(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】白濁液状組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/04 20060101AFI20230724BHJP
A61K 8/63 20060101ALI20230724BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20230724BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230724BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20230724BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230724BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20230724BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
A61K8/04
A61K8/63
A61K8/39
A61K8/34
A61K8/891
A61Q19/00
A61K8/06
A61K8/81
(21)【出願番号】P 2019115398
(22)【出願日】2019-06-21
【審査請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(74)【代理人】
【識別番号】100188260
【氏名又は名称】加藤 愼二
(72)【発明者】
【氏名】富永 直樹
(72)【発明者】
【氏名】井上 東彦
(72)【発明者】
【氏名】李 石
(72)【発明者】
【氏名】浅井 歩
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲陽▼
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-132765(JP,A)
【文献】特開2005-281320(JP,A)
【文献】特開2010-254703(JP,A)
【文献】特開2007-210931(JP,A)
【文献】国際公開第2018/212222(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリオキシエチレンフィトステロール
(b)ジステアリン酸ポリエチレングリコール
(c)ポリオキシエチレンべへニルエーテル
(d)
比重が1より大きい油剤
(e)1価の低級アルコール
(f)多価アルコール
(g)水
を含有し、
成分(d)の配合量に対する成分(a)~(c)の配合量の総和({(a)+(b)+(c)}/(d))が、0.15~1.5の範囲内であ
り、
さらに、成分(a)~(d)の混合物の比重が0.990~1.045の範囲内であり、
成分(e)~(g)を含む水相の比重が、前記成分(a)~(d)の混合物の比重の0.9910~1.0018倍の範囲内であり、
成分(a)~(d)を含む油滴の平均乳化粒子径が0.5~3.0μmの範囲内であり、
30℃における粘度が500mPa・S以下である
白濁液状組成物。
【請求項2】
さらに、成分(a)~(c)の配合量比が、(a):(b):(c)=100:1:1~50:30:30の範囲内である、請求項1に記載の白濁液状組成物。
【請求項3】
(a)ポリオキシエチレンフィトステロール
(b)ジステアリン酸ポリエチレングリコール
(c)ポリオキシエチレンべへニルエーテル
(d)
比重が1より大きい油剤
(e)1価の低級アルコール
(f)多価アルコール
(g)水
(h)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
を含有し、
成分(d)の配合量に対する成分(a)~(c)の配合量の総和({(a)+(b)+(c)}/(d))が、0.15~1.5の範囲内であり、
成分(a)~(d)を含む油滴の平均乳化粒子径が0.5~3.0μmの範囲内であり、
30℃における粘度が500mPa・S以下である、
白濁液状組成物。
【請求項4】
さらに、成分(a)~(c)の配合量比が、(a):(b):(c)=100:1:1~50:30:30の範囲内である、請求項
3に記載の白濁液状組成物。
【請求項5】
(d)
比重が1より大きい油剤として、比重が1より大きいシリコーン油を含むことを特徴とする、請求項1~
4のいずれかに記載の白濁液状組成物。
【請求項6】
前記シリコーン油が、フェニル基を1以上有するシリコーン油である、請求項
