(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】注入支援システム及び方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
E21D 9/04 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
E21D9/04 A
(21)【出願番号】P 2019039899
(22)【出願日】2019-03-05
【審査請求日】2022-02-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591029921
【氏名又は名称】フジモリ産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591284601
【氏名又は名称】株式会社演算工房
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【氏名又は名称】渡辺 昇
(72)【発明者】
【氏名】坂根 一聡
(72)【発明者】
【氏名】林 稔
(72)【発明者】
【氏名】松村 匡樹
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-106133(JP,A)
【文献】特開2016-166529(JP,A)
【文献】特開2002-296076(JP,A)
【文献】特開2018-111982(JP,A)
【文献】特開2002-256555(JP,A)
【文献】特開2011-027471(JP,A)
【文献】特許第2868446(JP,B2)
【文献】特開昭60-047114(JP,A)
【文献】特許第5312890(JP,B2)
【文献】特開昭60-195219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 1/00-9/14
E02D 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工中のトンネル内に設置された注入機からの注入材を、周辺の地山に形成した複数の注入孔から前記地山に注入する注入工法における注入支援システムであって、
前記複数の注入孔が、前記トンネルの周方向に間隔を置いて並んで配置されており、
各注入孔における注入データを取得する取得部と、
前記注入データに基づいて、各注入孔における注入状況を視覚的に識別可能に表す表示データを作成する作成部と、
前記表示データを画像表示する画像表示部と
を備え、前記作成部は、前記トンネルを模した図形に沿って、前記各注入孔を模した、前記図形より小さな複数の図形が、実際の注入孔の並び順の通りに
間隔を置いて配置され、かつ前記小さな複数の図形の各々における内側部分の色が、
その図形が表す注入孔の
外部かつ周辺の地山へ
広がる前記注入材の注入度合を表す表示画面の表示データを作成することを特徴とするトンネル施工における注入支援システム。
【請求項2】
前記作成部が、前記トンネルを模した図形として前記トンネルのアーチ部を模した大径の半円部に沿って、各注入孔を模した前記小さな図形として複数の小径の円部を並べた表示データを作成し、かつ前記各円部の視覚的態様によって対応する注入孔の注入状況を表すことを特徴とする請求項1に記載の注入支援システム。
【請求項3】
前記作成部が、前記各円部の縁部分の色が、対応する注入孔について未注入か注入中か注入完了かを表し、前記各円部の前記縁部分より内側部分の色が、対応する注入孔が注入中であるとき、前記
外部かつ周辺の地山へのリアルタイムの注入度合を表す表示データを作成することを特徴とする請求項2に記載の注入支援システム。
【請求項4】
前記作成部が、縦軸を各注入孔における注入度合とし、横軸を前記実際の注入孔の並びとしたグラフの表示データをさらに作成することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の注入支援システム。
【請求項5】
前記注入度合が、注入量又は注入圧を含むことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の注入支援システム。
【請求項6】
各注入孔が、直線状に延び、かつ延び方向に複数の注入領域に区分けされており、
前記注入機が、前記注入領域ごとに注入材を注入し、
前記取得部が、前記注入領域ごとに注入データを取得し、
前記作成部が、各注入孔における注入状況を注入領域ごとに視覚的態様によって区別した表示データを作成することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の注入支援システム。
【請求項7】
前記取得部が取得した注入データを送信する通信部と、
前記送信された注入データを受信する遠隔無線端末と、を更に備え、
前記遠隔無線端末が、前記作成部と、前記表示データを画像表示する画像表示部とを含むことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の注入支援システム。
【請求項8】
前記遠隔無線端末が、前記注入機に対する操作入力部を前記画像表示部に表示させる操作表示部と、前記操作入力部の操作情報を前記注入機へ送信する操作送信部とを更に含み、
