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特許7317369使用者の動きを検出し、当該動きを仮想空間内に反映させる装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】使用者の動きを検出し、当該動きを仮想空間内に反映させる装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
G06F3/01 510
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019563690
(86)(22)【出願日】2018-02-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2018053233
(87)【国際公開番号】W WO2018146231
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2021-01-27
(31)【優先権主張番号】102017102422.0
(32)【優先日】2017-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102017110186.1
(32)【優先日】2017-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519287301
【氏名又は名称】サイバーシューズ・ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100097043
【弁理士】
【氏名又は名称】浅川 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100128071
【弁理士】
【氏名又は名称】志村 正樹
(72)【発明者】
【氏名】ビーグルマイヤー マイケル
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-505574(JP,A)
【文献】特許第5510910(JP,B1)
【文献】特表2009-528879(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0295140(US,A1)
【文献】米国特許第05524637(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0111670(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0237378(US,A1)
【文献】特開2001-256511(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0003915(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の動きを検出するシステムに使用するサイバーフットカバーであって、
このシステムの使用者の足の動きを追う1つ以上のセンサまたは少なくとも1つのマーカーを収容することに対応したフットカバーと、
前記フットカバーを、前記システムの前記使用者の脚に対して装着可能とする締結手段と、
滑らかな丸みを帯びた底面を持つソールと、を有し、
前記ソールの底面は、前記システムの前記使用者の前記足が連続的に回転摺動できるように、前記底面の全縁辺に向かい湾曲しており、
前記システムの使用者がシートに着座した際、前記フットカバーのソールの湾曲が、少なくとも長手方向または横方向のどちらかにおいて前記シートの設計に合うようになっており、
前記システムの使用者が脚を動かす際に、前記足の動きが滑らかに回動し、前記システムの使用者の高い着座位置により前記システムの使用者の着座の安定が実現するサイバーフットカバー。
【請求項2】
前記ソールは、長手方向において、前方領域と、後方領域とを有し、
前記ソールの底面に沿って前記底面の縁辺に向かう前記ソールの曲率半径が、前記後方領域よりも前記前方領域において大きいことを特徴とする、請求項1に記載のサイバーフットカバー。
【請求項3】
前記ソールは、前記ソールの底面に沿った横方向において側方領域と、前記側方領域の間で中央に配置される中央領域を有し、
前記ソールの前記側方領域は、前記中央領域よりも湾曲している底面を有し、該湾曲は、前記ソールの底面に沿って、前記側方領域の底面全縁辺に向かい湾曲していることを特徴とする、請求項1または2に記載のサイバーフットカバー。
【請求項4】
前記ソールの前記側方領域は、前記中央領域よりも摩擦係数が高くなるように配置されることを特徴とする請求項3に記載のサイバーフットカバー。
【請求項5】
前記側方領域には、前記ソールの底面に沿って長手方向に延在し、前記ソールから突出する長手方向リブが設けられていることを特徴とする、請求項3または4に記載のサイバーフットカバー。
【請求項6】
前記ソールは、金属とプラスチック製の少なくともどちらかである滑らかなソールであり、サイバーフットカバーを滑らかな面で使用する時には、前記ソールを織物で覆うことに適応することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のサイバーフットカバー。
【請求項7】
前記サイバーフットカバーは、さらに、前記1つ以上のセンサを含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のサイバーフットカバー。
【請求項8】
前記1つ以上のセンサは、1つ以上の、近接センサ、負荷センサ、位置センサ、加速度センサ、ジャイロメーター、磁気センサ、光学センサのうちの、少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項7に記載のサイバーフットカバー。
【請求項9】
前記1つ以上のセンサの少なくとも1つは、前記サイバーフットカバーに配置あるいは前記サイバーフットカバーの外部に配置される、光学センサと位置センサの少なくとも1つからなり、少なくとも1つの前記光学センサと前記位置センサは、前記システムの使用者の長手方向軸周りの足の回転運動を検出するように構成されていることを特徴とする、請求項8に記載のサイバーフットカバー。
【請求項10】
前記1つ以上のセンサの少なくとも1つは、圧力センサと前記近接センサの少なくとも1つからなり、少なくとも1つの前記圧力センサと前記近接センサは、前記システムの使用者の前後移動、横方向移動、回転移動または曲線に沿う歩行のうち、前記システムの使用者が希望する動きを判断するよう、前記サイバーフットカバーに配置されていることを特徴とする、請求項8または9に記載のサイバーフットカバー。
【請求項11】
使用者の足の動きを検出し、当該動きを仮想空間に反映させるシステムであり、
請求項1から10のいずれかに記載の、少なくとも1つのサイバーフットカバーを備え、
前記システムは、前記少なくとも1つのサイバーフットカバーの前記1つ以上のセンサが検出した前記足の動きを、前記仮想空間内の仮想アバターによる、方向および速度が同一の同期した運動に変換するように構成されている、システム。
【請求項12】
前記システムは、さらに、前記システムの使用者が着座するシートを備え、前記サイバーフットカバーのソールの湾曲が、少なくとも長手方向または横方向のどちらかにおいて前記シートの設計に合うようになっていて、
前記システムの使用者が脚を動かす際に、前記足の動きが滑らかに回動し、前記システムの使用者の高い着座位置により前記システムの使用者の着座の安定が実現することを特徴とする、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムは、さらに、前記シートに支持部材を有し、
前記システムの使用者が着座可能な着座部を備え、
前記着座部が、前記支持部材の上部に取り付け可能で、
前記着座部の荷重が、前記支持部材の、垂直配置された長手軸に実質的に沿って受けられて、地面に向けて下方に送られるように構成され、
前記シートが、前記地面に対して回転可能に配置され、