5に記載の白濁液状組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白濁した外観を有する液状組成物に関し、より詳細には、当該特性を備えた水中油型化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、化粧料には、肌を柔軟にするための成分として油剤が配合される。
しかしながら、油剤は一般に水相よりも軽いため、水中油型化粧料においては、経時に伴い、油滴が化粧料表面近くに浮上するクリーミングや、油滴が合一して系から分離する現象が起きやすい。クリーミングや分離が起こると一般に化粧料の品質が低下するため、水中油型乳化化粧料においては、これらの現象を抑制するためのさまざまな工夫が行われている。
【0003】
例えば、水相に増粘剤を配合して水相の粘度を上げることにより、油滴の浮上を抑制する方法や、油滴の周囲にαゲル相を形成させることにより、油滴どうしの合一を抑制する方法等が広く行われている。また、内油相比の引き上げや、固形油分の高配合も、前記現象の抑制に効果的であることが知られている。
【0004】
しかしながら、水相の粘度を上げる方法は、乳液状やクリーム状の化粧料の製造には適しているが、当該方法で液状の化粧料を製造するのは困難である。液状という低粘度のままでは、通常、油滴の浮上を効果的には抑制できないからである。また、αゲル相を形成させる方法では、経時に伴い、αゲルの構成成分(高級アルコールや高級脂肪酸)が結晶として析出しやすいという問題が指摘されている(例えば、非特許文献1)。
さらに、内油相比の引き上げや、固形油分の高配合も、液状化粧料の製造には不向きである。油滴の浮上スペースがほぼなくなるほど内油相比を上げたり、固形油分を高配合し過ぎると、系は必然的に乳液状またはクリーム状となるからである。
【0005】
このように、乳液状やクリーム状の水中油型組成物においてクリーミングや分離を効果的に抑制する方法は多数知られているが、液状の水中油型組成物に対して有効な方法はあまり知られていなかった。
【0006】
さらに、近年、液状化粧料(特に、化粧水)の分野では、白濁した外観を好む消費者が増えつつある。これは、透明な液状化粧料よりも白濁した液状化粧料の方が、肌に対する保湿感、しっとり感、こく感等を想起させるからではないかと考えられている。
白濁化粧料は一般に、界面活性剤と油分を溶解したエタノールを水相に分散させて製造される。しかしながら、当該製造工程では、界面活性剤と油分のバランスの調整が難しく、白濁の程度が不十分であったり、経時安定性に優れる白濁化粧料を得ることは容易ではなかった。
【0007】
このような理由から、十分に白濁した外観を有する液状組成物であって、乳化安定性に優れる水中油型組成物(特に好ましくは、水中油型化粧料)の製造が強く望まれていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】Kei Watanabe et al., J. Oleo Sci., 61:29-34(2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、十分に白濁した外観を有し、乳化安定性に優れる、液状の水中油型組成物(特に好ましくは、水中油型化粧料)の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、(a)ポリオキシエチレンフィトステロール、(b)ジステアリン酸ポリエチレングリコール、及び(c)ポリオキシエチレンべへニルエーテルを用いて(d)油剤を乳化し、成分(d)の配合量に対する成分(a)~(c)の配合量の総和({(a)+(b)+(c)}/(d))が0.15~1.5の範囲内となるように調節することで、白濁度の高い液状化粧料が定法にて簡便に製造できることを見出した。
さらに、当該成分(a)~(d)の混合物の比重が0.990~1.045の範囲内であり、(e)1価の低級アルコール、(f)多価アルコール、及び(g)水を含む水相の比重が前記成分(a)~(d)の混合物の比重の0.9910~1.0018倍の範囲内である場合に、平均乳化粒子径が0.5~3.0μmの範囲内で白濁した外観を有し、乳化安定性に優れ、30℃における粘度が500mPa・S以下である液状の水中油型組成物が得られることを見出した。
さらに、本発明者らは、成分(d)の配合量に対する成分(a)~(c)の配合量の総和({(a)+(b)+(c)}/(d))が0.15~1.5の範囲内という条件下で、成分(a)~(c)を用いて(d)を乳化し、水相成分として(h)疎水基を有する水溶性高分子を配合することによっても、前記目的の水中油型組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] (a)ポリオキシエチレンフィトステロール、(b)ジステアリン酸ポリエチレングリコール、(c)ポリオキシエチレンべへニルエーテル、(d)油剤、(e)1価の低級アルコール、(f)多価アルコール、(g)水
を含有し、