前記注入機が、受信した前記操作情報にしたがって運転されることを特徴とする請求項7に記載の注入支援システム。
【請求項9】
前記取得部と接続され、前記取得部からの注入データを蓄積する記憶端末を更に備え、
前記遠隔無線端末が、前記注入データを蓄積する記憶部を含み、かつ前記記憶端末に蓄積された注入データを定期的又は不定期的に受信して、前記記憶部の注入データを更新することを特徴とする請求項7又は8に記載の注入支援システム。
【請求項10】
施工中のトンネル内に設置された注入機からの注入材を、周辺の地山に形成した複数の注入孔から前記地山に注入する注入工法における注入支援方法であって、
前記複数の注入孔が、前記トンネルの周方向に間隔を置いて並んで配置されており、
各注入孔における注入データを取得する工程と、
前記注入データに基づいて、各注入孔における注入状況を視覚的に識別可能に表す表示データを作成する工程と、
前記表示データを画像表示する工程と
を備え、前記作成する工程では、前記トンネルを模した図形に沿って、前記各注入孔を模した、前記図形より小さな複数の図形が、実際の注入孔の並び順の通りに
間隔を置いて配置され、かつ前記小さな複数の図形の各々における内側部分の色が、
その図形が表す注入孔の
外部かつ周辺の地山へ
広がる前記注入材の注入度合を表す表示画面の表示データを作成することを特徴とする注入支援方法。
【請求項11】
請求項1~9の何れか1項に記載の注入支援システムにおける作成部を構成するコンピュータに、
各注入孔における注入データを受け取る処理と、
受け取った注入データに基づいて、各注入孔における注入状況を視覚的に識別可能に表す表示データを作成する処理と、
を実行させ、前記作成する処理では、前記トンネルを模した図形に沿って、前記各注入孔を模した、前記図形より小さな複数の図形が、実際の注入孔の並び順の通りに
間隔を置いて配置され、かつ前記小さな複数の図形の各々における内側部分の色が、
その図形が表す注入孔の
外部かつ周辺の地山へ
広がる前記注入材の注入度合を表す表示画面の表示データを作成する処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項8に記載の注入支援システムにおける遠隔無線端末を構成するコンピュータに、
各注入孔における注入データを受け取る処理と、
受け取った注入データに基づいて、各注入孔における注入状況を視覚的に識別可能に表す表示データを作成する処理と、
前記注入機に対する操作入力部の表示指令を受け付ける処理と、
前記表示指令を受けたとき、前記操作入力部を前記画像表示部に表示させる処理と、
前記操作入力部の操作を受け付ける処理と、
前記操作入力部の操作情報を前記注入機へ送信する処理と、
を実行させ、前記作成する処理では、前記トンネルを模した図形に沿って、前記各注入孔を模した、前記図形より小さな複数の図形が、実際の注入孔の並び順の通りに
間隔を置いて配置され、かつ前記小さな複数の図形の各々における内側部分の色が、
その図形が表す注入孔の
外部かつ周辺の地山へ
広がる前記注入材の注入度合を表す表示画面の表示データを作成する処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの施工を支援するシステム及び方法、並びにプログラムに関し、特にNATM(New Austrian Tunneling Method)工法などによる山岳トンネルの施工中に周辺の地山に注入材を注入する際の支援システム、支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
山岳トンネルの施工においては、その補助工法として、掘削した地山の周辺に長尺鋼管や中空ボルトなどの補強管を多数打ち込み、各補強管の内部を注入孔として、ウレタン系発泡樹脂やモルタル等の注入材を周辺の地山に注入することが行われている(特許文献1など参照)。これによって、周辺地山が安定化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の注入工法においては、注入材の注入量(kg)や注入圧(MPa)などを指標にして施工管理している。注入量によって所定量の注入がなされたか否かが判断される。注入圧の上昇の有無によって、注入箇所の周辺の地山が固まったか否かが推測できる。注入量や注入圧のデータは、注入機の注入ポンプを制御するプログラマブルロジックコントローラ(以下、適宜「PLC」と称す)から数値データとして取得できる。
しかし、数値を読み取るだけでは、注入の状況をリアルタイムで直観的に把握するのは難しい。
本発明は、かかる事情に鑑み、施工中のトンネルの周辺の地山に注入材を注入する注入工法において、注入の状況をリアルタイムで直観的に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明のシステムは、施工中のトンネル内に設置された注入機からの注入材を、周辺の地山に形成した複数の注入孔から前記地山に注入する注入工法における注入支援システムであって、
各注入孔における注入データを取得する取得部と、
前記注入データに基づいて、各注入孔における注入状況を視覚的に識別可能に表す表示データを作成する作成部と、
前記表示データを画像表示する画像表示部と