前記シートが、前記システムの使用者の膝から脚の先端までの脚の動きを可能とするよう構成されていることを特徴とする、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記シートが、前記システムの使用者の着座位置を高くすることに対応し、着座している前記システムの使用者のわずかな角度の脚の動きにより歩行感覚を実現することを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記着座部は、前記システムの使用者の上腿が、前記着座部上に実質的に置かれないような形状となることを特徴とする、請求項13または14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の動きを検出し、当該動きを仮想空間に反映させる装置に関する。装置は、地面に対して回転可能で、装置の使用者が着座可能なシートを備え、シートは、装置の使用者の、少なくとも膝から脚の先端までの脚の動きを可能とするように設計される。装置は、さらに装置の使用者の足の動きを検出するセンサを備える。本発明はさらに、使用者の動きを検出し、当該動きを仮想空間に反映させるシステムに関する。システムは、本発明の装置を備え、センサが検出した足の動きを、仮想空間内の仮想アバターによる、方向および速度が同一の、同期した運動に変換するように構成され、これによって仮想アバターを表示手段に表示された仮想空間に表現することができる。
【背景技術】
【0002】
米国特許第9,329,681 B2号に、使用者の動きを検出し、その動きを仮想空間内の動きに反映するシステムが開示されている。当該システムにおいて、使用者は歩行により直立状態で移動できる。このシステムは主に、システム使用者にとって接触面となる凹形状のベースを有する下部構造と、システムの使用者の骨盤領域を固定、安定させるフレームとからなる。骨盤領域は、骨盤に巻くベルトで固定される。これにより、使用者は、高い安心感を得られる。
【0003】
しかし、米国特許第9,329,681 B2号により公知のシステムの場合、フレームとベルトにより、システムの「利用開始」および「利用終了」が極めて不便で時間がかかるという点が認められる。
【0004】
米国特許第5,515,078 A号に、位置情報を取得し、当該位置情報に基づいて仮想空間を表示するシステムが開示される。このシステムは、コンピュータと、ベースと、椅子とを有する。システムの使用者が椅子のパーツのベースに対する位置を変えることができる。その変化は、測定装置により記録される。システムはさらに、椅子に取り付けられ、椅子とともに動くモニターを有する。椅子またはモニターにはジョイスティックが取り付けられる。ジョイスティックと位置測定装置により取得された信号は、プロセッサにより評価され、モニターに表示された仮想空間内に反映される。
【0005】
したがって、米国特許第5,515,078 A号により公知のシステムは、直接システムの使用者の動きを記録するのではなく、使用者の位置を変える椅子の要素またはジョイスティックの動きを記録する。システムの使用者が仮想身体/アバターに入り込むことを没入感というが、この構造においては、没入感が感じられたとしても些細なものであろう。
【0006】
独国実用新案20 2007 011 704 U1号に、平面的または三次元的物体を制御する装置が開示されている。物体は、センサ装置によって、ディスプレイに表示可能なものである。センサ装置は、ユーザおよび/またはユーザの足の動き、またはユーザおよび/またはユーザの足によりシートにかけられた負荷を検出する。具体的には、センサ装置は動き、位置、高さ、加速度、および/またはシート面の傾斜、および/またはユーザの足の各種位置または向きを検出するように構成される。足の位置および向きを記録するセンサ装置は、三次元揺動可能な揺り椅子により実現される。当該揺り椅子の姿勢は、足にかける圧力を変えることで変化する。
【0007】
したがって、この装置でも装置使用者の動きが直接検出されるのではなく、使用者を動かす要素の動きが検出される。上記システムと異なり、足も入力装置として使用できるという利点がある。ただし、足がセンサ装置に載っている場合のみである。足がセンサ装置に載っていない状態の足の動きについては言及されていない。揺り椅子は足とともに動けないのである。このシステムでも、システムの使用者が没入感を感じたとしても、せいぜい些細なものだろう。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、装置の使用者の動きを検出する装置を提供することである。装置において、使用者の動き、特に使用者の脚または足の動きは直接検出される。さらに身体の部位を拘束するような固定手段の使用は避けられる。それでいて、装置の使用者のあらゆる手足の動きの自由度は大きくなる。
【0009】
本発明によると、本発明の目的は、ある装置によって解決される。その装置は、支持部材を有するシートを備え、装置の使用者が着座可能な着座部が、支持部材の上部に取り付け可能であり、着座部の荷重を、支持部材の、垂直配置された長手軸に実質的に沿って受け、地面に向け下方に送るように構成される。シートは、地面に対して回転可能に配置され、装置の使用者の、少なくとも膝から脚の先端までの、脚の動きを可能とするように設計される。装置はさらに、装置の使用者の足の動きを検出するセンサと、少なくとも1つのセンサを収容するサイバーフットカバーと、を備える。サイバーフットカバーはそれぞれ、ソールと、サイバーフットカバーを、装置の使用者の脚に対して装着可能とする締結手段とを有する。装置の使用者が脚を動かしている間、装置の使用者の足が連続的に回転摺動できるように、サイバーフットカバーのソールが湾曲している。
【0010】
本発明はさらに、本発明に係る装置を備えるシステムに関する。システムは、センサが検出した足の動きを、仮想空間内の仮想アバターによる、方向および速度が同一の、同期した運動に変換するように構成される。
【0011】
本発明はさらに、本発明に係る装置を製造する方法に関する。方法は、シートの上部に着座部が取り付けられるように構成された支持部材を設けることと、センサを設けることと、サイバーフットカバーを設けることと、を含む。
【0012】
簡略化と明確化のため、装置またはシステムの使用者を、単に使用者と称する。
【0013】
本発明の好適な実施形態では、装置は、支持部材の上部に取り付けられた着座部を有するシートを備える。
【0014】
本発明に係る装置を使用する際、使用者はシートに少なくとも部分的に座り、シートの着座部の形状によっては、使用者が、脚を少なくとも膝から脚の先端まで動かすことができる。例えば、通常の椅子またはオフィスチェアのような平坦なシート面を有する着座部の場合、使用者の上腿が基本的にシートに置かれることになり、基本的に膝から脚の先端までの範囲でのみ、脚を動かすことが可能である。
【0015】
例えば、サドル形状の着座部の場合、使用者の脚の動きの自由度はより大きいため、動きの自由度を最大にできる。着座時に、使用者の上腿は、シート面にほんの少し置かれるか、あるいは全く置かれることはなく、平坦なシート面に座るよりも、座る姿勢として大幅に背筋が伸びる。使用者の脚は動いていない状態でほんの少し曲がるだけで、脚を基本的に全体的に動かすことができる。理論上、自転車サドルの形状よりも着座部分を小さくすることはできるが、座り心地は悪くなってしまう。
【0016】
好ましくは、着座部は、その上に使用者の上腿が原則乗らないように、または基本的には乗らないように設けられる。あるいは、使用者が平坦なシート面上で座る位置を変えることで、上腿が可能な限り動くようにして、好ましい状態を実現してもよい。
【0017】
使用者の安全性を向上するため、シートに背もたれおよび/またはひじ掛けが設けられる。
【0018】
好ましくは、支持部材は、その長手軸に沿って、着座部の重心のほぼ下に配置される。いくつかの実施形態では、支持部材は、その長手軸に沿って、着座部のほぼ真下の中央に配置される。
【0019】
好ましくは、支持部材は、シートを地面に対して回転可能にする。このために、支持部材の上部が、支持部材の下部に対して、相対回転可能となる。シートの高さを調整するため、支持部材の長さが調整可能であってもよい。
