(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-21
(45)【発行日】2023-07-31
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20230724BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230724BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20230724BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/30 339Z
G09F9/30 349D
H01L33/62
(21)【出願番号】P 2019157392
(22)【出願日】2019-08-29
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】金谷 康弘
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-003978(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0229170(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0141516(US,A1)
【文献】特表2016-512347(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0190672(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0346449(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0131375(US,A1)
【文献】国際公開第2012/108142(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0198046(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101414653(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0006058(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0096976(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0294451(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/30-9/46
H01L33/00
33/48-33/64
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上の層間絶縁層と、
前記層間絶縁層上の金属層と、
前記金属層上の発光素子と、を含み、
前記層間絶縁層は、複数の第1凹部を含み、
前記金属層は、前記発光素子と接合する第1領域と、前記第1領域を囲む第2領域と、を含み、
前記第2領域において、複数の第2凹部が、前記複数の第1凹部に沿って設けられ、
前記複数の第2凹部のピッチは、前記発光素子から離れるにしたがって小さくなる表示装置。
【請求項2】
前記基板の表面と平行な面に沿って切断される前記第2凹部の断面形状は、円形、楕円形、または多角形である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2凹部の開口径は、1μm以上10μm以下である請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の第2凹部のピッチは、1μm以上10μm以下である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記層間絶縁層は、さらに、複数の第3凸部を含み、
前記金属層は、さらに、前記第2領域を囲む第3領域を含み、
前記第3領域において、複数の第4凸部が、前記複数の第3凸部に沿って設けられている請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
基板と、
前記基板上の層間絶縁層と、
前記層間絶縁層上の金属層と、
前記金属層上の発光素子と、を含み、
前記層間絶縁層は、複数の第1凸部を含み、
前記金属層は、前記発光素子と接合する第1領域と、前記第1領域を囲む第2領域と、を含み、
前記第2領域において、複数の第2凸部が、前記複数の第1凸部に沿って設けられ、
前記複数の第2凸部のピッチは、前記発光素子から離れるにしたがって小さくなる表示装置。
【請求項7】
前記基板の表面と平行な面に沿って切断される前記第2凸部の断面形状は、円形、楕円形、または多角形である請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2凸部の高さは、0.2μm以上10μm以下である請求項6または請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記複数の第2
凸部のピッチは、1μm以上10μm以下である請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数の第2凸部の高さは、発光素子から離れるにしたがって大きくなる請求項6乃至請求項9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
基板と、
前記基板上の層間絶縁層と、
前記層間絶縁層上の金属層と、
前記金属層上の発光素子と、を含み、
前記層間絶縁層は、複数の第1溝部を含み、
前記金属層は、前記発光素子と接合する第1領域と、前記第1領域を囲む第2領域と、を含み、
前記第2領域において、複数の第2溝部が、前記複数の第1溝部に沿って設けられ、
前記複数の第2溝部のピッチは、前記発光素子から離れるにしたがって小さくなる表示装置。
【請求項12】