を備えたことを特徴とする。
【0006】
前記複数の注入孔が、前記トンネルの周方向に間隔を置いて並んで配置されており、
前記作成部が、各注入孔における注入状況を実際の注入孔の並びにしたがって表示画面上に並べた表示データを作成することが好ましい。
【0007】
前記作成部が、前記トンネルのアーチ部を模した大径の半円部に沿って、各注入孔を模した複数の小径の円部を並べた表示データを作成し、かつ前記各円部の視覚的態様によって対応する注入孔の注入状況を表すことが好ましい。
【0008】
前記作成部が、縦軸を各注入孔における注入度合とし、横軸を前記実際の注入孔の並びとしたグラフの表示データを作成することが好ましい。
前記注入度合が、注入量又は注入圧を含むことが好ましい。
前記グラフは、棒グラフでもよく、折れ線グラフでもよい。
【0009】
各注入孔が、直線状に延び、かつ延び方向に複数の注入領域に区分けされており、
前記注入機が、前記注入領域ごとに注入材を注入し、
前記取得部が、前記注入領域ごとに注入データを取得し、
前記作成部が、各注入孔における注入状況を注入領域ごとに視覚的態様によって区別した表示データを作成することが好ましい。
【0010】
前記視覚的態様は、人の五感のうち専ら視覚によって認識される情報であり、色又は模様を含むことが好ましく、文字や音声は除かれる。模様は、網掛け模様などの他、表示の縁取りの太さや縁取りの有無などを含む。
前記視覚的態様が、線の種類(実線、点線など)、線の太さなど含んでいてもよい。前記視覚的態様が、点滅などの時間的変化を伴うものであってもよい。
【0011】
前記取得部が取得した注入データを送信する通信部と、
前記送信された注入データを受信する遠隔無線端末と、を更に備え、
前記遠隔無線端末が、前記作成部と、前記表示データを画像表示する画像表示部とを含むことが好ましい。
【0012】
前記遠隔無線端末が、前記注入機に対する操作入力部を前記画像表示部に表示させる操作表示部と、前記操作入力部の操作情報を前記注入機へ送信する操作送信部とを更に含み、
前記注入機が、受信した前記操作情報にしたがって運転されることが好ましい。
【0013】
前記取得部と接続され、前記取得部からの注入データを蓄積する記憶端末を更に備え、
前記遠隔無線端末が、前記注入データを蓄積する記憶部を含み、かつ前記記憶端末に蓄積された注入データを定期的又は不定期的に受信して、前記記憶部の注入データを更新することが好ましい。
【0014】
本発明に係る方法は、施工中のトンネル内に設置された注入機からの注入材を、周辺の地山に形成した複数の注入孔から前記地山に注入する注入工法における注入支援方法であって、
各注入孔における注入データを取得する工程と、
前記注入データに基づいて、各注入孔における注入状況を視覚的に識別可能に表す表示データを作成する工程と、
前記表示データを画像表示する工程と
を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明に係るプログラムは、前記の注入支援システムにおける作成部を構成するコンピュータに、
各注入孔における注入データを受け取る処理と、
受け取った注入データに基づいて、各注入孔における注入状況を視覚的に識別可能に表す表示データを作成する処理と、
を実行させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るプログラムは、前記注入支援システムにおける遠隔無線端末を構成するコンピュータに、
前記注入機に対する操作入力部の表示指令を受け付ける処理と、
前記表示指令を受けたとき、前記操作入力部を前記画像表示部に表示させる処理と、
前記操作入力部の操作を受け付ける処理と、
前記操作入力部の操作情報を前記注入機へ送信する処理と、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、施工中のトンネルの周辺の地山に注入材を注入する注入工法において、注入の状況をリアルタイムで直観的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る施工中の山岳トンネルを、注入材の注入工程で示す断面図である。
【
図4】
図4は、
図1における注入孔を拡大して示す解説断面図である。
【
図6】
図6は、前記注入支援システムの遠隔無線端末の構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、前記注入支援システムの注入状況表示画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、前記注入支援システムの注入操作指令画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、前記遠隔無線端末の起動時の動作を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、前記遠隔無線端末による注入指令操作の手順を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、前記注入支援システムのPLCの動作を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、前記遠隔無線端末による注入データの蓄積・更新動作を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、前記遠隔無線端末による注入状況表示動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、例えばNATM工法によって施工中の山岳トンネル1において、周辺の地山に注入材2を注入する様子を示したものである。注入材2としては、シリカレジン等のウレタン系発泡樹脂が用いられている。該注入材2は、A液とB液を出発物質とする。これら2液が混合されて発泡しながら地山に注入されて硬化する。これによって、トンネル周辺の地山が安定化される。