成分(d)の配合量に対する成分(a)~(c)の配合量の総和({(a)+(b)+(c)}/(d))が、0.15~1.5の範囲内である、
白濁液状組成物。
[2] さらに、成分(a)~(c)の配合量比が、(a):(b):(c)=100:1:1~50:30:30の範囲内である、
前記[1]に記載の白濁液状組成物。
[3] さらに、成分(a)~(d)の混合物の比重が0.990~1.045の範囲内であり、成分(e)~(g)を含む水相の比重が、前記成分(a)~(d)の混合物の比重の0.9910~1.0018倍の範囲内であり、成分(a)~(d)を含む油滴の平均乳化粒子径が0.5~3.0μmの範囲内であり、30℃における粘度が500mPa・S以下である、
前記[1]または[2]に記載の白濁液状組成物。
[4] (a)ポリオキシエチレンフィトステロール、(b)ジステアリン酸ポリエチレングリコール、(c)ポリオキシエチレンべへニルエーテル、(d)油剤、(g)水、(h)疎水基を有する水溶性高分子、を含有し、
成分(d)の配合量に対する成分(a)~(c)の配合量の総和({(a)+(b)+(c)}/(d))が、0.15~1.5の範囲内であり、
成分(a)~(d)を含む油滴の平均乳化粒子径が0.5~3.0μmの範囲内であり、
30℃における粘度が500mPa・S以下である、
白濁液状組成物。
[5] さらに、成分(a)~(c)の配合量比が、(a):(b):(c)=100:1:1~50:30:30の範囲内である、
前記[4]に記載の白濁液状組成物。
[6] (d)油剤として、比重が1より大きいシリコーン油を含むことを特徴とする、前記[1]~[5]のいずれかに記載の白濁液状組成物。
[7] 前記シリコーン油が、フェニル基を1以上有するシリコーン油である、前記[6]に記載の白濁液状組成物。
[8] 成分(h)の疎水基がアルキル基である、前記[4]~[7]のいずれかに記載の白濁液状組成物。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、十分に白濁した外観を有し、乳化安定性に優れる、液状の水中油型組成物(及び水中油型化粧料)が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る好適な実施形態について説明する。
本開示に係る白濁液状組成物は、水相中に、成分(a)~(d)からなる乳化粒子が安定に分散した組成物である。当該乳化粒子は、(d)油剤の周囲を成分(a)~(d)からなるゲル相が取り囲んだ構造をしており、平均乳化粒子径は0.5~3.0μmである。本願組成物の白濁という特徴は、平均乳化粒子径が上記範囲内である巨大な乳化粒子が、水相中に安定に分散していることに起因すると考えられる。そして、粘度は、30℃において500mPa・S以下と極めて低く、常温(20℃)で液状の組成物である。
【0014】
本開示に係る第一の実施態様として、成分(a)~(g)を含有し、成分(d)の配合量に対する成分(a)~(c)の配合量の総和({(a)+(b)+(c)}/(d))が0.15~1.5の範囲内である白濁液状組成物が示される。
【0015】
また、本開示に係る第二の実施態様として、第一の実施態様においてさらに、成分(a)~(d)の混合物の比重が0.990~1.045の範囲内であり、成分(e)~(g)を含む水相の比重が、前記成分(a)~(d)の混合物の比重の0.9910~1.0018倍の範囲内である白濁液状組成物が示される。当該組成物では、水相の比重が乳化粒子の比重と近いために、水相中に乳化粒子が安定に分散することができ、これにより高い乳化安定性が得られると考えられる。
なお、前記「0.9910~1.0018倍」という範囲は、さらに「0.9944~0.9981倍」であってもよい。これにより、乳化安定性が一段と向上するからである。
【0016】
本開示に係る第三の実施態様として、成分(a)~(d)、(g)を含有し、成分(d)の配合量に対する成分(a)~(c)の配合量の総和({(a)+(b)+(c)}/(d))が0.15~1.5の範囲内であって、さらに成分(h)を含む白濁液状組成物が示される。当該組成物では、水相中に存在する成分(h)の疎水基が乳化粒子表面の成分(a)~(c)と相互作用することにより、乳化粒子が水相中に安定に分散することができ、これにより高い乳化安定性が得られると考えられる。
なお、上記第三の態様では、さらに、成分(e)及び(f)を含有してもよい。
【0017】
(a)ポリオキシエチレンフィトステロール
本開示に係る白濁液状組成物に好適に用いることができる(a)ポリオキシエチレンフィトステロールとしては、エチレンオキサイドの平均付加モル数が5~30のものが挙げられる。