前記第2溝部の側面は、テーパーを有する請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第2溝部の深さは、0.2μm以上10μm以下である請求項11または請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記層間絶縁層の材料は、感光性有機樹脂である請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項15】
前記層間絶縁層の材料は、無機絶縁材料である請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項16】
前記発光素子は、マイクロLEDである請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、特にマイクロLEDを用いた表示装置、および表示装置の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の中小型ディスプレイにおいては、液晶やOLED(Organic Light Emitting Diode)を用いたディスプレイが既に製品化されている。なかでも、自発光型素子であるOLEDを用いたOLEDディスプレイは、液晶ディスプレイと比べて、高コントラストでバックライトが不要という利点を有する。しかしながら、OLEDは有機化合物で構成されるため、有機化合物の劣化によってOLEDディスプレイの高信頼性を確保することが難しい。
【0003】
一方、次世代ディスプレイとして、マトリクス状に配列された画素内に微小なマイクロLEDを配置した、いわゆるマイクロLEDディスプレイの開発が進められている。マイクロLEDは、OLEDと同様の自発光型素子であるが、OLEDと異なり、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などを含む無機化合物で構成されるため、OLEDディスプレイと比較すると、マイクロLEDディスプレイは高信頼性を確保しやすい。さらに、マイクロLEDは、発光効率が高く、高輝度にすることもできる。したがって、マイクロLEDディスプレイは、高信頼性、高輝度、高コントラストの次世代ディスプレイとして期待されている。
【0004】
マイクロLEDは、一般的なLEDと同様にサファイア等の基板の上に形成され、基板をダイシングすることによって個々のマイクロLEDに分離される。上述したように、マイクロLEDディスプレイでは、ディスプレイ基板の画素内にダイシングされたマイクロLEDが配置される。
【0005】
画素内に配置されたマイクロLEDは、ディスプレイの表示面側であるマイクロLEDの上面からだけでなく、マイクロLEDの側面や下面からも光が出射される。上面だけでなく、側面や下面からの光も利用することができれば、マイクロLEDディスプレイの発光効率を向上することができる。例えば、OLEDでは、発光素子の下方に凹凸形状の反射層を設けて光取り出し効率を向上させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、マイクロLEDは、高屈折率材料からなる層を多く含むため、マイクロLEDの側面から出射される光も多い。そのため、マイクロLEDの側面から出射される光を利用し、表示装置の表示面からの光取り出し効率を向上する必要がある。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑み、表示面からの光取り出し効率の高い構造を有する表示装置を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、基板と、基板上の層間絶縁層と、層間絶縁層上の金属層と、金属層上の発光素子と、を含み、層間絶縁層は、複数の第1凹部を含み、金属層は、発光素子と接合する第1領域と、第1領域を囲む第2領域と、を含み、第2領域において、複数の第2凹部が、複数の第1凹部に沿って設けられている。
【0010】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、基板と、基板上の層間絶縁層と、層間絶縁層上の金属層と、金属層上の発光素子と、を含み、層間絶縁層は、複数の第1凸部を含み、金属層は、発光素子と接合する第1領域と、第1領域を囲む第2領域と、を含み、第2領域において、複数の第2凸部が、複数の第1凸部に沿って設けられている。
【0011】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、基板と、基板上の層間絶縁層と、層間絶縁層上の金属層と、金属層上の発光素子と、を含み、層間絶縁層は、複数の第1溝部を含み、金属層は、発光素子と接合する第1領域と、第1領域を囲む第2領域と、を含み、第2領域において、複数の第2溝部が、複数の第1溝部に沿って設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略断面図である。
【
図2A】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略部分拡大図である。
【
図2B】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略平面図である。
【
図2C】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略部分拡大図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略部分拡大図である。
【
図3B】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略平面図である。
【
図4A】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略部分拡大図である。
【
図4B】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略平面図である。
【
図5A】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略部分拡大図である。
【
図5B】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略平面図である。
