(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】自家消費型太陽光発電システムの電力制御装置
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
H02J3/38 130
H02J3/38 180
(21)【出願番号】P 2019046110
(22)【出願日】2019-03-13
【審査請求日】2022-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】593055074
【氏名又は名称】オーナンバ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】木下 彰
(72)【発明者】
【氏名】後藤 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】前田 泰
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-153404(JP,A)
【文献】特開2004-350359(JP,A)
【文献】特開2008-232476(JP,A)
【文献】特開2009-240032(JP,A)
【文献】特開2009-268247(JP,A)
【文献】特開2013-078190(JP,A)
【文献】特開2013-176234(JP,A)
【文献】特開2015-159663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00 -11/89
110/00
120/00
130/00
140/00
G06Q 10/00 -10/10
30/00 -30/08
50/00 -50/20
50/26 -99/00
G16Z 99/00
H01M 10/42 -10/48
H02J 3/00 - 7/12
7/34 - 7/36
H03J 9/00 - 9/06
H04Q 9/00 - 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電設備からの発電電力と電力会社からの受電電力とによって負荷による消費電力を賄う自家消費型太陽光発電システムの電力制御装置であって、前記電力制御装置が、前記発電電力、前記受電電力、及び前記消費電力の計測データをそれぞれ取得することができる計測データ取得部と、前記計測データ取得部による発電電力、受電電力、及び消費電力の計測データ結果に基づいて発電電力、受電電力、又は消費電力を変更することができる制御部とを含み、前記制御部は、電力会社への電力の逆潮流を防止するために受電電力=負荷による消費電力-発電電力≧0の式の条件を満足させながら、計測した発電電力が第一参照値より少ない場合は、負荷による消費電力を抑制するように、計測した発電電力が第二参照値より多い場合は、負荷による消費電力を高めるように制御するように構成され、第一参照値は、第二参照値より低い値で設定されていること、及び負荷が空調設
備であ
り、かつダミー負荷を含まないことを特徴とする電力制御装置。
【請求項2】
第一参照値が、太陽光発電設備の定格発電量の10%以上90%以下の範囲の値であることを特徴とする請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項3】
第二参照値が、太陽光発電設備の定格発電量の70%超95%以下の範囲の値であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の条件式中の負荷による消費電力が、実際の計測結果より消費電力の一定の変動幅を控除した値であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の電力制御装置。
【請求項5】
消費電力の一定の変動幅が消費電力の計測結果の1~10%であることを特徴とする請求項4に記載の電力制御装置。
【請求項6】
制御部が、発電電力を太陽光発電設備の定格発電量の100%未満から0%までの範囲で抑制することができるように構成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の電力制御装置。
【請求項7】
計測データ取得部による発電電力、受電電力、及び消費電力の計測間隔が1~60秒であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の電力制御装置。
【請求項8】
計測データ取得部による発電電力、受電電力、及び消費電力の計測間隔が3~20秒であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の電力制御装置。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれかに記載の電力制御装置を含むことを特徴とする自家消費型太陽光発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力会社からの受電電力量を抑制した節電効果の高い自家消費型太陽光発電システムの電力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の太陽光発電は、国による固定価格買取制度(FIT)により20年間固定の高い単価で電気を売ることができるため、FIT施行以降非常に高い人気が続いていた。
【0003】