【0020】
支持部材は、好ましくは圧縮ガススプリングを含む。圧縮ガススプリングはその長手軸を中心に回転可能で、長さ調整が可能である。
【0021】
好ましくは、本発明に係る装置は、支持部材を保持し、地面に接続するスタンドをさらに備える。スタンドは、支持部材の一部であってもよい。
【0022】
好ましくは、本発明に係る装置は、スタンドが、シートにより使用者に許容された脚の自由度を限定しないように配置される。いくつかの実施形態では、装置は、装置に安全性を与えるスタンドのベース部が、シートの周囲の使用者の足の接地面の下に配置されるように構成される。あるいは、足の接地面がスタンドのベース部となってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、本発明の装置は、少なくともスタンドのベース部を覆う筐体を有する。筐体は、支持部材を通す窪みと、スタンドを固定する手段とを有する。足の接地面は筐体の上側に設けられる。したがって、筐体が台座として機能する。足の接地面の面積の範囲は、少なくとも、必要となる使用者の脚の自由度により決定される。
【0024】
いくつかの実施形態では、シートとして、例えば回転式のオフィスチェアのような回転椅子が使用される。したがって、スタンドは回転いすの十字ベースに対応する。十字ベースにより脚の可動範囲を狭めないように、回転椅子の十字ベースは筐体で覆われ、筐体内に固定されることが好ましい。回転椅子の十字ベースにローラーがついている場合、固定することは、特に適している。
【0025】
歩行感覚を良好にするためには、脚を若干屈曲可能なシート高さにする必要がある。使用者の背丈によっては、支持部材の所期の長さでは、脚が曲がりすぎてしまいかねない。いくつかの実施形態では、装置の支持部材は一般的な寸法でない長さを有する。あるいは、既存の支持部材を、異なる長さの支持部材で置き換えることで装置を実現されてもよい。別の実施形態では、例えばより長尺の(圧縮ガススプリング)のような少なくとも1つの追加支持部材が、代わりに装置に取り付けられる。
【0026】
使用者の歩行感覚を可能な限りリアルに再現することを目的として、本発明に係る装置は、使用者の足に装着するサイバーフットカバーを特徴とする。サイバーフットカバーのソールは湾曲しており、使用者が足を連続的に動かすことができる。ソールの湾曲は、シートの形状に応じて調整される、ゆえに、使用者の脚の動きの自由度に応じて調整される。サイバーフットカバーは、任意の靴、サンダル、または靴下の種類であり得るという利点がある。これらは、使用者の足に直接装着することもできるし、履いている靴下および/または靴の上から装着することもできる。
【0027】
装置は、シートの周囲に、使用者が足を接地する面を備えることが好ましく、接地面の上で使用者は足を回動できる。接地面は、地面の上に載置されてもよい。あるいは、足の接地面は、台の上に配置することもあり、例えば、装置に安定性は与えるが、足の接地面上に設けられると、動きの自由度を狭めてしまう装置の部分を覆う筐体である。
【0028】
シートの周りの地面または足の接地面が滑らかである場合、サイバーフットカバーのソールをカーペットのような形態の織物で覆うことが好ましい。地面または足の接地面の表面が例えばカーペットのような織物となっている場合、ソールは特に滑らかで、金属および/またはプラスチック(特にPE、PEHD、POMまたはPA)製であることが有利である。この場合、サイバーフットカバーと地面との間に物理的接触が生じても、特に労することなく使用者が脚または足を動かすことができ、かつ極めて静かなシステムが実現されるという利点がある。
【0029】
使用者、特に脚または足の動きは、使用者から離れて設けられたセンサおよび/または動作モードにおいて使用者が身体に着用するセンサにより検出される。使用者から離れて設けられたセンサは、例えば少なくとも1つの光学センサ、特に少なくとも1つの赤外線式光学センサを含んでもよい。これに関連して、アクティブおよび/またはパッシブモーションキャプチャマーカーを、使用者の衣服および/またはサイバーフットカバーに取り付ける。アクティブモーションキャプチャマーカーを利用すれば、使用者から離れて設けられ、各種光パルスを発する1つのレーザー光ユニットのみを利用する構成も可能である。光パルスは、アクティブモーションキャプチャマーカーによりとらえられ、それに基づき、使用者の動きを計算できる。使用者に装着するセンサの例としては、磁気センサ、加速度センサ、近接センサおよび/または光学センサが挙げられる。サイバーフットカバー内に磁気センサ、加速度センサ、近接センサおよび/または光学センサを設けると有効である。また、足の接地面または地面が感圧性であってもよい。
【0030】
本発明に係る装置の利点は、座った姿勢で、安全な着座位置が実現でき、実質的に脚や手を自由に動かすことができるということである。本発明に係る装置によると、使用者が手で自身を支えたり、追加的な固定手段を身体の各部位に巻いたりして、安定させる必要がない。したがって、装置の利用開始、終了が極めて楽で、使用者は自由に手を動かすことができる。本発明に係るシステムによると、使用者は、ただ座る、または立ち上がるのみでよいのである。これにより、使用者が装置の使用方法について説明を受ける必要がなく、装置を直感的に使用できるという利点が得られる。
【0031】
サイバーフットカバーのソールは、少なくとも1つの回転体を収容してもよい。少なくとも1つの回転体は、ローラーまたは球体により実現され、サイバーフットカバーの軸受けで支持されることに利点がある。少なくとも1つの回転体の回転角が、回転角センサ、特にホール効果センサにより検出されることが好ましい。これにより、足が地面についた状態で、少なくとも1つの回転体によりサイバーフットカバーの速度が確実に検出でき、少なくとも1つの回転体が停止した後、足を地面から持ち上げると、速度は0になるという利点がある。このため、例えば、調整ねじ、または発泡パッドのような、少なくとも1つの回転体に対してブレーキをかけることに有効な調整要素を有する。少なくとも1つの回転体が停止するまでの時間は、ソール上の少なくとも1つの回転体の位置に応じたものとなる。使用者の足の爪先と、回転体との距離が長いほど、減速時間が長くなる。
【0032】
各サイバーフットカバーに回転体が1つのみ設けられている場合、それはサイバーフットカバーのソールの下側の、後ろから3分の1の部分近傍に配置されることが好ましい。回転体は、好ましくはサイバーフットカバーのソールの滑らかに丸みを帯びた下側から、約2ミリ突出することが好ましい。これにより、サイバーフットカバーが、地面、またはカーペットあるいはその他織物で覆われた足の接地面上を楽に摺動できるという利点がある。カーペット、または織物は、回転体自体を容易に押し込むことができるような厚みがあるため、使用者の歩行動作の際に、回転体は地面、または足の接地面とできる限り長く接触することになる。
【0033】
本発明に必須な特徴は、サイバーフットカバーのソールの湾曲が、長手方向、横方向において、シートの設計に合うようになっていることである。従来の椅子よりも着座位置がわずかに高いことで、使用者が座っているにも関わらず脚を動かして、歩行感覚を体験できる。従来の椅子と異なり、使用者の脚は若干曲がるだけなので、歩いている状態のように、上腿の可動性も極めて高い。使用者の安定性が、座ることで実現され、実行される歩行動作が使用者の安定性を実現する必要がないため、サイバーフットカバーは特に滑らかに回動するように調整可能である。このように、サイバーフットカバーとシートが相乗的に協働し、装置が身体の各部位に巻かれる固定手段を要さずに利用可能となる。
【0034】
仮想現実を特にリアルに、そして身体に迫るように感じるためには、センサが検出した動きが、仮想現実にリアルタイムに反映されることが重要である。システムを利用した使用者の動きの反映が不正確だったり、遅かったり、極めて曖昧だったりすると、多くの使用者はシステムを使用してもすぐに酔ってしまう(VR酔い)。特にリアルで真に迫った体験を提供するためには、脚の動きと、仮想空間内の動きとが線形関係となることが好ましい。