【
図6A】本発明の一実施形態に係る表示装置の作製方法の各ステップにおける表示装置の概略部分拡大図である。
【
図6B】本発明の一実施形態に係る表示装置の作製方法の各ステップにおける表示装置の概略部分拡大図である。
【
図6C】本発明の一実施形態に係る表示装置の作製方法の各ステップにおける表示装置の概略部分拡大図である。
【
図6D】本発明の一実施形態に係る表示装置の作製方法の各ステップにおける表示装置の概略部分拡大図である。
【
図6E】本発明の一実施形態に係る表示装置の作製方法の各ステップにおける表示装置の概略部分拡大図である。
【
図7A】本発明の一実施形態に係る表示装置の作製方法の各ステップにおける表示装置の概略部分拡大図である。
【
図7B】本発明の一実施形態に係る表示装置の作製方法の各ステップにおける表示装置の概略部分拡大図である。
【
図7C】本発明の一実施形態に係る表示装置の作製方法の各ステップにおける表示装置の概略部分拡大図である。
【
図8A】本発明の一実施形態に係る表示装置の作製方法の各ステップにおける表示装置の概略部分拡大図である。
【
図8B】本発明の一実施形態に係る表示装置の作製方法の各ステップにおける表示装置の概略部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各実施形態はあくまで一例にすぎず、当業者が、発明の主旨を保ちつつ適宜変更することによって容易に想到し得るものについても、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。しかし、図示された形状はあくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0014】
本明細書において「αはA、BまたはCを含む」、「αはA,BおよびCのいずれかを含む」、「αはA,BおよびCからなる群から選択される一つを含む」、といった表現は、特に明示が無い限り、αがA~Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0015】
本明細書において、説明の便宜上、「上」または「上方」もしくは「下」または「下方」という語句を用いて説明するが、原則として、構造物が形成される基板を基準とし、基板から構造物に向かう方向を「上」または「上方」とする。逆に、構造物から基板に向かう方向を「下」または「下方」とする。したがって、基板上の発光素子という表現において、発光素子の基板側の面が下面となり、その反対側の面が上面となる。また、基板上の発光素子という表現においては、基板と発光素子との上下関係を説明しているに過ぎず、基板と発光素子との間に他の部材が配置されていてもよい。さらに、「上」または「上方」もしくは「下」または「下方」の語句は、複数の層が積層された構造における積層順を意味するものであり、平面視において重畳する位置関係になくてもよい。
【0016】
本明細書において、「表示装置」とは、発光素子を用いて映像を表示する装置を幅広く含むものであり、表示パネルや表示モジュールだけでなく、他の光学部材(例えば、偏光部材、バックライト、タッチパネル等)が取り付けられた装置も含むものとする。
【0017】
以下の各実施形態は、技術的な矛盾を生じない限り、互いに組み合わせることができる。
【0018】
<第1実施形態>
図1および
図2を用いて、本発明の一実施形態に係る表示装置10について説明する。
【0019】
[表示装置10の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の概略断面図である。具体的には、
図1は、表示装置10の画素を含むように切断された断面図である。
【0020】
図1に示すように、表示装置10は、基板100、第1配線層110、第2配線層120、第1絶縁層130、第2導電層140、第2絶縁層150、第1導電層160、層間絶縁層170、第1接続電極180、金属層190、発光素子200、および第2接続電極210を含む。
【0021】
基板100上には、第1配線層110および第2配線層120が設けられている。第1配線層110および第2配線層120の上には、第1絶縁層130、第2導電層140、第2絶縁層150、および第1導電層160が順に積層されている。第1配線層110上では、第1絶縁層130および第2絶縁層150が開口され、第1導電層160は、第1絶縁層130および第2絶縁層150の開口を介して第1配線層110と電気的に接続されている。また、第2配線層120上では、第1絶縁層130が開口され、第2導電層140は、第1絶縁層130の開口を介して第2配線層120と電気的に接続されている。
【0022】
また、第2絶縁層150および第1導電層160の上には、開口を含む層間絶縁層170が設けられている。層間絶縁層170の開口には第1接続電極180が設けられている。第1接続電極180は、層間絶縁層170の開口を介して第1導電層160と電気的に接続されている。第1接続電極180上には、金属層190が設けられている。金属層190は、第1接続電極180と電気的に接続されている。金属層190上には発光素子200が設けられている。発光素子200上には、第2接続電極210が設けられている。図示しないが、第2接続電極210は、第2配線層120と電気的に接続されている。なお、層間絶縁層170と第2接続電極210との間の空間内には、平坦化層250として有機樹脂が充填されていてもよい。
【0023】
基板100は、各層を支持することができる。基板100として、例えば、ポリイミド基板、アクリル基板、シロキサン基板、またはフッ素樹脂基板などの樹脂を含み、可撓性を有するフレキシブル基板を用いることができる。基板100の耐熱性を向上させるために、上記の樹脂に不純物を導入してもよい。基板100が透明である必要はない場合は、基板100の透明度が低下する不純物を用いることができる。一方、基板100が可撓性を有する必要がない場合は、基板100としてガラス基板、石英基板、およびサファイア基板など、透光性を有し、可撓性を有しない剛性基板を用いることができる。さらに、基板100としてシリコン基板、炭化シリコン基板、化合物半導体基板などの半導体基板や、ステンレス基板などの導電性基板など、透光性を有さない基板を用いることができる。また、基板100として、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜が成膜された基板を用いることもできる。