しかしながら、電力会社の買取価格の低下により、新規設置では買取価格は電気料金とほぼ同額、あるいはそれより低下するため、太陽光発電設備に対する投資妙味がなくなりつつある。また、電力会社の出力制御要請により発電した設備からの売電を抑制せざるをえない環境も生じている。
【0004】
かかる環境の下、太陽光発電設備は、発電した電力を電力会社に売るより自家消費することを目的とした設計が増えつつある。このような自家消費型の設計では、太陽光発電システムから電力会社への電力の逆潮流を防止するように制御することが必要である。
【0005】
逆潮流を防止した太陽光発電システムとしては、例えば特許文献1~3が挙げられる。特許文献1では、消費電力量に対する発電電力量の差分値が設定閾値以下となった場合に太陽光発電装置から供給される電力量を所定値まで低減すること、特許文献2では、負荷による消費電力量に対する発電電力量の不足分が閾値以下になった場合に太陽光発電装置から供給される電力量を抑制することが開示されている。しかし、特許文献1,2では、過剰に発電電力を抑制するために発電可能な電力を十分に活用できていない問題がある。
【0006】
特許文献1,2のこのような問題を低減するために、特許文献3では、発電電力の上限値を、発電電力の上限値と消費電力との差分が消費電力の一次関数となるように設定して、発電電力がこの上限値以下となるように制御することが開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献3の制御方法では、もっぱら発電電力を特定値以下に低下するように制御することに注力しているため、発電電力が小さいときは電力会社から買電する量が増えるだけであり、また発電電力が負荷電力より大きいときには、逆潮流を防止するために太陽光発電の発電電力の抑制を行なわなければならず、せっかくの発電電力が有効に使えない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2017-93127号公報
【文献】特開2012-175858号公報
【文献】特許第6364567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題を解消するために創案されたものであり、その目的は、自家消費電型太陽光発電システムにおいて、電力会社への電力の逆潮流を防止しながら、太陽電池の発電電力の抑制を避けて太陽電池の発電効率を高めることができる電力制御装置、及びそれを使用した自家消費型太陽電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、逆潮流を防止するために発電電力を抑制するように制御するのではなく、発電電力が少ない場合に負荷による消費電力を抑制し、発電電力が多い場合に負荷による消費電力を高めるように制御することによって発電電力の効率を従来より高めることができることを見出し、本発明の完成に至った。
【0011】
即ち、本発明は、以下の(1)~(9)の構成を有するものである。
(1)太陽光発電設備からの発電電力と電力会社からの受電電力とによって負荷による消費電力を賄う自家消費型太陽光発電システムの電力制御装置であって、前記電力制御装置が、前記発電電力、前記受電電力、及び前記消費電力の計測データをそれぞれ取得することができる計測データ取得部と、前記計測データ取得部による発電電力、受電電力、及び消費電力の計測データ結果に基づいて発電電力、受電電力、又は消費電力を変更することができる制御部とを含み、前記制御部は、電力会社への電力の逆潮流を防止するために受電電力=負荷による消費電力-発電電力≧0の式の条件を満足させながら、計測した発電電力が第一参照値より少ない場合は、負荷による消費電力を抑制するように、計測した発電電力が第二参照値より多い場合は、負荷による消費電力を高めるように制御するように構成され、第一参照値は、第二参照値より低い値で設定されていること、及び負荷が空調設備であり、かつダミー負荷を含まないことを特徴とする電力制御装置。
(2)第一参照値が、太陽光発電設備の定格発電量の10%以上90%以下の範囲の値であることを特徴とする(1)に記載の電力制御装置。
(3)第二参照値が、太陽光発電設備の定格発電量の70%超95%以下の範囲の値であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の電力制御装置。
(4)(1)に記載の条件式中の負荷による消費電力が、実際の計測結果より消費電力の一定の変動幅を控除した値であることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の電力制御装置。
(5)消費電力の一定の変動幅が消費電力の計測結果の1~10%であることを特徴とする(4)に記載の電力制御装置。
(6)制御部が、発電電力を太陽光発電設備の定格発電量の100%未満から0%までの範囲で抑制することができるように構成されていることを特徴とする(1)~(5)のいずれかに記載の電力制御装置。
(7)計測データ取得部による発電電力、受電電力、及び消費電力の計測間隔が1~60秒であることを特徴とする(1)~(6)のいずれかに記載の電力制御装置。
(8)計測データ取得部による発電電力、受電電力、及び消費電力の計測間隔が3~20秒であることを特徴とする(1)~(7)のいずれかに記載の電力制御装置。