【0020】
図1及び
図2に示すように、トンネル1の周辺の地山には、長尺の先受け鋼管20が多数打設されている。図においては、切羽1eの奥側(
図1において左側)における注入工程を実施中の先受け鋼管20だけを図示する。先受け鋼管20は、トンネル軸に対して斜めに打設されている。先受け鋼管20の内部空間が、注入孔21を構成している。各先受け鋼管20ひいては各注入孔21は、直線状に延びるとともに、その延び方向に3つ(複数)の注入領域R
1,R
2,R
3が設定されている。
【0021】
図2に示すように、複数の先受け鋼管20からなる複数の注入孔21がトンネル1のアーチ部1aの周方向に間隔を置いて配置されている。施工管理上、これら注入孔21には、前記周方向の並び順に孔番号が付されている(
図7参照)。
【0022】
図1に示すように、前記注入材2のための注入機10と注入材供給源15がトラック4に搭載されて、トンネル1内に配置されている。
図3に示すように、注入機10には、1又は複数の注入ポンプ11と、操作盤13と、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)30が設けられている。ここでは、2台で1組の注入ポンプ11が3組、合計6台設けられている。1組の注入ポンプ11のうち1台がA液用であり、他の1台がB液用である。管理の便宜上、各組の注入ポンプ11に機番が付され、2台1組ごとに「1号機」、「2号機」、「3号機」と称されている。これら機番(「1号機」、「2号機」、「3号機」)は、それぞれ注入領域R
1,R
2,R
3と対応している。
【0023】
注入材供給源15は、A液の供給源15aと、B液の供給源15bを有している。詳細な図示は省略するが、A液供給源15aが前記A液用注入ポンプの供給ポートに接続され、B液供給源15bが前記B液用注入ポンプの供給ポートに接続されている。これら注入ポンプ11の吐出ポートから注入管16(
図1及び
図3では1つだけ図示)がそれぞれ延び出ている。
図4においては、1号機から注入管16の符号を「16A」とし、2号機から注入管16の符号を「16B」とし、3号機から注入管16の符号を「16B」として表記する。
【0024】
図4に示すように、1号機からのA液用及びB液用の2本の注入管16Aが、互いに合流して注入孔21の手前側の注入領域R
1まで挿し入れられている。同様に、2号機からの2本の注入管16Bが、互いに合流して注入孔21の中間の注入領域R
2まで挿し入れられている。3号機からの2本の注入管16Cが、互いに合流して注入孔21の奥側の注入領域R
3まで挿し入れられている。これによって、注入材2が注入領域R
1,R
2,R
3ごとに注入される。
各注入管16の先端部には、歪センサなどの注入圧センサ17が設けられている。
なお、
図4において、注入孔21の口径は、軸長に対して誇張されている。
【0025】
図3に示すように、操作盤13には、注入ポンプ11の操作つまみ13a~13eが機番ごとに設けられている。
操作つまみ13aは、A液用の注入ポンプとB液用の注入ポンプの何れかを個別に操作するか、A液用とB液用の両方の注入ポンプをまとめて同時に操作するかを選択するためのつまみである。
操作つまみ13bは、運転開始ボタンである。
操作つまみ13cは、運転停止ボタンである。
操作つまみ13dは、注入流速調整ボリュームである。
操作つまみ13eは、リセットボタンである。
図示は省略するが、更に注入機10には、注入データをチャート紙に出力するチャート出力部、注入データをセブンセグメントなどで表示する数値表示部、最終注入量の目標値や注入圧の上限値などを設定する設定部などが設けられている。
【0026】
図5は、前記注入材2の注入工法のための注入支援システム3を示したものである。注入支援システム3は、前記注入機10のPLC30と、遠隔無線端末32と、記憶端末31を含み、これら機器30,31,32がローカルエリアネットワーク(LAN)33によって相互にデータ通信可能に接続されている。PLC30と記憶端末31とはイーサネット(登録商標)規格のLANケーブル33a,33b及びハブ33cを介して有線接続されている。通信方式にはシリアル通信が適用されているが、パラレル通信であってもよい。
【0027】
図5に示すように、PLC30(制御部)は、演算処理部30aと、入出力部30bと、前記端末32,31とのLAN通信のための通信部30eを含む。演算処理部30aは、マイクロプロセッサやマイクロコントロールユニットによって構成されている。入出力部30bには、操作盤13及び注入圧センサ17等の入力機器、並びに注入ポンプ11からなる出力機器が接続されている。PLC30によって注入ポンプ11が制御される。