【0035】
本発明のさらなる利点は、使用者が、足を前/後に動かすことで、仮想空間内で、前/後の動きを直接生じさせることができることである。したがって、実際の足の動きが地面の上で生じている場合にのみ、仮想空間内のアバターの前/後の動きが生じる。
【0036】
いくつかの実施形態では、本発明の装置は、人が組み立てることが可能なキットとして実現される。したがって、組み立てる人は、用意された着座部を、構造に組み付けることができる。
【0037】
使用者の動きを検出する装置を製造する本発明の方法は、以下の準備工程を追加的に含んでもよい。
・着座部を設ける。
・支持部材の上部に着座部を取り付ける。
【0038】
着座部は、組み立てる人が既存のシートから取り外して、本発明に係る装置の支持部材に取り付けることが可能なシート面を指す。使用者の動きを検出する装置を製造する本発明の方法は、以下の準備工程を追加的に含んでもよい。
・着座部付きのシートを設ける。
・当該シートから着座部を取り外す。
【0039】
いくつかの実施形態では、キットは用意されたシートを用いて組み立て可能である。用意されたシートは、ベース付きの回転椅子であってもよい。用意されたシートのベースは、装置のスタンドに対応する。好ましくは、用意されたシートを使用するようになっているキットは、足の接地面の下で、使用者の脚の動きの自由度を制限するあらゆる要素(ベース等)を覆う筐体を含むべきである。足の接地面は、筐体が台として機能するように筐体の上側に配置され、その面積は、少なくとも必要とされる足の接地面により決定される。筐体は、支持部材のための窪みと、スタンドを固定する手段とを有する。
【0040】
提供されたシートを含む、使用者の動きを検出する装置を製造する本発明の方法は、以下の工程を含む。
・ベース付きの回転椅子になり得るシートを設ける。
・筐体が少なくともスタンドのベース部、例えば、シートのベースを覆うように筐体をスタンドに配置する。シートの支持部材は、筐体の窪みを通じて通される。
【0041】
本発明の装置およびシステムのさらに有利な実施形態を、図を参照して、以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1は、使用者が使用中で動作モードにある、第1実施形態に係る本発明のシステムを示す斜視図であり、システムのシートの着座部は、自転車のサドルの形をしている。
【0043】
図2a、2b、2cは、図1に示す実施形態に係るシステムの部品を組み立てる工程を示す斜視図である。
【0044】
図3は、使用者が使用中で動作モードにある、別の実施形態に係る本発明のシステムを示す斜視図であり、システムのシートの着座部は、サドルの形をしている。
【0045】
図4aから図4cは、ある実施形態に係るサイバーフットカバーの異なる斜視図である。
【0046】
図5は、図4aから図4cに示すサイバーフットカバーの側面図である。
【0047】
図6は、使用者が使用中で動作モードにある、別の実施形態に係る本発明のシステムを示す斜視図であり、システムのシートの着座部は、サドルの形をしている。
【0048】
図7は、使用者が使用中で動作モードにある、別の実施形態に係る本発明のシステムを示す斜視図であり、システムのシートの着座部は、サドルの形をしている。
【0049】
図8aから図8cは、図3に示す実施形態に係るシステムと、図7に示すシステムの部品を組み立てる工程を示す斜視図である。
【0050】
図9は、別の実施形態のサイバーフットカバーの斜視図である。
【0051】
図10aおよび図10bは、図3図6、または図7に示すシステムのシート上の歩行動作の原理を示す側面斜視図である。
【0052】
図11は、一般的な実施形態に係る本発明のシステムと、当該システムの使用者とを示す図である。
【0053】
図12は、使用者が使用中で動作モードにある、さらなる実施形態に係る本発明のシステムを示す斜視図であり、システムのシートの着座部は、オフィスシートの形をしている。
【0054】
図13は、別の一般的な実施形態に係る本発明のシステムと、当該システムの使用者とを示す図である。
【0055】
図14は、別の実施形態に係るサイバーフットカバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、使用者が使用中で動作モードにある、第1実施形態に係る本発明のシステム100を示す斜視図である。システム100のシート110の着座部105は、自転車のサドルの形をしている。システム100はさらに、地面に載置された足の接地面104と、サンダル50bにより実現されたサイバーフットカバーと、仮想空間を示す表示手段を制御する中央制御手段10とを有する。表示手段は、3Dメガネ14、少なくともディスプレイまたは少なくともビーマーにより実現できる。
【0057】
システム100は、コンピュータまたはゲーム機で実現される中央制御手段10をさらに有してもよい。中央制御手段10は、図1に簡潔に示された入力部11を有する。入力部11は、例えばタッチディスプレイ、マウス、少なくとも1つのジョイスティック、少なくとも1つのコントローラー、および/またはキーボードにより実現される。中央制御手段10は、システム100において、仮想空間を表示する表示手段と、サイバーフットカバーの外に配置される。ただし、中央制御手段10は少なくとも1つのサイバーフットカバーおよび/または表示手段内に配置されてもよい。表示手段は3Dメガネ14として実現されることが好ましい。
【0058】
サンダル50b内には、不図示のセンサが配置されている。このセンサからの信号が、サンダル50b内に配置された不図示のマイクロコントローラーによって、無線ネットワーク13を介して中央制御手段10に送信される。中央制御手段10は、受信した信号を仮想空間に反映させ、それに応じて3Dメガネ14の表示を変える。3Dメガネ14および中央制御手段10は、通信用に無線ネットワーク13を介して接続されている。
【0059】
別の実施形態では、シート110に肘かけおよび/または背もたれが設けられる。肘かけおよび/または背もたれにより、システム100の使用者の安全性向上が図られる。
【0060】
図2a、2b、2cは、図1に示すシステム100のシート110を組み立てる工程を示す斜視図である。シート110は、着座部105と、支持部材103と、スタンド101とを有する。好ましくは、支持部材103は(圧縮)ガススプリングである。スタンド101は、盛り上がり部102を有し、好ましくは支持部材103の下部で、支持部材103を支持する。スタンド101は、シート110を安定させ、シート110が地面に対して傾くことなく安定的に立つことに有利な直径を有する。また、スタンド101は、地面に対してねじ込む、さらに/あるいは接着してもよい。さらに/あるいは、スタンド101を地面に固定接続するため、スタンド101は吸盤またはマジックテープを有する。支持部材103の上部を、詳細に図示しないプラグ接続により、着座部105に接続してもよい。着座部105は、自転車サドルの形状を有し、レバー106により、支持部材103を介してスタンド101に対して可動である。これにより、シート110を使用者の背の丈に合わせられるという利点を有する。さらに、支持部材103は、スタンド101に対して、着座部105を回転可能にするものであって、その内部に当該回転を測定する不図示の回転角センサが配置される。支持部材103内に配置された回転角センサも、無線ネットワーク13を介して中央制御手段10に接続可能である。着座部105を支持部材103に取り付ける前に、図1に示すシステム100の足の接地面104を支持部材103の上に被せ、支持部材103を足の接地面104に設けられた孔に挿入する。足の接地面104は、表面に布やカーペットのような織物が設けられる。さらなる実施形態では、足の接地面104は表面に発泡材が設けられる。
【0061】
着座部105に自転車サドルを使用することで、着座部105に座る使用者の脚の可動域が非常に広くとれるという利点が得られる。本実施形態では着座部105は極めて細い。着座部105が細いほど、座る使用者の座り心地は悪くなる。
【0062】