【0024】
第1配線層110、第2配線層120、第1導電層160、第2導電層140、および第1接続電極180の各々は、金属材料を用いることができる。金属材料としては、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、およびこれらの合金または化合物を用いることができる。また、これらの金属材料を積層して、第1配線層110、第2配線層120、第1導電層160、第2導電層140、または第1接続電極180とすることもできる。
【0025】
第1絶縁層130および第2絶縁層150の各々は、絶縁性材料を用いることができる。絶縁性材料としては、例えば、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)、窒化シリコン(SiNx)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化窒化アルミニウム(AlOxNy)、窒化酸化アルミニウム(AlNxOy)、窒化アルミニウム(AlNx)などの無機絶縁材料を用いることができる。ここで、SiOxNyおよびAlOxNyは、酸素(O)よりも少ない量の窒素(N)を含有するシリコン化合物およびアルミニウム化合物である。また、SiNxOyおよびAlNxOyは、窒素よりも少ない量の酸素を含有するシリコン化合物およびアルミニウム化合物である。また、第1絶縁層130および第2絶縁層150の各々は、上記のような無機絶縁材料だけでなく、有機絶縁材料を用いることもできる。有機絶縁材料として、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはシロキサン樹脂などを用いることができる。第1絶縁層130および第2絶縁層150の各々は、無機絶縁材料および有機絶縁材料が各々単独で用いられてもよく、これらが積層されてもよい。
【0026】
層間絶縁層170は、層間絶縁層170の下方の層の段差を平坦にすることができる。層間絶縁層170の材料として、例えば、感光性アクリル樹脂または感光性ポリイミド樹脂などの感光性有機材料を用いることができる。また、第1絶縁層130および第2絶縁層150で用いる無機絶縁材料を用いることもできる。さらに、層間絶縁層170は積層構造とすることもできる。積層構造は、有機材料と無機絶縁材料との積層であってもよい。
【0027】
金属層190は、発光素子200からの発光を反射することができる。また、金属層190は、発光素子200の電極と、第1接続電極180とを電気的に接続するため導電性を有する。金属層190の材料として、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、または白金(Pt)などの高い反射率を有する金属材料を用いることが好ましい。なお、金属層190の材料として、第1配線層110、第2配線層120、第1導電層160、第2導電層140、および第1接続電極180で用いる金属材料を用いることもできる。
【0028】
層間絶縁層170および金属層190の構成の詳細については、後述する。
【0029】
発光素子200は、例えば、発光ダイオード(LED)またはレーザダイオード(LD)である。なお、発光ダイオードには、ミニLEDまたはマイクロLEDが含まれる。
【0030】
発光素子200は、表示装置10の各画素に設けられるが、各画素には、赤色発光素子、緑色発光素子、および赤色発光素子のいずれか1つが設けられる。赤色発光素子の赤色発光、緑色発光素子の緑色発光、および青色発光素子の青色発光を組み合わせることで、表示装置10は、フルカラー表示が可能となる。また、各画素の発光素子200を白色発光素子とし、カラーフィルタを介して赤色発光、緑色発光、および青色発光を取り出すことでも、表示装置10は、フルカラー表示が可能となる。さらに、各画素の発光素子200を紫外発光素子とし、赤色蛍光体、緑色蛍光体、および青色蛍光体を介して、赤色発光、緑色発光、および青色発光を取り出すことでも、表示装置10は、フルカラー表示が可能となる。
【0031】
表示装置10において、複数の発光素子200は、マトリクス状に配置されてもよく、千鳥状またはストライプ状に配置されていてもよい。
【0032】
発光素子200の構造は、電極が垂直方向に配置される垂直電極構造に限られない。発光素子200の構造として、電極が水平方向に配置される水平電極構造も可能である。
図1に示す発光素子200は垂直電極構造を有し、発光素子200の電極の一方が金属層190と電気的に接続し、発光素子200の電極の他方が第2接続電極210と電気的に接続されている。
【0033】
発光素子200は、金属層190上に設けられるが、金属層190と発光素子200とは、スズ(Sn)またはスズを含む合金などのはんだ、銀(Ag)ペースト、もしくはACFなどの導電材料によって接合され、電気的に接続されている。
【0034】
第2接続電極210は、発光素子200からの発光を透過することができる。また、第2接続電極210は、導電性が高いことが好ましい。第2接続電極210の材料として、例えば、インジウム・スズ酸化物(ITO)またはインジウム・亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電性酸化物を用いることができる。
【0035】
続いて、
図2を用いて、発光素子200が設けられる領域における層間絶縁層170および金属層190の構成の詳細について説明する。
【0036】
図2Aおよび
図2Bは、本発明の一実施形態に係る表示装置10の概略部分拡大図および概略平面図である。具体的には、
図2Aは、
図1に示す破線で囲まれた領域11を拡大した断面図である。また、
図2Bは、
図2Aの領域11に対応する平面図である。なお、
図2Bでは、便宜上、発光素子200上の第2接続電極210が省略されている。
【0037】