好適な化合物の例としては、ポリオキシエチレン(5モル)フィトステロール(例えば、日光ケミカルズ社製、Nikkol BPS-5)、ポリオキシエチレン(10モル)フィトステロール(例えば、日光ケミカルズ社製、Nikkol BPS-10)、ポリオキシエチレン(20モル)フィトステロール(例えば、日光ケミカルズ社製、Nikkol BPS-20)、ポリオキシエチレン(30モル)フィトステロール(例えば、日光ケミカルズ社製、Nikkol BPS-30)等が挙げられる。
【0018】
(b)ジステアリン酸ポリエチレングリコール
本開示に係る白濁液状組成物に好適に用いることができる(b)ジステアリン酸ポリエチレングリコールとしては、エチレンオキサイドの平均付加モル数が4~12のものが挙げられる。
好適な化合物の例としては、ポリオキシエチレン(4モル)ジステアリン酸(例えば、日本エマルジョン社製、Emalex 200DIS)、ポリオキシエチレン(6モル)ジステアリン酸(例えば、日本エマルジョン社製、Emalex 300DIS)、ポリオキシエチレン(8モル)ジステアリン酸(例えば、日本エマルジョン社製、Emalex 400DIS)、ポリオキシエチレン(12モル)ジステアリン酸(例えば、日本エマルジョン社製、Emalex 600DIS)等が挙げられる。
【0019】
(c)ポリオキシエチレンべへニルエーテル
本開示に係る白濁液状組成物に好適に用いることができる(c)ポリオキシエチレンべへニルエーテルとしては、エチレンオキサイドの平均付加モル数が5~20のものが挙げられる。
好適な化合物の例としては、ポリオキシエチレン(5モル)ベヘニルエーテル(例えば、日光ケミカルズ社製、Nikkol BB-5)、ポリオキシエチレン(10モル)ベヘニルエーテル(例えば、日光ケミカルズ社製、Nikkol BB-10)、ポリオキシエチレン(20モル)ベヘニルエーテル(例えば、日光ケミカルズ社製、Nikkol BB-20)等が挙げられる。
【0020】
本開示に係る白濁液状組成物では、成分(a)~(c)の配合量比が、(a):(b):(c)=100:1:1~50:30:30の範囲内であることが好ましい。成分(a)~(c)の総和は、特に限定されないが、組成物中、0.01~1質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05~0.5質量%である。
【0021】
(d)油剤
本開示に係る白濁液状組成物における(d)油剤は、内相としての油相を構成するものであり、油分や油性成分を包含する。本開示に係る白濁液状組成物に用いることができる(d)油剤は、特に限定されることはなく、化粧品や医薬部外品に通常用いられる油剤を適宜使用することができる。
そのような油分の例としては、液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、合成エステル油、シリコーン油等が挙げられる。また、油性成分の例としては、紫外線吸収剤、油溶性薬剤、香料等が挙げられる。
【0022】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0023】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0024】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテル、パルミチン酸セチルらが挙げられる。
【0025】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0026】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0027】
合成エステル油としては、例えば、オクタン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、コハク酸ジオクチル、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0028】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)、アクリルシリコーン類等が挙げられる。
【0029】
シリコーン油は一般に組成物の使用感触を高める効果に優れるため、化粧料への高配合が望まれる油剤である。しかしながら、シリコーン油はシリコーン系界面活性剤以外の乳化剤で乳化することが難しく、さらに、シリコーン系界面活性剤で乳化して得られる水中油型の乳化粒子は、一般に粒子径が大きいため浮きやすい(クリーミングし易い)という問題があった。すなわち、シリコーン油を多く含み、白濁した外観を有し、乳化安定性に優れる液状水中油型乳化組成物を製造することは容易ではなかった。
【0030】
本発明に係る技術を用いれば、シリコーン油を多く含みながらも乳化安定性に優れ、白濁した外観を有する液状水中油型組成物を製造することができる。