さらなる実施形態において、支持部材103は電気制御可能なアクチュエータにより配置される。
【0063】
図3は、一人の使用者が使用中で動作モードにある、別の実施形態に係る本発明のシステム200aを示す斜視図である。システム200aは、図1に示すシステム100と異なり、背もたれ付きサドルにより実現された着座部205を有するシート210を有する。さらに、シート210のスタンド201も、図1に示すシート110のスタンド101とは異なる形状を有している。スタンド201は図8aに示す。これに応じて、システム200aの足の接地面204はスタンド201に合わせた形状となっている。着座部205がこのような形状であることから、シート210に座る使用者の座り位置も、図1に示すシステム100のシート110に座る使用者の座り位置と異なっている。それにより、着座部205のサドル形状は、システム200aの使用時に、使用者がより安全に感じられるようになっている。
【0064】
図4aから4cは、図1に示すシステム100と、図3に示すシステム200aのサンダル50bをより詳細に示す斜視図である。各サンダル50bは、不図示の加速度センサと、不図示の回転角センサを有する回転体56とを有する。回転体56は、サンダル50bのソール71の下側に設けられている。回転角センサは、ホール効果センサにより実現される。
【0065】
サンダル50bのソール71は、長手方向72で凸形状となるように湾曲している。いくつかの実施形態では、ソール71は横方向73でも凸形状となる。ソール71は、長手方向72において、前方領域52と、後方領域51とを有してもよい。ソール71の凸形状の曲率半径は、ソール71の後方領域51よりもソール71の前方領域52で大きくなる。これにより、着座部により脚、特に上腿の動きが限られていても、使用者が、足の接地面または床上を連続的に摺動するように足を回動することができる。ソール71は、横方向73において側方領域54と、該側方領域54に挟まれた中央領域53を有してもよい。側方領域54は、中央領域53よりも湾曲してもよい。実施形態や、地面または床を覆うものによっては、中央に配置される領域53の表面よりも摩擦係数の高い層または要素を少なくとも部分的に側方領域54に設けることが好ましい。これにより、スタンドから足を回動しにくくすることなく、使用者がより容易かつ迅速に方向変換可能となり得るという利点がある。別の実施形態では、ソール71から突出し、長手方向に延在する長手方向リブが側方領域54に設けられることが有利となり得る。
【0066】
一実施形態において、各サンダル50bは、ソール71に固定されるヒールストラップ74を有する。さらに、サンダル50bは、サンダル50bを使用者の足に取り付けるための追加ストラップ76を有してもよい。この追加ストラップを図5に示す。
【0067】
ソール71は、12ミリから48ミリの厚さが使いやすい。但し、ソール71はこの厚さの50%または200%の高さにまで調整可能である。ソール71の理想的な高さは、着座部の形状に合わせて調整することが好ましい。着座部が肱掛椅子またはオフィスチェアのような、幅広のシートとして実現される場合(図12を参照されたい)に、高いソール71が特に好ましい。低いソールのサンダル50bを履く使用者は、特別な靴を履かない。もし履いたとしても、特別な靴は可能な限り柔軟であることが好ましい。
【0068】
図5は、図4aから4cに示すサイバーフットカバー50bの側面図である。
【0069】
図6は、一人の使用者が使用中で動作モードにある、別の実施形態に係る本発明のシステム300を示す斜視図である。システム300は、図3に示すシステム200aと異なり、足の接地面を有さない。サンダル50cは、図4aから図4cに示すサンダル50bに対して、サンダル50cの1つのソールがカーペットのような織物で覆われる点で異なる。床により実現される地面に対して、(圧縮)ガススプリングで実現され得る支持部材203が直接固定される。この床は例えば、フローリング床のように極めて表面が滑らかで、摩擦係数が低いもので実現される。
【0070】
図7は、使用者が使用中で動作モードにある、別の実施形態に係る本発明のシステム200bを示す斜視図である。システム200bのシート210は、図3に示すシステム200aのシート210と同様にして設けられる。システム200bは、図3に示すシステム200aに対して、主にセンサの設計が異なる。システム200bのセンサは、使用者から離れた光学センサ220aと、サンダル50a内に設けられた近接センサとにより実現される。サンダル50aは回転体を有さず、詳細は、図9に示されている。光学センサ220aは、使用者の動き、特に使用者の脚の動きを、レーザー三角測量221aにより検出するように構成される。
【0071】
図8aから8cは、図3に示すシステム200aと、図7に示すシステム200bのシート210を組み立てる工程を示す斜視図である。シート210はスタンド201と、(圧縮)ガススプリングとして実現可能な支持部材203と、サドル205とからなる。スタンド201は、わずかに円錐となる形状のリム202を有し、そのリム内に支持部材203が挿入される。支持部材203は、使用者の重みでスタンド201内に固定される。足の接地面204の下側には、スタンド201が嵌る凹部が設けられる。これにより、足の接地面204が床に対して平坦に置かれ、歩行動作の障害となるようなへりや縁が存在しないという利点が得られ得る。レバー206は、サドル205に取り付けられ、これにより着座部205の高さが支持部材203を介して調整可能である。足の接地面204の表面にもカーペットが設けられることが好ましい。
【0072】
図9は、図7に示すシステム200bのサンダル50aを詳細に示す側面図である。サンダル50aの特徴は、アルミニウムまたはプラスチック製のヒールストラップ61と、2本の追加ストラップ62である。追加ストラップ62は柔軟で、長さが調整できる。さらに、サンダル50aは、サンダル50aに沿って分散配置された、パッシブモーションキャプチャマーカー59を有し、不図示のマイクロコントローラーと、不図示の近接センサを有することを特徴とする。近接センサは、サンダル50aと足の接地面204との間の距離を検出し、それにより、近接センサからの信号は、マイクロコントローラーを介して中央制御手段10に送信される。モーションキャプチャマーカー59により、システム200bの精度は極めて高くなる。サンダル50aのソール58は、図4aおよび図4bに示すサンダル50bのソール71のように湾曲している。したがって、図4aから図4cに示すサンダル50bのように、サンダル50aは長手方向に前方領域52と、後方領域51とを有し、サンダル50aのソール58の半径は、後方領域51よりも前方領域52で大きい。
【0073】
ソール58は、その下側の摩擦係数が極めて低い。したがって、このサイバーフットカバーの実施形態では、回転体は不要である。但し、用途によっては、サンダル50aのソール58を、摩擦係数を上げる要素またはコーティングで一部被覆することが有効であり得る。ソール58の上側には、超高摩擦係数の層60が設けられる。層60は例えばゴムで実現される。これにより、サンダル50aがより使用者の足にフィットするという利点が得られる。
【0074】
別の実施形態では、サンダル50aはアクティブモーションキャプチャマーカーを有することを特徴とする。当該マーカーは、サンダル50a内のマイクロコントローラーにより制御される。アクティブモーションキャプチャマーカー付きのサンダル50aの場合、光学センサはセンサではなく、レーザー光ユニットで実現されることが有利である。レーザー光ユニットは、様々な静的、および/または動的パルス光を出力するように構成される。
【0075】
さらなる実施形態において、さらなるモーションキャプチャマーカーが、使用者の衣服に取り付けられる。
【0076】
図10aおよび10bは、図3に示すシステム200a、図6に示すシステム300、図7に示すシステム200bの着座部205を使用した場合の、歩行動作の原理を示す側面斜視図である。着座部205を使用した歩行動作中、使用者は膝関節(ここでは左足を示す)を位置KaからKbに動かす。この動きと同時に、使用者は左足を地面の上で回動して足首の間接を曲げる(角度WaとWbの差を参照)。