(9)(1)~(8)のいずれかに記載の電力制御装置を含むことを特徴とする自家消費型太陽光発電システム。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電力制御装置は、自家消費型太陽光発電システムにおいて、電力会社への電力の逆潮流を防止するために発電電力を抑制するのではなく、計測した発電電力に応じて負荷の消費電力を増減するように制御しているので、逆潮流の防止を確実にしながら、太陽光発電の発電電力を効率的に利用することができ、電力会社からの買電量を従来より削減することができる。特に、負荷が空調設備による場合、経時的な消費電力の推移が予想されるため、快適性を損わずに発電電力の変化に対応した省エネ性の高い空調制御の実現が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の電力制御装置を含む自家消費型太陽光発電システムの一例の概略説明図である。
【0014】
【
図2】
図2は、本発明の電力制御装置を使用した場合の節電効果シミュレーションの一例を表わすグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の電力制御装置及びそれを使用した太陽光発電システムの実施形態の一例について図面を参照して説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0016】
本発明の電力制御装置は、逆潮流を防止するために基本的に負荷による消費電力を制御するという新規な制御方法を使用することを除けば、従来公知のものと基本的に同じものを採用することができる。また、本発明の電力制御装置を使用して制御される太陽光発電システム本体は、それ自体、基本的に従来公知のものを採用することができる。
【0017】
図1は、本発明の電力制御装置を使用した自家消費型太陽光発電システムの一例を概略的に示したものである。
図1に示されるように、本発明の太陽光発電システム1は、太陽光発電設備2からの発電電力2Aと、電力会社3からの受電電力3Aと、任意選択的に蓄電池からの供給電力(図示せず)とによって負荷4による消費電力4Aを賄う自家消費型太陽光発電システムである。本発明の太陽光発電システム1は、本発明の電力制御装置を使用して前述の各電力を制御することができるように構成されている。
図1の太陽光発電システム1では、建造物の屋上に太陽光発電設備2が設置され、負荷電力4Aを要求するものとして建造物内の空調設備5を含む負荷4が示されている。
【0018】
太陽光発電システム1では、電力会社3の系統電力網から電力3Aが受電されて分電盤9に送られる。このときの受電電力3Aは、例えばスマートメーター8によって計測される。また、太陽光発電設備2で発電した電力は、直流電力で出力され、パワーコンディショナー(図示せず)によって交流電力に変換され、発電電力2Aとして分電盤9に送られる。分電盤9に集められた受電電力3A及び発電電力2Aは、合わせて負荷4に送られ、消費電力4Aとして使用される。
【0019】
本発明の電力制御装置は、太陽光発電設備2からの発電電力2A、電力会社3からの受電電力3A、負荷4による消費電力4Aの計測データをそれぞれ取得することができる計測データ取得部6と、それらの計測データ結果に基づいて発電電力2A、受電電力3A、消費電力4Aを変更することができる制御部7とを含む。計測データ取得部6は、それ自体、各電力を計測するものでなくてもよく、各電力の計測データを取得することができれば十分である。計測データ取得部6で取得された計測データは、例えばインターネット10を介してクラウドサーバー11に送ることができ、制御部7は、そこから計測データを与えられることができる。制御部7は、計測データ取得部6と一体的に設けられてもよいし、計測データ取得部6から離れて設けられてもよい。また、制御部7は、パワーコンディショナーの中に一体的に設けられてもよいし、パワーコンディショナーとは別に設けられてもよい。
【0020】
制御部7は、太陽光発電設備2での発電電力2Aが負荷による消費電力4Aより大きくなって電力会社3の系統電力網に発電電力2Aが逆潮流することを防止するために受電電力=負荷による消費電力-発電電力≧0の式の条件を満足するように制御する。制御部7は、発電電力を太陽光発電設備の最大発電量(定格発電量)の100%未満から0%までの範囲で抑制することができる。条件式中の負荷による消費電力は、負荷の消費電力の変動がある程度見込まれることから、変動マージンとして実際の計測した消費電力より消費電力の一定の変動幅を控除した値であることが好ましい。この場合、消費電力の一定の変動幅は、消費電力の計測結果の1~10%に設定することが好ましい。また、制御部7は、負荷による消費電力が、例えば負荷が空調設備のように一日の中での消費電力の増減のスケジュールを予想できる場合には、予め決められた時間推移のスケジュールの値に基づく条件式も満足させることができることが好ましい。
【0021】
本発明の電力制御装置では、制御部7が、上述のように逆潮流を防止するために上記の式の条件を満足させながら、さらに、計測した発電電力が第一参照値より少ない場合は、負荷による消費電力を抑制するように、計測した発電電力が第二参照値より多い場合は、負荷による消費電力を高めるように制御するように構成されていることが大きな特徴である。従来の装置では、もっぱら発電電力を抑制することにより逆潮流を防止していたが、本発明の装置では、制御部で積極的に負荷の消費電力を増減して制御することが特徴である。特に発電電力が少ない場合に消費電力を制御して受電電力を減少することにより節電を図ることができ、発電電力が多い場合に消費電力を高めることにより逆潮流を有効に防止することができる。ここで第一参照値とは、太陽光発電設備の定格発電量の10%以上90%以下、さらには10%以上80%以下、さらには10%以上70%以下の範囲の値であることができる。また、第二参照値とは、太陽光発電設備の定格発電量の70%超95%以下、さらには80%超95%以下、さらには85%超95%以下の範囲の値であることができる。但し、上述の判断時に基準となる第一参照値は、第二参照値より低い値で設定されることが好ましい。