【0028】
PLC30と入力機器13,17とによって、注入支援システム3における注入データ の取得部3cが構成されている。注入データとしては、注入流速調整用の操作つまみ13dで設定した注入流速(kg/min)や、注入圧センサ17で検知した注入圧(MPa)が含まれる。注入流速の時間積分によって注入量(kg)が算出される。
注入管16に流量計を設けて注入流速を検知し、PLC30に入力してもよい。
注入ポンプ11の1回転あたりの吐出流量と回転回数とによって注入量(kg)を算出してもよい。
【0029】
さらに、取得部3cは、各注入孔21における注入領域R1,R2,R3ごとに注入データを取得する。すなわち、1号機の注入流速設定データ及び注入圧検知データから手前側注入領域R1の注入流速、注入圧、注入量が取得される。同様に、2号機の設定データ及び検知データから中間注入領域R2の注入流速、注入圧、注入量が取得される。3号機の設定データ及び検知データから奥側注入領域R3の注入流速、注入圧、注入量が取得される。
注入データ取得の時間間隔は、例えば0.1秒から0.数秒程度であるが、これに限られるものではない。
【0030】
図3に示すように、注入機10の収容スペース内に記憶端末31(データロガー)が収容されている。
図5に示すように、記憶端末31は、ノートパソコンなどのパーソナルコンピュータ(PC)によって構成され、CPU31a、ディスプレイ31b、記憶部31m、通信部31eを含む。記憶部31mには、注入支援プログラム31pと、注入支援データ31dが記憶されている。
【0031】
注入支援プログラム31pは、例えばC#等のプログラミング言語で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、PLC30から注入データを経時的に受け取って蓄積(記憶)する処理、蓄積した注入データ(以下「蓄積注入データ31g」)を定期的又は不定期的に遠隔無線端末32へ送信する処理、蓄積注入データ31gから所定の書式の日報その他の帳票を作成する処理などを、記憶端末31に実行させる。
注入支援データ31dは、前記蓄積注入データ31gの他、前記帳票の書式データ等の注入支援プログラム31pを実行するためのデータを含む。
【0032】
更に、
図5に示すように、注入支援システム3のLAN33上のハブ33cには、LANケーブル33d、中継器33e、同軸ケーブル33fを順次介して、無線アンテナ33gが接続されている。無線アンテナ33gは、注入機10に取り付けられていてもよく、トラック4に取り付けられていてもよい。無線アンテナ33gを介して、遠隔無線端末32が、PLC30及び記憶端末31と無線LAN接続されている。トンネル1内における無線アンテナ33gと遠隔無線端末32との無線通信可能距離は、好ましくは数十メートル~数百メートルである。
【0033】
図1に示すように、遠隔無線端末32は、タブレットPCによって構成されているが、これに限らず、携帯可能なPC端末であれば、スマートフォン、ノートPC等であってもよい。作業者Aが遠隔無線端末32を携行して操作する。
図6に示すように、遠隔無線端末32は、CPU32a、ディスプレイ32b(画像表示部)、記憶部32m、無線通信部32eを含む。
【0034】
記憶部32mには、注入支援データ32dと、注入支援プログラム32pが記憶されている。注入支援データ32dは、蓄積注入データ32g、各種画像表示データ34,35,36その他の前記注入支援プログラム32pを実行するためのデータを含む。
【0035】
注入支援プログラム32pは、例えばC#等のプログラミング言語で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、注入データ蓄積・更新処理プログラム32q、注入状況表示プログラム32r、注入操作プログラム32sを含む。
注入データ蓄積・更新処理プログラム32qは、PLC30から注入データを経時的に受け取って記憶部32mに蓄積注入データ32gとして蓄積する処理、及びその蓄積注入データ32gを定期的又は不定期的に更新する処理を、遠隔無線端末32に実行させる。
【0036】
注入状況表示プログラム32rは、前記蓄積注入データに基づいて表示データ34,35,36を生成して、ディスプレイ32b(画像表示部)に注入状況表示画面37(
図7)として表示する処理を、遠隔無線端末32に実行させる。遠隔無線端末32におけるCPU32aが、表示データ34,35,36の「作成部」として機能する。
【0037】
図7に示すように、表示データ34,35,36は、各注入孔21における注入量、注入速度、注入圧などの注入状況を視覚的に識別可能に画像表示するデータである。好ましくは、表示データ34,35,36は、各注入孔21における注入状況を実際の注入孔21の並びにしたがって画面上に並べて画像表示するデータである。
前記注入状況は、未注入か注入中か注入完了かの区別、注入量、注入速度、注入圧などを含む。
【0038】
詳しくは、注入状況表示画面37には、アーチ表示データ34によるアーチ画像40と、棒グラフ表示データ35による棒グラフ画像50と、折れ線グラフ表示データ36による折れ線グラフ画像60とが表示される。注入状況表示画面37の上側部分にアーチ画像40が表示され、下側部分の左右にそれぞれ棒グラフ画像50と折れ線グラフ画像60が表示されている。