【0077】
図11は、一般的な実施形態に係る本発明のシステムと、当該システムの使用者とを示す。
【0078】
図12は、使用者が使用中で動作モードにある、さらなる実施形態に係る本発明のシステム400を示す斜視図である。システム400は、着座部405に関する部分のみ、図1に示すシステム100と異なる。着座部405は、オフィスシートの形状を有し、平坦なシート面を有する。システム400はさらに、足の接地面404を有する。
【0079】
図11は、使用者の動きが仮想空間内のアバターの動きに変換される様子を示す。どのように使用者の足の速度が記録されるかは、実施形態によって異なる。システム100、200a、300、400においては、足の速度はサイバーフットカバー内に設けられた回転体およびホール効果センサにより決められる。
【0080】
システム200bにおいて、足の速度は前記センサ220aにより測定される。サンダル50a内に設けられた追加の近接センサは、使用者がサンダル50aで足の接地面204に触れたか否かを判断する。この情報は、無線ネットワーク13を介して中央制御手段10に連続的に送信される。そして情報は、中央制御手段10で処理され、地面に接していない場合、各サンダル50aの速度は0に設定され、地面に接している場合、速度は前記センサ220aで検出された現在値に設定される。図11において矢印V1およびV2で示すように、左サンダル50aと、右サンダル50aのいずれも図示の時点では地面に接している。この時点で、左サンダル50aの速度は右サンダル50aよりも速い。
【0081】
実施形態によっては、使用者の動きの所期の方向の方向ベクトルR[X,Y,0]は、3Dメガネ14、ガススプリング103内の回転角センサ、および/またはサイバーフットカバーの位置合わせにより検出されてもよい。
【0082】
3Dメガネ14により方向ベクトルR[X,Y,0]を判定する場合、使用者の視線方向B[X,Y,Z]が、3Dメガネ14により恒久的に記録される。好ましくは、3Dメガネ14は一般的な3Dメガネ14で実現される。視線方向B[X,Y,Z]は連続的に中央制御手段10に送信される。中央制御手段10において、視線方向B[X,Y,Z]のZ成分は0に設定され、方向ベクトルR[X,Y,0]のXおよびYはアルゴリズムを利用して計算される。これが使用者の意図した動きの方向を判定するのに最もシンプルな方法である。
【0083】
回転角センサにより方向ベクトルR[X,Y,0]を判定する場合、方向ベクトルR[X,Y,0]は、地面または足の接地面に対する着座部の向きにより判定される。サドル205の位置合わせは、使用者の骨盤の向きに対応する。着座部の向きを判定することで、使用者に対してよりリアルな仮想世界での動きがシミュレートされるという利点が得られる。
【0084】
サイバーフットカバーの向きにより方向ベクトルR[X,Y,0]を判定する場合、サイバーフットカバーの現在位置と、サイバーフットカバーの現在の向きの両方が、中央制御手段10により継続的に検出される。
【0085】
さらなる実施形態においては、サイバーフットカバーの加速度も連続的に加速度センサにより記録される。
【0086】
このように得られたデータV1、V2、およびR[X,Y,0]を利用して、アバターの動きは、以下のとおりに中央制御手段10を介した各計算パスで実行される。
・速度V1およびV2から、次の数式のとおりに使用者の速度が計算される。
V=最大値(|V1|、|V2|)*符号(V1+V2)*(-1);
・移動距離DをVから計算する。即ち、Vを2つの計算パス間の時間間隔に乗算することで計算される。さらに移動する距離Dに修正係数kを乗算してもよい(例えば、センチからメートルに変換する必要がある場合)。数式は以下のとおりである。
D=V*(計算パス間の時間差)*k;
・距離Dおよび方向ベクトルR[X,Y,0]から、並進ベクトルT[X,Y,0]を計算する。距離Dの長さに対する方向ベクトルR[X,Y,0]の量を計算することで、並進ベクトルT[X,Y,0]を計算するのである。並進ベクトルT[X,Y,0]は距離Dおよび方向ベクトルR[X,Y,0]とから計算されるため、負の距離Dの場合、方向ベクトルR[X,Y,0]から得られた方向が反転し、正の距離Dの場合、当該方向が維持される。好ましくは、中央制御装置10のグラフィックソフトウェアにより、使用者の速度が移動する距離に変換される。ここで、並進ベクトルT[X,Y,0]ではなく、方向性平均速度がグラフィックソフトウェアに送られることが利点である。
・各計算パスについて、アバターは並進ベクトルT[X,Y,0]、または方向性平均速度に応じて動かされる。
・さらに、公知のアルゴリズムを利用して、アバターの動きを平滑化してもよい。また、一般的なソフトウェア計算により、アバターの動きが誘導および/または限定されうる。これを利用して、重力または衝突をシミュレーションできる。アバターの視線方向は、3Dメガネ14により得られた視線方向に応じて、一般的方法で制御される。
【0087】
図13は、本発明によるシステム500の別の一般的な実施形態、およびシステム500の使用者を示す。システム500はサイバーフットカバーを特徴とし、図2aから2cに示すシート110が設けられる。システムはさらに、中央制御手段12と、仮想表示手段(例えば、3Dメガネの形態である)を有してもよい。シートは、本明細書記載の別の実施形態のシートのように実現されてもよいし、本明細書記載のシートの各要素の組み合わせで実現されてもよい。中央制御手段12は右サイバーフットカバー内に配置されるが、左サイバーフットカバー、仮想表示手段、あるいは専用のハウジング内に設けられてもよい。
【0088】
図13は、システムの使用者が、仮想空間アバターを横、前後に動かす、および/または回転させる、および/またはカーブに沿って動かす様子を示す。ここで、使用者の足の動き、使用者の足の速度がそれぞれ少なくともXおよびY座標(好ましくはX,Y,Z座標)および/またはこれら軸の各回転に分けられる。すなわち、足の前/後移動はY成分に実質的に対応し、横方向移動はX成分に実質的に対応し、垂直移動は実質的にZの動きに対応する。図13に示す座標系は、固定足座標系である。簡略化し、一方の固定足座標系のみを図13に示す。
【0089】
使用者の足の動きのX成分と、Y成分とは、以下の1つまたは複数により記録されることが有利である。
・サイバーフットカバーのソール内に配置された少なくとも1つの回転体を利用し、少なくとも1つの回転体の回転を、少なくとも1つの回転角センサにより検出する。回転角センサは、レーザー等の光学センサ、または、ホール効果センサ等の磁気センサにより実現され得る。好ましくは、少なくとも1つの回転体は、球体または全方向ローラーで実現されることが好ましい。さらに、少なくとも1つの回転体に係る負荷を検出する負荷センサを、少なくとも1つの回転体に付加的に取り付けることが好ましい。
・使用者から離れて配置され、図7に示すシステム200bに対応する少なくとも1つの光学センサを利用する。当該センサは、少なくとも足の動きを検出する。離れて配置された少なくとも1つの光学センサにより、使用者の足の動きのZ成分も検出される。
・少なくとも2つの位置センサを利用する。それぞれ1つの位置センサがサイバーフットカバー内に配置される。位置センサはそれぞれ自身の位置を、システム周辺に配置された基準点により有利に検出できる。
および/また
・少なくとも2つの光学センサを利用する。各光学センサは、それぞれのサイバーフットカバー内に配置される。光学センサは例えば、コンピュータマウスに使用されるような光学センサであってもよい。
【0090】
検出された使用者の足の動きのXおよびY成分に基づいて、中央制御手段は使用者が横または前後に動こうとしているのか、回転しようとしているのか、あるいは曲道に沿って歩こうとしているのかを判断する。このため、サイバーフットカバー毎に少なくとも1つの近接センサおよび/または少なくとも1つの圧力センサが内部に配置されることが好ましい。サイバーフットカバーのソールの前方領域において、サイバーフットカバーの長手方向に少なくとも1つの近接センサおよび/または少なくとも1つの圧力センサが配置されることが好ましい。特に、使用者がサイバーフットカバーを装着した状態で、サイバーフットカバーにおける使用者の足の母指球が位置する領域に少なくとも1つの近接センサおよび/または圧力センサが配置される。
