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  • 特許-積層剥離容器 図1
  • 特許-積層剥離容器 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】積層剥離容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
B65D1/02 111
B65D1/02 220
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020015464
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021123347
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝典
(72)【発明者】
【氏名】浅岡 精一
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-091538(JP,A)
【文献】特開2019-177908(JP,A)
【文献】特開2018-188178(JP,A)
【文献】特開2003-192031(JP,A)
【文献】米国特許第07482047(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外層体と前記外層体の内面に剥離可能に積層された内層体とで構成される積層剥離容器であって、
筒状の口部と、前記口部の下端に連なるとともに下方に向けて徐々に拡径する肩部と、前記肩部の下端に連なる胴部と、前記胴部の下端を閉塞する底部とを有し、
前記口部が、前記外層体と前記内層体との間に連なる外気導入口を有し、
前記肩部が、各々が容器外面から窪むとともに上下方向に延びる、周方向に並ぶ複数の凹リブと、前記周方向に隣り合う前記凹リブ間で前記容器外面から突出するとともに上下方向に延びる凸リブとを有し、
互いに隣り合う前記凹リブと前記凸リブとの前記周方向の距離は下方に向けて大きくなっていることを特徴とする積層剥離容器。
【請求項2】
各々の前記周方向に隣り合う前記凹リブ間に、前記凸リブが設けられている、請求項1に記載の積層剥離容器。
【請求項3】
各々の前記周方向に隣り合う前記凹リブ間に、1つのみの前記凸リブが設けられている、請求項2に記載の積層剥離容器。
【請求項4】
前記外層体および前記内層体が、ポリエチレンテレフタレート樹脂製である、請求項1~3の何れか1項に記載の積層剥離容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層剥離容器に関する。
【背景技術】
【0002】
醤油等の食品調味料、飲料、化粧料、シャンプー、リンス、液体石鹸などを内容物として収納する容器として、ポリエチレンテレフタレート樹脂製の外層体と、外層体の内面に剥離可能に積層されたポリエチレンテレフタレート樹脂製の内層体とで構成され、口部、肩部、胴部及び底部を有するとともに、口部に外気導入口が設けられた積層剥離容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
デラミネーション容器とも呼ばれる上記積層剥離容器は、例えば、逆止弁を備えた注出キャップと組み合わされたスクイズ式の注出容器、あるいはポンプと組み合わされたポンプ付き容器として使用され、胴部をスクイズ(圧搾)したりポンプを操作したりすることで内容物を外部に注出することができる。一方、内容物の注出後には、外気導入口から外層体と内層体との間に外気が導入されることにより、外層体を元の形状に復元ないし維持したまま、内層体を外層体から剥離させて減容変形させることができる。したがって、積層剥離容器によれば、内層体に収容されている内容物を外気と置換することなく外部に注出させて、内層体に収容されている内容物への外気の接触を減らし、当該内容物の劣化や変質等を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-131256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記構成の積層剥離容器では、各々が容器外面から窪むとともに上下方向に延びる複数の凹リブを肩部に周方向に並べて設けた構成とすることにより、口部に設けられた外気導入口から胴部に向けて外層体と内層体との間に外気の通路が容易に形成されるようにして、内層体を外層体から剥離し易くしている。