特に、比重が1より大きいシリコーン油は、油滴の浮上を制限する効果も期待できるため、液状の水中油型組成物には積極的に配合したい成分である。そのようなシリコーン油の例としては、フェニル基を1以上有するシリコーン油が挙げられ、具体的な化合物としては、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン等が挙げられる。
本開示に係る白濁液状組成物では、(d)油剤の0%、10%、20%、30%、40%、50%が、比重が1より大きいシリコーン油であってもよい。
【0031】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、4-tert-ブチル-4’-メトキシベンゾイルメタン、2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
【0032】
油溶性薬剤としては、例えば、ビタミンA(レチノール)、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKおよびそれらの誘導体等の油溶性ビタミン類(ビタミンA油、パルミチン酸レチノール等)、ビタミンCやアルブチン等の水溶性薬剤の油溶性誘導体(ビタミンCパルミテート等)、油溶性植物抽出物、油溶性香料、表面を疎水化処理した物質、シクロスポリン等が挙げられる。
【0033】
香料としては、動物または植物より得られる天然香料、化学的合成手段によって製造される合成香料、およびそれらの混合物である調合香料のいずれをも用いることができる。
【0034】
本開示に係る白濁液状組成物における(d)油剤の配合量は、0.01~10質量%であってよく、さらに0.1~1質量%であってもよい。また、(d)油剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本開示に係る白濁液状組成物では、成分(d)の配合量に対する成分(a)~(c)の配合量の総和({(a)+(b)+(c)}/(d))が、0.15~1.5の範囲内であることが好ましい。当該値が0.15未満であると乳化が困難な場合があり、1.5を超えると白濁ではなくなる場合がある。
【0035】
(e)1価の低級アルコール
本開示に係る白濁液状組成物に好適に用いることができる(e)1価の低級アルコールとしては、特に限定されることはなく、化粧料や医薬部外品に通常用いられるものを配合することができる。具体的な化合物の例としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。このうち、エタノールを特に好適に用いることができる。
本開示に係る白濁液状組成物における(e)1価の低級アルコールの配合量は、1~30質量%であってよく、さらに5~20質量%であってもよい。また、成分(e)として、1種または2種以上の化合物を組み合わせて用いることができる。
【0036】
(f)多価アルコール
本開示に係る白濁液状組成物に好適に用いることができる(f)多価アルコールとしては、特に限定されることはなく、化粧料や医薬部外品に通常用いられるものを配合することができる。具体的な化合物の例としては、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
このうち、2-3価のアルコールが好ましく、特に好ましくは、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリンである。
【0037】
本開示の白濁液状組成物における(f)多価アルコールの配合量は、1~30質量%であってよく、さらに5~20質量%であってもよい。また、成分(f)として、1種または2種以上の化合物を組み合わせて用いることができる。
【0038】
(g)水
本開示に係る白濁液状組成物に好適に用いることができる(g)水としては、化粧料や医薬部外品に通常用いられるものを配合することができ、例えば、蒸留水、逆浸透水、イオン交換水等の精製水、及び水道水等が挙げられる。
【0039】
(h)疎水基を有する水溶性高分子
本開示に係る白濁液状組成物に好適に用いることができる(h)疎水基を有する水溶性高分子としては、例えば、天然又は半合成の水溶性高分子、合成の水溶性高分子に、アルキル基等の疎水基を導入したものが挙げられる。アルキル基としては、炭素数が6以上、好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上のものが好適である。
【0040】
天然又は半合成の水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子;メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子等が挙げられる。