なお、注入状況表示画面37における画像40,50,60どうしのレイアウトは、
図7の例示に限らず、適宜変更してもよい。注入状況表示画面37内に注入量の合計や注入圧の平均など数値データをまとめた表37bを設けてもよい。
【0039】
アーチ画像40は、大径の半円部41と、複数の小径の円部42とを含む。半円部41は、トンネル1のアーチ部1aを模したものである。半円部41の外周側に小径の円部42が配置されている。これら円部42は、実際の注入孔21を模したものであり、注入孔21と一対一に対応し、かつ実際の注入孔21の並びにしたがって並べられている。各円部42には、対応する注入孔21の孔番号が付されている。
【0040】
各円部42の色又は模様等の視覚的態様によって、対応する注入孔21の注入状況が表されている。例えば、円部42の縁部分42eの色によって、未注入か注入中か注入完了かが区別されている。縁部分42eより内側部分42aの色によって注入量が表されている。該注入量は、対応する注入孔21の設計注入量又は最大(許容)注入量の設定値でもよく、PLC30の取得データに基づくリアルタイムの注入量(注入度合)でもよい。
アーチ画像40には、各部分42e,42aの視覚的態様と注入状況との関係を説明した凡例43を付けることが好ましい。凡例43は表示指令に応じて表示されるようになっていてもよい。
【0041】
図7に示すように、棒グラフ画像50は、注入孔21ごとのリアルタイムの注入量(注入度合)を棒グラフで表示したものである。棒グラフの縦軸が注入量である。横軸は注入孔21を孔番号で識別した識別欄である。孔番号は、実際の注入孔21の並びにしたがって付されている。さらに、棒グラフの各棒51(注入孔21の注入量)は、当該注入孔21の注入領域R
1,R
2,R
3ごとに色又は模様等の視覚的態様によって区分けされている。例えば、棒51の下側部分51aは手前側注入領域R
1の注入量を表し、中間部分51bは中間注入領域R
2の注入量を表し、上側部分51cは奥側注入領域R
3の注入量を表している。3つの部分51a,51b,51cの色等の視覚的態様が互いに異なっている。
棒グラフ画像50には、色等の視覚的態様とポンプ機番(ひいては注入領域R
1,R
2,R
3)との関係を説明した凡例53を付けることが好ましい。凡例53は表示指令に応じて表示されるようになっていてもよい。
【0042】
図7に示すように、折れ線グラフ画像60は、注入孔21ごとの注入圧(注入度合)を注入孔21の並び順に結んだ折れ線グラフで表示したものである。折れ線グラフの縦軸が注入圧である。横軸には、注入孔21を識別する孔番号が実際の注入孔21の並びにしたがって付されている。例えば、折れ線グラフ中の実線の折れ線61は最終注入圧(注入終了時の注入圧)を示し、点線の折れ線62は初期注入圧を示す。初期注入圧は、注入ポンプ11からの注入材2の吐出開始時点ではなく、注入材2が注入管16から地山に注入され始めたとみなせる時点の注入圧である。例えば、前記吐出開始時点から所定時間(例えば1分間)経過後の注入圧や、前記吐出開始時点から所定量(例えば5kg)吐出した時点の注入圧を初期注入圧とする。
最終注入圧の折れ線61を太線で表し、初期注入圧の折れ線62を細線で表してもよい。
【0043】
図7に示すように、1~3号機の何れか1つを選択してその機番に対応する注入領域の折れ線61,62のみを表示してもよい。3つ(複数)の注入領域R
1,R
2,R
3の折れ線61,62を同時に表示してもよい。同時に表示する場合、好ましくは、注入領域R
1,R
2,R
3ごとに折れ線61,62を線種、色、太さ等で互いに区別して表示する。
折れ線グラフ画像60には、折れ線の線種、色、太さなどの視覚的態様が何を表しているかを説明した凡例63を付けることが好ましい。凡例63は表示指令に応じて表示されるようになっていてもよい。
初期注入圧の折れ線62だけを表示したり、最終注入圧の折れ線61だけを表示したり、両方の折れ線61,62を表示したり選択可能にしてもよい。
【0044】
前記注入操作プログラム32s(
図6)は、注入操作指令画面38(
図8)の表示指令を受け付ける処理と、該表示指令を受けたとき、注入操作指令画面38をディスプレイ32bに表示させる処理と、注入操作指令画面38における操作入力部38a~38gの操作を受け付ける処理と、操作入力部38a~38gの操作情報を注入機10へ送信する処理とを遠隔無線端末32に実行させる。このとき遠隔無線端末32は「操作表示部」及び「操作送信部」として機能する。
【0045】
図8に示すように、注入操作指令画面38には、注入ポンプ11に対する操作入力部38a~38eが機番ごとに設けられている。
例えば操作入力部38aは、A液用の注入ポンプとB液用の注入ポンプの何れかを個別に操作するか、A液用とB液用の両方の注入ポンプをまとめて同時に操作するかを選択するボタンであり、操作盤13の操作つまみ13aと対応する。
操作入力部38bは、運転開始ボタンであり、操作つまみ13bと対応する。
操作入力部38cは、運転停止ボタンであり、操作つまみ13cと対応する。
操作入力部38dは、注入流速調整ボリュームであり、操作つまみ13dと対応する。