【0006】
しかし、このように肩部に複数の凹リブを設けた場合でも、肩部を含む部分にシュリンク包装材を装着するためにシュリンク包装材をスチーム等で加熱した際に、肩部が加熱されて当該肩部において内層体と外層体が張りつき、それにより、外気導入口から胴部に向かう外気の通路が形成され難くなる場合があった。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、口部に設けられた外気導入口から胴部に向かう外気の通路が形成され易い積層剥離容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の積層剥離容器は、外層体と前記外層体の内面に剥離可能に積層された内層体とで構成される積層剥離容器であって、筒状の口部と、前記口部の下端に連なるとともに下方に向けて徐々に拡径する肩部と、前記肩部の下端に連なる胴部と、前記胴部の下端を閉塞する底部とを有し、前記口部が、前記外層体と前記内層体との間に連なる外気導入口を有し、前記肩部が、各々が容器外面から窪むとともに上下方向に延びる、周方向に並ぶ複数の凹リブと、前記周方向に隣り合う前記凹リブ間で前記容器外面から突出するとともに上下方向に延びる凸リブとを有し、互いに隣り合う前記凹リブと前記凸リブとの前記周方向の距離は下方に向けて大きくなっていることを特徴とする。
【0009】
本発明の積層剥離容器は、上記構成において、各々の前記周方向に隣り合う前記凹リブ間に、前記凸リブが設けられているのが好ましい。
【0010】
本発明の積層剥離容器は、上記構成において、各々の前記周方向に隣り合う前記凹リブ間に、1つのみの前記凸リブが設けられているのが好ましい。
【0011】
本発明の積層剥離容器は、上記構成において、前記外層体および前記内層体が、ポリエチレンテレフタレート樹脂製であるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、口部に設けられた外気導入口から胴部に向かう外気の通路が形成され易い積層剥離容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態に係る積層剥離容器の、その一部を切り欠いた正面図である。
図2図1におけるA-A線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明をより具体的に例示説明する。
【0015】
図1に示す本発明の一実施の形態に係る積層剥離容器1は、デラミネーション容器(デラミ容器)とも呼ばれるものであり、外層体2と、外層体2の内側に配置された内層体3とで構成される二重構造となっている。
【0016】
外層体2及び内層体3は、何れも、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)製となっている。外層体2及び内層体3が、それぞれポリエチレンテレフタレート樹脂製とされることで、積層剥離容器1は軽量で透明性の高い容器となっている。
【0017】
積層剥離容器1は、外層体2を形成するためのポリエチレンテレフタレート樹脂製の外プリフォームと、外プリフォームの内側に位置するポリエチレンテレフタレート樹脂製の内プリフォームとを個別に形成した後に、これらを組み合わせた積層プリフォームをブロー成形することにより形成することができる。
【0018】
以下では、積層剥離容器1を、醤油等の食品調味料などを内容物として収容するスクイズ式の注出容器として用いられるものとした場合について説明する。
【0019】
なお、本明細書においては、上下方向は、図1に示すように積層剥離容器1を正立姿勢とした状態における上下方向を意味するものとし、周方向は、積層剥離容器1の軸線Oを周回する方向を意味するものとし、径方向は、積層剥離容器1の軸線Oに直交する直線に沿う方向を意味するものとし、横断面は、積層剥離容器1の軸線Oに垂直な断面を意味するものとする。
【0020】
外層体2は積層剥離容器1の外殻を構成している。なお、外層体2は、単層構造であってもよいし、ポリエチレンテレフタレートを主材とする主材層と、バリア性等を向上させるための機能層とで構成される複数層構造であってもよい。
【0021】