【0041】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)等のビニル系高分子;ポリエチレングリコール(分子量1500、4000、6000)等のポリオキシエチレン系高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体共重合系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド化合物、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等のアクリル系高分子;ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられる。
【0042】
本開示に係る白濁液状組成物には、成分(h)として、特に、アルキル変性カルボキシビニルポリマー(アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体)を好適に用いることができる。具体的な化合物としては、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーが挙げられ、市販品としては、カーボポール(Carbopol)1342、PEMULEN TR-1、PEMULEN TR-2(いずれもBF Goodrich社製)が挙げられる。
【0043】
本開示に係る白濁液状組成物における(h)疎水基を有する水溶性高分子の配合量は、0.001~1質量%、好ましくは0.01~0.1質量%であってもよい。また、成分(h)として、1種または2種以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。
【0044】
また、本開示に係る白濁液状組成物には、使用性を整えるなどの目的で、1以上の界面活性剤を適宜配合してもよい。そのような界面活性剤としては、特に限定されることはないが、例えば、親水性非イオン界面活性剤、親油性非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等を配合することができる。
本開示に係る白濁液状組成物における前記界面活性剤の配合量は、0.001~1質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.01~0.1質量%である。
【0045】
本開示に係る白濁液状組成物には、上記成分以外に、化粧料に通常用いられる成分、例えば、保湿剤、増粘剤、粉末、成分(e)及び(f)以外のアルコール、天然高分子、合成高分子、糖類、酸化防止剤、緩衝剤、各種抽出液、安定化剤、防腐剤、色素等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0046】
本開示に係る白濁液状組成物は、水中油型組成物である。特に、水中油型化粧料として好適に提供することができ、具体的な剤型としては、化粧水、美容液、含浸マスク等が挙げられる。
【0047】
本開示に係る液状組成物の外観は、乳白色の白濁を呈する。白濁という特徴は、目視によっても容易に確認できるが、分光光度計を用いてL値(透明度。L値が100に近いほど透明)を測定して判断することもできる。このL値の測定は通常、色差の測定に使用されるものであるが、L値と白濁度とは相関関係があり、白濁度の目安とすることができるからである。
本開示に係る液状組成物では、L値が45以下であることが好ましく、より好ましくは30以下程度、さらに好ましくは20以下、特に好ましくは10以下である。なお、本発明においては、L値が20以下である場合に、“白濁が高い”と判断する。
【0048】
本開示に係る白濁液状組成物は、常法により製造することができる。例えば、水相成分をホモミキサー等で混合・撹拌しながら、ここに油相成分を徐添して乳化することにより得ることができる。ただしこの例示方法に限定されるものでない。
【実施例】
【0049】
以下に具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、下記試験例における配合量は、特に断らない限り質量%である。
最初に、本願実施例で用いた評価方法について説明する。
【0050】
・乳化安定性
各組成物を、室温(約20℃)で2週間保存した後、当該組成物の状態を目視で観察し、下記基準に従って乳化安定性を評価した。
A:クリーミングまたは分離が全く認められなかった。
B:クリーミングがごくわずかに認められた。
C:クリーミングが若干認められたが、すこし振ると容易に均一になった。
D:クリーミングまたは分離が少し認められた。
E:クリーミングまたは分離が顕著に認められた。
本発明では、A-Cである場合に乳化安定性に優れていると判断し、特にAである場合に乳化安定性に非常に優れると判断した。
【0051】
・平均乳化粒子径
製造直後の組成物について、粒子径測定装置LA-950V2(株式会社堀場製作所製)を用いて平均乳化粒子径を測定した。
【0052】
・L値
色差計Spectrophotometer SE7700(日本電色工業株式会社製)を用いて、各組成物のL値を測定した。