【0022】
本発明の電力制御装置では、原則として発電電力を抑制するように制御していないので、発電電力を有効に活用することができ、従来の電力制御装置より太陽光発電設備の発電効率が極めて高いメリットがある。一方、負荷の消費電力を増減することによって負荷に対して生じるデメリットは、一日の中での負荷のきめ細かい使用状況の設定で軽減することができる。負荷の快適性を損わずにこのデメリットを軽減するには、負荷が空調設備からのものを含むことが好ましい。空調設備の場合、人がいないところでの強めの冷房を緩和したり、気温が上がった場合に当初の設定温度を上げて快適性を向上したりするなどの細かい制御と組み合わせることができ、負荷の快適性を損わずに省エネ性を効率的に高めることができる。
【0023】
計測した発電電力が第一参照値より少ないかどうか、そして計測した発電電力が第二参照値より多いかどうかの制御部7の判断は、計測データ取得部6による発電電力、受電電力、及び消費電力の計測間隔ごとに行なわれることが好ましい。連続的に計測する場合は、判断を連続的に間欠的に行なうことができる。間欠的に計測する場合は、判断を計測間隔ごとに間欠的に行なうことができる。この場合、計測間隔は、1~60秒、さらには3~20秒、さらには4~15秒であることができる。
【0024】
図2は、本発明の電力制御装置を使用した自家消費型太陽光発電システムにおける節電効果を従来設備と比較した節電シミュレーションの結果を経時的にグラフで示したものである。
図2からわかるように、本発明設備では、計測した発電電力が特定の値より少ない場合(12:00前後以外の作業時)は負荷による消費電力を抑制する制御がなされるため、消費電力が従来設備より低くなり、その結果、電力会社からの買電量(受電電力)についても本発明設備が従来設備より少なくなっている。従って、発電電力に応じて消費電力を抑制できるように制御される本発明設備は、従来設備より省エネ効果が高いと言える。一方、本発明設備では、計測した発電電力が多いために消費電力を超える場合(12:00前後の昼食時)は、消費電力を高める制御がなされて逆潮流が防止されるが、従来設備では、発電電力を抑制する制御がなされている。
【0025】
本発明の電力制御装置は、上述のような構成を採用しているので、太陽光発電設備による発電状況と、負荷によって消費されている電力などを連続的に又は間欠的に計測し、電力会社の系統網への逆潮流を防止する自家消費型太陽光発電に相応しい監視・制御システムと併せて、電力会社からの買電を抑制できる省エネソリューションを提供し、経済性、環境貢献、快適性の全てを満足させることができる。
【0026】
上述では、本発明の電力制御装置は、負荷による消費電力を、太陽光発電設備からの発電電力と電力会社からの受電電力とによって賄う自家消費型太陽光発電システムにおいて使用するものとして説明してきたが、さらに蓄電池からの供給電力によっても負荷による消費電力を賄うシステムにおいても使用することができる。この場合、電力制御装置の計測データ取得部は、発電電力、受電電力、蓄電池からの供給電力、及び消費電力の計測データをそれぞれ取得し、制御部は、これらの各電力の計測データ結果に基づいて発電電力、受電電力、蓄電池からの供給電力、及び消費電力を変更し、蓄電池への充電電力を変更することができる。制御部は、電力会社への電力の逆潮流を防止するために受電電力=負荷による消費電力-発電電力-蓄電池からの供給電力+蓄電池への充電電力≧0の式の条件式を満足させるのに加えて、計測した発電電力が第一参照値より少ない場合は、負荷による消費電力を抑制するか、及び/又は蓄電池による供給電力を生じるように、計測した発電電力が第二参照値より多い場合は、負荷による消費電力を高めるか、及び/又は発電電力から蓄電池への充電電力を生じるように制御するように構成され、第一参照値は、第二参照値より低い値で設定されている。この蓄電池を追加して使用したシステムにおける本発明の電力制御装置の詳細な制御設定は、基本的に前述した説明がそのまま適用されることができる。このシステムでは、逆潮流の防止がさらに確実になるとともに、消費電力の増減が少なくなり、負荷の快適性を向上したうえで発電効率を大幅に高めることができる。このシステムでは、蓄電池は、太陽光発電設備からの発電電力を余剰の場合に蓄電することができ、また蓄電池に蓄電された電力は、余剰の場合に必要により負荷の消費電力として供給することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の電力制御装置は、自家消費型太陽光発電システムにおいて使用すると、電力会社への電力の逆潮流を確実に防止できるとともに太陽電池の発電電力の抑制を避けて太陽電池の発電効率を大幅に高めることができる。また、負荷による消費電力も抑制することができる。従って、本発明の電力制御装置は、FIT施行以降の太陽光発電設備の業界において極めて有用である。
【符号の説明】
【0028】
1 太陽光発電システム
2 太陽光発電設備
2A 発電電力
3 電力会社
3A 受電電力
4 負荷
4A 消費電力
5 空調設備
6 計測データ取得部
7 制御部
8 スマートメーター
9 分電盤
10 インターネット
11 クラウドサーバー