ、よって、打栓能力も向上させることができる。
【0041】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できる。
【0042】
例えば、サーボモータ12の出力軸13の回転運動を主軸3の直線運動に変換するカム駆動機構200の構成は前述の構成に限らない。例えば、回転軸15をボールねじから構成し、このボールねじの外周に嵌着され、回転軸15の回転により昇降自在とされたスライダを用い、アーム部材を揺動させるような構成も可能である。また、キャップ保持体4は、不図示のキャップ供給手段から供給されるキャップCを、容器の口元部に嵌着させる開口部を下方に向けた状態で把持する装置であり、リンクや楔等によるメカニカル式や、バキューム式、エアチューブ式等の慣用のキャップCの保持手段を使用することができる。本実施形態においては、その詳細な説明は省略する。
【0043】
また、前記容器保持手段は、打栓中における口元部の妄動を防止することができるものであればよい。例えば、容器の搬送経路上におけるキャップ打栓装置の配置位置、すなわち、打栓作業位置に配設され、搬送供給される容器を挟持するグリッパのようなものであってもよい。軟質の本体部を有するスクイーズボトルを容器として用いる場合には、口元部にネックリングを凸設するとともに、打栓中における口元部の位置がブレないように前記ネックリングを用いて支承し、かつ、口元部にかかる打栓の押圧を受けるためのネックグリッパを容器保持手段として設ければよい。
【符号の説明】
【0044】
100 エア駆動機構
200 カム駆動機構
300 打栓駆動制御手段
C キャップ
1 打栓装置
2 筐体
3 主軸
4 キャップ保持体
5 エアシリンダ
6 枠体
7 空間部
8 シリンダロッド
9 押圧部
10 アーム揺動支持部
11 ステージ
12 サーボモータ
13 出力軸
14 カップリング
15 回転軸
16 軸受
17 カム部材
17a カム端面
18 揺動アーム部材
19 連結部材
20 ローラ
35 微圧エア回路
36 巨圧エア回路
41 モード切替部
42 給排切替部
45 減圧弁(レギュレータ)
46 圧力計
48 消音器(サイレンサ)
L1 容器口元位置
L2 キャップ供給位置
L3 キャップ保持位置
L4 待機位置
図1
図2
図3