内層体3は、外層体2よりも厚みが薄い袋状に形成され、外層体2の内面に剥離可能に積層されている。外層体2の内面に対する内層体3の剥離は、接着状態からの剥離、擬似接着状態からの剥離、密着状態からの離間、の何れであってもよい。内層体3の内部は、口部4の開口に連なる収納空間Sとなっており、収納空間Sに内容物を収納することができる。内層体3は、内容物が収納空間Sから外部に注出されるのに伴って、外層体2の内面から剥離しつつ、その内容積を減少させるように減容変形自在である。なお、内層体3も、単層構造であってもよいし、ポリエチレンテレフタレートを主材とする主材層と、バリア性等を向上させるための機能層とで構成される複数層構造であってもよい。
【0022】
本実施の形態では、積層剥離容器1は、外層体2及び内層体3の何れもが2軸延伸可能なポリエチレンテレフタレートで形成されている。このようなポリエチレンテレフタレートとしては、例えばホモPET等が挙げられるが、IPA(イソフタル酸)変性PET又はCHDM変性PET等の他のPETを用いることができる。外層体2を構成するポリエチレンテレフタレートと、内層体3を構成するポリエチレンテレフタレートとは同じ構成とすることも異なる構成とすることもできる。
【0023】
積層剥離容器1は、口部4と、口部4の下端に連なる肩部5と、肩部5の下端に連なる胴部6と、胴部6の下端に連なる底部7とを有するボトル形状となっている。
【0024】
口部4は、軸線Oを中心とする略円筒状となっており、その外周面には注出キャップ等の部材を装着するための雄ねじ4aが一体に設けられている。また、口部4の雄ねじ4aよりも下方側にはネックリング8が一体に設けられている。
【0025】
口部4の外周面に、雄ねじ4aに替えて、注出キャップ等の部材を打栓によってアンダーカット係合させる突起を設けた構成とすることもできる。また、ネックリング8を設けない構成とすることもできる。
【0026】
口部4には外気導入口9が設けられている。本実施の形態では、外気導入口9は、外層体2の口部4を構成する部分に当該外層体2を径方向に貫通する長円形状の貫通孔として、口部4における互いに対向する2箇所に1つずつ設けられている。外気導入口9は、外層体2と内層体3との間に連なっており、内層体3が外層体2から剥離するのに伴って、外層体2と内層体3との間に外気を導入することができる。
【0027】
肩部5は下方に向けて徐々に拡径する形状となっている。本実施の形態では、肩部5は容器外方に向けて凸のドーム状となっており、横断面形状は略円形である。なお、肩部5は、下方に向けて徐々に拡径する形状であれば、その形状は種々変更可能である。
【0028】
胴部6は、全体として略円筒状となっており、その上端において肩部5の下端に一体に連なっている。胴部6は可撓性を有しており、スクイズ(圧搾)されることで弾性変形して径方向内側に向けて凹むことができるとともに、当該弾性力によって凹んだ状態から元の形状に自力で復元することができる。積層剥離容器1は、胴部6を容器内方に向けてスクイズ(押圧)することで、収納空間Sに収納されている内容物を口部4から外部に押し出して注出させることができる。また積層剥離容器1は、内容物の注出後に胴部6が元の形状に容易に復元することで、外層体2と内層体3との間に外気導入口9を通して外気を導入して、内層体3の減容変形を維持することができる。
【0029】
底部7は、胴部6の下端に一体に連なり、胴部6の下端を閉塞している。
【0030】
図1図2に示すように、肩部5には、周方向に並べて複数の凹リブ10が設けられている。なお、便宜上、図1においては1つの凹リブ10にのみ符号を付してある。本実施の形態では凹リブ10は18本設けられているが、その数は適宜設定することができる。各々の凹リブ10は、容器外面から窪むとともに上下方向に延びている。肩部5に複数の凹リブ10を設けた構成とすることにより、口部4に設けられた外気導入口9から胴部6に向けて外層体2と内層体3との間に外気の通路が容易に形成されるようにして、内層体3を外層体2から剥離し易くすることができる。
【0031】
本実施の形態では、複数の凹リブ10は、肩部5の周方向の全域に周方向に等間隔に並べて設けられている。また、複数の凹リブ10は、上端の高さ(上下方向の高さ)も下端の高さ(上下方向の高さ)も揃っており、互いに同じ形状である。各々の凹リブ10は、上面視で径方向に沿って直線状に延びている。各々の凹リブ10は、上側部分が上下方向に細長い略長円状であり、下側部分が上下方向に細長い帯状となっている。各々の凹リブ10は、下側部分が上側部分よりも周方向の幅が小さくなっている。各々の凹リブ10は肩部5の上端から下端まで延びている。また、各々の凹リブ10は、横断面形状が略円弧状になっている。各々の凹リブ10の深さ(径方向の幅)は、例えば、積層剥離容器1の形状等を考慮して、適宜設定することができる。