図2Aに示すように、層間絶縁層170には、層間絶縁層170の上面から窪んだ複数の第1凹部171が設けられている。金属層190は、層間絶縁層170の複数の第1凹部171を覆うように設けられ、複数の第1凹部171と重畳して複数の第2凹部191が設けられている。すなわち、金属層190は、発光素子200と接合する第1領域190-1と、第1領域190-1の外側に位置する複数の第2凹部191が設けられた第2領域190-2とを含む。なお、
図2Bに示すように、第2凹部191が設けられた第2領域190-2は、第1領域190-1を囲むように設けられている。
【0038】
図2に示す金属層190の複数の第2凹部191は、発光素子200を囲むようにマトリクス状に配置されているが、複数の第2凹部191の配置はこれに限られない。複数の第2凹部191の配置は、例えば、千鳥状にすることもできる。さらに、複数の第2凹部191の配置をランダムにすることもできる。
【0039】
複数の第2凹部191がマトリクス状または千鳥状のように規則的に配置される場合、複数の第2凹部191のピッチ(隣接する2つの第2凹部間の距離)は、0.5μm以上50μm以下であり、好ましくは1μm以上10μm以下である。また、複数の第2凹部191のピッチは、発光素子200から離れるにしたがって小さくすることもできる。すなわち、第2領域190-2の発光素子200に近い領域では第2凹部191の密度が小さく、第2領域190-2の発光素子200から遠い領域では第2凹部191の密度は大きくすることもできる。このようにすることで、発光素子200の上面方向において、発光効率が向上する。
【0040】
金属層190の厚さは、例えば、0.2μm以上3μm以下、好ましくは0.5μm以上2μm以下、さらに好ましくは0.75μm以上1.5μm以下である。第2凹部191の深さ(金属層190の上面から第2凹部191の底面までの距離)および開口径は、層間絶縁層170の第1凹部171の形状だけでなく、金属層190の厚さによっても調節することができる。金属層190の厚さが小さい場合、第2凹部191の形状は、第1凹部171の形状に近くなる。一方、金属層190の厚さが大きい場合、第2凹部191の深さおよび開口径は小さくなる。また、金属層190の厚さが小さいと、金属層190の抵抗が高くなる。一方、金属層190の厚さが大きいと、金属層190の成膜および加工に時間を要するため、表示装置10の製造タクトが長くなる。そのため、金属層190の厚さは、上記範囲であることが好ましい。
【0041】
第2凹部191の深さは、例えば、0.2μm以上10μm以下であり、金属層190の1/2以上の深さ、さらには金属層190の厚さよりも大きい深さであることが好ましい。また、第2凹部191の側面はテーパーを有していてもよい。すなわち、第2凹部191の側面は、金属層190の上面に対して垂直でなくてもよい。金属層190の上面と第2凹部191の側面とのなす角は、例えば、20度以上90度以下、好ましくは30度以上80度以下、さらに好ましくは30度以上70度以下である。
【0042】
図2Bに示す第2凹部191の断面形状は円形であるが、第2凹部191の断面形状はこれに限られない。第2凹部191の断面形状は、楕円形または多角形とすることもできる。また、第2凹部の開口径は、0.1μm以上50μm以下であり、好ましくは1μm以上10μm以下である。
【0043】
図2Cは、本発明の一実施形態に係る表示装置10の概略部分拡大図である。具体的に、
図2Cは、発光素子200からの発光の光路および反射を示した部分拡大図である。
【0044】
発光素子200からの発光は、上面から出射される光L1だけでなく、側面から出射される光L2を含む。側面から出射される光L2は、金属層190で反射され、発光素子200の上面方向に進む。ここでは、入射角と反射角とが等しい反射である。本実施形態に係る表示装置10では、金属層190に第2凹部191が設けられ、入射角と反射角とを変えることができる。具体的には、金属層190の第2凹部191によって、反射角を入射角よりも大きくすることができる。そのため、第2凹部191が設けられていない金属層190に比べて、側面から出射される光L2が第2凹部191で反射されて、発光素子200の上面方向に進む光L3が増加する。したがって、表示装置10は、発光素子200の上面方向において、発光効率が向上する。
【0045】
以上、本実施形態の表示装置10によれば、金属層190に第2凹部191が設けられていることにより、表示装置10の発光素子200の上面方向において発光効率が向上する。言い換えると、金属層190に第2凹部191によって、表示装置10は、表示面からの光取り出し効率が向上する。また、金属層190の第2凹部191は、層間絶縁層170の第1凹部171に沿って設けられるため、別途第2凹部191を形成する必要がない。したがって、表示装置10は、コストが抑制された表示装置となる。
【0046】
表示装置10は様々な変形、または修正が可能である。そこで、
図3~
図5を用いて、表示装置10の変形例である表示装置10A、表示装置10B、および表示装置10Cについて説明する。以下では、上述した表示装置10と同様の構成については説明を省略し、主に、表示装置10と異なる構成について説明する。なお、表示装置10の変形例は、これらに限られない。
【0047】
[変形例1]
図3Aおよび
図3Bは、本発明の一実施形態に係る表示装置10Aの概略部分拡大図および概略平面図である。具体的には、
図3は、
図1に示す破線で囲まれた領域11に対応する表示装置10Aの領域11Aの部分拡大図である。なお、
図3Bでは、便宜上、発光素子200上の第2接続電極210が省略されている。
【0048】
図3Aおよび
図3Bに示すように、表示装置10Aは、層間絶縁層170A、金属層190A、および発光素子200を含む。層間絶縁層170Aには、層間絶縁層170Aの上面から突出した複数の第1凸部171Aが設けられている。金属層190Aは、層間絶縁層170Aの複数の第1凸部171Aを覆うように設けられ、複数の第1凸部171Aと重畳して複数の第2凸部191Aが設けられている。すなわち、金属層190Aは、発光素子200と接合する第1領域190A-1と、第1領域190A-1の外側に位置する複数の第2凸部191Aが設けられた第2領域190A-2とを含む。なお、