【0091】
中央制御手段が横または前後の移動、回転移動、曲道に沿った歩行動作をより良く区別できるように、Z軸周りの足の回動を検出することもできる。これは例えば、サイバーフットカバーの外部に配置された光学センサ、および/または2つの光学センサ、および/または回転体、および/またはサイバーフットカバー上に配置された位置センサにより実現できる。サイバーフットカバーの外部に配置された光学センサにより、X軸およびY軸周りの使用者の足の回転を検出可能である。
【0092】
システム利用者の足の動きを仮想空間における仮想アバターの動きへ変換することは、次に記載の基準のうちの少なくとも1つに従って、中央制御手段12により実行される。
・足の動きのY成分に対する、使用者の足の動きのX成分の大きさ。使用者の足の動きのX成分が存在し、Y成分が0に近ければ、仮想アバターは横方向に移動する。使用者の足の動きのY成分が存在し、Y成分が0に近ければ、仮想アバターは前/後に移動する。
・Z軸周りの足の回転。歩行動作中にZ軸を中心として足を回転させることは、使用者が仮想アバターに、曲道での歩行動作を行わせたいという指示を表している。
・シートに座る使用者の回転運動に対する、使用者の足の動きのX成分の大きさ。X成分が存在し、使用者が実質的にシートに着座した状態で、地面に対して回転していない、つまり、使用者の骨盤の回転がほとんど0である場合、仮想アバターは横方向に移動される。X成分が存在し、使用者がシートに着座した状態で、地面に対して大きく回転運動を行った場合、つまり、使用者の骨盤の大きな回転が検出されると、仮想アバターは、自身の軸に対して回転させられる。体の中心の回転は、離れて配置された少なくとも1つの光学センサおよび/またはシート110上の回転角センサによる、地面に対する着座部105の回転により決定されることが有利である。回転角センサは、支持部材103に取り付けられることが有利である。
・サイバーフットカバーのソールに対する圧力。サイバーフットカバーの前方領域における、足の母指球の領域でのソールにかかる圧力と、使用者の自軸を中心とした使用者の体心の回転は、使用者が仮想アバターを方向転換させたいという指示を表している。
・サイバーフットカバー内に回転体があれば、回転体に負荷がかかる。回転体に強い負荷がかかり、足の動きのX成分が存在すれば、仮想アバターは回転させられる。回転体に対する負荷が低い、つまり、回転体にかかる負荷がほとんど0であると、足の動きのX成分が存在すれば、仮想アバターは横方向に動かされる。
・ベースに対するサイバーフットカバーのソールの特定領域の距離。サイバーフットカバーの前方領域における使用者の足の母指球の領域と、ベースとの間に距離があり、使用者の足の動きのX成分が存在すれば、仮想アバターは横方向に移動される。サイバーフットカバーの前方領域における使用者の足の母指球の領域と、ベースとの間に距離が0で、使用者の足の動きのX成分が存在すれば、仮想アバターを方向転換させられる。
・脚の姿勢。使用者の脚が略四角状に曲がっており、X成分が存在すれば、仮想アバターは横方向に移動する。使用者の脚がほぼ延ばされており、X成分が存在すれば、仮想アバターを方向転換させられる。脚の姿勢は、外部配置された少なくとも1つの光学センサおよび/または位置センサにより判定されることが有利である。
【0093】
球体77状の回転体と、近接センサ78付きのサイバーフットカバーは、例えば、図14のサンダル50dとして実現される。その他の点では、サンダル50dは図4bに示すサンダル50bと実質的に同じ構造である。サンダル50dにおける、図4bに示すサンダル50bと同一の部位には同一の参照符号が付される。
【0094】
なお、一実施形態の、サイバーフットカバー、シート、センサ等の要素および形態は、別の実施形態と組み合わされてもよい。上述の実施形態の代わりに、本発明に係る全ての装置において、任意の種類のシート、サイバーフットカバー、またはセンサを利用してもよい。
【0095】
さらに、図13に記載の本発明のシステム500について説明された固定足座標系は、本明細書に記載の他の全ての実施形態に適用されることが理解されよう。その流れでさらに、図13に記載のシステム500についての説明が、本明細書に記載のその他全ての実施形態にも適用されることが理解されよう。即ち、システム100、200a、300、400のサイバーフットカバーは、図14に記載のサイバーフットカバー50dに対応する回転体、光学センサ、および/または位置センサを有するように実現される。
【0096】
本発明の好ましい実施形態を、以下に列挙する例示的実施形態(EEE)で特定される。
【0097】
EEE101
システム(100;200a;200b;300;400)の使用者の動きを検出し、当該動きを仮想空間内に反映するシステム(100;200a;200b;300;400)であって、
前記システム(100;200a;200b;300;400)の前記使用者が座るシート(110;210;410)であって、地面に対して回転可能に配置され、前記システム(100;200a;200b;300;400)の前記使用者の、少なくとも膝から脚の先端までの、前記脚の動きを可能とするような形状を有するシート(110;210;410)と、
前記使用者の前記動きを検出するセンサと、
仮想空間を表示する表示手段(14)と、
前記センサと、前記表示手段(14)とに通信用に接続されており、前記センサの信号に応じて、前記表示手段(14)が表示する前記仮想空間を変化させる中央制御手段(10)とを備え、
その特徴は、
前記システム(100;200a;200b;300;400)が、サイバーフットカバー(50a;50b;50c)を備え、当該サイバーフットカバー(50a;50b;50c)が、ソール(58;71)と、前記サイバーフットカバー(50a;50b;50c)を前記システム(100;200a;200b;300;400)の前記使用者の前記脚に対して装着可能とする締結手段(61;62;74;76)とを有し、
前記中央制御手段(10)が、前記センサにより検出された前記脚の前記動きを、仮想空間内の仮想アバターによる、方向および速度が同一の、同期した運動に変換するように構成され、
前記システム(100;200a;200b;300;400)の前記使用者の前記脚の動作中に、前記システム(100;200a;200b;300;400)の前記使用者の足が連続的に回転摺動できるように、前記サイバーフットカバー(50a;50b;50c)の前記ソール(58;71)が湾曲しているシステム(100;200a;200b;300;400)。
【0098】
EEE102
前記少なくとも1つの回転体(56)は、前記サイバーフットカバー(50b;50c)の前記ソール内に配置されることを特徴とする、EEE101に記載のシステム(100;200a;300;400)。
【0099】
EEE103
前記センサは、前記少なくとも1つの回転体の動きを検出するための、少なくとも1つの回転角センサ、特にホール効果センサを備えることを特徴とする、EEE102に記載のシステム(100;200a;300;400)。
【0100】
EEE104
前記サイバーフットカバー(50a;50b;50c)の前記ソール(58;71)の前記湾曲は、前記ソール(58;71)の長手方向で凸形状となることを特徴とする、EEE101から103のいずれかに記載のシステム(100;200a;300;400)。
【0101】
EEE105
前記サイバーフットカバー(50a;50b;50c)の前記ソール(58;71)は、前記長手方向において前方領域(52)と、後方領域(51)とを有し、前記ソール(58;71)は、半径が前記ソール(58;71)の前記後方領域(51)よりも前記ソール(58;71)の前記前方領域(52)で大きくなるように湾曲して前記凸形状となることを特徴とする、EEE104に記載のシステム(100;200a;200b;300;400)。
【0102】
EEE106.