【0053】
・粘度
各組成物を30℃で60分間保温した後、B型回転粘度計(ビスメトロン粘度計、芝浦システム株式会社製)を用いて粘度を測定した。
【0054】
試験例1:成分(a)~(g)を含有する組成物の検討
表1に記載した組成の油相パーツ6種類(X1~X6)と、表2及び表3に記載した組成の水相パーツ16種類(Y1~Y16)を製造し、各パーツの比重を測定した。油相パーツ1種類と水相パーツ1種類を組み合わせて、定法に従い、合計68通りの水中油型組成物を製造した。油相パーツと水相パーツの混合比(質量比)は、油相パーツ:水相パーツ=1:10である。
得られた組成物について、当該水相パーツの比重を当該油相パーツの比重で除した値(=水相パーツの比重/油相パーツの比重)を計算するとともに、前述した方法に従って乳化安定性(室温、2週間)を測定した。結果を表4及び表5に示す。
【0055】
【0056】
表4及び表5に示される組成物のL値はすべて20以下であり、いずれも白濁度の高い液状組成物であった。
よって、成分(a)~(g)を配合し、成分(d)の配合量に対する成分(a)~(c)の配合量の総和({(a)+(b)+(c)}/(d))が0.15~1.5の範囲内となるように調節することで、白濁度の高い液状組成物が得られることが示された。
【0057】
また、成分(a)~(d)の混合物の比重が0.990~1.045の範囲内であって、水相パーツの比重が、油相パーツの比重の0.9910~1.0018倍である組成物(37種類)では乳化安定性に優れ、さらに、0.9944~0.9981倍である組成物(13種類)では乳化安定性に非常に優れていた。
表4及び表5において乳化安定性が“A”であった組成物のうち、油相パーツとしてX1~X4を用いて得られた9種類について、さらにL値、平均乳化粒子径、及び粘度を測定した結果を表6に示す。
【0058】
【0059】
表6に示されるように、乳化安定性に非常に優れていた組成物(試験例1~9)では、平均乳化粒子径が0.5~3.0μmの範囲内でL値が20以下であり、30℃における粘度が500mPa・S以下で、さらさらの液状であった。
【0060】
よって、(a)ポリオキシエチレンフィトステロール、(b)ジステアリン酸ポリエチレングリコール、(c)ポリオキシエチレンべへニルエーテル、(d)油剤、(e)1価の低級アルコール、(f)多価アルコール、及び(g)水を配合し、成分(d)の配合量に対する成分(a)~(c)の配合量の総和({(a)+(b)+(c)}/(d))が0.15~1.5の範囲内であって、さらに、成分(a)~(d)の混合物の比重が0.990~1.045の範囲内で、且つ、成分(e)~(g)を含む水相の比重が、前記成分(a)~(d)の混合物の比重の0.9910~1.0018倍の範囲内であると、平均乳化粒子径が0.5~3.0μmの範囲内で白濁度が高く、且つ、30℃における粘度が500mPa・S以下で、乳化安定性に優れる白濁液状組成物が製造できることが示された。
【0061】
試験例2:成分(a)~(d)、(g)、及び(h)を含む組成物の検討
次に、水溶性高分子の配合による効果を検討した。
表7に記載した処方の水中油型組成物を定法に従って製造し、表中の項目について前述の方法に従って評価した。結果を表7に合わせて示す。
【0062】
【0063】
表7に示されるように、疎水基としてアルキル基を有する水溶性高分子である(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーを配合した場合には、乳化安定性が非常に高く、平均乳化粒子径が0.5~3.0μmの範囲内であって、L値及び粘度も非常に低い、白濁した液状組成物が得られた(試験例10)。これに対し、疎水基を有さないキサンタンガム(試験例11)、カルボキシビニルポリマー(試験例12)、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー(試験例13)や、疎水基としてステアリル基を有するステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース(試験例14)を配合した場合には、乳化安定性に劣る結果となった。
【0064】
よって、成分(d)の配合量に対する成分(a)~(c)の配合量の総和({(a)+(b)+(c)}/(d))が0.15~1.5の範囲内である場合において、(a)ポリオキシエチレンフィトステロール、(b)ジステアリン酸ポリエチレングリコール、(c)ポリオキシエチレンべへニルエーテル、(d)油剤、及び(g)水に加えて、(h)疎水基を有する水溶性高分子を配合することによっても、平均乳化粒子径が0.5~3.0μmの範囲内で白濁度が高く、且つ、30℃における粘度が500mPa・S以下で、乳化安定性に優れる白濁液状組成物が製造できることが示された。