図3Bに示すように、第2凸部191Aが設けられた第2領域190A-2は、第1領域190A-1を囲むように設けられている。
【0049】
第2凸部191Aの高さ(金属層190Aの上面から第2凸部191Aの上面までの距離)は、例えば、0.2μm以上10μm以下である。また第2凸部191Aの高さは、金属層190の1/2以上、さらには金属層190の厚さより大きい高さであることが好ましい。また、第2凸部191Aの側面はテーパーを有していてもよい。すなわち、第2凸部191Aの側面は、金属層190Aの上面に対して垂直でなくてもよい。金属層190Aの上面と第2凸部191Aの側面とのなす角は、例えば、20度以上90度以下、好ましくは30度以上80度以下、さらに好ましくは40度以上70度以下である。
【0050】
第2凸部191Aの断面形状は、円形、楕円形、または多角形とすることができる。また、第2凸部191Aの直径(または一辺の長さ)は、0.1μm以上50μm以下であり、好ましくは1μm以上10μm以下である。さらに、複数の第2凸部191Aのピッチは、0.5μm以上50μm以下であり、好ましくは1μm以上10μm以下である。
【0051】
複数の第2凸部191Aのピッチは、発光素子200から離れるにしたがって小さくすることもできる。すなわち、第2領域190A-2の発光素子200に近い領域では第2凸部191Aの密度が小さく、第2領域190A-2の発光素子200から遠い領域では第2凸部191Aの密度は大きくすることもできる。このようにすることで、発光素子200の上面方向において、発光効率が向上する。
【0052】
さらに、複数の第2凸部の高さを、発光素子200から離れるにしたがって大きくすることもできる。このようにすることで、発光素子200の上面方向において、さらに発光効率が向上する。
【0053】
図3に示す表示装置10Aにおいても、発光素子200の側面から出射される光が第2凸部191Aで反射され、発光素子200の上面方向に進む光が増加する。したがって、表示装置10Aは、発光素子200の上面方向において、発光効率が増加する。
【0054】
以上、変形例1の表示装置10Aによれば、金属層190Aに第2凸部191Aが設けられていることにより、表示装置10Aの発光素子200の上面方向において発光効率が向上する。言い換えると、金属層190Aに第2凸部191Aによって、表示装置10Aは、表示面からの光取り出し効率が向上する。また、金属層190Aの第2凸部191Aは、層間絶縁層170Aの第1凸部171Aに沿って設けられるため、別途第2凸部191Aを形成する必要がない。したがって、表示装置10Aは、コストが抑制された表示装置となる。
【0055】
[変形例2]
図4Aおよび
図4Bは、本発明の一実施形態に係る表示装置10Bの概略部分拡大図および概略平面図である。具体的には、
図4は、
図1に示す破線で囲まれた領域11に対応する表示装置10Bの領域11Bの部分拡大図である。なお、
図4Bでは、便宜上、発光素子200上の第2接続電極210が省略されている。
【0056】
図4Aおよび
図4Bに示すように、表示装置10Bは、層間絶縁層170B、金属層190B、および発光素子200を含む。層間絶縁層170Bには、層間絶縁層170Bの上面から窪んだ複数の第1溝部171Bが設けられている。金属層190Bは、層間絶縁層170Bの複数の第1溝部171Bを覆うように設けられ、複数の第1溝部171Bと重畳して複数の第2溝部191Bが設けられている。すなわち、金属層190Bは、発光素子200と接合する第1領域190B-1と、第1領域190B-1の外側に位置する複数の第2溝部191Bが設けられた第2領域190B-2とを含む。なお、
図4Bに示すように、第2溝部191Bが設けられた第2領域190B-2は、第1領域190B-1を囲むように設けられている。
【0057】
第2溝部191Bの深さ(金属層190Bの上面から第2溝部191Bの底面までの距離)は、例えば、0.2μm以上10μm以下である。第2溝部191Bの深さは、金属層190Bの厚さの1/2以上の深さ、さらには金属層190Bの厚さよりも大きい深さであることが好ましい。また、第2溝部191Bの側面はテーパーを有していてもよい。すなわち、第2溝部191Bの側面は、金属層190Bの上面に対して垂直でなくてもよい。金属層190Bの上面と第2溝部191Bの側面とのなす角は、例えば、20度以上90度以下、好ましくは30度以上80度以下、さらに好ましくは40度以上70度以下である。
【0058】
第2溝部191Bの底面の形状は、直線、または曲線であってもよく、角を含んでいてもよい。また、第2溝部191Bの幅は、0.1μm以上50μm以下であり、好ましくは1μm以上10μm以下である。さらに、複数の第2溝部191Bのピッチは、0.5μm以上50μm以下であり、好ましくは1μm以上10μm以下である。
【0059】
複数の第2溝部191Bのピッチは、発光素子200から離れるにしたがって小さくすることもできる。すなわち、第2領域190B-2の発光素子200に近い領域では第2溝部191Bの密度が小さく、第2領域190B-2の発光素子200から遠い領域では第2溝部191Bの密度は大きくすることもできる。このようにすることで、発光素子200の上面方向において、発光効率が向上する。
【0060】
図4に示す表示装置10Bにおいても、発光素子200の側面から出射される光が第2溝部191Bで反射され、発光素子200の上面方向に進む光が増加する。したがって、表示装置10Bは、発光素子200の上面方向において、発光効率が増加する。
【0061】
以上、変形例2の表示装置10Bによれば、金属層190Bに第2溝部191Bが設けられていることにより、表示装置10Bの発光素子200の上面方向において発光効率が向上する。言い換えると、金属層190Bに第2溝部191Bによって、表示装置10Bは、表示面からの光取り出し効率が向上する。また、金属層190Bの第2溝部191Bは、層間絶縁層170Bの第1溝部171Bに沿って設けられるため、別途第2溝部191Bを形成する必要がない。したがって、表示装置10Bは、コストが抑制された表示装置となる。
【0062】
[変形例3]
図5Aおよび
図5Bは、本発明の一実施形態に係る表示装置10Cの概略部分拡大図および概略平面図である。具体的には、