前記ソール(58;71)の前記湾曲は、横方向に凸形状になるようになっており、前記ソール(58;71)が前記横方向において、側方領域(54)と、前記側方領域(54)の間で中央に配置された領域(53)とを有し、前記ソール(58;71)の前記側方領域(54)は、前記中央に配置された領域よりも摩擦係数が高くなるように配置されることを特徴とする、EEE101から105のいずれかに記載のシステム(100;200a;200b;300;400)。
【0103】
EEE107
前記センサは、近接センサ、加速度センサ、磁気センサ、および/または光学センサを含み、前記センサは前記サイバーフットカバー(50a;50b;50c)内に配置されることを特徴とする、EEE101から106のいずれかに記載のシステム(100;200a;200b;300;400)。
【0104】
EEE108
前記センサは少なくとも1つの光学センサ(220a)、特に赤外線式光学センサを含み、当該光学センサは、動作モードにおいて、前記システム(200b)の前記使用者に対して離れて配置され、前記少なくとも1つの光学センサ(220a)は前記システム(200b)の前記使用者の動きを検出することを特徴とする、EEE101から107のいずれかに記載のシステム(200b)。
【0105】
EEE109
アクティブおよび/またはパッシブモーションキャプチャマーカー(59)は、前記システム(200b)の前記使用者の衣服および/または前記サイバーフットカバー(50a)に取り付けられることを特徴とする、EEE108に記載のシステム(200b)。
【0106】
EEE110
前記シート(210;410)は、背もたれ、および/またはひじ掛けを有することを特徴とする、EEE101から109のいずれかに記載のシステム(200a;200b;300;400)。
【0107】
EEE111
前記シート(110;210)は、実質的に自転車シートまたはサドルの形状を有する着座部(105,205)を有することを特徴とする、EEE101-110のいずれかに記載のシステム(100;200a;200b;300)。
【0108】
EEE112
前記サイバーフットカバー(50a;50b;50c)と前記地面の少なくとも一方に織物が設けられ、他方の前記サイバーフットカバー(50a;50b;50c)と前記地面(104;204;404)は、低い摩擦係数表面を有することを特徴とする、EEE101から111のいずれかに記載のシステム(100;200a;200b;300;400)。
【0109】
EEE113
前記シート(110;210;410)の周りに配置され、前記地面に配置される足の接地面(104;204;404)を有する、EEE101から112のいずれかに記載のシステム(100;200a;200b;400)。
【0110】
EEE114
EEE101から103のいずれかに記載のシステム(100;200a;200b;300;400)の使用者の動きを、仮想空間で動くアバターに反映する方法であって、次のステップを含む:
・前記センサを用いた、前記システム(100;200a;200b;300;400)の前記使用者の前記脚、特に前記足の速度の検出;
・前記センサを用いた、前記システム(100;200a;200b;300;400)の前記使用者の動きの意図した方向の方向ベクトルの検出;
・前記動きの方向において、時間間隔内に移動した距離の判定;
・前記方向ベクトルと、前記判定された距離に応じて仮想アバターを動かす。
【0111】
EEE201
システム(100;200a;200b;300;400;500)の使用者の動きを検出し、当該動きを仮想空間内に反映するシステム(100;200a;200b;300;400:500)であって、
前記システム(100;200a;200b;300;400;500)の前記使用者が座るシート(110;210;410)であって、地面に対して回転可能に配置され、前記システム(100;200a;200b;300;400;500)の前記使用者の、少なくとも膝から脚の先端までの、前記脚の動きに対応するような形状を有するシート(110;210;410)と、
前記使用者の前記動きを検出するセンサと、
仮想空間を表示する表示手段(14)と、
前記センサと、前記表示手段(14)とに通信用に接続されており、前記センサの信号に応じて、前記表示手段(14)が表示する前記仮想空間を変化させる中央制御手段(10)とを備え、
その特徴は、
前記システム(100;200a;200b;300;400;500)が、サイバーフットカバー(50a;50b;50c;50d)を備え、当該サイバーフットカバー(50a;50b;50c;50d)が、ソール(58;71)と、前記サイバーフットカバー(50a;50b;50c)を前記システム(100;200a;200b;300;400;500)の前記使用者の前記脚に対して装着可能とする締結手段(61;62;74;76)とを有し、
前記中央制御手段(10、12)は、前記センサにより検出された前記システム(100;200a;200b;300;400;500)の前記使用者の前記足の前記動きを、少なくともX成分およびY成分に分け、それらを仮想空間内の仮想アバターによる、方向および速度が同一の、同期した運動に変換するように構成され、X成分が前記足の横方向の動きに実質的に対応し、Y成分が前/後の動きに実質的に対応し、
前記システム(100;200a;200b;300;400;500)の前記使用者の前記脚の動作中に、前記システム(100;200a;200b;300;400;500)の前記使用者の足が連続的に回転摺動できるように、前記サイバーフットカバー(50a;50b;50c;50d)の前記ソール(58;71)が湾曲している。
【0112】
EEE202
少なくとも1つの回転体が、各サイバーフットカバー(50d)の前記ソール内に配置され、前記少なくとも1つの回転体が球体(77)または、全方向性ローラーにより実現され、回転体毎の前記センサが、前記少なくとも1つの回転体の動きを検出する少なくとも1つの回転角センサ、特にホール効果センサを含むことを特徴とする、EEE201に記載のシステム(100;200a;200b;300;400;500)。
【0113】
EEE203
前記センサは、サイバーフットカバー毎に少なくとも1つの負荷センサを含み、前記少なくとも1つの負荷センサは、前記少なくとも1つの回転体にかけられた負荷を判定するように構成される、EEE202に記載のシステム(500)。
【0114】
EEE204
前記センサは、位置センサ、光学センサ、磁気センサ、および/またはジャイロメーターを含み、少なくとも1つの位置センサ、少なくとも1つの光学センサ、少なくとも1つの磁気センサ、および/または少なくとも1つのジャイロメーターは、各サイバーフットカバー内に配置されることを特徴とする、EEE201から203に記載のシステム。
【0115】
EEE205
前記センサは、少なくとも1つの光学センサ(220a)、特に赤外線式光学センサを含み、当該光学センサは、動作モードにおいて、前記システム(200b)の前記使用者に対して離れて配置され、前記少なくとも1つの光学センサ(220a)は前記システム(200b;500)の前記使用者の動きを検出することを特徴とする、EEE201から204のいずれかに記載のシステム(200b;500)。
【0116】
EEE206
前記センサは、圧力センサおよび/または近接センサ(78)を含み、少なくとも1つの圧力センサおよび/または少なくとも1つの近接センサ(78)は、サイバーフットカバー(50d)毎に実現され、前記少なくとも1つの圧力センサおよび/または少なくとも1つの近接センサ(78)は、前記サイバーフットカバー(50d)の長手方向における前方領域(52)内に配置されることを特徴とする、EEE201から205のいずれかに記載のシステム(500)。
【0117】
EEE207
EEE205またはEEE206に記載のシステム(500)を用いて、仮想アバターの動きを制御する方法で、前記センサが、前記システム(500)の前記使用者の前記足の前記動きのX成分を検出し、前記サイバーフットカバー(50d)の前方領域(52)と前記地面との間の距離を検出すると、前記中央制御手段(12)により、前記仮想アバターを横方向に移動させることを特徴とする方法。
【0118】
EEE208
サイバーフットカバー(50d)を、中央制御手段(12)で制御し、前記センサにより、前記システム(500)の前記使用者の前記足の前記動きのX成分を検出し、前記前方領域(52)と前記地面との間の距離が0であると検出すると、前記仮想アバターを横方向に回転させることを特徴とする、EEE207に記載の方法。
【0119】
EEE209
前記仮想アバターを中央制御手段(12)で制御し、少なくとも1つの回転体と、前記少なくとも1つの回転体にかかる負荷を判定する負荷センサがある状態で、前記センサが前記システム(500)の前記使用者の前記足の前記動きのX成分を検出し、前記少なくとも1つの回転体に係る負荷がほとんど0であることを検出すると、前記仮想アバターを横方向に移動させることを特徴とする、EEE207またはEEE208に記載の方法。
【0120】
EEE210
前記仮想アバターを中央制御手段(10;12)で制御し、前記センサにより前記システム(500)の前記使用者の前記足の前記動きのX成分を検出し、前記地面に対して、前記シートに着座している前記システム(500)の前記使用者が、地面に対して、実質的に回転運動をしていないことを検出すると、前記仮想アバターを横方向に移動させることを特徴とする、EEE207から209のいずれかに記載の方法。
【0121】
EEE211
前記仮想アバターを中央制御手段(12)で制御し、前記センサにより、前記システム(500)の前記使用者の前記足の前記動きのX成分を検出し、Y成分が実質的に0であることを検出すると、前記仮想アバターを横方向に移動させることを特徴とする、EEE207から210のいずれかに記載の方法。
【0122】
EEE212
前記仮想アバターを中央制御手段(10;12)で制御し、前記センサは、前記センサにより、前記システム(500)の前記使用者の前記足の前記動きのX成分を検出し、脚が略四角形状に曲げられたことを検出すると、前記仮想アバターを横方向に移動させることを特徴とする、EEE207から211のいずれかに記載の方法。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13
図14