【0032】
本実施の形態の積層剥離容器1では、各々の周方向に隣り合う凹リブ10間に、1つのみの凸リブ11が設けられている。つまり、肩部5には、凹リブ10と凸リブ11とが周方向に交互に並べて設けられている。なお、便宜上、図1においては1つの凸リブ11にのみ符号を付してある。各々の凸リブ11は、容器外面から突出するとともに上下方向に延びている。
【0033】
また、複数の凸リブ11は、上端の高さ(上下方向の高さ)も下端の高さ(上下方向の高さ)も揃っており、互いに同じ形状である。各々の凸リブ11は、凹リブ10よりも短く、周方向の両側に隣り合う凹リブ10の高さ範囲内に設けられている。ここで、凸リブ11が「凹リブ10の高さ範囲内に設けられている」とは、凸リブ11の上端の上下方向の高さが凹リブ10の上端の上下方向の高さ以下であり、凸リブ11の下端の上下方向の高さが凹リブ10の下端の上下方向の高さ以上であることを意味している。本実施形態では、凸リブ11の上端が凹リブ10の上端より下方に位置し、凸リブ11の下端が凹リブ10の下端より上方に位置している。各々の凸リブ11は、周方向に隣り合う凹リブ10間の周方向中央に配置されている。また、各々の凸リブ11は、上側部分が上方に向けて徐々に周方向の幅が細くなる先細状であり、下側部分が上下方向に細長い帯状である。各々の凸リブ11は、下側部分が上側部分よりも周方向の幅が大きくなっている。各々の互いに隣り合う凹リブ10と凸リブ11との周方向の距離は下方に向けて大きくなっている。各々の凸リブ11の下側部分の周方向の幅は、周方向の両側に隣り合う凹リブ10の周方向の幅よりも大きい。各々の凸リブ11は、横断面形状が平坦な突出面を有する凸段差状になっている。各々の凸リブ11の下端は、突出高さ(径方向の幅)が下方に向けて徐々に低減している。各々の凸リブ11は、凹リブ10の形状に合わせて、上面視で径方向に沿って直線状に延びている。各々の凸リブ11の突出高さ(径方向の幅)は、例えば、積層剥離容器1の形状や凹リブ10の配置、形状等を考慮して、適宜設定することができる。
【0034】
本実施の形態の積層剥離容器1では、凹リブ10間に凸リブ11を設けたことにより、例えば、胴部6の下端から肩部5の上端又は上下方向中間部までに亘る部分など、肩部5を含む部分にシュリンクラベル等のシュリンク包装材W(図2中の二点鎖線参照)を装着する際に、図2に示すように、スチーム等で加熱されて収縮したシュリンク包装材Wと肩部5における凹リブ10に周方向に隣接する部分との間に隙間Gを形成することができる。したがって、加熱されたシュリンク包装材Wから上記した凹リブ10の周辺部分への熱伝導が隙間Gによって抑制され、その結果、当該部分において加熱により内層体3と外層体2が張りつくことが抑制される。したがって、凹リブ10によって外層体2と内層体3との間に外気の通路を形成することを、より確実に実現することができる。
【0035】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0036】
例えば、前記実施の形態では、各々の周方向に隣り合う凹リブ10間に1つのみの凸リブ11が設けられているが、これに限らず例えば、各々の周方向に隣り合う凹リブ10間に、2つ以上の凸リブ11が設けられていてもよい。また、各々の周方向に隣り合う凹リブ10間に凸リブ11が設けられている部分と、周方向に隣り合う凹リブ10間に凸リブ11が設けられていない部分とが併存していてもよい。
【0037】
また、複数の凸リブ11は、上端の高さ(上下方向の高さ)が揃っていなくてもよい。複数の凸リブ11は、下端の高さ(上下方向の高さ)が揃っていなくてもよい。複数の凸リブ11は互いに同じ形状でなくてもよい。各々の凸リブ11は、周方向の両側に隣り合う凹リブ10の高さ範囲内に設けられていなくてもよい。各々の凸リブ11は、凹リブ10よりも上下方向の長さが短くなくてもよい。各々の凸リブ11は、周方向に隣り合う凹リブ10間の周方向中央に配置されていなくてもよい。各々の凸リブ11は、上側部分が先細状であり、下側部分が帯状である構成に限らず例えば、全体が帯状であってもよい。各々の凸リブ11は、下側部分が上側部分よりも周方向の幅が大きくなっている構成に限らず例えば、上側部分が下側部分よりも周方向の幅が大きくなっていてもよい。各々の互いに隣り合う凹リブ10と凸リブ11との周方向の距離は下方に向けて大きくなっていなくてもよい。各々の凸リブ11は、横断面形状が凸段差状になっていなくてもよい。各々の凸リブ11は上面視で径方向に沿って直線状に延びていなくてもよい。