図5は、
図1に示す破線で囲まれた領域11に対応する表示装置10Cの領域11Cの部分拡大図である。なお、
図5Bでは、便宜上、発光素子200上の第2接続電極210が省略されている。
【0063】
図5Aおよび
図5Bに示すように、表示装置10Cは、層間絶縁層170C、金属層190C、および発光素子200を含む。層間絶縁層170Cには、層間絶縁層170Cの上面から窪んだ複数の第1凹部171Cおよび層間絶縁層170Cの上面から突出した複数の第3凸部172Cが設けられている。金属層190Cは、層間絶縁層170Cの複数の第1凹部171Cおよび複数の第3凸部172Cを覆うように設けられ、複数の第1凹部171Cと重畳して複数の第2凹部191Cおよび複数の第3凸部172Cと重畳して複数の第4凸部192Cが設けられている。すなわち、金属層190Cは、発光素子200と接合する第1領域190C-1と、第1領域190C-1の外側に位置する複数の第2凹部191Cが設けられた第2領域190C-2と、第2領域190C-2の外側に位置する複数の第4凸部192Cが設けられた第3領域190C-3とを含む。なお、
図5Bに示すように、第2凹部191Cが設けられた第2領域190C-2は、第1領域190C-1を囲むように設けられ、第4凸部192Cが設けられた第3領域190C-3は、第2領域190C-2を囲むように設けられている。
【0064】
第2凹部191Cの深さおよび第4凸部192Cの高さは、それぞれ、上述した第2凹部191の深さおよび第2凸部191Aの高さと同様にすることができる。また、第2凹部191Cの側面および第4凸部192Cの側面はテーパーを有していてもよい。すなわち、第2凹部191Cの側面および第4凸部192Cは、金属層190Cの上面に対して垂直でなくてもよい。金属層190Cの上面と第2凹部191Cの側面または第4凸部192Cとのなす角は、それぞれ、上述した第2凹部191または第2凸部191Aと同様とすることができる。
【0065】
第2凹部191Cの断面形状および第4凸部192Cの断面形状も、それぞれ、上述した第2凹部191および第2凸部191Aと同様とすることができる。また、第2凹部191Cの開口径および第4凸部192Cの直径も、上述した第2凹部191および第2凸部191Aと同様とすることができる。さらに、複数の第2凹部191Cのピッチおよび複数の第4凸部192Cのピッチも、それぞれ、上述した第2凹部191および第2凸部191Aと同様とすることができる。なお、複数の第4凸部192Cのピッチを、第2凹部191Cのピッチよりも小さくすることもできる。
【0066】
図5に示す表示装置10Cにおいても、発光素子200の側面から出射される光が第2凹部191Cおよび第4凸部192Cで反射され、発光素子200の上面方向に進む光が増加する。したがって、表示装置10Cは、発光素子200の上面方向において、発光効率が増加する。
【0067】
以上、変形例3の表示装置10Cによれば、金属層190Cに第2凹部191Cおよび第4凸部192Cが設けられていることにより、表示装置10Cの発光素子200の上面方向において発光効率が向上する。言い換えると、金属層190Cに第2凹部191Cによって、表示装置10Cは、表示面からの光取り出し効率が向上する。また、金属層190Cの第2凹部191Cおよび第4凸部192Cは、それぞれ、層間絶縁層170Cの第1凹部171Cおよび第3凸部172Cに沿って設けられるため、別途第2凹部191Cおよび第4凸部192Cを形成する必要がない。したがって、表示装置10Cは、コストが抑制された表示装置となる。
【0068】
<第2実施形態>
図6を用いて、本発明の一実施形態に係る表示装置10の作製方法について説明する。
【0069】
図6A~
図6Eは、本発明の一実施形態に係る表示装置10の作製方法の各ステップにおける表示装置10の概略部分拡大図である。具体的には、
図6A~
図6Eは、作製方法の各ステップにおける
図1に示す破線で囲まれた領域11の部分拡大図である。なお、
図6A~
図6Eでは、層間絶縁層170より下方の層を省略している。層間絶縁層170より下方の層は、通常の方法で作製することができる。
【0070】
まず、層間絶縁層170を形成する。層間絶縁層170の材料は、感光性アクリル樹脂または感光性ポリイミド樹脂などの感光性有機樹脂を用いることができる。層間絶縁層170は、スピンコート、スリットコート、印刷またはインクジェットなどによって形成することができる。次に、フォトマスク400をマスクとして露光すると、層間絶縁層170は、フォトマスク400が開口されている部分310が感光される(
図6A)。次に、層間絶縁層170を現像すると、層間絶縁層170の感光された部分に開口320が形成される(
図6B)。次に、層間絶縁層170に熱を加えてリフロー処理を行うと、開口320の底面側が埋まり、開口320の上面側が埋まらないため、層間絶縁層170に第1凹部171が形成される(
図6C)。次に、金属層190を成膜する。金属層190は、スパッタリングまたはCVDなどによって成膜することができる。金属層190は、第1凹部171が形成された層間絶縁層170を覆うように成膜されるため、金属層190には、第1凹部171と重畳する第2凹部191が形成される(
図6D)。次に、第2凹部191が形成されていない第1領域190-1上に、はんだ、銀ペースト、またはACFなどの接合材料220を塗布し、発光素子200を接合する(
図6E)。なお、接合の際に熱処理を行うことができる。
【0071】
表示装置10の作製における以降のステップは通常の方法で作製することができるため、ここでは説明を省略する。
【0072】
以上、本実施形態の表示装置10の作製方法によれば、層間絶縁層170に第1凹部171を形成し、第1凹部171を覆うように金属層190を成膜することにより、金属層190に第2凹部191を形成することができる。そのため、コストを増加させることなく、金属層190に第2凹部191を含む表示装置10を作製することができる。
【0073】
表示装置10の作製方法は様々な変形、または修正が可能である。そこで、
図7および
図8を用いて、表示装置10の作製方法の変形例について説明する。
【0074】
<変形例1>
図7A~