操作入力部38eは、注入量(注入積算流量)などのリセットボタンであり、操作つまみ13eと対応する。
好ましくは、注入操作指令画面38における各操作入力部38a~38e等の配置は、操作盤13における操作つまみ13a~13e等の配置と実質的に同じである。
さらに、注入操作指令画面38には、注入する孔番号を指定する操作入力部38f、操作権限を選択する操作入力部38gなどが設けられている。
【0046】
1つの操作入力部で運転開始と運転停止がなされるようになっていてもよい。該運転開始/停止用操作入力部は、運転停止中は「運転開始ボタン」として機能し、1回の押下で運転が開始されると「運転停止ボタン」に機能が切り替わるようにしてもよい。「運転開始ボタン」のときの運転開始/停止用操作入力部の色と、「運転停止ボタン」のときの運転開始/停止用操作入力部の色とを、例えば青と赤などの互いに異なる色にすることが好ましい。
捨て打ち運転の開始及び停止の操作入力部が設けられていてもよい。
【0047】
トンネル1は次のようにして施工される。
トンネル1をあるスパンだけ掘進して覆工(図示せず)を構築するとともに、ドリルジャンボ(図示せず)によって先受け鋼管20を打設することで注入孔21を形成する。
その後、前記ドリルジャンボを後退させ、入れ替わりにトラック4を切羽1e側へ前進させる。
トラック4の注入機10から延びる注入管13を注入孔21に差し入れる。続いて、注入ポンプ11を駆動することによって、注入材2を注入孔21から地山に注入する。
一般に、まず孔番号が奇数番の注入孔21へ注入を行い、その後、偶数番の注入孔21へ注入を行う。各注入孔21については、好ましくは注入領域R1,R2,R3ごとに、対応する機番の注入ポンプ11によって注入を行う。
【0048】
前記注入工程において、注入支援システム3は次のように動作又は使用される。
注入機10の操作は、操作盤13で行うだけでなく、注入支援システム3の遠隔無線端末32によっても行うことができる。
図9のフローチャートに示すように、作業者Aが遠隔無線端末32の電源を入れると、注入支援プログラム32pが自動起動されて(ステップ001)、トップメニューが表示され(ステップ002)、遠隔無線端末32が、例えば注入状況表示画面37及び注入操作指令画面38の何れかの表示指令の受付けモードになる(ステップ003)。
作業者Aが注入操作指令画面38の表示指令を選択すると(ステップ004)、
図10に示すように、操作入力部38a~38f等を含む注入操作指令画面38がディスプレイ32bに表示される(ステップ100)。
【0049】
遠隔無線端末32による遠隔操作の際は、はじめに、注入操作指令画面38の操作権限ボタン38gをタップする。これによって、注入機10の操作権限が遠隔無線端末32に移り(ステップ101)、遠隔無線端末32が操作入力部38a~38f等の操作受付けモードになる(ステップ102)。
【0050】
好ましくは、作業者Aは、はじめに孔番号指定ボタン38fによって、注入しようとする注入孔21の孔番号を指定する。3つの機番(「1号機」、「2号機」、「3号機」)に対応する注入孔21をまとめて指定するだけでなく、3つの機番の各々に対応する注入孔21を個別に指定できるようにしてもよい。
また、注入流速調整用の操作入力部38dによって注入流速を設定する。
続いて、例えば操作入力部38aによってAB同時注入を選択するとともに、運転開始用の操作入力部38bを押下する。
3つの機番の操作入力部38a~38eをそれぞれ操作する。
【0051】
これらの操作情報は、遠隔無線端末32から無線LANによって注入機10のPLC30へ送信される(ステップ103)。
図11に示すように、PLC30は、前記操作情報を受信したときは(ステップ201)、その操作情報にしたがって所定の処理を実行する(ステップ202)。これによって、注入機10が、遠隔無線端末32からの操作情報にしたがって運転される。
【0052】
作業者Aは、注入機10の近くに居なくても注入機10を遠隔操作でき、作業の省力化を図ることができる。
操作入力部38a~38eについてはレイアウトが操作盤13の操作つまみ13a~13eと同じであるために、操作盤13の操作に慣れた作業者Aは、注入操作指令画面38を容易に操作することができる。
【0053】
図11に示すように、PLC30は、作動中の注入ポンプ11の注入流速ひいては注入流量、及び対応する注入圧センサ17による注入圧を含む注入データを取得する(ステップ203)。
取得した注入データは、LAN33によって記憶端末31及び遠隔無線端末32に送信される(ステップ204)。
【0054】
図12に示すように、遠隔無線端末32は、注入データを受信したときは(ステップ300)、その注入データを受信時刻などと共に記憶部32mに蓄積注入データ32gとして蓄積する(ステップ301)。
なお、記憶端末31においても、同様に受信した注入データを受信時刻などと共に記憶部31mに蓄積注入データ31gとして蓄積する。
ここで、PLC30と記憶端末31とは有線LAN接続であるから、通信エラーが発生しにくい。したがって、記憶端末31の蓄積注入データ31gのほうが、遠隔無線端末32の蓄積注入データ32gより信頼性が高いと言える。
【0055】