【0038】
また、前記実施の形態では複数の凹リブ10が周方向に等間隔に並べて設けられているがこれに限らず、複数の凹リブ10は周方向に並べて設けられていればよい。また、複数の凹リブ10は、肩部5の周方向の全域に配置される構成に限らず、肩部5の周方向の一部の領域(例えば半周の領域)のみに配置されてもよい。複数の凹リブ10は、上端の高さ(上下方向の高さ)が揃っていなくてもよい。複数の凹リブ10は、下端の高さ(上下方向の高さ)が揃っていなくてもよい。複数の凹リブ10は互いに同じ形状でなくてもよい。各々の凹リブ10は、上面視で径方向に沿って直線状に延びる構成に限らず例えば、上面視で径方向に対して傾斜して延びていてもよいし、上面視で曲線状に延びていてもよい。各々の凹リブ10は、上側部分が上下方向に細長い略長円状であり、下側部分が上下方向に細長い帯状である構成に限らない。各々の凹リブ10は、下側部分が上側部分よりも周方向の幅が小さくなっているが、これに限らず例えば、実質的に上下方向に亘って同じ周方向の幅を有していてもよい。各々の凹リブ10は肩部5の上端から下端まで延びているが、これに限らず例えば、凹リブ10の上端が肩部5の上端よりも下方に位置していてもよいし、凹リブ10の下端が肩部5の下端より上方又は下方に位置していてもよい。各々の凹リブ10は、横断面形状が略円弧状でなくてもよい。
【0039】
また、前記実施の形態では積層剥離容器1を、注出口を備えた注出キャップが口部4に装着され、胴部6がスクイズされることで内容物を注出するスクイズ式の注出容器に用いられるものとした場合を示したが、胴部6が容易にスクイズ変形しない程度の所定の剛性を有し、ポンプ式注出具が口部4に装着されるポンプ付き容器に用いられるものとすることもできる。
【0040】
さらに、前記実施の形態では内容物として食品調味料を例に挙げているが、内容物は特に限定されず、例えば、飲料等、食品調味料以外の食品や、化粧水等の化粧料や、シャンプー、リンス又は液体石鹸等のトイレタリーなどであってもよい。
【0041】
さらに、前記の実施の形態では、口部4、肩部5及び胴部6は、それぞれ横断面が円形となる形状を有しているが、これに限らず例えば、当該断面が多角形又は楕円形などの他の形状とすることもできる。
【0042】
さらに、前記の実施の形態では、外気導入口9が長円形状をなしているが、これに限らず例えば真円形状をなしていてもよい。また、外気導入口9は、口部4における互いに対向する2箇所に1つずつ設けているが、これに限らず例えば、口部4に3つ以上設けてもよいし、口部4に1つだけ設けてもよい。さらには、外気導入口9は、外層体2の口部4を構成する部分を径方向に貫通する貫通孔として設けられるものに限らず、外層体2と内層体3との境界に開口する隙間状のものであってもよい。
【0043】
さらに、前記実施の形態では、外層体2及び内層体3を、ポリエチレンテレフタレート樹脂製としたが、これに限らず、ポリエチレンテレフタレート樹脂以外の合成樹脂製とすることもできる。例えば、外層体2及び内層体3の一方又は両方を、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂等、ポリエチレンテレフタレート樹脂以外のポリエステル樹脂製としたり、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂等のポリオレフィン樹脂製としたりすることもできる。
【0044】
また、積層剥離容器1は、外層体2に対応する合成樹脂材料と内層体3に対応する合成樹脂材料とが積層された円筒状の積層パリソンを、分割式の金型を用いてブロー成形する押出ブロー成形(EBM:Extrusion Blow Molding)によって形成されたものとすることもできる。
【符号の説明】
【0045】
1 積層剥離容器
2 外層体
3 内層体
4 口部
4a 雄ねじ
5 肩部
6 胴部
7 底部
8 ネックリング
9 外気導入口
10 凹リブ
11 凸リブ
G 隙間
O 軸線
S 収納空間
W シュリンク包装材
図1
図2