図7Cは、本発明の一実施形態に係る表示装置10の作製方法の各ステップにおける表示装置10の概略部分拡大図である。具体的には、
図7A~
図7Cは、作製方法の各ステップにおける
図1に示す破線で囲まれた領域11の部分拡大図である。なお、
図7A~
図7Cでは、層間絶縁層170より下方の層を省略している。層間絶縁層170より下方の層は、通常の方法で作製することができる。
【0075】
まず、第1層間絶縁層170-1および第2層間絶縁層170-2を形成する。第1層間絶縁層170-1の材料はアクリル樹脂またはポリイミド樹脂などの有機樹脂を、第2層間絶縁層の材料は感光性アクリル樹脂または感光性ポリイミド樹脂などの感光性有機樹脂を用いることができる。第1層間絶縁層170-1および第2層間絶縁層170-2は、スピンコート、スリットコート、印刷またはインクジェットなどによって形成することができる。次に、フォトマスク400をマスクとして露光すると、第2層間絶縁層170-2は、フォトマスク400が開口されている部分330が感光される(
図7A)。次に、第2層間絶縁層170-2を現像すると、第2層間絶縁層170-2の感光された部分に開口340が形成される(
図7B)。次に、第2層間絶縁層170-2に熱を加えて、第1層間絶縁層170-1と第2層間絶縁層170-2との界面で材料を混合し、第1層間絶縁層170-1と第2層間絶縁層170-2とが一体化した層間絶縁層170が形成されるとともに、層間絶縁層170に第1凹部171が形成される(
図7C)。
【0076】
変形例1における表示装置10の作製における以降のステップは、上述した作製方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0077】
以上、変形例1の表示装置10の作製方法によれば、第2層間絶縁層170-2の厚さによって第1凹部171の開口径および深さが決定されるため、金属層190の第2凹部191の開口径および深さを制御することができる。したがって、金属層190の第2凹部191を制御して形成することができる。
【0078】
<変形例2>
図8Aおよび
図8Bは、本発明の一実施形態に係る表示装置10の作製方法の各ステップにおける表示装置10の概略部分拡大図である。具体的には、
図8Aおよび
図8Bは、作製方法の各ステップにおける
図1に示す破線で囲まれた領域11の部分拡大図である。なお、
図8Aおよび
図8Bでは、層間絶縁層170より下方の層を省略している。層間絶縁層170より下方の層は、通常の方法で作製することができる。
【0079】
まず、層間絶縁層170を形成する。層間絶縁層170の材料は、酸化シリコンまたは窒化シリコンなどの無機絶縁材料を用いることができる。層間絶縁層170は、スパッタリングまたはCVDなどによって形成することができる。次に、層間絶縁層170上にフォトレジスト350を塗布する。次に、フォトマスク400をマスクとして露光すると、フォトレジスト350は、フォトマスク400が開口されている部分360が感光される(
図8A)。なお、ここでは、フォトレジスト350がポジ型レジストとして説明したが、フォトレジスト350はネガ型レジストであってもよい。フォトレジスト350がネガ型レジストである場合は、感光された部分がエッチングによって残るため、フォトマスク400の開口部は
図8Aの逆となる。
【0080】
次に、フォトレジスト350を現像する。フォトレジスト350の感光された部分360に開口が形成される。次に、開口されたフォトレジスト350をマスクとして層間絶縁層170をエッチングする。エッチングは、ウェットエッチングであってもよく、ドライエッチングであってもよい。層間絶縁層170のエッチングにより、層間絶縁層170に第1凹部171が形成される(
図8B)。次に、フォトレジスト350を剥離する。
【0081】
変形例2における表示装置10の作製における以降のステップは、上述した作製方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0082】
以上、変形例2の表示装置10の作製方法によれば、層間絶縁層170の材料が無機絶縁材料であっても、フォトリソグラフィーを用いて、層間絶縁層170に第1凹部171を形成することができる。第1凹部171を覆うように金属層190を成膜することにより、金属層190に第2凹部191を形成することができるため、コストを増加させることなく、金属層190に第2凹部191を含む表示装置10を作製することができる。
【0083】
以上は、主に、フォトリソグラフィーを用いて層間絶縁層170に第1凹部171を形成する方法について説明したが、金型を用いて層間絶縁層170に第1凹部171を形成することもできる。
【0084】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態の表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0085】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0086】
10、10A、10B、10C:表示装置、 11、11A、11B、11C:領域、 100 基板、 110:第1配線層、 120:第2配線層、 130:第1絶縁層、 140:第2導電層、 150:第2絶縁層、 160:第1導電層、 170、170A、170B、170C:層間絶縁層、 170-1:第1層間絶縁層、 170-2:第2層間絶縁層、 171:第1凹部、 171A:第1凸部、 171B:第1溝部、 171C:第1凹部、 172C:第3凸部、 180:第1接続電極、 190:金属層、190A、190B、190C 190-1、190A-1、190B-1、190C-1:第1領域、 190-2、190A-2、190B-2、190C-2:第2領域、 190C-3:第3領域、 191:第2凹部、 191A:第2凸部、 191B:第2溝部、 191C:第2凹部、 192C:第4凸部、 200:発光素子、 210:第2接続電極、 220:接合材料、 250:平坦化層、310:部分、 320:開口、 330:部分、 340:開口、 350:フォトレジスト、 360:部分、 400:フォトマスク