前記記憶端末31の蓄積注入データ31gは、所定の更新タイミング(ステップ310)で遠隔無線端末32に送信される。
これを受信した遠隔無線端末32は、記憶部32mの蓄積注入データ32gを前記記憶端末31からの蓄積注入データ31gに更新(上書き)する(ステップ311~ステップ312)。これによって、遠隔無線端末32の蓄積注入データ32gの信頼性を向上させることができる。
【0056】
蓄積注入データ32gの更新タイミングは、定期的でもよく、不定期でもよい。定期的に遠隔無線端末32から記憶端末31へ蓄積注入データ31gの送信要求を出してもよい。作業者Aが任意のタイミングで送信要求できるようにしてもよい。
【0057】
図9に示すように、遠隔無線端末32の注入支援プログラム32pのトップメニューにおいて(ステップ002)、前記注入状況表示メニューを選択すると(ステップ003→ステップ005)、注入状況表示画面37(
図7)がディスプレイ32bに表示される。すなわち、
図13に示すように、遠隔無線端末32(作成部)は、CPU32aによって記憶部32mの蓄積注入データ32gを読み出し、各注入孔21における注入状況を視覚的に識別可能な表示データ34,35,36を作成する(ステップ401)。表示データ34,35,36は、一定時間(好ましくは1秒~10秒)間隔で更新される。該表示データ34,35,36をディスプレイ32bに表示する(ステップ402)。
【0058】
具体的には、
図7に示すように、アーチ画像40、棒グラフ画像50、折れ線グラフ画像60などがディスプレイ表示される。これらの画像40,50,60が選択的に個別にディスプレイ表示されるようになっていてもよい。これらの画像40,50,60によって、各注入孔21への注入材2の注入状況が可視化される。作業者Aは、該注入状況をリアルタイムで視覚的ないしは直観的に把握することができる。
【0059】
詳しくは、アーチ画像40によって、1の掘削スパン内におけるアーチ部1aの周方向に並んだすべての注入孔21の注入状況を総合的に把握できる。
棒グラフ画像50によって、各注入孔21の注入量を一目で把握できる。しかも、注入領域R1,R2,R3ごとの注入量をも簡単に把握できる。
折れ線グラフ画像60によって、各注入孔21の注入圧、ひいては隣接する注入孔21相互間の注入圧差を一目で、かつリアルタイムで把握できる。
【0060】
先に注入する奇数番の注入孔21については、例えば棒グラフ画像50によって、所定の注入量まで達したか否かを管理する。その後、2つの奇数番の注入孔21どうし間に注入する偶数番の注入孔21については、例えば折れ線グラフ画像60によって、注入圧の上昇がみられたか否かを管理する。所定の注入圧上昇があったときは、これら注入孔21の周辺の地山が固まったと推測できる。これによって、注入施工の良好性が担保される。
このように、注入支援システム3を用いて注入材2の注入状況を可視化することによって、先行地山(切羽1eの奥側の地山)の改良状態を的確に予測しながら、トンネル1の掘進を行うことができる。
また、記憶端末31の蓄積注入データ31gを用いて、作業日報などの帳票を簡単に作成できる。一般的な表計算ソフトウェアで編集可能な帳票を出力することもできる。
【0061】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、トンネル1の外部の例えばオフィスや詰所の外部コンピュータが、注入支援システム3のネットワーク33に組み込まれていてもよい。該外部コンピュータによっても、注入状況表示画面37(
図7)で注入状況をリアルタイムで確認できるようにしたり、注入操作指令画面38(
図8)で注入機10を遠隔操作できるようにしたりしてもよい。
外部コンピュータとPLC3及び端末31,32との接続には、
図5の二点鎖線にて示すインターネットなどの公衆通信網5を用いてもよい。
外部コンピュータとPLC30及び端末31,32とによって、仮想プライベートネットワーク(VPN)が構築されるようにしてもよい。
注入材2は、ウレタン系発泡樹脂に限らず、モルタル、セメントなどであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、例えば山岳トンネルの施工に適用できる。
【符号の説明】
【0063】
R1,R2,R3 注入領域R3
1 トンネル
1a アーチ部
2 注入材
3 注入支援システム
3c 取得部
10 注入機
11 注入ポンプ
13d 操作つまみ
17 注入圧センサ(取得部)
21 注入孔
30 プログラマブルロジックコントローラ(取得部)
31 記憶端末
31g 蓄積注入データ
31p 注入支援プログラム
32 遠隔無線端末
32a CPU(作成部)
32b ディスプレイ(画像表示部)
32d 注入支援データ
32g 蓄積注入データ
32p 注入支援プログラム(プログラム)
32q 注入データ蓄積・更新処理プログラム(プログラム)
32r 注入状況表示プログラム(プログラム)
32s 注入操作プログラム(プログラム)
34 アーチ表示データ(表示データ)
35 棒グラフ表示データ(表示データ)
36 折れ線グラフ表示データ(表示データ)
37 注入状況表示画面
38 注入操作指令画面
38a~38g 操作入力部
40 アーチ画像
50 棒グラフ画像
60 折れ線グラフ画像